JP3950324B2 - 自動製氷装置及びこの自動製氷装置を備えた冷蔵庫 - Google Patents

自動製氷装置及びこの自動製氷装置を備えた冷蔵庫 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、氷点下の雰囲気で水を一時的に蓄えて氷を生成する製氷皿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍冷蔵庫の冷凍室に配置され、手動または自動で供給された水で氷を生成する製氷皿は、複数の凹型の氷室を一体的に樹脂成形したものが広く利用されており、特に近年では、特開平10−30864号公報に開示されているように、製氷皿をモータによって捻り製氷皿から氷を分離させる自動製氷装置が普及している。
【0003】
以下、従来の製氷皿について図面を用いて説明する。図8は自動製氷装置の製氷皿を示す正面図であり、1は製氷皿で、2は製氷皿1を複数個の凹部3に区分する枠である。4は製氷皿1を回転させる駆動部である。
【0004】
上記の構成における動作は、まず、凹部3に注水された水が十分凍結すると駆動部4により、製氷皿1は回転を始め、所定の角度に到達したところでストッパー5(図示せず)と製氷皿1のコーナー近傍が当接し、製氷皿は捻じられる。
【0005】
このとき製氷皿1および凹部3は略ひし形に変形し、凹部3内の氷を捻り出すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成は、製氷皿1を捻った際に凹部3の枠2は大きく変形するので、枠2の壁面から氷が離れやすいが、底面は変形が小さく、氷が底面から離れ難く、その結果、氷の底面側コーナーに割れ、欠けが発生し易い。
【0007】
本発明は従来の課題を解決するもので、氷の割れ、欠けの発生を抑制する製氷皿を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、供給された水を一時的に蓄えて、大きい氷を生成する製氷皿と、小さい氷を生成する製氷皿と、前記2つの製氷皿を反転させて氷を放出させる駆動部とで構成された自動製氷装置において、少なくとも前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記製氷皿内の底面側に、0℃よりも低い温度で形状変化を起こす感温変位素子を配置したことを特徴とする自動製氷装置であり、製氷皿の水が凍結した後に感温変位素子が形状変化することにより、感温変位素子の変位と力が氷に伝わり、製氷皿からの氷の分離が促進され、小さい氷を生成した際には、氷が製氷皿から分離しており、駆動部によって製氷皿を反転させると、氷自身の自重で製氷皿から放出される。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、感温変位素子は形状変化を起こす温度帯が2つあり、一方の温度帯と他方の温度帯との間には少なくとも5度以上の隔たりがあるようにしたものであり、感温変位素子は一方の温度帯における形状から他方の温度帯における形状への変化する際に少なくとも5度分のエネルギーを蓄積して、変化の際にそのエネルギーを開放するという作用を有する。
【0010】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、製氷皿内の底面に感温変位素子を収納する窪みを設け、前記窪みはシート状の弾性部材で覆われているものであり、感温変位素子の変形時に氷を傷つけずに力を伝える作用を有する。
【0011】
次に、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、弾性部材をシリコンゴムとしたものであり、低温化においても弾性を維持できるので感温変位素子の形状変化を確実に氷に伝えることができる。
【0012】
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、感温変位素子は、0℃よりも低い所定温度に到達したとき下に凸の形状から上に凸の形状へ変化するバイメタル素子で構成したものであり、製氷皿の水は凍結すると温度が低下しバイメタル素子が変形する所定の温度まで冷却される。このときバイメタル素子は下に凸から上に凸の形状へ変形し、この変形が氷に伝わり製氷皿から氷が浮き上がるという作用を有する。
【0013】
次に、請求項6に記載の発明は、請求項5の発明において、バイメタル素子は0℃以上では下に凸の形状を維持し、−7℃より低い温度で上に凸の形状に変化するものであり、製氷皿内の氷が凍結し更に冷却された状態のときにバイメタル素子が変形するという作用を有する。
【0014】
次に、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、感温変位素子を、0℃よりも低い所定温度に到達したとき縮んだ形状から伸びた形状へ変化する形状記憶素子で構成したものであり、形状記憶素子が縮み形状から伸び形状へ変化する際の変位と力を氷に伝えるという作用を有する。
【0015】
次に、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、形状記憶素子は、0℃以上では縮んだ形状を維持し、−7℃より低い温度で伸びた形状に変化するものであり、製氷皿内の氷が凍結し更に冷却された状態のときに形状記憶素子が変形するという作用を有する。
