JP3958789B2 - テトラフルオロエチレンの製造法 - Google Patents

テトラフルオロエチレンの製造法 Download PDF

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Description

関連出願のクロスリファレンス
本願は同一発明者による1995年3月31日に出願された出願番号第08/414,878号の部分継続出願である。
技術分野
本発明は、テトラフルオロエチレンの製造法に関する。
背景の技術
米国特許第2835711号[ウオルフエ(Wolfe)ら]は、周期率表第IIA族のフッ化物を炭素と反応させて、種々の有用性を有する、テトラフルオロエチレンへ転化するための中間体も含むフルオロカーボンの製造バッチ法を開示する。これには高融点の第IIA族の金属フッ化物に対する詳細だけが記述されており、これはカーボンアークを用いることによるるつぼ中での金属フッ化物の溶融を含む。粉末の炭素をるつぼ中で金属フッ化物と混合し、得られる混合物中に炭素電極を浸す。得られる溶融物からは気体のフルオロカーボン、主にCF4が発生し、実施例1によるとCaC2として同定される金属フッ化物と炭素の間の反応生成物が後に残る。
米国特許第2709191号[ファーロウ(Farlow)ら]は、フッ化ケイ素を炭素と反応させ、通流1回当たりのフッ化ケイ素の非常に低い転化率においてテトラフルオロエチレンが生成する(実施例II)及び多数回通流させるとテトラフルオロエチレンの代わりにCF4の生成が増大する(実施例I)、ことを開示する。この方法の「通流」とは、2つのグラファイト電極間に飛ばされた燃焼アーク中にフッ化ケイ素を低速で通流し、ついで気体(反応生成物及び未反応のフッ化ケイ素)を電極の一方の中空孔を通して流すことである。この方法の炭素反応物は、炭素粉末をフッ化ケイ素と共にアーク中に流すこともよいが、消耗炭素電極に由来するものである。種々の運転圧が開示されるが、低圧(水銀1〜150mm)が好適であるとしている。この運転圧を設定するためにアルゴンも使用でき、ついでこれをフッ化ケイ素供給物によって維持する。続いて気体の反応混合物を0.001〜0,1秒以内に400℃より高くない温度まで急冷する。
米国特許第2852574号[デニソン(Denison)ら]は、フッ化物としてのある種の第VA及びVIA族元素又はある種の有機フッ化物を、1700℃以上の温度で分解する熱分解を開示する。この熱分解は、好ましくは気体フッ化物出発物質を、1つが中空孔を有する電極間に飛ばされた電気的アーク中に通すことにより、300mmHg以下の圧力で行われる。この結果、弗素との結合により電極から炭素が消費されて、フルオロカーボン基が生成する。このフルオロカーボン基は電極の中空孔を通過して、500℃以下の温度で炭素粒子と接触する。この温度は、フルオロカーボン基を急冷し、CF4に優るTFEの生成に有利である。しかしながら、CF4は好適な有機フッ化物であると開示されている。生成物流中に存在するTFE及びCF4と共に、第VA及びVIA族フッ化物の副生物も室温下に気体形で存在する。
ファーロウ法は、一般にテトラフルオロエチレン(TFE)の低生成速度を与える低転化率及び/又は低収率のために、決してテトラフルオロエチレンの商業的製造法とならなかった。またデニソンは高収率を達成したけれど、その方法は電極が消耗し且つ製造速度が遅いから熱分解法と比べて困難な問題を伴い、従って商業的に利用されなかった。その代わりに、TFEは1950年代以来全く異なる方法、即ち(i)CaF2とH2SO4の反応によるHFの製造、(ii)クロロホルムの製造、(iii)HFとクロロホルムの反応によるクロロジフルオロメタン(HCFC−22)の製造、及び(iv)このHCFC−22の熱分解によるTFEの製造、並びにその精製、を含む一連の工程によって商業的に広く製造されてきた。この一連の工程は、ウオルフェ法で使用した反応物から始めるが、4つのプラント[上記の(i)〜(iv)]の建設を含む過程を経て行われ、高製造速度でファーロウ法の反応生成物に到達するが、TFEの製造を非常に高価なものとし、その上処理又は廃棄しなければならないHCl副生物が多量に生成する。
テトラフルオロエチレンを更に経済的に製造するための必要性は長い間痛感されてきた。
発明の概略
本発明は、自由火炎を有する乱流プラズマを生成させ、非炭素質金属を、該プラズマの自由火炎中において炭素の存在下に金属及び反応性弗素の気体混合物に解離させて、テトラフルオロエチレン(TFE)への前駆体を生成させ、そして該前駆体を冷却し、その結果として該TFEを得る、TFEの製造法によって上述の必要性を満足させた。
この具体例の1つにおいて、プラズマの自由火炎中における炭素の存在は、炭素粒子を該火炎に供給することにより達成される。更に他の具体例では、炭素粒子及び金属フッ化物の両方を該火炎中に供給し、該プラズマを該金属フッ化物及び該炭素以外の気体形の異なる物質から得る。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の方法を実施するための装置の1つの具体例を、概略的な断面立面図として示す。
発明の詳細な説明
先ず本発明の方法を理解する補助として、図面の装置を説明しよう。
