JP3949997B2 - Inkjet recording sheet - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インク(色材として染料又は顔料を用いたもの)及び油性インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて印画に供する固体状インク等を用いたインクジェット記録に供給される被記録材に関し、詳しくは、インク受容性能に優れ、かつ画像部の経時でのニジミ、褪色が少ないインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報技術産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、その情報処理システムに適した記録方法および記録装置も開発され、各々実用化されている。これらの記録方法の中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
【0003】
また、近年のインクジェットプリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきており、このようなハード(装置)の進歩に伴って、インクジェット記録用の記録シートも各種開発されてきている。このインクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐水性や耐光性、耐ガス性(耐オゾン性)が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存でも黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途においては、上記諸特性に加えて、光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
【0004】
上記した諸特性の向上を目的として、近年では色材受容層に多孔質構造を有するインクジェット記録用シートが開発され実用化されている。このようなインクジェット記録用シートは多孔質構造を有することで、インク受容性(速乾性)に優れ高い光沢を有する。
【0005】
例えば、特開平10−119423号や同10−217601号公報等では、微細な無機微粒子及び水溶性樹脂を含有し、高い空隙率を有する色材受容層が支持体上に設けられたインクジェット記録用シートが提案されている。
これらのインクジェット記録用シート、特に、無機微粒子としてシリカを用いた多孔質構造からなる色材受容層を設けたインクジェット記録用シートは、その構成によりインク吸収性に優れ、高解像度の画像を形成し得る高いインク受容性能を有し且つ高光沢を示すことができる。
【0006】
しかしながら、多孔質被膜であるが故に酸素の透過性が大きく、色材受容層中に含まれる成分の劣化を促進することがある。さらに、シリカ表面における水分吸着に伴い、経時での画像ニジミ(以下「経時ニジミ」という)が生じることがある。
【0007】
特開昭62−178384号公報および特公平3−24905号公報には、シランカップリング剤で表面処理したシリカ粒子を含有する色材受容層を有するインクジェット記録用シートが開示されている。しかしながら、これらは支持体との接着性の向上および印画直後のニジミを低減させること、あるいはシリカ粒子の表面活性を低下させることで耐光性を向上させることを目的としており、高湿下でにおける経時ニジミ防止あるいは耐ガス性を改良させるものではない。
さらに、色材受容層用塗布液においては、PVA等の水溶性樹脂との混合時に凝集が発生し、塗布液中のシリカ粒子の粒径が大きくなる。そのため、光沢度塗膜強度、インク吸収速度、耐水性、及び印画濃度等に悪影響を与えてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、高解像度で高濃度な画像を形成でき、耐光性、耐水性、耐ガス性に優れ、印画後、高温高湿度環境下に長時間保存された場合でも、経時ニジミを生じることなく、安定に画像を保持し、かつ製造適性にも優れたインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に色材受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、
前記色材受容層が、少なくとも、無機微粒子と、該無機微粒子と共有結合し得る基を末端に有する非イオン性の重合体とを含有し、該非イオン性の重合体が下記一般式(1)で表されることを特徴とするインクジェット記録用シートである。
【0010】
<2> 前記無機微粒子が、前記重合体との結合により得られた変性無機微粒子であることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録用シートである。
【0011】
【化3】
[一般式(1)中、X1、X2、及びX3は、それぞれ独立に、水素原子、飽和あるいは不飽和環状構造を含んでいてもよい炭素数1から18のアルキル基、あるいは炭素数1から8のアルコキシ基あるいはアリールオキシ基を表し、X1、X2、X3のうち少なくとも一つはアルコキシ基あるいはアリールオキシ基であり、Yは、ヘテロ原子を介していてもよい総炭素数1から18の2価の連結基を表し、置換基を有していてもよい。Aは非イオン性単量体から与えられる少なくとも1種以上の繰り返し単位であり、該繰り返し単位は少なくとも下記一般式(2)で表される単位を含む。mは1以上の整数を表す。]
【0013】
【化4】
[一般式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Jは2価の連結基であり、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CONR’−のいずれかを表す。R1はアルキレン基、アリーレン基、あるいはアラルキレン基を表す。R2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかを表す。また、R’は、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかをを表す。nは1以上の整数を表す。]
【0014】
<3> 前記無機微粒子が、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用シートである。
<4> 前記色材受容層が、さらに、水溶性樹脂を含むことを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
<5> 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記<4>に記載のインクジェット記録用シートである。
<6> 前記色材受容層が、さらに、前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことを特徴とする前記<4>または<5>に記載のインクジェット記録用シートである。
<7> 前記架橋剤が、ホウ素化合物であることを特徴とする前記<6>に記載のインクジェット記録用シートである。
<8> 前記色材受容層が、さらに、アニオン性染料を固定し得る媒染剤を含むことを特徴とする前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
<9> 前記媒染剤が、ポリアリルアミンまたはその誘導体、ポリビニルアミンまたはその誘導体、及びポリエチレンイミンまたはその誘導体からなる群より選択される少なくともいずれかであることを特徴とする前記<8>に記載のインクジェット記録用シートである。
<10> 前記媒染剤が、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物であることを特徴とする前記<9>に記載のインクジェット記録用シートである。
<11> 前記色材受容層が、さらに、カチオン性樹脂を有することを特徴とする前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
<12> 前記色材受容層が、前記支持体表面に少なくとも、無機微粒子、該無機微粒子と共有結合し得る基を末端に有する非イオン性の重合体、及び水溶性樹脂を含有する第1の塗布液を塗布し、(1)該塗布と同時、(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥速度を示す前、あるいは(3)前記塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかに、pH8以上の第2の塗布液を付与するとともに、前記架橋剤を、前記第1の塗布液及び第2の塗布液、あるいは第1の塗布液及び第2の塗布液とは別の第3の塗布液の少なくともいずれかに添加して付与することにより得られることを特徴とする前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録用シートは、色材受容層が、少なくとも、無機微粒子と、無機微粒子と共有結合し得る基を末端に有する非イオン性の重合体とを含み、該非イオン性の重合体が下記一般式(1)で表されることを特徴とする。以下、本発明のインクジェット記録用シートの詳細について説明する。
【0015】
(本発明に係る非イオン性の重合体)
本発明に係る非イオン性の重合体は、無機微粒子と共有結合しうる基を末端に含有し、以下の一般式(1)で表される。該重合体は、無機微粒子と共有結合し得る基を少なくとも片末端に有していればよく、また両末端に有してもよいが、無機微粒子の分散性および流動性を向上させる観点からは片末端に有することが好ましい。ここで、「無機微粒子と共有結合し得る基」とは、無機微粒子と共有結合しうる基であれば特に限定されないが、例えばアルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基、エポキシ基、チイラン基、イソシアネート基、酸ハロゲン化物、酸無水物、等が挙げられ、安定性、および無機微粒子との反応性の点からアルコキシシリル基が特に好ましい。
【0017】
【化5】
[一般式(1)中、X1、X2、及びX3は、それぞれ独立に、水素原子、飽和あるいは不飽和環状構造を含んでいてもよい炭素数1から18のアルキル基、あるいは炭素数1から8のアルコキシ基あるいはアリールオキシ基を表し、X1、X2、X3のうち少なくとも一つはアルコキシ基あるいはアリールオキシ基であり、Yは、ヘテロ原子を介していてもよい総炭素数1から18の2価の連結基を表し、置換基を有していてもよい。Aは非イオン性単量体から与えられる少なくとも1種以上の繰り返し単位であり、該繰り返し単位は少なくとも下記一般式(2)で表される単位を含む。mは1以上の整数を表す。]
【0018】
上記X1、X2、及びX3が表すアルキル基の炭素数は1〜18であり、好ましくは1〜8である。該炭素数が1〜18であることにより、無機微粒子との反応性を十分に確保することができる。上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0019】
上記X1、X2、及びX3が表すアルコキシ基の炭素数は1〜8であり、好ましくは1〜4である。該炭素数が1〜8であることにより、無機微粒子との反応性を十分に確保することができる。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましい。
【0020】
一般式(1)中、Yは、ヘテロ原子を介していてもよい総炭素数1〜18の2価の連結基を表し、置換基を有してもよい。Yの総炭素数としては2〜8が好ましい。該炭素数が1〜18であることにより、水、アルコール系溶媒への溶解性が十分であり、十分な性能を確保することができる。上記置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、エステル基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。上記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられ、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましい。
上記2価の連結基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、キシリレン基等が挙げられる。
【0021】
一般式(1)中、Aは非イオン性単量体から与えられる少なくとも1種以上の繰り返し単位であれば特に限定されない。可能な単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]、(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、アラルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルなど]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど]、(メタ)アクリアミド類[例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドなど]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]、などが挙げられる。
これらの共重合可能な成分は1種でも、又は2種以上の組合せてもよい。
【0023】
【化6】
〔一般式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を、Jは2価の連結基であり、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CONR’−のいずれかを表す。R1はアルキレン基、アリーレン基、あるいはアラルキレン基を表す。R2は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかを表す。また、R’は、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかをを表す。nは1以上の整数を表す。〕
【0024】
また、一般式(1)で示される重合体の分子量は、重量平均分子量として1000〜500000程度が好ましく、1000〜300000が更に好ましい。該分子量が1000〜500000であることにより、十分な耐水性を得ることができるとともに、ハンドリング適性が良好となる。
【0025】
さらに、一般式(1)で示される重合体は水、あるいは水との混和性のある有機溶媒に可溶である方が好ましいが、水分散性のラテックス粒子の形態でも使用することができる。
一般式(1)で示される重合体のインクジェット記録用シートにおける総含有量としては、0.1〜10g/m2が好ましく、0.2〜5g/m2がさらに好ましい。該総含有量を0.1〜10g/m2とすることにより、印画後の画像濃度が良好となる。
【0026】
(無機微粒子)
本発明のインクジェット記録用シートでは、その色材受容層に前記重合体と共に無機微粒子を含有する。
色材受容層が無機微粒子を含有することにより多孔質構造が得られ、これによりインクの吸収性能が向上する。特に、該無機微粒子の色材受容層における固形分含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、十分なインク吸収性を備えたインクジェット記録用シートが得られるので好ましい。ここで、無機微粒子の色材受容層における固形分含有量とは、色材受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
【0027】
無機微粒子としては、前記本発明に係る重合体と結合させることにより得られる変性無機微粒子とすることが好ましい。
【0028】
上記無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも良好な多孔質構造を形成する観点より、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。無機微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら無機微粒子の平均一次粒径は2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
更に、平均一次粒径が20nm以下のシリカ微粒子、平均一次粒径が30nm以下のコロイダルシリカ、平均一次粒径が20nm以下のアルミナ微粒子、又は平均細孔半径が2〜15nmの擬ベーマイトがより好ましく、特にシリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましい。
【0029】
シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリカ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。本発明に用いるシリカ微粒子としては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
【0030】
上記気相法シリカは、含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
【0031】
上記気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。受容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0032】
上記気相法シリカの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
【0033】
また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカとを併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
【0034】
本発明において、無機微粒子としては、アルミナ微粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合物も好ましい。この内、アルミナ水和物は、インクをよく吸収し定着することなどから好ましく、特に、擬ベーマイト(Al2O3・nH2O)が好ましい。アルミナ水和物は、種々の形態のものを用いることができるが、容易に平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを原料として用いることが好ましい。
【0035】
擬ベーマイトの細孔構造については、その平均細孔半径は1〜30nmが好ましく、2〜15nmがより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0ml/gが好ましく、0.5〜1.5ml/gがより好ましい。ここで、上記細孔半径及び細孔容積の測定は、窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名「オムニソープ369」)により測定できる。
また、アルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が比表面積が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましい。
【0036】
上述の無機微粒子をインクジェット記録用シートに用いる場合は、例えば、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号等の各公報に開示された態様でも、好ましく用いることができる。
【0037】
(水溶性樹脂)
本発明のインクジェット記録用シートでは、その色材受容層にさらに水溶性樹脂を含有することが好ましい。
【0038】
上記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
【0039】
以上の中でも、特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。該ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号等の各公報に記載されたものなどが挙げられる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹脂の例としては、特開平11-165461号公報の段落番号0011〜0014に記載の化合物などもあげられる。
これら水溶性樹脂はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0040】
本発明において、水溶性樹脂の含有量としては、色材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
【0041】
本発明において、色材受容層を主として構成する、上述の水溶性樹脂と前記無機微粒子とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数の素材の混合系を使用してもよい。
尚、透明性を保持する観点からは、微粒子特にシリカ微粒子に組み合わされる水溶性樹脂の種類が重要となる。前記気相法シリカを用いる場合には、該水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、その中でも、鹸化度70〜100%のポリビニルアルコール系樹脂がより好ましく、鹸化度80〜99.5%のポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
【0042】
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シリカ微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造の色材受容層を形成されると考えられる。
インクジェット記録において、上述のようにして得られた多孔質の色材受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成することができる。
【0043】
また、ポリビニルアルコール系樹脂は、前記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性樹脂と上記ポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
【0044】
(無機微粒子と水溶性樹脂との含有比)
無機微粒子(x)と水溶性樹脂(y)との質量含有比〔PB比(x/y)〕は、色材受容層の膜構造及び膜強度にも大きな影響を与える。即ち、質量含有比〔PB比〕が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
【0045】
本発明において、色材受容層は、上記質量含有比〔PB比(x/y)〕としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5:1〜10:1が好ましい。
【0046】
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、色材受容層は十分な膜強度を有していることが必要である。またシート状に裁断加工する場合、色材受容層の割れや剥がれ等を防止する上でも、色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要である。これらの場合を考慮すると、前記質量比(x/y)としては5:1以下がより好ましく、一方インクジェットプリンターで、高速インク吸収性を確保する観点からは、2:1以上であることがより好ましい。
【0047】
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカ微粒子と水溶性樹脂とを、質量比(x/y)2:1〜5:1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成され、その平均細孔径が30nm以下、空隙率が50〜80%、細孔比容積が0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0048】
(架橋剤)
本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、無機微粒子および水溶性樹脂を含む塗布層が、更に該水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含み、該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
【0049】
上記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコールの架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二ホウ酸塩(例えば、Mg2B2O5、Co2B2O5)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四ホウ酸塩(例えば、Na2B4O7・10H2O)、五ホウ酸塩(例えば、KB5O8・4H2O、Ca2B6O11・7H2O、CsB5O5)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特にホウ酸が好ましい。
【0050】
上記水溶性樹脂の架橋剤として、ホウ素化合物以外の下記化合物を使用することもできる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
【0051】
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。
上記の架橋剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0052】
上記架橋剤の付与は、ホウ素化合物を例にすると下記のように行われることが好ましい。即ち、色材受容層が、無機微粒子、該無機微粒子と共有結合し得る基を末端に有する非イオン性重合体、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する第1の塗布液を塗布し、(1)該塗布と同時、(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、あるいは(3)前記塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかにpHが8以上の塩基性溶液(「第2の塗布液」)を付与した塗布層であり、ホウ素化合物は第1の塗布液及び第2の塗布液、あるいはこれらとは別の第3の塗布液の少なくともいずれかに添加して付与することが好ましい。
架橋剤の使用量は、水溶性樹脂に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
【0053】
(媒染剤)
本発明においては、形成画像の耐水性及び耐経時ニジミの向上を図るために、色材受容層に媒染剤が含有されるのが好ましい。
上記媒染剤としては有機媒染剤としてカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)、又は無機媒染剤が好ましく、該媒染剤を色材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、耐水性や耐経時ニジミを向上させることができる。有機媒染剤および無機媒染剤はそれぞれ単独種で使用してもよいし、有機媒染剤および無機媒染剤を併用してもよい。
【0054】
媒染剤は無機微粒子と水溶性樹脂を含む塗布液(第1の塗布液)に添加する方法、又は無機微粒子との間で凝集を生ずる懸念がある場合は、第2の塗布液に含有させ塗布する方法を利用できる。
【0055】
上記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
【0056】
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
【0057】
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
【0058】
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0059】
具体的には、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
【0060】
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0061】
また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
【0062】
前記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
【0063】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
【0064】
更に、前記ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリンアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー等も好ましいものとして挙げることができる。
【0065】
前記ポリマー媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5‐35162号、同5-35163号、同5‐35164号、同5-88846号、特開平7-118333号、特開2000-344990号、特許第2648847号、同2661677号等の各公報に記載のもの等が挙げられる。中でもポリアリルアミン及びその誘導体が特に好ましい。
【0066】
本発明における有機媒染剤としては、特に経時滲みの防止の観点から、重量平均分子量が100000以下のポリアリルアミン及びその誘導体が好ましい。
【0067】
本発明において、ポリアリルアミン又はその誘導体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導体が使用できる。このような誘導体としては、ポリアリルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸などの有機酸、あるいはこれらの組み合せや、アリルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビニルエステル類等)が挙げられる。
【0068】
ポリアリルアミンおよびその誘導体の具体例としては、特公昭62‐31722号、特公平2‐14364号、特公昭63-43402号、同63-43403号、同63-45721号、同63-29881号、特公平1-26362号、同2-56365号、同2-57084号、同4-41686号、同6-2780号、同6-45649号、同6-15592号、同4-68622号、特許第3199227号、同3008369号、特開平10‐330427号、同11‐21321号、特開2000‐281728号、同2001‐106736号、特開昭62-256801号、特開平7‐173286号、同7‐213897号、同9-235318号、同9-302026号、同11‐21321号、WO99/21901号、WO99/19372号、特開平5-140213号、特表平11‐506488号等の各公報に記載の化合物があげられる。
【0069】
本発明において、媒染剤としては無機媒染剤を用いることも可能で、多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。
無機媒染剤の具体例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
【0070】
具体的には、例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリん酸n水和物、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等があげられる。
【0071】
本発明において、無機媒染剤としては、塩基性ポリ水酸化アルミニウムなどのアルミニウム含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、元素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物(塩または錯体)が好ましい。
本発明で色材受容層に含まれる上記媒染剤量は、0.01g/m2〜5g/m2が好ましく、0.1g/m2〜3g/m2がより好ましい。
【0072】
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用シートは、必要に応じて、更に各種の公知の添加剤、例えば酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有することができる。
【0073】
