JP3951782B2 - 半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、半導体レーザ励起固体レーザ装置、および半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法 - Google Patents

半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、半導体レーザ励起固体レーザ装置、および半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザにより固体レーザ媒質を側面から励起する半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、その半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置が組み込まれた半導体レーザ励起固体レーザ装置、および半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、例えば特開2001−237486号公報に示された従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置における半導体レーザの冷却装置を示す外観図であり、この冷却装置はレーザ媒質の周囲に並列配備された複数の励起光源の冷却を行うものである。より詳しくは、図10(a)は、複数の放熱体構成要素を重合固定して構成される一つのブロック状放熱体の外観を簡略化して示した平面図であり、図10(b)は図10(a)の平面図からブロック状放熱体の部分のみを取り出して簡略化して示した斜視図である。図11は、図10(b)の矢視A−A部分の断面図である。図10、11において、101は半導体レーザの冷却装置、102はブロック状放熱体、102a〜102fは放熱体構成要素、103は冷却器、104は冷媒流路、104a〜104fは各放熱体構成要素102a〜102fに開けられた冷媒流路、105a〜105fは周溝、106a〜106fは弾性部材から成る環状体、107は長尺ボルト、109はナット、110は固体レーザ媒質、111a〜111fは半導体レーザである。
【0003】
半導体レーザの冷却装置101は、図10(a)に示されるように、概略において、ブロック状放熱体102および冷却器103で構成される。この中で、冷却器103は冷却水を送出および回収して循環させながら所定温度に制御する機能を具備している。
【0004】
放熱体構成要素102a〜102fの各々は熱伝導率の高い金属、例えば、銅等によって構成される。また、放熱体構成要素102a〜102fの表面には、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)結晶からなる固体レーザ媒質110に対する励起光源となりうる波長のレーザ光を発する半導体レーザ111a〜111fの各々が、その動作時に放熱体構成要素102a〜102fの各々に対して熱伝導可能な状態で固着されている。
【0005】
従って、放熱体構成要素102a〜102fの各々は、半導体レーザ111a〜111fの各々に対応して分割形成された放熱体構成要素、つまり、ブロック状放熱体102の一部であり、これらの放熱体構成要素102a〜102fを半導体レーザ111a〜111fの整列方向、要するに、固体レーザ媒質110の長手方向に沿って重合することにより、固体レーザ媒質110の形状に適合した一つのブロック状放熱体102が得られる。
【0006】
そして、図10(b)に示すように、ブロック状放熱体102の略中央部には、半導体レーザ111a〜111fの整列方向に沿った冷媒流路104が貫通して穿設されている。かかる冷媒流路104の両端の開口部、より具体的には、ブロック状放熱体102の最外郭にそれぞれ位置する放熱体構成要素102aの一方の開口部と放熱体構成要素102fの他方の開口部に、冷却水供給用の冷却器103が図10(a)に示されるようにして接続されている。
【0007】
次に、冷媒流路104の内部の構成について、図11に基づき詳述する。放熱体構成要素102a〜102fの各々毎には冷媒流路104a〜104fが穿設され、各冷媒流路104a〜104fの一方の開口部、つまり、図11における右側の開口部に周溝105a〜105fを形成して、その内部に弾性部材から成る環状体106a〜106fを内嵌することによって連続した冷媒流路104を形成している。
【0008】
次に、従来の固体レーザ励起用半導体レーザの冷却装置の動作について説明する。以上に説明した従来の固体レーザ励起用半導体レーザの冷却装置によれば、励起光源となる半導体レーザ111a〜111fから発散される熱が伝導率の高い金属から成るブロック状放熱体102に伝達され、また、ブロック状放熱体102に穿設された冷媒流路104を流れる冷却水によって、このブロック状放熱体102が冷却される。冷却水は冷却器103により所定温度に制御されて、冷媒流路104に導入される。
【0009】
この結果、励起光源となる複数の半導体レーザ111a〜111fを高密度で実装した状態で動作させる場合に発生する膨大な熱を除去することが可能となるので、高パワーな励起光の得られる高出力半導体レーザが得られた。半導体レーザは、自己の温度が上昇するほど光出力が低下する性質を有するからである。また、かかる半導体レーザ111a〜111fから発せられるレーザ光は、固体レーザ媒質110を励起し、この結果、固体レーザ媒質からの高出力のレーザ光が得られた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
半導体レーザから発せられる半導体レーザ光の波長は、半導体レーザ自体の温度によって変化するが、従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置では、固体レーザ媒質の側面に複数の半導体レーザを配置して固体レーザ媒質を励起する際に半導体レーザから発せられる熱を冷却するための冷却水は、固体レーザ媒質110の長手方向に沿って一方向に流されるよう構成されていた。かかる構成では、冷却水の下流側に位置する半導体レーザは冷却水の上流側に位置する半導体レーザから発せられる熱によって暖められた冷却水で冷却されるため、冷却水の上流側と下流側とでは半導体レーザ自体の温度に差が生じ、この半導体レーザの温度差の影響により、半導体レーザ光の波長も冷却水の上流側と下流側では差が生じていた。よって、半導体レーザ光が固体レーザ媒質110に吸収される割合、いわゆる励起効率が冷却水の上流側と下流側の部分とでは異なり、結果として、固体レーザ媒質110の熱レンズの強さが固体レーザ媒質110の長手方向で異なると共に、固体レーザ媒質110の熱レンズの強さの長手方向の最強点もしくは最弱点が固体レーザ媒質110の中心からずれたため、従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置は高出力でかつ高品質なレーザビームを安定に発生することができないという問題点があった。ここで、熱レンズとは、固体レーザ媒質におけるロッド半径方向の温度分布に起因する屈折率分布によって生じるレンズ作用を指す。
【0011】
また、半導体レーザ111a〜111fを冷却するブロック状放熱体102を放熱体構成要素102a〜102fごとに分割して製造する必要があるため、半導体レーザの冷却装置が高価になるとともに、製造、組立に非常な労力と時間を要するという問題があった。
