JP3955636B2 - Hk2ポリペプチドを検出するための方法 - Google Patents

Hk2ポリペプチドを検出するための方法 Download PDF

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Description

発明の背景
腺性カリクレインは、それらの生物的に活性な形態への特定のポリペプチド前駆体の翻訳後プロセッシングに関連するセリンプロテアーゼのサブグループである。ヒトにおいて、このファミリーの3つのメンバーが同定されており、それらの特性のいくつかがキャラクタライズされている(Clements,Endoc.Rev,10,343(1989);Clements,Mol.Cell Endo.,99,1(1994);Jonesら、Acta Endoc,127,481(1992))。hKLK1遺伝子は組織カリクレインタンパク質hK1をコードし、hKLK2遺伝子は前立腺特異的腺性カリクレインタンパク質hK2をコードし、そしてhKLK3遺伝子は前立腺特異的抗原タンパク質hK3(PSA)をコードする。mRNAのノーザンブロット分析は、hK2及びPSAの両方が主にヒト前立腺において発現され、他方hK1の発現は膵臓、顎下腺、腎臓、及び他の非前立腺組織において見い出される(Chapdelaineら、FEBS Lett,236,205(1988);Youngら、Biochem.31,818(1992))。
hKLK2及びhKLK3のエキソンの間のヌクレオチド配列相同性は80%であるが、hKLK2及びhKLK1のエキソンの間のヌクレオチド配列相同性は65%である。PSAに対するhK2の予想されるアミノ酸配列相同性は78%であるが、hK1に対するhK2の予想されるアミノ酸配列相同性は57%である。更に、hK2の予想されるアミノ酸配列は、hK2がトリプシン様プロテアーゼであり得、PSAがキモトリプシン様プロテアーゼであることを示唆する。
前立腺癌の予後の指示体としてPSAレベルが広く用いられる。しかしながら、血清中のPSAの濃度は、前立腺癌(PCa)又は良性前立腺過形成(BPH)の患者において上昇するので、PSAのレベルの上昇の検出は、これらの病気を区別しない。
更に、PSAに対するhK2の相同性の高さは、PSAのレベルを検出するのに現在用いられる抗体の特異性に関していくつかの問題を生じさせる。循環するhK2のレベルがpCa又はBPHに関係しないなら、hK2で汚染されたPSAの調製物に対して、又はhK2と相同なPSAの領域に対して生じた抗体は誤った陽性の結果を引きおこし得る。しかしながら、血清中のhK2のレベルの決定、及びpCa又はBPHの患者におけるこれらのレベルの相関は達成されていない。
これにより、pCa,BPH又は関連する状態の診断のための改良された方法及び試薬についての必要性がある。
発明の概要
本発明は、phK2又はhK2に特異的に結合する所定量の精製された抗体を、ヒトから得られた生理的流体のサンプルに接触させることを含む診断方法を供する。その生理的流体はhK2又はphK2を含む。その抗体は、該抗体の一部分とphK2又はhK2の一部分との間の2成分複合体の形成を許容するのに十分な時間、サンプルに接触させられ、ここで前記抗体はhK3と大きな反応をしない。次に前記サンプル中の前記複合体の一方又は両方の存在が検出され、そしてその量は前立腺癌の存在又は欠如と相関される。前記複合体の一方又は両方の量は、例えば前立腺癌の危険のない又はそれを患っていないヒトからの同じ流体の対照サンプル中の一方又は両方の複合体の量で代表される標準的な量と比較することができる。同様に、その量は、その上又は下の値で前立腺癌についての更なる評価が行われ、そしてその上又は下の各々で、ヒトは癌でない可能性が高いカットオフを示す標準的量と比較することができる。このアッセイは、phK2が前立腺癌細胞系の上清において検出され、hK2が前立腺癌患者からのヒト生理的流体中に存在するという発見に基づく。これにより、この方法は前立腺癌の治療及び/又は進行をモニターするため、又は前立腺癌の早期検出のために役立つ。
本明細書に用いる場合、前立腺癌の“危険性”のあるヒトは、良性の前立腺過形成(BPH)又は高い段階の前立腺上皮内腫瘍形成を有する男性、又は男性の家族のメンバーが良性前立腺過形成、高い段階の前立腺の上皮内腫瘍形成もしくは前立腺癌(PCa)を有する男性である。
PSA(hK3)は、ヒト血清中の抗キモトリプシン(ACT)及びα2−マクログロブリン(MG)と共有結合した複合体を形成する(Leinonenら、Clin.Chem.,34,2098(1993))。血清中での異なるPSAの形態(複合体化したもの対複合体化していないもの)は、BPHとpCaとの間を区別するのに役立つ(Christenssonら、J.Urol.,150,100(1993))。
以下に示される結果は、hK2ポリペプチドがACT及びMGとの複合体も形成することを示す。hK2のACTとの複合体形成は、hK2がトリプシン様プロテアーゼでありACTが典型的な、キモトリプシン様プロテアーゼのインヒビターであるので予想されないことであった。しかしながら、それはhK2がインヒビターとのその反応性を命令するPSA(hK3)とのコンホメーション/構造の類似性を有する。これにより、遊離した(結合していない)hK2と共に、ACT及びMGと複合化したhK2は、ヒト血清中の主な免疫学的に検出又は測定可能なhK2の構成物を供すると予想される。以下に供される結果は、hK2複合体が、前立腺癌患者の血清中で検出することができることも示す。それゆえ、hK2複合体の存在及び/又は量についてモニターすることは、PCaとBPHとの間を区別するのにも重要であり得る。
これにより、本発明は、ヒトの生理的流体のサンプルからの血漿タンパク質に結合したhK2ポリペプチドの量を決定し、該結合したhK2ポリペプチドの量を、前記ヒトにおける前立腺癌の存在又は欠如と相関することを含む診断方法も供する。本発明の好ましい実施形態は、前立腺癌の危険性のない又はそれを患っていないヒトにおいて結合したhK2の前記量の代表的な値に対して、結合したhK2ポリペプチドの量を決定する診断方法である。本発明の他の好ましい方法は、結合したhK2ポリペプチドの量を決定する前に、血漿タンパク質に結合しないhK2ポリペプチドから、血漿タンパク質に結合したヒトの生理的流体hK2ポリペプチドをサンプルから分離することを含む診断方法である。異なる分子量及び/又はコンホメーションのタンパク質の分離のための方法は当該技術で公知である。
血漿タンパク質とのhK2複合体形成を検出するための方法を更に供する。その方法は、血漿タンパク質に結合しないhK2ポリペプチドの量に対する血漿タンパク質に結合したhK2ポリペプチドの量を検出することを含む。あるいは、全てのhK2ポリペプチド(結合したもの+結合していないもの)に対する血漿タンパク質に結合したhK2ポリペプチドの量が検出される。
本発明は、hK2を含むヒトの生理的流体のサンプル中の結合していないhK2ポリペプチドを検出し又は決定するための方法を更に供する。その方法は、前記抗体の少くとも一部分と前記hK2の一部分との間の二成分複合体の形成を許容するのに十分な時間、所定量のhK2に特異的に結合する精製された抗体をテストされるべきサンプルに接触させることを含む。その抗体は、hK3と大きく反応せず、血漿タンパク質に結合したhK2と大きな反応性はない。本発明の好ましい実施形態は、抗体をテストされるべきサンプルに接触させる前に、前記抗体を固相に結合させることを含む。
hK2ポリペプチドに特異的に結合し、hK3に結合しない精製された抗体であって、血漿タンパク質に結合したhK2にも結合する抗体も供する。
本発明は、更に、phK2又はhK2を検出し又は決定するための診断キットを供する。そのキットは、包装、容器、別個に包装された(a)捕獲抗体に結合した固相;及び(b)周知の量の検出抗体であってphK2又はhK2に特異的に結合し、hK3に結合しない抗体を含む。
本発明の他の実施形態は、phK2を検出し又は決定するための診断キットである。そのキットは、包装、容器、別個に包装された(a)捕獲抗体に結合する固相;及び(b)周知の量の検出抗体であって、hK2のプロ形態に特異的に結合するが、hK3又はhK2に結合しない抗体を含む。
本発明のなお更なる実施形態は、phK2又はhK2を検出し又は決定するためのキットである。そのキットは、包装、容器、別個に包装された(a)捕獲抗体に結合した固相;及び(b)周知の量の捕獲抗体であって、phK2又はhK2に特異的に結合するがhK3に結合しない抗体を含む。
試験管内でhK2を検出する方法も供する。その方法は、所定量のhK2ポリペプチドを含むサンプル、例えば流体サンプルを、所定量のペプチド基質に、hK2ポリペプチドによるペプチド基質の開裂がそのペプチドのサブユニットを作り出すのに十分な時間、接触させるステップであって、前記ペプチド基質がhK2ポリペプチドが結合する部位を形成する連結するアミノ酸残基を含むことを特徴とするステップを含む。次に、そのペプチド基質のサブユニットの存在又は量が決定される。好ましくは、ペプチド基質は合成ペプチドである。
図面の簡単な記載
図1は、野生型成熟hK2(配列番号:1)及びhK3(配列番号:7)のアミノ酸配列を示す。
図2は、野生型pphK2(及び配列番号:5及び配列番号:6)、phK2(配列番号:3及び配列番号:4)及びhK2(配列番号:1及び配列番号:2)のアミノ酸配列及び対応する核酸配列を示す。コドン217(GCT,Ala)をボールド及び下線で示す。
図3は、pGT発現ベクターpGThK2及びpGThK2V217の概略図である。
図4は、phK2V217の精製からのクロマトグラフィープロフィールを示す。(A)pphK2V217をコードするベクターをトランスフェクトしたAV12からの7日を経た培地のDEAEクロマトグラム。消費された培地のサンプルを、重炭酸緩衝液、pH8に適用し、塩勾配で溶出した。A280溶出プロフィールを連続線で示す。点線は、マイクロタイタープレート上に乾燥させ、ウサギ抗pphK2抗体で展開した個々のカラム画分の一部分のELISAアッセイの結果を示す。(B)プールしたDEAE画分の疎水性相互作用プロフィール。(A)のDEAEクロマトグラフィー溶出液からの画分24〜30をプールし、濃縮し、そして1.2M硫酸ナトリウム中のHIC(疎水性相互作用カラム)に適用し、塩勾配を減少させて溶出した。その溶出プロフィール(A280)を連続線で示す。点線は、マイクロタイタープレート上に乾燥させてウサギ抗hK2抗体で展開した個々のカラム画分の一部分のELISAアッセイの結果を示す。(C)(B)からの22分のピークからのhK2含有画分を濃縮し、Pharmacia S12サイズ排除カラムに適用した。画分を収集し、SDS/PAGEにより分析した。19.4分のピークはSDS−PAGEにより均一であった。
図5は、精製されたhK2及びPSAのSDS/PAGE分析を示す。精製したphK2V217又はPSAの1.5mgサンプルを、1%β−メルカプトエタノールを含む(R)又は含まない(N)サンプル緩衝液中で煮沸した。サンプルを4〜20%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。そのタンパク質バンドを、そのゲルを銀で染色することにより視覚化した。
図6は、phK2V217のコンコナバリンA染色を示す。phK2の予想される位置を矢印で示す。ZCE(抗CEAmAb)及びBSAを、グリコシル化及び非グリコシル化タンパク質の例として各々含めた。phK2レーンにおける予想される位置におけるバンドの存在はこのタンパク質がグリコシル化されていることを示す。
図7は、トリプシン開裂によるプロの成熟hK2V217〜の変換を示す。トリプシン(1%w/w)を、100mMホウ酸緩衝液pH8中37℃で10分、phK2V217とインキュベートし、次にHIC−HPLCにかけた。点線は、トリプシンとのインキュベーションの前の、phK2V217のプロフィールを示す。連続線は、トリプシン消化後のphK2のプロフィールを示す。それらのプロフィールを比較のため重ね合わせた。2つの形態の同一性はタンパク質のN末端配列決定により確認した。
図8は、モノクローナル抗体(mAb)hK1G586.1を用いるサンプル流体のウェスタンブロット分析を示す。処理した精液流体をPBS中1:1に希釈し、20分、10,000×gで遠心した。その上清をPhast System(Pharmacia)を用いる8〜25%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。タンパク質をニトロセルロースに移し、タンパク質−Gで精製したHK1G586.1(1μg/ml)と、次にヤギ抗マウスIgG−HRP(1:1000)とインキュベートした。そのブロットをECL検出システム(Amersham)を用いて展開した。
図9は、AV12細胞におけるhK2発現の時間経過研究を示す。AV12−hK2クローン#27を約60〜70%コンフルエンシーまで増殖させ、次に細胞をHBSSで洗い、そして無血清HH4培地を加えた。消費された培地を各々の日にとり、濃縮し、そして12%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。タンパク質をエレクトロブロットし、phK2及びhK2(1:1000)の両方を検出するモノクローナル抗体HK1D106.4又はphK2(1:1000)を検出するHK1G464.3で、次にヤギ抗マウスIgG−HRP(1:500)でプロービングした。そのブロットを、製造元の説明に従ってECL(Amersham)で展開した。精製されたphK2V217及びhK2V217を対照として用いた。hK2の位置を、矢印で示す。
図10は、トランスフェクトされたAV12細胞内でのhK2の変異形態の発現の時間経過研究を示す。約60〜70%マンフルエンシーのAV12−hK2V217細胞をHBSSで洗い、無血清HH4培地を加えた。消費された培地を各々の目に取り出し、濃縮し、そして12%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。タンパク質をエレクトロブロットし、モノクローナル抗体HK1D106.4及びHK1G464.3でプロービングした。ヤギ抗マウスIgG−HRP(1:500)を二次抗体として用い、製造元の説明に従って、ECL(Amersham)で展開した。精製したphK2V217及びhK2V217を対照として用いた。hK2の位置を矢印で示す。
