JP3956362B2 - 微差圧発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、微差圧計の校正を行なう際に使用する微差圧発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、クリーンルーム等の空調設備において微差圧を測定するために微差圧型差圧発信器(以下、単に「微差圧計」とする)が使われる機会が多くなってきた。かかる微差圧計の校正に使用される微差圧は一般に1Pa(パスカル)から3000Paまでの範囲を言う。なお、従来から測定されていた通常の気体による圧力は5kPaから10MPaまでの範囲である。
【0003】
一般に、微差圧計の出力特性を校正するために基準となる微差圧を発生する微差圧発生装置が従来から用いられている。
【0004】
かかる微差圧発生装置の一例として、図2に示すような微差圧発生装置(以下、「第1の微差圧発生装置」とする)が知られている。この第1の微差圧発生装置100は一つの密閉容器110を二つの密閉空間111,112に隔壁で画成し、一方の密閉空間111にのみ連通路を介してポンプ130と接続した構成を有している。また、各密閉空間に連結された配管121,122をそれぞれ校正すべき微差圧計140のHI圧力側入口部141とLO圧力側入口部142に接続するようになっている。そして、ポンプ駆動前は、バルブ113を開放することで双方の密閉空間111,112を均圧とし、その後、バルブ113を閉じてポンプ130のシリンダ131を動かすことで(図中2点鎖線参照)、ポンプ130の接続された密閉空間111内の容積を若干減少させ、ボイル・シャルルの法則に基づき、他方の密閉空間112内の圧力と一方の密閉空間111内の圧力との間に微差圧を生ぜしめる。そして、上述した双方の密閉空間111,112から個別に延在した配管121,122を介して接続された微差圧計140に微差圧を加えるようになっている。
【0005】
一方、別の従来型微差圧発生装置(以下、「第2の微差圧発生装置」とする)は、回転可能な円盤の半径方向に流路を形成し、この流路に気体を充填させた状態で円盤を回転させることで、円盤中心部からの距離に応じて当該気体に遠心力を作用させるようになっている。そして、かかる円盤の回転によって気体を円盤半径方向外側に移動させ、円盤円周部の圧力よりも円盤中心部の圧力を低下させる。そして、円盤中心部の圧力と円盤円周部の圧力を別々に取り出すことでこの圧力差を利用して微差圧を発生させ、当該微差圧を用いて微差圧計の出力校正を行なうようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
さらに別の従来型微差圧発生装置(以下、「第3の微差圧発生装置」とする)として、光学的な構造を用いて液体の高さをよみとり、液体の密度と高さから原理上発生している微差圧を読み取るものである。これは差圧標準器と微差圧発生装置を同一のものとして利用しており、U字管及び光干渉計を用いて微差圧を正確に測定し発生させている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【非特許文献1】
米永暁彦著 「低圧力の計測標準に関する調査研究」 計量研究所報告 1999年第48巻第2号(第200号別冊第101項、図20)
【非特許文献2】
米永暁彦著 「低圧力の計測標準に関する調査研究」 計量研究所報告 1999年第48巻第2号(第200号別冊第95−96項、図8)
【発明が解決しようとする課題】
上述した第1の微差圧発生装置は、密閉空間が隔壁によって個別に仕切られた状態で形成されている。そして、ポンプで差圧を発生させるとき片側の密閉空間だけ圧縮しているが、このような圧縮過程をカルノーサイクルのような理想的な断熱圧縮とすることは困難であり、気体の圧縮過程で温度上昇を生じることによる影響をどうしても受けてしまう。
【0008】
すなわち、雰囲気温度が0.01°C変わることで一般に圧力が3Pa変化するが、通常の圧力測定下ではこの程度の圧力変化は圧力測定に影響を与える程度の誤差とはならない。しかしながら、上述したような微差圧測定下においてはかなり影響を与える誤差要因となる。