【0012】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができる半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を安価に得ることを目的としており、また、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができる半導体レーザ励起固体レーザ装置を安価に得ることを目的としており、さらに高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができる半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとした。
【0014】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとした。
【0015】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置は、上記冷媒が水であることとした。
【0016】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置は、上記ヒートシンクが上記固体レーザ媒質の長軸方向に対して2個のブロックからなることとした。
【0017】
本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記ロッド状の固体レーザ媒質の一方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記ロッド状の固体レーザ媒質の他方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとした。
【0018】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記ロッド状の固体レーザ媒質の一方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記ロッド状の固体レーザ媒質の他方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとした。
【0019】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を具備する励起部と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記レーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記レーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記全反射ミラーと上記部分反射ミラー間のレーザビーム光軸上で複数の上記励起部が互いに光軸を一致させるように一列に配列され、上記冷却器の冷媒送出口が上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口とそれぞれ接続され、かつ上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口とそれぞれ接続されていることとした。
【0020】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を具備する励起部と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記レーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記レーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記全反射ミラーと上記部分反射ミラー間のレーザビーム光軸上で複数の上記励起部が互いに光軸を一致させるように一列に配列され、上記冷却器の冷媒送出口が上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口とそれぞれ接続され、かつ上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口とそれぞれ接続されていることとした。
【0021】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置は、上記冷媒が水であることとした。
【0022】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置は、上記ヒートシンクが上記固体レーザ媒質の長軸方向に対して2個のブロックからなることとした。
【0023】
本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を少なくとも備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置に対して、上記固体レーザ媒質の略中央部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を導入し、上記固体レーザ媒質の略端部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を排出する手段によって、上記固体レーザ媒質の長手方向の温度分布を中心対称とせしめることとした。
【0024】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法は、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を少なくとも備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置に対して、上記固体レーザ媒質の略端部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を導入し、上記固体レーザ媒質の略中央部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を排出する手段によって、上記固体レーザ媒質の長手方向の温度分布を中心対称とせしめることとした。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1、図2、および図3は、この発明を実施するための実施の形態1による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を説明するための図であり、より具体的には、図1は半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の平面図であり、図2は図1において破線A‐Aで示す断面の断面図であり、図3は図2において破線B‐Bで示す断面のうちヒートシンク2a、2bの部分のみを示した断面図である。
【0026】
図1、図2、および図3において、1a〜1hは半導体レーザ、2a、2bはロッド状の固体レーザ媒質110の長軸方向に沿って設けられたヒートシンクで、例えば銅などの高熱伝導材で構成されている。3は冷却器であり、従来の冷却器と同様に、冷媒、つまり本実施の形態では冷却水を送出および回収して循環させながら、冷却水を所定の温度に制御する機能がある。3a、3bは冷却器3にそれぞれ設けられた冷却水送出口(冷媒送出口)および冷却水回収口(冷媒回収口)である。5は光を拡散状に反射する拡散反射集光器、6は拡散反射集光器5に開けられた小さな開口、7はフローチューブ、8a、8bは固定板、9は基台、10は半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部、11は半導体レーザ1a〜1hから発せられる半導体レーザ光、40a〜40dはヒートシンク2a、2bの内部に穿設された冷媒流路(以下、水路と言う)、41a〜41hはヒートシンク2a、2bの外部に装着された冷却水の水路、42a〜42hは上記41a〜41hの各水路に対応した開口、50は半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、110は例えばロッド状のNd:YAG結晶からなる固体レーザ媒質、をそれぞれ示す。