図面の具体例における化学反応器2は、反応室6を形成する円筒形構造体4からなる。反応室6の端は、円筒形構造体4の上部を閉じる、中央に開口10のある閉鎖板8とオーガー14を供給する底部開口12とからなる。開口10は、反応室への入り口を形成し、開口12はその反対側の反応室からの出口を形成する。
反対の極性の及び空間20で隔離された円筒形の電極16及び18は、開口10の周囲に位置する。変圧器22のような電源は、電極間にアーク24を飛ばし且つこれを維持するのに十分な電圧及び電流を有する電気的エネルギーを供給する。気体は圧力下にブローワー(図示してない)のような手段により空間20からこのアーク中へ供給され、反応室6へ向かう。このアークを通過する気体流は、アーク24から電極18の中空孔へ伸びる気体のプラズマを形成する。ここにこのプラズマは、アークの温度が数千度であるために熱プラズマであると考えることができる。円筒形電極16は、気体を反応室6の方向に供給して全体の気体流を反応室へ向かわせる中空孔(図示してない)も有する。気体流の方向性は、電極の外周の多数位置から空間20を通して気体を供給する事によっても達成される。この気体の反応室6への流れは、プラズマを室中へ拡大させる。
室中に広がるプラズマは、可視化するためにはっきりさせた且つ底部開口の方へ向いた火炎26として図面に示す。火炎は電極18の中空孔に制限されない。円筒形構造体4へ拡大する火炎の外側は、好ましくは構造体4又は6のいずれによっても制限されない自由火炎である。火炎は、電極18を越えて延びるから、電極16及び18間に直接流れる電流を本質的に含まない。しかしながら、火炎は解離した気体に由来する小電荷を有していてもよい。普通円筒形構造体4は、耐熱製材料、たとえばグラファイト製であり、冷却されるであろう。火炎は好ましくは電極18を取り巻く磁気コイル28により回転せしめられ、この回転がプラズマ内の乱流を引き起こす助けとなって、電極を腐食から守る手立てとなる。この乱流は火炎中へ延び、火炎中へ供給される供給物の混合接触を促進する。
開口30は、エプロン8に配置されて、供給手段32が炭素粒子34をプラズマ火炎26中に直接供給することを可能にする。炭素粒子は、本発明の方法で使用される1つの反応物である。プラズマの効率を高めるために、多数の供給手段32を、板8(及び電極18)の周囲に間隔をおいて配置する事もできる。
炭素粒子34に対する金属フッ化物共反応物も、反応室6へ供給される。開口10を通して反応室に送られる通流気体は、金属フッ化物又は金属フッ化物以外の気体物質例えば不活性な気体である。いずれの場合においても気体はアーク24中で解離し、プラズマ及びその火炎26を形成する解離種となる。
通流気体が金属フッ化物でない場合、固体、液体又は気体の金属フッ化物をプラズマ火炎26中に直接供給して解離させるために、入り口36を持つ導管35を板8に配置する。板8の周囲には多数の導管35を取り付けてもよい。金属フッ化物のプラズマ火炎への供給は高速、例えば音速(最高流)であってよく、金属フッ化物が内部、即ちプラズマ火炎の最も熱い部分へ入ることを保証することができる。この具体例において、金属フッ化物は、気体物質であり、供給手段32のような固体供給機構を必要としないが、そのような供給手段は金属フッ化物が固体供給物であるならば使用することができる。また、金属フッ化物を反応器へ供給するために入り口36を使用すると、この反応物は電極と接触しないから、電極の、金属フッ化物による腐食を防止することができる。炭素粒子34の電極と接触しないで済ませるが、これは本発明の方法を行う好適な具体例である。両反応物供給物は、プラズマ火炎の、最高温度の内部に入り、火炎中で解離する。
急冷域40は反応室の出口端にあり、プラズマ火炎からの気体流を受ける。図示した急冷域内には、冷たい急冷粒子42が火炎に向かう噴霧シャワーとして入り口導管44から供給され、その粒子がプラズマ火炎からの熱い気体を500℃以下の温度まで即座に急冷する。急冷粒子は反応室6の開口12からオーガー14を通して連続的に取り出され、冷却器55による冷却を経て、入り口導管44から急冷域へ再循環される。冷却された気体は導管48を通って急冷域を出、そこで更なる冷却、及び例えば蒸留50による望ましい及び望ましくない生成物の分離に供される。望ましくない生成物は導管52から反応室6へ再循環し、望ましいTFE反応生成物は導管54から回収される。円筒形構造体4の周囲に直径的に配置され且つ火炎26に向いた多数の導管52を使用してもよい。
この装置の配列から、反応室は反応域を形成し、また入り口10及び出口12は互いに反対側に配置されていることが分かる。この反応域において、炭素及び金属フッ化物はプラズマ火炎中で熱的に解離し、金属と反応性弗素の再結合は気体反応混合物の急冷によって防止される。これはCF2:の生成とその急冷時におけるTFEの生成とに有利である。反応器2は好ましくは気体流が垂直に下方へ向かうように配置されているが、反応器2を異なる方向に気体を流すように異なって配置してもよく、また反応室6が多くの異なる形態をしていてもよい。垂直の配置は、反応域中に存在する固体、例えば未解離の固体反応物、固体の反応生成物、または固体の急冷物質が単に重力で床46上に降下し、オーガーで取り出すことを可能にする。
