JP3958294B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する発明は、珪素膜をエッチングする半導体装置の作製方法に関する。特に薄膜トランジスタの活性層をエッチングにより形成する際に用いられるエッチング装置に関する。
近年アクティブマトリクス型の液晶表示装置が注目されている。これは、数百×数百以上のマトリクス状に配置された画素電極のそれぞれに珪素薄膜を用いた薄膜トランジスタを配置し、各画素に保持すべき電荷を薄膜トランジスタによって制御するものである。
液晶表示装置は、原理的に光を透過させる必要性があるので、基板として可視光を透過させる材料を用いる必要がある。可視光を透過させる材料としては、石英基板やガラス基板を挙げることができる。そのなかで石英基板は高価であり、経済性の点から利用することは好ましくない。そこで、一般にはガラス基板が用いられる。この場合の問題は、ガラス基板上にいかに高特性の薄膜トランジスタを得るかということになる。
薄膜トランジスタの特性を高めるには、利用する珪素薄膜の結晶性を高めることが最も効果的である。しかしながら、ガラス基板を用いた場合には、ガラスの耐熱温度の関係から、単結晶または単結晶に類するような結晶性を有する珪素薄膜を得ることは困難である。そして一般に得られるのは、多結晶または微結晶と呼ばれる不完全な結晶状態を有する珪素薄膜である。
このような多結晶または微結晶と呼ばれる構造を有する珪素薄膜を用いて薄膜トランジスタを構成した場合、OFF電流特性が克服すべき大きな技術的な課題となる。一般に多結晶または微結晶と呼ばれる構造を有する珪素薄膜を用いて薄膜トランジスタを構成した場合、OFF電流の値が大きいという事実がある。OFF電流とは、薄膜トランジスタがOFFの状態において、ソース/ドレイン間に流れてしまう電流のことである。
例えば、画素に配置された薄膜トランジスタにおいて、薄膜トランジスタのソースがソース線に接続され、ドレインが画素電極に接続されている構成を考える。ここで、薄膜トランジスタがONとなることによって、ソース線から薄膜トランジスタを介して画素電極へと所定の電荷が流れ込む。そして薄膜トランジスタがOFFとなることによって、画素電極に所定の電荷が保持されることになる。ここで薄膜トランジスタのOFF電流が目立って多い場合、画素電極から電荷が徐々に流出してしまうことになる。当然この場合、画素電極に所定時間でもって所定の電荷が保持されないので、必要とする表示ができなくなってしまう。
このOFF電流の問題は、結晶粒界を経由してキャリアが移動してしまうことに起因すると考えられる。例えば、Nチャネル型の薄膜トランジスタであれば、ゲイト電極に正の電位を加えることでチャネルがN型となりON動作となる。またゲイト電極に負の電位を加えることで、チャネルがP型となりOFF動作となる。
このOFF動作時においては、ソース/ドレインがN型、チャネルP型となるので、ソースとドレイン間はNPN構造となり、ソース/ドレイン間には電流は原理的には流れない。しかしこれは、活性層を構成する珪素薄膜が単結晶構造を有している場合に成り立つ理想的な場合の話であり、実際には、結晶粒界に存在したトラップ準位を経由してキャリアが移動してしまう。そしてこのキャリアの移動が原因となり、OFF電流が生じてしまう。
前述したようにガラス基板上に形成される結晶性を有する薄膜珪素半導体は、多結晶または微結晶性を有する状態を有しており、膜中に無数の結晶粒界が存在している。そしてこれら結晶粒界には多数のトラップ準位が存在している。
このトラップ準位を経由したキャリアの移動は特に高電界が加わる領域において顕著になる。特にこの現象は、チャネル領域とドレイン領域との界面およびその近傍において顕著となる。そこで、チャネル領域とドレイン領域との間にライトドープ領域やオフセット領域(オフセットゲイト領域ともいう)を電界緩和領域として形成し、この領域でのトラップ準位を経由してのキャリアの移動を抑制する方法が知られている。これらの構造は、LDD(ライト・ドープ・ドレイン)構造やオフセットゲイト構造と呼ばれる技術である。
実際にガラス基板上に結晶性を有する珪素薄膜を形成し、この珪素薄膜を用いて薄膜トランジスタを構成した場合、上記のLDD構造やオフセット構造はそれなりに有効であり、ある程度OFF電流を下げることができる。しかしながら、必要とする低OFF電流特性を得ることは困難であるのが現状である。
一般に活性層の形成は、フォトリソグラフィー工程を用いてレジストを所定のパターンに形成し、このレジストをマスクとしてプラズマを用いたドライエッチングを行うことによって行われる。
前述の薄膜トランジスタのOFFの問題について鋭意研究した結果、本発明者らは以下に示す知見を得た。
まず、上記活性層の形成におけるドライエッチング法によるエッチングの際に活性層の側面にプラズマダメージが発生する。そしてこのプラズマダメージに起因してトラップ準位が活性層の側面に高密度に形成されてしまう。
特にトラップ準位が高密度に生成されやすい状態にある多結晶または微結晶構造の結晶性珪素膜においては、この現象は顕著であり、活性層の側面には高密度でトラップ準位が形成されてしまう。
このようなプラズマダメージが要因で形成される活性層側面の多数のトラップ準位が高密度で存在すると、このトラップ準位を介してのキャリアの移動が顕著になってしまう。即ち、OFF電流が増大してしまう。この問題は、多結晶珪素膜や微結晶珪素膜等の結晶粒界を無数に有している膜質の場合に特に顕著なものとなる。これは、トラップ準位が結晶粒界において、偏在して存在しやすく、また生成されやすいからである。
この活性層の側面に形成されるトラップ準位密度は、活性層の内部(薄膜中)におけるそれよりも極めて高密度となる。従って、LDD構造やオフセット構造を採用しても、この活性層側面のトラップ準位を介して移動する電荷の数をそれほど抑制することはできない。即ち、OFF電流の値をそれ程下げることはできない。
LDD構造やオフセット構造は、電界が集中してしまう領域の電界強度を緩和させ、そのことによって、OFF電流の要因となるキャリアの移動を抑制する(正確には移動するキャリアの数を減らす)ものである。しかし、キャリアの移動の原因となるトラップ準位の密度が極めて高い場合には、電界強度を弱めても移動するキャリアの総数をそれ程減らすことはできない。