【0027】
なお、図1および図3に示した矢印は冷却水の水流方向である。また、図には示していないが、冷却器3と水路41a〜41h間には、冷却水を通すための例えばチューブなどからなる配管が備わっている。また、半導体レーザ1a〜1hを駆動するための電源および電源と半導体レーザ1a〜1hを接続する電線も図中では省略している。
【0028】
まず、固体レーザ媒質110の固定方法および励起方法について説明する。図1に示すように、ロッド状の固体レーザ媒質110は、その両端部近傍がOリング等によって固定板8a、8bに固定されている。また、固体レーザ媒質110のロッド断面方向から観る(図2)と、固体レーザ媒質110はフローチューブ7を介して拡散反射集光器5にその側面を取り囲まれている。フローチューブ7も固体レーザ媒質110と同様、Oリング等によって固定板8a、8bに固定されている。ヒートシンク2a、2b、拡散反射集光器5、固定板8a、8bは同一の基台9上に配置されている。半導体レーザ1a〜1hは固体レーザ媒質110を側面から励起すべくヒートシンク2a、2b上に各々配置される。本実施の形態では、一例として4個ずつが固体レーザ媒質110の側面の2箇所に配置されている構成を示している(図1)。
【0029】
半導体レーザ1a〜1hは、その発光部が拡散反射集光器5に開けられた小さな開口6の極近傍に位置するように配置されている。半導体レーザ1a〜1hから発せられる半導体レーザ光11は直接開口6を通って拡散反射集光器5中に導光され、固体レーザ媒質110を励起する。固体レーザ媒質110に吸収されなかった半導体レーザ光11は拡散反射集光器5内に閉じ込められ、再度固体レーザ媒質110を励起する。
【0030】
次に、本実施の形態における主な技術的特徴であるヒートシンク2a、2bの構成および冷却水の水流方向について詳述する。ここで中心とは、ロッド状の固体レーザ媒質110の長手方向に見た場合の中心と定義し、また外側とは、固体レーザ媒質110の長手方向に見た場合の外側、つまりロッド端部と定義する。
【0031】
図3に示すように、ヒートシンク2aの内部には水路40aおよび40bが固体レーザ媒質110の長手方向に対して中心対称になるように設けられており、それぞれの水路40aおよび40bの両端部に水路41a、41bおよび41c、41dが取りつけられている。また、ヒートシンク2bの内部にもヒートシンク2aと同様に固体レーザ媒質110の長手方向に対して中心対称になるように水路40cおよび40dが設けられており、水路41e、41fおよび41g、41hが取りつけられている。
【0032】
ヒートシンク2aでは、冷却水は冷却器3の冷却水送出口3aからチューブ等の配管(図示せず)によってヒートシンク2aの中心側に設けられた開口42bおよび42cを経てヒートシンク2a内部に導入され、水路41bおよび41cから水路40a、40bへと、ヒートシンク2aを構成する高熱伝導材と熱交換しながら流れる。冷却水は、さらに、外側の41a、41dへと流れて、開口42a、42dからヒートシンク2a外部に排出され、チューブ等の配管(図示せず)を経て冷却器3の冷却水回収口3bで回収され、所定の温度に冷却された後、冷却水送出口3aから再度送出される。かかる動作の繰り返しにより、ヒートシンク2aを継続的に冷却する。
【0033】
ヒートシンク2bでは、冷却水はヒートシンク2aの場合と同様な態様で、ヒートシンク2bの中心側の水路41fおよび41gから水路40c、40dを経て、外側の水路41eおよび41hに向かった水流となるように流されている。すなわち、冷却水はロッド状の固体レーザ媒質110の長手方向の中心側から外側に向かって水流方向が中心対称になるように流されている。
【0034】
本実施の形態1では、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置50は上記のように構成されており、固体レーザ媒質110を励起する半導体レーザ1a〜1hを冷却する冷却水の水流方向が固体レーザ媒質110の長手方向に見た中心から外側に向かって中心対称になるように流されているため、ヒートシンク2a、2b内での冷却水の上流側と下流側で水温に差が生じ、半導体レーザ光が固体レーザ媒質に吸収される割合、いわゆる励起効率が冷却水の上流側と下流側で異なった場合においても、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないため、高出力で、高品質なレーザビームを安定に増幅することができるという効果を奏する。
【0035】
また、ヒートシンク2a、2bを従来の半導体レーザの冷却装置のように分割して作製する必要がないため、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置が安価になるとともに、製造、組立に必要な労力と時間を削減できる効果も併せて奏する。なお、本実施の形態では、水流方向を固体レーザ媒質110の長手方向の中心側から外側に向かう方向にした例について説明したが、これに限るものでなく、水流方向を固体レーザ媒質110の長手方向の外側から中心側に向かう方向にしてもよく、かかる場合でも、本実施の形態の一例と同様の効果を奏する。ヒートシンク2aを例にとると、冷却水を冷却器3の冷却水送出口3aからチューブ等の配管(図示せず)によってヒートシンク2aの外側に設けられた開口42aおよび42dを経てヒートシンク2a内部に導入し、水路41aおよび41dから水路40aおよび40bへとヒートシンク2aを構成する高熱伝導材と熱交換しながら流れ、さらに、中心側の41b、41cへと流れて、開口42b、42cからヒートシンク2a外部に排出する。上述の構成と同様、かかる構成においても固体レーザ媒質110を励起する半導体レーザ1a〜1hを冷却する冷却水の水流方向が固体レーザ媒質110の長手方向に見た外側から中心に向かって中心対称になるように流されているため、ヒートシンク2a内での冷却水の上流側と下流側で水温に差が生じ、半導体レーザ光が固体レーザ媒質に吸収される割合、いわゆる励起効率が冷却水の上流側と下流側で異なった場合においても、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないため、高出力で、高品質なレーザビームを安定に増幅することができるという効果を奏する。
【0036】
また、半導体レーザ4個ずつを固体レーザ媒質110の側面の2箇所に配置する例について説明したが、半導体レーザの数は1〜3個ずつ、もしくは5個以上ずつでもよく、さらに、固体レーザ媒質の側面に対するヒートシンクの配置箇所は1箇所でも3箇所以上でもよく、かかる場合でも、本実施の形態の一例と同様の効果を奏する。
【0037】
また、本実施の形態では、冷媒の一例として水を使用する構成について説明した。これは、水自体は極めて安価な冷媒で、一般的に使用されているからである。しかしながら、他の冷媒でも上記実施の形態に特有の効果を奏することはいうまでもない。
【0038】
実施の形態2.
