JP3957740B2 - 敗血症を治療するためにリポタンパク質関連凝集インヒビターを用いる方法 - Google Patents
敗血症を治療するためにリポタンパク質関連凝集インヒビターを用いる方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、急性炎症および慢性炎症、敗血症および敗血症性ショックを、予防的および治療的に処置する方法である。さらに詳細には、治療的に有効量の特定のタンパク質を投与して、敗血症性ショックと関連する生理学的経路を弱める工程を包含する。
発明の背景
敗血症およびそれに続く敗血症性ショックが、手術後の最も案じられる合併症の中におよび危篤患者において残っている。The Center for Disease Controlは、敗血症を米国における13番目の死因(MMWR,1987,39:31およびUS Dept.of Health and Human Services,37:7,1989を参照)として、そして高齢のアメリカ人の間の10番目の死因(MMWR,1987,39:777参照)としてランク付けている。これらの病気の発生率は増加し、死亡率は高いままである。敗血症患者へのケアの全コストの概算は、毎年50億ドルから100億ドルの範囲である(MMWR,1987,39:31を参照のこと)。この患者の40%から60%が死に至り得る。この割合は、過去20年間に亘って全く改善されていない。
敗血症性ショックを導き得るグラム陽性およびグラム陰性感染を生じた血液の発生率はほとんど等しい。敗血症性ショックは、不十分な組織潅流、組織への不十分な酸素供給の誘発、低血圧、および乏尿を特徴とする。敗血症性ショックは、細菌生成物(主にLPS)が、細胞膜ならびに凝集成分、補体、フィブリン溶解物、ブラジキニン、および免疫系と反応して凝集を活性化し、細胞を傷害し、そして血流(特に微小血管において)を変化させて起こる。微生物は、頻繁に古典的補体経路を活性化し、エンドトキシンは第二経路を活性化する。補体活性化、ロイコトリエンの生成、および好中球上でのエンドトキシンの直接効果は、肺でのこれらの炎症細胞の蓄積、酵素の放出、および、肺内皮を傷害して急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を開始する毒性の酸素ラジカルの生成を導く。ARDSは、敗血症性ショックの患者の主な死因であり、肺うっ血、顆粒球凝集、出血、および毛細血管の血栓を特徴とする。
凝集システムの活性化の結果、血栓発生および多くの器官の微小循環における血小板血栓形成を生じる。この症候群の病因は、第XII因子による内因性の凝集システムの活性化、および組織因子の上方制御を介する外因性経路の活性化を含む。活性化第XII因子は内因性凝集カスケードを開始し、やがてフィブリノーゲンがフィブリンに変換されて凝血が生じる。制御されない凝集が活性化(通常ショックを伴う)された結果、血栓症ならびに凝固因子II、V、およびVIIIの消費を生じる。拡散した血管内凝集のいくつかの共通の合併症は、重篤な臨床上の出血、血栓症、組織の虚血および壊死、溶血および器官不全である。
同時に、凝集はエンドトキシンにより明らかに開始されるので、カウンターベニング(countervening)メカニズムもまた凝血(すなわちフィブリン溶解システムの活性化)により活性化されることが判明した。活性化した第XII因子がプラスミノーゲンプロ活性化因子をプラスミノーゲン活性化因子に変換し、次いでプラスミノーゲン活性化因子により凝固物の溶解を介してプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。従って、血漿フィブリン溶解システムの活性化はまた出血傾向に寄与する。
外毒素症は、組織プラスミノーゲン活性化因子インヒビター(PAI)の循環レベルを増加することに関連する。このインヒビターは組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)を迅速に不活性化し、プラスミノーゲンのプラスミンへの活性化を通してフィブリン溶解を促進する能力を妨害する。フィブリン溶解の減損は血管でのフィブリンの堆積を引き起こし得、従って敗血症性ショックに関連のある拡散した血管内凝集に寄与する。
拡散した血管内凝集(DIC)は、小管中のフィブリンの広範囲の堆積を特徴とする微生物を侵すことに応答して生じる凝固障害である。DICの開始原因は循環系へのトロンボプラスチン(組織因子)の放出であるようである。このプロセスの間、フィブリノーゲンおよび血小板が減少してフィブリン分解生成物が増加した結果、血管でのフィブリン堆積を生じる。DICの間に起こる連続した事象を図1に記載する。患者は疾患プロセスの間、凝集プロテアーゼインヒビターの枯渇の程度に依存して、血栓症または出血のいずれかを患う。凝集カスケードの制御の一部分は、血流の速度に依存する。DICおよび敗血症のように流れが減少した場合、問題は大きくなる。臨床的に軽症から重症のDICは、敗血症性ショックの患者、ならびに頭部外傷および火傷、産科の合併症、輸血反応、ならびに癌のようないくつかの他の症候群において高頻度で起こると考えられる。Xoma Corporationによる最近の抄録で、DICが敗血症患者の24%で記載があったことが示される(Martinら,1989,Natural History in the 1980s,抄録番号317,ICAAC会合,Dallas)。さらに、この抄録には、DICおよび急性呼吸窮迫症候群が7日目までに最も死亡の前兆が変わりやすい(危険率4および2.3)ことが記載されている。循環および敗血症への組織因子の遊離を導く事象のカスケードは大変複雑である。種々のサイトカインが、活性化した単球、内皮細胞などから遊離される:これらのサイトカインは、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン1(IL-1)(組織因子発現を上方制御することが知られている)、インターロイキン6(IL-6)、γインターフェロン(IFN-γ)、インターロイキン8(IL-8)などを含む。補体カスケードはまた、敗血症患者の血漿中のC3aおよびC5aのレベルを上昇させることにより証明されるように活性化される。従って、組織因子の発現またはその活性に影響しないで凝集を治療する薬剤は、必ずしも敗血症の治療に有効ではない。
現在、敗血症またはDICの予防または治療のための満足のいく発明はない。ヘパリンがDICでの最も普通に用いられる抗凝固剤である。しかし、出血を誘発し、患者の健康状態を悪化するので論議をかもす。抗凝固剤を用いて敗血症を治療するの他の試みもまた困難である。Taylorら,1991,Blood,78:364-368に示すように、ワルファリンおよびヘパリンは敗血症におけるDICの治療に用いられる2つの抗凝固剤として記載されているが、いずれも理想的な薬物ではない。さらに、Taylorらは、新規の薬物のDEGR-Xa(Xa因子のアンタゴニスト)がDICを阻害し得るが、この薬物は敗血症の致死効果をブロックしないことを示す。従って、凝集経路を妨害し得る薬剤が必ずしも敗血症性ショックのインヒビターとして有効ではないことが明らかである。従って、敗血症の致死効果を阻害する組成物が必要とされている。
発明の要旨
本発明は、第VII因子、第Xa因子、および組織因子の発現の活性化を含む、急性炎症または慢性炎症に関連する症候群(敗血症および敗血症性ショックなど)を予防的におよび治療的に処置する方法であって、有効量のリポタンパク質関連凝固因子(LACI)を投与する工程を包含する方法である。さらに本発明は、LACIを投与して、TNF、IL-1、IL-6、または他のサイトカインが組織因子を上方制御する病状を治療する工程を包含する方法である。詳細には、これらの病状には急性炎症または慢性炎症を含む。好ましくは、LACIは、1μg/kgから20mg/kgの間、さらに好ましくは20μg/kgから10mg/kgの間、最も好ましくは1から7mg/kgの間の用量で静脈内に投与される。LACIは、好ましくは敗血症および敗血症性ショックを治療する添加剤(例えば、抗生物質)とともに投与される。
他の物の間で、その抗凝集特性について知られている化合物がまた免疫応答を弱め、敗血症および敗血症性ショックの治療として用い得ることが、驚くべく発見された。このことは、Warrら,1990,Blood,75:1481-1489、およびTaylorら,1991,Blood,78:364-368の所見を考慮すると、驚くべきことである。
図面および表の簡単な説明
図1は、敗血症および敗血症性ショックに含まれる複合経路を示す。内因性経路および外因性経路が含まれる。微小血管の血栓症の徴候は以下のものを含む:(1)神経系:多病巣性、譫妄(delerium)、昏睡;(2)皮膚:局所的な虚血、表面の壊疸;(3)腎臓:乏尿症、高窒素血症、皮質性壊死;(4)肺:急性呼吸窮迫症候群;および(5)胃腸管:急性潰瘍。出血性素質の徴候は以下を含む:(1)神経系:脳内出血;(2)皮膚:点状出血、斑状出血、静脈穿刺浸出;(3)腎臓:血尿;(4)粘膜:鼻出血、歯肉浸出;および(5)胃腸管:塊状の出血。
図2は、36日の調整培地(CM)およびTNFに誘発されたCMによる、組織因子活性の阻害を示す。
図3は、内皮細胞由来のCMのLACI中和を示す。
図4は、LACIタンパク質の抗体中和を示す。
図5aおよび5bは、ヒヒでのLACIの薬動力学的プロフィールを示す。白丸はイムノアッセイの結果を示し、黒丸はバイオアッセイの結果を示す。例えば、0.5mg/kgのLACIは、2匹の健康なヒヒに30秒にわたって持続性I.V.として与えられた。血液を、動物から+1、3、6、10、20、40、60、90、120、180、240、および420分で採取した。血漿中のLACIレベルは、ノムノアッセイおよびバイオアッセイ(テキストに記載)の両方を用いて測定した。図5bでは、ラインは、0.7ug/kg+10ug/kg/分注入、12時間を示す。
図6aから図6hは、2時間の致死的な細菌の静脈内注入の開始後30分の、LACI投与に対する凝集および血液学的応答を示す。黒丸を伴う線は処置した動物から得られた結果を示し、「X」を伴う線はコントロールの動物から得られた結果を示す。*(スター)はコントロール群と実験群との間の統計学的に有意な差(p<0.05)を示し、白丸は時間の間の統計学的に有意な差(p<0.05)を示す。図6aはフィブリノーゲンのレベルを示し、図6bはFDPのレベルを示す。図6cは血小板のレベルを示し、図6dはWBCのレベルを示す。図6eはPTのレベルを示し、図6fはAPTTのレベルを示し、図6gはヘマトクリットのレベルを示し、そして図6hはRBCのレベルを示す。例えば、致死量のE.coli(約5x1010微生物/kg)を2時間にわたる静脈内注入で麻酔したヒヒに投与した。細菌注入の開始後30分後、5匹のヒヒにリン酸緩衝化生理食塩水(PBS;媒体コントロール;*)を注入し、他の5匹にPBS中のLACI(●)を注入した。細菌注入前ならびに注入開始後2、4、6、および12時間で血液サンプルを10匹のヒヒから得た。血液サンプルを、フィブリノーゲン、フィブリン分解生成物、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、ならびにヘマトクリット、血小板、赤血球、および白血球数について常法でアッセイした。各測定血値の平均±標準誤差を時間(時間)に対してプロットした。