図11は、時間の経過に伴うhK2発現及び細胞生存能のブロットである。AV12−hK2クローン#27を60〜70%のコンフルエンシーまで増殖させ、HBSSで洗い、無血清HH4培地を加えた。消費された培地を各々の日にとり、hK2濃度を一次抗体としてHK1D106.4又はHK1G464.3、及び二次抗体としてヤギ抗マウスIgG−HRPを用いてELISAにより測定した。その反応をOPD(Sigma,St.Louis,MO)で展開した。生存細胞数を、トリパンブルー染料排除を用いて毎日計数した。
図12は、PC3及びDU145細胞におけるhK2の発現を示す。pGThK2を移入した。PC3及びDU145細胞を約60〜70%コンフルエンシーまで増殖させ、洗浄し、無血清HH4培地に再度懸濁した。pGThK2を移入したDU145細胞の消費された培地を再度の懸濁の後3日に収集し、pGThK2を移入したPC3細胞の消費した培地を再度の懸濁後5日に収集した。消費された培地を濃縮し、12%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。タンパク質をエレクトロブロットし、上述の通りHK1D106.4又はHK1G464.3でプロービングした。精製したphK2V217及びphK2V217を対照として用いた。hK2の位置を矢印で示す。
図13は、選択されたhK2含有AV12クローンによるhK2の発現を示す。AV12クローン番号10,27,31及び32を含むhK2からの細胞を、約60〜70%コンフルエンシーまで増殖させ、HBSSで洗い、次に無血清HH4培地を加えた。消費された培地を、無血清培地を加えた後7日目にとり、濃縮し、12%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。タンパク質をエレクトロブロットし、HK1D106.4又はHK1G464.3でプロービングした。ヤギ抗マウスIgG−HRP(1:500)を二次抗体として用い、そのブロットを製造元の説明に従ってECL(Amersham)で展開した。精製されたphK2V217及びphK2V217を対照として用いた。hK2の位置を矢印で示す。
図14は、選択されたAV12−hK2V217クローン中でのphK2V217の発現を示す。AV12クローン番号2,3,4,45及び48からの細胞を約60〜70%マンフルエンシーまで増殖させ、HBSSで洗い、無血清HH4培地を加えた。消費された培地を、無血清培地の添加後7日目にとり、濃縮し、そして12%ゲルでのSDS/PAGEにかけた。タンパク質をエレクトロブロットし、HK1D106.4及びHK1G464.3でプロービングした。ヤギ抗マウスIgG−HRP(1:500)を二次抗体として用い、そのブロットを製造元の説明に従って、ECL(Amersham)で展開した。精製されたphK2V217及びhK2V217を対照として用いた。hK2の位置を矢印で示す。
図15は、hK2の残基210〜236についてのhK2V217,hK2、及びPSAのアミド分解特異性を示す。合成ペプチド(0.63mM)を1μg/ml hK2,40μg/ml hK2V217又は100μg/ml PSAで37℃で一晩消化し、その消化産物をRP−HPLCにより分離した。開裂の定性的観点を比較するためにピークを標準化した。
図16は、異なるペプチド基質についてのhK2及びPSAの特異性を示す。白ぬき矢印は、PSAにより開裂されたペプチドバンドを示し、黒ぬり矢印はhK2により開裂されたバンドを示す。ペプチド#1(配列番号:16)はhK2のアミノ酸残基210〜236を示す。ペプチド#2(配列番号:18)はアンジオテンシノゲン、即ちレニン基質のテトラデカペプチドのアミノ酸残基1〜14を示す。ペプチド#3(配列番号:19)は、phK2のアミノ酸残基−7〜+7を示す。ペプチド#4(配列番号:20)は、hK2のアミノ酸残基41〜56を示す。ペプチド#5(配列番号:21)は、インスリンの酸化されたβ鎖のアミノ酸配列を示す。ペプチド#6(配列番号:22)は、PMSAのアミノ酸残基196〜213を示す。
図17は、hK2V217でなくhK2によりphK2V217の活性化を示す。phK2V217は、hK2V217中に存在しない配列であるプロリーダーペプチド配列VPLIQSR(配列番号:12)を含む。パネルAは1%w/w hK2とインキュベートしたphK2V217を示す。パネルBはphK2V217と6時間インキュベートした40%w/w hK2V217の対照である。
図18は、プロテアーゼインヒビターとインキュベートしたhK2のウェスタンブロット分析を示す。各々のサンプルを8〜25%勾配SDS−PAGEで分離し、ブロットし、HK1G586.1でプロービングした。hK2を4時間、37℃で、次のインヒビター:レーン1、アンチキモトリプシン(ACT);レーン2,α2−アンチプラスミン;レーン3、アンチトロンビンIII;レーン4,α1−プロテアーゼインヒビター(アンチトリプシン);レーン5,α2−マクログロブリンとインキュベートした。レーン1及び2は予想Mr 90〜100kDの共有結合複合体を示す。セルピンインヒビターを20μMで、マクログロブリンを2.8μMで、そしてhK2を0.175μMで用いた。レーン5は、α2−マクログロブリンとのhK2の共有結合複合体形成を示すより高いMrの複合体を示す。
図19は、ヒト血清中のhK2の複合体形成を示す。hK2及びPSAのウェスタンブロットをヒト血清とインキュベートした。hK2サンプルをHK1G586.1でプロービングし、PSAサンプルをPSM773抗PSA mAbでプロービングした。レーン1〜6はhK2サンプルを含み、レーン7及び8はPSAサンプルである。レーン1はhK2対照を示す。レーン2は4時間、ACTとインキュベートしたhK2を含む。レーン3はプロテアーゼを加えていない血清対照を示す。レーン4は、血清と15分、インキュベートしたhK2を含む。レーン5は、4時間、血清とインキュベートしたhK2を含む。レーン6は、4時間、精製されたα−2−マクログロブリンとインキュベートしたhK2を含む。レーン7は、4時間、血清とインキュベートしたPSAを含む。レーン8は、4時間、精製されたα−2−マクログロブリンとインキュベートしたPASを含む。
図20は、捕獲試薬としてモノクローナル抗体HK1G586.1
Figure 0003955636
又はHK1G464
Figure 0003955636
及び検出試薬としてHK1H449を用いるphK2V217についての投与量応答曲線を示す。
図21は、時間経過に伴うミボレロンで刺激したLNCaP細胞の培地
中のhK2又はphK2の濃度のグラフを示す。phK2及びhK2レベル、又はphK2レベルを各々測定するためにモノクローナル抗体HK1G586−□−又はHK1G464−◇−を用いた。挿入されたグラフは、ミボレロンで刺激したLNCaP細胞の上清中のhK2酵素活性を示す。
図22は、モノクローナル抗体HK1G464でのLNCaP細胞からの上清のウェスタンブロット分析を示す。レーン1は75mgの精製されたhK2を含む。レーン2は75mgの精製されたphK2を含む。レーン3は精液流体から単離された精製されたPSA 200mgを含む。レーン4は5μgのpphK2を含む。レーン5は5μgのppPSAを含む。レーン6〜9はミボレロン刺激後1〜4日からのLNCaP細胞の消費された培地を含む。
図23は、モノクローナル抗体HK1G586でのLNCaP細胞からの上清のウェスタンブロット分析を示す。レーン1は、75mgの精製されたhK2を含む。レーン2は75mgの精製されたphK2を含む。レーン3は精液流体から単離された精製されたPSA 200mgを含む。レーン4は5mgのpphK2を含む。レーン5は5μgのppPSAを含む。レーン6〜9はミボレロン刺激後1〜4日からのLNCaP細胞の消費された培地を含む。
図24は,前立腺癌血清のパネル中のhK2の検出を示す。10人の患者からの血清サンプルを、4〜20%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、ニトロセルロースにブロットした。各々のレーンは、前立腺癌患者からのhK2が富化されたヒト血清10μgを含む。レーンに抗hK2mab,HK1G587.1、レーン2:抗hK2mab HK1B104.1、レーン3:抗PSAmab,PSM 773、レーン4:陰性対照mab。
図25は、モノクローナル抗体HK1G586.1による前立腺癌患者からの血清中のhK2−ACT複合体の検出を示す。レーン:mab HK1G586.1、レーン2:陰性対照mab、レーン3.:抗ACTmab,AC1A086、レーン4:分子量マーカー。
発明の詳細な記載
PSAに対するhK2のアミノ酸配列相同性の高さ、及びhK2及びPSAの両方の発現が本質的に前立腺に限られるという事実は、両方のタンパク質の血清濃度を測定することが、前立腺癌(pCa)の診断及びモニターにおいて役立ち得ることを示唆する。現在、pphK2は細菌において発現されている(Saediら、Mol.Cell.Endoc,109,237(1995))。細菌から得られたpphK2は、hK2上の非コンホメーション依存性エピトープに対する抗体を作り出すのに用いることができる。しかしながら、hK2の生合成に関連するステップを識別するため及びhK2の十分にプロセッシングされ、分泌された形態に特異的な抗体を得るために、哺乳動物細胞におけるhK2の発現が必要である。
本明細書に用いる場合、用語“hK2ポリペプチド”は、組換えプレプロ、プロ及び成熟hK2ポリペプチドを含む。図1に示すアミノ酸配列(配列番号:1)を有する成熟hK2ポリペプチド、及びhK3と実質的に相同である領域、即ち図1で棒で示されない領域において配列番号:1と少くとも90%の相同性を有する“変異体”ポリペプチドも含まれる。これらのhK2ポリペプチドは、該ポリペプチドがそれに特異的に結合するがhK3(又はhK1)と交差反応しない抗体によっても規定することができる点で、図1の成熟hK2分子と共通した抗原機能も有する。好ましくは、前記抗体は図1の成熟hK2分子上にも存在する抗原性部位又はエピトープと反応性がある。共通の抗原性機能を規定するのに役立つ抗体は、通し番号08/096,946に詳細に記載され、即ち、ポリクローナル抗血清は、hK2サブユニット41〜56に対して生体内で調製される。
“単離されたhK2核酸”は、ネイティブhK2ポリペプチドRNAもしくはDNAの非コーディング鎖に相補的であるか、又は前記RNAもしくはDNAとハイブリダイズしてストリンジェント条件下で安定に結合し続ける生物学的に活性なhK2ポリペプチド又はその変異体フラグメントをコードする15超、好ましくは20又はそれ超の連続するヌクレオチド塩基を含むRNA又はDNAである。これにより、RNA又はDNAは、核酸の天然のソースに通常関連する少くとも1の汚染する核酸を含まず、好ましくはいずれの他の哺乳動物RNA又はDNAも実質的に含まない点で単離される。句“通常関連する少くとも1の汚染するソース核酸を含まない”とは、その核酸がソース又は天然細胞内に再導入されるが異なる染色体位置にあるか、又はソースの細胞中では通常見い出されない核酸配列に隣接している場合を含む。単離されたhK2核酸の例は、上述の通り、図1のhK2ペプチドのhK3相同性領域と少くとも90%の配列同一性を有する生物学的に活性なhK2ポリペプチドをコードするRNA又はDNAである。hK2ポリペプチドに関して用いられる用語“単離された実質的に相同な”とは、以下に議論される方法において定義される。
本明細書に用いる場合、用語“組換え核酸”、即ち“組換えDNADNA”は、核酸、即ち後に試験管内で化学的に変えることができ、後に標的宿主細胞、例えば動物、植物、昆虫、イースト、真菌又は細菌源由来の細胞に導入することができる適切な組織源から得られ、又は単離されたDNAという。ソースから“得られた”組換えDNAの例は、hK2又はそのフラグメントもしくは変異体をコードする有用なフラグメントとして同定され、後に本質的に純粋な形態で化学的に合成されるDNA配列であろう。ソースから“単離”されたDNAの例は、それを更に、遺伝子操作の方法により、操作し、例えば本発明に用いるために増幅できるように、化学的手段により、例えば制限エンドヌクレアーゼの使用により、前記ソースから切除し又は除去される有用なDNA配列であろう。
それゆえ、“組換えDNA”は、完全な合成DNA配列、半合成DNA配列、生物ソースから単離されたDNA配列、及び導入されたRNA由来のDNA配列、並びにそれらの混合物を含む。一般に、組換えDNA配列は、DNAの受容体である宿主標的細胞のゲノム内にもとは存在しないか、又はゲノム内に存在するが発現されないもしくは多くは発現されない。
本明細書に用いる場合、“キメラ”とは、ベクターが少くとも2つの異なる種からのDNAを含むか、又はその種の“ネイティブ”もしくは野生型において発生しない様式で連結しもしくは関連している同じ種からのDNAを含む。
本明細書で形質転換のために用いられる組換えDNA配列は、環状又は連鎖状の二本鎖又は一本鎖のものであり得る。一般に、DNA配列は結果として生ずる細胞系中に存在する組換えDNAの発現を促進する調節配列に隣接したコーディング領域も含み得るキメラDNAの形態、例えばプラスミドDNAである。例えば、組換えDNAは、それ自体、哺乳動物細胞内で活性であるプロモーターを含み得、又はその形質転換標的であるゲノム内に既に存在するプロモーターを利用し得る。このようなプロモーターは、CMVプロモーター、並びにSV40後期プロモーター及びレトロウィルスLTR(長い末端反復要素)を含む。hK2又はその一部のための転写ユニットとして機能する組換えDNA配列と別に、組換えDNAの一部は転写されず、調節又は構造的機能を供し得る。
