JP3958029B2 - 工具、工具ホルダおよび工作機械 - Google Patents

工具、工具ホルダおよび工作機械 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械の主軸に装着されるワークを加工する工具、エンドミル等の加工具を保持する工具ホルダ、この工具または工具ホルダが主軸に着脱される工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、マシニングセンタ等の主軸を備えた工作機械では、主軸の最大回転速度(単位時間当り)は主軸を回転自在に保持する主軸受の構造や潤滑方式によって決定されるため、この最大回転速度より増速した回転速度で工具を回転させたい場合には、たとえば、増速装置を用いている。
増速装置としては、たとえば、工具を保持し主軸に着脱可能となっており、主軸の回転力を遊星歯車機構等の歯車機構によって増速して工具の回転速度を増速させるものが知られている。
たとえば、マシニングセンタにおいて、一時的に主軸の最大回転速度よりも工具の回転速度を増速させたい場合には、上記のような増速装置を主軸に対して通常の工具と同様に装着し、工具を高い回転速度で回転させている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
ところで、上記のような歯車機構による増速装置によって工具を主軸の回転速度よりも増速する場合に、数万回転〜数十万回転の超高速回転させると、増速装置の発熱が増大し、工具の熱膨張のために加工精度に影響することがある。また、歯車機構による増速装置の場合、歯車や軸受の潤滑が必要であり、潤滑油の供給経路および排出経路を増速装置内に設けるため、装置が大型化し、自動工具交換装置による自動交換が難しいという不利益も存在した。
また、他の増速方法として、工具を駆動するモータに高周波モータを使用し、この高周波モータに特別に用意された制御装置から駆動電流を供給し、工具を高速回転させる方法が採られている場合がある。しかしながら、この方法では、電力を外部から供給するケーブルが存在するため、工具の自動交換を通常の工具と同様に行うことが難しいという不利益が存在する。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、通常の工具と同様に工作機械の主軸に着脱自在に装着され、外部の電源等と結線することなく駆動可能で、外部から電力を供給することなく工作機械の主軸よりも高い回転速度を得ることができ、熱膨張が抑えられ加工精度の低下が抑制でき、自動工具交換が可能な工具、工具ホルダおよびこれらを備えた工作機械を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の工具は、工作機械の主軸に着脱される工具であって、ワークを加工する加工具と、この加工具を駆動する電動機と、この電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、前記主軸に装着され、前記主軸の回転力を前記発電機に伝達する装着部と、前記電動機および前記発電機を保持し、かつ前記装着部を回転自在に保持するケースと、このケースに設けられ、前記主軸の近傍の非回転部に嵌合して回転を規制する回り止めと、前記装着部に設けられ、前記装着部の軸心に沿って延びる冷却媒体用の第1の流路と、前記装着部に設けられ、前記第1の流路から前記装着部の外周面側へ延び、前記外周面における、前記ケースによる前記装着部の軸支位置と前記発電機との間の位置にて開口し、前記第1の流路と、前記発電機の発電機用ロータと発電機用ステータとの第1の隙間とを連通する冷却媒体用の第2の流路と、前記ケースに設けられ、前記第1の隙間と、前記電動機の電動機用ロータと電動機用ステータとの第2の隙間とを連通する第3の冷却媒体用流路と、を有し、前記発電機及び前記電動機は、前記主軸側から前記加工具側へ、前記発電機、前記電動機の順に配置され、前記第3の流路は、前記第1の隙間のうち前記電動機側の端部と、前記第2の隙間のうち前記発電機側の端部とを連通し、前記ケースには、前記第2の隙間のうち前記加工具側の端部から前記ケースの外側へ連通する第4の流路が設けられている。
【0007】
