JP3955971B2 - Base material with antireflection film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂基材と、該基材上に形成されたハードコート膜と、該ハードコート膜上に形成された反射防止膜とからなる。
さらに詳しくは、無機物粒子を含むハードコート膜が設けられているために樹脂基材を使用しているにもかかわらず、耐擦傷性、透明性、ヘーズ等に優れた反射防止膜付基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ガラス、プラスチックシート等の基材表面の反射を防止するため、その表面に反射防止膜を形成することが知られており、たとえば、コート法、蒸着法、CVD法等によって、フッ素樹脂、フッ化マグネシウムのような低屈折率の物質の被膜をガラスやプラスチックの表面に形成することが行われている。
【0003】
また、シリカ微粒子等の低屈折率微粒子を含む塗布液を基材表面に塗布して、反射防止被膜を形成する方法が知られている。さらに、シリカ粒子を含む塗布液を基材表面に塗布し、シリカ粒子による微細で均一な凹凸をもった反射防止被膜を形成する方法も知られている。
さらに、本発明者等は、上記の低屈折率微粒子として多孔性の微粒子の表面をシリカで被覆した低屈折率の複合酸化物微粒子を分散させたゾルを用いることを提案している(特開平7-133105号公報)。
【0004】
しかしながら、上記した従来の方法では、特に基材が樹脂製の基材の場合は耐擦傷性が不充分であった。このため、基材と反射防止被膜との間にハードコート膜を設けることが行われているが、耐擦傷性はある程度向上するものの、必ずしも充分とはいえず、さらに強度にも優れたものが望まれている。
また、基材の屈折率が低い場合は、基材の屈折率と反射防止被膜の屈折率との差が小さいために充分な反射防止性能が得られないことがあった。
【0005】
このため、基材が樹脂基材であり、なおかつ、耐擦傷性、透明性、ヘーズ等に優れた反射防止膜付基材の出現が望まれていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、樹脂基材と、該基材上に順次形成されたハードコート膜、反射防止膜とからなる反射防止膜付基材であり、耐擦傷性、透明性、ヘーズなどに優れた反射防止膜付基材を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
上記従来技術に伴う問題点を解消すべく、本発明者等は鋭意検討した結果、ハードコート膜に無機物粒子を配合するとともに、ハードコート膜厚さと無機物粒子との粒径とが特定の関係とすることによって、被膜の耐擦傷性、被膜強度が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る反射防止膜付基材は、
樹脂基材と、該樹脂基材上に形成された無機物粒子および膜形成用マトリックスを含むハードコート膜と、該ハードコート膜上に形成された反射防止膜とからなり、無機物粒子の平均粒子径(Dp)と該ハードコート膜の厚さ(Th)との比(Dp/Th)が0.2〜1.0の範囲にあることを特徴としている。
【0009】
前記膜形成用マトリックスは、樹脂マトリックスであることが好ましい。
また、無機物粒子の平均粒子径が0.2〜20μmの範囲にあり、かつハードコート膜の厚さが1〜20μmの範囲にあり(ただし無機物粒子の平均粒子径はハードコート膜の厚さを越えることはない)、ハードコート膜中の無機物粒子の含有量が0.1〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
【0010】
前記無機物粒子の屈折率と膜形成用マトリックスの屈折率との屈折率差が0.2以下であることが好ましい。
ハードコート膜はさらに、平均粒子径が5〜200nmの範囲の着色粒子を含んでいてもよい。
また、本発明では、基材の屈折率が1.55以下であり、前記ハードコート膜と反射防止膜との間に屈折率が1.6以上の中間膜を有していてもよい。
【0011】
【発明の具体的な説明】
以下、本発明に係る反射防止膜付基材について説明する。
反射防止膜付基材
本発明の反射防止膜付基材は、樹脂基材と、該樹脂基材上に形成された無機物粒子を含むハードコート膜と、該ハードコート膜上に形成された反射防止膜とからなり、
無機物粒子の平均粒子径(Dp)と該ハードコート膜の厚さ(Th)との比(Dp/Th)が0.2〜1.0の範囲にあることを特徴としている。
【0012】
樹脂基材
本発明に用いる基材としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等の樹脂材料からなり、プラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等の形状のものが使用される。
ハードコート膜
本発明に用いるハードコート膜は、無機物粒子を膜形成用マトリックスとを含んでいる。
【0013】
(i)無機物粒子
無機物粒子としては、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2、SiO2・Al23、SiO2・ZrO2等の酸化物、複合酸化物、さらに表面を樹脂で被覆した酸化物、複合酸化物、
金、銀、白金などの金属コロイド粒子、
カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料、
フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウムナトリウムなどの無機化合物などからなるものが用いられる。
【0014】
無機物粒子の形状は、特に制限されるものではないが、球状であるものが基材状に緻密に配列することができるため好適である。
これらの中でもSiO2、SiO2・Al23、SiO2・ZrO2等のシリカ系粒子は、真球状の粒子が得られやすく、このためハードコート膜と基材との密着性に優れたハードコート膜を形成することができるため好適である。
【0015】
また、無機物粒子は、後述の樹脂に対する分散性を向上させるため、表面をシランカップリング剤で処理してもよい。
このような無機物粒子の平均粒子径は、後述するハードコート膜の厚さとの関係が特定の関係を満たしていれば特に制限されるものではなく、通常、0.2〜20μm、さらには1〜10μmの範囲にあるものが好適である。
【0016】
無機物粒子の平均粒子径が前記範囲下限未満の場合は、無機物粒子の分散性が低下したり、ハードコート膜の厚さに対して粒子が小さすぎるので、最終的に得られるハードコート膜付反射防止膜の強度が不充分となる傾向がある。また、平均粒子径が前記範囲の上限を越えていると、ハードコート膜形成用マトリックスとの密着性が低下し、クラックが発生し易くなり、また、ハードコート膜の厚さより大きい場合はハードコート膜上に形成される反射防止膜表面に凹凸が残り、表面硬度が不均一になることがある。
【0017】
(ii)膜形成用マトリックス
ハードコート膜には、基材との密着性や塗工性などの点から層形成成分が含まれていてもよい。このような層形成成分としては、樹脂マトリックスが好適である。
このような樹脂マトリックスとして、具体的には、塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも採用することが可能であり、具体的には、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
【0018】
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
本発明では、特に、熱硬化性樹脂、紫外線硬化タイプのものが前記酸化物粒子の配合量が少なくても鉛筆硬度の高い反射防止膜付基材が得られるので好ましい。
【0019】
(iii)ハードコート膜
ハードコート膜の厚さ(Th)は、特に制限されるものではないが、本発明では前記無機物粒子の平均粒子径(Dp)と形成されるハードコート膜の厚さ(Th)との比(Dp/Th)が、0.2〜1.0、好ましくは0.5〜0.98の範囲にあることが望ましい。
【0020】
前記比(Dp/Th)が前記下限未満の場合は基材との密着性を向上させる効果が不充分となることがあり、さらに得られる反射防止膜付基材の硬度(鉛筆硬度)を向上させる効果が不充分となることがある。また、前記比(Dp/Th)が前記上限を越すと、反射防止膜表面に凹凸が形成されることがあり、このため硬度(鉛筆硬度)や耐摩耗性が低下したり、反射防止膜の膜厚が不均一になるため外観村が発生したり反射防止性能が低下することがある。
【0021】
前記比(Dp/Th)が前記範囲内にあると、ハードコート膜中に、無機物粒子が単層または2層程度に配列するため、ハードコート膜と基材との密着性が高くなる。
また、ハードコート膜中の無機物粒子の含有量は0.1〜90重量%、さらには2〜50重量%の範囲にあることが好ましい。ハードコート膜中の無機物粒子の含有量が前記下限未満の場合は、無機物粒子の含有量が少ないために無機物粒子を含む効果、即ち、基材との密着性や、(鉛筆)硬度、強度を向上させる効果が得られないことがある。ハードコート膜中の酸化物粒子の含有量が前記上限を越えるとハードコート膜形成用マトリックスが少ないために基材との密着性が低下したり、ボイドが生成し、ハードコート膜の強度が低下したりすることがある。
【0022】
ハードコート膜の厚さは、無機物粒子との関係が上記範囲内にあれば特に制限されるものではないが、1〜20μm、さらには2〜10μmの範囲にあることが望ましい。
ただし無機物粒子の平均粒子径はハードコート膜の厚さを越えることはない。
ハードコート膜の厚さが前記範囲下限未満の場合は、ハードコート膜が薄いために反射防止膜表面に加わる応力を充分吸収することがでないために、結果的に鉛筆硬度が不充分となることがある。前記範囲上限を越えると、層の厚さが均一になるように塗布したり、均一に乾燥したりすることが困難となり、このためクラックやボイドが発生により得られる反射防止膜の強度や透明性が不充分となることがある。
【0023】
ハードコート膜として透明性を有するものを作成する場合、前記した無機物粒子のうち、シリカ系粒子を使用すると、これらの粒子は屈折率が低いのでハードコート膜を形成する成分(ハードコート膜形成用マトリックス)の屈折率との屈折率差を、小さくすることができ、透明性やヘーズに優れた反射防止膜付基材を得ることができる。このようなシリカ系粒子として、具体的には、特開昭63−210016号公報、特開平11−228699号公報に開示されたシリカ系粒子、オルガノポリシロキサン系粒子等は好適に用いることができる。オルガノポリシロキサン系粒子は粒子中に有機基を含み、このためハードコート膜形成用マトリックスとして用いる後述の樹脂に対する分散性がよく、このため密着性に優れたハードコート膜を形成することができる。ハードコート膜として透明性を有するものを作成する場合、ハードコート膜形成用マトリックスの屈折率と前記無機物粒子の屈折率とハードコート膜形成用マトリックスの屈折率との屈折率差は0.2以下、さらには0.1以下であることが好ましい。前記屈折率差が0.2を越えると、可視光の散乱が顕著になり、ハードコート膜、最終的に得られる反射防止膜の透明性が低下することもある。
【0024】
ハードコート膜として透明性が要求されない場合、上記した無機物粒子のうち、たとえば、金属コロイド、炭素材料などの着色したものを使用すればよい。
さらに、透明性が要求されない場合には、無機物粒子とともに、平均粒子径が5〜200nm、さらには10〜100nmの範囲の着色粒子を含んでいてもよい。
着色粒子としては、フタロシアニン、紺青などの有機顔料、酸化亜鉛、鉛白、鉛丹、亜酸化鉛、酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの無機顔料の他、カーボン粒子、金、銀、白金などの金属コロイド粒子等の着色粒子が挙げられる。平均粒子径が5nm未満の粒子は得ることが困難であり、また着色粒子の種類によっては得られる反射防止膜付基材の光遮蔽性(ブラインド機能)を調節することが困難な場合がある。平均粒子径が200nmを越えると可視光線の散乱が顕著となり被膜の透明性が低下することがある。
【0025】
ハードコート膜中の着色粒子の含有量は0.1〜20重量%、さらには0.2〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
ハードコート膜中の着色粒子の含有量が0.1重量%未満の場合は、前記した光遮蔽性が不充分となり、20重量%を越えると光遮蔽性が強すぎるとともに透明性も低下する傾向にある。なお、着色粒子を用いる場合は、前記した無機物粒子と着色粒子との合計含有量が1〜90重量%の範囲となるように用いることが好ましい。
【0026】
さらに必要に応じて、ハードコート膜には、無機物粒子とともに、硬度の高いポリスチレン、ポリカーボネートなどからなる粒子が含有されていてもよい。なお、このようなポリスチレン、ポリカーボネートからなる粒子は無機物粒子と併用せずともハードコート膜に配合することができる。
このようなハードコート膜は、ハードコート膜形成用マトリックス形成成分と、無機物粒子、および着色粒子などの任意成分とを含む塗布液を塗布することで形成することができる。
【0027】
また、塗布液には、マトリックス形成成分を溶解するとともに、容易に揮発しうる溶剤が含まれていてもよく、マトリックス形成成分が熱硬化性樹脂の場合は、必要に応じて硬化剤とを配合することができる。
このような塗布液をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法などの周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、熱硬化性樹脂の場合は硬化させたのち、熱可塑性樹脂の場合は、さらに必要に応じて基材の軟化点未満の温度で加熱処理することによってハードコート膜を形成することができる。
【0028】
反射防止膜
本発明に用いる反射防止膜としては、反射防止性能を有していれば特に制限はなく従来公知の反射防止膜を用いることができる。具体的には、前記ハードコート膜よりも屈折率が低いものであれば反射防止性能を具備している。
このような反射防止膜は、反射防止膜形成用マトリックスと、必要に応じて低屈折率成分とからなっている。
【0029】
反射防止膜形成用マトリックスとは、ハードコート膜(あるいは後述する中間膜)等の基材表面に被膜を形成し得る成分をいい、基材との密着性や硬度塗工性等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、前記ハードコート膜形成用マトリックスと同様の塗料用樹脂を用いることができる。
低屈折率成分としては、CaF2、NaF、NaAlF6、MgF等の低屈折率物質の他、シリカ系粒子(シリカ粒子、シリカ中空粒子、シリカ・アルミナ複合酸化物粒子)、多孔質シリカ系粒子等が挙げられる。
【0030】
たとえば、本願出願人の出願による特開平7−133105号公報に開示した多孔性の無機酸化物微粒子の表面をシリカで被覆した複合酸化物微粒子を用いると屈折率が低く反射防止性能に優れた反射防止膜を得ることができる。
一方、マトリックスとして加水分解性有機珪素化合物を用いることも可能である。具体的には、たとえば、アルコキシシランとアルコールの混合液に、水および触媒としての酸またはアルカリを加えることによって得られたアルコキシシランの部分加水分解物が好適に使用される。
【0031】
加水分解性有機珪素化合物としては、一般式RnSi(OR)4-n[R、R':アルキル基、アリール基、ビニル基、アクリル基、等の炭化水素基、n=0,1,2,または3]で表されるアルコキシシランを用いることができる。特にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシランなどのテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。
【0032】
反射防止膜中の低屈折率成分の含有量は90重量%以下、さらには50重量%以下であることが好ましい。低屈折率成分の含有量が、90重量%を越えると被膜の強度や、ハードコート膜(あるいは後述する中間膜)等の基材との密着性が不足して実用性に欠けることがある。
反射防止膜の厚さは50〜300nm、さらには80〜200nmの範囲にあることが好ましい。
【0033】
反射防止膜の厚さが50nm未満の場合は、膜の強度、反射防止性能等が劣ることがある。反射防止膜の厚さが300nmを越えると、膜にクラックが発生したり、このため膜の強度が低下したり、また膜が厚すぎて反射防止性能が不充分となることがある。
このような反射防止膜の屈折率は、低屈折率成分と樹脂等マトリックスとの混合比率および使用する樹脂等の屈折率によっても異なるが、通常1.28〜1.50の範囲にあることが好ましい。反射防止膜の屈折率が1.50を越えると基材の屈折率にもよるが、反射防止性能が不充分となることがあり、屈折率が1.28未満のものは得ることが困難である。
【0034】
反射防止膜は、上記した形成用マトリックスと、必要に応じて低屈折率成分と溶媒とを含む反射防止膜形成用塗布液を塗布することで形成される。
使用される溶媒としては、いずれも容易に蒸散し、得られる反射防止膜に悪影響を及ぼすことがないものであれば特に制限されない。
反射防止膜形成用塗布液としては、特に制限されるものではなく、前記したハードコート膜の形成と同様に、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法などの周知の方法で基材に塗布し、乾燥すればよく、特に形成成分が熱硬化性樹脂の場合は加熱処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより、ハードコート膜の硬化を促進させてもよく、また形成成分に加水分解性有機ケイ素化合物が含まれている場合は、加熱処理により、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解・重縮合を促進させてもよい。
【0035】
本発明では、ハードコート膜と反射防止膜との間に中間膜が設けられていてもよい。
中間膜
中間膜としては屈折率が1.6以上のものが形成される。