“調節配列”は、特定の宿主生物における作用可能に連結されたコーディング配列の発現のために必要なDNA配列を意味するとして定義される。原核細胞に適した調節配列は、例えば、プロモーター、並びに任意に、オペレーター配列及びリボソーム結合部位を含む。真核細胞はプロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
“作用可能に連結”とは、核酸が他の核酸配列と機能的関係におかれることを意味するとして定義される。例えば、プレ配列又は分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現されるなら、ポリペプチドのためのDNAに作用可能に連結され;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を与えるなら、コーディング配列に作用可能に連結され;又はリボソーム結合部位は、翻訳を容易にするよう位置するなら、コーディング配列に作用可能に連結される。一般に、“作用可能に連結”とは、連結されるDNA配列が連続的であり、分泌リーダーの場合、連続的にリーディングフェーズにあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは連続的である必要はない。連結は、便利な制御部位における連結により行われる。これらの部位が存在しないなら、慣用的な実施に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが用いられる。
hK2又はその一部のための転写ユニットとして機能する組換えDNA配列とは別に、組換えDNAの一部は翻訳されず、調節又は構造的機能を供し得る。
細胞内に導入されるべき組換えDNAは、形質転換されたことが見つけられる細胞の集団からの形質転換された細胞の同定及び選択を容易にするために、選択マーカー遺伝子もしくはリポーター遺伝子のいずれか又は両方を一般に含むであろう。あるいは、選択マーカーは、DNAの別個の断片上にあってもよく、同時形質転換手順に用いることができる。選択マーカー及びリポーター遺伝子の両方は、宿主細胞中での発現を可能にするために適切な調節配列に隣接させることができる。有用な選択マーカーは当該技術で公知であり、例えば抗生物質及び除草剤耐性遺伝子、例えばneohptdhfrbararaAdapA等を含む。
リポーター遺伝子は、形質転換された可能性のある細胞を同定するため及び調節配列の機能性を評価するために用いられる。簡単にアッセイできるタンパク質をコードするリポーター遺伝子は当該技術で公知である。一般に、リポーター遺伝子は、受容体生物又は組織中に存在せず、又は発現されず、その発現が特定の容易に検出できる特性、例えば酵素活性により顕在化されるタンパク質をコードする遺伝子である。好ましい遺伝子は、大腸菌のTn9からのクロランフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(cat)、大腸菌のuidA座のβ−グルクロニダーゼ遺伝子(gus)、及びホタルホチヌス・ピラリス(Photinus pyralis)からのルシフェラーゼ遺伝子を含む。リポーター遺伝子の発現は、DNAを受容細胞内に導入した後に適切な時間、アッセイされる。
宿主細胞内で機能的な他の要素、例えばイントロン、エンハンサー、ポリアデニル化配列等も組換えDNAの一部であり得る。これらの要素は、DNAの機能のために必要であってもそうでなくてもよいが、転写に影響を与えることによるDNAの発現、mRNAの安定性等を改善し得る。これらの要素は細胞内の形質転換するDNAの最適な能力を得るために要求されるDNAに含まれ得る。
標的細胞を形質転換することができる組換えDNAを作製するための一般的な方法は、当業者に公知であり、同じ組成物及び作製の方法は、本明細書で役立つDNAを作るのに利用することができる。例えば、J.Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2d ed.,1989))は、適切な作製の方法を供する。
組換えDNAは、hK2をコードするcDNAを含む発現ベクターでのトランスフェクションにより、例えば(Chenら(Mol.Cell.Biol.),7,2745(1987))の改良型リン酸カルシウム沈殿法により、標的細胞に直ちに導入することができる。トランスフェクションは、例えばBRLにより供される。市販のキットを用いて、リポフェクチンによっても行うことができる。
hK2ポリペプチドの発現のための適切な宿主細胞は、多細胞生物から得られる。これらの宿主細胞は、プロセッシング及びグリコシル化活性をあわせ持つことができる。原則として、脊椎動物又は非脊椎動物細胞培養のいずれかからの高等真核細胞を本発明の実施に用いることができる。非脊椎動物細胞の例は、植物及び昆虫細胞を含む。多くのバキュロウィルス株及び変異体並びに宿主、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(毛虫)、アエデス・アエジプチ(Aedes aesypti)(蚊)、アエデス・アルボピクトゥス(Aedes albopictus)(ハエ)、ドロソフィラ・メラノガステル(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)、及びボンビクス・モリ(Bombyx mori)からの対応する複製を許容する昆虫宿主細胞が同定されている。例えば、Luckowら、(Bio/Technology,6,47(1988);Millerら(Genetic Engineering,J.K.Setlow et al.,eds.,Vol.8(Plenum Publishing,1986),pp.277-279);及びMaedaら、(Nature,315,592(1985))を参照のこと。トランスフェクションのための種々のウィルス株、例えばオートグラファ・カリホルニア(Autographa california)NPVのL−1変異体及びボンビクス・モリNPVのBm−5株が公共的に利用でき、これらのウィルスが、例えばスポドプテラ・フルギペルダ細胞のトランスフェクションのために用いることができる。
制限消化物からのDNAの所定のフラグメントの回収又は単離は、電気泳動によりポリアクリルアミド又はアガロースゲルでの消化物の分離、周知の分子量のマーカーDNAフラグメントの移動度に対する移動度の比較による関心のフラグメントの同定:要求されるフラグメントを含むゲルセクションの除去、及びDNAからのゲルの分離を用いることができる。例えば、Lawら(Nucleic Acids Res.9,6103(1981))及びGoeddelら(Nucleic Acids Res.,8 4057(1980))を参照のこと。
“サザン分析”又は“サザンブロッティング”は、DNA又はDNA含有組成物の制限エンドヌクレアーゼ消化におけるDNA配列の存在が周知の標識化されたオリゴヌクレオチド又はDNAフラグメントへのハイブリダイゼーションにより確認される方法である。サザン分析は、典型的には、アガロースゲルでのDNA消化物の電気泳動での分離、電気泳動分離後のDNAの変性、及びSambrookら(前掲)のセクション9.37〜9.52に記載される放射能標識された、ビオチニル化された、又は酵素標識されたプローブでの分析のためのニトロセルロース、ナイロン又は他の適切な膜支持体へのDNAの移動を含む。
“ノーザン分析”又は“ノーザンブロッティング”は、周知のプローブ、例えばオリゴヌクレオチド、DNAフラグメント、cDNAもしくはそのフラグメント、又はRNAフラグメントにハイブリダイズするRNA配列を同定するのに用いられる方法である。プローブは、ビオチニル化により32Pのようなラジオアイソトープで、又は酵素で標識される。分析されるべきRNAは、通常、アガロース又はポリアクリルアミドゲルで電気泳動で分離され、ニトロセルロース、ナイロン、又は他の適切な膜に移され、そして当該技術で公知の標準的技術、例えばSambrookら(前掲)のセクション7.39〜7.52に記載される方法を用いてプローブとハイブリダイズされ得る。
“ポリメラーゼ鎖反応”又は“PCR”は、所定量の予め選択された核酸のフラグメント、RNA及び/又はDNAが米国特許第4,683,195号に記載されるように増幅される手順又は技術をいう。一般に、関心の領域の端又はそれ以上からの配列情報は、オリゴヌクレオチドプライマーをデザインするのに用いられる。これらのプライマーは、増幅されるべきテンプレートの反対側の鎖と同一又は類似の配列であろう。PCRは、特定のRNA配列、全ゲノムDNAからの特定のDNA配列、及び全細胞RNAが転写されたcDNA、バクテリオファージ又はプラスミド配列等を増幅するのに用いることができる。一般に、Mullisら(Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51,263(1987)Erltched.,PCR Technology(Stockton Press,NY,1989))を参照のこと。
“ストリンジェント条件”は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高温、例えば0.015M NaCl/0.0015Mクエン酸ナトリウム(SSC);0.1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を50℃で用いるか、又は(2)ハイブリダイゼーションの間に変性剤、例えばホルムアミド、例えば0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドンを含む50%ホルムアミド/750mM NaCl,75mMクエン酸ナトリウムを含むpH6.5の50mMリン酸ナトリウム緩衝液を42℃で用いる条件である。他の例は、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×Denhardt's溶液、高波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%デキストランスルフェート(42℃)及び0.2×SSC及び0.1%SDSでの42℃での洗浄の使用である。
hK2ポリペプチドがヒト源のもの以外の組換え細胞内で発現される場合、hK2ポリペプチドはヒト源のタンパク質又はポリペプチドを全く含まない。しかしながら、hK2ポリペプチドについて実質的に均一である調製物を得るために、組換え細胞タンパク質又はポリペプチドからhK2ポリペプチドを精製することが必要である。例えば、培養培地又はライゼートは、特定の細胞デブリスを除去するために遠心することができる。次に膜及び可溶性タンパク質画分が分離される。次にhK2ポリペプチドは可溶性タンパク質画分から精製され、そして必要なら、培養ライゼートの膜画分から精製することができる。次に、hK2ポリペプチドは、イムノアフィニティーもしくはイオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカもしくはアニオン交換樹脂、例えばDEAEでのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばSephadex G−75を用いるゲルろ過;又は液体アフィニティークロマトグラフィーにより、汚染する可溶性タンパク質及びポリペプチドから精製することができる。
生じたトランスジェニック宿主細胞から単離した後、hK2ポリペプチドの誘導体及び変異体は直ちに調製することができる。例えば、本発明のhK2ポリペプチドのアミドは、カルボン酸基又は前駆体をアミドに転化するために当該技術で公知の技術によっても調製することができる。(末端カルボキシル基におけるアミド形成のための好ましい方法は、ポリペプチドを固体支持体から適切なアミンで開裂すること、又はアルコールの存在下で開裂させてエステルを作り、次に要求されるアミンでアミノ分解を行うことである。
hK2ポリペプチドのカルボキシル基の塩は、1又は複数の等価の要求される塩基、例えば水酸化金属塩、例えば水酸化ナトリウム;炭酸又は重炭酸金属塩、例えば炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウム;又はアミン塩基、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン等に、ペプチドを接触させることにより、通常、調製することができる。
本ポリペプチドのアミノ基のN−アシル誘導体は、最終的な縮合のためのN−アシル保護されたアミノ酸を利用することにより、又は保護されたもしくは保護されていないペプチドをアシル化することにより調製することができる。O−アシル誘導体は、例えば、遊離ヒドロキシペプチド又はペプチド樹脂のアシル化により調製することができる。いずれのアシル化も、標準的なアシル化試薬、例えばアシハハライド、無水物、アシルイミダゾール等を用いて行うことができる。N−及びO−アシル化の両方を必要なら行うことができる。更に、図1の内部hK2アミノ酸配列は、L形態よりD形態を利用する置換を含む、特定の位置を、1又は2の保存性アミノ酸置換基に置換することにより改変することができる。本発明は、hK2ポリペプチドの変異体又は改変形態にも関する。このポリペプチドの1又は複数の残基は、抗原機能が保持される限り、変えることができる。保存性アミノ酸置換、即ち、例えば酸性アミノ酸としてのアスパラギン−グルタミン酸;塩基性アミノ酸としてのリシン/アルギニン/ヒスチジン;疎水性アミノ酸としてのロイシン/イソロイシン、メチオニンノバリン、アラニンノバリン;親水性アミノ酸としてのセリン/グリシン/アラニン/トレオニンが好ましい。
ポリペプチドの酸付加塩は、そのポリペプチドを、1又は複数の等価の要求される無機又は有機酸、例えば塩酸に接触させることにより調製することができる。ポリペプチドのカルボキシル基のエステルは、当該技術で周知の通常の方法のいずれかによっても調製することができる。
単離した後、hK2ポリペプチド及びその抗原的に活性な変異体、誘導体及びフラグメントは、通し番号08/096,946に詳細に開示されるように、hK2又は抗hK2抗体を含むと予想される生物材料由来のサンプルにおけるhK2についてのアッセイに用いることができる。例えば、hK2ポリペプチドは、検出可能な標識で、例えば1又は複数の放射能標識ペプチジル残基により、標識することができ、抗hK2抗体への結合について内因性hK2と競合するのに、即ち生理的流体のサンプル中の抗hK2抗体に結合する“捕獲抗原”として用いることができ、固定化することができる抗hK2抗体を用いるhK2についての種々の競合イムノアッセイ形態は、
