JP3960658B2 - スロープトフィンガージョイント材の製作装置 - Google Patents

スロープトフィンガージョイント材の製作装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、木材の縦継ぎ材として用いられるスロープトフィンガージョイント材の製作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2本の木材を長手方向に結合する縦継ぎ材としては、木口に互いに補完し合う段差面を形成して接合したスカーフジョイント材と、直角に切断した木口に、互いに補完し合う鋸歯状の凹凸面、いわゆるフィンガーを形成して接合したフィンガージョイント材がある。
【0003】
また、フィンガージョイント材の変形例として、図16に示すように、予め2本の木材99a、99bの各木口に傾斜面100a、100bを形成し、この傾斜面100a、100bに沿ってフィンガー101a、101bを形成し、これらを突き合わせて接合したスロープトフィンガージョイント材がある。このスロープトフィンガージョイント材は、前述した各ジョイント材に較べて、曲げ強度、特に衝撃曲げ強度を高くすることができる特長がある。
【0004】
従来、スロープトフィンガージョイント材のフィンガーの加工は以下の手順で行われている。フィンガー切削カッターは、通常のフィンガージョイント材の製作に用いられるものと同じであり、その縦断面がフィンガー形状になった回転刃が用いられる。木口に傾斜面が形成された木材は、その傾斜面が前記フィンガー切削カッターの送り方向と平行になるように、切削加工装置の置台上でその設置角度を固定される。つぎに、フィンガー切削カッターの切り込み深さが適正となるように、木材の軸方向位置が固定され、前記切削加工装置が駆動されて、前記木口の傾斜面にフィンガーが形成される。
【0005】
前記木材に接合されるもう一方の木材の加工も同様の手順で行われるが、両者のフィンガーの凹凸が互いに補完し合うようにするため、この相手方の木材を前記切削加工装置の置台に載置する際には、フィンガーの半ピッチ分の厚みを有するライナー等が前記木材の下に挿入されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のスロープトフィンガージョイント材のフィンガーの加工は、接合される2本の木材を別々のタイミングで加工しているため、各々の加工タイミングで、切削加工装置の置台上での木材の設置角度や軸方向位置がずれる場合が多い。
【0007】
前記切削加工装置の置台上での2本の木材のいずれか一方の設置角度がずれた場合は、両者の接合面に形成されるフィンガーの傾斜が異なるため、スロープトフィンガージョイント材が接合面でわずかに屈曲し、真直にならない問題がある。
【0008】
前記置台上での木材の軸方向位置がずれてフィンガー切削カッターの切り込み深さが不足した場合は、2本の木材の接合面での補完が不完全となるため、その接合強度が大幅に低下する問題がある。また、切り込み深さが過剰になると、切削加工装置の負荷が増大するとともに、木材の歩留りも低下する問題がある。
【0009】
さらに、上述した従来の加工方法では、各木材毎に切削加工装置の置台上での設置角度と軸方向位置を調整する必要があるため、このセッティングに多大の手間を要する問題もある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、接合面の加工と接合を高精度で、かつ効率よく行うことができるスロープトフィンガージョイント材の製作装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明のスロープトフィンガージョイント材の製作装置は、2本の木材を所要の間隔をおいて1軸上に固定し、木口にフィンガーが切削加工されたのち、両木材を接近させて圧締めする2つの木材固定機構と、この2つの木材固定機構間に、前記木材が固定された軸に所定の傾斜角度で前進、後退移動するフィンガー切削カッターとで構成され、前記フィンガー切削カッターが、前進移動時に一方の木材の木口にスロープトフィンガーを切削し、後退移動時に他方の木材の木口に、前記一方の木材の木口に切削したスロープトフィンガーに対して半ピッチずれたスロープトフィンガーを切削するように、木口に対してフィンガー切削カッターを相対移動させる手段を設けたのである。
【0012】