本発明において、色材受容層は酸を含有していてもよい。酸を添加することで、色材受容層の表面pHを3〜8、好ましくは5〜7.5に調整する。これにより白地部の耐黄変性が向上するので好ましい。表面pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPPI)の定めた表面pHの測定の内A法(塗布法)により測定を行う。例えば、前記A法に相当する(株)共立理化学研究所製の紙面用pH測定セット「形式MPC」を使用して該測定を行うことができる。
【0074】
具体的な酸の例としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸金属塩(Zn,Al,Ca,Mg等の塩)、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、スルファニル酸、スルファミン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸等が挙げられる。これらの酸の添加量は、色材受容層の表面pHが3〜8になるように決めればよい。
【0075】
上記の酸は金属塩(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、セシウム、亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、イットリウム、マグネシウム、ストロンチウム、セリウムなどの塩)、又はアミン塩(例えばアンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ポリアリルアミンなど)の形態で使用してもよい。
【0076】
本発明においては、色材受容層が紫外線吸剤、酸化防止剤、滲み防止剤などの保存性向上剤を含有することが好ましい。
これら紫外線吸剤、酸化防止剤、滲み防止剤としては、アルキル化フェノール化合物(ヒンダードフェノール化合物を含む)、アルキルチオメチルフェノール化合物、ヒドロキノン化合物、アルキル化ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオジフェニルエーテル化合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビスフェノール化合物、O−,N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノフェノール化合物、エステル化合物、アミド化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物(TEMPO化合物を含む)、2−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合物、金属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイト化合物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエーテル化合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン化合物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジト化合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が挙げられる。
【0077】
これらの中でも、アルキル化フェノール化合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビスフェノール化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキシアミン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、ヒドラジド化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が好ましい。
【0078】
具体的な化合物例は、特願2002−13005号、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特開平11−170686号、特公平4−34512号、EP1138509号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2001−94829号、特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号、米国特許第2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号、
【0079】
特公昭45−4699号、同54−5324号、ヨーロッパ公開特許第223739号、同309401号、同309402号、同310551号、同第310552号、同第459416号、ドイツ公開特許第3435443号、特開昭54−48535号、同60−107384号、同60−107383号、同60−125470号、同60−125471号、同60−125472号、同60−287485号、同60−287486号、同60−287487号、同60−287488号、同61−160287号、同61−185483号、同61−211079号、同62−146678号、同62−146680号、同62−146679号、同62−282885号、同62−262047号、同63−051174号、同63−89877号、同63−88380号、同66−88381号、同63−113536号、
【0080】
同63−163351号、同63−203372号、同63−224989号、同63−251282号、同63−267594号、同63−182484号、特開平1−239282号、特開平2−262654号、同2−71262号、同3−121449号、同4−291685号、同4−291684号、同5−61166号、同5−119449号、同5−188687号、同5−188686号、同5−110490号、同5−1108437号、同5−170361号、特公昭48−43295号、同48−33212号、米国特許第4814262号、同第4980275号等の各公報に記載のものがあげられる。
【0081】
前記その他の成分は、1種単独でも2種以上を併用してもよい。この前記その他の成分は、水溶性化、分散化、ポリマー分散、エマルション化、油滴化して添加してもよく、マイクロカプセル中に内包することもできる。本発明のインクジェット記録用シートでは、上記その他の成分の添加量としては、0.01〜10g/m2が好ましい。
【0082】
本発明において、色材受容層用塗布液は界面活性剤を含有しているのが好ましい。該界面活性剤としてはカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フッ素系、シリコン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、第1の塗布液および第2の塗布液において使用することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0083】
上記両性界面活性剤としては、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアンモニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例えば、米国特許第3,843,368号明細書、特開昭59−49535号公報、同63−236546号公報、特開平5−303205号公報、同8−262742号公報、同10−282619号公報等に記載されているものを好適に使用できる。該両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、該アミノ酸型両性界面活性剤としては、特開平5−303205号公報に記載されているように、例えば、アミノ酸(グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン酸等)から誘導体化されたものであり、長鎖のアシル基を導入したN−アミノアシル酸およびその塩が挙げられる。上記両性界面活性剤は1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0084】
前記アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩(例えばステアリン酸ソーダ、オレイン酸カリ)、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、スルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルスルホコハク酸塩(例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などがあげられる。
【0085】
前記フッ素系界面活性剤としては、電解フッ素化、テロメリゼーション、オリゴメリゼーションなどの方法を用いてパーフルオロアルキル基を持つ中間体をへて誘導される化合物があげられる。
例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどがあげられる。
【0086】
前記シリコン系界面活性剤としては、有機基で変性したシリコンオイルが好ましく、シロキサン構造の側鎖を有機基で変性した構造、両末端を変性した構造、片末端を変性した構造をとり得る。有機基変性としてアミノ変性、ポリエーテル変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、アルキル変性、アラルキル変性、フェノール変性、フッ素変性等が挙げられる。
【0087】
本発明において、界面活性剤の含有量としては、色材受容層用塗布液に対して0.001〜2.0%が好ましく、0.01〜1.0%がより好ましい。また、色材受容層用塗布液として2液以上を用いて塗布を行なう場合には、それぞれの塗布液に界面活性剤を添加するのが好ましい。
【0088】
本発明において、色材受容層はカール防止用に高沸点有機溶剤を含有するのが好ましい。上記高沸点有機溶剤は常圧で沸点が150℃以上の有機化合物で、水溶性又は疎水性の化合物である。これらは、室温で液体でも固体でもよく、低分子でも高分子でもよい。
具体的には、芳香族カルボン酸エステル類(例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジフェニル、安息香酸フェニルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばアジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸メチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチルクエン酸トリエチルなど)、リン酸エステル類(例えばリン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなど)、エポキシ類(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メチルなど)、アルコール類(例えば、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば大豆油、ヒマワリ油など)高級脂肪族カルボン酸(例えばリノール酸、オレイン酸など)等が挙げられる。
【0089】
(支持体)
本発明において、支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。色材受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0090】
上記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが好ましい。
【0091】
高光沢性の不透明支持体としては、色材受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記支持体が挙げられる。
【0092】
例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、上記各種紙支持体、上記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等が挙げられる。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
【0093】
上記不透明支持体の厚みについても特に制限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好ましい。
【0094】
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用してもよい。
【0095】
次に、前記レジンコート紙に用いられる原紙について詳述する。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0096】
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、漂白処理をおこなって白色度を向上させたパルプも有用である。
【0097】
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
【0098】
抄紙に使用するパルプの濾水度としては、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0099】
原紙の坪量としては、30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P−8118)が一般的である。
更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0100】
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、上記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0101】
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
【0102】
特に、色材受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広くおこなわれているように、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度および色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好ましい。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面層とも10〜50μmが好適である。さらにポリエチレン層上に色材受容層との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
【0103】
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理をおこなって通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
【0104】
支持体にはバックコート層を設けることもでき、このバックコート層に添加可能な成分としては、白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0105】
バックコート層に用いられる水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0106】
(インクジェット記録用シートの作製)
本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、例えば、支持体表面に少なくとも無機微粒子、本発明の係る重合体、及び水溶性樹脂を含む第1の塗布液(以後、「塗布液(A)」ということもある)を塗布し、(1)該塗布と同時、(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、あるいは(3)前記塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかに、少なくとも媒染剤を含むpHが8以上の塩基性溶液(第2の塗布液、以後「塗布液(B)」ということもある)を付与した後、該第二の塗布液を付与した塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−Wet法)により形成されるのが好ましい。また、上記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤は、前記塗布液(A)及び塗布液(B)、あるいはこれらとは別の第3の塗布液(以後、塗布液(C)ということがある)の少なくともいずれかに添加して付与することが好ましい。
この様にして架橋硬化させた色材受容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの観点から好ましい。
【0107】
上記の様にすると、媒染剤が色材受容層の表面近くに多く存在するので、インクジェットの色材が十分に媒染され、印字後の文字や画像の耐水性が向上するので好ましい。媒染剤の一部は上記塗布液(A)に含有させてもよく、その場合は、塗布液(A)と塗布液(B)の媒染剤は同じものでも異なっていてもよい。
【0108】
本発明において、少なくとも無機微粒子(例えば、気相法シリカ)と水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール)とを含有する色材受容層用塗布液(塗布液(A))は、例えば、以下のようにして調製することができる。即ち、
気相法シリカ微粒子と本発明に係る重合体を水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(ホウ素化合物)、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、上記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成することができる。
【0109】
また、上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散物の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじめ調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよいし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよい。
上記の気相法シリカと分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
【0110】
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
【0111】
また、上記塗布液の分散性を向上させるために分散剤を添加してもよい。分散剤としてはカチオン性のポリマーを用いることができる。カチオン性のポリマーとしては、前述の媒染剤の例などが挙げられる。また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。
上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
【0112】
該色材受容層用塗布液の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
【0113】
色材受容層用塗布液(塗布液(A))の塗布と同時、又は塗布した後であって、塗布層が減率乾燥速度を示す前、あるいは乾燥して塗膜を形成した後に、該塗布層に媒染剤溶液(塗布液(B)が付与される。
【0114】
ここで、前記「塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前」とは、通常、色材受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥速度」の現象を示す。この「恒率乾燥速度」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
【0115】
上記の通り、第一の塗布液の塗布後、該塗布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に50〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は上記範囲が適当である。
【0116】
上記第一の塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与する方法としては、▲1▼塗布液(B)を塗布層上に更に塗布する方法、▲2▼スプレー等の方法により噴霧する方法、▲3▼塗布液(B)中に、該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0117】
前記方法▲1▼において、塗布液(B)を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第一塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
【0118】
該媒染剤溶液(塗布液(B))の付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化がおこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
【0119】
また、上記媒染剤溶液(塗布液(B))を、色材受容層塗布液(塗布液(A))を塗布すると同時に付与する場合、色材受容層塗布液(塗布液(A))および媒染剤溶液(塗布液(B))を、該色材受容層塗布液(塗布液(A))が支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることにより色材受容層を形成することができる。
【0120】
上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
【0121】
上記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターによりおこなった場合、同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する際は、色材受容層塗布液(塗布液(A))および媒染剤溶液(塗布液(B))の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を上記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好ましい。
【0122】
上記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。上記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。尚、バリアー層液には、上記媒染剤を含有させることもできる。
【0123】
支持体上に色材受容層を形成した後、該色材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性および塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定しておこなう必要がある。
【0124】
カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
【0125】
上記色材受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。
この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
【0126】
また、色材受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。
上記空隙率および細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製の商品名「ボアサイザー9320−PC2」)を用いて測定することができる。
【0127】
また、色材受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
【0128】
本発明のインクジェット記録用シートの構成層(例えば、色材受容層あるいはバック層など)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。このポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止等のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。尚、ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を、前記媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止することができる。
【0129】
また、本発明のインクジェット記録用シートは、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号の各公報に記載の方法でも作製可能である。
【0130】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を表し、「平均分子量」及び「重合度」は、「重量平均分子量」及び「質量平均重合度」を表す。
【0131】
まず、実施例に供する本発明に係る重合体、及び比較例に供する重合体の合成例を示す。
[合成例1]
2−ヒドロキシエチルアクリレート17.4部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.94部をメタノール61部に溶解させ、窒素気流下65℃に加熱し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩(和光製薬(株)製、商品名:V-50)0.081部を加えて更に4時間加熱することで重合体1の25%メタノール溶液を得た。
【0132】
[合成例2]
合成例1の3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.94部を、0.59部に変更した以外は同様にして重合体2の25%メタノール溶液を得た。
【0133】
[合成例3]
合成例1の2−ヒドロキシエチルアクリレートを、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレートに変更した以外は合成例1と同様にして重合体3の25%メタノール溶液を得た。
【0134】
[合成例4]
合成例1の2−ヒドロキシエチルアクリレートを、N−ビニルピロリドンに変更した以外は合成例1と同様にして重合体4の25%メタノール溶液を得た。
【0135】
[合成例5]
2−ヒドロキシエチルアクリレート15.8部、メタクリル酸メチル1.6部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.94部をメタノール61部に溶解させ、窒素気流下65℃に加熱し、(V-50)0.081部を加えて更に4時間加熱することで重合体5の25%メタノール溶液を得た。
【0136】
[合成例6]
合成例1の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを、2−メルカプトエタノールに変更した以外は同様にして重合体6の30%メタノール溶液を得た。
【0137】
[合成例7]
合成例1の2−ヒドロキシエチルアクリレートを、N−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]―N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリドに変更した以外は同様にして重合体7の25%メタノール溶液を得た。
【0138】
(支持体の作製)
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
【0139】
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%添加し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるように上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05g/mlに調整された基紙を得た。
【0140】
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。
【0141】
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように押し出し、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支持体とした。
【0142】
(実施例1)
<色材受容層用塗布液Aの調製>
下記組成中の▲1▼気相法シリカ微粒子と▲2▼イオン交換水と▲3▼重合体1を混合し、高速回転式コロイドミル(エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、回転数10000rpmで20分間かけて分散させた後、下記▲6▼ポリビニルアルコールと▲7▼ホウ酸と▲8▼ポリオキシエチレンラウリルエーテルと▲9▼イオン交換水を含む溶液を加え、更に回転数10000rpmで20分間かけて再度分散を行ない、色材受容層用塗布液Aを調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=▲1▼:▲4▼)は、4.5:1であり、色材受容層用塗布液AのpHは4.8で酸性を示した。
【0143】
(色材受容層塗布液Aの組成)
▲1▼気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部
((株)トクヤマ製の「レオシールQS30」、平均一次粒子径7nm)
▲2▼イオン交換水 51.7部
▲3▼「重合体1」(25%メタノール溶液) 0.4部
▲4▼ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 27.8部
((株)クラレ製の「PVA124」、鹸化度98.5%、重合度2400)
▲7▼ホウ酸(架橋剤) 0.4部
▲8▼ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 1.2部
(花王(株)製「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6)
▲9▼イオン交換水 33.0部
【0144】
<インクジェット記録用シートの作製>
上記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記から得た色材受容層用塗布液Aを、支持体のオモテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて200ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この期間は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の媒染剤溶液A(塩基性溶液)に30秒間浸漬して該塗布層上にその20g/m2を付着させ(媒染剤溶液を付与する工程)、更に80℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより、乾燥膜厚32μmの色材受容層が設けられた本発明のインクジェット記録用シート(1)を作製した。なお、媒染剤溶液AのpHは9.6であった。
【0145】
(媒染剤溶液Aの組成)
▲1▼ホウ酸(架橋剤) 0.65部
▲2▼ポリアリルアミン「PAA−10C」10%水溶液 25部
(媒染剤、日東紡(株)製)
▲3▼イオン交換水 59.7部
▲4▼塩化アンモニウム(表面pH調整剤) 0.8部
▲5▼ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 10部
(花王(株)製の「エマルゲン109P」、2%水溶液、HLB値13.6)
▲6▼メガファック「F1405」10%水溶液 2.0部
(大日本インキ化学工業(株)製のフッ素系界面活性剤)
【0146】
(実施例2〜4、参考例1)
実施例1の重合体1を表1に示す重合体に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4、参考例1のインクジェット記録用シートを作製した。
【0147】
(実施例5)
実施例1の媒染剤溶液Aを以下に示す媒染剤溶液Bに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録用シートを作製した。なお、媒染剤溶液BのpHは9.4であった。
【0148】
[ポリアリルアミン誘導体1の合成]
