JP4705699B2 - Propylene resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なプロピレン系樹脂組成物に関する。詳しくは、本発明は剛性、耐衝撃性及び耐熱性のバランスに優れた、射出成形、押出成形、又は中空成形用材料として有用なプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは、成形用材料として従来から射出成形品、押出成形品、中空成形品等に広く用いられている。近年、省資源・省エネルギーの観点から、射出成形品等の成形品の薄肉化や軽量化が求められており、ポリプロピレン成形材料についてもその剛性と耐衝撃性のバランスを向上させることにより、成形品の薄肉化や軽量化を可能にするため、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、プロピレンとエチレンまたは他のオレフィンとを段階的に重合させて製造したブロック共重合体を用いて薄肉化や軽量化を図ることは、公知である。更に、最近では低温耐衝撃性等の物性を改良したポリプロピレンとして、メタロセン化合物と助触媒からなる触媒系の存在下に重合されたプロピレンブロック共重合体が提案されている(特開平4−337308号公報、特開平5−202152号公報、特開平6−206921号公報、特表平8−510491号公報、WO95/27740号公報、WO95/27741号公報等)。また、本出額人も、特定の担体や特定の重合方法を用いた上記触媒系での改良方法を提案した(特開平6−172414号公報、特開平6−287257号公報、特開平8−27237号公報)。
【0004】
しかしながら、これらの方法で得られたポリプロピレンでは、剛性と耐衝撃強度(特に低温耐衝撃強度)と耐熱性のバランスが必ずしも十分でなく、なお一層の向上が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、剛性、耐衝撃性及び耐熱性のバランスに優れた成形品を容易に製造可能なプロピレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、メタロセン触媒で製造されたプロピレン系ブロック共重合体について鋭意検討を行った結果、プロピレン重合体成分(PP)と特定の構造を有するエチレン−プロピレン共重合体成分(EP)を特定の割合で含有するプロピレン系ブロック重合体を用い、かつこれをガラス繊維及び不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンと組み合わせることによって、剛性と耐衝撃性と耐熱性とのバランスに優れた成形品が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、(a)メタロセン触媒を用いて、プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程及び重合の定常状態において供給する原料組成を、生成してくるプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)の組成と等しくなるようにする、プロピレン−エチレン共重合体成分(EP)を製造する後段工程によって得られ、下記の要件(1)〜(6)を満たすプロピレン系ブロック共重合体、(b)ガラス繊維、及び(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンを含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。
(1)メルトフローレート(MFR)が、0.1〜150g/10分である。
(2)100℃のオルトジクロルベンゼンに不溶、かつ140℃のオルトジクロルベンゼンに可溶な成分のプロピレン含有量が、99.5重量%以上である。
(3)プロピレン系ブロック共重合体中のプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)の含有量が、5〜50重量%である。
(4)EPのエチレン含有量(G)が、10〜90重量%である。
(5)EPのエチレン含有量(G)と、EPのうちW40×A40/B40で表示される成分(ここで、W40は40℃のオルトジクロルベンゼンに可溶な部分(重量%)、A40はW40部分の平均エチレン含有量(重量%)、B40はW40部分のEPのエチレン含有量(重量%)である)のエチレン含有量(E)との間に、関係式(I)が成り立つ。
G≧E≧−4.5×10-3×G2 + 1.3×G − 7.0 (I)
(6)当該ブロック共重合体の融点が157℃以上である。
【0008】
具体的には、本発明は、(a)メタロセン触媒を用いて、プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程及びプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)を製造する後段工程によって得られ、上記の要件(1)〜(6)を満たすプロピレン系ブロック共重合体38〜98重量%、(b)ガラス繊維1〜60重量%、及び(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン0.1〜10重量%を含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物(以下、「組成物I」とする。)