JP3945900B2 - Thermoplastic elastomer composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関し、更に詳しくは耐表面傷つき性、引張物性に優れ、かつ動的加硫法で得られた架橋された芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして特に加硫ゴムや軟質塩ビの代替として、自動車部品、工業機械部品、建材等に広く使用されはじめている。オレフィン系熱可塑性エラストマーについては広く知られており、例えば特公昭53−21021号公報、特公昭54−2662号公報、特公昭55−18448号公報、特公昭56−15740号公報等に記載されている。
しかしながら、オレフィン系熱可塑性エラストマーは従来の加硫ゴム、例えばSBRやCRに対し加工性や製造コストには優れているものの、引張り物性や耐表面傷つき性等が劣り不充分であった。
従って引っ張り物性や耐表面傷つき性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーの出現が望まれていた。
【0003】
【発明解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の様な従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、従来のオレフィン系熱可塑性エラストマーの引っ張り物性、耐表面傷つき性における欠点を改良した芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、(A)結晶性オレフィン樹脂10〜85重量%と下記の(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体15〜90重量%とからなり、動的加硫法により得られた架橋された芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である。
(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体は、芳香族ビニル化合物含量が1〜99.9モル%未満であり、2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構造を有する芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体である。
【0005】
本発明の(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体は、好ましくは、芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体である。
また、本発明の(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体は、芳香族ビニル化合物含量が1〜99.9モル%未満、好ましくは1〜50モル%であり、2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構造を有する芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体である。
この芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体は新規共重合体であり、以下の遷移金属化合物を用いて、または以下の製造方法によって得られる芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体を包含するが、特に本発明の遷移金属化合物または製造方法には限定されない。
【0006】
以下に、本発明の共重合体の一例であるスチレン−エチレンランダム共重合体を例に取り説明する。
その構造は、核磁気共鳴法(NMR法)によって決定される。
【0007】
本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体は、TMSを基準とした13C−NMRにおいて以下の位置に主なピークを有する。
主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークを24〜25ppm付近、27ppm付近、30ppm付近、34〜37ppm付近、40〜41ppm付近及び42〜46ppm付近に、また、フェニル基のうちポリマー主鎖に結合していない5個の炭素に由来するピークを126ppm付近及び128ppm付近に、フェニル基のうちポリマー主鎖に結合している1個の炭素に由来するピークを146ppm付近に示す。
本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体は、その構造中に含まれる下記の一般式(1)で示されるスチレンとエチレンの交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイアッド分率mで0.75より大きく、かつ下記の式(i)で与えられる交互構造指数λが70より小さく1より大きい、好ましくは70より小さく5より大きいスチレン−エチレンランダム共重合体である。
λ=A3/A2×100 式(i)
ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記の一般式(1’)で示されるスチレン−エチレン交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした13C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和である。
【0008】
【化4】

Figure 0003945900
【0009】
(式中、Phはフェニル基、xは繰り返し単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0010】
【化5】
Figure 0003945900
【0011】
(式中、Phはフェニル基、xは繰り返し単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0012】
本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体に於いて、エチレンとスチレンの交互共重合構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティク構造とは、アイソタクティクダイアッド分率m(またはメソダイアッド分率ともいう)が0.75より大きい、好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.95以上を示す構造をいう。
【0013】
エチレンとスチレンの交互共重合構造のアイソタクティクダイアッド分率mは、25ppm付近に現れるメチレン炭素ピークのr構造に由来するピーク面積Arと、m構造に由来するピークの面積Amから、下記の式(ii)によって求めることができる。
m=Am/(Ar+Am) 式(ii)
ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフトする場合がある。
例えば、重クロロホルムを溶媒とし、TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。
また、重テトラクロロエタンを溶媒とし、重テトラクロロエタンの3重線の中心ピーク(73.89ppm)を基準とした場合、r構造に由来するピークは、25.3〜25.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.1〜25.2ppm付近に現れる。
なお、m構造はメソダイアッド構造、r構造はラセミダイアッド構造を表す。本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体に於いては、エチレンとスチレンの交互共重合構造にr構造に帰属されるピークは実質的に観測されない。
【0014】
さらに、本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体は、スチレンユニットの連鎖構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクである。
スチレンユニットの連鎖構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクとは、アイソタクティクダイアッド分率ms(またはメソダイアッド分率ともいう)が0.5より大きい、好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上を示す構造をいう。
スチレンユニットの連鎖構造の立体規則性は13C−NMRによって観測される43〜44ppm付近のメチレン炭素のピーク位置、及び1H−NMRによって観測される主鎖プロトンのピーク位置で決定される。
【0015】
米国特許5502133号公報によれば、アイソタクティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素は42.9〜43.3ppmに現れるが、シンジオタクティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素は44.0〜44.7ppm付近に現れる。シンジオタクティクポリスチレンのシャープなメチレン炭素及びアタクティクポリスチレンの43〜45ppmのブロードなピークの出現位置は、本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体のほかの炭素の比較的強度が低いピーク位置と近接あるいは重なっている。しかし、本発明において42.9〜43.4ppmにメチレン炭素ピークが強く観測されるのに比較して、44.0〜44.7ppm付近には明瞭なピークは認められない。
【0016】
さらに、米国特許5502133号公報及び本発明の比較例によれば1H−NMRにおいて主鎖メチレン、メチンプロトンに帰属されるピークはアイソタクティクポリスチレンの場合、1.5〜1.6ppm、2.2〜2.3ppmに、シンジオタクティクポリスチレンの場合、1.3〜1.4ppm、1.8〜1.9ppmに観測される。
本発明の共重合体においては、ピークが1.5〜1.6ppm及び2.2ppmに観測され、このNMR解析の結果は、本発明の共重合体中のスチレン連鎖はアイソタクティクの立体規則性であることを示す。
【0017】
スチレンユニットの連鎖構造のアイソタクティクダイアッド分率msは、13C−NMR測定によるスチレン連鎖構造のメチレン炭素または1H−NMR測定による主鎖メチレン、メチンプロトンの各ピークから以下の式で導かれる。
各ピークのシンジオタクティクダイアッド構造(r構造)に由来するピーク面積Ar’とアイソタクティクダイアッド構造(m構造)に由来するピークの面積Am’から、下記の式(iii)によって求めることができる。
ms=Am’/(Ar’+Am’) 式(iii)
ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフトする場合がある。
【0018】
本発明におけるランダム共重合体とは、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造、エチレンユニットの結合した連鎖構造及びスチレンユニットとエチレンユニットが結合した構造を含む共重合体である。本共重合体は、スチレンの含量、あるいは重合温度等の重合条件によってこれらの構造の含まれる割合は変化する。
スチレン含量が少なくなれば、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造の含まれる割合は減少する。例えばスチレン含量が約20モル%以下の共重合体の場合、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造は通常の13C−NMR測定ではその構造に由来するピークを直接観測することは困難である。しかし、本発明の遷移金属化合物を用いて、または本発明の製造方法により、スチレン単独の重合において高い活性で立体規則性を有するホモポリマーが製造できること、すなわち、本質的にスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造を形成することが可能であること、及び共重合体においては、少なくとも13C−NMR法によって20〜99モル%のスチレン含量に対応してスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造の割合が連続的に変化することから、20モル%以下であっても量は少ないもののスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造が共重合体中に存在しうることは明白である。13Cでエンリッチしたスチレンモノマーを用い、13C−NMRで分析する等の手段により、スチレン含量20モル%以下の共重合体中のスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造を観測することは可能である。
エチレンユニットの連鎖構造についてもまったく同様である。
【0019】
本発明の(B)スチレン−エチレンランダム共重合体に含まれるスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造は、以下の構造で示すことができる2個以上の連鎖構造であり、3個以上の連鎖構造を有することが好ましい。
【0020】
【化6】
Figure 0003945900
【0021】
ここで、nは2以上の任意の整数。Phはフェニル基を表す。
【0022】
他方、従来公知のいわゆる擬似ランダム共重合体では、芳香族ビニル化合物含量が最大の50モル%付近においても、芳香族ビニル化合物のヘッド−テイルの連鎖構造を見出すことはできない。さらに、擬似ランダム共重合体を製造する触媒を用いて芳香族ビニル化合物の単独重合を試みても重合体は得られない。重合条件等により極少量のアタクティク芳香族ビニル化合物ホモポリマーが得られる場合があるが、これは共存するメチルアルモキサンまたはその中に混入するアルキルアルミニウムによるカチオン重合、またはラジカル重合によって形成されたものと解するべきである。
【0023】
従来の立体規則性のない擬似ランダム共重合体のスチレンの異種結合に由来する構造のメチレン炭素のピークは、34.0〜34.5ppm及び34.5〜35.2ppmの2つの領域にあることが知られている。(例えば、Polymer Preprints,Japan,42,2292(1993))
本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体は、スチレンに由来する異種結合構造のメチレン炭素に帰属されるピークが34.5〜35.2ppmの領域に観測されるが、34.0〜34.5ppmにはほとんど認められない。
これは、本発明の共重合体の特徴の一つを示し、スチレンに由来する下記の式のような異種結合構造においてもフェニル基の高い立体規則性が保持されていることを示す。
【0024】
【化7】
Figure 0003945900
【0025】
さらに、本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体は、高い立体規則性を有するエチレンとスチレンの交互構造と、同時に種々の長さのエチレン連鎖、スチレンの異種結合、スチレンの連鎖等の多様な構造を併せて有するという特徴を持つ。また、本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体は、共重合体中のスチレンの含量によって交互構造の割合を、上記の式で得られるλ値で1より大きく70未満の範囲で種々変更可能である。この立体規則的な交互構造は結晶可能な構造であるので、本発明の共重合体は、スチレンの含量により、あるいは適当な方法で結晶化度を制御することにより、結晶性、非結晶性、部分的に結晶構造を有するポリマーという多様な特性を与えることが可能である。λ値が70未満であることは、結晶性ポリマーでありながら、有意の靭性、透明性を与えるために、また、部分的に結晶性のポリマーとなるために、あるいは、非結晶性のポリマーとなるために重要である。
本発明の共重合体は、およそ10モル%以上のスチレン含量域において、従来の立体規則性を有せずまたスチレン連鎖も有しないスチレン−エチレン共重合体に比べて、高い融点(DSCによる)を有することができる。
【0026】
以下に、本発明の芳香族ビニル化合物・オレフィン系樹脂組成物に使用される(B)芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体の製造方法を示す。本発明に用いられる(B)芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体は下記の遷移金属化合物を用いて製造することができる。
【0027】
【化8】
Figure 0003945900
【0028】
式中、Aは非置換または置換インデニル基、あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基である。
Bは、非置換または置換シクロペンタジエニル基、非置換または置換インデニル基、非置換または置換ベンゾインデニル基、あるいは非置換または置換フルオレニル基である。A、B共に非置換または置換インデニル基、あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基である場合には両者は同一でも異なっていてもよい。
Yは、A、Bと結合を有し、置換基として水素または炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基またはシリレン基である。これらの置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリデン基等の環状構造を有していてもよい。
Xは、水素や塩素、臭素等のハロゲン、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル基等のシリル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基またはジアルキルアミド基等である。
Mは第IV族金属である。
【0029】
一般式(2)において、Aは好ましくは下記の一般式、化9、化10、化11または化12で表すことができる非置換または置換インデニル基、あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基である。
【0030】
【化9】
Figure 0003945900
【0031】
【化10】
Figure 0003945900
【0032】
【化11】
Figure 0003945900
【0033】
【化12】
Figure 0003945900
【0034】
