JP3949132B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。特に高出力・高分解能な高密度磁気記録対応ヘッドを歩留まり良く供給できる製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブにおける磁気記録密度は急激に上昇し、それに伴い、再生ヘッドに要求される再生感度・再生分解能も年々上昇している。スピン依存散乱を動作原理に用いたGMRヘッドの出現は飛躍的に出力を上げ高記録密度化に対応した。またさらなる高記録密度化に対応するため多くの構造が提案されている。その目的に対応した形で多層膜積層面に垂直に通電するタイプの再生素子が提案されている。たとえばTMR(Tunneling-junction Magnet-Resistance)ヘッドやCPPGMR(Current Perpendicular to the Plane Giant Magnet-Resistance)ヘッドがそれらの再生素子に相当する。しかし、1平方インチあたり1Tビットを有するような超高記録密度ではそれらの素子でも感度不足もしくは抵抗値が高すぎて採用が困難と予想される。
磁気記録技術の分野においては、記録密度の向上により必然的に記録ビットの縮小化が進められ、その結果として十分な信号強度を得ることが難しくなりつつある。このため、より感度の高い磁気抵抗効果を示す材料が求められており、上述の如く大きな磁気抵抗変化率を示す系の必要性はますます高くなっている。
最近、100%以上の磁気抵抗効果を示すものとして、2つの針状のニッケル(Ni)を付き合わせた「磁気微小接点」、あるいは2つのマグネタイトを接触させた磁気微小接点が、それぞれ、非特許文献1に開示されている。これらは、大きな磁気抵抗変化率を示しているものの、その磁気微小接点の作製方法は、いずれも2つの針状あるいは三角形状に加工した強磁性体を角付き合わせるというものである。さらに極最近、2本の細いNiワイヤをT字に配置し、電着法を用いて接触部に微小コラムを成長させた磁気微小接点が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。これらも非常に大きな磁気抵抗変化率を示しているが、この磁気微小接点の構造では素子化が不可能である。
一方、アルミナのピンホールにNiクラスターを電着で成長させて作製した磁気微小接点が開示さている(例えば、非特許文献3参照)。この構造は磁区の制御と接点構造制御が困難で、このため、この接点の抵抗変化率は14%以下と小さい。この磁気微小接点を用いた素子(以下、ポイントコンタクトMR素子またはPCMR素子ともいう)の原理を説明する。素子は上下電極に挟まれて面内垂直にセンス電流が流される。磁化が固着されたピン層(以下、磁化固着層ともいう)と、磁化が外部磁界で動くフリー層(以下、磁化自由層ともいう)は絶縁体に設けられた磁気微小接点でのみ接触する。この磁気微小接点において、フリー層とピン層が反並行の場合に高抵抗を示し、並行の場合には低抵抗を示す。すなわち磁気微小接点での上下磁性層の磁化方向の状態が素子の電気抵抗を決定する。この磁気微小接点(以下、ポイントコンタクトともいう)は20nm径以下であり、その製造が極めて困難である。たとえば、電子線描画により10nm径の穴をレジストに描画してエッチングプロセスで絶縁体に微小接点を設ける場合には、電子線装置の調整状態や電子線レジストの状態によりウエハー面内、ウエハー間のばらつきは大きく、場合によっては微小接点が形成されない場合もある。素子の特性を決定する上で重要な微小接点の形成はプロセス上の困難性が極めて高い。このため、微小接点を安定して形成する方法が求められる。
金属に酸化処理を行った後に加熱処理を行った場合、金属的な導通部分と酸化物による非導通部分に偏析、分離することが報告されている。この原理は一部CPPGMRに適用されてセンス電流を微小領域に絞り込んだCCP(Current Confined Path)−CPPGMR素子として研究が進められている。しかしながら、GMR素子は一般に、非磁性材料からなる層がピン層とフリー層との間に介在しているため、CCP−CPPGMR素子のMR比の低下を避けられない。さらに、偏析、分離は素子全体にわたって発生するため、CPP−CPPGMR素子においては、センス電流のうちかなりの部分がバイアス膜に近い、透磁率が低下した部分を通過する。そのため、十分に抵抗変化に寄与できず効率を低下させている。
一方、垂直通電型のCPPGMR素子においてセンス電流損失を防ぐための方法、すなわち透磁率が高い部分にのみセンス電流を供給する方法として、GMR積層膜の上下にピラーと呼ばれる電極を接続する方法が開示されている。しかし、ピラー自身の面積は小さいため、上下およびGMR積層膜それぞれのパターニング精度や位置決め精度が厳密に要求され、歩留まりの低下が避けられない。
しかしピラーをGMR積層膜の上下に設置してもTMRやCCP−CPPGMR素子の場合、絶縁体が電気導通路の途中に挟み込まれているため、等電位領域はフリー層やピン層全体に広がる。その結果、センス電流はバイアス膜近傍やフリー層のハイト方向エッジ付近の透磁率劣化部分にも流れ効率低下を免れない。したがって、ピラーに代表されるセンス電流を高効率領域のみに絞り込む手段は、ピン層とフリー層界面の高抵抗領域に隣接して設置されなければならない。
1Tbpsi級の高記録密度ハードディスクドライブに使用される再生ヘッドには、高出力のみならず高分解能も求められる。例えば、略1Tbpsiをビット密度2.5Mbpi、トラック密度400ktpiで実現する場合を考えると、一般的なシールド型ヘッドでは、その再生ギャップは約20nm〜30nm程度となり、そこにCPPGMR(Current perpendicular to Plane GMR)素子やトンネルジャンクションMR(TMR)素子を再生素子として挿入することが困難となる。
そこで、媒体磁界に反応する磁界検出層のみを再生分解能を有するシールドに挟み込むフラックスガイド型再生ヘッドが提案されている。しかし、このフラックスガイド型再生ヘッドは出力が急激に低下してしまうこと、さらに、再生素子としてGMR積層膜を用いる場合、その製造プロセスが困難であることに問題があった。
また、隣接トラックからの信号漏洩(サイドリーディング)を防止するために、サイドシールド構造が良好であることが提案されているが、現行の再生素子は構造上その両脇にバイアス膜が設置されているため、サイドシールド構造を現実的な仕様で設置することが極めて困難である。さらに、磁界検出を行うフリー層自身の体積が小さくなるため、バイアス膜からのノイズが無視できないレベルに達してしまう。
一方、ナノホールMR素子構造として効率的な部分にのみセンス電流を供給し、かつ磁気微小接点の面積を減少せしめる構造および方法が公開されている(例えば、特許文献1参照)。この構造および方法は、バイアス膜から離れた素子中央部にコンタクトホールを形成して効率的なセンス電流の利用を提案するものである。さらに、Cr−Cu−Oなどの材料を偏析処理させて金属部分と酸化物部分とに分離して、コンタクトホールと組み合わせることで実質的な導電部分面積の絞込みを提案している。
しかしながら、この特許文献1に記載の技術は、2つの磁性体の界面には非磁性金属からなる層が介在する構造となっている。この特許文献1に記載の構造は、ピン層とフリー層の直交バイアス(動作点バイアス)はかかりやすくなるが、非磁性体の介在によりMR素子の抵抗変化率は本質的には非特許文献に記載されているようには十分に大きくはならない。
