JP3952986B2 - 露光方法及びそれを用いた露光量算出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィー工程における露光方法及びそれを用いた露光量算出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、半導体の微細化技術の進歩に伴い、半導体デバイス製造における各リソグラフィー工程での寸法縮小化が進み、高精度な寸法制御と低バラツキ化とが同時に要求されている。この要求に対応するには、各リソグラフィー工程に用いるマスク及び露光装置ごとに最適な露光量やフォーカス位置を求めることが必要であり、この作業を露光条件出しと通常呼ばれている。
【0003】
露光条件出しの作業が行われている間は、製造工程を止めなければならず、また時間がかかる作業であるため生産性を考慮すると出来るだけ省略したい作業でもある。この種の露光条件だし作業を簡略する方法としては、図7及び図8に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図7は、露光算出システムの構成図、図8は露光量の算出方法を示すフローチャートである。
【0005】
この特許文献1に開示された露光算出システムは、図7に示すように、リソグラフィー工程に使用されるマスクのパターン寸法を測定するためのマスク寸法測定手段101、リソグラフィー工程でレジストに形成されたパターンの寸法を測定するためのレジスト寸法測定手段102、リソグラフィー工程に関する条件及び処理ロットに関するデータを入力するための入力部103、各手段及び入力部103から送られたデータを処理し、処理したデータを記憶部105に記憶させると共に記憶部105に記憶されたデータを用いて露光量の算出を行ない露光装置106に指示を与える演算部104の要素からなり、演算部104に各要素がそれぞれ接続し、演算部104は露光装置106に接続されている。
【0006】
最適な露光量算出方法としては、図8に示すように、まず、露光曲線を直線として近似し、過去の露光量及び露光データからなる露光曲線の傾き(露光補正係数)を用いて、目標とするレジスト寸法を代入して第1の露光量を算出する(ステップS101)。続いて、過去の露光データからなる露光曲線での目標とするレジスト寸法付近の傾き(マスク補正係数)と、マスク設計寸法と使用するマスク寸法との差(寸法偏差)を用いて補正露光量を算出する(ステップS102)。そして、ステップS101で算出された第1の露光量とステップS102で算出された補正露光量を加算して新たな露光量を算出している(ステップS103)。
【0007】
このステップを数回以上繰り返して目標とするレジスト寸法を満足させる最適な露光量を算出している。ここで、最適な露光量算出に必要なデータとしては、過去の多数ロットからなる露光データ及び露光量対レジスト寸法からなる露光データ曲線、上記露光補正係数、マスク補正係数及び寸法偏差等が必要となる。
【0008】
【特許文献1】
特許3152776号公報(5頁、図1及び図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した半導体デバイスの露光方法おいては、半導体デバイス製造でのロット間及びウェハ間において、高精度な寸法制御と低バラツキ化が達成できるが、露光データ曲線取り、露光補正係数、マスク補正係数及び寸法偏差等の算出作業を必要とし、且つ数回以上の露光条件出しステップが必要であるから、最適露光条件算出に際して、時間および回数がかかるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少ない露光条件出しステップ及び回数で、高精度な寸法制御と低バラツキ化を実現できる露光方法及びそれを用いた露光算出システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の露光方法は、予め寸法測定された第1のマスクでの第1のレジスト寸法となる第 1 の露光量を算出する工程と、予め寸法測定された前記第1のマスク及び新たな第2のマスクの寸法差に対する露光量の変化を光強度分布シミュレーションにより算出する工程と、前記光強度分布シミュレーションにより算出された露光量の変化から前記第 1 