【0016】
次に、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の発明において、形状記憶素子は、形状記憶合金をコイルバネ状に成形したものであり、製氷皿底面に設けた窪みへの収納性が良くなる。
【0017】
次に、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、形状記憶素子は縮んだ形状が平らな渦巻き状で、伸びた形状が円錐形の渦巻き状を成すコイルバネとしたものであり、高さ方向の寸法を低く設定できる。
【0018】
次に、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、感温変位素子を、0℃よりも低い所定温度に到達したときに凍結する水溶液で構成したものであり、水溶液が凍結する際の体積膨張による変位と力が氷に伝達され、氷が製氷皿から浮き上がるという作用がある。
【0019】
次に、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、水溶液をアルコール濃度15%の水溶液にしたものであり、水溶液の氷点が−7℃となり、製氷皿の水が完全に凍ってから、水溶液が凍結するという作用を有する。
【0020】
次に、請求項13に記載の発明は、請求項11または請求項12に記載の発明において、水溶液が高分子吸収体によって保持されているものであり、凍結時は高分子吸収体が膨張するという作用を有する。
【0023】
次に、請求項1に記載の発明は、請求項1から請求項13に記載の自動製氷装置を備えた冷蔵庫であり、製氷皿で氷が生成されたときには、氷が製氷皿から分離しており、駆動部によって製氷皿を反転させると、氷自身の自重で製氷皿から放出されるので、製氷皿と氷が擦られて軋むことなく、軋み音が冷蔵庫から漏れ出てこない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による製氷皿の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による製氷皿の平面図であり、図2は図1における製氷皿のI−I線での断面側面図である。図1、図2において、11はポリプロピレン製の製氷皿で、12は製氷皿11を複数個の氷室13に区分する区画壁、14は氷室13内の各底面に設けられた窪みであり、後述の感温変位素子を収納できるだけの深さに形成されている。15は各氷室13に注水を分配するための共通溝である。
【0026】
16は製氷皿11の氷室13内の各底面に設けられた窪み14に配置され、低温で下に凸の形状から上に凸の形状に変化するバイメタル素子である。図3はバイメタル素子を示す斜視図であり、バイメタル素子16は、母材となる厚さ0.2mmのバイメタル板を小判形にプレス抜きし、直径15mm〜20mmの球面を有するポンチを用いて絞り加工することで碗状に成形されている。
【0027】
本実施の形態のバイメタル素子16は0℃以上では下に凸の形状になり、−7℃以下では上に凸の形状になるように設定しているので、氷室13内の水が完全に凍結し氷が生成されて以降に、バイメタル素子16が変形するので、その変位と力が氷に確実に伝わる。
【0028】
17は、水あるいは氷が氷室13の窪み14に配置されたバイメタル素子16と直接接触しないように窪み14の開口部を覆う弾性部材からなるカバーであり、バイメタル素子16の変位と力を氷に伝達する機能も有する。
【0029】
本実施の形態では、カバー17は、片面にホットメルト系接着剤をコーティングしたシート状のシリコンゴムから成り、窪み14の開口部を覆うように氷室13の底面に押し付け加温することで氷室13の底面に密着させることができる。
【0030】
以上の様に構成された製氷皿について、その動作を説明する。まず製氷皿11の各氷室13へ供給された水が凍結し、更に冷却が進み−7℃より低い温度まで冷却されると、氷室13の底面に配置されたバイメタル素子16の温度も−7℃より低くなり、バイメタル素子16は上に凸の形状に変化する。
【0031】
カバー17はシリコンゴムで成形されているので、低温においても適度の弾性を有するので、バイメタル素子16の変位と力はカバー17を介してそのまま氷に伝達され、氷は氷室13の開口側へ押し上げられ、氷室13から浮き上がる。
【0032】
したがって、製氷皿11を反転させ捻る際に、氷室13に十分な捻り力が加わらなくても予め氷が分離しているので、氷が製氷皿11から剥離し易く、割れ、欠けが抑制されるのである。
【0033】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2による製氷皿の断面側面図である。なお、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0034】
26は製氷皿11の氷室13内の各底面に設けられた窪み14に配置され、所定温度において縮み形状から伸び形状に変化する形状記憶合金から成るコイルバネ状の形状記憶素子であり、窪み14への収納時の座りがよく、位置決めし易く、収納性がよい。
【0035】
図5は形状記憶素子を示す斜視図であり、図5に示すように、形状記憶素子26は、縮んでいるときは平らな渦巻き形状で、伸びたときは渦巻きの中心側端部をつかんで伸ばしたような円錐形の渦巻き状を成す。したがって平らな渦巻き状で窪み14へ収納できるので、設置スペースが小型にできる。
【0036】
本実施の形態の形状記憶素子26は0℃以上では縮み形状となり、−7℃より低い温度では伸び形状になるように設定しているので、氷室13内の水が完全に凍結し氷が生成されてから、形状記憶素子26が変形するので、その変位と力が氷に確実に伝わる。
【0037】
以上の様に構成された製氷皿について、その動作を説明する。まず製氷皿11の各氷室13へ供給された水が凍結し、更に冷却が進み−7℃より低い温度に冷却されると、氷室13の底面に配置された形状記憶素子26の温度も−7℃より低くなり、形状記憶素子26は伸び形状に変化する。
【0038】
カバー17はシリコンゴムで成形されているので、低温においても適度の弾性を有するので、形状記憶素子26の変位はカバー17を介してそのまま氷に伝達され、氷は氷室13の開口側へ押し上げられ、氷室13から浮き上がる。
【0039】
したがって、製氷皿11を反転させ捻る際に、氷室13に十分な捻り力が加わらなくても予め氷が分離しているので、氷が製氷皿11から剥離し易く、割れ、欠けが抑制されるのである。
【0040】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3による製氷皿の断面側面図である。なお、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
36は製氷皿11の氷室13内の各底面に設けられた窪み14に配置され、所定温度以下で凍結し膨張する水溶液を吸収させた高分子吸収体である。
【0042】
本実施の形態の水溶液は、アルコール濃度15%の水溶液であり、−7℃より高い温度では液体であるが、−7℃より低い温度で凍結し膨張する。したがって、この水溶液を吸収している高分子吸収体36も−7℃より低い温度で凍結・膨張することとなり、氷室13内の水が完全に凍結し氷が生成されてから、高分子吸収体36が膨張するので、その変位と力が氷に確実に伝わる。
【0043】
以上の様に構成された製氷皿について、その動作を説明する。まず製氷皿11の各氷室13へ供給された水が凍結し、更に冷却が進み−7℃より低い温度まで冷却されると、氷室13の底面に配置された高分子吸収体36の温度も−7℃を下回る温度に到達し、高分子吸収体36は凍結・膨張する。
【0044】
カバー17はシリコンゴムで成形されているので、低温においても適度の弾性を有するので、高分子吸収体36の変位はカバー17を介してそのまま氷に伝達され、氷は氷室13の開口側へ押し上げられ、氷室13から浮き上がる。
【0045】
したがって、製氷皿11を反転させ捻る際に、氷室13に十分な捻り力が加わらなくても予め氷が分離しているので、氷が製氷皿31から剥離し易く、割れ、欠けが抑制されるのである。
【0046】
図7は、自動製氷装置を備えた冷蔵庫を示す要部縦断面図であり、自動製氷装置には実施の形態1、2、3で説明した製氷皿が採用されている。ここでは、実施の形態3で説明した製氷皿を備えているものとして説明する。
【0047】
40は冷蔵庫であり、温度がほぼ3℃に維持された冷蔵室41と、温度がほぼ−20℃に維持された冷凍室42を有する。
【0048】
43は自動製氷装置であり、冷蔵室41に装備された給水部44と、製氷皿11を駆動する駆動部45と、給水部44と駆動部45の動作を制御する制御部46とで構成される。
【0049】
駆動部45は、駆動部45のほぼ中央から出て製氷皿11の回転中心軸に連結される出力軸45aを有し、出力軸45aは、駆動部45の内部に収納されたモータ47(図示せず)とそのモータ47の回転を減速伝達する減速歯車48(図示せず)によって回転する。
【0050】
49は製氷皿11の底面に密着固定された温度センサーであり、その温度情報は制御部46へ入力される。たとえば、製氷皿11に水が供給されたときは、製氷皿11の温度が上昇するので、制御部46はその温度を検知して製氷皿11に水が供給されたことを認識し、水が凍結して氷が生成されると製氷皿11の温度が水の氷結温度以下になるので、制御部46はその温度を検知して氷が生成されたことを認識する。
【0051】
本実施の形態では、製氷皿11の温度が0℃以上になると製氷皿11に水が供給されたと判断し、製氷皿11の温度が−5℃以下になると製氷皿11で水が完全に凍結し氷が生成されたと判断し、更に温度センサー49が−12℃を検知するまで待機する。
【0052】
50は製氷皿11の下方に配置され、製氷皿11から放出される氷を一時的に蓄える貯氷箱である。
【0053】
以上のように構成された自動製氷装置について、その動作を説明する。まず、製氷皿11に給水部44から水が供給されると、水は共通溝15から各氷室13へ流れほぼ均等量の水が各氷室13に蓄えられる。製氷皿11はそのままの状態を維持して各氷室13内の水が凍結し氷が生成されるのを待つ。
【0054】
製氷皿11の各氷室13に供給された水は冷凍室42内で−20℃の雰囲気に曝されるので、水は冷却され0℃から−5℃の範囲で凍結が始まる。水温は凍結が始まって凍結が完了するまでほぼ一定となり、凍結が完了し氷が生成されると氷の温度は下降し始める。
【0055】
そして氷の温度が下降し−7℃を下回ると、氷室13の窪み14に配置された高分子吸収体36の水溶液が氷結する。水溶液が氷結すると体積が膨張するので高分子吸収体36も膨張し、その形状変化が変位と力になってカバー17へ伝わる。カバー17はシリコンゴムで成形されてので、低温においても弾性を失うことなく高分子吸収体36の変位と力を氷室13内の氷に伝え、氷を氷室13から分離させる。
【0056】
氷の温度が−12℃以下まで冷却されると、高分子吸収体36内の水溶液の凍結と膨張も完了し、各氷室13内の氷は氷室13から浮き上がっている。
【0057】
そして、製氷皿11に密着固定された温度センサー49によって製氷皿11の温度が−12℃に到達したことを検知され制御部46へ入力される。これによって、制御部46は駆動部45を動作させ製氷皿を反転させる。
【0058】
製氷皿11は反転し、開口部が下方を向き出した時点で、各氷室から浮き上がっていた氷が、製氷皿11の下方に配置された貯氷箱50に自重で落下する。
【0059】
駆動部45は、製氷皿11を大きなトルクで捻る必要もないので、小型化、省部品化ができ、自動製氷装置43の低コスト化が図れる。
【0060】
また、自動製氷装置43に備える製氷皿は2つでもよく、一方の製氷皿で生成する氷よりも、他方の製氷皿で生成する氷の方が小さい場合は、すくなくとも小さい氷の出来る製氷皿に、実施の形態1から実施の形態3で説明した製氷皿を採用するのが好ましい。
【0061】
なぜなら、氷が小さいということは、氷室の大きさが小さいことであり、製氷皿が捻じられたときの氷室の変形も小さく、氷に力が伝わり難く氷室から分離し難いので、予め氷を氷室から浮き上がらせておくのが有効となる。
【0062】
したがって、2つの製氷皿をつかって、大きさのことなる氷をつくる自動製氷装置の場合には、小さい氷をつくる側の製氷皿に、実施の形態1から実施の形態3で説明した製氷皿を採用するのが好ましいのである。
【0063】
また、実施の形態1から実施の形態3の製氷皿を採用した自動製氷装置は、製氷皿と氷との間では擦れによる軋み音も発生せず、冷蔵庫からは軋み音が漏れ出て来ないので、使用者に不快感を与えることはない。
【0064】
以上、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で説明したように、製氷皿11の13氷室の底面に、−7℃よりも低い温度で形状変化する感温変位素子(13、26、36)を収納する窪み14を設け、その窪み14の開口部をシリコンゴム製のカバー17で覆うことにより、氷が生成された後に、氷室13底面の感温変位素子(16、26、36)が形状変化し、その変位と力がカバー17を介して氷に伝達され、氷が浮き上がるのである。
【0065】
また、この製氷皿を備えた自動製氷装置43においては、駆動部45が製氷皿11を反転させると、製氷皿11の氷室13から浮き上がっていた氷が自重で貯氷箱50に落下するので、従来のように大きなトルクで製氷皿11を捻る必要がなくなり、駆動部45の簡素化、省部品化を図り、低コスト化を達成することができる。
【0066】
また、製氷皿11を大きなトルクで捻らないので、製氷皿と氷が擦れて軋み音を発生させるもなくなる。
【0067】
さらに、この自動製氷装置43を備えた冷蔵庫41においては、氷を製氷皿11から放出させる際に、製氷皿11と氷が擦れて軋み音が発生するという現象が解消されているので、冷蔵庫41から軋み音が漏れ出ることがなく、不快感を与えることはないのである。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明は、供給された水を一時的に蓄えて、大きい氷を生成する製氷皿と、小さい氷を生成する製氷皿と、前記2つの製氷皿を反転させて氷を放出させる駆動部とで構成された自動製氷装置において、少なくとも前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記製氷皿内の底面側に、0℃よりも低い温度で形状変化を起こす感温変位素子を配置した。これによって、製氷皿の水が凍結した後に製氷皿の底面が形状変化を起こすことにより、製氷皿底面からの氷の分離が促進され、氷の割れ、欠けが抑制される。また、これによって、元来、製氷皿から剥がれ難い傾向にあった小さい氷を生成した際でも、氷は製氷皿から浮き上がっているので、容易に製氷皿から放出できる。
【0069】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、感温変位素子は形状変化を起こす温度帯が2つあり、一方の温度帯と他方の温度帯との間には少なくとも5度以上の隔たりがあるようにした。これによって、感温変位素子は一方の温度帯における形状から他方の温度帯における形状へ変化する際に少なくとも5度分のエネルギーを蓄積して、変化の際にそのエネルギーを開放するため、氷の底面に十分な力が作用し、製氷皿底面からの氷の分離がより促進される。
【0070】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、製氷皿内の底面に感温変位素子を収納する窪みを設け、その窪みはシート状の弾性部材で覆われているものであり、感温変位素子の変形時に氷を傷つけずに力を伝え、氷と感温変位素子との当たり音も解消できる。
【0071】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、弾性部材をシリコンゴムとしたものであり、低温化においても弾性を維持できるので感温変位素子の形状変化を確実に氷に伝えることができる。
【0072】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、感温変位素子は、0℃よりも低い所定温度に到達したとき下に凸の形状から上に凸の形状へ変化するバイメタル素子で構成した。これによって、製氷皿内の氷の温度がバイメタル素子の変形する所定温度まで冷却されると、製氷皿の底面に配置されたバイメタル素子が下に凸から上に凸の形状へ変形し氷室13から氷を浮き上がらせるので、氷の分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制する。
【0073】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、バイメタル素子は0℃以上では下に凸の形状を維持し、−7℃より低い温度で上に凸の形状に変化するようにした。これによって、凍結が比較的遅い製氷皿底面側の水が確実に凍ってからバイメタル素子が変形することになるので、バイメタル素子の変形時の変位と力が氷の底面によく伝わり、氷室からの分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制することができる。
【0074】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、感温変位素子を、0℃よりも低い所定温度に到達したとき縮んだ形状から伸びた形状へ変化する形状記憶素子で構成した。これによって、形状記憶素子が縮み形状から伸び形状へ変化する際の変位と力を、氷の底面から鉛直上方に確実に伝えることができるので、氷室からの分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制することができる。
【0075】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、形状記憶素子は、0℃以上では縮んだ形状を維持し、−7℃より低い温度で伸びた形状に変化するものである。これによって、凍結が比較的遅い製氷皿底面側の水が確実に凍ってから形状記憶素子が変形することになるので、形状記憶素子の変形時の変位と力が氷の底面によく伝わり、氷室からの分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制することができる。
【0076】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の発明において、形状記憶素子は、形状記憶合金をコイルバネ状に成形したものである。これによって、製氷皿の各氷室への収納性が良くなり、製氷皿の底面の大型化を解消できる。
【0077】
次に、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、形状記憶素子は縮んだ形状が平らな渦巻き状で、伸びた形状が円錐形の渦巻き状を成すコイルバネにしたものである。これによって、製氷皿の氷室の高さを低く設定できるので、製氷皿の高さ寸法の小型化が図れる。
【0078】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、感温変位素子を、0℃よりも低い所定温度に到達したときに凍結する水溶液で構成した。これによって、水溶液が凍結する際の体積膨張による変位と力が氷に伝達され、氷室からの分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制することができる。
【0079】
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、水溶液をアルコール濃度15%の水溶液にした。これによって、水溶液の氷点が−7℃となり、凍結が比較的遅い製氷皿底面側の水が完全に凍ってから水溶液が凍結することとなり、水溶液の体積膨張による変位と力が確実に製氷皿内の氷に伝わり、氷室からの分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制することができる。
【0080】
また、請求項13に記載の発明は、請求項11または請求項12に記載の発明において、水溶液が高分子吸収体によって保持されている。これによって、水溶液の収納が容易になる上に、凍結時は高分子吸収体が膨張するので、高分子吸収体の形状変化による変位と力が氷に伝わり、氷室からの分離が促進され、氷の割れ、欠けを抑制することができる。
【0083】
また、請求項1に記載の発明は、請求項1から請求項13に記載の自動製氷装置を備えた冷蔵庫である。これによって、製氷皿で氷が生成されたときには、氷が製氷皿から分離しており、駆動部によって製氷皿を反転させると、氷自身の自重で製氷皿から放出されるので、製氷皿と氷が擦られて軋むことがなく、冷蔵庫から軋み音が漏れ出て不快感を与えることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製氷皿の実施の形態1の平面図
【図2】同実施の形態の製氷皿の断面側面図
【図3】同実施の形態の製氷皿に配置されたバイメタル素子の斜視図
【図4】本発明による製氷皿の実施の形態2の断面側面図
【図5】同実施の形態の製氷皿に配置された形状記憶素子の斜視図
【図6】本発明による製氷皿の実施の形態3の断面側面図
【図7】本発明による製氷皿の実施の形態1から3のいずれか1つを備えた自動製氷装置およびこの自動製氷装置を備えた冷蔵庫を示す要部縦断面図
【図8】従来の製氷皿の正面図
【符号の説明】
11 製氷皿
16 バイメタル素子(感温変位素子)
17 シリコンゴム(弾性部材)
26 形状記憶素子(感温変位素子)
36 高分子吸収体(感温変位素子)
41 冷蔵庫
43 自動製氷装置
45 駆動部

Claims (14)

  1. 供給された水を一時的に蓄えて、大きい氷を生成する製氷皿と、小さい氷を生成する製氷皿と、前記2つの製氷皿を反転させて氷を放出させる駆動部とで構成された自動製氷装置において、少なくとも前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記製氷皿内の底面側に、0℃よりも低い温度で形状変化を起こす感温変位素子を配置したことを特徴とする自動製氷装置
  2. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記感温変位素子は形状変化を起こす温度帯が2つあり、一方の温度帯と他方の温度帯との間には少なくとも5度以上の隔たりがあるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動製氷装置
  3. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記製氷皿内の底面に前記感温変位素子を収納する窪みを設け、前記窪みはシート状の弾性部材で覆われていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動製氷装置
  4. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記弾性部材がシリコンゴムであることを特徴とする請求項3に記載の自動製氷装置
  5. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記感温変位素子を、0℃よりも低い所定温度に到達したとき下に凸の形状から上に凸の形状へ変化するバイメタル素子で構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の自動製氷装置
  6. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記バイメタル素子は0℃以上では下に凸の形状を維持し、−7℃より低い温度で上に凸の形状に変化することを特徴とする請求項5に記載の自動製氷装置
  7. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、温変位素子を、0℃よりも低い所定温度に到達したとき縮んだ形状から伸びた形状へ変化する形状記憶素子で構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の自動製氷装置
  8. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記形状記憶素子は、0℃以上では縮んだ形状を維持し、−7℃より低い温度で伸びた形状に変化することを特徴とする請求項7に記載の自動製氷装置
  9. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記形状記憶素子は、形状記憶合金をコイルバネ状に成形したものであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の自動製氷装置
  10. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記形状記憶素子は縮んだ形状が平らな渦巻き状で、伸びた形状が円錐形の渦巻き状を成すコイルバネであることを特徴とする請求項9に記載の自動製氷装置
  11. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、感温変位素子を、0℃よりも低い所定温度へ到達したときに凍結する水溶液で構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の自動製氷装置
  12. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記水溶液をアルコール濃度15%の水溶液にしたことを特徴とする請求項11に記載の自動製氷装置
  13. 前記小さい氷を生成する製氷皿は、前記水溶液が高分子吸収体によって保持されていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の自動製氷装置
  14. 請求項1から請求項13に記載の自動製氷装置を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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