ここで問題となるのは、活性層側面に集中的に存在しているトラップ準位である。従って、活性層側面におけるトラップ準位密度を下げることができれば、このOFF電流の問題を改善することができる。前述したように、活性層側面に集中的に存在するトラップ準位は、活性層の形成の際におけるプラズマダメージが主な要因である。従って、活性層の形成の際におけるプラズマダメージを低減させることができれば、薄膜トランジスタのOFF電流の問題を改善することができる。
この活性層の側面におけるプラズマダメージを皆無にする方法としては、活性層の形成に際して、ウエットエッチング法を用いる方法を挙げることができる。しかし、ウエットエッチング法を用いた方法は、
(1)珪素膜のみを選択的に制御性よく、しかも再現性よくエッチングすることのできる適当がエッチャントがない。
(2)エチャントの温度管理やエッチング条件が微妙である。というような諸問題がある。
本明細書で開示する発明は、活性層の側面にトラップ準位が集中的に形成されないようなプロセスを行うことができるエッチング装置を提供することを目的とする。
本明細書で開示する主要な発明の一つは、
フッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずに前記フッ化ハロゲンガスを用いたエッチング処理が行われるチャンバーを有することを特徴とする。
フッ化ハロゲンガスとしては、ClF3 ,ClF,BrF3,IF3,BrF,BrF5,IF5 から選ばれた一種または複数種類のガスを用いることができる。またフッ化ハロゲンガスは100%で用いる必要はなく、適当な希釈ガスで希釈して用いることができる。
フッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずにエッチング処理を行うのは、エッチング処理時におけるプラズマダメージを低減するためである。
他の発明の構成は、
エッチングが行われる第1のチャンバーと、
基板を多数枚収納する第2のチャンバーと、
前記第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間に配置された基板を搬送する手段を有した減圧可能な第3のチャンバーと、
を有し、
前記第1のチャンバーにおいては、フッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずに前記フッ化ハロゲンガスを用いたエッチング処理が行われることを特徴とする。
上記構成を有した具体的な構成を図1に示す。図1には、エッチングが行われる第1のチャンバーであるエッチング室800、基板を多数枚収納する第2のチャンバーである基板搬入室702、第1のチャンバーであるエッチング室800と第2のチャンバーである基板搬入室702との間に配置され、基板を搬送する手段であるロボットアーム710を備えた基板搬送室701が示されている。
他の発明の構成は、
フッ化ハロゲンガスを導入する手段を有したチャンバーを有し、
前記チャンバー内においては、フッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずに前記フッ化ハロゲンガスを用いたエッチング処理が行われ、
前記チャンバーには、被エッチング材料を透過する光を計測し、エッチング状態を検出する手段が配置されていることを特徴とする。
上記構成を有した具体的な構成を図1に示す。図1には、フッ化ハロゲンガスを導入するためのガス導入系812を備え、フッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずにエッチング処理を行うエッチング室800、被エッチング材料を透過させるための光を発する手段806、透過する光を検出する手段804が備えられている。
他の発明の構成は、
基板搬入室と、
該基板搬入室に連結された第1の基板搬送室と、
該第1の基板搬送室に連結されたエッチング室と、
該エッチング室に連結された第2の基板搬送室と、
該第2の基板の搬送室に連結された基板搬出室と、
を有し、
前記基板搬入室と基板搬出室とは、多数枚の基板を収納する機能を有し、
前記第1の搬送室と第2の搬送室とは、基板を搬送する手段を有し、
前記エッチング室ではエッチングガスとしてフッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずにエッチングを行う機能を有し、
ていることを特徴とする。
上記構成を有した具体的な構成を図1に示す。図1には、基板搬入室702、第1の基板搬送室701、エッチング室800、第2の基板搬送室820、基板搬出室830、基板を搬送するための手段であるロボットアーム710と821が示されている。なお図10が図1に示すエッチング装置の上面図である。
図1に示すようなエッチング装置を用いて、薄膜トランジスタの活性層を形成する場合には、活性層に対するプラズマダメージを起こさせないためにフッ化ハロゲンガスをプラズマ化(イオン化)させないことが重要である。プラズマ化をさせないためは、ガスが励起し電離しないようにすればよい。また、ガスを電離させないようにするためには、電磁エネルギーを加えなければよい。ここで電磁エネルギーというのは、高周波のエネルギーやマイクロ波のエネルギーのことである。
このプラズマ化をさせないためには、ガスが電離または励起しないように、フッ化ハロゲンガスに対して電磁エネルギーを加えなければよい。フッ化ハロゲンガス、特にClF3 ガスは、珪素に対して非常にエッチング作用が強く、高周波エネルギー等の電磁エネルギーを加えなくても珪素を高速度でエッチングすることができる。
またエッチングに際しては、エッチングが急激に進行しないように、エッチング時の圧力を0.001 〜100 Torrの圧力範囲とすることが望ましい。さらに好ましくは0.01〜1Torrの範囲とすることが好ましい。これは、エッチングレートを適当なものとすることができる圧力範囲である。
他の発明の構成は、
フッ化ハロゲンガスを電離またはプラズマ化させずに前記フッ化ハロゲンガスを用いたエッチング処理が行われる第1のチャンバーと、
レジストを剥離する第2のチャンバーと、
前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーとに接続された基板を搬送する手段が備えられたチャンバーと、
