JP3954739B2

JP3954739B2 - Method for producing nitrogen-containing Cr coating

Info

Publication number: JP3954739B2
Application number: JP33024198A
Authority: JP
Inventors: 満寿雄人見; 史人鈴木; 正博梅原; 博山形; 曜野上
Original assignee: Dowa Holdings Co Ltd; Dowa Mining Co Ltd
Current assignee: Dowa Holdings Co Ltd
Priority date: 1997-11-06
Filing date: 1998-11-06
Publication date: 2007-08-08
Anticipated expiration: 2018-11-06
Also published as: JPH11217666A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒素含有Ｃｒ被膜の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
金型をはじめとする多くの機械部材は過酷な条件下で使用されるが、これらの機械部材に求められる特性としては、耐摩耗性に優れること、耐食性に優れること、耐焼き付き性に優れることなどが挙げられる。
【０００３】
このような特性を付与するために、通常はこのような機械部材の母材であるＳＫＤ（工具鋼）などに様々な表面処理を施している。その一つに硬質クロムメッキがある。硬質クロムメッキは表面の硬度が平均Ｈｖ１０００〜１１００と高いものの、処理廃水に含まれる六価クロムが水質汚染の原因になっている。また、メッキ被膜と母材との密着性に問題があった。
【０００４】
また、ＰＶＤ処理方法によって機械部材の母材表面にＣｒ単層被膜を形成した場合、母材と被膜との密着性は優れているものの、膜の硬度がＨｖ５００〜６００と低いなどの問題点があった。
【０００５】
また、自動２輪車や自動４輪車等のエンジンおよび変速機に使用される摩擦摩耗部品などの機械部材には、高速回転体との摺動接触や打撃を繰り返し受けるために高靱性、高い表面硬度及び低摩擦係数等の特性が要求される。
【０００６】
これらの部品には、一般に低炭素鋼或いは中炭素鋼等が用いられ、上記特性を付与するために、浸炭、焼き入れ、窒化などの表面処理が施されているが、更に、硬質クロムメッキやニッケル−リンメッキ、ショットピーニング、各種金属の溶射などが行われ、耐摩耗性、耐焼き付き性、潤滑性の改善を図っている。
【０００７】
然しながら、昨今の軽量化やエンジン出力の増大化により、より過酷な環境下で使用されるようになり、上記のような表面処理では要求特性を満足し得なくなりつつある。また、以上の特性を満足するためにＰＶＤ法のうちイオンプレーティング法によるＴｉＮ膜やＣｒＮ膜が使用されつつあるが、この方法では処理温度が４００℃以上と高いために母材の硬度が低下し、満足な特性が得られないという問題があった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の機械部材への表面処理方法やそれによって得られた表面被膜では、耐摩耗性や耐食性、耐焼き付き性、潤滑性などに問題があったため、部材自体の寿命が劣るという問題があった。
【０００９】
本発明はこのようなこれまでの表面処理方法および被膜の問題点を解決すべくなされたものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒素含有Ｃｒ被膜の製造方法は、真空処理室と前記真空処理室内を真空とするための真空ポンプと、前記真空処理室内に配置したテーブルと、前記テーブルの上に被処理部材を載置するための冶具と、蒸発源としてのクロムターゲットと、前記クロムターゲットに接続した直流のスパッタ電源と、前記テーブルに接続した直流のイオンボンバード及びバイアス電源と、アルゴン及び窒素ガスを導入するためのガス導入パイプを有するスパッタリング装置を用いて、被処理部材を前記冶具に載置し、次に該真空処理室の真空脱ガスを実施し、前記真空処理室内に前記窒素ガスとアルゴンガスを前記ガス導入パイプを介して導入した後、被処理部材の表面にクロムをスパッタリングし、且つ前記スパッタリングプロセス温度が３００℃未満とすることを特徴とする、窒素の雰囲気中でクロムをスパッタリングすることによって被処理部材の表面に窒素を含有するＣｒ被膜として、Ｃｒ被膜中に１００原子当たり５０〜９９のクロム原子及び５０〜１の窒素原子を含むＣｒｘＮｙ結晶が点在した膜を生成せしめることを特徴とする。
