JP3952394B2 - アクチュエータの動作監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、設備機械に使用されるシリンダやモータ等のアクチュエータの動作監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アクチュエータの動作監視装置としては、例えば、特開平10−149215号公報に開示されているものがある。これは、アクチュエータの実動作時間が予め設定された実動作許容時間を超えている場合に、このアクチュエータは動作未終了異常である旨を表示するというものである。そして、異常と判定されたアクチュエータは動作を停止し、保守点検等が行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−149215号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実動作許容時間を超えるまで、すなわち異常停止するまでのいわゆる正常範囲内では、アクチュエータの劣化の兆候を把握することができない。そのため、異常停止するまでの正常範囲内では、設備機械のサイクルタイムの遅れを生じた状態で稼動させることになる。さらに、異常停止するまで、設備機械を稼動していると、アクチュエータが完全に故障してしまう場合がある。このような場合には、多大なメンテナンス時間を要する場合がある。すなわち、これらの場合には、生産性を低下させることになる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、異常停止するまでの正常範囲内についても動作を監視することを可能とし、生産性を向上させるアクチュエータの動作監視装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、正常範囲内においても詳細にアクチュエータの動作を監視することを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明のアクチュエータの動作監視装置は、設備機械に使用されたアクチュエータの動作を監視するアクチュエータの動作監視装置において、設備機械は複数のアクチュエータを順次使用する製造ラインを構成し、警報閾値記憶手段と、実動作時間測定手段と、警報信号出力手段と、サイクルタイム閾値記憶手段と、実サイクルタイム測定手段と、他の実動作時間変更手段とを有することを特徴とする。ここで、警報閾値記憶手段は、アクチュエータの動作開始から動作終了までの動作時間のうちで正常範囲内であって予め設定された動作時間の警報閾値を記憶する手段である。正常範囲とは、アクチュエータを異常停止させることのない動作時間の範囲である。実動作時間測定手段は、実際の動作時間である実動作時間を測定する手段である。警報信号出力手段は、実動作時間が警報閾値を超えた場合に警報信号を出力する手段である。
サイクルタイム閾値記憶手段は、製造ラインにおける一つの製品の製造開始から製造終了までの所要時間であるサイクルタイムの閾値であるサイクルタイム閾値を記憶する手段である。実サイクルタイム測定手段は、実際のサイクルタイムである実サイクルタイムを測定する手段である。他の実動作時間変更手段は、警報信号が出力された場合に、実サイクルタイムがサイクルタイム閾値内となるようにアクチュエータと異なる他のアクチュエータの実動作時間を変更する手段である。
例えば、警報閾値の上限値を超えた際の警報信号が出力された場合には、設備機械全体としてのサイクルタイムは延長する。さらに、警報信号が出力されたアクチュエータは、異常となり得る部分が存在することにより動作時間を早くする等の調整が困難な場合もある。そこで、警報信号が出力されたアクチュエータと異なる他のアクチュエータを調整することにより、設備機械全体としてのサイクルタイムを延長しないようにするというものである。他のアクチュエータは、警報信号が出力されていないものとすることで、容易に動作時間の調整を行うことができる。
なお、本発明は、調整手段を備えてもよい。調整手段は、警報信号が出力された場合に実動作時間が警報閾値を超えない動作時間となるようにアクチュエータの駆動源を調整する手段である。
【0008】
