JP3962281B2 - ロボット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボットに関するものである。特に、ロボットの関節の剛性を調整可能とする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上肢や下肢を有する人型ロボットや動物型ロボットの開発が活発化している。このようなロボットは、胴体側部材に関節を介して末端側部材を接続し、その関節を回転させることにより、歩いたり、物を持ったり、物を操作したりする。
関節の回転は、関節の回転軸に取付けたモータの回転によって行われたり、関節の回転軸に取付けたプーリに接続したワイヤをアクチュエータが引く等によって行われたりしている。
なお、ここで「胴体側部材と末端側部材」とは、例えば、「胴体部と頭部」、「胴体部と上腕部」、「上腕部と前腕部」、「前腕部と手平部」、「手平部と手指部」、「胴体部と大腿部」、「大腿部と下腿部」、「下腿部と足部」等を言う。なお、足部とは、足首関節より末端側の部材を意味する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のロボットは、関節の剛性を調整することができない。このため、末端側部材が外部に対して柔軟に追従することができない。例えば、足部が凹凸のある地面に接地した場合に、足首関節が柔軟であれば足部が地面の凹凸に倣うことができるが、柔軟でないと(剛性が高いと)足部が地面の凹凸に倣うことができない。足部が地面の凹凸に倣うことができないと、ロボットはバランスを崩して転倒してしまう。しかしながら、常時に柔軟にしておくと、例えば機敏な動作ができず、また、外乱によって容易に姿勢が乱され、常時に柔軟にしておくことも妥当でない。
【0004】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、ロボットの関節の剛性を調整可能とする技術を提供することを課題とする。
本発明では、回転可能な部材の回転中心を挟む両側に2本のワイヤを接続し、一方のワイヤを引くことで時計方向に回転させ、他方のワイヤで引くことで反時計方向に回転させる方式、いわゆるプルプル方式を採用し、ワイヤに非線形バネ(張力と伸びが比例せず、張力が高くなるほど伸びにくくなるバネ)を挿入することで、ロボットの姿勢とは独立に剛性を調整することが可能となるという知見を活用して目的を実現する。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用】
請求項1に記載のロボットは、胴体側部材と、この胴体側部材に回転可能に接続されている末端側部材と、この末端側部材の回転中心を挟んだ両側に端部が取付けられている少なくとも2本のワイヤと、各ワイヤに挿入された非線形バネと、各ワイヤの他端部に接続されて各ワイヤを伸縮させる少なくとも2個のアクチュエータとを備える。この構成を備えると、一方のワイヤを引いて他方のワイヤを緩めることによって末端側部材を回転させることができる。これによって関節角度を変えることができる。一方において、両方のワイヤを強く引くと、関節の回転角を変えないでワイヤ張力を増大させることができる。両ワイヤの張力を高めることによって関節の剛性を高くすることができる。請求項1のロボットでは、アクチュエータ群を制御するコントローラが、末端側部材の回転角に関する情報とワイヤにかける張力に関する情報を入力して、各アクチュエータの作動量を出力する。
コントローラが末端側部材の回転角に関する情報とワイヤにかける張力に関する情報に基づいて各アクチュエータに作動量を出力すると、末端側部材はコントローラに入力された回転角まで回転されるとともに、ワイヤの張力はコントローラに入力された張力に調整される。これによって、回転角と張力の双方を入力された値に調整することができる。
なお、ワイヤにかける張力に関する情報は、全てのワイヤについて入力する必要はない。一方のワイヤの張力を指定すれば、末端側部材を所望の回転角に維持するための力のバランスから、他方のワイヤの張力を計算することができるからである。
【0006】
請求項1に記載のロボットにおいて、コントローラは、末端側部材の回転角に関する情報からワイヤ長さを計算する第1計算部と、張力に関する情報からワイヤの伸びの長さを計算する第2計算部と、両計算部の計算結果からアクチュエータの作動量を計算する第3計算部を有することが好ましい(請求項2)。
このようにして計算された作動量がコントローラから出力されて各アクチュエータが作動すると、末端側部材の回転角とワイヤ張力の双方が意図した値に調整される。
【0007】
請求項3に記載のロボットは、胴体側部材と、この胴体側部材に回転可能に接続されている末端側部材と、この末端側部材の回転中心を挟んだ両側に端部が取付けられている少なくとも2本のワイヤと、各ワイヤに挿入された非線形バネと、各ワイヤの他端部に接続されて各ワイヤを伸縮させる少なくとも2個のアクチュエータと、このアクチュエータ群を制御するコントローラとを備えている。そして、本発明のコントローラは、末端側部材の回転角に関する情報とその末端側部材をその回転角に維持する剛性に関する情報を入力して、各アクチュエータの作動量を出力する。
なお、ここでいう剛性とは、末端側部材に加えられた力に対する末端側部材の回転のし易さの程度を意味する。剛性が低いと回転し易く、剛性が高いと回転しにくい。
コントローラが末端側部材の回転角に関する情報と末端側部材をその回転角に維持する剛性に関する情報に基づいて各アクチュエータに作動量を出力すると、末端側部材はコントローラに入力された回転角まで回転されるとともに、そのときの剛性がコントローラに入力された値に調整される。
【0008】
請求項3に記載のロボットにおいて、コントローラは、末端側部材の回転角に関する情報からワイヤ長さを計算する第1計算部と、剛性に関する情報からワイヤの伸びの長さを計算する第2計算部と、両計算部の計算結果からアクチュエータの作動量を計算する第3計算部を有することが好ましい(請求項4)。
一般的にワイヤ張力が高いほど関節の剛性は高い。しかしながら剛性には張力のみならず、回転中心から計ったモーメントの腕の長さが影響する。例えば、ともにワイヤ張力が1kgであるとする。このとき、回転中心からその1kgの張力の作用点までの長さが10cm(ケース1)と20cm(ケース2)とする。このとき、ケース2の方がモーメントの腕の長さが長く、モーメントも大きい。ケース2の方が、同じ張力でありながら、外力に抗して関節回転角を維持する程度は強い。剛性は、張力とモーメントの腕の長さによって決まる。
コントローラの第2計算部が、剛性が指定されたときに、指定された剛性とそのときのモーメントの腕の長さから指定された剛性に調整するのに必要な張力を計算し、次いで、その張力に調整するのに必要なワイヤの伸びの長さを計算すると、ロボットの姿勢によらないで関節回りの柔軟性を指定された剛性に調整することができる。
このようにして計算された作動量に従って各アクチュエータが作動すると、末端側部材の回転角と関節の剛性の双方が意図された値に調整される。
【0009】
イヤに非線形バネ(張力と伸びが比例せず、張力が高くなるほど伸びにくくなるバネ)を挿入することで、張力を上げることで剛性を高めることが可能となる。
【0010】
請求項1〜のいずれかに記載のロボットにおいて、胴体側部材は下腿部であり、末端側部材は足部であることが好ましい(請求項)。
足部の回転角と剛性を調整することにより、足部は地面の凹凸に倣うことができる。
【0011】
請求項に記載のロボットにおいて、足部が空中にあるべきときには高剛性を指示し、接地中には低剛性を指示することが好ましい(請求項)。
