JP3951181B2 - コア・シェル構造体の調製方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、触媒、電子デバイス材料等に用いるナノ粒子複合体から調製される構造体の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔質材料は、触媒、吸着剤、界面活性剤等に広く利用されている。多孔質材料は、一定形状の細孔を有した物質であり、細孔の径が2nm以下の多孔質材料はミクロ多孔体と呼ばれ、細孔の径が2〜50nmの多孔質材料はメソ多孔体と呼ばれている。ミクロ多孔体は、例えば、ゼオライトが良く知られている。ゼオライトは、SiあるいはAl等の金属原子が酸素を介して結合した結晶体で一定形状の細孔を有しており、この細孔を利用して、例えば、重質油をガソリンに分解する接触分解触媒として、また、分岐アルカンは通さずに直鎖アルカンのみを通す分子ふるい吸着剤として利用されている。
【0003】
さらに近年、より大きな空隙を有する多孔体、すなわち、メソ多孔体が、触媒機能の向上と、新しい機能実現のために提案され、シリカなどの金属酸化物からなるメソ多孔体の調製が盛んに研究されている。メソポーラスシリカに代表されるメソ多孔体は、これまで、界面活性剤のミセルや、無機あるいは有機ナノ粒子などの自己組織化有機分子集合体を鋳型として、このまわりに金属酸化物薄膜を形成させた後、鋳型を除去することにより調製されている。鋳型として用いる材料の大きさ、及び、その配列構造を制御することによってメソ多孔体の細孔構造を制御することができ、細孔がランダムに分散したメソ多孔体、細孔が規則的に配列したメソ多孔体、あるいは球状細孔が3次元規則配列したメソ多孔体など、数多く実現されている。
メソ多孔体は、原子レベルの規則性はないものの、メソスケールの空隙が規則的に配列したこれまでにみられない新しいタイプの結晶であり、今後、吸着・分離材(特定の分子を空隙に吸着し、分離する働きを持つ材料)や、触媒、界面活性剤などの工業材料として活用が期待される。また、空隙にさまざまな原子や分子の集合体を導入するなどして、新しいエレクトロニクスデバイス材料としての利用も可能にするなど、さまざまな分野での利用が大いに期待されている。
【0004】
メソ多孔体の内部ナノ空間に粒子を生成させる手法としては、これまでに、メソ多孔体に原料となる化合物を導入し反応させ、細孔内に金属あるいは半導体を生成させる方法が一般的に用いられる。しかしながら、この方法で作製したナノ粒子−メソ多孔体複合体では、内部の金属あるいは半導体ナノ粒子サイズが多孔体内部の細孔サイズによって決まる(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0005】
一方、コア・シェル構造体のコア部分にナノ粒子をあらかじめ取り込ませておき、化学的溶解あるいは焼成によってコア部分のみを選択的に除去することにより、シェル内部にナノ粒子を取り込んだ中空粒子の作製が報告されている((例えば、非特許文献3〜7参照)。
【0006】
最近、本発明者らにより、内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体が実現された(例えば、非特許文献8参照)。この内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造は、コア内部のCdSの光エッチングによりナノオーダーで精度よくエッチングすることで、コア内部の空隙を制御している。
【0007】
【非特許文献1】
A. Fukuoka 他8名 "Novel Templating Synthesis of Necklace- Shaped Mono- and Bimetallic manowires in Hybrid Organic-Inorganic Mesoporus Material", J. AM. CHEM. Soc., 2001, Vol.123, No.14, pp.3373-3374
【非特許文献2】
S. Besson 他4名 "3D Quantum Dot Lattice Inside MesoporousSilica Films", Nano Lett., 2002, Vol.2, No.4, pp.409-414
【非特許文献3】
Y. Yin 他3名 "Synthesis and Characterization of MesoscopicHollow Spheres of Ceramic Materials with Functionalized InteriorSurfaces", Chem. Matter., 2001, Vol.13, No.4, pp.1146-1148
【非特許文献4】
K. Kamata他2名 "Synthesis and Characterization of Monodispersed Core-Shell Spherical Colloids with Movable Cores", J. AM. CHEM. Soc., 2003, Vol.125, No.9, pp.2384-2385
【非特許文献5】
P. Mulvaney他3名 "Silica encapsulation of quantum dots andmetal clusters", J. Mater. Chem., 2000, Vol.10, pp.1259-1270
【非特許文献6】
Y. Sun 他2名 "Template-Enlarged Replacement Reaction: A One-Step Approach to the Large-Scale Synthesis of Metal Nanostructures with Hollow Interiors", Nano Lett., 2002, Vol.2, No.5, pp.481-485
