JP3959971B2 - プログラム、記録媒体、画像処理装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速かつ高画質の黒文字強調処理を行うことが可能な画像処理制御プログラム、当該プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デジタル画像データに対して各種の色修正処理が行われている。例えば、見る者が好ましい印象を受けるために、黒い文字や黒い罫線をより黒くするといった強調処理である。これらの処理は、通常、コンピュータで実行可能となっており、コンピュータがデジタル画像データに基づき、強調程度のパラメータを演算により求めて強調処理を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の黒文字強調処理の場合、強調処理を行う前に黒文字を抽出しなければならない。この黒文字の抽出には、通常、文字のパターンマッチングが用いられており、かかる文字のパターンマッチングを行うにはパターンマッチングのための大量の計算が必要であるとともに、計算対象となるパターンデータを記憶するためのメモリを大量に必要とする。従って、従来の黒文字強調処理の場合には、計算処理に多くの時間を要すると共に、非常に多くの記憶容量を必要とする。応用分野によっては、高速計算処理が必要であったり、多くの記憶容量が確保できない場合がある。
【0004】
また、従来の黒文字強調処理を行うと、文字などのエッジ部がシャープになるものの、網点画像の場合にはモアレが発生してしまう。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、高速かつ高画質の黒文字強調処理を行うことが可能な画像処理制御プログラム、当該プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置および方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1に記載の発明は、カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度が低くなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスを強調するシャープネス強調処理をコンピュータに実行させるように構成される。
【0007】
以上のように構成された、カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムによれば、シャープネス強調処理によって、前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度が低くなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスが強調される。このため、濃度が薄くなることによって網点画像でのパターンの変化が人間の感覚上あまり気にならなくなり、網点画像の場合におけるモアレの発生を抑制することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプログラムであって、前記色画像データに基づいて黒強調処理をさらにコンピュータに実行させるように構成される。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のプログラムであって、前記シャープネス強調処理が、所定領域の前記色画像データの平滑化前後の差を求める処理と、当該差が正の場合にシャープネスを強調する処理と、を備えて構成される。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいづれか一項に記載のプログラムであって、前記シャープネス強調処理が、シャープネスを強調する程度を調整する処理を備えて構成される。
【0011】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいづれか一項に記載のプログラムであって、前記黒強調処理が黒領域に対して行われるように構成される。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のプログラムであって、前記黒領域が、輝度相当値および彩度相当値に基づいて求められるように構成される。
【0013】
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6のいづれか一項に記載のプログラムであって、前記黒強調処理がシャドウ部を強調する処理を備えて構成される。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7のいづれか一項に記載のプログラムであって、前記シャープネス強調処理を行った後に、前記黒強調処理を行うように構成される。
【0015】
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいづれか一項に記載のプログラムであって、前記シャープネス強調処理または前記黒強調処理を選択可能であるように構成される。