【0009】
そして、上述したように温度が0.01°C変化するだけで圧力が3Paも変化してしまうので、第1の微差圧発生装置では片側容器の容積の変動量に応じた計算通りの正確な微差圧を発生させることができない。
【0010】
また、第2の微差圧発生装置は、円盤の角速度を変えることで発生微差圧も調整することが可能であるが、円盤の摺動部分を長期間にわたって確実にシールすると共に回転部分のせり等で回転ムラが生じないようにする特別の構造を必要とし、構造上複雑となり、コスト的に高くなるという欠点を有する。
【0011】
また、第3の微差圧発生装置は、光干渉計を用いるので大掛かりな設備となり、上述した第1の微差圧発生装置、第2の微差圧発生装置に較べてコスト的にさらに高くなるので、研究設備等に使用が限定されてかかる微差圧発生装置を一般市場へ大量供給するには適さない。
【0012】
本発明の目的は、安定した微差圧を発生させることのできる廉価な微差圧発生装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の微差圧発生装置は、所定の圧力で流体を供給可能な流体供給源と、流体供給源に一端が接続された管路と、管路の途中に設けられたリーク式減圧弁と、リーク式減圧弁及び当該減圧弁の下流側一部管路を内部に収容し、リーク式減圧弁から内部に流体がリークされるようになった第1容器と、管路の他端に接続された第2容器と、第1容器に収容されたリーク式減圧弁下流側の一部管路に分岐接続され、校正されるべき微差圧計のHI圧力側とLO圧力側にそれぞれ接続可能な二つの分岐配管と、第1容器及び第2容器を連通接続し、一部に大気開放部を備えた接続管路とを有し、管路の二つの分岐配管間には圧力損失発生部が形成されたことを特徴としている。
【0014】
配管の入口側にはリーク式減圧弁が第1容器に収容された状態で備わっており、配管の出口側は第2容器に接続されると共に、第2容器と第1容器との連通路を介して大気開放されている。すなわち、配管の出口側が直接大気開放されておらず、第2容器及び接続管路を介して大気開放されている。また、リーク式減圧弁において第1容器内にリークされた流体は、絞りとしての役割を果たす連通路を介して大気に排出されている。すなわち、リーク式減圧弁によってリークした流体が第1容器に充満すると共に、一部が連通路を介して第2容器に移動し、残りの一部が接続管路の大気開放部から大気に排出されるようになっている。つまり、リーク式減圧弁によって排出される流体と配管出口から排出される流体とがそれぞれ第1容器と第2容器に充満して、両容器がこれらの流体で完全に満たされた後に大気開放部から流体が排出される。これによって、第1容器と第2容器とが流体の充満過程でそれぞれ補てんし合い、それぞれ別に大気に排出される場合に比べて大気への安定した流体排出が可能となる。又、大気からの影響をリーク式減圧弁やパイプ出口から受ける場合において、それぞれ別々に大気から影響を受けることはなく、共通の大気開放部を介して受けるので、異なる影響を別々の経路を介して相乗的に受けることがなく、かつ第1容器、第2容器、及び接続管路が協働して大気からの異なる種類の影響を吸収する。
【0015】
そのため、大気圧との差圧によって気体をリークさせながら圧力をコントロールしているリーク式減圧弁が大気圧変動の影響を直接受けることがなくなり、配管入口側の圧力が安定すると共に、配管出口側の圧力も安定する。これによって、外部雰囲気の影響を受けずに配管に常に一定流量の流体を流すことができる。そして、気体の粘性によって圧力損失発生部で安定した圧力損失を生ぜしめ、圧力損失発生部の上流と下流においてより安定した一定の微差圧を発生させることが可能となる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の微差圧発生装置は、請求項1に記載の微差圧発生装置において、圧力損失発生部が減圧手段と流量調整手段とからなることを特徴としている。
【0017】