特に、基材の屈折率が1.55以下の場合は、反射防止膜の屈折率との差が小さく、反射防止性能が不充分となることがあり、このため屈折率が1.6以上の中間膜が形成されていることが好ましい。
【0036】
なお、ハードコート膜に着色成分が含まれている場合、必ずしも中間膜を設ける必要はない。
中間膜は、高屈折率の金属酸化物微粒子と、必要に応じて中間膜形成用マトリックスとからなる。
中間膜形成用マトリックスとは、ハードコート膜の表面に中間膜を形成し得る成分をいい、ハードコート膜との密着性や塗工性等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、具体的には前記ハードコート膜形成用マトリックスと同様に塗料用樹脂、および、前記反射防止膜にて例示したアルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物等が挙げられる。
【0037】
高屈折率の金属酸化物微粒子としては、屈折率が1.60以上の金属酸化物粒子を用いることが好ましい。さらに好ましい屈折率は1.70以上である。このような金属酸化物微粒子としては、酸化チタン(2.50)、酸化亜鉛(2.0)、酸化ジルコニウム(2.20)、酸化セリウム(2.2)、酸化スズ(2.0)、酸化タリウム(2.1)、チタン酸バリウム(2.40)、酸化アルミニウム(1.73)、酸化マグネシウム(1.77)、酸化イットリウム(1.92)、酸化アンチモン(2.0)、酸化インジウム(2.0)等が挙げられる。(括弧内は屈折率)
これらのなかでも、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の導電性微粒子、さらにはこれら微粒子にアンチモン、スズ、フッ素等の異種元素をドープした導電性微粒子は、得られる反射防止膜付基材が反射防止性能に加えて帯電防止効果を有するので好ましい。
【0038】
金属酸化物粒子の屈折率が1.60未満の場合は得られる中間膜の屈折率が1.60以上とならず、反射防止膜との屈折率の差が小さいので反射防止性能が不充分となり、中間膜を設ける効果が充分得られないことがある。
また、金属酸化物微粒子の平均粒子径は5〜100nmの範囲にあることが好ましい。さらに好まし範囲は10〜60nmである。平均粒子径が5nm未満の粒子は得ることが困難であり、100nmを越えると可視光線の散乱が顕著となり被膜の透明性が低下することがある。
【0039】
中間膜中の金属酸化物粒子の含有量は、屈折率が1.6以上の中間膜が得られれば特に制限はなく、中間膜形成用マトリックスや金属酸化物粒子の屈折率によっても異なるが、通常30〜100重量%、さらには50〜95重量%の範囲にあることが好ましい。(なお、中間膜は、マトリックスを含まず、金属酸化物粒子単体からなるものであってもよい)
中間膜中の金属酸化物粒子の含有量が30重量%未満の場合は金属酸化物粒子の種類にもよるが中間膜の屈折率が1.60以上とならず、中間膜を設ける効果が得られないことがある。
【0040】
このような中間膜は、高屈折率の金属酸化物微粒子と、必要に応じて中間膜形成用マトリックスと溶媒とを含む中間膜形成用塗布液を塗布することで形成される。なお、金属酸化物微粒子を用いて中間膜形成用の塗布液を調製する際には、金属酸化物微粒子を分散媒に分散させたゾルとして用いることが好ましく、水分散ゾル、アルコール等の有機溶媒に分散させた有機溶媒分散ゾル、あるいは前記微粒子を公知のカップリング剤で処理した後、有機溶媒に分散させた有機溶媒分散ゾルと塗料用樹脂とを適当な有機溶剤で希釈して、中間膜形成用の塗布液とすることができる。さらに塗布液には分散性、安定性等を高めるために界面活性剤等を添加することもできる。
【0041】
使用される溶媒としては、容易に蒸散し、得られる反射防止膜、中間膜に悪影響を及ぼすことがないものであれば特に制限されない。
中間膜形成用塗布液の塗布方法としては、反射防止膜形成用塗布液の場合と同様に、特に制限されるものではなく、前記したハードコート膜形成用塗布液と同様に、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法などの周知の方法で基材に塗布し、乾燥すればよく、特に形成成分が熱硬化性樹脂の場合は加熱処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより、ハードコート膜の硬化を促進させてもよく、また形成成分に加水分解性有機ケイ素化合物が含まれている場合は、加熱処理により、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解・重縮合を促進させてもよい。
【0042】
このように中間膜を形成する場合、先ず基材上に前記したハードコート膜を形成した後、中間膜形成用の塗布液を塗布し、ついで乾燥し、さらに必要に応じて基材の軟化点未満の温度で加熱処理し、ついで前記した反射防止膜を形成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明では、樹脂基材表面に、無機物粒子を含むハードコート膜が設けられているために、樹脂基材を使用しているにもかかわらず、耐擦傷性、透明性、ヘーズ等に優れた反射防止膜付基材が得られる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0045】
【調製例】
〔複合酸化物微粒子分散ゾルの製造〕
メチルメトキシシラン27.4gを濃度0.65重量%の水酸化ナトリウム水溶液872.6gに混合し室温で1時間撹拌して、CH3SiO3/2として1.5重量%の無色透明な部分加水分解物を調製した。
【0046】
ついで、種粒子として平均粒子径5nm、SiO2濃度20重量%のシリカゾル20gと純水380gとの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液900gと、上記部分加水分解物の水溶液900gと、Al23として濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1800gとを6時間掛けて同時に添加した。その間、反応母液の温度を80℃に維持した。反応母液のpHは添加直後、12.7に上昇し、その後ほとんど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のメチル基含有SiO2・Al23複合酸化物微粒子(A-1)の分散液を得た。
【0047】
ついで、複合酸化物微粒子(A-1)の分散液250gに純水550gを加えて98℃に加温し、この温度を維持しながら、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得た珪酸液(SiO2濃度3.5重量%)1,000gを5時間で添加して、シリカで被覆したメチル基含有SiO2・Al2O3 複合酸化物微粒子(B-1)の分散液を得た。ついで、限外濾過膜を用いて洗浄し、固形分濃度13重量%とした分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、微粒子からアルミニウムを除去する処理を行った。
【0048】
ついで、pH3.0の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜を用いて溶解したアルミニウム塩を洗浄除去するとともに、濃縮して固形分濃度13重量%のシリカで被覆したメチル基含有SiO2・Al23複合酸化物微粒子(C-1)の分散液を得た。
ついで、複合酸化物微粒子(C-1)の分散液1500gと、純水500g、エタノール1,750gおよび濃度28重量%のアンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)104gを添加し、前記シリカで被覆した。これをエバポレーターで固形分濃度5重量%まで濃縮した後、濃度15重量%のアンモニア水を加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時間加熱処理し、ついで限外濾過膜で濃縮して固形分濃度10重量%のシリカで完全に被覆したメチル基含有SiO2・Al23複合酸化物微粒子(D-1)の分散液を得た。
【0049】
このシリカ被覆複合酸化物微粒子(D-1)のSiO2/Al23モル比は278、平均粒径は34nm、屈折率は1.36であった。
なお、粒子の屈折率は、次のようにして測定した。
(1)複合酸化物微粒子(D-1)の分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知である標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液(ペースト)が透明になったときの標準屈折液の屈折率を微粒子の屈折率とする。
【0050】
【実施例1】
ハードコート膜形成用塗布液( H-1 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径4μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液55.55gを調製した。これにアクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製、屈折率1.49)100gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒400gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-1)を調製した。
【0051】
反射防止膜形成用塗布液 (R-1) の調製
上記調製例で得た複合酸化物微粒子(D-1)の分散液を限外濾過膜に通し、分散媒の水をエタノールに置換した。このエタノールゾル(固形分濃度5重量%)50gと、紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)3gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒47gとを充分に混合して反射防止膜形成用塗布液(R-1)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-1)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-1)をPETフィルム(厚さ:188μm、屈折率:1.65)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0052】
ついで、反射防止膜形成用塗布液(R-1)をバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を1分間照射して硬化させ、反射防止膜付基材(F-1)を調製した。このときの反射防止膜の厚さは80nmであった。
得られた反射防止膜付基材(F-1)と、未塗布のPETフィルム(F-0)の全光線透過率、ヘーズ、波長550nmの光線の反射率および被膜の屈折率を表1に示す。全光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により、反射率は分光光度計(日本分光社、Ubest-55)により夫々測定した。なお、ハードコート膜、反射防止膜の各々の屈折率は、シリコンウェハーに上記各塗布液を個別に上記と同様に塗布、乾燥および加熱処理し、エリプソメーター(ULVAC社製、EMS−1)により測定した。
【0053】
密着性
反射防止膜付基材(F-1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100個の升目を作り、これにセロファンテープ(R)を接着し、ついで、セロファンテープを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0054】
残存升目の数95個以上 :◎
残存升目の数90〜94個:○
残存升目の数85〜89個:△
残存升目の数84個以下 :×
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
【0055】
耐擦傷性の測定
(#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
【0056】
【実施例2】
ハードコート膜形成用塗布液( H-2 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径4μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液55.55gを調製した。これにウレタン系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500)100gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒400gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-2)を調製した。
【0057】
中間膜形成用の塗布液( M-1 )の調製
高屈折率粒子として酸化チタンコロイド(触媒化成工業(株)製;オプトレイク1130Z、屈折率2.2、平均粒子径20nm、濃度20重量%)20gと、紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)0.44gとイソプロパノール6.7gとを充分に混合して中間被膜形成用塗布液(M-1)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-2)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-2)をPETフィルム(厚さ:188μm、屈折率:1.65)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を1分間照射して硬化させた。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0058】
ついで、中間被膜形成用塗布液(M-1)をバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した.このときの中間膜の厚さは80nmであった。また、屈折率は1.80であった。
ついで、実施例1と同様にして反射防止膜形成用塗布液(R-1)をバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥し、紫外線照射して反射防止膜付基材(F-2)を調製した。このときの反射防止膜の厚さは80nmであった。
【0059】
得られた反射防止膜付基材(F-2)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。なお、中間被膜の屈折率はシリコンウェハーに上記中間被膜形成用塗布液(M-1)を上記と同様に塗布、乾燥および加熱処理し、エリプソメーター(ULVAC社製、EMS−1)により測定した。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0060】
【実施例3】
ハードコート膜形成用塗布液( H-3 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径4μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液277.8gを調製した。これに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)55.5gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒222.2gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-3)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-3)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-3)を用いた以外は実施例2と同様にしてハードコート膜を形成した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0061】
ついで、実施例2と同様にして、中間被膜および反射防止膜を形成して、反射防止膜付基材(F-3)を得た。
得られた反射防止膜付基材(F-3)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0062】
【実施例4】
ハードコート膜形成用塗布液( H-4 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径8μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液277.8gを調製した。これに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500)55.5gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒222.2gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-4)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-4)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-4)を用いた以外は実施例2と同様にしてハードコート膜を形成した。このときのハードコート膜の厚さは10μmであった。
【0063】
ついで、実施例2と同様にして、中間被膜および反射防止膜を形成して、反射防止膜付基材(F-4)を得た。
得られた反射防止膜付基材(F-4)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0064】
【実施例5】