足部が空中にあるときに高剛性を指示すると、慣性モーメント等の外力で足部が容易に動いてしまうことがなく、ロボットの歩行姿勢が安定する。また、足部が接地中に低剛性を指示すると、足部は地面の凹凸に倣うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を具現化した第1実施例を図1〜14を参照して説明する。本明細書では、足部の前後方向(ロボットの進行方向)をX軸とし、左右方向をY軸とし、下腿部ないし胴体の伸びる方向をZ軸とする。各軸は相互に直交している。
第1実施例は、本発明をロボットの下肢に応用したものである。なお、左右の下肢形状は鏡対称である。図1は本実施例のロボットの両下肢の正面図であり、図2は左下肢の側面図であり、図3は足首関節の構造を説明するための図であり、図4はボールネジの詳細を説明する図であり、図5〜14は足部の動きを説明する図である。
【0013】
図1に示すように、本実施例のロボット10の左右の下肢12は大腿部14と下腿部(脛)16と足部18から構成され、大腿部14と胴体部20は股関節22によって接続されており、大腿部14と下腿部16は膝関節24によって接続されており、下腿部16と足部18は足首関節26によって接続されている。
【0014】
最初に股関節22について説明する。ほぼ水平に伸びる板状の骨盤部28には、図2に示すように、Z軸回りに回転する円板36がベアリング34によって取付けられている。円板36は、図1において左右に一対設けられている。各円板36の中心には、骨盤部28側から大腿部14側に伸びる(Z軸方向に伸びる)シャフト30が固定されている。シャフト30は骨盤部28に対してZ軸回りに回転する。
シャフト30の下端に対して大腿部14の上端がユニバーサルジョイント32によって接続されている。ユニバーサルジョイント32は、シャフト30に対して大腿部14がX軸回りとY軸回りに回転することを許容する。股関節22は、骨盤部28に対してZ軸回りに回転できるシャフト30と、シャフト30に対して大腿部14がX軸回りとY軸回りに回転することを許容するユニバーサルジョイント32を持ち、X,Y,Z軸のそれぞれの回りに回転することを許容する3軸関節である。
【0015】
次に膝関節24を説明する。各大腿部14の下端にはY軸方向に平行に並ぶ2つのフランジ40が下方へ伸びており、各下腿部16を構成するシャフト42の上端にはY軸方向に平行に並ぶ2つのフランジ44が上向きに設けられている。膝関節24は、これらのフランジ40,44を貫通してY軸方向に伸びる軸46を備える。膝関節24は、大腿部14に対して下腿部16がY軸回りに回転することを許容する。
【0016】
次に足首関節26を説明する。図3は足首関節26の構造を説明するために単純化してデフォルメした図であり、実際の形状や寸法とは必ずしも一致しない。下腿部16のシャフト42の下部にはX軸方向に平行に並んだ2つのフランジ58が下方に伸びている。また、足部18の上面にはY軸方向に平行に並んだ2つのフランジ60が上方に伸びている。これら下腿部16のフランジ58と足部18のフランジ60は十字型自在継手62によって接続されてユニバーサルジョイントを成している。足首関節26は、下腿部24に対して足部18が、X軸回りとY軸回りに回転することを許容する。即ち、足首関節26はX,Y軸のそれぞれについて自由度を持つ2軸関節である。
【0017】
各関節はワイヤによって駆動される(股関節のZ軸回りの回転を除く。この回転のみはワイヤを利用せずに、モータで直接に回転される)。各ワイヤの一端は末端側部材に取付けられており、他端はボールネジとモータから構成されるアクチュエータに接続されている。モータによってボールネジの送りネジ(Z方向に伸びる)が回転し、これに伴って送りネジに螺合しているナットが送りネジ方向に送られ、ナットに接続されているワイヤ先端がZ軸方向に進退する。ワイヤ先端をZ軸方向に進退させることによってワイヤによって末端側部材を引いたり緩めたりすることができる。
【0018】
最初に図3を参照して足首関節を回転させるワイヤ群を説明する。足部18には、図示しない取付け板によってワイヤ終端ガイド70a,70b,70cが固定されている。各ワイヤ終端ガイド70a,70b,70cは円弧形状であり、それぞれの円弧の中心軸はY軸方向に伸びており、円弧面は所定の巾(Y軸に沿って伸びる距離)を有している。ワイヤ終端ガイド70aは足首関節26のY軸よりも前方に位置し、X軸上配置されている。その円弧面はX軸前方を向いている。ワイヤ終端ガイド70b,70cは足首関節26のY軸よりも後方に位置している。ワイヤ終端ガイド70bは足首関節26のX軸よりも外側に位置し、ワイヤ終端ガイド70cは足首関節26のX軸よりも内側に位置している。ワイヤ終端ガイド70b,70cの円弧面はX軸後方を向いている。
3本のワイヤ66a,66b,66cの下端は、ワイヤ終端ガイド70a,70b,70cのそれぞれの下端のワイヤ接続点72a,72b,72cに固定されており、各ワイヤ66a,66b,66cの他端は、膝関節24側に伸びている。各ワイヤ終端ガイド70a,70b,70cの円弧面に沿って湾曲している。ワイヤ終端ガイド70a,70b,70cはワイヤ66a,66b,66cが小さな曲率半径で鋭く曲がることを禁止している。
【0019】
ワイヤ接続点72aは足首関節26のY軸よりも前方に位置しており、ワイヤ66aが膝関節24側に引かれると足部18は足首関節26のY軸回りに回転して爪先を持ち上げる。ワイヤ接続点72aは足首関節26のX軸上に配置されており、ワイヤ66aが膝関節24側に引かれても足部18のX軸回りの回転角には影響しない。ワイヤ接続点72bは足首関節26のX軸よりも外側に位置しており、ワイヤ66bが膝関節24側に引かれると足部18は足首関節26のX軸回りに回転して足部18の外側を持ち上げる。ワイヤ接続点72cは足首関節26のX軸よりも内側に位置しており、ワイヤ66cが膝関節24側に引かれると足部18は足首関節26のX軸回りに回転して足部18の内側を持ち上げる。足部18の内側を持ち上げる場合には、ワイヤ66cを引くと同時にワイヤ66bを緩めて足部18の外側が下がることを許容する。同様に、足部18の外側を持ち上げる場合には、ワイヤ66bを引くと同時にワイヤ66cを緩めて足部18の内側が下がることを許容する。足部18を足首関節26のX軸回りに回転させる場合にはワイヤ66aを操作する必要はない。ワイヤ66b、66cを同時に引くと足部18は足首関節26のY軸回りに回転してかかとを持ち上げる。この場合には、ワイヤ66aを緩めて爪先が下がるのを許容する。ワイヤ66aを引いて爪先を持ち上げるときには、ワイヤ66b、66cを緩めてかかとが下がるのを許容する。
3本のワイヤ66a、66b、66cによって、足首関節26のX軸回りの回転角とY軸回りの回転角を独立に調整することができる。
【0020】
なお、ワイヤ接続点を足首関節26のY軸よりも前方のX軸の両側と、Y軸よりも後方のX軸上に配置してもよい。このようにワイヤ接続点を配置しても、ワイヤによって足首関節26のX軸回りの回転角とY軸回りの回転角を独立して調整することができる。
【0021】
図5〜10は足部18の動きを説明するための模式図であり、図5と図6はX軸回りの回転を説明するための図である。図5は足部18の平面図であり、図6は足部18の背面図である。各ワイヤ66a,66b,66cの終端ではワイヤ終端ガイド70a,70b,70cの図示を省略し、ワイヤ接続点72a,72b,72cのみで示してある。
【0022】