減圧手段によって配管の圧力を十分減圧し、かつ流量調整手段によって流量を調整するので圧力損失発生部において微差圧を常に正確に発生させる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の微差圧発生装置は、請求項1または請求項2に記載の微差圧発生装置において、第1容器と第2容器とを連通する接続管路の所定部分に第3容器が介在され、かつ請求項1に記載の大気開放部に代えた大気開放部が第3容器に設けられていることを特徴としている。
【0019】
第3容器を設けることによって、周囲雰囲気から受ける緩やかな圧力変動を第3容器によって主に吸収し、当該第3容器でも吸収しきれない影響を第1容器又は第2容器がバッファとなって吸収する。また、第3容器と第1容器、第2容器との間の接続管路もそれぞれ絞りとしての役割を果たすので、周囲雰囲気から受ける急激な圧力変動をこれらの絞りで吸収する。従って、第3容器を有さない場合に較べて圧力損失発生部が大気の影響を更に受けにくくなり、より安定した微差圧の発生が可能となる。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載の微差圧発生装置は、請求項3に記載の微差圧発生装置において、第3容器の容積が第1容器及び第2容器の容積より小さいことを特徴としている。
【0021】
第3容器の容積が第1容器、第2容器の容積よりも小さいので、接続管路と第3容器を経由して第2容器と第1容器との間で形成される圧力フィードバック系の応答性に悪影響を与えることがない。
【0022】
また、第3容器に較べて第1容器及び第2容器の容積が大きいことで、周囲雰囲気から受ける緩やかな圧力変動やパルス的な圧力変動のうち、第3容器及びこれに接続する接続管路で吸収できない圧力変動分を緩和することができる。
【0023】
従って、圧力損失発生部における圧力降下が安定して行われ、外部雰囲気からの影響を直接受けずに圧力損失発生部において微差圧を安定して発生させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる微差圧発生装置について図面に基づいて説明する。
【0025】
本発明の一実施形態にかかる微差圧発生装置1は、窒素の充填されたタンク50と、タンク50に一端が接続されたパイプ(配管)60と、パイプ60の一部に設けられたリーク式減圧弁70と、リーク式減圧弁70及び当該減圧弁70の下流側一部パイプを内部に収容した第1容器10と、パイプ60の他端部に接続された第2容器20と、第1連通路(接続管路)81及び第2連通路(接続管路)82を介して第1容器10及び第2容器20とそれぞれ連通接続された第3容器30とを有している。
【0026】
パイプ60には、タンク50とリーク式減圧弁70との間に2つの減圧弁51,52が直列に配置されると共に、リーク式減圧弁70の下流側には第1容器10に収容された状態で第1バルブ61、第2バルブ62、及び第3バルブ63がパイプ上流から下流に向かって直列に配置されている。また、パイプ60からは、第3バルブを挟んで当該パイプ上流側からHI圧力供給用パイプ65が分岐され、当該パイプ下流側からLO圧力供給用パイプ66が分岐され、それぞれ第1容器外部に突出している。そして、HI圧力供給用パイプ65及びLO圧力供給用パイプ66はそれぞれ校正すべき微差圧計90のHI圧力側入口部91及びLO圧力側入口部92と接続され、微差圧計に所望の微差圧を加えるようになっている。また、HI圧力供給用パイプ65及びLO圧力供給用パイプ66は基準となる圧力計95にも接続されるようになっており、微差圧校正時に基準圧力計95で測定される圧力を確認しながら微差圧計90の校正を行うようになっている。
【0027】
尚、図1においては、校正すべき微差圧計90及び基準圧力計95をHI圧力供給用パイプ65とLO圧力供給用パイプ66に実際に接続した状態で示している。
【0028】