つまり、警報閾値はアクチュエータの動作時間の正常範囲内であるので、正常範囲内に警報信号が出力されることになる。設備機械が複数のアクチュエータを有する場合には、アクチュエータ毎に警報閾値が設定され、警報信号が出力されることになる。そして、正常範囲内の警報信号により、そのアクチュエータが異常となる可能性があることが早期に判明できることになる。すなわち、完全に故障する前に異常の兆候を発見することができるため、様々な方法により対処することができる。さらに、正常範囲内であっても早期のメンテナンスをする方がよい場合もあり、その場合には警報信号により早期のメンテナンスが可能となり、故障した場合に比べて短時間のメンテナンスが可能となる。さらに、アクチュエータの実動作時間が警報閾値を超えた場合、警報信号が出力された後に、調整手段が、アクチュエータの動作を補正するためにアクチュエータの駆動源を調整する。したがって、故障の兆候を早期に発見できると共に、例えば、設備機械のサイクルタイム延長を防止できる。
【0009】
なお、警報閾値は、上限値及び下限値を有するようにしてもよい。アクチュエータは、異常により一般に動作時間が遅くなることが多いが、場合によっては動作時間が早くなる場合もある。すなわち、動作時間の正常範囲内における上限値だけでなく、下限値を閾値とすることで、あらゆる場合に異常の兆候を発見することができる。ここで、調整手段の具体的な機能として、例えば、実動作時間が警報閾値の上限値を超えた場合、すなわちアクチュエータの動作が遅くなった場合には、アクチュエータの動作を早くするためにそのアクチュエータの駆動源を調整する。例えば、アクチュエータがエアシリンダの場合には、エア流量やエア圧力等を調整する。これにより、設備機械のサイクルタイムが延長することを防止できる。
【0010】
また、本発明のアクチュエータの動作監視装置は、さらに、標準動作時間記憶手段と、閾値算出手段とを有するようにしてもよい。ここで、標準動作時間記憶手段は、動作時間の標準値である標準動作時間を記憶する手段である。閾値算出手段は、標準動作時間に基づき警報閾値を算出する手段である。例えば、標準動作時間としては、設計値としての動作時間とする。そして、その標準動作時間の所定の倍率を乗算した値や標準動作時間に所定時間を積算した値を警報閾値とする。これにより、警報閾値の決定が容易となる。
【0011】
なお、標準動作時間は、アクチュエータの実動作時間の所定動作回数の平均値としてもよい。つまり、例えば、使用当初のアクチュエータの実際の動作時間を数回測定する。そして、測定された数回の実動作時間の平均値を標準動作時間とする。一般に、アクチュエータの動作時間についての設計値と実測値は異なる。従って、アクチュエータの実際の動作時間を標準動作時間とすることで、それぞれのアクチュエータ毎に標準動作時間を決定することができる。すなわち、対象のアクチュエータに適合した警報閾値を決定することができる。
【0015】
また、本発明のアクチュエータの動作監視装置は、設備機械に使用されたアクチュエータの動作を監視するアクチュエータの動作監視装置において、実動作時間測定手段と、連続実動作時間記憶手段と、変化率閾値記憶手段と、実時間変化率算出手段と、警報出力手段とを有してもよい。ここで、実動作時間測定手段は、アクチュエータの動作開始から動作終了までの実動作時間を測定する手段である。連続実動作時間記憶手段は、連続した所定動作回数分のそれぞれの実動作時間を記憶する手段である。ここで、連続実動作時間記憶手段に記憶された連続した所定動作回数分のそれぞれの実動作時間を連続実動作時間とする。変化率閾値記憶手段は、予め設定された単位動作回数当たりの実動作時間の変化である時間変化率の閾値である時間変化率閾値を記憶する手段である。実時間変化率算出手段は、連続実動作時間に基づき、実際の時間変化率である実時間変化率を算出する手段である。警報出力手段は、実時間変化率が時間変化率閾値を超えた場合に警報信号を出力する手段である。
【0016】
つまり、実時間変化率が時間変化率閾値を越えた場合とは、急激に動作時間が変化した場合である。時間変化率閾値が大きいほど急な変化となる。そして、急激に動作時間が変化した場合には、アクチュエータが異常となる可能性がある。このような場合に、警報信号を出力することにより、アクチュエータが異常となる可能性があることを早期に判明することになる。すなわち、完全に故障する前に異常の兆候を発見することができるため、様々な方法により対処することができる。結果として、生産性を向上することができる。