図5は、ワイヤ接続点72aに接続されているワイヤ(図示省略)は中立状態を維持しながらワイヤ接続点72bに接続されているワイヤ66bの有効長を収縮させ、ワイヤ接続点72cに接続されているワイヤ66cの有効長を伸長させることを示している。このとき、足部18は図6の破線で示したようにX軸回りに矢印の方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、足部18は矢印とは逆方向に回転する。即ち、このようにワイヤの有効長の伸長・収縮を調整することによって、足部18をX軸の回りに自在に回転させることができる。
【0023】
図7と図8はY軸回りの回転を説明するための図である。図7は足部18の平面図であり、図8は足部18の側面図である。各ワイヤ66a,66b,66cの終端ではワイヤ終端ガイド70a,70b,70cの図示を省略し、ワイヤ接続点72a,72b,72cのみで示してある。図7はワイヤ接続点72aに接続されているワイヤ66aの有効長を収縮させ、ワイヤ接続点72b,72cに接続されているワイヤ66b,66cの有効長を共に伸長させた場合を示している。このとき、足部18は図8の破線で示すように、Y軸回りに矢印の方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、足部18は矢印とは逆方向に回転する。このようにワイヤの有効長の伸長・収縮を調整することによって、足部18をY軸の回りに自在に回転させることができる。
なお、足部18の前側を持ち上げるのに要するワイヤの張力に比べ、足部18の後ろ側を持ち上げるのに要するワイヤの張力は大きい。このため、3点のワイヤ接続点72a,72b,72cのうちの1点を前側にし、2点を後側にし、2本のワイヤと2個のアクチュエータでかかとを持ち上げることが好ましい。この場合、各アクチュエータの能力を等しくすることができる。
【0024】
なお図示はしないが、足部18を同時にX軸回りにもY軸回りにも回転させることができる。例えば、ワイヤ66bの有効長を速度a−bで収縮させ、ワイヤ66cの有効長を速度a+bで伸長させ(即ち−a−bで収縮させる)、ワイヤ66aの有効長をbで収縮させると、足部18はX軸の回りに速度aで回転して外側が上がり、且つ、Y軸の回りに速度bで回転して前側が上がる。このように3本のワイヤの有効長を同時に調整すると、足部18をX軸の回りとY軸の回りに同時に自在に回転させることができる。またX軸回りの回転速度とY軸回りの回転速度を自在に調整することもできる。これらのことから、X,Yの2軸に対して3本のワイヤ、即ち、軸数+1本のワイヤを用いることによって、X,Y軸について互いに独立に調整することが可能である。
【0025】
図3に示すように、下腿部16のシャフト42の上部には、フランジ44を貫通するY軸方向の軸46の回りに自由回転可能な3つのプーリ64a,64b,64cが2つのフランジ44と交互に配されている。それぞれのプーリ64a,64b,64cにはワイヤ66a,66b,66cが1本ずつ巻かれている。ワイヤ66a,66b,66c,は、プーリ64a,64b,64cの前側でプーリから離反している。ワイヤ66a,66b,66cは足部18に対して膝関節の前方位置から引張力を加える。このために、3本のワイヤ66a,66b,66cを同時に同一速度で収縮させると、下腿部16に対する足部18の回転角度は変えないで(足首関節26を回転させないで)、下腿部16を膝関節24の回りに前向きに回転させることができる。
【0026】
次に、このような足部の動きに伴うワイヤの動きについて説明する。図9〜10は足部18の回転に伴うワイヤの動きを説明するための模式図であり、実際の形状や寸法とは必ずしも一致しない。図9はX軸回りに回転した場合の足部18の背面図であり、図10はY軸回りに回転した場合の足部18の左側面図である。なお、近似的にワイヤは鉛直方向に伸びているとすることができる。
【0027】
図9は、足部18が足首関節26のX軸の回りに矢印方向に最大限(本実施例では15°)に回転した状態を示す図である。足部18が下腿部16のシャフト42に対して直角の状態が実線で示され、このときの足部18の位置18−1を通常位置とする。通常位置での足部18−1とワイヤ66b1,66c1とこれらをそれぞれ案内するワイヤ終端ガイド70b1,70c1を実線で示している(最後の添え字1は、基準位置にあることを示す)。X軸回りに回転した足部18を破線18−2で示し、そのときのワイヤ66b2,66c2とワイヤ終端ガイド70b2,70c2を破線で示す(最後の添え字2は、回転位置にあることを示す)。ワイヤ66b1,66c1の下端接続点72b1,72c1は、ワイヤ終端ガイド70b1,70c1のそれぞれの下端のY軸方向の中心にある。通常位置では、ワイヤ66b1,66c1はワイヤ終端ガイド70b1,70c1の円弧面のY軸方向の中心線に沿って案内されている。足部18がX軸回りに回転して足部18−2の位置まで移動すると、ワイヤ66b,66cはワイヤ終端ガイド70b,70cに案内されながらワイヤ66b2,66c2の位置まで移動する。このときのワイヤ終端ガイド70b2,70c2はワイヤ66b2,66c2に対して傾斜する。ワイヤ66b2,66c2を案内するワイヤ終端ガイド70b2,70c2の円弧面上の線が、ワイヤ接続部72b2,72c2とワイヤ終端ガイド70b2,70c2の図中右上端を結ぶ線まで移動する。また、図示しないが、図7の矢印とは反対方向に最大限に回転した場合も同様に、ワイヤ66b2,66c2は、ワイヤ接続部72b2,72c2とワイヤ終端ガイド70b2,70c2の図中左上端を結ぶ線まで移動する。
【0028】
ワイヤ終端ガイド70のY軸方向の巾は、足部18がX軸の回りに回転することによって、X軸とワイヤ接続点72までの距離が変化する距離以上に設定されているために、足部18がX軸の回りに最大限に回転しても、ワイヤ66はワイヤ終端ガイド70からはずれることがない。このように、本実施例のワイヤ終端ガイド70によれば、末端側部材18のX軸回りのいかなる姿勢変化に対してもワイヤ66を案内し続けることが可能となっている。
なお本明細書において添え字を省略して説明する事象は、添え字によって区分される部材に共通する事象であることを示している。
【0029】
図10は本実施例の足首関節26がY軸の回りに回転する場合の側面図を示している。本実施例でのワイヤの動きと対比させるため、最初に図11を用いて、ワイヤ終端ガイド70を備えない場合のワイヤの動きについて説明する。
【0030】
ワイヤ終端ガイドが存在しない場合、足首関節226はユニバーサルジョイントのY軸262よりも前方(図の左側)に取付けられたワイヤ266と後方に取付けられたワイヤ(図示省略)によってY軸262の回りに回転させられる。各ワイヤの下端は足部218の上面のワイヤ接続部272(後方ワイヤの接続点は図示省略)に固定され、上端は図示しないアクチュエータに接続されている。アクチュエータによって各ワイヤの有効長を伸長・収縮させ、足部218をY軸262の回りに回転させる。なお、近似的にワイヤは鉛直方向に伸びているとすることができる。
【0031】
図11の破線は、足部218が足首関節226のY軸262の回りに矢印III,IVの方向に最大限に回転したところを示している。足部218と下腿部216のシャフト242が成す角が直角である通常位置を実線で示す(添え字1は通常位置にあることを示す)。このとき、足部218−1とワイヤ266−1が成す角αも直角である。矢印III方向(図中時計回り)に回転後の足部218−3とワイヤ266−3とワイヤ接続部272−3を破線で示し、添え字3を付けて示す。矢印IV方向(図中反時計回り)に回転後の足部218−4とワイヤ266−4とワイヤ接続部272―4を破線で示し、添え字4を付けて示す。矢印III方向に回転した足部218−3とワイヤ266−3が成す角βは通常位置のときのαと比較して大きく、矢印IV方向に回転した足部218−4とワイヤ266−4が成す角γは通常位置のときのαと比較して小さい。即ち、足部218の回転に伴って足部218とワイヤ266が成す角は変化する。図11のワイヤガイドを設けない方式では、ワイヤ266が接続点272でシャープに屈曲するために、ワイヤ266は接続点272で切れやすい。