を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、(a)メタロセン触媒を用いて、プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程及びプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)を製造する後段工程によって得られ、上記の要件(1)〜(6)を満たすプロピレン系ブロック共重合体38〜97重量%、(b)ガラス繊維1〜60重量%、(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン0.1〜10重量%、及び(d)チーグラー系触媒を用いて製造されたポリプロピレン樹脂1〜60重量%を含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物(以下、「組成物II」とする。)を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、(a)メタロセン触媒を用いて、プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程及びプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)を製造する後段工程によって得られ、上記の要件(1)〜(6)を満たすプロピレン系ブロック共重合体38〜97重量%、(b)ガラス繊維1〜60重量%、(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン0.1〜10重量%、及び(d)エラストマー1〜60重量%を含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物(以下、「組成物III」とする。)を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、射出成形品、射出圧縮成形品、中空成形品、及び押出成形品からなる群から選ばれる成形品であって、上記の発明に記載の組成物(具体的に好ましくは、上記「組成物I」、「組成物II」又は「組成物III」)により構成されていることを特徴とするプロピレン系樹脂成形品を提供するものである。
【0012】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、特定のプロピレン系ブロック共重合体に、ガラス繊維及び不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン、更に必要に応じて、チーグラー系触媒を用いて得られるポリプロピレン樹脂及び/又はエラストマーを配合したものであり、前記プロピレン系ブロック重合体として、メタロセン触媒を用いて製造された特定の構造を有するブロック重合体を用いることによって、剛性と耐衝撃性と耐熱性とのバランスに優れた成形材料を得ることができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系ブロック共重合体と該プロピレン系ブロック共重合体への配合成分とからなる。
【0014】
(i)プロピレン系ブロック共重合体の説明
本発明の(a)プロピレン系ブロック共重合体は、メタロセン触媒を用いて、プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程及びプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)を製造する後段工程によって得られ、下記の要件(1)〜(6)を満たすものである。
(1)メルトフローレート(MFR)が、0.1〜150g/10分である。
(2)100℃のオルトジクロルベンゼンに不溶、かつ140℃のオルトジクロルベンゼンに可溶な成分のプロピレン含有量が、99.5重量%以上である。
(3)プロピレン系ブロック共重合体中のプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)の含有量が、5〜50重量%である。
(4)EPのエチレン含有量(G)が、10〜90重量%である。
(5)EPのエチレン含有量(G)と、EPのうち結晶性を持たない成分のエチレン含有量(E)との間に、関係式(I)が成り立つ。
G≧E≧−4.5×10-3×G2 + 1.3×G − 7.0 (I)
(6)当該ブロック共重合体の融点が157℃以上である。
【0015】
(ii)要件(1)〜(6)の説明
要件(1)メルトフローレート(MFR)
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、MFRが0.1〜150g/10分の範囲にあることが必要である。MFRは、一般的には分子量が高いほど低い値となるため、MFRは、分子量の大小を表すおおよその目安となる。MFRが、0.1g/10分未満では樹脂成形加工時に流動性が低下し過ぎて成形効率が低下する。また、分子鎖の絡み合いが強すぎて、球晶成長速度が低下し、結果的に結晶化度が低下して剛性も低下するという不都合が生じる。逆に、MFRが150g/10分を超えると分子量が小さくなりすぎて、衝撃強度が低下するという不都合が生じる。
本発明において好ましいMFRの範囲は、成形性および材料物性の両面から、好ましくは4〜100g/10分、特に好ましくは、5〜50g/10分の範囲である。
MFRの調整は、一般的には連鎖移動剤である水素ガスを使用するが、その他にも、重合温度、重合圧力、モノマー/コモノマーの原料組成比、およびこれらの組合せによっても制御することが可能である。これらの条件は、使用する触媒の種類によっても、制御範囲が変わることがある。
【0016】
要件(2)オルトジクロルベンゼン(ODCB)不溶成分
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、100℃のODCBに不溶、かつ140℃のODCBには可溶な成分のプロピレン含有量が99.5重量%以上であることが必要である。このような成分は、前段工程においてプロピレンの単独重合(ホモ重合)あるいは原料ガス組成において0.5重量%以下のα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。