【0016】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいづれか一項に記載のプログラムを記録した媒体である。
【0017】
さらに、請求項11に記載の発明は、カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理装置であって、前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度が低くなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスを強調するシャープネス強調手段を備えて構成される。
【0018】
また、請求項12に記載の発明は、カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理方法であって、前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度が低くなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスを強調するシャープネス強調工程を備えて構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像処理制御方法を適用した画像処理システムを示す機能ブロック図であり、図2は、画像処理装置の具体的ハードウエア構成例を概略ブロック図により示している。
【0021】
画像処理装置
図1において、画像処理装置20は、スキャナやデジタルカメラなどの画像入力装置10から供給される画像入力信号に対して画像処理を施し、当該画像処理された色画像データを画像出力装置30に出力する。ここで、画像入力信号はカラー画像を所定の要素色毎に色分解しつつ、その要素色毎に強弱を表したものであり、有彩色であって所定の比で混合したときには灰色に代表される無彩色と黒色とからなる。
【0022】
画像処理装置20は、指示部20fからの指示に基づき所望の色補正処理を施し、入力されるRGBの階調データ(前記画像入力信号)をR’G’B’の階調データに変換する色補正処理部20aと;前記R’G’B’の階調データをCMY((シアン、マゼンタ、イエロー)、またはこれに黒を加えたCMYK、またはこれにライトシアン(c)ライトマゼンタ(m)を加えたCMYKcm)の階調データに変換する色変換部20bと;当該変換されたCMY(またはCMYKまたはCMYKcm)の階調データを二値データに階調変換する二値化部20cと;を備えている。
【0023】
さらに、色補正処理部20aは、指示部20fからの指示に基づきアンシャープマスキング処理を施すアンシャープマスキング処理部20dと、指示部20fからの指示に基づき黒強調処理を施す黒強調処理部20eと、を備えて構成される。これらアンシャープマスキング処理部20dおよび黒強調処理部20eの処理の詳細に関しては後述する。
【0024】
ハードウエア構成
画像入力装置10の具体例は、図2におけるスキャナ11a、デジタルスチルカメラ11bまたはビデオカメラ11cなどが該当する。また、画像処理装置20の具体例は、コンピュータ12、ハードディスク13b、キーボード15a、CD−ROMドライブ13c、フロッピーディスクドライブ13a、モデム14aおよびマウス15bなどを備えて構成されるコンピュータシステムが該当する。そして、画像出力装置30の具体例は、プリンタ17b、ディスプレイ17aなどが該当する。但し、当該実施の形態においては、これらの画像出力装置30のうちプリンタ17bについて特に詳細な説明を行う。なお、モデム14aは公衆電話回線に接続され、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続され、ソフトウエアやデータをダウンロードすることができる。
【0025】
本発明による画像処理制御プログラムは、通常、コンピュータ12が読取可能な形態でフロッピーディスク、CD−ROMなどの記録媒体に記録されて流通する。当該プログラムは、メディア読取装置(CD−ROMドライブ13c、フロッピーディスクドライブ13aなど)によって読み取られてハードディスク13bにインストールされる。そして、CPUが所望のプログラムを適宜ハードディスク13bから読み出して所望の処理を実行するように構成されている。なお、本発明による画像処理制御プログラム自体も本願発明の一部を構成する。
【0026】