また、熱処理による偏析や固相分離は基本的には結晶粒界を基点に形成される。したがって析出した部分には点欠陥に代表される格子欠陥、膜中の不純物などが集合する可能性が有る。その場合は、良好な通電パスにならず、結果素子としての良品歩留まりを低下させる可能性がある。
また、フリー層においてトラック部分が突出したフラックスガイド構造について、さらにコンタクトホールサイズとトラック幅との関連は開示されていない。
さらに、ボトムアップ的な方法で膜面内に微小相分離構造を作り出す方法については、以下の方法が開示されている。例えば特許文献2に、磁気抵抗効果素子の作成する際に、金属膜の過熱により平面内に抵抗が高い領域と、抵抗が低い領域とが、分離した状態として形成され、これをCPP−GMRのセンス電流パスをさらに絞り込む技術が開示されている。このような2次元的な分離構造は、「スピノーダル分解」や「GPゾーン(Guinier-Preston zone)」などの固相内相分離を利用することにより実現できる。すなわち、磁化固着層と磁化自由層との間に設けられた相分離層(スペーサー層)は、2種類以上の元素からなる合金がスピノーダル分解やGPゾーンの形成などのメカニズムにより2相以上の相に固相内相分離した組織を有する。
また、酸素雰囲気中への暴露や酸素ラジカル照射等の前処理や熱処理等により、このような相分離した複数の相のうちのいずれかの相を優先的に酸化させる。すなわち、スピノーダル分解やGPゾーンの形成などのメカニズムにより固相内相分離した相分離層の一部を酸化処理することにより、抵抗が相対的に高い領域(絶縁相)を形成する。そして、これら領域の間に、抵抗が相対的に低い未酸化状態の領域(導電相)が分布した構造を形成する。
したがって、例えば、スピノーダル分解などのメカニズムによって2相に相分離した場合、一方の相が他方の相に比べて優先的に酸化されやすいように相分離すれば、絶縁相の中に導電相が分布した構造を形成することが容易となる。このためには、例えば、酸化されやすい元素が多く含まれた相と、酸化されにくい元素が多く含まれた相とに相分離するような合金系を選択することが望ましいことが開示されている。
一方、触媒分野においては、SiOで形成された微細で均一な細孔を作製する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3によると、成膜後に酸素雰囲気中でアニール処理することにより、Fe粒子とSiO粒界の微細な膜が形成され、この膜に対して酸によるエッチング処理を行うことで、SiOで形成された微細な細孔を持つ膜を形成することができる。
また、磁気媒体分野においては、酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケルからなる結晶粒子と、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化亜鉛からなる結晶粒界部からなるハニカム構造の下地膜を持つ磁気記録媒体が開示されている。(例えば、特許文献4参照)
上記特許文献3乃至4に記載の技術は、酸化物・酸化物の固相分解の例およびその一相をエッチングして微小穴を形成する方法であるが、磁気抵抗効果素子への適用に関する開示は全く無い。
さらに、磁性体表面を酸化させて絶縁体とし、その絶縁体表面にあいたピンホールを通してセンス電流通電を行う技術が開示されている(非特許文献参照)。
しかし、金属磁性体を直接酸化させることは硬磁性材料になったり、反強磁性材料になったりと単純な絶縁膜として扱えなくなるため非磁性材料の酸化物に比べて厳密なプロセスコントロールが要求される。
また、ピンホールが開いているTMR素子でも磁性体同士がポイントコンタクトで接触する、似たような構造を作ること可能である。たとえば、二つの磁性体に挟まれているアルミナなどの絶縁膜の膜質を劣化させピンホールがいたるところに開いている状態を作り出すことである。しかし、素子膜面均一にピンホールを形成するのはプロセス的に困難で、一箇所大きなピンホールがあればそこに集中的にセンス電流が流れてしまう。素子平面上でピンホールを開ける位置をさらに厚い絶縁膜で囲うなどして素子の数分の1程度に限定すれば、プロセスマージンは、歩留まりは指数的に向上する。
N. Garcia, M. Munoz, and Y. -W. Zhao, Physical Review Letters, vol.82, p2923 (1999) N.Garcia et al、Appl.Phys.Lett.,vol.80,p1785(2002) M. Munoz, G. G. Qian, N. Karar, H. Cheng, I. G. Saveliev, N. Garcia, T. P. Moffat, P. J. Chen, L. Gan, and W. F. Egelhoff, Jr., Appl. Phys. Lett., vol.79, p.2946, (2001) J.Appl.Phys., vol.89, No.11, p6943(2001). 特願2004−39780号 特開2004−153248号公報 特開平10−182263号公報 特開2001−134930号公報
以上、説明したように、上記文献に開示された技術においては、高出力でかつ高分解能な素子を得ようとすると、製造コストが高くついたり、現実的に製造できないなどの問題が生じる。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであって、出力と分解能を可及的に高くすることができる磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに磁気再生装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による磁気ヘッドは、媒体走行面に対して膜面が垂直に配置された第1の磁性層と、前記第1の磁性層の前記膜面に接するように設けられ絶縁体を含む中間層と、前記中間層の前記第1の磁性層とは反対側の膜面に接するように設けられた絶縁層と、前記絶縁層の前記中間層と反対側の膜面に接するように設けられた第2の磁性層と、前記中間層の前記絶縁体内に設けられ前記第1の磁性層と電気的に接続する第1のコンタクトと、前記絶縁層内に設けられ前記第1のコンタクトと前記第2の磁性層とを電気的に接続し、前記第1のコンタクトよりも径が大きな第2のコンタクトと、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第2の態様による磁気記録再生装置は、上記磁気ヘッドを備えたことを特徴とする。
また、本発明の第3の態様による磁気ヘッドの製造方法は、第1の磁性層上に少なくとも2種類の金属を含む金属膜を形成するステップと、前記金属膜を酸化処理して金属酸化膜を形成するステップと、前記金属酸化膜上に絶縁膜を形成するステップと、熱処理を行うことにより、前記金属酸化膜を固体相分離させ、前記金属酸化膜内に少なくとも1種類の金属を偏析させるステップと、前記絶縁膜をパターニングして、底面に前記偏析した金属が露出する第1の開口を前記絶縁膜に形成するステップと、前記第1の開口を埋め込むように前記絶縁膜上に第2の磁性層を形成するステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、出力と分解能を可及的に高くすることができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気ヘッドの構成を図1乃至図3に示す。図2は、本実施形態による磁気ヘッドの媒体走行面(以下、ABS(Air Bearing Surface)ともいう)からみた平面図であり、図1及び図3は、それぞれ図2に示す切断線A−A及び切断線B−Bで切断したときの断面図である。