【0032】
また、足部218がY軸の回りに回転すると、足部218上面のワイヤ接続部272もこれに伴って回転する。矢印III方向に回転したときのY軸262とワイヤ接続点272−3の水平方向距離Laは通常位置と比較して大きく、矢印IV方向に回転したときのY軸262とワイヤ接続点272−4の水平方向距離Lbは通常位置と比較して小さい。この距離LaやLbは、足部218をY軸262の回りに回転させるモーメントの大きさに直結するアーム長であり、ワイヤにかかる張力が同じであれば、アーム長が長いほどモーメントは大きい。
図11のワイヤガイドを設けない方式では、足部218の姿勢によってアーム長が大きく変化して足部218を回転させるモーメントの大きさが大きく変化する。
【0033】
一方、図10は、本実施例の足首関節26とワイヤ終端ガイド70等を示している。足部18が足首関節26のY軸62の回りに矢印III、矢印IVの方向に最大限(本実施例では30°)に回転したところを示す。標準位置での足部18と下腿部16のシャフト42が成す角は直角であり、このときの足部18−1の位置を通常位置とする(添え字1は通常位置にあることを示す)。通常位置にある足部18−1とワイヤ66a1とこれを案内するワイヤ終端ガイド70a1を実線で示す。矢印III方向(図中時計回り)に回転後の足部18−3とワイヤ66a3とワイヤ終端ガイド70a3と接続点72a3と、矢印IV方向(図中反時計回り)に回転後の足部18−4とワイヤ66a4とワイヤ終端ガイド70a4と接続点72a4をそれぞれ破線で示す。
【0034】
前述のように、足部18に取付けられたワイヤ66aは、その下端がワイヤ終端ガイド70aの下端のワイヤ接続部72aに固定されている。また、ワイヤ終端ガイド70aは、その円弧の中心がワイヤ接続部72aよりも常に下腿部16に近くなるよう取付けられている。即ち、ワイヤ66aの下端近傍は常にワイヤ終端ガイド70aの円弧面に沿って案内される。
このために、足部の姿勢変化によってワイヤ66aが局部的にシャープに屈曲することがなく、ワイヤは切れにくい。
【0035】
足部18がY軸62の回りに回転することによって、ワイヤ66aのワイヤ終端ガイド70aの円弧面による案内部分は以下のように変化する。通常位置ではワイヤ66a1はワイヤ終端ガイド70a1の円弧面の下端から中心角90°の位置まで案内されている。矢印III方向に回転したとき、ワイヤ66a3はワイヤ終端ガイド70a3の円弧面の下端から3分の1程の位置まで案内されている。矢印IV方向に回転したとき、ワイヤ66a4はワイヤ終端ガイド70a4の円弧面の下端から上端近傍まで案内されている。即ち、足部18が回転しても、ワイヤ終端ガイド70aに案内されるワイヤ66aの長さが変化するために、ワイヤ66aがワイヤガイド70aから離れる点とY軸62までの水平距離はほぼ一定に保たれる。
この結果、図10のワイヤ終端ガイド70を有する方式では、足部18が姿勢変化してもアーム長の変化は小さく、足部18を回転させるモーメントの変化も小さい。
【0036】
ワイヤ終端ガイドがないと足部等の末端側部材が動く度に、ワイヤ接続部においてワイヤが局所的に屈曲するため、ワイヤ接続部の耐久性を維持することが容易でない。本実施例ではワイヤ終端ガイドを設けたために、足部がY軸の回りに回転しても、ワイヤの下端近傍は常にワイヤ終端ガイドの円弧面に案内されているため、ワイヤ接続部においてワイヤが局所的に屈曲することがなく、ワイヤ接続部の耐久性が向上する。
また、ワイヤ終端ガイドがないと、足部等の末端側部材が動く度にワイヤとY軸の距離、即ちモーメントのアーム長が大きく変化する。本実施例ではワイヤ終端ガイドを設けたために、足部がY軸の回りに回転しても、ワイヤ終端ガイドによってモーメントのアーム長の変化を抑制することができる。
また本実施例のワイヤ終端ガイドは、Y軸方向に巾を持ち、足部18がX軸の回りの回転してもワイヤがワイヤ終端ガイドからはずれることがない。
【0037】
本実施例では、ワイヤ終端ガイドを利用することによって、末端側部材のX軸Y軸回りの姿勢変化に対して、ワイヤ接続部の耐久性を維持することができる。また、末端側部材のX軸Y軸回りの姿勢変化に対して、モーメントのアーム長の変化を抑制することができる。さらには、ワイヤ終端ガイドを巾広にしたために、ワイヤがワイヤ終端ガイドから逸脱することなくワイヤ接続点近傍を常に案内することができる。
ワイヤ終端ガイドに溝を形成してワイヤを案内する方式でもワイヤがワイヤ終端ガイドから逸脱するのを防止できるが、ワイヤが溝から離れるところでワイヤが局所的にシャープに屈曲することがある。本実施例のワイヤ終端ガイドは溝を持たず、ワイヤがワイヤ終端ガイドの円弧面を軸方向に自由に移動できるようにし、しかも巾広にして逸脱しないようにしていることから、ワイヤが局所的にシャープに屈曲しないようにしながら常時案内することに成功している。
【0038】
図3に明瞭に示されている3本のワイヤ66a,66b,66cの上端はボールネジ68a,68b,68c(図1、図2参照)に接続されている。図1、図2では図示の明瞭化のためにボールネジが簡略化されて表示されている。図4はボールネジ68の詳細を模式的に示しており(すべてのボールネジは同様の構造を有するために、添え字を省略して共通的に説明する)、一対のフランジ102と106が3本の案内ロッド108,110,112で接続されている。一対のフランジ間には送りネジ120が回転自在で軸方向には移動不能に配置されている。送りネジ120は、モータ114とギヤ116とギヤ118によって回転させられる。送りネジ120には可動プレート104が螺合している。可動プレート104は案内ロッド108,110,112に案内されて軸方向に移動可能で回転不能となっている。その可動プレート104にワイヤ66の先端が固定されている。
モータ114が回転すると送りネジ120が回転して可動プレート104が案内ロッドに沿って滑り、ワイヤ66が引き込まれたり、緩められたりする。
ボールネジ68のモ−タは114と、一対のフランジ102、106は大腿部14に固定されている。案内ロッド108,110,112は大腿部14の長手方向に伸びており、モ−タは114がボールネジ68を回転させることで、ワイヤ66は大腿部14の長手方向に引かれたり緩められたりする。
ワイヤ66a,66b,66cのプーリ64a,64b,64cと接続点72a、72b、72c間の距離をワイヤの有効長とすると、ワイヤ66a,66b,66cの有効長はモータ114によって伸長させられる。ワイヤ66a,66b,66cの有効長を伸長させるアクチュエータ群(モータ群とボールネジ群68a,68b,68cで構成される)は、股関節22に近い大腿部14に配置されている。
【0039】
図4に示されているように、ボールネジ68にコントローラ200が接続されている。コントローラ200は、第1計算部200a、第2計算部200b、第3計算部200cを有している。コントローラ200には、ロボット10の動き全体を制御している別のコントローラ(図示省略)から、足首関節26の回転角と各ワイヤ(66a、66b、66c)の張力を指示する信号が入力される。