ハードコート膜形成用塗布液( H-5 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径1.5μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液167.7gを調製した。これに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)77.7gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒311.1gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-5)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-5)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-5)を用い、これをPETフィルム(厚さ:100μm、屈折率:1.65)に塗布した以外は実施例2と同様にしてハードコート膜を形成した。このときのハードコート膜の厚さは2μmであった。
【0065】
ついで、実施例2と同様にして、中間被膜および反射防止膜を形成して、反射防止膜付基材(F-5)を得た。
得られた反射防止膜付基材(F-5)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0066】
【実施例6】
ハードコート膜形成用塗布液( H-6 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径4μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液167.7gを調製した。これに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)77.7gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒311.1gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-6)を調製した。
【0067】
中間膜形成用の塗布液( M-2 )の調製
金属酸化物粒子の調製(ITO)
硝酸インジウム79.9gを水686gに溶解して得られた溶液と、錫酸カリウム12.7gを濃度10重量%の水酸化カリウム溶液に溶解して得られた溶液とを調製し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを11に保持した。得られたSnドープ酸化インジウム水和物分散液からSnドープ酸化インジウム水和物を濾別・洗浄した後、乾燥し、ついで空気中で350℃の温度で3時間焼成し、さらに空気中で600℃の温度で2時間焼成することによりSnドープ酸化インジウム微粒子を得た。こSnドープ酸化インジウム微粒子を濃度が30重量%となるように純水に分散させ、さらに硝酸水溶液でpHを3.5に調製した後、この混合液を30℃に保持しながらサンドミルで、3時間粉砕してゾルを調製した。次に、このゾルをイオン交換樹脂で処理して硝酸イオンを除去し、純水を加えて濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子分散ゾルを調製した。(このとき、平均粒子径50nm、屈折率1.80であった。)
上記導電性金属酸化物粒子分散ゾル20gと、紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500)0.44gとイソプロパノール6.7gとを充分に混合して中間被膜形成用塗布液(M-2)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-6)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-6)を用いた以外は実施例2と同様にしてハードコート膜を形成した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0068】
以下、中間被膜形成用塗布液(M-2)を用いた以外は実施例2と同様にして反射防止膜付基材(F-6)を得た。このときの中間層の厚さは120nmであった。
得られた反射防止膜付基材(F-5)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0069】
【実施例7】
ハードコート膜形成用塗布液( H-7 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径4μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液167.7gを調製した。これにアクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製、屈折率1.49)77.7gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒311.1gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-7)を調製した。
【0070】
中間膜形成用の塗布液( M-3 )の調製
エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)20g、エタノール45gおよび純水5.33gの混合溶液に少量の塩酸を添加して、エチルシリケートの部分加水分解物を含有したマトリックスを得た。これに、実施例6と同様にして得た濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子分散ゾル252gとを充分に混合して中間膜形成用の塗布液(M-3)を調製した。
【0071】
反射防止膜形成用塗布液 (R-2) の調製
エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)20g、エタノール45gおよび純水5.33gの混合溶液に少量の塩酸を添加して、エチルシリケートの部分加水分解物を含有したマトリックスを得た。これに、実施例1と同様にして得た複合酸化物微粒子(D-1)のエタノールゾル(固形分濃度5重量%)74.6gとを充分に混合して反射防止膜形成用塗布液(R-2)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-7)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-7)をアクリル板(三菱レーヨン(株)製:アクリライト、屈折率1.49)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0072】
ついで、中間膜形成用の塗布液(M-3)をバーコーター法で塗布した後、80℃で、30分間乾燥した。このときの中間膜の厚さは100nmであった。
ついで、反射防止膜形成用塗布液(R-2)をバーコーター法で塗布した後、80℃で、30分間乾燥し、120℃で30分間加熱処理して反射防止膜付基材(F-7)を調製した。このときの反射防止膜の厚さは80nmであった。
【0073】
得られた反射防止膜付基材(F-7)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0074】
【実施例8】
酸化物粒子の調製
メチルトリメトキシシラン8gと、テトラメトキシシラン8gとを、エタノール350gに溶解した溶液(A液)を調製した。他方、純水6gと、28%アンモニア水78gと、エタノール350gの混合溶液(B液)を調製した。
【0075】
上記A液とB液とを混合し、25℃で3時間撹拌し、アルコキシシランを加水分解・縮重合を行った。さらに、濃度1重量%の水酸化カリウム水溶液3.3gを添加しさらに10分間超音波処理をして、シードの安定化を行った。この時pHは12であった。このシード粒子分散液中のシード粒子の平均粒径は、遠心式粒度分布測定法で測定した結果、0.15μmであった。
【0076】
得られたシード粒子分散液が160gになるまでシード粒子分散液を加熱濃縮した後、陽イオン交換樹脂10ccを用いてアルカリおよびアンモニアを除去した。このシード粒子分散液に純水5000gおよびブタノール250gを加えた。こうして希釈されたシード粒子分散液を0℃に冷却し、この温度を保持しながら、このシード粒子分散液にメチルトリメトキシシラン400gとビニルトリメトキシシラン100gの混合溶液を0.005g/純水−g・時間の添加速度で滴下したが、この時濃度0.028%のアンモニア水溶液を約0.012/純水−g・時間の添加速度で添加しながらシード粒子分散液のpHを8.0に維持して、メチルトリメトキシシランとビニルトリメトキシシランをシード粒子上に加水分解・縮重合させてシード粒子を成長させた。ついで20℃で2時間撹拌した後、さらに80℃に加温して5時間熟成を行った。
【0077】
得られた微粒子を液から分離し、乾燥後、相対湿度60%の空気を供給しながら、220℃で加熱処理してオルガノポリシロキサン微粒子を得た。
得られた微粒子は、有機基を含有し炭素として19重量%していた。また、均粒子径は7.6μm、10%圧縮弾性率は205Kgf/mm2、粒子径変動係数は1.8%であった。
【0078】
ハードコート膜形成用塗布液( H-8 )の調製
無機物粒子として上記オルガノポリシロキサン微粒子を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液167.7gを調製した。これに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)77.8gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒311gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-8)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-8)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-8)をアクリル板(三菱レーヨン(株)製:アクリライト、屈折率1.49)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を1分間照射して硬化させた。このときのハードコート膜の厚さは10μmであった。
【0079】
以下、実施例7と同様にして中間膜および反射防止膜を形成して反射防止膜付基材(F-8)を調製した。
得られた反射防止膜付基材(F-8)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0080】
【実施例9】
ハードコート膜形成用塗布液( H-9 )の調製
無機物粒子としてSiO2・ZrO2粒子(触媒化成工業(株)製:P-1500K、平均粒子径5μm、屈折率1.49)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液167.7gを調製した。これにアクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製、屈折率1.49)134.2gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒537.3gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-9)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-9)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-9)をアクリル板(三菱レーヨン(株)製:アクリライト、屈折率1.49)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した。このときのハードコート膜の厚さは10μmであった。
【0081】
以下、実施例7と同様にして中間膜および反射防止膜を形成して反射防止膜付基材(F-9)を調製した。
得られた反射防止膜付基材(F-9)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0082】
【実施例10】
ハードコート膜形成用塗布液( H-10 )の調製
無機物粒子としてSiO2・ZrO2粒子(触媒化成工業(株)製:P-1500K、平均粒子径5μm、屈折率1.49)35gを水140gに分散し、これにシランカップリング剤としてγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2gを添加し、60℃で1時間撹拌した。ついで、溶媒置換してエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ・ジルコノア粒子のエタノール分散液167.7gを調製した。これにアクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製、屈折率1.49)134.2gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒537.3gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-10)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-10)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-10)をアクリル板(三菱レーヨン(株)製:アクリライト、屈折率1.49)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した。このときのハードコート膜の厚さは10μmであった。
【0083】
以下、実施例7と同様にして中間膜および反射防止膜を形成して反射防止膜付基材(F-10)を調製した。
得られた反射防止膜付基材(F-10)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0084】
【実施例11】
ハードコート膜形成用塗布液( H-11 )の調製
無機物粒子としてシリカ粒子(触媒化成工業(株)製;真絲球SW、平均粒子径4μm)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%のシリカ粒子エタノール分散液50gを調製した。
【0085】
着色粒子として白金粒子((株)徳力本店製:TPT−200、平均粒子径0.1μm、球状黒色粒子)を用い、これをエタノールに分散させた濃度20重量%の白金粒子エタノール分散液100gを調製した。
これに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500)70gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒280gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(H-11)を調製した。
〔反射防止膜付基材(F-11)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(H-11)をPETフィルム(厚さ:188μm、屈折率:1.65)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0086】
以下、実施例7と同様にして中間膜および反射防止膜を形成して反射防止膜付基材(F-11)を調製した。
得られた反射防止膜付基材(F-11)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表に示す。また、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0087】
【比較例1】
ハードコート膜形成用塗布液( RH-1) の調製
アクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製、屈折率1.49)100gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒400gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(RH-1)を調製した。
〔反射防止膜付基材(RF-1)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(RH-1)を用いた以外は実施例1と同様にして反射防止膜付基材(RF-1)を調製した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0088】
得られた反射防止膜付基材(RF-1)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆高度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0089】
【比較例2】
ハードコート膜形成用塗布液( RH-2 )の調製
紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニディックV5500、屈折率1.50)100gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒400gとを充分に混合してハードコート膜形成用塗布液(RH-2)を調製した。
〔反射防止膜付基材(RF-2)の製造〕
ハードコート膜形成用塗布液(RH-2)を用いた以外は実施例2と同様にして反射防止膜付基材(RF-2)を調製した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0090】
得られた反射防止膜付基材(RF-2)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆高度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0091】
【比較例3】
〔反射防止膜付基材(RF-3)の製造〕
比較例1と同様にして得たハードコート膜形成用塗布液(RH-1)をアクリル板(三菱レーヨン(株)製:アクリライト、屈折率1.49)にバーコーター法で塗布し、80℃で、1分間乾燥した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