図4および図5は、この発明を実施するための実施の形態2による半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を説明するための図であり、より具体的には、図4は半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の平面図であり、図5はヒートシンク2c〜2f内の水路40e〜40hを通る部分の断面を示した断面図である。
【0039】
図4および図5において、上記実施の形態1の図1〜3と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図中、2c〜2fは例えば銅などの高熱伝導材からなるヒートシンク、40e〜40hはヒートシンク2c〜2fの内部に開けられた水路、55は半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、をそれぞれ示す。なお、図4に示した矢印は冷却水の水流方向である。なお、上記実施の形態1と同様、図には示していないが、冷却器3と水路41a〜41hの間には冷却水を通すための例えばチューブなどからなる配管が備わっている。また、半導体レーザ1a〜1hを駆動するための電源および電源と半導体レーザ1a〜1hを接続する電線は省略してある。
【0040】
固体レーザ媒質110の固定方法、励起方法は上記実施の形態1と同一である。ここでは、半導体レーザ1a〜1hは固体レーザ媒質110を側面から励起するように、ヒートシンク2c〜2f上に2個ずつ配置されており、固体レーザ媒質110を側面の2方向から励起する。
【0041】
本実施の形態の場合、固体レーザ媒質110の側面の一方につき、ヒートシンク2c、2dおよびヒートシンク2e、2fの2個ずつとされている。かかる点が、実施の形態1の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置50の装置構成、より詳しく言えば、ヒートシンク2a、bと比べて相違する。本実施の形態では、実施の形態1におけるヒートシンク2a、bが、それぞれ2つのブロック、つまりヒートシンク2c、2dおよびヒートシンク2e、2fで構成されていると言える。
【0042】
図5に示すように、ヒートシンク2cの内部には水路40e、ヒートシンク2dの内部には水路40f、ヒートシンク2eの内部には水路40g、およびヒートシンク2f内部には水路40hがそれぞれ設けられている。冷却水は固体レーザ媒質110の中心側から外側に向かう水流となるように水路40e〜40h内に流されている。すなわち、冷却水は固体レーザ媒質110の長手方向に見た中心側から外側に向かって水流方向が中心対称になるように流されている。
【0043】
ヒートシンク2c、2dを例にとってさらに詳述する。図5に示すように、ヒートシンク2c、2dの内部にはそれぞれ水路40eおよび40fが設けられており、水路40eおよび40fそれぞれの両端部に水路41a、41bおよび41c、41dが取りつけられている。ヒートシンク2c、2dを一体とすると、実施の形態1におけるヒートシンク2aあるいは2bと同等の機能を果たし、冷却器3とヒートシンク2c、2dの開口42a〜42d間の配管(図示せず)の接続を実施の形態1と同様な構成となすことにより、固体レーザ媒質110を励起する半導体レーザ1a〜1hを冷却する冷却水の水流方向が固体レーザ媒質110の長手方向に見た中心から外側に向かって中心対称になる。
【0044】
本実施の形態2においては、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置55は上記のように構成されており、上述したように固体レーザ媒質110を励起する半導体レーザ1a〜1hを冷却する冷却水の水流方向が固体レーザ媒質110の長手方向に見た中心から外側に向かって中心対称になるように流されているため、ヒートシンク2c〜2f内での冷却水の上流側と下流側で水温に差が生じ、半導体レーザ光が固体レーザ媒質に吸収される割合、いわゆる励起効率が冷却水の上流側と下流側で異なった場合においても、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないため、高出力でかつ高品質なレーザビームを安定に増幅することができるという効果を奏する。さらに、実施の形態1に比べてヒートシンクのブロック当たりの大きさが二分の一になるので、ヒートシンクの取り扱いが容易になる一方、従来例ほどには製造が煩雑にならないという効果がある。
【0045】
なお、上記実施の形態2では、水流方向を固体レーザ媒質110の長手方向に見た中心側から外側に向かう方向にした例について説明したが、これに限るものでなく、水流方向を固体レーザ媒質110の長手方向に見た外側から中心側に向かう方向にしてもよく、かかる場合でも、本実施の形態の一例と同様の効果を奏する。
【0046】
また、半導体レーザ4個ずつを固体レーザ媒質110の側面の2箇所に配置する例について説明したが、半導体レーザの数は2個ずつ、もしくは6個以上の偶数個ずつでもよく、さらに、固体レーザ媒質の側面の配置箇所は1箇所でも3箇所以上でもよく、かかる場合でも、本実施の形態の一例と同様の効果を奏する。
【0047】
また、本実施の形態では、冷媒の一例として水を使用する構成について説明した。これは、水自体は極めて安価な冷媒で、一般的に使用されているからである。しかしながら、他の冷媒でも上記実施の形態に特有の効果を奏することはいうまでもない。
【0048】
実施の形態3.
実施の形態3における、上記実施の形態1に示した半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置50を用いた半導体レーザ励起固体レーザ装置の構成およびその効果について、図6〜9に基づき説明する。
【0049】
図6は、この発明を実施するための実施の形態3による半導体レーザ励起固体レーザ装置を説明するための正面図である。
【0050】
図6において、上記実施の形態1、2における図1〜5と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図6中、12は全反射ミラー、13は部分反射ミラー、14a、14bは全反射ミラー12あるいは部分反射ミラー13を固定するミラーホルダー、15は固体レーザ媒質110から発せられるレーザビーム、60は半導体レーザ励起固体レーザ装置、をそれぞれ示す。励起部10、ミラーホルダー14a、14bは同一の基台9a上に固定されている。なお、半導体レーザ1e〜1h、半導体レーザ光11、ヒートシンク2b、冷却器3、ヒートシンク2bの内部に開けられた水路40c、40d、ヒートシンク2a、2bの外部に装着された冷却水の水路41a〜41h、水流方向、配管、電源、および電線については図示していない。
【0051】
次に、実施の形態3の半導体レーザ励起固体レーザ装置の動作について説明する。半導体レーザ1a〜1hから発せられる半導体レーザ光11は固体レーザ媒質110を励起する。固体レーザ媒質110に吸収されなかった半導体レーザ光11は拡散反射集光器5内に閉じ込められ、再度固体レーザ媒質110を励起する。半導体レーザ光11によって励起された固体レーザ媒質110はレーザビーム15を発する。レーザビーム15は全反射ミラー12と部分反射ミラー13からなる光共振器内を往復する間に、励起された固体レーザ媒質110によって増幅されてレーザビーム強度が増大し、その一部が部分反射ミラー13から半導体レーザ励起固体レーザ装置60の外部に取り出される。
【0052】