上記の化9〜化12において、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、6〜10のアリール基、7〜20のアルキルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3 基、SiR3 基またはPR2 基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)であり、R1同士、R2同士、R3同士及びR4同士は互いに同一でも異なっていても良い。また、隣接するR1、R2、R3及びR4は一体となって5〜8員環の芳香環または脂肪環を形成しても良い。
【0035】
非置換インデニル基としては1−インデニルが、置換インデニル基としては、4−アルキル−1−インデニル、4−アリール−1−インデニル、4,5−ジアルキル−1−インデニル、4,6−ジアルキル−1−インデニル、5,6−ジアルキル−1−インデニル、4,5−ジアリール−1−インデニル、5−アリール−1−インデニル、4−アリール−5−アルキル−1−インデニル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−インデニル、5,6−ジアリール−1−インデニル、4,5,6−トリアリール−1−インデニル等が挙げられる。
非置換ベンゾインデニル基として、4,5−ベンゾ−1−インデニル、(別名、ベンゾ(e)インデニル)、5,6−ベンゾ−1−インデニル、6,7−ベンゾ−1−インデニルが、置換ベンゾインデニル基として、4,5−ナフト−1−インデニル、4,5−ピレン−1−インデニル、4,5−トリフェニレン−1−インデニル、α−アセナフト−1−インデニル、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル、1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基等が例示できる。
【0036】
上記の一般式(2)においてBは好ましくは、上記のAと同様の非置換または置換インデニル基あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基、あるいは下記の一般式化13、化14で示される非置換または置換シクロペンタジエニル基あるいは非置換または置換フルオレニル基である。A、B共に非置換または置換インデニル基あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基である場合には両者は同一でも異なっていてもよい。
【0037】
【化13】
Figure 0003945900
【0038】
【化14】
Figure 0003945900
【0039】
上記の化13、化14において、R5、R6はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、6〜10のアリール基、7〜20のアルキルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3 基、SiR3 基またはPR2 基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)であり、R5同士、R6同士は互いに同一でも異なっていても良い。ただし、Bは、Aとラセミ体(または擬似ラセミ体)の立体関係にあることが好ましい。
【0040】
非置換シクロペンタジエニル基としてシクロペンタジエニルが、置換シクロペンタジエニル基として4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,5−ジアリール−1−シクロペンタジエニル、5−アルキル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4−アルキル−5−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、5−トリアルキルシリル−4−アルキル−1−シクロペンタジエニル、4,5−ジアルキルシリル−1−シクロペンタジエニル等が挙げられる。
【0041】
非置換インデニル基または置換インデニル基、非置換ベンゾインデニル基または置換ベンゾインデニル基としては上記のAについて例示したものが使用できる。
非置換フルオレニル基として9−フルオレニル基が、置換フルオレニル基として、7−メチル−9−フルオレニル基、ベンゾ−9−フルオレニル基等が挙げられる。
【0042】
上記の一般式(2)において、YはA、Bと結合を有し、水素または炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基、またはシリレン基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリデン基等の環状構造を有していてもよい。
好ましくは、Yは、A、Bと結合を有し、水素または炭素数1〜15の炭化水素基で置換された置換メチレン基である。炭化水素置換基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアリール基等が挙げられる。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。
特に好ましくは、Yは、−CH2 −、−CMe2 −、−CEt2 −、−CPh2 −、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデン基等である。ここで、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を表す。
Xは、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジアルキルアミド基である。ハロゲンとしては塩素、臭素等が、アルキル基としてはメチル基、エチル基等が、アリール基としてはフェニル基等が、シリル基としてはトリメチルシリル基等が、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が、またジアルキルアミド基としてはジメチルアミド基等が挙げられる。
【0043】
Mは、第IV族金属でありZr、Hf、Ti等が挙げられる。特に好ましくはZrである。
【0044】
かかる遷移金属化合物の例としては下記の化合物が挙げられる。
例えば、ジメチルメチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルメチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−プロピルメチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロぺンチリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド{別名、ジメチルメチレンビス(ベンゾ〔e〕インデニル)ジルコニウムジクロリド}、ジn−プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロぺンチリデンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(4,5ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(5,6−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(6,7−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(α−アセナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)等が挙げられる。
以上、Zr錯体を例示したが、Ti、Hf錯体も上記と同様の化合物が好適に用いられる。また、ラセミ体、メソ体の混合物を用いても良いが、好ましくはラセミ体または擬似ラセミ体を用いる。これらの場合、D体を用いても、L体を用いても良い。
【0045】
本発明で用いる助触媒としては、従来遷移金属化合物と組み合わせて用いられている助触媒を使用することができるが、そのような助触媒として、アルミノキサン(またはアルモキサンと記す)またはほう素化合物が好適に用いられる。
更に本発明は、その際助触媒として下記の一般式(3)、(4)で示されるアルミノキサン(またはアルモキサンと記す)が好適に用いられる。
【0046】
【化15】
Figure 0003945900
【0047】
式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または水素、mは2〜100の整数である。それぞれのRは互いに同一でも異なっていても良い。
【0048】
【化16】
Figure 0003945900
【0049】
式中、R’は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜100の整数である。それぞれのR’は互いに同一でも異なっていても良い。
アルミノキサンとしては好ましくは、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイソブチルアルモキサンが用いられるが、特に好ましくはメチルアルモキサンが用いられる。必要に応じ、これら種類の異なるアルモキサンの混合物を用いてもよい。また、これらアルモキサンとアルキルアルミニウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを含むアルキルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウムクロライド等を併用してもよい。
【0050】
アルキルアルミニウムの添加は、スチレン中の重合禁止剤、スチレン、溶媒中の水分等の重合を阻害する物質の除去、重合反応に対する無害化のために効果的である。
しかし、あらかじめスチレン、溶媒等を蒸留し、あるいは乾燥不活性ガスでのバブリングやモレキュラーシーブを通す等の公知の方法でこれらの量を重合に影響のないレベルまで低減する、あるいは用いるアルモキサンの使用量を若干増やす、または分添すれば、特にアルキルアルミニウムを重合時に添加することは、必ずしも必要ではない。
【0051】
本発明では、上記の遷移金属化合物と共に助触媒としてほう素化合物を用いることができる。
助触媒として用いられるほう素化合物は、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート{トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート}、リチウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリル)フェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−エチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス−2,4−ジメチルフェニルボレート、アニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N’−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、N,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、N,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、N,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、N,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N’−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N’−2,4,5−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N’−2,4,5−ペンタエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、ジ−(イソプロピル)アンモニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジ−シクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トロピリウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス(m−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート等である。
これらほう素化合物と上記の有機アルミニウム化合物を同時に用いても差し支えない。
特にほう素化合物を助触媒として用いる場合、重合系内に含まれる水等の重合に悪影響を与える不純物の除去に、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミ化合物の添加は有効である。
【0052】
本発明に用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレンおよび各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、またジビニルベンゼン等の一分子中に複数個のビニル基を有する化合物等も挙げられる。
工業的には好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、特に好ましくはスチレンが用いられる。
【0053】
また、本発明に用いられるオレフィンとしては、炭素数2〜20のα−オレフィン、すなわちエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンや環状オレフィン、すなわちノルボルネンやノルボルナジエンが適当である。またこれらのオレフィンを2種以上用いてもよい。オレフィンとしてはエチレン、プロピレンが好ましい。
【0054】
本発明の共重合体を製造するにあたっては、オレフィン、上記に例示した芳香族ビニル化合物、金属錯体である遷移金属化合物および助触媒を接触させるが、接触の順番、接触方法は任意の公知の方法を用いることができる。重合方法としては溶媒を用いずに液状モノマー中で重合させる方法、あるいはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の単独または混合溶媒を用いる方法がある。また、必要に応じ、バッチ重合、連続重合、回分式重合、スラリー重合、予備重合あるいは気相重合等の方法を用いることができる。
【0055】
重合温度は、−78℃から200℃が適当であり、好ましくは−50℃〜160℃である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を超えると金属錯体の分解が起こるので適当ではない。さらに工業的に特に好ましくは、0℃〜160℃である。
【0056】
助触媒として有機アルミニウム化合物を用いる場合には、錯体の金属に対し、アルミニウム原子/錯体金属原子比で0.1〜100000、好ましくは10〜10000の比で用いられる。0.1より小さいと有効に金属錯体を活性化出来ず、100000を超えると経済的に不利となる。
助触媒としてほう素化合物を用いる場合には、ほう素原子/錯体金属原子比で0.01〜100の比で用いられるが、好ましくは0.1〜10、特に好ましくは1で用いられる。
0.01より小さいと有効に金属錯体を活性化出来ず、100を超えると経済的に不利となる。
金属錯体と助触媒は、重合槽外で混合、調製しても、重合時に槽内で混合してもよい。
【0057】
本発明に用いられる(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体の重量平均分子量は、1000以上、共重合体としての物性を考慮にいれると好ましくは1万以上、特に好ましくは3万以上である。
ここでの重量平均分子量はGPCで標準ポリスチレンを用いて求めたポリスチレン換算分子量をいう。
本発明に用いられる(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体は、必ずしもそれが純粋な共重合体である必要はなく、構造及び立体規則性が上記の範囲にあれば他の構造が含まれていても、他のモノマーが共重合されていても差し支えない。共重合される他のモノマーとしてプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、3−メチルペンテン−1等及びこれらの組み合わせの炭素数3から20までのα−オレフィン、ブタジエン等の共役ジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン化合物が挙げられる。また前記の芳香族ビニル化合物が2種以上共重合されていても良い。
また重合条件等によっては、芳香族ビニル化合物が熱、ラジカル、またはカチオン重合したアタクティクホモポリマーが少量含まれる場合があるが、その量は全体の10重量%以下である。このようなホモポリマーは溶媒抽出により除去できるが、物性上特に問題がなければこれを含んだまま使用することもできる。
【0058】
本発明に用いられる(A)結晶性オレフィン樹脂としては、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体、又はその共重合体が挙げられる。
これらの(A)結晶性オレフィン樹脂の具体例としては、▲1▼低圧法、高圧法等のエチレン単独重合体、▲2▼エチレンと、30モル%以下の他のα−オレフィン、酢酸ビニルおよびエチルアクリレート等のビニルモノマーの少なくとも1種以上との共重合体、▲3▼プロピレン単独重合体、▲4▼プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体、▲5▼プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体、▲6▼1−ブテン単独重合体、▲7▼1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体、▲8▼4−メチルペンテン−1単独重合体、▲9▼4−メチルペンテン−1と20モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体が挙げられる。
上記の(A)結晶性オレフィン樹脂の中でも、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体またはプロピレン含量が50モル%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体が特に好ましい。
上記のような(A)結晶性オレフィン樹脂は、単独で或いは組み合わせて用いることができる。
【0059】