のマスクと前記第2のマスクとのマスク寸法差に対する露光量変化分を算出する工程と、前記第1の露光量と前記露光量変化分とにより、前記第2のマスクでの第2のレジスト寸法となる第2の露光量を算出する工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様の露光量算出システムは、露光装置、各種データを入力するための入力手段、マスクの寸法を測定するためのマスク寸法測定手段、レジストに形成されたパターンの寸法を測定するためのレジスト寸法測定手段、及び各種データを記憶するための記憶手段に接続される露光条件算出処理手段と、この露光条件算出処理手段と接続され、光学シミュレーションツールを内蔵する光強度分布シミュレーション手段とを備え、前記光強度分布シミュレーション手段により、先に使用の第 1 のマスクと新たに使用する第2のマスクとの寸法差に対する露光量の変化を算出し、前記露光条件算出処理手段により、前記第1のマスクでの露光量とこの寸法差に対する露光量変化分により、第2のマスクでの最適露光量を算出することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係わる半導体デバイスの露光方法について、図1乃至3を参照して説明する。図1は露光量算出システムの構成図、図2は半導体デバイスの露光方法を示すフローチャート、図3は光強度分布のシミュレーションからマスク間の露光量差を求める説明図である。
【0015】
図1に示すように、露光量算出システムは、露光条件算出処理部11と光強度分布シミュレーション手段12からなるデータ演算部10、レジスト寸法測定手段40、マスク寸法測定手段50、入力部60及び記憶部70の要素からなり、露光条件算出処理部11に各要素がそれぞれ接続されている。
【0016】
また、露光条件算出処理部11は、露光装置20と接続され、マスク寸法測定手段50は、マスク30に接続されている。
【0017】
露光条件算出処理部11は、光強度分布シミュレーション手段12、レジスト寸法測定手段40、マスク寸法測定手段50及び入力部60から送られたデータを処理し、処理したデータを記憶部70に記憶させると共に、記憶部70に記憶されたデータを用いて露光量の算出を行ない、露光装置20に指示を与える。
【0018】
光強度分布シミュレーション手段12は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform 以下FFTと記す)に基づいたアルゴリズムにより露光条件及び露光形状を満足する光強度を算出(高速デジタル演算)することができる光強度分布シミュレータツールを内蔵する。
【0019】
そして、露光装置20は、複数の露光装置20から構成され、マスク30は、複数のマスク30から構成されている。レジスト寸法測定手段40は、リソグラフィー工程でレジストに形成されたパターン、例えばL/S(ラインアンドスペースの意味)の寸法を測定するものである。マスク寸法測定手段50は、リソグラフィー工程に使用されるマスク30、例えば4倍体のレチクルマスクのL/Sの寸法を測定するものである。
【0020】
そして、入力部60は、リソグラフィー工程に関する条件、使用するマスク30、及び処理ロットに関するデータ、及びシミュレーション用パラメータのデータ等を入力するものである。
【0021】
また、記憶部70には、光学シミュレーションに必要なパラメータのデータ、例えば露光装置関連のデータとしては、開口数(NA)、コヒーレンス度(σ)、光の波長(λ)、デフォーカス(Defocus)、露光量(E)、露光強度(I)、及び縮小倍率等が、レジスト関連のデータでは、レジストの種類、このレジストに対応する露光前後の屈折率(N)、及びレジストの厚さ等が、現像条件では、現像液の温度、PH、現像時間、及び現像速度等が、ベーク条件では、温度、時間等が、マスク関連のデータでは、レチクルマスクのL/Sの寸法等が入力部60からそれぞれ入力され、予め格納されている。
【0022】
次に、上記のように構成された露光量算出システムを用いた半導体デバイスの露光方法について説明する。ここでは、光源波長が248nm(KrF)で、開口数が0.68及び縮小倍率が1/4のエキシマ露光装置を用い、使用するマスク30(レチクルマスク)の寸法は、目標とする600nmに近いものを採用し、目標とする出来上がりレジスト寸法は、マスク寸法の1/4に転写された半導体デバイスを代表するL/Sのスペース寸法125nmである。
【0023】
