JP3953801B2 - 拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置 - Google Patents

拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3953801B2
JP3953801B2 JP2001376562A JP2001376562A JP3953801B2 JP 3953801 B2 JP3953801 B2 JP 3953801B2 JP 2001376562 A JP2001376562 A JP 2001376562A JP 2001376562 A JP2001376562 A JP 2001376562A JP 3953801 B2 JP3953801 B2 JP 3953801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffusion film
diffusion
film
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001376562A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003177220A (ja
Inventor
忠宏 真崎
文裕 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2001376562A priority Critical patent/JP3953801B2/ja
Publication of JP2003177220A publication Critical patent/JP2003177220A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3953801B2 publication Critical patent/JP3953801B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズフィルムの上下に設けられる拡散フィルムに関し、特に、拡散フィルムの枚葉加工時のバリ発生を抑えて、打ち抜き適性に優れ、さらには、まとめて製造されてから枚葉品として、積み重ねられて梱包される時の加圧にも耐え、必要な拡散性を出す為に、拡散フィルムの表面に形成されている凹凸形状が変形しないような拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置に関するものである。本発明において、拡散フィルムとは、レンズフィルムの出光面側(上側)に設けられる保護拡散フィルムやレンズフィルムと導光板との間(レンズフィルムの下側)に設けられる光拡散フィルムのことである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の拡散フィルム(保護拡散フィルムや光拡散フィルム)を用いた面光源装置の一例として、エッジ型平面光源である面光源装置120を設けた液晶表示装置135の断面図である。
面光源装置120は、光源121、導光板122、反射フィルム124、光拡散フィルム125,レンズフィルム140,保護拡散フィルム110等からなっている。
導光板122は、面投光手段であって、側端部に光源121を備え、光源121からの光を拡散させて、出光方向に向けるためのドットパターン123を出光面122aと対向する非出光面に設けている。反射フィルム124は、導光板122の非出光面側に設けられ、不要な方向へ出光する光線を遮るとともに、所定の方向に光線を反射して戻す役割を果たしている。
【0003】
導光板122の出光面122a側には、光を拡散することにより、ドットパターン123を隠蔽するための光拡散フィルム(拡散板)125を挟んで、レンズフィルム140が、プリズム面を出光面側にして配置されている。
光拡散フィルム(拡散板)は、光拡散作用を備えており、透明樹脂基材中に、有機又は無機ビーズを光拡散剤として分散混入したものや、透明樹脂基材上に、有機又は無機ビーズを拡散剤(光拡散剤ともいう)として含有するインキをコーティングしたものが使用されていた。
レンズフィルム140の出光面側には、レンズフィルム140のプリズム140aと液晶表示素子133とが直接接触して、輸送時の振動等により互いに傷を付けることを防ぐ保護拡散フィルム110が設けられている。保護拡散フィルム110は、レンズフィルム140のプリズム140aのスジや、図示しないスペーサ等を隠蔽するために、わずかな光拡散作用も備えており、透明樹脂基材中に、有機又は無機ビーズを拡散剤として分散混入したものや、透明樹脂基材上に、有機又は無機ビーズを拡散剤(光拡散剤ともいう)として含有するインキをコーティングしたものが使用されていた。
【0004】
面光源装置120の出光側には、下基板132と上基板131に挟まれた液晶層130からなる透過型の液晶表示素子133が設けられており、面光源装置120は、液晶表示素子133を裏面から照明する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の面光源装置に使用される拡散フィルムは、有機又は無機ビーズ(拡散剤)の含有量やインキのコーティング量を調整することにより、各種バックライトの最適光学特性に適するような微妙な光学特性の調整は容易であるという利点がある。