を含むことを特徴とする。
また以上説明した構成において、エッチングを加熱しつつ行う構成とすることは有効である。これは、加熱することによって、エッチング速度を速くすることができるからである。またエッチングは所定の温度に保って行われるようにすることも有用である。これは、特にClF3 をエッチングガスに用いたエッチングでは、エッチング速度が速く、エッチング時の温度が微妙に異なることで、エッチング状態が大きく変化してしまうことを防ぐためである。
薄膜トランジスタの活性層を形成する際において、プラズマダメージの無いエチング方法を採用することによって、活性層の側面におけるトラップ準位の生成を防ぐことができる。こうすることで、活性層の側面に存在するトラップ準位を経由したキャリアの移動を抑制することができ、OFF電流の値を小さくすることができる。
〔実施の形態1〕
図1に本実施の形態で示すエッチング装置の概略断面図を示す。図1に示すエッチング装置は、多数枚の基板(試料)を1枚づつ連続的に処理することができる。図1に示すエッチング装置は、基板搬入室702内のカセット712に収納された多数枚の基板711を1枚づつエッチング室800でエッチング処理し、エッチング処理の終了した基板は、基板搬出室830内のカセット835に収納することを特徴とする。即ち、多数枚の基板を1枚づつ連続的にエッチング処理することを特徴とする。なお図10が図1の上面図である。
(装置の説明)
エッチング処理を行うための基板(試料)711は、カセット712に多数枚が収納された状態で基板搬入室702に外部より搬入される。基板711としては、エッチングされるべき珪素半導体層が成膜されたガラス基板や石英基板が用いられる。基板搬入室702は、窒素ガス(または不活性ガス)の導入手段(図示せず)と排出手段(図示せず)とが配置されており、必要に応じて窒素ガスによってパージすることができる構成となっている。基板搬入室内は特に減圧状態とする構成とはなっていない。
基板711を多数枚収納したカセット712は、ステージ754上に配置される。ステージ754は、エレベータ753によって上下に微動する。基板搬入室702はロボットアーム710を備えた基板搬送室701とゲイトバルブ706を介して連結されている。
基板搬送室701は、窒素ガスや不活性ガスを導入するためにガス導入系794を備えている。ガス導入系794から導入されるガスは、バルブ793によってその流量が制御される。また基板搬送室701には、バルブ790と真空排気ポンプ791で構成された高真空排気系が備えられている。
基板搬送室701は、ゲイトバルブ801を介してエッチング室800と連結されている。エッチング室800には、基板が配置される石英で構成されたステージ803が配置されている。またレーザー光源806とミラー807、レーザー光をエッチング室800内に導入するための石英窓805、レーザー光を検出するために光センサー804を備えている。
エッチングガスはガス導入系812からバルブ810を介してエッチング室800内に導入される。また813で示されるガス導入系からは、窒素や不活性ガスがバルブ811を介して導入される。不要となったガスの排気やエッチング室内を所定の減圧状態に保ためにバルブ808を介して真空排気ポンプ809が備えられている。
エッチング室800はゲイトバルブ814を介してもう一つの基板搬送室820に連結されている。この基板搬送室820は、エッチング室800からエッチング処理が終了した基板822をロボットアーム821によって搬出するための室である。この基板搬送室820には、窒素ガスや不活性ガスを導入するためのガス導入系827が設けられている。ガス導入系827から導入されるガスは、バルブ826によって流量が制御される。またバルブ825と真空排気ポンプ823でなる排気系が配置されている。
基板搬送室820は、ゲイトバルブ828を介して基板搬出室830と連結されている。この室には、多数枚の基板831を収納することができるカセット835(712と同じもの)が配置されている。カセット835は、エレベータ832によって上下に微動するステージ833上に配置される。
(動作手順の一例)
以下にエッチングを行う場合の動作の例を説明する。
まず全てのゲイトバルブ706、801、814、828を閉とする。そして基板搬送室701と820、さらにエッチング室800を高真空状態とする。また基板搬出室830には空のカセット835を配置し、窒素ガスを充満させた状態(常圧)とする。
この状態で、必要とする数の基板711を収納したカセット712を基板搬入室702に装置外部から搬入する。カセット712を搬入後、基板搬入室702は窒素ガスを常圧状態で充満させる。
カセット712を基板搬入室702に収めたら、基板搬送室701に窒素ガスを流入させ、常圧状態とする。基板搬送室701が常圧状態となったところで、ゲイトバルブ706を開き、ロボットアーム710によって基板711をカセット712から1枚取り出す。この際、エレベータ753を上下に微動させ、ロボットアーム710と基板711との位置関係を調整する。ロボットアーム710によって基板711を基板搬送室701に移送した後、ゲイトバルブ706を閉める。
そして基板搬送室701を高真空状態とする。基板701を高真空状態としたら、ゲイトバルブ801を開け、基板をステージ803上に基板を配置する。その後ゲイトバルブ801を閉める。
次にエッチング室800内にClF3 ガスを導入し、所定の減圧状態において基板表面に形成された半導体薄膜に対するエッチングを行う。エッチングの状態は、光源806から照射される短波長レーザー光の透過状態によって確認することができる。
例えば、膜厚500nmの結晶性珪素薄膜は、500nmの光に対する透過率が約50%である。また500nmの光は、ガラス基板や石英で構成されたステージ803をほとんど80%以上の透過率で透過する。従って、ガラス基板上に形成された結晶性珪素膜を光源806から500nmの光を照射した状態でエッチングさせていくと、結晶性珪素膜のエッチングが終了した状態で、光センサー804で検出される光の強度が急激に変化することになる。そこで、光センサー804で検出される光が急激に変化した時点でガス導入系812よりのエッチングガスの流入を停止させ、同時にガス導入系813より窒素ガスを流入させれば、不要なエッチング(例えば横方向へのエッチングの回り込み)を防ぐことができる。
