JP3958175B2 - 円形鋼管柱の柱梁接合構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、円形の鋼管柱に、鋼管柱よりも幅狭のH形鋼製の梁を接合したノンダイヤフラム形式の柱梁接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、円形鋼管柱の柱梁接合構造として、図9に示すダイヤフラム形式のものが一般に採用されている。この従来例では、円形の鋼管柱21の梁接合部に、予め工場で平面形状が八角形の上下2段のダイヤフラム29,29を溶接すると共に、これら上下2段のダイヤフラム29,29の各一辺と、両ダイヤフラム29,29間の鋼管柱21の側面とに、H形鋼製のブラケット28を溶接する。現場では、鋼管柱21のブラケット28に、添え板による梁継手23A,23B,23Cを介してH形鋼製の梁22をボルト接合する。鋼管柱21へのブラケット28の溶接は、上下のダイヤフラム29,29の対応する各一辺にブラケット28の上下フランジ28aの端部を、また鋼管柱21の側面にブラケット28のウェブ28bの端部をそれぞれ突き合わせ溶接して行う。
【0003】
しかし、このような柱梁接合構造では、工場での鋼管柱21の加工工数が多くなり、しかも添え板の梁継手23A,23B,23Cも必要で、コストアップとなる。
【0004】
他のダイヤフラム形式の例として、図10に示すものも知られている。この従来例では、円形の鋼管柱21の梁接合部に、予め工場で図9の従来例の場合と同様の上下2段のダイヤフラム29,29を溶接すると共に、これら両ダイヤフラム29,29の間の鋼管柱21側面にガセットプレート26を溶接する。現場では、梁22のウェブ22bの端部を鋼管柱21のガセットプレート26にボルト止めし、両ダイヤフラム29,29の対応する各一辺に梁22の上下フランジ22a,22a端を突き合わせ溶接する。
【0005】
この従来例の場合、ブラケットや、添え板形式の梁継手が不要であるが、ダイヤフラム形式であるため、工場での鋼管柱21の加工工数が多くなる点は図9の従来例と同じである。
【0006】
ノンダイヤフラム形式の従来例としては、図11に示す増肉鋼管柱を用いたものがある。この従来例は、円形の鋼管柱21の梁接合部を増肉部21aとして補強し、その鋼管柱21の梁接合部に、予め工場でH形鋼製のブラケット28Aを溶接したものである。現場では、鋼管柱21のブラッケット28Aに、添え板式の梁継手23A,23B,23Cを介して梁22をボルト接合する。鋼管柱21へのブラケット28Aの溶接は、ブラケット28Aの端部を図12のように鋼管柱21の外径に合わせて円弧状に開先加工して行う。
【0007】
このように、ダイヤフラムを省略した場合は、梁22(具体的にはブラケット28A)の端部を鋼管柱21の外径に合わせて円弧状に加工しなければならない。また、このように端部をR加工された梁22は、図13のように、現場で既に建て込まれた鋼管柱21の間に、側方から納めようとしても、R加工部分の端部が中央よりも出っ張っていて円形鋼管柱21との干渉を生じるため、納めることができない。そのため、上述のように、予め工場で鋼管柱21にブラケット28Aを溶接しておき、現場では梁22を添え板式の梁継手23A,23B,23Cを介してボルト接合しなければならない。このようにブラケット28Aと添え板とを用いるため、やはりコストアップとなる。
また、ダイヤフラムを省略したこの従来例の場合、梁フランジ幅が狭いと、鋼管柱21の面外変形耐力が小さいため、図14のように梁端モーメントにより梁22のフランジ22aに大きい引っ張り力Tが働いたときに、鋼管柱21が変形することがある。
このため、梁22における上下フランジ22aの先端部の幅をテーパ状に広げることを考えた。このように梁フランジ幅を変えることは、梁22に、上下フランジ22aとウェブとを溶接組立したタイプのもの、いわゆるビルト型のH形鋼を用いることで可能である。しかし、このようなビルト型のH形鋼でフランジ幅をテーパ状に加工するには、加工が煩雑となり、コスト高の要因となる。
【0008】
この発明の目的は、このような課題を解消し、構造が簡素で、堅固な接合が行え、かつ加工が容易で安価に構築できる円形鋼管柱の柱梁接合構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の円形鋼管柱の柱梁接合構造は、円形の鋼管柱に、この鋼管柱よりも幅狭のH形鋼製の梁を接合した柱梁接合構造において、上記鋼管柱の梁接合部がノンダイヤフラム構造であり、上記梁は、梁端部で上側のフランジの上面および下側のフランジの下面にそれぞれ重ねて接合された接合プレートを介して上記鋼管柱に接合され、上記各接合プレートは柱接合端が梁幅よりも広がっていて、この柱接合端が鋼管柱の側面に沿う円弧形状であり、鋼管柱の側面に突合わせ溶接されたものである。