すなわち、この発明によるスロープトフィンガージョイント材の製作装置は、予め木口に傾斜面が形成された2本の木材を1軸上に固定し、この軸と交差する木口の傾斜面と平行な軸に沿ってフィンガー切削カッターを前進、後退移動させ、前進時に一方の木材の木口に、後退時に他方の木材の木口にフィンガーを切削するようにしたので、2本の木材に全く同一の傾斜のフィンガーを形成することができる。
【0013】
また、フィンガー切削カッターの前進時と後退時で、切削されるフィンガーが互いに半ピッチずれるようにしたので、2本の木材をそのまま圧締めするのみで、両者の接合面が完全に補完し合うようにすることができる。したがって、いずれか一方の接合面に接着剤を塗布し、両木材を接近させて圧締めすることにより、真直で接合強度の高いスロープトフィンガージョイント材を製作することができる。
【0014】
前記カッターの移動軸を、木材の固定軸に対して2軸方向に傾斜させることもでき、この場合は、その接合面が2軸方向に傾斜したスロープトフィンガージョイント材を製作することができる。
【0015】
前記両木材を圧締めするに際しては、前記2つの木材固定機構を有する装置を、各々基台上に設置された架台と、この架台に設けられた木材置台および木材を押圧固定する押圧部で構成し、少なくとも一方の木材置台を前記木材の固定軸に沿ってスライド可能にする方法を採用することができる。
【0016】
前記フィンガー切削カッターの前進時と後退時で、各々別の木口にフィンガーを切削するために、フィンガー切削カッターを、前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面内で回動可能に形成されたアームに取り付け、フィンガー切削カッターが前進、後退移動して各木材の木口を切削する際に、フィンガー切削カッターが各木口の傾斜面に対して鈍角側から進入するように形成することができる。フィンガー切削カッターを木口傾斜面の鈍角側から進入させるようにしたのは、切削加工時に木材の加工面にささくれが生じるのを防止するためである。
【0017】
また、フィンガー切削カッターの前進時と後退時で、切削されるフィンガーが互いに半ピッチずれるようにするために、前記アームを支持台に装着し、この支持台に前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面に垂直なスライド面を設け、前記アームをこのスライド面に沿って平行移動させる方法、もしくは、前記2つの木材固定装置の木材置台の少なくともいずれか一方を、前記平面と垂直方向に平行移動させる方法を採用することができる。
【0018】
前記アームに、その回転軸がフィンガー切削カッターの回転軸と平行で、その縦断面形状が加工されるフィンガーの形状に等しい糊付けローラーを取り付けることにより、切削加工と同時に加工された接合面に接着剤を塗布することができ、人手で接着剤を塗布する手間を省くことができる。
【0019】
さらに、前記カッター移動軸と同軸上を移動し、この軸および前記フィンガー切削カッターの回転軸の両者と垂直な回転軸を有する2台の回転鋸を取り付けることにより、直角に切断された木口の木材をそのまま用いてスロープトフィンガージョイント材を製作することができ、予め木口に傾斜面を形成する工程を省略することができる。
【0020】
この場合は、フィンガー切削カッターと前記2台の回転鋸が同軸上を移動するので、木口の傾斜面の傾斜と加工されるフィンガーの傾斜を精度よく合致させることができ、傾斜面に沿ったフィンガーの切り込み深さを均一にできるため、切削加工中のフィンガー切削カッターの負荷が安定し、さらに精度のよい接合面を形成することができる。
【0021】
前記2つの木材固定装置の木材置台先端側に、前記2本の木材の先端位置を決めるためのストッパーを着脱自在に取り付けることにより、各木材の軸方向位置を容易に、かつ精度よく設定でき、前記木材の軸方向位置を設定したのちは、ストッパーを開放して木口の加工をすることができる。また、このストッパーを前記2台の回転鋸に取り付けることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1乃至図4にスロープトフィンガージョイント材製作装置の実施形態を示す。図1はその平面図、図2は正面図、図3および図4は、フィンガー切削カッターの移動軸に沿った側面図である。なお、図面を見やすくするため、図2の正面図では、フィンガー切削カッターを省略してある。
【0023】