(a)固体表面に結合することができる所定量の抗hK2抗体を供し;
(b)hK2を含む生理学的流体のサンプルを、検出可能な標識を含む周知の量のhK2ポリペプチドと混合して混合したサンプルを作り、
(c)前記抗体を、前記混合したサンプルに、該抗体と前記hK2との間に免疫学的反応がおこり抗体−hK2複合体を形成し前記抗体と前記標識されたペプチドとの間に免疫学的反応がおこり抗体−標識化ポリペプチド複合体を形成するのに十分な時間、接触させ、
(d)前記混合されたサンプルから、hK2に結合した抗体と前記標識されたポリペプチドに結合した抗体とを分離し、
(e)前記固体表面上に結合した又は前記混合されたサンプル中に残っている標識されたポリペプチドの存在又は量を検出又は決定し、
(f)前記サンプル中の前記hK2の存在又は量を、ステップ(e)の結果から決定すること
により行われる。
競合阻害イムノアッセイによりサンプル中の内因性hK2を検出することができる他の形態において、内因性hK2の未知の量を含むサンプルに周知の量の抗hK2抗体が添加される。その周知の量は存在すると予想されるhK2の全てと複合体形成するのに必要とされる量より少いように選択され、例えば前立腺癌であると知られている患者から得られた生理的流体と同じ量のサンプル中に存在するであろう量である。次に、検出可能な標識を含む本発明の周知の量のhK2ポリペプチド又はそのサブユニットが添加される。サンプル中に内因性hK2が存在するなら、標識されたhK2ポリペプチドに結合するのにより少い抗体が利用できるであろうし、それは溶液中で遊離しているであろう。内因性hK2が存在しないなら、添加された標識化ポリペプチドは、添加された抗hK2抗体と複合体形成して二成分複合体を形成するであろう。次に、その二成分抗体−抗原複合体は、抗哺乳動物IgG抗体(ヒツジ、ヤギ、マウス等)により沈殿する。その沈殿(三成分複合体)中の放射能又は他の標識の量は、サンプル中に存在する内因性hK2の量に逆比例し、例えば減少した量の放射能を含むペレットは内因性hK2の存在を示す。
研究室及び飼育動物中のポリクローナル抗体又は抗血清を調製するための慣用的な技術のかわりに、周知のハイブリドーマ細胞培養技術を用いてhK2ポリペプチドに対するモノクローナル抗体を調製することができる。一般に、この方法は、例えば、ミエローマ細胞の適合する連続性の系と融合した一次脾臓細胞の、抗体生産性融合細胞系を調製し、そして大量培養又は用いたミエローマ細胞系が得られたもしくは適合する動物種のいずれかにおいて、その融合した細胞を増殖させることを含む。これらの抗体は、それらが高度に特異的かつセンシティブであり、比較的“純粋”に免疫化学的であるので、動物の接種により生産されたものと比較して多くの利点を与える。本抗体の免疫学的に活性なフラグメント、例えば部分的にヒトに適応させたモノクローナル抗体であるf(ab)フラグメントも本発明の範囲内である。
本発明は、以下の詳細な実施例を引用することにより更に記載されよう。
実施例1
材料及び方法
哺乳動物hK2発現ベクターの作製
図2に示す(pphK2転写物の開始部位に対してヌクレオチド#40〜#858の)全プレプロhK2(pphK2)をコードするcDNA(約820bp長)を、一対のhK2特異的オリゴヌクレオチドプライマー(5'ACGCGGATCCAGCATGTGGGACCTGGTTCTCT3'配列番号:8及び5'ACAGCTGCAGTTTACTAGAGGTAGGGGTGGGAC3'配列番号:9)と共に逆転写ポリメラーゼ鎖反応(R1−PCR)を用いてヒトBPH組織のRNAから合成した。このcDNAを(pphK2センス配列に関する)5’及び3’端が各々BamHI及びPstI配列で交叉されるように作った。次に、アガロースゲル電気泳動によりcDNAを精製し、BamHI及びPstI制限酵素で消化した。その制限されたcDNAをBamHI−PstIで消化したpVL1393プラスミドベクターに連結し、大腸菌HB101株に形質転換した。pphK2 cDNA/pVL1393プラスミドを有する大腸菌を選択した。挿入物を含むpphK2を配列決定した。プラスミドpphK2 cDNA/pVL1393を大腸菌内で大量生産し、CsCl勾配超遠心により精製した。
大腸菌HB101中のプラスミドpphK2/pVL1393は、ブダペスト条約の規定において、America Type Culture Collection,Rockville,MD,USAに1994年5月2日に寄託し、受託番号ATCC69614が割り当てられた。
全体のpphK2コーディング配列を示す0.8kbフラグメント(図2)を、テンプレートとしてプライマー
Figure 0003955636
並びにpphK2を含むプライマーpVL1393(Dr.Young,Mayo Clinicから得た)を用いてPCRにより作った。PCR産物をTA−クローニングベクター(Invitrogen Corp.,San Diego,CA)に挿入して、全体の挿入物のDNAを配列決定した。
哺乳動物hK2発現ベクターを得るために、対応するTAクローンからhK2含有挿入物を単離し、GBMTプロモーターの制御下でプラスミドpGT−d(Bergら、Nucl.Acids Res.20,54-85(1992))のBcll部位に挿入した。哺乳動物発現ベクターPLNS−hK2及びPLNC−hK2を、対応するTAベクターからの0.8kb野生型hK2挿入物をプラスミドpLNSX及びpLNCX(Millerら、Biotech,9,980(1989))に各々クローニングすることにより得た。全ての哺乳動物発現ベクター内での挿入物の方向を、DNA配列決定により確認した。
組換えクローンの形成
ゴールデンハムスターにおけるアデノウィルス誘導性腫瘍由来の細胞系であるAV12−664(ATCC CRL−9595)及びDU145を、10%胎児ウシ血清(D10F)を補給したDulbecco's改良Eagle's培地(高グルコース)内で培養した。PC3細胞を、10%胎児ウシ血清を含む最小イーグル培地で培養した。AV12細胞に、リン酸カルシウム法(Maniatisら、前掲(1989))を用いてhK2発現ベクターを移入した。トランスフェクション後3日に、細胞をD10F÷200mMメトトレキセート(MTX)に再度懸濁した。2〜3週間後に薬剤耐性クローン細胞を単離し、それらの消費した培地をウェスタンブロットにより分析した。PC3及びDU145細胞に、リポフェクタミン(Gibco−BRL,Gaithersburg,MD)を用いてhK2哺乳動物発現ベクターを移入し、クローン(PC3−hK2及びDU145−hK2)を、400μg/mlのG418を含む培地中で選択した。
タンパク質の精製及び配列決定
AV12−hK2クローンを、D10F+200mM MTX内で増殖させた。約60%のマンフルエンシーにおいて細胞をハンクス刺激塩溶液で洗い、無血清HH4培地に再度懸濁した。消費された培地を、無血清消費培地の添加後7日に収集し、−20℃で保存した。タンパク質を精製するために、その無血清消費培地を濃縮し、50mM重炭酸ナトリウムpH8に対象した。サンプルを0.2μフィルターでろ過し、次に5ml/分の流速で21mm×150mmのTSK DEAE−5PW HPLCカラムに直接、ポンプした。緩衝液Aは50mM重炭酸ナトリウム/pH7.9を含んでおり、緩衝液Bは50mM重炭酸ナトリウム+0.5M NaCl pH7.6を含んでいた。その溶出プロフィールを、35分の0〜50%の緩衝液B;35〜40分の50〜100%のBの勾配、及び5分の100%のBでのアイソクラティック溶出で展開し、緩衝液Aで再平衡化した。その流速は全体を通して5ml/分であった。先の手順において、ホウ酸緩衝液は、重炭酸緩衝液を顕著な差のないものに置換することができよう。
DEAE画分を、ウサギ抗pphK2(Saediら、Mol.Cell.Endoc.,109,237(1995))を用いてドライド・ダウンELISA法(以下を参照のこと)によりhK2の存在についてアッセイした。hK2活性を有する画分をプールし、膜(10kDカットオフ)での限外ろ過により約5〜8mlに濃縮した。次に、固体の硫酸アンモニウムを1.2Mの最終濃度まで加えた。次にこのサンプルを、PolyLC、ポリプロピルアスパルタミドカラム、1000Å孔径、4.6mm×200mmに注として疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によりタンパク質を分けた。緩衝液Aは、20mMリン酸ナトリウム、1.2M硫酸ナトリウムpH6.3であり、緩衝液Bは50mMリン酸ナトリウム、5% 2−プロパノール、pH7.4であった。その溶出勾配は、5分の0〜20%;5〜20分の20〜55%のBの勾配、20〜23分の55%のBでのアイソクラティック、23〜25分の55〜100%のBの勾配、2分の100%のBでのアイソクラティックであり、次に緩衝液Aで再度平衡化した。流速は1mL/分であった。約50%のBで溶出したhK2を含むHICピークを、Centricon−10(Amicon)10K MWカットオフ超遠心でのくり返しの濃縮により50mMホウ酸緩衝液pH8に交換した。純度を、SDS−PAGE及びウェスタンブロット分析の両方により評価した。hK2V217濃度を評価するのに用いた吸光係数は1.84のA280=1mg/mlであった。
特定の場合において、hK2を含むHICピークを、10/30 Pharmacia S12カラムでのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により更に精製した。この場合、hK2を含むHICピークを、上述のような限外ろ過により1mL未満に濃度し、次に100mM酢酸アンモニウムpH7又はホウ酸ナトリウムpH8で平衡化したサイズ排除カラムに適用した。流速は0.7mL/分であった。次にhK2ピークを限外ろ過により濃縮した。酢酸アンモニウムでのSECから収集したピークを凍結乾燥して緩衝液を除去し、次に水で再構成した。このサンプルのアリコートを、112℃で20時間、気体の6N HClで加水分解し、次に0.1N HCl中で再構成して、第1級アミンのためのOPA及び第2級アミンのためのFMOCでのアミノ酸のカラム前誘導化を利用して、Hewlett Packand Aminoquantアミノ酸アナライザーで分析した。
アフィニティークロマトグラフィーによりhK2を精製するためにHKIG 586.1アフィニティー樹脂を用いた。HK1G586.1モノクローナル抗体(mAb)を、Schneider(J.Biol.Chem.257,10766(1982))に従ってPharmacia Gamma Bind plus Sepharose(cat no.17-0886)に結合させた。要約すると、HK1G586.1mAb及び樹脂を回転させながら4℃で一晩、インキュベートした。樹脂を遠心し(500×gで5分、4℃)、0.2MトリエタノールアミンpH8.2で2回洗った。アミン基を室温(22℃)で45分、新しい架橋溶液(0.2Mトリエタノールアミン、pH8.2中25mMのジメチルピメリミデートジヒドロクロライド)中で架橋した。その樹脂を室温で5分、20mMのエタノールアミンpH8.2で反応を止め、次に1M NaCl,0.1M PO4,pH7.0で2回洗った。その樹脂を更に2回PBSで洗い、使用するまで0.05%NaN3と共に4℃で保存した。
Applied Biosystems Model 477aパルスト液相シーケンサーを用いてタンパク質及びペプチドを配列決定した。Model 477aは、N末端からアミノ酸を連続的に遊離し、次にPTH誘導化、そして逆相HPLCによるクロマトグラフィーを行うために自動化エドマン分解化学を用いる。そのペプチドサンプルをバイオブレン処理したガラス繊維フィルター支持体でシーケンサーに適用し、全てのタンパク質をバイオブレン処理したフィルターに又は予め活性化したPortonフィルター(Beckman,Fullerton,CA)のいずれかに適用した。ブロットから配列させたサンプルを、最初にNovexシステム(Novex,San Diego,CA)上のミニゲルとして走らせ、次に、Problot PVDF膜に移し、クーマシーブルーで視覚化、適切なバンドを切り出し、そしてPVDF膜から直接配列決定した。
モノクローナル抗体生産
A/Jマウスに1日目に完全フロイントアジュバント(CFA)中50mlのphK2を、14日目に不完全フロイントアジュバント(IFA)中25mgのphK2を、そして28日目にPBS中25μgのphK2を復腔内に注入した。融合前3日に、マウスをPBS中10μg nphK2の静脈内注入でブーストした。マウスを殺し、単一細胞懸濁液を脾臓から調製した。免疫B細胞を、当該技術で公知の技術を用いてP3.653ミエローマ細胞に融合した。ELISAによりクローンをスクリーニングし、hK2V217及びphK2V217へのその上清の反応性並びにPSAとの最小の反応性に基づいて選択した。これらの基準により選択した2つのクローンHK1G464及びHK1G586をFACStarプラス細胞ソーターを用いてサブクローニングして、単一細胞をマウス脾臓フィーダー層に与えた。サブクローンHK1G464.3及びHK1G586.1を、更なる研究のために用いた。
免疫原をhK2とし、CFA及びIFAのかわりにミョウバンを用い、BALB/cマウスをA/Jマウスのかわりに用いたことを除いて上述と同じプロトコルを用いる融合によりクローンHKlH247を作った。
ELISAアッセイ