本発明の工具ホルダは、ワークを加工する加工具を保持し、工作機械本体の主軸に着脱される工具ホルダであって、前記加工具を回転自在に保持する工具保持部と、前記工具保持部を回転させる電動機と、この電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、前記主軸に装着され、前記主軸の回転力を前記発電機に伝達する装着部と、前記電動機および前記発電機を保持し、かつ前記装着部を回転自在に保持するケースと、このケースに設けられ、前記主軸の近傍の非回転部に嵌合して回転を規制する回り止めと、前記装着部に設けられ、前記装着部の軸心に沿って延びる冷却媒体用の第1の流路と、前記装着部に設けられ、前記第1の流路から前記装着部の外周面側へ延び、前記外周面における、前記ケースによる前記装着部の軸支位置と前記発電機との間の位置にて開口し、前記第1の流路と、前記発電機の発電機用ロータと発電機用ステータとの第1の隙間とを連通する冷却媒体用の第2の流路と、前記ケースに設けられ、前記第1の隙間と、前記電動機の電動機用ロータと電動機用ステータとの第2の隙間とを連通する第3の冷却媒体用流路と、を有し、前記発電機及び前記電動機は、前記主軸側から前記加工具側へ、前記発電機、前記電動機の順に配置され、前記第3の流路は、前記第1の隙間のうち前記電動機側の端部と、前記第2の隙間のうち前記発電機側の端部とを連通し、前記ケースには、前記第2の隙間のうち前記加工具側の端部から前記ケースの外側へ連通する第4の流路が設けられている。
【0008】
本発明の工作機械は、主軸と、前記主軸を駆動する駆動手段と、前記主軸とワークとの相対位置を変更する少なくとも一の制御軸とを備える工作機械本体と、前記主軸に着脱される工具と、前記駆動手段および前記制御軸を加工プログラムに従って駆動制御する制御装置と、を有する工作機械において、前記工具は、ワークを加工する加工具と、この加工具を駆動する電動機と、この電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、前記主軸に装着され、前記主軸の回転力を前記発電機に伝達する装着部と、前記電動機および前記発電機を保持し、かつ前記装着部を回転自在に保持するケースと、このケースに設けられ、前記主軸の近傍の非回転部に嵌合して回転を規制する回り止めと、前記装着部に設けられ、前記装着部の軸心に沿って延びる冷却媒体用の第1の流路と、前記装着部に設けられ、前記第1の流路から前記装着部の外周面側へ延び、前記外周面における、前記ケースによる前記装着部の軸支位置と前記発電機との間の位置にて開口し、前記第1の流路と、前記発電機の発電機用ロータと発電機用ステータとの第1の隙間とを連通する冷却媒体用の第2の流路と、前記ケースに設けられ、前記第1の隙間と、前記電動機の電動機用ロータと電動機用ステータとの第2の隙間とを連通する冷却媒体用の第3流路と、を備え、前記発電機及び前記電動機は、前記主軸側から前記加工具側へ、前記発電機、前記電動機の順に配置され、前記第3の流路は、前記第1の隙間のうち前記電動機側の端部と、前記第2の隙間のうち前記発電機側の端部とを連通し、前記ケースには、前記第2の隙間のうち前記加工具側の端部から前記ケースの外側へ連通する第4の流路が設けられている。
【0009】
本発明では、主軸に着脱される工具に発電機および電動機を備え、主軸の回転力を利用して発電し、発電した電力で電動機を駆動して加工具を回転させる。これにより、外部の電源等と結線することなく工具の駆動が可能となり、自動工具交換も可能となる。
また、本発明の工具は、工具中心から冷却媒体を流し、工具自体を冷却するとともに発電機および電動機を冷却するので、熱膨張を抑え、加工精度の低下を抑制している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。なお、マシニングセンタはいわゆる複合加工の可能な数値制御工作機械である。
【0011】
マシニングセンタ1は、工作機械本体2と、数値制御装置(NC装置)250と、プログラマブルコントローラ(PLC)150とを備えている。図1において、工作機械本体2は、門型コラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持されたクロスレール37を備えており、このクロスレール37上を移動可能に支持されたサドル44を介してラム45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
【0012】