コントローラ200の第1計算部200aは、足首関節26の回転角を入力された値とする各ワイヤ(66a、66b、66c)の有効長を計算する。第2計算部200bは、張力が入力された値となるための各ワイヤ(66a、66b、66c)の伸び長さを計算する。第3計算部200cは、第1計算部200aと第2計算部200bの計算結果からボールネジ68の可動プレート104の作動量を計算する。計算された可動プレート104の作動量はボールネジ68に出力され、この出力に従ってボールネジ68が作動する。
【0040】
図2に示されているように、下腿部42には下腿部42を膝関節24の回りに後方に回転させるワイヤ66dの一端が接続されている。ワイヤ66dは膝関節に回転自在に配置されているプーリ64d(図1参照)の後方を通ってボールネジ68dの可動プレート104に接続されている。ボールネジ68dの可動プレート104はモータによって進退する。可動プレート104が進退すると、ワイヤ66dは引き込まれたり、緩められたりする。
【0041】
以上によって下記の姿勢変化が実現される。
(1)ボールネジ68aを縮めてボールネジ68b、68cを緩めることで爪先が上がる。ボールネジ68aを緩めてボールネジ68b、68cを縮めることで爪先が下がる。
(2)ボールネジ68bを縮めてボールネジ68cを緩めることで足部の外側が上がる。ボールネジ68bを緩めてボールネジ68cを縮めることで内側が上がる。
(3)ボールネジ68a、68b、68cを縮めてボールネジ68dを緩めることで下腿部16が前方に回転する。ボールネジ68a、68b、68cを緩めてボールネジ68dを縮めることで下腿部16が後方に回転する。
4本のアクチュエータと4本のワイヤで、足首関節26のX軸回りの回転角(前記2の回転)と、足首関節26のY軸回りの回転角(前記1の回転)と、膝関節24回りの回転角(前記3の回転)が独立に調整できる。
4本のアクチュエータで3軸回りの回転角を調整するために、アクチュエータは冗長であるように見える。しかしながら、この冗長性を利用して回転角に関する剛性を調整することができる。なおこの点については後記する。
【0042】
膝関節24のみならず足首関節26の回転角を調整するためのアクチュエータまでもが大腿部14に配置されているために、この人工下肢の先端部は軽く、股関節回りの慣性モーメントは小さい。このために、小さなトルクで股関節22の回りに高速に回転させることができる下肢が得られる。
【0043】
次に股関節22回りの回転角を調整するワイヤとアクチュエータを説明する。図1と図2に示すように、大腿部14の上部の所定位置には3個の円弧形状のワイヤ終端ガイド48a,48b,48cが3箇所に取付けられ、それぞれにワイヤ50a,50b,50cが1本ずつ掛けられている。それぞれのワイヤ50a,50b,50cの下端はそれぞれワイヤ終端ガイド48a,48b,48cの下端49a,49b,49cに固定されている。後側に取付けられたワイヤ50cの中程にはプーリ54が配置され、プーリ54は股関節22のY軸よりも後方に位置している。ワイヤ50a,50b,50cの上端はそれぞれボールネジ52a,52b,52cの可動プレートに接続されている。ボールネジ52a,52bのそれぞれの送りネジはそれぞれ図示しないモータによって回転するために、送りネジに螺合している可動プレートはモータの回転によって進退する。この結果、ワイヤ50a,50b,50cの有効長が伸長・収縮する。なお、ボールネジ52a,52b,52cとそのためのモータ56等は胴体部に配置されており、股関節22の回りに回転する下肢の慣性モーメントを全く増加させない。
【0044】
ボールネジ52a,52bは、股関節22のY軸よりも前方に位置しており、収縮すると大腿部14を股関節22のY軸の回りに前方に回転させる。ワイヤ50cを案内するプーリ54は股関節22のY軸よりも後方に位置しており、ボールネジ52cが収縮すると大腿部14を股関節22のY軸の回りに後方に回転させる。なお、骨盤部28に回転自在な円板36はモータ38によってZ軸の回りに回転させられる。モータ38は骨盤部28に固定されている。
【0045】
ワイヤ接続点49cは股関節22のY軸よりも後方に位置しており、ワイヤ50cが引かれると大腿部14は股関節22のY軸回りに後方に回転する。ワイヤ接続点49cは股関節22のX軸上に配置されており、ワイヤ50cが引かれても大腿部14のX軸回りの回転には影響しない。ワイヤ接続点49aは股関節22のX軸よりも外側に位置しており、ワイヤ50aが引かれると大腿部14は股関節22のX軸回りに回転して大腿部14を開ける。ワイヤ接続点49bは股関節22のX軸よりも内側に位置しており、ワイヤ50bが引かれると大腿部14は股関節22のX軸回りに回転して大腿部14を閉じる。大腿部14を閉じる場合には、ワイヤ50bを引くと同時にワイヤ50aを緩めて大腿部14が閉じることを許容する。同様に、大腿部14を開ける場合には、ワイヤ50aを引くと同時にワイヤ50bを緩めて大腿部14が開くことを許容する。大腿部14を股関節22のX軸回りに回転させる場合にはワイヤ50cを操作する必要はない。ワイヤ50a,50bを同時に引くと大腿部14は股関節22のY軸回りに前方に回転して大腿部14を持ち上げる。この場合には、ワイヤ50cを緩めて大腿部14が前方に回転するのを許容する。ワイヤ50cを引いて大腿部14を後方に回転させる場合には、同時にワイヤ50a,50bを緩めて大腿部が下がるのを許容する。
【0046】
以上によって股関節22は下記のように調整される。
(1)ボールネジ52cを縮めてボールネジ52a,52bを緩めることで大腿部14は後方に回転する。ボールネジ52cを緩めてボールネジ52a、52bを縮めることで大腿部14が前方に回転する。大腿部14を前方に持ち上げるには大きなトルクが必要とされるのに対し、後方に下げるには大きなトルクが要らない。大きなトルクが必要とされる側に2本のアクチュエータと2本のワイヤが利用され、小さな力しか必要とされない側に1本のアクチュエータと1本のワイヤが利用されている。
(2)ボールネジ52aを縮めてボールネジ52bを緩めることで大腿部14が外向きに持ち上げられる。ボールネジ52aを緩めてボールネジ52bを縮めることで大腿部14が閉じる。
3本のアクチュエータと3本のワイヤで、股関節22のX軸回りの回転角(前記2の回転)と、股関節22のY軸回りの回転角(前記1の回転)が独立に調整できる。
【0047】
股関節22の回りに大腿部14を動かすためのアクチュエータは胴体側に配置されているために、大腿部14を動かす際にはアクチュエータごとに動かす必要がない。股関節22回りの慣性モーメントは小さい。このために、小さなトルクで股関節22の回りに下肢を高速に回転させることができる。
【0048】
図3に明瞭に示されている3本のワイヤ66a,66b,66cの中間部には、図12、図13に示す非線形バネ140が挿入されている。バネ140はバネ鋼で形成されており、平板部122と一対のフランジ126,126ともう一対のフランジ対130,130を備えている。フランジ対126,126間にはシャフト128が差し渡され、フランジ対130,130間にはシャフト132が差し渡されている。平板部122には、シャフト128,132と平行に伸びる峰部124が形成されている。ワイヤ66は、屈曲しながら、シャフト128の下方、峰部124の上方、シャフト132の下方を通過している。
図14に示されるように、ワイヤ66が強く引かれると、バネ鋼製の平板部122が撓んでワイヤ66は引き伸ばされる。
【0049】
上記のバネ140がワイヤに挿入されているために、ボールネジによってワイヤ張力を調整することができる。
