JP3959494B2 - 内照式表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路に設置する交通標識器,看板等に用いて好適な内照式表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路の交差点やカーブ等には自動車の円滑な走行や安全性を確保するため、各種の交通標識器(表示装置)が設置されている。
【0003】
ところで、この種の交通標識器は、夜間でもドライバから確実に認識できる必要があるため、通常、自動車のヘッドライト光を反射してドライバが容易に認識できるようにした技術も施されているが、ヘッドライト光が当たらない遠方からはほとんど認識できない弱点もある。
【0004】
このため、従来、危険性の高い重要な設置場所には、遠方からでも認識できるようにした内照式表示装置、即ち、ケーシングの前面部に、半透光性の表示面を有する表示板部を配設するとともに、ケーシングの内部に配した蛍光管や電球(ハロゲンランプ,白熱灯等)により表示面の裏側を照射して表示を行うようにした内照式表示装置も用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の内照式表示装置は蛍光管や電球を用いていたため、次のような問題点があった。
【0006】
第一に、蛍光管や電球は電力消費が大きいため、電灯線が必要になるなど、省エネルギ性及び経済性に劣る。
【0007】
第二に、電灯線が通っていない山間地等には設置できないため、設置できる場所が制限され、汎用性に欠ける。
【0008】
第三に、蛍光管や電球は比較的寿命が短いため、広範囲に点在する交通標識器の管理とメンテナンスが大変となる。
【0009】
本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、省エネルギ性,経済性,汎用性及びメンテナンス性を高めることができるとともに、加えて、十分な照度と均一な面照射、さらには高い認識性と多様性を確保できる内照式表示装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明は、交通標識器1tにおけるケーシング2の前面部に、半透光性の表示面Mを有する表示板部3を配設するとともに、ケーシング2の内部に配した発光部4により、表示面Mの裏側を照射して表示を行う内照式表示装置1を構成するに際して、ケーシング2の内部空間Sに、全周面が発光するタイプ又は半周面のみが発光するタイプを用いた面発光する光ファイバ5及びこの光ファイバ5の一端又は両端に投光する一又は二以上の白色又は色を異ならせた発光ダイオード6…を有する一又は二以上の発光部4…を、表示板部3に対して略平行に配設し、かつ光ファイバ5を表示板部3に対して均一に面照射できるようにジグザグ状に湾曲させるとともに、発光部4…を点灯制御する制御部7を備えることを特徴とする。
【0011】
この場合、好適な実施の形態により、制御部7の機能により発光ダイオード6…を点滅制御させてもよい。
【0012】
これにより、発光部4に消費電力の少ない発光ダイオード6…を用いるため、太陽電池(バッテリ)により点灯し、電灯線が不要になるとともに、発光ダイオード6…の点灯により光ファイバ5…は面発光するため、発光ダイオード6…のみによるスポット照射と異なり、十分な照度と均一な面照射、さらには高い認識性が確保される。なお、二以上の発光部4…における発光ダイオード6…の色を異ならせれば、ネオンサインのような趣を醸し出すことができる。
【0013】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
まず、本実施例に係る交通標識器1tの構成について、図1〜図6(図11)を参照して説明する。
【0015】
交通標識器1tは内部空間Sを有するケーシング2を備える。ケーシング2は正面視が円形となり、前後方向に偏平に形成するとともに、前面部を開放する。また、ケーシング2の前面部には図5(図1)に示すように、半透光性の表示面Mを有する表示板部3を配設し、ケーシング2の前面部を閉塞することにより内部空間Sを密閉する。
【0016】