ここで、マスク寸法は、マスク寸法測定手段50にてマスク30内の遮光帯幅寸法を予め測定し、このデータは記憶部70に格納されている。
【0024】
そして、露光条件以外のステップ条件、例えば化学増幅型ポジレジストの膜厚、プリベークの温度・時間、アルカリ系水溶液を用いる現像の温度・時間、及びポストベークの温度・時間をそれぞれ同一条件で実施し、レジスト塗布からポストベークまでのステップ条件の管理を適宜厳しく管理している。
【0025】
図2に示すように、まず、マスク寸法測定手段50により、予め寸法(遮光帯幅寸法)測定済みの第1のマスク30を用いた場合でのレジスト寸法(遮光帯幅寸法125nm)を満足させる最適露光量の算出を行なう。ここで、マスク寸法値は、設計値600nmに対して605nmである。
【0026】
露光量の算出としては、記憶部70に記憶されている蓄積された露光データから露光条件算出処理部11で、露光量の概略値を求め、その値を中心として、露光量を変化させる(ステップS10)。例えば、露光量13.5mJを中心として0.5mJごと露光量を前後5条件変化(11条件)させる。
【0027】
次に、現像及びポストベークを実施後に、レジスト寸法測定手段40により、レジスト寸法を測定し、その測定データを入力部60に入力し、露光量に対するレジスト寸法の露光曲線(直線ではない)を露光条件算出処理部11で算出する。そして、この露光曲線を用いてレジスト寸法(スペース幅寸法125nm)を満足する最適露光量の算出を行なう。第1のマスク30を用いて目標レジスト寸法を満足する最適露光量(第1の露光量)は、E1=14.0mJである(ステップS11)。
【0028】
次に、マスク30を変更した場合(第2のマスク)の最適露光量の算出方法について説明する。ここで、予め寸法測定済みである第2のマスク30の寸法は592nmで、第1のマスク30の寸法(605nm)よりも13nm細いので、同じ露光量(E1=14.0mJ)を用いると目標レジスト寸法(スペース幅寸法125nm)より細くなる。
【0029】
ここで、露光条件算出処理部11が予め記憶部70に格納されている光学シュミュレーション用として必要なパラメータのデータを読み出して、このデータを光強度分布シミュレーション手段12に送付し、光強度分布シミュレーション手段12が、最適な露光量を算出する目的で光学強度分布のシミュレーションを行なう。この光学強度分布のシミュレーションは、第1及び第2のマスク30に対して光強度を変化させている。そして、FFTに基づいたアルゴリズムにより露光条件及び露光形状を満足する光強度を算出することができるシミュレータツールを用いている(ステップS12)。
【0030】
図3に示すように、露光条件算出処理部11からの指示により、光強度分布シミュレーション手段12で算出された光強度分布曲線から、第1のマスク30で目標レジスト寸法W(125nm)を満足する光強度I1は、点A、A’で、第2のマスク30で目標レジスト寸法W(125nm)を満足する光強度I2は、点B、B’であり、第2のマスク30における光強度分布で同じ寸法Wとなる光強度との差はΔIである(ステップS13)。
【0031】
ここで、実線は第2のマスク30での光強度分布曲線、破線は第1のマスク30での光強度分布曲線であり、光強度が大きくなればウエハ上のレジスト寸法(W)は大きくなり、光強度が小さくなればウエハ上のレジスト寸法(W)は小さくなる。
【0032】
この光強度分布曲線により、第2のマスク30の露光量(第2の露光量)E2は、
E2=(1−ΔI/I1)×E1・・・・・・(1)
と求めることができる。なお、露光量E(J/cm2)は、光強度I(W/cm2)と時間T(sec.)の積である。
【0033】
そして、上式(1)に上記工程で得られた数値を代入して、ΔI/I1=0.0596を算出し、第2のマスク30での目標レジスト寸法を満足させる第2の露光量(E2=13.16mJ)を算出する(ステップ14)。
【0034】
本実施の形態の半導体デバイスの露光方法では、目標レジスト寸法幅を実現する第1のマスク30での露光量、第1のマスク30の寸法、第2のマスク30の寸法、及びウエハ上の光強度分布を算出することができる光強度分布シミュレーションを使用することにより、第2のマスク30に必要な目標レジスト寸法幅を実現する最適な露光量を算出できる。
【0035】