しかし、ビーズ(光拡散剤)は凝集したり、大きさや形状が不均一な為に、拡散フィルムの表面凹凸が不均一になり易い。そのためこのような拡散フィルムにおいては、表面に飛び出たビーズ(光拡散剤)や大きなビーズ、不定形なビーズ等による影響で、枚葉打ち抜き加工時や枚葉品として積み重ねられた時や液晶表示装置用バックライトに組み込まれる時や搬送等の際に、次のような問題があった。
【0006】
拡散フィルム(保護拡散フィルム110や光拡散フィルム(拡散板)125)は、まとめて製造されてから枚葉製品にされる。この枚葉打ち抜き加工時にビーズが飛び散ったり、剥落したりして、凹凸形状が変化し、拡散性が変わるという問題があった。
また拡散フィルムの打ち抜き適性が悪い場合には、拡散フィルムの枚葉製品の端面にバリが発生して、そのバリの異物は、剥落するビーズと共に、バックライトの重大な欠点となるという問題があった。例えば、拡散フィルムが液晶表示装置用バックライトに組み込まれる時や搬送、液晶表示装置として使用される際に、こうした問題が表面化した。
さらに前述した従来の面光源装置に使用される拡散フィルムは、まとめて製造されてから枚葉品として、積み重ねられて梱包される。この梱包時の加圧により、必要な拡散性を出す為に、拡散フィルムの表面に形成されている凹凸形状が変形したり(ビーズが剥落したり、押しつぶされてしまうこともある。)して、必要な拡散性が得られなくなるという問題もあった。
【0007】
このような問題を解決するために、本発明者は、透明基材の少なくとも一方の面上に、表面が均一な凹凸形状を賦型された電離放射線硬化型樹脂よりなる光拡散層を設けた拡散フィルムを開発した。この拡散フィルムの表面拡散性は、凹凸賦型版の表面形状により調整されている。この拡散フィルムの場合は、表面が均一な凹凸形状を賦型された電離放射線硬化型樹脂よりなる光拡散層なので、ビーズによる異物や剥落は無くなった。
【0008】
しかし、(イ)打ち抜き適性が悪い場合には、製品の端面にバリが発生して、このバリによる異物が原因で、バックライトの重大な欠点となるという問題は残った。さらに、(ロ)梱包時の加圧により、必要な拡散性を出す為に、拡散フィルムの表面に形成されている凹凸形状が変形して、必要な拡散性が得られなくなるという問題も解決できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記した未解決の問題である(イ)と(ロ)は、樹脂の引張破断点伸度と関係があることを研究の結果解明した。しかし、(イ)の問題を解決しようとすると(ロ)の問題が悪化し、(ロ)の問題を解決しようとすると(イ)の問題が悪化してしまった。即ち、(イ)の問題と(ロ)の問題の両方を解決できる樹脂の物性値の選定をすることは、非常に困難でした。
具体的には、バリの発生数を少なくするには、樹脂の引張破断点伸度を上げなければならない。一方、拡散フィルムの表面に形成されている凹凸形状の加圧による変形を少なくするには、樹脂の引張破断点伸度を下げる必要があるのである。
【0010】
本発明の課題は、レンズフィルムの上下に設けられる拡散フィルムにおいて、特に、拡散フィルムの枚葉加工時のバリ発生を抑えて、打ち抜き適性に優れ、さらには、まとめて製造されてから枚葉品として、積み重ねられて梱包される時の加圧にも耐え、必要な拡散性を出す為に、拡散フィルムの表面に形成されている凹凸形状が変形しないような拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、加圧変形に寄与する光拡散層(表面側の樹脂)を引張破断点伸度の低い樹脂として、透明樹脂層(透明基材側の樹脂)を引張破断点伸度の高い樹脂層とすることで、前記した(イ)と(ロ)の両方の問題を解決できることを解明した。
【0012】
具体的には、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、後記する本発明の実施形態(図1、図3、図4)に対応する符号を付して説明するが、これだけに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、透明基材(11)の少なくとも一方の面上に、透明樹脂層(13A)と光拡散層(13B)がこの順に設けられている拡散フィルム(10)において、前記透明樹脂層と光拡散層の樹脂の引張破断点伸度の関係を、前記透明樹脂層の樹脂の引張破断点伸度A%が、前記光拡散層の樹脂の引張破断点伸度B%よりも高くして成ることを特徴とする拡散フィルムである。(図1)
【0014】
ここで、引張破断点伸度の測定方法等について、説明しておくことにする。
(1)樹脂引張試験方法:測定方法は、JIS K 7127(プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法)に準ずる。
▲1▼試験片形状:1号形試験片
全長;80mm、幅;10mm、つかみ具間距離;40mm、厚み;80〜100μm