表1は、+30分でのコントロールのヒヒおよびLACI処置したヒヒの体重、性別、E.coli用量、および生存期間を示す。
表2は、+30分でのLACI処置したヒヒおよびコントロールのヒヒの臨床化学値のまとめに示す。
表3は、+30分でのLACI投与後のIL-6レベル(ng/ml)を示す。
表4は、+240分でのコントロールのヒヒおよびLACI処置したヒヒの体重、性別、E.coli用量、および生存期間を示す。
発明の詳細な説明
LACI
上記のように、本発明は、LACIが敗血症性ショックの有害な効果を阻害し得ることの発見である。詳細には、LACIは、凝固障害ならびに急性炎症および敗血症性ショックに関連する炎症プロセスを阻害/減弱する。LACIは分子量38,000Kdの血清の糖タンパク質である。なぜなら、これは組織因子インヒビターとしても知られている。これは凝固を誘導する天然のトロンボプラスチン(組織因子)インヒビターである(米国特許第5,110,730号および第5,106,833号は組織因子を記載し、そして本明細書に参考として全体が援用されている)。LACIはプロテアーゼインヒビターであり、3つのクーニッツ(Kunitz)ドメインを有する。それぞれの内2つは、それぞれ第VII因子および第Xa因子をを相互作用することが公知であるが、第3のドメインの機能は、知られていない。LACIの構造特性の多くは、他の良く研究されたプロテアーゼとの相同性のため推察し得る。LACIは酵素ではないので、おそらく化学量論的にプロテアーゼの標的を阻害する;すなわち、LACIのドメインの1つが1つのプロテアーゼ分子を阻害する。LACIは、抗敗血症活性を維持するフラグメント、およびLACIを含むハイブリッド分子を含むと定義される。LACIフラグメントおよびその変異体に関しては米国特許第5,106,833号を参照のこと。
LACIは、Brozeら,1987,PNAS(USA),84:1886-1890により発見され、第Xa因子を直接阻害すること、ならびに不活性化第VIIa因子/組織因子(TF)/第Xa因子/Ca++インヒビター複合体の形成により組織因子活性を阻害することが見出された。それは、米国特許第4,966,852号(本明細書に参考として全体が援用されている)に示されたDNA配列を有する。LACIによる第Xa因子および第VIIa因子/TF複合体の阻害に関するの提案されたメカニズムの模式図を図1に示す。
凝集は、内因性経路および外因性経路の2つの経路を介して起こる。凝集の内因性経路および外因性経路は、一連の活性化されたいくつかのプロテアーゼからなり、それは阻害されない限りフィブリン凝固の形成を生じる。LACIは上記の第Xa因子および第VIIa因子/TFレベルの両方で、凝集カスケード経路中の2つのステップで作用する。LACIが阻害する組織因子の活性化は、外因性経路の比較的初期の事象である。(LACIはまた、外因性経路インヒビター(EPI)および組織因子経路インヒビター(TFPI)と呼ばれてきた)。LACIは内因性経路および外因性経路に関する共通のプロテアーゼである第Xa因子を不活性化し、組織因子の活性化の下流にある。
正常な血漿中のLACI濃度は、100ng/mlである。Bajajら,1987,J.Circ.Invest.,79:1874-1878による報告は、LACIが肝臓および上皮細胞で合成され、患者においてDICの間中、消費されることを示唆する。具体的には、15人の健常ボランティアの血漿中のLACI値は72U/mlから142U/mlの範囲であり、平均101U/mlであった。興味のあることに、10人のDIC患者のLACIレベルは57±30U/ml(p<0.001)であった。それに比べて、12人の血液細胞疾患患者のLACIレベルは平均107±33であり、すなわち健常値に似ていた。Sandsetら,1989,J.Internal Med.,225:311-316は、肺炎患者(n=13)から、ならびに梗塞発作(n=9)および出血発作(n=9)の患者における7日の観察期間の間のLACI血漿レベルをモニターした。肺炎患者では、LACIは回復期において、弱いが有意ではない増加を示した(p=0.068)。脳出血患者では、LACIレベルは一貫した変化を示さなかったが、脳梗塞患者ではLACIレベルの増加が1日目から2日目に観察された(p<0.05)。この後者の効果は、十中八九ヘパリンによる組織結合性LACIの放出によるものである。従って、ヘパリン治療患者でのみ観察された。
Sandsetら,1989,Haemostasis,19:189-195はまた、手術後/外傷後の敗血症の13人の患者におけるLACIレベルを継続的に測定した。生存者(n=8)では、初期の低LACI活性は回復の間に正常化した。致死症例(n=5)では、LACI活性の累進的な増加(最高30±15%)が死に至るまでに観察された。この増加は、循環血中へ組織結合性LACIを放出するひどく傷害された上皮細胞により説明され得る。
LACIの製造
LACIは、いくつかの方法により作製および単離され得る。例えば、LACI分泌細胞には、約3日から4日間TNFで処置した加齢上皮細胞または若齢上皮細胞、また血液細胞または肝癌細胞も含まれる。LACIは従来の方法によりこの細胞培養物から精製し得る。例えば、これらの方法にはクロマトグラフ法を含み、それはPedersenら,1990,J.of Biological Chemistry,265:16786-16793,Novotnyら,1989,J.of Biological Chemistry,264;18832-18837,Novotnyら,1991,Blood,78:394-400,Wunら,1990,J.of Biological Chemistry,265;16096-16101、およびBrozeら,1987,PNAS(USA),84:1886-1890に示される。さらに、LACIは血流中に現れて、血液から精製し得た。前出のPedersenらを参照のこと。しかし、この方法は十分な量のLACIを得るのに大量の血液を必要とするので、提案しないかあるいは好ましくない。
LACIは米国特許第4,966,852号に示されるように、組換え法により生成され得る。例えば、このタンパク質のcDNAは原核細胞または真該細胞中での発現のためにプラスミドへ組み込まれ得る。米国特許第4,847,201号(本明細書中に参考としてその全体が援用されている)は、特異的なDNA配列を有する微生物の形質転換、およびそれらの発現の詳細を提供する。微生物を用いるタンパク質の発現について詳細を提供する当業者に公知の多くの他の文献がある。それらの多くは米国特許第4,847,201号に引用されている。例えば、Maniatas,T.ら,1982,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Pressである。
次は、微生物中でLACIを形質転換することおよび発現することについての概要である。LACI DNA配列は単離され、そして適切なコントロール配列に連結されなければならない。LACI DNA配列は米国特許第4,966,852号に示されており、pUNC13またはpBR3822のようなプラスミドに組み込まれ得る。これらはBoehringer-Mannheimのような会社から市販されている。LACI DNAがベクターに挿入されると、適切な宿主にクローニングされ得る。DNAは、Mullisの米国特許第4,683,202号およびMullisらの米国特許第4,683,195号のような技術により増幅し得る(LACI cDNAは、肝癌細胞(例えばHep G2およびSK Hep)のような細胞を誘導することにより得られ得、LACI mRNAを作製し、次いでmRNAを同定し、単離し、そしてそれを逆転写してLACIのcDNAを得る)。発現ベクターをE.coliのような宿主に形質転換した後、細菌を発酵し、タンパク質を発現し得る。細菌は好ましい原核微生物であり、E.coliが特に好ましい。本発明で有用な好ましい微生物は、E.coli K-12、MM294株であり、ブダペスト条約の条文に基づいて1984年2月14日にATCCに寄託されている。受託番号は39607でる。あるいは、LACIは哺乳動物細胞に導入され得る。これらの哺乳動物細胞には、CHO、COS、C127、Hep G2、SK Hep、バキュロウイルス、および感染させた昆虫細胞(上記の米国特許第4,847,201号も参照のこと)を含み得る。また、Pedersenら,1990,J.of Biological.Chemistry,265:16786-16793を参照のこと。組換えタンパク質の生成についてのいくつかの特定の詳細には、典型的には以下含む:
適切な、宿主、コントロール系、および方法
最初に、成熟タンパク質(本明細書では全ての変異体を含む)をコードするDNA;前駆体タンパク質;あるいは、LACIタンパク質の活性を損なわない追加の配列または制御された条件下で切断されて(例えばペプチダーゼ処理)活性なタンパク質を生じる追加の配列への融合物、が得られる。この配列がイントロンにより妨害されない場合、任意の宿主中での発現に適切である。イントロンがある場合、発現は哺乳動物またはそれらをプロセシングし得る他の真核生物系において得られ得る。従って、この配列は切断可能なおよび回復可能な形である。次いで、切断可能なおよび回復可能なコーディング配列は、複製可能な発現ベクター中に適切なコントロール配列と共に作動可能に連結される。このベクターは適切な宿主に形質転換され、この形質転換された宿主を組換えLACIの生成に効果のある好ましい条件下で培養した。
ゲノムフラグメントまたはcDNAフラグメントを得て適切な宿主に直接用いた。種々の宿主中で作動可能な発現ベクターの構築を、下記のように適切な複製およびコントロール配列を用いて作製する。適切な切断部位は、通常入手不可能な場合、切断可能な遺伝子をこれらのベクターに挿入するために提供するように、コーディング配列の末端に付加し得る。
コントロール配列、発現ベクター、および形質転換法は、遺伝子を発現するのに用いた宿主細胞のタイプに依存する。一般的に、原核生物、酵母、または哺乳動物細胞は、宿主として現在も有用である。適切な翻訳後プロセシングが可能な宿主株が好ましい。従って、一般的に原核生物の宿主が組換えタンパク質の生成に最も効果的であり、そして便利であるが、真核細胞および特に哺乳動物細胞がこれらのプロセシング能力、例えば適切なグリコシル化パターンを形成する能力、について好ましい。さらに、この本来のシグナル配列が哺乳動物宿主細胞により認識され、従って分泌を可能にし、それによって生成が容易になることがより保証される。
コントロール配列および関連する宿主