接合プレートと梁との接合は、溶接であっても、ボルト接合であっても良い。梁の幅は、例えば円形鋼管柱の外周面の断面となる円に内接する正方形の1辺の幅と同程度か、またはこの1辺よりも狭い幅である。 この構成によると、梁の上下フランジを、接合プレートを介して鋼管柱に接合するようにしたため、円形鋼管柱の外周形状に沿わせる開先加工が、平板状の部材である接合プレートを円弧状に加工するだけで良く、従来のH形鋼の上下フランジに円弧状の加工を行うものに比べて加工が容易である。そのため、安価に構成できる。梁のフランジに発生する荷重は、接合プレートを介して鋼管柱に伝わる。この場合に、接合プレートは柱接合端が梁幅よりも広がっているため、広い範囲で鋼管柱と接合できて、鋼管柱の面外変形耐力も確保される。また、ノンダイヤフラム構造であり、しかも鋼管柱に梁端部となるブラケットが不要となるため、鋼管柱の構造も簡素なものとなる。鋼管柱にブラケットがないため、運搬容積が小さくなり、運搬コストも安くなる。
【0010】
上記接合プレートは、梁の幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレートに分割されたものとする。このように接合プレートが2枚に分割されていると、接合プレートを円形鋼管柱に現場溶接する場合に、梁を鋼管柱間に納めてから、2枚の分割接合プレートを梁の両側方から鋼管柱の外周面に持って来ることができ、梁の現場施工を容易に行うことができる。また、接合プレートを鋼管柱に工場溶接しておいて、現場で接合プレートに鋼管柱を溶接する場合には、接合プレートが上記のように2枚に分割されていると、次のように接合プレートの梁に対する溶接長を長く得ることができる。
【0011】
すなわち、接合プレートが、梁の幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレートに分割されたものである場合に、これら2枚の分割接合プレートは、上記梁のフランジに重なる全ての辺、つまり梁幅中央側の辺、梁接合端と反対側の辺、および梁幅外側の斜めの辺の一部で梁のフランジに隅肉溶接しても良い。このように接合プレートを分割構成とすることで、分割接合プレートの梁幅中央側の辺の隅肉溶接が可能となり、同サイズの接合プレートを1枚の非分割品とした場合に比べて、梁への接合プレートの溶接長が長くなる。そのため、接合強度を堅固にすることができる。
【0012】
また、接合プレートが、梁の幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレートに分割されたものであり、また接合プレートを梁に溶接されたものとする場合に、これら2枚の各分割接合プレートは、梁のフランジに1本の仮止め用のボルトで回動自在に取付けられ、梁接合端を鋼管柱の側面に合わせて鋼管柱に溶接されたものとしても良い。
この構成の場合、現場で梁を柱間に配置するときは、2枚の分割接合プレートを梁と干渉しないように両側方へ開いておき、柱間に梁を配置した後に、2枚の分割接合プレートを仮止め用のボルトを中心にして閉じ側へ回動させことで、各分割接合プレートの柱接合端を円形鋼管柱の側面に沿わせる。この後、各分割接合プレートを梁のフランジおよび鋼管柱へ溶接する。上記のように分割接合プレートを仮止め用のボルトで回動自在に取付けることで、分割接合プレートを梁に工場や現場の地上で取付けておいた状態で、梁を建込み位置へ吊り上げることができる。また、接合プレートの溶接に際して、接合プレートを位置決めする作業が、回動操作で済む。これらのため、接合プレートの取扱や溶接のための作業が簡単になる。
【0013】
この発明において、上記接合プレートは、鋼管柱側の幅が幅広となるように、テーパ状に先広がり形状となったものとする。テーパ状に先広がりとなった形状であれば、円形鋼管柱の面外変形耐力の確保が可能で、かつ接合プレートの余分な梁幅方向への突出部分がなく、材料の節減ともなる。このテーパ状の接合プレートは、柱接合端の幅を鋼管柱の径に応じて自由に変更し、鋼管柱の径等に応じて鋼管柱の面外変形耐力を適正化することができる。
【0014】
この発明において、上記梁は、ウェブが鋼管柱の側面に溶接されたものであっても良い。その場合、例えば、接合プレートは鋼管柱に工場溶接しておき、現場で梁と接合プレートとの接合、および梁のウェブと鋼管柱側面との溶接を行う。
この構成の場合、梁のウェブと鋼管柱側面とを溶接した堅固な接合構造でありながら、従来の梁接合用のブラケットを鋼管柱に溶接する構造のものに比べ、鋼管柱からの出っ張りも少なくなるので、現場への運搬や構築前の保管が容易になる。
【0015】
この発明において、上記梁は、上記鋼管柱の側面に上下方向に沿って接合されたガセットプレートにボルト接合されたものであっても良い。