更に、本発明の芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の物性改善を目的とし、他のポリマーとのブレンドも可能である。例えば、ポリスチレン、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、PMMA、ABS、SBS、SIS、SEBS,SEPS等とのブレンドが挙げられる。
又、芳香族ビニル化合物含量が異なる本発明の芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体どうしのブレンド物も利用可能である。これらは動的加硫反応の前に加えて主成分と共に反応させても良いし反応が終わった後に加えて単なるブレンド材として用いても良い。
【0060】
本発明の芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、(A)結晶性オレフィン樹脂と(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体からなるブレンド物を、有機過酸化物やフェノール樹脂架橋剤の存在下でいわいる動的加硫(動的に熱処理する)することにより得ることが出来る。
動的加硫は各種配合物を溶融状態で、架橋剤が反応する条件下で強力に混練させることにより分散と架橋を同時に起させる手法であり、A.Y.Coranらの文献(Rub.Chem.and Technol.vol.53,141(1980))に詳細に記されており広く知られている。
動的加硫はバンバリーミキサー、加圧式ニーダーの様な密閉式混練機、一軸又は二軸押出機等を用いて行われる。混練温度は通常130〜300℃、好ましくは150〜250℃である。混練時間は通常1〜30分である。
動的加硫に用いられる有機過酸化物としては、具体的にはジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tertーブチルペルオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−ヘキシン−3、ジ−tert−ブチルペルオキシド等が挙げられる。
本発明において、有機過酸化物は(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体100重量部に対し好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部の割合で用いられる。又、有機過酸化物による動的加硫の際にマレイミド化合物の様な過酸化物架橋用助剤、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレートの様な多官能性ビニルモノマーを配合することが出来る。
【0061】
本発明の熱可塑性エラストマーには、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤等の添加物を配合することが出来る。
製品の硬さや流動性の調節の為に必要に応じて配合することが出来る軟化剤としては、具体的にはパラフィン系、ナフテン系、アロマ系プロセスオイル、流動パラフィン、ヒマシ油、アマニ油等種々のものが使われる。
そしてこれらの軟化剤は混練時に添加しても、(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体の製造時に予め含ませておいても良い(いわいる油展ゴム)。
又、本発明においては軟化剤は(B)芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体100重量部に対し通常0〜150重量部添加する。
本発明においては必要に応じて添加することが出来る無機充填剤としては、具体的には炭酸カルシウム、タルク、クレー、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0062】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。なお、以下の説明でIndはインデニル基を、BIndはベンソインデニル基を、Meはメチル基を表す。
各実験例で得られたポリマーの分析は以下の手段によって実施した。
13C−NMR測定は、装置は日本電子社製JNMGX−270またはα−500を用い、溶媒は重クロロホルムまたは重1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、TMSを基準として測定した。
ポリマー中のスチレン含量の決定は、1H−NMRで行い、装置は日本電子社製JNMGX−270またはα−500を用い、溶媒は重クロロホルムまたは1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、TMSを基準として、フェニル基プロトン由来のピークとアルキル基由来のプロトンピークの強度比較で行った。
分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の分子量を求めた。溶媒はTHFまたは1,2,4−トリクロロベンゼンを用い、カラムは東ソー社製HLC−8020またはセンシュウ科学社製GPC−7100を用いた。
【0063】
実験例
<遷移金属化合物の合成A>
下式のrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(別名、rac−イソプロピリデンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、またはrac{BInd−C(Me)2 −BInd}ZrCl2 と記す)は以下の合成法で合成した。
4,5−ベンゾインデンはOrganometallics,13,964(1994)に従って合成した。
【0064】
A−1 1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデンの合成
1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデンの合成は、Can.J.Chem.,62,1751(1984)に記載されている6,6−ジフェニルフルベンの合成を参考に行った。ただし、出発原料はベンゾフェノンの代わりにアセトンを、シクロペンタジエンの代わりに4,5−ベンゾインデンを用いた。
【0065】
A−2 イソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデンの合成
Ar雰囲気下、21mmolの4,5−ベンゾインデンを70mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLiを加え、3時間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデン21mmolを溶解したTHFを加え、室温で一晩攪拌した。水100ml、ジエチルエーテル150mlを加え振盪し、有機層を分離、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下、留去した。得られた黄色固体をヘキサンで洗浄、乾燥しイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデンを3.6g(収率46%)得た。
1H−NMRスペクトル測定により、7.2〜8.0ppm(m、12H)、6.65ppm(2H)、3.75ppm(4H)、1.84ppm(6H)の位置にピークを有する。
測定はTMSを基準とし、CDCl3 を溶媒として行なった。
【0066】
A−3 rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
Ar雰囲気下、7.6mmolのイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデンと7.2mmolのジルコニウムテトラキスジメチルアミド、別名{Zr(NMe2 4 }をトルエン50mlとともに仕込み、130℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩化メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジメチルアミン塩酸塩14.4mmolをゆっくり加え、室温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、得られた固体をペンタン、続いて少量のTHFで洗浄し、下記の式で表される黄燈色のrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.84g(収率21%)得た。
【0067】
【化17】
Figure 0003945900
【0068】
1H−NMRスペクトル測定により、8.01ppm(m、2H)、7.75ppm(m、2H)、7.69ppm(d、2H)、7.48〜7.58ppm(m、4H)、7.38ppm(d、2H)、7.19ppm(d、2H)、6.26ppm(d、2H)、2.42ppm(s、6H)の位置にピークを有する。
測定はTMSを基準とし、CDCl3 を溶媒として行なった。
元素分析装置1108型(イタリア、ファイソンズ社製)を用いて元素分析を行い、C63.86%、H3.98%の結果を得た。理論値はC65.39%、H4.16%である。
【0069】
<遷移金属化合物の合成B>
rac−ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(別名、rac−イソプロピリデン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、またはrac{Ind−C(Me)2 −BInd}ZrCl2 と記す)は以下の合成法で合成した。
【0070】
B−1 イソプロピリデン(1−インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)の合成
Ar雰囲気下、14mmolのインデンを50mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLiを加え、10時間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデン13mmolを溶解したTHF10mlを加え、室温で一晩攪拌した。水50ml、ジエチルエーテル100mlを加え振盪し、有機層を分離飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下、留去した。カラムでさらに精製し、イソプロピリデン(1−インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)を2.5g(収率59%)得た。
【0071】
B−2 rac−ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
Ar雰囲気下、6.5mmolのイソプロピリデン(1−インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)と6.5mmolのジルコニウムテトラキスジメチルアミド、別名{Zr(NMe2 4 }をトルエン40mlとともに仕込み、130℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩化メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジメチルアミン塩酸塩13mmolをゆっくり加え、室温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、得られた固体をペンタン、続いて少量の塩化メチレンで洗浄し、燈色のrac−ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.76g(収率24%)得た。
1H−NMRスペクトル測定により、7.05〜8.04ppm(m、10H但し、7.17ppmのピークを除く)、7.17ppm(d、H)、6.73ppm(d、H)、6.25ppm(d、H)、6.18ppm(d、H)、2.41ppm(m、3H)、2.37ppm(m、3H)の位置にピークを有する。
測定はTMSを基準とし、CDCl3 を溶媒として行なった。
【0072】
実験例1 共重合体P−1の合成
容量10L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を行った。
脱水したトルエン4000ml、脱水したスチレン800mlを仕込み、内温50℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブリングして系内をパージし、トリイソブチルアルミニウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、PMAO)をAl基準で8.4mmol加えた。ただちにエチレンを導入し圧力10Kg/cm2 Gで安定した後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、触媒rac{BInd−C(Me)2 −BInd}ZrCl2 を0.84μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50mlをオートクレーブに加えた。内温を50℃、エチレン圧を1Kg/cm2 G(エチレン圧2気圧)に維持しながら5時間重合を実施した。重合中は、反応液温及びエチレンの消費速度を流量積算計によりモニターして、重合反応が実質的に終了するまで重合を実施した。重合終了後、得られた重合液を激しく攪拌した過剰のメタノール中に少量ずつ投入し生成したポリマーを析出させた。減圧下、60℃で重量変化が認められなくなるまで乾燥したところ、スチレン含量11.5モル%の共重合体464gを得た。
【0073】
実験例2 共重合体P−2の合成
触媒量を2.1μmolに、用いるメチルアルモキサンを東ソーアクゾ社製、MMAO−3Aに変更しAl基準で84mmolに、重合時間を4時間に変更した以外は実験例1と同様に重合及び後処理を実施した。その結果スチレン含量15.5モル%の共重合体874gを得た。
【0074】
実験例3 共重合体P−3の合成
触媒量を8.4μmolに、用いるメチルアルモキサンを東ソーアクゾ社製、MMAO−3Aに変更しAl基準で84mmolに、スチレンを2400mlにトルエンを2400mlに、重合時間を1.5時間に変更した以外は実験例1と同様に重合及び後処理を実施した。その結果スチレン含量37.1モル%の共重合体1320gを得た。
【0075】
実験例4 共重合体P−4の合成
用いる触媒をrac{Ind−C(Me)2 −BInd}ZrCl2 8.4μmolに、用いるメチルアルモキサンを東ソーアクゾ社製、MMAO−3Aに変更しAl基準で84mmolに、スチレンを2400mlに、トルエンを2400mlに、重合時間を5時間に変更した以外は実験例1と同様に重合及び後処理を実施した。その結果スチレン含量31.8モル%の共重合体870gを得た。
【0076】
表1に、各実験例で得られた共重合体の1H−NMR測定から求めたスチレン含量、GPC測定から得られた分子量、分子量分布、13C−NMR測定から求めたスチレン−エチレン交互構造のタクティシティm値、λ値、θ値、DSC測定で得られた融点を示す。
【0077】
【表1】
Figure 0003945900
【0078】
実施例1
結晶性オレフィン樹脂として チッソポリプロK−7730(エチレンブロック共重合タイプ、メルトフローレート=25gr/10min(230℃、2.16kg))を30重量部と、実験例1で得たスチレンーエチレンランダム共重合体P−1(スチレン11.5モル%)70重量部とパーキュミルD−40(日本油脂製、純分40%)、ジビニルベンゼン各1重量部を容量3リットルのバンバリーミキサーに仕込み水冷下100rpmで混練した。内温が185℃に上がった後、更に3分間混練してストップし、熱可塑性エラストマー組成物を作成した。ロールでシーティングし、プレスシートを作成し物性測定を行った。結果を表2に示す。
【0079】
実施例2
実施例1においてスチレン−エチレンランダム共重合体P−1の替わりにP−2(スチレン15.5モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を作成し、物性測定を行った。結果を表2に示す。
【0080】
実施例3、4
実施例1においてスチレン−エチレンランダム共重合体P−1の替わりにP−3、P−4(各々スチレン37.1モル%、31.8モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物を作成し物性測定を行った。結果を表2に示す。
【0081】
実施例5
実施例3の処方で軟化剤として出光興産社製プロセスオイルPW−380を50PHR追加しプロセスオイルの効果を見た。
【0082】
実施例6
実施例3の処方で、結晶性オレフィン樹脂とスチレン−エチレンランダム共重合体の比率を20:80とした。
【0083】
比較例1
実施例3の処方で、スチレン−エチレンランダム共重合体の替わりに通常のEPDMのEP−22(JSR社製、ムーニー値(100℃)=42、プロピレン含量=43%)を用いて、実施例1と同様の操作を行い通常のオレフィン系熱可塑性エラストマーをつくった。
【0084】
比較例2
実施例6の処方で、スチレン−エチレンランダム共重合体の替わりに通常のEPDMであるEP−22を使用した。
【0085】
【表2】
Figure 0003945900
【0086】
<物性測定方法>
(1).硬度:JIS K−6301に準拠し、A硬度を測定した。
(2).引張強度、伸度:JIS K−6723に準拠して測定した。
(3).耐傷つき性:フェルト布で表面をこすり傷がつきにくいものを◯とし、傷がつきやすいものを×とした。(目視判定)
【0087】
【発明の効果】
以上に示すように、本発明の結晶性オレフィン樹脂と芳香族ビニル化合物−オレフィンランダム共重合体からなり、動的加硫法によって得られる芳香族ビニル・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、引張り物性、耐表面傷つき性において優れており、自動車部品、工業機械部品、建材等広範囲な分野において有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition, and more specifically, a cross-linked aromatic vinyl compound / olefin-based polymer having excellent surface scratch resistance and tensile properties and obtained by a dynamic vulcanization method. The present invention relates to a thermoplastic elastomer composition.