当該不溶成分とは、公知の昇温カラム分別法を用いて得られる、100℃のODCBには不溶で140℃のODCBには溶解する成分をいう。昇温カラム分別法とは、例えば、Macromolecules、21、314〜319(1988)に開示されたような測定方法をいう。
【0017】
本発明で定義する100℃のODCB不溶成分の測定は次のようにしておこなう。すなわち、直径50mm、高さ500mmの円筒状カラムにガラスビーズ担体(80〜100メッシュ)を充填し、140℃に保持する。次に、140℃で溶解したサンプルのODCB溶液(10mg/mL)200mLを前記カラムに導入する。その後、該カラムの温度を40℃まで10℃/時間の降温速度で冷却する。40℃で1時間保持後、10℃/時間の昇温速度でカラム温度を100℃まで加熱し、1時間保持する。なお、一連の操作を通じてのカラムの温度制御精度は±1℃とする。
【0018】
次いで、カラム温度を100℃に保持したまま、100℃のODCBを20mL/分の流速で800mL流すことにより、カラム内に存在する100℃でODCBに溶解している成分を溶出させ、回収する。
ついで10℃/分の昇温速度で当該カラム温度を140℃まで上げ、140℃で1時間静置後、140℃の溶媒(ODCB)を20mL/分の流速で800mL流すことにより、100℃のODCBには不溶、かつ140℃のODCBには可溶な成分を溶出させ、回収する。
100℃のODCBに不溶で、かつ140℃のODCBに可溶な成分を含むODCB溶液は、エバポレーターを用いて20mLまで濃縮された後、5倍量のメタノール中に析出される。析出ポリマーをろ過して回収後、真空乾燥器により一晩乾燥する。これを本発明における「100℃のODCB不溶成分」とする。
【0019】
ODCBは、ポリオレフィンの良溶媒であり、沸点が181℃と高いことから、低温〜高温という幅広い温度領域で溶媒分別に使用される。100℃のODCBに不溶であることは、ブロック共重合体を構成する成分の中でも結晶性の高いポリプロピレン成分であることを意味し、プロピレン系ブロック共重合体から結晶性に乏しい成分を除去して残った高結晶性成分のみを取り出すという意義を有する。
当該成分のプロピレン含有量が99.5重量%以上であることは、その成分がホモポリプロピレンであるか、またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体であったとしても0.5重量%以下の極めて少量のα−オレフィンしか含まないことを意味する。従って、100℃のODCB不溶成分は、結晶性が高く、プロピレン系ブロック共重合体の剛性を高める効果を有することを意味する。140℃ではポリマーは完全に溶解するため、140℃という値は100℃のODCBに不溶な成分を全量回収し、そのプロピレン含量の分析に供することができるという意義を有する。
本発明においては、前述のODCB不溶成分のプロピレン含有量が99.5重量%未満になると、剛性及び耐熱性が低下するため、好ましくない。高い剛性を保持する上では当該成分はホモポリプロピレンであることがより好ましい。
また、そのような成分は当該プロピレン系ブロック共重合体中に45重量%以上、特に55〜90重量%含有されることが好ましい。
【0020】
要件(3)プロピレン系ブロック共重合体中のEP含有量
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、その中に占めるプロピレン−エチレン共重合体成分の重量割合が、5〜50重量%であることが必要である。この範囲にするためには、前段工程で製造されるPPの重量と後段工程で製造されるEPの重量を所定の割合とすればよい。一般に、プロピレン系ブロック共重合体においては、プロピレン−エチレン共重合体はランダム共重合体であり、結晶性に乏しくゴムのような物性を示す物質が主成分であり、耐衝撃強度を発現する基本因子となる。本発明においては、プロピレン−エチレン共重合体のランダム共重合性が高いため、EP含有量が、5〜50重量%という広い範囲で優れた物性を示す。EP含有量が5重量%未満では、ゴムライクな部分が少なすぎて、衝撃強度が低下する不都合が生じ、逆に50重量%以上では、結晶性部分が少なすぎて、剛性が低下する問題が生じる。
本発明においては、好ましいEP含有量は、10〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%の範囲である。本発明主題のプロピレン系ブロック共重合体中のEP含有量の定義及び測定方法については、後に更に詳述する。
【0021】
要件(4)EPのエチレン含有量(G)
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、EP中のエチレン含有量(G)が10〜90重量%であることが必要である。好ましくは、20〜60重量%、更に好ましくは25〜50重量%である。Gの測定方法は後述する。
Gは、プロピレン−エチレン共重合体の結晶性、ゴム特性に影響を与える因子である。特に室温以下の低温、特に−10〜−30℃のような極低温での耐衝撃物性に大きな影響を与える。Gが、10重量%未満では、EPのガラス転移温度が上昇する結果、低温での衝撃強度が低下する不都合がある。また、EPの一部がマトリックスとなるPP中に可溶化する現象が生じ、剛性、耐熱性が低下する不都合が発生する。一方、Gが、90重量%を超えると、EPがPP中へ均一に分散せず、衝撃強度が低下する。EPのエチレン含有量(G)は、後段工程におけるプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造工程において、原料ガスの組成比を調節することによって本発明で規定する範囲において所望の値に制御することができる。