原核生物は、種々のE.coli株により最もたびたび代表される。しかし、桿菌(例えばBacillus subtilis)、種々のPseudomonas種、または他の細菌株のような他の微生物株も用いられる。このような原核生物系において、宿主と適合する種由来である複製部位およびコントロール配列を含むプラスミドベクターが用いられる。例えば、E.coliは、Bolivarら,1977,Gene,2:95によりE.coli種由来のプラスミドであるpBR322の誘導体を用いて典型的に形質転換される。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性の遺伝子を含み、従って、所望のベクターの構築において維持されるかまたは破壊されるかのいずれかであり得る追加のマーカーを提供する。通常用いられる原核生物のコントロール配列は、本明細書において転写開始プロモーター(必要であればリボソーム結合部位配列を伴うオペレーター)を含むと定義される。転写開始プロモーターには、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトース(lac)プロモーター系(Changら,1977,Nature,198:1056)、およびトリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddelら,1980,Nucleic Acids Res.,8:4057)、およびλ由来PLプロモーターおよびN-遺伝子リボソーム結合部位(Shimatakeら,1981,Nature,292:128)のような通常用いられるプロモーターを含む。これらは、ポータブルコントロールカセットとして有用であり、1987年12月8日に発行された米国特許第4,711,845号に記載されている。しかし、原核生物に適合し得るどんなプロモーター系も用いられ得る。
細菌に加えて、酵母のような真核微生物もまた宿主として用いられ得る。Saccharomyces cerevisiaeの研究室株のBaker酵母は、多くの他の株が通常入手可能であるが、最もよく用いられる。酵母発現に適切なプラスミドベクターの例は、Broach,J.R.,1983,Meth.Enz.,101:307;Stinchcombら,1979,Nature,282:39;ならびに、Tschempeら,1980,Gene,10:157およびClarke,L.ら,1983,Meth.Enz.,101:300に示される。酵母ベクターのコントロール配列は、解糖酵素の合成のプロモーターを含む(Hessら,1968,J.Adv.Enzyme Reg.,7:149;Hollandら,1978,Biochemistry,17:4900)。当該分野で公知の他のプロモーターは、3-ホスホグリセレートキナーゼのプロモーター(Hitzemanら,1980,J.Biol.Chem.,255:2073)、および他の解糖酵素のプロモーターを含む。例えば、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼのプロモーターである。さらに増殖条件により制御された転写の他の利点を有する他のプロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解酵素、ならびにマルトースおよびガラクトース利用に関する酵素のプロモーター部位である(Holland、前出)。また、ターミネーター配列はコーディング配列の3’末端であることが望ましいと考えられる。
このようなターミネーターは、酵母由来の遺伝子においてコーディング配列に続く3’非転写領域で見出される。例示した多くのベクターは、プラスミドpeno46(Holland,M.J.ら,1981,J.Biol.Chem.,256:1385)、またはYEp13から得られたLUE2遺伝子(Broach,J.ら,1978,Gene,8:121)を含むエノラーゼ遺伝子由来のコントロール配列を含む。しかし、酵母に適合するプロモーター、複製元、および他のコントロール配列を含むいかなるベクターでも適切である。
もちろん、多細胞生物由来の真核宿主細胞培養におけるポリペプチドをコードする遺伝子の発現も可能である。例えば、Tissue Culture,1973,CruzおよびPatterson編集、Academic Pressを参照のこと。有用な宿主細胞株は、ネズミミエローマN51、VERO、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵細胞(CHO)、COS、C127、Hep G2、SK Hep、バキュロウイルス、および感染した昆虫細胞を含む。このような細胞の発現ベクターは通常、哺乳動物細胞に適合するプロモーターおよびコントロール配列を含む。例えば、シミアンウイルス40(SV40)由来の共通に用いられる初期プロモーターおよび後期プロモーター(Fiersら,1978,Nature,273:113)、またはポリオーマ、アデノウイルス2、ウシパピローマウイルス、または鳥類のサルコーマウイルス由来のような他のウイルスプロモーター、またはイムノグロブリンプロモーターおよび熱ショックプロモーターである。哺乳動物細胞宿主系の形質転換の一般的な局面は、Axelにより記載されている(1983年8月16日発行された米国特許第4,399,216号)。現在、「エンハンサー」領域が発現を最適にするのに重要であることも明らかになっている:これらは一般的に、プロモーター領域の上流に見出される配列である。複製元は、必要な場合、ウイルス材料から得られ得る。しかし、染色体中への蓄積が真核生物におけるDNA複製の共通のメカニズムである。現在、植物細胞もまた宿主として有用であり、そしてノパリン(nopaline)シンターゼプロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列のような植物細胞に適合し得るコンクリート配列(Depicker,A.ら,1982,J.Mol.Appl.Gen.,1:561)が有用である。植物細胞の形質転換の方法およびベクターは、1985年11月7日に公表されたPCT公開番号W085/04899に開示されている。
本明細書でクローニングおよび発現に有用な宿主株は以下のものである:
クローニングおよび配列決定のためには、ならびにほとんどの細菌のプロモーターの制御下での構築物の発現のためには、E.coli MM294株がE.coliから得られた(Genetic Stock Center GCSC #6135)。PLNRBSプロモーターの制御下での発現については、E.coli K12 MC1000株のλリソゲン、N7N53cI857 SusP80、アメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託した株(ATCC 39531)を用い得る。1987年4月7日にATCCに寄託したE.coli DG116(受託番号53606)もまた用い得る。
M13ファージ組換え体については、ファージ感染に感受性のあるE.coli株(例えば、E.coli K12のDG98株)が用いられ得る。DG98株は、1984年7月13日にATCCに寄託されている(ATCC 39768)。
哺乳動物発現は、COS-A2細胞、COS-7、CV-1、ネズミミエローマN51、VERO、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵細胞(CHO)、COS、C127、Hep G2、SK Hep、バキュロウイルス、および感染した昆虫細胞で達成し得る。昆虫細胞ベースの発現は、Spodoptera frugiperdaにおいてであり得る。
形質転換
用いた宿主細胞によって、このような細胞に適切な標準の技術を用いて形質転換が行われる。Cohen,S.N.,1972,PNAS(USA),69:2110に記載されるような塩化カルシウムを用いるカルシウム処理が、原核細胞または実質的な細胞壁関門を含む他の細胞に用いられる。Agrobacterium tumefaciensでの感染(Shaw,C.H.ら,1983,Gene,23:315)が、特定の植物細胞に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動物細胞については、Grahamおよびvan der Eb,1987,Virology,52:546のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。酵母中への形質転換は、Van Solingen,P.ら,1977,J.Bact.,130:946、およびHsiao,C.L.ら,1979,PNAS(USA),76:3829の方法に従って行われる。
ノーザンブロットによるmRNAのプローブ反応;cDNAまたはゲノムライブラリーのプローブ
RNAを、変性剤としてホルムアルデヒド(Maniatas,T.ら,1982,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Press,202-203頁)、または10mMメチル水銀(CH3HgOH)(Bailey,j.m.ら,1976,Anal.Biochem.,70:75-85; Shegal,P.B.ら,1980,Nature,288:95-97)を用いて十分に変性させる条件下で、アガローススラブゲル電気泳動によるノーザンブロットで分画した。メチル水銀ゲルについては、1.5%ゲルを、泳動用緩衝液(100mMホウ酸、6mMホウ酸ナトリウム、10mM硫酸ナトリウム、1mM EDTA、pH8.2)中のアガロースを溶解して調整し、60℃に冷却し、そして1/100容量の1M CH3HgOHを加えた。RNAを0.5×泳動用緩衝液に溶解して、室温で10分間10mMメチル水銀中でインキューベートすることにより変性させた。グリセロール(20%)およびブロモフェノールブルー(0.05%)をサンプルを載せるために加えた。緩衝液を再循環させてサンプルを500-600ボルト/時間で電気泳動する。電気泳動後、ゲルを10mM 2-メルカプトエタノール中で40分間洗浄して、メチル水銀を脱毒化する。そして、ゲルからメンブレンフィルターにRNAを転写することによりノーザンブロットを調製した。
cDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーをコロニーハイブリダイゼーション法またはプラークハイブリダイゼーション法を用いてスクリーニングする。細菌のコロニーまたはファージのプラークを、2枚のニトロセルロース濾紙(S&S BA-85タイプ)上に載せる。プラークまたはコロニーを溶解し、そしてDNAを500mM NaOH、1.5M NaClで5分間の連続的な処置をして濾紙に固定する。濾紙を毎回5分間5×標準クエン酸生理食塩水(SSC)で2回洗浄し、そして風乾し、80℃で2時間ベーキングした。
