JP3954372B2 - 飲料パック用アダプタ及び飲料供給器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリックパック等の市販飲料パック中の飲料を直接カテーテル等に供給するための飲料パック用アダプタ及びこれを用いた飲料供給器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院の患者や、虚弱者、過度に疲労した者に適切な栄養補給等を行なう目的で直方体形状のブリックパックにつめた栄養飲料が販売されている。患者や虚弱者は、ブリックパックの開口にストローを刺し込んで栄養飲料を吸引することで、栄養飲料を経腸摂取することができる。
【0003】
上記のようなブリックパックは、ある程度体力があって起き上がることのできる患者等を前提として製造されているため、例えば経口摂取困難な患者や乳児は、このブリックパックに充填したままでは栄養飲料を摂取することができない。このため、医師や看護婦は、ブリックパックの栄養飲料を一旦経鼻投与器具に移し替えた後に、この経鼻投与器具から患者や乳児に栄養飲料を投与している。すなわち、ブリックパック中の栄養飲料を経鼻投与器具のバッグに移し替え、このバッグを適当な高さに吊し、バッグ下部から延びるチューブの先端に設けたカテーテルを臥した状態の患者や乳児の鼻孔から胃や腸まで挿入して栄養飲料を適宜投与する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ブリックパック中の栄養飲料を一旦バッグに移すことは、医療や介護の作業性を低下させる。また、ブリックパックからバッグに移す際に、栄養飲料が有害な細菌や薬品にさらされる可能性があり、衛生管理上も好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、医療や介護の作業性を高め、衛生管理上の観点からも適切な栄養飲料の摂取を可能にする飲料パック用アダプタ及びこれを用いた飲料供給器具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の飲料パック用アダプタは、先端部が飲料パックの開口に差し込まれるパイプ状のアダプタ本体部材と、前記飲料パックに設けたストロー用の開口と略同一径の貫通孔を有し、当該貫通孔と前記開口とを位置合わせした状態で前記飲料パックに接着可能であり、前記貫通孔によって前記アダプタ本体部材の先端部を受容する接着部材と、前記アダプタ本体部材に設けた前記先端部の根本側の周囲に形成される第1係止部と前記接着部材に設けた前記貫通孔の周囲に形成され前記第1係止部に係止可能な第2係止部とを有し前記先端部が前記貫通孔を介して前記開口に差し込まれた状態で前記アダプタ本体部材を前記接着部材に対して液密かつ着脱自在に固定する固定手段とを備える。なお、アダプタ本体部材の先端部は、飲料パックの開口を封止しているフィルムに穿孔するための先鋭端部とすることができる。
【0007】
上記飲料パック用アダプタでは、アダプタ本体部材の先端部が接着部材の貫通孔を介して飲料パックに設けたストロー用の開口に差し込まれるので、パイプ状のアダプタ本体部材を介して例えば市販の飲料パック中の栄養飲料等を外部に吐出させることができる。さらに、固定手段によって、開口に差し込まれた状態のアダプタ本体部材を接着部材に対して液密かつ着脱自在に固定するので、飲料パックを上下逆さまにした場合であっても、飲料パックの開口すなわちアダプタ本体部材の周囲から飲料パック中の栄養飲料等が漏れ出すことを防止することができる。よって、アダプタ本体部材にチューブを介してカテーテルを接続すれば、飲料パック中の栄養飲料等を下方に位置するカテーテルの先端から吐出させることができる。ここで、カテーテルを患者等の例えば鼻孔から挿入しておけば、臥した状態の患者等に栄養飲料等を適宜経腸投与することができる。つまり、飲料パックからバッグに移すことなく患者等に栄養飲料等を適宜投与することができるので、栄養飲料等の投与の作業性を高めることができ、有害な細菌等の混入を防止して栄養飲料等の衛生的摂取が可能になる。
【0008】
ここで、飲料パックとは、各種飲料を収納する自立型の飲料容器を意味し、通常は直方体形状を有する。このような飲料パックには、ビタミン、ミネラル等の多様な栄養素を含有する所謂栄養飲料のみならず、漢方を含む各種の医薬を含有する経腸摂取用飲料が、用途に応じて適宜収容される。
【0009】
上記飲料パック用アダプタの具体的な態様では、前記固定手段が、前記第1及び第2係止部が互いに係止された際に、前記接着部材の前記貫通孔の所定位置と前記アダプタチューブの前記先端部の対応位置とを密着させる環状のシール部を備える。この場合、このような環状のシール部によりアダプタ本体部材と接着部材とを簡易かつ着脱自在に液密に固定することができる。