操作中、金属フッ化物は、電極間の空間20を介して、または導管35を通して反応室6へ供給される。しかし後者の場合には、好ましくは気体を空間20へ供給する。いずれの場合においても、金属フッ化物は単独でまたは気体と組み合わせて、そのプラズマに供される。このプラズマは大容量のプラズマを提供する。結果は、気体混合物として存在する金属と反応性弗素への金属フッ化物の解離をもたらす。この気体混合物は上述したように反応点における気体流である。炭素粒子34はプラズマ火炎に供給されると、気体になって気体混合物の一部になり、或いは金属フッ化物からの弗素と反応するまで液体になりまたは固体のままでいる。炭素粒子の供給位置は、金属フッ化物からの弗素の解離ほどその物理的状態が厳密ではないから、プラズマ火炎内のいろいろな位置に調節する事ができる。
結果は気体混合物中に存在するTFEの気体前駆体の生成であり、これから急冷域40での急冷によりTFEが生成する。ついでTFEを図に示すように出口48から回収する。急冷は気体金属及び未反応の炭素を、普通には急冷固体上へ固体として凝縮させるから、依然気体のTFEからオーガー14により容易に分離することができる。オーガー14によって回収された物質は、急冷固体、金属フッ化物、炭素、金属フッ化物からの金属、及び他の非気体副生物を含んでいてよい。この物質の一部分は、分離、回収のために容器51に取り出される。
上記の及び本発明の方法で起こる反応は次のように示すことができる。
プラズマ中において、
(1)金属フッ化物+C→金属+反応性弗素+C→金属+CF2:CF2:の生成は、反応混合物を急冷したとき、TFEが引き続き生成することから推定される。
急冷反応は次のように記述される。
(2)CF2:→CF2=CF2
本発明の方法は次の利点を提供する。金属フッ化物出発物質は、特にしばしばフルオロオレフィンに対する原料であるHCFC−22の価格に比して安価である。単一プラントで行えるために、資本が比較的かからない。また本発明の方法ではHClが生成せず、従ってTFEの精製が簡単であり、HClの廃棄及びその回収のための更なる処理が回避される。更に、本方法によると所望のTFE及び他の有用なパーフルオロカーボンが高収率で製造できる。金属フッ化物の金属も回収でき、その結果金属の価格が本方法の経済性をさらに高める。
本発明の方法の更なる詳細を以下に記述しよう。
上記方程式(1)及び(2)から、本発明の方法は金属フッ化物及び炭素の反応によるTFEの製造として簡単に記述できる。しかしながら、金属フッ化物と炭素間の反応は金属フッ化物からの弗素原子の除去、即ちその解離を含む。熱力学的に金属フッ化物の変化は平衡反応として予想できる。解離反応を起こらせるためには、供給物質にエネルギーを与える、即ち金属フッ化物反応物の少なくとも一部分を解離させるのに有効な十分のエネルギーに反応物を露呈する。この解離はラジカル、原子、及び/またはイオンへのそれであってよいが、これらは本質的に供給物質の励起状態である。ある意味において、反応は反応室に存在する解離エネルギーによって開始される。プラズマはその解離エネルギーの具体例である。そのように、プラズマは、それが金属フッ化物から又は金属フッ化物以外の気体から生成されたのかの如何にかかわらず、供給物質の高エネルギー化状態である。ここに、後者の場合にも、金属フッ化物はプラズマ火炎中へ供給されたとき高エネルギー化状態になる。金属フッ化物は、金属フッ化物供給物から弗素が遊離して、プラズマ火炎中へ供給された炭素と結合する時点まで励起されている。
プラズマ中における解離した弗素と金属の再結合する傾向は、活性な弗素を過剰な炭素と迅速に反応させて、TFEにする、即ちTFEに至る前駆体を含む気体反応混合物を生成させ、ついでこの反応混合物を急冷してTFEを生成させる事によって最小にでき、又は回避できる。蒸発した反応物以外の気体、例えば電極間の空間20からアーク24へ供給されるプラズマを生成させるための非反応性の又は不活性な気体の存在は、これが反応性弗素と金属の再結合を遅らせ、従ってプラズマ火炎中で炭素と反応する反応性弗素の量を高めるから、好適である。また気体は、解離してプラズマの一部になる反応物に対する担体として効果的に働き、同時に急冷工程へ供給される気体の反応混合物を生成せしめる。
本発明の方法の出発物質に関して、炭素は広範な起源から商業的に入手できる。明らかに炭素が高純度であればあるほど、工程の副生物は少なくなる。水はできる限り炭素及び金属フッ化物源から除去すべきである。外来の水はHF及び金属酸化物の生成を余儀なくする。また反応系に酸素を与えないように、炭素から酸素を除く事も好適である。反応系からの酸素の排除は、金属酸化物副生物及び含酸素フルオロカーボンの生成を回避させる。平均粒径0.1mm又はそれ以下の炭素粒子は、容易に取り扱え、反応性があり、蒸発しやすいから好適である。