【0017】
また、本発明のアクチュエータの動作監視装置は、設備機械に使用されたアクチュエータの動作を監視するアクチュエータの動作監視装置において、実動作時間測定手段と、連続実動作時間記憶手段と、振幅閾値記憶手段と、警報出力手段とを有してもよい。ここで、実動作時間測定手段は、アクチュエータの動作開始から動作終了までの実動作時間を測定する手段である。連続実動作時間記憶手段は、連続した所定動作回数分のそれぞれの実動作時間、すなわち連続実動作時間を記憶する手段である。振幅閾値記憶手段は、予め設定された振幅の閾値である振幅閾値を記憶する手段である。警報出力手段は、連続実動作時間の振幅(連続実動作時間内の最大値と最小値の差)が振幅閾値を超えた場合に警報信号を出力する手段である。
【0018】
ここで、連続実動作時間が振動する状態とは、実動作時間が安定せずにばらついている状態である。なお、連続実動作時間の振幅は、連続実動作時間の振動の振幅である。また、予め設定された振幅の閾値は、連続実動作時間の振幅に対応する振幅の閾値である。そして、連続実動作時間の振幅が振幅閾値を越えた場合には、アクチュエータが異常となる可能性がある。このような場合に、警報信号を出力することにより、アクチュエータが異常となる可能性があることを早期に判明することになる。すなわち、完全に故障する前に異常の兆候を発見することができるため、様々な方法により対処することができる。結果として、生産性を向上することができる。
【0019】
また、本発明のアクチュエータは、設備機械に使用されたアクチュエータの動作を監視するアクチュエータの動作監視装置において、実動作時間測定手段と、連続実動作時間記憶手段と、基準閾値記憶手段と、警報出力手段とを有してもよい。ここで、実動作時間測定手段は、アクチュエータの動作開始から動作終了までの実動作時間を測定する手段である。連続実動作時間記憶手段は、連続した所定動作回数分のそれぞれの実動作時間、すなわち連続実動作時間を記憶する手段である。基準閾値記憶手段は、アクチュエータの動作時間のうちの正常範囲内であって予め設定された第1基準閾値及び第2基準閾値を記憶する手段である。警報出力手段は、所定動作回数の連続実動作時間が、第1基準閾値と第2基準閾値との間にある場合に警報信号を出力する手段である。
【0020】
例えば、第1基準閾値と第2基準閾値を標準動作時間より大きくした場合、すなわちアクチュエータの動作が標準動作より遅くなっている場合、実動作時間が、正常範囲内であっても、第1基準閾値と第2基準閾値の間にある場合には、設備機械のサイクルタイムが長くなってしまう。さらに、このような場合には、アクチュエータが異常となる可能性がある。つまり、このような場合に、警報信号を出力することにより、設備機械のサイクルタイムがさらに延長するのを防止できる。さらに、アクチュエータが異常となる可能性があることを早期に判明することができるため、様々な方法により対処することができる。結果として、生産性を向上することができる。
【0021】
なお、第1基準閾値及び第2基準閾値は、それぞれ上限値及び下限値を有するようにしてもよい。さらに、標準動作時間記憶手段と、閾値算出手段とを有するようにしてもよい。ここで、標準動作時間記憶手段は、動作時間の標準値である標準動作時間を記憶する手段である。閾値算出手段は、標準動作時間に基づき第1基準閾値及び第2基準閾値を算出する手段である。これにより、第1基準閾値及び第2基準閾値の決定が容易となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0023】
本発明のアクチュエータの動作監視装置が適用される設備機械として、自動車用空調装置の組立ラインを例にとり、図面を参照して説明する。図1は、自動車用空調装置の組立ラインの一部を示す斜視図である。この組立ラインは、複数の組立ロボット1、部品供給装置2、制御装置(図示せず)及び動作監視装置としての1台のパソコン(図示せず)等から構成されている。そして、組立ロボット1や部品供給装置2には、多数のシリンダやモータ等のアクチュエータが使用されている。例えば、図1に示すようにビスエスケープ部シリンダやパレットストッパ用シリンダやパレット強制送り用シリンダ等がある。なお、これらのシリンダは、エアシリンダを用いている。
【0024】