この構成の場合、鋼管柱の側面に予め接合されたガセットプレートに梁のウェブをボルト接合した状態で、接合プレートの鋼管柱や梁への接合作業を行うことができる。そのため、現場での梁接合作業をより容易に行うことができる。
【0016】
上記発明において、上記鋼管柱の梁接合部は、この鋼管柱の他の部分よりも肉厚の厚い厚肉部とする。
このように厚肉部とした場合、ノンダイヤフラム構造であっても、鋼管柱の十分な面外変形耐力を確保できる。上記厚肉部は、素材となる鋼管を増肉加工した部分とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。図1(A),(B),(C)はこの実施形態に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す正面図,側面図および平面図である。この柱梁接合構造は、円形の鋼管柱1に、この鋼管柱1よりも幅狭のH形鋼製の梁2を接合したものであって、鋼管柱1の梁接合部がノンダイヤフラム構造とされている。円形鋼管柱1の梁接合部は、この鋼管柱1の他の部分よりも肉厚の厚い厚肉部1aとされている。上記梁2は、梁端部で上下のフランジ2a,2aにそれぞれ接合される接合プレート3,3を介して鋼管柱1に接合される。各接合プレート3は、鋼管柱1側の幅が幅広となるように、テーパ状の先広がり形状とされており、柱接合端が梁幅よりも広がっている。この広がった柱接合端は、鋼管柱1の側面に沿う円弧形状とされている。上記接合プレート3は、梁2の幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレート4,4に分割されている。換言すれば、梁幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレート4,4を合わせて「接合プレート3」と称している。この接合プレート3は、予め工場において鋼管柱1の側面に突き合わせ溶接等により溶接される。
【0018】
鋼管柱1は、この接合プレート3が溶接された状態で、工場より現場に運搬され、建てられる。現場では、この建てられた鋼管柱1の上下の接合プレート3,3間に梁端部が嵌まり込むように、梁2が吊り上げて配置される。この後、接合プレート3が梁2の上下のフランジ2aにそれぞれ溶接される。この場合に、図1(C)のように、接合プレート3を構成する2枚の分割接合プレート4,4は、フランジ2aに重なる辺の全てが隅肉溶接される。接合プレート3がこのようなテーパ形状である場合、その各分割接合プレート4のフランジ2aと重なる辺は、梁幅中央側の辺4a、梁接合端と反対側の辺4b、および梁幅外側の斜めの辺4cの一部となる。また、梁2は、そのウェブ2bの端部が鋼管柱1の側面に溶接される。
【0019】
この円形鋼管柱の柱梁接合構造によると、梁2の上下フランジ2aを、接合プレート3を介して鋼管柱1に接合するようにしたため、円形鋼管柱1の外周形状に沿わせる開先加工が、平板状の部材である接合プレート4を円弧状に加工するだけで良く、従来のH形鋼の上下フランジに円弧状の加工を行うものに比べて加工が容易である。そのため、安価に構成できる。梁2の上下フランジ2aに発生する荷重は、接合プレート3を介して鋼管柱1に伝わる。この場合に、接合プレート3は柱接合端が梁幅よりも広がっているため、広い範囲で接合プレート3と接合できて、鋼管柱1の面外曲げ耐力等の面外変形耐力が確保される。また、ノンダイヤフラム構造であり、しかも鋼管柱1に梁端部となるブラケットが不要となるため、鋼管柱1の構造も簡素なものとなる。鋼管柱1にブラケットがないため、運搬容積が小さくなり、運搬コストも安くなる。
【0020】
また、接合プレート3は、梁2の幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレート4からなるものとしているので、その各分割接合プレート4は、梁幅中央側の辺4a、梁接合端と反対側の辺4b、および梁幅外側の斜めの辺4cの一部で梁2のフランジ2aに隅肉溶接することができる。このため、接合プレート3を1枚の非分割のものとした場合に比べて、梁2への接合プレート3の溶接長が長くなる。そのため、十分な接合強度を確保できる。
さらに、円形鋼管柱1は梁接合部が厚肉部1aとされているので、ノンダイヤフラム構造でありながら、十分な耐力が確保される。
【0021】
なお、この実施形態において、接合プレート3の鋼管柱1への溶接は、現場で行うようにしても良い。その場合、梁2を吊り上げて鋼管柱1間に配置した状態で、接合プレート3の鋼管柱1への溶接および梁2への溶接を行う。接合プレート3の鋼管柱1への溶接と梁2への溶接とは、いずれを先に行っても良い。鋼管1間に梁2を配置した後に、接合プレート3の鋼管柱1への溶接を行うようにすれば、接合プレート3が梁2の鋼管柱1間への配置の邪魔となることがない。
【0022】