【0022】
要件(5)GとEの関係
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、EPのエチレン含有量(G)と、EPのうち結晶性を持たない成分のエチレン含有量(E)との間に、以下の関係式(I)が成り立つことが必要である。
G≧E≧−4.5×10-3×G2 + 1.3×G − 7.0 (I)
【0023】
EPは、プロピレン−エチレンランダム共重合体であり、結晶性を持たないゴム的な分子が主成分であるが、比較的長いエチレン連鎖及び/またはプロピレン連鎖に基づく結晶性を有する部分を含有する分子も存在する場合がある。プロピレン系ブロック共重合体の衝撃吸収特性はゴム部分のガラス転移温度に強く依存するが、E値はそのガラス転移温度の高さを示す指標となる。また、E値はPP相とEP相の間の親和性を示す指標ともなり、EPの分散粒径はE値の影響を強く受ける。
一方G値は結晶性を持つ分子、結晶性を持たない分子を合わせた全EPの平均エチレン含有量の指標である。G値とE値は一般的には正の相関を示し、G値が高ければ高いほどEも高くなる。
【0024】
即ち、全EPの平均エチレン含有量が高くなればなるほど、結晶性を持たないゴム成分のエチレン含有量も高くなる。また、G値は常にE値よりも大きい。その大小関係が逆転することはなく、理論上の限界がG=Eである。
プロピレン系ブロック共重合体はポリプロピレン連続相の中にEP成分が球状に分散した形態をとっており、球状のEP分散相の内部をよりミクロに観察すると全く結晶性を持たないゴム部分(ゴム成分)と結晶性を持つ成分に由来するラメラ部分が混在するのが一般的である。
【0025】
本発明者らはEPの諸物性について検討を重ねた結果、G値とE値の乖離を大きくしないこと、すなわち理論上のE値の上限値をプロットしたE=Gの直線にできるだけ近づけることが、本発明が課題とする物性の向上につながることを見出した。本発明で開示するプロピレン系ブロック共重合体は、EPのランダム性が極めて高いことにより、G値とE値の物性相関が、従来公知のブロック共重合体に比べて、理論上の上限線を示すE=Gにより近づいた物性を有するものである。
また、本発明において、10≦G≦90、好ましくは20≦G≦60、更に好ましくは25≦G≦50であるから、本発明主題のプロピレン系ブロック共重合体は、E−Gグラフ上における一定条件を満たす領域に属するものである。別の表現をすれば、G値とE値の差は、通常5重量%以内、好ましくは3重量%以内、特に2重量%以内である。特に、G値が20〜50重量%の範囲でG値とE値の差が0〜2重量%、更には0〜1重量%のものがよい。
【0026】
G値とE値が関係式(I)を満足しない場合には、EP中の非晶成分と結晶性成分の間の親和性の強さが臨界点まで達しないために、耐衝撃性と剛性のバランスが満足できる程度には向上しないものと推測される。また、G値とE値の関係が上記関係式(I)を満足しない場合、結晶部分であるPPと、ゴム部分であるEPの親和性が高まる結果、PP相中に分散するEP粒子の粒径が小さくなり、光沢が上昇して良好な外観を得られなくなる。物性、特に剛性と耐衝撃性のバランスが悪化する原因としては、ゴム中に存在するラメラのサイズが大きくなったり凝集したりすることにより同一のEP含有量であっても衝撃吸収能が変化することによるものと考えられる。また、分散EP粒子のサイズも同時に変化し、その結果光沢値が上昇してしまうという不都合も発生する。逆に、G値とE値が近接するにつれゴム中に分散するラメラが小さくなり、かつその凝集度合いが低下するために低い光沢値のまま良好な剛性/耐衝撃性バランスを保持することが可能となるものと考えられる。
G値は、後段工程におけるエチレン/プロピレン原料組成比を変更することにより所望の値に収めることができる。また、E値は後述するように触媒と重合条件を適宜に選択することにより、本発明の要件(5)の関係式(I)を満足させることができる。
【0027】
<要件(3)〜(5)のパラメータの求め方>
本発明においては、当該プロピレン系ブロック共重合体中のEP含有量、EP中のエチレン含有量(G)及びEP中結晶性を持たない部分のエチレン含有量(E)を以下の方法により求める。
【0028】
1.使用する分析装置
▲1▼クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100(CFCと略す)
▲2▼フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析
FT−IR、パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは光路長1mm、光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
▲3▼ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
CFCの後段に、GPCカラム(昭和電工社製AD806MS)を3本直列に接続して使用する。
【0029】
2.CFCの測定条件
▲1▼溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
▲2▼サンプル濃度:4mg/mL
▲3▼注入量:0.4mL
▲4▼結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
▲5▼分別方法:
昇温溶出分別時の分別温度は40、100、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。なお、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位 重量%)を各々W40、W100、W140と定義する。W40+W100+W140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