また、制御装置は、組立ロボット1や部品供給装置2の動作を制御するものである。すなわち、制御装置により、シリンダやモータ等のアクチュエータ等が制御される。例えば、シリンダについて説明すると、まず、制御装置が、動作対象のシリンダの動作開始信号を出力する。そして、動作対象のシリンダに所定の圧力及び流量のエアを供給する。これにより、動作対象のシリンダは、所定の速度で動作を開始する。そして、動作対象のシリンダが動作終了した場合には、制御装置に動作終了信号が入力される。なお、シリンダへ供給するエアの圧力や流量は、制御装置により、調整可能とされている。一般に、シリンダに供給するエアの圧力を大きくした場合や流量を増加した場合には、シリンダの動作速度が速くなる。
【0025】
パソコンは、それぞれの制御装置にネットワーク接続されており、それぞれの制御装置と各種情報の送受信が行われる。そして、このパソコンにより、組立ラインの管理を行うことができるものである。具体的には、シリンダ等のアクチュエータの動作監視部(動作監視装置)を有している。この動作監視部は、それぞれの制御装置から各シリンダの情報が送信される。制御装置から動作監視部へ送信される情報には、各シリンダの動作開始信号及び動作終了信号がある。一方、動作監視部から制御装置へ送信される情報には、シリンダへ供給するエアの圧力や流量の指令等がある。そして、動作監視部は、制御装置から送信された情報に基づき演算を行い、画面にメッセージの表示を行うことができる。
【0026】
このような組立ラインのアクチュエータの動作監視装置について、より詳細に説明する。なお、ここでは、アクチュエータとしてシリンダを例にとり説明する。
【0027】
まず、動作監視部(動作監視装置)において、各シリンダ毎の動作開始から動作終了までの動作時間の標準値である標準動作時間T0を各シリンダ毎に設定し、記憶する(標準動作時間記憶手段)。この標準動作時間T0は、組立ライン設計時に予め決定されるものである。
【0028】
続いて、シリンダの動作時間の警報閾値を設定し、記憶する(警報閾値記憶手段)。ここでは、警報閾値を2段階設定し、異常となる可能性があることを喚起する注意時間(注意閾値)Taと、より異常状態に近づいたことを喚起する警告時間(警告閾値)Tbを設定する。なお、注意時間Ta及び警告時間Tbは、シリンダの正常範囲内で設定される。これらの注意時間Ta及び警告時間Tbは、それぞれ上限値及び下限値を有している。例えば、正常範囲の限界値が、上限値を標準動作時間T0に5倍した値とし、下限値を標準動作時間T0に5分の1倍した値の場合に、注意時間Taは、上限値Ta1を標準動作時間T0に1.1倍した値とし、下限値Ta2を標準動作時間T0に0.9倍した値とする。警告時間Tbは、上限値Tb1を標準動作時間T0に1.2倍した値とし、下限値Tb2を標準動作時間T0に0.8倍した値とする。なお、正常範囲の限界値を超えた場合には、そのシリンダは異常となる。
【0029】
続いて、第3閾値Tcを設定する。第3閾値Tcは、上限値Tc1及び下限値Tc2を有し、注意閾値Taから僅かに標準動作時間T0よりである。例えば、第3閾値Tcの上限値Tc1を標準動作時間T0に1.09倍した値とし、下限値Tc2を標準動作時間T0に0.99倍した値とする。
【0030】
さらに、動作監視部は、各制御装置から送信される各シリンダの動作開始信号と動作終了信号の受信時間を記憶し、これらに基づき各シリンダの1回の動作における実動作時間Tを算出し、記憶する(実動作時間測定手段)。
【0031】
次に、シリンダの動作監視の処理の流れについて、図2及び図3のフローチャート、及び図4の動作時間の変化を示す図面を参照して説明する。
【0032】
シリンダの動作回数に対する動作時間の変化を示す図4は、説明を容易にするための図としている。図4に示すように、標準動作時間T0を中心として、注意時間Taの上限値Ta1及び下限値Ta2、警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2が設定されている。そして、実動作時間Tを実線で示す。
【0033】