ポリアリルアミン(日東紡(株)製の「PAA−10C」)の10%水溶液114.0部にアクリロニトリル2.7部を加え、室温で8時間かけて攪拌し、水を添加して濃度を調製することでポリアリルアミン誘導体1(ポリアリルアミンのアミノ基の一部をシアノエチル化した化合物)の10%水溶液を得た。
【0149】
(媒染剤溶液Bの組成)
▲1▼ホウ酸(架橋剤) 2.5部
▲2▼イオン交換水 69.5部
▲3▼ポリアリルアミン誘導体1 10%水溶液 25部
▲4▼ポリオキシエチレンラウリルエーテル 2部
▲5▼塩化アンモニウム 1部
【0150】
(実施例6)
実施例1の(色材受容層塗布液Aの組成)において、さらに塩基性塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl、多木化学(株)製の「PAC#1000」、40%水溶液)の0.25部を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録用シートを作製した。
【0151】
(実施例7)
実施例1の(色材受容層塗布液Aの組成)において、さらに酢酸ジルコニル(30%水溶液)の0.3部を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録用シートを作製した。
【0152】
(比較例1)
実施例1の色材受容層用塗布液Aを以下に示す色材受容層用塗布液Bに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録用シートを作製した。
【0153】
(色材受容層用塗布液Bの組成)
▲1▼気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部
((株)トクヤマ製の「レオシールQS30」、平均一次粒子径7nm)
▲2▼イオン交換水 51.7部
▲3▼「PAS−M−1」(60%水溶液) 0.83部
(分散剤、日東紡(株)製)
▲4▼ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 27.8部
((株)クラレ製の「PVA124」、鹸化度98.5%、重合度2400)
▲5▼ホウ酸(架橋剤) 0.4部
▲6▼ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 1.2部
(花王(株)製「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6)
▲7▼イオン交換水 33.0部
【0154】
(比較例2)
実施例1の重合体1を重合体6に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録用シートを作製した。
【0155】
(比較例3)
実施例1の重合体1を重合体7に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録用シートを作製した。
【0156】
(評価試験)
上記より得られた実施例1〜8のインクジェット記録用シート、並びに比較例1〜3のインクジェット記録用シートの各々について、以下の評価試験を行なった。試験の結果は下記の表1に示す。
【0157】
<印画濃度>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上に黒のベタ画像を印画し、3時間放置後、該印画面の反射濃度をマクベス反射濃度計で測定し、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
A:反射濃度が2.4以上の場合
B:反射濃度が2.0〜2.4未満の場合
C:反射濃度が2.0未満の場合
【0158】
<耐水性>
インクジェット記録用プリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリーン、ブルー、及びレッドのベタ画像を印字し、10秒後、該ベタ画像上に紙を接触押圧し、インクの紙への転写の程度により、以下の評価基準に従い評価した。
[評価基準]
A:インクの転写が認められない場合
B:一部転写が認められた場合
【0159】
<経時ニジミ−1>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上にマゼンタとブラックインクとを隣あわせにした格子状の線上パターン(線幅0.28mm)を印画した。印画後に3時間放置した後、温度40℃で相対湿度90%の恒温恒湿槽に3日間保管し、ブラック部分の線幅を測定して、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
A:線幅が0.30mm未満で、経時ニジミの発生がほとんど認められない場合
B:線幅0.30〜0.35mmで、若干の経時ニジミが認められた場合
C:線幅が0.35mm以上で経時ニジミが顕著に認められた場合
【0160】
<経時ニジミ−2>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上にマゼンタとブラックインクとを隣あわせにした格子状の線上パターン(線幅0.28mm)を印画した。印画直後、記録シートをクリアファイル中に密閉し、温度35℃で相対湿度85%の恒温恒湿槽に3日間保管し、ブラック部分の線幅を測定して、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
A:線幅が0.30mm未満で、経時ニジミの発生がほとんど認められない場合
B:線幅0.30〜0.35mm未満で、若干の経時ニジミが認められた場合
C:線幅が0.35mm以上で経時ニジミが顕著に認められた場合
【0161】
<耐光性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上にマゼンタのベタ画像を印画した後、365nm以下の波長領域の紫外線をカットするフィルターを通して、Xenon Weather−ometer Ci65A(ATLAS社製)を用いて、温度25℃相対湿度32%の環境条件下で3.8時間ランプを点灯し、その後ランプを消した状態で、温度20℃相対湿度91%の環境条件下に1時間放置するサイクルを168時間かけて行なった。この試験の前後の各色画像濃度を、反射濃度測定計(Xrite社製の「Xrite938」)にて測定し、各色濃度の残存率を算出し、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
A:残存率が90%以上の場合
B:残存率が80〜90%未満の場合
C:残存率が70〜80%未満の場合
D:残存率が70%未満の場合
【0162】
<耐ガス性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上にシアンのベタ画像をそれぞれ印画し、オゾン濃度2.5ppmの環境下で24時間保管した。保管前と保管後のシアン濃度を、反射濃度測定計(Xrite社製の「Xrite938」)にて測定し、該シアン濃度の残存率を算出し、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
A:残存率が80%以上の場合
B:残存率が70〜80%未満の場合
C:残存率が60〜70%未満の場合
D:残存率が60%未満の場合
【0163】
【表1】
【0164】
表1から、本発明に係る重合体を含有する実施例1〜7のインクジェット記録用シートは、画像部の印画濃度が高く、経時でのニジミが抑制され、さらに高濃度のオゾン環境下で長時間保管した後も、形成された画像の濃度残存率は高く、耐ガス性(耐オゾン性)に優れた記録用シートであることが判明した。また、キセノン照射及び高湿放置のサイクル試験後も、形成された画像の濃度残存率は高く、耐光性特にマゼンタ発色の耐光性に優れたインクジェット記録用シートであることが判明した。
また、本発明のインクジェット記録用シートは、光沢度、インク吸収速度、画像部濃度、耐水性のいずれにも優れていた。
一方、本発明に末端に無機微粒子と結合しうる基を有さない重合体を含有する比較例1〜3のインクジェット記録用シートは、印画後の画像濃度が低く、また、カチオン性重合体を含有するインクジェット記録用シートでは耐光性が不十分であり、さらに経時でのニジミが発生した。
【0165】
【発明の効果】
本発明によれば、ひび割れ等の発生がなく強固で、良好なインク吸収性を有し、画像濃度に優れ、また画像部の耐光性、耐水性、耐ガス性に優れ、かつ高温高湿度環境下に長時間保存された場合でも経時ニジミが生じないインクジェット記録用シートを提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording using a liquid ink such as a water-based ink (using a dye or a pigment as a coloring material) and an oil-based ink, or a solid ink which is solid at room temperature and melted and liquefied for printing. More particularly, the present invention relates to an ink jet recording sheet that has excellent ink receiving performance and is less likely to be blurred or discolored over time.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the rapid development of the information technology industry, various information processing systems have been developed, and recording methods and recording apparatuses suitable for the information processing systems have been developed and put into practical use. Among these recording methods, the inkjet recording method is capable of recording on a variety of recording materials, has advantages such as being relatively inexpensive and compact in hardware (device), and excellent in quietness. It has also been widely used for so-called home use.
[0003]
In addition, with the recent increase in resolution of inkjet printers, it has become possible to obtain so-called photographic-like high-quality recorded matter. With the advancement of such hardware (device), recording for inkjet recording has become possible. Various seats have been developed. The characteristics required for this recording sheet for ink jet recording are generally (1) fast drying (high ink absorption speed), and (2) ink dot diameter is appropriate and uniform. (No blurring), (3) good graininess, (4) high dot roundness, (5) high color density, (6) high chroma (dullness) (7) Water resistance, light resistance, and gas resistance (ozone resistance) of the printed portion are good, (8) Whiteness of the recording sheet is high, and (9) Storage stability of the recording sheet. Is good (no yellowing coloration even after long-term storage, images do not bleed after long-term storage), (10) it is hard to deform and has good dimensional stability (curl is sufficiently small), (11 ) Good hard running performance. Furthermore, in the use of photo glossy paper used for the purpose of obtaining so-called photo-like high-quality recorded matter, in addition to the above properties, gloss, surface smoothness, photographic paper-like texture similar to silver salt photography, etc. Is also required.
[0004]
In recent years, an ink jet recording sheet having a porous structure in a colorant receiving layer has been developed and put into practical use for the purpose of improving the various properties described above. Such an ink jet recording sheet has a porous structure, and thus has excellent ink receptivity (fast drying property) and high gloss.
[0005]
For example, in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 10-119423 and 10-217601, etc., for inkjet recording, which includes fine inorganic fine particles and a water-soluble resin, and a colorant receiving layer having a high porosity is provided on a support. A sheet has been proposed.
These ink jet recording sheets, in particular, ink jet recording sheets provided with a colorant receiving layer having a porous structure using silica as inorganic fine particles are excellent in ink absorptivity due to the structure and form a high resolution image. It has a high ink receiving performance and can exhibit high gloss.
[0006]
However, since it is a porous film, it has a high oxygen permeability and may promote deterioration of components contained in the colorant receiving layer. Furthermore, with the moisture adsorption on the silica surface, image blurring with time (hereinafter referred to as “aging blurring”) may occur.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-178384 and Japanese Patent Publication No. 3-24905 disclose an ink jet recording sheet having a colorant receiving layer containing silica particles surface-treated with a silane coupling agent. However, these are aimed at improving light resistance by improving adhesion to the support and reducing blurring immediately after printing, or by reducing the surface activity of the silica particles. It does not prevent blurring or improve gas resistance.
Furthermore, in the coating material for the colorant receiving layer, aggregation occurs when mixed with a water-soluble resin such as PVA, and the particle size of silica particles in the coating solution increases. This adversely affects the gloss film strength, ink absorption speed, water resistance, and print density.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above conventional problems and achieve the following objects. That is, the object of the present invention is to form a high-resolution and high-density image, excellent in light resistance, water resistance, and gas resistance. After printing, even when stored in a high temperature and high humidity environment for a long time, It is an object of the present invention to provide an ink jet recording sheet that stably retains an image without being produced, and has excellent manufacturability.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Means for solving the above problems are as follows. That is,
<1> In an inkjet recording sheet having a colorant receiving layer on a support,
The colorant receiving layer contains at least inorganic fine particles and a nonionic polymer having a terminal group capable of covalent bonding with the inorganic fine particles. The nonionic polymer is represented by the following general formula (1). This is a sheet for ink jet recording.
[0010]
<2> The inkjet recording sheet according to <1>, wherein the inorganic fine particles are modified inorganic fine particles obtained by bonding with the polymer.
[0011]
[Chemical 3]
[In the general formula (1), X 1 , X 2 And X Three Each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms which may contain a saturated or unsaturated cyclic structure, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms or an aryloxy group; 1 , X 2 , X Three At least one of them is an alkoxy group or an aryloxy group, and Y represents a divalent linking group having 1 to 18 carbon atoms which may have a hetero atom, and may have a substituent. . A is at least one repeating unit given from a nonionic monomer. The repeating unit includes at least a unit represented by the following general formula (2). . m represents an integer of 1 or more. ]
[0013]
[Formula 4]
[In General Formula (2), R represents a hydrogen atom or a methyl group, J represents a divalent linking group, and represents any of —COO—, —OCO—, —CONH—, and —CONR′—. . R 1 Represents an alkylene group, an arylene group, or an aralkylene group. R 2 Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aralkyl group, or an aryl group. R ′ represents any of an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aralkyl group, and an aryl group. n represents an integer of 1 or more. ]
[0014]
< 3 The above-mentioned <1> or <1>, wherein the inorganic fine particles are at least one selected from the group consisting of silica fine particles, alumina fine particles, and pseudoboehmite. 2 > Is an ink jet recording sheet.
< 4 > From the above <1> to <1>, wherein the colorant receiving layer further contains a water-soluble resin 3 The ink-jet recording sheet according to any one of the above.
< 5 > The water-soluble resin is at least one selected from the group consisting of polyvinyl alcohol resins, cellulose resins, resins having an ether bond, resins having a carbamoyl group, resins having a carboxyl group, and gelatins. Characterized by < 4 > Is an ink jet recording sheet.
< 6 > The colorant receiving layer further contains a cross-linking agent capable of cross-linking the water-soluble resin. 4 > Or < 5 > Is an ink jet recording sheet.
< 7 > The cross-linking agent is a boron compound, 6 > Is an ink jet recording sheet.
< 8 ><1> to <1> above, wherein the colorant receiving layer further contains a mordant capable of fixing an anionic dye. 7 The ink-jet recording sheet according to any one of the above.
< 9 > The mordant is at least one selected from the group consisting of polyallylamine or a derivative thereof, polyvinylamine or a derivative thereof, and polyethyleneimine or a derivative thereof. 8 > Is an ink jet recording sheet.
< 10 > The mordant is a basic polyaluminum hydroxide compound < 9 > Is an ink jet recording sheet.
< 11 ><1> to <1>, wherein the colorant receiving layer further comprises a cationic resin. 10 The ink-jet recording sheet according to any one of the above.
< 12 A first coating solution in which the colorant-receiving layer contains at least inorganic fine particles, a nonionic polymer having a group capable of covalently bonding with the inorganic fine particles at the terminal, and a water-soluble resin on the support surface. (1) At the same time as the coating, (2) before the coating layer is drying, and before the coating layer exhibits a reduced rate of drying, or (3) drying the coating layer Then, after forming a coating film, a second coating solution having a pH of 8 or higher is applied to any of the coating materials, and the crosslinking agent is added to the first coating solution and the second coating solution, or the first coating solution. From <1> to <1> above, which is obtained by adding to and applying to at least one of the third coating liquid different from the liquid and the second coating liquid 11 The ink-jet recording sheet according to any one of the above.
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the ink jet recording sheet of the present invention, the colorant-receiving layer contains at least inorganic fine particles and a nonionic polymer having a terminal group capable of covalent bonding with the inorganic fine particles. The nonionic polymer is represented by the following general formula (1). It is characterized by that. Details of the ink jet recording sheet of the present invention will be described below.
[0015]
(Nonionic polymer according to the present invention)
The nonionic polymer according to the present invention contains a group capable of covalent bonding with inorganic fine particles at the terminal. And represented by the following general formula (1) . The polymer only needs to have a group capable of being covalently bonded to the inorganic fine particles at at least one end, and may be at both ends. From the viewpoint of improving the dispersibility and fluidity of the inorganic fine particles. It is preferable to have it at one end. Here, the “group capable of covalent bonding with inorganic fine particles” is not particularly limited as long as it is a group capable of covalent bonding with inorganic fine particles. For example, alkoxysilyl group, halogenated silyl group, epoxy group, thiirane group, isocyanate group , Acid halides, acid anhydrides, and the like, and alkoxysilyl groups are particularly preferred from the viewpoints of stability and reactivity with inorganic fine particles.