エッチングの終了後、エッチング室800内は高真空状態とする。そしてゲイトバルブ814を開き、ロボットアーム821によって、基板822をエッチング室800より取り出す。そしてゲイトバルブ814を閉め、基板搬送室820内を窒素ガスで充満させる。基板搬送室820が常圧になった状態でゲイトバルブ828を開け、基板822をカセット835に収納する。そしてゲイトバルブ828を閉め、基板搬送室820を再び高真空状態とする。
この状態で、基板搬入室702と830は窒素ガスで充満された状態(常圧)となり、基板搬送室701と820、さらにエッチング室800は高真空状態となる。また全てのゲイトバルブ828、814、801、706は閉鎖された状態となる。この状態で再び基板搬送室701を常圧状態とし、さらにゲイトバルブ706を開け、2枚目の基板をカセット712からロボットアーム710によって基板搬送室701に取り出すことによって、2枚目の基板のエッチング工程が始まることとなる。
このようにして、カセット712に収納された全ての基板(試料)を連続的に1枚づつエッチング処理する。このエッチング処理は、コンピュータによって制御することによって、自動的に行うことができる。
図1に示す構成においては、短波長のレーザー光を用いてその透過光を計測することにより、エッチング状態を判断する構成としている。しかし、透過光ではなく、反射光を計測する構成としてもよい。これは、珪素膜がエッチングされることによって、特定波長の光の反射の状態が代わり、反射光の強度の変化や反射光の干渉縞の変化が観察されることを利用するのである。
〔実施の形態2〕
本実施の形態は、ガラス基板上に薄膜トランジスタを作製する際において、本明細書で開示する発明を利用する場合の例を示す。図2に本実施の形態で示す薄膜トランジスタの作製工程を示す。まずガラス基板(コーニング1737ガラス基板またはコーニング7059ガラス基板)101上に下地膜として酸化珪素膜102をプラズマCVD法または減圧熱CVD法で、3000Åの厚さに成膜する。この酸化珪素膜102は、ガラス基板101からの不純物の拡散防止やガラス基板101と後に形成される活性層との間の応力を緩和させるためのものである。
酸化珪素膜102を成膜したら、その上に非晶質珪素膜103を500Åの厚さにプラズマCVD法または減圧熱CVD法で形成する。この非晶質珪素膜103は後に薄膜トランジスタの活性層を構成するための出発膜となる。(図2(A))
非晶質珪素膜103を成膜したら、適当な手段により非晶質珪素膜103を結晶化させる。非晶質珪素膜の結晶化の方法としては、加熱による方法、レーザー光の照射による方法、両者を併用する方法、等々が知られている。本実施の形態においては、珪素の結晶化を助長する金属元素を利用した加熱による結晶化方法を採用する。
本実施の形態で採用する結晶化の方法を以下に説明する。ここでは、珪素の結晶化を助長する金属元素として、ニッケル(Ni)を用いる。まず非晶質珪素膜の表面に所定の濃度でニッケル元素を含有させたニッケル酢酸塩溶液をスピンコート法で塗布する。このニッケル酢酸塩溶液中に含ませるニッケル元素の濃度は、非晶質珪素膜中に導入されるニッケル元素が、1×1016cm-3〜5×1019cm-3程度の濃度範囲となるように調整する必要がある。これは、ニッケル元素の導入量が多すぎると、ニッケルシリサイド化してしまい半導体としての特性が損なわれてしまい、またニッケルの導入量が少なすぎると、結晶化を助長する作用が得られないからである。
非晶質珪素膜103の表面にニッケル酢酸塩溶液を塗布し、ニッケル元素が非晶質珪素膜の表面に接して保持された状態としたら、加熱処理を施すことにより、非晶質珪素膜103の結晶化を行う。この加熱処理は、550℃、4時間の条件で行う。一般に非晶質珪素膜は、550℃程度の温度では数十時間以上の処理を加えても結晶化しない。しかし、本実施の形態に示すように、ニッケル元素を利用した場合、従来よりも低温でしかも短時間の加熱処理で結晶化を行うことができる。ちなみに従来技術における加熱による非晶質珪素膜の結晶化では、600度以上の温度で数十時間以上の加熱が必要とされる。
一般に非晶質珪素膜を加熱やレーザー光の照射によって結晶化させた結晶性珪素膜は、膜中に欠陥を高密度で含んでおり、高いトラップ準位密度を有している。本実施の形態で示す作製方法による結晶性珪素膜もまた、高いトラップ準位密度を有している。
結晶性珪素膜を得たら、図1に示す装置を用いて結晶性珪素膜のパターニングを行い、薄膜トランジスタの活性層を形成する。ここでは、まず図2(B)に示すようにフォトレジストを用いて活性層を形成するためのマスク100を形成する。そして図2(B)に示すように、ClF3 ガスを用いたエッチングを行い、薄膜トランジスタの活性層104を形成する。ClF3 ガスを用いたエッチングは、室温で行うことができ、またプラズマ化をさせずに行うことができる。従って、当然のことながら活性層の側面に対するプラズマダメージが皆無にすることができる。このエッチングは、図1に示す装置を用い、実施の形態1に示した手順に従って行われる。
ClF3 ガスを用いたエッチングは、レジストに対するダメージがほとんど無いことも特徴である。これは、プラズマを用いたRIE法やウエットエッチング法を用いた場合には、レジストに対するダメージが大きく、レジストの残差物(除去することができずに残ってしまう場合が多々ある)の存在が半導体装置の作製プロセスにおいて大きな問題であることに対して有利な点である。なお、ClF3 ガスを用いたエッチングは、エッチングの形態が等方性のエッチングであることには注意が必要である。
この活性層104を形成するためのエッチング条件を以下に示す。
エッチングガス ClF3
反応圧力 0.4 Torr
反応温度 常温
エッチングレート 500Å/分
マスク フォトレジスト
ここでは常温によるエッチングを行う例を示したが、エッチングガスをイオン化させない範囲で加熱することは、反応速度を高める上で有用である。