サドル44には、水平方向にクロスレール37内を通じて図示しないねじ部が形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り軸41が螺合している。
送り軸41の一端部には、サーボモータ19が接続されており、送り軸41はサーボモータ19によって回転駆動される。
送り軸41の回転駆動によって、サドル44はY軸方向に移動可能となり、これによってラム45のY軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0013】
さらに、サドル44には、鉛直方向に図示しないねじ部が形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り軸42がねじ込まれている。送り軸42の端部には、サーボモータ20が接続されている。
サーボモータ20によって送り軸42が回転駆動され、これによりサドル44に移動可能に設けられたラム45のZ軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0014】
ラム45内には、主軸モータ31が内蔵され、この主軸モータ31はラム45に回転自在に保持された主軸46を回転駆動する。
主軸46の先端には、エンドミルなどの加工具とこの加工具を保持する工具ホルダからなる工具Tが装着され、主軸46の回転によって工具Tが駆動される。
ラム45の下方には、加工すべきワークが固定されるテーブル35がX軸方向に移動可能に設けられている。テーブル35には、図示しないねじ部が形成されており、これにX軸方向に沿って設けられた図示しない送り軸が螺合しており、この図示しない送り軸にサーボモータ18が接続されている。テーブル35は、サーボモータ18の回転駆動によってX軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0015】
また、2本の門型コラム38には、図示しないねじ部がそれぞれ形成されており、これに螺合する送り軸32aをクロスレール昇降用サーボモータ32によって回転駆動することによりクロスレール37は昇降する。
自動工具交換装置(ATC)39は、主軸46に対して各種工具Tを自動交換する。
この自動工具交換装置39は、たとえば、図示しないマガジンにエンドミル、ドリル等の各種加工具を工具ホルダによって保持した工具Tを収納しており、主軸46に装着された工具Tを図示しない工具交換アームによってマガジンに収納し、必要な工具Tを主軸46に工具交換アームによって装着する。
【0016】
NC装置250は、上記のサーボモータ18、19、20およびクロスレール昇降用サーボモータ32の駆動制御を行う。
NC装置250は、具体的には、予め加工プログラムで規定されたワークの加工手順に従って、サーボモータ18、19、20および32による工具Tとワークとの間の位置および速度制御を行う。また、NC装置250は、加工プログラムにおいて、たとえば、Sコードで規定された主軸モータ31の回転速度(単位時間当りの回転速度)を解読することにより主軸46の回転速度の制御を行う。
さらに、NC装置250は、NCプログラムにおいて、たとえば、Mコードで規定された工具Tの交換動作を解読することにより、各種工具Tの自動交換を実行する。
【0017】
PLC150は、NC装置250および操作パネル200と接続されている。このPLC150は、予め決められたシーケンスプログラムに従って、マシニングセンタ1の起動、停止を行ったり、操作パネル200の表示部を点灯、消灯する信号を出力する等の各種シーケンス制御を行う。
また、PLC150は、主軸モータ31を駆動制御する主軸モータドライバ157と接続されている。PLC150は、主軸モータ31の起動、停止および速度制御を行うための制御指令を主軸モータドライバ157に出力する。なお、PLC150は各種シーケンス制御を行う。
【0018】
図2は、本発明の工具の一実施形態の構成を示す断面図である。
図2において、工具60は、刃具100と、この刃具100を保持する工具ホルダ61とから構成される。なお、刃具100は本発明の加工具の一実施形態である。また、本実施形態に係る工具60は、上記した通常の工具Tと同様に自動工具交換装置39によって主軸46に着脱される。
【0019】