[0017]
[Chemical formula 5]
[In the general formula (1), X 1 , X 2 And X Three Each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms which may contain a saturated or unsaturated cyclic structure, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms or an aryloxy group; 1 , X 2 , X Three At least one of them is an alkoxy group or an aryloxy group, and Y represents a divalent linking group having 1 to 18 carbon atoms which may have a hetero atom, and may have a substituent. . A is at least one repeating unit given from a nonionic monomer. The repeating unit includes at least a unit represented by the following general formula (2). . m represents an integer of 1 or more. ]
[0018]
X above 1 , X 2 And X Three Carbon number of the alkyl group represented by is 1-18, preferably 1-8. When the carbon number is 1 to 18, sufficient reactivity with the inorganic fine particles can be ensured. Examples of the alkyl group include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a hexyl group, an octyl group, a decyl group, a dodecyl group, a tetradecyl group, and an octadecyl group. Groups are preferred.
[0019]
X above 1 , X 2 And X Three The number of carbon atoms of the alkoxy group represented by is 1 to 8, preferably 1 to 4. When the number of carbon atoms is 1 to 8, sufficient reactivity with inorganic fine particles can be ensured. Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, a butoxy group, a hexyloxy group, and an octyloxy group, and a methoxy group, an ethoxy group, and a propoxy group are preferable.
[0020]
In the general formula (1), Y represents a divalent linking group having 1 to 18 carbon atoms which may have a hetero atom, and may have a substituent. The total carbon number of Y is preferably 2-8. When the number of carbon atoms is 1 to 18, the solubility in water and alcohol solvents is sufficient, and sufficient performance can be ensured. Examples of the substituent include a halogen atom, a hydroxyl group, an amino group, an ester group, an ether group, and an amide group. Examples of the hetero atom include an oxygen atom, a nitrogen atom, a sulfur atom, a silicon atom, and a phosphorus atom, and an oxygen atom, a nitrogen atom, and a sulfur atom are preferable.
Preferable specific examples of the divalent linking group include a methylene group, an ethylene group, a propylene group, a tetramethylene group, a hexamethylene group, and a xylylene group.
[0021]
In the general formula (1), A is not particularly limited as long as it is at least one repeating unit given from a nonionic monomer. Possible units include, for example, (meth) acrylic acid alkyl esters [for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, (meth) acrylic N-butyl acid, isobutyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, octyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate C1-C18 (meth) acrylic acid alkyl ester such as stearyl (meth) acrylate], (meth) acrylic acid cycloalkyl ester [(meth) acrylic acid cyclohexyl etc.], (meth) acrylic acid aryl ester [(Meth) phenyl acrylate, etc.], aralkyl esters [(meta Benzyl acrylate, etc.], substituted (meth) acrylic acid alkyl esters [eg, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, etc.], (meth) acrylamides [eg, (meth) acrylamide, dimethyl (meth) acrylamide, etc.], Aromatic vinyls [styrene, vinyltoluene, α-methylstyrene, etc.], vinyl esters [vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl versatate, etc.], allyl esters [eg, allyl acetate], halogen-containing monomers [salts] Vinylidene, vinyl chloride, etc.], vinyl cyanide [(meth) acrylonitrile, etc.], olefins [ethylene, propylene, etc.], and the like.
These copolymerizable components may be used alone or in combination of two or more.
[0023]
[Chemical 6]
[In General Formula (2), R represents a hydrogen atom or a methyl group, J represents a divalent linking group, and represents any one of —COO—, —OCO—, —CONH—, and —CONR′—. R 1 Represents an alkylene group, an arylene group, or an aralkylene group. R 2 Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aralkyl group, or an aryl group. R ′ represents any of an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aralkyl group, and an aryl group. n represents an integer of 1 or more. ]
[0024]
Further, the molecular weight of the polymer represented by the general formula (1) is preferably about 1,000 to 500,000, more preferably 1,000 to 300,000 as a weight average molecular weight. When the molecular weight is 1000 to 500,000, sufficient water resistance can be obtained, and handling suitability is improved.
[0025]
Further, the polymer represented by the general formula (1) is preferably soluble in water or an organic solvent miscible with water, but can also be used in the form of water-dispersible latex particles.
The total content of the polymer represented by the general formula (1) in the ink jet recording sheet is 0.1 to 10 g / m. 2 Is preferably 0.2 to 5 g / m 2 Is more preferable. The total content is 0.1 to 10 g / m. 2 As a result, the image density after printing becomes good.
[0026]
(Inorganic fine particles)
In the ink jet recording sheet of the present invention, the colorant receiving layer contains inorganic fine particles together with the polymer.
A porous structure is obtained by containing the inorganic fine particles in the color material receiving layer, thereby improving the ink absorption performance. In particular, if the solid content of the inorganic fine particles in the colorant-receiving layer is 50% by mass or more, more preferably more than 60% by mass, it becomes possible to form a better porous structure, and sufficient ink This is preferable because an ink jet recording sheet having absorbency can be obtained. Here, the solid content in the coloring material receiving layer of the inorganic fine particles is a content calculated based on components other than water in the composition constituting the coloring material receiving layer.
[0027]
The inorganic fine particles are preferably modified inorganic fine particles obtained by bonding with the polymer according to the present invention.
[0028]
Examples of the inorganic fine particles include silica fine particles, colloidal silica, titanium dioxide, barium sulfate, calcium silicate, zeolite, kaolinite, halloysite, mica, talc, calcium carbonate, magnesium carbonate, calcium sulfate, pseudoboehmite, zinc oxide, water. Examples thereof include zinc oxide, alumina, aluminum silicate, calcium silicate, magnesium silicate, zirconium oxide, zirconium hydroxide, cerium oxide, lanthanum oxide, and yttrium oxide. Among these, silica fine particles, colloidal silica, alumina fine particles, or pseudoboehmite is preferable from the viewpoint of forming a good porous structure. The inorganic fine particles may be used as primary particles or in a state in which secondary particles are formed. The average primary particle size of these inorganic fine particles is preferably 2 μm or less, and more preferably 200 nm or less.
Further, silica fine particles having an average primary particle size of 20 nm or less, colloidal silica having an average primary particle size of 30 nm or less, alumina fine particles having an average primary particle size of 20 nm or less, or pseudoboehmite having an average pore radius of 2 to 15 nm is more preferable. In particular, silica fine particles, alumina fine particles, and pseudoboehmite are preferable.
[0029]
Silica fine particles are generally roughly classified into wet method particles and dry method (gas phase method) particles according to the production method. In the above wet method, a method is mainly used in which activated silica is produced by acid decomposition of a silicate, and this is appropriately polymerized and agglomerated and precipitated to obtain hydrous silica. On the other hand, the gas phase method is a method by high-temperature gas phase hydrolysis of silicon halide (flame hydrolysis method), a method in which silica sand and coke are heated and reduced by an arc in an electric furnace and oxidized with air. The method of obtaining anhydrous silica by the (arc method) is the mainstream, and “gas phase method silica” means anhydrous silica fine particles obtained by the gas phase method. As the silica fine particles used in the present invention, gas phase method silica fine particles are particularly preferable.
[0030]
The gas phase method silica is different from hydrous silica in terms of the density of silanol groups on the surface, presence or absence of vacancies, and the like, and shows different properties, but is suitable for forming a three-dimensional structure having a high porosity. The reason for this is not clear, but in the case of hydrous silica, the density of silanol groups on the surface of the fine particles is 5 to 8 / nm. 2 In the case of vapor phase silica, the density of silanol groups on the fine particle surface is 2 to 3 / nm. 2 Therefore, it is presumed that the structure becomes sparsely soft agglomerated (flocculated), and as a result, has a structure with a high porosity.
[0031]
The above-mentioned vapor phase silica has a particularly large specific surface area, so the ink absorption and retention efficiency is high, and the refractive index is low. Therefore, if the dispersion is made to an appropriate particle size, transparency can be imparted to the receiving layer. It is characterized by high color density and good color development. The transparency of the receiving layer is not only for applications that require transparency such as OHP, but also in terms of obtaining high color density and good color development gloss even when applied to recording sheets such as photo glossy paper. is important.
[0032]
The average primary particle diameter of the vapor phase silica is preferably 30 nm or less, more preferably 20 nm or less, particularly preferably 10 nm or less, and most preferably 3 to 10 nm. Since the vapor phase silica is easily adhered to each other by hydrogen bonding with a silanol group, a structure having a large porosity can be formed when the average primary particle diameter is 30 nm or less, and ink absorption characteristics are effectively improved. Can be improved.
[0033]
Silica fine particles may be used in combination with the other fine particles described above. When the other fine particles and the vapor phase silica are used in combination, the content of the vapor phase silica in all the fine particles is preferably 30% by mass or more, and more preferably 50% by mass or more.
[0034]
In the present invention, the inorganic fine particles are preferably alumina fine particles, alumina hydrate, a mixture or a composite thereof. Of these, alumina hydrate is preferable because it absorbs and fixes ink well. In particular, pseudoboehmite (Al 2 O Three ・ NH 2 O) is preferred. Alumina hydrates can be used in various forms, but it is preferable to use sol boehmite as a raw material because a smooth layer can be easily obtained.
[0035]
About the pore structure of pseudo boehmite, the average pore radius is preferably 1 to 30 nm, and more preferably 2 to 15 nm. The pore volume is preferably 0.3 to 2.0 ml / g, more preferably 0.5 to 1.5 ml / g. Here, the pore radius and pore volume are measured by a nitrogen adsorption / desorption method, and can be measured by, for example, a gas adsorption / desorption analyzer (for example, trade name “Omni Soap 369” manufactured by Coulter). .
Among alumina fine particles, vapor-phase method alumina fine particles are preferable because of their large specific surface area. The average primary particle size of the vapor phase alumina is preferably 30 nm or less, and more preferably 20 nm or less.
[0036]
When the above-mentioned inorganic fine particles are used in an ink jet recording sheet, for example, JP-A-10-81064, JP-A-10-119423, JP-A-10-157277, JP-A-10-217601, JP-A-11-348409, JP-A-2001-2001. 138621, 2000-43401, 2000-21235, 2000-309157, 2001-96897, 2001-138627, JP-A-11-91242, 8-2087, 8- The embodiments disclosed in each publication such as 2090, 8-2091, 8-2093, 8-174992, 11-192777, and JP-A-2001-301314 can also be preferably used.
[0037]
(Water-soluble resin)
In the ink jet recording sheet of the present invention, it is preferable that the colorant receiving layer further contains a water-soluble resin.
[0038]
Examples of the water-soluble resin include polyvinyl alcohol resins that are resins having a hydroxy group as a hydrophilic structural unit [polyvinyl alcohol (PVA), acetoacetyl-modified polyvinyl alcohol, cation-modified polyvinyl alcohol, anion-modified polyvinyl alcohol, silanol-modified. Polyvinyl alcohol, polyvinyl acetal, etc.], cellulosic resins [methyl cellulose (MC), ethyl cellulose (EC), hydroxyethyl cellulose (HEC), carboxymethyl cellulose (CMC), hydroxypropyl cellulose (HPC), hydroxyethyl methyl cellulose, hydroxypropyl methyl cellulose, etc.] , Chitins, chitosans, starch, resins with ether linkages [polyethylene oxide (PEO), Propylene oxide (PPO), polyethylene glycol (PEG), poly ether (PVE)], and resins having carbamoyl groups [polyacrylamide (PAAM), polyvinyl pyrrolidone (PVP), polyacrylic acid hydrazide, etc.] and the like.
Moreover, the polyacrylic acid salt which has a carboxyl group as a dissociable group, maleic acid resin, alginate, gelatins, etc. can be mentioned.
[0039]
Among these, polyvinyl alcohol resin is particularly preferable. Examples of the polyvinyl alcohol include Japanese Patent Publication No. 4-52786, Japanese Patent Publication No. 5-67432, Japanese Patent Publication No. 7-29479, Japanese Patent No. 2537827, Japanese Patent Publication No. 7-57553, Japanese Patent No. 2502998, and Japanese Patent No. 3053231. JP-A-63-176173, JP-A-2604367, JP-A-7-276787, JP-A-9-207425, JP-A-11-58941, JP-A-2000-135858, JP-A-2001-205924, JP 2001-287444, JP 62-278080, JP 9-39373, JP 2750433, JP 2000-18801, JP 2001-213045, JP 2001-328345, JP 8 -324105, JP-A-11-348417, etc. And the like.
Examples of water-soluble resins other than polyvinyl alcohol resins include the compounds described in paragraph Nos. 0011 to 0014 of JP-A No. 11-165461.
These water-soluble resins may be used alone or in combination of two or more.
[0040]
In the present invention, the content of the water-soluble resin is preferably 9 to 40% by mass and more preferably 12 to 33% by mass with respect to the total solid content of the colorant receiving layer.
[0041]
In the present invention, the water-soluble resin and the inorganic fine particles that mainly constitute the colorant receiving layer may be a single material or a mixed system of a plurality of materials.
From the viewpoint of maintaining transparency, the type of water-soluble resin to be combined with fine particles, particularly silica fine particles, is important. When the gas phase method silica is used, the water-soluble resin is preferably a polyvinyl alcohol resin, more preferably a polyvinyl alcohol resin having a saponification degree of 70 to 100%, and a saponification degree of 80 to 99.5. % Of polyvinyl alcohol resin is particularly preferable.
[0042]
The polyvinyl alcohol-based resin has a hydroxyl group in its structural unit, and since this hydroxyl group and the surface silanol group of the silica fine particle form a hydrogen bond, a three-dimensional network having a secondary particle of the silica fine particle as a network chain unit. It becomes easy to form a structure. By forming this three-dimensional network structure, it is considered that a color material receiving layer having a porous structure with a high porosity and sufficient strength is formed.
In inkjet recording, the porous colorant-receiving layer obtained as described above can absorb ink rapidly by capillary action and form dots with good roundness without ink bleeding.
[0043]
In addition, the polyvinyl alcohol resin may be used in combination with the other water-soluble resin. When the other water-soluble resin and the polyvinyl alcohol resin are used in combination, the content of the polyvinyl alcohol resin in the total water-soluble resin is preferably 50% by mass or more, and more preferably 70% by mass or more.
[0044]
(Content ratio of inorganic fine particles and water-soluble resin)
The mass content ratio [PB ratio (x / y)] between the inorganic fine particles (x) and the water-soluble resin (y) greatly affects the film structure and film strength of the colorant receiving layer. That is, as the mass content ratio [PB ratio] increases, the porosity, pore volume, and surface area (per unit mass) increase, but the density and strength tend to decrease.
[0045]
In the present invention, the colorant-receiving layer prevents a decrease in film strength and cracks during drying due to the PB ratio being too large as the mass content ratio [PB ratio (x / y)] In addition, when the PB ratio is too small, the voids are easily blocked by the resin, and from the viewpoint of preventing the ink absorbability from being lowered due to the decrease in the void ratio, the ratio is 1.5: 1 to 10: 1. Is preferred.
[0046]
Since stress may be applied to the recording sheet when passing through the conveyance system of the ink jet printer, the color material receiving layer needs to have sufficient film strength. Further, when cutting into a sheet shape, the color material receiving layer needs to have sufficient film strength in order to prevent the color material receiving layer from being cracked or peeled off. In consideration of these cases, the mass ratio (x / y) is more preferably 5: 1 or less, while it is more preferably 2: 1 or more from the viewpoint of ensuring high-speed ink absorbency in an inkjet printer. preferable.
[0047]
For example, a coating solution in which gas phase method silica fine particles having an average primary particle diameter of 20 nm or less and a water-soluble resin are completely dispersed in an aqueous solution at a mass ratio (x / y) of 2: 1 to 5: 1 is provided on the support. When the coating layer is dried, a three-dimensional network structure in which the secondary particles of silica fine particles are network chains is formed, the average pore diameter is 30 nm or less, the porosity is 50 to 80%, the pore ratio Volume is 0.5ml / g or more, specific surface area is 100m 2 A translucent porous film of at least / g can be easily formed.