図1において、ボールネジ68bの引き込み量とボールネジ68cの引き込み量が等しく、足部18はX軸回りに下腿部16のシャフト42に直角に調整されているとする。この状態から、ボールネジ68bとボールネジ68cを同一速度でさらに引き込むとする。この場合、ワイヤ66bとワイヤ66cは同一速度で引き込まれるために、足部18はX軸の回りに回転しない。しかしながら、ワイヤ66bとワイヤ66cが引き込まれるのに応じて、図14に示すように、バネ140が変形し、ワイヤ66bとワイヤ66cの張力は増大する。即ち、このロボットは、2本のワイヤの一方を引いて時計方向に回転させ、他方のワイヤを引いて反時計方向に回転させる方式であるために、両方のワイヤを同時に引き込むことによって、回転角を変えないで、ワイヤ張力のみを増大させることができる。同様に、両方のワイヤを同時に緩めることによって、回転角を変えないで、ワイヤ張力のみを減少させることができる。
【0050】
ワイヤ張力は関節回りの回転角の剛性を決定する。例えば、図1の足部18が地面に接地する場合、両ワイヤの張力が弱くて剛性が低ければ、接地した地面が足部の左側で高くて右側で低い場合に、足部18の右側を引き上げているワイヤが伸びて足部18が地面の傾斜に倣って傾斜して足部18の全体が接地する。剛性が低ければ外部事象に柔軟に追従する。
一方において、片側の足部18が空中にある場合、その空中姿勢に調整する両ワイヤの張力が弱くて剛性が低ければ、ロボットにわずかな外力が作用することでワイヤが伸びるために空中姿勢が不安定となる。姿勢を安定させるためには、剛性が高い方が好ましい。剛性が高い状態の方が、ボールネジの動きと関節回りの回転角が良く一致し、関節回りに高速で回転ないし動作させることができる。
【0051】
この実施例のロボットは、2本のワイヤのうちの一方を引いて時計方向に回転させ、他方のワイヤを引いて反時計方向に回転させる方式(プルプル方式)であり、しかも、ワイヤの中間部に非線形バネを挿入しているために、ロボット姿勢とは独立に剛性を調整できる。柔軟に追従することが必要なと時には低剛性とし、姿勢を安定させることが必要な時には高剛性に調整することができる。
【0052】
プルプル方式と非線形バネとによって、関節回りの剛性を調整できる理由を、図21、図22を参照しながら説明する。なお、この説明では、2本のワイヤによって足部がY軸回りに回転する簡単な例を取り上げて説明する。図21は、このような構成を模式的に図示したものである。図21に示されているように、足部302は円筒状のプーリ303と一体化されている。プーリ303は、Y軸303cの回りに回転可能に軸支されている。前方ワイヤ304と後方ワイヤ306はプーリ303に巻き付けられ、それぞれの一端はワイヤ接続点303a、303bでプーリ303に接続されている。前方ワイヤ304と後方ワイヤ306の他端は、それぞれ前方アクチュエータ312と後方アクチュエータ314に接続されている。前方アクチュエータ312と後方アクチュエータ314は、固定部材322、324に固定されている。アクチュエータ312、314は、ワイヤ304、306を引き込んだり、緩めたりする。ワイヤ304、306の途中には、前方非線形バネ305と後方非線形バネ307が装着されている。
【0053】
図22は、前方非線形バネ305と後方非線形バネ307のバネ特性を示すグラフである。縦軸(y軸)はバネ力を示し、横軸(x軸)はバネの伸び量を示している。y軸の右側のカーブが後方非線形バネ307のバネ特性を表し、y軸の左側が前方非線形バネ305のバネ特性を表している。図22から明らかなように、前方非線形バネ305と後方非線形バネ307のバネ特性は、その伸びが大きくなると急にバネ力が大きくなる(カーブの傾斜が急になる)非線形性を有している。すなわちフックの法則には従わない。
図22を用いて、足部302の回転軸303c回りの剛性が調整される様子を具体的に説明する。例えば、バネ305、307の伸び量がゼロで足部302の角度が所定位置に調整されたときのアクチュエータ312、314の作動量からアクチュエータ312、314がさらにA(mm)ずつ引き込まれとする。するとバネ305、307が伸び、B(kg)のバネ力が発生する(点D、点F参照)。ワイヤ張力はB(kg)に調整される。前方ワイヤ304と後方ワイヤ306の張力は等しいので、足部302は回転せず、調整された位置を保つ。この状態で足部302に時計方向のモーメントを加えて回転させ、後方バネ307がC(mm)伸びたとする(点D→点E)。一方、後方バネ307がC(mm)伸びると、これと等しい量(C(mm))前方バネ305は縮む(点F→点G)。従って、足部302を回転させてバネ(305、307)をC(mm)伸縮させるのには、点Eと点Gのバネ力の差であるH(kg)の力をプーリ303に加える必要がある。
【0054】
アクチュエータ312、314がさらに大きくJ(mm)ずつ引き込まれたとする(点L、点M)。このときにバネ305、307が発生するバネ力はK(kg)である。この場合でも、ワイヤ304、306の張力は等しいので、足部302は回転せずにそのままの位置を保つ。この状態で足部302に時計方向のモーメントが加わって、後方バネ307がC(mm)伸びたとする(点L→点N)。前方バネ305はC(mm)縮む(点M→点P)。従って、足部302を回転させてバネ307、305をC(mm)伸縮させるのには、点Nと点Pのバネ力の差であるQ(kg)の力をプーリ303に加える必要がある。
【0055】
アクチュエータ312、314がA(mm)引き込まれて実現された張力Bの状態からバネ307、305をC(mm)伸縮させるのに必要な力は、H(kg)である。アクチュエータ312、314がJ(mm)引き込まれて実現された張力Kの状態からバネ307、305をC(mm)伸縮させるのに必要な力は、Q(kg)である。明らかにQ(kg)の方が、H(kg)よりも大きい。すなわち、アクチュエータ312、314を大きく引き込んで、大きな張力をワイヤ304、306に発生させているときの方が、足部302の剛性(足部302を所定角回転させるに要するY軸回りの回転モーメント)は高くなる。アクチュエータ312、314がワイヤ304、306を引き込む量を変化させることによって、足部302の剛性を調整することができる。
プルプル方式と非線形バネ組合せて用いると、関節の回転角と独立に、剛性を調整することができる。
【0056】
図22のバネ特性グラフの傾斜角が剛性に比例する。そこで、その傾斜角が意図した剛性に相当するバネの伸び量を求め、その伸び量を与えることで、意図した剛性に調整することができる。
ロボットの姿勢にかかわらず、回転中心からワイヤにおろした垂線の長さ、即ちモーメントの腕の長さがほぼ一定であれば、剛性から張力ないし伸び量を決定することができる。
しかしながら、回転中心からワイヤにおろした垂線の長さ、即ちモーメントの腕の長さが変化する場合には、剛性から張力を決定するまでの間にモーメントの腕の長さを考慮しなければならない。例えば、ともにワイヤ張力が1kgであるとする。このとき、回転中心からその1kgの張力の作用点までの長さが10cm(ケース1)と20cm(ケース2)とする。このとき、ケース2の方がモーメントの腕の長さが長く、モーメントも大きい。ケース2の方が、同じ張力でありながら、外力に抗して関節回転角を所定値に維持する程度は強い。剛性は、張力とモーメントの腕の長さによって決まる。
コントローラの第2計算部が、剛性が指定されたときに、指定された剛性とそのときのモーメントの腕の長さから指定された剛性に調整するのに必要な張力を計算し、次いで、その張力に調整するのに必要なワイヤの伸びの長さを計算すると、ロボットの姿勢によらないで関節回りの柔軟性を指定された剛性に調整することができる。
【0057】