[0002]
[Prior art]
Olefin-based thermoplastic elastomers are beginning to be widely used in automobile parts, industrial machine parts, building materials and the like as energy-saving and resource-saving type elastomers, especially as substitutes for vulcanized rubber and soft vinyl chloride. Olefin-based thermoplastic elastomers are widely known, and are described in, for example, Japanese Patent Publication No. Sho 53-21021, Japanese Patent Publication No. 54-2662, Japanese Patent Publication No. Sho 55-18448, Japanese Patent Publication No. Sho 56-15740, and the like. Yes.
However, although olefinic thermoplastic elastomers are superior in processability and production cost to conventional vulcanized rubbers such as SBR and CR, they are inferior in tensile properties and surface scratch resistance.
Therefore, the appearance of an olefinic thermoplastic elastomer excellent in tensile properties and surface scratch resistance has been desired.
[0003]
[Problem to be Solved by the Invention]
The object of the present invention is to solve the problems associated with the prior art as described above, and to improve the tensile properties and surface scratch resistance of conventional olefinic thermoplastic elastomers. The object is to provide an olefinic thermoplastic elastomer composition.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition according to the present invention comprises (A) a crystalline olefin resin of 10 to 85% by weight and the following (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer of 15 to 90% by weight. %, A crosslinked aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition obtained by a dynamic vulcanization method.
(B) The aromatic vinyl compound-olefin random copolymer has an aromatic vinyl compound content of less than 1 to 99.9 mol% and has a head-tail chain structure of two or more aromatic vinyl compound units. An aromatic vinyl compound-olefin random copolymer.
[0005]
The (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer of the present invention is preferably an aromatic vinyl compound-ethylene random copolymer.
The (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer of the present invention has an aromatic vinyl compound content of less than 1 to 99.9 mol%, preferably 1 to 50 mol%, and two or more aromatics It is an aromatic vinyl compound-olefin random copolymer having a chain structure of a head-tail of an aromatic vinyl compound unit.
This aromatic vinyl compound-olefin random copolymer is a novel copolymer, and includes an aromatic vinyl compound-ethylene random copolymer obtained by using the following transition metal compound or by the following production method. In particular, it is not limited to the transition metal compound or the production method of the present invention.
[0006]
Hereinafter, a styrene-ethylene random copolymer which is an example of the copolymer of the present invention will be described as an example.
Its structure is determined by a nuclear magnetic resonance method (NMR method).
[0007]
The styrene-ethylene random copolymer of the present invention has main peaks at the following positions in 13C-NMR based on TMS.
Peaks derived from main chain methylene and main chain methine carbon are around 24 to 25 ppm, around 27 ppm, around 30 ppm, around 34 to 37 ppm, around 40 to 41 ppm, and around 42 to 46 ppm. Peaks derived from five carbons that are not bonded are shown around 126 ppm and around 128 ppm, and peaks derived from one carbon bonded to the polymer main chain in the phenyl group are shown around 146 ppm.
In the styrene-ethylene random copolymer of the present invention, the stereoregularity of the phenyl group in the alternating structure of styrene and ethylene represented by the following general formula (1) contained in the structure is an isotactic dyad fraction m. And a styrene-ethylene random copolymer having an alternating structure index λ of less than 70 and greater than 1, preferably less than 70 and greater than 5, given by the following formula (i):
λ = A3 / A2 × 100 Formula (i)
Here, A3 is the total area of three types of peaks a, b, and c derived from a styrene-ethylene alternating structure represented by the following general formula (1 ′), which is obtained by 13C-NMR measurement. A2 is the sum of the areas of peaks derived from main chain methylene and main chain methine carbons observed in the range of 0 to 50 ppm by 13C-NMR based on TMS.
[0008]
[Formula 4]
Figure 0003945900
[0009]
(In the formula, Ph represents a phenyl group, x represents the number of repeating units and represents an integer of 2 or more.)
[0010]
[Chemical formula 5]
Figure 0003945900
[0011]
(In the formula, Ph represents a phenyl group, x represents the number of repeating units and represents an integer of 2 or more.)
[0012]
In the styrene-ethylene random copolymer of the present invention, the stereoregularity of the phenyl group of the alternating copolymer structure of ethylene and styrene is the isotactic structure. The isotactic dyad fraction m (or meso dyad fraction) Also referred to as a structure having a ratio of greater than 0.75, preferably greater than 0.85, more preferably greater than 0.95.
[0013]
The isotactic dyad fraction m of the alternating copolymer structure of ethylene and styrene is as follows from the peak area Ar derived from the r structure of the methylene carbon peak appearing around 25 ppm and the peak area Am derived from the m structure: It can be obtained by equation (ii).
m = Am / (Ar + Am) Formula (ii)
The appearance position of the peak may be slightly shifted depending on the measurement conditions and the solvent.
For example, when deuterated chloroform is used as a solvent and TMS is used as a reference, a peak derived from the r structure appears in the vicinity of 25.4 to 25.5 ppm, and a peak derived from the m structure appears in the vicinity of 25.2 to 25.3 ppm. .
In addition, when heavy tetrachloroethane is used as a solvent and the center peak (73.89 ppm) of the triplet of heavy tetrachloroethane is used as a reference, the peak derived from the r structure has an m structure in the vicinity of 25.3 to 25.4 ppm. The peak derived from appears in the vicinity of 25.1 to 25.2 ppm.
The m structure represents a meso dyad structure, and the r structure represents a racemic dyad structure. In the styrene-ethylene random copolymer of the present invention, a peak attributed to the r structure is not observed in the alternating copolymer structure of ethylene and styrene.
[0014]
Furthermore, in the styrene-ethylene random copolymer of the present invention, the stereoregularity of the phenyl group in the chain structure of the styrene unit is isotactic.
The stereoregularity of the phenyl group in the chain structure of the styrene unit is isotactic. The isotactic diad fraction ms (or also referred to as mesodyad fraction) is greater than 0.5, preferably 0.7 or greater, A structure showing 0.8 or more is preferred.
The stereoregularity of the chain structure of the styrene unit is determined by the peak position of methylene carbon near 43 to 44 ppm observed by 13C-NMR and the peak position of main chain protons observed by 1H-NMR.
[0015]
According to US Pat. No. 5,502,133, the methylene carbon of the isotactic polystyrene chain structure appears at 42.9 to 43.3 ppm, while the methylene carbon of the syndiotactic polystyrene chain structure appears at around 44.0 to 44.7 ppm. . The appearance position of the sharp methylene carbon of syndiotactic polystyrene and the broad peak of 43 to 45 ppm of atactic polystyrene is close to the peak position where the other carbons of the styrene-ethylene random copolymer of the present invention have relatively low strength. Or they overlap. However, in contrast to the fact that a methylene carbon peak is strongly observed at 42.9 to 43.4 ppm in the present invention, no clear peak is observed in the vicinity of 44.0 to 44.7 ppm.
[0016]
Furthermore, according to US Pat. No. 5,502,133 and the comparative example of the present invention, peaks attributed to main chain methylene and methine protons in 1H-NMR are 1.5 to 1.6 ppm, 2.2 in the case of isotactic polystyrene. In the case of syndiotactic polystyrene, it is observed at 1.3 to 1.4 ppm and 1.8 to 1.9 ppm.
In the copolymer of the present invention, peaks are observed at 1.5 to 1.6 ppm and 2.2 ppm, and the results of this NMR analysis show that the styrene chain in the copolymer of the present invention is an isotactic stereo rule. It shows that it is sex.
[0017]
The isotactic dyad fraction ms of the chain structure of the styrene unit is derived from each peak of methylene carbon of the styrene chain structure by 13C-NMR measurement or main chain methylene and methine proton by 1H-NMR measurement by the following formula.
Obtained from the peak area Ar ′ derived from the syndiotactic dyad structure (r structure) of each peak and the peak area Am ′ derived from the isotactic dyad structure (m structure) by the following formula (iii) Can do.
ms = Am ′ / (Ar ′ + Am ′) Formula (iii)
The appearance position of the peak may be slightly shifted depending on the measurement conditions and the solvent.