▲2▼試験片作製方法
易接着処理を施していない未処理のPETフィルム(100μm)上に、アプリケーターにて、各樹脂を厚み;80〜100μmとなるように塗工した。この塗工した樹脂面に、電離放射線照射装置85〔Dバルブ紫外線ランプ F600型(フュージョン社製)〕により電離放射線を照射し、硬化させた。電離放射線の照射条件は、ライン速度10m/min、照度設定45%・2回連続照射にて作製した。
硬化後、PETフィルム(100μm)上から樹脂層を所定の形状に切断して、試験片を作製した。
▲1▼試験速度:10mm/min
▲2▼試験状態:23°C 55%RH
【0015】
請求項の発明は、請求項1に記載の拡散フィルム(10)において、透明樹脂層(13A)と光拡散層(13B)は、共に電離放射線硬化型樹脂により形成されていることを特徴とする拡散フィルムである。(図1)
【0016】
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の拡散フィルム(10)を製造する製造方法であって、透明基材の少なくとも一方の面上に、透明樹脂層(13A)を形成させた後、凹凸形状を有するシリンダ版(88)を用いて、電離放射線硬化型樹脂をシリンダ版に押し込んで、これ版の形状を賦型し、前記電離放射線硬化型樹脂に電離放射線を照射して、前記透明樹脂層の上に、電離放射線硬化型樹脂を硬化させることにより、光拡散層(13B)を形成させてなる拡散フィルム(10)の製造方法である。(図1、図3)
【0017】
請求項の発明は、光源(21)と、前記光源の光を投光面(22a)から所定の方向に面投光する面投光手段(22)と、前記投光面上に設けられたレンズフィルム(40)と、前記レンズフィルムの上下に設けられた請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の拡散フィルムとを備える面光源装置である。(図4)
【0018】
請求項の発明は、光源(21)と、前記光源の光を投光面(22a)から所定の方向に面投光する面投光手段(22)と、前記投光面上に設けられたレンズフィルム(40)と、前記レンズフィルムの上下に設けられた請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の拡散フィルム(10)と、レンズフィルムの上側の拡散フィルムの出光面側に配置された、透過型の液晶表示素子とを備える液晶表示装置(35)である。(図4)
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(第1実施形態)
(拡散フィルム)
図1は、第1実施形態における拡散フィルム10の一部を拡大した断面図である。
図4は、第1実施形態の拡散フィルム10を用いた面光源装置20を設けた液晶表示装置35の断面図である。
拡散フィルム(10)は、透明基材(11)の少なくとも一方の面上に、透明樹脂層(13A)と光拡散層(13B)がこの順に設けられているもので、前記透明樹脂層と光拡散層の樹脂の引張破断点伸度が、異なることを特徴とする拡散フィルムである。
【0020】
透明基材11は、ベースとなる基材フィルムであり、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタアクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂の延伸又は未延伸フィルムを使用することができる。透明基材11の厚みは、フィルムがもつ剛性にもよるが、50〜200μmのものが、加工性等の取扱い面からいって好ましい。また、透明基材11の透明樹脂層13Aを設ける面は、あらかじめコロナ放電処理等の易接着処理を施すことが、接着を強固に安定化するために好ましい。
【0021】
透明樹脂層13Aは、樹脂(電離放射線硬化型樹脂又は熱可塑性樹脂)をロールコート法等で、透明基材にコーティングすることにより、形成される。ロールコート法以外でも良く、例えばディピング法、スプレーコーティング、スピンコーティング法等各種の方法が用いられる。塗布する混合分散液の粘度、目的とする透明樹脂層の厚さ、基材の表面状態等によって最適な方法を選んで行う。
【0022】
透明樹脂層13Aの材料は、電離放射線硬化型樹脂で、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、本明細書では、アクリレートとメタアクリレートとを、(メタ)アクリレートと記載する。)等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤を比較的多量に含むものから構成する。上記希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等がある。
【0023】
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィン等を混合して使用する。
【0024】