一方、第3容器30からは一端が開口した大気開放用パイプ31が延在している。なお、パイプ60、第1連通路81、第2連通路82、HI圧力供給用パイプ65、及びLO圧力供給用パイプ66は例えば約5mm程度の内径を有し、大気開放用パイプ31は例えば約2.5mm程度の内径を有している。すなわち、パイプ60、第1連通路81、第2連通路82、HI圧力供給用パイプ65、及びLO圧力供給用パイプ66はそれぞれ同等の内径を有するパイプであり、大気開放用パイプ31はこれらのパイプより小さい内径を有したパイプである。また、パイプ60の長さは例えば0.5m、第1連通路81の長さは例えば2.0m、第2連通路82の長さは例えば2.5m、大気開放用パイプ31の長さは例えば0.3m程度となっている。
【0029】
一方、第1容器10は、例えば200リットル程度の容積を有し、第2容器20は例えば120リットル程度の容積を有し、第3容器30は例えば0.8リットル程度の容積を有している。すなわち、各容器の容積は、第1容器10及び第2容器20に較べて第3容器30の容積が小さくなっている。
【0030】
第1容器に収容されるリーク式減圧弁70は公知のものを使用しており、減圧弁内部にダイアフラムを備えこのダイアフラムをバネで付勢することによって気体(流体)の一部を第1容器10内に排出し、常に安定した減圧を行なうようになっている。すなわち、リーク式減圧弁70で排出された気体は第1容器10に充満した後、第1連通路81を介して第3容器に移動し、その後、第2容器20が気体で満たされていない場合は第2容器20に移動すると共に残りの一部が大気開放用パイプ31から排出されるようになっている。一方、リーク式減圧弁70からパイプ60を経て第2容器20に排出された気体は、第2連通路82を介して第3容器に移動し,その後、第1容器10が気体で満たされていない場合は一部が第1容器10に移動すると共に残りの一部が大気開放用パイプ31から排出するようになっている。つまり、大気に排出される気体は、第1容器10〜第3容器30が全て当該気体で充満した後に共通の大気開放用パイプ31から排出される。
【0031】
第1バルブ61は固定絞りのニードルバルブからなり、当該第1バルブ61においてパイプ内圧力を減圧するようになっている。また、第2バルブ62はパイプ内流体の流量を可変制御できる流量調整型ニードルバルブからなる。そして、第3バルブ63は上述した2つの分岐パイプ間で圧力降下を発生させる圧力損失発生部として絞りの役目を果している。この第3バルブ(圧力損失発生部)63は本実施形態の場合、オリフィスからなる。
【0032】
なお、圧力損失発生部をオリフィスなどの特別な絞りから構成せずに単なる管路だけで構成しても良い。この場合であっても、流体が水素やヘリウム等の分子量の小さい気体であれば管壁との間の粘性抵抗によってこの部分で圧力損失が生じ、微差圧を発生させる圧力損失発生部としての十分な機能を奏する。又、圧力損失発生部を通常のニードルバルブから構成してももちろん問題ない。
【0033】
続いて、かかる微差圧発生装置1を用いた微差圧計90の校正手順及び作用について説明する。
【0034】
最初に事前準備として、校正を行う微差圧計90及び基準圧力計95を微差圧発生装置1に取り付け、タンク50から窒素を供給し、微差圧発生装置1のパイプ入口に約0.1MPaの窒素を導入する。なお、本実施形態においてはタンク50内では14MPaの圧力があり、その下流の減圧弁51によって1MPaまで圧力が減圧される。さらに、その下流の減圧弁52によって0.1MPaまで圧力が減圧される。
【0035】
そして、タンク50に接続された配管の第2バルブ62を閉じる。
【0036】
続いて、第2バルブ62を徐々に開けて所定の圧力付近に到達させる。第2バルブ62は流量調節バルブであるので、これを調整することで圧力損失発生部における圧力を微差圧発生に必要なゲージ圧に近づけることができる。
【0037】
これによって、第1容器内のリーク式減圧弁70によって窒素の一部は第1容器内に排出され、リーク式減圧弁上流側のパイプにおける圧力0.1MPaがリーク式減圧弁下流側のパイプにおける圧力0.05MPaまで減圧される。
【0038】