本発明を首関節に具現化した第2の実施例を図15〜図20を参照して説明する。図15はロボットの首関節の構造を説明するための図であり、図16〜図20は頭部の動きを説明する図である。
【0058】
図15は首関節80の構造を説明するためにデフォルメした図であり、実際の形状や寸法とは必ずしも一致しない。首関節80は、頭部82と胴体部20の鎖骨部84とを接続している。頭部82の下部には円筒形状のフランジ86が下方に伸びており、このフランジ86はZ軸方向に伸びる軸孔86aを有している。頭部82の下方には短いシャフト88が位置し、その上部には軸90が上方に伸びている。頭部82のフランジ86の軸孔86aにはシャフト88の軸90が挿入され、頭部82はシャフト88によってZ軸回りに回転可能である。
【0059】
このシャフト88の下部にはX軸方向に平行に並んだ2つのフランジ92が下方に伸びている。また、鎖骨部84の上面にはY軸方向に平行に並んだ2つのフランジ94が上方に伸びている。これらシャフト88のフランジ92と鎖骨部84のフランジ94は十字型自在継手96によって接続されてユニバーサルジョイントの形態を成しており、シャフト88は鎖骨部84に対してX軸回りとY軸回りに相互に独立に回転可能に接続されている。即ち、首関節80はX軸回りとY軸回りとZ軸回りに相互に独立に回転可能に接続されており、X,Y,Z軸のそれぞれについて自由度を持つ。
【0060】
頭部82と胴体部84の間には、頭部82をX、Y,Z軸の3軸の回りに回転させるために、4本のワイヤ96a,96b,96c,96dが張られている。4本のワイヤ96a,96b,96c,96dのそれぞれの上端は、頭部82の下部に取付けられた図示しない4つのワイヤ終端ガイドにガイドされ、ワイヤ接続点98a,98b,98c,98dに固定されている。鎖骨部84のフランジ94の両外側にはフランジ94に平行に長穴84a,84bが設けられている。鎖骨部84の下方には、図示しない4つのプーリが配されている。ワイヤ96a,96bは長穴84aを貫通して鎖骨部84の下方へ抜け、それぞれが別のプーリに巻き付けられている。ワイヤ96c,96dは長穴84bをそれぞれ貫通して鎖骨部84の下方へ抜け、それぞれが別のプーリに巻き付けられている。これらのワイヤ96a,96b,96c,96dの下端は図示しないアクチュエータに接続され、第1実施例と同様な機構によりワイヤの有効長が伸長・収縮する。なお、モータでプーリを回転させてそのプーリにワイヤを巻き込むことでワイヤの有効長を増減しても良い。
ワイヤ接続点98a,98b,98c,98dのうち、98a,98bはX軸の右側にあり、98c,98dはX軸の左側にある。98b,98cはY軸の後方にあり、98a,98dはY軸の前側にある。ワイヤ接続点98a,98b,98c,98dは、X軸とY軸のそれぞれの両側に分布している。
【0061】
次にワイヤの有効長の伸長・収縮による頭部82の動きについて説明する。図16〜20は頭部82の動きを説明するための模式図であり、図16、17はX軸回りの回転を説明するための図であり、図18,19はY軸回りの回転を説明するための図であり、図20はZ軸回りの回転を説明するための図である。図16、18、20は頭部82の平面図であり、図17は頭部82の背面図であり、図19は頭部82の左側面図である。ワイヤ96a,96b,96c,96dの終端はワイヤ終端ガイドの図示を省略し、ワイヤ接続点98a,98b,98c,98dのみで示してある。
図16から明らかに、Z軸の回りに順に時計方向に接続点98a,98b,98c,98dを見たときに、ワイヤ群は、接続点98aでは時計方向のモーメントを加え、接続点98bでは反時計方向のモーメントを加え、接続点98cでは時計方向のモーメントを加え、接続点98dでは反時計方向のモーメントを加える。即ち、ワイヤ群96a,96b,96c,96dは、Z軸回りのモーメントが交互に反転する向きに引張られている。
【0062】
図16,17は、ワイヤ接続点98a,98bに接続されているワイヤ96a,96bの有効長を等しく収縮させ、ワイヤ接続点98c,98dに接続されているワイヤ96c,96dの有効長を等しく伸長させた場合を示している。このとき、頭部82は図17の破線で示すようにX軸の回りに矢印の方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、頭部82は矢印と逆方向に回転する。即ち、このようにワイヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部82をX軸の回りに自在に回転させることができる。
【0063】
図18,19は、ワイヤ接続点98a,98dに接続されているワイヤ96a,96dの有効長を等しく伸長させ、ワイヤ接続点98b,98cに接続されているワイヤ96b,96cの有効長を等しく収縮させた場合を示している。このとき、頭部82は図19の破線で示すようにY軸の回りに矢印の方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、頭部82は矢印と逆方向に回転する。即ち、このようにワイヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部82をY軸の回りに自在に回転させることができる。
【0064】
図20は、ワイヤ接続点98a,98cに接続されているワイヤ96a,96cの有効長を等しく伸長させ、ワイヤ接続点98b,98dに接続されていて反時計方向のモーメントを与えるワイヤ96b,96dの有効長を等しく収縮させた場合を示している。このとき、頭部82は図20の破線で示すように、Z軸の回りに反時計方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、頭部82は時計方向に回転する。即ち、このようにワイヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部82をZ軸の回りに自在に回転させることができる。
【0065】
また、図示はしないが、頭部82を次のように動かすことも可能である。図20のように、ワイヤ96a,96cの有効長を伸長させ、ワイヤ96b,96dの有効長を収縮させるとき、ワイヤ96aの伸長量とワイヤ96dの収縮量を等しく減少させ、ワイヤ96cの伸長量とワイヤ96bの収縮量を等しく増加させ、これらの伸長量・収縮量の増減量を等しくすると、Z軸回りに矢印の方向に回転して頭部が左側を向き、且つ、図17のようにX軸回りに矢印の方向に回転して左側が上がる。更に、ワイヤ96aの伸長量とワイヤ96bの収縮量を等しく増加させ、ワイヤ96cの伸長量とワイヤ96dの収縮量を等しく減少させ、これらの伸長量・収縮量の増減量を等しくすると、図19のようにY軸回りに矢印の方向にも回転して前側も上がる。即ち、このようにワイヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部82をX軸についてもY軸についてもZ軸についても自在に回転させることができる。X,Y,Zの3軸に対して4本のワイヤ、即ち、軸数+1本のワイヤを用いることによって、X,Y,Z軸について互いに独立に回転角を調整することが可能である。
【0066】
本発明のロボットはワイヤ駆動であり、各関節にアクチュエータを実装する必要がない。アクチュエータを関節から離れた位置に実装することができるため、関節を小型化、軽量化することができ、アクチュエータの実装位置の自由度が上がる。また、本発明の場合、ワイヤ数は2軸の関節に対しては3本、3軸の関節に対しては4本、即ち、1関節に対して軸数+1本でよい。必要とするワイヤ数とアクチュエータ数が少数化するため、四肢等のスリム化や軽量化が図れる。これらのことにより、必要とする動力を小さくすることができるため、末端側部材の動きを高速化することができ、外観的にも動作的にも人間や動物に類似したロボットを実現することが可能となる。