ノーザンブロット用ゲルまたはcDNAまたはゲノムのスクリーニング用の2枚の濾紙は、25℃から42℃で6から8時間、濾紙1枚当たり10mlのプローブが入っていないDNAハイブリダイゼーション緩衝液(0〜50%ホルムアミド、5〜6×SSC、pH7.0、5×デンハート(Denhardt)溶液(ポリビニルピロリドンに加えてフィコールおよびウシ血清アルブミン;1×=それぞれの0.02%)、20〜50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)、0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、20μg/mlのポリU(cDNAをプロービングする場合)、および50μg/mlの変性させたサケ精子DNA)でプレハイブリダイズさせておく。次いで、サンプルをキナーゼ処理したプローブを含むハイブリダイゼーション緩衝液を用いて約24〜36時間適当な温度でインキュベートしてハイブリダイズした(オリゴマー用)。長いcDNAプローブまたはゲノムフラグメントプローブをニックトランスレーションまたはプライマー伸長により標識した。
プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの両方の条件は、所望のストリンジェンシーに依存し、そして例えばプローブ長で変化する。比較的長い(例えば30〜50ヌクレオチドより長い)プローブのための典型的な条件では、42℃〜55℃の温度および20%〜50%のホルムアミドを含むハイブダイゼーション緩衝液を用いる。約15ヌクレオチドのオリゴマープローブに必要な低いストリンジェンシーについては、約25℃〜42℃の低温、および低いホルムアミド濃度(0%〜20%)を用いる。長いプローブについては、フィルターを洗浄し得る。例えば30分間4回、毎回40℃〜55℃で2×SSC、0.2%SDS、および20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7)で洗浄し、次いで0.2×SSCおよび0.2%SDSで2回洗浄し、風乾し、そして-70℃で2〜3日オートラジオグフィーを行う。洗浄条件は、短いプローブについては多少荒くないようにする。
ベクター構築
所望のコーディングおよびコントロール配列を含む適切なベクターの構築は、当該分野で周知の標準のライゲーションおよび制限処理方法を用いる。単離したプラスミド、DNA配列、または合成オリゴヌクレオチドを切断し、適合するように仕立てて、そして所望の型に再ライゲーションする。
部位特異的DNA切断を、当該分野で周知の条件下でおよびこれらの市販の制限酵素によって明示された特定の条件下で適切な制限酵素(または酵素)で処理して行う。例えば、New England Biolabs,製品カタログを参照のこと。一般的には、約1μgのプラスミドまたはDNA配列を、約20μlの緩衝溶液中で1ユニットの酵素により切断する:本明細書中の実施例においては、典型的には、過剰の制限酵素を用いてDNA基質の完全な切断を確実にする。約37℃での約1時間から2時間のインキュベート時間で実行し得るが、変更は容認され得る。各インキュベーション後、タンパク質をフェノール/クロロホルムで注出して除去し、次いでエーテル抽出をし得、そして核酸をエタノールで沈殿させることにより水性画分から回収し得る。所望の場合、切断したフラグメントのサイズ分離を、標準の技術を用いてポリアクリルアミドゲル電気泳動またはアガロースゲル電気泳動により行い得る。サイズ分離の一般的な記述は、Methods of Enzymology,1980,65:499-560に見出される。
制限切断フラグメントを、4種のデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)の存在下20〜25℃で約15〜25分間のインキュベートを用いて、50mM ジチオスレイトール(DTT)および5〜10μM dNTP中でE.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ)の大フラグメントで処理して平滑末端を作製し得る。クレノウフラグメントは5’の付着末端を埋めるが、たとえ4種のdNTPが存在しても、突出した3’の一本鎖を埋めない。所望の場合、付着末端の性質により規定された制限内で、唯一のまたは選択したdNTPを供給することにより、選択的な修復を行い得る。クレノウでの処理後、混合物をフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿する。S1ヌクレアーゼでの適切な条件下での処理の結果、任意の一本鎖部分の加水分解を生じた。
合成オリゴヌクレオチドを、Matteucciら,1981,J.Am.Chem.Soc.,103:3185-3191のトリエステル法により、または自動化合成法を用いて調製し得る。アニールの前または標識ための一本鎖のキナーゼ処理を、50mM Tris、pH7.6、10mM MgCl2、5mM DTT、1〜2mM ATPの存在下で、過剰の、例えば1nmolの基質に対して約10ユニットのポリヌクレオチドキナーゼを用いて行う。キナーゼ処理がプローブの標識のためである場合、ATPは高比活性の32YPを含む。
ライゲーションを、15〜30μl容量で、次の標準の条件および温度下で行う:20mM Tris-Cl pH7.5、10mM MgCl2、10mM DTT、33μg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、10mM NaCl、そして、0℃で40μM ATP、0.01〜0.02(ワイス(Weiss))ユニット T4 DNAリガーゼ(「付着末端」ライゲーション用)、または14℃で1mM ATP、0.3〜0.6(ワイス)ユニット T4 DNAリガーゼ(「平滑末端」ライゲーション用)のいずれか。分子間「付着末端」ライゲーションは通常、33〜100μg/mlの全DNA濃度(5〜100nMの全末端濃度)で行う。分子間平滑末端ライゲーション(通常10〜30倍モル過剰のリンカーを用いる)は1μMの全末端濃度で行う。
「ベクターフラグメント」を用いるベクター構築において、ベクターフラグメントは5’リン酸を除去し、そしてベクターの再ライゲーションを避けるために、細菌のアルカリホスファターゼ(BAP)で通常に処理される。BAP切断は、pH8で、約150mM Tris中、Na2+およびMg2+の存在下で1μgのベクターあたり約1ユニットのBAPを用いて、60℃で約1時間行われる。核酸フラグメントを回収するために、調製物をフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿する。または、再ライゲーションを、不要のフラグメントの他の制限酵素切断により、2重に切断したベクターにおいて避け得る。
DNA配列の改変
配列の改変を必要とするcDNAまたはゲノムDNA由来のベクターの部分について、異変を意図した部位特異的プライマーを用いる。この技術は現在当該分野で標準的であり、一本鎖ファージDNAに相補的なプライマー合成オリゴヌクレオチドを用いて行われ、限られたミス対合を除いて所望の変異を示すように変異する。簡単に述べると、合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、ファージに相補的な鎖を直接合成し、得られた二本鎖DNAをファージ支持宿主細菌に形質転換する。形質転換された細菌の培養物をトップアガーにのせ、ファージを潜伏させた単細胞からプラーク形成し得る。
理論的には、50%の新規のプラークが一本鎖として変異型を有するファージを含む:50%は元の配列を有する。プラークを、キナーゼ処理した合成プライマーを用いて、正しい対合のハイブリダイゼーションをし得る温度で、しかし、元の鎖とのミス対合をハイブリダイゼーションするのを避けるのに十分である温度で、ハイブリダイズした。次いで、プローブとハイブリダイズするプラークを釣り上げ、培養し、そしてDNAを回収した。
構築の確認
プラスミド構築の正しいライゲーションは、まず、ライゲーション混合物と、E.coli MM294株または他の適切な宿主を形質転換することにより確認した。成功した組換え体をアンピシリン、テトラサイクリン、または他の抗生物質の耐性により、あるいはプラスミド構築の態様に依存する他のマーカーを用いて、当該分野で理解されるように選択した。次いで、組換え体由来のプラスミドは、Clewell.D.B.ら,1969,PNAS(USA),62:1159の方法に従って、必要に応じて続いてクロラムフェニコール増幅(Clewell,D.B.,1972,J.Bacteriol,110:667)を行って調製する。単離されたDNAを、制限処理により分析、および/またはSanger,F.ら,1977,PNAS(USA),74:5463のジデオキシ法(さらにMessingら,1981,Nucleic Acids Res.,9:309により記載されたように)により、またはMaxamら,1980,Methods in Enzymology,65:499の方法により、配列決定する。
LACIの精製
LACIを発現する哺乳動物細胞の精製について、次の方法を用い得る:ヘパリン-セファロース、MonoQ、MonoS、および逆相HPLCクロマトグラフィーの一連の適用。Pedersenら,前出、Novotnyら,1989,J.of Biological Chemistry,264:18832-18837、Novotnyら,1991,Blood,78:394-400、Wunら,1990,J.of Biological Chemistry,265:16096-16101、およびBrozeら,1987,PNAS(USA),84:1886-1890を参照のこと。これらの参考文献は、哺乳動物の産生したLACIを精製する種々の方法を記載している。
さらに、LACIはE.coliのような細菌中で生成され、ついで精製され得る。一般的に、米国特許第4,511,502号;第4,620,948号;第4,929,700号;第4,530,787号;第4,569,790号;第4,572,798号;および第4,748,234号に示された手法を用い得る。これらの特許は、本明細書中に参考として全体が援用されている。典型的には、異種タンパク質(すなわちLACI)は、細菌内で屈折物(refractile body)中で生成される。タンパク質を回収および精製するために細胞を溶解し、そして屈折物を遠心操作して細胞片から分離する(培地のイオン強度を低下させて精製を簡単にすることに関する米国特許第4,748,234号を参照のこと)。次いで、LACIを含む屈折物を少なくとも1回変性させ(典型的には還元環境中)、そしてタンパク質を酸化して、適当な時間、適切な緩衝液中で再生させる。LACIはかなりの数のシステイン残基を有し、CSF-1もまたかなりの数のシステイン残基を含むので、米国特許第4,929,700号に示された手法が関連すべきである。LACIは、LACI由来の哺乳動物細胞に関する上記の方法のように種々のクロマトグラフ法により緩衝液から精製され得る。さらに、米国特許第4,929,700号に示される方法が用いられ得る。
形態および投与