[0018]
The random copolymer in the present invention is a copolymer including a chain structure in which head units of styrene units are bonded, a chain structure in which ethylene units are bonded, and a structure in which styrene units and ethylene units are bonded. In the present copolymer, the proportion of these structures varies depending on the styrene content or the polymerization conditions such as the polymerization temperature.
When the styrene content is reduced, the proportion of the chain structure bonded by the head-tail of the styrene unit is decreased. For example, in the case of a copolymer having a styrene content of about 20 mol% or less, it is difficult to directly observe a peak derived from the structure of the chain structure bonded with the head-tail of the styrene unit by ordinary 13C-NMR measurement. . However, it is possible to produce a homopolymer having high activity and stereoregularity in the polymerization of styrene alone by using the transition metal compound of the present invention or by the production method of the present invention, that is, essentially the head-tail of the styrene unit. It is possible to form a chain structure linked with a styrene unit, and in the copolymer, a chain linked with a head-tail of a styrene unit corresponding to a styrene content of 20 to 99 mol% by at least 13 C-NMR method. Since the proportion of the structure changes continuously, it is clear that a chain structure bonded by the head-tail of the styrene unit can exist in the copolymer although the amount is small even at 20 mol% or less. By using a styrene monomer enriched with 13C and analyzing by 13C-NMR, it is possible to observe the chain structure of the styrene unit in the copolymer having a styrene content of 20 mol% or less, bonded by the head-tail. is there.
The same applies to the chain structure of ethylene units.
[0019]
The chain structure bonded by the head-tail of the styrene unit contained in the (B) styrene-ethylene random copolymer of the present invention is two or more chain structures that can be represented by the following structure, and three or more chain structures It preferably has a chain structure.
[0020]
[Chemical 6]
Figure 0003945900
[0021]
Here, n is an arbitrary integer of 2 or more. Ph represents a phenyl group.
[0022]
On the other hand, in a conventionally known so-called pseudorandom copolymer, a head-tail chain structure of an aromatic vinyl compound cannot be found even when the aromatic vinyl compound content is in the vicinity of 50 mol% at the maximum. Furthermore, no polymer can be obtained even if homopolymerization of an aromatic vinyl compound is attempted using a catalyst for producing a pseudo-random copolymer. A very small amount of atactic aromatic vinyl compound homopolymer may be obtained depending on the polymerization conditions, etc., but this is because it is formed by cation polymerization or radical polymerization with coexisting methylalumoxane or alkylaluminum mixed therein. Should be understood.
[0023]
The methylene carbon peaks of the structure derived from the heterogeneous bond of styrene in the pseudorandom copolymer without conventional stereoregularity are in two regions of 34.0 to 34.5 ppm and 34.5 to 35.2 ppm. It has been known. (For example, Polymer Preprints, Japan, 42 , 2292 (1993))
In the styrene-ethylene random copolymer of the present invention, a peak attributed to methylene carbon having a heterogeneous bond structure derived from styrene is observed in the region of 34.5 to 35.2 ppm, but 34.0 to 34.5 ppm. Is almost unacceptable.
This shows one of the characteristics of the copolymer of the present invention, and shows that high stereoregularity of the phenyl group is maintained even in a heterogeneous bond structure derived from styrene such as the following formula.
[0024]
[Chemical 7]
Figure 0003945900
[0025]
Furthermore, the styrene-ethylene random copolymer of the present invention has an alternating structure of ethylene and styrene having high stereoregularity, and various structures such as ethylene chains of various lengths, styrene heterogeneous bonds, styrene chains, etc. It has the feature of having together. Further, the styrene-ethylene random copolymer of the present invention can be variously changed in the range of the λ value obtained by the above formula and less than 70 by the λ value obtained by the content of styrene in the copolymer. is there. Since this stereoregular alternating structure is a crystallizable structure, the copolymer of the present invention is crystalline, non-crystalline, by controlling the crystallinity by the content of styrene or by an appropriate method. It is possible to provide various properties such as a polymer having a partially crystalline structure. A λ value of less than 70 is a crystalline polymer to give significant toughness and transparency, to become a partially crystalline polymer, or to be a non-crystalline polymer. Is important to become.
The copolymer of the present invention has a higher melting point (by DSC) than a styrene-ethylene copolymer having no stereoregularity and no styrene chain in a styrene content region of about 10 mol% or more. Can have.
[0026]
Below, the manufacturing method of the (B) aromatic vinyl compound-olefin copolymer used for the aromatic vinyl compound and the olefin resin composition of this invention is shown. The (B) aromatic vinyl compound-olefin copolymer used in the present invention can be produced using the following transition metal compound.
[0027]
[Chemical 8]
Figure 0003945900
[0028]
In the formula, A is an unsubstituted or substituted indenyl group, or an unsubstituted or substituted benzoindenyl group.
B is an unsubstituted or substituted cyclopentadienyl group, an unsubstituted or substituted indenyl group, an unsubstituted or substituted benzoindenyl group, or an unsubstituted or substituted fluorenyl group. When both A and B are unsubstituted or substituted indenyl groups or unsubstituted or substituted benzoindenyl groups, they may be the same or different.
Y is a methylene group or a silylene group having a bond with A and B and having hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms as a substituent. These substituents may be different from each other or the same. Y may have a cyclic structure such as a cyclohexylidene group or a cyclopentylidene group.
X represents a halogen such as hydrogen, chlorine or bromine, an alkyl group such as a methyl group or an ethyl group, an aryl group such as a phenyl group, a silyl group such as a trimethylsilyl group, an alkoxy group such as a methoxy group, an ethoxy group or an isopropoxy group, or A dialkylamide group and the like.
M is a Group IV metal.
[0029]
In the general formula (2), A is preferably an unsubstituted or substituted indenyl group or an unsubstituted or substituted benzoindenyl group that can be represented by the following general formula, Chemical Formula 9, Chemical Formula 10, Chemical Formula 11 or Chemical Formula 12. .
[0030]
[Chemical 9]
Figure 0003945900
[0031]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003945900
[0032]
Embedded image
Figure 0003945900
[0033]
Embedded image
Figure 0003945900
[0034]
In the above chemical formulas 9 to 12, R1, R2, R3 and R4 are each hydrogen, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, an alkylaryl group having 7 to 20 carbon atoms, a halogen atom, OSiR. Three Group, SiR Three Group or PR 2 Group (R represents a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms), and R1, R2, R3, and R4 may be the same or different from each other. Further, adjacent R1, R2, R3 and R4 may be combined to form a 5- to 8-membered aromatic ring or aliphatic ring.
[0035]
The unsubstituted indenyl group is 1-indenyl, and the substituted indenyl group is 4-alkyl-1-indenyl, 4-aryl-1-indenyl, 4,5-dialkyl-1-indenyl, 4,6-dialkyl-1 -Indenyl, 5,6-dialkyl-1-indenyl, 4,5-diaryl-1-indenyl, 5-aryl-1-indenyl, 4-aryl-5-alkyl-1-indenyl, 2,6-dialkyl-4 -Aryl-1-indenyl, 5,6-diaryl-1-indenyl, 4,5,6-triaryl-1-indenyl and the like.
As an unsubstituted benzoindenyl group, 4,5-benzo-1-indenyl, (also known as benzo (e) indenyl), 5,6-benzo-1-indenyl, and 6,7-benzo-1-indenyl are substituted. As the benzoindenyl group, 4,5-naphth-1-indenyl, 4,5-pyrene-1-indenyl, 4,5-triphenylene-1-indenyl, α-acenaphth-1-indenyl, 3-cyclopenta [c] Examples thereof include phenanthryl and 1-cyclopenta [l] phenanthryl group.
[0036]
In the above general formula (2), B is preferably an unsubstituted or substituted indenyl group or an unsubstituted or substituted benzoindenyl group similar to A above, or an unsubstituted group represented by the following general formulas 13 and 14. Or a substituted cyclopentadienyl group or an unsubstituted or substituted fluorenyl group. When both A and B are unsubstituted or substituted indenyl groups or unsubstituted or substituted benzoindenyl groups, they may be the same or different.
[0037]
Embedded image
Figure 0003945900
[0038]
Embedded image
Figure 0003945900
[0039]
In the above chemical formulas 13 and 14, R5 and R6 are each hydrogen, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, an alkylaryl group having 7 to 20 carbon atoms, a halogen atom, and OSiR. Three Group, SiR Three Group or PR 2 Group (R represents a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms), and R5 and R6 may be the same as or different from each other. However, B preferably has a steric relationship between A and a racemate (or pseudo-racemate).
[0040]
Cyclopentadienyl as unsubstituted cyclopentadienyl group, 4-aryl-1-cyclopentadienyl, 4,5-diaryl-1-cyclopentadienyl, 5-alkyl-4 as substituted cyclopentadienyl group -Aryl-1-cyclopentadienyl, 4-alkyl-5-aryl-1-cyclopentadienyl, 4,5-dialkyl-1-cyclopentadienyl, 5-trialkylsilyl-4-alkyl-1- And cyclopentadienyl, 4,5-dialkylsilyl-1-cyclopentadienyl, and the like.
[0041]
What was illustrated about said A can be used as an unsubstituted indenyl group or a substituted indenyl group, an unsubstituted benzoindenyl group, or a substituted benzoindenyl group.
Examples of the unsubstituted fluorenyl group include 9-fluorenyl group, and examples of the substituted fluorenyl group include 7-methyl-9-fluorenyl group and benzo-9-fluorenyl group.
[0042]
In the above general formula (2), Y is a methylene group or a silylene group having a bond with A and B and having hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms. The substituents may be different or the same. Y may have a cyclic structure such as a cyclohexylidene group or a cyclopentylidene group.
Preferably, Y is a substituted methylene group having a bond with A and B and substituted with hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms. Examples of the hydrocarbon substituent include an alkyl group, an aryl group, a cycloalkyl group, and a cycloaryl group. The substituents may be different or the same.
Particularly preferably, Y is —CH 2 -, -CMe 2 -, -CEt 2 -, -CPh 2 -, Cyclohexylidene, cyclopentylidene group and the like. Here, Me represents a methyl group, Et represents an ethyl group, and Ph represents a phenyl group.
X is hydrogen, halogen, an alkyl group having 1 to 15 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, a silyl group having a hydrocarbon substituent having 1 to 4 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 10 carbon atoms, or It is a dialkylamide group having an alkyl substituent having 1 to 6 carbon atoms. Halogen is chlorine, bromine, etc., alkyl groups are methyl, ethyl, etc., aryl groups are phenyl, etc., silyl groups are trimethylsilyl, etc., alkoxy groups are methoxy, ethoxy, iso A propoxy group and the like, and a dialkylamide group include a dimethylamide group.
[0043]
M is a Group IV metal and includes Zr, Hf, Ti and the like. Particularly preferred is Zr.