まず、制御装置から送信されるシリンダの動作開始信号と動作終了信号に基づき対象のシリンダの実動作時間Tを算出する。そして、この動作時間Tと予め設定された注意時間Taとを比較する(ステップS1)。実動作時間Tが注意時間Taの上限値Ta1及び下限値Ta2を超えていない場合、すなわち、上限値Ta1と下限値Ta2の間にある場合には、シリンダの動作回数に対する実動作時間Tの変化を確認する(ステップS2)。一般に、実動作時間Tは注意時間Ta内であるため、監視対象のシリンダは十分に正常な状態であると言える。しかし、実動作時間Tが注意時間Ta内であっても、異常の兆候がある場合がある。例えば、シリンダの動作回数に対する実動作時間が、急激に変化した場合や、バラツキが大きい場合や、複数回連続して注意時間Taに限りなく接近している場合等である。
【0034】
シリンダの動作回数に対する実動作時間が急激に変化した場合は、以下のように判定する。すなわち、図4に示すA部分の場合である。まず、実動作時間Tを連続した所定の動作回数分記憶する(連続実動作時間記憶手段)。そして、この所定の動作回数分の実動作時間T、すなわち連続実動作時間に基づき、単位動作回数当たりの変化時間(実時間変化率)を算出する(実時間変化率算出手段)。なお、実時間変化率は、絶対値をとるため、常に正の値となる。一方、予め時間変化率の閾値(時間変化率閾値)を設定し、記憶しておく(変化率閾値記憶手段)。そして、実時間変化率と時間変化率閾値とを比較する。その結果、実時間変化率が時間変化率閾値を超えている場合には、異常の兆候があると判断する。この場合、動作監視部の画面に注意メッセージが表示され(警報出力手段)、管理者に注意を喚起する(ステップS3)。
【0035】
続いて、監視対象のシリンダに供給されるエアの圧力や流量を調整することにより、急激に変化した状態を元の状態に復旧させる(ステップS4)。このエアの圧力や流量の調整は、まず、動作監視部がエアの圧力及び流量の変更指令を制御装置に出力する。この変更指令に従って、制御装置はシリンダに供給するエアの圧力や流量を変更する。そして、再び、ステップS1に戻り、実動作時間Tと注意時間Taとを比較する。
【0036】
一方、実時間変化率が時間変化率閾値を超えていない場合、すなわち、実動作時間が急激に変化していないと判定された場合は、実動作時間が大きなバラツキを生じていないかを判定する(ステップS2)。この判定は、まず、実動作時間Tを連続した所定の動作回数分記憶する(連続実動作時間記憶手段)。そして、この所定の動作回数分の実動作時間T、すなわち連続実動作時間に基づき、連続実動作時間の最大値と最小値の差である振幅を算出する。一方、予め連続実動作時間の振幅の閾値(振幅閾値)を設定し、記憶しておく(振幅閾値記憶手段)。そして、実際の振幅と振幅閾値とを比較する。その結果、実際の振幅が振幅閾値を超えている場合には、シリンダに異常の兆候があると判断する。すなわち、図4に示すC部分の場合である。この場合、動作監視部の画面に注意メッセージが表示され(警報出力手段)、管理者に注意を喚起する(ステップS3)。
【0037】
続いて、監視対象のシリンダに供給されるエアの圧力や流量を調整することにより、バラツキを小さくする(ステップS4)。このエアの圧力や流量の調整は、まず、動作監視部がエアの圧力及び流量の変更指令を制御装置に出力する。この変更指令に従って、制御装置はシリンダに供給するエアの圧力や流量を変更する。そして、再び、ステップS1に戻り、実動作時間Tと注意時間Taとを比較する。
【0038】
一方、実際の振幅が振幅閾値を超えていない場合、すなわち、実動作時間が大きなバラツキを生じていない場合は、数回連続して第3閾値Tcを超え注意時間Taを超えていない状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。この判定は、まず、実動作時間Tを連続した所定の動作回数分記憶する(連続実動作時間記憶手段)。一方、動作時間の正常範囲内で予め第1基準閾値及び第2基準閾値を設定し、記憶しておく(基準閾値記憶手段)。なお、ここでは、第1基準閾値として注意閾値Taを採用し、第2基準閾値として第3閾値Tcを採用している。そして、記憶された連続実動作時間のうちの所定動作回数分が、第3閾値Tcを超え、かつ、注意閾値Taを超えていない場合、すなわち、連続実動作時間が、第3閾値Tcの上限値Tc1以上で注意閾値Taの上限値Ta1以下の場合、若しくは、第3閾値Tcの下限値Tc2以下で注意閾値Taの下限値Ta2以上の場合には、このシリンダが設備機械のサイクルタイムを大きく変動させる原因ということになる。すなわち、シリンダに異常の兆候があると判断する。すなわち、図4に示すB部分の場合である。この場合、動作監視部の画面に注意メッセージが表示され(警報出力手段)、管理者に注意を喚起する(ステップS3)。