基台1の上には2つの木材固定装置2、3が対向して設置されている。この木材固定装置2、3は、各々架台6、7と、この各架台6、7の上面に設けられた木材置台8、9、各木材置台8、9の上に置かれた木材を側面から押圧固定する押圧部10、11、および各木材の先端位置を決めるストッパー12、13からなる。押圧部10、11は、押さえ板を介して油圧装置14で各木材を押圧し、2本の木材を1軸上に固定できるようになっている。
【0024】
前記向かって右側の木材固定装置2の木材置台8と押圧部10は、架台6にスライドベース4を介して設置され、このスライドベース4は、架台6に取り付けられたガイドレール5に案内されて、架台6に組み込まれたシリンダー5aで左右に平行移動可能になっている。
【0025】
基台1には、前記木材の固定軸と斜めに交差するレール15が、基台1と基台1から張り出したビーム17に3つのレール取付け台18、19、20で固定されている。このレール15には、2つの支持台21、22を介してフィンガー切削カッター16と2台の回転鋸23が搭載されている。前記2つの支持台21、22は、後述する機構で、レール15に沿って前進、後退移動できるようになっている。
【0026】
前記フィンガー切削カッター16は、アーム25の先端側に取り付けられ、モーター24で回転駆動される。このアーム25は、後述する機構で、前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面内で回動可能とされるとともに、この平面に垂直方向にフィンガーの半ピッチ分だけ平行移動できるようになっている。このアーム25には、フィンガー切削加工された木材の接合面に接着剤を塗布するための糊付けローラー26も取り付けられている。
【0027】
前記2台の回転鋸23は、フィンガー切削カッター16の回転軸および前記レール15の両者と垂直な回転軸を有し、後述するように、モーター27で回転駆動される。
【0028】
また、この実施形態では、前記木材固定装置2、3の各架台6、7の送入側と排出側に木材送り装置30、31が取り付けられ、向かって左側の木材固定装置3の排出側の基台1上にはジョイント材切断装置32も取り付けられている。この木材送り装置30、31は、前記各木材置台8、9上に木材を送り込むためのものであり、モーター33で送りローラー33aを回転駆動する構成になっている。ジョイント材切断装置32は、接合された木材を定寸に切断するためのものであり、測長のためのエンコーダー34と回転鋸35で構成されている。また、向かって左側の木材送り装置31は接合された木材をジョイント材切断装置32に送り込むためにも使用される。
【0029】
上述したスロープトフィンガージョイント材製作装置の主な操作手順は以下の通りである。
【0030】
素材となる2本の木材は、前記右側の木材固定装置2の送入側から供給され、この木材固定装置2の送入側に取り付けられた前記木材送り装置30で、前記木材固定装置2、3の各木材置台8、9上に1本づつ送り込まれる。
【0031】
つぎに、木材固定装置2、3の前記ストッパー12、13をセットし、前記各木材送り装置30、31で、各木材の先端を各ストッパー12、13に押し付け、前記押圧部10、11の油圧装置14で各木材の側面を押圧して、2本の木材を1軸上に固定する。各木材を固定したのち、ストッパー12、13は開放される。
【0032】
つぎに、前記2台の回転鋸23を前記レール15に沿って前進させながら駆動し、各木材の先端を同時に斜めに切断する。この切断ののち、2台の回転鋸23は元の位置に後退させられる。
【0033】
つぎに、前記フィンガー切削カッター16をレール15に沿って前進させながら駆動する。この前進の際には、前記アーム25を、前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面内で右側に回動し、フィンガー切削カッター16を、前記右側の木材固定装置2に固定された木材の斜めに切断された傾斜面に鈍角側から進入させ、この傾斜面にフィンガー切削加工を施す。さらに、このフィンガー切削加工された接合面には、前記糊付けローラー26が当接され、接着剤が塗布される。
【0034】
フィンガー切削カッター16を後退させる際には、前記アーム25を木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面内で左側に回動するとともに、この平面に垂直方向に、フィンガーの半ピッチ分だけ平行移動し、前記左側の木材固定装置3に固定した木材の傾斜面に、フィンガー切削カッター16を鈍角側から進入させてフィンガー切削加工を施す。
【0035】