【0067】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0068】
従って、例えば、以下に記載するように構成することもできる。
(1)アクチュエータ群は大腿部に配置されることに限られるものではない。例えば、上肢の上腕部にアクチュエータ群を配置し、個々のアクチュエータが動作して上腕に対して前腕が回転されたり、前腕に対して手部が回転されたりするように構成することができる。
【0069】
(2)上述したボールネジのコントローラは、関節の回転角と張力とが入力されているが、張力に代えて関節の剛性を入力するように構成してもよい。
このような構成では、コントローラは、関節の回転角から末端側部材(例えば、足部)の回転中心とワイヤの接続点との間のモーメントアームを計算し、このモーメントアームから関節が所望の剛性となるワイヤの張力を計算する。そして、ワイヤの張力を計算された値とするボールネジの作動量がボールネジに出力される。モーメントアームが末端側部材の回転にともなって大きく変化する構成(ワイヤ終端ガイドが存在しないような構成)においては、上記のように張力に代えて剛性をコントローラに入力し、これを計算処理することにより、関節の剛性をより正確にコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のロボットの両下肢の正面図。
【図2】 同ロボットの左下肢の側面図。
【図3】 同ロボットの足首関節の構造を説明するための図。
【図4】 同ロボットのボールネジの詳細を説明する図。
【図5】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図6】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図7】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図8】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図9】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図10】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図11】 従来のワイヤ駆動のロボットの足部の動きを説明する図。
【図12】 本実施例のロボットの足部の動きを説明する図。
【図13】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図14】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図15】 本実施例のロボットの首関節の構造を説明するための図。
【図16】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図17】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図18】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図19】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図20】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図21】 同ロボットの関節の剛性を説明する図。
【図22】 同ロボットの関節の剛性を説明するグラフ。
【符号の説明】
10:ロボット
12:下肢部
14:大腿部
16:下腿部
18:足部
20:胴体部
22:股関節
24:膝関節
26:足首関節
28:骨盤部
30:シャフト
32:ユニバーサルジョイント
34:ベアリング
36:円板
38:アクチュエータ
40:フランジ
42:シャフト
44:フランジ
46:軸
48a,48b,48c:ワイヤ終端ガイド
49a,49b,49c:ワイヤ接続点
50a,50b,50c:ワイヤ
52a,52b,52c:ボールネジ
54:プーリ
56:アクチュエータ
58:フランジ
60:フランジ
62:十字型自在継手
64a,64b,64c,64d:プーリ
66a,66b,66c,66d:ワイヤ
68a,68b,68c,68d:ボールネジ
70a,70b,70c:ワイヤ終端ガイド
72a,72b,72c:ワイヤ接続点
80:首関節
82:頭部
84:鎖骨部
84a,84b:長穴
86:フランジ
86a:軸孔
88:シャフト
90:軸
92:フランジ
94:フランジ
96a,96b,96c,96d:ワイヤ
98a,98b,98c,98d:ワイヤ接続点
102:フランジ
104:可動プレート
106:フランジ
108:案内ロッド
110:案内ロッド
112:案内ロッド
114:モータ
116:ギヤ
118:ギヤ
120:送りネジ
122:平板部
124:峰部
126:フランジ
128:シャフト
130:フランジ
132:シャフト
302:足部
303:プーリ、303a:ワイヤ接続点、303b:ワイヤ接続点、303c:Y軸
304:前方ワイヤ
305:前方バネ
306:後方ワイヤ
307:後方バネ
312:前方アクチュエータ
314:後方アクチュエータ
322、324:固定部材

Claims (6)

  1. 胴体側部材と、この胴体側部材に回転可能に接続されている末端側部材と、この末端側部材の回転中心を挟んだ両側に端部が取付けられている少なくとも2本のワイヤと、各ワイヤに挿入された非線形バネと、各ワイヤの他端部に接続されて各ワイヤを伸縮させる少なくとも2個のアクチュエータと、このアクチュエータ群を制御するコントローラとを備えており、
    そのコントローラは、末端側部材の回転角に関する情報とワイヤにかける張力に関する情報を入力して、各アクチュエータの作動量を出力することを特徴とするロボット。
  2. 前記コントローラは、末端側部材の回転角に関する情報からワイヤ長さを計算する第1計算部と、張力に関する情報からワイヤの伸びの長さを計算する第2計算部と、両計算部の計算結果からアクチュエータの作動量を計算する第3計算部を有することを特徴とする請求項1のロボット。
  3. 胴体側部材と、この胴体側部材に回転可能に接続されている末端側部材と、この末端側部材の回転中心を挟んだ両側に端部が取付けられている少なくとも2本のワイヤと、各ワイヤに挿入された非線形バネと、各ワイヤの他端部に接続されて各ワイヤを伸縮させる少なくとも2個のアクチュエータと、このアクチュエータ群を制御するコントローラとを備えており、
    そのコントローラは、末端側部材の回転角に関する情報とその末端側部材をその回転角に維持する剛性に関する情報を入力して、各アクチュエータの作動量を出力することを特徴とするロボット。
  4. 前記コントローラは、末端側部材の回転角に関する情報からワイヤ長さを計算する第1計算部と、剛性に関する情報からワイヤの伸びの長さを計算する第2計算部と、両計算部の計算結果からアクチュエータの作動量を計算する第3計算部を有することを特徴とする請求項3のロボット。
  5. 前記胴体側部材は下腿部であり、末端側部材は足部であることを特徴とする請求項1〜のいずれかのロボット。
  6. 前記足部が空中にあるべきときには高剛性を指示し、接地中には低剛性を指示する請求項のロボット。
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