JP3947676B2 - 排気塔 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然換気を行うことができる建物に設けられた排気塔に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、空調機器の発達に伴い、空調機器を利用して冷暖房を行うようになっている。そのため、住宅等の建物においては、空調効果を高めるために、屋内外の空気の出入りを遮断し、室内の熱が屋外に漏れないようにし、建物の内部の空調におけるエネルギー損失を少なくするために、室内の気密性および断熱性を高くした高気密・高断熱建物が利用されている。
このような高気密・高断熱建物では、屋内外の空気の出入りを遮断しているため、当該建物の換気を十分に行う必要がある。
そこで、高気密・高断熱建物の換気を行うために、当該建物内における居室等の仕切られた複数の空間をまとめて換気するセントラル換気装置が利用されている(特開平11−344253号公報等参照)。
【0003】
しかし、このような換気装置を用いると換気装置の設置にコストがかかる上、多くのエネルギーを消費するという問題があるため、換気装置を用いずに、自然換気を行うことができる建物が提案されている。
自然換気を効率的に行うためには、屋根に建物内部と連通した排気塔を設け、その高さを利用し、建物上部に溜まった空気を排出する方法がある。このような排気塔は建物内部の換気効率をよくするため、屋外への空気の排出量を多くすることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、排気量を多くするため、排気塔の開口面積を大きくすると、風雨の強い天候時には、強風が排気部分に吹き込み雨水が建物内部に入ってしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、強風時などの悪天候の場合には風雨の建物内部への浸入を防止し、好天候時には建物内部から建物外部への排気を十分に行うことできる排気塔を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。
請求項1記載の排気塔8は、建物1の屋根4から上方に突出して設けられ、前記建物内部の空気を屋外へ排出する排出通路を有し、前記排出通路の途中には、屋外から入ってくる風の浸入を防ぐために排出通路を閉塞可能な閉塞手段85が設けられているものであって、前記建物内部の空気を排出する排出通路の一部を形成し、上下端が開口した筒状の排気塔本体80と、この排気塔本体の上端の開口を覆うカバー上面部81A及び排気塔本体の側面を覆うカバー側面部81Bを有するカバー81とを備え、前記排気塔本体の側面と前記カバー側面部との間には前記排気塔本体とともに排出通路を構成する隙間が形成されており、前記カバー側面部の下方には前記建物内部の空気を屋外へ排出する通気孔811が形成され、前記閉塞手段は、前記通気孔より上方の前記排気塔本体の側面またはカバー側面部に前記通気孔から浸入した風で、前記隙間をふさぐように回動可能に取り付けられ、前記閉塞手段の上方の前記隙間には水平方向に板材が配置され、この板材には上下に貫通する排気用貫通孔815が形成されており、前記閉塞手段は前記排気用貫通孔に当接することで排出通路を閉塞可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成の発明によれば、排気塔は屋根から上方に突出して設けられているため、十分な高さを確保することができ、煙突効果を得ることができる。また、空気が排出される排出通路の途中には、屋外から排気塔内に入ってくる風の浸入を防ぐための閉塞手段が設けられているため、強風時などの悪天候の場合には風雨の建物内部への浸入を防止することができる。特に排気塔は建物のなかで最も高い所に位置し、強い風が吹きつけるため、効果的に風雨の浸入を防止することができる。
加えて、排気塔は排気塔本体と、カバーとが別体であるため、閉塞手段を排気塔本体またはカバーに取り付けてから、排気塔本体及びカバーを組み合わせて排気塔を構成することができる。このため、排気塔本体またはカバーに取り付けられる閉塞手段の取り付け作業が容易である。また、排気塔は排気塔本体と、カバーとが別体であるため容易にカバーのみを取り外すことができ、メンテナンスがしやすく、閉塞手段の交換も容易に行うことができる。
さらに、閉塞手段は通常時は例えば、下方に垂れ下がり、通気孔から風が浸入した場合には、隙間をふさぐように回動するため、通常時の排気のじゃまにはならず、強風時には建物内部への浸入を防止することができる。