【非特許文献7】
M. Kim 他3名 "Synthesis of Nanorattles Composed of Gold Nanoparticles with Encapsulated in Mesoporous Carbon and Polymer Shells", Nano Lett., 2002, Vol.2, No.12, pp.1383-1387
【非特許文献8】
T. Torimoto他7名 "Preparation of Novel Silica-Cadmium Sulfide Composite Nanoparticles Having Adjustable Void Space by Size-SelectivePhotoetching", J. AM. CHEM. Soc., Vol.125, No.2, 2003, pp.316-317
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のナノ粒子−メソ多孔体複合体では、生成するナノ粒子サイズの制御が困難であり、さらに、メソ多孔体とナノ粒子との間の空隙制御も極めて困難であるという課題がある。また、メソメソ多孔体内部に、異なる組成を有する複数のナノ粒子を、それらのサイズを制御して生成させることも極めて困難であるという課題がある。
【0009】
また、従来のコア・シェル構造体においては、中空粒子内部に空隙を作製することが可能であるが、ひとたび構造体ができあがると、取り込まれたナノ粒子サイズおよび中空粒子のシェルと粒子との間の空隙サイズの制御が困難であるという課題がある。
【0010】
このように、従来のコア・シェル構造体は、シェル内部に一つのナノ粒子を含む構造であり、コア内部に複数の性質が異なるナノ粒子を含む構造は知られていない。
【0011】
本発明は上記課題に鑑み、性質の異なる複数のナノ粒子が直接接合したナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体から調製される構造体の調製方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法は、光溶解する固体で成る第1のナノ粒子を粒径を制御して形成し、第1のナノ粒子表面と結合する元素と光溶解しない酸化物の成分元素を含む基とを有する化学物質で第1のナノ粒子表面を化学修飾することでこの表面に基を導入し、この基を加水分解して酸化物からなる被膜を形成し、第1のナノ粒子をコア、被膜をシェルとするコア・シェル構造体を形成し、このコア・シェル構造体に光溶解液中で波長を制御して光照射して第1のナノ粒子の粒径を制御するエッチングを行なうことでコア・シェル構造体内部に制御された空隙を形成し、第2のナノ粒子の構成元素を含む固体析出用溶液中で内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体のシェル内に金属、金属酸化物、半導体または高分子からなる第2のナノ粒子を析出させて粒径の制御された第1のナノ粒子と直接接合させることにより、光溶解する第1のナノ粒子と第2のナノ粒子とを直接接合したナノ粒子複合体で成るコアと、コアを空隙を介して覆う数ナノメーターから数十ナノメーターの径のシェルと、第1のナノ粒子の粒径制御により所望の大きさに制御された空隙と、を有するコア・シェル構造体を得て、光溶解する第1のナノ粒子をエッチングにより除去し、第2のナノ粒子と前記シェルとの間に制御された空隙を形成させ、第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体を得ることを特徴とする。
この方法によれば、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体から、さらに、第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体を寸法精度よく得ることができる。
【0013】
上記構成において、好ましくは、第2のナノ粒子が、光溶解しないナノ微粒子である好ましくは、第2のナノ粒子が光溶解するナノ微粒子であり、第1のナノ粒子は、第2のナノ粒子が光エッチングされない条件で光エッチングにより除去される。第2のナノ粒子は、好ましくは、光照射により析出する
好ましくは、固体析出用溶液は金属析出用溶液であり、金属または金属酸化物を析出させる。金属析出用溶液は、好ましくは、第2のナノ粒子を構成する金属元素と電子または正孔の捕捉剤とを含む混合溶液である
好ましくは、加水分解した後に、親水基または疎水基を有する化学物質を添加してさらに化学修飾することにより、水に可溶または有機溶媒に可溶に形成する
好ましくは、第1のナノ粒子はCdS(硫化カドミウム)であり、第1のナノ粒子表面と結合する元素はS(イオウ)元素であり、光溶解しない酸化物の成分元素はSi(シリコン)であり、基はSiを含む(CH 3 O) 3 Si(トリメトキシシリル)基であり、化学物質は(CH 3 O) 3 Si(CH 2 3 SH(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)であり、前記被膜はSiO x (シリコン酸化物,0<x)であり、さらに、第2のナノ粒子は金属、金属酸化物、半導体または高分子の固体からなる。