上記の電離放射線硬化型樹脂には、次の反応性有機ケイ素化合物を含ませることもできる。Rm Si(OR′)n で表せる化合物であり、ここでR、R′は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4であり、そしてm及びnは、それぞれ整数である。更に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等があげられる。
【0025】
透明樹脂層13Aの材料は、上記の電離放射線硬化型樹脂ばかりでなく、熱可塑性樹脂を用いることもできる。例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート等のアクリル樹脂、、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネートや、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリハイドロカーボン、6,6ナイロン、6ナイロン等のポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリイミド、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース等の熱可塑性樹脂から選択できる。
【0026】
本発明の拡散フィルムにおいては、透明樹脂層の樹脂の引張破断点伸度をA%とすると、A=60〜300となるように、樹脂を設計することが確実に課題を解決する為に好ましい。
【0027】
光拡散層13Bは、透明樹脂層13Aの上に形成される層で、表面に微細な凹凸形状を有し、接触する部材を保護し、かつ、適度な拡散性を有することにより、隠蔽性を備える層である。
本実施形態における光拡散層13Bの表面粗さは、十点平均粗さRzで示すと、Rz=1.6μmである。また、測定条件を、縦倍率:2000倍、横倍率50倍、測定基準長0.8mm、位相特性:ノーマル型、送り速度:0.1mm/秒、カウントレベル±0.1μmとして、Pc1方式により測定した場合の粗さである山の数PC=8である。
【0028】
Rzは、1〜6μmの範囲内にあることが望ましい。1μm未満では、凹凸の高さが足りず、隠蔽性が低くなるからであり、6μmを越えると、隠蔽性が必要以上に高くなりすぎて、光学特性が悪くなるからである。同様な理由から、PCは、上記測定条件において、2〜15の範囲内であることが望ましい。
【0029】
拡散フィルム10は、光拡散層13Bの表面凹凸により、適度な光拡散作用を持っている。光を拡散するレベルを示す指標として、物体の輝度とそれを散乱媒質を通して見た場合の輝度との比として示すヘーズ値が用いられるが、本実施形態の拡散フィルム10のヘーズ値は、30である。拡散フィルムのヘーズ値としては、15〜50の範囲内にあることが望ましく、更に、20〜40の範囲内にあることがより好ましい。15未満では、隠蔽性が低くなり、導光板以下の微細な不具合等を隠せなくなり、50を越えると、必要以上に隠蔽性がありすぎて、輝度が低下するからである。
【0030】
図2は、Pc1方式を説明する図である。Pc1方式は、カウントレベルCLを設定し、粗さ曲線Fの中心線Cに平行な2本の上側ピークカウントレベルU及び下側ピークカウントレベルDを設ける。下側ピークカウントレベルDと粗さ曲線Fとが交叉する2点間において、上側ピークカウントレベルUと粗さ曲線Fとが交叉する点が1箇所以上存在するときを1山としてカウントし、このカウントを基準長さLの範囲内において行い、山のカウント数により表面粗さを表す。図2に示す例では、4山あるので、Pc1方式による山の数は、4となる。
【0031】
光拡散層13Bの材料も、前記した各種の電離放射線硬化型樹脂が使用できる。但し、本発明の拡散フィルムにおいては、光拡散層の樹脂の引張破断点伸度をB%とすると、B=2〜50となるように、樹脂を設計することが確実に課題を解決する為に好ましい。
さらに、本発明の拡散フィルムにおいては、透明樹脂層の樹脂の引張破断点伸度をA%、光拡散層の樹脂の引張破断点伸度をB%とすると、A/B=1〜200とすることも確実に課題を解決する為に好ましい。
【0032】
(拡散フィルムの製造方法)
拡散フィルム10は、透明基材11の少なくとも一方の面上に、ロールコート法等による工程により透明樹脂層13Aを設け、この上に光拡散層13Bを設けることにより製造した。
透明樹脂層13Aは、樹脂(電離放射線硬化型樹脂又は熱可塑性樹脂)をロールコート法等で透明基材にコーティングすることにより、形成される。ロールコート法以外でも良く、例えばディピング法、スプレーコーティング、スピンコーティング法等各種の方法が用いられる。
図3は、光拡散層13Bを形成する工程の概略を説明する図である。最初に、光拡散層13Bの表面の微細凹凸形状に対応した凹凸形状を形成してあるシリンダ版88に、ポンプ87で電離放射線硬化型樹脂82をダイヘッド86に送り、シリンダ版88に電離放射線硬化型樹脂82を均一に押し込む。そして、透明基材11に形成された透明樹脂層13Aの面とシリンダ版88とを入口ニップ83で密着(賦型工程)したものに、電離放射線照射装置85〔Dバルブ紫外線ランプ(フュージョン社製)〕により電離線を照射し、硬化した電離放射線硬化型樹脂81とするとともに、透明樹脂層13Aとの接着を行う(硬化工程)。そして、出口ニップ84の所で、透明樹脂層13Aに形成した光拡散層13Bをシリンダ版88から剥離することにより、拡散フィルム10(シト状)を製造した。