[0048]
(Crosslinking agent)
The colorant receiving layer of the ink jet recording sheet of the present invention includes a coating layer containing inorganic fine particles and a water-soluble resin, and further includes a crosslinking agent capable of crosslinking the water-soluble resin, and the crosslinking agent and the water-soluble resin are crosslinked. An embodiment that is a porous layer cured by reaction is preferred.
[0049]
Boron compounds are preferred for the crosslinking of the water-soluble resin, particularly polyvinyl alcohol. Examples of the boron compound include borax, boric acid, and borate (for example, orthoborate, InBO). Three , ScBO Three , YBO Three , LaBO Three , Mg Three (BO Three ) 2 , Co Three (BO Three ) 2 Diborate (eg Mg 2 B 2 O Five , Co 2 B 2 O Five ), Metaborate (eg, LiBO) 2 , Ca (BO 2 ) 2 , NaBO 2 , KBO 2 ), Tetraborate (eg, Na 2 B Four O 7 ・ 10H 2 O), pentaborate (e.g. KB Five O 8 ・ 4H 2 O, Ca 2 B 6 O 11 ・ 7H 2 O, CsB Five O Five And the like. Of these, borax, boric acid, and borate are preferable, and boric acid is particularly preferable in that a crosslinking reaction can be promptly caused.
[0050]
The following compounds other than the boron compound can also be used as a crosslinking agent for the water-soluble resin.
For example, aldehyde compounds such as formaldehyde, glyoxal, and glutaraldehyde; ketone compounds such as diacetyl and cyclopentanedione; bis (2-chloroethylurea) -2-hydroxy-4,6-dichloro-1,3,5- Active halogen compounds such as triazine and 2,4-dichloro-6-S-triazine sodium salt; divinylsulfonic acid, 1,3-vinylsulfonyl-2-propanol, N, N′-ethylenebis (vinylsulfonylacetamide) ), Active vinyl compounds such as 1,3,5-triacryloyl-hexahydro-S-triazine; N-methylol compounds such as dimethylolurea and methyloldimethylhydantoin; melamine resins (for example, methylolmelamine, alkylated methylolmelamine) ;Epoxy resin;
[0051]
Isocyanate compounds such as 1,6-hexamethylene diisocyanate; aziridine compounds described in US Pat. Nos. 3,017,280 and 2,983611; carboximide compounds described in US Pat. No. 3,100,704; glycerol triglycidyl Epoxy compounds such as ether; Ethyleneimino compounds such as 1,6-hexamethylene-N, N′-bisethyleneurea; Halogenated carboxaldehyde compounds such as mucochloric acid and mucophenoxycyclolic acid; 2,3-dihydroxy Dioxane-based compounds such as dioxane; titanium-containing aluminum sulfate, chromium alum, potassium alum, metal-containing compounds such as zirconyl acetate, chromium acetate, polyamine compounds such as tetraethylenepentamine, hydrazide compounds such as adipic acid dihydrazide, A low molecule or polymer containing two or more oxazoline groups.
The above crosslinking agents may be used singly or in combination of two or more.
[0052]
The application of the cross-linking agent is preferably performed as described below when a boron compound is taken as an example. That is, the colorant-receiving layer is coated with a first coating liquid containing inorganic fine particles, a nonionic polymer having a group capable of covalently bonding with the inorganic fine particles, and a polyvinyl alcohol-based resin. (1) Simultaneously with coating, (2) during the drying of the coating layer formed by the coating and before the coating layer exhibits a reduced rate of drying, or (3) after the coating layer is dried to form a coating film , A coating layer to which a basic solution having a pH of 8 or more (“second coating solution”) is applied, and the boron compound is the first coating solution and the second coating solution, or different from these. It is preferable to add to at least one of the third coating solutions.
1-50 mass% is preferable with respect to water-soluble resin, and, as for the usage-amount of a crosslinking agent, 5-40 mass% is more preferable.
[0053]
(mordant)
In the present invention, a mordant is preferably contained in the colorant receiving layer in order to improve the water resistance and aging resistance of the formed image.
As the mordant, a cationic polymer (cationic mordant) or an inorganic mordant is preferable as the organic mordant, and the mordant is present in the colorant receiving layer so that the liquid magenta having the anionic dye as the colorant is present. Interacts to stabilize the colorant and improve water resistance and aging resistance. The organic mordant and the inorganic mordant may be used alone or in combination with the organic mordant and the inorganic mordant.
[0054]
A method of adding a mordant to a coating liquid (first coating liquid) containing inorganic fine particles and a water-soluble resin, or if there is a concern of causing aggregation between inorganic fine particles, a mordant is contained and applied in the second coating liquid. A method is available.
[0055]
As the cationic mordant, a polymer mordant having a primary to tertiary amino group or a quaternary ammonium base as a cationic group is preferably used, but a cationic non-polymer mordant may also be used. it can.
Examples of the polymer mordant include a homopolymer of a monomer having a primary to tertiary amino group and a salt thereof, or a quaternary ammonium base (mordant monomer), and the mordant monomer and other monomers (hereinafter, What is obtained as a copolymer or condensation polymer with "non-mordant monomer") is preferred. Moreover, these polymer mordants can be used in any form of a water-soluble polymer or water-dispersible latex particles.
[0056]
Examples of the monomer (mordant monomer) include trimethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, trimethyl-m-vinylbenzylammonium chloride, triethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, triethyl-m-vinylbenzylammonium chloride, N , N-dimethyl-N-ethyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-Nn-propyl-N -P-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-Nn-octyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-N-benzyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-die Ru-N-benzyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-N- (4-methyl) benzyl-Np-vinylbenzylammonium chloride, N, N-dimethyl-N-phenyl-N -P-vinylbenzylammonium chloride;
[0057]
Trimethyl-p-vinylbenzylammonium bromide, trimethyl-m-vinylbenzylammonium bromide, trimethyl-p-vinylbenzylammonium sulfonate, trimethyl-m-vinylbenzylammonium sulfonate, trimethyl-p-vinylbenzylammonium acetate, trimethyl-m-vinyl Benzylammonium acetate, N, N, N-triethyl-N-2- (4-vinylphenyl) ethylammonium chloride, N, N, N-triethyl-N-2- (3-vinylphenyl) ethylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-N-2- (4-vinylphenyl) ethylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-N-2- (4-vinylphenyl) ethylammonium chloride Tate;
[0058]
N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylate, N, N- Methyl chloride, ethyl chloride, methyl bromide of dimethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylamide , Quaternized products of ethyl bromide, methyl iodide or ethyl iodide, or sulfonates, alkyl sulfonates, acetates or alkyl carboxylates substituted with their anions.
[0059]
Specifically, for example, monomethyl diallyl ammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, triethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, trimethyl-2- (acryloyloxy) ethylammonium chloride, triethyl- 2- (acryloyloxy) ethylammonium chloride, trimethyl-3- (methacryloyloxy) propylammonium chloride, triethyl-3- (methacryloyloxy) propylammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloylamino) ethylammonium chloride, triethyl-2- (Methacryloylamino) ethylammonium chloride, trimethyl-2- (acryloylamino) ethyl Ammonium chloride, triethyl-2- (acryloylamino) ethylammonium chloride, trimethyl-3- (methacryloylamino) propylammonium chloride, triethyl-3- (methacryloylamino) propylammonium chloride, trimethyl-3- (acryloylamino) propylammonium chloride Triethyl-3- (acryloylamino) propylammonium chloride;
[0060]
N, N-dimethyl-N-ethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, N, N-dimethyl-N-ethyl- 3- (acryloylamino) propylammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium bromide, trimethyl-3- (acryloylamino) propylammonium bromide, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium sulfonate, trimethyl-3- And (acryloylamino) propylammonium acetate.
In addition, examples of copolymerizable monomers include N-vinylimidazole and N-vinyl-2-methylimidazole.
[0061]
In addition, allylamine, diallylamine, its derivatives, salts and the like can be used. Examples of such compounds include allylamine, allylamine hydrochloride, allylamine acetate, allylamine sulfate, diallylamine, diallylamine hydrochloride, diallylamine acetate, diallylamine sulfate, diallylmethylamine and salts thereof (for example, Hydrochloride, acetate, sulfate, etc.), diallylethylamine and salts thereof (for example, hydrochloride, acetate, sulfate, etc.), diallyldimethylammonium salt (chloride, acetic acid as counter anions of the salt) Ion sulfate ions, etc.). In addition, since these allylamines and diallylamine derivatives are inferior in polymerizability in the amine form, they are generally polymerized in the form of a salt and desalted as required.
In addition, a unit such as N-vinylacetamide, N-vinylformamide or the like, which is converted into a vinylamine unit by hydrolysis after polymerization, and a salt thereof can also be used.
[0062]
The non-mordant monomer does not contain a basic or cationic moiety such as a primary to tertiary amino group and a salt thereof, or a quaternary ammonium base, and does not show an interaction with a dye in an inkjet ink. Or the monomer which interaction is substantially small is said.
Examples of the non-mordant monomer include (meth) acrylic acid alkyl ester; (meth) acrylic acid cycloalkyl ester such as cyclohexyl (meth) acrylate; (meth) acrylic acid aryl ester such as phenyl (meth) acrylate; Aralkyl esters such as (meth) benzyl acrylate; Aromatic vinyls such as styrene, vinyl toluene and α-methylstyrene; Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate and vinyl versatic acid; Allyl esters such as allyl acetate Halogen-containing monomers such as vinylidene chloride and vinyl chloride; vinyl cyanide such as (meth) acrylonitrile; olefins such as ethylene and propylene; and the like.
[0063]
The (meth) acrylic acid alkyl ester is preferably a (meth) acrylic acid alkyl ester having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl moiety, such as methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, (meth) Propyl acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, isobutyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, octyl (meth) acrylate, Examples include 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate, and the like. Of these, methyl acrylate, ethyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, and hydroxyethyl methacrylate are preferable.
The non-mordant monomers can also be used singly or in combination of two or more.
[0064]
Further, as the polymer mordant, polydiallyldimethylammonium chloride, polymethacryloyloxyethyl-β-hydroxyethyldimethylammonium chloride, polyethyleneimine, polyallylamine and derivatives thereof, polyamide-polyamine resin, cationized starch, dicyandiamide formalin condensate, dimethyl 2-hydroxypropylammonium salt polymer, polyamidine, polyvinylamine, dicyandication resin typified by dicyandiamide-formalin polycondensate, polyamine cation resin typified by dicyanamide-diethylenetriamine polycondensate, epichlorohydrin-dimethylamine addition Polymer, dimethyldialin ammonium chloride-SO 2 Copolymer, diallylamine salt-SO 2 Preferred examples include copolymers, (meth) acrylate-containing polymers having a quaternary ammonium base-substituted alkyl group in the ester moiety, and styryl polymers having a quaternary ammonium base-substituted alkyl group.
[0065]
Specific examples of the polymer mordant include JP-A Nos. 48-28325, 54-74430, 54-124726, 55-22766, 55-142339, 60-23850, and 60. -23851, 60-23852, 60-23853, 60-57836, 60-60643, 60-118834, 60-122940, 60-122941, 60-122294 Nos. 60-235134, JP-A-1-161236, U.S. Pat. JP 4282305, JP 4450224, JP-A-1-16123. 10-81064, 10-119423, 10-157277, 10-217601, 11-348409, JP-A-2001-138621, 2000-43401, 2000-212235 2000-309157, 2001-96897, 2001-138627, JP-A-11-91242, 8-2087, 8-2090, 8-2091, 8-2093, 8-1744992, 11-192777, JP-A-2001-301314, JP-B-5-35162, JP-A-5-35163, JP-A-5-35164, JP-A-5-88846, JP-A-7-118333 JP-A-2000-344990, Japanese Patent Nos. 2648847, 2666177, etc. It is below. Of these, polyallylamine and derivatives thereof are particularly preferable.
[0066]
As the organic mordant in the present invention, polyallylamine having a weight average molecular weight of 100,000 or less and derivatives thereof are particularly preferable from the viewpoint of preventing bleeding with time.
[0067]
In the present invention, various known allylamine polymers and derivatives thereof can be used as polyallylamine or derivatives thereof. Examples of such derivatives include salts of polyallylamine and acids (acids include inorganic acids such as hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid and nitric acid, methanesulfonic acid, toluenesulfonic acid, acetic acid, propionic acid, cinnamic acid, (meth) Organic acids such as acrylic acid, or combinations thereof, or salts of only a part of allylamine), derivatives of polyallylamine by polymer reaction, copolymers of polyallylamine and other copolymerizable monomers Specific examples of the monomer include (meth) acrylic acid esters, styrenes, (meth) acrylamides, acrylonitrile, vinyl esters and the like.
[0068]
Specific examples of polyallylamine and derivatives thereof include JP-B-62-31722, JP-B-2-14364, JP-B-63-43402, JP-A-63-43403, JP-A-63-45721, JP-A-63-29881, Japanese Patent Publication Nos. 1-26362, No. 2-56365, No. 2-57084, No. 4-41686, No. 6-2780, No. 6-45649, No. 6-15592, No. 4-68622, Patents No. 3199227, No. 3008369, JP-A-10-330427, JP-A-11-21321, JP-A-2000-281728, JP-A-2001-10636, JP-A-62-2256801, JP-A-7-173286, 7-213897, 9-235318, 9-302026, 11-21321, WO99 / 21901, WO99 / 19 72 No., JP-A-5-140213, compounds described in JP Kohyo No. 11-506488, and the like.
[0069]
In the present invention, an inorganic mordant can be used as the mordant, and examples thereof include polyvalent water-soluble metal salts and hydrophobic metal salt compounds.
Specific examples of the inorganic mordant include, for example, magnesium, aluminum, calcium, scandium, titanium, vanadium, manganese, iron, nickel, copper, zinc, gallium, germanium, strontium, yttrium, zirconium, molybdenum, indium, barium, lanthanum, Examples thereof include salts or complexes of metals selected from cerium, praseodymium, neodymium, samarium, europium, gadolinium, dysproprosium, erbium, ytterbium, hafnium, tungsten, and bismuth.
[0070]
Specifically, for example, calcium acetate, calcium chloride, calcium formate, calcium sulfate, barium acetate, barium sulfate, barium phosphate, manganese chloride, manganese acetate, manganese formate dihydrate, manganese ammonium sulfate hexahydrate, chloride Cupric, ammonium copper (II) chloride dihydrate, copper sulfate, cobalt chloride, cobalt thiocyanate, cobalt sulfate, nickel sulfate hexahydrate, nickel chloride hexahydrate, nickel acetate tetrahydrate, sulfuric acid Nickel ammonium hexahydrate, nickel amidosulfate tetrahydrate, aluminum sulfate, aluminum alum, basic polyaluminum hydroxide, aluminum sulfite, aluminum thiosulfate, polyaluminum chloride, aluminum nitrate nonahydrate, aluminum chloride hexahydrate Japanese, ferrous bromide, ferrous chloride, ferric chloride Ferrous sulfate, ferric sulfate, zinc phenolsulfonate, zinc bromide, zinc chloride, zinc nitrate hexahydrate, zinc sulfate, titanium tetrachloride, tetraisopropyl titanate, titanium acetylacetonate, titanium lactate, zirconium acetyl Acetonate, zirconyl acetate, zirconyl sulfate, ammonium zirconium carbonate, zirconyl stearate, zirconyl octylate, zirconyl nitrate, zirconium oxychloride, zirconium hydroxychloride, chromium acetate, chromium sulfate, magnesium sulfate, magnesium chloride hexahydrate, citric acid Magnesium nonahydrate, sodium phosphotungstate, sodium tungsten citrate, 12 tungstophosphoric acid n hydrate, 12 tungstosilicic acid 26 hydrate, molybdenum chloride, 12 molybdophosphoric acid n hydrate, gallium nitrate , Strontium nitrate, strontium nitrate, yttrium acetate, yttrium chloride, yttrium nitrate, indium nitrate, lanthanum nitrate, lanthanum chloride, lanthanum acetate, lanthanum benzoate, cerium chloride, cerium sulfate, cerium octylate, praseodymium nitrate, neodymium nitrate, nitric acid Examples include samarium, europium nitrate, gadolinium nitrate, dysprosium nitrate, erbium nitrate, ytterbium nitrate, hafnium chloride, and bismuth nitrate.