つぎに、前記架台6のスライドベース4を左方向へスライドさせ、前記右側の木材固定装置2に固定した木材の、接着剤を塗布された接合面を、左側の木材固定装置3に固定した木材の接合面に圧締めして、スロープトフィンガージョイント材を製作する。
【0036】
最後に、この製作したジョイント材を、前記左側の木材送り装置31で前記ジョイント材切断装置32に送り込み、前記エンコーダー34で測長して、前記回転鋸35で所定の寸法に切断する。
【0037】
つぎに、実施形態のスロープトフィンガージョイント材製作装置を構成する各部の詳細を説明する。
【0038】
図5は、前記木材固定装置2、3を拡大して示す平面図である。この木材固定装置2、3の前記押圧部10、11は、前記各木材置台8、9に置かれた木材36、37を各2枚の押さえ板38、39、40、41で側面から挟持する構成になっている。
【0039】
各押圧部10、11の一方の押さえ板38、40は、前記各架台6、7の上面に取り付けられた補強プレート42、43で、その背面を固定されている。他方の各押さえ板39、41は、各架台6、7に設置された前記油圧装置14に補強プレート44、45を介して取り付けられており、この油圧装置14で各木材36、37を前記固定された各押さえ板38、40に押圧固定している。各押さえ板38、39、40、41の表面には、木口切りやフィンガー切削加工時に木材36、37がずれるのを防止するため、細かい凹凸が形成されている。
【0040】
また、右側の木材固定装置2の木材置台8の送入側には、前記木材送り装置30で送り込まれる、素材としての木材をガイドするための複数のガイドローラー46が取り付けられている。左側の木材固定装置3の油圧装置14に取り付けられた前記補強プレート45の先端側には、補助押圧装置47が取り付けられ、左側の木材37先端部の押圧固定を補強している。
【0041】
木材固定装置2、3の前記ストッパー12、13は、各々補強プレート44、43の上面に、取付け金具48、49を介して取り付けられ、シリンダー50を作動させることにより、リンク51を介してストッパー板52を90度転回させる機構になっている。
【0042】
前記ストッパーは、前記2台の回転鋸23が搭載された支持台22に設置することもでき、この場合は、この支持台22が前記レール15に沿って退避可能なため、ストッパー板は固定式にしてもよい。
【0043】
図6乃至図8は、フィンガー切削カッター16を拡大して示す。図6は側面図、図7は正面図、図8は平面図である。前記レール15は上下端部に2本のガイドレール53を有し、その中央部にはモーターで回転駆動されるねじシャフト54が取り付けられている。
【0044】
前記フィンガー切削カッター16が搭載された支持台21には、前記ねじシャフト54に嵌合するボールねじ55と、前記2本のガイドレール53に嵌合するガイド溝56が取り付けられ、ねじシャフト54の回転に伴い、このボールねじ55で、支持台21がガイドレール53に沿って移動する。なお、この支持台21には、後述する、前記アーム25を水平面内で回動するためのシリンダー58とガイド棒59も取り付けられている。
【0045】
前記アーム25は、基部60と、この基部60にヒンジ61で支えられた回動部57からなり、この回動部57が水平面内で回動するとともに、基部60が、前記支持台21に設けられた水平面に垂直なスライド面62に沿って平行移動できるようになっている。
【0046】
前記回動部57の先端には、水平面に垂直なカッターの回転軸63が配置され、この回転軸63の上端側にフィンガー切削カッター16が取り付けられており、その両側には木屑を吸引するためのダクト64が設けられている。
【0047】
前記回転軸63の下端にはプーリー65が取り付けられ、このプーリー65が前記カッター駆動用モーター24の駆動軸に取り付けられたプーリーとVベルト66で連結されている。
【0048】
前記回動部57の上面側には、モーター67と減速機68で駆動され、フィンガー切削カッター16の回転軸63と平行な回転軸69を有する糊付けローラー26が取り付けられている。この糊付けローラー26は、その縦断面形状が加工されるフィンガーの形状と等しく形成され、その取り付け高さもフィンガー切削カッター16の高さ位置に合致させてある。
【0049】
また、この糊付けローラー26の前記回動部57側面からの突き出し量は、前述した回動部57が右側に回動して前進する際に、糊付けローラー26とフィンガー切削カッター16の各外周面の軌跡が同一となるように、スライド面70に沿って調節され、ねじで固定されている。なお、回動部57の上フレームには、半円状の切欠き71が設けられ、この切欠き71の下方には、垂れ落ちる余剰の接着剤を受ける糊受け容器72が取り付けられている。