金属フッ化物は、1つの化合物又はそれぞれが1つ又はそれ以上の弗素原子を含む化合物の混合物であってよい。金属フッ化物の活性反応部分は弗素原子であるから、その金属部分は広範であってよい。金属(フッ化物として)又はその混合物の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、硼素、及びケイ素を含む。好適な金属は周期率表の、水素を除く第IA族、及び第IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VB、VIB、VIIB及びVIII族に由来する[R.H.ペリー(Perry)及びC.H.チルトン(Chilton)、化学技術者ハンドブック、第5判、マックグロウーヒル、裏表紙(1973)]。金属フッ化物は鉱山から経済的に得る事ができ、非炭素質(炭素を含まない)であろう。本発明で使用する金属フッ化物は解離するのが非常に困難であり、従ってCF4及びC26のようなフルオロカーボンよりも炭素と反応する。一般に金属フッ化物例えばCaF2及びフッ化ケイ素は解離させるのに少なくとも100%以上のエネルギーを必要とし、金属フッ化物の、プラズマ火炎とのミリ秒での接触(露呈)でこれを達成するのは困難である。金属フッ化物を解離させるのに必要とされる非常に大きいエネルギーに対する理由の1つは、非常に多数の化学結合が切れて、金属フッ化物から炭素と反応する弗素が生成するからである。フッ化ケイ素、フッ化カルシウム及びフッ化ナトリウムのような金属フッ化物に対する金属/弗素結合も、炭素/弗素結合より非常に強い。フルオロカーボンの場合、炭素/弗素結合のいくつかが既に生成し、その炭素/弗素結合はより切れにくい。好ましくは金属フッ化物の金属部分は、反応条件下に炭素又は炭素/弗素残基(反応生成物)に対して不活性又は低反応性である。
好適な金属フッ化物は、NaF,CaF2及びフッ化ケイ素例えばSiF4及びSi26並びに金属フッ化ケイ素例えばフルオロケイ酸カルシウムを含む。好ましくは金属フッ化物はいずれかの他のハロゲン原子を含まない。金属フッ化物中の酸化物の存在は、酸素が炭素/酸素化合物を含むより望ましくない金属酸化物を生成するから、望ましくない。
以上、本発明に関して用いる出発物質及び反応機構を明らかにした。同業者はこの記述から、必要な解離エネルギーを発生させるためのプラズマに金属フッ化物を供する多くの方法を認識するであろう。即ち本反応は、プラズマ反応器を用いる交流又は直流の電気的アークにより、又は例えば誘電コイル又はマイクロ波で発生される電磁エネルギーにより、又は加熱だけにより解離エネルギーを生じさせて行う事ができる。電気的アークの場合、解離エネルギーの適用器は図面におけるように反応域内にあり、一方電磁エネルギーの場合、エネルギーの適用器、例えば誘電コイルは反応室内で解離エネルギーを生じさせるならば、反応室の外部にあってもよい。
プラズマ反応器は、炭素との反応のために金属フッ化物を解離して弗素を生成させる種類の装置である。電気放電、例えばこれらの電極間でアーク240は、コイル誘導の磁場によって回転させることができ、或いはアークは静止であってもよい。電極は材料の中でも銅製であってよく、長期の運転のために水冷することができる。好ましくは電極構成材料は、電極が金属フッ化物原料との反応で消耗されないようなものである。かくして金属フッ化物をプラズマ火炎へ、即ちアークから下流へ供給する場合、冷却される炭素電極が使用できる。しかしながら金属フッ化物をアークに通して供給する場合には、非炭素質材料が電極構成材料として好適に使用される。本発明で有用な励起エネルギーを与えるのはアーク域である。プラズマは反応器内の流体流の方向においてアークから下流に延びる可視しうる灼熱域を形成し、この灼熱域が図面における火炎26のようなプラズマ火炎と呼ばれる。
プラズマ火炎内で及び所望によりアーク内で乱流混合作用を生じさせ、高い運転効率を得るために、例えば回転する電気的アーク又は接線方向供給のような手段を講じることもできる。
気体、液体、又は固体のいずれかの供給物は、直接又は間接的にエネルギーの高められる、即ち回転する電気的アークにより又は他の手段により発生された解離エネルギーに供する事ができる。直接的露呈の例は、反応物供給物例えば室温(24℃)で気体のSiF4を電気的アーク(又は異なる装置の電磁場)に供する時であろう。間接的な露呈の例は気体の非反応物をアーク(直接的露呈)に供し、ついで得られる励起又は解離気体(プラズマ)をアークから下流のプラズマ火炎内で金属フッ化物反応物及び炭素反応物と接触(間接露呈)させる時であろう。この具体例においては、先ず不活性な気体、例えばアルゴン又はヘリウムからプラズマを生成させ、ついでこのプラズマ火炎に金属フッ化物及び炭素を添加する。またプラズマ火炎を、プラズマ反応器内でアークに直接露呈させる特別な供給物から生成せしめる。即ち。かくして本発明は供給物質を熱的プラズマの解離エネルギーへ供する(供給物質のエネルギーを高める)ための上述した可能性のすべてを包含する。これらの可能性は、供給物質の1つ又はそれ以上が電極を腐食するような場合に、電極の寿命を長らえるのに効果的である。
不活性な気体をアークへ供給してプラズマ火炎を形成させ且つ金属フッ化物をアークから下流の火炎へ供給する場合、用いる不活性な気体の量は、好ましくは金属フッ化物を解離させるのに必要とされるエネルギー(熱)を与えるために、金属フッ化物の量に対して過剰である。金属フッ化物の予熱は不活性な気体の量を減少せしめる。しかしながら一般に、金属フッ化物のモル当たり少なくとも5モルの不活性な気体が使用され、金属フッ化物のモル当たり過剰の、例えば少なくとも10又は20モルの不活性な気体が使用できる。