本実施形態による磁気ヘッドは、例えば膜厚1.5μmのNiFe合金からなる下部シールド2上に形成されたナノコンタクト再生素子を有し、このナノコンタクト再生素子は例えばNiFe合金からなる上部シールド24によって覆われている。
ナノコンタクト再生素子は、例えば膜厚が10nmのTaからなるギャップ層4と、ギャップ層4上に形成された例えば膜厚が2.5nmのNiFe合金からなる磁性下地層6と、磁性下地層6上に形成された例えば膜厚が2.5nmのNiからなるフリー層8と、フリー層8上に形成された例えば膜厚が3nmのAl酸化物を含む中間層10と、中間層10内に形成されフリー層8と接続する直径3nm〜5nmのコンタクト12と、中間層10上に形成された膜厚9nmのSiOからなる絶縁層13と、この絶縁層13上に形成された例えば膜厚が10nmのNiからなるピン層14と、ピン層14上に形成された例えば膜厚15nmのPtMnからなるピン固着層16と、ピン固着層16上に形成された例えば膜厚5nmのTaからなる導電性の保護層18と、を備えている(図1参照)。絶縁膜13内にはコンタクト12およびピン層14と電気的に接続する直径20nmのコンタクト14aが設けられている。コンタクト14aは絶縁層13に孔をあけ、この孔を、ピン層14を形成する際に埋め込むことで形成される。なお、コンタクト12は、ABSからハイト方向(図1においては右方向)に17nm後退した位置に設けられている。また、本実施形態においては、フリー層8にNiが用いられているので、フリー層8の軟磁性特性を良くするために磁性下地層6としてNiFe合金(パーマロイ)が用いられている。
ギャップ層4から絶縁層13までの積層膜は同じ平面形状に加工され(図1参照)、この積層膜においては、媒体走行面ABSにおいてはトラック幅に相当する幅が約20nmとなっている。なお、媒体走行面ABSには最終的に数nmのカーボン系保護膜が形成されることとなる。
ピン層14、ピン固着層16、および保護層18からなる積層膜は、図1に示すように同じ平面形状に加工され、幅約30nmで高さ約20nmの略矩形形状である。この矩形形状を、図3において、コンタクト14aの周囲にある破線で示す。そしてこの積層膜は媒体走行面ABSからハイト方向に後退した位置に形成されている。なお、ピン固着層16は交換結合によりピン層14の磁化の向きを固着する。
フリー層8と磁性下地層6が媒体から信号磁束を導くフラックスガイドとして機能する。図3に示すようにフリー層8は、媒体走行面ABSに垂直な断面形状がT字型であり、媒体走行面ABSに接してフラックスガイド部11が設けられている。フラックスガイド部11の両脇に例えば膜厚5nmのSiOからなるサイドギャップ22を介して上部シールドと兼用のサイドシールド24が形成されている。なお、図3に示すようにフリー層8の両脇にはフリー層の磁化の向きが媒体走行面ABSに平行となるようにハードバイアス膜9が設けられている。なお、図3に示すように、コンタクト14aの中心は、フリー層の膜面のトラック幅方向の幅のほぼ線対称軸上に位置することが好ましい。
導電性の保護層18の上面、すなわちピン固着層16とは反対側の面が露出するように、ギャップ層4から絶縁層13までの積層膜およびピン層14から保護層18までの積層膜は絶縁膜21によって覆われている(図1および図2参照)。
このように構成されたナノコンタクト再生素子を覆うように上部シールド24が形成されている(図1および図2参照)。
図2に示すように、媒体走行面におけるナノコンタクト再生素子のビット長方向の長さは上下シールド2、24によって規定され、シールド間ギャップ、すなわち図2に示すようにギャップ層4、磁性下地層6、フリー層8、中間層10、絶縁層13、および絶縁膜21のそれぞれの膜厚の合計は25nmとなっている。また隣接トラックからの信号はサイドギャップ22aを介して設けられたサイドシールド(上部シールド24と兼用)によりカットされ、サイドリーディングによる信号劣化が防止される。
以上説明したように、本実施形態においては、ピン層14より保護層18までの積層膜を媒体走行面ABSよりハイト方向に後退させることにより、ビット分解能を規定するシールドが再生信号感応層であるフリー層8および磁性下地層6のみを挟み込むことが可能となり、狭ギャップが形成できる。
また、ナノコンタクト再生素子とフラックスガイド部を組み合わせた場合、ピン層14はコンタクト12の上を覆っていれば機能的には十分である。すなわち、素子抵抗値、通電電流密度、再生感度はすべてコンタクト12だけで規定され、コンタクト12以外のピン層14とフリー層8の中間層10を介してオーバーラップしている面積に依存しない。したがって、本実施形態の磁気ヘッドは、抵抗値や通電電流密度などオーバーラップしている面積に規定される、面積規定プロセスやアライメントプロセスに敏感なTMR素子やCPPGMR素子に比べてプロセス設計上のマージンが広い。なお、ナノコンタクト接合のMR素子は原理的にMR値が10万%と大きいことが報告されているため、フラックスガイドにより磁束量が減衰しても十分な出力が得られる。
なお、図3に示すように、コンタクト12は、その中心が媒体走行面ABSより略17nmの位置に形成される(d=17nm)。TMR素子やCPPGMR素子のように媒体走行面ABSから離れるほど信号磁束は減衰してしまうが、もともとMR比が大きいナノコンタクト再生素子の場合、その自由度は大きい。フラックスガイド部11は媒体走行面ABSに向かって狭くなる略T字形状であり、ABS面における幅すなわち最も狭く成った部分の幅はトラック幅(約20nm)に相当し、フラックスガイド部11の高さeは12nmとした。
フリー層8自身の形状に伴う反磁界による磁化のエッジカーリング効果と信号磁束の減衰とのバランスを取るために全てのエッジからフリー層8の膜厚の2乃至3倍程度離れた位置にコンタクト12を形成した。フリー層8とピン層14がコンタクト12で接触するナノコンタクト再生素子は、コンタクト12の部分のフリー層8の磁化状態さえ考慮に入れておけばよいので、面でピン層と接触するTMR素子やCPPGMR素子に比べて、フリー層の形状設計自由度が大きい。
フリー層8のT字の横バーに相当する部分、すなわちフリー層8からフラックスガイド部11を除いた部分はトラック幅よりも大きく取られ、ハードバイアス層9からの過剰バイアスによるフリー層8の透磁率劣化を防ぐため、ハードバイアス層9から略シールドギャップ長程度の距離だけ離してコンタクト12、14aの近傍領域に接触する。図3では、a=c=25nm,b=20nm、f=20nmとして形成した。このようにすることにより、フリー層8のナノコンタクト部分の透磁率劣化に伴う出力劣化や、体積が増加することによるフリー層自身からのノイズの低減に効果がある。これもTMR素子やCPPGMR素子にくらべて極小点での磁化状態を設計すればよいため設計自由度が高い。