【0092】
以下、実施例7と同様にして反射防止膜付基材(RF-3)を調製した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られた反射防止膜付基材(RF-3)の全光線透過率、ヘーズ、反射率および各被膜の屈折率を表1に示す。また、密着性、鉛筆高度、耐擦傷性を測定し、結果を表1に示す。
【0093】
【表1】

Figure 0003955971
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention includes a resin base material, a hard coat film formed on the base material, and an antireflection film formed on the hard coat film.
More specifically, the present invention relates to a substrate with an antireflection film that is excellent in scratch resistance, transparency, haze, etc. even though a resin substrate is used because a hard coat film containing inorganic particles is provided. .
[0002]
TECHNICAL BACKGROUND OF THE INVENTION
In order to prevent reflection on the surface of a substrate such as glass or plastic sheet, it is known to form an antireflection film on the surface, for example, fluororesin, fluoride, etc. by coating, vapor deposition, CVD, etc. A film of a material having a low refractive index such as magnesium is formed on the surface of glass or plastic.
[0003]
Also known is a method of forming an antireflection coating by applying a coating liquid containing low refractive index fine particles such as silica fine particles to the surface of a substrate. Furthermore, a method is also known in which a coating liquid containing silica particles is applied to the surface of a substrate to form an antireflection coating having fine and uniform irregularities with silica particles.
Furthermore, the present inventors have proposed to use a sol in which low refractive index composite oxide fine particles in which the surface of porous fine particles is coated with silica are dispersed as the above-mentioned low refractive index fine particles (Japanese Unexamined Patent Publication No. Hei. 7-133105).
[0004]
However, in the conventional method described above, particularly when the substrate is a resin substrate, the scratch resistance is insufficient. For this reason, a hard coat film is provided between the base material and the antireflection coating, but although the scratch resistance is improved to some extent, it is not necessarily sufficient, and it has excellent strength. It is desired.
Moreover, when the refractive index of the base material is low, sufficient antireflection performance may not be obtained because the difference between the refractive index of the base material and the refractive index of the antireflection coating is small.
[0005]
For this reason, the appearance of a substrate with an antireflection film that is excellent in scratch resistance, transparency, haze, and the like has been desired.
[0006]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention is a base material with an antireflection film comprising a resin base material, a hard coat film and an antireflection film sequentially formed on the base material, and has excellent scratch resistance, transparency, haze, and the like. It aims at providing the base material with a prevention film.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION
In order to solve the problems associated with the prior art, the present inventors diligently studied, and as a result, the inorganic particles were blended into the hard coat film, and the hard coat film thickness and the particle size of the inorganic particles had a specific relationship. As a result, it was found that the scratch resistance and film strength of the film were remarkably improved, and the present invention was completed.
[0008]
That is, the base material with an antireflection film according to the present invention is
A resin substrate, a hard coat film containing inorganic particles and a film-forming matrix formed on the resin substrate, and an antireflection film formed on the hard coat film, and an average particle diameter of the inorganic particles The ratio (Dp / Th) between (Dp) and the thickness (Th) of the hard coat film is in the range of 0.2 to 1.0.
[0009]
The film forming matrix is preferably a resin matrix.
The average particle diameter of the inorganic particles is in the range of 0.2 to 20 μm, and the thickness of the hard coat film is in the range of 1 to 20 μm (however, the average particle diameter of the inorganic particles is the thickness of the hard coat film). The content of inorganic particles in the hard coat film is preferably in the range of 0.1 to 90% by weight.
[0010]
The refractive index difference between the refractive index of the inorganic particles and the refractive index of the film forming matrix is preferably 0.2 or less.
The hard coat film may further contain colored particles having an average particle size in the range of 5 to 200 nm.
In the present invention, the base material may have a refractive index of 1.55 or less, and an intermediate film having a refractive index of 1.6 or more may be provided between the hard coat film and the antireflection film.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the base material with an antireflection film according to the present invention will be described.
Base material with antireflection film
The base material with an antireflection film of the present invention comprises a resin base material, a hard coat film containing inorganic particles formed on the resin base material, and an antireflection film formed on the hard coat film,
The ratio (Dp / Th) between the average particle diameter (Dp) of the inorganic particles and the thickness (Th) of the hard coat film is in the range of 0.2 to 1.0.
[0012]
Resin base material
As a base material used for this invention, it consists of resin materials, such as a polycarbonate, an acrylic resin, PET, and TAC, and the thing of shapes, such as a plastic panel, a plastic panel, etc., is used.
Hard coat film
The hard coat film used in the present invention contains inorganic particles and a film forming matrix.
[0013]
(i) Inorganic particles
As inorganic particles, SiO2, Al2OThreeTiO2, ZrO2, SiO2・ Al2OThree, SiO2・ ZrO2Such as oxide, composite oxide, oxide whose surface is coated with resin, composite oxide,
Colloidal metal particles such as gold, silver and platinum,
Carbon materials such as carbon black and graphite,
What consists of inorganic compounds, such as magnesium fluoride and sodium aluminum fluoride, is used.
[0014]
The shape of the inorganic particles is not particularly limited, but spherical particles are suitable because they can be densely arranged in a base material.
Among these, SiO2, SiO2・ Al2OThree, SiO2・ ZrO2Silica-based particles such as these are suitable because it is easy to obtain true spherical particles, and therefore a hard coat film having excellent adhesion between the hard coat film and the substrate can be formed.
[0015]
Moreover, in order to improve the dispersibility with respect to resin mentioned later, the surface of the inorganic particles may be treated with a silane coupling agent.
The average particle size of such inorganic particles is not particularly limited as long as the relationship with the thickness of the hard coat film described later satisfies a specific relationship, and is usually 0.2 to 20 μm, and more preferably 1 to What is in the range of 10 micrometers is suitable.
[0016]
When the average particle diameter of the inorganic particles is less than the lower limit of the above range, the dispersibility of the inorganic particles is reduced, or the particles are too small with respect to the thickness of the hard coat film, so that the finally obtained reflection with a hard coat film There is a tendency that the strength of the prevention film becomes insufficient. Further, if the average particle diameter exceeds the upper limit of the above range, the adhesion with the matrix for forming the hard coat film is lowered, cracks are likely to occur, and if the thickness is larger than the thickness of the hard coat film, the hard coat film is formed. Unevenness may remain on the surface of the antireflection film formed on the film, and the surface hardness may become uneven.