【００１２】
また、上記スパッタリングを行うに際し、前記スパッタリングプロセスの前にイオンボンバード処理を行うことを特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下図面によって本発明のＣｒ被膜の製造方法について説明する。
【００１６】
図１は本発明の被膜を金型上に形成するためのスパッタリング装置の概略図を示し、１は円筒状または角形状の真空処理室、２はこの真空処理室１内を真空とするための真空ポンプ、３は上記真空処理室１内の中心部に配置した回転テーブル、４はこの回転テーブル３上に治具５を介して載置した被処理部材である金型、６はこの被処理金型４を取り囲むように配置した蒸発源としてのクロムターゲット、７はこのクロムターゲット６に夫々接続した直流のスパッタ電源、８は上記回転テーブル３に接続した直流のイオンボンバード及びバイアス電源、９は上記真空処理室１内にアルゴン及び窒素ガスを導入するためのガス導入パイプである。
【００１７】
本発明においては、スパッタリングプロセスの前に真空脱ガスを実施せしめる。
【００１８】
また、本発明においては真空処理室１内に窒素ガスとアルゴンガスをガス導入パイプ９を介して導入した後、被処理部材、例えば金型の表面にクロムをスパッタリングし、金型の表面に窒素を含有するＣｒ膜として１００原子当たり５０〜９９のクロム原子及び５０〜１の窒素原子を含むＣｒ_XＮ_Y結晶が点在した膜を生成せしめる。上記スパッタリングに際しては、上記被膜の厚さを均一ならしめるため、且つ被処理部材の温度をその焼戻し温度以下に維持するため、ターゲットと被処理材料間の間隔を例えば７０ｍｍに保つのが好ましい。
【００１９】
本発明においては、上記スパッタリングプロセス前に必要に応じてイオンボンバード処理を行い、かつプロセス温度を３００℃未満とし、所定の被膜の厚みに応じて処理時間を定め、被膜の組織調整はプロセス中の圧力やバイアス電圧の変更によって行うようにする。なおプロセス温度が３００℃以上になると、母材自体の軟化が生じるので、本処理についてはなるべく低い温度が好ましいが、室温以下で行うことは密着性の確保が困難なので実用上得策でない。
【００２０】
なお、上記被膜の厚みは、最大１００μｍまでとするのが好ましい。
【００２１】
ＥＰＭＡによって表面の膜の化学組成を調べたところ、Ｃｒ７２，Ｎ２８及びＣｒ５２，Ｎ４８などの比を示した。膜の特性については、耐焼き付き性、耐摩耗性、摩擦係数、密着性などについて調査した。
【００２２】
（比較例）
【００２３】
比較例１，２としてはイオンプレーティングしたＴｉＮ膜および電解硬質クロムメッキの膜を用いた。
【００２４】
耐焼き付け性については、図２に示すようなファビリー試験機を用いて行った。即ち、直径約６．４ｍｍのＳＣＭ４１５に浸炭焼き入れ焼き戻し研磨仕上げしたテストピン１０に、それぞれ６μｍの本発明被膜を付け、ＳＣＭ４１５に浸炭焼き入れ焼き戻し表面研磨仕上げしたＶブロック１１を用い、締め付け加重を６００Ｋｇｆ一定として断続運転を行った。断続運転は２秒ＯＮ，１０秒ＯＦＦ、すべり速度０．１ｍ／ｓｅｃ，無潤滑の条件である。評価の方法は、膜が破壊するまでの断続回数を焼き付き性として評価した。
【００２５】
なお、１２はテストピン１０を例えば３００ｒｐｍで回転せしめる駆動機、１３は駆動機１２にテストピン１０を固定するためのシアーピンである。
【００２６】
また、摩耗特性としては、耐アグレッシブ特性を評価した。スガ式摩耗試験器（ＮＵＳ−ＩＳＯ−３型）を用いて、＃４００のダイヤモンド電着研磨布を用いて、往復運動摩耗試験を行った。母材はいずれもＳＵＳ４４０Ｃを鏡面仕上げしたものである。試験片の総荷重は９．８Ｎであり往復のストローク長さは６０ｍｍである。摩耗特性の評価はサンプルの摩耗量（×１０^-5ｇ／ｃｍ）として評価した。
【００２７】
表１にその結果を示す。
【００２８】
【表１】