以上説明したように、本実施形態によれば、大きな抵抗変化率を有するナノコンタクト再生素子をフラックスガイド構造に適用したことにより、フラックスガイドにより磁束量が減衰しても十分な出力が得られるとともに十分な分解能を得ることができる。
また、フラックスガイド脇にサイドシールドを設けることで、サイドシールドを作成し易くなる。この構造によれば、サイドシールドはアライメントプロセス無しにサイドギャップとなる絶縁層の成膜、さらに垂直異方性エッチング工程、最後に上部兼サイドシールドを形成することでサイドシールドを容易に作成することができ、その結果、隣接トラックからの信号漏洩(サイドリーディング)を抑制することができる。
また、コンタクト12近傍のフリー層幅をフラックスガイド幅よりも広げることで、一般的な現行構造の素子(磁気的トラック幅とフリー層の幅がほぼ等しい)のフリー層に比べてフリー層の体積が増加して熱揺らぎノイズを低減することが可能となる。
この構造の素子ではコンタクト12が内部に存在し、センス電流が流れる部分がコンタクト12の近傍に限定されるためTMR素子やCPPGMR素子と比べ素子側面における上シールドとの電気的絶縁が容易に、より薄い膜で絶縁できる。したがって、フラックスガイド構造におけるサイドギャップはナノコンタクト素子の方が薄くできるメリットがある。
また、Ta下ギャップ10nmを下からTa5nm/IrMn合金5nmと積層して、フリー層(NiFe/Ni)に直接縦バイアス手段とし、ハードバイアス膜をなくす構造にすることもできる。
また、コンタクト12のサイズのばらつきに関しては、2乃至3個で構成することでばらつきの影響を平均化して、素子抵抗値の分散を小さくすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気ヘッドの製造方法を図4(a)乃至図5(c)を参照して説明する。本実施形態による磁気ヘッドは、図1乃至図3に示す第1実施形態による磁気ヘッドの製造方法であって、その製造工程を図4(a)乃至図5(c)に示す。
まず、アルチック基板(図示せず)上に、アルミナアンダーコート(図示せず)を形成し、アルミナアンダーコート上に膜厚1.5μmのNiFe合金からなる下部シールド(図示せず)を形成する。この下部シールドの表面を鏡面研磨し、この鏡面研磨された表面上にナノコンタクト再生素子が形成される。ナノコンタクト再生素子は、以下のように形成される。
続いて、下部シールド上に、膜厚10nmのTaからなるギャップ層(図示せず)、膜厚2.5nmのNiFe合金からなる磁性下地層(図示せず)を形成し、この磁性下地層上に膜厚2.5nmのNiからなるフリー層8を形成する(図4(a)参照)。その後、フリー層8上に、Alが90%の膜厚3nmのCu−Al膜30を形成する(図4(a)参照)。なお、上記下部シールド、ギャップ層、および磁性下地層は図1の下部シールド2、ギャップ層4、および磁性下地層6にそれぞれ相当する。
次に、酸素プラズマビームをCu−Al膜30に照射することにより、Alが酸化した酸化膜30に変わる(図4(b)参照)。続いて、酸化膜30上に、膜厚9nmのSiOからなる絶縁層13を形成した後、アニールを施す。これにより、酸化膜30は、アルミ酸化物10a内に直径約2nmのCuからなる金属ピラー10bが偏析した中間層10となる(図4(c)参照)。すなわち、中間層10は金属ピラー10bとアルミ酸化物10bとの分離構造となる。この金属ピラー10bは直径平均2nm程度でピラー平均間隔は約15nm程度であり、中間層10の全体に点在した。
次に、絶縁層13上に電子線レジスト32を塗布し、トラックとなる位置の後方で媒体走行面より17nmほど後方に中心が来るように直径18nmの円を電子線レジスト32に電子線描画し、電子線レジスト32をパターニングし、電子線レジスト32に開口32aを形成する(図5(a)参照)。続いて、開口32aが形成された電子線レジスト32をマスクとしてCHFガスを用いてRIEエッチングを行い、SiOからなる絶縁層13に開口34を開ける(図5(a)参照)。このとき、開口34の底部には、少なくとも一つの金属ピラー10bが存在している。
次に、絶縁層13に開口34が形成された基板を硝酸溶液のなかに曝し、開口34の底部に存在する金属ピラー10bを選択的に除去した。SiOからなる絶縁層13、アルミ酸化物10a、除去されたCuからなる金属ピラー10b下のNiからなるフリー層8は、この硝酸溶液にてエッチングはほとんど行われない。このようにCuを選択的にエッチングして中間層10内にホール36を形成した。このホール36は高さが絶縁層10の膜厚3nmであって、直径が平均で約2nm程度である(図5(b)参照)。
次に、電子線レジスト32を有機溶剤にて除去して水洗洗浄した後、膜厚10nmのNiからなるピン層14を成膜した(図5(c)参照)。これにより、絶縁層10内に形成されたホール36および絶縁層13の開口34は、Niで埋め込まれ、それぞれコンタクト12およびコンタクト14aとなる。このように中間層10と絶縁層13の組成を変えることで、コンタクト12用のホール36と、コンタクト14a用の開口34を独立に形成することができる。
さらにこの後、膜厚15nmのPtMnからなるピン固着層、膜厚5nmのTaからなる保護層を積層して成膜した。ピン層、ピン固着層、および保護層からなる3層の積層膜を30nm角の矩形上にパターニングした。その後、ギャップ層から絶縁層13上までをフラックスガイドを有するT型形状にパターニングした。その後、フリー層8の脇にCoPtハード膜からなるバイアス膜を設置した。
このようにして形成された磁気ヘッドの断面図を図6(a)に、平面図を図6(b)に示す。なお、図6(b)は、ピン層14を形成する前の中間層10からみた平面図である。
図6(a)、6(b)からわかるように、熱処理によって形成された金属ピラー10bは中間層10の全面に渡って形成されている。その中で、ハードバイアス膜9に近い部分ではフリー層8の透磁率が劣化している。また、フリー層8のエッジに近い部分では反磁界の影響でフリー層8の磁化回転が十分に行えず、等価的に透磁率が劣化した状態となっている。コンタクト14aの底面部分の透磁率が最も高く、センス電流が効率的に使用できる場所であり、コンタクト14aの底面部分の金属ピラー10bをコンタクト14aで選択している。図6(a)に示しているように、金属ピラー10bは、ピン層14が埋め込まれるコンタクト14a下だけでなく絶縁層13下には金属Cu状態で存在している。これらは、コンタクト14aに懸からなかったため、硝酸よるエッチングが行われず金属状態で存在している。図6(a)に示した金属状態である部分10bはフリー層8の磁化回転の最適な場所からずれているためセンス電流を流さないように絶縁層13で覆われている。
中間層10の作成方法として、Cu−Al膜以外にも、Cu−Cr膜を用いても同様のプロセスで作成できる。この場合、Crは50%以上であることが望ましい。