エッチングの終了後にレジストマスク104を除去し、図2(D)に示すような状態を得る。図2(D)に示すように活性層104を形成したら、図3(A)に示すようにゲイト絶縁膜105を1000Åの厚さにプラズマCVD法で成膜する。次にアルミニウムを主成分とする膜を6000Åの厚さにスパッタ法で成膜する。そしてパターニングを施すことにより、ゲイト電極106を形成する。さらに電解溶液中においてゲイト電極106を陽極として陽極酸化を行うことにより、陽極酸化物層107を2000Åの厚さに形成する。(図3(A))
図3(A)の状態を得たら、図3(B)に示すようにP(リン)イオンの注入をプラズマドーピング法で行い、ソース領域108とドレイン領域110とを自己整合的に形成する。この際、ゲイト電極106周囲の陽極酸化物層107がマスクとなり、オフセット領域111が形成される。このオフセット領域111は、リンイオンが注入されず実質的に真性であり、またチャネルとしても機能せず、チャネルとソース/ドレイン領域との間において電界緩和領域として機能する。(図3(B))
上記ドーピングの終了後、レーザー光または強光の照射を行い、ソース領域とドレイン領域の活性化を行う。
そして、図3(C)に示すように層間絶縁膜として酸化珪素膜112を7000Åの厚さにプラズマCVD法で成膜する。そしてコンタクトホールの形成を行い、アルミニウムまたはその他の金属を用いてソース電極113とドレイン電極115を形成する。最後に350℃の水素雰囲気中において1時間の熱処理を施すことにより、図3(C)に示す薄膜トランジスタを完成させる。
本実施の形態に示す構成を採用した場合における活性層の状態を模式的に示した図を図4に示す。本実施の形態に示すように活性層のパターニングをClF3 ガスを用いたエッチングによって行うことによって、300で示される活性層の側面におけるプラズマダメージを無くすことができる。従って、プラスマダメージに起因する活性層側面300におけるトラップ準位密度をほとんど無くすことができる。そしてこの結果、302で示されるルートを移動するキャリアの数を少なくすることができる。
従来技術におけるプラズマを用いたドライエッチング法(一般にRIE法が用いられる)においては、プラズマダメージにより、活性層側面300に高密度にトラップ準位が形成されてしまうので、302で示されるようなキャリアの移動するルートが存在していた。この302で示されるルートにおけるキャリアの伝導は、トラップ準位を介してのものであり、チャネル形成領域109にチャネルが形成されるか否かに関係無く存在するものである。従って、111で示されるようなオフセット領域が形成されていてもソース領域108とドレイン領域110との間に電圧が加わった状態であれば、302で示されるルートを経由してキャリアの移動が起こってしまう。そしてこのキャリアの移動によってOFF電流が増大してしまう。
しかし、本実施の形態に示す構成を採用した場合、活性層側面300におけるトラップ準位密度を下げることがでるので、302で示されるルートで伝導するキャリアの数を抑制することができる。そして、一方で301で示されるチャネルを移動する本来のキャリアの移動は何ら損なわれることがない。従って、オフセットゲイト領域111の効果を最大限に生かすことができ、OFF電流の少ない特性を得ることができる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態はアクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する際に利用されるプロセスを示す。本実施の形態では、アクティブマトリクス領域に形成される薄膜トランジスタ(画素トランジスタ)と、アクティブマトリクス領域に配置された薄膜トランジスタを駆動するための周辺ドライバー回路の薄膜トランジスタとを同時に作製する工程を示す。
本実施の形態に示す薄膜トランジスタの作製工程を図5に示す。まずガラス基板101上に下地膜として酸化珪素膜102を3000Åの厚さにスパッタ法によって成膜する。次に非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法で500Åの厚さに成膜する。さらに加熱やレーザー光の照射により、非晶質珪素膜を結晶化させ、結晶性珪素膜103を得る。
そして、周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタの活性層を形成するためのレジストマスク401と、マトリクス領域(画素領域)に配置される薄膜トランジスタの活性層を形成するためのレジストマスク402を形成する。(図5(A))
ここで、図1に示す装置を用い、ClF3 を用いたエッチングを行う。このエッチング工程で403と404で示される活性層を形成する。ここでは以下に示す条件でエッチングを行う。
エッチングガス ClF3
反応圧力 2Torr
反応温度 常温
エッチングレート 1000Å/分
マスク フォトレジスト
エッチング工程の終了後、レジストマスクを取り除き、図5(B)に示す状態を得る。図5(B)において、403で示される活性層が周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタである。また404で示される活性層は画素領域に配置される薄膜トランジスタの活性層である。
活性層を形成したら、アルミニウムを主成分とする膜を6000Åの厚さに電子ビーム蒸着法で成膜し、パターニングを施すことにより、ゲイト電極405と406を形成する。そして電解溶液中においてゲイト電極405と406とを陽極として陽極酸化を行うことにより、陽極酸化物層407と408を2000Åの厚さに形成する。この酸化物層が存在することによって、後の不純物イオン注入工程において、オフセットゲイト領域を形成することができる。(図5(C))
図5(C)に示す状態を得たら、ソース/ドレイン領域を形成するための不純物イオンの注入をイオン注入法またはプラズマドーピング法によって行う。ここでは、Nチャネル型の薄膜トランジスタを形成するためにリンイオンをプラズマドーピング法によって注入する。(図5(D))
このリンイオンの注入を行うことによって、ソース領域409と413、ドレイン領域412と416、チャネル形成領域411と415、オフセットゲイト領域410と416とが自己整合的に形成することができる。また、不純物イオンが注入されない領域がチャネル形成領域411と415、オフセットゲイト領域410と414として画定される。(図5(D))