[0071]
In the present invention, the inorganic mordant is preferably an aluminum-containing compound such as basic polyaluminum hydroxide, a titanium-containing compound, a zirconium-containing compound, or a group IIIB series metal compound (salt or complex).
In the present invention, the amount of the mordant contained in the colorant receiving layer is 0.01 g / m. 2 ~ 5g / m 2 Is preferably 0.1 g / m 2 ~ 3g / m 2 Is more preferable.
[0072]
(Other ingredients)
The ink jet recording sheet of the present invention may further contain various known additives such as acids, ultraviolet absorbers, antioxidants, fluorescent whitening agents, monomers, polymerization initiators, polymerization inhibitors, and bleeding preventions as necessary. Agents, preservatives, viscosity stabilizers, antifoaming agents, surfactants, antistatic agents, matting agents, anti-curling agents, water-proofing agents, and the like.
[0073]
In the present invention, the colorant receiving layer may contain an acid. By adding an acid, the surface pH of the colorant receiving layer is adjusted to 3 to 8, preferably 5 to 7.5. This is preferable because yellowing resistance of the white background portion is improved. The surface pH is measured by the A method (coating method) of the surface pH measurement determined by the Japan Paper Pulp Technology Association (J.TAPPI). For example, the measurement can be performed using a paper pH measurement set “Type MPC” manufactured by Kyoritsu Riken Co., Ltd. corresponding to the method A.
[0074]
Specific examples of acids include formic acid, acetic acid, glycolic acid, oxalic acid, propionic acid, malonic acid, succinic acid, adipic acid, maleic acid, malic acid, tartaric acid, citric acid, benzoic acid, phthalic acid, isophthalic acid , Glutaric acid, gluconic acid, lactic acid, aspartic acid, glutamic acid, salicylic acid, salicylic acid metal salts (salts such as Zn, Al, Ca, Mg), methanesulfonic acid, itaconic acid, benzenesulfonic acid, toluenesulfonic acid, trifluoromethanesulfone Acid, styrenesulfonic acid, trifluoroacetic acid, barbituric acid, acrylic acid, methacrylic acid, cinnamic acid, 4-hydroxybenzoic acid, aminobenzoic acid, naphthalenedisulfonic acid, hydroxybenzenesulfonic acid, toluenesulfinic acid, benzenesulfinic acid, Sulfanilic acid, sulfamic acid, α-le Rucinic acid, β-resorcinic acid, γ-resorcinic acid, gallic acid, phloroglicin, sulfosalicylic acid, ascorbic acid, erythorbic acid, bisphenolic acid, hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, polyphosphoric acid, boric acid, boronic acid, etc. Can be mentioned. What is necessary is just to determine the addition amount of these acids so that the surface pH of a color material receiving layer may be set to 3-8.
[0075]
The above acids can be metal salts (eg sodium, potassium, calcium, cesium, zinc, copper, iron, aluminum, zirconium, lanthanum, yttrium, magnesium, strontium, cerium, etc.) or amine salts (eg ammonia, triethylamine, tri Butylamine, piperazine, 2-methylpiperazine, polyallylamine, etc.).
[0076]
In the present invention, it is preferable that the colorant receiving layer contains a preservability improver such as an ultraviolet absorber, an antioxidant, or a bleeding inhibitor.
These UV absorbers, antioxidants, and bleeding inhibitors include alkylated phenol compounds (including hindered phenol compounds), alkylthiomethylphenol compounds, hydroquinone compounds, alkylated hydroquinone compounds, tocopherol compounds, thiodiphenyl ether compounds, 2 Compounds having the above thioether bonds, bisphenol compounds, O-, N- and S-benzyl compounds, hydroxybenzyl compounds, triazine compounds, phosphonate compounds, acylaminophenol compounds, ester compounds, amide compounds, ascorbic acid, amine antioxidants Agent, 2- (2-hydroxyphenyl) benzotriazole compound, 2-hydroxybenzophenone compound, acrylate, water-soluble or hydrophobic metal salt, organometallic compound, metal complex, Ndardamine compounds (including TEMPO compounds), 2- (2-hydroxyphenyl) 1,3,5, -triazine compounds, metal deactivators, phosphite compounds, phosphonite compounds, hydroxyamine compounds, nitrone compounds, peroxidation Scavenger, polyamide stabilizer, polyether compound, basic auxiliary stabilizer, nucleating agent, benzofuranone compound, indolinone compound, phosphine compound, polyamine compound, thiourea compound, urea compound, hydrazide compound, amidine compound, sugar compound, hydroxybenzoic acid Acid compounds, dihydroxybenzoic acid compounds, trihydroxybenzoic acid compounds and the like can be mentioned.
[0077]
Among these, alkylated phenol compounds, compounds having two or more thioether bonds, bisphenol compounds, ascorbic acid, amine-based antioxidants, water-soluble or hydrophobic metal salts, organometallic compounds, metal complexes, hindered amine compounds, Hydroxyamine compounds, polyamine compounds, thiourea compounds, hydrazide compounds, hydroxybenzoic acid compounds, dihydroxybenzoic acid compounds, trihydroxybenzoic acid compounds and the like are preferable.
[0078]
Specific examples of the compound include Japanese Patent Application No. 2002-13005, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-182621, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-260519, Japanese Patent Application No. 4-34953, Japanese Patent Application No. 4-34513, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-170686, No. 4-34512, EP 1138509, JP-A-60-67190, JP-A-7-276808, JP-A-2001-94829, JP-A-47-10537, JP-A-58-111942, JP-A-58-212844. 59-19945, 59-46646, 59-109055, 63-53544, JP 36-10466, 42-26187, 48-30492, 48-31255, 48-41572, 48-54965, 50-10726, U.S. Pat.No. 2,719,086, 3 No. 707,375, the 3,754,919 Patent, the 4,220,711 Patent,
[0079]
Japanese Patent Publication Nos. 45-4699, 54-5324, European Published Patent Nos. 223739, 309401, 309402, 3105301, 310552, 459416, German Published Patent No. 3435443, Kaisho 54-48535, 60-107384, 60-107383, 60-125470, 60-125471, 60-125472, 60-287485, 60-287486, 60-287487, 60-287488, 61-160287, 61-18854, 61-2111079, 62-146678, 62-146680, 62-146679, 62- No. 282885, No. 62-262047, No. 63-051174, Nos. 63-89877, 63-88380 same issue, same 66-88381 JP, same 63-113536 issue,
[0080]
63-163351, 63-203372, 63-224989, 63-251282, 63-267594, 63-182484, JP-A-1-239282, JP-A-2-262654, 2-71262, 3-121449, 4-291865, 4-291684, 5-611166, 5-119449, 5-188687, 5-188686, 5 No. 110490, No. 5-110437, No. 5-170361, No. 48-43295, No. 48-33212, U.S. Pat. Nos. 4,814,262, No. 4,980,275, and the like. .
[0081]
The other components may be used alone or in combination of two or more. These other components may be added after being water-solubilized, dispersed, polymer-dispersed, emulsified or oil-dropped, or may be encapsulated in microcapsules. In the inkjet recording sheet of the present invention, the addition amount of the other components is 0.01 to 10 g / m. 2 Is preferred.
[0082]
In the present invention, the colorant-receiving layer coating liquid preferably contains a surfactant. As the surfactant, any of cationic, anionic, nonionic, amphoteric, fluorine and silicon surfactants can be used.
Examples of the nonionic surfactant include polyoxyalkylene alkyl ethers and polyoxyalkylene alkyl phenyl ethers (for example, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, polyoxyethylene lauryl ether, polyoxyethylene stearyl ether, polyoxyethylene Ethylene nonylphenyl ether), oxyethylene / oxypropylene block copolymer, sorbitan fatty acid esters (for example, sorbitan monolaurate, sorbitan monooleate, sorbitan trioleate, etc.), polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters (for example, polyoxyethylene) Sorbitan monolaurate, polyoxyethylene sorbitan monooleate, polyoxyethylene sorbitan Lyolate, etc.), polyoxyethylene sorbitol fatty acid esters (eg, polyoxyethylene sorbitol tetraoleate), glycerin fatty acid esters (eg, glycerol monooleate), polyoxyethylene glycerin fatty acid esters (polyoxymonostearate) Ethylene glycerol, monooleic acid polyoxyethylene glycerin, etc.), polyoxyethylene fatty acid esters (polyethylene glycol monolaurate, polyethylene glycol monooleate, etc.), polyoxyethylene alkylamine, acetylene glycols (eg, 2, 4, 7) , 9-tetramethyl-5-decyne-4,7-diol, and ethylene oxide adducts, propylene oxide adducts, etc. of the diols), and polyoxy Ruki alkylene alkyl ethers are preferable. The nonionic surfactant can be used in the first coating solution and the second coating solution. Moreover, the said nonionic surfactant may be used independently and may use 2 or more types together.
[0083]
Examples of the amphoteric surfactants include amino acid type, carboxyammonium betaine type, sulfoammonium betaine type, ammonium sulfate betaine type, imidazolium betaine type, etc., for example, U.S. Pat. No. 3,843,368, Those described in JP-A-59-49535, JP-A-63-236546, JP-A-5-303205, JP-A-8-262742, and JP-A-10-282619 can be suitably used. As the amphoteric surfactant, an amino acid type amphoteric surfactant is preferable, and as the amino acid type amphoteric surfactant, as described in JP-A-5-303205, for example, an amino acid (glycine, glutamic acid, Histidine acid etc.) and N-aminoacyl acids and salts thereof into which long chain acyl groups have been introduced. The amphoteric surfactants may be used alone or in combination of two or more.
[0084]
Examples of the anionic surfactant include fatty acid salts (eg, sodium stearate, potassium oleate), alkyl sulfate esters (eg, sodium lauryl sulfate, triethanolamine lauryl sulfate), and sulfonates (eg, sodium dodecylbenzenesulfonate). Alkyl sulfosuccinate (for example, sodium dioctyl sulfosuccinate), alkyl diphenyl ether disulfonate, alkyl phosphate, and the like.
Examples of the cationic surfactant include alkylamine salts, quaternary ammonium salts, pyridinium salts, imidazolium salts and the like.
[0085]
Examples of the fluorosurfactant include compounds derived from an intermediate having a perfluoroalkyl group using a method such as electrolytic fluorination, telomerization, or oligomerization.
Examples thereof include perfluoroalkyl sulfonates, perfluoroalkyl carboxylates, perfluoroalkyl ethylene oxide adducts, perfluoroalkyl trialkyl ammonium salts, perfluoroalkyl group-containing oligomers, and perfluoroalkyl phosphate esters.
[0086]
As the silicon-based surfactant, silicon oil modified with an organic group is preferable, and a structure in which a side chain of a siloxane structure is modified with an organic group, a structure in which both ends are modified, and a structure in which one end is modified can be taken. Examples of the organic group modification include amino modification, polyether modification, epoxy modification, carboxyl modification, carbinol modification, alkyl modification, aralkyl modification, phenol modification, and fluorine modification.
[0087]
In the present invention, the content of the surfactant is preferably 0.001 to 2.0%, more preferably 0.01 to 1.0% with respect to the coating material for the colorant receiving layer. When two or more liquids are used as the colorant-receiving layer coating liquid, it is preferable to add a surfactant to each coating liquid.
[0088]
In the present invention, the colorant receiving layer preferably contains a high boiling point organic solvent for curling prevention. The high-boiling organic solvent is an organic compound having a boiling point of 150 ° C. or higher at normal pressure, and is a water-soluble or hydrophobic compound. These may be liquid or solid at room temperature, and may be low molecules or polymers.
Specifically, aromatic carboxylic acid esters (for example, dibutyl phthalate, diphenyl phthalate, phenyl benzoate, etc.), aliphatic carboxylic acid esters (for example, dioctyl adipate, dibutyl sebacate, methyl stearate, dibutyl maleate) , Dibutyl fumarate, triethyl acetyl citrate, etc.), phosphate esters (eg, trioctyl phosphate, tricresyl phosphate, etc.), epoxies (eg, epoxidized soybean oil, epoxidized fatty acid methyl, etc.), alcohols (eg, stearyl) Alcohol, ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, glycerol, diethylene glycol monobutyl ether (DEGMBE), triethylene glycol monobutyl ether, glycerol Methyl ether, 1,2,3-butanetriol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,4-pentanetriol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, triethanolamine, polyethylene glycol, etc. ), Vegetable oils (eg, soybean oil, sunflower oil, etc.) and higher aliphatic carboxylic acids (eg, linoleic acid, oleic acid, etc.).
[0089]
(Support)
In the present invention, as the support, either a transparent support made of a transparent material such as plastic or an opaque support made of an opaque material such as paper can be used. In order to make use of the transparency of the colorant receiving layer, it is preferable to use a transparent support or a highly glossy opaque support.
[0090]
The material that can be used for the transparent support is preferably a material that is transparent and can withstand radiant heat when used in an OHP or backlight display. Examples of the material include polyesters such as polyethylene terephthalate (PET); polysulfone, polyphenylene oxide, polyimide, polycarbonate, polyamide and the like. Of these, polyesters are preferable, and polyethylene terephthalate is particularly preferable.
Although there is no restriction | limiting in particular as thickness of the said transparent support body, 50-200 micrometers is preferable at the point which is easy to handle.
[0091]
As the highly glossy opaque support, one having a glossiness of 40% or more on the surface on which the colorant receiving layer is provided is preferable. The glossiness is a value determined according to the method described in JIS P-8142 (75-degree specular gloss test method for paper and paperboard). Specifically, the following supports are mentioned.
[0092]
For example, high gloss paper support such as art paper, coated paper, cast coated paper, baryta paper used for silver salt photographic support, etc .; polyesters such as polyethylene terephthalate (PET), nitrocellulose, cellulose acetate , Cellulose esters such as cellulose acetate butyrate, and plastic films such as polysulfone, polyphenylene oxide, polyimide, polycarbonate, and polyamide are made opaque by adding a white pigment or the like (surface calendering may be applied). Glossy film; or a support in which a polyolefin coating layer containing or not containing a white pigment is provided on the surface of a highly glossy film containing the various paper supports, the transparent support or the white pigment. Etc.
A white pigment-containing foamed polyester film (for example, foamed PET containing polyolefin fine particles and forming voids by stretching) can also be suitably exemplified. Furthermore, resin-coated paper used for silver salt photographic printing paper is also suitable.
[0093]
Although there is no restriction | limiting in particular also about the thickness of the said opaque support body, 50-300 micrometers is preferable at the point of handleability.
[0094]
The surface of the support may be subjected to corona discharge treatment, glow discharge treatment, flame treatment, ultraviolet irradiation treatment or the like in order to improve wettability and adhesion.
[0095]
Next, the base paper used for the resin-coated paper will be described in detail.
The base paper is made from wood pulp as a main raw material and, if necessary, paper using synthetic pulp such as polypropylene or synthetic fibers such as nylon or polyester in addition to wood pulp. As the above-mentioned wood pulp, any of LBKP, LBSP, NBKP, NBSP, LDP, NDP, LUKP, NUKP can be used, but more LBKP, NBSP, LBSP, NDP, LDP with more short fibers are used. preferable.
However, the ratio of LBSP and / or LDP is preferably 10% by mass or more and 70% by mass or less.
[0096]
The pulp is preferably a chemical pulp (sulfate pulp or sulfite pulp) with few impurities, and a pulp having a whiteness improved by bleaching is also useful.
[0097]
In the base paper, sizing agents such as higher fatty acids and alkyl ketene dimers, white pigments such as calcium carbonate, talc and titanium oxide, paper strength enhancing agents such as starch, polyacrylamide and polyvinyl alcohol, fluorescent whitening agents, polyethylene glycols A water retaining agent such as a dispersant, a softening agent such as a quaternary ammonium, and the like can be appropriately added.