また、鉄酸化物・シリコン酸化物混合ターゲットのスパッタを行って中間層10を形成する方法もある。例えば、FeO−30mol%シリカターゲットを用い、RFスパッタ放電にて約3nm成膜を行う。その後、ガス圧2Paの酸素雰囲気中で約300℃〜400℃の熱処理を行う。これにより、Feを主成分とする約3nm直径のナノ結晶がその周りを取り囲むシリカマトリクスの中にピラー状に析出する。続いて、SiOからなる膜厚9nmの絶縁層13を形成する。以降、第2実施形態の図5(a)に示すと同様に、ピラーを選択する領域を電子線レジストで指定して、SiOからなる絶縁層13を、CHFガスを用いてRIEにてエッチングを行う。Fe結晶からなるナノサイズのピラーのエッチングは燐酸溶液を用い、エッチング防止用インヒビタ−としてクエン酸溶液を燐酸溶液に混合する。このエッチングにより、第2実施形態の図5(b)に示すように、Ni表面に形成された酸化層まで除去することができる。続いて、図5(c)に示すように、Niからなるピン層14を開口34およびホール36が埋め込まれるように成膜を行う。
埋め込み成膜後は、このナノピラー中の磁性膜に存在する欠陥を修正するため、熱処理を行ったり、センス電流を実駆動電流よりも初期において多く流すことでセンス電流加熱を行うことが望ましい。センス電流加熱においては、抵抗値をモニタリングしながらセンス電流を上昇させて、所定の抵抗値になったところで終了するかもしくはそのセンス電流を保持しながら一定時間流す方法を取ることができる。
また、Niからなるフリー層8の表面に導入された酸化層は、ナノピラー面積が極小サイズであるためスパッタエッチングで確実に取ることが困難である。そのため、本実施形態のようにウエットエッチングすることは、確実に物理的ダメージ無く表面層やプロセスダメージ層を除去できるため、抵抗変化率上昇に寄与することができる。
以上説明したように、本実施形態によって製造された磁気ヘッドは、第1実施形態と同様に、出力と分解能を可及的に高くすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの製造方法を図7(a)乃至図8(b)を参照して説明する。この実施形態は、図1乃至図3に示す第1実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、その製造工程を図7(a)乃至図8(b)に示す。
中間層10に磁性体を埋め込むには、指向性のよい磁性粒子での成長や、埋め込み成膜後の加熱によるダメージ修正が高抵抗変化率発生には重要である。本実施形態では、中間層の相分離の1相に金属磁性体を析出させて、電子電流パスとするものである。これにより、極微小ナノピラー内に磁性膜を埋め込むプロセスが緩和され歩留まり向上に寄与する。
次に、本実施形態の製造方法を説明する。
まず、アルチック基板(図示せず)上に、アルミナアンダーコート(図示せず)を形成し、アルミナアンダーコート上に膜厚1.5μmのNiFe合金からなる下部シールド(図示せず)を形成する。この下部シールドの表面を鏡面研磨し、この鏡面研磨された表面上にナノコンタクト再生素子が形成される。ナノコンタクト再生素子は、以下のように形成される。
続いて、下部シールド上に、膜厚10nmのTaからなるギャップ層(図示せず)、膜厚2.5nmのNiFe合金からなる磁性下地層(図示せず)を形成し、この磁性下地層上に膜厚2.5nmのFeからなるフリー層8を形成する(図7(a)参照)。その後、フリー層8上に、Crが60%の膜厚3nmのFe−Cr膜40を形成する(図7(a)参照)。なお、上記下部シールド、ギャップ層、および磁性下地層は図1の下部シールド2、ギャップ層4、および磁性下地層6にそれぞれ相当する。
次に、酸素5000L(ラングミュア)のチャンバー内に導入してFe−Cr膜40のCrが酸化され、Cr酸化物を有する酸化膜40に変わる(図7(b)参照)。続いて、酸化膜40上に、膜厚9nmのSiOからなる絶縁層13を形成した後、アニールを施す。これにより、酸化膜40は、Cr酸化物10a内に直径約2nmのFeからなる金属磁性ピラー10bが偏析した中間層10となる(図7(c)参照)。すなわち、中間層10は金属磁性ピラー10bとCr酸化物10bとの分離構造となる。この金属磁性ピラー10bは直径平均2nm程度でピラー平均間隔は約15nm程度であり、中間層10の全体に点在した。
次に、絶縁層13上に電子線レジスト42を塗布し、トラックとなる位置の後方で媒体走行面より17nmほど後方に中心が来るように直径18nmの円を電子線レジスト42に電子線描画し、電子線レジスト42をパターニングし、電子線レジスト42に開口42aを形成する(図7(a)参照)。続いて、開口42aが形成された電子線レジスト42をマスクとしてCHFガスを用いてRIEエッチングを行い、SiOからなる絶縁層13に開口44を開ける(図7(a)参照)。このとき、開口44の底部には、少なくとも一つの金属ピラー10bが存在している。
次に、電子線レジスト32を有機溶剤にて除去して水洗洗浄した後、膜厚5nmのFeからなるピン層14を成膜した(図7(b)参照)。これにより、絶縁層13の開口34はFeで埋め込まれてコンタクト14aとなる。
さらにこの後、膜厚15nmのPtMnからなるピン固着層、膜厚5nmのTaからなる保護層を積層して成膜した。ピン層、ピン固着層、および保護層からなる3層の積層膜を30nm角の矩形上にパターニングした。その後、ギャップ層から絶縁層13上までをフラックスガイドを有するT型形状にパターニングした。その後、フリー層8の脇にCoPtハード膜からなるバイアス膜を設置した。
本実施形態においては、ピン層14およびフリー層8はともにFeを使用したが、FeCo合金、Ni膜など別の金属磁性材料・合金を用いてもかまわない。ピラー10bの内部はフリー層として動かすにはピラー10bの直径方向での反磁界の影響が強く垂直磁気異方性がでやすいため軟磁性がでにくい。したがって、ピン層として働くことが望ましい。そのため、ピラー10bの内部とピン層14の原子的接合を良好にするため、ピン層はFeもしくはFeリッチな合金(たとえばFe90Co10など)を用いて結晶構造が体心立方格子(bcc(body-centered cubic lattice))である層とし、フリー層は軟磁性が良好となる面心立方格子(fcc(face-centered cubic lattice))である層となるCo90Fe10合金やNi,NiFe合金を用いることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態によって製造された磁気ヘッドは、第1実施形態と同様に、出力と分解能を可及的に高くすることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による磁気ヘッドの製造方法を図9(a)乃至図10(c)を参照して説明する。図9(a)乃至図10(c)は、本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す断面図である。
この実施形態によって製造される磁気ヘッドは、図1乃至図3に示す第1実施形態による磁気ヘッドにおいて、二つの磁性層間、すなわちフリー層とピン層との間に非磁性層を挿入した構造となっている。二つの磁性膜間に非磁性膜を挿入することで、ピン層フリー層間の直交バイアスが行いやすくなり、その結果再生波形ひずみを緩和できる利点がある。
ナノコンタクト(ナノピラー)が例えばCuなどの非磁性金属で形成され、その上下に平面状の磁性層がある場合、一方の磁性層から放出された電子は、ナノピラー内部をスピン情報を保持しながら通過して、もう一方の磁性層に注入される必要がある。しかし、ナノピラーの形成がスピノーダル分解など膜の結晶化に伴う偏析・析出により形成された場合、膜中不純物や点欠陥・ボイドの混入も存在し、必ずしも十分な膜質ではない可能性がある。その場合、電子が通過する際に不純物や欠陥と衝突してスピン情報を消失、結果MR比の低下を招きうる。