LACIは、敗血症、急性炎症、または慢性炎症、およびサイトカインが組織因子を上方制御する他の疾患を治療および予防するために治療学的に有効な濃度で投与される。この目的を達成するために、LACIは好ましくは静脈内に投与される。この投与を達成するための方法は当業者に公知である。
患者に投与する前に、処方物をLACIに添加し得る。液体の処方が好ましい。下記の実施例において、LACIは、pH7.2で150mM NaClおよび20mM NaPO4に処方された。しかし、LACIは異なる濃度でまたは異なる処方を用いて処方され得る。例えば、これらの処方物には、油、ポリマー、ビタミン、炭化水素、アミノ酸、塩類、緩衝液、アルブミン、界面活性剤、または賦形剤を含み得る。好ましい炭化水素は、単糖、二糖、または多糖のような糖または糖アルコール、あるいは水溶性グルカンを含む。糖またはグルカンには、フルクトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、スクロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、αおよびβシクロデキストリン、水溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、またはそれらの混合物を含み得る。スクロースが最も好ましい。糖アルコールは-0H基を有するC4からC8の炭化水素として定義され、ガラクチトール、イノシトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、およびアラビトールを含む。マンニトールが最も好ましい。上記のこれらの糖または糖アルコールは別個にまたは組み合わせて用いられ得る。糖または糖アルコールが水性の調製物中に溶解する限り、量に決まった限界はない。好ましくは、糖または糖アルコール濃度は1.0w/v%と7.0w/v%との間であり、さらに好ましくは2.0w/v%と6.0w/v%との間である。好ましくは、アミノ酸は左旋性(L)型のカルニチン、アルギニン、およびベタインを含む;しかし他のアミノ酸が追加され得る。好ましいポリマーは2,000と3,000との間の平均分子量を有するポリビニルピロリドン(PVP)、または3,000と5,000との間の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)を含む。凍結乾燥前または再構成後に溶液中のpH変化を最小にするための組成物に緩衝液を用いることもまた好ましい。ほとんどの任意の生理学的な緩衝液を用い得るが、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、およびグルタミン酸緩衝液、またはそれらの混合物が好ましい。好ましくは、濃度は0.01モル濃度から0.3モル濃度である。処方に加え得る界面活性剤は、ヨーロッパ特許第270,799号および第268,110号に示されている。
さらに、LACIは、ポリマーに共有結合により化学的に改変されて、例えば、循環半減期を増加し得る。好ましいポリマーおよびそれらをペプチドに結合する方法は米国特許第4,766,106号、第4,179,337号、第4,495,285号、および第4,609,546号に示されており、本明細書中に参考として全体が援用されている。好ましいポリマーはポリオキシエチル化ポリオールおよびポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは室温で水溶性であり、そして一般式:R(O-CH2-CH2)nO-Rを有し、ここでRは、酸素、あるいはアルキル基またはアルカノール基のような保護基であり得る。好ましくは、保護基は1から8個の炭素を有し、さらに好ましくは保護基はメチルである。記号nは正の整数であり、好ましくは1から1,000であり、さらに好ましくは2から500である。PEGは1,000と40,000との間の好ましい平均分子量を有し、さらに好ましくは2,000と20,000との間であり、最も好ましくは3,000と12,000との間である。好ましくは、PEGは少なくとも1つの水酸基を有し、さらに好ましくは末端の水酸基を有する。好ましくはこの水酸基が活性化され、インヒビター上の遊離のアミノ基と反応する。しかし、反応基のタイプおよび量が変化して本発明の共有結合したPEG/IL-2を生じ得ることが理解される。
水溶性ポリオキシエチル化ポリオールもまた本発明において有用である。それらは、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グリコール、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)などを含む。POGが好ましい。1つの理由は、ポリオキシエチル化グリセロールのグリセロール骨格が例えば動物およびヒト中で、モノ、ジ、トリグリセリドで天然に存在するのと同じ骨格であるからである。従って、この分枝は必ずしも生体内の外来因子としては見られない。POGはPEGと同じ範囲で好ましい分子量を有する。POGの構造は、Knaufら,1988,J.Biol.Chem.263:15064-15070に示され、POG/IL-2コンジュゲートの議論は米国特許第4,766,106号に見出され、両方とも本明細書中に参考として全体が援用されている。
液体の薬学的組成物を調製した後、好ましくは、凍結乾燥して分解を避け、そして滅菌を保持する。液体組成物を凍結乾燥する方法は当業者に公知である。使用直前に、組成物を、追加の成分を含み得る滅菌希釈液(例えば、リンゲル液、蒸留水、または滅菌生理食塩水)で再構成し得る。再構成に基づいて、組成物は好ましくは当業者に公知の方法を用いて被験体に投与される。
罹患した個体への投与
上記のように、LACIは敗血症または敗血症性ショックのヒトの患者を治療的にまたは予防的に処置するのに有用である。一般的に、敗血症を有するヒトは、高熱(38.5℃より高い)または低体温症(35.5℃より低い)、低血圧、頻呼吸(20呼吸/分より多い)、頻脈(100拍動/分より多い)、白血球増加症(15,000細胞/mm3より多い)、および菌血症に関連する血小板減少症(100,000血小板/mm3より少ない)を特徴とする。LACIは患者が敗血症であると疑われると同時に投与される;フィブリノーゲンの20%より多いかまたは等しい低下、あるいはフィブリン分解生成物の出現、患者体温の上昇、ならびに敗血症と関連する白血球減少、血小板減少、および低血圧の診断でそれら自体が示される。また上記のように好ましい経路は静脈内投与による。一般的に、LACIは1μg/kgと20mg/kgとの間の用量で、さらに好ましくは20μg/kgと10mg/kgとの間の用量で、最も好ましくは1mg/kgと7mg/kgとの間の用量で与えられる。好ましくは、持続用量として与えられ、持続用量後4〜6時間は、循環レベルを10〜20倍増加する。点滴注入もまた持続用量後に用いられ得る。その場合、LACIは5μg/kg/分と20μg/kg/分との間の用量で、さらに好ましくは7μg/kg/分と15μg/kg/分との間の用量で注入され得る。
LACIは敗血症を治療するのに有効な他の薬剤と組合せて与えられ得る。例えば、次の薬剤はLACIと組合せて投与され得る:潜在している細菌感染を治療し得る抗生物質;細菌の細胞壁成分に対するモノクローナル抗体;敗血症経路中に含まれるサイトカインと複合し得るレセプター;および一般的には敗血症経路でサイトカインまたは補体タンパク質と相互作用してそれらの効果を減少し、敗血症または敗血症性ショックを弱める任意の薬剤またはタンパク質。
本発明で有用な抗生物質は、以下の一般的なカテゴリー中のものを含む:β-ラクタム環(ペニシリン)、グリコシド結合したアミノ糖(アミノグリコシド)、大環ラクトン環(マクロライド)、ナフタセンカルボキサミドの多環誘導体(テトラサイクリン)、ジクロロ酢酸のニトロベンゼン誘導体、ペプチド(バシトラシン、グラミシジン、およびポリミキシン)、共役二重結合系を有する大環(ポリエン)、スルファニルアミド由来のサルファ剤(スルホンアミド)、5-ニトロ-2-フラニル基(ニトロフラン)、キノロンカンボン酸(ナリジクス酸)、およびその他多数。他の抗生物質および上記の特定の抗生物質のさらに多くの変型が、Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,Kirk-Othymer(編),2巻,782-1036頁(1978)および3巻,1-78頁、Zinsser,MicrpBiology,第17版,W.Joklikら(編),235-277頁(1980)、またはDorland's Illustrated Medical Dictionary,第27版,W.B.Saunders Company(1988)に見出され得る。
LACIとともに投与され得るモノクローナル抗体は、Larrickらの「グラム陰性細菌の内毒素をブロックするモノクローナル抗体」と題するPCT WO/88/03211に見出されるものを含む。この出願は、敗血症を治療するのに有用であり、E.coli細菌細胞壁上の種々の抗原に結合する特異的なモノクローナル抗体を開示している。特に好ましいモノクローナル抗体は、ATCC番号HB9431のハイブリドーマにより産生される抗体である。
LACIと組合せ得る他の薬剤は、IL-6またはM-CSFに対するモノクローナル抗体(Creaseyらの1991年6月27日に公表されたPCT WO91/08774を参照)、およびTNFに対するモノクローナル抗体(Ceramiら,米国特許第4,603,106号を参照)のような敗血症経路に含まれるサイトカインに対するモノクローナル抗体を含む。生成された細胞由来の成熟したTNFプロホルモンを切断するタンパク質のインヒビターは、1991年3月7日に公表されたKrieglerらのPCT WO91/02540を参照のこと。1991年11月14日に公表されたHaskillらのPCT WO91/17249に示されるようなIL-1のアンタゴニスト。1991年8月22日に公表されたWarrenらのPCT WO91/12334に示されるようなIL-6サイトカイン発現のインヒビター(例えばインヒビン)、およびレセプターに基づく種々のサイトカイン(例えばIL-1)のインヒビター。補体、またはCR1、DAF、およびMCPのような補体のタンパク質インヒビターに対する抗体もまた用い得る。
一般的にLACIは、TNF、IL-1、または他のサイトカインによりもたらされた組織因子の上方制御によって引き起こされるそれらの疾患に有用であり得る。例えば、下記の実施例中で、LACI投与がIL-6濃度を低下することを示す。IL-6は急性炎症または慢性炎症に含まれる1つの因子であるので、LACI投与は炎症を治療するのに有用である。LACIにより治療し得る典型的な炎症状態は、関節炎、敗血症性ショック、再潅流障害、炎症性陽疾患、急性呼吸疾患、外傷、および火傷を含む。
慢性炎症および急性炎症の治療において、LACIは抗敗血症の方法と同じ様式および同じ用量で投与され得る。
本発明は、現在、特に有利な実施態様を示す次の実施例を参考として例示される。しかし、これらの実施態様は例であり、そしていかなる様にも発明を制限するように解釈されるべきではないことに留意すべきである。