【００２９】
なお、表１において、例えば破壊までの回数３０＜とは３０回以上を示し、５＞とは５回以下を示す。
【００３０】
さらに、本発明被膜を有する部材の一例として、金型にスパッタリング処理を施した。
【００３１】
本発明におけるイオンボンバード処理は、Ａｒ雰囲気中で２×１０^-2ｔｏｒｒとして、１２５０Ｖ×０．０１ｍＡで約４０分行った。
【００３２】
また、スパッタリング処理は、雰囲気中のガス分圧をＡｒ：１．２×１０^-3ｔｏｒｒ，Ｎ２：０．２×１０^-3ｔｏｒｒ，バイアス電圧：−９０〜−１００Ｖとし、処理時間を約１００分とした。
【００３３】
本発明においては以上の条件で母材である工具鋼にスパッタリングターゲット処理を施した金型を作成した。
【００３４】
なお、上記の条件については、母材の材料、寸法や形状によって変更される。本実施例の場合は上記条件をはずれると、被膜の密着性や膜の特性が劣る。
【００３５】
この条件によって得られた膜は、硬度がＨｖ＝１７００〜２０００であり、得られた膜の厚さは１０μｍであった。
【００３６】
表２に従来の金型との使用上の比較例を示す。寿命については実際にパンチをした際に金型の離れが悪くなった際の成型品のショット数で本発明と従来金型の比較を行ったものである。
【００３７】
表２は、種々の材質の金型及びパンチの使用寿命を示す。
【００３８】
【表２】

【００３９】
なお、表２において、例えば寿命倍率１０＜とは従来のものに比べ寿命が１０倍延びたことを示す。また、ＳＫＤ（ＨＱＴ）は、焼入・焼戻しのＳＫＤ材を示す。
【００４０】
以下本発明方法により得た被膜を自動２輪車及び自動４輪車等のエンジン及び変速機に使用される摩擦摩耗部品に適用した例を説明する。
【００４１】
比較例３，４，５としてはイオンプレーティングしたＴｉＮ膜とＣｒＮ膜及び電解硬質クロムメッキの膜を用いた。
【００４２】
摩擦係数及び耐焼き付き性については、図２に示すような、ファビリー試験機を用いて行った。即ち、直径６．４ｍｍのＳＣＭ４１５に浸炭焼き入れ、焼き戻し研磨仕上げしたテストピン１０に、夫々１０μｍの本発明被膜を着け、ＳＣＭ４１５に浸炭焼き入れ、焼き戻し表面研磨仕上げしたＶブロック１１を用い、締付け荷重を０から２５ｋｇ／秒で増加する試験を行った。試験は油中で実施し、このときの摩擦係数と耐焼付き荷重を評価した。表３にその結果を示す。
【００４３】
【表３】