クローンの無血清消費培地において及びhK2精製の間に収集した画分においてhK2を測定するのにドライド・ダウンELISAを用いた。マイクロタイタープレート(Becton Dsckinson Labware,NJ)を50μlの消費培地又はカラム画分で、37℃で一晩、コートした。そのウェルをPBS+0.1%Tween 20(PBST)で洗い、50μlの一次抗体と共に1時間、インキュベートした。そのウェルをPBS+Tで再び洗い、37℃で1時間、50μlの、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(1:500,Jackson Immunosearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)と結合したヤギ抗マウス−IgG又はヤギ抗ウサギ−IgGFc抗体と、一時間、インキュベートした。ウェルをPBSTで洗い、o−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(OPD,Sigma,MO)と5分、インキュベートし、ELISAリーダー(Biotek Instruments,Inc.,モデルEL310,VT)でA490において比色反応を測定した。全てのサンプルを重複してアッセイした。ベクターのみを移入したAV12細胞からの無血清消費培地を陰性対照として用いた。
抗体を、ビオチニル化phK2V217,hK2V217、及びPSAを用いて溶液ベースのELISAでテストした。PSAは、Sensabaugh及びBlake(J.Urology,144,1523(1990))の方法により精製した50μlの緩衝液A(8.82mMクエン酸、82.1mMリン酸ナトリウム(二塩基)、10%BSA,0.1%マンニトール、0.1%Nonidet P−40,pH7.0)に希釈したビオチニル化hK2V217又はphK2V21720mg又はPBS中10%のウマ血清(HS)に希釈したビオチニル化PSA 0.25mgを、50μlのハイブリドーマ上清、陰性対照上清(即ち、phK2V217及びhK2V217について無関係なハイブリドーマ上清、又はPSAのためのHS中の20μg/mlの無関係な精製されたmAb)、又は陽性対照上清(即ちPSAのためのHS中の20μg/mlの精製されたPSM 773(抗PSA)mAb、又はphK2V217及びhK2V217についてのHK1D104(抗“hK2”)ハイブリドーマ上清とインキュベートした。hCGに対するmAbであるHCO514をPSAアッセイにおける陰性対照として用い、tquに対するmAbであるZTG085をhK2アッセイにおける陰性対照として用いた。
これらの抗体と抗原との混合物を、ストレプトアビジンでコートしたマイクロタイタープレート(Labsystems,Helsinki,Finland)中で振とうしながら1時間、インキュベートさせた。そのプレートを300μlのPBS,0.1%Tween−20(PBST)で3回洗い、1時間、振とうしながら、HS中に1:10,000に希釈した100mlのγ特異的ヤギ抗マウスIgG−セイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲート(Jackson Immuno Research Laboratories,Inc.,Westgrove,PA)とインキュベートした。2回目のPBSで洗浄の後、50mMリン酸−クエン酸緩衝液、0.03%過ホウ酸ナトリウムpH5.0(Sigma Chemical,St.Louis,MO)中1mg/mlのo−フェニレンジアミン100μlを加えた後、振とうしながら30分、色を展開させた。その反応を、50mlの4N H2SO4を加えることにより止めた。その色の強度を、マイクロタイタープレートリーダーを用いて490nm及び540nmの吸光度を測定することにより決定した。490nmにおける2.6を超える吸光度を540nmの読みで補正した。サンプル値は3回重複の平均±標準偏差である。対照値は2回重複の平均である。
ウェスタンブロットアッセイ
標準的な手順を用いてウェスタンブロット分析を行った。無血清消費培地をCentricon 10(Amicon,Inc.,Beverly,MA)を用いて10倍に濃縮し、12%ゲル(Bio-Rad,Inc,Melville,NY)を用いるSDS/PAGEにかけた。分析のため、8〜25%勾配ゲルを用いてPharmacia Phast SystemでSDS/PAGEを行った。電気泳動の後、タンパク質をニトロセルロース膜に移し、PBS中で2%の脱脂粉乳と共に4℃で一晩、ブロックした。ブロットをそそぎ、次に22℃で1時間、一次抗体(腹水の1:1000希釈、又は精製したmAbもしくはポリクローナルAbsの1μg/ml)とインキュベートした。次にブロットを洗い、45分、二次抗体(ヤギ抗マウスHRP又はヤギ抗ウサギHRP,1:500,Jackson Immurosearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)とインキュベートした。免疫反応性のバンドを、DAB(Sigma,St.Louis,Mo)+H2O2を用いてブロットを展開することにより、又は製造元の説明に従ってECL(Amersham,Buckinghamshire,England)を用いることにより検出した。
共有結合複合体形成
共有結合複合体形成についてテストするため、0.175μMのhK2を100mMホウ酸緩衝液中pH8で、20μMのインヒビターとインキュベートした。テストしたインヒビターは、1−アンチキモトリプシン(ACT)、1−アンチトリプシン、1−アンチプラスミン、アンチトロンビン及び2−マクログロブリン(MG)であった。5μlのhK2(10μg/ml)に、100mMホウ酸緩衝液中に調製した計算したμgのインヒビターを加え、必要に応じて、サンプルを全量10μlにした。サンプルを37℃で3時間、インキュベートし、それに基づいて、35%の2−メルカプトエタノールを含む、1.5μlの7×Phast System SDSサンプル緩衝液を加え、そのサンプルを水浴中で3分、煮沸した。サンプルをSDSサンプル緩衝液中1/4に希釈した後、SDS/PAGE及びウェスタン分析に適用した。
ペプチド基質のタンパク質分解
hk2がペプチド基質を開裂する能力を決定するために、ペプチドを10mg/mlでDMSOに溶かし、次に1:10で、PSA,hK2又はトリプシンを含む100mMホウ酸緩衝液に希釈した。典型的な実験を次の通りに行った:1μlのペプチドを7μlの100mMホウ酸緩衝液に加え、次に2μlのhK2(10μg/ml)、PSA(500μg/ml)又はトリプシン(0.5μg/ml)を加えた。一般に、サンプルは37℃で16時間、インキュベートした。サンプルを100μlの0.2%TFA/水で反応を止め、そのサンプルをAS100オートサンプラー、デュアル1350ポンプ及びBiodimension走査性UV−VISディテクターを備えたBioRad Model 800HPLCに取り付けたVydac C−18逆相カラムに直接、適用した。溶媒Aは0.1%TFA/水であり、溶媒Bは0.1%TFAを含むアセトニトリルであった。サンプルを90%の溶媒A及び10分の60%の溶媒Bに向かう勾配に適用した。220nm及び280nmにおいて同時に吸光度をモニターした。HPLCから収集されたピークを真空遠心又は凍結乾燥により濃縮し、次にアミノ酸シーケンサーに適用して個々のフラグメントを同定した。特定の場合、10μlの反応を止めたサンプル混合物を配列決定膜に直接適用し、その配列は知られているので、その開裂部位を各々のサイクルに存在するアミノ酸の分布から決定した。
色原基質を用いるプロテアーゼアッセイ
パラニトロアニリド誘導化基質の加水分解を測定するためのアッセイを、プログラム可能なサーモスタット7−ポジションセルホルダーを備えたHP8452A UV−VISスペクトロホトメーターを用いて行った。アッセイは37℃でインキュベートした100mMホウ酸ナトリウムpH8で行い、405nmにおける吸光度の増加をモニターした。そのアッセイにおいて、メトキシスクシニル−Arg−Pro−Tyr−パラニトロアニリド(Meo−Suc−R−P−Y−pNA)及びH−D−Pro−Phe−Arg−パラニトロアニリド(P−F−R−pNA)は1mMであった。
標準的FastMoc化学を用いるABIモデル431Aペプチドシンセナイザーを、Sigmaから得た#2、アンジオテンシノゲン及び#5、インスリンの酸化β鎖を除き、図16に列記される全てのペプチドを合成するのに用いた。各々の合成したペプチドの量はES/MSを用いる質量分析(University of Michigan,Core Facility)により確認した。上述のABIモデル477aシーケンサーを、ペプチド配列を確認するのに用いた。
phK2 V217 のhK2 V217 への変換
50mMのホウ酸ナトリウム中100〜400μg/mlのphK2V217のサンプルを37℃で1%w/wのトリプシン又はhK2とインキュベートした。プロから成熟への変換を、1〜2μgのhK2V217出発材料の100ml HIC緩衝液Aへの希釈及び上述のHIC−HPLCによる2つの形態の分離によりモニターした。hK2V217のphK2V217とのインキュベーションを、2つの形態の相当する量を、図7Bのように一緒にインキュベートしたことを除いて、同様に行った。
実施例2
哺乳動物細胞におけるhK2 V217 の発現及び精製
哺乳動物細胞系においてhK2を発現させるために、hK2(pphK2)の全体のコーディング配列をコードする0.8kbフラグメント(図2)を、PCRを用いて増幅し、ベクターPCRII(TA)にサブクローニングし、そしていくつかのクローンを単離した。これらのクローンのいくつかにおける全体のpphK2挿入物のヌクレオチド配列を決定し、PCR増幅によって引きおこされ得るいずれかの変異を検出した。2つのクローン、即ち、野生型hK2挿入物TA−hK2を有するものと変異hK2挿入物TA−hK2V217を有するものとを更なる分析のために選択した。TA−hK2V217(配列番号:14)はhK2のコドン650においてCのTへの置換を含んでおり、hK2のアミノ酸残基217におけるアラニン(GCT)のバリン(GTT)への保存性の置換を生ずる。哺乳動物発現ベクターを得るために、TA−hK2及びTA−hK2V217のpphK2挿入物をGBMTプロモーターの制御下のプラスミドPGT−dにサブクローニングして、プラスミドpGThK2及びpGThK2V217(図3)を作った。GBMTプロモーターは、いくつかの調節配列から構成され、アデノウィルスElaタンパク質により活性化される(Bergら、前掲(1992))。
pphK2V217遺伝子の産物が哺乳動物細胞中で発現されるか否かを決定するために、プラスミドpGThK2V217をAV12−664細胞に移入した。この細胞系は、ゴールデンハムスターにおいてアデノウィルス12型により誘導された腫瘍から得られ、Elaタンパク質を発現する。Elaタンパク質は、このプロモーターの制御下で遺伝子産物を発現させるGBMTプロモーターを活性化する。2〜3週間後、MTX耐性のクローン細胞を単離し、それらの消費培地を、ウェスタンブロットにより分析した。その培地内に抗pphK2抗血清に対して免疫反応するポリペプチドを分泌するいくつかのクローンを同定した。更なるキャラクタリゼーション及びタンパク質精製のために1つのクローン(AV12−pGThK2V217#2)を選択した。
hK2ポリペプチドを精製するために、AV12−pGThK2V217クローン#2からの無血清消費培地を7日後に収集し、濃縮してアニオン交換クロマトグラフィーにかけた(図4A)。hK2活性のピークは、ELISAアッセイにより決定して、約0.2MのNaClで溶出された(点線)。ELISAアッセイは、同じ画分におけるSDS/PAGEにより見られるタンパク質の約34kDのバンドの出現と十分に相関した。アニオン交換カラムからのhK2−陽性画分を収集し、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIL)にかけた(図4B)。A280の主要な部分はHILカラム上に保持されなかった。主なピークはHIL上に保持され、それは22分で溶出し、ELISAアッセイにより最も高いピークの活性を示した(点線、図4C)。約34kDの主なタンパク質バンドはSDS−PAGEによっても観察された。HILからの22分のピークを、SECで分離し、典型的にタンパク質のA280の約80〜90%が19.4分に溶出し、約34kDのタンパク質であるのと一致した保持時間であった(図4C)。先の精製ステップにおいて約70KDタンパク質に相当する16.7画分に溶出するSECでの唯一の他のタンパク質ピークが観察された。
精製されたタンパク質を更に、同定するために、約2.5μgのタンパク質を自動化N末端分析にかけて、次の配列:Val-Pro-Leu-Ileu-Gln-Ser-Arg-Heu-Val-Gly-Gly-Trp-Glu-(配列番号:15)を作り出した。エドマン分析法により連続的に遊離されたアミノ酸のプロフィールから明らかな競合する配列はなかった。PSAとの類似性により、このタンパク質はphK2V217である。なぜなら、(精液から単離された)成熟PSAの周知の配列はIleu-Val-Gly-で始まり、pPSA及びphK2はそのN末端において更に7つのアミノ酸を有すると仮定されるからである(図2)。このタンパク質のアミノ酸分析は、phK2V217の予想される配列と一致したアミノ酸組成を示した。このphK2ポリペプチドをmg量で精製した。
実施例3
phK2 V217 のキャラクタリゼーション及びhK2 V217 の形成
実施例2に用いた精製スキームの効率を検査するために、1.5μgの精製したphK2V217を、β−トルカプトエタノール(BME)の存在又は欠如下でのSDS/PAGEにかけ、そのゲルを銀で染色した。結果は、サンプル中のphK2V217が約95%の純度であることを示した1(図5)。phK2V217はBMEの欠如下で約30kDまで移動し、BMEの存在下で約34kDまで移動したことも示した。このパターンは精液から精製されたPSAについて観察されたものと似ている。
cDNA配列から予想されるhK2のアミノ酸配列は、残基78における1つの可能性あるN結合グリコシル化部位の存在を示す(N−M−S)。この部位がグリコシル化されているか否かを決定するために、phK2V217をSDS/PAGEにかけ、ニトロセルロース紙に移し、ジゴキシゲニン(DIG)に結合したレクチンと、次にセイヨウワサビペルオキシダーゼ標識化抗DIGと反応させた。