実施例1
LACIの生成
A.加齢細胞
ヒト臍静脈内皮細胞(HuVec)をプレートにまき、標準の組織培養液中で維持した。それらを32〜36日間加齢し、新鮮な培地で一週間に2度培地交換して、32日後に培養上清を取り出した(いわゆる調整培地またはCM)。CMはLACIを含んでいた。
B.誘導した細胞
同様のHuVec細胞をプレートにまき、24〜48時間組織培養液中で維持し、次いで3〜4日間種々の濃度の腫瘍壊死因子(TNF)と接触させた。LACIを含む培地を取り出した。これをTNFCMと呼ぶ。
実施例2
LACIの敗血症阻害
次のアッセイを考案し、LACIによる敗血症の阻害を測定した。HuVec細胞をプレートにまき、48時間インキュベートした。細菌のリポ多糖(LPS)を敗血症の誘導剤として加えた。LPSの添加が、単純な凝固よりも広い敗血症様応答を刺激するための最良の方法であった。誘導剤を加えた場合、試験サンプルを加えて内皮細胞上のLPS効果への影響を試験した。試験したサンプルはLACIを含んでいた。細胞を4時間と5時間との間インキュベートし、次いでクロモザイム(chromozyme)を加えた。クロモザイムは、第II因子、第VII因子、第IX因子、および第X因子を含む。この最初の方法では組織因子の誘導阻害および活性阻害を測定した。組織因子活性の阻害を測定する本アッセイの2つの内の1つでは、サンプルをクロモザイムと共に加え、次いで45分間インキュベートした。LACI阻害活性をA405で分光光度計で吸光度(色調変化を生じる)を読むことにより測定した。
加齢に用いたTNF誘導調整培地を実施例1のように調製した。図2に、図示されたそれぞれの培地中に含まれた物質による組織因子活性の用量依存的な阻害を示す。物質の性質を、次のように測定した組織因子活性の阻害を含む次の実験により同定した:HuVec細胞をアッセイのために調製した。1つの細胞サンプルを、コントロールとして未処置のまま放置した。他の細胞サンプルを、いかなる可能性のあるインヒビターも添加せずにLPSを用いて誘導した。続いて6クラスのサンプルを、0、10、および100mgのLACI抗体とともに、LACIを含む加齢に用いた調製培地およびTNF調整培地を用いて行った。図3は、この実験の結果を示す。例えば、左から始まるレーン1はコントロールであり、非常に小さい組織因子活性を検出した。レーン2は100%の組織因子活性およびLPSの添加による誘導を示す。レーン3、4、および5は、抗LACI抗体の量に依存して活性量(およびこのような誘導)を直接的に増加することを示す。例えば、0濃度(レーン3)は、非常ら小さい組織因子活性が検出可能であることを示し、組織因子誘導の欠損を示唆した。これは、LACIがLPSにより誘導した組織因子の活性を阻害することを示した。レーン4および5は類似の結果を示すが、より大量のLACIが抗LACI抗体により中和されるにつれて、組織因子活性/誘導の量が増加した。レーン6、7、および8(TNF調整培地とともに)はまた、レーン3、4、および5に示されたように、ほとんど同じ程度の組織因子活性阻害を示す。調整培地中の物質の同等性を確認するために、本発明者らは中和抗体の存在のまたは不在において、種々の濃度の高度に精製したLACIを用いた。結果は加齢に用いたTNF誘導調整培地を用いた結果と合う。図4を参照のこと。
これらのデータは、LACIが濃度依存的にHuVec細胞におけるLPSの効果を阻害すること、およびこの効果がLACIへの種々の濃度の中和抗体の添加において逆転し得ることを示す。さらに、このモデルは、LACIが敗血症の治療に用いられ得、そしてその効果がその抗凝固特性に単純に限定されなかったことを証明する。
実施例3
LACIを用いるヒト患者の治療
敗血症に罹患したヒト患者は、LACIを用いて治療的に処置され得る。患者は、上昇した熱、血圧の低下、白血球数の減少、およびフィブリノーゲンの20%以上の低下が現れる場合、LACIを、3〜10mg/kgの持続用量として、および10〜20μg/kg/分の3〜4時間の注入として静脈内に投与する。あるいは、LACIを約10mg/kg/分の連続した速さで3日間または3〜4日間毎日4時間投与し得る。抗菌治療または広いスペクトルの抗菌剤をLACIと共に患者に投与する。
LACIは同様に予防的に与えられる。
実施例4
本実験において、高度に精製した組換えLACI(6mg/kg)を致死量のE.coli静脈内注入の開始後30分または4時間のいずれかでヒヒに投与した。発病後初期のLACI処置の結果、a)永続的な7日の生存動物(5/5)が生存の質において有意な改善を示したが、コントロールの平均生存時間(5/5)は39.9時間であった(生存動物なし);b)腎臓、副腎、および肺を含むE.coli敗血症の標的細胞で観察される病理における有意な減少を伴う、有意な凝固応答および種々の程度の細胞障害の減少を生じる。LACI投与は、平均の全身性動脈圧の減少、細菌感染に関連する呼吸速度および心拍数の増加、または体温変化に影響しなかった。LACI処置のE.coli感染ヒヒは、リン酸緩衝化生理食塩水処置コントロールより20倍低いIL-6レベルを有していた。初期の30分治療に比較して、細菌感染の開始後4時間、すなわち240分でのLACIの投与の結果、生存率(2匹の生存動物)で40%改善した生存時間の延長を生じ、特にフィブリノーゲンレベルがLACI投与時に正常の10%を超える動物における凝固応答のいくらかの減少を生じた。
組換え組織因子経路インヒビター
LACIを、Wunら,1992,Thrombosis Haemost.,68:54-59,Limulus変形細胞溶菌試験での細菌内毒素の検出、Alan R.Liss,Inc.,NY.に記載されているようにヒト肝癌細胞SK Hep株中で発現した。物質は標準法により精製して95%を超える純粋な調製物を得た。LACIを、賦形剤コントロールとして用いられる150mM NaClおよび20mM NaPO4(pH7.2)中に処方した。LACIサンプル中の最終タンパク質濃度は、2.3mg/ml〜3.7mg/mlの範囲であり、アミノ酸組成により決定した;内毒素レベルはタンパク質15ミリグラム当たり8から27内毒素ユニットの範囲であった。LACIのロットは、組織因子阻害アッセイを用いて生物学的活性をモニターした(Bozeら,Blood(1988)71:335-343)。
ヒヒ
Charles River Primate Center(Wilmington,MA)から購入した雄および雌のPapio anubisヒヒ(7.6±2.4kg)を最低で30日間、University of Oklahoma Health Sciences Center Animal Resource Facility(Oklahoma City,OK)に隔離した。動物は、36%以上のヘマトクリットを有する感染または寄生生物のないものであった。
細菌
Escherichia coli 086:K61H生物(ATCC 33985; Rockville,MD)を、Children's Memorial Hospital,Oklahoma Cityで便試料から単離した。それらを、トリプシンソイビーンアガー中で増殖した後、4℃で凍結乾燥状態で保存し、Hinshawら,J.Trauma(1982)23:361-365に記載のように再構成して特徴付けした。
アッセイ
内毒素測定
LACI調製物および賦形剤緩衝液中の内毒素レベルをlimulus変形細胞溶菌試験(Wunら,Thromb.Haemost.,(1992)68:54-59)によりモニターした。E.coli由来のLPS(B5505;Mallinckrodt,St.Louis,MO)を標準として含んだ。このアッセイの検出限界は、10内毒素ユニット(E.U.)/mlであった。
TNF ELISA
ヒヒの血漿中のTNFレベルを、ヒトTNFを検出するために開発されたELISAを用いて測定した(Creaseyら,Circ.Shock(1991)33:84-91)。精製したモノクロナール抗TNF抗体(24510E11)を、マイクロタイタープレートのウエル(Dynatech Immunolon I,Fisher)に結合させた。次いで、プラスチック上の占領されていない結合部位をウシ血清アルブミン(BSA)でブロックした。標準の濃度の精製組換えヒトTNFまたはヒヒ血漿試料のアリコートを2重測定でインキュベートした。ELISAウエルを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)-コンジュゲートした組換えヒトTNFに対する親和性を有するポリクローナルウサギ抗体に曝し、続いて0-フェニレンジアミン基質を色素原として曝した。ウエルを、連続したインキュベーションの間に、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS,pH7.5)で繰り返してすすいだ。吸光度(OD)を自動化2波長プレートリーダー(Bio-Tek Instruments)で490nmで測定した。本アッセイのヒヒのTNFの検出限界は、0.5ng/mlであった。
IL-6バイオアッセイ
IL-6生物活性を、IL-6依存性マウスハイブリドーマ細胞株B9を用いて、そしてアッセイ標準として、Amgen,Inc.(Thousand Oaks,CA)から市販で入手し得るIL-6を用いて、ヒヒ血漿中で定量した(Creaseyら,前出)。本アッセイの検出限界は、10pg/mlであった。
LACIレベル
Novotnyら,Blood(1991)78:394-400に以前に記載されたように、LACIの競合蛍光免疫アッセイを用いた。ウサギ抗LACI IgGを用いて、試験すべきサンプル中のLACIを捕捉し、FITC-LACI(Hep G2)を加えて、抗LACI結合部位の残存数を定量した。標準曲線を、集めたヒト血漿(George King Biomedical,Overland Park,KS)の希釈物または純粋なHep G2 LACIの希釈物を用いて描いた。
LACI機能アッセイ(組織因子阻害アッセイ)は3段階の凝血アッセイである。簡単にいうと、第1段階では試験するサンプルを、粗脳組織因子、第X因子、第VII因子、およびカルシウムとともにインキュベートする。インキュベーションの30分後に、追加の第X因子を添加し、1分後、第X因子不足血漿を添加し、凝血時間をフィブロメーターで測定する。アッセイの第2段階では、残存第VII(a)因子/組織因子活性が試験サンプル中のLACI濃度に反比例する。従って、凝血時間の延長は、より高いLACI活性を反映する。標準曲線は純粋なHep G2 LACIの希釈物を用いて描いた。
薬動力学分析
各々のヒヒのデータ(種々のサンプル時間における、μgLACI/ml血漿)は2コンパートメントモデルに適合した。モデルパラメータをPKDAASデータ分析システム(Chiron CorporationでVAXコンピュータ用に開発され、登録番号TXU 416-977として米国著作権庁に寄託された)を用いて非直線最小二乗曲線適合法により測定した。各時間での正しい濃度のC(t)は、各々の二乗された濃度の逆数として考量した。次いで、考量した値を次の2指数方程式を用いて個々の被験体の曲線に適合させた:
ここで、tは時間、そしてVC、B、α、およびβはモデルパラメータである。係数の合計は1.0に標準化した。次いで、全身クリアランス(CL)を以下の式から計算した:
統計学的分析
データをstudentのt検定を用いて分析し、所定の時間における群間の平均の有意差(p<0.05)を測定した。変動の分析(ANOVA)および多重比較Duncanの検定を用いて、群内での0時およびこれに続く時間での平均の間の有意差を測定した。Fisherの精密(exact)検定を用いて、生存率の観点で群間の有意差を測定した。
薬動力学的研究
E.coli敗血症性ショックモデルの適切なLACI用量を決定するために、本発明者らは3匹の健康なヒヒで薬動力学的研究を行った。図5は0.5mg/kgで持続用量として投与したものを示し、LACIは2相の半減期を示した;約2分のα相および約2時間のβ相。次いで、上記のようにこれらのデータをモデル化し、必要なLACI用量を同定して、2μg/mlの循環LACI血清濃度を達成した。これは、霊長類でのLACIの内在性レベルが約0.1μg/mlであることが報告されていたので(Novotnyら,J.Biol.Chem.(1989)264:18832-18837)、所望のLACI血液濃度として便宜上定義した。従って、ヒヒにおけるLACI血清濃度の20倍増加を達成するために、本発明者らは、LACIを700μg/kgの負荷用量およびE.coli感染の開始30分後続けて開始した10μg/kg/分の持続用量(すなわち6,000μg/kgの全用量)を投与した。
実験および感染方法
各ヒヒを、研究当日の朝、筋肉内に塩酸ケタミン(14mg/kg)固定し、Hinshawら,J.Surg.Res.(1989)28:151-170に記載のように橈側皮静脈に配置した経皮カテーテルを介してペントバルビタールナトリウム(約9mg/kg)でゆっくりと麻酔した。わずかな体液損失を補うために、動物を、細菌投与後それぞれ30分または240分に、上腕静脈を介して12時間、3.3ml/kg/時で等張の生理食塩水を注入した。LACIを700μg/kgの負荷用量で15分間投与し、そして10μg/kg/分でLACIの連続注入をさらに525分間与えた(0時間と定義した細菌注入の開始から数えて)。ヒヒ1匹当りに同じ全LACI用量を送達するために、+240分で処置した動物は2.8μg/kgの負荷用量を15分間、および同時に10μg/kg/分でのLACIの連続注入を480分間受けた。
E.coli 086:K61Hを、トリプシン消化ソイブロスアガーに接種するのに用い、そして接種物の生菌数を標準希釈技法で測定した。0時間で、ヒヒは、4.5 x 1010生細菌/kg体重(4ml/kg)以上の注入を受け、2時間の連続注入により右橈側皮静脈中に経皮カテーテルを通して投与された。
大腿動脈および1つの大腿静脈に無菌的にカニューレ挿入し、平均の全身性動脈圧を測定し、血液サンプルを得、そして抗生物質の投与した。ゲンタマイシンをE.coli注入の最後(すなわちT+120で30分間)に与え、次いでT+360で4.5mg/kg、そしてT+540分で30分間与えた(9mg/kg i.v.)。次いで、ゲンタマイシン(4.5mg/kg IM)を実験の最後および3日間毎日1度与えた。
動物を麻酔下で維持し、12時間継続的にモニターした。血液サンプルを、血液学的測定、臨床化学的測定、サイトカイン(TNF、IL-6)の測定、およびLACIの測定のために1時間に1度採取した。同様に、呼吸速度、心臓の拍動、平均の全身の動脈圧、および温度を1時間に1度モニターした。動物を、実験の最初の30時間継続して観察した。7日間生存する動物は、永続的に生存する動物と考えられ、続いて8日目に剖検のためにペントバルビタールナトリウムで安楽死させた。
10匹のヒヒ(LACI治療した5匹および賦形剤コントロールの5匹)にE.coliの致死量の注入物を静脈内に2時間投与した。表1は、LACIは、5匹のE.coli処置したヒヒの5匹を救い、永続的な生存動物となったことを示している。LACI治療された動物の平均E.coli用量は、5.7 x 1010CFU/kgであり、そして全動物は7日間以上生存した。賦形剤コントロール群の平均E.coli容量は、5.5 x 1010CFU/kgであり、平均生存時間は39.9時間であった(表1)。賦形剤コントロール群の平均重量は、8.4kg(5.9kgから12.1kgの範囲)であった。そしてLACI治療群の平均重量は6.8kg(5.2kgから8.0kgの範囲)であった。2匹の雌および3匹の雄で賦形剤コントロール群を構成したが、LACI治療群は5匹の雄からなる。各群に投与したE.coliの平均の用量間にも(p>0.05)、動物の体重にも(p>0.05)、差異はなかった。
LACI治療したヒヒはケージ内を精力的に動き回り、致死量のE.coli(LD100)を受けて24時間以内に普通に餌を食べ、水を飲んだ。しかし、賦形剤コントロールのヒヒは昏睡状態で、呼吸困難のようであり、皮膚の微小血管系におけるDICの発生を示すヒヒの全身にわたり複数の点状出血を示した。
+30分でのLACI投与に対する凝集および血液学的応答
LACIが細菌感染したヒヒを防御するメカニズムを測定するために、凝集、臨床化学、および炎症応答に関連する選択された生理学的パラメータを測定した。図6は細菌感染に関連する凝固障害の多くが、LACI治療したヒヒで阻害されたおよび/または弱まったことを示す。賦形剤コントロール動物におけるフィブリノーゲンレベルは3時間で約80%減少したが、LACI治療したヒヒは20%(p<0.0001)のみの減少であった。同様に、コントロールに比較して、フィブリノーゲン消費のマーカーとしての240分および720分でのフィブリン分解生成物の増加は、LACI治療動物において明白ではなかった(p<0.05)。
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)およびプロトロンビン時間(PT)は、賦形剤コントロールにおいて4時間を超える時間で非常に延長された(図6)。APTTは37秒から208秒に、次いで266秒に増加し、PTはそれぞれ4時間および12時間で、14秒から58秒、次いで137秒に増加した。対照的に、LACI治療したヒヒにおいて、APTTはそれぞれ4時間および12時間で、32秒から45秒、次いで60秒に増加し、そしてPTはそれぞれ4時間および12時間で、15秒から18秒、次いで22秒に増加した(p<0.05)。
血小板細胞濃度の緩やかな減少が、12時間の観察期間にわたって、賦形剤コントロール中およびLACI治療したヒヒ中で認められた(図6)。しかし、LACI治療は上記の減少を遅らせ、4時間以上で最も明らかであった。4、6、および12時間でコントロール群の平均血小板濃度は、それぞれ102.8±26、69±20、および43±5.0であった。これに対して、LACI治療群の平均血小板濃度は、同一時間で、それぞれ、249±44、236±35、および153±31であった。
LACI治療した血漿サンプルでは可視的な溶血がないのにもかかわらず、ヘマトクリットが時間と共に減少し、コントロール群(44±2%)に比較して、実験(治療)群(36±2%)では12時間でより低かった(p<0.05)。さらに、生存動物の7日間の平均のヘマトクリット値もまた、ベースラインに比較して低かった:28±1%対42±0%。
ヘマトクリットの結果に一致して、赤血球濃度が、両群において初期の12時間にわたって若干低下し、コントロール(4.94±0.21から4.4±0.11)およびLACI治療群(5.20±0.10から4.88±0.17)であり、そして低い(3.42±0.2 x 106)赤血球濃度が生存動物で観察された。
白血球減少がLACI治療群およびコントロール群で同程度まで起こり、最低値は(約1.48 x 103/μl)、2時間で記録された:しかし、白血球濃度はベースラインの9.0±1.5 x 103/μlに比較して生存動物において7日間で上昇し、平均19.2±3.5であった。
+30分間でのLACI投与に対する臨床応答
呼吸速度および心拍が両群で増加した。呼吸速度は細菌注入の開始後すぐに上昇し、12時間上昇したままであった。同様に、E.coli注入の最初の2時間以内に心拍が120回/分から200回/分まで劇的に増加し、12時間上昇したままであった。
平均収縮期動脈圧(MSAP)および体温は、LACI治療群およびコントロール群において等しく減退した。MSAPにおける劇的な減少が細菌注入の終わりで観察された。MSAPは、コントロール群では、2時間で107±5mmHgから69±5mmHgに減退し、次いで10時間から12時間で徐々に93±11mmHgに戻った。同様に、MSAPは2時間で115±9から74±3に減退し、6時間から12時間までに85±7に上昇した。10匹のヒヒはE.coli注入に対して減少した体温応答を示した。実験開始時の賦形剤コントロール群の平均体温は37.3±0.1℃であり、12時間で34.7±2.2℃までゆっくりと減退した。LACI治療群の平均体温は最初37.0±0.3℃であり、12時間にわたって最小限で変化し、36.9±0.2℃であった。
血液化学値
表2はE.coli感染し、治療した10匹のヒヒの臨床化学値をまとめた。血清クレアチニン、総ビリルビン、尿酸、乳酸、トリグリセリド、アニオンギャップ、塩素、およびナトリウムにおける増加を12時間で測定した。しかし、増加の程度は、賦形剤コントロール動物よりLACI治療動物においてより低かった(p<0.05)。次のパラメーターの濃度変化を観察した:アルブミン、アルカリホスファターゼ、AST、BUN、カルシウム、コレステロール、CK、二酸化炭素、コルチゾール、カリウム、乳酸デビドロゲナーゼ、リン、SGPT、および総タンパク質。それらの濃度の増加または減少は、LACI治療により影響されなかった(p>0.05)。しかし、アルブミン、尿素窒素(BUN)、および乳酸の平均濃度は、7日目で、LACI治療した動物(すなわち、生存動物)におけるベースラインに戻らなかった。特に、アルブミン濃度は、実験開始時の3.7±0.1に比較して7日目で2.7±0.2であった。従って、アルブミンは約25%減少した。同様に、7日目で、血清尿素窒素値(BUN)は、実験開始時の29.6±3.9に対して13.8±2.1であった。最終的に、乳酸濃度は生存動物で約3倍に増加した。これらの動物の平均のベースラインの乳酸濃度は手法の開始的で1.7±0.5meq/Lであり、7日目で5.7±1.2meq/Lに増加した。
グルコース濃度の増加が、両群で2時間以内に観察された(p<0.05)。平均値は徐々に初期の増加を超えて低下したが、12時間まではLACI治療動物において一貫してより高いままであった(p<0.05)。動脈pHの増加が、両群で生じた。
TNFレベルおよびIL-6レベル