不純物イオンの注入終了後、レーザー光の照射または強光の照射を行うことにより、不純物イオンが注入された領域のアニールを行う。このアニール工程において、先の不純物イオンの注入によって非晶質化されたソース/ドレイン領域の再結晶化と注入された不純物の活性化とが行われる。(図6(A))
ソース/ドレイン領域の形成を終了したら、図6(B)に示すように層間絶縁膜として酸化珪素膜501をプラズマCVD法で6000Åの厚さに成膜する。そしてコンタクトホールの形成する。そして、アルミニウムを用いて、周辺駆動回路領域に配置される薄膜トランジスタのソース電極502とドレイン電極503を形成する。そして同時に画素領域に配置される薄膜トランジスタのソース電極504を形成する。
さらに酸化珪素膜を3000Åの厚さにプラズマCVD法で成膜し、コンタクトホールの形成後、画素電極を構成するITO電極506を形成する。このITO電極は、画素領域に配置される薄膜トランジスタのドレイン領域416に直接接続される。(図6(B))
そして最後に350℃の水素雰囲気中において水素化処理を1時間行うことによって、図5(B)示すような構成を完成させる。本実施の形態に示すような構成を採用した場合、薄膜トランジスタの活性層の側面を経由したOFF電流の存在を著しく減少させることができるので、オフセットゲイト構造を採用することによるOFF電流低減の効果を最大限に活かすことができる。即ち、OFF電流の小さい薄膜トランジスタを得ることができる。このようなOFF電流値の小さな薄膜トタンジスタは、図6(B)に示すようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置の画素領域に配置する薄膜トランジスタとして非常に有用なものとなる。
〔実施の形態4〕
本実施の形態は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置のマトリクス状に配置された画素領域の個々に少なくとの一つ配置される薄膜トランジスタの構成に関する。
図7に本実施の形態で示す薄膜トランジスタの作製工程を示す。まず図7(A)に示すように、ガラス基板601上に下地膜として窒化珪素膜602をプラズマCVD法で形成する。さらに酸化珪素膜603をスパッタ法で成膜する。次に非晶質珪素膜604をプラズマCVD法または減圧熱CVD法で500Åの厚さに成膜する。そして、酸化珪素膜でなるマスク605を公知のフォトリソグラフィー工程で形成する。このマスク605によって非晶質珪素膜604はその一部の領域が露呈する。
そして珪素の結晶化を助長する金属元素であるニッケル元素を所定の濃度で含んだニッケル酢酸塩溶液をスピンコート法で塗布する。この状態で606で示されるニッケル元素の層またはニッケル元素を含んだ層606が形成される。(図7(A))
そして550℃の雰囲気中で4時間の加熱処理を加える。この加熱処理を施すことにより、図7(B)の矢印600で示されるような結晶成長が行われる。この結晶成長は基板に平行な方向へと針状あるいは柱状に進行していく。図7(B)において、607で示されるのが基板に平行な方向へと結晶成長した領域である。また、608で示されるのが、ニッケル元素が直接導入された領域であり、ニッケル元素が高濃度で存在する領域である。また、609と610で示されるのが、結晶成長の終点である。この結晶成長の終点の領域においてもニッケル元素が高濃度で存在していることが確認されている。
また、607で示される領域中におけるニッケル濃度(計測される最大の濃度)が1×1016cm-3〜5×1019cm-3の範囲内となるように、図7(A)の工程でスピンコートされるニッケル酢酸塩溶液中におけるニッケル元素の濃度を調整する必要がある。なお、上記ニッケル元素の濃度は、SIMS(2次イオン分析法)の最大計測値で得られる値である。
次に本明細書で開示する発明を利用して、エッチングにより図7(C)に示す活性層611を形成する。この工程は、活性層とすべき領域の上部にレジストマスクをフォトリソグラフィー工程で形成し、しかる後にClF3 ガスを用いたエッチングを行うこによって活性層611を形成する。詳細な条件等は実施の形態1または実施の形態2に示したものを用いればよい。
次にゲイト絶縁膜として酸化珪素膜612を1000Åの厚さにプラズマCVD法で成膜する。さらにスカンジウムを含有したアルミニウム膜をスパッタ法により、6000Åの厚さに成膜する。次にフォトレジストでなるマスク614を用いてアルミニウム膜をエッチングする。このエッチング工程の終了後もレジストマスク614は残存させる。そしてレジストマスク614が残存している状態で残存したアルミニウム膜を陽極として電解溶液中において陽極酸化を行い、ポーラス状の陽極酸化物層615を5000Å程度の厚さに形成する。この陽極酸化工程は、電解溶液として3〜20%のショウ酸(30℃)を用い、10Vの電圧を残存したアルミニウム膜に加えることによって行われる。この工程の後、アルミニウムが残存した部分613がゲイト電極となる。(図7(C))
次にレジストマスク614を取り除き、pHがおよそ7で1〜3%の酒石酸を含んだエチレングリコール溶液中で、ゲイト電極613を陽極として再び陽極酸化を行う。この工程で緻密なバリア型の陽極酸化物層616を2000Åの厚さに形成する。
次に露呈したゲイト絶縁膜612をRIE法によるドライエッチングによってエッチングする。この工程で、陽極酸化物615と616はエッチングレートの違いから殆どエッチングされない。このエッチングは、活性層611が露呈する状態で終了させる。こうして、図7(D)に示されるように残存したゲイト絶縁膜612’を得る。
図7(D)に示す状態を得たら、ポラーラス状の陽極酸化物層615を除去する。そして、図7(E)に示す状態を得たら、硼素(B)イオンをプラズマドーピング法で活性層611に対して注入する。この不純物イオンの注入は10kV程度の低加速電圧で行う。従って、ゲイト絶縁膜612’の露呈した部分で硼素イオンの進入は抑止され、622で示される領域には、硼素(B)イオンは注入されない。一方、617で示される領域には硼素イオンが注入される。こうして、622で示される領域が不純物イオンが注入されずオフセット領域として画定される。(図7(E))