またさらに、仮に、閉塞手段により通気孔から入ってきた風雨の浸入を防止できなかった場合でも、風雨が排気塔本体の側面とカバー側面部と間の排出通路の一部となる隙間を重力に逆らって上向きに昇ることは困難であり、重力により通気孔から排出される。そのため、排気塔本体内には風雨は入らず、効果的に風雨の浸入を防止することができる。
そして、排気用貫通孔が形成された板材が水平方向に配置されており、閉塞手段が板材に当接するだけで排出通路をふさぐことができるため、閉塞時に閉塞手段を固定する必要がなく、閉塞手段の構造が複雑化しない。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の排気塔において、前記閉塞手段は、前記閉塞手段が垂下した際に、前記閉塞手段と前記排気塔本体の側面との間に隙間Mが形成される位置に取り付けられていることを特徴とする。
この構成の発明によれば、閉塞手段が垂下した際に、閉塞手段と排気塔本体の側面との間に隙間が形成される位置に閉塞手段が取り付けられているため、この隙間内に外部からの風が入り込み、閉塞手段が風圧によって持ち上がり、排気の通路が閉鎖される。そのため、閉塞手段を回動させるための動力源を必要とせず、省エネルギーを図ることができ、さらに、閉塞手段の構造も簡略化される。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の排気塔において、前記閉塞手段は布85またはフィルムであることを特徴とする。
ここで、布とは、天然繊維や合成繊維を織ったもののことをいい、フィルムとは、押し出し法や延伸法等で成形されたプラスチックフィルムのことをいう。
この構成の発明によれば、閉塞手段は布またはフィルムであるため、重量が軽く、柔軟性が高いので外部からの風圧等の小さな力で押し上げることができるので、容易に排出通路をふさぐことができる。特に、上下方向に形成された排出通路を水平にふさぐ場合には、効果的である。また、布やフィルムは柔軟性があるため、排気塔本体の側面に軸等を設けて固定しなくても、くぎ等で固定するだけで回動可能に設置することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れかに記載の排気塔において、前記カバー側面部には横方向に複数の溝810が形成され、この溝内に通気孔が形成されていることを特徴とする。
この構成の発明によれば、カバー側面部には横方向に形成された溝に通気孔が形成されており、通気孔がカバーの側面部に露出しないので、風雨の強い天候時でも通気孔から雨が浸入しにくい。また、通気孔がカバー側面部に露出しないため、排気塔の外観が良好となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の建物1が示されている。この建物1は基礎2の上に構築された建物本体3と、この建物本体3の上部に設けられた屋根4とを備えて構成されており、屋根4には、上方に突出して設けられる排気塔8が設けられている。
【0016】
図2及び図3に排気塔8を示す。排気塔8は屋根4の下部に設けられた小屋裏5と連通した筒状の排気塔本体80と、この排気塔本体80の上部に被せるカバー81とを有する。
排気塔本体80は、屋根4の上に取り付けられ、上端及び下端が開口し小屋裏5と連通した断面矩形形状の筒状の土台82と、土台82の上部に取り付けられるベース83とを備える。
ベース83は土台82に固定される断面L字形の固定部831と、固定部831から上方に垂直に立ち上がって設けられる排気フード部832とを有する。固定部831と排気フード部832とは一体成形されている。
固定部831は土台82の上面にビス打ちされる土台固定部831Aと、この土台固定部831Aの一端から下方に垂直に設けられ土台82の上部側面に係止される係止部831Bとを備える。
【0017】
排気フード部832は固定部831の土台固定部831Aの他端に直交して設けられ、上方に立ち上がっている。この排気フード部832は土台82と連通し、土台82から排気された空気が排出される排出通路の一部を形成している。また、排気フード部832の上端は開口している。
排気フード部832はアルミニウム合金製の板を組み付けたものである。排気フード部832の上部には複数の四角形状の排気用穴833が複数個並列配列されており、この排気用穴833の下部には、土台固定部831Aに平行な鍔部834が排気フード部832の外側面に沿って取り付けられている。鍔部834の上面には布85の上端部が取り付けられており、布85は自重により鍔部834から下垂している。鍔部834により、下垂した布85と排気フード部832の外側面との間には隙間Mが形成されている。
【0018】
布85は、平面矩形形状であり、その長手方向の長さ寸法は、鍔部834の長さ寸法と略等しく、その短辺方向の長さ寸法は排気フード部832の外側面からカバー81の内側面までの距離と略等しい。