続いて、第3バルブ63で発生すべき微差圧(1Pa〜3000Paの内、所望の圧力)の微調整を行う。すなわち、第1バルブ61によってパイプ入口において50kPaの圧力を有する気体は第1バルブ61、第2バルブ62、及び第3バルブ63を経由して十分減圧されると共に、第3バルブ63の上流側圧力と下流側圧力との差圧が1Pa〜3000Paの範囲で安定して発生する。なお、ここでいう今までの圧力はすべてゲージ圧である。そして、この微差圧に基づき微差圧計90の微差圧調整を行う。この微差圧調整に際しては基準圧力計95の圧力表示を確認しながら調整作業を行う。
【0039】
第3バルブ63からなる圧力損失発生部において微差圧を発生するに当たって、上述した構成からも明らかなように、パイプ60の出口側が直接大気開放されておらず、第2容器20、連通路82、及び第3容器30を介して大気開放されている。又、リーク式減圧弁70によってリークした窒素が第1容器10に充満すると共に、一部が第1連通路81、第3容器30、及び第2連通路82を介して第2容器20に移動し、残りの一部が第3容器30の大気開放用パイプ31から大気に排出されるようになっている。
【0040】
すなわち、一旦異なる排気経路を経た気体が第1容器10及び第2容器20に充満して最終的には共通の第3容器30に充満した後、ここで飽和した気体が初めて大気に排出される。そのため、大気圧との差圧によって気体をリークさせながら圧力をコントロールしているリーク式減圧弁70が大気圧変動の影響を直接受けることがなくなり、入口側の圧力が安定する。
【0041】
また、第3容器30は第1容器10及び第2容器20よりも容積が小さくなっている。これによって、連通路81,82と第3容器30を経由して第1容器10と第2容器20との間で形成される圧力フィードバック系の応答性に悪影響を与えることがない。
【0042】
また、第1容器10と第3容器30、第2容器20と第3容器30は絞りとしての連通路81,82を介してそれぞれ接続されているので微差圧発生装置1は、外部雰囲気の圧力変動による影響を受け難い。すなわち、外部雰囲気は微差圧発生装置1の設置された建物中の密閉性により、ドアの開閉によってパルス的な(急激な)圧力変動を生じる。又、これ以外にも天候の変化に伴う緩やかな圧力変動も生じる。そして、これらの性質が異なる圧力変動を容積の小さい第3容器30から連通路82を介して容積の大きい第1容器10内に伝わるまでに吸収すると共に、同じく容積の小さい第3容器30内から連通路81を介して容積の大きい第2容器20内に伝わるまでに相補的に吸収する。
【0043】
すなわち、これら異なる性質の圧力変動から受ける影響を第3容器30や第3容器30より容積の大きい第2容器20及び第1容器10、並びにこれら容器間の連通路81,82が協働して吸収する。また、建物のドア開閉に伴うパルス的な圧力変動については大気開放用パイプ31も絞りとして作用してこれを予めある程度吸収する。
【0044】
従って、大気のさまざまな圧力変動による影響が第3バルブ(圧力損失発生部)63にまで到達しにくくなり、第3バルブ63における圧力降下が安定して行われ、外部雰囲気からの影響を受けずに第3バルブ63において上流側と下流側の間で1Pa〜3000Paまでの微差圧を安定して発生させることができる。
【0045】
以上のようにして、微差圧計90の微差圧調整が完了したあと、第2バルブを閉じる。
【0046】
最後に事後処理として、以下の操作を行う。
【0047】
まず、N(窒素)導入バルブ(図示せず)を閉じる。
【0048】
次いで、減圧弁の2次側の圧力が0MPaであることを確認して微差圧計90のHI圧力側配管65とLO圧力側配管66を外す。
【0049】
なお、上述の実施形態において、第1バルブ61は固定絞りであり、第2バルブ62は可変流量絞りであり、主に第1バルブ61が減圧作用を行い第2バルブ62が流量制御の作用を行っていたが、第1バルブ61と第2バルブ62を一つのバルブにまとめて減圧と流量制御を同時に行うようにしても良い。また、第1バルブ61乃至第3バルブ63はニードルバルブに限定されるものではない。また、廉価な減圧弁であってなおかつ第1バルブ61の減圧作用及び第2バルブ62の流量制御作用を共に兼ね備えた機能を有する減圧弁があれば、当該減圧弁をもって第1バルブ61と第2バルブ62の役割を果たすようにしてもよい。
