JP3955954B2 - 匂い発生装置と匂いの記録再生システム - Google Patents

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Description

本発明は、匂い発生装置と、匂いの記録再生システムとに関する。
匂いを記録する方法として、人は言葉、文字等の言語表現を用いることが一般的であるが、このような言語表現で実際に匂いを伝え合うことや、匂いを思い浮かべることは困難である。匂いを記録するためには客観的な計測手段が必要で、近年発達してきた匂いセンサを用いて匂いを測定し、電子的に記録すれば匂いの再生が容易になる。
匂いの記録再生システムは、記録対象の匂いと、匂い発生装置により作り出された匂いに対する匂いセンサの応答パターンとを逐次比較し、混合臭の濃度定量を行う能動型匂いセンシングを用いる。匂いの記録再生システムは、バーチャルリアリティ、ゲーム、映画、テレビ、オンラインショッピング等、数多くの分野で応用が期待されている。
最近では、仮想空間において嗅覚情報を提示する研究が始まり、風力センサを用いた仮想空間へのインタフェースと嗅覚情報の提示により、仮想空間に対する現実感が高くなることも示されている。本発明者らは、MFC(マスフローコントローラ)や電磁弁を使った匂い発生器を構成し、複数成分の匂い記録に成功している。
多数成分の匂いを調合する従来の装置は、複数のマスフローコントローラをもちいてその流量比をコントロールすることによって実現されている。しかしながら、マスフローコントローラは高価な装置であり、多数使用すると大掛かりな装置となってしまう。
このような問題を解決するために、本発明者は、特開2002−277367号公報において、電磁弁を高速開閉して任意の比率で調合するシステムを開示している。
しかしながら、上記2つの従来の匂い調合システムの双方において、揮発性の低い香気成分を匂いセンサで測定した場合、配管を通過するのに時間を要するため、測定時間が長くなるという問題があった。
本発明は、上述したような従来技術の問題を解決し、揮発性の低い香気成分の匂いを発生させる匂い発生装置を実現し、匂いセンサと組み合わせて記録できる匂いの範囲を広げた匂いの記録再生システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、匂いの元になる液体試料を入れたサンプルビンと、前記液体試料を吐出するインクジェット素子と、内部を前記液体試料で満たして前記サンプルビンから前記インクジェット素子に前記液体試料を供給するチューブと、前記インクジェット素子が吐出した液体を加熱気化させるように配置されたメッシュヒータとを具え、前記サンプルビンに入れた液体試料の液面の高さを一定に保つようにして前記インクジェット素子のノズル先端の圧力を一定に保つようにしたことを特徴とする匂い発生装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の匂い発生装置において、前記インクジェット素子を複数具え、各々のインクジェット素子を別々に制御することを特徴とする匂い発生装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の匂い発生装置において、各インクジェット素子が各々異なる要素臭の元になる液体を吐出することを特徴とする匂い発生装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の匂い発生装置において、予め決められた混合比にしたがって各インクジェット素子が吐出する液体の量を決定することを特徴とする匂い発生装置である。