[0044]
Examples of such transition metal compounds include the following compounds.
For example, dimethylmethylenebis (1-indenyl) zirconium dichloride, diethylmethylenebis (1-indenyl) zirconium dichloride, di-n-propylmethylenebis (1-indenyl) zirconium dichloride, di-propylmethylenebis (1-indenyl) zirconium Dichloride, cyclohexylidenebis (1-indenyl) zirconium dichloride, cyclopentylidenebis (1-indenyl) zirconium dichloride, diphenylmethylenebis (1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (4,5-benzo-1-indenyl) Zirconium dichloride {also known as dimethylmethylenebis (benzo [e] indenyl) zirconium dichloride}, di-n-propylmethylenebis (4,5-benzo-1-y Denyl) zirconium dichloride, dii-propylmethylenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, cyclohexylidenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, cyclopentylidenebis (4,5 -Benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, diphenylmethylenebis (4,5benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (cyclopentadienyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (1-fluorenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (4-phenyl) 1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (4-naphthyl-1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (5 , 6-Benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (5,6-benzo-1-indenyl) (1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (6,7-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, Dimethylmethylene (6,7-benzo-1-indenyl) (1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (4,5-naphth-1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (α-acenaphth-1-indenyl) Zirconium Dichloride, dimethylmethylenebis (3-cyclopenta [c] phenanthryl) zirconium dichloride, dimethylmethylene (3-cyclopenta [c] phenanthryl) (1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (1-cyclopenta [l] phenanthryl) zirconium dichloride Dimethylmethylene (1-cyclopenta [l] phenanthryl) (1-indenyl) zirconium dichloride, dimethylmethylenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium bis (dimethylamide), and the like.
As mentioned above, although the Zr complex was illustrated, the compound similar to the above is used suitably also for Ti and Hf complex. A mixture of a racemate and a meso isomer may be used, but a racemate or a pseudo racemate is preferably used. In these cases, the D body or the L body may be used.
[0045]
As the cocatalyst used in the present invention, a cocatalyst conventionally used in combination with a transition metal compound can be used. As such a cocatalyst, an aluminoxane (or alumoxane) or a boron compound is suitable. Used for.
In the present invention, an aluminoxane (or alumoxane) represented by the following general formulas (3) and (4) is preferably used as a co-catalyst.
[0046]
Embedded image
Figure 0003945900
[0047]
In the formula, R is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, or hydrogen, and m is an integer of 2 to 100. Each R may be the same as or different from each other.
[0048]
Embedded image
Figure 0003945900
[0049]
In the formula, R ′ is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, or hydrogen, and n is an integer of 2 to 100. Each R ′ may be the same as or different from each other.
As the aluminoxane, methylalumoxane, ethylalumoxane, and triisobutylalumoxane are preferably used, and methylalumoxane is particularly preferably used. If necessary, a mixture of these different alumoxanes may be used. These alumoxanes and alkylaluminums such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum and halogen-containing alkylaluminums such as dimethylaluminum chloride may be used in combination.
[0050]
The addition of alkylaluminum is effective for removing substances that inhibit polymerization, such as a polymerization inhibitor in styrene, styrene, and moisture in a solvent, and detoxifying the polymerization reaction.
However, the amount of alumoxane used is reduced to a level that does not affect the polymerization by a known method such as distilling styrene, a solvent or the like in advance or bubbling with a dry inert gas or passing through a molecular sieve. If it is slightly increased or added, it is not always necessary to add alkylaluminum during polymerization.
[0051]
In the present invention, a boron compound can be used as a cocatalyst together with the above transition metal compound.
Boron compounds used as promoters are triphenylcarbenium tetrakis (pentafluorophenyl) borate {trityltetrakis (pentafluorophenyl) borate}, lithium tetra (pentafluorophenyl) borate, tri (pentafluorophenyl) borane, trimethyl Ammonium tetraphenylborate, triethylammonium tetraphenylborate, tripropylammonium tetraphenylborate, tri (n-butyl) ammonium tetraphenylborate, tri (n-butyl) ammonium tetra (p-tolyl) phenylborate, tri (n-butyl) ) Ammonium tetra (p-ethylphenyl) borate, tri (n-butyl) ammonium tetra (pentafluorophenyl) borate, trimethyla Monium tetra (p-tolyl) borate, trimethylammonium tetrakis-3,5-dimethylphenylborate, triethylammonium tetrakis-3,5-dimethylphenylborate, tributylammonium tetrakis-3,5-dimethylphenylborate, tributylammonium tetrakis-2 , 4-dimethylphenylborate, anilinium tetrakispentafluorophenylborate, N, N′-dimethylanilinium tetraphenylborate, N, N′-dimethylanilinium tetrakis (p-tolyl) borate, N, N′-dimethylanily Ni-tetrakis (m-tolyl) borate, N, N'-dimethylanilinium tetrakis (2,4-dimethylphenyl) borate, N, N'-dimethylanilinium tetrakis (3,5 -Dimethylphenyl) borate, N, N'-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N'-diethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N'-2,4,5-penta Methylanilinium tetraphenylborate, N, N′-2,4,5-pentaethylanilinium tetraphenylborate, di- (isopropyl) ammonium tetrakispentafluorophenylborate, di-cyclohexylammonium tetraphenylborate, triphenylphosphoniumtetra Phenylborate, tri (methylphenyl) phosphonium tetraphenylborate, tri (dimethylphenyl) phosphonium tetraphenylborate, triphenylcarbeniumtetrakis (p-tolyl) borate , Triphenylcarbenium tetrakis (m-tolyl) borate, triphenylcarbeniumtetrakis (2,4-dimethylphenyl) borate, triphenylcarbeniumtetrakis (3,5-dimethylphenyl) borate, tropyliumtetrakispentafluorophenylborate Tropylium tetrakis (p-tolyl) borate, tropylium tetrakis (m-tolyl) borate, tropylium tetrakis (2,4-dimethylphenyl) borate, tropylium tetrakis (3,5-dimethylphenyl) borate and the like.
These boron compounds and the above organoaluminum compound may be used simultaneously.
In particular, when a boron compound is used as a co-catalyst, addition of an alkylaluminum compound such as triisobutylaluminum is effective for removing impurities that adversely affect the polymerization such as water contained in the polymerization system.
[0052]
Examples of the aromatic vinyl compound used in the present invention include styrene and various substituted styrenes such as p-methylstyrene, m-methylstyrene, o-methylstyrene, ot-butylstyrene, mt-butylstyrene, p. Examples include -t-butylstyrene, p-chlorostyrene, o-chlorostyrene, α-methylstyrene, and the like, and compounds having a plurality of vinyl groups in one molecule such as divinylbenzene.
Industrially, styrene, p-methylstyrene, p-chlorostyrene, particularly preferably styrene is used.
[0053]
The olefin used in the present invention is an α-olefin having 2 to 20 carbon atoms, that is, ethylene, propylene, 1-butene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1-octene or a cyclic olefin, Norbornene and norbornadiene are suitable. Two or more of these olefins may be used. As the olefin, ethylene and propylene are preferable.
[0054]
In producing the copolymer of the present invention, the olefin, the aromatic vinyl compound exemplified above, the transition metal compound which is a metal complex, and the cocatalyst are brought into contact with each other. Can be used. As a polymerization method, a method of polymerizing in a liquid monomer without using a solvent, or saturated aliphatic such as pentane, hexane, heptane, cyclohexane, benzene, toluene, xylene, chloro-substituted benzene, chloro-substituted toluene, methylene chloride, chloroform or the like There is a method using an aromatic hydrocarbon or halogenated hydrocarbon alone or in a mixed solvent. In addition, methods such as batch polymerization, continuous polymerization, batch polymerization, slurry polymerization, prepolymerization or gas phase polymerization can be used as necessary.
[0055]
The polymerization temperature is suitably from −78 ° C. to 200 ° C., preferably from −50 ° C. to 160 ° C. A polymerization temperature lower than −78 ° C. is industrially disadvantageous, and if it exceeds 200 ° C., decomposition of the metal complex occurs, which is not suitable. Furthermore, it is particularly preferably 0 ° C to 160 ° C industrially.
[0056]
When an organoaluminum compound is used as a co-catalyst, the aluminum atom / complex metal atom ratio is 0.1 to 100,000, preferably 10 to 10,000, based on the metal of the complex. If it is less than 0.1, the metal complex cannot be activated effectively, and if it exceeds 100,000, it is economically disadvantageous.
When a boron compound is used as a cocatalyst, it is used at a boron atom / complex metal atom ratio of 0.01 to 100, preferably 0.1 to 10, particularly preferably 1.
If it is less than 0.01, the metal complex cannot be activated effectively, and if it exceeds 100, it is economically disadvantageous.
The metal complex and the cocatalyst may be mixed and prepared outside the polymerization tank, or may be mixed in the tank at the time of polymerization.
[0057]
The weight average molecular weight of the (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer used in the present invention is 1,000 or more, preferably 10,000 or more, particularly preferably 30,000 or more, considering the physical properties of the copolymer. It is.
Here, the weight average molecular weight refers to a polystyrene-equivalent molecular weight determined by GPC using standard polystyrene.
The (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer used in the present invention does not necessarily need to be a pure copolymer. If the structure and stereoregularity are within the above ranges, other structures can be used. Even if it is contained, other monomers may be copolymerized. As other monomers to be copolymerized, from 3 carbon atoms of propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-nonene, 3-methylpentene-1, etc. and combinations thereof Examples include up to 20 α-olefins, conjugated dienes such as butadiene, and nonconjugated diene compounds such as ethylidene norbornene, dicyclopentadiene, and 1,4-hexadiene. Two or more of the above aromatic vinyl compounds may be copolymerized.
Depending on the polymerization conditions and the like, an aromatic homopolymer may contain a small amount of an atactic homopolymer obtained by heat, radical, or cationic polymerization, but the amount is 10% by weight or less. Such a homopolymer can be removed by solvent extraction, but can be used as it is if there is no particular problem in physical properties.
[0058]
Examples of the crystalline olefin resin (A) used in the present invention include a homopolymer of an α-olefin having 2 to 20 carbon atoms, or a copolymer thereof.
Specific examples of these (A) crystalline olefin resins include (1) ethylene homopolymers such as low pressure method and high pressure method, (2) ethylene and other α-olefins of 30 mol% or less, vinyl acetate and Copolymer with at least one vinyl monomer such as ethyl acrylate, (3) propylene homopolymer, (4) random copolymer of propylene and other α-olefins of 10 mol% or less, (5) Block copolymer of propylene and other α-olefin of 30 mol% or less, (6) 1-butene homopolymer, (7) Random copolymer of 1-butene and other α-olefin of 10 mol% or less Polymer, (8) 4-methylpentene-1 homopolymer, and (9) random copolymers of 4-methylpentene-1 and other α-olefins of 20 mol% or less.