供給物質のエネルギーを高め又は励起して熱的プラズマを形成させるために使用されるエネルギーは、一般にプラズマを発生させる電力、及び反応域へ供給する物質のいずれかを予熱するならばその熱エネルギーの特定により定量化できる。
電気的アークがプラズマ源である場合、アークによって生じる温度はアークの入力及び/又はアークに通す物質の供給速度を変えることにより制御できる。反応器固有の特別な入力に関しては、供給物質が解離エネルギーへ露呈されることによって高エネルギー化(励起)され且つプラズマの一部になるように、供給物質の流速が調節される。入力及び供給物速度の制御は、他の電気的手段によって発生させたプラズマの温度も決定するであろう。弗素は、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムのような金属に最もしっかりと結合し、鉄、銅、及び亜鉛のような金属にはそれより弱く結合する。一般に、金属/弗素結合がより弱い時には、より少ないエネルギー(低温)で金属フッ化物が解離できる。特別な金属フッ化物に対して、反応域内のより低い圧力は、より低温での解離を誘導する。圧力は大気圧以下、例えば少なくとも20mmHg、好ましくは少なくとも300mmHg、大気圧、又は加圧であってよい。圧力の効果を例示すると、四フッ化炭素をプラズマに供する場合、大気圧及び2700℃での解離の量は10mmHg及び2200℃で得られるそれと同様であろう。2800℃以上、並びに大気圧及び平衡において、CF4は完全にCF2:基、弗素、及び他の炭素及び炭素/弗素関連種に解離する。迅速な急冷はCF4の再生及び他の関連飽和パーフルオロカーボンの再生を迂回して、殊にパーフルオロオレフィン、主にTFEを生成させるが、これはこの解離と付随するCF2:基の生成のためである。
使用しうる圧力範囲と共に使用できる出発フッ化物の範囲に対して、解離エネルギー(プラズマ)の形成で存在する熱、即ち温度は、大気圧で少なくとも3800℃であると思われる。更にしばしば、温度は大気圧で少なくとも5000℃となるであろう。例示すればより高い温度、例えば10000℃以上でさえ、使用できる。そのような温度において、大気温度下に気体でない金属フッ化物は、完全に又は部分的にプラズマ中に気化している。炭素の全蒸発に対して5000℃の範囲の温度が必要であるけれど、その融点以上の炭素及び更には固体の炭素でさえ、プラズマ雰囲気中での反応形であってよい。四フッ化炭素は大気条件下に気体であり、従って反応域への簡便な供給物を提供する。例えばCaF2は2500℃で沸騰し、それゆえに反応域内の温度及び圧力に依存して気体又は気体と液体の混合物として反応域に存在することができる。かくして金属フッ化物は、再びそのフッ化物化合物種及び反応条件に依存して、気体及び液体の混合物として存在しうる。約2000℃及びそれ以下の温度は熱電対で簡便に測定できる。それ以上の温度、特に電気的アーク又はプラズマ火炎の温度は公知の手段で決定でき、普通入力、供給物組成及び流速の数学的解析により推定できる。
反応域に存在する炭素の割合は、好ましくは弗素原子が金属と再結合して金属フッ化物を再生する以上に残っていないように、金属フッ化物の弗素原子と結合するのに十分な量であるけれど、プラズマ火炎に対する金属フッ化物供給物のすべてがこの反応域への1回の通流中に炭素と反応する必要はない。1回の反応域への通流で金属フッ化物の一部分だけを反応させること及び未反応の金属フッ化物を更に反応させるために反応域へ再循環させることは望ましい。しかしながら好ましくは、1回の通流が十分である、即ち金属フッ化物の少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも85%及びより好ましくは少なくとも90%がその弗素を放すように反応は行われる。好ましくは、過剰の炭素の存在がCF2:の、究極的にはTFEの生成に好都合である。即ち弗素原子当たり少なくとも1原子の炭素、好ましくは少なくとも2原子の炭素が存在する。
気体の反応混合物を500℃以下の温度まで迅速に冷却してTFE、並びに比較的少量のそれより高級のパーフルオロオレフィン、顕著にはヘキサフルオロプロピレン(HFP)及び所望の飽和のパーフルオロカーボン、例えばヘキサフルオロエタンを得る。飽和のパーフルオロカーボンは炭素数が少なくとも2、例えばヘキサフルオロエタンを含んだ。TFEは好適な反応生成物であり、好ましくは転化した金属フッ化物から得られるパーフルオロカーボンの少なくとも60重量%、更に好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%を構成するように存在する。迅速な冷却(急冷)は好ましくは10000℃/秒以上の速度で行われる。
金属フッ化物がフッ化ケイ素の場合、例えば図に示す急冷室40から回収されるケイ素は良好な純度であり、特別な用途に対しては更なる精製が望ましいけれど、これを本発明の方法の有用な副生物ならしめる。ケイ素の回収は冷却されたケイ素粒子である急冷粒子42によって高められる。反応からのケイ素はこれらの粒子の上に凝縮して、その粒径を増大させるが、ケイ素粒子はその液体状態を経る迅速急冷の結果として互いにくっつくことはない。得られる大きいケイ素粒子は、オーガー14により域46から除去され、冷却器55で冷却されて、更なるケイ素の成長のために室へ再循環される。ケイ素粒子が大きく成長し過ぎるに連れて、それは再循環工程中にふるいによって除去され、受器51に集められる。これに対して、更なる小さいケイ素粒子を、補充のために急冷室に添加する。この除去した粒子を精製して、いずれかの炭素及び急冷粒子上に凝縮した他の副生物からケイ素を分離する。他の金属フッ化物を使用する場合、急冷粒子は分離の難点を最小にするために同一の金属であってよい。