透明基材11への塗工厚みは、光拡散性と光透過率とのバランスにより決定され、透明樹脂層13Aが2〜100μm程度が好ましく、光拡散層13Bが2〜200μm程度が好ましい。
【0033】
凹凸形状を形成してあるシリンダ版88は、円筒状の版材に、所定形状の凹部を設けたものである。このシリンダ版88は、円筒状の版材に直接旋盤加工したり、電鋳法で形成したミルによるミル加工等で切削する方法、電鋳法などにより製造できる。シリンダ版の材質としては、銅、クロム、鉄等の金属、NBR、エポキシ、エボナイト等の合成樹脂、ガラス等のセラミックス等を用いることができる。また、シリンダ版の大きさは、特に限定されず、製造しようとする凹凸表面を有するシートの大きさに応じて適宜選択することができる。なお、図示しないが、シリンダ版には、駆動装置が設けられ回転駆動するように形成されている。
好ましい実施形態として、シリンダ版88は、円筒形の鉄製の素材上に、#120〜#250の液体サンドを吹き付けて、サンドブラスト処理を行い、前述の表面凹凸形状に対応した形状を設け、更に、電解研磨により仕上げた後、保護のためにクロムメッキを施したものも使用できる。
【0034】
(面光源装置及び液晶表示装置)
図4は、本実施形態の拡散フィルム10を用いた面光源装置20を設けた液晶表示装置35を示す断面図である。
面光源装置20は、光源21、導光板22、反射フィルム24、光拡散フィルム10,レンズフィルム40,保護拡散フィルム10等からなっている。
面光源装置20を設けた液晶表示装置35における拡散フィルム10以外の部分について、以下に記載する。
導光板22 切り出したアクリル板を光学研磨し、裏面に白色インキをシルクスクリーン印刷する。線光源21から離れるにつれて白色のドットパターン23の面積は徐々に大きくなるように印刷する。
レンズフィルム40(プリズムシート) 断面が三角プリズムであるシートで、正面方向の輝度を向上させる。ポリカーボネートシートを熱プレスする方法と、紫外線硬化樹脂により、賦形する方法がある。(例えば、BEF2(住友3M社製))
反射フィルム24 白色のポリエステルフィルムや発泡ポリエステルフィルムが用いられている。導光板からもれた光を反射させる。
【0035】
このようにして作成された本発明の拡散フィルム(光拡散フィルム)10を、図4に示すように、導光板22の上面に設置し、その上に、レンズフィルム40を設置し、その上に、前記の本発明の拡散フィルム(保護拡散フィルム)10を設置して面光源装置20(バックライトユニット)を得る。
面光源装置20の出光側には、下基板32と上基板31に挟まれた液晶層30からなる透過型の液晶表示素子33が設けられており、面光源装置20は、液晶表示素子33を裏面から照明する。
【0036】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により更に説明する。
【0037】
(実施例1)
透明基材11として、PETフィルム:A4300(東洋紡績社製)の厚さt=188μmを使用した。この透明基材11の片面に、ロールコート法により、塗工厚み5μになるように、透明樹脂層13Aを形成した。透明樹脂層13Aの材料は、引張破断点伸度85%の紫外線硬化型樹脂: EX−FL−02(大日精化工業株式会社製)を使用した。
【0038】
円筒形の鉄製の素材上に、#120の液体サンドを吹き付けて、サンドブラスト処理を行い、表面に凹凸形状を設けた。これを更に、電解研磨により仕上げた後、保護のためにクロムメッキを施したシリンダ版88を用意した。
このシリンダ版88に、ポンプ87で電離放射線硬化型樹脂82(紫外線硬化型樹脂: RC19−941(大日本インキ化学工業株式会社製))をダイヘッド86に送り、シリンダ版88に電離放射線硬化型樹脂82を均一に押し込む。そして、前記した透明樹脂層13Aを形成した基材フィルムの透明樹脂層13Aが形成されている面とシリンダ版88とを入口ニップ83で密着(賦型工程)したものに、電離放射線照射装置85〔Dバルブ紫外線ランプ(フュージョン社製)〕により紫外線を照射し、硬化した電離放射線硬化型樹脂81とするとともに透明基材11の透明樹脂層13A面との接着を行った(硬化工程)。そして、出口ニップ84で透明基材11の透明樹脂層13A上に形成した光拡散層13Bをシリンダ版88から剥離し、拡散フィルム10を製造した。
光拡散層13Bの塗工厚みは、10μであった。
光拡散層13Bの材料は、引張破断点伸度15%の紫外線硬化型樹脂: RC19−941(大日本インキ化学工業株式会社製)を使用した。
【0039】
(評価試験)
以上のようにして作製した拡散フィルム10及びこれを用いた面光源装置20の評価を、下記の特性について、下記の比較例1〜2との対比により行った。
【0040】
比較例1は、透明基材に透明樹脂層を形成しないで、透明基材に直接光拡散層を形成した以外は、実施例1と同じように製造した拡散フィルム。
【0041】