図6(レーン1)において、2μgのphK2がコンカナバリンA(ConA)で染色されたことは、そのタンパク質中に2つの非置換化又は2−o−置換化α−マンノシル残基の存在を示唆する。レーン2は、陽性対照グリコプロテインZCEO25mAbのConA染色を示す。このmAbの重鎖(50kD)及び軽鎖(25kD)はマンノースコアと共にN結合オリゴサッカライドを含むことが知られている。レーン3は、非グリコシル化タンパク質(BSA)がConAレクチンと反応しないことを示す。phK2V217はPLA(Galbl−4−GlcNAc特異性)及びAAA(α(1−6)結合フコース特異性)とも反応した。このレクチン反応性のパターンは、複合体N結合オリゴサッカライドの存在と一致した。phK2V217上のオリゴサッカライドは、シアル酸も含んでいる。なぜならガラクトースに対するSNA(ガラクトースにα(2−6)結合したシアル酸)及びMAA(ガラクトースにα(2−6)結合したシアル酸)の両方がphK2V217と反応したからである。
hK2のプロ領域の配列はVP LIQSR(配列番号:12)である。このプロ配列のアルギンのカルボキシ末端における酵素開裂は、phK2をhK2に変換するであろう。弱いトリプシン消化はこの位置の精製されたphK2V217のペプチド結合を加水分解するように開発した。phK2V217を1%トリプシンとインキュベートし、HPLCによりその変換をモニターした(図7)。この手順は、phK2V217を完全にhK2V217に変換した。ピークで示されるhK2V217をN末端配列決定し、hK2からの成熟体についてのN末端である配列IVGGWEで始まることが示された。上述以外の配列が検出されなかったことは、この弱いトリプシン処理がいずれの大きなレベルの非特異的開裂を作らないことを示す。トリプシンで処理したサンプルのSDS/PAGEは小さいが識別できる移動度の増加を示し、これはプロペプチドの量である826ダルトンの量の小さな減少と一致した。
実施例4
hK2特異的Absの形成
phK2V217及びhK2V217をhK2に対するモノクローナル抗体(mabs)を作るための免疫原として用いた。ハイブリドーマを、hK2V217又はphK2V217との高い反応性及びPSAとの最小の反応性に基づいてスクリーニングした。ハイブリドーマから得られたmAbの例を表1に示す。phK2V217での免疫化によりmAb HK1G586.1及びHK1G464.3を作った。HK1G586.1はそれがphK2V217及びhK2V217を認識するがPSAを認識しないので、hK2特異的であった。他方、HK1G464は、それがphK2V217のみを認識し、hK2V217又はPSAを認識しないのでphK2特異的であった。
Figure 0003955636
hK2V217での免疫化によりmAb HK1H247を作った。このmAbは、hK2V217のみを認識し、phK2V217又はPSAを認識しないのでhK2特異的であった。これらの結果は、phK2V217及びhK2V217が異なる形態のhK2に特異的なmAbを作り出すことにおいて免疫原として役立つことを示す。
HK1G586が精液中のhK2を認識するか否かを検査するためにウェスタンブロット分析を用いた(図8)。約22kD、約33kD、及び約85kDのhK2免疫反応性バンドがこのmAbにより認識された。精液中での同様のhK2免疫反応パターンがDepertheら(Biochem.Biophy.Acta.1245,311(1995))によっても現在、報告されている。この結果は、hK2V217に対して生じたmAbが精液中のネイティブhK2を認識することを示す。hK2V217又はphK2V217に対して生じた全ての抗体がhK2及びphK2の対応する形態も認識したことは、hK2及びphK2は、各々hK2V217及びphK2V217と同様な免疫原性であることを示す(以下を参照のこと)。
実施例5
哺乳動物細胞におけるhK2の発現
哺乳動物細胞内で野生型hK2(hK2)を発現させるために、pGThK2(図3)をAV12細胞に移入した。hK2ポリペプチドを発現するいくつかのクローンを、HK1D106.4(hK2のアミノ酸残基17−71に相当するポリペプチドに対して生じたhK2特異的mAb)を用いてウェスタン分析により同定した。そのより高いhK2発現レベルに基づく更なる分析のために、クローンAV12−hK2#27(AV12−hK2)を選択した。ベクターのみを移入したクローン(pGTD)は、HK1D106.4との反応性を示さなかった。
HK1D106.4mAbを用いるELISAは、7日目におけるAV12−hK2の無血清消費培地中のhK2ポリペプチドの約0.5〜1μg/mlの存在を示した。AV12−hK2V217からのphK2V217の精製に用いたのと同じ方法を用いてAV12−hK2の7日目の消費培地からhK2ポリペプチドを精製した。これは、精製手順に対して極めて不安定である低い収量の精製されたhK2ポリペプチドを生じ、これにより免疫原としての使用のためには実用的でなかった。
hK2ポリペプチドを上述の方法を用いて部分精製し、SDS/PAGEにかけ、エレクトロブロットし、そしてN末端アミノ酸配列決定にかけた。この分析は、7日目におけるAV12−hK2の消費培地中のhK2ポリペプチドがN末端に配列IVGGWELEK(配列番号:17)を有することを示した。エドマン分解法により連続的に遊離されたアミノ酸のプロフィールから明らかになった競合配列はなかった。PSAとの比較により、この配列は成熟hK2(hK2)に相当する。このタンパク質のアミノ酸分析はhK2のそれとも一致した。
この発見は興味をそそる。なぜならそれは、AV12−hK2V217の無血清培地中に支配的なphK2V217が7日目に存在する一方、AV12−hK2の無血清消費培地中に支配的なhK2が7日目に存在することを示したからである。1日目においてAV12−hK2の無血清培地中に存在するhK2の形態を検査するために、この材料を、HK1G586.lmAbsを用いるアフィニティー精製により部分精製した。約34kDのタンパク質をPVDFに移し、N末端分析にかけ、配列VPLIQSRIVGGを示した。エドマン分解法により連続的に遊離されたアミノ酸のプロフィールから明らかな競合する配列はなかった。PSAと比べて、この配列はphK2に相当する。これは、hK2ポリペプチドがAV12−hK2及びAV12−hK2V217細胞の両方によりプロ形態として分泌されることを示唆する。しかしながら、phK2V217は安定でありhK2V217に転化されないので、phK2は不安定であり、容易に細胞外でhK2に転化される。
実施例6
hK2の生合成
哺乳動物細胞におけるhK2の生合成を更に研究するために、AV12−hK2クローン#27からの無血清消費培地を8日の連続期間の各々の日に収集し、濃縮し、そしてSDS/PAGEにかける時間経過研究を行った。そのタンパク質をニトロセルロース膜に移し、HK1D106.4又はHK1G464.3mAbsのいずれかでプロービングした。また、図9に示すように、HK1D106.4はphK2及びhK2の両方を認識するが、HK1G464.3はhK2の−7〜+7領域にそのエピトープがあるので、phK2のみを認識する。hK2ポリペプチド(約34kD)の発現は3日目までピークであり、その後、HK1D106.4mAbsにより検出して安定期に入る。約70kD及び約90kDに移動する2つの他の免疫反応性バンドも4日目から検出された。
他方、同じサンプルをブロットし、HK1G464.3でプロービングし、hK2のレベルの逐次的減少を4日目までに検出した。8日目に、消費培地において極めて低レベルのhK2が見い出された。この結果は、phK2がAV12−hK2細胞により培地に分泌され、次第にhK2を細胞外で転化することを示す。興味あることに、HK1G464.3で約70kD及び約90kDのバンドは観察されず、このことは、これらのバンドがhK2のホモオリゴマーであるか、又はまだ知られていないタンパク質と共有結合複合体形成したhK2であることを示す。これらのバンドの同一性はこの時知られていないが、それらは消費培地中のhK2の存在についてのマーカーとして機能する。図9において、精製されたphK2V217及びhK2V217タンパク質を対照として用いた。
AV12細胞におけるhK2V217の生合成を研究するため、同様の時間経過研究をAV12−hK2V217クローン#2で行った。図10に示すように、hK2V217の発現は3日目までピークであり、HK1D106.4mAbsにより検出して4日目以降からあまり多くなかった。同様の結果は、そのブロットをHK1G464.3mAbsでプロービングした時に得られた(図10)。これは、AV12−pGThK2V217クローン#2細胞が1日目以降からphK2V217を発現しており、少くとも8日目以降に、このタンパク質は成熟形態に転化されることを示した。これらの結果は、8日間、培地中においたならhK2に転化されるphK2のそれと対照的であり、このことは、phK2V217が8日間、37℃で培地中で安定であることを示す。
phK2のhK2への細胞外変換が培養においてAV12−hK2クローン#27の生存能と相関するか否かを研究するために、#27細胞をトリパンブルー排除を用いて計数した。消費培地中でのhK2の発現を、HK1D106.4及びHK1G464.3mAbの両方を用いてELISAにより測定した。図11に示すように、生存する細胞の数は3日目まで培養において3500万のピークであり、その後次第に減少した。8日目までに、生存細胞の数は1000万未満にまで減少した(HK1G464.3により測定した)phK2の発現も3日目までピークになり、その後次第に減少した。
他方、(HK1D106.4により測定した)hK2の発現は3日までにピークになったが、その後安定した。この結果は、phK2はAV12−hK2細胞により分泌され、その画分は4日目までに次第に細胞外に転化されることを示す。更に、それは、phK2のhK2への転化が細胞生存能の減少と明らかに相関していることを示し、このことは死んでいる細胞により遊離される細胞外プロテアーゼがこの転化の原因である要因の1つであり得ることを示す。hK2の発現は、細胞が最も生存能のある点において最も高い。hK2の減少が細胞生存能の減少と平行していることは、hK2が、細胞死及び溶解の後に遊離されるのと反対に、これらの細胞により分泌されることを示唆する。また、hK2の上昇がphK2の低下に対応したことは、hK2のプロ形態が時間の経過とともに成熟形態に自動的に転化することを示す。
前立腺癌細胞におけるhK2の生合成を検査するため、hK2をDU145及びPC3細胞系において発現させた。pphK2を各々CMV及びSV40プロモーターの制御下で、プラスミドpLNCX及びpLNSX(Miller及びRosman,Bio Techniques,7,980(1989))にクローン化した。生じたプラスミドpLNC−hK2及びpLNS−hK2各々を各々PC3及びDU145細胞に移入し、そしてG418を含む培地中でクローンを選択した。高レベルのhK2を発現するクローンを、ELISA及びウェスタンブロットにより選択した(PC3−hK2及びDU145−hK2)。
培地中でのhK2及びphK2のレベルを評価するために、CP3−hK2及びDU145−hK2細胞の無血清培地を、HK1D106.4(hK2特異的)及びHK1G464.3(phK2特異的)mAbsを用いるウェスタンブロットにかけた(図12)。結果は、phK2がDU145−hK2及びPC3−hK2の両方の消費培地中に存在することを示した。これは、前立腺癌細胞がphK2として分泌され、細胞外で成熟形態に転化されることを示す。この発見は、AV12細胞で先に得られた結果を確認する。7日後でさえPC3−hK2細胞の消費培地中に支配的なphK2が検出されたが、1日目から始まるDU145−hK2の無血清培地中に支配的なhK2が存在した。これはおそらく、DU145消費培地における細胞外プロテアーゼの豊富さのためである。
上述の結果がちょうど1つのクローンに限られるか否かを検査するために、AV12−hK2の3つの他の独立して単離されたクローン及びAV12−hK2V217の4つの他の独立して単離されたクローンを、hK2ポリペプチドの発現についてテストした。クローンの無血清培地を7日目に収集し、HK1D106.4(hK2特異的)及びHK1G464(phK2特異的)mAbsを用いてウェスタンブロットによりhK2の発現についてテストした(図13及び14)。全てのAV12−hK2クローンにおいて、HK1D106.4mAbは主要な約34kDバンド(“hK2”)ばかりでなく、hK2の存在を示す約70kD及び約90kDのバンドも示した(図13)HK1G464.3は、全てのAV12−hK2クローン中で極めて低レベルのphK2を検出した(図14)。この結果は、主要なhK2が全てのAV12−hK2クローンの消費培地中に存在し、このことは、AV12−hK2#27クローンについて確立された生合成メカニズムを確かにする。同じ分析をAV12−hK2V217クローンで用いた(図14)。結果は、7日目にこれらのクローンの消費培地中にphK2V217のみが存在したことを示し、このことはAV12−hK2V217クローンでの我々の発見を確認する。
上述の結果は、要約すると、hK2が哺乳動物細胞中のプロ形態として発現され、まだ知られていないプロテアーゼにより細胞外で成熟形態に変換されることを示唆する。これらの結果は、phK2が生物流体中に存在し、それゆえpCa及びBPHのための有用な診断マーカーであり得ることも示唆する。
実施例7
hK2及びhK2 V217 の酵素活性及び特異性
少量のhK2を、その酵素活性及び基質特異性を確立するのに十分な純度まで精製した。hK2の一般的な活性を、ペプチドのp−ニトロアニリド誘導体でクロマトグラフィーでそのアミド分解活性を決定することにより測定した(表2)。これらの基質のタンパク質分解消化により遊離されたp−ニトロアニリドを吸光度A405において測定した。基質メトキシスクシニル−Arg−Pro−Tyr−パラ−ニトロアニリド(MeO−Suc−R−P−Y−pNA)を、フェニルアラニンにおいて開裂するキモトリプシン様プロテアーゼを測定するのに用いる。この基質は、以前に、PSAの活性を測定するのに用いられている(Chrtstenssonら、Eur.J.Biochem.,194,755(1990))。基質H−D−Pro−Phe−Arg−パラ−ニトロアニリド(P−F−R−pNA)はアルギニンを開裂するトリプシン様プロテアーゼに特異的である。