実施例の表示板部3は、「制限速度50km/h」を表し、図11に示すように、プラスチック製の透明な基板11の表面に、全面を覆う円形に形成した乳白色の第一シート12a,リングマークを象った赤色の第二シート12b,数字「50」を象った青色の第三シート12cを順次貼り付けて構成できる。これにより、表示板部3の全体が半透光性となる。
【0017】
一方、ケーシング2の内部空間Sには発光部4を配設する。発光部4は、面発光する一本の光ファイバ5を備える。光ファイバ5は、直径5〜50〔mm〕程度のものを利用できるが、交通標識器1tの場合、直径13〜16〔mm〕程度のものが望ましい。光ファイバ5は、数十〔cm〕〜数十〔m〕程度の長さに切断したものを使用する。また、光ファイバ5の両端には、光源キャップ14x,14yをそれぞれ装着する。光源キャップ14x(14yも同じ)は、図2に示すように、発光ダイオード(LED)6を取付けたダイオード基板13を内蔵し、発光ダイオード6は光ファイバ5の端面に投光する。この場合、発光ダイオード6は白色発光ダイオードを使用するとともに、光源キャップ14x,14yは遮光性材料で形成する。光ファイバ5は全周面が発光するタイプであってもよいし、半周面のみが発光するタイプであってもよい。全周面が発光するタイプを用いる場合には、必要によりケーシング2の内面を反射面に形成すればよい。
【0018】
このように構成した発光部4は、図1に示すように、光ファイバ5を表示板部3に対して均一に面照射できるようにジグザグ状に湾曲させ、表示板部3に対して略平行となるように配設する。この場合、発光部4は、図3に示すように、細い取付部材15…を利用して光ファイバ5の複数位置をケーシング2の背面部内面2rに取付けることができる。また、各発光ダイオード6…は、配線ケーブル16…に接続し、この配線ケーブル16は制御部7に接続する。
【0019】
図4に制御部7を示す。制御部7はコントロール基板(電子制御回路)を含む制御部本体21,この制御部本体21に接続したバッテリ22,このバッテリ22に接続した太陽電池23,制御部本体21に接続した光センサ24を備え、この制御部本体21の出力部に各発光ダイオード6…を接続する。なお、制御部本体21は、光センサ24の明暗検出結果或いはタイマ機能等により発光ダイオード6…を点灯又は消灯させる機能を有するとともに、発光ダイオード6…を一定時間間隔で点滅制御する機能を備える。この場合、設定部により、点灯時間,消灯時間,点滅速度等を調整できる。また、車両感知センサ等の各種センサを制御部本体21に接続することにより、これらのセンサとの連動制御を行うことができる。なお、この実施例では、光センサ24による明暗検出結果により発光ダイオード6…を自動で点灯又は消灯させる例を示すが、光センサ24の代わりに、明暗により変化する太陽電池23の出力電圧を直接用いてもよい。
【0020】
一方、図5及び図6には交通標識器1tの外観及び設置態様を示す。31は道路の近傍に設置したポールであり、垂直ポール部31vとこの垂直ポール部31vの上部に固定した水平ポール部31hを有する。交通標識器1tは、ケーシング2の背面部に固定した複数の固定金具32…を介して支持板33に取付け、さらに、この支持板33は取付バンド34…を介して水平ポール部31hに取付ける。また、支持板33の上端には太陽電池23を取付けるとともに、ケーシング2の背面部外面にはコントロールボックス35を取付ける。このコントロールボックス35には制御部本体21及びバッテリ22を内蔵するとともに、光センサ24を付設する。
【0021】
次に、本実施例に係る交通標識器1tの使用方法及び動作について、各図を参照して説明する。
【0022】
まず、昼間は、光センサ24が明るさを検出するため、制御部本体21は動作停止状態となり、発光ダイオード6…は発光しない。したがって、表示面Mはそのまま視認できる。また、昼間は太陽電池23の出力電力がバッテリ22に充電される。一方、暗くなり、光センサ24が一定の暗さを検出すれば、制御部本体21は各発光ダイオード6…に給電し、各発光ダイオード6…を点灯させる。各発光ダイオード6…の点灯により光ファイバ5は面発光し、表示板部3の裏面を照射する。なお、必要により、制御部本体21の制御機能によって、発光ダイオード6…を一定時間間隔で点滅させることができる。
【0023】