【0050】
この実施形態では、前記糊付けローラー26をモーター67で駆動する構成としたが、加工された木材の接合面との接触のみで糊付けローラ26を回転させ、無駆動としてもよい。
【0051】
つぎに、前述した回動部57の水平面内での回動機構を、図9および図10を参照して説明する。図9は前記シリンダー58で回動部57を前記ヒンジ61の軸を中心として回動させた状態を示す。図9(a)は回動部57を右側に回動した状態、(b)は中立位置に戻した状態、(c)は左側に回動した状態である。
【0052】
前記シリンダー58は、水平面内で回転自在な継手73を介して前記支持台21に取り付けられ、回動部57のフレームに設けられた孔74に隙間をもって嵌め込まれている。このシリンダー58の先端には金具75が取り付けられ、この金具75で回動部57のフレームを拘束して、回動部57を回動させている。
【0053】
図10は、図9に示した回動部57の動きを、前記ガイド棒59を含む断面で示す。このガイド棒59は、前記支持台21に設けられた孔にナット76で固定され、回動部57のフレームに水平面内で回転自在に取り付けられた筒状の金具77に通されている。ガイド棒59には、2つのストッパー78、79が取り付けられ、右側に回動した場合は、図中に1点鎖線で示すように、この金具77がガイド棒59の先端側のストッパー78に、左側に回動した場合は、図中に2点鎖線で示すように根本側のストッパー79に当接され、回動部57の回動位置が決められるようになっている。
【0054】
上述したように、この実施形態では、前記中立位置に対して、前進時と後退時でのカッターの水平面内での移動量を設定できるため、フィンガー切削加工の切り込み深さを過不足なく形成でき、かつ前記カッター駆動装置の負荷も前進時と後退時で等しくできるため、精度のよい接合面を形成することができる。
【0055】
つぎに、前記アーム25の水平面に垂直な方向の移動機構を、図11を参照して説明する。図11(a)はこの機構が組み込まれたアーム25近傍の平面図、(b)はその側面図である。
【0056】
前記支持台21の上面にはシリンダー80が取り付けられ、このシリンダー80にリンク81を介して水平面に垂直な回転軸82が連結されている。この回転軸82の一部には、その外周面にねじ部83が形成されている。
【0057】
一方、支持台21の前記スライド面62に装着されたアーム25の基部60には、ボールねじ84が組み込まれ、このボールねじ84に前記回転軸82のねじ部83が嵌合されている。
【0058】
前記シリンダー80を作動させることにより、回転軸82がリンク81を介して回転され、ボールねじ84が回転軸82のねじ部83に沿って移動する。したがって、アーム25が前記スライド面62に沿って上下に移動する。シリンダー80の作動ストロークは、このアーム25の移動量が、加工されるフィンガーの半ピッチ分に等しくなるように、予め調整されている。
【0059】
この実施形態では、回転軸82の回転でボールねじ84を移動させる機構を採用したが、高精度で前記アーム25を上下させる機構としては、種々の方法を採用することができ、例えばシリンダーでテーパーライナーを抜き差しして、アーム25を上下させる方法も採用できる。
【0060】
また、前記アームを上下させる方法の替わりに、前記2台の木材固定装置2、3の木材置台8、9のいずれか一方を上下動可能に形成し、フィンガー切削カッター16の前進、後退移動の際に、加工される木材の方をフィンガーの半ピッチ分だけ上下させる方法も採用することができる。
【0061】
図12乃至図14は、前記2台の回転鋸23を拡大して示す。図12は平面図、図13は前記レールの軸方向に沿った側面図、図14はその正面図である。この2台の回転鋸23の支持台22には、前記フィンガー切削カッター16を搭載した支持台21と同様に、ガイド溝85とボールねじ86が取り付けられ、前記レール15に設けられた2本のガイドレール53に、このガイド溝85が嵌合され、前記支持台21のねじシャフト54とは別のねじシャフト87の回転で、ボールねじ86がこのねじシャフト87に沿って移動するように形成されている。
【0062】
前記回転鋸駆動用モーター27の駆動力は、その駆動軸に取り付けられたプーリー89から、Vベルト90により回転軸91に取り付けられた中央のプーリー92に伝達され、さらにこの中央のプーリー92の左右両側に取り付けられた2つのプーリー93から、Vベルト94により各回転鋸23の回転軸に取り付けられたプーリー95に分配されている。