当該実施の形態においては、画像入力装置としてのスキャナ11aやデジタルスチルカメラ11bが画像データとしてRGB(緑、青、赤)の階調データを出力するとともに、画像出力装置30としてのプリンタ17bは、階調データとしてのCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)、またはこれに黒を加えたCMYK、またはこれにライトシアン(c)ライトマゼンタ(m)を加えたCMYKcmの二値データを入力として必要とする。また、ディスプレイ17aは、RGBの階調データを入力として必要とする。一方、コンピュータ12内では、オペレーティングシステム12a、プリンタ17b及びディスプレイ17aに対応するプリンタドライバ12c及びディスプレイドライバ12bを備えている。また、画像処理用アプリケーション12dは、オペレーティングシステム12aによって処理の実行が制御され、必要に応じてプリンタドライバ12cやディスプレイドライバ12bと連帯して所定の画像処理を実行する。したがって、画像処理装置20としての当該コンピュータ12の具体的役割は、入力されるRGB階調データに対して、高速かつ高画質の黒文字強調処理を施したRGB階調データを作成して、プリンタドライバ12cを介してCMY(またはCMYKまたはCMYKcm)の二値データに変換してプリンタ17bに印刷させる。
【0027】
画像処理制御プログラム
当該実施形態では、画像入力装置10がスキャナであり、画像出力装置30がプリンタの場合について説明する。
【0028】
第1実施例
以下、図3を参照して、画像処理装置20によって実行される画像処理制御プログラムの第1実施例を説明する。
【0029】
まず、図1に示す画像処理装置20の指示部20fを介してアンシャープマスキング処理が指示されると(ステップ42、Yes)、色補正処理部20aのアンシャープマスキング処理部20dは、後に詳細に説明するアンシャープマスキング処理を実行する(ステップ44)。アンシャープマスキング処理は、3×3の範囲の画素入力に対して1画素を出力する処理である。図4に、アンシャープマスキング処理の対象となる近傍画素を説明するための図を示す。このように、当該実施形態では、iおよびjの値を−1≦i≦1、−1≦j≦1の範囲の整数として参照画素数を9とすることによって、さらに高速な計算処理が可能となるとともに計算に使用するメモリの容量をさらに少なくすることができる。
【0030】
一方、指示部20fを介してアンシャープマスキング処理が指示されない場合(ステップ42、No)、色補正処理部20aのアンシャープマスキング処理部20dは、アンシャープマスキング処理を行わずに、図4に示す3×3の範囲の画素の中心に位置する画素をそのまま出力する(ステップ46)。
【0031】
次に、指示部20fを介して黒強調処理が指示されると(ステップ48、Yes)、色補正処理部20aの黒強調処理部20eは、後に詳細に説明する黒強調処理を実行する(ステップ50)。当該黒強調処理は、1画素入力に対して1画素を出力する処理である。
【0032】
一方、指示部20fを介して黒強調処理が指示されない場合(ステップ48、No)、色補正処理部20aの黒強調処理部20eは、黒強調処理を行わずに、1画素をそのまま出力する(ステップ52)。
【0033】
ステップ42〜46におけるアンシャープマスキング処理と、ステップ48〜52における黒強調処理とは独立の処理であり、例えば処理全体の負荷が大きい時には、いずれか一方の処理のみを用いる構成とすることもできる。但し、黒文字強調処理の効果を鑑みれば両方の処理を行うことが好ましい。また、ステップ42〜46におけるアンシャープマスキング処理と、ステップ48〜52における黒強調処理とを逆の順序で処理することも可能であるが、アンシャープマスキング処理において3×3範囲の画素を確保してアンシャープマスキング処理を行うことを鑑みると、図3に示すようにアンシャープマスキング処理の後に黒強調処理を行う方が、黒強調処理画素保存用メモリを設ける必要がなく、ハードウエアの構成上好ましい。
【0034】
なお、ステップ42〜52の処理を行うにあたっては、図5に示すようにして対象画素を移動させながら全画素について上記処理を行う。
【0035】
第2実施例
以下、図15を参照して、画像処理装置20によって実行される画像処理制御プログラムの第2実施例を説明する。
【0036】
第1実施例では、アンシャープマスキング処理および黒強調処理を選択可能な構成としているが、当該第2実施例では、アンシャープマスキング処理の強さの調整量が設定されると、自動的にアンシャープマスキング処理および黒強調処理が行われる。
【0037】
図15に示すように、図1に示す画像処理装置20の指示部20fを介して、後に詳細に説明するアンシャープマスキング処理の強さの調整量CUSMが設定されると(ステップ54)、色補正処理部20aのアンシャープマスキング処理部20dは、後に詳細に説明するアンシャープマスキング処理を実行する(ステップ56)。第1実施例と同様に、アンシャープマスキング処理は、3×3の範囲の画素入力に対して1画素を出力する処理であり、図4に示すように参照画素数を9とすることによって、さらに高速な計算処理が可能となるとともに計算に使用するメモリの容量をさらに少なくすることができる。
【0038】
そして、アンシャープマスキング処理の後、色補正処理部20aの黒強調処理部20eは、後に詳細に説明する黒強調処理を実行する(ステップ58)。第1実施例と同様に、当該黒強調処理は、1画素入力に対して1画素を出力する処理である。
【0039】