次に500℃、4時間の加熱処理を行うことにより、ドーピングされた不純物イオンの活性化を行う。そしてさらにアニールの効果を高めるためにKrFエキシマレーザーを照射する。この際、617と622との境界面(PI接合が形成されている)が、ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜612’)を透過したレーザー光によって十分に活性化される。このソース/ドレイン領域となる617の領域とオフセット領域となる622の領域との界面におけるトラップ準位の存在は、OFF電流の流れる要因になるので、この領域に対する活性化あるいはアニールはOFF電流の低減のために非常に効果的である。
次に層間絶縁膜として酸化珪素膜618をプラズマCVD法で3000Åの厚さに成膜する。そしてコンタクトホールを形成し、アルミニウム膜によるソース電極619を形成する。さらに層間絶縁膜として窒化珪素膜620を3000Åの厚さに成膜する。そしてコンタクトホールを形成し、画素電極となるITO電極621を形成する。こうしてオフセット領域622を有するPチャネル型の薄膜トランジスタを得ることができる。(図7(F)(G))
珪素の結晶化を助長する金属元素を利用して結晶性珪素膜を作製し、この結晶性珪素膜をパターニングすることによって活性層を形成した場合、活性層の表面にプラズマダメージを与えることによって、金属元素に起因したトラップ準位が形成されてしまう。前述したように、活性層の形成においては、特にその側面にプラズマダメージが生じてしまう。
本実施の形態に示すように活性層の形成をプラズマダメージの無いエッチング方法で行った場合、活性層を構成する結晶性珪素膜の作製において珪素の結晶化を助長する金属元素を利用した場合であっても活性層の側面におけるトラップ準位密度が特に高くなることはない。従って、活性層の側面を経由したキャリアに移動を低く抑えることができ、OFF電流の小さい薄膜トランジスタを得ることができる。また、活性層の側面を経由したキャリアの移動を抑えることができるので、オフセット領域やライトドープ領域を設けることの意義(効果)を最大限に活かすことができる。
〔実施の形態5〕
図8に本明細書で開示するエッチング装置の一例を示す。図8に示すエッチング装置は、エッチング室902、基板(試料)の搬送室900、基板搬入室903、基板搬出室904を備えた基本構成を有している。エッチング室902には、エッチングされるべき基板(試料)を配置するためのステージ910が設置されている。このステージ910は、基板を所定の温度±5℃以内に制御するための加熱冷却機構を備えている。
エッチング室902と基板搬送室900とは、ゲイトバルブ905で連結されている。基板搬送室900内には、基板909を搬送するためのロボットアーム908が配置されている。基板搬送室900には、基板搬入室903と基板搬出室905とが、それぞれゲイトバルブ906、907を介して接続されている。基板搬入室903と基板搬出室904とには、基板を多数枚収納できるカセット911が配置される。
図8(A)は装置の上面図であり、図8(A)のA−A’で切った断面を図8(B)に示す。図8(B)に示すように、このエッチング装置は、エッチング室902と基板搬送室900とに高真空排気系921と913とを備えている。図中912と920とは真空排気系のバルブである。
基板搬送室900は、窒素ガスまたは不活性ガスの供給系統915を有しており、基板搬送室900内を必要に応じてパージすることができる構成となっている。またエッチング室902には、窒素ガスまたは不活性ガスの供給系918とエッチングガス(例えばClF3 )の供給系919とを備えている。また912と920それらガス供給系のバルブである。
多数枚の基板909を収納したカセット911は、エレベータステージ923上に配置され、エレベータ922の上下微動により、上下に微動する。この機構は、基板909をロボットハンド908で移送する際に利用される。
また図には示されていないが、基板搬入室903と基板搬出室904とに高真空排気系を配置し、これらの室を高真空に排気できるようにすることは有用である。このような構成を採用すると、エッチング室902から混入するエッチングガスの成分を常に排気することができ、エッチング精度の向上やプロセスの安定性を確保することができる。
〔実施の形態6〕
図9に示すのは、基板の搬入室1002と搬出室1006、少なくも一つがエッチング室である室1003〜1005、共通の基板搬送室1001、基板搬送室1001と各室をつなぐゲイトバルブ1007〜1011を備えたエッチング装置である。
図9に示すエッチング装置の具体的な構成としては、1003で示される室をClF3 を用いたエッチング室とし、1004で示される室をエッチング時に利用されたレジストマスクを剥離するためのアッシング室、1005で示される室をUV光の照射によるレジストの残存物の除去を行う室としればよい。
また、シリサイドゲイトを有した絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製工程において、シリサイドをエッチングし、しかる後にシリコンをエッチングし、さらにゲイト絶縁膜をエッチングする工程が必要とされるが、このような場合は、1003をClF3 を用いたエッチング室とし、1004をゲイト絶縁膜をエッチングするための室とし、1005をレジスト剥離を行うためのアッシング室とすればよい。
また、1003をシリサイドをエッチングするためのエッチング室、1004をシリコンをエッチングするためのエッチング室、1005をレジストを剥離するためのアッシング室としてもよい。この場合、1003のエッチング室と1004のエッチング室の両方ともClF3 ガスを用いたエッチング室とすればよい。ただし、シリサイドとシリコンのエッチング条件が異なるので、それぞれ一つの条件によるエッチング室とし、作業効率を高めることが特徴である。
実施の形態のエッチング装置概要図である。 実施の形態の薄膜トランジスタを作製工程を示す図である。 実施の形態の薄膜トランジスタを作製工程を示す図である。 活性層の状態を拡大して示した模式図である。 周辺駆動回路領域と画素領域に配置される薄膜トランジスタの作製工程を示す図である。 周辺駆動回路領域と画素領域に配置される薄膜トランジスタの作製工程を示す図である。 画素領域に配置される薄膜トランジスタの作製工程を示す図である。 実施の形態のエッチング装置の概要を示す図である。 実施の形態のエッチング装置の概要を示す図である。 図1に示すエッチング装置の上面図を示す図である。