実施の形態3の半導体レーザ励起固体レーザ装置は、図7に示すように、2以上の励起部を備えた装置構成70にした場合において特に効果が顕著である。図7中、10a、10bは励起部で実施の形態1に示された励起部10と同じ構成である。また、110a、110bは固体レーザ媒質である。12、13、14a、14b、15は実施の形態3に示したものと同一またはこれに相当するものであり、同一の作用をする。なお、図7において、冷却器3は省略している。
【0053】
図8は、図7の装置構成において、固体レーザ媒質110aの中央部における固体レーザ媒質への励起強度に対するレーザビーム径の変化を示した図であり、図8(a)は本実施の形態の半導体レーザ励起固体レーザ装置70、すなわち固体レーザ媒質の熱レンズの最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質110a、110bの中心からずれていない場合を示しており、図8(b)は従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置、すなわち固体レーザ媒質の熱レンズの最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれている場合の固体レーザ媒質への励起強度に対するレーザビーム径の変化を示した図である。
【0054】
図8において、固体レーザ媒質中央部のレーザビーム径が有限値の場合に、全反射ミラー12と部分反射ミラー13からなる光共振器が安定型共振器として動作し、固体レーザ媒質中央部のレーザビーム径が無限大の場合には、光共振器は不安定型共振器として動作する。本実施の形態の半導体レーザ励起固体レーザ装置の場合(図8(a))、励起強度0〜70の間の励起強度では、光共振器は安定型共振器として動作する。一方、従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置の場合(図8(b))、励起強度60近傍ではレーザビーム径が無限大となってしまう。すなわち、不安定型共振器として動作する点が安定型共振器として動作する範囲内にあるという不具合が生じる。かかる不具合は、光共振器によって決定されるビーム品質が高ビーム品質になるに伴い顕著になる。したがって、従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置においては高品質なレーザビームを安定に発生することができないのに対して、本実施の形態の半導体レーザ励起固体レーザ装置では、高品質なレーザビームを安定に発生することが可能となるという効果を奏する。
【0055】
また、図9は、図7の半導体レーザ励起固体レーザ装置70の光共振器が安定型共振器として動作する励起強度における光軸方向のエッジビーム径の変化を示す図であり、図9(a)は本実施の形態の半導体レーザ励起固体レーザ装置70、すなわち固体レーザ媒質の熱レンズの最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれない場合を示しており、図9(b)は従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置、すなわち固体レーザ媒質の熱レンズの最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれている場合を示している。ここでは、エッジビーム径をレーザビーム強度が0になる半径と定義する。図9(a)に示す本実施の形態の半導体レーザ励起固体レーザ装置の場合、2つの固体レーザ媒質110a、110b内におけるエッジビーム径の最大値が固体レーザ媒質110a、110bの径と一致している。一方、図9(b)の従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置の場合、固体レーザ媒質110b内におけるエッジビーム径の最大値は固体レーザ媒質110bの径と一致しているものの、固体レーザ媒質110a内におけるエッジビーム径の最大値は固体レーザ媒質110aの径よりも小さくなっている。
【0056】
したがって、従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置では固体レーザ媒質110a内に蓄積されたゲイン、つまり利得を有効に利用することができないため、効率良く高出力でかつ高品質なレーザビームを安定に発生できないのに対し、本実施の形態の半導体レーザ励起固体レーザ装置では、2つの固体レーザ媒質110a、110b内に蓄積されたゲインを有効に利用することが可能なため、効率良く高出力でかつ高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果を奏する。
【0057】
本実施の形態3においては、半導体レーザ励起固体レーザ装置60、70は上記のように構成されており、上記実施の形態1と同様に固体レーザ媒質110を励起する半導体レーザ1a〜1hを冷却する冷却水の水流方向がロッド状の固体レーザ媒質110の長手方向に見た中心から外側に向かって中心対称になるように流されているため、ヒートシンク2a、2b内での冷却水の上流側と下流側で水温に差が生じ、半導体レーザ光11が固体レーザ媒質110に吸収される割合、いわゆる励起効率が冷却水の上流側と下流側で異なった場合においても、固体レーザ媒質110の熱レンズの強さの長手方向の最強点もしくは最弱点が固体レーザ媒質110の中心からずれないため、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果を奏する。
【0058】
なお、上記実施の形態3では、上記実施の形態1に示した半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置50を用いて半導体レーザ励起固体レーザ装置60、70を構成する例について説明したが、上記実施の形態2に示した半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置55を用いて半導体レーザ励起固体レーザ装置60、70を構成するようにしてもよく、かかる場合でも本実施の形態の一例と同様の効果を奏する。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとしたので、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないようにでき、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果がある。また、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置が安価になるとともに、製造、組立に必要な労力と時間を削減できるという効果もある。
【0060】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとしたので、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないようにでき、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果がある。また、半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置が安価になるとともに、製造、組立に必要な労力と時間を削減できるという効果もある。
【0061】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置では、上記冷媒が水であることとしたので、安価な装置構成で半導体レーザを冷却することができる。