hK2はP−F−R−pNA上のhK2V217より10倍高い全体の活性を有することが見い出され、キモトリプシン基質であるMeO−Suc−R−P−Y−pNAを加水分解する能力を示すタンパク質はなかった。開裂(リシン、アルギニン)のためのトリプシン様部位を含む他の相当する基質もテストし、hK2は最も高い比率で基質P−F−R−pNAを加水分解することが見い出された。これらの発見は、hK2がトリプシン様活性を有することを示す。
Figure 0003955636
表2:色原基質へのhK2,hK2V217,PSA及びトリプシンのアミド分解活性
hK2及びhK2V217の特異性を、ペプチド結合が加水分解されていることを決定するためのN末端アミノ酸配列分析と一緒にペプチド基質を用いることによりより詳細に検査した。図15は潜在的なトリプシン及びキモトリプシン開裂部位を有するポリペプチド:
Figure 0003955636
へのアミド分解活性を示す。hK2V217は、キモトリプシン様開裂に優る2:1の比でトリプシン様開裂と共に、トリプシン(R−K)及びキモトリプシン(Y−R)部位を開裂した。これらの実験における対照として、phK2V217をこのペプチドともインキュベートし、アミド分解活性がないことを示した。hK2は、このペプチド基質に対してhK2V217と異なる特異性を示した。この基質でのキモトリプシン様特異性はhK2については見られず、その活性はトリプシン様部位(R−K)について排他的であった。このポリペプチド中で加水分解された他のリシン(K)残基はなく、このことは、hK2の特異性がアルギニン(R)残基について排他的であることを示す。
対照として、この基質でトリプシンも研究した。トリプシンは、トリプシン開裂に適する部位でないことが知られているK−P結合を除いて全てのリシン(K)及びアルギニン(R)部位を開裂した。トリプシンは、hK2より約4倍、hK2V217より約4000倍速い速度で210〜236基質(ペプチド#1、図16)のRK部位を開裂した。キモトリプシン様適合はトリプシンにより開裂されなかった。PSAは主にY−R結合を開裂した。PSAについてR−K結合に対する少いトリプシン様活性も見られた(図15)。これは、色原基質でのPSAについて以前に見られた小さなトリプシン様活性と一致した(表2)。
いくつかの他のペプチド基質もhK2及びPSAとインキュベートした(図16)。テストした全てのペプチドにおいて、hK2は選択されたアルギニンについてのみ特異性を示し、PSAは主に選択されたチロシン(Y)、フェニルアラニン(F)及びロイシン(L)残基についてであった。図16のペプチド#1のみが、図15のクロマトグラムに示すようにhK2V217により開裂された。
実施例8
hK2によるphK2 V217 の活性化
図16のペプチド#3の配列はphK2のアミノ酸残基−7〜+7に相当する。この領域はphK2V217のN末端リーダーペプチドとして見い出されたプロペプチドVPLIQSRを含む。上述の通り、hK2はプロペプチド領域を遊離するこのペプチドを開裂することができるがhK2V217はそうでない。hK2がネイティブ基質上でこのプロ配列を開裂することができるか否かを決めるために、そのphK2V217をhK2V217へ変換する能力をモニターした。phK2V217を1%hK2とインキュベートし、その変換を、HIC−HPLC法によりモニターした(図17A)。結果は、hK2がphK2V217をhK2V217に変換することができることを示した。但し、トリプシンより約30倍遅い速度であった。phK2V217を40%hK2V217とインキュベートした場合、2つのhK2形態の比率の差は6時間後においてでさえ検出されなかった(図17B)。これは、そのペプチド基質での先の観察結果を確認し、ネイティブ基質でさえ、hK2V217でなくhK2のみがhK2のプロ領域を開裂した。
これらの結果は、要約すると、更なるインキュベーションに基づくphK2V217及びhK2V217の安定性を示す。hK2V217と比較した場合、hK2はより高いタンパク質分解活性、より高い特異性を有すること、特に図15のプロペプチドでの活性により及び図17に示されるphK2V217に対する活性により示されるように、hK2のプロ形態についての特異性を有することを示した。
これらの結果は、hK2とhK2V217との間の酵素活性の大きな差を示し、phK2V217の収率と比べて、培地からhK2を精製する試みの後に得られた低い収率を説明する助けとなり得る。hK2の高純度の調製物は、他の活性なプロテアーゼに見られるように、自己分解のため安定でない。これらの結果は、免疫学的テストに加えて、hK2特異的基質への酵素活性を決定するためのテストを、体液中のhK2のレベルをモニターするのに用いることができるであろうことを示唆する。
実施例9
hK2とのインヒビター複合体の形成
PSAはα2マクログロブリン(MG)及びセリンプロテアーゼインヒビターアンチキモトリプシン(ACT)と複合体を形成することが示されている。その複合体形成を研究するために、hK2をヒト血漿中に存在する一連の一般的なプロテアーゼ(ACT,α2−アンチプラスミン、アンチトロンビンIII、及びα1−アンチトリプシン)とインキュベートし(Travis及びSalveseen,Ann,Rev.Biochem.,52,655(1983))、その混合物をウェスタンブロットにより分析した(図18)。これらのセルピンとのhK2のいずれかの共有結合複合体が還元条件下でSDS/PAGE上で約80〜100kDのバンドを作るはずである。
ACT及びα2−アンチプラスミンは、hK2との複合体を形成した(図18、レーン1及び2)。アンチトロンビンIII(レーン3)及びα1−アンチトリプシン(α1プロテアーゼインヒビター、レーン4)は、hK2との検出可能な複合体を検出しなかった。血漿の主な成分であるMGも直ちにhK2と複合体形成した(レーン5)。この複合体は、PSAを精製されたMGとインキュベートした時にも形成された約200kD及び120kDのMrに相当する(図18、レーン8、以下参照)。hK2が、このタンパク質が広範囲のトリプシン様プロテアーゼを阻害するのにもかかわらず、α1−アンチトリプシンと複合体を形成しなかったことは特に興味がある(Loebermannら、J.Mol.Biol,177,531(1984);Carell及びTravis,TIB,10,20(1985))。
hK2がα2−アンチプラスミンと複合体を形成したことは驚かなかった。なぜならこのタンパク質はそのインヒビター活性部位にアルギニン残基を有するからである(Hunt及びDayhoff,Biochem.Biophy.Res.Comm.,95,864(1980);Chandraら、Biochemistry,22,5055(1983);Potempaら、Science,241,699(1985);Shiethら、J.Biol.Chem.,264,13420(1989);Mastら、Biochemistry,30,1723(1991))。hK2がACTと複合体を形成するであろうことは予想しなかった。なぜならACTはそのインヒビター活性部位にロイシンを有するからである。明らかに、PSAとhK2との間の構造類似性は、それらのタンパク質分解特異性が図16及び表2に示されるように全体的に異なるが、共通のインヒビターとの複合体形成に影響を与える。
ヒト女性の血清に与えた場合、ウェスタンブロットで検出されるように、hK2は迅速にMGとの複合体を形成した(図18)。レーン1及びレーン3は各々hK2及び血清のみの対照である。レーン2はACTとインキュベートしたhK2であり、90kD hK2−ACT複合体及び残存hK2を示す。レーン4及び5は各々15分及び1時間、血清中にスパイクしたhK2である。レーン6は4時間、精製されたMGとインキュベートしたhK2である。レーン7は、15分、血清中にスパイクしたPSAであり、レーン8は4時間、精製されたMGとインキュベートしたPSAである。
これらの結果は、MGが、生体内実験においてhK2又はPSAをヒトにスパイクした場合に主要な複合体を形成することを示す。ACTとのPSA複合体は、前立腺の病気の患者の血清中でおこることが知られているので、血清中に存在するhK2は特定レベルのACTとの複合体も形成するようである。
議 論
PSA又はhK2についての生体内タンパク質プロセッシング及び分泌メカニズムは未知である。本明細書に供される結果は、phK2がAV12−hK2,DU145−hK2及びPC3−hK2細胞により分泌されることを示し、hK2は通常、phK2として分泌され、そのプロペプチドは細胞外で開裂されることを示す。これは、phK2が生物流体中に存在し、これによりpCa又はBPHのための有用な診断マーカーであり得ることを示唆する。
hK2の変異形態(hK2V217)及びhK2の野生型形態の両方をAV12細胞から精製した。hK2は、他のプロテアーゼで見い出されるように、用いる精製手順に対して極めて不安定であり、これは、その自己触媒特性のためであり得、免疫原及びキャリブレーターとして用いるのに十分な量でhK2又はphK2を精製するのを極めて困難にする。対照的に、phK2V217は高度に安定であり、トリプシン消化により安定なhK2V217に変換される。精製されたphK2V217及びhK2V217は、hK2及びphK2に特異的なmAbを作るための免疫原を供した。
実施例10
前立腺癌細胞系上清内のhK2ポリペプチドの検出
PSAは前立腺癌(PCa)のための診断マーカーとして広く用いられるが、PSAの検出はPCaと良性前立腺過形成とを区別することができない。phK2が前立腺癌細胞の上清において検出することができるか否かを決定するために、hK2及びPSAの両方を天然で分泌するLNCaP細胞からの上清を、hK2特異的抗血清とインキュベートした。
ストレプトアビジンマイクロタイタープレートを用いる連続サンドイッチアッセイを、phK2を測定するのに用いた。プロhK2特異的mab HK1G464をビオチン化し、捕獲試薬として用いた。phK2及びhK2の両方を検出するMAb HK1H449を、ユーロピウム標識し、ディテクター試薬として用いた。時間分割した免疫蛍光をDelfia分光計を用いて測定した。アッセイの較正は、精製されたphK2V217を希釈して0〜100mg/mlにレベルを変えることにより行った(図20)。精液から精製されたPSAを用いてPSAとの交差反応性についてアッセイをテストした。10μg/mlのPSAは、0.1%の交差反応性であった。更に、捕獲試薬としてビオチニル化mab HK1G586を用いて、同様に、phK2及びhK2の両方を検出するアッセイを確立した。このアッセイについてのPSA交差反応性は0.3%であった。
LNCaP細胞を、RPMI+10%胎児ウシ血清中80%コンフルエンスまで培養した。その増殖培地を吸引し、そのプレートを1×PBSで洗った。HH4+10nMミボレロンを加え、消費培地を4日間、収集した。生存細胞をトリパンブルー染色により計数した。サンプルを4倍、濃縮し、PSA(Tandem▲R▼−R,Hybritech,Inc,San Diego,CA),phK2(HK1G464捕獲)及びphK2+hK2(HK1G586捕獲)についてアッセイした。更に、hK2酵素活性を、hK2特異的色原基質を用いて測定した(図21)。そのアッセイの結果は、phK2及びhK2の両方が前立腺癌細胞により発現されることを示した。phK2及びhK2レベルは、2日までに最大に達し、PSAレベルは増加し続けた。hK2酵素活性が時間経過全体を通して増加したことは、phK2が時間とともにhK2に変換されることを示唆する。
HK1G586 hK2免疫反応性に標準化したLNCaPサンプルのアリコート、並びに対照としてのhK2,phK2,PSA,pphK2、及びppPSAサンプルを、4〜20%Novex Tris/Gly SDS Pageにかけ、次にニトロセルロースにエレクトロブロットした。そのブロットを、Hk1G46420μg/ml)又はHK1G586(2μg/ml)のいずれかを一次抗体として用いてプロービングした。室温での一次抗体との2時間のインキュベーション後、そのブロットを洗い、ヤギ抗マウスHRP 2次抗体でプロービングした。2次抗体との室温での1時間のインキュべーション後、ECLでの展開の前にそのブロットを洗った。その結果は、HK1G464もHK1G586もPSA又はppPSAを認識しないことを示した(各々図22及び23、レーン3及び5)。更に、HK1G464は、phK2のみを認識し(図22、レーン2)、hK2を認識しなかった(図22、レーン1)ので、phK2特異的であり、HK1G586はphK2及びhK2の両方を認識した(各々図23、レーン1及び2)。更に、図22(レーン6〜9)は、HK1G464が全てのLNCaPサンプル中のphK2(33kDバンド)を検出したことを示し、このことはphK2がLNCaP細胞から選択されることを示す。図22及び23におけるレーン6〜9の各々のレーンにおいて約15ngのHK1G586免疫反応性があった。
これらの結果は、前立腺癌細胞において、hK2はphK2として分泌されることを示す。その結果は、phK2が生物流体中に存在し得、これによりPCa又はBPHのための有用な診断マーカーであり得ることも示す。
実施例11
前立腺癌患者血清におけるhK2複合体の検出
hK2ポリペプチドが生物流体中に存在するか否かを決定するために、前立腺癌患者からの10の血清サンプルを、抗hK2 mab,HK1G586.1でのウェスタンブロットにより評価した。その血清標品の各々におけるPSAレベルをイムノラジオメトリーアッセイにより決定した(Tandem−R PSA,Hybritech,San Diego,California)。各々の血清を、抗hK2(HK1G586.1)イムノアフィニティーカラムからの吸収及び溶出によりhK2について富化した。