Among the above-mentioned (A) crystalline olefin resins, an ethylene homopolymer, a propylene homopolymer, or a propylene-α-olefin copolymer having a propylene content of 50 mol% or more is particularly preferable.
The (A) crystalline olefin resin as described above can be used alone or in combination.
[0059]
Furthermore, for the purpose of improving the physical properties of the aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition of the present invention, blending with other polymers is also possible. Examples thereof include blends with polystyrene, poly (styrene-acrylonitrile), PMMA, ABS, SBS, SIS, SEBS, SEPS and the like.
Also, blends of aromatic vinyl compound-olefin random copolymers of the present invention having different aromatic vinyl compound contents can be used. These may be reacted with the main component in addition to the dynamic vulcanization reaction, or may be used as a simple blending material after the reaction is completed.
[0060]
The aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition of the present invention comprises a blend of (A) a crystalline olefin resin and (B) an aromatic vinyl compound-olefin random copolymer, an organic peroxide or phenol. It can be obtained by so-called dynamic vulcanization (dynamic heat treatment) in the presence of a resin crosslinking agent.
Dynamic vulcanization is a technique in which dispersion and crosslinking are simultaneously caused by strongly kneading various compounds in a molten state under conditions where the crosslinking agent reacts. Y. It is described in detail in Coran et al. (Rub. Chem. And Technol. Vol. 53, 141 (1980)) and is widely known.
The dynamic vulcanization is performed using a Banbury mixer, a closed kneader such as a pressure kneader, a single or twin screw extruder, and the like. The kneading temperature is usually 130 to 300 ° C, preferably 150 to 250 ° C. The kneading time is usually 1 to 30 minutes.
Specific examples of organic peroxides used for dynamic vulcanization include dicumyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di (tert-butylperoxy) -hexane, and 2,5-dimethyl- Examples include 2,5-di (tert-butylperoxy) -hexyne-3, di-tert-butyl peroxide and the like.
In the present invention, the organic peroxide is preferably 0.1 to 5 parts by weight, more preferably 0.5 to 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer. Used. Further, in the case of dynamic vulcanization with an organic peroxide, a peroxide crosslinking aid such as a maleimide compound, a polyfunctional vinyl monomer such as divinylbenzene or trimethylolpropane trimethacrylate can be blended.
[0061]
The thermoplastic elastomer of the present invention includes a mineral oil softener, a heat stabilizer, an antistatic agent, a weather stabilizer, an antiaging agent, a filler, and a coloring agent as necessary within the range not impairing the object of the present invention. Additives such as agents and lubricants can be blended.
Specific examples of softeners that can be blended as needed to adjust the hardness and fluidity of products include paraffinic, naphthenic, aroma-based process oils, liquid paraffin, castor oil, and flaxseed oil. Is used.
These softening agents may be added at the time of kneading, or may be included in advance during the production of (B) the aromatic vinyl compound-olefin random copolymer (so-called oil-extended rubber).
In the present invention, the softening agent is usually added in an amount of 0 to 150 parts by weight per 100 parts by weight of the (B) aromatic vinyl compound-olefin random copolymer.
Specific examples of the inorganic filler that can be added in the present invention include calcium carbonate, talc, clay, calcium silicate, magnesium carbonate, and magnesium hydroxide.
[0062]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, these Examples do not limit this invention. In the following description, Ind represents an indenyl group, BInd represents a benzoindenyl group, and Me represents a methyl group.
The polymer obtained in each experimental example was analyzed by the following means.
For 13C-NMR measurement, JNMGX-270 or α-500 manufactured by JEOL Ltd. was used as the apparatus, deuterated chloroform or deuterated 1,1,2,2-tetrachloroethane was used, and TMS was used as a reference.
Determination of the styrene content in the polymer is carried out by 1H-NMR, JNMGX-270 or α-500 manufactured by JEOL Ltd. is used as the apparatus, deuterated chloroform or 1,1,2,2-tetrachloroethane is used as the solvent, and TMS is used. As a standard, the intensity of the peak derived from the phenyl group proton and the proton peak derived from the alkyl group were compared.
The molecular weight was determined by standard polystyrene conversion using GPC (gel permeation chromatography). The solvent used was THF or 1,2,4-trichlorobenzene, and the column used was Tosoh HLC-8020 or Senshu Kagaku GPC-7100.
[0063]
Experimental example
<Synthesis A of Transition Metal Compound A>
Rac-dimethylmethylenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride of the following formula (also known as rac-isopropylidenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, or rac {Bind-C (Me) 2 -BInd} ZrCl 2 Was synthesized by the following synthesis method.
4,5-Benzoindene is Organometallics, 13 , 964 (1994).
[0064]
A-1 Synthesis of 1,1-isopropylidene-4,5-benzoindene
The synthesis of 1,1-isopropylidene-4,5-benzoindene is described in Can. J. et al. Chem. , 62 , 1751 (1984), and was performed with reference to the synthesis of 6,6-diphenylfulvene. However, acetone was used instead of benzophenone and 4,5-benzoindene was used instead of cyclopentadiene as starting materials.
[0065]
A-2 Synthesis of isopropylidenebis 4,5-benzo-1-indene
Under an Ar atmosphere, 21 mmol of 4,5-benzoindene was dissolved in 70 ml of THF, an equivalent amount of BuLi was added at 0 ° C., and the mixture was stirred for 3 hours. THF in which 21 mmol of 1,1-isopropylidene-4,5-benzoindene was dissolved was added, and the mixture was stirred overnight at room temperature. Water (100 ml) and diethyl ether (150 ml) were added and shaken. The organic layer was separated, washed with saturated brine, dried over sodium sulfate, and the solvent was evaporated under reduced pressure. The obtained yellow solid was washed with hexane and dried to obtain 3.6 g (yield 46%) of isopropylidenebis 4,5-benzo-1-indene.
According to 1H-NMR spectrum measurement, there are peaks at positions of 7.2 to 8.0 ppm (m, 12H), 6.65 ppm (2H), 3.75 ppm (4H), and 1.84 ppm (6H).
Measurement is based on TMS, CDCl Three As a solvent.
[0066]
A-3 Synthesis of rac-dimethylmethylenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride
Under Ar atmosphere, 7.6 mmol of isopropylidenebis 4,5-benzo-1-indene and 7.2 mmol of zirconium tetrakisdimethylamide, also known as {Zr (NMe 2 ) Four } Together with 50 ml of toluene, and stirred at 130 ° C. for 10 hours. Toluene was distilled off under reduced pressure, 100 ml of methylene chloride was added, and the mixture was cooled to -78 ° C. Dimethylamine hydrochloride (14.4 mmol) was slowly added, the temperature was slowly raised to room temperature, and the mixture was stirred for 2 hours. After distilling off the solvent, the obtained solid was washed with pentane, followed by a small amount of THF, and amber-colored rac-dimethylmethylenebis (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium represented by the following formula: 0.84 g (yield 21%) of dichloride was obtained.
[0067]
Embedded image
Figure 0003945900
[0068]
By 1H-NMR spectrum measurement, 8.01 ppm (m, 2H), 7.75 ppm (m, 2H), 7.69 ppm (d, 2H), 7.48 to 7.58 ppm (m, 4H), 7.38 ppm It has a peak at a position of (d, 2H), 7.19 ppm (d, 2H), 6.26 ppm (d, 2H), 2.42 ppm (s, 6H).
Measurement is based on TMS, CDCl Three As a solvent.
Elemental analysis was performed using an elemental analyzer 1108 (manufactured by Phisons, Italy), and results of C63.86% and H3.98% were obtained. Theoretical values are C65.39% and H4.16%.
[0069]
<Synthesis B of Transition Metal Compound>
rac-dimethylmethylene (1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, (aka rac-isopropylidene (1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride, or rac {Ind-C (Me) 2 -BInd} ZrCl 2 Was synthesized by the following synthesis method.
[0070]
B-1 Synthesis of isopropylidene (1-indene) (4,5-benzo-1-indene)
Under an Ar atmosphere, 14 mmol of indene was dissolved in 50 ml of THF, and an equivalent amount of BuLi was added at 0 ° C. and stirred for 10 hours. 10 ml of THF in which 13 mmol of 1,1-isopropylidene-4,5-benzoindene was dissolved was added and stirred overnight at room temperature. 50 ml of water and 100 ml of diethyl ether were added and shaken. The organic layer was separated and washed with saturated brine, dried over sodium sulfate, and the solvent was evaporated under reduced pressure. The column was further purified to obtain 2.5 g (yield 59%) of isopropylidene (1-indene) (4,5-benzo-1-indene).
[0071]
B-2 Synthesis of rac-dimethylmethylene (1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride
In an Ar atmosphere, 6.5 mmol of isopropylidene (1-indene) (4,5-benzo-1-indene) and 6.5 mmol of zirconium tetrakisdimethylamide, also known as {Zr (NMe 2 ) Four } Together with 40 ml of toluene, and stirred at 130 ° C. for 10 hours. Toluene was distilled off under reduced pressure, 100 ml of methylene chloride was added, and the mixture was cooled to -78 ° C. 13 mmol of dimethylamine hydrochloride was slowly added, the temperature was slowly raised to room temperature, and the mixture was stirred for 2 hours. After distilling off the solvent, the resulting solid is washed with pentane followed by a small amount of methylene chloride to give amber rac-dimethylmethylene (1-indenyl) (4,5-benzo-1-indenyl) zirconium dichloride to 0. Obtained .76 g (yield 24%).
According to 1H-NMR spectrum measurement, 7.05 to 8.04 ppm (m, 10H, except for 7.17 ppm peak), 7.17 ppm (d, H), 6.73 ppm (d, H), 6.25 ppm It has a peak at a position of (d, H), 6.18 ppm (d, H), 2.41 ppm (m, 3H), 2.37 ppm (m, 3H).
Measurement is based on TMS, CDCl Three As a solvent.
[0072]
Experimental Example 1 Synthesis of copolymer P-1
Polymerization was carried out using an autoclave with a capacity of 10 L, a stirrer and a heating / cooling jacket.