好ましくは、第1のナノ粒子はCdSであり、第1のナノ粒子表面と結合する元素はS元素であり、光溶解しない酸化物の成分元素はSiであり、基はSiを含む(CH 3 O) 3 Si基であり、化学物質は(CH 3 O) 3 Si(CH 2 3 SHであり、親水基を有する化学物質は、カルボシキル基、4級アンモニウム基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等を有するアルキルシランであり、疎水基を有する化学物質は、n−オクタデシルトリメトキシシランであり、さらに、第2のナノ粒子は金属、金属酸化物、半導体または高分子の固体からなる第1のナノ粒子を、好ましくは、所望の粒径に対応する吸収端波長の光で光溶解することにより所望の粒径とする。
【0020】
さらに、本発明の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法は、上記の何れかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を溶媒に分散し、この溶媒を徐々に蒸発させて自己組織化させることにより形成することができる。
上記のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を気・液界面に展開し、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体からなる2次元膜を圧縮して組織化するようにしてもよい。また、上記のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を、DNAをテンプレートとして配列することもできる。上記の方法によれば、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体を調製することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の構成を図面を参照して説明する。
本発明のナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体は、性質の異なる複数のナノ粒子が直接接合して形成されるナノ粒子複合体をコアとして、このコアを覆うシェルとからなる。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の構成を示す模式断面図である。図1は、2種類の異なるナノ微粒子からなるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体を示している。図に示すように、本発明のナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1は、コア6とこのコア6を覆うシェル7とからなっており、コア6は、第1のナノ粒子2とこの第1のナノ粒子2とは異なる第2のナノ粒子3とから構成されるナノ粒子複合体である。
【0024】
第1のナノ粒子2は、光吸収端を有する固体であれば何でも良いが、金属カルコゲナイド半導体、例えば、CdS(硫化カドミウム)であってよい。コア径は数十ナノメーターから1ナノメーター程度の所望の値に制御される。
第2の光溶解しないナノ粒子3は、第1のナノ粒子とは別組成の固体であれば何でも良いが、例えば、金属、金属酸化物、半導体、高分子などが好ましい。このコア径は数十ナノメーターから1ナノメーター程度の所望の値に制御される。図示しないが、シェル7は多数のマイクロ孔(数オングストローム程度の径を有する孔)を有している。ここで、シェル7は、光溶解しない物質であれば何でも良く、例えばSiOx (シリカ、0<x)であってよい。シェル7の径は、用途に応じて数十ナノメーターから数ナノメーター程度の所望の値に制御される。
【0025】
本発明のナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1は、例えば、次に示す用途に使用することができる。ナノ粒子複合体6の第1のナノ粒子2が、例えば、光溶解する半導体であり、第2のナノ粒子3が金属の場合には、接合部4は半導体−金属接合(ショットキー接合またはショットキーバリアとも呼ばれる)となり、ダイオード構造が得られる。また、このダイオード構造を光センサなどの機能素子としても利用できる。
また、ナノ粒子複合体6の第1のナノ粒子2が半導体であり、第2のナノ粒子3が第1の半導体と禁制帯幅の異なる半導体である場合には、接合部4はヘテロ接合のダイオード構造となり得るので、同様に、光センサなどの機能素子として利用できる。
また、上記ナノ粒子複合体6は比較的大きな比表面積を有し、表面上の吸着化学種によって光吸収や発光などの光化学特性が大きく変化するので、極微量濃度の化学物質を検出するための化学センサとしても利用できる。
また、ナノ粒子複合体6をコアとしたコア・シェル構造体1の光溶解しないナノ粒子3を最も触媒活性が高い形状の触媒金属微粒子とした場合には、シェル7に存在するマイクロ孔を介して特定の構造を有する特定の物質を選択的に吸着させることができ、汚染ガスなどを処理するための触媒として使用することができる。
【0026】
次に、本発明に係る第2の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体を説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体10の構成を示す模式断面図である。図示するように、図2は図1に示したナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を多数配列して、これらを構成要素とした構造体10を示している。この構造体10は、図1に示したナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を規則的に配列した構造体である。図においては、最密に積層した構造体を示しているが、これに限らず、種々の形状の構造体が可能である。
