JP3950133B2 - 高周波回路基板 - Google Patents
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Description
本発明は、同一基板上にある高周波回路の特性を測定できる伝送線路を備えた高周波回路基板に関するものである。
近年、高速無線LAN、衛星放送など次世代の無線通信技術への応用のため、容量の大きなデータを高速に伝送可能とするマイクロ波、ミリ波と呼ばれる周波数3GHz〜300GHz、波長1mm〜10cmの電磁波が注目されている。伝送できる情報量が大きく、小型のアンテナで通信できることから、移動通信に用いられ、ITS(次世代交通システム)や自動車衝突防止レーダへの応用がされ始めている。
例えば、自動車に搭載する無線装置は、スペースが限られるため装置の小型化が求められており、無線設備のアンテナ部と無線送受信回路を同一基板上に配置することで小型化を図っている。無線設備のアンテナ部と無線送受信回路を同一基板上に配置した場合、アンテナの特性や無線送受信回路の特性を別個に測定することが困難であるため、無線送受信機の出荷検査等のために、アンテナ部と無線高周波回路との間に検査用のコネクタを増設し、測定する方法も開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−111379号公報
しかし、出荷検査で高周波特性を測定するのは出荷前だけであり、そのための回路を基板に別途作り、コネクタ等の部品を取り付けるのは無線装置の小型化を妨げ、製造コストも不利となる。また、基板上に配置した検査用の回路がアンテナとなり、同一周波数帯を使用している他の機器からの輻射を受信することになり、特性の良い通信及び検査をすることが難しくなる。
本発明では検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を測定可能とする高周波回路基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願第一の発明に係る高周波回路基板は、マイクロストリップ線路に非接触である少なくとも2つの接地端子パッドを備え、2つの接地端子パッド間の距離の前記マイクロストリップ線路の長手方向成分が伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さとなるように配置することとした。
具体的には、本願第一の発明は、マイクロストリップ線路と、前記マイクロストリップ線路に非接触である少なくとも2つの接地端子パッドと、を備え、前記接地パッド端子のうち、2つの接地パッド端子における中心点間距離の前記マイクロストリップ線路の長手方向成分が前記マイクロストリップ線路で伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであることを特徴とする高周波回路基板である。
前記マイクロストリップ線路上の一の点と前記接地端子パッドの一つとを短絡することで、前記一の点から前記マイクロストリップ線路上を伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた距離だけ離れた他の点から前記一の点をみると、前記一の点側のマイクロストリップ線路は高インピーダンスとなり、前記一の点側は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記他の点に接触させることで前記他の点に対し前記一の点の反対側の前記マイクロストリップ線路に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
従って、本願第一の発明に係る高周波回路基板は伝送される信号への影響を少なくし、かつ検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を測定することができ、無線設備の小型化を図ることができる。
上記目的を達成するために、本願第二の発明に係る高周波回路基板は、一組の接地端子パッド対を基板上のマイクロストリップ線路を挟むように配置し、もう一組の接地端子パッド対も前記マイクロストリップ線路を挟むように配置し、その二組の接地端子パッド対を伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた間隔をおいて配置することとした。
具体的には、本願第二の発明は、マイクロストリップ線路と、前記マイクロストリップ線路に非接触である第一接地端子パッドと、前記マイクロストリップ線路に非接触であり、かつ前記マイクロストリップ線路に対し前記第一接地端子パッドの側と反対側に配置された第二接地端子パッドと、前記マイクロストリップ線路及び前記第一接地端子パッドに非接触であり、かつ前記マイクロストリップ線路に対し前記第一接地端子パッドの側に配置された第三接地端子パッドと、前記マイクロストリップ線路及び前記第二接地端子パッドに非接触であり、かつ前記マイクロストリップ線路に対し前記第二接地端子パッドの側に配置された第四接地端子パッドと、を備え、前記第一接地端子パッドの中心点と前記第二接地端子パッドの中心点とを結ぶ第一仮想線と前記マイクロストリップ線路の長手方向の中心線との交点(以下、前記第一接地端子パッドの中心点と前記第二接地端子パッドの中心点とを結ぶ第一仮想線と前記マイクロストリップ線路の長手方向の中心線との交点を「第一交点」とする。)から、前記第三接地端子パッドの中心点と前記第四接地端子パッドの中心点とを結ぶ第二仮想線と前記マイクロストリップ線路の長手方向の中心線との交点(以下、前記第三接地端子パッドの中心点と前記第四接地端子パッドの中心点とを結ぶ第二仮想線と前記マイクロストリップ線路の長手方向の中心線との交点を「第二交点」とする。)までの間隔が、前記マイクロストリップ線路で伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであることを特徴とする高周波回路基板である。
前記マイクロストリップ線路上の前記第一交点と前記第一接地端子パッド及び前記第二接地端子パッドとを短絡することで、前記第二交点からみると前記第一交点側のマイクロストリップ線路は高インピーダンスとなり、前記第一交点側は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記第二交点に接触させることで前記第二交点に対し前記第一交点の反対側の前記マイクロストリップ線路に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
逆に、前記マイクロストリップ線路上の前記第二交点と前記第三接地端子パッド及び前記第四接地端子パッドとを短絡することで、前記第一交点からみると前記第二交点側のマイクロストリップ線路は高インピーダンスとなり、前記第二交点側は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記第一交点に接触させることで前記第一交点に対し前記第二交点の反対側の前記マイクロストリップ線路に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
従って、本願第二の発明に係る高周波回路基板は伝送される信号への影響を少なくし、かつ検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を測定することができ、無線設備の小型化を図ることができる。
本願第二の発明に係る高周波回路において、前記第一接地端子パッドの形状、前記第二接地端子パッドの形状、前記第三接地端子パッドの形状又は/及び前記第四接地端子パッドの形状が、前記マイクロストリップ線路の長手方向に対し平行な方向の幅が前記マイクロストリップ線路に向かって狭くなる形状としてもよい。
マイクロストリップ線路の付近に接地端子パッドが存在すると、接地端子パッドが接地プレーンとなり、局所的にコプレーナ線路となるためインピーダンス不整合が生ずる。そこで、接地端子パッドの形状を前記マイクロストリップ線路の長手方向に対し平行な方向の幅が前記マイクロストリップ線路に向かって狭くなる形状とすることで電気的影響を少なくすることができる。
本願第二の発明に係る高周波回路において、前記マイクロストリップ線路の前記第一接地端子パッド、前記第二接地端子パッド、前記第三接地端子パッド又は/及び前記第四接地端子パッドに面する縁に前記マイクロストリップ線路の幅が狭くなるノッチを有してもよい。
接地端子パッドに面する縁に前記マイクロストリップ線路の幅が狭くなるノッチを有することで、前記マイクロストリップ線路のインピーダンスへの影響を極小としつつ、前記マイクロストリップ線路を挟んで対向する接地端子パッドを前記マイクロストリップ線路に非接触のまま近接させることができる。接地端子パッドを近接させることで、接地用端子−信号用端子−接地用端子が一組となった端子間の間隔の狭いGSGプローブ針を使用することができ、高周波回路の特性を高精度に測定することができる。
上記目的を達成するために、本願第三の発明は、マイクロストリップ線路において伝送される信号の半波長の整数倍の長さの区間のマイクロストリップ線路の幅を狭くし、前記幅の狭いマイクロストリップ線路を挟むように3組の接地端子パッド対をそれぞれ伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた間隔をおいて配置することとした。
具体的には、本願第三の発明は、長手方向の長さが伝送される信号の半波長の整数倍の長さの幅狭マイクロストリップ線路と、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の両端に接続され、前記幅狭マイクロストリップ線路の幅より広い幅の幅広マイクロストリップ線路と、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の一端の中点(以下、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の一端の中点を「第一交点」とする。)と交差する第一直線上に中心がある第一接地端子パッドと、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の中心線に対し前記第一接地端子パッドの側と反対側に位置されかつ前記第一直線上に中心がある第二接地端子パッドと、前記第一接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第一接地端子パッドの側に配置されかつ前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の他端の中点(以下、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の他端の中点を「第二交点」とする。)と交差する第二直線上に中心がある第三接地端子パッドと、前記第二接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第二接地端子パッドの側に配置されかつ前記第二直線上に中心がある第四接地端子パッドと、前記第一接地端子パッド、前記第三接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し第一接地端子パッドの側に配置されかつ前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の一端から前記中心線上における半波長の整数倍に4分の1の長さを加えた距離の位置(以下、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の一端から前記中心線上における半波長の整数倍に4分の1の長さを加えた距離の位置を「第三交点」とする。)と交差する第三直線上に中心がある第五接地端子パッドと、前記第二接地端子パッド、前記第四接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第二接地端子パッドの側に配置されかつ前記第三直線上に中心がある第六接地端子パッドと、を備える高周波回路基板である。
前記マイクロストリップ線路上の前記第三交点と前記第五接地端子パッド及び前記第六接地端子パッドとを短絡することで、前記第二交点からみると前記第一交点側のマイクロストリップ線路は高インピーダンスとなり、前記第一交点側は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記第二交点に接触させることで前記第二交点に対し前記第一交点の反対側の前記マイクロストリップ線路に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
逆に、前記マイクロストリップ線路上の前記第三交点と前記第五接地端子パッド及び前記第六接地端子パッドとを短絡することで、前記第一交点からみると前記第二交点側のマイクロストリップ線路は高インピーダンスとなり、前記第二交点側は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記第一交点に接触させることで前記第一交点に対し前記第二交点の反対側の前記マイクロストリップ線路に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
さらに、前記幅狭マイクロストリップ線路を使用することで、前記幅狭マイクロストリップ線路を挟んで対向する接地端子パッドを前記幅狭マイクロストリップ線路に非接触のまま近接させることができる。接地端子パッドを近接させることで端子間の間隔の狭いGSGプローブ針を使用することができ、高周波回路の特性を高精度に測定することができる。
また、前記幅狭マイクロストリップ線路のインピーダンスは前記幅広マイクロストリップ線路のインピーダンスより高くなり、前記幅狭マイクロストリップ線路と前記幅広マイクロストリップ線路との接続点でインピーダンス不整合が生ずる。しかし、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の長さを、伝送される信号の半波長の整数倍の長さとすることで、前記幅狭マイクロストリップ線路の両端の接続点でのインピーダンス不整合による反射波が打ち消し合うため、前記接続点において伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響少なくすることができる。
従って、本願第三の発明に係る高周波回路基板は伝送される信号への影響を少なくし、かつ検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を高精度に測定することができ、無線設備の小型化を図ることができる。
本願第三の発明に係る高周波回路において、前記第一接地端子パッドの形状、前記第二接地端子パッドの形状、前記第三接地端子パッドの形状、前記第四接地端子パッドの形状、前記第五接地端子パッドの形状又は/及び前記第六接地端子パッドの形状が、前記マイクロストリップ線路の長手方向に対し平行な方向の幅が前記マイクロストリップ線路に向かって狭くなる形状としてもよい。
マイクロストリップ線路の付近に接地端子パッドが存在すると、接地端子パッドが接地プレーンとなり局所的にコプレーナ線路となるためインピーダンス不整合が生ずる。そこで、接地端子パッドの形状を前記マイクロストリップ線路の長手方向に対し平行な方向の幅が前記マイクロストリップ線路に向かって狭くなる形状とすることで伝送される信号への電気的影響を少なくすることができる。
本願第三の発明に係る高周波回路基板において、前記幅広マイクロストリップ線路は、前記幅狭マイクロストリップ線路との接続点に向かって前記幅広マイクロストリップ線路の幅から前記幅狭マイクロストリップ線路の幅へ縮小する遷移区間を有してもよい。
前記遷移区間を有することで、前記幅狭マイクロストリップ線路と前記幅広マイクロストリップ線路との接続点でのインピーダンスの急激な変化を避けることができ、前記接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
上記目的を達成するために、本願第四の発明は、長手方向の長さが伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであるコプレーナ線路の両端にそれぞれマイクロストリップ線路を接続することとした。
具体的には、本願第四の発明は、信号線の長手方向の長さが、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さの信号線を有するコプレーナ線路と、前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の両端にそれぞれ接続されるマイクロストリップ線路と、を備える高周波回路基板である。
前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の一端と前記コプレーナ線路の接地プレーンとを短絡することで、前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の他端からみると、前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の一端側は高インピーダンスとなり、前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の一端は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の他端に接触させることで、前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の他端と接続するマイクロストリップ線路に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
また、コプレーナ線路は信号線と接地プレーンとの間隔を調整することでインピーダンスを調整することができる。そのため、前記コプレーナ線路のインピーダンスを前記マイクロストリップ線路とのインピーダンスと整合することができ、前記マイクロストリップ線路と前記コプレーナ線路との接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
従って、本願第四の発明に係る高周波回路基板は伝送される信号への影響を少なくし、かつ検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を測定することができ、無線設備の小型化を図ることができる。
本願第四の発明に係る高周波回路において、前記コプレーナ線路の信号線の幅は前記マイクロストリップ線路の幅より狭くしてもよい。
前記コプレーナ線路の信号線の幅を狭くすることで接地プレーンを前記コプレーナ線路の信号線に非接触のまま近接させることができる。接地プレーンを近接させることで端子間の間隔の狭いGSGプローブ針を使用することができ、高周波回路の特性を高精度に測定することができる。
本願第四の発明に係る高周波回路において、前記マイクロストリップ線路は、前記コプレーナ線路の信号線との接続点に向かって前記マイクロストリップ線路の幅から前記コプレーナ線路の信号線の幅へ縮小する遷移区間を有してもよい。
前記遷移区間を有することで前記マイクロストリップ線路と前記コプレーナ線路との接続点でのインピーダンスの急激な変化を避けることができ、前記接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
上記目的を達成するために、本願第五の発明は、コプレーナ線路において伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さの区間の信号線の幅を狭くすることとした。
具体的には、本願第五の発明は、信号線の長手方向の長さが、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さの信号線を有する幅狭コプレーナ線路と、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の両端にそれぞれ接続され、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の幅より広い幅の信号線を有する幅広コプレーナ線路と、を備える高周波回路基板である。
前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の一端と前記幅狭コプレーナ線路の接地プレーンとを短絡することで、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の他端からみると、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の一端側は高インピーダンスとなり、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の一端は開放状態となる。そのため、検査用端子を前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の他端に接触させることで前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の他端と接続する前記幅広コプレーナ線路の信号線に接続されるアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性のみを測定することができる。
また、コプレーナ線路は信号線と接地プレーンとの間隔を調整することでインピーダンスを調整することができる。そのため、前記幅狭コプレーナ線路のインピーダンスを前記幅広コプレーナ線路のインピーダンスと整合させることができ、前記幅広コプレーナ線路と前記幅狭コプレーナ線路との接触点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
また、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の幅を狭くすることで接地プレーンを前記幅狭コプレーナ線路の信号線に非接触のまま近接させることができる。接地プレーンを近接させることで端子間の間隔の狭いGSGプローブ針を使用することができ、高周波回路の特性を高精度に測定することができる。
従って、本願第五の発明に係る高周波回路基板は検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を高精度に測定することができ、無線設備の小型化を図ることができる。
本願第五の発明に係る高周波回路において、前記幅広コプレーナ線路の信号線は、前記幅狭コプレーナ線路の信号線との接続点に向かって前記幅広コプレーナ線路の幅から前記幅狭コプレーナ線路の信号線の幅へ縮小する遷移区間を有してもよい。
前記遷移区間を有することで前記幅広コプレーナ線路と前記幅狭コプレーナ線路との接続点でのインピーダンスの急激な変化を避けることができ、インピーダンス不整合による反射波の発生を減少させることができ、前記接続点において伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
本発明によれば、高周波回路基板に検査用の回路やコネクタ等の部品を配置せずにアンテナ部、無線送受信部等の高周波回路の特性を測定することができる。また、無線装置の小型化を図ることができる。
添付の図面を参照して本願発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本願発明の構成の例であり、本願発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本願第二の発明の一実施形態に係る高周波回路基板101の概略を示す図である。高周波回路基板101は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図1は高周波回路基板101の平面図である。高周波回路基板101は基板10、マイクロストリップ線路19、接地端子パッド11〜14、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。
図1は、本願第二の発明の一実施形態に係る高周波回路基板101の概略を示す図である。高周波回路基板101は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図1は高周波回路基板101の平面図である。高周波回路基板101は基板10、マイクロストリップ線路19、接地端子パッド11〜14、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。
基板10は、アンテナ回路、発信回路、増幅回路等の高周波回路を表面又は中間層に配置する平面状の基板である。裏面又は中間層には接地用の銅箔等の導体を有する。基板10の材料として表面の回路との間で絶縁性を高めた材料、例えば、ガラスエポキシ樹脂、フッ素樹脂、セラミック等の誘電体材料が使用できる。
マイクロストリップ線路19は無線送受信回路92の出力電力をアンテナ回路91へ結合し、かつアンテナ回路91で受信した無線電力を無線送受信回路92へ結合する伝送線路である。マイクロストリップ線路19の材質として銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を利用できる。アンテナ回路91及び無線送受信回路92の出力インピーダンス及び入力インピーダンスを整合させるため、マイクロストリップ線路19の幅を調整して所定のインピーダンスとする。
接地端子パッド11、12、13及び14は基板10に開口したスルーホールを介して基板10の裏面又は中間層の接地用導体と接続する接地端子である。導体の材料として銅、鉛、銀、これらの合金等を利用することができる。
高周波回路基板101において、マイクロストリップ線路19、接地端子パッド11〜14は次のような位置関係となるように配置される。マイクロストリップ線路19と接地端子パッド11は互いに非接触となるように配置する。接地端子パッド12はマイクロストリップ線路19に非接触であり、かつマイクロストリップ線路19に対し接地端子パッド11の側と反対側となるように配置する。接地端子パッド13はマイクロストリップ線路19及び接地端子パッド11に非接触であり、かつマイクロストリップ線路19に対し接地端子パッド11の側となるように配置する。接地端子パッド14はマイクロストリップ線路19及び接地端子パッド12に非接触であり、かつマイクロストリップ線路19に対し接地端子パッド12の側となるように配置する。
さらに、接地端子パッド11の中心点と接地端子パッド12の中心点とを結ぶ第一仮想線とマイクロストリップ線路19の長手方向の中心線との交点(以下、接地端子パッド11の中心点と接地端子パッド12の中心点との間を横切るマイクロストリップ線路19の長手方向の中心線との交点を「交点191」とする。)から、接地端子パッド13の中心点と接地端子パッド14の中心点とを結ぶ第二仮想線とマイクロストリップ線路19の長手方向の中心線との交点(以下、接地端子パッド13の中心点と接地端子パッド14の中心点との間を横切るマイクロストリップ線路19の長手方向の中心線との交点を「交点192」とする。)までの間隔が、マイクロストリップ線路19で伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さとなるように接地端子パッド11〜14を配置する。
高周波回路基板101は以下のように動作する。送信時には、無線送受信回路92は24GHzの高周波信号をマイクロストリップ線路19に結合する。前記高周波信号はマイクロストリップ線路19を伝搬してアンテナ回路91に到達し、アンテナ回路91から無線信号として放射される。また、受信時には、アンテナ回路91は受信した無線信号を高周波信号に変換してマイクロストリップ線路19に結合する。前記高周波信号はマイクロストリップ線路19を伝搬して無線送受信回路92に到達し、信号処理される。
一方、無線送受信回路92の特性を測定する場合は、交点191と接地端子パッド11と接地端子パッド12を短絡する。次いで、交点192に検査用端子を接触させ測定する。
高周波回路基板101において無線送受信回路92を測定する場合の一例を図2に示す。図2において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。交点191からアンテナ回路91の側のマイクロストリップ線路19と接地端子パッド11と接地端子パッド12を電極板22で覆い短絡する。測定点である交点192にコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを、接地端子パッド13及び接地端子パッド14に接地端子用針25c及び25aを接触させる。GSGプローブとは、高周波プリント基板、高速CPUやソケット等のマイクロ波伝送部品の測定対象物に直接接触させ、インピーダンスや回路特性を測定するためのプローブである。その構造は、アルミニウム、タングステン等の導電性の針が3本一定間隔をおいて配置され、中心の針が信号線、両端の針が接地用針である。
交点191と接地端子パッド11と接地端子パッド12を電極板22で覆い短絡することで、測定点である交点192からアンテナ回路91側のマイクロストリップ線路19はショートスタブ状態となる。交点191と交点192との間隔は伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであるため、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さのショートスタブとなり、交点192では交点191で反射された高周波信号の波が強め合い、マイクロストリップ線路19の交点191側のインピーダンスは非常に高くなり、見かけ上マイクロストリップ線路19には無線送受信回路92のみが接続されているようになる。従って、GSGプローブ25の信号針25bは無線送受信回路92の特性を測定することができる。
逆に、交点192から無線送受信回路92の側のマイクロストリップ線路19と接地端子パッド13と接地端子パッド14を電極板22で覆い短絡して、交点191を測定点としてコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを交点191に、接地端子用針25a及び25cを接地端子パッド11及び接地端子パッド12に接触させることで、交点191から無線送受信回路92側のマイクロストリップ線路19はショートスタブ状態となる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bはアンテナ回路91の特性を測定することができる。
なお、図1及び図2の高周波回路基板101では接地端子パッド11の中心点と接地端子パッド12の中心点との間、並びに接地端子パッド13の中心点と接地端子パッド14の中心点との間をマイクロストリップ線路19が垂直に横切っているが、それぞれ任意の角度となるように接地端子パッド11〜14を配置しても良い。GSGプローブ25の信号用針25b、接地端子用針25a及び25cとの間隔が、マイクロストリップ線路19と各接地端子パッド11〜14との間隔より広い場合でも高周波回路の測定が可能となる。なお、以下で説明する図3〜図6の高周波回路基板についても同様に任意の角度で接地端子パッドを配置できる。
図3の高周波回路基板101aでは、接地端子パッド11aの形状、接地端子パッド12aの形状、接地端子パッド13aの形状及び接地端子パッド14aの形状を、マイクロストリップ線路19の長手方向に対し平行な方向の幅がマイクロストリップ線路19に向かって狭くなる形状としたものである。図3において、図1及び図2で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
マイクロストリップ線路の付近に接地端子パッドが存在すると、接地端子パッドが接地プレーンとなり局所的にコプレーナ線路となるためインピーダンス不整合が生ずる。そこで、接地端子パッドの形状を接地端子パッド11a〜14aのようにマイクロストリップ線路19の長手方向に対し平行な方向の幅がマイクロストリップ線路19に向かって狭くなる形状とすることで伝送される信号への電気的影響を少なくすることができる。
図4の高周波回路基板101bは、高周波回路基板101aのマイクロストリップ線路19を備えず、接地端子パッド11a、接地端子パッド12a、接地端子パッド13a及び接地端子パッド14aに面する縁にノッチ17を有し、局所的に幅を狭くしたマイクロストリップ線路19bを備えたものである。図4において、図1、図2及び図3で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を精度よく測定するためには、GSGプローブ25の信号用針25b、接地端子用針25a及び25cの間隔を伝送する信号の波長以下とすることが求められる。
接地端子パッド11a〜14aに面する縁にマイクロストリップ線路の幅が狭くなるノッチ17を有することで、マイクロストリップ線路19bのインピーダンスへの影響を極小としつつ、接地端子パッド11a〜14aをマイクロストリップ線路19bに非接触のままマイクロストリップ線路19b方向に近接させ配置することができる。従って、高周波回路基板101bでは、信号用針25b、接地端子用針25a及び25cの間隔の狭いGSGプローブ25を使用することができ、アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を高精度に測定することができる。
本願第二の発明によれば、アンテナ回路91と無線送受信部92との間で伝送される信号への影響を少なくし、アンテナ回路91、無線送受信部92等の高周波回路の特性を測定することができる。従って、検査用の回路やコネクタ等の部品の配置を不要とした高周波回路基板を提供することができる。また、無線装置の小型化を図ることができる。
(実施の形態2)
図5は、本願第三の発明の一実施形態に係る高周波回路基板102の概略を示す図である。高周波回路基板102は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図5は高周波回路基板102の平面図である。高周波回路基板102は基板10、マイクロストリップ線路29a、マイクロストリップ線路29b、マイクロストリップ線路29c、接地端子パッド11a〜16a、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図5において、図1及び図4で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
図5は、本願第三の発明の一実施形態に係る高周波回路基板102の概略を示す図である。高周波回路基板102は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図5は高周波回路基板102の平面図である。高周波回路基板102は基板10、マイクロストリップ線路29a、マイクロストリップ線路29b、マイクロストリップ線路29c、接地端子パッド11a〜16a、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図5において、図1及び図4で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
図4の高周波回路基板101bと図5の高周波回路基板102との違いは、マイクロストリップ線路19bを備えず、マイクロストリップ線路29a、マイクロストリップ線路29b、及びマイクロストリップ線路29a並びにマイクロストリップ線路29bの幅より狭い幅のマイクロストリップ線路29cを備え、接地端子パッド15a及び16aを備えたことである。
マイクロストリップ線路29a、マイクロストリップ線路29b及びマイクロストリップ線路29cは銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を材料とした伝送線路である。マイクロストリップ線路29cの長手方向の両端にそれぞれマイクロストリップ線路29aとマイクロストリップ線路29bが接続される。マイクロストリップ線路29aの長手方向のマイクロストリップ線路29cが接続していない端にはアンテナ回路91が接続される。マイクロストリップ線路29bの長手方向のマイクロストリップ線路29cが接続していない端には無線送受信回路92が接続される。
アンテナ回路91及び無線送受信回路92の出力インピーダンス及び入力インピーダンスを整合させるため、マイクロストリップ線路29a及び29bの幅を調整して所定のインピーダンスとする。
また、マイクロストリップ線路29cの長手方向の長さは伝送される信号の半波長の整数倍の長さであり、マイクロストリップ線路29cの幅はマイクロストリップ線路29a及び29bの幅より狭いものを配置する。
接地端子パッド15a及び16aは基板10に開口したスルーホールを介して基板10の裏面又は中間層の接地用導体と接続する接地端子である。接地端子パッド15a及び16aの素材として銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を利用することができる。
高周波回路基板102において、マイクロストリップ線路29a〜29c、接地端子パッド11a〜16aは次のような位置関係となるように配置される。接地端子パッド11aはマイクロストリップ線路29c、マイクロストリップ線路29a及びマイクロストリップ線路29bに非接触であり、マイクロストリップ線路29cの長手方向の一端の中点と交差する第一直線上に中心があるように配置される。接地端子パッド12aはマイクロストリップ線路29c、マイクロストリップ線路29a及びマイクロストリップ線路29bに非接触であり、マイクロストリップ線路29cの長手方向の中心線に対し接地端子パッド11aの側と反対側でありかつ前記第一直線上に中心があるように配置される。接地端子パッド13aは接地端子パッド11a、マイクロストリップ線路29c、マイクロストリップ線路29a及びマイクロストリップ線路29bに非接触であり、前記中心線に対し接地端子パッド11aの側でありかつマイクロストリップ線路29cの長手方向の他端の中点と交差する第二直線上に中心があるように配置される。接地端子パッド14aは接地端子パッド12a、マイクロストリップ線路29c、マイクロストリップ線路29a及びマイクロストリップ線路29bに非接触であり、前記中心線に対し接地端子パッド12aの側でありかつ前記第二直線上に中心があるように配置される。接地端子パッド15aは接地端子パッド11a、接地端子パッド13a、マイクロストリップ線路29c、マイクロストリップ線路29a及びマイクロストリップ線路29bに非接触であり、前記中心線に対し接地端子パッド11aの側でありかつマイクロストリップ線路29cの長手方向の一端から前記中心線上における半波長の整数倍に4分の1の長さを加えた距離の位置と交差する第三直線上に中心があるように配置される。接地端子パッド16aは接地端子パッド12a、接地端子パッド14a、マイクロストリップ線路29c、マイクロストリップ線路29a及びマイクロストリップ線路29bに非接触であり、前記中心線に対し接地端子パッド12aの側でありかつ前記第三直線上に中心があるように配置される。
なお、マイクロストリップ線路の付近の接地端子パッドが接地プレーンとなり局所的にコプレーナ線路となりインピーダンス不整合が生ずることを防ぎ、マイクロストリップ線路29cに伝送される信号に電気的影響を与えないため、接地端子パッド11a〜16aはマイクロストリップ線路29cの長手方向に対し平行な方向の幅がマイクロストリップ線路29cに向かって狭くなる形状としてあるが、その他の形状とすることもできる。
高周波回路基板102は以下のように動作する。送信時には、無線送受信回路92は24GHzの高周波信号をマイクロストリップ線路29bに結合する。マイクロストリップ線路29bは前記高周波信号をマイクロストリップ線路29cへ結合し、次いでマイクロストリップ線路29cは前記高周波信号をマイクロストリップ線路29aへ結合し、さらにマイクロストリップ線路29aは前記高周波信号をアンテナ回路91へ結合する。アンテナ回路91は前記高周波信号を無線信号として放射する。逆に、受信時には、アンテナ回路91は受信した無線信号を高周波信号に変換してマイクロストリップ線路29aに結合する。マイクロストリップ線路29aは結合された前記高周波信号をマイクロストリップ線路29cへ結合し、次いでマイクロストリップ線路29cは前記高周波信号をマイクロストリップ線路29bへ結合し、さらにマイクロストリップ線路29bは前記高周波信号を無線送受信回路92へ結合する。無線送受信回路92は結合された前記高周波信号を信号処理する。
また、マイクロストリップ線路29cの幅をマイクロストリップ線路29a及び29bの幅より狭くしていることでマイクロストリップ線路29cのインピーダンスはマイクロストリップ線路29a及び29bのインピーダンスより高くなる。従って、マイクロストリップ線路29cとマイクロストリップ線路29aの接続点(以下、マイクロストリップ線路29cとマイクロストリップ線路29aの接続点を「接続点291」とする。)及びマイクロストリップ線路29cとマイクロストリップ線路29bの接続点(以下、マイクロストリップ線路29cとマイクロストリップ線路29bの接続点を「接続点292」とする。)でインピーダンス不整合による反射波が生じる。しかし、マイクロストリップ線路29cの長手方向の長さを伝送する信号の半波長の整数倍の長さとしたことで接続点291及び接続点292で生じた反射波は打ち消し合うため、接続点291及び接続点292において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
一方、無線送受信回路92の特性を測定する場合は、マイクロストリップ線路29cの長手方向の一端から前記中心線上における半波長の整数倍に4分の1の長さを加えた距離の位置(以下、マイクロストリップ線路29cの長手方向の一端から前記中心線上における半波長の整数倍に4分の1の長さを加えた距離の位置を「交点293」とする。)と接地端子パッド15aと接地端子パッド16aを短絡する。次いで、接続点292に検査用端子を接触させ測定する。
高周波回路基板102において無線送受信回路92を測定する場合の一例を図6に示す。図6において、図1、図2及び図5で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。交点293からアンテナ回路91側のマイクロストリップ線路29cと接地端子パッド15aと接地端子パッド16aを電極板22で覆い短絡する。測定点である接続点292にコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを、接地端子パッド13a及び接地端子パッド14aに接地端子用針25c及び25aを接触させる。
交点293と接地端子パッド15aと接地端子パッド16aを電極板22で覆い短絡することで、測定点である接続点292からアンテナ回路91側のマイクロストリップ線路29cはショートスタブ状態となる。交点293と接続点292との間隔は伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであるため、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さのショートスタブとなり、接続点292では交点293で反射された高周波信号の波が強め合い、マイクロストリップ線路29cの接続点291側のインピーダンスは非常に高くなり、見かけ上マイクロストリップ線路29cには無線送受信回路92のみが接続されているようになる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bは無線送受信回路92の特性を測定することができる。
逆に、交点293から無線送受信回路92の側のマイクロストリップ線路29cと接地端子パッド15aと接地端子パッド16aを電極板22で覆い短絡して、接続点291を測定点としてコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを接続点291に、接地端子用針25a及び25cを接地端子パッド11a及び接地端子パッド12aに接触させることで、接続点291から無線送受信回路92側のマイクロストリップ線路29cはショートスタブ状態となる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bはアンテナ回路91の特性を測定することができる。
さらに、マイクロストリップ線路29cの幅を狭くすることで接地端子パッド11a〜16aをマイクロストリップ線路29cに非接触のままマイクロストリップ線路29c方向に近接させ配置することができるため、信号用針25b、接地端子用針25a及び25cの間隔の狭いGSGプローブ25を使用することができ、アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を高精度に測定することができる。
高周波回路基板102において、マイクロストリップ線路29a及び29bは、マイクロストリップ線路29cとの接続点に向かってマイクロストリップ線路29a及び29bの幅からマイクロストリップ線路29cの幅へ縮小する遷移区間Aを有してもよい。
遷移区間Aを有することでマイクロストリップ線路29cとマイクロストリップ線路29a及び29bとの接続点においてインピーダンスの急激な変化を避けることができ、インピーダンス不整合による反射波の発生を少なくすることができる。従って、マイクロストリップ線路29cとマイクロストリップ線路29a及び29bとの接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
本願第三の発明によれば、アンテナ回路91と無線送受信回路92との間で伝送される信号への影響を少なくし、アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を測定することができる。従って、検査用の回路やコネクタ等の部品の配置を不要とした高周波回路基板を提供することができる。また、無線装置の小型化を図ることができる。
(実施の形態3)
図7は、本願第四の発明の実施形態に係る高周波回路基板103の概略を示す図である。高周波回路基板103は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図7は高周波回路基板103の平面図である。高周波回路基板103は基板10、マイクロストリップ線路39a、マイクロストリップ線路39b、コプレーナ線路38、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図7において、図1及び図5で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
図7は、本願第四の発明の実施形態に係る高周波回路基板103の概略を示す図である。高周波回路基板103は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図7は高周波回路基板103の平面図である。高周波回路基板103は基板10、マイクロストリップ線路39a、マイクロストリップ線路39b、コプレーナ線路38、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図7において、図1及び図5で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
マイクロストリップ線路39a及び39bは銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を材料とした伝送線路である。マイクロストリップ線路39aは長手方向の一端をコプレーナ線路38の信号線38aに接続し、他端をアンテナ回路91に接続する。マイクロストリップ線路39bは長手方向の一端をコプレーナ線路38の信号線38aに接続し、他端を無線送受信回路92に接続する。アンテナ回路91及び無線送受信回路92のインピーダンスと整合させるため、マイクロストリップ線路39a及び39bの幅を調整して所定のインピーダンスとする。
コプレーナ線路38は信号線38aと接地プレーナ38bから構成される。信号線38aは銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を材料とした伝送線路である。信号線38aは長手方向の両端にそれぞれマイクロストリップ線路39a及び39bが接続される。接地プレーナ38bは基板10に開口したスルーホールを介して基板10の裏面又は中間層の接地用導体と接続する接地プレーナである。接地プレーナ38bの素材として銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を利用することができる。接地プレーナ38bは信号線38aを挟み、かつ信号線38aの両側に接触しないように配置される。コプレーナ線路38のインピーダンスは信号線38aの幅及び信号線38aと接地プレーナ38bとの間隔を調整することで所定のインピーダンスとすることができる。
高周波回路基板103は以下のように動作する。送信時には、無線送受信回路92は24GHzの高周波信号をマイクロストリップ線路39bに結合する。マイクロストリップ線路39bは前記高周波信号を信号線38aへ結合し、次いで信号線38aは前記高周波信号をマイクロストリップ線路39aへ結合し、さらにマイクロストリップ線路39aは前記高周波信号をアンテナ回路91へ結合する。アンテナ回路91は前記高周波信号を無線信号として放射する。また、受信時には、アンテナ回路91は受信した無線信号を高周波信号に変換してマイクロストリップ線路39aに結合する。マイクロストリップ線路39aは前記高周波信号を信号線38aへ結合し、次いで信号線38aは前記高周波信号をマイクロストリップ線路39bへ結合し、さらにマイクロストリップ線路39bは前記高周波信号を無線送受信回路92へ結合する。無線送受信回路92は結合された前記高周波信号を信号処理する。
また、マイクロストリップ線路39a及び39bのインピーダンスとコプレーナ線路38のインピーダンスを整合させることでマイクロストリップ線路39a及び39bとコプレーナ線路38との接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
一方、無線送受信回路92の特性を測定する場合は、信号線38aとマイクロストリップ線路39aとの接続点(以下、信号線38aとマイクロストリップ線路39aとの接続点を「接続点391」とする。)と接地プレーナ38bを短絡する。次いで、信号線38aとマイクロストリップ線路39bとの接続点(以下、信号線38aとマイクロストリップ線路39bとの接続点を「接続点392」とする。)に検査用端子を接触させ測定する。
高周波回路基板103において無線送受信回路92を測定する場合の一例を図8に示す。図8において、図1、図2及び図7で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。接続点391からアンテナ回路91の側のマイクロストリップ線路39aと接地プレーナ38bを電極板22で覆い短絡する。測定点である接続点392にコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを、接地プレーナ38bに接地端子用針25a及び25cを接触させる。
接続点391と接地プレーナ38bを電極板22で覆い短絡することで、測定点である接続点392からアンテナ回路91側のコプレーナ線路38はショートスタブ状態となる。接続点391と接続点392との間隔は伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであるため、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さのショートスタブとなり、接続点392では接続点391で反射された高周波信号の波が強め合い、コプレーナ線路38の接続点391の側は高インピーダンスとなり、見かけ上マイクロストリップ線路39bに無線送受信回路92のみが接続されているようになる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bは無線送受信回路92の特性を測定することができる。
逆に、接続点392から無線送受信回路92の側のマイクロストリップ線路39bと接地プレーナ38bを電極板22で覆い短絡して、接続点391を測定点としてコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを接続点391に、接地端子用針25a及び25cを接地プレーナ38bに接触させることで、接続点391から無線送受信回路92側のマイクロストリップ線路39bはショートスタブ状態となる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bはアンテナ回路91の特性を測定することができる。
高周波回路基板103において、マイクロストリップ線路39a及び39bは、信号線38aとの接続点に向かってマイクロストリップ線路39a及び39bの幅から信号線38aの幅へ縮小する遷移区間Aを有してもよい。
遷移区間Aを有することでコプレーナ線路38とマイクロストリップ線路39a及び39bとの接続点においてインピーダンスの急激な変化を避けることができ、インピーダンス不整合による反射波の発生を少なくすることができる。従って、信号線38aとマイクロストリップ線路39a及び39bとの接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
本願第四の発明によれば、アンテナ回路91と無線送受信回路92との間で伝送される信号への影響を少なくし、アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を測定することができる。従って、検査用の回路やコネクタ等の部品の配置を不要とした高周波回路基板を提供することができる。また、無線装置の小型化を図ることができる。
(実施の形態4)
図9は、本願第五の発明の実施形態に係る高周波回路基板104の概略を示す図である。高周波回路基板104は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図9は高周波回路基板104の平面図である。高周波回路基板104は基板10、コプレーナ線路42、44、46、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図9において、図1及び図5で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
図9は、本願第五の発明の実施形態に係る高周波回路基板104の概略を示す図である。高周波回路基板104は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図9は高周波回路基板104の平面図である。高周波回路基板104は基板10、コプレーナ線路42、44、46、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図9において、図1及び図5で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
コプレーナ線路42は信号線42aと接地プレーナ48bから構成される。コプレーナ線路44は信号線44aと接地プレーナ48bから構成される。コプレーナ線路46は信号線46aと接地プレーナ48bから構成される。コプレーナ線路44の長手方向の両端にそれぞれコプレーナ線路42とコプレーナ線路46が接続される。信号線44aの長手方向の長さは伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さである。
信号線42a、44a及び46aは銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を材料とした伝送線路である。接地プレーナ48bは基板10に開口したスルーホールを介して基板10の裏面又は中間層の接地用導体と接続する接地プレーナである。接地プレーナ48bの素材として銅、鉛、銀、これらの合金等の導体を利用できる。接地プレーナ48bは信号線42a、44a及び46aに非接触であり、かつアンテナ回路91及び無線送受信回路92と電気的に非接触となるように基板10の表面に配置される。
コプレーナ線路42のインピーダンスは信号線42aの幅及び信号線42aと接地プレーナ48bとの間隔を調整することで所定のインピーダンスとすることができる。同様に、コプレーナ線路44のインピーダンスは信号線44aの幅及び信号線44aと接地プレーナ48bとの間隔を調整、コプレーナ線路46のインピーダンスは信号線46aの幅及び信号線46aと接地プレーナ48bとの間隔を調整することで所定のインピーダンスとすることができる。
コプレーナ線路42はコプレーナ線路44が接続しない長手方向の端をアンテナ回路91に接続する。コプレーナ線路42のインピーダンスはアンテナ回路91のインピーダンスに整合させる。
コプレーナ線路46はコプレーナ線路44が接続しない長手方向の端を無線送受信回路92に接続する。コプレーナ線路46のインピーダンスは無線送受信回路92のインピーダンスに整合させる。
高周波回路基板104は以下のように動作する。送信時には、無線送受信回路92は24GHzの高周波信号を信号線46aに結合する。信号線46aは前記高周波信号を信号線44aへ結合し、さらに信号線44aは前記高周波信号を信号線42aへ結合する。アンテナ回路91は前記高周波信号を無線信号として放射する。また、受信時には、アンテナ回路91は受信した無線信号を高周波信号に変換して信号線42aに結合する。信号線42aは前記高周波信号を信号線44aへ結合し、次いで信号線44aは前記高周波信号を信号線46aへ結合し、さらに信号線46aは前記高周波信号を無線送受信回路92に結合する。無線送受信回路92は結合された前記高周波信号を信号処理する。
また、コプレーナ線路42及びコプレーナ線路46のインピーダンスとコプレーナ線路44のインピーダンスを整合させることでコプレーナ線路42及びコプレーナ線路46とコプレーナ線路44との接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
一方、無線送受信回路92の特性を測定する場合は、信号線44aと信号線42aとの接続点(以下、信号線44aと信号線42aとの接続点を「接続点491」とする。)と接地プレーナ48bを短絡する。次いで、信号線44aと信号線46aとの接続点(以下、信号線44aと信号線46aとの接続点を「接続点492」とする。)に検査用端子を接触させ測定する。
高周波回路基板104において無線送受信回路92を測定する場合の一例を図10に示す。図10において、図1、図2及び図9で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。接続点491からアンテナ回路91の側の信号線42aと接地プレーナ48bを電極板22で覆い短絡する。測定点である接続点492にコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを、接地プレーナ48bに接地端子用針25a及び25cを接触させる。
接続点491と接地プレーナ48bを電極板22で覆い短絡することで、測定点である接続点492からアンテナ回路91側のコプレーナ線路44はショートスタブ状態となる。接続点491と接続点492との間隔は伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであるため、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さのショートスタブとなり、接続点492では接続点491で反射された高周波信号の波が強め合い、コプレーナ線路44の接続点491の側は高インピーダンスとなり、見かけ上コプレーナ線路46に無線送受信回路92のみが接続されているようになる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bは無線送受信回路92の特性を測定することができる。
逆に、接続点492から無線送受信回路92の側の信号線46aと接地プレーナ48bを電極板22で覆い短絡して、接続点491を測定点としてコプレーナ線路用のGSGプローブ25の信号用針25bを接続点491に、接地端子用針25a及び25cを接地プレーナ48bに接触させることで、接続点491から無線送受信回路92側の信号線44aはショートスタブ状態となる。従って、GSGプローブ25の信号用針25bはアンテナ回路91の特性を測定することができる。
高周波回路基板104において、信号線42a及び46aは、信号線44aとの接続点に向かって信号線42a及び46aの幅から信号線44aの幅へ縮小する遷移区間Aを有してもよい。
遷移区間Aを有することでコプレーナ線路44とコプレーナ線路42及び46との接続点においてインピーダンスの急激な変化を避けることができ、インピーダンス不整合による反射波の発生を少なくすることができる。従って、信号線44aと信号線42a及び46aとの接続点において、伝送される信号へのインピーダンス不整合による影響を少なくすることができる。
本願第五の発明によれば、アンテナ回路91と無線送受信回路92との間で伝送される信号への影響を少なくし、アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を測定することができる。従って、検査用の回路やコネクタ等の部品の配置を不要とした高周波回路基板を提供することができる。また、無線装置の小型化を図ることができる。
(実施の形態5)
図11は、本願第一の発明の実施形態に係る高周波回路基板105の概略を示す図である。高周波回路基板105は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図11は高周波回路基板105の平面図である。高周波回路基板105は基板10、マイクロストリップ線路19、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図11において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
図11は、本願第一の発明の実施形態に係る高周波回路基板105の概略を示す図である。高周波回路基板105は、例えば、24GHzの高周波信号を送受信する無線送受信回路92と平面パッチ型のアンテナ回路91を同一基板上に配置したアンテナ一体型の無線送受信機であり、図11は高周波回路基板105の平面図である。高周波回路基板105は基板10、マイクロストリップ線路19、アンテナ回路91及び無線送受信回路92を備える。図11において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。
高周波回路基板105において、マイクロストリップ線路19、接地端子パッド11及び13は次のような位置関係となるように配置される。マイクロストリップ線路19と接地端子パッド11は互いに非接触となるように配置する。接地端子パッド13はマイクロストリップ線路19及び接地端子パッド11に非接触であり、かつマイクロストリップ線路19に対し接地端子パッド11の側となるように配置する。さらに、接地端子パッド11の中心点からマイクロストリップ線路19の長手方向の中心線に下した仮想垂線と前記中心線との交点(以下、マイクロストリップ線路19の長手方向の中心線に下した仮想垂線と前記中心線との交点を「交点591」とする。)と接地端子パッド13の中心点からマイクロストリップ線路19の長手方向の中心線に下した仮想垂線と前記中心線との交点(以下、マイクロストリップ線路19の長手方向の中心線に下した仮想垂線と前記中心線との交点を「交点592」とする。)との間隔がマイクロストリップ線路19で伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さとなるように接地端子パッド11及び13を配置する。
なお、高周波回路基板105は、接地端子パッド13はマイクロストリップ線路19に対し接地端子パッド11の側と反対側となるように配置してもよい。さらに、図11の高周波回路基板105では、接地端子パッド11及び13の形状は正方形としているが、任意の形状としてもよい。また、マイクロストリップ線路19の接地端子パッド11及び13に面する縁にマイクロストリップ線路19の幅が狭くなるノッチを有してもよい。
高周波回路基板105は以下のように動作する。送信時には、無線送受信回路92は24GHzの高周波信号をマイクロストリップ線路19に結合する。前記高周波信号はマイクロストリップ線路19を伝搬してアンテナ回路91に到達し、アンテナ回路91から無線信号として放射される。また、受信時には、アンテナ回路91は受信した無線信号を高周波信号に変換してマイクロストリップ線路19に結合する。前記高周波信号はマイクロストリップ線路19を伝搬して無線送受信回路92に到達し、信号処理される。
一方、無線送受信回路92の特性を測定する場合は、交点591と接地端子パッド11を短絡する。次いで、交点592に検査用端子を接触させ測定する。
高周波回路基板105において無線送受信回路92を測定する場合の一例を図12に示す。図12において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ機能及び同じ動作をする。交点591からアンテナ回路91の側のマイクロストリップ線路19と接地端子パッド11を電極板22で覆い短絡する。測定点である交点592にコプレーナ線路用のGSプローブ55の信号用針55bを、接地端子パッド13に接地端子用針55cを接触させる。GSプローブとは、高周波プリント基板、高速CPUやソケット等のマイクロ波伝送部品の測定対象物に直接接触させ、インピーダンスや回路特性を測定するためのプローブである。その構造は、アルミニウム、タングステン等の導電性の針を2本有し、一つの針が信号線用、他の針が接地用針である。
交点591と接地端子パッド11を電極板22で覆い短絡することで、測定点である交点592からアンテナ回路91側のマイクロストリップ線路19はショートスタブ状態となる。交点591と交点592との間隔は伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであるため、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さのショートスタブとなり、交点592では交点591で反射された高周波信号の波が強め合い、マイクロストリップ線路19の交点591側のインピーダンスは非常に高くなり、見かけ上マイクロストリップ線路19には無線送受信回路92のみが接続されているようになる。従って、GSプローブ55の信号針55bは無線送受信回路92の特性を測定することができる。
逆に、交点592から無線送受信回路92の側のマイクロストリップ線路19と接地端子パッド13を電極板22で覆い短絡して、交点591を測定点としてGSプローブ55の信号用針55bを交点591に、接地端子用針55cを接地端子パッド11に接触させることで、交点591から無線送受信回路92側のマイクロストリップ線路19はショートスタブ状態となる。従って、GSプローブ55の信号針55bはアンテナ回路91の特性を測定することができる。
本願第一の発明によれば、アンテナ回路91と無線送受信回路92との間で伝送される信号への影響を少なくし、アンテナ回路91、無線送受信回路92等の高周波回路の特性を測定することができる。従って、検査用の回路やコネクタ等の部品の配置を不要とした高周波回路基板を提供することができる。また、無線装置の小型化を図ることができる。
なお、高周波回路基板105は、マイクロストリップ線路19の交点591から交点592までの区間における幅をマイクロストリップ線路19の交点591からアンテナ回路91までの区間及び交点592から無線送信回路92までの区間における幅より狭くすることもできる。マイクロストリップ線路19の交点591から交点592までの区間における幅を狭くした場合、交点591から交点592の区間長を伝送される信号の半波長の整数倍とし、さらに図5の高周波回路基板102と同様に遷移区間Aを備えることが好ましい。
なお、高周波回路基板105は、マイクロストリップ線路19の交点591から交点592までの区間における幅をマイクロストリップ線路19の交点591からアンテナ回路91までの区間及び交点592から無線送信回路92までの区間における幅より狭くすることもできる。マイクロストリップ線路19の交点591から交点592までの区間における幅を狭くした場合、交点591から交点592の区間長を伝送される信号の半波長の整数倍とし、さらに図5の高周波回路基板102と同様に遷移区間Aを備えることが好ましい。
本願発明に係る高周波回路基板のマイクロストリップ線路、接地端子パッド、コプレーナ線路の配置は高周波回路基板だけでなく、CPUやメモリー等の半導体の検査回路にも適用することができる。
101、101a、101b、102、103、104、105 高周波回路基板、10 基板、11、12、13、14 接地端子パッド、11a、12a、13a、14a、15a、16a 接地端子パッド、17 ノッチ、19、19b、29a、29b、29c、39a、39b マイクロストリップ線路、22 電極板、25 GSGプローブ、55 GSプローブ、25a、25c、55c 接地端子用針、25b、55b 信号用針、38、42、44、46 コプレーナ線路、38a、42a、44a、46a 信号線、38b、48b 接地プレーナ、91 アンテナ回路、92 無線送受信回路、191、192、293、591、592 交点、291、292、391、392、491、492 接続点、A 遷移区間
Claims (12)
- マイクロストリップ線路と、
前記マイクロストリップ線路に非接触である少なくとも2つの接地端子パッドと、
を備え、
前記接地パッド端子のうち、2つの接地パッド端子における中心点間距離の前記マイクロストリップ線路の長手方向成分が前記マイクロストリップ線路で伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであることを特徴とする高周波回路基板。 - マイクロストリップ線路と、
前記マイクロストリップ線路に非接触である第一接地端子パッドと、
前記マイクロストリップ線路に非接触であり、かつ前記マイクロストリップ線路に対し前記第一接地端子パッドの側と反対側に配置された第二接地端子パッドと、
前記マイクロストリップ線路及び前記第一接地端子パッドに非接触であり、かつ前記マイクロストリップ線路に対し前記第一接地端子パッドの側に配置された第三接地端子パッドと、
前記マイクロストリップ線路及び前記第二接地端子パッドに非接触であり、かつ前記マイクロストリップ線路に対し前記第二接地端子パッドの側に配置された第四接地端子パッドと、
を備え、
前記第一接地端子パッドの中心点と前記第二接地端子パッドの中心点とを結ぶ第一仮想線と前記マイクロストリップ線路の長手方向の中心線との交点から、
前記第三接地端子パッドの中心点と前記第四接地端子パッドの中心点とを結ぶ第二仮想線と前記マイクロストリップ線路の長手方向の中心線との交点までの間隔が、前記マイクロストリップ線路で伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さであることを特徴とする高周波回路基板。 - 前記第一接地端子パッドの形状、前記第二接地端子パッドの形状、前記第三接地端子パッドの形状又は/及び前記第四接地端子パッドの形状が、前記マイクロストリップ線路の長手方向に対し平行な方向の幅が前記マイクロストリップ線路に向かって狭くなる形状であることを特徴とする請求項2に記載の高周波回路基板。
- 前記マイクロストリップ線路の前記第一接地端子パッド、前記第二接地端子パッド、前記第三接地端子パッド又は/及び前記第四接地端子パッドに面する縁に前記マイクロストリップ線路の幅が狭くなるノッチを有することを特徴とする請求項2又は3に記載の高周波回路基板。
- 長手方向の長さが伝送される信号の半波長の整数倍の長さの幅狭マイクロストリップ線路と、
前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の両端に接続され、前記幅狭マイクロストリップ線路の幅より広い幅の幅広マイクロストリップ線路と、
前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の一端の中点と交差する第一直線上に中心がある第一接地端子パッドと、
前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の中心線に対し前記第一接地端子パッドの側と反対側に位置されかつ前記第一直線上に中心がある第二接地端子パッドと、
前記第一接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第一接地端子パッドの側に配置されかつ前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の他端の中点と交差する第二直線上に中心がある第三接地端子パッドと、
前記第二接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第二接地端子パッドの側に配置されかつ前記第二直線上に中心がある第四接地端子パッドと、
前記第一接地端子パッド、前記第三接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第一接地端子パッドの側に配置されかつ前記幅狭マイクロストリップ線路の長手方向の一端から前記中心線上における半波長の整数倍に4分の1の長さを加えた距離の位置と交差する第三直線上に中心がある第五接地端子パッドと、
前記第二接地端子パッド、前記第四接地端子パッド、前記幅狭マイクロストリップ線路及び前記幅広マイクロストリップ線路に非接触であり、前記中心線に対し前記第二接地端子パッドの側に配置されかつ前記第三直線上に中心がある第六接地端子パッドと、
を備える高周波回路基板。 - 前記第一接地端子パッドの形状、前記第二接地端子パッドの形状、前記第三接地端子パッドの形状、前記第四接地端子パッドの形状、前記第五接地端子パッドの形状又は/及び前記第六接地端子パッドの形状が、前記マイクロストリップ線路の長手方向に対し平行な方向の幅が前記マイクロストリップ線路に向かって狭くなる形状であることを特徴とする請求項5に記載の高周波回路基板。
- 前記幅広マイクロストリップ線路は、前記幅狭マイクロストリップ線路との接続点に向かって前記幅広マイクロストリップ線路の幅から前記幅狭マイクロストリップ線路の幅へ縮小する遷移区間を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の高周波回路基板。
- 信号線の長手方向の長さが、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さの信号線を有するコプレーナ線路と、
前記コプレーナ線路の信号線の長手方向の両端にそれぞれ接続されるマイクロストリップ線路と、
を備える高周波回路基板。 - 前記コプレーナ線路の信号線の幅は前記マイクロストリップ線路の幅より狭いことを特徴とする請求項8に記載の高周波回路基板。
- 前記マイクロストリップ線路は、前記コプレーナ線路の信号線との接続点に向かって前記マイクロストリップ線路の幅から前記コプレーナ線路の信号線の幅へ縮小する遷移区間を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の高周波回路基板。
- 信号線の長手方向の長さが、伝送される信号の半波長の整数倍に波長の4分の1の長さを加えた長さの信号線を有する幅狭コプレーナ線路と、
前記幅狭コプレーナ線路の信号線の長手方向の両端にそれぞれ接続され、前記幅狭コプレーナ線路の信号線の幅より広い幅の信号線を有する幅広コプレーナ線路と、
を備える高周波回路基板。 - 前記幅広コプレーナ線路の信号線は、前記幅狭コプレーナ線路の信号線との接続点に向かって前記幅広コプレーナ線路の幅から前記幅狭コプレーナ線路の信号線の幅へ縮小する遷移区間を有することを特徴とする請求項11に記載の高周波回路基板。
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