【0063】
2台の回転鋸23は、前記ガイドレール53に沿った方向に、その回転軸の位置が所定の距離だけ互いにずれており、前述したように、2本の木材36、37の木口を同じタイミングで斜めに切断する。したがって、モーター27の駆動力は、前記回転軸91の中央のプーリー92の左右で、2台の回転鋸23に等分に分配されるため、木材36、37の木口に精度のよい傾斜面を形成することができる。
【0064】
図15は、カッターの移動軸を、木材96a、96bの固定軸に対して2軸方向に傾斜させて切削したスロープトフィンガー97a、97bを示す。これらの木材96a、96bを圧締めして製作されたスロープトフィンガージョイント材は、その接合面98a、98bに形成されたフィンガー97a、97bが2軸方向に傾斜しているため、より広範囲の方向からの曲げ力に対して高い強度を有する。
【0065】
上述した実施形態では、前記木材の固定軸に前記カッターの移動軸を水平面内で一定の傾斜角度で交差させる構成としたが、カッターの移動軸を水平面内で回動可能とすることにより、この交差角度を調節して、接合面の傾斜角度が異なるスロープトフィンガージョイント材も製作できるようにすることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、この発明のスロープトフィンガージョイント材の製作装置は、2本の木材を1軸上に固定し、この軸と所定の傾斜角度で交差する軸に沿ってフィンガー切削カッターを前進、後退移動させて駆動するとともに、このカッターを、カッターの移動軸と木材の固定軸を含む平面内で、前進時と後退時とで反対方向へ移動させ、かつこの平面と垂直方向にフィンガーの半ピッチ分だけ平行移動させるようにしたので、カッターの1往復で2本の木材に効率よくフィンガーを加工できるとともに、各木材のフィンガーを全く同一の傾斜で、かつ両者が精度よく補完し合うように形成でき、真直で接合強度の高いスロープトフィンガージョイント材を製作することができる。
【0067】
また、前記カッターの移動軸と同軸上に2台の回転鋸を搭載し、前記2本の木材を固定する装置のいずれか一方を前記木材の固定軸に沿ってスライド可能としたので、素材としての2本の木材を一度セッティングするのみで、スロープトフィンガージョイント材をより効率的で精度よく製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロープトフィンガージョイント材製作装置の実施形態の平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った側面図
【図4】図1のIV−IV線に沿った側面図
【図5】図1の木材固定装置を拡大して示す平面図
【図6】図3のフィンガー切削カッターを拡大して示す側面図
【図7】図6の正面図
【図8】図6の平面図
【図9】a、b、cは、それぞれ図8のアームの水平面内での移動機構を説明する図
【図10】図8のアームの水平面内での移動機構を説明する図
【図11】a、bは、それぞれ図8のアームの水平面に垂直な方向の移動機構を説明する図
【図12】図1の2台の回転鋸を拡大して示す平面図
【図13】図12のXIII−XIII線に沿った側面図
【図14】図13の正面図
【図15】2軸方向に傾斜したスロープトフィンガーの斜視図
【図16】スロープトフィンガーの斜視図
【符号の説明】
1 基台
2、3 木材固定装置
4 スライドベース
5 ガイドレール
5a シリンダー
6、7 架台
8、9 木材置台
10、11 押圧部
12、13 ストッパー
14 油圧装置
15 レール
16 フィンガー切削カッター
17 ビーム
18、19、20 レール取付け台
21、22 支持台
23 回転鋸
24 モーター
25 アーム
26 糊付けローラー
27 モーター
30、31 木材送り装置
32 ジョイント材切断装置
33 モーター
33a ローラー
34 エンコーダー
35 回転鋸
36、37 木材
38、39、40、41 押さえ板
42、43、44、45 補強プレート
46 ガイドローラー
47 補助押圧装置
48、49 取付け金具
50 シリンダー
51 リンク
52 ストッパー板
53 ガイドレール
54 ねじシャフト
55 ボールねじ
56 ガイド溝
57 回動部
58 シリンダー
59 ガイド棒
60 基部
61 ヒンジ
62 スライド面
63 回転軸
64 ダクト
65 プーリー
66 Vベルト