第1実施例と同様に、ステップ56におけるアンシャープマスキング処理と、ステップ56における黒強調処理とは独立の処理であり、例えば処理全体の負荷が大きい時には、いずれか一方の処理のみを用いる構成とすることもできる。但し、黒文字強調処理の効果を鑑みれば両方の処理を行うことが好ましい。また、ステップ56におけるアンシャープマスキング処理と、ステップ58における黒強調処理とを逆の順序で処理することも可能であるが、アンシャープマスキング処理において3×3範囲の画素を確保してアンシャープマスキング処理を行うことを鑑みると、図15に示すようにアンシャープマスキング処理の後に黒強調処理を行う方が、黒強調処理画素保存用メモリを設ける必要がなく、ハードウエアの構成上好ましい。
【0040】
なお、ステップ56および58の処理を行うにあたっては、図5に示すようにして対象画素を移動させながら全画素について上記処理を行う。
【0041】
アンシャープマスキング処理
次に、図6乃至図11を参照して、アンシャープマスキング処理部20dによって実行されるアンシャープマスキング処理制御プログラムを説明する。
【0042】
図6に、アンシャープマスキング処理部20dによって実行されるアンシャープマスキング処理制御プログラムを説明するためのフローチャートを示す。また、図7乃至図11に、アンシャープマスキング処理の概念を説明するための図を示す。
【0043】
図6に示すように、当該実施形態におけるアンシャープマスキング処理(図3のステップ44における処理)では、RGBに対する処理をそれぞれ順番に行う。当該実施形態では、R→G→Bの順に処理を行うこととしているが、この順番は一例であり、他の順番で処理することもできる。また、各処理内容は同一であるため、以下の説明では、代表してRに関して説明を行う。
【0044】
ここで、処理対象画素を、
{Rin(0,0),Gin(0,0),Bin(0,0)} … (1)
とし、処理対象範囲を、
{Rin(i,j),Gin(i,j),Bin(i,j)} … (2)
とする。但し、iおよびjは、-1≦i≦1、-1≦j≦1の範囲の整数である。また、アンシャープマスキング処理終了後の画素を、
{RUSM(0,0),GUSM (0,0),BUSM (0,0)} … (3)
とする。
【0045】
そして、ステップ44におけるアンシャープマスキング処理が開始されると、まず、処理フラグを赤(Red)にセットして(ステップ60)、図4に示す処理対象範囲(3×3の範囲)に対して平滑化を行う(ステップ62)。平滑化後の画素をRSM(0,0)とすると、平滑化処理は、
【0046】
【数1】
となる。
【0047】
ここで、
h(-1,-1)=1/16、h(-1,0)=2/16、h(-1,1)=1/16
h(0,-1)=2/16、h(0,0)=4/16、h(0,1)=2/16
h(1,-1)=1/16、h(1,0)=2/16、h(1,1)=1/16
である。h(K,L)は、平滑化を行うフィルタの係数である。このフィルタの係数は,平滑化特性を示せば任意に設定できるが、当該実施形態ではハードウエアでの処理を考慮して3×3の範囲において2のべき乗で表現できる係数に設定した。
【0048】
原画像の要素色濃度分布が図7に示すとおりであったとすると、平滑化後の画像は、図8に示すように濃度変化の割合が全体的に小さくなる。
【0049】
次に、平滑化前後の画素の差Diffを、
Diff=Rin(0,0)−RSM(0,0) … (5)
から計算する(ステップ64)。
【0050】
そして、修正した差Diff’を、
Diff≧0の場合には
Diff’=Diff … (6)
とし、
Diff’<0の場合には、
Diff’=0 … (7)
とする(ステップ66)。式(6)および式(7)を用いてDiffを修正するのは、差Diffを正の値に限定するためである。このようにDiffを正の値に限定することによって、濃度が薄く(値が大きく)なる方向の強調だけを行えるようになる。
【0051】
通常のアンシャープマスキング処理を行うと、文字などのエッジ部がシャープになるととともに、網点画像の場合にモアレが発生してしまう。しかし、当該実施形態によるアンシャープマスキング処理によれば、網点画像の場合におけるモアレの発生を抑制することができる。すなわち、濃度が薄くなることによる網点画像でのパターンの変化は、濃度が濃くなることによるパターンの変化と比較して人間の感覚上あまり気にならないからである。
【0052】
図9に、平滑化前後の要素色濃度分布を示し、図10に、修正後の要素色濃度分布を示す。
【0053】
最終的なアンシャープマスキング処理は、修正した差Diff’を原画像に加えて、
RUSM(0,0)=Rin(0,0)+CUSM・Diff’ … (8)
によって求められる。式(8)において、CUSMは、アンシャープマスキング処理の強さを制御するための定数であり、予め設定しておく。当該実施形態では、一例としてCUSM=2とする。また、結果としてRUSM(0,0)にオーバーフローが生じる場合には、RUSM(0,0)の最大値を255までに限定する処理をもうける。図11に、最終的なアンシャープマスキング処理を施した後の要素色濃度分布を示す。
【0054】
黒強調処理