4000 ml of dehydrated toluene and 800 ml of dehydrated styrene were charged and stirred at an internal temperature of 50 ° C. About 100 L of nitrogen was bubbled to purge the system, and 8.4 mmol of triisobutylaluminum and 8.4 mmol of methylalumoxane (manufactured by Tosoh Akzo, PMAO) were added based on Al. Immediately introduce ethylene and pressure 10Kg / cm 2 After being stabilized with G, the catalyst rac {Bind-C (Me) is removed from the catalyst tank installed on the autoclave. 2 -BInd} ZrCl 2 About 50 ml of toluene solution in which 0.84 μmol and 0.84 mmol of triisobutylaluminum were dissolved was added to the autoclave. Internal temperature is 50 ° C, ethylene pressure is 1Kg / cm 2 Polymerization was carried out for 5 hours while maintaining G (ethylene pressure 2 atm). During the polymerization, the temperature of the reaction solution and the consumption rate of ethylene were monitored by a flow accumulator, and the polymerization was carried out until the polymerization reaction was substantially completed. After the completion of the polymerization, the resulting polymer solution was added little by little into an excessively stirred methanol to precipitate the produced polymer. When dried under reduced pressure at 60 ° C. until no weight change was observed, 464 g of a copolymer having a styrene content of 11.5 mol% was obtained.
[0073]
Experimental Example 2 Synthesis of copolymer P-2
Polymerization and post-treatment in the same manner as in Experimental Example 1 except that the amount of catalyst was 2.1 μmol, the methylalumoxane used was changed to MMAO-3A manufactured by Tosoh Akzo, 84 mmol based on Al, and the polymerization time was changed to 4 hours. Carried out. As a result, 874 g of a copolymer having a styrene content of 15.5 mol% was obtained.
[0074]
Experimental Example 3 Synthesis of copolymer P-3
Except for changing the amount of catalyst to 8.4 μmol, changing the methylalumoxane used to MMAO-3A manufactured by Tosoh Akzo Corporation to 84 mmol on an Al basis, changing styrene to 2400 ml, toluene to 2400 ml, and polymerization time to 1.5 hours. In the same manner as in Experimental Example 1, polymerization and post-treatment were performed. As a result, 1320 g of a copolymer having a styrene content of 37.1 mol% was obtained.
[0075]
Experimental Example 4 Synthesis of copolymer P-4
The catalyst used is rac {Ind-C (Me) 2 -BInd} ZrCl 2 Experimental Example 1 except that methylalumoxane used was changed to MMAO-3A manufactured by Tosoh Akzo Co., Ltd., 8.4 μmol, MMAO-3A based on Al, 84 mmol based on Al, styrene 2400 ml, toluene 2400 ml, and polymerization time 5 hours. Polymerization and post-treatment were carried out in the same manner as described above. As a result, 870 g of a copolymer having a styrene content of 31.8 mol% was obtained.
[0076]
Table 1 shows the styrene content obtained from 1H-NMR measurement of the copolymer obtained in each experimental example, the molecular weight obtained from GPC measurement, the molecular weight distribution, and the tacticity of styrene-ethylene alternating structure obtained from 13C-NMR measurement. The city m value, λ value, θ value, and melting point obtained by DSC measurement are shown.
[0077]
[Table 1]
Figure 0003945900
[0078]
Example 1
As a crystalline olefin resin, 30 parts by weight of NIPPON POLYPRO K-7730 (ethylene block copolymer type, melt flow rate = 25 gr / 10 min (230 ° C., 2.16 kg)) and the styrene-ethylene random copolymer obtained in Experimental Example 1 were used. 70 parts by weight of polymer P-1 (styrene 11.5 mol%), Percumyl D-40 (manufactured by NOF Corporation, 40% pure), and 1 part by weight of divinylbenzene were charged into a 3 liter Banbury mixer with water cooling at 100 rpm. Kneaded. After the internal temperature rose to 185 ° C., the mixture was further kneaded for 3 minutes and stopped to prepare a thermoplastic elastomer composition. Sheeting was performed with a roll, a press sheet was prepared, and physical properties were measured. The results are shown in Table 2.
[0079]
Example 2
A thermoplastic elastomer composition was prepared in the same manner as in Example 1 except that P-2 (styrene 15.5 mol%) was used instead of the styrene-ethylene random copolymer P-1 in Example 1, and the physical properties were changed. Measurements were made. The results are shown in Table 2.
[0080]
Examples 3 and 4
Example 3 was the same as Example 1 except that P-3 and P-4 (styrene 37.1 mol% and 31.8 mol%, respectively) were used instead of the styrene-ethylene random copolymer P-1. Then, a thermoplastic elastomer composition was prepared and measured for physical properties. The results are shown in Table 2.
[0081]
Example 5
50 PHR of process oil PW-380 manufactured by Idemitsu Kosan Co., Ltd. was added as a softening agent in the formulation of Example 3 to see the effect of the process oil.
[0082]
Example 6
In the formulation of Example 3, the ratio of the crystalline olefin resin and the styrene-ethylene random copolymer was 20:80.
[0083]
Comparative Example 1
In the formulation of Example 3, instead of styrene-ethylene random copolymer, normal EPDM EP-22 (manufactured by JSR, Mooney value (100 ° C.) = 42, propylene content = 43%) was used. The same operation as in No. 1 was performed to produce a normal olefinic thermoplastic elastomer.
[0084]
Comparative Example 2
In the formulation of Example 6, EP-22, which is ordinary EPDM, was used in place of the styrene-ethylene random copolymer.
[0085]
[Table 2]
Figure 0003945900
[0086]
<Method for measuring physical properties>
(1). Hardness: A hardness was measured according to JIS K-6301.
(2). Tensile strength, elongation: measured in accordance with JIS K-6723.
(3). Scratch resistance: ◯ indicates that the surface is not easily scratched with a felt cloth, and X indicates that the surface is easily scratched. (Visual judgment)
[0087]
【The invention's effect】
As described above, the aromatic vinyl / olefin-based thermoplastic elastomer composition comprising the crystalline olefin resin of the present invention and an aromatic vinyl compound-olefin random copolymer and obtained by a dynamic vulcanization method has tensile properties. It is excellent in surface scratch resistance and is useful in a wide range of fields such as automobile parts, industrial machine parts, and building materials.

Claims (4)

(A)結晶性オレフィン樹脂10〜85重量%と、下記の(B)芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体15〜90重量%とからなり、動的加硫法によって得られる芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(B)芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体は、芳香族ビニル化合物含量が11.5モル%以上、37.1モル%以下であり、2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構造を有する芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体であり、共重合体構造中に含まれる下記の一般式(1)で示される芳香族ビニル化合物とエチレンの交互構造のフェニル基の立体規則性に関してアイソタクティクダイアッド分率mで0.75より大きく、かつ下記の式(i)で与えられる交互構造指数λが70より小さく、1より大きい
λ=A3/A2×100 式(i)
ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記の一般式(1’)で示される芳香族ビニル化合物−エチレン交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした13C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和である。
Figure 0003945900

(式中、Phは芳香族基、xは繰り返し単位数を示し2以上の整数を表す。)

Figure 0003945900

(式中、Phは芳香族基、xは繰り返し単位数を示し2以上の整数を表す。)
(A) Aromatic vinyl compound comprising 10 to 85% by weight of crystalline olefin resin and 15 to 90% by weight of the following (B) aromatic vinyl compound- ethylene random copolymer and obtained by a dynamic vulcanization method -Olefin-based thermoplastic elastomer composition.
(B) The aromatic vinyl compound- ethylene random copolymer has an aromatic vinyl compound content of 11.5 mol% or more and 37.1 mol% or less , and a head-tail of two or more aromatic vinyl compound units. An aromatic vinyl compound- ethylene random copolymer having a chain structure of ## STR3 ## and a stereo group of phenyl groups having an alternating structure of an aromatic vinyl compound and ethylene represented by the following general formula (1) contained in the copolymer structure: Regarding the regularity, the isotactic dyad fraction m is larger than 0.75, and the alternating structure index λ given by the following formula (i) is smaller than 70 and larger than 1 .
λ = A3 / A2 × 100 Formula (i)
Here, A3 is the sum of the areas of three types of peaks a, b, and c derived from an alternating structure of an aromatic vinyl compound and ethylene represented by the following general formula (1 ′), which is obtained by 13C-NMR measurement. . A2 is the sum of the areas of peaks derived from main chain methylene and main chain methine carbons observed in the range of 0 to 50 ppm by 13C-NMR based on TMS.
Figure 0003945900

(In the formula, Ph represents an aromatic group, x represents the number of repeating units, and represents an integer of 2 or more.)

Figure 0003945900

(In the formula, Ph represents an aromatic group, x represents the number of repeating units, and represents an integer of 2 or more.)
(B)芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体が、TMSを基準とした13C−NMR測定によって40〜41ppm及び/または42〜44ppmに現れるピークにより帰属される芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造を有することを特徴とする請求項記載の芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。(B) The aromatic vinyl compound-ethylene random copolymer has a chain structure of aromatic vinyl compound units attributed to peaks appearing at 40 to 41 ppm and / or 42 to 44 ppm by 13C-NMR measurement based on TMS. The aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition according to claim 1, comprising: (B)芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体の芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造の立体規則性がアイソタクティクであることを特徴とする請求項記載の芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。(B) an aromatic vinyl compound - ethylene random copolymer of the aromatic vinyl compound-olefin-based thermal according to claim 1, wherein the stereoregularity of the chain structure of aromatic vinyl compound units is isotactic Plastic elastomer composition. (B)芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体が、下記の一般式(2)で表される重合用遷移金属化合物と助触媒から構成される触媒により製造される共重合体であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ビニル化合物・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
Figure 0003945900
式中、Aは非置換または置換インデニル基あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基である。Bは非置換または置換シクロペンタジエニル基、非置換または置換インデニル基、非置換または置換ベンゾインデニル基、あるいは非置換または置換フルオレニル基である。A、B共に非置換または置換インデニル基あるいは非置換または置換ベンゾインデニル基である場合には両者は同一でも異なっていてもよい。Yは、A、Bと結合を有し、置換基として水素または炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基である。これらの置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yは環状構造を有していてもよい。Xは、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、シリル基、アルコキシ基またはジアルキルアミド基である。Mは、Zr、HfまたはTiである。
(B) The aromatic vinyl compound- ethylene random copolymer is a copolymer produced by a catalyst composed of a transition metal compound for polymerization represented by the following general formula (2) and a promoter. The aromatic vinyl compound / olefin-based thermoplastic elastomer composition according to claim 1.
Figure 0003945900
In the formula, A is an unsubstituted or substituted indenyl group or an unsubstituted or substituted benzoindenyl group. B is an unsubstituted or substituted cyclopentadienyl group, an unsubstituted or substituted indenyl group, an unsubstituted or substituted benzoindenyl group, or an unsubstituted or substituted fluorenyl group. When both A and B are unsubstituted or substituted indenyl groups or unsubstituted or substituted benzoindenyl groups, they may be the same or different. Y is a methylene group having a bond with A and B and having hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms as a substituent. These substituents may be different from each other or the same. Y may have a cyclic structure. X is hydrogen, halogen, an alkyl group, an aryl group, a silyl group, an alkoxy group or a dialkylamide group. M is Zr, Hf or Ti .
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