【0039】
続いて、監視対象のシリンダに供給されるエアの圧力や流量を調整することにより、実動作時間Tが標準動作時間T0となるようにする(ステップS4)。このエアの圧力や流量の調整は、まず、動作監視部がエアの圧力及び流量の変更指令を制御装置に出力する。この変更指令に従って、制御装置はシリンダに供給するエアの圧力や流量を変更する。そして、再び、ステップS1に戻り、実動作時間Tと注意時間Taとを比較する。
【0040】
一方、数回連続して第3閾値Tcを超え、かつ、注意時間Taを超えていない状態ではないと判定された場合には、再びステップS1に戻り、実動作時間Tと注意時間Taとを比較する。
【0041】
次に、実動作時間Tが注意時間Taの上限値Ta1及び下限値Ta2を超えている場合には、実動作時間Tと警告時間Tbとを比較する(ステップS5)。すなわち、図4に示すD部分の場合である。実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2を超えていない場合、すなわち、上限値Tb1と下限値Tb2の間にある場合には、動作監視部の画面に注意メッセージが表示され(警報出力手段)、管理者に注意を喚起する(ステップS6)。続いて、監視対象のシリンダに供給されるエアの圧力や流量を調整する(調整手段)(ステップS7)。このエアの圧力や流量の調整は、上述と同様である。
【0042】
この調整により、再び、実動作時間Tと注意時間Taとを比較する(ステップS8)。実動作時間Tが注意時間Taの上限値Ta1及び下限値Ta2を超えていない場合には、ステップS1に戻る。一方、実動作時間Tが注意時間Taの上限値Ta1及び下限値Ta2を超えている場合には、実動作時間Tと警告時間Tbとを比較する(ステップS9)。実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2を超えるまで、動作監視は継続して行われる。実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2を超えると、動作監視部の画面に警告メッセージが表示され(警報出力手段)、管理者に警告を喚起する(ステップS10)。すなわち、図4に示すE部分の場合である。
【0043】
一方、ステップS5において、実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2を超えていると判定された場合にも、動作監視部の画面に警告メッセージが表示され(警報出力手段)、管理者に警告を喚起する(ステップS10)。
【0044】
続いて、監視対象のシリンダに供給されるエアの圧力や流量を調整する(調整手段)(ステップS11)。このエアの圧力や流量の調整は、上述と同様である。この調整により、再び、実動作時間Tと警告時間Tbとを比較する(ステップS12)。実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2を超えていない場合には、ステップS9に戻る。一方、実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1及び下限値Tb2を超えている場合には、監視対象のシリンダによっては、回復が困難であると判断する。そして、監視対象のシリンダの動作変動分を他のシリンダにより補うことができるか否かを判定する(ステップS13)。
【0045】
例えば、監視対象のシリンダの実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1を超えている場合、すなわち、動作速度が遅くなっている場合には、他のシリンダの動作を早くすることにより、設備機械全体としてのサイクルタイムが遅延するのを防止できる。つまり、まず、設備機械全体のサイクルタイムの閾値(サイクルタイム閾値Tmを予め設定しておく(サイクルタイム閾値記憶手段)。一方、実際のサイクルタイムTsを算出する(実サイクルタイム測定手段)。そして、監視対象のシリンダの実動作時間Tが警告時間Tbの上限値Tb1を超えている場合に、監視対象のシリンダと異なるシリンダに供給するエアの圧力及び流量を調整する(他の実動作時間変更手段)(ステップS14)。そして、実サイクルタイムTsとサイクルタイム閾値Tmとを比較する(ステップS15)。実サイクルタイムTsがサイクルタイム閾値Tmを超えるまで、動作監視は継続して行われる。実サイクルタイムTsがサイクルタイム閾値Tmを超えると、監視対象のシリンダの保守点検や修理交換等を行い、正常状態へと復旧させる(ステップS16)。