他の具体例において、他の固体物質例えば炭素の粒子42が急冷室で使用でき、ついで凝縮した金属生成物は通常の手段によりそのような他の固体物質粒子から分離することができる。炭素粒子床46におけるSiCの生成は、露呈期間を短くし、また迅速に急冷することにより再小にまたは回避できる。急冷媒体の一部またはすべてとして、気体及び/または液体も使用できる。
いずれか非気体物質の、プラズマにおける存在は、単純に急冷粒子床中へ下降し、これををオーガー14で集めることができる。急冷域において気体反応混合物から凝縮した金属は、液体形であってよいが、しばしば工程に対する金属フッ化物の金属に依存して固体形であるであろう。参考として、炭素の沸点は4827℃、ケイ素は2350℃、カルシウムは1480℃、フッ化カルシウムは2500℃、四フッ化ケイ素は−86℃、そして二酸化ケイ素は2330℃である。これらの物質の融点は次の通りである:炭素約3550℃、ケイ素1410℃、カルシウムは840℃、フッ化カルシウムは1420℃、四フッ化ケイ素は−90℃、そして二酸化ケイ素は1720℃。、
所望のパーフルオロオレフィン及び所望の飽和フルオロカーボンは、同業者には公知の種々の方法、即ち蒸留、吸着、または吸収を含む方法により反応生成物から分離される。望ましくないフルオロカーボン、いずれか未転化の金属フッ化物、及びいずれか望ましくないパーフルオロオレフィンは、プラズマへ、或いは単に反応域、例えば炭素との反応に有利な入り口導管52を介して反応室6へ再循環できる。例えばCF4が工程の副生物として生成する場合、このフルオロカーボンは導管52からプラズマ火炎へ再循環できる。普通急冷後の弗素/炭素反応混合物に存在するCF4の量は、存在するフルオロカーボンの全重量に基づいて40重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下であろう。
実施例1
所望の反応式は次の通りである。
Figure 0003958789
常圧において、電極16及び18に相当する磁気的に回転するアークプラズマガンの、水冷された銅電極上に通すことによって、アルゴン140グラム/分のエネエルギーを高揚した。生成した気体プラズマを、火炎としてガンの下流の冷却されたグラファイトでライニングした反応器(室6)へ通流した。このプラズマ火炎中に、予熱したフッ化カルシウム78グラム/分をアルゴン15グラム/分で吸引し、同時に細かい炭素48グラム/分をアルゴン5グラム/分で吸引した。炭素の量は、フッ化カルシウムの弗素のすべてをテトラフルオロエチレンに転化するのに必要とされる量の4倍であった。一緒にしたアルゴンと反応性の気体プラズマ混合物は、6000℃の範囲の温度を有した。また一緒にした気体流は、グラファイトをライニングした反応器を出て急冷室に入り、そこで気体流が、最後には急冷室中に床として沈降する冷たい炭素粒子の噴霧シャワーによって500℃以下の温度まで急冷された。今や固体金属に関連した副生物及び炭素をオーガーにより除去し、更に副生物を冷却且つ再循環し、また残存する気体を更に冷却し、将来の分離、回収及び再循環のために貯蔵した。下表は、本実施例からの種々の流れの組成を、グラム/分の単位で示す。この流れの組成は次の分析で決定した。急冷室中の炭素粒子の重量は実験を始める前に分っているから、この炭素の重量を計算から差し引いて、物質収支による組成を報告する。出口気体は、流量計により監視し、ついでガスクロマトグラフで分析した。この分析には、ヒューレット−パッカード(Hewlett−Packard)5880Aシリーズのガスクロマトグラフを使用した。1%のSP−1000、高沸点液体を担持した60/80メッシュのカーボパックRBを充填した長さ20フィート及び直径1/8インチのステンレスカラムを用いて、本実施例の分析で示すように個々の成分を分離した。試料をガスクロマトグラフに注入した後、カラムの温度を5分間40℃に一定に保ち、ついで温度を20℃/分の速度で180℃まで上昇させた。ガスクロマトグラフの熱伝導検知器から出口気体に対して得られた面積%を、重量及び重量%に転化した。
固体の反応生成物の分析に対しては、反応器からの固体試料を、分析のために窒素下にドライボックスへ移した。秤量した固体試料をジャーの中に入れ、この混合物に水を注意深く添加した。気体が発生するにつれて、その容量を測定し、ついで発生した気体を乾燥し、上述したようにガスクロマトグラフで分析した。炭化カルシウム及びカルシウム金属の量は、生成したアセチレンおよび水素の量を測定して、下の方程式から決定した。
CaC2+H2O→Ca(OH)2+C22
Ca+H2O→Ca(OH)2+H2