したがって、ナノピラー内部を電子がスピン情報をもって通過するよりは、ナノピラー先端からスピン情報を与えられた電子を放出するエミッターとしての役割を持たせるほうが、高効率なセンス電流伝導ができる。
本実施形態においては、ナノピラーには磁性体を埋め込み、その下にCu等の非磁性層を介して磁性体を設置することで直交バイアスと高効率センス電流伝導を両立できる。
次に、本実施形態の製造方法を説明する。
まず、アルチック基板(図示せず)上に、アルミナアンダーコート(図示せず)を形成し、アルミナアンダーコート上に膜厚1.5μmのNiFe合金からなる下部シールド(図示せず)を形成する。この下部シールドの表面を鏡面研磨し、この鏡面研磨された表面上にナノコンタクト再生素子が形成される。ナノコンタクト再生素子は、以下のように形成される。
続いて、下部シールド上に、膜厚10nmのTaからなるギャップ層(図示せず)、膜厚2.5nmのNiFe合金からなる磁性下地層(図示せず)を形成し、この磁性下地層上に膜厚2.5nmのCoFeからなるフリー層8を形成する(図9(a)参照)。続いて、フリー層8上にCuからなる非磁性層48を形成する(図9(a)参照)。その後、FeO−30mol%アルミナターゲットを用いて、RFスパッタ放電を行い、非磁性層48上にAlO−FeOからなる膜50を成膜する(図9(a)参照)。
次に、ガス圧2Paの酸素雰囲気中で約300℃〜400℃の熱処理を行う。これにより、膜50は、Feを主成分とする約3nm直径のナノ結晶のピラー10bがその周りを取り囲むアルミナマトリクス10aに析出した中間層10となる(図9(b)参照)。続いて、層10上にSiOからなる膜厚9nmの絶縁層13を形成する(図9(c)参照)。
次に、絶縁層13上に電子線レジスト52を塗布し、トラックとなる位置の後方で媒体走行面より17nmほど後方に中心が来るように直径18nmの円を電子線レジスト52に電子線描画し、電子線レジスト52をパターニングし、電子線レジスト52に開口52aを形成する(図10(a)参照)。続いて、開口52aが形成された電子線レジスト52をマスクとしてCHFガスを用いてRIEエッチングを行い、SiOからなる絶縁層13に開口54を開ける(図10(a)参照)。このとき、開口54の底部には、少なくとも一つの金属ピラー10bが存在している。
次に、絶縁層13に開口54が形成された基板を塩酸溶液のなかに曝し、開口54の底部に存在するピラー10bを選択的に除去した。SiOからなる絶縁層13、アルミナ10a、除去されたピラー10b下のCuからなる非磁性層48は、この塩酸溶液にてエッチングはほとんど行われない。このようにFeを選択的にエッチングして絶縁層10内にホール56を形成した。このホール56は高さが中間層10の膜厚であって、直径が平均で約3nm程度である(図10(b)参照)。
次に、電子線レジスト32を有機溶剤にて除去して水洗洗浄した後、膜厚10nmのNiからなるピン層14を成膜した(図10(c)参照)。これにより、中間層10内に形成されたホール56および絶縁層13の開口54は、Niで埋め込まれ、それぞれコンタクト12およびコンタクト14aとなる。このように中間層10と絶縁層13の組成を変えることで、コンタクト12用のホール56と、コンタクト14a用の開口54を独立に形成することができる。
さらにこの後、膜厚15nmのPtMnからなるピン固着層、膜厚5nmのTaからなる保護層を積層して成膜した。ピン層、ピン固着層、および保護層からなる3層の積層膜を30nm角の矩形上にパターニングした。その後、ギャップ層から絶縁層13上までをフラックスガイドを有するT型形状にパターニングした。その後、フリー層8の脇にCoPtハード膜からなるバイアス膜を設置した。
以上説明したように、本実施形態によって製造された磁気ヘッドは、第1実施形態と同様に、出力と分解能を可及的に高くすることができる。
(第5実施形態)
第1実施形態では、トラック幅方向の分解能を向上させるためフラックスガイド構造を適用した。トラック幅方向の分解能は媒体との組み合わせでも大きく影響される。たとえば、トラックが完全に分離されたディスクリート媒体との組み合わせや、ヘッドが媒体上を接触走行する場合はこれに限らず、サイドシールドを省いたヘッド構造の延長であるアバットジャンクション構造をCPPGMRに適用する形態であったり、左右にバイアス膜がないインスタックドバイアス構造でもヘッドとして実現しうる。
本発明の第5実施形態による磁気ヘッドは、アバットジャンクション構造を有し、その構成を図11に示す。図11は、第5実施形態による磁気ヘッドの構成を示す断面図である。この実施形態の磁気ヘッドは、下電極3上に例えばTaからなる膜厚5nmの非磁性金属層5が設けられ、この非磁性金属層5上に磁性下地層6が設けられ、この磁性下地層6上にフリー層8が設けられている。このフリー層8上には、小さな開口を有する中間層10が形成され、この中間層10上に上記小さな開口を覆いかつ上記小さな開口よりも大きな開口を有する絶縁層13が形成されている。上記小さな開口および大きな開口を埋め込むよう第1および第2の絶縁膜10、13上に強磁性材料が設けられている。そして、上記大きな開口を埋め込んだ強磁性材料の部分がピン層14となり、上記小さな開口を埋め込んだ強磁性材料の部分がピン層14とフリー層8とのコンタクト12となる。また、フリー層8の両脇にはバイアス膜9が設けられ、ピン層14上にはTaからなる膜厚5nmの非磁性層70を介して上電極17が設けられている。バイアス膜9と上電極17とは絶縁膜15によって電気的に絶縁されている。
図11に示す切断線A−Aで切断した場合の本実施形態による磁気ヘッドの断面を図12に示す。図12は、バイアス膜9、中間層10、コンタクト12,および絶縁層13の位置関係を示している。本実施形態においては、トラック幅TWの1/2の位置に、絶縁層13の上記大きな開口(直径2R)の中心が存在する。左右のバイアス膜9からバランスよくバイアス磁界が加わる位置を中心にコンタクト12を選択することが高効率設計の上で望ましい。このためには絶縁層13の上記大きな開口の形状は円形もしくはハイト方向に長軸を持った楕円形が望ましい。
この理由を図13を参照して説明する。磁気ヘッドが読み取ろうとしているトラック70の隣接トラック72からの磁界によりフリー層8の磁化はトルクを受ける。その磁界によるトルクの影響を受けている部分をセンス電流が流れるとサイドリーディングとなりノイズの原因となる。最も影響を受ける場所はフリー層8の破線で囲われたコーナー部分である。その部分を避けるようにコンタクト12を選択することが望ましい。
以上説明したように本実施形態においては、第2の絶縁膜13の大きな開口の中心がフリー層8のトラック幅方向両端からほぼ等距離にあるように配置されているので、フリー層8のトラック幅方向の両脇にあるバイアス膜9から適正なバイアス磁界が加わる位置にコンタクト12が存在している。このため、エッジ近傍の透磁率劣化部分、反磁界によるエッジカーリング磁化の位置を避けて、コンタクト12が選択されるので、大きなMR特性を得ることが可能となり、出力と分解能を高くすることができる。
また、本実施形態の一変形例としてフリー層8の脇にバイアス膜を設置しない構造を図14に示す。この変形例の磁気ヘッドは、フリー層8に縦バイアスを印加するバイアス膜60をフリー層8のコンタクト12とは反対側に設けた構成となっている。