【0046】
一方、ステップS12において他のシリンダにより調整が不可能である場合も、監視対象のシリンダの保守点検や修理交換等を行い、正常状態へと復旧させる(ステップS16)
なお、上記実施形態においては、注意メッセージや警告メッセージを表示した後、監視対象のシリンダへ供給されるエアの圧力や流量を調整しているが、この時に保守点検や修理交換等を行ってもよい。早期に保守点検等を行うことにより、結果として生産性を向上させることもあるからである。
【0047】
なお、標準動作時間T0は、組立ライン設計時に予め決定されるものに限られることなく、例えば、実動作時間をサンプリングして、そのサンプリング値の平均値を標準動作時間T0に採用してもよい。
【0048】
なお、注意時間T1及び警告時間T2は、標準動作時間T0に所定時間を加算した値としてもよい。例えば、注意時間T1は、標準動作時間T0に1秒加算及び減算した値とし、警告時間T2は、標準動作時間T0に2秒加算及び減算した値とする。また、注意時間T1及び警告時間T2は、上限値と下限値の標準動作時間T0からの差を異なるようにしてもよい。例えば、注意時間T1は、上限値を標準動作時間T0に1.1倍した値とし、下限値を標準動作時間T0に0.95倍した値とする。警告時間T2は、上限値を標準動作時間T0に1.2倍した値とし、下限値を標準動作時間T0に0.9倍した値とする。
【0049】
【発明の効果】
本発明のアクチュエータの動作監視装置によれば、アクチュエータが異常停止するまでの間についても動作を監視することを可能とし、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した生産設備を示す斜視図である。
【図2】本発明の監視処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の監視処理を示すフローチャートである。
【図4】動作時間が変化した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 組立ロボット
2 ・・・ 部品供給装置
T ・・・ 実動作時間
T0 ・・・ 標準動作時間
Ta ・・・ 注意時間(注意閾値)
Tb ・・・ 警告時間(警告閾値)
Tc ・・・ 第3閾値
Claims (1)
- 設備機械に使用されたアクチュエータの動作を監視するアクチュエータの動作監視装置において、前記設備機械は複数のアクチュエータを順次使用する製造ラインを構成し、
前記アクチュエータの動作開始から動作終了までの動作時間のうちで前記アクチュエータを異常停止させることのない正常範囲内であって予め設定された前記動作時間の警報閾値を記憶する警報閾値記憶手段と、
実際の前記動作時間である実動作時間を測定する実動作時間測定手段と、
前記実動作時間が前記警報閾値を超えた場合に警報信号を出力する警報信号出力手段と、
前記製造ラインにおける一つの製品の製造開始から製造終了までの所要時間であるサイクルタイムの閾値であるサイクルタイム閾値を記憶するサイクルタイム閾値記憶手段と、
実際の前記サイクルタイムである実サイクルタイムを測定する実サイクルタイム測定手段と、
前記警報信号が出力された場合に前記実サイクルタイムが前記サイクルタイム閾値を超えないように前記アクチュエータと異なる他の前記アクチュエータの前記実動作時間を変更する他の実動作時間変更手段と、
を有することを特徴とするアクチュエータの動作監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002300248A JP3952394B2 (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | アクチュエータの動作監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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