請求項5に記載の発明は、各々が異なる要素臭の元になる液体を吐出する複数のインクジェット素子と、前記複数のインクジェット素子が吐出した液体を加熱気化し、混合臭を発生するように配置されたメッシュヒータと、前記メッシュヒータによって発生された要素臭を測定するように配置された各々特性が異なる複数のガスセンサを含むセンサアレイと、対象臭に対する前記センサアレイのセンサ応答パターンを記憶する手段と、各々の前記インクジェット素子が吐出する液体の混合比を変更しながら混合臭に対する前記センサアレイのセンサ応答パターンを逐次測定し、前記対象臭に対するセンサ応答パターンに近い混合臭に関する前記液体の混合比を決定する手段とを具え、前記要素臭の元になる液体を入れたサンプルビンから、内部を前記液体で満たしたチューブによって前記インクジェット素子に前記液体を供給し、前記サンプルビンに入れた液体の液面の高さを一定に保つようにして前記インクジェット素子のノズル先端の圧力を一定に保つようにしたことを特徴とする匂いの記録再生システムである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の匂いの記録再生システムにおいて、前記対象臭と混合臭とのセンサ応答パターンが一致する度合いをパターンマッチング指標により測り、その指標値を用いて前記混合比を変更することを特徴とする匂いの記録再生システムである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の匂いの記録再生システムにおいて、前記パターンマッチング指標を、前記センサアレイ内の各センサ応答で構成されるセンサ応答空間における重み付け距離で計算することを特徴とする匂いの記録再生システムである。
請求項8に記載の発明は、請求項5、6又は7に記載の匂い記録再生システムにおいて、前記メッシュヒータにセンサセルを結合し、前記センサセルの内側側面に前記ガスセンサを取り付けたことを特徴とする匂いの記録再生システムである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の匂い記憶再生システムにおいて、前記ガスセンサを前記センサセルの壁面から離して中空に配置したことを特徴とする匂いの記録再生システムである。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の匂い記録再生システムにおいて、前記センサセルにポンプを接続し、前記メッシュヒータによって気化された液体を前記ガスセンサに導くように構成したことを特徴とする匂い記録再生システムである。
本発明によれば、任意の間隔で任意の量を吐出することができるインクジェット素子と、メッシュヒータとを用いることにより、揮発性の低い匂いを発生させることが容易な匂い発生器を実現することができ、揮発性の低い匂いを記録再生することができる匂いの記録再生システムを実現することができる。
図1は、本発明による匂いの記録再生システムの原理を説明する図である。まず、記録の対象となる匂い(対象臭)を特性の異なる複数のガスセンサを有するセンサアレイに導入してセンサ応答パターンを測定し、記憶する。次に、複数用意した匂いの要素となる成分臭(要素臭)を混ぜ合わせて匂い発生装置によって匂いを発生させ、その匂い(調合臭)の応答パターンを測定し、対象臭に対する応答パターンと比較する。両者のパターンが一致した場合、調合臭における要素臭の混合比より対象臭のレシピを知ることができる。両者が一致しない場合、対象臭の出力パターンに近づくように非線形最適化アルゴリズムや適応制御理論により調合臭のレシピを変更して再び応答パターンを比較する。レシピの変更を繰り返すことで、調合臭の出力パターンと、記憶した対象臭のパターンとが近くなり、収束する。収束した時の調合臭のレシピを電子的に保存して、対象臭の記録が完了する。
対象臭と調合臭のセンサアレイ出力パターンが一致する度合いは、パターンマッチング指標により測り、その指標値を用いて調合臭のレシピ変更を行う。パターンマッチング指標は、センサアレイ内の各センサ応答で構成されるセンサ応答空間における重み付け距離で計算される。このレシピ決定の方法を能動センシングと呼ぶ。
記録した匂いを再生する場合は匂い発生装置だけあればよい。電子的に保存したレシピをもとに要素臭を混ぜ合わせて匂いを発生させることによって再生することができる。調合装置は、記録に用いた装置を用いてもよいし、異なる場所に置かれた装置を用いてもよい。また、遠隔地で匂いの再生を行う場合、インターネットを介してレシピを伝達することも可能である。