これにより、発光ダイオード6…のみによるスポット照射と異なり、十分な照度と均一な面照射、さらには高い認識性が確保される。また、発光部4には消費電力の少ない発光ダイオード6…を用いるため、太陽電池(バッテリ)により点灯し、電力消費低減による省エネルギ性及び経済性が高められ、地球環境保護に大きく貢献できるとともに、電灯線が不要になるため、山間地等にも設置でき、汎用性が高められる。しかも、交通標識器1tは故障により点灯しない場合、事故に直結する虞れもあるが、発光ダイオード6…は寿命が長く故障が少ないため、信頼性が高められ、広範囲に点在する交通標識器1tの管理とメンテナンスが容易になる。
【0024】
次に、本発明の変更実施例に係る内照式表示装置1について、図7〜図13を参照して説明する。なお、いずれの変更実施例も、図1〜図6と同一部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0025】
図7〜図9は、交通標識器1tの外観形状と光ファイバ5の湾曲形状を異ならせた場合を示す。まず、図7は、図1の実施例に対して光ファイバ5を渦巻状に湾曲させた。また、図8は、正面視が三角形の交通標識器1tに適用し、二つの発光部4,4を配設した。さらに、図9は正面視が菱形の交通標識器1tに適用し、三つの発光部4,4,4を配設した。このように、交通標識器1tの外観形状や光ファイバ5の湾曲形状及び発光部4の数量は任意に選択できる。
【0026】
図10は、発光ダイオード6…の使用数量を変更した場合を示す。図2は光ファイバ5の端面を一個の発光ダイオード6により投光した場合を示したが、図10は、光源キャップ14xに内蔵するダイオード基板13に三個の発光ダイオード6,6,6を取付けることにより、光ファイバ5の端面を三個の発光ダイオード6…により投光する。この結果、光ファイバ5を大きさや形状を変更することなく照度を変更できる。このように、光ファイバ5の端面を投光する発光ダイオードの数量は任意に選択できる。
【0027】
図11は、内部空間Sを仕切板41で仕切ることにより、主に赤色のリングマーク(第二シート12b)を照射するための外側空間Saと、主に青色の数字(第三シート12c)を照射するための内側空間Sbを設け、各空間SaとSbにそれぞれ発光部4…を配設した。この場合、制御部7の制御機能により、外側空間Saの発光部4と内側空間Sbの発光部4を一定時間間隔で交互に点滅させることができる。
【0028】
図12は、内照式表示装置1を看板1sに適用した場合を示す。この場合、発光部4…は複数使用し、水平方向の各発光部4…を上下方向に一定間隔おきに配設する。各発光部4…における発光ダイオード6…の発光色は、同一であってもよいし、任意に異ならせてもよい。発光色を異ならせれば、ネオンサインのような趣を醸し出すことができ、多様性を高めることができる。
【0029】
図13は、内照式表示装置1を蛍光管1eに適用した場合を示す。なお、蛍光管は、本来それ自体発光部を構成するものであるが、本発明では蛍光塗料を塗布した筒形の管部42を表示面Mの無い特殊形態の表示板部3として捕らえることができ、このような蛍光管1eも本発明の内照式表示装置1に包含される。蛍光管1eは管部42の内部に光ファイバ5を単に収容すればよく、ガスの封入等は不要である。このような蛍光管1eも電池や太陽電池等の直流源により点灯させることができるが、蛍光管1eの外観を、一般的な商用交流電源(AC100〔V〕)で使用する蛍光管と同一に構成し、光源キャップ14x,14yに直流変換回路等を内蔵させることにより、商用交流電源で使用できるようにすれば、一般家庭や工場等において、既存の蛍光管と差し替えて使用でき、節電型の蛍光管1eとなる。
【0030】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,素材等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更できる。例えば、表示面Mとは、文字,数字,図形,写真等のあらゆる表示対象を含む概念であり、その目的や用途は問わない。また、実施例は光源キャップ14x…を光ファイバ5の両端に装着した場合を示したが、光ファイバ5の一端にのみ装着し、他端は遮光処理してもよい。さらに、交通標識器1t,看板1s,蛍光管1eを例示したが、他の任意の内照式表示装置1、例えば、案内板,照明灯,懐中電灯等に適用できる。一方、発光ダイオード6と光ファイバ5の間に透視性を有する紙や樹脂等を介在させれば、光ファイバ5の発光色を自由に設定できる。また、光ファイバ5自身或いは前述した蛍光管1e自身を文字や図形に象れば、それ自身にネオンサインのような表示機能を持たせることができる。さらに、実施例は片面表示タイプを例示したが両面表示タイプであってもよい。したがって、本発明におけるケーシング2の前面部とは片面を意味するものではなく、片面と両面の双方を含む概念である。