製造元の説明に従って、抗hK2 MAB,HK1G586.1と先に結合させた75μlのAmino Link Gel(Pierce,Rockfoed,IL)とともに200μlの血清をインキュベートすることにより、富化した血清を調整した。シェーカー上で、室温で4.5時間、インキュベーションを行った。ビーズを、0.1%Tween 20を含む、5mlのリン酸緩衝塩類溶液で4回、洗った。0.5M Tris-HCl,pH8.0中2.0%のSDSの最少量でのインキュベーションにより、ビーズからhK2を溶出した。
還元し、変性したタンパク質を4〜20%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、ニトロセルロースにブロットした。その移動の成功は、Ponceau Sタンパク質染色でブロットを染色することによりチェックした。ブロットをPBS中5%の脱脂粉乳でブロックし、次に4℃で一晩、抗体(10μg/ml)とインキュベートした。洗浄した後、セイヨウワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした二次抗体(1:2000倍希釈)を1時間、そのブロットとインキュベートし、次にPBSで洗った。抗体反応を、PBS中10mg/mlジアミノベンジジン、0.1%過酸化水素を加えることにより、又はECLシステム(Amersham,Arlington Heights,Illinois)を用いて検出した。ECL検出を用いた実験において、ブロットを室温で1時間、抗体とインキュベートし、典型的には30秒間、X線フィルムに露出した。
富化された血清サンプルの大部分(7110)は、抗hK2 mab,HK1G586.1での検出の後に、33kDの種及び90kDの種を含んでいた(図24、レーン1)。HK1G586.1と反応しなかった3つの血清は低レベルのPSAを含んでいた(表3)。正常な女性の血清及び正常な男性の血清のプールは、HK1G586.1でのウェスタンブロットでも陰性であった。このデータは、血清中でのhK2のレベルがPSAのレベルと相関するようであることを示唆する。
遊離した及び複合化したhK2を、抗hK2 mab,HK1G586.1での前立腺癌血清のウェスタンブロット分析により検出した。前立腺癌血清を抗hK2(HK1G586.1)イムノアフィニティーカラムからの吸光度及び溶出によりhK2について富化した。その溶出された材料を、抗hK2 mab,HK1G586.1でのウェスタンブロットで検査した(図25)。レーン1において、HK1G586.1は約33kDで遊離hK2と反応した。約90kDの高分子種もHK1G586.1で検出した。この90kD種を、抗ACTmab,AC1A086でも検出した(レーン3)。特定の抗hK2 mab及び抗ACT mAbによる免疫精製されたhK2における同じバンドの検出は、hK2−ACTとして90kD種を同定した。
抗PCI(プロテインCインヒビター)ポリクローナル抗体での同様のブロットのプロービングはいずれのシグナルも作り出さず、このことは、hK2−PCI複合体が、前立腺癌血清の富化された調製物中で検出することができないことを示す。ブロットを横切って一貫して見られる50kDのバンドは、溶出の間にイムノアフィニティー樹脂から遊離され、次にウェスタンブロットにおいて二次抗体ヤギ抗マウスHRPにより溶出されるイムノグロブリンの検出を供する。抗ACT mAbでのみ検出される約66kDの大きなバンドは遊離ACTを示す。
これにより、hK2ポリペプチドは前立腺癌患者の生物流体中に存在する。それゆえ、これらのポリペプチドの検出は、PCa又はBPHのための有用な診断マーカーであり得よう。
Figure 0003955636
全ての出版物及び特許は、個々に引用により組み込まれるように、本明細書に引用により組み込まれる。本発明は示され、記載される正確な詳細に限られず、請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲内にある多くのバリエーション及び改良を行うことができることが理解されるはずである。
配列表
(2)配列番号:1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:237アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:1
Figure 0003955636
(2)配列番号:2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:711塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:2
Figure 0003955636
(2)配列番号:3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:244アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列の記載:配列番号:3
Figure 0003955636
(2)配列番号:4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:766塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:4
Figure 0003955636
(2)配列番号:5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:261アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列の記載:配列番号:5
Figure 0003955636
(2)配列番号:6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:832塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:6
Figure 0003955636
Figure 0003955636
(2)配列番号:7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:237アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:7
Figure 0003955636
(2)配列番号:8の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:32塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:8
Figure 0003955636
(2)配列番号:9の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:33塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番景:9
Figure 0003955636
(2)配列番号:10の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:42塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:10
Figure 0003955636
(2)配列番号:11の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:31塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:11
Figure 0003955636
(2)配列番号:12の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:7アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:12
Figure 0003955636
(2)配列番号:13の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:832塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:13
Figure 0003955636
Figure 0003955636
(2)配列番号:14の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:261アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列の記載:配列番号:14
Figure 0003955636
(2)配列番号:15の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:13アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列の記載:配列番号:15
Figure 0003955636
(2)配列番号:16の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:27アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:16
Figure 0003955636
(2)配列番号:17の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:9アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:17
Figure 0003955636
(2)配列番号:18の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:14アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:18
Figure 0003955636
(2)配列番号:19の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:14アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:19
Figure 0003955636
(2)配列番号:20の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:16アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:20
Figure 0003955636
(2)配列番号:21の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:30アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:21
Figure 0003955636
(2)配列番号:22の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:18アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:22
Figure 0003955636

Claims (11)

  1. (a)プロhK2(phK2)に特異的に結合するがhK3とは有意に反応しない所定量の精製抗体を、phK2を含むヒトから得られた生理学的液体のサンプルと、前記抗体の少くとも一部分と前記phK2の一部分との間の二成分複合体の形成を許容するのために十分な時間、接触させるステップと、
    (b)前記サンプル中の前記複合体の量を測定し、そして該複合体の量を、前記ヒトにおける前立腺癌の存在又は不在と相関させるステップと、
    を含む前立腺癌の検出方法。
  2. 前記複合体の量を、前立腺癌の危険性のない又はそれを患っているヒトからの前記複合体の量を標準量と比較することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒトにおける前立腺癌の進行をモニターするために、所定の間隔で、前記ステップ(a)と(b)をくり返すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ステップ(b)において、前記複合体が、phK2に特異的に結合するがhK3に結合しない所定量の抗体と反応し、そして該抗体が、検出可能な標識を含むか又は検出可能な標識に結合して、検出可能な三成分複合体を形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抗体が、検出可能な標識を含むか又は検出可能な標識に結合して、検出可能な三成分複合体を形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記サンプルがヒト血液である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記抗体が、前記サンプルと接触する前に、固体表面に結合していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 前記サンプルが血清サンプルである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記サンプルが血漿サンプルである、請求項1に記載の方法。
  10. プロhK2(phK2)を検出又は測定するための診断キットであって、別々に包装されて、以下の:
    (a)phK2に特異的に結合するがhK3又はhK2には特異的に結合しない既知量の第一抗体;
    (b)phK2に特異的に結合するがhK3には特異的に結合しない既知量の第二抗体;及び
    (c)抗体に結合することができる固相;
    を含む前記キット。
  11. 前記phK2に特異的に結合するがhK3には特異的に結合しない抗体が、検出可能に標識されるか又は検出可能な標識に結合する、請求項10に記載のキット。
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