符号の説明
712、835 カセット
711、822 基板(試料)
702 基板搬入室
754、833 ステージ
753、832 エレベータ
706、801、814 ゲイトバルブ
828
701、820 基板搬送室
710、821 ロボットアーム
794、812、813 ガス導入系
827
793、790、810 バルブ
811、826、825
808
791、809、823 真空排気ポンプ
101、601 ガラス基板
102、603 下地膜(酸化珪素膜)
602 下地膜(窒化珪素膜)
103、 結晶性珪素膜
100 レジストマスク
104 活性層
105 ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜)
106 アルミニウムを主成分とするゲイト電極
107 陽極酸化物層
108 ソース領域
109 チャネル形成領域
110 ドレイン領域
111 オフセットゲイト領域
112 層間絶縁膜(酸化珪素膜)
113 ソース電極
115 ドレイン電極
300 活性層の側面
301 チャネルを移動するキャリアのルート
302 チャネルの側面を経由して移動するキャリアのルート
401、402 レジストマスク
403 周辺駆動回路領域に配置される薄膜トランジスタの活性層
404 画素領域に配置される薄膜トランジスタの活性層
405、406 アルミニウムを主成分とするゲイト電極
407、408 陽極酸化物層
409、413 ソース領域
410、414 オフセットゲイト領域
411、415 チャネル形成領域
412、416 ドレイン領域
501、505 層間絶縁膜(酸化珪素膜)
502、504 ソース電極
503 ドレイン電極
506 画素電極(ITO電極)
604 非晶質珪素膜
605 酸化珪素膜でなるマスク
606 ニッケルの膜またはニッケルを含有する膜
607 結晶成長した領域
608 ニッケルを直接導入されたニッケル元素濃度の高い領域
609、610 結晶成長の終点
600 結晶成長の進行方向
611 活性層
612 ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜)
613 アルミニウムを主成分とするゲイト電極
614 レジストマスク
615 ポーラス状の陽極酸化物層
616 緻密なバリア型の陽極酸化物層
612’ 残存したゲイト絶縁膜
622 オフセット領域
617 ソース/ドレイン領域となる不純物領域
618 層間絶縁膜(酸化珪素膜)
619 ソース電極
620 層間絶縁膜(窒化珪素膜)
621 画素電極(ITO電極)

Claims (15)

  1. 励起していないフッ化ハロゲンガスにより珪素膜のエッチングを行い、
    前記珪素膜を透過する透過光を計測して前記珪素膜のエッチング状態を検出し、
    前記透過光の強度が急激に変化したとき、前記フッ化ハロゲンガスの流入を停止するとともに、不活性ガスを流入させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 請求項1において、前記透過光の光量を計測することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 励起していないフッ化ハロゲンガスにより珪素膜のエッチングを行い、
    前記珪素膜で反射する反射光を計測して前記珪素膜のエッチング状態を検出し、
    前記反射光の強度が急激に変化したとき、前記フッ化ハロゲンガスの流入を停止するとともに、不活性ガスを流入させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項3において、前記反射光の光量を計測することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項3において、前記反射光の反射の干渉縞の変化を計測することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、0.01〜1Torrの圧力で前記エッチングを行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、0.001〜100Torrの圧力で前記エッチングを行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、イオン化させないように前記フッ化ハロゲンガスを加熱して、前記エッチングを行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、所定の温度に保って前記エッチングを行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、常温で前記エッチングを行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一において、前記珪素膜は多結晶珪素膜または微結晶珪素膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一において、前記珪素膜を用いて活性層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一において、前記エッチングは等方性のエッチングであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか一において、前記フッ化ハロゲンガスは希釈ガスで希釈されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか一において、前記フッ化ハロゲンガスは、ClF,ClF,BrF,IF,BrF,BrF,IFから選ばれた一種または複数種類のガスであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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