[0017]
(ii) Matrix for film formation
The hard coat film may contain a layer forming component from the viewpoints of adhesion to the substrate and coating properties. A resin matrix is suitable as such a layer forming component.
As such a resin matrix, specifically, any of known thermosetting resins and thermoplastic resins can be employed as coating resins, and specifically, conventionally used polyester resins. , Polycarbonate resin, polyamide resin, polyphenylene oxide resin, thermoplastic acrylic resin, vinyl chloride resin, fluorine resin, vinyl acetate resin, silicone rubber and other thermoplastic resins, urethane resin, melamine resin, silicon resin, butyral resin, reactive silicone Examples thereof include thermosetting resins such as resins, phenol resins, epoxy resins, unsaturated polyester resins, and thermosetting acrylic resins. Further, two or more kinds of copolymers or modified products of these resins may be used.
[0018]
These resins may be emulsion resins, water-soluble resins, and hydrophilic resins. Further, in the case of a thermosetting resin, it may be an ultraviolet curable type or an electron beam curable type, and in the case of a thermosetting resin, a curing catalyst may be included.
In the present invention, in particular, a thermosetting resin or an ultraviolet curing type is preferable because a substrate with an antireflection film having a high pencil hardness can be obtained even if the amount of the oxide particles is small.
[0019]
(iii) Hard coat film
The thickness (Th) of the hard coat film is not particularly limited, but in the present invention, the ratio of the average particle diameter (Dp) of the inorganic particles to the thickness (Th) of the hard coat film to be formed ( It is desirable that Dp / Th) is in the range of 0.2 to 1.0, preferably 0.5 to 0.98.
[0020]
When the ratio (Dp / Th) is less than the lower limit, the effect of improving the adhesion to the substrate may be insufficient, and the hardness (pencil hardness) of the obtained substrate with an antireflection film is further improved. Effect may be insufficient. Further, if the ratio (Dp / Th) exceeds the upper limit, irregularities may be formed on the surface of the antireflection film. For this reason, hardness (pencil hardness) and wear resistance may decrease, Since the film thickness becomes non-uniform, appearance villages may occur or the antireflection performance may deteriorate.
[0021]
When the ratio (Dp / Th) is within the above range, the inorganic particles are arranged in a single layer or about two layers in the hard coat film, so that the adhesion between the hard coat film and the substrate is enhanced.
The content of inorganic particles in the hard coat film is preferably in the range of 0.1 to 90% by weight, more preferably 2 to 50% by weight. When the content of the inorganic particles in the hard coat film is less than the lower limit, since the content of the inorganic particles is small, the effect of including the inorganic particles, that is, the adhesion with the base material, the (pencil) hardness, and the strength The effect of improving may not be obtained. If the content of oxide particles in the hard coat film exceeds the above upper limit, the hard coat film formation matrix is small, so the adhesion to the substrate is reduced, voids are generated, and the strength of the hard coat film is reduced. Sometimes.
[0022]
The thickness of the hard coat film is not particularly limited as long as the relationship with the inorganic particles is within the above range, but it is preferably 1 to 20 μm, more preferably 2 to 10 μm.
However, the average particle diameter of the inorganic particles does not exceed the thickness of the hard coat film.
When the thickness of the hard coat film is less than the lower limit of the above range, since the hard coat film is thin, the stress applied to the antireflection film surface cannot be sufficiently absorbed, resulting in insufficient pencil hardness. There is. When the upper limit of the range is exceeded, it becomes difficult to apply a uniform layer thickness or to dry uniformly. For this reason, the strength and transparency of the antireflection film obtained by the generation of cracks and voids. May be insufficient.
[0023]
In the case of creating a transparent hard coat film, among the above-mentioned inorganic particles, if silica-based particles are used, these particles have a low refractive index, and thus a component for forming a hard coat film (for forming a hard coat film) The difference in refractive index from the refractive index of the matrix) can be reduced, and a substrate with an antireflection film excellent in transparency and haze can be obtained. As such silica-based particles, specifically, silica-based particles, organopolysiloxane-based particles and the like disclosed in JP-A Nos. 63-2110016 and 11-228699 can be suitably used. . The organopolysiloxane-based particles contain organic groups in the particles, and therefore have good dispersibility in the resin described later used as a matrix for forming a hard coat film, and thus a hard coat film having excellent adhesion can be formed. When a transparent hard coat film is prepared, the refractive index difference between the refractive index of the hard coat film forming matrix, the refractive index of the inorganic particles, and the refractive index of the hard coat film forming matrix is 0.2 or less. Further, it is preferably 0.1 or less. When the difference in refractive index exceeds 0.2, visible light scattering becomes significant, and the transparency of the hard coat film and the finally obtained antireflection film may be lowered.
[0024]
When transparency is not required as the hard coat film, among the above-described inorganic particles, for example, a colored one such as a metal colloid or a carbon material may be used.
Furthermore, when transparency is not requested | required, the average particle diameter may contain the colored particle of the range of 5-200 nm and also 10-100 nm with the inorganic particle.
Colored particles include organic pigments such as phthalocyanine and bitumen, inorganic pigments such as zinc oxide, white lead, lead tan, lead suboxide, titanium oxide, alumina, calcium carbonate, magnesium carbonate, barium carbonate, and barium sulfate, as well as carbon. Examples thereof include colored particles such as particles, metal colloid particles such as gold, silver, and platinum. It is difficult to obtain particles having an average particle diameter of less than 5 nm, and it may be difficult to adjust the light shielding property (blind function) of the obtained antireflection film-coated substrate depending on the kind of the colored particles. When the average particle diameter exceeds 200 nm, the scattering of visible light becomes remarkable, and the transparency of the film may be lowered.
[0025]
The content of the colored particles in the hard coat film is preferably in the range of 0.1 to 20% by weight, more preferably 0.2 to 10% by weight.
When the content of the colored particles in the hard coat film is less than 0.1% by weight, the light shielding property described above becomes insufficient, and when it exceeds 20% by weight, the light shielding property is too strong and the transparency tends to be lowered. It is in. In addition, when using a colored particle, it is preferable to use it so that the total content of an above described inorganic particle and a colored particle may be in the range of 1 to 90 weight%.
[0026]
Further, if necessary, the hard coat film may contain particles made of high hardness polystyrene, polycarbonate, or the like together with inorganic particles. Such particles made of polystyrene or polycarbonate can be blended in the hard coat film without being used in combination with inorganic particles.
Such a hard coat film can be formed by applying a coating solution containing a matrix forming component for forming a hard coat film and optional components such as inorganic particles and colored particles.
[0027]
In addition, the coating solution may contain a solvent that can dissolve the matrix-forming component and easily volatilize. If the matrix-forming component is a thermosetting resin, a curing agent is blended as necessary. can do.
In the case of a thermoplastic resin, such a coating solution is applied to a substrate by a known method such as a dipping method, a spray method, a spinner method, or a roll coating method, dried, and cured in the case of a thermosetting resin. If necessary, a hard coat film can be formed by heat treatment at a temperature lower than the softening point of the substrate.
[0028]
Anti-reflection coating
The antireflection film used in the present invention is not particularly limited as long as it has antireflection performance, and a conventionally known antireflection film can be used. Specifically, an antireflection performance is provided if the refractive index is lower than that of the hard coat film.
Such an antireflection film comprises an antireflection film forming matrix and, if necessary, a low refractive index component.
[0029]
The matrix for forming an antireflection film is a component that can form a film on the surface of a substrate such as a hard coat film (or an intermediate film to be described later), and is suitable for conditions such as adhesion to the substrate and hardness coatability. It can be used by selecting from the resin to be used, and the same coating resin as the matrix for forming the hard coat film can be used.
As a low refractive index component, CaF2, NaF, NaAlF6In addition to low refractive index substances such as MgF, silica-based particles (silica particles, silica hollow particles, silica / alumina composite oxide particles), porous silica-based particles, and the like can be given.
[0030]
For example, when composite oxide fine particles in which the surface of porous inorganic oxide fine particles disclosed in JP-A-7-133105 filed by the applicant of the present application is coated with silica are used, the refractive index is low and the reflection is excellent in antireflection performance. A prevention film can be obtained.
On the other hand, it is also possible to use a hydrolyzable organosilicon compound as a matrix. Specifically, for example, a partial hydrolyzate of alkoxysilane obtained by adding water and an acid or alkali as a catalyst to a mixture of alkoxysilane and alcohol is preferably used.
[0031]
The hydrolyzable organosilicon compound includes a general formula RnSi (OR)4-nAn alkoxysilane represented by [R, R ′: a hydrocarbon group such as an alkyl group, an aryl group, a vinyl group, an acrylic group, etc., n = 0, 1, 2, or 3] can be used. In particular, tetraalkoxysilanes such as tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, and tetraisopropoxysilane are preferably used.
[0032]
The content of the low refractive index component in the antireflection film is preferably 90% by weight or less, more preferably 50% by weight or less. If the content of the low refractive index component exceeds 90% by weight, the strength of the coating film and the adhesion to a substrate such as a hard coat film (or an intermediate film described later) may be insufficient, resulting in lack of practicality.
The thickness of the antireflection film is preferably 50 to 300 nm, more preferably 80 to 200 nm.
[0033]
When the thickness of the antireflection film is less than 50 nm, the strength of the film, the antireflection performance, etc. may be inferior. If the thickness of the antireflective film exceeds 300 nm, cracks may occur in the film, resulting in a decrease in film strength, and the film may be too thick, resulting in insufficient antireflection performance.
The refractive index of such an antireflective film varies depending on the mixing ratio of the low refractive index component and the resin matrix, and the refractive index of the resin used, but is usually in the range of 1.28 to 1.50. preferable. If the refractive index of the antireflection film exceeds 1.50, although depending on the refractive index of the substrate, the antireflection performance may be insufficient, and it is difficult to obtain a film having a refractive index of less than 1.28. is there.
[0034]
The antireflection film is formed by applying an antireflection film forming coating solution containing the above-described forming matrix and, if necessary, a low refractive index component and a solvent.
The solvent used is not particularly limited as long as it easily evaporates and does not adversely affect the obtained antireflection film.
The coating solution for forming the antireflection film is not particularly limited, and is applied to the substrate by a known method such as a dipping method, a spray method, a spinner method, or a roll coating method, as in the case of forming the hard coat film. It may be applied and dried. In particular, when the forming component is a thermosetting resin, curing of the hard coat film may be promoted by heat treatment, ultraviolet irradiation treatment, electron beam irradiation treatment, etc. When the decomposable organosilicon compound is contained, the hydrolysis and polycondensation of the hydrolyzable organosilicon compound may be promoted by heat treatment.