構造体10によれば、例えば、複雑な反応過程からなる特異な光触媒反応において、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1に選択的に吸着された反応基質が、構造体10の形状に基づいて規則的に配列されるので、光触媒反応に最適な反応場を構築することができる。
【0027】
次に、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1の第3の実施の形態による調製方法を説明する。なお、説明の途中で図4及び図5を参照する。
図3は、本発明に係る第3の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1の調製方法のプロセスを示す図である。初めに、図3(a)に示すように、所望の粒径を有する光溶解する微粒子2を用意する。微粒子2は、例えば、液相沈殿法、あるいはCVD(化学気相成長)法で生成しても良く、あるいは他の手段で生成したものを用いても良い。次に、図3(b)に示すように、微粒子2の表面を光溶解しない物質からなるシェル7で被覆する。
【0028】
例えば、微粒子2が金属カルコゲナイド半導体の場合には以下に示す方法が可能である。硫化カドミウム(CdS)の場合を例にとって説明する。
図4はCdS微粒子からなるコアにSiOx からなるシェルを被覆する工程を模式的に示す図である。図4(a)に示すように、チオール化合物の一つである3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((CH3 O)3 Si(CH2 3 SH)を用いてCdS微粒子2の表面を化学修飾することにより、トリメトキシシリル基(Si(OMe)3 )をCdS微粒子2の表面に導入する(Si(OMe)3 −/CdS)。3−メルカプトプロピルトリメトキシシランは、チオール化合物であるので、チオール化合物のSを介してCdSに結合することができる。つづいて、トリメトキシシリル基(Si(OMe)3 )を加水分解することにより、CdS微粒子2をコア(核)とし、シリカ(SiOx )単分子層をシェル(殻)7としたコア・シェル構造体が形成される(SiOx −/CdS)。表面に導入されたトリメトキシシリル基は、Siを構成元素として含むので加水分解によってSiOx 膜ができる。このSiOx 膜は光溶解しない。
【0029】
また、水に可溶または有機溶媒に可溶なナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体は、以下の方法で形成する。
図5は、CdSコアとSiOx シェルからなるコア・シェル構造体を水に可溶または有機溶媒に可溶に形成する工程を模式的に示す図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、図4と同様な方法でCdS微粒子2の表面を化学修飾した後、図5(c)に示すように加水分解した後に、アルキルトリメトキシシラン(X−R−Si(OMe)3 )等の様々な官能基(X)を持ったアルキル基を有するアルキルシラン化合物を添加して、さらに表面を化学修飾すれば、CdS微粒子2の表面のシリカ単分子層をさらに化学修飾することができる(X−R−(SiOx )−/CdS)。ここで、アルキル基の有する官能基(X)の種類によって、CdS微粒子2の表面特性を制御することができる。例えば、アルキルシラン化合物にn−オクタデシルトリメトキシシランを用いれば、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、四塩化炭素等に均一に溶解するコア・シェル構造体が得られる。また、官能基Xが、カルボキシル基、4級アンモニウム基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等を持つアルキルシランを用いれば、水に可溶なコア・シェル構造体が得られる。
【0030】
次に、図3(c)に示すように、光溶解液20中で微粒子2に特定の波長の光である光溶解用照射光21を照射して、コア・シェル構造体の空隙8を制御して形成する。ここで、微粒子2の吸収端波長の光21を照射すると、微粒子2は光21を吸収して光溶解反応により、微粒子2の表面が光溶解液に溶解して徐々に径が小さくなる。例えば、CdS微粒子2を用いると、その粒径が約10nm以下になると量子サイズ効果が顕著となり、微粒子2の粒径が小さくなるにつれて吸収端波長が短波長側に移動し、吸収端波長が光溶解用照射光21の波長より短くなると、光溶解反応が停止し、微粒子2の粒径は一定値に止まる。
このように、光溶解用照射光21の波長を選択することによって、微粒子2の粒径を制御する。従って、所望の空隙8に応じた微粒子2の粒径を求め、その粒径に応じた波長の光21を照射することによって、内部に制御された空隙8を形成することができる。
【0031】
なお、本発明に用いる空隙の制御方法は、本発明者らによって既に提案されたサイズ選択光エッチング法(文献:J.Electrochem.Soc.,145,1964−1968(1998)、Chem.Lett.,379−380(1999)、J.Phys.Chem.B,215,6838−6845(2001)参照)を利用している。
このサイズ選択光エッチング法は、半導体ナノ粒子が量子サイズ効果により粒径減少に伴ってエネルギーギャップが増大すること、および金属カルコゲナイド半導体が溶存酸素下の光照射により酸化溶解することを利用しており、広い粒径分布を有する半導体ナノ粒子に、その吸収端の波長よりも短い波長の単色光を照射することで、粒径の大きな半導体ナノ粒子のみを選択的に光励起し溶解させ、より小さな半導体ナノ粒子へと粒径をそろえる方法である。