[0098]
The freeness of the pulp used for papermaking is preferably 200 to 500 ml as defined by CSF, and the fiber length after beating is a 24 mesh residual mass% and a 42 mesh residual as defined in JIS P-8207. 30 to 70% of the sum with the mass% of is preferable. In addition, it is preferable that the mass% of 4 mesh remainder is 20 mass% or less.
[0099]
The basis weight of the base paper is preferably 30 to 250 g, and particularly preferably 50 to 200 g. The thickness of the base paper is preferably 40 to 250 μm. The base paper can be given a high smoothness by calendering at the paper making stage or after paper making. Base paper density is 0.7-1.2g / m 2 (JIS P-8118) is common.
Furthermore, the base paper stiffness is preferably 20 to 200 g under the conditions specified in JIS P-8143.
[0100]
A surface sizing agent may be applied to the surface of the base paper. As the surface sizing agent, a sizing agent similar to the size that can be added to the base paper can be used.
The pH of the base paper is preferably 5 to 9 when measured by a hot water extraction method defined in JIS P-8113.
[0101]
The polyethylene covering the front and back surfaces of the base paper is mainly low-density polyethylene (LDPE) and / or high-density polyethylene (HDPE), but some other LLDPE, polypropylene, etc. can also be used.
[0102]
In particular, the polyethylene layer on the side that forms the colorant-receiving layer is added with rutile or anatase-type titanium oxide, fluorescent whitening agent, ultramarine, and polyethylene, as is widely done in photographic paper. Those with improved transparency, whiteness and hue are preferred. Here, as a titanium oxide content, about 3-20 mass% is preferable with respect to polyethylene, and 4-13 mass% is more preferable. Although the thickness of a polyethylene layer does not have limitation in particular, 10-50 micrometers is suitable for both front and back layers. Further, an undercoat layer can be provided on the polyethylene layer in order to provide adhesion to the colorant receiving layer. As the undercoat layer, aqueous polyester, gelatin and PVA are preferable. Moreover, as thickness of this undercoat layer, 0.01-5 micrometers is preferable.
[0103]
Polyethylene-coated paper can be used as glossy paper, or when it is melt-extruded onto the surface of the base paper and coated, the matte surface or silky surface that can be obtained with ordinary photographic printing paper by so-called molding Can also be used.
[0104]
A back coat layer can be provided on the support, and examples of components that can be added to the back coat layer include a white pigment, an aqueous binder, and other components.
Examples of white pigments contained in the backcoat layer include light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, and aluminum silicate. , Diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic amorphous silica, colloidal silica, colloidal alumina, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, hydrous halloysite, magnesium carbonate, magnesium hydroxide, white inorganic pigment, styrene And organic pigments such as polyethylene plastic pigments, acrylic plastic pigments, polyethylene, microcapsules, urea resins, and melamine resins.
[0105]
Examples of the aqueous binder used in the back coat layer include styrene / maleate copolymer, styrene / acrylate copolymer, polyvinyl alcohol, silanol-modified polyvinyl alcohol, starch, cationized starch, casein, gelatin, carboxy Examples thereof include water-soluble polymers such as methyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, and polyvinyl pyrrolidone, and water-dispersible polymers such as styrene butadiene latex and acrylic emulsion.
Examples of other components contained in the backcoat layer include an antifoaming agent, an antifoaming agent, a dye, a fluorescent brightening agent, a preservative, and a water-proofing agent.
[0106]
(Preparation of inkjet recording sheet)
The colorant receiving layer of the ink jet recording sheet of the present invention includes, for example, a first coating liquid (hereinafter referred to as “coating liquid (A) containing at least inorganic fine particles, the polymer of the present invention, and a water-soluble resin on the surface of the support. (1) Simultaneously with the coating, (2) during the drying of the coating layer formed by the coating and before the coating layer exhibits a reduced drying rate, or ( 3) After forming the coating film by drying the coating layer, a basic solution having a pH of 8 or more containing at least a mordant (second coating solution, hereinafter referred to as “coating solution (B)”) It is preferable that the coating layer provided with the second coating solution is crosslinked and cured (Wet-on-Wet method). The crosslinking agent capable of crosslinking the water-soluble resin may be referred to as the coating liquid (A) and the coating liquid (B), or a third coating liquid different from these (hereinafter referred to as a coating liquid (C). ) Is preferably added and added.
Providing a colorant-receiving layer that has been crosslinked and cured in this manner is preferable from the viewpoints of ink absorptivity and prevention of film cracking.
[0107]
This is preferable because a large amount of mordant is present near the surface of the colorant-receiving layer, so that the ink-jet colorant is sufficiently mordanted and the water resistance of characters and images after printing is improved. A part of the mordant may be contained in the coating liquid (A). In that case, the mordants of the coating liquid (A) and the coating liquid (B) may be the same or different.
[0108]
In the present invention, a colorant-receiving layer coating solution (coating solution (A)) containing at least inorganic fine particles (for example, vapor phase method silica) and a water-soluble resin (for example, polyvinyl alcohol) is, for example, as follows: Can be prepared. That is,
Gas phase method silica fine particles and the polymer according to the present invention are added to water (for example, silica fine particles in water are 10 to 20% by mass), and a high-speed rotating wet colloid mill (for example, “M Technique Co., Ltd.” “ For example, after being dispersed over a period of, for example, 20 minutes (preferably 10 to 30 minutes) at a high speed of 10,000 rpm (preferably 5000 to 20000 rpm), a crosslinking agent (boron compound), polyvinyl alcohol (PVA) It can be prepared by adding an aqueous solution (for example, PVA having a mass of about 1/3 of the above-mentioned gas phase method silica) and dispersing under the same rotation conditions as described above. The obtained coating solution is in a uniform sol state, and a porous colorant receiving layer having a three-dimensional network structure can be formed by applying the coating solution onto a support by the following coating method and drying it. .
[0109]
In addition, the preparation of the aqueous dispersion composed of the above-mentioned vapor phase method silica and a dispersant may be carried out by preparing a vapor phase method silica aqueous dispersion in advance and adding the aqueous dispersion to the aqueous dispersant solution. The aqueous solution may be added to the vapor phase silica aqueous dispersion, or may be mixed simultaneously. Further, instead of vapor phase silica aqueous dispersion, powder vapor phase silica may be used and added to the aqueous dispersant solution as described above.
After mixing said vapor phase silica and a dispersing agent, the mixed liquid is refined using a disperser, whereby an aqueous dispersion having an average particle diameter of 50 to 300 nm can be obtained. As a disperser used for obtaining the aqueous dispersion, various types of conventionally known dispersers such as a high-speed rotary disperser, a medium agitating disperser (ball mill, sand mill, etc.), an ultrasonic disperser, a colloid mill disperser, and a high pressure disperser. Although a disperser can be used, a stirrer-type disperser, a colloid mill disperser, or a high-pressure disperser is preferable from the viewpoint that the formed fine particles are efficiently dispersed.
[0110]
Moreover, water, an organic solvent, or these mixed solvents can be used as a solvent in each process. Examples of the organic solvent that can be used for this coating include alcohols such as methanol, ethanol, n-propanol, i-propanol, and methoxypropanol, ketones such as acetone and methyl ethyl ketone, tetrahydrofuran, acetonitrile, ethyl acetate, and toluene. It is done.
[0111]
Further, a dispersant may be added to improve the dispersibility of the coating solution. As the dispersant, a cationic polymer can be used. Examples of the cationic polymer include the aforementioned mordants. It is also preferable to use a silane coupling agent as the dispersant.
The amount of the dispersant added to the fine particles is preferably 0.1% to 30%, more preferably 1% to 10%.
[0112]
The coating material for the colorant receiving layer is applied by a known coating method such as, for example, an extrusion die coater, an air doctor coater, a bread coater, a rod coater, a knife coater, a squeeze coater, a reverse roll coater, or a bar coater. Can do.
[0113]
At the same time as or after the application of the colorant-receiving layer coating solution (coating solution (A)), before the coating layer exhibits a reduced rate of drying, or after drying to form a coating film, A mordant solution (coating liquid (B) is applied to the coating layer.
[0114]
Here, “before the coating layer comes to exhibit a decreasing rate of drying” usually refers to a process of several minutes immediately after the coating of the coating solution for the colorant receiving layer, and during this time, the coated coating is applied. This shows the phenomenon of “constant rate drying rate” in which the content of the solvent (dispersion medium) in the layer decreases in proportion to time. About the time which shows this "constant rate drying speed", it describes in chemical engineering handbook (pages 707-712, Maruzen Co., Ltd. issue, October 25, 1980), for example.
[0115]
As described above, after the application of the first coating solution, the coating layer is dried until the coating layer exhibits a reduced rate of drying. This drying is generally performed at 50 to 180 ° C. for 0.5 to 10 minutes (preferably 0.5 to 5 minutes). The drying time naturally varies depending on the coating amount, but the above range is usually appropriate.
[0116]
As a method of giving before the said 1st application layer comes to show a decreasing rate drying rate, (1) The method of further apply | coating a coating liquid (B) on an application layer, (2) By methods, such as spraying Examples of the spraying method include (3) a method of immersing the support on which the coating layer is formed in the coating liquid (B).
[0117]
In the method (1), examples of the application method for applying the coating liquid (B) include curtain flow coaters, extrusion die coaters, air doctor coaters, bread coaters, rod coaters, knife coaters, squeeze coaters, and reverse roll coaters. A known coating method such as a bar coater can be used. However, it is preferable to use a method in which the coater does not directly contact the already formed first coating layer, such as an extrusion die coater, a curtain flow coater, a bar coater or the like.
[0118]
After application of the mordant solution (coating liquid (B)), it is generally heated at 40 to 180 ° C. for 0.5 to 30 minutes to be dried and cured. Especially, it is preferable to heat at 40-150 degreeC for 1 to 20 minutes.
[0119]
When the mordant solution (coating liquid (B)) is applied at the same time as the colorant-receiving layer coating liquid (coating liquid (A)) is applied, the colorant-receiving layer coating liquid (coating liquid (A)) and mordant are used. The solution (coating liquid (B)) is simultaneously coated (multilayer coating) on the support so that the colorant receiving layer coating liquid (coating liquid (A)) is in contact with the support, and then dried and cured. Thus, a colorant receiving layer can be formed.
[0120]
The simultaneous coating (multilayer coating) can be performed by a coating method using, for example, an extrusion die coater or a curtain flow coater. After the simultaneous coating, the formed coating layer is dried. In this case, the drying is generally performed by heating the coating layer at 40 to 150 ° C. for 0.5 to 10 minutes, preferably 40 to 100. It is carried out by heating at a temperature of 0.5 to 5 minutes.
[0121]
When the above simultaneous coating (multilayer coating) is performed by, for example, an extrusion die coater, the two types of coating liquid discharged at the same time are close to the discharge port of the extrusion die coater, that is, before moving onto the support. A multilayer is formed, and in that state, the multilayer is applied on the support. Since the two-layer coating liquid that has been layered before coating is likely to undergo a crosslinking reaction at the interface between the two liquids when transferred to the support, the two liquids to be ejected are mixed in the vicinity of the discharge port of the extrusion die coater. As a result, thickening is likely to occur, which may hinder the application operation. Therefore, when applying simultaneously as described above, the barrier layer solution (intermediate layer solution) is applied together with the colorant receiving layer coating solution (coating solution (A)) and the mordant solution (coating solution (B)). It is preferable to apply a simultaneous triple layer interposing between the liquids.
[0122]
The barrier layer solution can be selected without particular limitation. For example, an aqueous solution containing a trace amount of water-soluble resin, water, and the like can be given. The water-soluble resin is used in consideration of applicability for the purpose of a thickener and the like. For example, a cellulose resin (for example, hydroxypropylmethylcellulose, methylcellulose, hydroxyethylmethylcellulose) And polymers such as polyvinylpyrrolidone and gelatin. The barrier layer solution may contain the above mordant.
[0123]
After the colorant receiving layer is formed on the support, the colorant receiving layer is made of, for example, a super calender, a gloss calendar, etc., and subjected to a calendering process between the roll nips under heat and pressure, so that surface smoothness, gloss It is possible to improve the degree, transparency and coating strength. However, the calendar process may cause a decrease in the porosity (that is, the ink absorptivity may be decreased), so it is necessary to set conditions under which the decrease in the porosity is small.
[0124]
As roll temperature in the case of performing a calendar process, 30-150 degreeC is preferable and 40-100 degreeC is more preferable.
Moreover, as a linear pressure between rolls at the time of a calendar process, 50-400 kg / cm is preferable and 100-200 kg / cm is more preferable.
[0125]
The layer thickness of the colorant-receiving layer needs to be determined in relation to the void ratio in the layer because it needs to have an absorption capacity sufficient to absorb all droplets in the case of inkjet recording. For example, the ink amount is 8 nL / mm 2 In the case where the porosity is 60%, a film having a layer thickness of about 15 μm or more is required.
Considering this point, in the case of inkjet recording, the thickness of the colorant receiving layer is preferably 10 to 50 μm.
[0126]
Further, the pore diameter of the colorant receiving layer is preferably 0.005 to 0.030 μm, more preferably 0.01 to 0.025 μm in terms of median diameter.
The porosity and pore median diameter can be measured using a mercury porosimeter (trade name “Bore Sizer 9320-PC2” manufactured by Shimadzu Corporation).
[0127]
The colorant receiving layer is preferably excellent in transparency. As a guideline, the haze value when the colorant receiving layer is formed on the transparent film support is 30% or less. Preferably, it is 20% or less.
The haze value can be measured using a haze meter (HGM-2DP: Suga Test Instruments Co., Ltd.).
[0128]
A polymer fine particle dispersion may be added to a constituent layer (for example, a colorant receiving layer or a back layer) of the ink jet recording sheet of the present invention. This polymer fine particle dispersion is used for the purpose of improving film properties such as dimensional stabilization, curling prevention, adhesion prevention, and film cracking prevention. The polymer fine particle dispersion is described in JP-A Nos. 62-245258, 62-1316648, and 62-110066. If a polymer fine particle dispersion having a low glass transition temperature (40 ° C. or lower) is added to the layer containing the mordant, cracking and curling of the layer can be prevented. Further, even when a polymer fine particle dispersion having a high glass transition temperature is added to the back layer, curling can be prevented.
[0129]
Further, the inkjet recording sheet of the present invention is disclosed in JP-A Nos. 10-81064, 10-119423, 10-157277, 10-217601, 11-348409, and JP-A-2001-138621. 2000-43401, 2000-2111235, 2000-309157, 2001-96897, 2001-138627, JP-A-11-91242, 8-2087, 8-2090, 8 It can also be produced by the methods described in the publications Nos. -2091 and 8-2093.
[0130]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited to these Examples. In the examples, “parts” and “%” represent “parts by mass” and “mass%” unless otherwise specified, and “average molecular weight” and “degree of polymerization” are “weight average molecular weight” and “mass”. It represents “average degree of polymerization”.
[0131]
First, synthesis examples of the polymer according to the present invention provided for the examples and the polymer provided for the comparative example are shown.
[Synthesis Example 1]
17.4 parts of 2-hydroxyethyl acrylate and 2.94 parts of 3-mercaptopropyltrimethoxysilane are dissolved in 61 parts of methanol, heated to 65 ° C. under a nitrogen stream, and 2,2′-azobis (2-amidinopropane) A 25% methanol solution of polymer 1 was obtained by adding 0.081 part of dihydrochloride (trade name: V-50, manufactured by Wako Pharmaceutical Co., Ltd.) and further heating for 4 hours.
[0132]
[Synthesis Example 2]
A 25% methanol solution of polymer 2 was obtained in the same manner except that 2.94 parts of 3-mercaptopropyltrimethoxysilane in Synthesis Example 1 were changed to 0.59 parts.
[0133]
[Synthesis Example 3]
A 25% methanol solution of polymer 3 was obtained in the same manner as in Synthesis Example 1 except that 2-hydroxyethyl acrylate in Synthesis Example 1 was changed to methoxytetraethylene glycol methacrylate.