図2は、本発明による匂い発生装置の構成の一例を示す図である。匂い発生装置は、匂いの元になる液体試料を吐出するインクジェット素子2と、インクジェット素子2が吐出した液体試料を加熱気化するメッシュヒータ10とから成る。説明を簡単にするため、この図ではインクジェット素子2を1個のみ示すが、例えば各々が異なった要素臭の元になる液体試料を吐出する複数のインクジェット素子を具えてもよい。この場合、各インクジェット素子がそれぞれ異なった要素臭の元になる液体を吐出するように構成すれば、混合比が変化するように各インクジェット素子の吐出量を調節することによって様々な匂いを発生させることができる。前記混合比を、インクジェット素子2に接続された外部記憶装置(図示せず)から得てもよく、インターネット等を経て遠隔地から得てもよい。好適には、液体試料をインクジェット素子2に供給するサンプルビン6をテフロン(登録商標)チューブ4によってインクジェット素子2に接続し、サンプルビン6をジャッキ8上に載せ、液面を一定に保つようにする。この図に示す例においては匂いの記録再生システムにおける使用を想定し、メッシュヒータ10にはセンサセル12を結合する。センサセル12の内側側面には特性の異なる複数の匂いセンサを具えるセンサアレイ14を取り付ける。センサセル12にポンプ16を取り付け、メッシュヒータ10によって液体試料が加熱気化されることによって発生した匂いがセンサアレイ14に到達するようにする。
インクジェット素子2は、その内部に液体試料を充填し、要素臭の供給源となる。インクジェット素子2は、微少な体積を吐出することが可能なデバイスであり、微少量を繰り返し吐出することで、発生させる匂いの濃度を細かく設定することができる。インクジェット素子2としては、純水を充填した場合、例えば、印加電圧1パルスあたり約200pl吐出することができるようなインクジェット素子を用いる。インクジェット素子2として、例えば、マイクロファブ社によって製造されるMJ−AB−01−60を用いてもよい。一般に、インクジェット素子は、圧電パルスを印加すると、素子内部にある圧電素子がひずみ、液体試料の体積変化を引き起こして圧力を伝える。伝搬する圧力がノズル先端の表面張力よりも大きい場合、液滴が作られ吐出される。等しい体積の液滴を作り出すためには、液体試料の重さによってノズル先端にかかる圧力を一定に保つ必要がある。圧力の調節は手動で行ってもよい。例えば、目印を付けたテフロン(登録商標)チューブ(内径1mm、長さ14mm)を用意してインクジェット素子2につなぎ、試料を目印の位置まで充填する。目印の位置から液面が下がった場合はマイクロシリンジを使って液面を調節する。しかし、このような手動での調節は、ノズルに加わる圧力の変動が大きいといった問題がある。そこで、図2の例に示すように、例えば、小型のジャッキ8の上に試料を入れたサンプルビン6(14ml)を用意し、インクジェット素子2とつなげたテフロン(登録商標)チューブ4(内径1mm)を試料で満たし、液面の高さを一定に保つようにすれば、ノズル先端の圧力を一定に保つことができる。
メッシュヒータ10は、ステンレスメッシュを具え、このステンレスメッシュを、例えば、ニラコ社によって販売される線径0.028mm、325メッシュ、10×10mmのものとする。メッシュヒータ10に直流電流を流して急峻な温度変化を作り出す。メッシュに電流を流す時間と電流値によって、メッシュヒータ10の到達温度を制御することができる。メッシュヒータ10は、インクジェット素子2が吐出した液体試料を受け、これを加熱し、気化する。