【００４４】
また、本発明方法により得た被膜を摩擦摩耗部品である自動２輪車用シフトフォークに適用することを考慮して、摩擦摩耗試験を行ない、本発明品の摩耗量を比較例６〜９のそれと比較した。この時の被膜条件は、母材がＳＣＭ４１５の浸炭焼き入れ焼き戻し品を研磨ラップ仕上し表面粗さをＲａ０．２に調整し、この上に本発明被膜を５〜１０μｍ厚さで処理した。また、摩擦摩耗試験は実際の自動２輪車ではシフトフォークの相手方の材料（シフター）との摩擦摩耗を調べるのであるが、ここでは、摩擦摩耗試験としてプレイトオンディスク試験を行ない、シフターに相当する部分の表面処理は、機械加工し、浸炭し，ショットブラスト処理したものを用いた。
【００４５】
本発明で用いた摩擦摩耗試験では、シフターに相当するターンテーブルの上に、シフトフォークに相当する被処理品を所定の荷重で押圧した状態でターンテーブルのみを所定時間回転させた後、被処理品の摩耗量を測定し、この摩耗量を試験片の摩擦面の被膜の膜厚の減少量として評価する。
【００４６】
具体的には、被処理品：ＳＣＭ４１５の母材を浸炭焼き入れ焼き戻しした後に、研磨ラップ仕上げし、表面粗さをＲａ＝０．２に調整し、この上に本発明の方法によって得られる窒素含有被膜を５μｍ厚さでつけたものを試験品として用い、相手方のターンテーブルには、被処理品と接触する面の表面を機械加工仕上げの後、浸炭を行ない、ショットブラスト処理によって得られたものを用いた。なお、荷重負荷は８０Ｋｇｆ，すべり速度は１３ｍ／ｓｅｃ，時間は２０時間とした。
【００４７】
摩擦条件は、最大荷重８０ｋｇｆ、すべり速度最大１３ｍ／秒で２０時間の耐久試験を実施した。
【００４８】
試験後の評価は、摩擦面の摩耗量を膜厚の減少量として評価した。本評価結果を表４に示す。
【００４９】
【表４】

【００５０】
表４中に比較例６として硬質クロムメッキ（膜厚３０μｍ）、比較例７としてイオンプレーティング製（以下ＩＰと略す）ＴｉＮ（膜厚５μｍ）、比較例８としてＩＰ製ＣｒＮ（膜厚６μｍ）及び比較例９としてＭｏ溶射（膜厚１００μｍ）品を用いた。
【００５１】
【発明の効果】
上記のように本発明方法により得た被膜を用いれば、機械部材の寿命を大きく延ばすことができるのみならず、その離型性も向上し、資源の有効的活用と公害問題の軽減にも大きく貢献できる等大きな利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の機械部材の表面処理装置の説明図である。
【図２】ファビリー試験機の説明図である。
【符号の説明】
１真空処理室
２真空ポンプ
３回転テーブル
４被処理金型
５治具
６クロムターゲット
７スパッタ電源
８直流のバイアス電源
９ガス導入パイプ
１０テストピン
１１Ｖブロック
１２駆動機
１３シアーピン[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a nitrogen-containing Cr coating.
[0002]
[Prior art]
Many machine parts including molds are used under severe conditions, but the characteristics required for these machine parts are excellent wear resistance, excellent corrosion resistance, and excellent seizure resistance. Etc.
[0003]
In order to impart such characteristics, various surface treatments are usually applied to SKD (tool steel) which is a base material of such a machine member. One of them is hard chrome plating. Hard chromium plating has a surface hardness as high as an average Hv 1000 to 1100, but hexavalent chromium contained in the treated wastewater causes water pollution. Moreover, there was a problem in the adhesion between the plating film and the base material.
[0004]
In addition, when a Cr single layer coating is formed on the surface of the base material of the mechanical member by the PVD processing method, the adhesion between the base material and the coating is excellent, but the film hardness is as low as Hv 500 to 600. there were.
[0005]
In addition, mechanical members such as friction and wear parts used in engines and transmissions of motorcycles and automobiles are highly tough and have high toughness because they are repeatedly subjected to sliding contact and impact with a high-speed rotating body. Properties such as surface hardness and low friction coefficient are required.
[0006]
For these parts, low carbon steel or medium carbon steel is generally used, and surface treatments such as carburizing, quenching, and nitriding are performed to impart the above characteristics. Nickel-phosphorus plating, shot peening, thermal spraying of various metals, etc. are performed to improve wear resistance, seizure resistance, and lubricity.
[0007]
However, due to the recent reduction in weight and increase in engine output, it has been used in harsher environments, and the above-mentioned surface treatment cannot satisfy the required characteristics. In order to satisfy the above characteristics, TiN film or CrN film by ion plating method is being used among PVD methods. However, since the processing temperature is as high as 400 ° C. or higher, the hardness of the base material is lowered. However, there is a problem that satisfactory characteristics cannot be obtained.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the conventional surface treatment method for mechanical members and the surface coating obtained thereby have problems in wear resistance, corrosion resistance, seizure resistance, lubricity, etc., and thus the life of the member itself is inferior. was there.
[0009]
The present invention has been made to solve such problems of the conventional surface treatment method and coating.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In the method for producing a nitrogen-containing Cr coating according to the present invention, a vacuum processing chamber and a vacuum pump for evacuating the vacuum processing chamber, a table disposed in the vacuum processing chamber, and a member to be processed are mounted on the table. A jig for mounting, a chromium target as an evaporation source, a direct current sputtering power source connected to the chromium target, a direct current ion bombard and bias power source connected to the table, and an argon and nitrogen gas introduction Using a sputtering apparatus having a gas introduction pipe, a member to be processed is placed on the jig, and then vacuum degassing of the vacuum processing chamber is performed, and the nitrogen gas and argon gas are introduced into the vacuum processing chamber. After introduction through the introduction pipe, chromium is sputtered on the surface of the member to be treated, and the sputtering process temperature is not 300 ° C. Characterized by a, a Cr film containing nitrogen on the surface of the member to be processed by sputtering chromium in an atmosphere of nitrogen, and chromium atoms 50-99 per 100 atoms in the Cr film 50 to 1 CrxNy crystals containing nitrogen atoms and wherein the Rukoto yielding dotted membrane.
[0012]
Moreover, when performing the said sputtering, an ion bombard process is performed before the said sputtering process, It is characterized by the above-mentioned.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The method for producing the Cr coating of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0016]
FIG. 1 is a schematic view of a sputtering apparatus for forming a coating film of the present invention on a mold. Reference numeral 1 denotes a cylindrical or square vacuum processing chamber, and 2 denotes a vacuum for the inside of the vacuum processing chamber 1. A vacuum pump, 3 is a rotary table disposed at the center of the vacuum processing chamber 1, 4 is a mold as a member to be processed placed on the rotary table 3 via a