[0035]
In the present invention, an intermediate film may be provided between the hard coat film and the antireflection film.
Interlayer film
An intermediate film having a refractive index of 1.6 or more is formed.
In particular, when the refractive index of the substrate is 1.55 or less, the difference from the refractive index of the antireflection film is small, and the antireflection performance may be insufficient. For this reason, the refractive index is 1.6 or more. An intermediate film is preferably formed.
[0036]
In addition, when a coloring component is contained in the hard coat film, it is not always necessary to provide an intermediate film.
The intermediate film is composed of metal oxide fine particles having a high refractive index and, if necessary, an intermediate film forming matrix.
The matrix for forming an intermediate film refers to a component that can form an intermediate film on the surface of the hard coat film, and it is used by selecting from a resin or the like suitable for conditions such as adhesion to the hard coat film and coatability. Specifically, paint resins, hydrolyzable organosilicon compounds such as alkoxysilanes exemplified in the antireflection film, and the like can be used in the same manner as the matrix for forming the hard coat film.
[0037]
As the metal oxide fine particles having a high refractive index, metal oxide particles having a refractive index of 1.60 or more are preferably used. A more preferable refractive index is 1.70 or more. As such metal oxide fine particles, titanium oxide (2.50), zinc oxide (2.0), zirconium oxide (2.20), cerium oxide (2.2), tin oxide (2.0), Thallium oxide (2.1), barium titanate (2.40), aluminum oxide (1.73), magnesium oxide (1.77), yttrium oxide (1.92), antimony oxide (2.0), oxidation And indium (2.0). (Refractive index in parentheses)
Among these, conductive fine particles such as titanium oxide, cerium oxide, tin oxide, antimony oxide, zirconium oxide, and indium oxide, and further conductive particles obtained by doping these fine particles with different elements such as antimony, tin, and fluorine, The obtained base material with an antireflection film is preferable because it has an antistatic effect in addition to the antireflection performance.
[0038]
When the refractive index of the metal oxide particles is less than 1.60, the refractive index of the obtained intermediate film is not 1.60 or more, and the difference in refractive index from the antireflection film is small, resulting in insufficient antireflection performance. The effect of providing the intermediate film may not be sufficiently obtained.
The average particle size of the metal oxide fine particles is preferably in the range of 5 to 100 nm. A more preferable range is 10 to 60 nm. It is difficult to obtain particles having an average particle diameter of less than 5 nm. When the average particle diameter exceeds 100 nm, the scattering of visible light becomes remarkable, and the transparency of the film may be lowered.
[0039]
The content of the metal oxide particles in the intermediate film is not particularly limited as long as an intermediate film having a refractive index of 1.6 or more is obtained, and varies depending on the matrix for forming the intermediate film and the refractive index of the metal oxide particles. Usually, it is preferably 30 to 100% by weight, more preferably 50 to 95% by weight. (Note that the intermediate film does not include a matrix and may be composed of a single metal oxide particle)
When the content of the metal oxide particles in the intermediate film is less than 30% by weight, the refractive index of the intermediate film does not become 1.60 or more depending on the type of the metal oxide particles, and the effect of providing the intermediate film is obtained. It may not be possible.
[0040]
Such an intermediate film is formed by applying an intermediate film forming coating solution containing metal oxide fine particles having a high refractive index, and an intermediate film forming matrix and a solvent as required. When preparing a coating solution for forming an intermediate film using metal oxide fine particles, it is preferably used as a sol in which metal oxide fine particles are dispersed in a dispersion medium, and an organic solvent such as a water-dispersed sol or alcohol. The organic solvent-dispersed sol dispersed in the organic solvent, or after treating the fine particles with a known coupling agent, the organic solvent-dispersed sol dispersed in the organic solvent and the coating resin are diluted with an appropriate organic solvent to obtain an intermediate film It can be set as the coating liquid for formation. Further, a surfactant or the like can be added to the coating solution in order to improve dispersibility, stability and the like.
[0041]
The solvent used is not particularly limited as long as it easily evaporates and does not adversely affect the obtained antireflection film and intermediate film.
The coating method for the coating solution for forming an intermediate film is not particularly limited, as in the case of the coating solution for forming an antireflective film. Like the coating solution for forming a hard coat film, a dipping method or a spraying method is used. It may be applied to a substrate by a known method such as a method, a spinner method, or a roll coating method, and dried, particularly when the forming component is a thermosetting resin, by heat treatment, ultraviolet irradiation treatment, electron beam irradiation treatment, Hardening of the hard coat film may be promoted, and when the hydrolyzable organosilicon compound is included in the forming component, the hydrolysis / polycondensation of the hydrolyzable organosilicon compound is promoted by heat treatment. Also good.
[0042]
When forming the intermediate film in this way, first, after forming the above-mentioned hard coat film on the base material, apply the coating liquid for forming the intermediate film, then dry, and further, if necessary, the softening point of the base material Heat treatment may be performed at a temperature lower than that, and then the above-described antireflection film may be formed.
[0043]
【The invention's effect】
In the present invention, since a hard coat film containing inorganic particles is provided on the surface of the resin base material, it is excellent in scratch resistance, transparency, haze, etc. even though the resin base material is used. A base material with an antireflection film is obtained.
[0044]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further more concretely, this invention is not limited by these Examples.
[0045]
[Preparation example]
[Production of composite oxide fine particle dispersed sol]
27.4 g of methylmethoxysilane was mixed with 872.6 g of a 0.65% strength by weight aqueous sodium hydroxide solution and stirred at room temperature for 1 hour.ThreeSiO3/2A 1.5% by weight colorless and transparent partial hydrolyzate was prepared.
[0046]
Then, the average particle diameter as seed particles is 5 nm, SiO.2A mixture of 20 g of silica sol having a concentration of 20% by weight and 380 g of pure water was heated to 80 ° C. The pH of this reaction mother liquor is 10.5, and the mother liquor contains SiO.2900 g of 1.5% by weight sodium silicate aqueous solution, 900 g of the aqueous solution of the partial hydrolyzate, Al2OThreeAs a solution, 1800 g of a sodium aluminate aqueous solution having a concentration of 0.5% by weight was simultaneously added over 6 hours. Meanwhile, the temperature of the reaction mother liquor was maintained at 80 ° C. The pH of the reaction mother liquor rose to 12.7 immediately after the addition and hardly changed thereafter. After completion of the addition, the reaction solution is cooled to room temperature, washed with an ultrafiltration membrane, and a methyl group-containing SiO2 having a solid content concentration of 20% by weight.2・ Al2OThreeA dispersion of composite oxide fine particles (A-1) was obtained.
[0047]
Next, 550 g of pure water was added to 250 g of the dispersion of composite oxide fine particles (A-1) and heated to 98 ° C., and the sodium silicate aqueous solution was dealkalized with a cation exchange resin while maintaining this temperature. Silicic acid solution (SiO2(Concentration of 3.5% by weight) 1,000 g was added over 5 hours, and the silica-coated methyl group-containing SiO2・ Al2A dispersion of O3 composite oxide fine particles (B-1) was obtained. Subsequently, 1125 g of pure water was added to 500 g of a dispersion having a solid content of 13% by weight, which was washed with an ultrafiltration membrane, and concentrated hydrochloric acid (concentration 35.5% by weight) was added dropwise to adjust the pH to 1.0. Then, a treatment for removing aluminum from the fine particles was performed.
[0048]
Next, while adding 10 L of hydrochloric acid aqueous solution of pH 3.0 and 5 L of pure water, the dissolved aluminum salt is washed and removed using an ultrafiltration membrane, and concentrated and coated with silica having a solid content concentration of 13% by weight. SiO2・ Al2OThreeA dispersion of composite oxide fine particles (C-1) was obtained.
Next, a mixture of 1500 g of the composite oxide fine particle (C-1) dispersion, 500 g of pure water, 1,750 g of ethanol and 626 g of ammonia water having a concentration of 28% by weight was heated to 35 ° C., and then ethyl silicate ( SiO2104 g) was added and coated with the silica. This is concentrated to 5% by weight of solid content with an evaporator, adjusted to pH 10 by adding ammonia water with a concentration of 15% by weight, heated at 180 ° C. for 2 hours in an autoclave, and then concentrated with an ultrafiltration membrane to obtain solid content. Methyl group-containing SiO completely coated with 10% by weight silica2・ Al2OThreeA dispersion of composite oxide fine particles (D-1) was obtained.
[0049]
This silica-coated composite oxide fine particle (D-1)2/ Al2OThreeThe molar ratio was 278, the average particle size was 34 nm, and the refractive index was 1.36.
The refractive index of the particles was measured as follows.
(1) A dispersion of the composite oxide fine particles (D-1) is taken in an evaporator and the dispersion medium is evaporated.
(2) This is dried at 120 ° C. to obtain a powder.
(3) A standard refraction liquid having a known refractive index is dropped on a glass plate of a few drops, and the above powder is mixed therewith.
(4) The operation of (3) is performed with various standard refractive liquids, and the refractive index of the standard refractive liquid when the mixed liquid (paste) becomes transparent is used as the refractive index of the fine particles.
[0050]
[Example 1]
Hard coat film forming coating solution ( H-1 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle diameter of 4 μm) were used as inorganic particles, and 55.55 g of a silica particle ethanol dispersion having a concentration of 20 wt% dispersed in ethanol was prepared. 100 g of acrylic resin (Hitaroid 1007, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., refractive index 1.49) and 400 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol were sufficiently mixed to form a hard coat film. Coating solution (H-1) was prepared.
[0051]
Coating liquid for antireflection film formation (R-1) Preparation of
The dispersion liquid of the composite oxide fine particles (D-1) obtained in the above preparation example was passed through an ultrafiltration membrane, and water in the dispersion medium was replaced with ethanol. 50 g of this ethanol sol (solid content concentration 5% by weight), 3 g of UV curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500, refractive index 1.50) and 1/1 (weight ratio of isopropanol and n-butanol) ) 47 g of the mixed solvent was thoroughly mixed to prepare an antireflection film-forming coating solution (R-1).
[Manufacture of base material with antireflection film (F-1)]
The hard coat film-forming coating solution (H-1) was applied to a PET film (thickness: 188 μm, refractive index: 1.65) by a bar coater method, and dried at 80 ° C. for 1 minute. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0052]
Next, an antireflection film-forming coating solution (R-1) is applied by a bar coater method, dried at 80 ° C. for 1 minute, and then cured by irradiation with a high-pressure mercury lamp (80 W / cm) for 1 minute to prevent reflection. A substrate with film (F-1) was prepared. At this time, the thickness of the antireflection film was 80 nm.