図2(A),(B),(C)は提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す正面図,側面図および平面図である。この柱梁接合構造は、図1に示す第1の実施形態において、接合プレート3を構成する2枚の分割接合プレート4,4を、予め工場で円形鋼管柱1の側面に溶接しておき、現場でこれら2枚の分割接合プレート4,4を、梁2のフランジ2aにボルト5で接合したものである。ボルト5には高力ボルトが用いられる。梁2のウェブ2bの端部を円形鋼管柱1の側面に溶接すること、およびその他の構造は第1の実施形態の場合と同じである。
この提案例の場合、現場での溶接作業を無くすことができ、現場作業が容易になり、接合の信頼性が向上する。その他の効果は図1の実施形態の場合と同様である。
【0023】
図3(A),(B)はこの発明のさらに他の実施形態に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す平面図および正面図である。この柱梁接合構造では、図1に示す第1の実施形態において、円形鋼管柱1の梁接合部の側面に、予め工場で上下方向に沿うガセットプレート6が溶接により接合される。接合プレート3は、鋼管柱1に対して現場溶接とする。現場では、先ず梁2のウェブ2bの端部がガセットプレート6にボルト7で接合される。接合プレート3を構成する2枚の分割接合プレート4,4は、梁2のフランジ2aに1本の仮止め用のボルト5Aで回動自在に取付けられる。この仮止め用のボルト5Aによる分割接合プレート4の取付けは、現場で梁2の吊り上げ前に行うようにしても、予め工場で行うようにしても良い。ボルト5Aで仮止めした分割接合プレート4,4は、梁2の柱1間への配置作業時には図4に実線で示すように互いに開いておく。梁2の柱1間への配置が完了し、ガセットプレート6への梁ウェブ2bのボルト接合の後に、両分割接合プレート4を互いに閉じ回動させて、その柱接合端を鋼管柱1の外面に沿わせる。この後、分割接合プレート4を鋼管柱1の側面に溶接する。なお、円形鋼管柱1における梁接合部の側面には、分割接合プレート4を円形鋼管柱1に溶接するときの裏当て材8を予め工場で溶接しておく。その他の構成は図1の実施形態と同様である。
【0024】
この実施形態の場合、2枚の分割接合プレート4,4を梁2のフランジ2aにボルト5Aで回動自在に仮止めするので、鋼管柱1間への梁2の配置作業に接合プレート3が邪魔とならない。また、鋼管柱1に予め接合されたガセットプレート6に梁2のウェブ2bをボルト7で接合することからも、現場での梁接合作業をより簡単に行うことができる。
【0025】
図5はさらに他の提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す平面図である。この柱梁接合構造は、図3および図4に示す実施形態において、接合プレート3を構成する2枚の分割接合プレート4,4を、それぞれ複数のボルト5で梁2のフランジ2aに接合するようにしたものである。これらのボルト5のうち、1本のボルト5Aは、仮止め用とする。分割接合プレート4および梁2のフランジ2aには、ボルト5,5Aを挿通させる複数のボルト挿通孔(図示せず)がそれぞれ形成される。
現場では、図3および図4の実施形態の場合と同様に、分割接合プレート4を1本の仮止め用のボルト5Aだけで取付けて、梁2の鋼管柱1間への配置を行い、その後に分割接合プレート4の梁2への各ボルト5による接合、および分割接合プレート4の先端の鋼管柱1への突き合わせ溶接を行う。その他の構成は図3および図4の実施形態と同様である。 この提案例の場合、分割接合プレート4の梁2への接合がボルト接合となるので、現場溶接が少なくなり、作業性および信頼性が向上する。
【0026】
図6はさらに他の提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す平面図である。この柱梁接合構造は、図3,図4に示す実施形態において、接合プレート3を1枚の非分割のプレートとしたものである。その他の構成は図1の実施形態と同様である。
【0027】
この実施形態の場合、接合プレート3が1枚のプレートからなるので、梁2のフランジ2aに接合プレート3を隅肉溶接するときの溶接長が得難いが、裏面側から溶接することなどで、溶接長が確保される。その他の効果は図3,図4の実施形態と同様である。図1に示す第1実施形態においても、この接合プレート3を1枚の非分割のプレートとした構成が採用できる。
【0028】
図7(A),(B)はさらに他の提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す正面図および平面図である。この柱梁接合構造は、図1に示す実施形態において、円形鋼管柱1を、通常の肉厚の円形鋼管1Aと、厚肉の円形鋼管1Bとを溶接することにより縦に連結して形成し、厚肉の円形鋼管1Bの部分を梁接合部としたものである。その他の構成は図1の実施形態と同様である。
