JP4242887B2 - 工具、工具ホルダおよび工作機械 - Google Patents
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Description
増速装置としては、たとえば、工具を保持し主軸に着脱可能となっており、主軸の回転力を遊星歯車機構等の歯車機構によって増速して工具の回転数を増速させるものが知られている。
たとえば、マシニングセンタにおいて、一時的に主軸の最大回転数よりも工具の回転数を増速させたい場合には、上記のような増速装置を主軸に対して通常の工具と同様に装着し、工具を高い回転数で回転させている。
また、歯車機構による増速装置の場合、歯車や軸受の潤滑が必要であり、潤滑油の供給経路および排出経路を増速装置内に設けるため、装置が大型化し、自動工具交換装置による自動交換が難しいという不利益も存在した。
また、他の増速方法として、工具を駆動するモータに高周波モータを使用し、この高周波モータに特別に用意された制御装置から駆動電流を供給し、工具を高速回転させる方法が採られる場合がある。しかしながら、この方法では、電力を外部から供給するケーブルが存在するため、工具の自動交換を通常の工具と同様に行うことが難しく、また、設備コストが比較的高いという不利益が存在する。
第1実施形態
図1は、本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。なお、マシニングセンタはいわゆる複合加工の可能な数値制御工作機械である。
マシニングセンタ1は、工作機械本体2と、数値制御装置(NC装置)450と、プログラマブルコントローラ(PLC)150とを備えている。
図1において、工作機械本体2は、門型のコラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持されたクロスレール37を備えており、このクロスレール37上を移動可能に支持されたサドル44を介してラム45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
送り軸41の一端部には、サーボモータ19が接続されており、送り軸41はサーボモータ19によって回転駆動される。
送り軸41の回転駆動によって、サドル44はY軸方向に移動可能となり、これによってラム45のY軸方向の移動および位置決めが行われる。
サーボモータ20によって送り軸42が回転駆動され、これによりサドル44に移動可能に設けられたラム45のZ軸方向の移動および位置決めが行われる。
主軸46の先端には、エンドミルなどの加工具とこの加工具を保持する工具ホルダからなる工具Tが装着され、主軸46の回転によって工具Tが駆動される。
ラム45の下方には、加工すべきワークが固定されるテーブル35がX軸方向に移動可能に設けられている。テーブル35には、図示しないねじ部が形成されており、これにX軸方向に沿って設けられた図示しない送り軸が螺合しており、この図示しない送り軸にサーボモータ18が接続されている。
テーブル35は、サーボモータ18の回転駆動によってX軸方向の移動および位置決めが行われる。
自動工具交換装置(ATC)39は、主軸46に対して各種工具Tを自動交換する。
この自動工具交換装置39は、たとえば、図示しないマガジンにエンドミル、ドリル等の各種加工具を工具ホルダによって保持した工具Tを収納しており、主軸46に装着された工具Tを図示しない工具交換アームによってマガジンに収納し、必要な工具Tを主軸46に工具交換アームによって装着する。
NC装置450は、具体的には、予め加工プログラムで規定されたワークの加工手順にしたがって、サーボモータ18,19,20および32による工具Tとワークとの間の位置および速度制御を行う。また、NC装置450は、加工プログラムにおいて、たとえば、Sコードで規定された主軸モータ31の回転数(単位時間当りの回転数)を解読することにより主軸46の回転数の制御を行う。
さらに、NC装置450は、NCプログラムにおいて、たとえば、Mコードで規定された工具Tの交換を動作を解読することにより、各種工具Tの自動交換を実行する。
また、PLC150は、主軸モータ31を駆動制御する主軸モータドライバ157と接続されている。PLC150は、主軸モータ31の起動、停止および速度制御を行うための制御指令を主軸モータドライバ157に出力する。なお、PLC150は各種シーケンス制御を行う。