図3は、本発明による匂いの記録再生システムの構成の一例を示すブロック図である。説明のため、実際の匂いの記録再生システムの構成と比べて簡略化している。図2と同じ参照符は同様の要素を示す。センサセル12は、その内側側面にセンサアレイ14を具える。センサセル12にポンプ16を接続し、インクジェット素子2から吐出された液体試料がメッシュヒータ10によって加熱気化されることによって生じた匂いが、ポンプ16によって吸引され、センサアレイ14に到達するようにする。ポンプ16の後方にはバルブつきフローメータ26を接続してセンサセル12を流れる流量を測定および調節する。センサアレイ14を発振回路(図示せず)に接続し、発振回路出力の周波数変化を周波数カウンタ24で計測し、計測値を例えばRC232C経由でコンピュータ22に伝送する。コンピュータ22は、図1を参照して上述したような対象臭と混合臭に関するセンサ応答パターンの比較を行い、これに基づいてインクジェット素子駆動回路18及びメッシュヒータ駆動回路20を制御する。
本発明によるインクジェット型匂い発生器の有効性を確認するために、図3に示すシステムを用いて実験を行った。匂いセンサには、Versamid900を塗布した表面実装型のQCM(Quartz Crystal Microbalance)(28MHz、Au電極、AT−CUT)を用いた。センサセル12(10×10×50mm)を流れる流量は、200ml/minに設定した。インクジェット素子2に印加する電圧を60Vとした。周波数カウンタ24を、サンプリング周波数約250msのレシプロカル方式のアジレント社の53131Aを使用した。実験は室内で行われ、特に温度制御は行わなかった。キャリアガスは室内の空気を使用した。匂いサンプルとして、2−ヘキサノンとβ−ヨノンの2種類を用いた。2−ヘキサノン(分子量100.2、沸点127℃)は沸点が高くなく比較的扱いやすい。β−ヨノン(分子量192.3、沸点239℃)は沸点が高く揮発しにくい香気成分の一種であり、従来、測定が難しかった試薬である。
図4は、メッシュヒータ10のステンレスメッシュ中央部の到達温度を示すグラフである。メッシュの到達温度は放射(非接触)温度計(タスコ社のTH1−301)で測定した。電流値を高く、また電流がメッシュを流れる時間を長くすると到達温度は上昇する。本実験では、電流を6.0Aに設定し、匂いサンプルとして2−ヘキサノンを用いたときは加熱時間を約1秒に、β−ヨノンを用いたときは約3秒に設定した。
QCMガスセンサは熱により共振周波数が変化するので、試料を吐出しないで加熱だけした場合もセンサ応答が変化する。そのため、センサ応答は匂いサンプルに対する応答に熱による周波数変化を加えた値になる。本実験の匂い記録では、対象臭と調合臭の相対測定であるので、熱による影響をキャンセルできる。そのため、この応答を除去する処理は特に行っていない。
上記のような条件でセンサ応答を測定した。図5は、2−ヘキサノンを150パルス吐出したときの応答波形を示すグラフである。吐出の繰り返し周期は2msである。測定した応答波形において、液体試料を吐出し終えて加熱した直後に現れるピーク値を試料のセンサ応答とした。この応答のうち熱による応答は約40Hzであった。図5から、急峻なセンサ応答が得られていることがわかる。
図6は、β−ヨノンを50パルス吐出した時の応答波形を示すグラフである。図7は、比較のため、従来の電磁弁開閉制御方式の匂い調合装置でβ−ヨノンのステップ状の濃度変化に対する定常応答を測定したときの応答波形を示すグラフである。図7の測定では、QCM(20MHz、Ag電極、AT−CUT)にVersamid900を塗布した匂いセンサを用い、流量を1350ml/分に設定して、β−ヨノンを入れたサンプルビン(30ml)のヘッドスペースガスを測定した。図6において、図7における従来の装置で測定した応答に比べて速いセンサ応答が得られ、本発明によるインクジェット型匂い発生装置が香気成分の測定に対して有効であることがわかった。
次に、インクジェット素子のノズル先端にかかる圧力を一定に保つ方法を説明する。圧力を手動で調節した場合と、ジャッキを用いてサンプルビンに入れた試料の液面の高さを固定した場合とにおいて、センサ応答の再現性を測定した。図8は、それぞれの場合において、10回ずつ2−ヘキサノンを150パルス吐出した場合のセンサ応答を測定した結果を示すグラフである。ジャッキを用いて圧力を一定に保った場合、センサ応答の再現性が向上した。インクジェット素子の吐出量は微量であるので、液体試料の吐出にかかわらずサンプルビン内の液面の高さを一定に保つことができる。そのためノズル先端における圧力を一定に保つことができる。以下の実験では、ジャッキを用いた供給方法を使用した。