jig

5, and 6 is a workpiece to be processed. A chromium target as an evaporation source arranged so as to surround the mold 4, a DC sputtering power source connected to the chromium target 6, 8 a DC ion bombard and bias power source connected to the rotary table 3, and 9 It is a gas introduction pipe for introducing argon and nitrogen gas into the vacuum processing chamber 1.
[0017]
In the present invention, vacuum degassing is performed before the sputtering process.
[0018]
In the present invention, nitrogen gas and argon gas are introduced into the vacuum processing chamber 1 through the gas introduction pipe 9, and then chromium is sputtered onto the surface of the member to be processed, for example, the mold, and the surface of the mold is subjected to nitrogen. A Cr film containing 50 to 99 chromium atoms and 100 to 1 nitrogen atoms and containing Cr _X N _Y crystals is produced as a Cr film containing Ni. In the sputtering, it is preferable to keep the distance between the target and the material to be processed at, for example, 70 mm in order to make the thickness of the coating film uniform and to keep the temperature of the member to be processed below the tempering temperature.
[0019]
In the present invention, ion bombarding is performed as necessary before the sputtering process, the process temperature is set to less than 300 ° C., the processing time is determined according to the thickness of a predetermined film, and the texture of the film is adjusted during the process. This is done by changing the pressure and bias voltage. When the process temperature is 300 ° C. or higher, the base material itself is softened. Therefore, a low temperature is preferable for this treatment. However, it is not practically practical to perform the treatment at room temperature or lower because it is difficult to ensure adhesion.
[0020]
Note that the thickness of the coating is preferably up to 100 μm.
[0021]
When the chemical composition of the film on the surface was examined by EPMA, the ratio of Cr72, N28 and Cr52, N48, etc. was shown. Regarding the characteristics of the film, the seizure resistance, the wear resistance, the friction coefficient, the adhesion and the like were investigated.
[0022]
(Comparative example)
[0023]
As Comparative Examples 1 and 2, ion-plated TiN films and electrolytic hard chrome plating films were used.
[0024]
The seizure resistance was measured using a Fabry tester as shown in FIG. That is, each test pin 10 having a carburizing, quenching and tempering finish on SCM415 having a diameter of about 6.4 mm is coated with the present invention coating of 6 μm, and a V block 11 having a carburizing, quenching and tempering surface finish on SCM415 is used. Intermittent operation was carried out with a constant weight of 600 kgf. The intermittent operation is a condition of 2 seconds ON, 10 seconds OFF, a sliding speed of 0.1 m / sec, and no lubrication. In the evaluation method, the number of interruptions until the film was broken was evaluated as the seizure property.
[0025]
Reference numeral 12 denotes a driving machine that rotates the test pin 10 at, for example, 300 rpm, and reference numeral 13 denotes a shear pin for fixing the test pin 10 to the driving machine 12.
[0026]
In addition, as wear characteristics, aggressive resistance characteristics were evaluated. Using a Suga type wear tester (NUS-ISO-3 type), a reciprocating wear test was performed using a # 400 diamond electrodeposited polishing cloth. All base materials are mirror-finished SUS440C. The total load of the test piece is 9.8 N, and the reciprocating stroke length is 60 mm. The abrasion characteristics were evaluated as the amount of abrasion (× 10 ⁻⁵ g / cm) of the sample.
[0027]
Table 1 shows the results.
[0028]
[Table 1]