【0032】
次に、図3(d)に示すように、固体析出用溶液23中で上記図3(c)の工程で形成された制御された空隙8に、第1のナノ粒子とは組成の異なる別の固体を析出させることでナノ粒子複合体を制御性よく調製することができる。
本発明の特徴は、上記図3(c)の工程で形成された制御された空隙8に、第1のナノ粒子とは組成の異なる別の固体を析出させることで、コアとなるナノ粒子複合体6を形成することにある。
【0033】
第2のナノ粒子として、光溶解しない固体である金属または金属酸化物の析出方法を説明する。
固体析出用溶液23としての金属析出用溶液は、金属元素を含む溶液を用いることができる。例えば、金属を含む錯体溶液が使用できる。既に形成している光溶解するナノ粒子が半導体のCdSなどの場合には、この金属析出用溶液に、さらに、光照射をすることにより、半導体の励起によって生じる電子と正孔の還元及び酸化を利用した光触媒反応を制御して、金属または金属酸化物の析出ができる。金属を析出させる際には、半導体中に光生成する正孔による酸化作用を抑圧するために、金属析出用溶液へアルコールやトリエタールアミンなどの正孔捕捉剤を添加することが好ましい。このようにすれば、金属析出用溶液23中へ、特定の波長の光24を照射して、空隙8部分に金属微粒子3を析出させることで、光エッチングにより粒径を制御されたナノ粒子2と、金属ナノ粒子3からなるナノ粒子複合体6をコアとしたコア・シェル構造体1を得ることができる。これにより、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を調製することができる。
【0034】
次に、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1の第3の実施の形態による調製方法を用い、さらに、別の構造体として、第2のナノ粒子のみをコアとするコア・シェル構造体及びナノ粒子複合体の調製方法について説明する。
先ず、第2のナノ粒子3のみをコアとするコア・シェル構造体の調製方法を説明する。
第3の実施形態で説明したように、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1は、光溶解するナノ粒子2の光溶解を制御することでコア6内部の空隙8を制御し、その空隙8にナノ粒子2とは性質の異なるナノ粒子3を析出させることでナノ粒子3の大きさをも制御して調整することができる。これを利用すれば、第2のナノ粒子3だけをコアとするコア・シェル構造を容易に調製することができる。
【0035】
図6は、本発明の第2のナノ粒子3をコアとしたコア・シェル構造体の調製方法のプロセスを示す図である。図6(a)〜図6(d)に示すように、第3の実施形態と同様な方法でナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を調製した後、図6(e)に示すように、第2のナノ粒子3がエッチングされないようにして、光溶解するナノ粒子2をエッチングする液26を使用して除去すれば、ナノ粒子3をコアとしたコア・シェル構造体15が得られる。この光溶解するナノ粒子2をエッチングする液26は、第2のナノ粒子3をエッチングできない選択エッチング液であればよい。
ここで、第2のナノ粒子3は、光溶解しないナノ微粒子か光溶解しないナノ微粒子とすることができる。第2のナノ粒子3が光溶解するナノ微粒子の場合であって、第1のナノ粒子2を光エッチングで除去するときには、第2のナノ粒子3が光エッチングされない条件で、光エッチングすればよい。これにより、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1から容易に、ナノ粒子3をコアとしたコア・シェル構造体15を調製することができる。
【0036】
このようにして調製されたコア・シェル構造体15は、例えば次に示す用途に使用することができる。第2のナノ粒子3を最も触媒活性が高い形状の触媒金属微粒子とした場合には、シェル7のマイクロ孔を介して特定の構造を有する特定の物質を選択的に吸着させることができ、汚染ガスなどを処理するための触媒として使用することができる。
【0037】
次に、本発明に係るナノ粒子複合体の調製方法を説明する。
図7は、本発明に係るナノ粒子複合体の調製方法のプロセスを示す図である。図7(a)〜図7(d)に示すように、図3と同様な方法で内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体1を調製した後、図7(e)に示すように、シェル7をシェルエッチング液25を使用して除去すれば、ナノ粒子複合体6が得られる。これにより、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1から容易にナノ粒子複合体6を調製することができる。
【0038】
次に、図2に示したナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とした構造体の調製方法を説明する。
図1に示したナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1の複数個を、自己組織化法により組織化して所望の形状の構造体10を調製する。
この場合、以下の自己組織化法が適用できる。
(1)3次元組織化法
ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を溶媒に分散させ、溶媒を徐々に蒸発させることにより、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1間のファンデルワールス力によって自己組織化する(文献:Science,270,1335−1338(1995)参照)。