▲6▼溶出時溶媒流速:1mL/分
【0030】
3.FT−IRの測定条件
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
CFC−FT−IRの概念図を図1に示した。
▲1▼検出器:MCT
▲2▼分解能:8cm-1
▲3▼測定間隔:0.2分(12秒)
▲4▼一測定当たりの積算回数:15回
【0031】
4.測定結果の後処理と解析
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm-1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には以下の数値を用いる。
▲1▼標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
▲2▼プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
各溶出成分のエチレン含有量分布(分子量軸に沿ったエチレン含有量の分布)は、GPC−IRによって得られる2956cm-1の吸光度と2927cm-1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレンや13C−NMR測定等によりエチレン含有量が既知となっているエチレン−プロピレン−ラバー(EPR)及びそれらの混合物を使用して予め作成しておいた検量線により、エチレン含有量(重量%)に換算して求める。
【0032】
<EP含有量>
本発明におけるプロピレン系ブロック共重合体のEP含有量は、下記式(II)で定義され、以下のような手順で求められる。
EP含有量(重量%) =
W40×A40/B40+W100×A100/B100+W140×A140/B140 (II) (W40、W100、W140は、上述した各フラクションでの溶出割合(単位 重量%)であり、A40、A100、A140は、W40、W100、W140に対応する各フラククションにおける実測定の平均エチレン含有量(単位 重量%)であり、B40、B100、B140は、各フラクションに含まれるEPのエチレン含有量(単位 重量%)である。A40、A100、A140、B40、B100、B140の求め方は後述する。(II)式の意味は以下の通りである。(II)式右辺の第一項はフラクション1(40℃に可溶な部分)に含まれるEPの量を算出する項である。フラクション1がEPのみを含み、PPを含まない場合には、W40がそのまま全体の中に占めるフラクション1由来のEP含有量に寄与するが、フラクション1にはEP由来の成分のほかに少量のPP由来の成分(極端に分子量の低い成分及びアタクチックポリプロピレン)も含まれるため、その部分を補正する必要がある。そこでW40にA40/B40を乗ずることにより、フラクション1のうち、EP成分由来の量を算出する。例えばフラクション1の平均エチレン含有量(A40)が30重量%であり、フラクション1に含まれるEPのエチレン含有量(B40)が40重量%である場合、フラクション1の30/40=3/4(即ち75重量%)はEP由来、残りの1/4はPP由来ということになる。このように右辺第一項でA40/B40を乗ずる操作はフラクション1の重量%(W40)からEPの寄与を算出することを意味する。右辺第二項以後も同様であり、各々のフラクションについて、EPの寄与を算出して加え合わせたものがEP含有量となる。
【0033】
(1)上述したように、CFC測定により得られるフラクション1〜3に対応する平均エチレン含有量をそれぞれA40、A100、A140とする(単位はいずれも重量%である)。平均エチレン含有量の求め方は後述する。
(2)フラクション1の微分分子量分布曲線(図2参照)におけるピーク位置に相当するエチレン含有量をB40とする(単位は重量%である)。フラクション2および3については、ゴム部分が40℃ですべて溶出してしまうと考えられ、同様の定義で規定することができないので、本発明ではB100=B140=100と定義する。B40、B100、B140は各フラクションに含まれるEPのエチレン含有量であるが、この値を分析的に求めることは実質的には不可能である。その理由はフラクションに混在するPPとEPを完全に分離・分取する手段がないからである。種々のモデル試料を使用して検討を行った結果、B40はフラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含有量を使用すると、材料物性の改良効果をうまく説明することができることがわかった。また、B100、B140はエチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、および、これらのフラクションに含まれるEPの量がフラクション1に含まれるEPの量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、ともに100と近似する方が、実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。そこでB100=B140=100として解析を行うこととしている。
【0034】
(3)以下の式に従い、EP含有量を求める。
EP含有量(重量%) =
W40×A40/B40+W100×A100/100+W140×A140/100 (II)
つまり、(II)式右辺の第一項であるW40×A40/B40は結晶性を持たないEP含有量(重量%)を示し、第二項と第三項の和であるW100×A100/100+W140×A140/100は結晶性を持つEP含有量(重量%)を示す。