比較例2は、透明基材に透明樹脂層を形成しないで、透明基材に直接光拡散層を形成し、且つ光拡散層の材料である紫外線硬化型樹脂をEX−FL−02(大日精化工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同じように製造した拡散フィルム。
【0042】
(評価方法)
(1)加圧変形
実施例・比較例にて、作製したそれぞれの拡散フィルムについて、加圧変形試験を行った。拡散フィルムの光拡散層同士を重ねあわせて、下記条件で加圧して表面の凹凸潰れの外観状態を観察する。
荷重量 15g/cm2荷重、 時間 24時間、 温度 40°C
【0043】
(2)枚葉ヌキ加工
実施例・比較例にて、作製した拡散フィルムを100×150mmサイズのトムソン刃を用いて、ヌキ(抜き)加工を行い、製品端面の表裏を30倍のルーペにて観察して、バリ発生数を測定した。試験片は、3枚加工して、その平均値を計算した。
但し、実施例にて作製した拡散フィルムは、2層構成面をトムソン刃が抜ける面に設置して、ヌキ加工する。比較例にて作製した拡散フィルムは、どちらの面でも構わない。
【0044】
各物性の評価結果を、表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003953801
【0046】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明の拡散フィルムは、枚葉加工時の打ち抜き適性に優れるので、極めてバリが発生しにくいという効果を有する。
さらに、拡散フィルムの梱包時の加圧等によっても、必要な拡散性を出す為に、拡散フィルムの表面に形成されている凹凸形状の変形もほとんどないので、必要な拡散性が常に得られるという効果がある。
従って、このような拡散フィルムを用いた面光源装置及び液晶表示装置は、バリによる異物が原因で、バックライトの重大な欠点となったり、バリにより、不良が発生することがなくなり、必要な拡散性も常に維持される為、極めて信頼性の高い製品となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における拡散フィルム10の一部を拡大した断面図である。
【図2】Pc1方式を説明する図である。
【図3】光拡散層13Bを形成する工程の概略を説明する図である。
【図4】第1実施形態の拡散フィルム10を用いた面光源装置20を設けた液晶表示装置35の断面図である。
【図5】従来の拡散フィルム(保護拡散フィルム110や光拡散フィルム125)を用いた面光源装置の一例として、エッジ型平面光源である面光源装置120を設けた液晶表示装置135の断面図である。
【符号の説明】
10 拡散フィルム
11 透明基材(基材フィルム)
13A 透明樹脂層
13B 光拡散層
20 面光源装置
22 面投光手段(導光板)
24 反射フィルム
25 光拡散フィルム
33 液晶表示素子
35 液晶表示装置
40 レンズフィルム

Claims (5)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面上に、透明樹脂層と光拡散層がこの順に設けられている拡散フィルムにおいて、前記透明樹脂層と光拡散層の樹脂の引張破断点伸度の関係を、前記透明樹脂層の樹脂の引張破断点伸度A%が、前記光拡散層の樹脂の引張破断点伸度B%よりも高くして成ることを特徴とする拡散フィルム。
  2. 請求項1に記載の拡散フィルムにおいて、透明樹脂層と光拡散層は、共に電離放射線硬化型樹脂により形成されていることを特徴とする拡散フィルム。
  3. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の拡散フィルムを製造する製造方法であって、透明基材の少なくとも一方の面上に、透明樹脂層を形成させた後、凹凸形状を有するシリンダ版を用いて、電離放射線硬化型樹脂をシリンダ版に押し込んで、これ版の形状を賦型し、前記電離放射線硬化型樹脂に電離放射線を照射して、前記透明樹脂層の上に、電離放射線硬化型樹脂を硬化させることにより、光拡散層を形成させてなる拡散フィルムの製造方法。
  4. 光源と、
    前記光源の光を投光面から所定の方向に面投光する面投光手段と、
    前記投光面上に設けられたレンズフィルムと、前記レンズフィルムの上下に設けられた請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の拡散フィルムとを備える面光源装置。
  5. 光源と、
    前記光源の光を投光面から所定の方向に面投光する面投光手段と、
    前記投光面上に設けられたレンズフィルムと、
    前記レンズフィルムの上下に設けられた請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の拡散フィルムと、
    レンズフィルムの上側の拡散フィルムの出光面側に配置された、透過型の液晶表示素子とを備える液晶表示装置。