[0029]
In Table 1, for example, 30 <is the number of times until destruction is 30 or more, and 5> is 5 or less.
[0030]
Furthermore, as an example of the member having the coating film of the present invention, the mold was subjected to sputtering treatment.
[0031]
The ion bombardment treatment in the present invention was performed at 1250 V × 0.01 mA for about 40 minutes as 2 × 10 ⁻² torr in an Ar atmosphere.
[0032]
In the sputtering treatment, the gas partial pressure in the atmosphere is Ar: 1.2 × 10 ⁻³ torr, N2: 0.2 × 10 ⁻³ torr, bias voltage: −90 to −100 V, and the treatment time is about 100. Minutes.
[0033]
In this invention, the metal mold | die which performed the sputtering target process to the tool steel which is a base material on the above conditions was created.
[0034]
In addition, about said conditions, it changes with the materials of a base material, a dimension, and a shape. In the case of this example, if the above conditions are not satisfied, the adhesion of the coating and the characteristics of the film are inferior.
[0035]
The film obtained under these conditions had a hardness of Hv = 1700 to 2000, and the thickness of the obtained film was 10 μm.
[0036]
Table 2 shows a comparative example in use with a conventional mold. Regarding the service life, the present invention is compared with the conventional mold by the number of shots of the molded product when the separation of the mold becomes worse when actually punching.
[0037]
Table 2 shows the service life of dies and punches of various materials.
[0038]
[Table 2]

[0039]
In Table 2, for example, a life ratio of 10 <indicates that the life is extended by 10 times compared to the conventional one. SKD (HQT) indicates a quenching / tempering SKD material.
[0040]
Hereinafter, an example in which the coating obtained by the method of the present invention is applied to friction and wear parts used in engines and transmissions of motorcycles and automobiles will be described.
[0041]
As Comparative Examples 3, 4 and 5, ion-plated TiN film, CrN film and electrolytic hard chrome plating film were used.
[0042]
The coefficient of friction and seizure resistance were measured using a Fabry tester as shown in FIG. That is, the test pin 10 carburized and quenched and tempered and polished in an SCM415 having a diameter of 6.4 mm was coated with the present invention coating of 10 μm, and the VCM 11 was subjected to carburizing and quenching and tempered and polished on the SCM415. A test was conducted in which the tightening load was increased from 0 to 25 kg / sec. The test was conducted in oil, and the friction coefficient and seizure resistance load at this time were evaluated. Table 3 shows the results.
[0043]
[Table 3]