工具ホルダ61は、装着部62と、ケース部材66および68からなるケース65と、発電機70と、電動機80と、工具保持部90と、回り止め85とを備えている。
【0020】
装着部62は、把持される把持部62aと、上記の主軸46の先端部に形成されたテーパスリーブ46aに装着されるテーパシャンク部62bと、このテーパシャンク部62bの先端部に取り付けたプルスタッド62cと、ケース部材66に回転自在に保持される軸部62dとを備えている。
【0021】
装着部62の把持部62aは、上記した自動工具交換装置39の工具交換アームによって、自動工具交換装置39のマガジンから主軸46に装着される際および主軸46から自動工具交換装置39のマガジンへ搬送される際に把持される。
【0022】
装着部62のテーパシャンク部62bは、主軸46のテーパスリーブ46aに装着されることによって、中心軸が主軸46の中心軸と同心になる。また、装着部62には、中心部に流路120が形成され、軸部62dの発電機70付近で軸心に対し直角方向に形成された流路121と接続している。流路121は、発電機70と軸受72の間に明けられ、たとえば空気のような冷却媒体101を発電機70の回転側と固定側の隙間に流し冷却するようになっている。
【0023】
装着部62のプルスタッド62cは、装着部62が主軸46のテーパスリーブ46aに装着されると、主軸46に内蔵された図示しないクランプ機構のコレットによってクランプされる。なお、主軸46に内蔵されたクランプ機構は周知技術であるので詳細については省略する。また、プルスタッド62cは、中心部に流路122を有しており、この流路122は、装着部62に形成された前記流路120と接続されるようになっている。
【0024】
装着部62の軸部62dは、ケース部材68の内周に複数の軸受72を介して回転自在に保持されている。軸受72には、アンギュラ玉軸受が用いられている。
【0025】
ケース部材68の内周には、発電機70、電動機80および工具保持部90が保持されている。また、ケース部材68の発電機80側の軸受72部には、発電機70側の空間と電動機80側の空間とを接続するように流路123が形成されており、冷却媒体101を流通するようになっている。また、ケース部材68の刃具100側には、冷却媒体101を排出するための排出穴128が設けられている。
【0026】
ケース部材66の刃具100側の先端部には、前記排出穴128と接続され、カバー111の内側に開放される排出穴109が明いている。
【0027】
カバー111は、ケース部材66の先端部に取り付けるよう構成され、排出穴110がカバー111の内側から大気側に通じるように明けられている。
【0028】
発電機70は、装着部62の軸部62dと同心に連結されており、この発電機70には主軸46の回転力が装着部62を介して伝達される。
発電機70には、たとえば、三相同期発電機が用いられる。
【0029】
電動機80は、発電機70から供給される電力によって駆動される。電動機80には、たとえば、三相誘導電動機を用いることができる。
【0030】
工具保持部90は、回転軸91と、この回転軸91と電動機80の回転軸81とを連結するカップリング93と、回転軸91の先端部に固定された工具装着部材95とを有する。なお、回転軸91および回転軸81が本発明の駆動軸の一実施形態である。
電動機80の回転軸81は、軸受113によって回転自在に保持されている。この軸受には密封玉軸受が用いられる。
【0031】
回転軸91は、ケース部材68の内周に複数の軸受92を介して回転自在に保持されている。軸受92には、アンギュラ玉軸受が用いられる。
回転軸91の先端側は、ケース部材68に抜け止め部材94によって抜け止めされている。
【0032】
刃具100は、工具装着部95に保持されており、この刃具100はワークを加工する。なお、工具装着部95は本発明の工具保持部の一実施形態である。刃具100は、具体的には、ドリル、エンドミル等の各種の刃具である。
【0033】
ケース部材66および68は、たとえば、ボルト等の締結手段によって連結されており、これらケース部材66および68がケース65を構成している。
ケース部材66は、回り止め85を自由に移動可能に案内するガイド115を形成しており、さらに、ケース部材68を保持するようになっている。
回り止め85は、装着部62が主軸46のテーパスリーブ46aに装着されることにより、主軸46側の、たとえば、ラム45等の非回転部47に形成された嵌合穴47aに先端85aが挿入される。