JP2001376562A 2001-12-11 2001-12-11 拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置 Expired - Fee Related JP3953801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001376562A JP3953801B2 (ja) 2001-12-11 2001-12-11 拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001376562A JP3953801B2 (ja) 2001-12-11 2001-12-11 拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003177220A JP2003177220A (ja) 2003-06-27
JP3953801B2 true JP3953801B2 (ja) 2007-08-08

Family

ID=19184724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001376562A Expired - Fee Related JP3953801B2 (ja) 2001-12-11 2001-12-11 拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3953801B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005050802A (ja) * 2003-07-16 2005-02-24 Sharp Corp 液晶表示装置、バックライト装置
CN100409076C (zh) * 2003-07-16 2008-08-06 夏普株式会社 液晶显示装置和背后照明装置
JP5092265B2 (ja) * 2006-04-12 2012-12-05 住友化学株式会社 導光板の製造方法
JP4767144B2 (ja) * 2006-10-04 2011-09-07 日東電工株式会社 レーザ加工用粘着シート
JP5365713B2 (ja) * 2012-03-02 2013-12-11 大日本印刷株式会社 光学シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003177220A (ja) 2003-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4557389B2 (ja) 保護拡散フィルム、面光源装置及び液晶表示装置
JP4531290B2 (ja) 保護拡散フィルム、面光源装置及び液晶表示装置
US5550676A (en) Surface light source element
JP4408166B2 (ja) 指向性拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置
US5863113A (en) Plane light source unit
US5711589A (en) Plane light source unit
US20080291696A1 (en) Integrated Light Guide Panel and Method of Manufacturing the Same
TWI374315B (ja)
JP2008512726A (ja) 輝度向上フィルム、並びにその製造及び使用方法
TW201727324A (zh) 上用光擴散片和背光單元
KR20090089899A (ko) 방현성 필름과 그것을 이용한 표시 장치, 및 광 확산 필름과 그것을 이용한 면 광원 시스템
JP2002341115A (ja) 保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置
JP2008041328A (ja) 直下型バックライト装置
CN110651202B (zh) 上方用光扩散片及具备该上方用光扩散片的背光单元
JP3953801B2 (ja) 拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置
JP5957865B2 (ja) 賦型シートの製造方法、樹脂被覆賦型シートの製造方法及び光学シートの製造方法
US11487056B2 (en) Light guide plate and backlight module using the same
JP3442247B2 (ja) 面光源素子用導光体および面光源素子
JP3984456B2 (ja) 保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置
JP4191498B2 (ja) 光学素子、その製造方法及び液晶表示装置
JP3773129B2 (ja) 面光源素子用導光体および面光源素子
JP3656967B2 (ja) 液晶表示装置用面光源素子
JP4170991B2 (ja) 液晶表示装置用面光源素子およびそれを用いた液晶表示装置
JP7244204B2 (ja) 光学シート、面光源装置、映像源ユニット、及び表示装置
JP4632378B2 (ja) 面光源素子およびそれを用いた液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees