JP3950772B2 - 液体原料質量流量計とその制御器とその液体原料のセンサ管路への通流方法 - Google Patents

液体原料質量流量計とその制御器とその液体原料のセンサ管路への通流方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、センサ管路内を流れる液体原料の質量流量を測定する液体原料質量流量計並びに液体原料質量流量計と同一構造の液体原料質量流量測定部にて計測された液体原料を、その質量流量に応じて液体原料質量流量制御部にて液体原料の流出質量流量を制御する液体原料質量流量制御器の改良とその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造原料の質量流量を計測し、その質量流量を制御する質量流量制御器は、原料の質量流量を測定する質量流量測定部と、流出する原料の質量流量を制御する質量流量制御部とで構成されている。
【0003】
原料の質量流量が小さい場合、例えば0.01〜10g/分程度であれば、質量流量制御器は、原料の質量流量を検出するセンサ管のみで対応することができる。しかしながら、これ以上の質量流量、例えば10〜数100g/分或いはそれ以上になると、もはやセンサ管1本で対応することが不可能になる。
【0004】
何故ならば、センサ管を太くすることで質量流量の増大に対応しようとすると、質量流量制御器全体の寸法が大きくなると同時にそのコストも増大し、更にはセンシング応答速度が低下し、センシング性能面で劣ることになるため実用に適しなくなるからである。そこで、質量流量計に流れる原料を分流して、その一部をセンサ管に流し、その残部(センサ管を流れる原料のn倍の質量流量)をバイパス管に流すことによって対応してきた(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、前述のようなバイパス管を使用する方法は、原料が気体の場合は非常に有効な手段であったが、原料がTEOSのような液体原料の場合には以下に述べる問題点があり、それが大流量液体原料質量流量制御器の普及を遅らせる原因となっていた。以下、バイパス管を用いた従来の大流量液体原料質量流量制御器の問題点について説明する。
【0006】
図6に示す従来の液体原料質量流量制御器(1)は、液体原料質量流量測定部(1a)と、液体原料質量流量測定部(1a)から流出する液体原料の質量流量を制御する液体原料質量流量制御部(1b)とから構成されている。液体原料質量流量制御器(1)は、供給された液体原料(L)の大部分が通流するバイパス管路(2)を有するハウジング(3)を有し、ハウジング(3)の上部には、バイパス管路(2)を跨いでその上流側通路(2a)と下流側通路(2b)とハウジング(3)の上面(3a)とを連通する2つのセンサ通孔(4a)(4b)とが形成されている。ハウジング(3)の上部には、ハウジング(3)の上面に沿ってセンサ管(5)が配置されており、センサ管(5)の一端が一方のセンサ通孔(4a)に接続され、かつ、他端が他方のセンサ通孔(4b)に接続されることでセンサ管路(6)が形成されている。
【0007】
そして、液体原料(L)の質量流量を制御する際には、センサ管路(6)内を流れる液体原料(L)の質量流量をセンサ管(5)に接続された測定装置(7)により測定し、その測定結果に応じた電圧を液体原料質量流量制御部(1b)に印加することにより液体原料質量流量制御部(1b)の先端に取り付けられた開閉弁(8)を操作し、ハウジング(3)の液体原料流出口(10)をダイヤフラム(9)にて開度制御して、流出する液体原料(L)の質量流量を制御するようにしていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平05−223186号公報(第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
液体原料質量流量制御器(1)の使用の開始前にあっては、センサ管路(6)及びバイパス管路(2)の内部は空の状態で、空気や窒素ガスその他の気体が充填されている。この状態で液体原料(L)を液体原料質量流量制御器(1)に供給すると、その一部はセンサ管路(6)を流れ、他の大部分はバイパス管路(2)を通流するようになるはずである。しかしながら、液体原料(L)の供給開始時にあっては、細いセンサ管路(6)の内部に存在する気体が栓(プラグ)の役割を果たすことになり、この気体によってセンサ管路(6)内への液体原料(L)の流入が阻害される。すると、バイパス管路(2)には液体原料(L)が通流しているにも拘らず、センサ管(5)に設置された測定装置(7)からは質量流量がゼロであるという信号が出力され、液体原料質量流量制御部(1b)の弁開度が開きっぱなしとなり、最大量の液体原料(L)が供給され続けることになる。
【0010】
このような問題点の解決方法のひとつとして、センサ管路(6)の内部の空気を抜くために真空ポンプで脱気する方法が考えられる。しかしながら、真空ポンプを使用するため設備コストが高くなること、更に、一度停止したり、内部に空気が侵入したり、あるいは内部で気泡が発生すると制御不能となるので確実な方法とは言えなかった。
【0011】
本発明の目的は、かかる従来例の問題点を解消するためになされたもので、液体原料の供給開始時において、センサ管内に液体原料を確実に供給でき、液体原料の供給開始時点から正確な質量流量計測と制御とが可能となるバイパス管路を使用した大型の液体原料質量流量計およびその制御器並びに液体原料質量流量計或いは液体原料質量流量制御器における液体原料のセンサ管路への通流方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した液体原料質量流量計(B)は、
(a) 内部を流れる液体原料(L)の質量流量を測定するためのセンサ管路(34)と、
(b) センサ管路(34)の入口(34a)が上流側に接続され、センサ管路(34)の出口(34b)が下流側に接続され、センサ管路(34)の内部を流れる前記液体原料(L)の質量流量のn倍の液体原料(L)が通流するバイパス管路(36)と、
(c) バイパス管路(36)の上流側に設けられ、センサ管路(34)の入口(34a)が開口している液体原料分流用空間(18c)と、
(d) 液体原料分流用空間(18c)内において、バイパス管路(36)の液体原料流入口(24)に対して近接・離間自在に設けられ、上流側から液体原料分流用空間(18c)に流入開始がなされた液体原料(L)の流入開始時点で発生する動圧(Pp)を受けて下流側へ向けて移動することによりバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)を閉塞して液体原料(L)をセンサ管路(34)に通流させ、且つ、センサ管路(34)を通ってバイパス管路(36)の下流側に液体原料(L)が至るとバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)から離間してバイパス管路(36)に液体原料(L)を通流させる弁体(40a)、および弾発力により弁体(40a)を液体原料流入口(24)から離間する方向へ付勢する弾発部材(42)を有する弁機構(40)とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明において、液体原料(L)の供給開始時に液体原料分流用空間(18c)に供給されると、弁機構(40)の弁体(40a)が液体原料(L)の流入開始時点で発生する動圧(Pp)に押されて下流側へ移動し、バイパス管路(36)の液体原料流入口(24)を閉塞する。その結果、液体原料(L)はセンサ管路(34)に強制的に送り込まれる。これにより液体原料(L)の供給開始時からセンサ管路(34)に液体原料(L)が流れ、正確な質量流量計測が行われることになる。
【0014】
請求項2に記載の液体原料質量流量制御器(A)は、
(a−1) 内部を流れる液体原料(L)の質量流量を測定するためのセンサ管路(34)と、
(a−2) センサ管路(34)の入口(34a)が上流側に接続され、センサ管路(34)の出口(34b)が下流側に接続され、センサ管路(34)の内部を流れる液体原料(L)の質量流量のn倍の液体原料が通流するバイパス管路(36)と、
(a−3) バイパス管路(36)の上流側に設けられ、センサ管路(34)の入口(34a)が開口している液体原料分流用空間(18c)と、
(a−4) 液体原料分流用空間(18c)内において、バイパス管路(36)の液体原料流入口(24)に対して近接・離間自在に設けられ、上流側から前記液体原料分流用空間(18c)に流入開始がなされた液体原料(L)の流入開始時点で発生する動圧(Pp)を受けて下流側へ向けて移動することによりバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)を閉塞して液体原料(L)をセンサ管路(34)に通流させ、且つ、センサ管路(34)を通ってバイパス管路(36)の下流側に液体原料が至るとバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)から離間してバイパス管路(36)に液体原料(L)を通流させる弁体(40a)、および弾発力により弁体(40a)を液体原料流入口(24)から離間する方向へ付勢する弾発部材(42)を有する弁機構(40)とを備える液体原料質量流量測定部(12)、および
(b) センサ管路(34)およびバイパス管路(36)の下流側に設けられ、液体原料質量流量測定部(12)での測定結果に応じて液体原料(L)の流出質量流量を制御する液体原料質量流量制御部(14)を備えることを特徴とするものである。
【0015】
センサ管路(34)を流れる液体原料(L)の質量流量が液体原料質量流量測定部(12)にて測定されると、その測定結果に応じて、製造装置への液体原料(L)の流出質量流量が液体原料質量流量制御部(14)にて制御され、供給開始当初からの質量流量の液体原料(L)が下流の製造装置に供給される事になる。
【0016】
請求項3は、請求項1又は2に記載の液体原料質量流量計(B)及び液体原料質量流量制御器(A)の弁機構(40)に関するもので、
(a) 弁機構(40)は、液体原料流入口(24)を開閉する弁体(40a)と、弁体(40a)をバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)から離間させて保持する方向に常時押圧付勢する弾発部材(42)とで構成されており、
(b) 弾発部材(42)は、その弾発力が液体原料分流用空間(18c)に供給される液体原料(L)の流入開始時点で発生する動圧よりも弱く、その動圧によって収縮して弁体(40a)の後端が液体原料流入口(24)を閉塞し、かつ、
(c) 液体原料(L)流入開始終了後の定常流入時の定常流入圧力より強く、定常流入時に伸長して、弁体(40a)の後端をバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)から離間させて液体原料流入口(24)を開放するものであることを特徴とする。
【0017】
これによれば、弁機構(40)の働きにより、液体原料(L)の供給開始時に自動的に弁体(40a)が作動して液体原料(L)を強制的にセンサ管路(34)に送り込むことができるようになる。
【0018】
請求項4は請求項1又は2に記載の液体原料質量流量計(B)又は液体原料質量流量制御器(A)における弾発部材(42)の一例で、
(a) 弾発部材(42a)(42b)が弁体(40a)の上流側および下流側に配設されており、上・下流側弾発部材(42a)(42b)の弾発力が等しく、液体原料(L)の流入開始時に流入開始時点で発生する動圧(Pp)にて下流側弾発部材(42b)が撓まされて弁体(40a)にてバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)が閉鎖され、
(b) 定常流入時には定常流入圧力に抗して下流側弾発部材(42b)が伸長してバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)が開放されるようになっていることを特徴とする。
【0019】
請求項5は請求項1又は2に記載の液体原料質量流量計(B)又は液体原料質量流量制御器(A)における弾発部材(42)の他の例で、「弾発部材(42a)(42b)が弁体(40a)の上流側および下流側に配設されており、上流側弾発部材(42b)より下流側弾発部材(42a)の方が弾発力が大きく、両弾発部材(42a)(42b)の弾発力の差が液体原料(L)の流入開始時点で発生する動圧(Pp)より小さく、定常流入圧力より大きい」ことを特徴とする。
【0020】
請求項6は、前記液体原料質量流量計(B)或いは液体原料質量流量制御器(A)における液体原料(L)のセンサ管路(34)への通流方法に関し、「(a) センサ管路(34)に液体原料(L)を通流させてその質量流量を測定すると共にセンサ管路(34)に流れる液体原料(L)の質量流量のn倍の液体原料(L)をバイパス管路(36)に通流させて(n+1)倍の大容量の液体原料(L)の質量流量を計測する液体原料(L)の質量流量計測方法において、
(b) 液体原料(L)の流入開始時に、液体原料(L)の動圧を受けて移動した弁体(40a)がバイパス管路(36)を閉塞することにより、流入した液体原料(L)をセンサ管路(34)に強制的に通流させ、
(c) 液体原料(L)がセンサ管路(34)を通過した後、弾発部材(42)の弾発力によって移動した弁体(40a)がバイパス管路(36)を開放する」ことを特徴とする。
【0021】
【発明の効果】
この発明において、液体原料(L)のバイパス管路(36)の上流側の液体原料分流用空間(18c)への供給が開始されると、弁機構(40)の弁体(40a)が液体原料(L)の流入開始時の流入開始時点で発生する動圧(Pp)に押されて下流側へ移動し、バイパス管路(36)の液体原料流入口(24)を閉塞する。その結果、液体原料(L)はセンサ管路(34)にのみ強制的に送り込まれ、センサ管路(34)内に気体が存在した場合であってもこれを押し出してセンサ管路(34)内を通流することになる。従って、使用開始時にセンサ管路(34)内に気体が存在した場合であっても、センサ管路(34)内への液体原料(L)の通流が阻害されることがなく、バイパス管路(36)を使用した大型の液体原料質量流量制御器(A)および液体原料質量流量計(B)において初めて使用開始の時点から自動的に正確な質量流量計測が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。本発明の第1実施例の液体原料質量流量制御器(A)は、図1、2に示す通りで、図示しない原料液タンクから供給される液体原料(L)の質量流量を測定するとともに、所定質量流量の液体原料(L)を図示しない成膜装置などの製造装置へ供給するためのものであり、液体原料質量流量測定部(12)および液体原料質量流量制御部(14)から構成されている。
【0023】
液体原料質量流量制御器(A)は、角柱状のブロックで構成されたハウジング(16)を有し、ハウジング(16)の内部には、原料液タンクから供給された液体原料(L)を液体原料受入口(18イ)から後述する液体原料質量流量制御部(14)の弁室(52)に至る計測側主流路(18a)および液体原料(L)を弁室(52)から液体原料流出口(18ロ)に至り、図示しない成膜装置へ液体原料(L)を供給する制御側流路(18b)が形成されている。計測側主流路(18a)の途中部分は拡径されており、この拡径された部分が液体原料分流用空間(18c)であり、計測側主流路(18a)の液体原料分流用空間(18c)の段差部分(18cロ)から下流側には、多数の細いバイパス管(38)が収納されている。そして、このバイパス管(38)の集合体がバイパス管路(36)とされ、バイパス管路(36)の上流側端部が液体原料流入口(24)となる。
【0024】
また、本実施例においてバイパス管路(36)は複数のバイパス管(38)から構成されているが、バイパス管路(36)の内径と略等しい外径を有する部材に液体原料(L)が流れる複数の通路を設け、これをバイパス管路(36)としてもよい。
【0025】
前記液体原料分流用空間(18c)の内部には、後述する弾発部材(42)を係止する係止部(22)が突設されている。更に、ハウジング(16)の上部には、液体原料流入口(24)の上流側にて液体原料分流用空間(18c)とハウジング(16)の上面とを連通する上流側センサ通孔(26a)が穿設されており、更にバイパス管路(36)の下流側にて計測側主流路(18a)とハウジング(16)の上面とを連通する下流側センサ通孔(26b)が穿設されている。
【0026】
そして、ハウジング(16)の上面に沿ってセンサ管(30)が配置され、センサ管(30)の上流側端部が接続部材(32a)を介して上流側センサ通孔(26a)と接続され、センサ管(30)の下流側端部が接続部材(32b)を介して下流側センサ通孔(26b)と接続されている。これにより、上流側センサ通孔(26a)、センサ管(30)および下流側センサ通孔(26b)とでセンサ管路(34)が構成され、上流側センサ通孔(26a)の液体原料分流用空間(18c)への開口部がセンサ管路(34)の入口(34a)とされ、下流側センサ通孔(26b)の計測側主流路(18a)の下流部分への開口部がセンサ管路(34)の出口(34b)とされ、センサ管(30)には、測定装置(46)の主要部を構成する質量流量センサ本体(46b)が取り付けられている。
【0027】
また、計測側主流路(18a)の下流側端部でハウジング(16)の上面に開口する部分を制御バルブ入口孔(26c)、および制御側流路(18b)の上流側端部でハウジング(16)のに開口する部分を制御バルブ出口孔(26d)とし、ハウジング(16)の上面であって制御バルブ入口孔(26c)および制御バルブ出口孔(26d)が開口する部分には、弁室(52)を構成する凹部(28)が形成され、この凹部(28)内に、制御バルブ出口孔(26d)の開閉・開度調整による質量流量制御を行うダイヤフラム(29)が張設されている。そしてこの凹部(28)部分には後述する液体原料質量流量制御部(14)が設置されることになる。
【0028】
また、計測側主流路(18a)の一部を構成する前述の液体原料分流用空間(18c)の内部には、弁体(40a)および弾発部材(42)にて形成される弁機構(40)が収容されている。
【0029】
弁体(40a)は、中央がくびれた円柱状の断面略H形の部材で、弁体(40a)の軸方向の一端および他端には円板状の上流側遮断板(40b)および下流側遮断板(40c)が取り付けられている。上・下流側遮断板(40b)(40c)の外径は液体原料分流用空間(18c)の内径とほぼ等しく設定され、液体原料分流用空間(18c)内を軸方向に往復スライドするように収納されている。
【0030】
この上・下流側遮断板(40b)(40c)には、液体原料(L)が通される複数の通孔(40d)(40e)がそれぞれ形成され、上流側の通孔(40d)は、上流側遮断板(40b)と液体原料分流用空間(18c)の液体原料流入側の内壁(18cイ)に当接する位置に形成され、当接した時、前記内壁(18cイ)によって上流側の通孔(40e)が閉塞され、液体原料受入口(18イ)が上流側の通孔(40e)の内側において前記上流側遮断板(40b)と向き合うようになっている。
【0031】
一方、下流側の通孔(40e)は下流側遮断板(40c)の液体原料流入口(24)の外側の位置に形成され(換言すれば、通孔(40e)より内側の部分が液体原料流入口(24)に当接或いは対応するように形成され)、通孔(40e)を含む下流側遮断板(40c)の外周部分が液体原料流入口(24)の近傍に位置する液体原料分流用空間(18c)の下流側段部(18cロ)に当接するようになっている。そして当接した時、液体原料流入口(24)側が下流側遮断板(40c)の通孔(40e)の内側部分によって閉塞されるようになっている。
【0032】
弾発部材(42)は、その弾発力により弁体(40a)を液体原料流入口(24)から離間する方向へ変位させるものであり、この実施例では、コイルバネが使用される。弾発部材(42)は、弁体(40a)を構成する上流側遮断板(40b)と液体原料分流用空間(18c)内に形成された係止部(22)との間に配置されている。なお、弾発部材(42)としては、コイルバネの他に、板バネやゴムなどの弾性体を用いてもよい。
【0033】
測定装置(46)は、センサ管路(34)の内部を流れる(たとえば、TEOSのような)液体原料(L)の質量流量を測定するものであり、計測・制御回路など各種電子回路を収納した測定装置ハウジング(46a)と質量流量センサ本体(46b)とを備えており、そして、センサ管(30)に取り付けられた質量流量センサ本体(46b)が導電線(46c)を介して前記測定装置ハウジング(46a)の入力端子に接続され、測定装置ハウジング(46a)の出力端子に、後述する液体原料質量流量制御部(14)の主要部を構成するピエゾ素子やソレノイドのようなアクチュエータ(56)が導電線(46d)を介して接続されている。なお、この種の質量流量センサ本体(46b)としては、加熱式のものや冷却式のものなどが周知であるがいずれのものが使用されてもよい。上述してきた部分が、液体原料質量流量測定部(12)として機能する。
【0034】
液体原料質量流量制御部(14)は、図1、2に示すように、筒状のハウジング(50)を有し、このハウジング(50)が凹部(28)の上方に配置され、凹部(28)の上部開口がハウジング(50)の下面により塞がれることで弁室(52)が構成されている。また、ハウジング(50)の内部には、下端部に弁体(54)が固着されたアクチュエータ(56)が収容されており、前述のダイヤフラム(29)を駆動するようになっている。
【0035】
アクチュエータ(56)の一例であるピエゾ素子(56a)は、印加電圧の大きさに応じて長さが変化するものであり印加電圧がゼロのときには、ピエゾ素子(56a)が伸長する長さはゼロとなり、印加電圧が大きくなるほど伸長する長さは長くなる。そして、ピエゾ素子(56a)が伸長すると弁体(54)がダイヤフラム(29)を押圧し、ダイヤフラム(29)と制御バルブ出口孔(26d)の入口との隙間を制御することで制御バルブ出口孔(26d)の開度調整が行われる。ダイヤフラム(29)が制御バルブ出口孔(26d)の入口に押し付られると、これによって制御バルブ出口孔(26d)の入口が塞がれる。なお、ピエゾ素子(56a)の代わりにソレノイド素子を使用するようにしてもよい。
【0036】
ハウジング(16)に形成された前記凹部(28)の上部には、前述のように液体原料質量流量制御部(14)のアクチュエータ(56)部分が設けられ、前記液体原料質量流量測定部(12)と液体原料質量流量制御部(14)により、液体原料質量流量制御器(A)が構成される。
【0037】
液体原料質量流量制御器(A)の運転を開始すると、液体原料(L)が液体原料受入口(18イ)に流入する。弁体(40a)の上流側遮断板(40b)は、液体原料分流用空間(18c)の液体原料流入側の内壁(18cイ)に当接して液体原料受入口(18イ)を閉塞しているので、弁体(40a)は液体原料(L)からの流入開始時点で発生する動圧(Pp)を受ける。流入開始時点で発生する動圧(Pp)は弾発部材(42)から受ける押圧力(Pc)より大きいので、弁体(40a)は前記に弾発部材(42)から受ける押圧力(Pc)に抗して下流側に移動し、液体原料分流用空間(18c)の下流側段部(18cロ)に当接する(図2参照)。これにより下流側遮断板(40c)に形成された通孔(40e)が液体原料分流用空間(18c)の下流側段部(18cロ)によって遮断され、液体原料流入口(24)が下流側遮断版(40c)によって閉塞されるため、液体原料分流用空間(18c)内に流れ込んだ液体原料(L)は、強制的にセンサ管路(34)を通過することとなる。
【0038】
液体原料(L)は、センサ管路(34)へ強制的に流入させられるため、センサ管路(34)の内部にたとえ気体が存在したとしても、液体原料(L)がこの気体をセンサ管路(34)の外へ押し出してしまうので、センサ管路(34)の内部に存在する気体によって液体原料(L)の流れが阻害されることはない。従って、液体原料(L)の供給開始時点からセンサ管路(34)内に液体原料(L)を確実に供給することができる。
【0039】
センサ管路(34)内を液体原料(L)が通過してバイパス管路(36)の下流側に至ると、バイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力が上昇し、液体原料分流用空間(18c)内の圧力とバイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力との差が小さくなり、液体原料分流用空間(18c)内において弁体(40a)が受けている圧力が小さくなる。前記上昇したバイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力を(Ps)とすると、弾発部材(42)から受ける押圧力(Pc)と前記下流側の計測側主流路(18a)内の圧力(Ps)との和(Pc+Ps)が、流入開始時点で発生する動圧(Pp)よりも大きくなったときに、弁体(40a)は液体原料流入口(24)から離間する方向へ移動し始め、下流側遮断板(40c)に形成された通孔(40e)が開放される。すると、液体原料分流用空間(18c)内に流入していた液体原料(L)の大部分は分流し、通孔(40e)を通ってバイパス管路(36)へと流れ、一部はそのままセンサ管路(34)を流れる。これにより通常の流れ(定常状態)となる(図1参照)。
【0040】
このような定常状態において、計測側主流路(18a)内のバイパス管路(36)には、センサ管路(34)を流れる液体原料(L)の流量のn倍の液体原料(L)が通流される。したがって、後述するように、センサ管路(34)内を流れる液体原料(L)の質量流量を正確に測定することで、バイパス管路(36)を流れる液体原料(L)の質量流量を正確に測定することができる。
【0041】
即ち、センサ管路(34)の内部を液体原料(L)が流れると、質量流量センサ本体(46b)によって液体原料(L)の質量流量が流量信号として検出され、この検出された流量信号が測定装置ハウジング(46a)内の電子回路にて電圧信号に変換され、これがアクチュエータ(56)に与えられる。すると、アクチュエータ(56)が電圧の値に応じて伸長し、ピエゾ素子(56a)の下端部に固着された弁体(54)が前記印加電圧に比例して伸長し、ダイヤフラム(29)を制御バルブ出口孔(26d)の入口に向けて押圧する。これによってダイヤフラム(29)と制御バルブ出口孔(26d)との隙間が調整され、これにより、制御側流路(18b)を介して成膜装置へと供給される液体原料(L)の質量流量が制御される。
【0042】
なお、上述の第1実施例では、液体原料(L)の流入開始時点では、弁体(40a)を構成する下流側遮断板(40c)にて液体原料流入口(24)を遮断し、液体原料(L)が計測側主流路(18a)内のバイパス管路(36)に流入することを阻害していたが、同様の作用を実現するものであれば、第1実施例の弁機構(40)に限られない。例えば、この弁体(40a)は、図4および図5に示す第2実施例のように変形されても良い。
【0043】
つまり、液体原料分流用空間(18c)の内径よりも小さな外径を有し、液体原料分流用空間(18c)の内周面との間で間隙(S)を有する円盤状の遮断板を弁体(40a)とし、上・下流側弾発部材(42a)(42b)を弁体(40a)の両側に取り付けるようにし、これによって弁体(40a)を変位させるようにしてもよい。上・下流側弾発部材(42a)(42b)は両者の弾発力が同じ場合と、上流側弾発部材(42a)より下流側弾発部材(42b)の方がやや強い場合とがある。以下、前者について説明し、その後、後者について説明する。
【0044】
弁体(40a)は前述のように液体原料分流用空間(18c)の内径よりも小さな外径を有し、液体原料分流用空間(18c)の内周面との間で間隙(S)を有し、前記間隙(S)を液体原料(L)が流れることができるようになっている。そして、弁体(40a)の上流側面には、上流側弾発部材(42a)の一端が嵌め込まれる取付凹所が形成されており、弁体(40a)の上流側面と液体原料分流用空間(18c)の液体原料流入側の内壁(18cイ)との間には、前記上流側弾発部材(42a)が配設されており、弁体(40a)を下流側に向けて押圧付勢している。
【0045】
一方、弁体(40a)の下流側面には座刳り穴(40f)が形成されており、座刳り穴(40f)と液体原料分流用空間(18c)の下流側段部(18cロ)との間に下流側弾発部材(42b)が配設され、弁体(40a)を上流側に押圧付勢している。上・下流側弾発部材(42a)(42b)の弾発力はほぼ同じで、外部から力が加わらなければバネバランスし、弁体(40a)の座刳り穴(40f)と液体原料流入口(24)との間に間隙(D)が生じ、バイパス管路(36)の液体原料流入口(24)を開放するようになっている。
【0046】
またこの場合、バイパス管路(36)の液体原料流入口(24)は、下流側段部(18cロ)から液体原料分流用空間(18c)内に突出しており(勿論、面一でもよいし、内側に入り込んでいても良く、その場合は第1実施例と同様下流側段部(18cロ)に当接・離間する事になる。)、下流側弾発部材(42b)の内側にて弁体(40a)の座刳り穴(40f)に当接・離間可能となっている。
【0047】
而して、第1実施例と同様、液体原料質量流量制御器(A)の運転を開始すると、液体原料(L)が液体原料受入口(18イ)に流入する。この場合、弁体(40a)は液体原料分流用空間(18c)の液体原料流入側の内壁(18cイ)から離間しているので、第1実施例と異なり、液体原料(L)は流込開始時点で発生する動圧(Pp)を弁体(40a)に与えながら液体原料分流用空間(18c)に流入する。すると前記バネバランスが崩れ、流入開始時点で発生する動圧(Pp)[この動圧(Pp)は第1実施例の場合より若干弱くなる。]が下流側弾発部材(42b)の弾発力[=液体原料流入口(24)から弁体(40a)を離間させる方向の押圧力(Pc)]に打ち勝ってより弁体(40a)を後退させ、その結果、座刳り穴(40f)が液体原料流入口(24)を閉塞し、液体原料(L)のバイパス管路(36)への流入を阻止する(図5参照)。
【0048】
そして第1実施例と同様、液体原料分流用空間(18c)内に流れ込んだ液体原料(L)は、必然的に上流側センサ通孔(26a)を経由して強制的にセンサ管路(34)を通過することとなる。
【0049】
このように液体原料(L)がセンサ管路(34)へ強制的に流入させられるため、センサ管路(34)の内部にたとえ気体が存在したとしても、気体をセンサ管路(34)外へ押し出してしまうので、センサ管路(34)内部に存在する気体によって液体原料(L)の流れが阻害されることはない。従って、液体原料(L)の供給開始時点からセンサ管路(34)内に液体原料(L)を確実に供給することができる。
【0050】
センサ管路(34)内を液体原料(L)が通過してバイパス管路(36)の下流側に至ると、バイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力が上昇し、液体原料分流用空間(18c)内の圧力とバイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力との差が小さくなり、液体原料分流用空間(18c)内において弁体(40a)が受けている圧力が小さくなる。その結果、下流側弾発部材(42b)が若干伸長して弁体(40a)を液体原料流入口(24)から離間する方向へ移動させ、弁体(40a)の座刳り穴(40f)と液体原料流入口(24)との間に間隙(D)を生じる。すると、液体原料分流用空間(18c)内に流入していた液体原料(L)の大部分は分流し、間隙(D)を通ってバイパス管路(36)へと流れ、一部はそのままセンサ管路(34)を流れる。これにより通常の流れ(定常状態)となる(図4参照)。
【0051】
このような定常状態において、第1実施例で説明したように計測側主流路(18a)内のバイパス管路(36)には、センサ管路(34)を流れる液体原料(L)の流量のn倍の液体原料(L)が通流するので、センサ管路(34)内を流れる液体原料(L)の質量流量を正確に測定することで、バイパス管路(36)に供給される液体原料(L)の質量流量を正確に測定することができる。なお、本実施例におけるアクチュエータ(56)の制御については第1実施例の記述を援用する。
【0052】
次に、上流側弾発部材(42a)より下流側弾発部材(42b)の方がやや強い場合について説明する。即ち、上・下流側弾発部材(42a)(42b)の弾発力は、上流側弾発部材(42a)に比べて下流側弾発部材(42b)の方が若干強く、弁体(40a)に力が加わらない状態では弁体(40a)が上流側に移動してバイパス管路(36)の液体原料流入口(24)を開放する状態でバネバランスするようになっている。液体原料(L)の流入が開始すると、前記バネバランスが崩れ、流入開始時点で発生する動圧(Pp)が上・下流側弾発部材(42a)(42b)の差によって生ずる液体原料流入口(24)から離間する方向の押圧力(Pc)より大きいので、液体原料(L)からの流入開始時点で発生する動圧(Pp)を受けた弁体(40a)は後退し、座刳り穴(40f)が液体原料流入口(24)を閉塞し、液体原料(L)のバイパス管路(36)への流入を阻止する(図5参照)。
【0053】
その結果、前記同様、液体原料分流用空間(18c)内に流れ込んだ液体原料(L)は、必然的に上流側センサ通孔(26a)を経由して強制的にセンサ管路(34)を通過することとなる。
【0054】
そして、液体原料(L)がセンサ管路(34)へ強制的に流入させられるため、センサ管路(34)の内部にたとえ気体が存在したとしても、気体をセンサ管路(34)外へ押し出してしまうので、センサ管路(34)内部に存在する気体によって液体原料(L)の流れが阻害されることはない。従って、液体原料(L)の供給開始時点からセンサ管路(34)内に液体原料(L)を確実に供給することができる。
【0055】
センサ管路(34)内を液体原料(L)が通過してバイパス管路(36)の下流側に至ると、バイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力が上昇し、液体原料分流用空間(18c)内の圧力とバイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力との差が小さくなり、液体原料分流用空間(18c)内において弁体(40a)が受けている圧力が小さくなる。そして、前記上昇したバイパス管路(36)の下流側の計測側主流路(18a)内の圧力を(Ps)とすると、上・下流側弾発部材(42a)(42b)の差から受ける押圧力(Pc)と前記下流側の計測側主流路(18a)内の圧力(Ps)との和(Pc+Ps)が流入開始時点で発生する動圧(Pp)よりも大きくなると、弁体(40a)は液体原料流入口(24)から離間する方向へ移動し始め、弁体(40a)の座刳り穴(40f)と液体原料流入口(24)との間に間隙(D)が生じる。すると、液体原料分流用空間(18c)内に流入していた液体原料(L)の大部分は分流し、間隙(D)を通ってバイパス管路(36)へと流れ、一部はそのままセンサ管路(34)を流れる。これにより通常の流れ(定常状態)となる(図4参照)。
【0056】
このような定常状態において、第1実施例で説明したように計測側主流路(18a)内のバイパス管路(36)には、センサ管路(34)を流れる液体原料(L)の流量のn倍の液体原料(L)が通流するので、センサ管路(34)内を流れる液体原料(L)の質量流量を正確に測定することで、バイパス管路(36)に供給される液体原料(L)の質量流量を正確に測定することができる。
【0057】
図3は、本発明の液体原料質量流量制御部(14)のない液体原料質量流量計(B)単体の場合で、その説明は前記第1,2実施例を援用する。なお、液体原料質量流量計(B)は、その下流に別体の流量制御バルブ(図示せず)を接続することにより液体原料質量流量制御器(A)同等の装置として使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の液体原料質量流量制御器を示す断面図である。
【図2】 弁体を閉操作した状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の液体原料質量流量計を示す断面図である。
【図4】 本発明の第2実施例の液体原料質量流量制御器を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の第2実施例における弁体を閉操作した状態を示す部分断面図である。
【図6】 従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
(A)…液体原料質量流量制御器
(B)…液体原料質量流量計
(12)…液体原料質量流量測定部
(14)…液体原料質量流量制御部
(16)…ハウジング
(18a)…計測側主流路
(18b)…制御側流路
(18c)…液体原料分流用空間
(30)…センサ管
(34)…センサ管路
(36)…バイパス管路
(40)…弁体
(42)…弾発部材
(46)…測定装置

Claims (6)

  1. (a) 内部を流れる液体原料の質量流量を測定するためのセンサ管路と、
    (b) 前記センサ管路の入口が上流側に接続され、前記センサ管路の出口が下流側に接続され、前記センサ管路の内部を流れる前記液体原料の質量流量のn倍の液体原料が通流するバイパス管路と、
    (c) 前記バイパス管路の上流側に設けられ、前記センサ管路の入口が開口している液体原料分流用空間と、
    (d) 前記液体原料分流用空間内において、前記バイパス管路の液体原料流入口に対して近接・離間自在に設けられ、上流側から前記液体原料分流用空間に流入開始がなされた液体原料の流入開始時点で発生する動圧を受けて下流側へ向けて移動することにより前記バイパス管路の液体原料流入口を閉塞して液体原料を前記センサ管路に通流させ、且つ、前記センサ管路を通って前記バイパス管路の下流側に液体原料が至ると前記バイパス管路の前記液体原料流入口から離間して前記バイパス管路に液体原料を通流させる弁体、および弾発力により前記弁体を前記液体原料流入口から離間する方向へ付勢する弾発部材を有する弁機構とを備える液体原料質量流量計。
  2. (a−1) 内部を流れる液体原料の質量流量を測定するためのセンサ管路と、
    (a−2) 前記センサ管路の入口が上流側に接続され、前記センサ管路の出口が下流側に接続され、前記センサ管路の内部を流れる前記液体原料の質量流量のn倍の液体原料が通流するバイパス管路と、
    (a−3) 前記バイパス管路の上流側に設けられ、前記センサ管路の入口が開口している液体原料分流用空間と、
    (a−4) 前記液体原料分流用空間内において、前記バイパス管路の液体原料流入口に対して近接・離間自在に設けられ、上流側から前記液体原料分流用空間に流入開始がなされた液体原料の流入開始時点で発生する動圧を受けて下流側へ向けて移動することにより前記バイパス管路の液体原料流入口を閉塞して液体原料を前記センサ管路に通流させ、且つ、前記センサ管路を通って前記バイパス管路の下流側に液体原料が至ると前記バイパス管路の前記液体原料流入口から離間して前記バイパス管路に液体原料を通流させる弁体、および弾発力により前記弁体を前記液体原料流入口から離間する方向へ付勢する弾発部材を有する弁機構とを備える液体原料質量流量測定部、および
    (b) 前記センサ管路および前記バイパス管路の下流側に設けられ、前記液体原料質量流量測定部での測定結果に応じて液体原料の流出質量流量を制御する液体原料質量流量制御部を備えることを特徴とする液体原料質量流量制御器。
  3. (a) 前記弁機構は、前記液体原料流入口を開閉する弁体と、前記弁体をバイパス管路の液体原料流入口から離間させて保持する方向に常時押圧付勢する弾発部材とで構成されており、
    (b) 前記弾発部材は、その弾発力が前記液体原料分流用空間に供給される液体原料の流入開始時点で発生する動圧よりも弱く、その動圧によって収縮して弁体の後端が前記液体原料流入口を閉塞し、かつ、
    (c) 前記液体原料流入開始終了後の定常流入時の定常流入圧力より強く、定常流入時に伸長して弁体の後端をバイパス管路の液体原料流入口から離間させて前記液体原料流入口を開放するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体原料質量流量計又は液体原料質量流量制御器。
  4. (a) 前記弾発部材が前記弁体の上流側および下流側に配設されており、上・下流側弾発部材の弾発力が等しく、前記液体原料の流入開始時に流入開始時点で発生する動圧にて下流側弾発部材が撓まされて弁体にてバイパス管路の液体原料流入口が閉鎖され、
    (b) 定常流入時には定常流入圧力に抗して下流側弾発部材が伸長してバイパス管路の液体原料流入口が開放されるようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体原料質量流量計又は液体原料質量流量制御器。
  5. 前記弾発部材が前記弁体の上流側および下流側に配設されており、上流側弾発部材より下流側弾発部材の方が弾発力が大きく、両弾発部材の弾発力の差が前記液体原料の流入開始時点で発生する動圧より小さく、定常流入圧力より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体原料質量流量計又は液体原料質量流量制御器。
  6. (a) センサ管路に液体原料を通流させてその質量流量を測定すると共に前記センサ管路に流れる前記液体原料の質量流量のn倍の前記液体原料をバイパス管路に通流させて(n+1)倍の大容量の前記液体原料の質量流量を計測する液体原料の質量流量計測方法において、
    (b) 前記液体原料の流入開始時に、前記液体原料の動圧を受けて移動した弁体が前記バイパス管路を閉塞することにより、流入した前記液体原料を前記センサ管路に強制的に通流させ、
    (c) 前記液体原料が前記センサ管路を通過した後、弾発部材の弾発力によって移動した前記弁体が前記バイパス管路を開放することを特徴とする液体原料質量流量計或いは液体原料質量流量制御器における液体原料のセンサ管路への通流方法。
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