【0031】
【発明の効果】
このように、本発明に係る内照式表示装置は、交通標識器におけるケーシングの内部空間に、全周面が発光するタイプ又は半周面のみが発光するタイプを用いた面発光する光ファイバ及びこの光ファイバの一端又は両端に投光する白色又は色を異ならせた発光ダイオードを有する発光部を、表示板部に対して略平行に配設し、かつ光ファイバを表示板部に対して均一に面照射できるようにジグザグ状に湾曲させるとともに、発光部を点灯制御する制御部を備えるため、次のような顕著な効果を奏する。
【0032】
(1) 発光ダイオードのみによるスポット照射と異なり、十分な照度と均一な面照射、さらには高い認識性を確保できる。
【0033】
(2) 発光ダイオードの発光色を異ならせることにより、ネオンサインのような趣を醸し出すことができ、多様性を高めることができる。
【0034】
(3) 発光部に発光ダイオードを利用したことに伴う基本的効果、即ち、太陽電池又はバッテリにより点灯し、省エネルギ性及び経済性を高めることができ、地球環境保護に大きく貢献できるとともに、電灯線が不要になるため、山間地等にも設置でき、汎用性を高めることができる。しかも、寿命が長く故障が少ないため、信頼性が高められ、広範囲に点在する交通標識器等の管理とメンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る交通標識器(内照式表示装置)の正面から見た内部構成図、
【図2】同交通標識器における発光部の一部を示す一部断面構成図、
【図3】同交通標識器におけるケーシングの内部一部を示す断面側面図、
【図4】同交通標識器における制御部のブロック構成図、
【図5】同交通標識器の外観正面図、
【図6】同交通標識器の外観側面図、
【図7】本発明の変更実施例に係る交通標識器の原理構成図、
【図8】本発明の他の変更実施例に係る交通標識器の原理構成図、
【図9】本発明の他の変更実施例に係る交通標識器の原理構成図、
【図10】本発明の他の変更実施例に係る光源キャップの側面図、
【図11】本発明の他の変更実施例に係る交通標識器の断面側面図、
【図12】本発明の他の変更実施例に係る看板の一部破断正面図、
【図13】本発明の他の変更実施例に係る蛍光管の一部断面正面図、
【符号の説明】
1 内照式表示装置
1t 交通標識器
1s 看板
2 ケーシング
3 表示板部
4… 発光部
5 光ファイバ
6… 発光ダイオード
7 制御部
M 表示面
S 内部空間
Claims (2)
- 交通標識器におけるケーシングの前面部に、半透光性の表示面を有する表示板部を配設するとともに、前記ケーシングの内部に配した発光部により、前記表示面の裏側を照射して表示を行う内照式表示装置において、前記ケーシングの内部空間に、全周面が発光するタイプ又は半周面のみが発光するタイプを用いた面発光する光ファイバ及びこの光ファイバの一端又は両端に投光する一又は二以上の白色又は色を異ならせた発光ダイオードを有する一又は二以上の発光部を、前記表示板部に対して略平行に配設し、かつ前記光ファイバを前記表示板部に対して均一に面照射できるようにジグザグ状に湾曲させるとともに、前記発光部を点灯制御する制御部を備えることを特徴とする内照式表示装置。
- 前記制御部は前記発光ダイオードを点滅制御する機能を備えることを特徴とする請求項1記載の内照式表示装置。
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- 1998-08-28 JP JP24316398A patent/JP3959494B2/ja not_active Expired - Fee Related
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