このバイアス膜60は、下から例えばIrMnからなる膜厚8nmの反強磁性層61、例えばCoFeからなる膜厚1.5nmの強磁性層62、例えばRuからなる膜厚0.8nmの非磁性層63、例えばCoFeからなる膜厚1.5nmの強磁性層64、および例えばCuからなる膜厚2nmの非磁性層65が積層された構成となっている。非磁性層65上にNiFeからなる膜厚2.5nmの下地層6が設けられ、この下地層6上にNiからなる膜厚2.5nmのフリー層が設けられる。
フリー層8上には、小さな開口を有する中間層10が形成され、この中間層10上に上記小さな開口を覆いかつ上記小さな開口よりも大きな開口を有する絶縁層13が形成されている。上記小さな開口および大きな開口を埋め込むよう第1および第2の絶縁膜10、13上に強磁性材料が設けられている。そして、上記大きな開口を埋め込んだ強磁性材料の部分がピン層14となり、上記小さな開口を埋め込んだ強磁性材料の部分がピン層14とフリー層8とのコンタクト12となる。
このバイアス膜60をフリー層8のコンタクト12と反対側に設けることで、フリー層8に縦バイアスを印加している。絶縁層13の開口の中心は、トラック幅(フリー層8の素子幅)の略半分の位置にある。この位置にコンタクト12を設けることで、出力と分解能を高くすることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態による磁気ヘッドを図15乃至図16を参照して説明する。図15は、本実施形態の磁気ヘッドを媒体走行面から見た平面図である。下電極兼下部シールド3上に下ギャップ層5が設けられ、下ギャップ層5上に磁性下地層6が設けられ、磁性下地層6上にフリー層8が設けられいる。フリー層8上に中間層72が設けられ、この中間層72上に開口部を有する絶縁層13が設けられている。なお、フリー層8の両脇にはバイアス膜9は設けられている。絶縁層13の開口を埋め込むようにピン層14が設けられ、このピン層14を覆うように非磁性金属層70が設けられ、非磁性金属層70を覆うように上電極兼上部シールド17が設けられている。バイアス膜9とピン層14は絶縁膜15によって電気的に絶縁されている。
本実施形態のように絶縁層13に形成された大きな開口が媒体走行面に現れてもよい。上記開口が媒体走行面にまで達してフリー層8の露出部分のほぼ中央には絶縁層13が現れないことで、絶縁層13の厚さ分シールド間距離が狭まり、より狭ギャップに対応し線記録密度を高めた形となっている。
次に、本実施形態の磁気ヘッドの製造方法を図16(a)乃至図16(d)を参照して説明する。図16(a)乃至図16(d)は本実施形態の磁気ヘッドの平面図である。まず第1実施形態と同様に、下部電極兼下部シールド3、Taからなる膜厚10nmの下ギャップ層5、NiFeからなる膜厚2.5nmの磁性下地層6、Niからなる膜厚2.5nmのフリー層8を順次形成し、このフリー層8上に、Alが90%の膜厚3nmのCu−Alからなる中間層72を形成する。その後、第1実施形態と同様のプロセスを経た後、SiOからなる膜厚9nmの絶縁層13を形成する。なお、図16(a)にはSiOからなる絶縁層13の表面があらわれている。
次に、フリー層8の幅が40nmとなるようにリソグラフィー技術を用いてイオンミリングもしくはリアクティブイオンビームエッチングにより磁性下地層6までエッチングする。その後、バイアス膜用のTiWからなる膜厚5nmの下地膜(図示せず)、CoPtからなる膜厚50nmのバイアス膜9、膜厚20nmのアルミナからなる絶縁膜15を形成する。このときの平面図を図16(b)に示す。図16(b)においては、アルミナからなる絶縁膜15の表面が見えている。
次に、リソグラフィー技術を用いて、絶縁層13にトラック幅方向に20nm、ハイト方向に0.2umの略矩形(エッジは丸まる)の開口をパターニングする。その後、第1実施形態と同様に、まず絶縁層13さらに中間層72に開口を形成する。レジストを剥離した後は、図16(c)に示すように、上記矩形の開口のなかに、中間層72およびその開口で到達したフリー層8の表面が見える。
さらに、全面にNiからなる膜厚2nmのピン層14、PtMnからなる膜厚9nmの反強磁性層(図15では図示せず)、Taからなる膜厚3nmの非磁性金属層70を形成し、最後に上部電極兼上部シールドとなる膜厚1.5μmのNiFe層17を形成後、デプス研磨にて、ハイト20nm程度に削り込む(図16(d)参照)。
フリー層8とピン層14の接合(第1コンタクト部)はハイト方向で7nmの距離にある。これにより、媒体走行面まで大きなコンタクト部が露出して、絶縁層13の膜厚9nmの分、シールド間距離を縮め、第1コンタクトが存在する部分のシールド間距離すなわち第2コンタクトを規定する開口部分のシールド間距離で線分解能を規定する。
この構造のメリットは絶縁層分のギャップ長縮小による高線分解能化、さらにピン層も広く形成されるためピン磁性層エッジのエッチングダメージが回避できることであり素子信頼性向上につながる。また、製造面でもフリー層のパターニングにピン層が含まれないためエッチング深さが小さく、プロセス公差が小さいことである。
このように、図15に示す本実施形態のように、中間層の開口が媒体走行面に現れる素子構造にすることで、狭ギャップ化すなわちシールド間距離が縮まり、これにより線分解能が向上する。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態による磁気ヘッドの構成を図17に示す。この実施形態の磁気ヘッドは、インスタックドバイアス+サイドシールド構造との組み合わせ例である。なお、図17は本実施形態の磁気ヘッドを媒体走行面から見た図である。
本実施形態の磁気ヘッドは、下電極兼下部シールド層3上に下ギャップ層5が設けられ、
下ギャップ層5上にバイアス膜9が設けられ、このバイアス膜9上に磁性下地層6が設けられ、磁性下地層6上にフリー層8が設けられ、フリー層8上に中間層72が設けられている。中間層72上に開口を有する絶縁層13が設けられ、上記開口を埋め込むように絶縁層13上にピン層14が設けられ、ピン層14上には非磁性金属層70が設けられている。バイアス膜9、磁性下地層6、フリー層8、中間層72、絶縁層13、ピン層14、および非磁性金属層70の側面にはサイドギャップ74が設けられている。このサイドギャップ74および非磁性金属層70を覆うように上電極兼上部シールド17が設けられている。なお、上部シールド17と下ギャップ層5とは絶縁膜76によって電気的に絶縁されている。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態による磁気記録再生装置について説明する。第1、第5、第6、および第7実施形態による磁気ヘッド、並びに第2乃至第4実施形態によって製造される磁気ヘッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれ、磁気記録再生装置に搭載することができる。