排気フード部832の下端部の周囲にはカバー81を取り付けるためコ字形の取り付け金具86が複数個設けられている。
【0019】
カバー81はベース83の固定部831の上部に設置される底面が開口した直方体の箱である。
このカバー81は排気フード部832の開口を覆い、土台82の断面と略同じ大きさ形状のカバー上面部81Aと、排気フード部832の外側面を覆い、固定部831の土台固定部831Aと当接するカバー側面部81Bとを備える。
カバー上面部81Aにはアルミ合金製の天板812が取り付けられており、この天板812の下面には断熱材813が貼られている。
【0020】
カバー側面部81Bの土台固定部831Aからの高さ寸法は、排気フード部832の土台固定部831Aからの高さ寸法と略等しい。カバー側面部81Bは凹凸状に屈曲され、横方向に筋状に複数の溝810が形成されている。この複数の溝810のうち、カバー81を排気フード部832に被せた際に、布85の下方に位置する溝810には複数の通気孔811が設けられている。
【0021】
カバー側面部81Bと排気フード部832の外側面との間には空気の排出通路の一部となる隙間が形成される。
カバー側面部81Bの上部内側には、排気フード部832の排気用穴833側に開口する断面コ字形の長尺部材である支持部材814が水平方向に固定されている。支持部材814はアルミ板の板材を成形したものである。この支持部材814の側面にはカバー81のカバー側面部81Bがビス打ちされている(図4参照)。支持部材814の上面は断熱材813に当接しており、下面の開口方向先端部は布85の上端部に当接している。また、支持部材814の下面には、排気用貫通孔815が形成されている。この排気用貫通孔815は図示しないが支持部材814の下面に複数個並列配置されている。
【0022】
建物1内部からの空気の排出通路について説明する。図4に示すように、建物1の小屋裏5まで上昇してきた空気は、排気塔本体80の土台82及びベース83を上昇し、排気フード部832の排気用穴833を通る。この空気は、カバー81に取り付けられた支持部材814の排気用貫通孔815を通過し、カバー81の通気孔811を通り、屋外へ排出される。
通気孔811から強い風が入ってきた場合、風は下垂した布85と排気フード部832の側面との隙間Mに入り、布85は風圧によって押し上げられる。風圧によって押し上げられた布85により、排気用貫通孔815は覆われ、建物1内部の空気が排出される通路は遮断される。
【0023】
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
屋根4には小屋裏5と連通する排気塔8が設けられているおり、小屋裏5から排気塔8までの高さを十分に確保できるため、優れた煙突効果が得られるようになり、効率よく排気できる。
【0024】
排気塔8の空気が排出される排出通路の途中の排気フード部832には、屋外から排気塔8内に入ってくる風の浸入を防ぐための布85が設けられているため、強風時などの悪天候の場合には風雨の建物内部への浸入を防止することができる。特に排気塔8は建物1のなかで最も高い所に位置し、強い風が吹きつけるため、効果的に風雨の浸入を防止することができる。
【0025】
排気塔8の排気塔本体80と、カバー81とを別体としたため、カバー81を取り付ける前に、布85を排気塔本体80の排気フード部832に取り付けることができるので、取り付け作業が容易である。また、排気塔8は排気塔本体80と、カバー81とが別体であるため容易にカバー81のみを取り外すことができ、メンテナンスがしやすく、布85の交換も容易に行うことができる。
【0026】
また、布85は通常時に下垂しており、カバー81の通気孔811から風が浸入した場合には、カバー81内部に取り付けられた支持部材814の排気用貫通孔815をふさぐように回動するため、通常時の排気のじゃまにはならず、強風時には建物1内部への雨風の浸入を防止することができる。閉塞手段である布85は、重量が軽いため、外部からの風圧で押し上げることができるので、排気用貫通孔815を容易にふさぐことができる。
【0027】
また、仮に、布85により通気孔811から入ってきた風雨の浸入を防止できなかった場合でも、風雨が排気フード部832の外側面とカバー側面部81Bと間の排出通路の一部となる隙間を重力に逆らって上向きに昇ることは困難であり、重力により通気孔811から排出される。そのため、排気フード部832内には風雨は入らず、効果的に風雨の浸入を防止することができる。
【0028】