従って、使用するマスク30が代わっても、露光量を算出するステップを数回以上繰り返す必要がなく、併せて、過去の多数ロットからなる露光データ及び露光量対レジスト寸法からなる露光データ曲線から導いた露光補正係数、及びマスク補正係数等の算出も必要とせず、従来よりも半導体デバイスの製造工程で重要なリソグラフィー工程のスループット向上が達成できる。
【0036】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる半導体デバイスの露光方法について、図4及び図5を参照して説明する。図4はDose−MEFの説明図、図5は半導体デバイスの露光方法を示すフローチャートである。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態とは、光学シミュレーション手法と露光量の補正方法を変更した点が異なり、それ以外の構成・工程順については同一であり、異なる点のみ説明する。
【0037】
MEF(Mask critical dimension Enhancement Factor)とは、図4に示すように、ある露光量で露光転写する際に、マスク寸法がΔLm変動した場合に転写されるウエハ上のレジスト寸法はΔLr変動し、その比をとると1にならない。そこで、ΔLr/ΔLmの値をMEFとする。
【0038】
これに対し、ウエハ上のパターンを目標レジスト寸法に仕上げたいときにマスク寸法がΔLm変動だけ変動すると露光量をΔEだけ変化させる必要がある。このΔEをマスク30のΔLm=0のときの露光量をEとして露光量の変動量をΔD=ΔE/EとするとΔDは無次元の値となる。そして前記のMEFの場合との類似性から、ΔD/ΔLmという値を定義し、これをDose−MEFとする。なお、図4の横軸はマスク寸法、縦軸は露光量変化である。
【0039】
図5で示すように、本実施の形態の半導体デバイスの露光方法を示すフローチャートは、まず、ステップS10からステップS11まで行なう。このステップは、図2と同様なので説明を省略する。
【0040】
次に、マスク30を変更した場合の最適露光量の算出方法について説明する。ここで、第2のマスク30の寸法は、592nmで第1のマスク30の寸法(605nm)によりも13nm細いので、同じ露光量(E1=14.0mJ)を用いると目標レジスト寸法(スペース幅寸法125nm)より細くなる。
【0041】
そして、マスクの寸法が基準値からズレている場合、このDose−MEF分だけ露光量を補正してやれば、マスク30が変わってもレジスト寸法は同じ寸法に形成することが可能であり、Dose−MEFは光学シミュレーションから求めることができる。
【0042】
次に、最適な露光量を算出する目的で、このDose−MEFを光学シミュレーションから求める。具体的には、露光条件算出処理部11が予め記憶部70に格納されている光学シュミュレーション用として必要なパラメータのデータを読み出して、このデータを光強度分布シミュレーション手段12に送付し、光強度分布シミュレーション手段12が、第1のマスク30と第2のマスクの寸法差(ΔLm)に対して露光量の変動量(ΔD)を算出する。そして、露光条件算出処理部11がこの寸法差(ΔLm)に対する露光量の変動量(ΔD)分、即ちDose−MEF値を算出する(ステップS20)。
【0043】
算出されたDose−MEF値は、0.46(%/nm)である。これは、マスク30上でパターン寸法が1nm変動すると、ウエハ上の最適露光利用が0.46%変動することを意味する。ここで、Dose−MEFは実験からも算出可能である。
【0044】
続いて、光学シミュレーションから算出されたDose−MEFから露光量変化(ΔE)差を計算する(ステップS21)。具体的には、マスク寸法がΔLm変わったときの露光量変化ΔEの式、
E=ΔLm×Dose−MEF・・・・・(2)
から求める。この場合、上式(2)は、第1のマスク30の寸法差5nmと第2のマスク30の寸法差8nmの和13nmに0.46を掛ければ求めることができる。即ち、露光量変化ΔEの値、5.98%だけ露光量を減らせばよい。
【0045】
そして、第2のマスク30での目標レジスト寸法(スペース幅寸法)125nmを満足する第2の露光量(E2=13.16mJ)を算出する(ステップS22)。
【0046】
ここで、Dose−MEFの値がマスク寸法の基準値寸法からの変動量によって異なる場合には、第1のマスク30及び第2のマスク30でのDose−MEFの値を光学シミュレーションにより、それぞれ算出し、この値を用いて第2のマスク30での目標レジスト寸法(スペース幅寸法)125nmを満足させる第2の露光量E2を算出すればよい。