図2において、工具60は、刃具100と、この刃具100を保持する工具ホルダ61とから構成される。なお、刃具100は本発明の加工具の一実施態様である。また、本実施形態に係る工具60は、上記した通常の工具Tと同様に自動工具交換装置39によって主軸46に着脱される。
発電機70は、入力軸71が装着部62の軸部62dと同心に連結されており、この発電機70には主軸46の回転力が装着部62を介して伝達される。
発電機70には、たとえば、三相同期発電機が用いられる。
電動機80には、たとえば、三相誘導電動機を用いることができる。
回転軸91の先端側は、ケース部材68に抜け止め部材94によって抜け止めされている。
ケース部材66の外周には、回り止め部材85が設けられている。
回り止め部材85は、装着部62が主軸46のテーパスリーブ46aに装着されることにより、主軸46側の、たとえば、ラム45等の非回転部47に形成された嵌合穴47aに先端85aが挿入される。
これにより、ケース部材66、すなわち、ケース65は、主軸46が回転しても回転が規制される。
上記した工具60には、ケース65に形成された挿通孔65hおよびこの挿通孔65hに連通する回り止め部材85に形成された挿通孔85hに挿通された光ファイバ200と、この光ファイバ200の一端に接続された光学部品201と、光ファイバ200の他端に接続された光学部品202と、電動機80の回転軸91に設けられた反射鏡125とが設けられている。なお、光ファイバ200および光学部品201,202は本発明の導光手段の一実施態様であり、回転軸91に設けられた反射鏡125は本発明の光信号生成手段の一実施態様である。
図3において、光学部品201は、電動機80の回転軸91に対向する位置に固定されており、光ファイバ200によって導かれる光を回転軸91に向けて出力するとともに、回転軸91からの反射光を光ファイバ200に導く。
このセンサアンプ400は、発光素子401から光ファイバ250に光を出力するとともに、光ファイバ250を通じて入力される回転軸91からの反射光を受光素子402で受光する。
受光素子402は、受光した光をその強度に応じた電気信号に変換し、この信号402sをPLC150に出力する。
まず、自動工具交換装置39によって、工具装着部95に刃具100を保持した工具60を工作機械本体2の主軸46に装着する。
工具60は、回り止め部材85の先端部85aが非回転部47の嵌合穴47aに嵌合挿入され、ケース65の回転が規制される。
ここでセンサアンプ400の発光素子401から光を出力させると、光ファイバ250および光学部品251を通じて、この光が非接触で光学部品202に入力される。光学部品202に入力された光は、光ファイバ200を通じて光学部品201から回転軸91に向けて出力される。
これにより、発電機70は、たとえば、三相同期発電機を用いた場合には、三相交流電力を発電する。
f=P1 ×N0 /120〔Hz〕 …(1)
N1 =120×f/P2 〔min-1〕 …(2)
N1 =N0 ×P1 /P2 〔min-1〕 …(3)
(3)式で示すように、三相同期発電機の極数P1 と三相誘導電動機の極数P2 との比を適宜設定することにより、主軸46の回転数N0 に対する工具の回転数N1 の変速比を任意に設定することが分かる。
すなわち、主軸46の回転数N0 を増速したい場合には、極数比P1 /P2 を1より大きくし、減速したい場合には、極数比P1 /P2 を1より小さくなるように、三相同期発電機の極数P1 および三相誘導電動機の極数P2 を予め選択すればよい。
一方、主軸46の最大回転数Nmax が3000min-1のマシニングセンタ1を使用し、たとえば、ワークにアルミニウム合金材を用いてこれを高速加工したい場合には、工具の回転数を、たとえば、30000min-1に増速させたいような場合がある。
このような場合のために、マシニングセンタ1の自動工具交換装置39のマガジンに工具60を予め収容しておく。なお、工具60は、増速比が10となるように、上記の極数比P1 /P2 が10である三相同期発電機および三相誘導電動機を内蔵させる。
主軸46を主軸モータ31を駆動して回転させるが、工具60に保持された工具の回転数は、主軸46の回転数によって制御する。すなわち、NC装置450にダウンロードするNCプログラムにおいて、主軸46の回転数をSコードで指定することにより、工具60の刃具100の回転数を規定しておく。すなわち、NC装置450は、主軸46の回転数を制御することにより、工具60の刃具100の回転数を制御する。
たとえば、工具60の刃具100を30000min-1で回転させたい場合には、NCプログラムにおいてSコードで主軸46の回転数を3000min-1に指定しておく。
電動機80は、発電機70から供給される三相交流によって駆動され、工具60の刃具100は、略30000min-1の回転数で回転する。
PLC150は、この信号402sに基づいて、電動機80の回転数を検出し、検出した回転数をNC装置450に出力する。
これにより、NC装置450は電動機80の回転数を常時監視することが可能となる。また、NC装置450は検出した電動機80の回転数を用いて主軸46の回転制御を行うことにより、電動機の回転制御を間接的に行うことも可能となる。
また、本実施形態によれば、主軸46の回転によって発電した電力によって刃具100を駆動するため、外部から駆動電流を供給する必要がなく、この結果、電源供給のための配線が必要ない。
また、電動機80の回転数の検出方法は、上述した反射鏡125を用いた方法に限定されない。たとえば、回転軸91に透過孔をもつ円板を設け、円板の一方面側から光を出力し、円板の他方面側から透過孔を通過した光を受光することによって電動機80の回転数に応じた光信号を生成する構成とすることも可能であり、工具60の外部から光を供給して電動機80の回転数に応じた光信号を生成して外部に出力する構成であればあらゆる構成を採用できる。
図4は、本発明の工具の他の実施形態の構成を示す正面図である。なお、図4において、上述した実施形態と同一構成部分については同一の符号を使用している。
図4に示すように、本実施形態に係る工具160は、ケース65の外側面にディジタル表示器600を備えている。このディジタル表示器600は、工具160に内蔵された電動機の回転数を表示する。
本実施形態に係る工具160は、上述した第1の実施形態に係る工具60と同様に、発電機70および電動機80を内蔵している。発電機70は装着部62を通じて主軸46の回転が伝達され発電する。発電機70には、たとえば、三相同期発電機が用いられる。
本実施形態に係る工具160は、発電機70および電動機80に加えて、整流回路302、電力逆変換回路303および制御回路304を備えている。
これら整流回路302、電力逆変換回路303および制御回路304は、上記ケース65に内蔵されている。
また、整流回路302は、整流した直流電流の一部を制御回路304の電源として供給する。
電力逆変換回路303は、整流回路302から供給された直流電流を電動機80を駆動するのに必要な周波数の交流電流に変換するインバータであり、たとえば、PWMインバータで構成される。
RAM307は、マイクロプロセッサ305の演算に必要なデータ等を記憶保持する。
また、マイクロプロセッサ305は、電動機80の回転数を検出し、電動機80の回転数情報Rnをディジタル表示器600に出力する。
カウンタ回路308は、回転位置検出器311の検出した電動機80の回転量に応じたパルス信号をカウントしてマイクロプロセッサ305に出力する。
制御回路304には、電動機80の回転量および駆動電流が入力されるため、制御回路304のROM306に予め所要の制御プログラムを用意しておくことにより、電動機80の各種の駆動制御が可能となる。
たとえば、電動機80に同期電動機を用いた場合に、この同期電動機を可変速制御したい場合には、予め、速度指令パターンをROM306に設定しておき、この速度指令パターンにしたがって速度制御することが可能である。
工具160を主軸46に装着し主軸46を回転させると、発電機70は発電する。
発電機70によって発電された交流電流は、整流回路302によって直流電流に整流され、制御回路304および電力逆変換回路303に供給される。
マイクロプロセッサ305は、カウンタ回路308から入力されるカウント値から電動機80の回転数を換算し、この電動機80の回転数を用いて、電動機80の回転位置制御、速度制御、トルク制御等を行う。
これにより、ディジタル表示装置600には、現在の電動機80の回転数が表示される。
さらに、電動機80に限らず、発電機70の動作状態を検出し、これを外部から視認可能に表示することも可能である。