図9は、インクジェット素子に印加する電圧を変化させてセンサ応答値を測定した結果を示すグラフである。この場合、印加電圧を高くすると、再現性が多少低下した。印加電圧を高くすると、素子内の圧電素子の歪みが大きくなり、ノズル先端に伝わる圧力が大きくなる。このとき、液滴の周りに微小な液滴であるサテライトができてしまうため、再現性が低下したと考えられる。また、逆に印加電圧が低すぎる場合には、液体試料に加わる圧力が小さくなり吐出できなくなる。適切な印加電圧は試料の粘度によって異なり、試料の種類に応じて印加電圧と液面の高さを調節する必要があるが、2−ヘキサノン及びβ−ヨノンの場合は60Vが最適であった。
次に、匂いサンプル濃度とセンサ応答との関係を調べた。濃度は、インクジェット素子の吐出パルス数に相当する。図10は、吐出パルス数とセンサ応答との関係を示すグラフである。パルス数75、150、300の場合をそれぞれ10回測定し、その平均値をプロットした。エラーバーは10回測定したときの最大値と最小値を示す。この図から、吐出パルス数とセンサ応答が比例することがわかる。
以上説明したように、本発明によるインクジェット型匂い発生装置の有効性が証明された。以下に、本発明による匂いの記録再生システムについて行った実験について説明する。
匂いを記録するとき、初めに対象臭を測定し、その後、調合臭の混合比を応答パターンが対象臭と等しくなるように繰り返し調整して匂いを記録する。ここでは、インクジェット型匂い発生装置を評価するために、単一成分に絞って濃度定量実験を行った。本実験では、対象臭もインクジェット型匂い発生装置を用いて発生させた。
初めに、2−ヘキサノンを100パルス吐出したときのセンサ応答を対象臭のセンサ応答として濃度定量実験を行った。図11aは濃度定量中の吐出パルス数を示すグラフであり、図11bはセンサ応答を示すグラフである。定量中、吐出パルス数の決定にフィードバック制御を用いており、1回の測定サイクルは約30秒である。対象臭に対する応答と測定した応答を比較し、その差分から次の測定の吐出パルス数を決定した。図11aから、濃度定量中の吐出パルス数は対象臭に対するパルス数に収束しており、濃度定量に成功したことがわかる。
さらに、香気成分の一種であるβ−ヨノンを30パルス吐出したときのセンサ応答を対象臭のセンサ応答として濃度定量実験を行った。図12aは濃度定量中の吐出パルス数を示すグラフであり、図12bはセンサ応答を示すグラフである。図12a及び12bにおいて、1回の測定サイクルは約10分である。これらの図から、センサ応答速度が遅く従来定量の難しかったβ−ヨノンに対しても濃度定量に成功したことがわかる。
図13は、β−ヨノンのような香気成分に対する応答回復時間を改善するために考案された、センサを中空に浮かすセンサセル構造を示す図である。図14は、センサが壁面と同程度の位置にくるように設置したセンサの応答回復時間を示すグラフである。この図からわかるように、応答回復時間が改善された。
本発明による匂いの記録再生システムの原理を説明する図である。 本発明による匂い発生装置の構成の一例を示す図である。 本発明による匂いの記録再生システムの構成の一例を示すブロック図である。 メッシュヒータのステンレスメッシュ中央部の到達温度を示すグラフである。 2−ヘキサノンを150パルス吐出したときの応答波形を示すグラフである。 β−ヨノンを50パルス吐出した時の応答波形を示すグラフである。 従来の電磁弁開閉制御方式の匂い調合装置でβ−ヨノンのステップ状の濃度変化に対する定常応答を測定したときの応答波形を示すグラフである。 2−ヘキサノンを150パルス吐出した場合のセンサ応答を測定した結果を示すグラフである。 インクジェット素子に印加する電圧を変化させてセンサ応答値を測定した結果を示すグラフである。 吐出パルス数とセンサ応答との関係を示すグラフである。 aは2−ヘキサノンの濃度定量中の吐出パルス数を示すグラフであり、bはセンサ応答を示すグラフである。 aはβ−ヨノンの濃度定量中の吐出パルス数を示すグラフであり、bはセンサ応答を示すグラフである。 センサを中空に浮かすセンサセル構造を示す図である。 センサが壁面と同程度の位置にくるように設置したセンサの応答回復時間を示すグラフである。