【0050】
また、第1容器10、第2容器20、及び第3容器30は全て気密性を有していれば良く、金属でできていても強化プラスチックでできていても良い。また、パイプ60及び第1連通路81、第2連通路82、HI圧力供給用パイプ65、LO圧力供給用パイプ65も同様に金属でできていても樹脂材でできていても良い。
【0051】
また、上述の実施形態における微差圧発生装置1のように、第3容器30は必ずしも必要とせずに第1連通路10と第2連通路20とを1つの連通路として、その連通路の途上に大気排出孔を有してしても良い。この構成によっても、第1容器10内の気体と第2容器20内の気体とがこれらの容器を連通する配管の一部に設けた共通の大気開放孔から排出されるので、大気からの影響を第1容器10と第2容器20が別々に受けることがなくなる。すなわち、例えば等価的な電気回路で言うと別々のアースをとらずに共通のアースをとるようなものになり、流量の減圧特性が安定する。しかしながら、第3容器30を設けることによって、周囲雰囲気から受ける影響を第3容器30によって主に吸収し、これでも吸収しきれない影響を第1容器10又は第2容器20がバッファとなって吸収するので、第3容器30を設けない場合に較べてより安定する。
【0052】
なお、上述の実施形態においてタンク50からリーク式減圧弁70に至るまでのパイプ60には2つの減圧弁51,52が直列に配置されているが、タンクで発生する圧力を上述の実施形態より十分小さくしておけばこれら2つの減圧弁は必ずしも必要としない。
【0053】
更に又、流体供給源として窒素タンクやヘリウムタンクを用いる代わりに粉塵等発生の問題を解決したコンプレッサを用いても良い。
【0054】
更に、大気開放用パイプは他のパイプや連通路より内径を必ずしも小さくする必要はなく、これら他のパイプ等と内径が同じであっても長さを十分長くすれば、その間の管路抵抗により上述の実施形態の場合と同様の絞り効果を奏することができる。また、大気開放用パイプを省略しても良いが、大気から受ける影響をなるべく小さくするためには大気開放用パイプを設けた方が好ましい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の微差圧発生装置は、配管の入口側にはリーク式減圧弁が第1容器に収容された状態で備わっており、配管の出口側は第2容器に接続されると共に、第2容器と第1容器との連通路を介して大気開放されている。すなわち、配管の出口側が直接大気開放されておらず、第2容器及び接続管路を介して大気開放されている。また、リーク式減圧弁において第1容器内にリークされた流体は、絞りとしての役目を果たす連通路を介して大気に排出されている。すなわち、リーク式減圧弁によってリークした流体が第2容器に充満すると共に、一部が連通路を介して第1容器に移動し、残りの一部が接続管路の大気開放部から大気に排出されるようになっている。つまり、リーク式減圧弁によって排出される流体とパイプ出口から排出される流体とがそれぞれ第1容器と第2容器に充満して、両容器がこれらの流体で完全に満たされた後に大気開放部から流体が排出される。これによって、第1容器と第2容器とが流体の充満過程でそれぞれ補てんし合い、それぞれ別に大気に排出される場合に比べて大気への安定した流体排出が可能となる。又、大気からの影響をリーク式減圧弁やパイプ出口から受ける場合において、それぞれ別々に大気から影響を受けることはなく、共通の大気開放部を介して受けるので、異なる影響を別々の経路を介して相乗的に受けることがなく、かつ第1容器、第2容器、及び接続管路が協働して大気からの異なる種類の影響をほとんど吸収する。
【0056】
そのため、大気圧との差圧によって気体をリークさせながら圧力をコントロールしているリーク式減圧弁が大気圧変動の影響を直接受けることがなくなり、配管入口側の圧力が安定すると共に、配管出口側の圧力も安定する。これによって、外部雰囲気の影響を受けずに配管に常に一定流量の流体を流すことができる。そして、気体の粘性によって圧力損失発生部で安定した圧力損失を生ぜしめ、圧力損失発生部の上流と下流においてより安定した一定の差圧を発生させることが可能となる。