残存固体試料から水を除水し、この試料を炉内の真空管中に入れ、真空下に2時間600℃まで加熱し、Ca(OH)2のすべてをCaOに転化した。炉の管中の試料を冷却し、取り出し、秤量し、炉管に戻し、そこで酸素をゆっくり添加して炭素のすべてを燃焼させた。この試料を再び秤量して、試料から除去された炭素の全量を決定した。1回の試料から、カルシウム、炭化カルシウム及び炭素を決定し、かくしてフッ化カルシウムの量が計算できた。
Figure 0003958789
その他の項のフルオロカーボンは、いろいろな炭素数3及び4、更に高級のパーフルオロカーボンであった。出口気体を吸着及び蒸留の両方で分離、精製し、アルゴンをプラズマガンへ再循環すると同時に、望ましくないパーフルオロカーボン又はパーフルオロオレフィンも再循環した。
実施例2
本実施例の所望の反応は次の通りである。
Figure 0003958789
本実施例では、フッ化カルシウムの代わりに四フッ化ケイ素をプラズマ反応器に供給する以外、実施例1に概述したものと同一の装置及び一般法を使用した。アルゴン280グラム/分をプラズマガンの電極に通した。これに、予熱したSiF4104グラム/分を添加し、炭素96グラム/分を吸引するためにも使用した。この炭素量はSiF4供給物流の弗素のすべてをCF2:基に転化するのに必要とされる化学量論量の4倍であった。プラズマガンへの入力を制御することによって、反応混合物の温度を6000℃の範囲にした。依然過剰な炭素と接触する気体生成物を、冷却したアルゴン560グラム/分の添加により及び関連する急冷室の壁を通しての熱損失により500℃以下まで迅速に急冷した。全体の急冷速度は10000℃/秒以上であったが、先の実施例で使用したそれより僅かに遅かった。金属に関連する副生物及び炭素を更に冷却し、急冷室の下に位置するノックアウトポット中に下降させた。残存する固体を固体サイクロンによって気体流から除去した。気体生成物流を吸着/蒸留装置に直接供給し、そこでアルゴンを回収して再循環し、フルオロカーボンを更なる生成物への用途又は反応室への再循環のために精製した。下表は、本実施例に対する種々の流れの組成をグラム/分で示すが、出口気体に添加された急冷アルゴン560グラム/分を含んでいない。
Figure 0003958789
急冷速度は実施例2におけるよりも僅かに遅かったから、すべての他のフルオロカーボンに対するTFEの比は実施例1(4.9/1)よりも低かった(3.5/1)。また他のパーフルオロカーボンの値は表の通りであり、妥当の結果であった。実施例2に示すSiFは、回収された金属ケイ素との錯体であった。両実施例において、生成した金属炭化物の量は非常に低かった。再び実施例1におけるように、急冷炭素は、全固体生成物に亘る物質収支を用いることにより表示した分析値には含めなかった。出口気体中のSiF4の量は、出口気体の秤量した試料を水中に2回通して、SiF4を反応
3SiF4+H2O→2H2SiF6(水溶液中)+SiO2
により除去することによって決定した。
SiO2は沈殿し、水溶液と共に存在した。試料の容量の減少は、試料中のSiF4の量を示す。残存出口気体を硫酸カルシウムで乾燥した後、残りの気体を、実施例1のようにガスクロマトグラフで分析した。
実施例2からの固体をノックアウトポット及びサイクロンから集めた。固体は炭素、ケイ素、SiF錯体、及びSiCを含有した。これらの固体の試料をドライボックス中において窒素下に集め、まず秤量した試料をゆっくり添加する過剰の水で洗浄して、SiF錯体を除去することにより分析した。残りの固体試料を真空下に乾燥した後、その重量損失がSiF錯体として報告される値である。残存する乾燥試料を炉管内に2時間入れ、酸素をゆっくり添加して、但しケイ素金属との反応を最小にするために温度を600℃以下に保ちながら、炭素を燃焼させた。冷却した試料を炉から取り出し、秤量して試料中の炭素の量を決定した。この試料を炉に戻し、乾燥塩素流と反応させて、ケイ素を四塩化ケイ素にした。これを再秤量してケイ素の損失量を計算し、試料の残存重量を、痕跡量の二酸化ケイ素で汚れているかもしれないが、炭化ケイ素であると仮定した。
実施例3
本実施例の所望の反応は次の通りである。
Figure 0003958789
本実施例に対する装置はプラズマガンからなり、これにアルゴン160グラム/分を供給した。トーチからの火炎は外部から冷却されたグラファイト反応器内に至り、そこにフッ化ナトリウム84グラム/分及び−200メッシュの炭素粉末24グラム/分を添加した。この炭素の量は、フッ化ナトリウムの弗素のすべてをテトラフルオロエチレンへ転化するのに必要な量の2倍であった。反応室出口の温度は5000℃の範囲であった。気体は、冷却された循環気体約2400グラム/分が熱気体に添加されて、大きなグラファイトライニングの室の中へ広がり、400℃以下まで迅速に急冷した。この全工程流を更に100℃以下まで冷却し、固化した炭素、ナトリウム及び残存するフッ化ナトリウムをサイクロン及び濾過系で集めた。この混合生成物中のナトリウム及びフッ化ナトリウムは、後に混合物を再加熱することにより炭素から回収できた。この系からの気体流は、更に冷却し、急冷気体として使用することができ、或いは回収し及び/又はプラズマ反応器へ循環するために精製してもよかった。下表は実験結果を示す。フッ化ナトリウムの84%が回収された。遊離した弗素の81%がTFEに消費された。他のフルオロカーボンを、他の使用のために回収し、或いはTFEへの添加のために再循環した。表のデータは再循環のないとした基準で表示した。本実施例における表のフッ化ナトリウム、ナトリウム及び炭素はすべて固体であり、サイクロン及び濾過系から集められた試料を窒素下にドライボックスへ移した。この試料を秤量し、ついでこれをジャーに入れ、この混合物に、ナトリウムと水の反応の危険性を意識しつつ水をゆっくり添加することにより分析した。遊離した水素の量を測定し、下記の反応から試料中のナトリウムの量を計算した。