ここで、B40およびCFC測定により得られる各フラクション1〜3の平均エチレン含有量A40、A100、A140は、次のようにして求める。
図2は、結晶分布の違いによって分別されたフラクション1をCFC分析装置の一部を構成するGPCカラムで分子量分布を測定した曲線、および、当該GPCカラムの後ろに接続されたFT−IRによって、分子量分布曲線に対応して測定されるエチレン含有量の分布曲線を示した例である。微分分子量分布曲線のピーク位置に対応するエチレン含有量がB40となる。
また、図2において、測定時にデータポイントとして取り込まれる、各データポイント毎の重量割合と各データポイント毎のエチレン含有量の積の総和が平均エチレン含有量A40となる。
【0035】
なお、上記3種類の分別温度を設定した意義は次の通りである。本発明のCFC分析においては、40℃とは結晶性を持たないポリマー(例えばEPの大部分、もしくはプロピレン重合体成分(PP)の中でも極端に分子量の低い成分およびアタクチックな成分)のみを分別するのに必要十分な温度条件である意義を有する。100℃とは、40℃では不溶であるが100℃では可溶となる成分(例えばEP中、エチレン及び/またはプロピレンの連鎖に起因して結晶性を有する成分、および結晶性の低いPP)のみを溶出させるのに必要十分な温度である。140℃とは、100℃では不溶であるが140℃では可溶となる成分(例えばPP中特に結晶性の高い成分、およびEP中の極端に分子量が高くかつエチレン結晶性を有する成分)のみを溶出させ、かつ分析に使用するプロピレン系ブロック共重合体の全量を回収するのに必要十分な温度である。なお、W140に含まれるEP成分は極めて少量であり実質的には無視できる。
【0036】
<GおよびE>
EP中のエチレン含有量(G)(重量%)=
(W40×A40+W100×A100+W140×A140)/[EP]
但し、[EP]は先に求めたEP含有量(重量%)である。
EPのうち、結晶性を持たない部分のエチレン含有量(E)(重量%)は、ゴム部分の溶出がほとんど40℃以下で完了することから、B40の値をもって近似する。
【0037】
要件(6)プロピレン系ブロック共重合体の融点
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、その融点が157℃以上であることが必要である。融点が157℃未満だと、耐熱性、剛性が不足する。かかる高融点のPPを得るには、メタロセン錯体、助触媒、重合条件等を適正に組み合わせて使用する。一般的には、重合圧力を上げ、及び/又は重合温度を下げることにより達成できる場合が多い。また本発明で開示している触媒成分(A)〜(C)を組み合わせて使用することによっても達成できる。
プロピレン系ブロック共重合体の場合、製品の融点は、プロピレン重合体成分(PP)に支配される。従って、ブロック共重合体の融点は、近似的にPPの融点であるということもでき、前段工程の重合反応が支配的である。
また、プロピレン系ブロック共重合体の耐熱性は、PPの融点に強く依存し、融点が高ければ高いほど向上する。しかし一方で、同一融点であっても80℃前後に生じる結晶緩和に基づく損失正接が大きいほど、耐熱性、耐高温クリープ特性が悪化する。変形に抗する応力の緩和が大きくなるからである。
従って、PPは、融点が上記条件を満たすことに加重して、80℃におけるtanδと、より低温である50℃におけるtanδの比が小さいことが好ましい。具体的には、良好な耐熱性を示す上では80℃におけるtanδが50℃におけるtanδの4/3倍以下であることが好ましい。
ここで、50℃、80℃におけるtanδとはレオメトリックス社製の動的粘弾性測定装置RDA−IIを使用し、幅12mm、厚み3mm、長さ30mmのジオメトリにおいて、温度を50℃、80℃でそれぞれ5分間安定させた後長さ方向を回転軸としたねじり振動歪みを与えて角周波数6.28rad/s、歪み0.1%で測定される、損失弾性率E''と貯蔵弾性率E'の比E''/E'のことである。
【0038】
(iii)プロピレン系ブロック共重合体の製造方法の説明
本発明によるプロピレン系ブロック共重合体を製造する方法は、上記の物性を満足するプロピレン系ブロック共重合体を与えるものであれば、特に限定はされないが、その中でも、本発明の共重合体を製造するのに好適な触媒系は、特定のメタロセン触媒であり、下記に示すような下記の成分(A)、(B)、(C)を接触して得られるオレフィン重合用触媒を用いることができる。
【0039】
<成分(A)>
遷移金属化合物成分(A)は、下記一般式(Ia)で表される。
【0040】
【化1】
【0041】
一般式(Ia)中、R1、R2、R4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜12のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基を示す。R3及びR6は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を示す。R7およびR8はそれぞれ独立して、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲンまたはハロゲン化炭化水素置換アリール基を示す。Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、Mは周期律表4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。m及びnはそれぞれ置換基R7、R8が副環に置換されている個数を意味し、それぞれ独立に0〜20の整数を示す。
本発明の遷移金属化合物は、ラセミ体であることが好ましい。
【0042】