これにより、ケース部材66、すなわち、ケース65は、主軸46が回転しても回転が規制される。
【0034】
次に、本実施形態に係る工具60の動作の一例について説明する。
まず、自動工具交換装置39によって、工具装着部95に刃具100を保持した工具60を工作機械本体2の主軸46に装着する。
工具60は、回り止め85の先端部85aが非回転部47の嵌合穴47aに嵌合挿入され、ケース65の回転が規制される。
【0035】
この状態から、主軸46を回転速度Nで回転させると、工具60の装着部62が回転し、主軸46の回転力が発電機70に伝達される。
これにより、発電機70は、たとえば、三相同期発電機を用いた場合には、三相交流電力を発電する。
【0036】
三相同期発電機の発生する三相交流電力の周波数fは、三相同期発電機の極数をPとし、主軸46の回転速度をN〔min−1〕とすると、次式(1)によって表される。
【0037】
f=P×N/120〔Hz〕…(1)
【0038】
従って、主軸46を回転速度Nで回転させると、上記(1)式で表される周波数fの三相交流電力が電動機80に供給される。
【0039】
ここで、電動機80に三相誘導電動機を用いたとすると、この三相誘導電動機の極数がPとすると、三相誘導発電機は三相交流の1サイクルで2/P回転することから、滑りがない時の三相誘導発電機の同期速度Nは、次式(2)で表される。
【0040】
=120×f/P〔min−1〕…(2)
【0041】
従って、主軸46の回転速度Nに対する工具60の回転速度Nは次式(3)によって表される。
【0042】
=N×P/P〔min−1〕…(3)
【0043】
(3)式から分かるように、主軸46の回転速度Nは、上記(3)式で表される回転速度Nに変速される。
(3)式で示すように、三相同期発電機の極数Pと三相誘導発電機の極数Pとの比を適宜設定することにより、主軸46の回転速度Nに対する工具60の回転速度Nの変速比を任意に設定できることが分かる。
すなわち、主軸46の回転速度Nを増速したい場合には、極数比P/Pを1より大きくし、減速したい場合には、極数比P/Pを1より小さくなるように、三相誘導発電機の極数Pおよび三相誘導発電機の極数Pを予め選択すればよい。
【0044】
たとえば、主軸46の最大回転速度Nmaxが3000min−1であるとすると、通常の工具を用いたワークの加工では、主軸46の回転速度は上記の最大回転速度Nmaxの範囲で充分である場合が多い。
一方、主軸46の最大回転速度Nmaxが3000min−1のマシニングセンタ1を使用し、たとえば、ワークにアルミニウム合金材を用いてこれを高速加工したい場合には、工具60の回転速度を、たとえば、30000min−1に増速させたいような場合がある。
このような場合のために、マシニングセンタ1の自動工具交換装置39のマガジンに工具60を予め収納しておく。なお、工具60は、増速比が10となるように、上記の極数比P/Pが10である三相同期発電機および三相誘導発電機を内蔵させる。
【0045】
自動工具交換装置39によって、主軸46に通常の工具と同様に工具60を自動装着する。
主軸46は主軸モータ31を駆動して回転させるが、工具60に保持された刃具100の回転速度は、主軸46の回転速度によって制御する。すなわち、NC装置250にダウンロードするNCプログラムにおいて、主軸46の回転速度をSコードで指定することにより、工具60の刃具100の回転速度を規定しておく。すなわち、NC装置250は、主軸46の回転速度を制御することにより、工具60の刃具100の回転速度を制御する。
たとえば、工具60の刃具100を30000min−1で回転させたい場合には、NCプログラムにおいてSコードで主軸46の回転速度を3000min−1に指定しておく。
【0046】
主軸46を3000min−1で回転させると、発電機70は主軸46の回転速度および極数Pに応じた周波数の三相交流を発生する。
電動機80は、発電機70から供給される三相交流によって駆動され、工具60の刃具100は、略30000min−1の回転速度で回転する。
【0047】
上記のように刃具100が増速された状態で、テーブル35に固定されたワークと刃具100(主軸46)とを加工用プログラムに従って相対移動させることにより、ワークの切削加工が行われる。
【0048】