【0047】
本実施の形態の半導体デバイスの露光方法では、目標レジスト寸法幅を実現する第1のマスク30での露光量、第1のマスク30の寸法、第2のマスク30の寸法、及び第1及び第2のマスク30の寸法に対する露光量変化を算出できる光学シミュレーションを使用することにより、第2のマスク30に必要な目標レジスト寸法幅を実現する最適な露光量が算出できる。
【0048】
従って、使用するマスク30が代わっても、露光量を算出するステップを数回以上繰り返す必要がなく、併せて、過去の多数ロットからなる露光データ及び露光量対レジスト寸法からなる露光データ曲線から導いた露光補正係数、及びマスク補正係数等の算出も必要とせず、半導体デバイスの製造工程で重要なリソグラフィー工程のスループット向上が第1の実施の形態と同様に達成できる。
【0049】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係わる半導体デバイスの露光方法について、図6を参照して説明する。図6は半導体デバイスの露光方法を示すフローチャートである。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態とは、露光装置が2台になり、それに伴い露光装置の差分だけ露光量を変化した点が異なり、それ以外の構成・工程順については同一であり、異なる点のみ説明する。
【0050】
通常、露光装置20を変更した場合には、装置間で露光量設定が校正されておらず、露光量を変更する必要がある。マスク30が変更になるだけでなく、露光装置20も変更になる場合には、露光装置1(第1の露光装置)と露光装置2(第2の露光装置)の露光量は別々に設定する必要がある。
【0051】
図6に示すように、半導体デバイスの露光方法を示すフローチャートは、まず、ステップS10からステップS13まで行なう。このステップは、図2と同様なので説明を省略する。
【0052】
次に、第1の露光装置20と第2の露光装置20の露光量差を算出する。即ち、第2の露光装置20を用いた第1のマスク30での露光量E11と、第1の露光装置20を用いた第1のマスク30での第1の露光量E1との露光装置差による露光量変化ΔEmを算出する必要がある。
【0053】
ここでは、第2の露光装置20を用い、且つ第1のマスク30を用いた過去の多数ロットからなる露光情報データからこの露光量E11を算出し、露光量変化ΔEmを算出する。得られた露光量変化ΔEmは、第1のマスク30の第1の露光量E1の5%である(ステップS30)。
【0054】
そして、第2のマスク30を用い、且つ第2の露光装置20での目標レジスト寸法(スペース幅125nm)を満足する露光量Em2は、
Em2=(1−ΔI/I1)×(1−ΔEm/E1)E1・・・・・・(3)
と求めることができる。
【0055】
続いて、上式(3)に上記工程で得られた数値を代入し、第2のマスク30を用い、且つ第2の露光装置20での目標レジスト寸法(スペース幅125nm)を満足する最適露光量Em2=12.5mJが算出できる(ステップS31)。
【0056】
本実施の形態の半導体デバイスの露光方法では、使用マスクと露光装置が共に代わった場合でも、目標レジスト寸法幅を実現する第1の露光装置20を用いた第1のマスク30での第1の露光量、第1のマスク30の寸法、第2のマスク30の寸法、第1のマスクでの第1及び第2の露光装置20の露光量変化ΔEm、及び光学シミュレーションを使用することにより、第2の露光装置20を用い、且つ第2のマスク30を用いた場合に必要な目標レジスト寸法幅を実現する最適な露光量が算出できる。
【0057】
従って、使用する露光装置20及びマスク30が代わっても、露光量を算出するステップを数回以上繰り返す必要がなく、併せて、過去の多数ロットからなる露光データ及び露光量対レジスト寸法からなる露光データ曲線から導いた露光補正係数、及びマスク補正係数等の算出も必要とせず、半導体デバイスの製造工程で重要なリソグラフィー工程のスループット向上が第1の実施の形態と同様に達成できる。