上記R1、R2、R4、R5の炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基の他、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
上記R1、R2、R4、R5の炭素数1〜12のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシリルアルキル基などが挙げられる。
【0043】
上記の炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。その具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
【0044】
これらの中では、R1及びR4としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル等の炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、R2及びR5としては水素原子が好ましい。R3及びR6としては、隣接する共役五員環の共有部分とから形成される副環が、7〜10員環である場合が好ましく、特にペンタメチレン基、1,3−ペンタジエニレン基、1,4−ペンタジエニレン基が好ましい。
R7およびR8の炭素数6〜20のアリール基の好ましい具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、メシチル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ジi−プロピルフェニル基、トリi−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、ジn−ブチルフェニル基、トリn−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジt−ブチルフェニル基、トリt−ブチルフェニル基、ビフェニリル基、pーテルフェニル基、m−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基などが挙げられる。これらの中ではt−ブチルフェニル基、ビフェニリル基、pーテルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が特に好ましい。
【0045】
R7及びR8の炭素数6〜20のハロゲンまたはハロゲン化炭化水素置換アリール基としては、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素である場合が例示でき、具体例としては、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物が例示できる。フッ素を例に挙げて好ましい具体例を説明すると、フルオロフェニル基、(トリフルオロメチル)フェニル基、メチルフルオロフェニル基、フルオロジメチルフェニル基、(フルオロメチル)メチルフェニル基、エチルフルオロフェニル基、ジエチルフルオロフェニル基、トリエチルフルオロフェニル基、フルオロi−プロピルフェニル基、フルオロジi−プロピルフェニル基、(フルオロi−プロピル)i−プロピルフェニル基、フルオロトリi−プロピルフェニル基、n−ブチルフルオロフェニル基、ジn−ブチルフルオロフェニル基、(フルオロブチル)ブチルフェニル基、トリn−ブチルフルオロフェニル基、t−ブチルフルオロフェニル基、ジt−ブチルフルオロフェニル基、トリt−ブチルフルオロフェニル基、フルオロビフェニリル基、フルオロp−テルフェニル基、フルオロm−テルフェニル基、フルオロナフチル基、フルオロアントリル基、フルオロフェナントリル基などが挙げられる。ハロゲン化炭化水素基としてフッ素化物としてはフッ素化炭化水素置換アリール基、塩素化物としては塩素化炭化水素置換アリール基が好ましく、t−ブチルフルオロフェニル基、フルオロビフェニリル基、フルオロp−テルフェニル基、フルオロナフチル基、フルオロアントリル基、フルオロフェナントリル基、t−ブチルクロロフェニル基、クロロビフェニリル基、クロロp−テルフェニル基、クロロナフチル基、クロロアントリル基、クロロフェナントリル基が特に好ましい。
【0046】
m及びnは、好ましくは各々独立して1〜5の整数である。m及び/又はnが2以上の整数の場合は、複数の基R7(あるいはR8)は、互いに同一でも異なっていても構わない。また、m及び/又はnが2以上の場合、それぞれ、R7同士またはR8同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。R7及びR8のR3及びR6に対する結合位置は特に制限されないが、それぞれの5員環に隣接する炭素(α位の炭素)であることが好ましい。
【0047】
Qは、好ましくは、メチレン基、エチレン基、シリレン基、オリゴシリレン基、またはゲルミレン基である。Mは、好ましくはチタン、ジルコニウム、またはハフニウムであり、特に好ましくはハフニウムである。X及びYは、好ましくはハロゲンであり、より好ましくは塩素原子である。
成分(A)の中で好ましい錯体を具体的に例示すると
ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−t−ブチルフェニル−インデニル)ジルコニウムクロリド、ジメチルシリレンビス(7−(3−フェニルインデニル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-イソプロピル−4−ナフチル−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル-4-t−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−ビフェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−テトラヒドロナフチル−4H−テトラヒドロアズレニル))ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチル−フェニル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