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance of light having a wavelength of 550 nm, and refractive index of the coating of the obtained base material with antireflection film (F-1) and uncoated PET film (F-0). Show. The total light transmittance and haze were measured by a haze meter (manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.), and the reflectance was measured by a spectrophotometer (JASCO Corporation, Ubest-55). The refractive indexes of the hard coat film and the antireflection film were determined by applying each of the above coating liquids individually to a silicon wafer in the same manner as described above, drying and heat treatment, and using an ellipsometer (EMS-1 manufactured by ULVAC). It was measured.
[0053]
Adhesion
The surface of the base with antireflection film (F-1) is made with 11 parallel scratches with a knife at intervals of 1 mm in length and width to make 100 squares, and cellophane tape (R) is adhered to it, and then cellophane. Adhesion was evaluated by classifying the number of squares that remained without peeling off the film when the tape was peeled into the following four stages. The results are shown in Table 1.
[0054]
Number of remaining cells: 95 or more: ◎
Number of remaining squares 90-94: ○
Number of remaining squares: 85-89:
Number of remaining squares: 84 or less: ×
Pencil hardness measurement
It measured with the pencil hardness tester according to JIS-K-5400.
[0055]
Measurement of scratch resistance
(Using # 0000 steel wool, load 500g / cm2The film surface was visually observed, evaluated according to the following criteria, and the results are shown in Table 1.
Evaluation criteria:
No streak injury is found: ◎
Slightly scratched streak: ○
Many scratches are found in the streak: △
The surface has been cut entirely: ×
[0056]
[Example 2]
Hard coat film forming coating solution ( H-2 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle size 4 μm) were used as inorganic particles, and 55.55 g of a silica particle ethanol dispersion having a concentration of 20% by weight dispersed in ethanol was prepared. 100 g of urethane-based UV curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500) and 400 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol were mixed thoroughly to form a hard coat film. A coating solution (H-2) was prepared.
[0057]
Coating liquid for intermediate film formation ( M-1 Preparation of
Titanium oxide colloid (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; Optolake 1130Z, refractive index 2.2, average particle diameter 20 nm, concentration 20% by weight) 20 g as high refractive index particles, and UV curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd. Manufactured by: Unidic V5500, refractive index 1.50) 0.44 g and isopropanol 6.7 g were sufficiently mixed to prepare a coating solution (M-1) for forming an intermediate film.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-2)]
The coating liquid for forming a hard coat film (H-2) was applied to a PET film (thickness: 188 μm, refractive index: 1.65) by a bar coater method, dried at 80 ° C. for 1 minute, and then subjected to a high-pressure mercury lamp (80 W / Cm) for 1 minute to cure. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0058]
Subsequently, the coating liquid for forming an intermediate film (M-1) was applied by a bar coater method and dried at 80 ° C. for 1 minute. At this time, the thickness of the intermediate film was 80 nm. The refractive index was 1.80.
Next, in the same manner as in Example 1, an antireflection film-forming coating solution (R-1) was applied by a bar coater method, dried at 80 ° C. for 1 minute, and irradiated with ultraviolet rays to form an antireflection film-coated substrate (F -2) was prepared. At this time, the thickness of the antireflection film was 80 nm.
[0059]
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-2). The refractive index of the intermediate coating was measured with an ellipsometer (EMS-1 manufactured by ULVAC) by applying the intermediate coating forming coating solution (M-1) to a silicon wafer in the same manner as described above, drying and heating treatment. . Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0060]
[Example 3]
Hard coat film forming coating solution ( H-3 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle diameter of 4 μm) were used as inorganic particles, and 277.8 g of a silica particle ethanol dispersion liquid having a concentration of 20 wt% dispersed in ethanol was prepared. To this, 55.5 g of an ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500, refractive index 1.50) and 222.2 g of a mixed solvent of isopropanol and n-butanol in 1/1 (weight ratio) were sufficiently added. By mixing, a coating liquid for forming a hard coat film (H-3) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-3)]
A hard coat film was formed in the same manner as in Example 2 except that the coating liquid for forming a hard coat film (H-3) was used. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0061]
Subsequently, in the same manner as in Example 2, an intermediate coating and an antireflection film were formed to obtain a substrate with antireflection film (F-3).
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-3). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0062]
[Example 4]
Hard coat film forming coating solution ( H-4 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle diameter of 8 μm) were used as inorganic particles, and 277.8 g of a silica particle ethanol dispersion liquid having a concentration of 20 wt% dispersed in ethanol was prepared. A hard coat film was prepared by thoroughly mixing 55.5 g of an ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500) and 222.2 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol. A forming coating solution (H-4) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-4)]
A hard coat film was formed in the same manner as in Example 2 except that the coating liquid for forming a hard coat film (H-4) was used. At this time, the thickness of the hard coat film was 10 μm.
[0063]
Subsequently, in the same manner as in Example 2, an intermediate coating and an antireflection film were formed to obtain a substrate with antireflection film (F-4).
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-4). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0064]
[Example 5]
Hard coat film forming coating solution ( H-5 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle size 1.5 μm) were used as inorganic particles, and 167.7 g of silica particle ethanol dispersion liquid having a concentration of 20 wt% dispersed in ethanol was prepared. did. To this was sufficiently 77.7 g of an ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500, refractive index 1.50) and 311.1 g of a mixed solvent of 1/1 (weight ratio) of isopropanol and n-butanol. By mixing, a coating liquid for forming a hard coat film (H-5) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-5)]
A hard coat film was formed in the same manner as in Example 2 except that the coating liquid for forming a hard coat film (H-5) was used and applied to a PET film (thickness: 100 μm, refractive index: 1.65). . At this time, the thickness of the hard coat film was 2 μm.
[0065]
Subsequently, in the same manner as in Example 2, an intermediate coating and an antireflection film were formed to obtain a base material with antireflection film (F-5).
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-5). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0066]
[Example 6]
Hard coat film forming coating solution ( H-6 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle diameter of 4 μm) were used as inorganic particles, and 167.7 g of a silica particle ethanol dispersion liquid having a concentration of 20% by weight dispersed in ethanol was prepared. To this was sufficiently 77.7 g of an ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500, refractive index 1.50) and 311.1 g of a mixed solvent of 1/1 (weight ratio) of isopropanol and n-butanol. By mixing, a coating liquid for forming a hard coat film (H-6) was prepared.
[0067]
Coating liquid for intermediate film formation ( M-2 Preparation of
Preparation of metal oxide particles(ITO)
A solution obtained by dissolving 79.9 g of indium nitrate in 686 g of water and a solution obtained by dissolving 12.7 g of potassium stannate in a potassium hydroxide solution having a concentration of 10% by weight were prepared. Was added to 1000 g of pure water maintained at 50 ° C. over 2 hours. During this time, the pH in the system was maintained at 11. The Sn-doped indium oxide hydrate dispersion was filtered and washed from the obtained Sn-doped indium oxide hydrate dispersion, dried, then calcined in air at a temperature of 350 ° C. for 3 hours, and further 600 in air. By baking at a temperature of 2 ° C. for 2 hours, Sn-doped indium oxide fine particles were obtained. The Sn-doped indium oxide fine particles were dispersed in pure water so as to have a concentration of 30% by weight, and further adjusted to pH 3.5 with an aqueous nitric acid solution. Then, this mixture was maintained at 30 ° C. with a sand mill. A sol was prepared by grinding for a period of time. Next, this sol was treated with an ion exchange resin to remove nitrate ions, and pure water was added to prepare a conductive metal oxide particle-dispersed sol having a concentration of 20% by weight. (At this time, the average particle diameter was 50 nm and the refractive index was 1.80.)
20 g of the above conductive metal oxide particle-dispersed sol, 0.44 g of an ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500) and 6.7 g of isopropanol are sufficiently mixed to form a coating solution for forming an intermediate film ( M-2) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-6)]
A hard coat film was formed in the same manner as in Example 2 except that the hard coat film forming coating solution (H-6) was used. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0068]
Thereafter, a substrate with antireflection film (F-6) was obtained in the same manner as in Example 2 except that the coating solution for forming an intermediate coating (M-2) was used. At this time, the thickness of the intermediate layer was 120 nm.
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-5). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0069]
[Example 7]
Hard coat film forming coating solution ( H-7 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle diameter of 4 μm) were used as inorganic particles, and 167.7 g of a silica particle ethanol dispersion liquid having a concentration of 20% by weight dispersed in ethanol was prepared. 77.7 g of acrylic resin (Hitaroid 1007, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., refractive index 1.49) and 311.1 g of a 1: 1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol were mixed thoroughly. A coating liquid for forming a hard coat film (H-7) was prepared.
[0070]
Coating liquid for intermediate film formation ( M-3 Preparation of
Ethyl silicate (SiO2A small amount of hydrochloric acid was added to a mixed solution of 20 g (concentration 28 wt%), ethanol 45 g and pure water 5.33 g to obtain a matrix containing a partial hydrolyzate of ethyl silicate. This was thoroughly mixed with 252 g of a conductive metal oxide particle-dispersed sol having a concentration of 20% by weight obtained in the same manner as in Example 6 to prepare a coating liquid (M-3) for forming an intermediate film.
[0071]
Coating liquid for antireflection film formation (R-2) Preparation of
Ethyl silicate (SiO2A small amount of hydrochloric acid was added to a mixed solution of 20 g (concentration 28 wt%), ethanol 45 g and pure water 5.33 g to obtain a matrix containing a partial hydrolyzate of ethyl silicate. To this, 74.6 g of ethanol sol (solid content concentration 5% by weight) of the composite oxide fine particles (D-1) obtained in the same manner as in Example 1 was sufficiently mixed to form a coating solution for forming an antireflection film ( R-2) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-7)]
The coating solution for forming a hard coat film (H-7) was applied to an acrylic plate (Mitsubishi Rayon Co., Ltd .: acrylite, refractive index 1.49) by a bar coater method, and dried at 80 ° C. for 1 minute. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0072]
Next, a coating solution (M-3) for forming an intermediate film was applied by a bar coater method, and then dried at 80 ° C. for 30 minutes. At this time, the thickness of the intermediate film was 100 nm.
Next, after applying the coating solution (R-2) for forming an antireflection film by the bar coater method, drying at 80 ° C. for 30 minutes, and heat-treating at 120 ° C. for 30 minutes, the substrate with antireflection film (F− 7) was prepared. At this time, the thickness of the antireflection film was 80 nm.
[0073]
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-7). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0074]
[Example 8]
Preparation of oxide particles
A solution (solution A) in which 8 g of methyltrimethoxysilane and 8 g of tetramethoxysilane were dissolved in 350 g of ethanol was prepared. On the other hand, a mixed solution (liquid B) of 6 g of pure water, 78 g of 28% ammonia water and 350 g of ethanol was prepared.
[0075]
The liquid A and the liquid B were mixed and stirred at 25 ° C. for 3 hours to hydrolyze / condense the alkoxysilane. Further, 3.3 g of a 1% by weight potassium hydroxide aqueous solution was added, and sonication was further performed for 10 minutes to stabilize the seed. At this time, the pH was 12. The average particle size of the seed particles in this seed particle dispersion was 0.15 μm as a result of measurement by a centrifugal particle size distribution measurement method.