67 モーター
68 減速機
69 回転軸
70 スライド面
71 切欠き
72 糊受け容器
73 継手
74 孔
75 金具
76 ナット
77 金具
78、79 ストッパー
80 シリンダー
81 リンク
82 回転軸
83 ねじ部
84 ボールねじ
85 ガイド溝
86 ボールねじ
87 ねじシャフト
89 プーリー
90 Vベルト
91 回転軸
92、93 プーリー
94 Vベルト
95 プーリー
96a、96b 木材
97a、97b フィンガー
98a、98b 接合面
99a、99b 木材
100a、100b 傾斜面
101a、101b フィンガー

Claims (10)

  1. 2本の木材を所要の間隔をおいて1軸上に固定し、木口にフィンガーが切削加工されたのち、両木材を接近させて圧締めする2つの木材固定機構と、この2つの木材固定機構間に、前記木材が固定された軸に所定の傾斜角度で前進、後退移動するフィンガー切削カッターとで構成され、前記フィンガー切削カッターが、前進移動時に一方の木材の木口にスロープトフィンガーを切削し、後退移動時に他方の木材の木口に、前記一方の木材の木口に切削したスロープトフィンガーに対して半ピッチずれたスロープトフィンガーを切削するように、木口に対してフィンガー切削カッターを相対移動させる手段を設けたスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  2. 前記カッターが移動する軸が、前記木材の固定軸と2軸方向に傾斜した請求項1に記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  3. 前記2つの木材固定機構を有する装置が、各々基台上に設置された架台と、この架台に設けられた木材置台および木材を押圧固定する押圧部からなり、少なくとも一方の木材置台が前記木材の固定軸に沿ってスライド可能に形成された請求項1または請求項2に記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  4. 前記フィンガー切削カッターが、前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面内で回動可能に形成されたアームに取り付けられ、前記フィンガー切削カッターが前進、後退移動して各木材の木口を切削する際に、フィンガー切削カッターが各木口の傾斜面に対して鈍角側から進入するように形成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  5. 前記アームが支持台に装着され、この支持台に前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面に垂直なスライド面が設けられ、前記アームがこのスライド面に沿って平行移動可能に形成された請求項4に記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  6. 前記2つの木材固定装置の木材置台の少なくともいずれか一方が、前記木材の固定軸とカッターの移動軸を含む平面と垂直方向に平行移動可能に形成された請求項4に記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  7. 前記アームに、その回転軸が前記フィンガー切削カッターの回転軸と平行で、その縦断面形状が加工されるフィンガーの形状に等しい糊付けローラーが取り付けられた請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  8. 前記カッターの移動軸と同軸上を移動し、この軸および前記フィンガー切削カッターの回転軸の両者と垂直な回転軸を有する2台の回転鋸が取り付けられた請求項4乃至請求項7のいずれかに記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  9. 前記2つの木材固定装置の木材置台先端側に、前記2本の木材の先端位置を決めるためのストッパーが、着脱自在に取り付けられた請求項4乃至請求項8のいずれかに記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
  10. 前記2台の回転鋸に、前記2本の木材の先端位置を決めるためのストッパーが取り付けられた請求項8に記載のスロープトフィンガージョイント材の製作装置。
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