[0044]
In consideration of applying the coating obtained by the method of the present invention to a motorcycle shift fork that is a friction wear component, a friction wear test was conducted, and the wear amount of the product of the present invention was compared with that of Comparative Examples 6-9. Compared to that. The coating conditions at this time were: carburizing, quenching and tempering with a base material of SCM415, polishing lapping, adjusting the surface roughness to Ra 0.2, and processing the coating of the present invention to a thickness of 5 to 10 μm. In addition, the friction and wear test is performed by examining the friction and wear with the material (shifter) of the counterpart of the shift fork in an actual motorcycle. Here, a plate-on-disk test is performed as the friction and wear test, which corresponds to the shifter. The surface treatment of the part was machined, carburized and shot blasted.
[0045]
In the frictional wear test used in the present invention, after turning the turntable corresponding to the shift fork with a predetermined load on the turntable corresponding to the shifter and rotating only the turntable for a predetermined time, The amount of wear of the product is measured, and this amount of wear is evaluated as the amount of decrease in the film thickness of the coating on the friction surface of the test piece.
[0046]
Specifically, the base material of the article to be processed: SCM415 is carburized, quenched, and tempered, and then polished and lapped, and the surface roughness is adjusted to Ra = 0.2, and then obtained by the method of the present invention. A nitrogen-containing coating with a thickness of 5 μm is used as a test product, and the other turntable is obtained by shot blasting after the surface of the surface in contact with the workpiece is machined and carburized. Used. The load was 80 kgf, the sliding speed was 13 m / sec, and the time was 20 hours.
[0047]
The friction conditions were a 20-hour endurance test with a maximum load of 80 kgf and a sliding speed of 13 m / sec.
[0048]
In the evaluation after the test, the amount of wear on the friction surface was evaluated as the amount of film thickness reduction. The evaluation results are shown in Table 4.
[0049]
[Table 4]

[0050]
In Table 4, hard chrome plating (film thickness 30 μm) as comparative example 6, TiN (film thickness 5 μm) made by ion plating as comparative example 7 (film thickness 5 μm), CrN made by IP (film thickness 6 μm) as comparative example 8 As Comparative Example 9, a Mo sprayed (100 μm thick) product was used.
[0051]
【The invention's effect】
Lever using a film obtained by the method of the present invention as described above, not only can greatly extend the life of the machine part, also improves the release properties, also reduce the effective utilization and pollution problems of resources There are big benefits such as being able to contribute greatly.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view of a surface treatment apparatus for a mechanical member of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a Fabry testing machine.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Vacuum processing chamber 2 Vacuum pump 3 Rotary table 4 Die 5 To-be-processed jig 6 Chromium target 7 Sputtering power supply 8 DC bias power supply 9 Gas introduction pipe 10 Test pin 11 V block 12 Driver 13 Shear pin

Claims

A vacuum pump for evacuating the vacuum processing chamber and the vacuum processing chamber, a table disposed in the vacuum processing chamber, a jig for mounting a member to be processed on the table, and chromium as an evaporation source Using a sputtering apparatus having a target, a DC sputtering power supply connected to the chromium target, a DC ion bombardment and bias power supply connected to the table, and a gas introduction pipe for introducing argon and nitrogen gas, A processing member is placed on the jig, then vacuum degassing of the vacuum processing chamber is performed, and the nitrogen gas and argon gas are introduced into the vacuum processing chamber through the gas introduction pipe, and then the processing target member The atmosphere of nitrogen, characterized in that chromium is sputtered on the surface of the substrate and the sputtering process temperature is less than 300 ° C. As a Cr film containing nitrogen on the surface of the member to be processed by sputtering chromium, a film in which CrxNy crystals containing 50 to 99 chromium atoms and 50 to 1 nitrogen atoms per 100 atoms are scattered in the Cr film. A method for producing a nitrogen-containing Cr coating that produces

When performing the sputtering method of the nitrogen-containing Cr film according to claim 1, characterized in that the ion bombardment treatment prior to the sputtering process.