次に、図12乃至図14を参照して、黒強調処理部20eによって実行される黒強調処理制御プログラムを説明する。
【0055】
黒強調処理は、(1)黒領域を抽出する処理と、(2)抽出領域を強調する処理と、を備える。
【0056】
図12に、抽出する黒領域の概念を説明するための図を示す。図12の立方体の斜線で囲まれた領域が黒領域であり、RGB空間としてみれば、輝度・彩度ともに小さな領域である。Bが一定の平面によるRGB空間の切断面を考えると、Bが小さいとき黒領域は左上に存在し、Bが大きくなるにしたがって黒領域は徐々に小さくなる。RGB空間で輝度・彩度とも小さい領域が黒領域であることを用いて、原画像に対して輝度および彩度を計算して、輝度および彩度の加重平均を用いて黒量を計算し、黒領域を抽出する。図12の概念図のように、Bが大きくなるにしたがって、三角形として存在する黒領域が徐々に小さくなることが確認できる。
【0057】
図13に、黒強調処理部20eによって実行される黒強調処理制御プログラムを説明するためのフローチャートを示す。ここで、黒強調処理対象画素を、
{Rin’(0,0),Gin’(0,0),Bin’(0,0)} … (9)
とし、黒強調処理終了後の画素を、
{RBK(0,0),GBK(0,0),BBK(0,0)} … (10)
とする。
【0058】
図13に示すように、当該実施形態における黒強調処理(図3のステップ50における処理)では、黒強調処理対象画素のRGB値から、輝度I(0,0)および彩度相当量S(0,0)を
によって計算する(ステップ80および82)。式(12)において、除算を行わずに彩度相当量を計算しているので、ハードウエアの負担を軽減することができる。
【0059】
次に、式(11)および式(12)から計算される輝度I(0,0)および彩度相当量S(0,0)から、以下の式(13)および式(14):
Dr(0,0)=255−I(0,0) … (13)
Gr(0,0)=255−S(0,0) … (14)
から暗さDr(0,0)およびグレー度Gr(0,0)を計算する。そして、計算された暗さDr(0,0)およびグレー度Gr(0,0)を用いて、以下の式(15):
BK(0,0)=CBK{α・Dr(0,0)+(1−α)・Gr(0,0)} … (15)
0≦α≦1
から黒量BK(0,0)を計算する(ステップ84)。式(15)において、CBKは、黒量の抽出を制御するための定数であり、値が大きい程、多くの黒量を抽出する。また、αは、黒量において暗さとグレー度との相対的重みを制御するための定数であり、値が大きい程、輝度(暗さ)を重視して黒量を算出する。この2つの定数は、いずれも予め設定しておく。当該実施形態では一例としてCBK=1、α=0.75とする。
【0060】
黒量を計算した後、シャドウ部の強調処理を行い(ステップ86)、シャドウ部を強調した画素のRGB値と処理対象画素のRGB値との混合によって処理終了画素のRGB値を計算する(ステップ88)。このとき、抽出した黒量によって混合の割合を変化させる。この処理では、RGBに対して等しく行われるため、以下の説明では代表してRについて説明する。
【0061】
Rに関してシャドウ部を強調した画素RSHD(0,0)は、
RSHD(0,0)=(2・Rin’(0,0)/255)2・128, 0≦Rin’(0,0)≦128 … (16)
RSHD(0,0)=Rin’(0,0), 128≦Rin’(0,0)≦255 … (17)
によって計算される。式(16)および式(17)による変換は、0≦Rin’(0,0)≦128においてγ関数を用いて入力値を変換して出力し、128≦Rin’(0,0)≦255において入力値をそのまま出力するものであり、シャドウ部の強調を行うことができる。式(16)および式(17)による変換を図14に示す。なお、ハードウエアとして実装する場合には、式(16)を
RSHD(0,0)=(Rin’(0,0))2/128, 0≦Rin’(0,0)≦128 … (18)
と近似する。これは、式(16)が255による除算を含んでおり、ハードウエアに負担がかかり好ましくないので、255による除算を含まないようにするためである。式(15)の黒量および式(16)並びに式(17)のシャドウ強調画素を用いて、黒強調処理の最終的処理画素RBK(0,0)は、
RBK(0,0)={BK(0,0)・RSHD(0,0)}/255+{1−BK(0,0)/255}・Rin’(0,0)… (19)
を近似した式
RBK(0,0)={BK(0,0)・RSHD(0,0)+(255−BK(0,0))・Rin’(0,0)}/256 … (20)
から計算する。式(20)は、シャドウ部を強調した画素と黒強調処理対象画素との混合によって処理終了画素を計算するものであり、この際、抽出した黒量に応じて、混合の割合を変化させている。式(20)において近似式を用いているのは、式(19) が255による除算を含んでおり、ハードウエアに負担がかかり好ましくないので、255による除算を含まないようにするためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像処理制御方法を適用した画像処理システムを示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置の具体的ハードウエア構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】画像処理装置によって実行される色補正処理制御プログラムの第1実施例を説明するためのフローチャートである。