布85は排気フード部832の外側面と隙間Mを形成するように取り付けられているため、この隙間M内にカバー81の通気孔811から風が入り込み、布85が風圧によって持ち上がり、排気用貫通孔815が閉鎖される。そのため、布85を回動させるための動力源を必要とせず、省エネルギーを図ることができる。
【0029】
カバー81の支持部材814の下面には排気用貫通孔815が形成されており、布85が支持部材814の下面に当接するだけで排気用貫通孔815がふさがり、屋外からの風雨の浸入を防止することができる。そのため、閉塞時に布85を所定位置に固定する部材は必要なく、これにより布85の取り付け構造等が複雑化しない。
【0030】
カバー81の側面には横方向に筋状に形成された溝810に複数の通気孔811が形成されており、通気孔811がカバー81の側面に露出しないので、風雨の強い天候時でも通気孔811から雨が浸入しにくい。また、通気孔811がカバー81の側面に露出しないため、排気塔8の外観が良好となる。
【0031】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、排気塔8の閉塞手段を布85としたが、これに限らず、例えば、フィルム、紙、不織布等の腰のない柔軟なものであればよい。さらに、閉塞手段をプラスチック等のプレートとしてもよい。ただし、閉塞手段をプレートとすると、プレートを回動可能に固定しなければならないため、軸を設けて取り付ける必要がある。また、閉塞手段をプレートとした場合には、布やフィルムのような柔軟性がないので、閉塞時にプレートが接する排気用貫通孔815の周囲の面に凹凸があるような場合には、プレートと排気用貫通孔815との間に隙間が生じてしまうおそれがある。
しかし、前記実施形態のように、閉塞手段を軽く、柔軟性のある布85やフィルムとすれば、その上端部をくぎ等で鍔部834に固定するだけで回動可能となる。従って、閉塞手段の取り付けに手間を要しないという効果を奏することができる。さらに、布85やフィルムは柔軟性があるので布85やフィルムが接する排気用貫通孔815の周囲の面に凹凸があるような場合でも、凹凸に沿って完全に排気用貫通孔815を密閉することができる。
【0032】
前記実施形態では、カバー81の溝810に通気孔811を形成し、この通気孔811から空気を排出させたが、カバー81のカバー側面部81Bの下端と、土台固定部831Aとの間に隙間を設け、この隙間から空気を排出してもよい。カバー81のカバー側面部81Bに溝810を形成したが、溝810を形成せず、カバー側面部を平坦なものとしてもよい。
前記実施形態では、排気塔8の排気塔本体80と、カバー81とを別体としたが、これを一体のものとしてもよい。このようにすれば、部材点数の削減を図ることができる。
【0033】
前記実施形態では排気フード部832に設けられた鍔部834に布85の上端部を取り付け、下垂した布85と排気フード部832の外側面との間に隙間Mを形成したが、鍔部834を設けず、排気フード部832の外側面に直接布85を固定し、この隙間Mを形成しなくてもよい。
また、支持部材814の下面には、排気用貫通孔815を複数個並列に配置したが、これに限らず、支持部材814の下面の長手方向沿った排気用貫通孔を一つ設けてもよい。さらに、支持部材814を設けず、カバー81のカバー側面部81Bに、閉塞時に布85が当接する部材を設けてもよい。ただし、排気用貫通孔815を複数個並列に配置すれば、閉塞時に布85が当接する面(排気用貫通孔815の周囲の面)を大きく確保できるが、支持部材814の下面の長手方向沿った排気用貫通孔を一つ設けたり、閉塞時に布85が当接する部材を設けたりする場合には、閉塞時に布85が当接する面が小さくなり、布85がたわんでしまうおそれもあるので、閉塞手段を布85でなく、剛性のあるフィルムとすることが望ましい。
【0034】
さらに、前記実施形態では、排気フード部832の外側面に布85を取り付けたが、カバー81のカバー側面部81Bの内側に取り付けてもよい。
また、排気塔8は断面矩形形状であるとしたが、この形状に限らず、円柱状等でもよい。
さらに、閉塞手段をモーター等で動くものとすると電力を消費することとなるが、前記実施形態のように、風力を利用できるものとすれば、省エネルギーを図ることができる。
【0035】
【発明の効果】
このような請求項1記載の発明によれば、排気塔は屋根から上方に突出して設けられているため、十分な高さを確保することができ、煙突効果を得ることができる。また、空気が排出される排出通路の途中には、屋外から排気塔内に入ってくる風の浸入を防ぐための閉塞手段が設けられているため、強風時などの悪天候の場合には風雨の建物内部への浸入を防止することができる。特に排気塔は建物のなかで最も高い所に位置し、強い風が吹きつけるため、効果的に風雨の浸入を防止することができる。
【0036】