【0010】
また、上記アダプタの具体的な態様では、前記アダプタ本体部材に設けた前記先端部の根本側に残液排出用の排出口若しくは排出溝を設けている。この場合、このような排出口若しくは排出溝によって、飲料パック中の栄養飲料等を無駄なく使い切ることができる。
【0011】
また、上記アダプタの具体的な態様では、前記アダプタ本体部材が、前記先端部の反対側にチューブに着脱自在に接続するためのジョイント部を備える。この場合、このようなジョイント部に対しカテーテルに連結されたチューブを簡易に接続・分離することができるので、飲料パック及び飲料パック用アダプタを交換しつつ患者等に種々の飲料を投与することができる。なお、前記アダプタ本体部材は、その部分として、先端部やジョイント部のほか、前記先端部の根本側から半径方向外側に延びる鍔部と当該鍔部の外縁から先端側に延び前記第1係止部を内側に設けたカラーとを有する環状部材を備える。
【0012】
また、上記アダプタの具体的な態様では、上述の飲料パック用アダプタと、このアダプタ本体部材に一端が接続されるチューブ状の連結部材と、当該連結部材の他端に接続されるカテーテルとを備える。この場合も、飲料パックからバッグに移すことなく臥した状態の患者等に栄養飲料等を適宜投与することができるので、栄養飲料等の投与の作業性を高めることができ、有害な細菌等の混入を防止して栄養飲料等の衛生的摂取が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る飲料パック用アダプタ及び飲料供給器具について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の飲料パック用アダプタの構造を説明する分解斜視図である。飲料パック用アダプタ10は、外形が直方体で自立型の飲料容器である飲料パック20に取り付けられる。この飲料パック用アダプタ10は、先端部が飲料パック20の開口21に差し込まれるパイプ状のアダプタ本体12と、飲料パック20に接着されてアダプタ本体12の先端部を受容する連結部材14とを備える。なお、アダプタ本体12の上端は、他端側でカテーテルに接続されるチューブ30に接続される。
【0014】
飲料パック20は、ブリックパック、テトラパック等と呼ばれて市販されているものである。この場合、飲料パック20には、患者等に適切な栄養補給を行なうための栄養飲料が充填されている。飲料パック20自体は、内側にポリエチレン等の樹脂材をコートした厚紙からなり、表面にもポリエチレン等の樹脂材を被覆したりワックスをコートしている。上面に形成された円形の開口21は、ストローの差し込み口(ストロー穴)となっており、フィルム21aによって封止されている。なお、このフィルム21aは、吸引用に付属するストロー(図示を省略)の端部に設けた鋭利なエッジ部によって穿孔可能になっている。
【0015】
飲料パック用アダプタ10のうちアダプタ本体12は、飲料パック20の開口21に設けたフィルム21aに穿孔するための先鋭端部12aと、この先鋭端部12aの根本側の周囲に設けられて連結部材14の筒状部14aと締結される環状部材12bと、先鋭端部12aの反対側に設けられてチューブ30に着脱自在に接続されるジョイント部12cとを備える。ここで、環状部材12bの外周壁の内面側には、締結用の雌ねじ(不図示)が形成されている。なお、アダプタ本体12は、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの半硬質材料から射出成形によって形成される。
【0016】
飲料パック用アダプタ10のうち連結部材14は、飲料パック20の開口21と同一径の円形の貫通孔14hを有する筒状の筒状部14aと、筒状部14aの下端から周囲方向に延びる接着用のフランジ部14bとを有する。ここで、筒状部14aの貫通孔14hの内径は、先鋭端部12aの外径よりもわずかに大きくなっており、貫通孔14h中に先鋭端部12aを挿入できるようになっている。また、貫通孔14hの内径は、飲料パック20の開口21の内径と概ね等しくなっている。筒状部14aの側面、すなわち貫通孔14hの周囲には、3条のねじ山からなる雄ねじ14sが形成されている。この雄ねじ14sを構成する各ねじ山は、軸方向の長さに換算して約1ピッチに相当する長さを有しており、筒状部14aの側面の3領域に別々に形成されている。なお、雄ネジ14sのピッチや巻き数は、連結部材14のサイズ等を考慮して適宜変更することができる。フランジ部14bには、貫通孔14hの近傍を除いてフランジ部14bのほぼ裏面全体に粘着材層14cが形成されている。この粘着材層14cにより、貫通孔14hと開口21とを位置合わせした状態で連結部材14を飲料パック20に固定することができる。なお、連結部材14の材料も、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの半硬質材料から射出成形によって形成される。