血漿TNF濃度は、賦形剤群およびLACI治療したヒヒの両方で上昇した。本発明者らの以前の研究(Creaseyら,Circ.Shock(1991)33:84-91)と一致して、ピークのTNFレベルは120分(E.coli注入の終わり)にあった。LACI治療は、血清TNF濃度の上昇またはその放出のキネティクスに影響しないようであった(表3)。血漿IL-6濃度はまた、賦形剤コントロール群で時間と共に増加した。ここで、IL-6レベルは、26〜39ピコグラムで始まり、4時間を過ぎて100〜200ナノグラムに上昇した(表4)。興味深いことに、LACI治療動物の血漿IL-6濃度は、コントロール群の濃度より、特に4時間でおよび4時間を過ぎて、低かった。IL-6濃度は、12時間で、賦形剤コントロール群よりLACI治療群で約20倍低かった(p>0.05)。
+240分でのLACIの投与
LACIが、E.coliショックを弱めることにもはや有効ではない時間を測定するために、細菌注入の終了後2時間までLACIの投与を遅らせた。フィブリノーゲンの消耗およびフィブリン分解生成物の生成は、4時間ではっきりと明らかになった。表5は、この一連の実験において、賦形剤コントロール群の平均E.coli用量が5.68(±2.6)x 1010CFU/kgそして28.2±9.6時間の平均生存時間であったことを示す。LACI群の平均E.coli用量は5.43(±0.19)x 1010CFU/kgであり、平均生存時間は99±29時間であった。5匹のLACI治療動物のうち2匹は7日間生存動物であった(p<0.05)。平均体重または上記群の各々に投与したE.coli用量に差異は無かった(p>0.05)。
+240分でのLACIの投与の生物学的影響および生化学的影響
2時間の細菌注入の終了後2時間のLACIの投与は、12時間以上で、FDPレベル、およびプロトロンビン時間の減少により明らかなように、凝固障害応答を若干弱めるのに有効であった。+30分に一致して、IL-6レベルは、12時間で、賦形剤対照よりLACI治療ヒヒで2倍、より低かった。フィブリノーゲン濃度、APTT、および血小板細胞濃度は、12時間で、賦形剤コントロールおよびLACI治療ヒヒの間に有意な差異はなかった。しかし、生存した2匹の動物における7日目のフィブリノーゲンレベルは若干上昇した;FDP、APTT、およびPT値は正常近くに回復したが、血小板細胞濃度は一匹(435)は正常そしてもう1匹(97)では低かった。
血液細胞数およびヘマトクリットは、最初の12時間の間、両群において常時変動したが、2匹の生存動物は、7日目で手法の開始時(43%および41%)に比較してより低いヘマトクリット(35%および19%)を有した。同様に、血液細胞濃度は、0日目の4.7 x 106/mm3および4.5 x 106/mm3に対して、7日目においては4.0 x 106/mm3および2.7 x 106/mm3であった。
臨床化学値を、+30分での研究で行ったように、+4時間での研究を行った10匹のヒヒについて測定した。12時間で賦形剤コントロールおよびLACI治療ヒヒの間で最小の差異を観察した。しかし、+30分の研究に矛盾することなく、乳酸レベルは、12時間で、コントロールよりLACI治療群のほうが高く(p<0.05)、7日間生存した2匹において上昇したままであった(0時間での0.5mg/dlおよび0.6mg/dlに対して13.2mg/dlおよび4.0mg/dl)。対照的に、尿酸レベルは、12時間で、コントロール群よりLACI治療群で若干低く、2匹のLACI治療生存動物において正常レベルに戻った。
+30分の研究と同様に、240分で治療した全ての動物は、白血球減少、および12時間にわたってWBC数の緩やかだが少しの増加を経験した。さらに、2匹の7日間生存したLACI治療ヒヒは、WBC数が、7日目で、0時間での5.1 x 103細胞/mm3および8.0 x 103細胞/mm3に比較して上昇した(12.5 x 103細胞/mm3および21.8 x 103細胞/mm3)。この傾向は、+30分でLACIを用いて治療したヒヒの生存動物で観察された傾向に似ている。
病理学的結果
死後検査を全てのヒヒについて行った。動物のサーベイランスを最初の36時間継続した;そのため、死後数分以内に分析のために取り出し、それによって死後の自己消化変化を避けた。肺、肝臓、副腎、腎臓、脾臓、および胆嚢が、E.coli細菌注入の標的器官であった。特に、賦形剤+E.coliを受けた動物は、重篤なうっ血、出血、フィブリン沈着、肺および肝臓での浮腫および大量の白血球蓄積、脾臓での髄質洞様毛細血管(medullary sinusoid)の重篤うっ血、ならびに腎臓内の尿細管壊死および血栓症の顕著な証拠、ならびに副腎の皮質の重篤なうっ血を患った。E.coliに冒されなかった器官は、胃、心臓、膵臓、小腸、および大腸であった。LACIは、肝臓、副腎、腎臓、脾臓、および胆嚢を保護した。そこでは、ほんの軽症か病理変化のないことが観察された。保護の程度は、肺では若干減少され、穏やかな血管うっ血、および軽症の白血球の蓄積が観察された。
本研究の結果は、1 x 1010微生物/kgがヒヒの血液中にすでに導入された場合に、細菌注入開始後30分で投与した場合に、LACIがLD100用量のE.coliを与えられたヒヒの100パーセントを救ったことを示した。さらに、LACIが細菌注入終了後2時間で与えられた場合(すなわち、5 x 1010微生物/kgを超える量が注入され、そして多くのヒヒの宿主防御メカニズムが2時間で引き起こされた場合)に、ヒヒの40パーセントを救った。
TNFレベルは、E.coli注入の終了時(すなわち2時間で)にピークとなったが、IL-1βおよびIL-6レベルが見え始めた(Creaseyら,Circ.Shock(1991)33:84-91);フィブリノーゲンの低減および消耗、ならびにフィブリン分解生成物の生成が、3時間および4時間の間でさらに容易に検出可能になる(De Boer,J.P.ら,Circ.Shock(1992印刷中))。この研究は、LACIが、致死的な細菌注入の開始後4時間程度遅く投与された場合に、フィブリノーゲンの消耗を回避、遅延、および反転さえし得ることを示している。
凝固を弱めることに加えて、LACIは、コントロール群においてはっきりと明らかなように、細胞障害(クレアチニン、尿酸、乳酸)および代謝アシドーシス(アニオンギャップ、塩素、およびナトリウム)の程度を弱める。多くのこれらの低酸素血症、アシドーシス、および細胞障害のマーカーの減少した血清レベルと一致して、LACIは、腎臓、副腎、肝臓、脾臓も、および肺を病理学的変化から著明に形態学的に保護した。致死的なE.coliで感染させたヒヒにおけるLACIの効果は、グラム陰性ショックが血管上皮の急性炎症性疾患であることを示し、しかもグラム陰性細菌に伴う感染から上皮を一時的に保護することにより有意な効果が達成されることを示している。
本発明者らの以前の研究は、細菌感染の最初の30分以内に、循環血中のPMN白血球濃度が急激に低下したことを示し(Taylorら,Colloquium Mosbach Molecular Aspects of Inflammation(1991)Springer Verlag,Berlin Heidelberg,pp.277-288)、トロンビン-抗トロンビン(TAT)複合体、組織プラスミノーゲンアクチベーター/プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(t-PA/PAI)、およびプラスミン-抗プラスミン(PAP)複合体が出現し始め(De Boor,J.P.ら,Circ.Shock(1992)印刷中)、そして致死的なE.coli感染において補体カスケードの活性化がはっきりと明らかであった(De Boer,J.P.ら,提案)。LACI治療の結果、腎臓における尿細管壊死および糸球体血栓症の回避;副腎における皮質性うっ血、出血、壊死、および白血球蓄積;肝臓における、血管のうっ血および白血球の蓄積の回避;脾臓における、髄質のうっ血、出血、および壊死の回避;ならびに、肺における、フィブリントロンビン沈着および水腫形成を生じた。LACIは、顕著に肺における白血球流入および血管のうっ血を減退した。4時間でLACIを受けて7日間生存した2匹のヒヒは、上記の病理学的変化と非常に似た病理学的変化の回避を示した。しかし、緩和な白血球蓄積および血管のうっ血を伴う、ある種の軽症の水腫および肺胞嚢におけるフィブリンの存在があった。7日間生存したLACI治療ヒヒのいずれにおいても複数の器官の損傷の証拠は無かった。この保護の程度は、LACIの遅延した投与およびヒヒに大量の細菌投与を与えられたとすると、顕著であり、そして予期できない。
LACI治療し、E.coliを投与した7日間生存動物は、より低い赤血球細胞濃度および白血球濃度の増加を示した。組織学的な検査では、いずれの組織においても出血の発生は見いだされなかった。従って、より低いヘマトクリットは、骨髄における赤血球希釈または赤血球の遅い発生に寄与し得る。非感染のヒヒでのLACIの毒性学研究はこの問題を解決するために必要である。
本研究のE.coli投与し、LACI治療したヒヒにおけるIL-6レベルの減少は予測不能であり、そして直接または間接のいずれでも、LACIは炎症応答に影響を示すことを示唆する。従って、その抗凝固活性に加えて、LACIの生理学的役割は免疫系の種々の関与物質とともに凝固経路の相互作用の調節に有用である。
本発明は、特定の実施態様を参考にして記載された。しかし、本出願は、以下に添付の請求の範囲の趣旨および範囲から離れない限り、当業者により行われ得るこれらの変更および置換を包含することを意図するものである。
Claims (9)
- 治療的有効量のLACIを含む組成物であって、急性炎症または慢性炎症の処置のための組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記急性炎症が、敗血症または敗血症性ショックである、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記治療的有効量が1μg/kgから20mg/kgの間である、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記治療的有効量が20μg/kgから10mg/kgの間である、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記治療的有効量が1mg/kgから7mg/kgの間である、組成物。
- 敗血症を処置するための有効であるさらなる薬剤と共に使用される、請求項1に記載の組成物。
- 請求項6に記載の組成物であって、前記薬剤が、抗生物質、モノクローナル抗体、サイトカインのインヒビターおよび補体のインヒビターからなる群より選択される、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記LACIがポリマーと化学的に結合されている、組成物。
- 請求項8に記載の組成物であって、前記ポリマーが、PEGおよびポリオキシエチル化グリセロールからなる群より選択される、組成物。
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