【図4】アンシャープマスキング処理の対象となる近傍画素を説明するための図である。
【図5】処理対象画素を移動させて行く状態を示す図である。
【図6】アンシャープマスキング処理部20dによって実行されるアンシャープマスキング処理制御プログラムを説明するためのフローチャートである。
【図7】アンシャープマスキング処理の概念を説明するための図(1)である。
【図8】アンシャープマスキング処理の概念を説明するための図(2)である。
【図9】アンシャープマスキング処理の概念を説明するための図(3)である。
【図10】アンシャープマスキング処理の概念を説明するための図(4)である。
【図11】アンシャープマスキング処理の概念を説明するための図(5)である。
【図12】黒領域の概念を説明するための図である。
【図13】黒強調処理部20eによって実行される黒強調処理制御プログラムを説明するためのフローチャートである。
【図14】シャドウ部強調のための変換カーブを示す図である。
【図15】画像処理装置によって実行される色補正処理制御プログラムの第2実施例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 画像入力装置
11a スキャナ
11b デジタルスチルカメラ
11c ビデオカメラ
12 コンピュータ本体
12a オペレーティングシステム
12b ディスプレイドライバ
12c プリンタドライバ
12d アプリケーション
13a フロッピーディスクドライブ
13b ハードディスク
13c CD−ROMドライブ
14a モデム
15a キーボード
15b マウス
17a ディスプレイ
17b カラープリンタ
20 画像処理装置
20a 色補正処理部
20b 色変換部
20c 二値化部
20d アンシャープマスキング処理部
20e 黒強調処理部
20f 指示部
30 画像出力装置
Claims (8)
- カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度値が大きくなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスを強調するシャープネス強調処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
前記シャープネス強調処理が、
所定領域の前記色画像データの平滑化前後の差を求める処理と、
当該差が正の場合にシャープネスを強調する処理と、
を備えているプログラム。 - 請求項1に記載のプログラムであって、
前記シャープネス強調処理を行った後に、黒強調処理をさらにコンピュータに実行させるプログラムであり、
前記黒強調処理が、
前記黒強調処理の対象となる画素の輝度および彩度相当量に基づき黒量を計算する処理と、
前記黒量に応じて、前記画素の画素値と、前記画素においてシャドー部を強調したものの画素値とを混合する処理と、
を備えているプログラム。 - 請求項1または2に記載のプログラムであって、
前記シャープネス強調処理が、
シャープネスを強調する程度を調整する処理を備えているプログラム。 - 請求項2または3に記載のプログラムであって、
前記黒強調処理が黒領域に対して行われるプログラム。 - 請求項2乃至4のいづれか一項に記載のプログラムであって、
前記黒強調処理がシャドウ部を強調する処理を備えるプログラム。 - 請求項1乃至5のいづれか一項に記載のプログラムを記録した媒体。
- カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理装置であって、
前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度値が大きくなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスを強調するシャープネス強調手段を備え、
前記シャープネス強調手段が、
所定領域の前記色画像データの平滑化前後の差を求める手段と、
当該差が正の場合にシャープネスを強調する手段と、
を備えている画像処理装置。 - カラー画像を複数の要素色成分によって表した色画像データを修正する画像処理方法であって、
前記色画像データに基づき、要素色成分毎に、濃度値が大きくなる方向に要素色成分を補正することによってシャープネスを強調するシャープネス強調工程を備え、
前記シャープネス強調工程が、
所定領域の前記色画像データの平滑化前後の差を求める工程と、
当該差が正の場合にシャープネスを強調する工程と、
を備えている画像処理方法。
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