これにより、たとえば、主軸46の最大回転速度が制限されるマシニングセンタ1を使用した場合に、主軸46の最大回転速度を越える回転速度で刃具100を回転させてワークの高速加工が可能となる。
【0049】
主軸46が回転すると、発電機70、発電機80および軸受72、92、113が発熱するため、工具60が熱膨張し加工精度を低下させることになるので、冷却は重要な課題である。主軸46からプルスタッド62cより流した冷却媒体101は、装着部62の中心部に形成された流路120を流れ、軸部62dの発電機70付近で軸心に対し直角方向に形成された流路121を通り、発電機70の回転側と固定側の隙間に流れ発電機70を冷却する。
冷却媒体101は、発電機70を冷却した後、流路123を通り、電動機80側に流れる。そして、電動機80の回転側と固定側の隙間に流れ電動機80を冷却する。
そして、冷却媒体101は、排出穴128、109を通り、カバー111に排出され、次に前記カバー111の排出穴110から大気に排出される。
【0050】
以上のように、本実施形態によれば、通常の工具と同様にユニット化された工具ホルダ61に発電機70および電動機80を内蔵し、発電機70で発生した電力で電動機80を駆動することで、主軸46に対する工具60の回転速度を増速させるため、主軸46を高速回転させても歯車装置のように発熱が増大しないうえ、さらに冷却媒体で冷却するようにしたので工具60の熱膨張が抑えられ加工精度の低下が抑制される。
【0051】
さらに、本実施形態によれば、電動機80のイナーシャを主軸46のイナーシャよりも小さくできるため、主軸46を直接に高速回転させる場合に比べて、刃具100の応答性を向上できる。
【0052】
また、本実施形態によば、主軸46の回転速度を増速させる工具60を主軸46に対して着脱自在とし、かつ、自動工具交換装置39によって通常の工具と同様に交換可能となっているため、通常の回転速度の範囲での加工を行いながら、高速加工の要求に対して即座に対応することができる。
また、本実施形態によれば、主軸46の回転によって発電した電力によって刃具100を駆動するため、外部から駆動電流を供給する必要がなく、この結果、電源供給のための配線が必要ない。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、外部から電力を供給することなく工作機械の主軸よりも高い回転速度で加工具を回転させることができる工具、工具ホルダおよびこれらを備えた工作機械が得られる。
また、本発明によれば、通常の工具と同様に工作機械の主軸に着脱自在に装着され、外部の電源等と結線することなく駆動可能で、自動工具交換が可能な工具、工具ホルダおよびこれらを備えた工作機械が得られる。
また、本発明によれば、熱膨張が抑えられ加工精度の低下が抑制できる工具、工具ホルダおよびこれらを備えた工作機械が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。
【図2】本発明の工具の一実施形態の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 マシニングセンタ
2 工作機械本体
31 主軸モータ
39 自動工具交換装置
46 主軸
60 工具
61 工具ホルダ
62 装着部
65 ケース
66、68 ケース部材
70 発電機
80 電動機
85 回り止め
90 工具保持部
95 工具装着部
100 刃具
101 冷却媒体
120、121、122、123 流路
250 NC装置

Claims (3)

  1. 工作機械の主軸に着脱される工具であって、
    ワークを加工する加工具と、
    この加工具を駆動する電動機と、
    この電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    前記主軸に装着され、前記主軸の回転力を前記発電機に伝達する装着部と、
    前記電動機および前記発電機を保持し、かつ前記装着部を回転自在に保持するケースと、
    このケースに設けられ、前記主軸の近傍の非回転部に嵌合して回転を規制する回り止めと、
    前記装着部に設けられ、前記装着部の軸心に沿って延びる冷却媒体用の第1の流路と、
    前記装着部に設けられ、前記第1の流路から前記装着部の外周面側へ延び、前記外周面における、前記ケースによる前記装着部の軸支位置と前記発電機との間の位置にて開口し、前記第1の流路と、前記発電機の発電機用ロータと発電機用ステータとの第1の隙間とを連通する冷却媒体用の第2の流路と、