【0058】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更して実施してもよい。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、半導体デバイス製造工程における露光方法について記述してきたが、フォトレジストを用いる一般な露光方法にも適用できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、少ない露光条件出し作業および回数で、高精度な寸法制御と低バラツキ化を実現できる露光方法及びそれを用いた露光算出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係わる露光量算出システムの構成図。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係わる半導体デバイスの露光方法を示すフローチャート。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係わる光学強度分布のシミュレーションからマスク間の露光量差を求める説明図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係わるDose−MEFの説明図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係わる半導体デバイスの露光方法を示すフローチャート。
【図6】 本発明の第3の実施の形態に係わる半導体デバイスの露光方法を示すフローチャート。
【図7】 従来の露光算出システムの構成図。
【図8】 従来の露光算出を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 データ演算部
11 露光条件算出処理部
12 光強度分布シミュレーション手段
20、106 露光装置
30 マスク
40、102 レジスト寸法測定手段
50、101 マスク寸法測定手段
60、103 入力部
104 演算部
70、105 記憶部
Claims (3)
- 予め寸法測定された第1のマスクでの第1のレジスト寸法となる第1の露光量を算出する工程と、
予め寸法測定された前記第1のマスク及び新たな第2のマスクの寸法差に対する露光量の変化を光強度分布シミュレーションにより算出する工程と、
前記光強度分布シミュレーションにより算出された露光量の変化から前記第 1 のマスクと前記第2のマスクとのマスク寸法差に対する露光量変化分を算出する工程と、
前記第1の露光量と前記露光量変化分とにより、前記第2のマスクでの第2のレジスト寸法となる第2の露光量を算出する工程と、
を備えたことを特徴とする露光方法。 - 第1の露光装置における、予め寸法測定された前記第1のマスクでの第1のレジスト寸法となる第1の露光量を算出する工程と、
予め寸法測定された前記第 1 のマスク及び新たな第2のマスクとの光強度分布曲線を光強度分布シミュレーションにより算出する工程と、
前記光強度分布シミュレーションにより算出された前記光強度分布曲線から、前記第1のマスクと前記第2のマスクでの光強度の差を計算する工程と、
前記第1の露光量と前記光強度の差により、前記第1の露光装置における、前記第2のマスクでの第2のレジスト寸法となる第2の露光量を算出する工程と、
第2の露光装置における、前記第1のマスクでの第1のレジスト寸法となる露光量を蓄積された露光データから求め、この露光量と前記第1の露光装置における第1のマスクでの第1のレジスト寸法となる前記第 1 の露光量との差を算出する工程と、
前記第1の露光量との差及び前記光強度の差により、前記第2の露光装置における、前記第2のマスクでの第2のレジスト寸法となる第2の露光量を算出する工程と、
を備えたことを特徴とする露光方法。 - 露光装置、各種データを入力するための入力手段、マスクの寸法を測定するためのマスク寸法測定手段、レジストに形成されたパターンの寸法を測定するためのレジスト寸法測定手段、及び各種データを記憶するための記憶手段に接続される露光条件算出処理手段と、
この露光条件算出処理手段と接続され、光学シミュレーションツールを内蔵する光強度分布シミュレーション手段と、
を備え、前記光強度分布シミュレーション手段により、先に使用の第1のマスクと新たに使用する第2のマスクとの寸法差に対する露光量の変化を算出し、前記露光条件算出処理手段により、前記第1のマスクでの露光量とこの寸法差に対する露光量変化分により、第2のマスクでの最適露光量を算出することを特徴とする露光量算出システム。
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