[0134]
[Synthesis Example 4]
A 25% methanol solution of polymer 4 was obtained in the same manner as in Synthesis Example 1 except that 2-hydroxyethyl acrylate in Synthesis Example 1 was changed to N-vinylpyrrolidone.
[0135]
[Synthesis Example 5]
15.8 parts of 2-hydroxyethyl acrylate, 1.6 parts of methyl methacrylate and 2.94 parts of 3-mercaptopropyltrimethoxysilane are dissolved in 61 parts of methanol and heated to 65 ° C. in a nitrogen stream (V-50 ) 0.081 part was added and further heated for 4 hours to obtain a 25% methanol solution of polymer 5.
[0136]
[Synthesis Example 6]
A 30% methanol solution of polymer 6 was obtained in the same manner except that 3-mercaptopropyltrimethoxysilane in Synthesis Example 1 was changed to 2-mercaptoethanol.
[0137]
[Synthesis Example 7]
A 25% methanol solution of polymer 7 was obtained in the same manner except that 2-hydroxyethyl acrylate of Synthesis Example 1 was changed to N- [2- (methacryloyloxy) ethyl] -N, N, N-trimethylammonium chloride. It was.
[0138]
(Production of support)
Wood pulp consisting of 100 parts of LBKP is beaten to 300 ml Canadian freeness with a double disc refiner, 0.5 parts of epoxidized behenamide, 1.0 part of anionic polyacrylamide, 0.1 part of polyamide polyamine epichlorohydrin, 0.5 part of cationic polyacrylamide All parts were added at an absolutely dry mass ratio to the pulp, and weighed by a long paper machine to 170 g / m. 2 Paper was made.
[0139]
In order to adjust the surface size of the base paper, 0.04% of a fluorescent whitening agent (“Whiteex BB” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) is added to a 4% aqueous solution of polyvinyl alcohol, and this is 0 in terms of absolute dry mass. .5g / m 2 The base paper was impregnated so as to become, dried, and then subjected to a calendering process to obtain a base paper adjusted to a density of 1.05 g / ml.
[0140]
After the corona discharge treatment was performed on the wire surface (back surface) side of the obtained base paper, high-density polyethylene was coated to a thickness of 19 μm using a melt extruder to form a resin layer composed of a mat surface. (Hereinafter, the resin layer surface is referred to as “back surface”). The resin layer on the back side is further subjected to corona discharge treatment, and thereafter, as an antistatic agent, aluminum oxide (“Alumina sol 100” manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.) and silicon dioxide (“Nissan Chemical Industry Co., Ltd.” “ Snowtex O ")) in water at a mass ratio of 1: 2 is a dry mass of 0.2 g / m 2 It applied so that it might become.
[0141]
Furthermore, after the corona discharge treatment is applied to the felt surface (surface) side where the resin layer is not provided, anatase-type titanium dioxide 10%, a trace amount of ultramarine blue, and a fluorescent whitening agent 0.01% (vs. polyethylene) A low-density polyethylene containing MFR (melt flow rate) 3.8 is extruded using a melt extruder to a thickness of 29 μm, and a high gloss thermoplastic resin layer is formed on the surface side of the base paper. (Hereinafter, this high-gloss surface is referred to as a “front side”), which was used as a support.
[0142]
Example 1
<Preparation of coating material A for colorant receiving layer>
(1) Vapor phase silica fine particles, (2) ion-exchanged water, and (3) Polymer 1 in the following composition are mixed, and a high-speed rotating colloid mill (“CLEARMIX” manufactured by M Technique Co., Ltd.) is used. And after dispersion for 20 minutes at a rotational speed of 10,000 rpm, a solution containing the following (6) polyvinyl alcohol, (7) boric acid, (8) polyoxyethylene lauryl ether, and (9) ion-exchanged water is added, Further, dispersion was performed again at a rotational speed of 10,000 rpm for 20 minutes to prepare a coating material A for a colorant receiving layer.
The mass ratio between the silica fine particles and the water-soluble resin (PB ratio = (1) :( 4)) is 4.5: 1, and the pH of the colorant-receiving layer coating solution A is 4.8, indicating acidity. It was.
[0143]
(Composition of colorant receiving layer coating solution A)
(1) Gas phase method silica fine particles (inorganic fine particles) 10.0 parts
("Reo Seal QS30" manufactured by Tokuyama Corporation, average primary particle size 7 nm)
(2) 51.7 parts of ion exchange water
(3) "Polymer 1" (25% methanol solution) 0.4 part
(4) Polyvinyl alcohol (water-soluble resin) 8% aqueous solution 27.8 parts
("PVA124" manufactured by Kuraray Co., Ltd., saponification degree 98.5%, polymerization degree 2400)
(7) Boric acid (crosslinking agent) 0.4 parts
(8) 1.2 parts of polyoxyethylene lauryl ether (surfactant)
("Emulgen 109P" manufactured by Kao Corporation (10% aqueous solution), HLB value 13.6)
(9) Ion exchange water 33.0 parts
[0144]
<Preparation of inkjet recording sheet>
After the corona discharge treatment is applied to the front surface of the support, the colorant receiving layer coating liquid A obtained above is applied to the front surface of the support at 200 ml / m using an extrusion die coater. 2 (Application step), and dried with a hot air dryer at 80 ° C. (wind speed 3 to 8 m / second) until the solid content concentration of the coating layer reached 20%. This coating layer exhibited a constant rate of drying during this period. Immediately thereafter, it was immersed in a mordant solution A (basic solution) having the following composition for 30 seconds, and 20 g / m on the coating layer. 2 Was attached (step of applying a mordant solution) and further dried at 80 ° C. for 10 minutes (drying step). This produced the inkjet recording sheet (1) of the present invention provided with a colorant receiving layer having a dry film thickness of 32 μm. The pH of the mordant solution A was 9.6.
[0145]
(Composition of mordant solution A)
(1) 0.65 part of boric acid (crosslinking agent)
(2) 25 parts of 10% aqueous solution of polyallylamine “PAA-10C”
(Mordant, manufactured by Nittobo Co., Ltd.)
(3) 59.7 parts of ion exchange water
(4) Ammonium chloride (surface pH adjuster) 0.8 parts
(5) 10 parts of polyoxyethylene lauryl ether (surfactant)
("Emulgen 109P" manufactured by Kao Corporation, 2% aqueous solution, HLB value 13.6)
▲ 6 ▼ 2.0 parts of 10% aqueous solution for MegaFuck “F1405”
(Fluorosurfactant manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.)
[0146]
(Example 2 4. Reference Example 1 )
Example 2 was repeated in the same manner as in Example 1 except that the polymer 1 of Example 1 was changed to the polymer shown in Table 1. 4. Reference Example 1 An inkjet recording sheet was prepared.
[0147]
(Example 5 )
Example 1 was carried out in the same manner as Example 1 except that the mordant solution A of Example 1 was changed to the mordant solution B shown below. 5 An inkjet recording sheet was prepared. The pH of the mordant solution B was 9.4.
[0148]
[Synthesis of Polyallylamine Derivative 1]
Add 2.7 parts of acrylonitrile to 114.0 parts of 10% aqueous solution of polyallylamine (“PAA-10C” manufactured by Nittobo Co., Ltd.), stir at room temperature for 8 hours, and add water to adjust the concentration. As a result, a 10% aqueous solution of polyallylamine derivative 1 (a compound obtained by cyanoethylating a part of the amino group of polyallylamine) was obtained.
[0149]
(Composition of mordant solution B)
(1) 2.5 parts of boric acid (crosslinking agent)
(2) 69.5 parts of ion exchange water
(3) Polyallylamine derivative 1 10% aqueous solution 25 parts
(4) 2 parts of polyoxyethylene lauryl ether
(5) Ammonium chloride 1 part
[0150]
(Example 6 )
In Example 1 (the composition of the colorant-receiving layer coating solution A), basic aluminum chloride (Al 2 (OH) Five Example 1 The same as Example 1 except that 0.25 part of Cl, “PAC # 1000” manufactured by Taki Chemical Co., Ltd., 40% aqueous solution) was added. 6 An inkjet recording sheet was prepared.
[0151]
(Example 7 )
In the same manner as in Example 1 except that 0.3 parts of zirconyl acetate (30% aqueous solution) was further added in Example 1 (the composition of the colorant receiving layer coating solution A). 7 An inkjet recording sheet was prepared.
[0152]
(Comparative Example 1)
An ink jet recording sheet of Comparative Example 1 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the color material receiving layer coating solution A of Example 1 was changed to the color material receiving layer coating solution B shown below.
[0153]
(Composition of coating material B for colorant receiving layer)
(1) Gas phase method silica fine particles (inorganic fine particles) 10.0 parts
("Reo Seal QS30" manufactured by Tokuyama Corporation, average primary particle size 7 nm)
(2) 51.7 parts of ion exchange water
(3) "PAS-M-1" (60% aqueous solution) 0.83 parts
(Dispersant, manufactured by Nittobo Co., Ltd.)
(4) Polyvinyl alcohol (water-soluble resin) 8% aqueous solution 27.8 parts
("PVA124" manufactured by Kuraray Co., Ltd., saponification degree 98.5%, polymerization degree 2400)
(5) Boric acid (crosslinking agent) 0.4 parts
(6) 1.2 parts of polyoxyethylene lauryl ether (surfactant)
("Emulgen 109P" manufactured by Kao Corporation (10% aqueous solution), HLB value 13.6)
(7) Ion exchange water 33.0 parts
[0154]
(Comparative Example 2)
An ink jet recording sheet of Comparative Example 2 was produced in the same manner as in Example 1 except that the polymer 1 of Example 1 was changed to the polymer 6.
[0155]
(Comparative Example 3)
An inkjet recording sheet of Comparative Example 3 was produced in the same manner as in Example 1, except that the polymer 1 of Example 1 was changed to the polymer 7.
[0156]
(Evaluation test)
The following evaluation tests were conducted for each of the ink jet recording sheets of Examples 1 to 8 obtained above and the ink jet recording sheets of Comparative Examples 1 to 3. The test results are shown in Table 1 below.
[0157]
<Print density>
Using an inkjet printer (“PM-900C” manufactured by Seiko Epson Corporation), a black solid image is printed on each inkjet recording sheet, and after leaving for 3 hours, the reflection density of the printed screen is set to the Macbeth reflection density. It measured with the meter and evaluated according to the following evaluation criteria.
[Evaluation criteria]
A: When the reflection density is 2.4 or more
B: When the reflection density is 2.0 to less than 2.4
C: When the reflection density is less than 2.0
[0158]
<Water resistance>
Using a printer for ink jet recording (“PM-900C” manufactured by Seiko Epson Corporation), solid images of yellow, magenta, cyan, black, green, blue, and red are printed on each ink jet recording sheet. After 10 seconds, paper was contact-pressed on the solid image, and evaluation was performed according to the following evaluation criteria according to the degree of transfer of ink to paper.
[Evaluation criteria]
A: When ink transfer is not recognized
B: When partial transcription is observed
[0159]
<Time-lapse rainbow-1>
Using an inkjet printer (“PM-900C” manufactured by Seiko Epson Corporation), a grid-like line pattern (line width 0.28 mm) in which magenta and black ink are adjacent to each other on each inkjet recording sheet. Printed. After being left for 3 hours after printing, it was stored in a constant temperature and humidity chamber at a temperature of 40 ° C. and a relative humidity of 90% for 3 days, and the line width of the black portion was measured and evaluated according to the following evaluation criteria.
[Evaluation criteria]
A: When the line width is less than 0.30 mm and the occurrence of aging blur is hardly observed
B: When the line width is 0.30 to 0.35 mm and slight aging is observed
C: When the line width is 0.35 mm or more and aging blur is noticeable
[0160]
<Time-lapse blurring-2>
Using an inkjet printer (“PM-900C” manufactured by Seiko Epson Corporation), a grid-like line pattern (line width 0.28 mm) in which magenta and black ink are adjacent to each other on each inkjet recording sheet. Printed. Immediately after printing, the recording sheet was sealed in a clear file, stored in a constant temperature and humidity chamber at a temperature of 35 ° C. and a relative humidity of 85% for 3 days, the line width of the black portion was measured, and evaluated according to the following evaluation criteria.
[Evaluation criteria]
A: When the line width is less than 0.30 mm and the occurrence of aging blur is hardly observed
B: When the line width is less than 0.30 to 0.35 mm and slight aging is observed
C: When the line width is 0.35 mm or more and aging blur is noticeable
[0161]
<Light resistance>
Using an inkjet printer ("PM-900C" manufactured by Seiko Epson Corporation), a solid image of magenta is printed on each inkjet recording sheet, and then passed through a filter that cuts off ultraviolet rays in a wavelength region of 365 nm or less. Using a Weather-ometer Ci65A (manufactured by ATLAS), the lamp was turned on for 3.8 hours under an environmental condition of a temperature of 25 ° C. and a relative humidity of 32%, and then the lamp was turned off. A cycle of standing for 1 hour under environmental conditions was carried out over 168 hours. The image density of each color before and after this test was measured with a reflection densitometer (“Xrite 938” manufactured by Xrite), the residual ratio of each color density was calculated, and evaluated according to the following evaluation criteria.
[Evaluation criteria]
A: When the residual rate is 90% or more
B: When the remaining rate is 80 to less than 90%
C: When the residual rate is less than 70-80%
D: When the remaining rate is less than 70%
[0162]
<Gas resistance>
Using an inkjet printer (“PM-900C” manufactured by Seiko Epson Corporation), a solid cyan image was printed on each inkjet recording sheet, and stored for 24 hours in an environment with an ozone concentration of 2.5 ppm. The cyan density before and after storage was measured with a reflection density meter (“Xrite 938” manufactured by Xrite), the residual ratio of the cyan density was calculated, and evaluated according to the following evaluation criteria.
[Evaluation criteria]
A: When the remaining rate is 80% or more
B: When the remaining rate is less than 70-80%
C: When the remaining rate is less than 60 to 70%
D: When the remaining rate is less than 60%
[0163]
[Table 1]
[0164]
From Table 1, Examples 1 to 1 containing the polymer according to the present invention. 7 This inkjet recording sheet has a high printing density in the image area, suppresses blurring with time, and has a high residual density ratio of the formed image even after being stored for a long time in a high-density ozone environment. It was found that the recording sheet was excellent in gas resistance (ozone resistance). Further, even after the xenon irradiation and high-humidity cycle tests, it was found that the formed image has a high density residual ratio and is an ink jet recording sheet having excellent light resistance, particularly magenta color development.
Further, the inkjet recording sheet of the present invention was excellent in all of glossiness, ink absorption speed, image area density, and water resistance.
On the other hand, the inkjet recording sheets of Comparative Examples 1 to 3 containing a polymer that does not have a group capable of binding to inorganic fine particles at the ends in the present invention have a low image density after printing, and a cationic polymer. The ink-jet recording sheet contained was insufficient in light resistance, and further bleed occurred with time.
[0165]
【The invention's effect】
According to the present invention, there is no occurrence of cracks and the like, it is strong, it has good ink absorbability, it has excellent image density, it has excellent light resistance, water resistance, and gas resistance of the image area, and it is in a high temperature and high humidity environment. It is possible to provide an ink jet recording sheet that is free from aging even when stored for a long time.
Claims (12)
一般式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Jは2価の連結基であり、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CONR’−のいずれかを表す。R 1 はアルキレン基、アリーレン基、あるいはアラルキレン基を表す。R 2 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかを表す。また、R’は、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかを表す。nは1以上の整数を表す。 In the inkjet recording sheet having a colorant receiving layer on a support, the colorant receiving layer includes at least inorganic fine particles and a nonionic polymer having a terminal group capable of covalently bonding with the inorganic fine particles. An ink jet recording sheet containing the nonionic polymer represented by the following general formula (1):
In General Formula (2), R represents a hydrogen atom or a methyl group, J is a divalent linking group, and represents any of —COO—, —OCO—, —CONH—, and —CONR′—. R 1 represents an alkylene group, an arylene group, or an aralkylene group. R 2 represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aralkyl group, or an aryl group. R ′ represents any of an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aralkyl group, and an aryl group. n represents an integer of 1 or more.
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