[0076]
The seed particle dispersion was heated and concentrated until the obtained seed particle dispersion became 160 g, and then alkali and ammonia were removed using 10 cc of cation exchange resin. To this seed particle dispersion, 5000 g of pure water and 250 g of butanol were added. The seed particle dispersion thus diluted is cooled to 0 ° C., and while maintaining this temperature, a mixed solution of 400 g of methyltrimethoxysilane and 100 g of vinyltrimethoxysilane is added to this seed particle dispersion at 0.005 g / pure water— While dropping at an addition rate of g · hour, an aqueous ammonia solution having a concentration of 0.028% was added at an addition rate of about 0.012 / pure water-g · hour, and the pH of the seed particle dispersion was 8.0. The seed particles were grown by hydrolyzing and condensing methyltrimethoxysilane and vinyltrimethoxysilane on the seed particles. Then, after stirring at 20 ° C. for 2 hours, the mixture was further heated to 80 ° C. and aged for 5 hours.
[0077]
The obtained fine particles were separated from the liquid, dried, and then heated at 220 ° C. while supplying air with a relative humidity of 60% to obtain organopolysiloxane fine particles.
The obtained fine particles contained an organic group and contained 19% by weight as carbon. The average particle size was 7.6 μm, the 10% compression modulus was 205 Kgf / mm 2, and the particle size variation coefficient was 1.8%.
[0078]
Hard coat film forming coating solution ( H-8 Preparation of
Using the above-mentioned organopolysiloxane fine particles as inorganic particles and dispersing them in ethanol, 167.7 g of a silica particle ethanol dispersion having a concentration of 20% by weight was prepared. 77.8 g of ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500, refractive index 1.50) and 311 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol were sufficiently mixed with this. Thus, a coating solution for forming a hard coat film (H-8) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-8)]
The hard coat film forming coating solution (H-8) was applied to an acrylic plate (Mitsubishi Rayon Co., Ltd .: acrylite, refractive index 1.49) by a bar coater method and dried at 80 ° C. for 1 minute. It was cured by irradiation with a high pressure mercury lamp (80 W / cm) for 1 minute. At this time, the thickness of the hard coat film was 10 μm.
[0079]
Thereafter, an intermediate film and an antireflection film were formed in the same manner as in Example 7 to prepare a base material with antireflection film (F-8).
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-8). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0080]
[Example 9]
Hard coat film forming coating solution ( H-9 Preparation of
SiO as inorganic particles2・ ZrO2Using particles (Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .: P-1500K, average particle diameter of 5 μm, refractive index of 1.49), 167.7 g of silica particle ethanol dispersion having a concentration of 20% by weight dispersed in ethanol was prepared. did. Thoroughly mix 134.2 g of acrylic resin (Hitaroid 1007, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., refractive index 1.49) and 537.3 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol. A coating liquid for forming a hard coat film (H-9) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-9)]
The coating liquid for forming a hard coat film (H-9) was applied to an acrylic plate (Mitsubishi Rayon Co., Ltd .: acrylite, refractive index 1.49) by a bar coater method and dried at 80 ° C. for 1 minute. At this time, the thickness of the hard coat film was 10 μm.
[0081]
Thereafter, an intermediate film and an antireflection film were formed in the same manner as in Example 7 to prepare a base material with antireflection film (F-9).
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-9). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0082]
[Example 10]
Hard coat film forming coating solution ( H-10 Preparation of
SiO as inorganic particles2・ ZrO235 g of particles (Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .: P-1500K, average particle size 5 μm, refractive index 1.49) are dispersed in 140 g of water, and 2 g of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane is used as a silane coupling agent. And stirred at 60 ° C. for 1 hour. Next, 167.7 g of an ethanol dispersion of silica / zirconore particles having a concentration of 20 wt% dispersed in ethanol after solvent substitution was prepared. Thoroughly mix 134.2 g of acrylic resin (Hitaroid 1007, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., refractive index 1.49) and 537.3 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol. A coating liquid for forming a hard coat film (H-10) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-10)]
The coating solution for forming a hard coat film (H-10) was applied to an acrylic plate (Mitsubishi Rayon Co., Ltd .: acrylite, refractive index 1.49) by a bar coater method and dried at 80 ° C. for 1 minute. At this time, the thickness of the hard coat film was 10 μm.
[0083]
Thereafter, an intermediate film and an antireflection film were formed in the same manner as in Example 7 to prepare a base material with antireflection film (F-10).
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-10). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0084]
Example 11
Hard coat film forming coating solution ( H-11 Preparation of
Silica particles (manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd .; true sphere SW, average particle diameter of 4 μm) were used as inorganic particles, and 50 g of a silica particle ethanol dispersion having a concentration of 20% by weight dispersed in ethanol was prepared.
[0085]
Using platinum particles (Tokuroku Main Store Co., Ltd .: TPT-200, average particle size 0.1 μm, spherical black particles) as colored particles, and 100 g of a platinum particle ethanol dispersion liquid having a concentration of 20 wt% dispersed in ethanol. Prepared.
70 g of ultraviolet curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500) and 280 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol were sufficiently mixed with this, and a coating solution for forming a hard coat film (H-11) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (F-11)]
The coating liquid for forming a hard coat film (H-11) was applied to a PET film (thickness: 188 μm, refractive index: 1.65) by a bar coater method, and dried at 80 ° C. for 1 minute. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0086]
Thereafter, an intermediate film and an antireflection film were formed in the same manner as in Example 7 to prepare a base material with antireflection film (F-11).
The table shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating film of the obtained base material with antireflection film (F-11). Also, adhesion, pencil hardness, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0087]
[Comparative Example 1]
Hard coat film forming coating solution ( RH-1) Preparation of
100 g of acrylic resin (Hitaroid 1007, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., refractive index 1.49) and 400 g of a 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol are sufficiently mixed to form a hard coat film. A liquid (RH-1) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (RF-1)]
A substrate with antireflection film (RF-1) was prepared in the same manner as in Example 1 except that the coating liquid for forming a hard coat film (RH-1) was used. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0088]
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating of the obtained base material with antireflection film (RF-1). Further, adhesion, pencil height, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0089]
[Comparative Example 2]
Hard coat film forming coating solution ( RH-2 Preparation of
Hard coat film by thoroughly mixing 100 g of UV curable resin (Dainippon Ink Co., Ltd .: Unidic V5500, refractive index 1.50) and 400 g of 1/1 (weight ratio) mixed solvent of isopropanol and n-butanol. A forming coating solution (RH-2) was prepared.
[Manufacture of base material with antireflection film (RF-2)]
A substrate with antireflection film (RF-2) was prepared in the same manner as in Example 2 except that the hard coat film forming coating solution (RH-2) was used. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0090]
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating of the obtained base material with antireflection film (RF-2). Further, adhesion, pencil height, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0091]
[Comparative Example 3]
[Manufacture of base material with antireflection film (RF-3)]
A hard coat film-forming coating solution (RH-1) obtained in the same manner as in Comparative Example 1 was applied to an acrylic plate (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd .: acrylite, refractive index 1.49) by a bar coater method. Dried for 1 minute at ° C. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
[0092]
Thereafter, a substrate with antireflection film (RF-3) was prepared in the same manner as in Example 7. At this time, the thickness of the hard coat film was 5 μm.
Table 1 shows the total light transmittance, haze, reflectance, and refractive index of each coating of the obtained base material with antireflection film (RF-3). Further, adhesion, pencil height, and scratch resistance were measured, and the results are shown in Table 1.
[0093]
[Table 1]
Figure 0003955971

Claims (4)

樹脂基材と、該樹脂基材上に形成された無機物粒子および膜形成用マトリックスを含むハードコート膜と、該ハードコート膜上に形成された反射防止膜とからなり、無機物粒子の平均粒子径(Dp)と該ハードコート膜の厚さ(Th)との比(Dp/Th)が0.2〜1.0の範囲にあり、
前記無機物粒子の屈折率と膜形成用マトリックスの屈折率との屈折率差が0 . 2以下であり、
基材の屈折率が1 . 55以下であり、前記ハードコート膜と反射防止膜との間に屈折率が1 . 6以上の中間膜を有し、
前記中間膜が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タリウム、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化アンチモン、酸化インジウムからなる群から選ばれる無機酸化物粒子、またはこれら微粒子にアンチモン、スズ、フッ素の異種元素をドープした導電性微粒子を含み、
基材全体としてのヘーズが 0.2 3.5 の範囲にあることを特徴とする反射防止膜付基材。
A resin substrate, a hard coat film containing inorganic particles and a film-forming matrix formed on the resin substrate, and an antireflection film formed on the hard coat film, and an average particle diameter of the inorganic particles The ratio (Dp / Th) between (Dp) and the thickness (Th) of the hard coat film is in the range of 0.2 to 1.0 ,
Refractive index difference between the refractive index of the film-forming matrix of the inorganic particles is at 0.2 or less,
Refractive index of the substrate 1. Is 55 or less, the refractive index between the hard coat film and the antireflection film has a 1. 6 or more intermediate layer,
The intermediate film is an inorganic oxide selected from the group consisting of titanium oxide, zinc oxide, zirconium oxide, cerium oxide, tin oxide, thallium oxide, barium titanate, aluminum oxide, magnesium oxide, yttrium oxide, antimony oxide, and indium oxide. Particles, or conductive fine particles doped with different elements of antimony, tin, and fluorine in these fine particles,
A substrate with an antireflection film, wherein the haze as a whole substrate is in the range of 0.2 to 3.5 .
前記膜形成用マトリックスが樹脂マトリックスであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜付基材。  The base material with an antireflection film according to claim 1, wherein the film forming matrix is a resin matrix. 無機物粒子の平均粒子径が0.2〜20μmの範囲にあり、かつハードコート膜の厚さが1〜20μmの範囲にあり(ただし無機物粒子の平均粒子径はハードコート膜の厚さを越えることはない)、ハードコート膜中の無機物粒子の含有量が0.1〜90重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜付基材。  The average particle diameter of the inorganic particles is in the range of 0.2 to 20 μm, and the thickness of the hard coat film is in the range of 1 to 20 μm (however, the average particle diameter of the inorganic particles exceeds the thickness of the hard coat film) The substrate with an antireflection film according to claim 1 or 2, wherein the content of the inorganic particles in the hard coat film is in the range of 0.1 to 90% by weight. ハードコート膜はさらに、平均粒子径が5〜200nmの範囲の着色粒子を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止膜付基材。  The substrate with an antireflection film according to any one of claims 1 to 3, wherein the hard coat film further contains colored particles having an average particle diameter in the range of 5 to 200 nm.
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