【0062】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置では、上記ヒートシンクが上記固体レーザ媒質の長軸方向に対して2個のブロックからなることとしたので、ヒートシンクの取り扱いが容易になるという効果がある。
【0063】
本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記ロッド状の固体レーザ媒質の一方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記ロッド状の固体レーザ媒質の他方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとしたので、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないようにでき、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果がある。また、半導体レーザ励起固体レーザ装置が安価になるとともに、製造、組立に必要な労力と時間を削減できるという効果もある。
【0064】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記ロッド状の固体レーザ媒質の一方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記ロッド状の固体レーザ媒質の他方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記冷却器の冷媒送出口が上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口と接続されていることとしたので、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないようにでき、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果がある。また、半導体レーザ励起固体レーザ装置が安価になるとともに、製造、組立に必要な労力と時間を削減できるという効果もある。
【0065】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を具備する励起部と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記レーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記レーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記全反射ミラーと上記部分反射ミラー間のレーザビーム光軸上で複数の上記励起部が互いに光軸を一致させるように一列に配列され、上記冷却器の冷媒送出口が上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口とそれぞれ接続され、かつ上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口とそれぞれ接続されていることとしたので、一層効果的に、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができる。
【0066】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を具備する励起部と、冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、上記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、上記レーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、上記レーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、を備え、上記全反射ミラーと上記部分反射ミラー間のレーザビーム光軸上で複数の上記励起部が互いに光軸を一致させるように一列に配列され、上記冷却器の冷媒送出口が上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口とそれぞれ接続され、かつ上記各励起部における上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が上記冷却器の冷媒回収口とそれぞれ接続されていることとしたので、一層効果的に、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができる。
【0067】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置では、上記冷媒が水であることとしたので、安価な装置構成で半導体レーザを冷却することができる。
【0068】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ装置では、上記ヒートシンクが上記固体レーザ媒質の長軸方向に対して2個のブロックからなることとしたので、ヒートシンクの取り扱いが容易になるという効果がある。
【0069】
本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を少なくとも備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置に対して、上記固体レーザ媒質の略中央部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を導入し、上記固体レーザ媒質の略端部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を排出する手段によって、上記固体レーザ媒質の長手方向の温度分布を中心対称とせしめることとしたので、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないようにでき、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果がある。
【0070】
また、本発明に係る半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法では、レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、上記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、上記ヒートシンク上に固着された上記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、上記ヒートシンク内部で上記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ上記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する上記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を少なくとも備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置に対して、上記固体レーザ媒質の略端部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を導入し、上記固体レーザ媒質の略中央部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を排出する手段によって、上記固体レーザ媒質の長手方向の温度分布を中心対称とせしめることとしたので、固体レーザ媒質の熱レンズの強さの長手方向の最強点、もしくは最弱点が固体レーザ媒質の中心からずれないようにでき、高出力で、高品質なレーザビームを安定に発生することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を説明するための平面図である。