【0017】
チューブ30は、可撓性を有する連結部材を構成し、例えば市販の輸液セットの一部を流用することができる。チューブ30の一端30aは、ジョイント部12cをある程度以上の力で挿入する際の弾性嵌めによってアダプタ本体12との間で液密な連結を可能にし、その他端(図示を省略)は、患者の鼻孔等に挿入されるカテーテルに液密に連結される。なお、この一端30aは、一定以上の力でジョイント部12cから分離することができるので、飲料パック20及びアダプタ本体12を一体として交換することができる。つまり、ジョイント部12cを一端30aから引抜き、別に用意した飲料パック20にアダプタ本体12を取り付けて、その新たなジョイント部12cをチューブ30の一端30aと接続することができる。
【0018】
以上の説明において、アダプタ本体12のうち先鋭端部12aやジョイント部12cは、アダプタ本体部材を構成する。また、連結部材14すなわち筒状部14aやフランジ部14bは、接着部材を構成する。さらに、アダプタ本体12の環状部材12bと連結部材14の筒状部14aとは、固定手段を構成する。
【0019】
図2は、飲料パック用アダプタ10を飲料パック20に固定した状態を説明する側方断面図である。
【0020】
アダプタ本体12を飲料パック20に液密に固定するための連結部材14は、粘着材層14cによって開口21の周囲に密着して固定されている。この際、貫通孔14hと開口21とは、互いに位置合わせされて上下に重ね合わせて配置される。
【0021】
アダプタ本体12の先鋭端部12aは、パイプを斜めにカットした形状を有し、鋭角のエッジを貫通孔14h越しに開口21に刺し込むことで、フィルム21aが突き破られる。先鋭端部12aには、楕円の引込口IOが形成されている。この引込口IOにより、飲料パック用アダプタ10をセットした図示の状態の飲料パック20を上下逆さまにすることで、内部の栄養飲料をアダプタ本体12を介してカテーテル(図示を省略)に吐出させることができる。先鋭端部12aの根本側、より具体的には環状部材12bと引込口IOとの中間位置には、残液排出用の排出口DHが形成されている。図3は、先鋭端部12aの先端部の側面図であり、排出口DHの配置を示している。この排出口DHにより、飲料パック20中の栄養飲料をほぼ全部カテーテルに吐出させるができ、栄養飲料の残留を防止して無駄を回避することができる。
【0022】
環状部材12bは、先鋭端部12aの根本から半径方向外側に延びる鍔部12baと、この鍔部12baの外縁から下方に延びるカラー12bbとからなる。先鋭端部12aと環状部材12bとの間の空間、すなわちカラー12bbの内側には、連結部材14の筒状部14aが嵌り込む。この際、筒状部14aの外周に形成された第1係止部である雄ねじ14sとカラー12bbの内面に形成された第2係止部である雌ねじ12sとが螺合して、アダプタ本体12が連結部材14に固定される。
【0023】
鍔部12baの付け根の下部には、環状のリブ12bcが形成されている。このリブ12bcは、筒状部14aの先端内側に形成された環状の窪み14acに嵌ってこれに密着する。これらのリブ12bc及び窪み14acは、シール部を構成し、筒状部14aの外側に栄養飲料が漏れだすことを防止する。筒状部14aの根本内側にも、環状のリブ14eが形成されている。このリブ14eは、シール部として環状部材12bの外周に密着し、筒状部14aの外側に栄養飲料が漏れだすことを防止する。
【0024】
ジョイント部12cは、僅かに先細りとなっており、その外周面に、複数の環状のリッジJRが形成されている。これらのリッジJRにより、ジョイント部12cの縦断面が鋸歯状となるので、ジョイント部12cを図1のチューブ30に接続する際に、弾性変形したチューブ30の一端30aの内面にリッジJRが密着してこの部分における液漏れを防止するとともに、上下逆さまにした状態の飲料パック20に固定したアダプタ本体12からチューブ30が脱落することを防止できる。
【0025】
なお、先鋭端部12aに設けた引込口IOや排出口DHは、ジョイント部12cを貫通する流路12gに連通しており、この流路12gを介して飲料パック20中の栄養飲料を外部に引き出せるようになっている。
【0026】