このように構成することにより、梁接合部を厚肉部1aとした円形鋼管柱1を安価に形成できる。図3,図4の提案例など、他の各提案例においても、この厚肉の円形鋼管1Bにより厚肉部1aを構成した構成が採用できる。
【0029】
図8はこの発明のさらに他の実施形態に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造を示す平面図である。この柱梁接合構造は、図1に示す実施形態において、円形鋼管柱1内にコンクリート9を充填してCFT構造の鋼管柱としたものである。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。このように構成することにより、円形鋼管柱1の圧縮耐力の向上が図れる。
【0031】
【発明の効果】
この発明の円形鋼管柱の柱梁接合構造は、円形の鋼管柱に、この鋼管柱よりも幅狭のH形鋼製の梁を接合した柱梁接合構造において、上記鋼管柱の梁接合部がノンダイヤフラム構造であり、上記梁は、梁端部で上下のフランジにそれぞれ接合された接合プレートを介して上記鋼管柱に接合され、上記各接合プレートは柱接合端が梁幅よりも広がっていて、この柱接合端が鋼管柱の側面に沿う円弧形状であり、鋼管柱の側面に突合わせ溶接されたものとしたため、構造が簡素で、堅固な接合が行え、かつ加工が容易で安価に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)はこの発明の一実施形態に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の正面図、(B)は同側面図、(C)は同平面図である。
【図2】 (A)は提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の正面図、(B)は同側面図、(C)は同平面図である。
【図3】 (A)はの発明のさらに他の実施形態に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の平面図、(B)は同正面図である。
【図4】 同柱梁接合構造の梁建方説明図である。
【図5】 提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の平面図である。
【図6】 さらに他の提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の平面図である。
【図7】 (A)はさらに他の提案例に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の正面図、(B)は同平面図である。
【図8】 この発明のさらに他の実施形態に係る円形鋼管柱の柱梁接合構造の平面図である。
【図9】 (A)は従来例の平面図、(B)は同正面図である。
【図10】 他の従来例の正面図である。
【図11】 (A)はさらに他の従来例の平面図、(B)は同正面図である。
【図12】 同従来例における梁端部R加工の説明図である。
【図13】 円形鋼管柱に梁を現場溶接する場合の問題点を示す説明図である。
【図14】 円形鋼管柱に狭幅の梁を接合する場合の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1…円形鋼管柱
1a…厚肉部
2…梁
2a…フランジ
2b…ウェブ
3…接合プレート
4…分割接合プレート
5A…仮止め用ボルト
6…ガセットプレート
7…ボルト
Claims (3)
- 円形の鋼管柱に、この鋼管柱よりも幅狭のH形鋼製の梁を接合した柱梁接合構造において、上記鋼管柱の梁接合部がノンダイヤフラム構造であり、上記梁は、梁端部で上側のフランジの上面および下側のフランジの下面にそれぞれ重ねて接合された接合プレートを介して上記鋼管柱に接合され、上記各接合プレートは鋼管柱側の幅が幅広となるように、テーパ状に先広がり形状となり、柱接合端が梁幅よりも広がっていて、この接合プレートは、梁の幅方向に並ぶ2枚の分割接合プレートに分割され、上記2枚の分割接合プレートは、梁幅中央側の辺、梁接合端と反対側の辺、および梁幅外側の斜めの辺の一部となる、上記梁に重なる全ての辺が上記フランジに隅肉溶接され、上記柱接合端が鋼管柱の側面に沿う円弧形状であり、鋼管柱の側面に突合わせ溶接され、上記鋼管柱の梁接合部が、この鋼管柱の他の部分よりも肉厚の厚い厚肉部であって、素材となる鋼管を増肉加工した部分である円形鋼管柱の柱梁接合構造。
- 請求項1において、上記梁は、ウェブが鋼管柱の側面に溶接されたものである円形鋼管柱の柱梁接合構造。
- 請求項1において、上記梁は、上記鋼管柱の側面に上下方向に沿って接合されたガセットプレートにボルト接合されたものである円形鋼管柱の柱梁接合構造。
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