(2)2次元組織化法
ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を気−液界面に展開して2次元粒子膜を作製し、作製した2次元粒子膜を圧縮して組織化する(文献:Langmuir,15,1853−1858(1999)参照)。
(3)1次元組織化法
DNAをテンプレートとして、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1をDNAに沿って配列する(文献:J.Phys.Chem.B,103,8799−8803(1999)参照)。
【0039】
次に、自己組織化されたこれらの構造体を熱処理、架橋剤分子等による化学処理、あるいはシェル同士の直接反応によってシェル間を結合し、構造体を安定化する。例えば、シェルがSiOx の場合には、テトラエトキシシランによりSiOx 薄膜間の架橋を行うことにより、構造体を安定化する。
【0040】
また、上記説明では、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を用いて構造化する方法を説明したが、図6(e)に示した第2のナノ粒子3をコアとしたコア・シェル構造体15及び図7(e)に示したナノ粒子複合体6を用いて構造化してもよい。
【0041】
また、内部に制御された空隙を形成する前の構造体を用いて上記の方法で所望の形状の構造体を調製した後に、サイズ選択光エッチング法で所望の空隙を形成し、空隙の内部に光溶解しないナノ粒子を析出させてナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体10を調製しても良い。
また、このナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体10のシェルをエッチングで除去して、ナノ粒子複合体6を構成要素とする構造体を調製してもよい。
【0042】
次に、実施例を説明する。
(実施例1)
チオール化合物の1つである3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((CH3 O)3 Si(CH2 3 SH)を用いて、硫化カドミウム(CdS)ナノ粒子表面を化学修飾することにより、トリメトキシシリル基((CH3 O)3 Si−)をナノ粒子表面に導入したあと、トリメトキシシリル基を加水分解することにより、硫化カドミウム(CdS)ナノ粒子の表面をシリカ層で被覆するとともにシェル間をSi−O−Si結合で架橋した、コア・シェル構造体を構成要素とする構造体を形成した。
得られたコア・シェル構造体に単色光(488nm)を照射することで、コア・シェル構造体内部の硫化カドミウム(CdS)ナノ粒子にサイズ選択光エッチングを適用し、硫化カドミウム(CdS)ナノ粒子の粒径を約3.5nmにまで減少させた。
金属析出用溶液として、メタノールとH2 O(容積比は、1:1)の混合溶液に、Auをコア・シェル構造体の5重量%(wt%)だけ光析出させるように、適量のK[ Au(CN)2 ]を添加した。
この溶液にCdSをコア、シリカ層をシェルとする内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体を添加し、金属析出用照射光として400Wの水銀ランプ(λ>350nm)の紫外線を1.5時間照射することで空隙内部に直径が約4nmのAu(金)を光析出させた。このときの、雰囲気ガスはAr(アルゴン)を使用した。
これにより、CdSとAuからなるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を調製できた。
【0043】
(実施例2)
実施例1で得られた、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体10を、シェル(SiOx )を希釈したNaOH溶液でエッチングして除去して、ナノ粒子複合体6を構成要素とする構造体を調製した。
【0044】
(実施例3)
実施例1で得られた、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体中のCdSを、HClを用いてエッチングして除去することにより、AuをコアとしSiOx をシェルとする内部に空隙を有するコア・シェル構造体15を調製した。
図8は、本実施例3で調製した、Auをコアとするコア・シェル構造体を構成要素とする構造体15の透過電子顕微鏡写真である。図において、黒い固まり部分が、コアであるAuナノ粒子であり、その回りの細いリング状の黒い部分はシェルであるシリカ(SiOx )であり、その間の白い部分が空隙である。図から明らかなように、Auをコアとする内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体15が形成されている。コアであるAuナノ粒子とシェルの直径は、それぞれ、約4nmと約7nmであり、空隙寸法はこれらの差から約3nmとなる。この値は、エッチング前のCdSの平均粒径3.5nmとよく一致している。
【0045】
図9は、本発明のナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の光吸収特性を示す図である。図において、縦軸はナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の反射測定による光吸収、即ちKubelka−Munk関数(任意目盛り)であり、横軸は波長(nm)である。
CdSとAuからなるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1の光吸収(図9の▲1▼参照)は、CdSをコアとした内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体の光吸収(図9の▲3▼参照)と比較すると、CdS粒子上にAuが光析出することにより、CdSに特有の500nm以下の短波長側の吸収が低下すると共に、Auによる約500nm以上の可視光から赤外領域の吸収が増加していることが分かる。図示していないが、CdSとAuからなるナノ粒子複合体の光吸収も、CdSとAuからなるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の光吸収とほぼ同様な特性であった。
CdSとAuからなるナノ粒子複合体6から、CdSを除去して調製したAuをコアとした内部に空隙を有するコア・シェル構造体15の光吸収(図9の▲2▼参照)は、さらに、CdSの除去により、CdSに由来する500nm以下の短波長側の光吸収が低下していることが明らかである。
これにより、本発明のCdSとAuからなるナノ粒子複合体6、このナノ粒子複合体6をコアとしたコア・シェル構造体1及びAuをコアとしたコア・シェル構造体5においては、従来のCdSをコアとしたコア・シェル構造体に比較して、可視光領域の光吸収特性が大きく変化していることがわかる。
【0046】
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。2つの異なるナノ微粒子からなるナノ粒子複合体は、上記実施例に限らないことはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
上記説明から理解されるように、本発明によれば、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体、及びそれを構成要素とする構造体を提供することができる。また、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体、及びそれを構成要素とする構造体の調製方法を提供することができる。さらに、ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体、及びそれを構成要素とする構造体の調製方法を用いることで、ナノ粒子複合体及びナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体を精度よく調製できる調製方法を提供することができる。
したがって、本発明によれば、従来技術では調製できなかった新規なナノ粒子複合体による光センサなどのナノデバイスに必要なナノ物質や、従来の触媒に比べて極めて高効率な触媒の調製を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1を構成要素とする構造体の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明に係る第3の実施の形態によるナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体1の調製方法のプロセスを示す図である。
【図4】CdS微粒子からなるコアにSiOx からなるシェルを被覆する工程を模式的に示す図である。
【図5】CdSコアとSiOx シェルからなるコア・シェル構造体を水に可溶または有機溶媒に可溶に形成する工程を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体の調製方法のプロセスを示す図である。
【図7】本発明に係るナノ粒子複合体の調製方法のプロセスを示す図である。
【図8】実施例3で調製した、Auをコアとするコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の透過電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明のナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体の光吸収特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体
2 第1のナノ粒子
3 第2のナノ粒子
4 接合部
6 コア(ナノ粒子複合体)
7 シェル
8 空隙
10 ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体
15 第2のナノ粒子のみをコアとするコア・シェル構造体
20 光溶解液
21 光溶解用照射光
23 金属析出用溶液
24 金属析出用照射光
25 シェルエッチング液
26 光溶解するナノ粒子のエッチング液

Claims (13)

  1. 光溶解する固体で成る第1のナノ粒子を粒径を制御して形成し、
    上記第1のナノ粒子表面と結合する元素と光溶解しない酸化物の成分元素を含む基とを有する化学物質で上記第1のナノ粒子表面を化学修飾することでこの表面に上記基を導入し、
    この基を加水分解して上記酸化物からなる被膜を形成し、上記第1のナノ粒子をコア、上記被膜をシェルとするコア・シェル構造体を形成し、
    このコア・シェル構造体に光溶解液中で波長を制御して光照射して上記第1のナノ粒子の粒径を制御するエッチングを行なうことでコア・シェル構造体内部に制御された空隙を形成し、
    第2のナノ粒子の構成元素を含む固体析出用溶液中で上記内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体のシェル内に金属、金属酸化物、半導体または高分子からなる第2のナノ粒子を析出させて上記粒径の制御された第1のナノ粒子と直接接合させることにより、