2…工作機械本体
31…主軸モータ
39…自動工具交換装置
46…主軸
60,160…工具
62…装着部
65…ケース
66,67,68…ケース部材
70…発電機
80…電動機
90…工具保持部
95…工具装着部
100…刃具
150…PLC
200,250…光ファイバ
251,202,201…光学部品
400…センサアンプ
450…NC装置
600…ディジタル表示器
Claims (3)
- 工作機械の主軸に着脱可能に装着される工具であって、
ワークを加工する加工具と、
前記加工具を駆動する電動機と、
前記主軸から回転力が供給され、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
前記電動機の回転数を検出する回転検出手段と、
前記発電機の発電した電力により動作し、前記回転検出手段の検出した回転数の情報を出力する制御回路と、
前記制御回路から出力された情報から特定される回転数を外部から視認可能に表示する回転数表示手段と、
前記工作機械の非回転部に嵌合する回り止め部材と、
自己へ導かれた光を反射することにより、前記電動機の回転数に応じた光信号を生成する光信号生成手段と、
前記回り止め部材に設けられた工具側光学部品を備え、前記非回転部に設けられた工作機械側光学部品から前記工具側光学部品に非接触で入射した光を前記光信号生成手段へ導き、当該光信号生成手段で生成された光信号を前記工具側光学部品から出射して前記工作機械側光学部品に非接触で出力する導光手段と
を有する工具。 - ワークを加工する加工具を保持可能で、工作機械の主軸に着脱可能に装着される工具ホルダであって、
前記加工具を駆動する電動機と、
前記主軸の回転力に基づいて、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
前記電動機の回転数を検出する回転検出手段と、
前記発電機の発電した電力により動作し、前記回転検出手段の検出した回転数の情報を出力する制御回路と、
前記制御回路から出力された情報から特定される回転数を外部から視認可能に表示する回転数表示手段と、
前記工作機械の非回転部に嵌合する回り止め部材と、
自己へ導かれた光を反射することにより、前記電動機の回転数に応じた光信号を生成する光信号生成手段と、
前記回り止め部材に設けられた工具側光学部品を備え、前記非回転部に設けられた工作機械側光学部品から前記工具側光学部品に非接触で入射した光を前記光信号生成手段へ導き、当該光信号生成手段で生成された光信号を前記工具側光学部品から出射して前記工作機械側光学部品に非接触で出力する導光手段と
を有する工具ホルダ。 - 主軸と、前記主軸を駆動する駆動手段と、前記主軸とワークとの相対位置を変更する少なくとも一の制御軸と、非回転部とを備える工作機械本体と、
前記駆動手段および制御軸を加工プログラムにしたがって駆動制御する制御装置と、
ワークを加工する加工具、前記加工具を駆動する電動機、前記主軸から回転力が供給され、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機、前記電動機の回転数を検出する第1回転検出手段、前記発電機の発電した電力により動作し、前記第1回転検出手段の検出した回転数の情報を出力する制御回路、前記制御回路から出力された情報から特定される回転数を外部から視認可能に表示する回転数表示手段、前記非回転部に嵌合する回り止め部材、自己へ導かれた光を反射することにより、前記電動機の回転数に応じた光信号を生成する光信号生成手段および前記回り止め部材に設けられた工具側光学部品により外部から前記工具側光学部品に入射した光を前記光信号生成手段へ導き、当該光信号生成手段で生成された光信号を前記工具側光学部品から出射して外部に出力する導光手段を備え、前記主軸に着脱可能に装着される工具と
前記非回転部に設けられた工作機械側光学部品を備え、前記工作機械側光学部品から前記工具側光学部品に光を非接触で出力し、かつ、前記工具側光学部品から出射される前記光信号を前記工作機械側光学部品により非接触で受信する受発光手段と、
受信した前記光信号に基づいて前記電動機の回転数を検出する第2回転数検出手段と、
を有する工作機械。
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