以下、飲料パック用アダプタ10の取付け作業について説明する。まず、滅菌した連結部材14を用意し、裏面の保護シールを除去して粘着材層14cを露出させる。次に、貫通孔14hと開口21とを位置合わせした状態で、連結部材14を飲料パック20に張り付けて固定する。次に、滅菌したアダプタ本体12を準備し、これを連結部材14に固定する。具体的には、先鋭端部12aを筒状部14aに設けた貫通孔14hを介して開口21に差し込んで環状部材12bを適当な力で時計方向に回転させる。これより、環状部材12bと筒状部14aが螺合してアダプタ本体12が連結部材14にロックされ、先鋭端部12aがフィルム21aを破って開口21に挿入される。この際、シール部であるリブ12bc、窪み14ac及びリブ14eによって周囲の液密が保たれる。また、固定手段である環状部材12bや筒状部14aによって液密が確実になるとともにアダプタ本体12の脱落を確実に防止することができる。
【0027】
図4は、図1及び図2に示す飲料パック用アダプタ10を利用した飲料供給器具100を説明する図である。飲料パック20に固定された飲料パック用アダプタ10から延びるチューブ30の途中には、通常の輸液セットと同様に点滴筒31を設けている。また、点滴筒31の下方には、栄養飲料の供給速度を調整するためのクレンメ50が取り付けられている。チューブ30の先端には、ジョイント33が形成されており、このジョイント33を介して細管であるカテーテル60が接続される。カテーテル60は、患者PTの鼻孔から挿入され、胃や腸まで延びる。
【0028】
飲料パック20は、専用のスタンド70に固定されている。このスタンド70は、支柱71の上部に取り付けた背板72と、背板72の中部から延びる一対のアーム73、74と、背板72の下部から延びる支持部材75とを備える。飲料パック20は、アーム73、74によって横方向に保持され、支持部材75によって下方から支持されている。なお、スタンド70は、上記のような構造である必要はなく、例えば飲料パック20を逆さまにして吊り下げるだけのものであっても構わない。
【0029】
以下、飲料供給器具100の組立と取付けについて説明する。まず、飲料パック20にアダプタ本体12を固定した後(図2参照)、アダプタ本体12のジョイント部12cにチューブ30の一端を接続し、チューブ30の他端にカテーテル60を接続して、飲料供給器具100の組立を完了する。次に、組み立てた飲料供給器具100をスタンド70に取り付ける。具体的には、飲料パック20を上下逆にしてアーム73、74の上方に移動させ、アーム73、74の隙間にチューブ30を通して後、飲料パック20を降ろせば、飲料パック20をアーム73、74と支持部材75とによって所望の高さ位置に保持することができる。この状態で、クレンメ50を調節してチューブ30中の空気をパージし、カテーテル60を患者PTの鼻孔から挿入する。さらに、クレンメ50を調節してカテーテル60からの栄養飲料の吐出量を調節する。この際、飲料パック20の底部(上側)の適当な箇所に穿孔したり適当な部分を切除することで、飲料パック20の空気抜きが可能になるので、カテーテル60から栄養飲料を円滑に吐出させることができる。なお、飲料パック20が空になった場合、スタンド70から飲料パック20を取り外してチューブ30を抜く。1つの飲料パック20による摂取量では不足な場合、新たな飲料パック20を準備し、上記と同様にアダプタ本体12を固定する。そして、チューブ30の一端を新たなアダプタ本体12のジョイント部12c(図2参照)に再度接続する。以後は上記と同様に、クレンメ50を調節してカテーテル60からの栄養飲料の吐出量を調節する。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の飲料パック用アダプタについて説明する。本実施形態の飲料パック用アダプタは、第1実施形態に係る飲料パック用アダプタのアダプタ本体を変形したものである。
【0030】
図5は、変形したアダプタ本体112の一部を説明する側面図である。この場合、アダプタ本体112の先鋭端部112aに排出溝DSを設けている。この排出溝DSによっても、飲料パック20中の栄養飲料をほぼ全部カテーテルに吐出させるができ、栄養飲料の残留を防止して無駄を回避することができる。
【0031】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、飲料パック20の開口21に設けたフィルム21aにアダプタ本体12の先鋭端部12aを突き刺しているが、飲料パック20の開口21がプルタブでシールされている場合、このプルタブを剥がして開口21を開放した後、この周囲に連結部材14を固定し、アダプタ本体12の先鋭端部12aを貫通孔14hと開口21とに差し込んで環状部材12bをねじ回して固定すれば足る。