符号の説明
2 インクジェット素子
4 テフロン(登録商標)チューブ
6 サンプルビン
8 ジャッキ
10 メッシュヒータ
12 センサセル
14 センサアレイ
16 ポンプ
18 インクジェット素子駆動回路
20 メッシュヒータ駆動回路
22 コンピュータ
24 周波数カウンタ
26 バルブつきフローメータ

Claims (10)

  1. 匂いの元になる液体を入れたサンプルビンと、前記液体を吐出するインクジェット素子と、内部を前記液体で満たして前記サンプルビンから前記インクジェット素子に前記液体を供給するチューブと、前記インクジェット素子が吐出した液体を加熱気化させるように配置されたメッシュヒータとを具え、前記サンプルビンに入れた液体の液面の高さを一定に保つようにして前記インクジェット素子のノズル先端の圧力を一定に保つようにしたことを特徴とする匂い発生装置。
  2. 請求項1に記載の匂い発生装置において、前記インクジェット素子を複数具え、各々のインクジェット素子を別々に制御することを特徴とする匂い発生装置。
  3. 請求項2に記載の匂い発生装置において、各インクジェット素子が各々異なる要素臭の元になる液体を吐出することを特徴とする匂い発生装置。
  4. 請求項3に記載の匂い発生装置において、予め決められた混合比にしたがって各インクジェット素子が吐出する液体の量を決定することを特徴とする匂い発生装置。
  5. 各々が異なる要素臭の元になる液体を吐出する複数のインクジェット素子と、前記複数のインクジェット素子が吐出した液体を加熱気化し、混合臭を発生するように配置されたメッシュヒータと、前記メッシュヒータによって発生された要素臭を測定するように配置された各々特性が異なる複数のガスセンサを含むセンサアレイと、対象臭に対する前記センサアレイのセンサ応答パターンを記憶する手段と、各々の前記インクジェット素子が吐出する液体の混合比を変更しながら混合臭に対する前記センサアレイのセンサ応答パターンを逐次測定し、前記対象臭に対するセンサ応答パターンに近い混合臭に関する前記液体の混合比を決定する手段とを具え、前記要素臭の元になる液体を入れたサンプルビンから、内部を前記液体で満たしたチューブによって前記インクジェット素子に前記液体を供給し、前記サンプルビンに入れた液体の液面の高さを一定に保つようにして前記インクジェット素子のノズル先端の圧力を一定に保つようにしたことを特徴とする匂いの記録再生システム。
  6. 請求項5に記載の匂いの記録再生システムにおいて、前記対象臭と混合臭とのセンサ応答パターンが一致する度合いをパターンマッチング指標により測り、その指標値を用いて前記混合比を変更することを特徴とする匂いの記録再生システム。
  7. 請求項6に記載の匂いの記録再生システムにおいて、前記パターンマッチング指標を、前記センサアレイ内の各センサ応答で構成されるセンサ応答空間における重み付け距離で計算することを特徴とする匂いの記録再生システム。
  8. 請求項5、6又は7に記載の匂い記録再生システムにおいて、前記メッシュヒータにセンサセルを結合し、前記センサセルの内側側面に前記ガスセンサを取り付けたことを特徴とする匂いの記録再生システム。
  9. 請求項8に記載の匂い記憶再生システムにおいて、前記ガスセンサを前記センサセルの壁面から離して中空に配置したことを特徴とする匂いの記録再生システム。
  10. 請求項8又は9に記載の匂い記録再生システムにおいて、前記センサセルにポンプを接続し、前記メッシュヒータによって気化された液体を前記ガスセンサに導くように構成したことを特徴とする匂い記録再生システム。
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