加えて、排気塔は排気塔本体と、カバーとが別体であるため、閉塞手段を排気塔本体またはカバーに取り付けてから、排気塔本体及びカバーを組み合わせて排気塔を構成することができる。このため、排気塔本体またはカバーに取り付けられる閉塞手段の取り付け作業が容易である。また、排気塔は排気塔本体と、カバーとが別体であるため容易にカバーのみを取り外すことができ、メンテナンスがしやすく、閉塞手段の交換も容易に行うことができる。また、閉塞手段は通常時は例えば、下方に垂れ下がり、通気孔から風が浸入した場合には、隙間をふさぐように回動するため、通常時の排気のじゃまにはならず、強風時には建物内部への浸入を防止することができる。
さらに、仮に、閉塞手段により通気孔から入ってきた風雨の浸入を防止できなかった場合でも、風雨が排気塔本体の側面とカバー側面部と間の排出通路の一部となる隙間を重力に逆らって上向きに昇ることは困難であり、重力により通気孔から排出される。そのため、排気塔本体内には風雨は入らず、効果的に風雨の浸入を防止することができる。
【0037】
そして、排気用貫通孔が形成された板材が水平方向に配置されており、閉塞手段が板材に当接するだけで排出通路をふさぐことができるため、閉塞時に閉塞手段を固定する必要がなく、閉塞手段の構造が複雑化しない。
【0038】
またさらに、閉塞手段が垂下した際に、閉塞手段と排気塔本体の側面との間に隙間が形成される位置に閉塞手段が取り付けられているため、この隙間内に外部からの風が入り込み、閉塞手段が風圧によって持ち上がり、排気の通路が閉鎖される。そのため、閉塞手段を回動させるための動力源を必要とせず、省エネルギーを図ることができ、さらに、閉塞手段の構造も簡略化される。
【0039】
閉塞手段は布またはフィルムであるため、重量が軽く、柔軟性が高いので外部からの風圧等の小さな力で押し上げることができるので、容易に排出通路をふさぐことができる。特に、上下方向に形成された排出通路を水平にふさぐ場合には、効果的である。また、布やフィルムは柔軟性があるため、排気塔本体の側面に軸等を設けて固定しなくても、くぎ等で固定するだけで回動可能に設置することができる。
【0040】
カバー側面部には横方向に形成された溝に通気孔が形成されており、通気孔がカバーの側面部に露出しないので、風雨の強い天候時でも通気孔から雨が浸入しにくい。また、通気孔がカバー側面部に露出しないため、排気塔の外観が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気塔が設けられた建物を示す斜視図である。
【図2】前記排気塔を示す斜視図である。
【図3】前記排気塔の断面図である。
【図4】図3の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 建物
4 屋根
8 排気塔
81 カバー
80 排気塔本体
81A カバー上面部
81B カバー側面部
85 布
811 通気孔
815 排気用貫通孔
M 隙間
810 溝
Claims (4)
- 建物の屋根から上方に突出して設けられ、
前記建物内部の空気を屋外へ排出する排出通路を有し、
前記排出通路の途中には、屋外から入ってくる風の浸入を防ぐために排出通路を閉塞可能な閉塞手段が設けられている排気塔であって、
前記建物内部の空気を屋外へ排出する排出通路の一部を形成し、上下端が開口した筒状の排気塔本体と、
この排気塔本体の上端の開口を覆うカバー上面部及び排気塔本体の側面を覆うカバー側面部を有するカバーとを備え、
前記排気塔本体の側面と前記カバー側面部との間には前記排気塔本体とともに排出通路を構成する隙間が形成されており、
前記カバー側面部の下方には前記建物内部の空気を屋外へ排出する通気孔が形成され、
前記閉塞手段は、前記通気孔より上方の前記排気塔本体の側面またはカバー側面部に前記通気孔から浸入した風で、前記隙間をふさぐように回動可能に取り付けられ、
前記閉塞手段の上方の前記隙間には水平方向に板材が配置され、この板材には上下に貫通する排気用貫通孔が形成されており、
前記閉塞手段は前記排気用貫通孔に当接することで排出通路を閉塞可能に構成されていることを特徴とする排気塔。 - 請求項1に記載の排気塔において、
前記閉塞手段は、前記閉塞手段が垂下した際に、前記閉塞手段と前記排気塔本体の側面との間に隙間が形成される位置に取り付けられていることを特徴とする排気塔。 - 請求項1または2に記載の排気塔において、
前記閉塞手段は布またはフィルムであることを特徴とする排気塔。 - 請求項1から3の何れかに記載の排気塔において、
前記カバー側面部には横方向に複数の溝が形成され、この溝内に複数の通気孔が形成されていることを特徴とする排気塔。
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