【0032】
また、上記実施形態では、図4に示すように、飲料供給器具100によって、経鼻的に栄養飲料を投与する場合について説明したが、経胃ろうルート若しくは経腸ろうルートで患者PTに経腸栄養を長期的に投与することもできる。すなわち、患者PTの腹部の適所に胃ろうや腸ろうを形成し、これらの胃ろうや腸ろうにカテーテル60を取り付けることによって、飲料パック20に取り付けた飲料パック用アダプタ10、チューブ30及びカテーテル60を介して、患者PTの胃や腸に栄養飲料等を適当な量及びタイミングで供給することができる。
【0033】
さらに、上記実施形態では、狭義の飲料パックを用いた飲料の径鼻・経腸摂取について説明したが、本発明は、このような径鼻や経腸の摂取に限らず、広く静脈等の他の部位に栄養剤等を導入する経管摂取に適用することができる。この場合、栄養剤等を収容した広義の飲料パックに対し上記実施形態で説明したようなアダプタを取り付けることで、患者等に栄養剤を適宜経管摂取させることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の飲料パック用アダプタによれば、飲料パックの開口すなわちアダプタ本体部材の周囲から栄養飲料等が漏れ出すことを防止することができ、これにカテーテルを接続すれば、飲料パック中の栄養飲料等を下方に位置するカテーテルの先端から吐出させることができる。すなわち、飲料パックから別に用意したバッグに移すことなく患者等に栄養飲料等を適宜投与することができるので、栄養飲料等の投与の作業性を高めることができ、有害な細菌等の混入を防止して栄養飲料等の衛生的摂取が可能になる。
【0035】
また、本発明の飲料供給器具によっても、飲料パックからバッグに移すことなく臥した状態の患者等に栄養飲料等を適宜投与することができるので、栄養飲料等の投与の作業性を高めることができ、有害な細菌等の混入を防止して栄養飲料等の衛生的摂取が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る飲料パック用アダプタの構造及び取付けを説明する斜視図である。
【図2】図1の飲料パック用アダプタの構造及び固定状態を説明する側方断面図である。
【図3】図2の飲料パック用アダプタの先鋭端部を説明する側面図である。
【図4】図1の飲料パック用アダプタを組み込んだ飲料供給器の構造及び使用方法を概念的に説明する図である。
【図5】第2実施形態に係る飲料パック用アダプタを説明する側面図である。
【符号の説明】
10 飲料パック用アダプタ
12 アダプタ本体
12a 先鋭端部
12b 環状部材
12c ジョイント部
14 連結部材
14a 筒状部
14b フランジ部
14h 貫通孔
20 飲料パック
21 開口
30 チューブ
100 飲料供給器具
IO 引込口
JR リッジ

Claims (2)

  1. 先端部が飲料パックに設けたストロー用の開口に差し込まれるパイプ状のアダプタ本体部材と、
    前記飲料パックの開口と略同一径の貫通孔を有し、当該貫通孔と前記開口とを位置合わせした状態で前記飲料パックに接着可能であり、前記貫通孔によって前記アダプタ本体部材の先端部を受容する接着部材と、
    前記アダプタ本体部材に設けた前記先端部の根本側の周囲に形成される第1係止部と、前記接着部材に設けた前記貫通孔の周囲に形成され前記第1係止部に係止可能な第2係止部とを有し、前記先端部が前記貫通孔を介して前記開口に差し込まれた状態で前記アダプタ本体部材を前記接着部材に対して液密かつ着脱自在に固定する固定手段と
    を備える飲料パック用アダプタであって、
    前記固定手段は、前記第1及び第2係止部が互いに係止された際に、前記接着部材の前記貫通孔の所定位置と前記アダプタ本体部材の前記先端部の対応位置とを密着させる環状のシール部を備え、
    前記アダプタ本体部材に設けた前記先端部の根本側に残液排出用の排出口若しくは排出溝を設け、
    前記アダプタ本体部材の部分として、前記先端部の反対側にチューブに着脱自在に接続するためのジョイント部と、前記先端部の根本側から半径方向外側に延びる鍔部と当該鍔部の外縁から先端側に延び前記第1係止部を内側に設けたカラーとを有する環状部材とを有することを特徴とする飲料パック用アダプタ。
  2. 請求項1記載の飲料パック用アダプタと、
    前記アダプタ本体部材に一端が接続されるチューブ状の連結部材と、
    当該連結部材の他端に接続されるカテーテルと
    を備える飲料供給器具。
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