    前記ケースに設けられ、前記第1の隙間と、前記電動機の電動機用ロータと電動機用ステータとの第2の隙間とを連通する冷却媒体用の第3の流路と、
    を有し、
    前記発電機及び前記電動機は、前記主軸側から前記加工具側へ、前記発電機、前記電動機の順に配置され、
    前記第3の流路は、前記第1の隙間のうち前記電動機側の端部と、前記第2の隙間のうち前記発電機側の端部とを連通し、
    前記ケースには、前記第2の隙間のうち前記加工具側の端部から前記ケースの外側へ連通する第4の流路が設けられている
    工具。
  2. ワークを加工する加工具を保持し、工作機械本体の主軸に着脱される工具ホルダであって、
    前記加工具を回転自在に保持する工具保持部と、
    前記工具保持部を回転させる電動機と、
    この電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    前記主軸に装着され、前記主軸の回転力を前記発電機に伝達する装着部と、
    前記電動機および前記発電機を保持し、かつ前記装着部を回転自在に保持するケースと、
    このケースに設けられ、前記主軸の近傍の非回転部に嵌合して回転を規制する回り止めと、
    前記装着部に設けられ、前記装着部の軸心に沿って延びる冷却媒体用の第1の流路と、
    前記装着部に設けられ、前記第1の流路から前記装着部の外周面側へ延び、前記外周面における、前記ケースによる前記装着部の軸支位置と前記発電機との間の位置にて開口し、前記第1の流路と、前記発電機の発電機用ロータと発電機用ステータとの第1の隙間とを連通する冷却媒体用の第2の流路と、
    前記ケースに設けられ、前記第1の隙間と、前記電動機の電動機用ロータと電動機用ステータとの第2の隙間とを連通する冷却媒体用の第3流路と、
    を有し、
    前記発電機及び前記電動機は、前記主軸側から前記加工具側へ、前記発電機、前記電動機の順に配置され、
    前記第3の流路は、前記第1の隙間のうち前記電動機側の端部と、前記第2の隙間のうち前記発電機側の端部とを連通し、
    前記ケースには、前記第2の隙間のうち前記加工具側の端部から前記ケースの外側へ連 通する第4の流路が設けられている
    工具ホルダ。
  3. 主軸と、
    前記主軸を駆動する駆動手段と、
    前記主軸とワークとの相対位置を変更する少なくとも一の制御軸とを備える工作機械本体と、
    前記主軸に着脱される工具と、
    前記駆動手段および前記制御軸を加工プログラムに従って駆動制御する制御装置と、を有する工作機械において、
    前記工具は、ワークを加工する加工具と、この加工具を駆動する電動機と、この電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、前記主軸に装着され、前記主軸の回転力を前記発電機に伝達する装着部と、前記電動機および前記発電機を保持し、かつ前記装着部を回転自在に保持するケースと、このケースに設けられ、前記主軸の近傍の非回転部に嵌合して回転を規制する回り止めと、前記装着部に設けられ、前記装着部の軸心に沿って延びる冷却媒体用の第1の流路と、前記装着部に設けられ、前記第1の流路から前記装着部の外周面側へ延び、前記外周面における、前記ケースによる前記装着部の軸支位置と前記発電機との間の位置にて開口し、前記第1の流路と、前記発電機の発電機用ロータと発電機用ステータとの第1の隙間とを連通する冷却媒体用の第2の流路と、前記ケースに設けられ、前記第1の隙間と、前記電動機の電動機用ロータと電動機用ステータとの第2の隙間とを連通する冷却媒体用の第3流路と、
    を備え
    前記発電機及び前記電動機は、前記主軸側から前記加工具側へ、前記発電機、前記電動機の順に配置され、
    前記第3の流路は、前記第1の隙間のうち前記電動機側の端部と、前記第2の隙間のうち前記発電機側の端部とを連通し、
    前記ケースには、前記第2の隙間のうち前記加工具側の端部から前記ケースの外側へ連通する第4の流路が設けられている
    工作機械。
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