【0057】
また、本発明の請求項2に記載の微差圧発生装置は、減圧手段によって配管の圧力を十分減圧し、かつ流量調整手段によって流量を調整するので圧力損失発生部において微差圧を常に正確に発生させる。
【0058】
また、本発明の請求項3に記載の微差圧発生装置は、第3容器を設けることによって、周囲雰囲気から受ける緩やかな圧力変動を第3容器によって主に吸収し、当該第3容器でも吸収しきれない影響を第1容器又は第2容器がバッファとなって吸収する。また、第3容器と第1容器、第2容器との間の接続管路もそれぞれ絞りとしての役割を果たすので、周囲雰囲気から受ける急激な圧力変動をこれらの絞りで吸収する。従って、圧力損失発生部が大気の影響を更に受けにくくなり、より安定した微差圧の発生が可能となる。
【0059】
また、本発明の請求項4に記載の微差圧発生装置は、第3容器の容積が第1容器、第2容器の容積よりも小さいので、接続管路と第3容器を経由して第2容器と第1容器との間で形成される圧力フィードバック系の応答性に悪影響を与えることがない。
【0060】
また、第3容器に較べて第1容器及び第2容器の容積が大きいことで、周囲雰囲気から受ける緩やかな圧力変動やパルス的な圧力変動のうち、第3容器及びこれに接続する接続管路で吸収できない圧力変動分を緩和することができる。
【0061】
従って、圧力損失発生部における圧力降下が安定して行われ、外部雰囲気からの影響を直接受けずに圧力損失発生部において微差圧を安定して発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる微差圧発生装置の概略構成を、微差圧計及び基準圧力計を接続した状態で示す図である。
【図2】従来の微差圧発生装置の概略構成を示した図である。
【符号の説明】
1 微差圧発生装置
10 第1容器
20 第2容器
30 第3容器
31 大気開放用パイプ
50 タンク
51,52 減圧弁
60 パイプ
61 第1バルブ
62 第2バルブ
63 第3バルブ
65 HI圧力供給用パイプ
66 LO圧力供給用パイプ
70 リーク式減圧弁
81 第1連通路
82 第2連通路
90 微差圧計
91 HI圧力側入口部
92 LO圧力側入口部
95 基準圧力計
100 第1の微差圧発生装置
110 密閉容器
111,112 密閉空間
121,122 配管
130 ポンプ
131 シリンダ
140 微差圧計
141 HI圧力側入口部
142 LO圧力側入口部

Claims (4)

  1. 所定の圧力で流体を供給可能な流体供給源と、
    前記流体供給源に一端が接続された管路と、
    前記管路の途中に設けられたリーク式減圧弁と、
    前記リーク式減圧弁及び当該減圧弁の下流側一部管路を内部に収容し、前記リーク式減圧弁から内部に流体がリークされるようになった第1容器と、
    前記管路の他端に接続された第2容器と、
    前記第1容器に収容されたリーク式減圧弁下流側一部管路に分岐接続され、校正されるべき微差圧計のHI圧力側とLO圧力側にそれぞれ接続可能な二つの分岐配管と、
    前記第1容器及び第2容器を連通接続し、一部に大気開放部を備えた接続管路とを有し、
    前記管路の二つの分岐配管間には圧力損失発生部が形成されたことを特徴とする微差圧発生装置。
  2. 前記圧力損失発生部は減圧手段と流量調整手段とからなることを特徴とする、請求項1に記載の微差圧発生装置。
  3. 前記第1容器と前記第2容器とを連通する接続管路の所定部分に第3容器が介在され、かつ請求項1に記載の大気開放部に代えた大気開放部が前記第3容器に設けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の微差圧発生装置。
  4. 前記第1容器、前記第2容器、及び前記第3容器は、前記第3容器の容積が前記第1容器及び前記第2容器の容積より小さいことを特徴とする、請求項3に記載の微差圧発生装置。
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