    上記光溶解する第1のナノ粒子と第2のナノ粒子とを直接接合したナノ粒子複合体で成るコアと、該コアを空隙を介して覆う数ナノメーターから数十ナノメーターの径のシェルと、上記第1のナノ粒子の粒径制御により所望の大きさに制御された空隙と、を有するコア・シェル構造体を得て、
    上記光溶解する第1のナノ粒子をエッチングにより除去し、第2のナノ粒子と上記シェルとの間に制御された空隙を形成させ、第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体を得ることを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  2. 前記第2のナノ粒子が、光溶解しないナノ微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  3. 前記第2のナノ粒子が光溶解するナノ微粒子であり、前記第1のナノ粒子は、上記第2のナノ粒子が光エッチングされない条件で光エッチングにより除去されることを特徴とする、請求項2に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  4. 前記第2のナノ粒子は、光照射により析出することを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  5. 前記固体析出用溶液は金属析出用溶液であり、金属または金属酸化物を析出させることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  6. 前記金属析出用溶液は、第2のナノ粒子を構成する金属元素と電子または正孔の捕捉剤とを含む混合溶液であることを特徴とする、請求項5に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  7. 前記加水分解した後に、親水基または疎水基を有する化学物質を添加してさらに化学修飾することにより、水に可溶または有機溶媒に可溶に形成することを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  8. 前記第1のナノ粒子はCdS(硫化カドミウム)であり、
    前記第1のナノ粒子表面と結合する元素はS(イオウ)元素であり、
    前記光溶解しない酸化物の成分元素はSi(シリコン)であり、前記基はSiを含む(CH3 O)3 Si(トリメトキシシリル)基であり、
    前記化学物質は(CH3 O)3 Si(CH2 3 SH(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)であり、
    前記被膜はSiOx (シリコン酸化物,0<x)であり、
    さらに、前記第2のナノ粒子は金属、金属酸化物、半導体または高分子の固体からなることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  9. 前記第1のナノ粒子はCdSであり、
    前記第1のナノ粒子表面と結合する元素はS元素であり、
    前記光溶解しない酸化物の成分元素はSiであり、前記基はSiを含む(CH3 O)3 Si基であり、
    前記化学物質は(CH3 O)3 Si(CH2 3 SHであり、
    前記親水基を有する化学物質は、カルボシキル基、4級アンモニウム基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等を有するアルキルシランであり、
    前記疎水基を有する化学物質は、n−オクタデシルトリメトキシシランであり、
    さらに、前記第2のナノ粒子は金属、金属酸化物、半導体または高分子の固体からなることを特徴とする、請求項に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
  10. 前記第1のナノ粒子を、所望の粒径に対応する吸収端波長の光で光溶解することにより所望の粒径とすることを特徴とする、請求項1,8,9のいずれかに記載の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体の調製方法。
  11. 請求項1〜10に記載のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を溶媒に分散し、この溶媒を徐々に蒸発させて自己組織化させることで、上記第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体を得ることを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法。
  12. 請求項1〜10に記載のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を気・液界面に展開し、該第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体からなる2次元膜を圧縮して組織化することを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法。
  13. 請求項1〜10に記載のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を、DNAをテンプレートとして配列することを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法。
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