2Na+2H2O→2NaOH+H2
フッ化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの両方が水に溶けるから、過剰の水を用いてその両方を試料から除去した。残存する試料を真空下に乾燥して、試料中の炭素の量を決定した。
生成物流中の固体から分離した残存気体を、気体流量計を通して秤量した後、実施例1におけるように分析した。
Figure 0003958789
実施例4
本実施例で使用する装置は、プラズマガンを上方向に向かせ、炭素の流動床で急冷を行う以外、実施例3で使用したものと同様であった。本実施例に示す分析値は、物質収支で決定されるように、この急冷炭素を含まない基準で表示した。正の気体流の場合、流動床をプラズマ気体に対して開けるポインテッド・チェックバルブにより、気体の急冷室への流れを制御した。生成物気体の一部分を再循環して、床の流動を補助した。内部羽付きの水冷熱交換器を用いて、流動炭素及び生成物気体を350℃以下の温度に保った。サイクロンは微細物の余りを流動床に戻した。冷却につれて、ケイ素が炭素を被覆し、かくしてこの被覆された炭素粒子のパージ流を床から取り出して、ケイ素及び他の金属生成物を回収した。床には更なる炭素粒子を添加して補充した。所望の反応は次の通りであろう。
Figure 0003958789
系に供給される四フッ化ケイ素のモル当たり、6モルのアルゴンをプラズマガンに供給した。プラズマ火炎には、弗素のすべてをTFEに転化するのに必要な量の2倍で、−200メッシュの炭素も供給した。過剰な炭素を熱気体と共に急冷床に吹き込み、その殆どを処理のためにサイクロンから微細物として取り出した。急冷室を出る気体を分析のために更に冷却し、ついでこれを生成物に又は再循環のために分離した。表は再循環気体を除いて、本方法の物質収支を示す。その他の項の成分は、表にしたもの以外のすべての他のフルオロカーボンを含む。冷却し、固体を気体から分離した後、生成物を実施例2におけるように分析した。実施例4では、記録されない痕跡量のSiCが存在するに過ぎなかった。
Figure 0003958789

Claims (11)

  1. 自由火炎を有する乱流プラズマを形成させ、該プラズマの自由火炎中において、非炭素質金属フッ化物を炭素の存在下に金属及び反応性弗素に解離させてテトラフルオロエチレン(TFE)の前駆体を生成させ、そして該前駆体を急冷し、その結果として該TFEを得る、ただし、該非炭素質金属フッ化物はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、硼素及びケイ素から選ばれる金属のフッ化物である、ことを含んでなるテトラフルオロエチレンの製造法。
  2. 該反応温度が少なくとも3800℃である、請求の範囲1の方法。
  3. 反応混合物を500℃以下まで急冷する、請求の範囲1の方法。
  4. 金属フッ化物がフッ化ケイ素、フッ化カルシウム、またはフッ化ナトリウムである、請求の範囲1の方法。
  5. 該急冷により、該気体混合物の金属を、液体または固体として凝縮させる、請求の範囲1の方法。
  6. 該炭素が該反応性弗素に関して化学量論的過剰量で存在する、請求の範囲1の方法。
  7. 該プラズマを不活性な気体から生成させ、該プラズマの自由火炎中に該金属フッ化物と炭素を供給する、請求の範囲1の方法。
  8. 消耗されない電極間に飛ばされた電気的アーク中に気体を通過させる事により、該プラズマを生成させる、請求の範囲1の方法。
  9. プラズマの自由火炎中において非炭素質金属フッ化物を炭素と接触及び反応させて、金属並びに弗素及び炭素の組み合わせ物を含む気体混合物を生成せしめ、これを急冷してテトラフルオロエチレンを生成させる、ただし、該非炭素質金属フッ化物はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、硼素及びケイ素から選ばれる金属のフッ化物である、ことを含んでなる方法。
  10. 該金属フッ化物を該火炎へ供給し、該火炎を該金属フッ化物及び該炭素以外の気体から生成させる、請求の範囲9の方法。
  11. 非炭素質金属フッ化物及び炭素をプラズマの自由火炎に供給して、急冷によりテトラフルオロエチレンを生成しうる気体反応混合物を生成させ、該気体反応混合物を急冷し、その結果として該テトラフルオロエチレンを得る、ただし、該非炭素質金属フッ化物はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、硼素及びケイ素から選ばれる金属のフッ化物である、方法。
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