【図2】 実施の形態1の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を説明するための断面図である。
【図3】 実施の形態1の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置のヒートシンク内の水路を説明するために簡略化して示した断面図である。
【図4】 実施の形態2の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置を説明するための平面図である。
【図5】 実施の形態2の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置のヒートシンク内の水路を説明するために簡略化して示した断面図である。
【図6】 実施の形態3の半導体レーザ励起固体レーザ装置を説明するための正面図である。
【図7】 実施の形態3の2以上の励起部を備えた半導体レーザ励起固体レーザ装置を説明するための正面図である。
【図8】 2以上の励起部を備えた半導体レーザ励起固体レーザ装置において、固体レーザ媒質への励起強度に対する固体レーザ媒質の中央部におけるビーム径の変化を示した図である。
【図9】 実施の形態3における2以上の励起部を備えた半導体レーザ励起固体レーザ装置の共振器が安定型共振器として動作する励起強度における光軸方向のエッジビーム径の変化を示す図である。
【図10】 従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置における半導体レーザの冷却装置を示す外観図であって、図10(a)は、複数の放熱体構成要素を重合固定して構成される一つのブロック状放熱体の外観を簡略化して示した平面図、また、図10(b)は図10(a)の平面図からブロック状放熱体の部分のみを取り出して簡略化して示した斜視図である
【図11】 従来の半導体レーザ励起固体レーザ装置における半導体レーザの冷却装置の断面図である。
【符号の説明】
1a〜1h 半導体レーザ、 2a〜2f ヒートシンク、 3 冷却器、 3a 冷却器に設けられた冷却水回収口(冷媒回収口)、 3b 冷却器3に設けられた冷却水回収口(冷媒回収口)、 5 拡散反射集光器、 6 拡散反射集光器5に開けられた小さな開口、 7 フローチューブ、 8a、b 固定板、 9 基台、 10、10a、10b 半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置の励起部、 11 半導体レーザ1a〜1hから発せられる半導体レーザ光、 12 全反射ミラー、 13 部分反射ミラー、 14a、14b ミラーホルダー、 15 固体レーザ媒質110から発せられるレーザビーム、 40a〜40d ヒートシンク内部に開けられた水路、 41a〜41h ヒートシンクの外部に装着された冷却水の水路、 42a〜42h 41a〜41hの各水路に対応した開口、 50、55 半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置、 60半導体レーザ励起固体レーザ装置、 70 2以上の励起部を備えた半導体レーザ励起固体レーザ装置、 101 半導体レーザの冷却装置、 102 ブロック状放熱体、 102a〜102f 放熱体構成要素、 103 冷却器、 104 冷媒流路、 104a〜104f 各放熱体構成要素102a〜102fに開けられた冷媒流路、 105a〜105f 周溝、 106a〜106f弾性部材から成る環状体、 107 長尺ボルト、 109 ナット、 110、110a、110b 固体レーザ媒質、 111a〜111f 半導体レーザ。

Claims (12)

  1. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、
    前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、
    前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、
    前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、
    冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、前記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、を備え、
    前記冷却器の冷媒送出口が前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が前記冷却器の冷媒回収口と接続されていることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置。
  2. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、
    前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、
    前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、
    前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、
    冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、前記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、を備え、
    前記冷却器の冷媒送出口が前記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が前記冷却器の冷媒回収口と接続されていることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置。
  3. 前記冷媒が、水であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置。
  4. 前記ヒートシンクが、前記固体レーザ媒質の長軸方向に対して2個のブロックからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置。
  5. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、
    前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、
    前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、
    前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、
    冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、前記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、前記ロッド状の固体レーザ媒質の一方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、
    前記ロッド状の固体レーザ媒質の他方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、
    を備え、
    前記冷却器の冷媒送出口が前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が前記冷却器の冷媒回収口と接続されていることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ装置。
  6. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、
    前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、
    前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、
    前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、
    冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、前記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、前記ロッド状の固体レーザ媒質の一方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、
    前記ロッド状の固体レーザ媒質の他方の端面側におけるレーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、
    を備え、
    前記冷却器の冷媒送出口が前記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口と接続され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が前記冷却器の冷媒回収口と接続されていることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ装置。
  7. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を具備する励起部と、
    冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、前記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、前記レーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、
    前記レーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、
    を備え、
    前記全反射ミラーと前記部分反射ミラー間のレーザビーム光軸上で複数の前記励起部が互いに光軸を一致させるように一列に配列され、前記冷却器の冷媒送出口が前記各励起部における前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口とそれぞれ接続され、かつ前記各励起部における前記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口が前記冷却器の冷媒回収口とそれぞれ接続されていることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ装置。
  8. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を具備する励起部と、
    冷媒送出口と冷媒回収口を具備し、前記冷媒を冷却すべく設けられた冷却器と、前記レーザビームの光軸上に配置された全反射ミラーと、
    前記レーザビームの光軸上に配置された部分反射ミラーと、
    を備え、
    前記全反射ミラーと前記部分反射ミラー間のレーザビーム光軸上で複数の前記励起部が互いに光軸を一致させるように一列に配列され、前記冷却器の冷媒送出口が前記各励起部における前記固体レーザ媒質の長軸方向の略端部に対応する冷媒流路の開口とそれぞれ接続され、かつ前記各励起部における前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部に対応する冷媒流路の開口が前記冷却器の冷媒回収口とそれぞれ接続されていることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ装置。
  9. 前記冷媒が、水であることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項記載の半導体レーザ励起固体レーザ装置。
  10. 前記ヒートシンクが、前記固体レーザ媒質の長軸方向に対して2個のブロックからなることを特徴とする請求項5ないし9のいずれか1項記載の半導体レーザ励起固体レーザ装置。
  11. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を少なくとも備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置に対して、前記固体レーザ媒質の略中央部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を導入し、前記固体レーザ媒質の略端部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を排出する手段によって、前記固体レーザ媒質の長手方向の温度分布を中心対称とせしめることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法。
  12. レーザビームの光軸方向に長軸を有するロッド状の固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の長軸に沿って設けられたヒートシンクと、前記ヒートシンク上に固着された前記固体レーザ媒質励起用の複数の半導体レーザと、前記ヒートシンク内部で前記半導体レーザが固着された部分近傍を通るように穿設され、かつ前記固体レーザ媒質の長軸方向の略中央部および略端部に対応する部分にそれぞれ開口を有する前記半導体レーザ冷却用の冷媒流路と、を少なくとも備えた半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置に対して、前記固体レーザ媒質の略端部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を導入し、前記固体レーザ媒質の略中央部に対応した冷媒流路の開口から冷媒を排出する手段によって、前記固体レーザ媒質の長手方向の温度分布を中心対称とせしめることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ増幅装置における半導体レーザの冷却方法。
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