図18は、このような磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本実施形態による磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、長手記録用または垂直記録用磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、長手記録用または垂直記録用の記録層を有する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納される情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、前述したいずれかの実施形態による磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体走行面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
図19は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
サスペンション154の先端には、前述したいずれかの磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。再生用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
本発明の第1実施形態による磁気ヘッドの構成を示す断面図。 第1実施形態による磁気ヘッドの媒体走行面から見た平面図。 図2に示す切断線B−Bで切断したときの第1実施形態による磁気ヘッドの断面図。 本発明の第2実施形態による磁気ヘッドの製造工程を示す図。 本発明の第2実施形態による磁気ヘッドの製造工程を示す図。 本発明の第2実施形態によって製造される磁気ヘッドの特性を説明する図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの製造工程を示す図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの製造工程を示す図。 本発明の第4実施形態による磁気ヘッドの製造工程を示す図。 本発明の第4実施形態による磁気ヘッドの製造工程を示す図。 本発明の第5実施形態による磁気ヘッドの構成を示す断面図。 図11に示す切断線A−Aで切断したときの断面図。 第5実施形態において第2の絶縁膜の開口部の形状が円形であることが好ましい理由を説明する図。 第5実施形態の変形例の構成を示す断面図。 本発明の第6実施形態による磁気ヘッドを媒体走行面からみた図。 第6実施形態の磁気ヘッドの製造工程を説明する図。 本発明の第7実施形態による磁気ヘッドを媒体走行面からみた図。 磁気記録再生装置の概略構成を示す要部斜視図。 アクチュエータアームから先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図。
符号の説明
2 下部シールド
4 ギャップ層
6 磁性下地層
8 フリー層
9 バイアス膜(ハードバイアス膜)
10 中間層
12 コンタクト
13 絶縁層
14 ピン層
14a コンタクト
16 ピン固着層
18 保護層
20 絶縁膜
21 絶縁膜
22 サイドギャップ
24 上部シールド

Claims (14)

  1. 媒体走行面に対して膜面が垂直に配置された第1の磁性層と、
    前記第1の磁性層の前記膜面に接するように設けられ絶縁体を含む中間層と、
    前記中間層の前記第1の磁性層とは反対側の膜面に接するように設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層の前記中間層と反対側の膜面に接するように設けられた第2の磁性層と、
    前記中間層の前記絶縁体内に、全体に点在するように設けられ前記第1の磁性層と電気的に接続する第1のコンタクトと、
    前記絶縁層内に設けられ前記第1のコンタクトと前記第2の磁性層とを電気的に接続し、前記第1のコンタクトよりも径が大きな第2のコンタクトと、
    を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 第1の磁性層は外部磁界を感知し、第2の磁性層は外部磁界に対し実質的に固着されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド
  3. 前記第1の磁性層の前記媒体走行面側の前記端面の膜側面方向の両側に非磁性膜を介して設けられた第3の磁性層をさらに備え、前記第2の磁性層は、膜面に垂直な前記媒体走行面側の端面が前記第1の磁性層の前記媒体走行面側の端面より前記媒体走行面から遠い位置にあることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ヘッド。
  4. 前記第1および第2のコンタクトは磁性体からなることを特徴とする請求項1乃至3記載の磁気ヘッド。
  5. 前記第1の磁性層と前記中間層との間に非磁性金属層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  6. 前記第2のコンタクトの中心は、前記第1の磁性層の膜面のトラック幅方向の幅のほぼ線対称軸上に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  7. 前記第1のコンタクトは前記第2の磁性層と同じ材料からなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  8. 前記中間層の前記絶縁体と前記絶縁層は組成が異なることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  9. 前記第2のコンタクト部分が媒体走行面に露出していることを特徴とする請求項1乃至8の磁気ヘッド。
  10. 前記第1の磁性層の前記中間層とは反対側の面に設けられた第4の磁性層を備え、前記第3の磁性層は前記中間層、前記絶縁層、および前記第2の磁性層を覆うことを特徴とする請求項乃至9のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の磁気ヘッドを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  12. 第1の磁性層上に少なくとも2種類の金属を含む金属膜を形成するステップと、
    前記金属膜を酸化処理して金属酸化膜を形成するステップと、
    前記金属酸化膜上に絶縁膜を形成するステップと、
    熱処理を行うことにより、前記金属酸化膜を固体相分離させ、前記金属酸化膜内に少なくとも1種類の金属を偏析させるステップと、
    前記絶縁膜をパターニングして、底面に前記偏析した金属が露出する第1の開口を前記絶縁膜に形成するステップと、
    前記第1の開口を埋め込むように前記絶縁膜上に第2の磁性層を形成するステップと、
    を備えたことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  13. 前記第1の開口の底面に露出した前記金属を除去することにより前記金属酸化膜に前記第1の磁性層に通じる第2の開口を形成するステップを更に備え、前記第2の磁性層を形成するステップは、前記第1および第2の開口を埋め込むように第2の磁性層を形成することを特徴とする請求項12記載の磁気ヘッドの製造方法。
  14. 前記金属膜を形成する前に、前記第1の磁性層上に非磁性金属層を形成するステップを備えたことを特徴とする請求項12または13記載の磁気ヘッドの製造方法。
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