等が挙げられる。
これらの中でも特に、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチル−フェニル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリドが好ましい。
【0048】
<成分(B)>
本発明において、成分(B)としては、次の(b−1)〜(b−4)からなる群から選ばれた成分を使用する。
(b−1)アルミニウムオキシ化合物が担持された微粒子状担体、
(b−2)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸が担持された微粒子状担体、
(b−3)固体酸微粒子、
(b−4)イオン交換性層状珪酸塩。
これらの中では、(b−4)イオン交換性層状珪酸塩を使用することが望ましい。
本発明において、原料として使用するイオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と略記する)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでもよい。珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
【0049】
すなわち、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等である。
本発明で原料として使用する珪酸塩は、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。層間カチオンの種類は、特に限定されないが、工業原料として比較的容易に且つ安価に入手し得る観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を層間カチオンの主成分とする珪酸塩が好ましい。
【0050】
(化学処理)
本発明で使用する珪酸塩は、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、特開平5−301917号公報、特開平7−224106号公報、特開平8−127613号公報等に開示した公知の酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が使用できる。
このような処理のなかでも、酸化リチウム、硫酸リチウム等のリチウム化合物と硫酸を同時に処理したものを使用することにより、より高い融点で高い活性の固体触媒成分を得ることができる。
【0051】
<成分(C)>
成分(C)は有機アルミニウム化合物であり、一般式AlR9 pX3-pで示される化合物が適当である。
この式中、R9は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは0より大きくかつ3までの数である。好ましくは、R9が炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
【0052】
(触媒の形成・予備重合)
本発明による触媒は、上記の各成分を(予備)重合槽内で、同時にもしくは連続的に、あるいは一度にもしくは複数回にわたって、接触させることによって形成させることができる。これらの接触方法は、種々の公知の方法が使用できる。また、本発明で使用する成分(A)、(B)および(C)の使用量は任意であり、種々の公知の方法が利用できる。
本発明の触媒は、これにオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付されることが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を例示することができる。オレフィンのフィード方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持するフィード方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせる等、任意の方法が可能である。予備重合の温度、時間は特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分(B)1gに対し、好ましくは0.01〜100g、さらに好ましくは0.1〜50gである。また、予備重合時に成分(C)を添加、又は追加することもできる。
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させる等の方法も可能である。
【0053】
[重合/プロピレン系ブロック共重合体の製造]
本発明のブロック共重合体を製造する方法としては、プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程、引き続きプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)を製造する後段工程から構成されており、それぞれの工程ではバルク重合法、気相重合法どちらの重合法も採用可能である。但し、後段工程は製造するEPがゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいから、好ましくは気相重合法を採用する。
また重合形式は、それぞれ前段工程、後段工程とも回分法、および連続法どちらの方式も採用できる。本発明においては、通常前段と後段からなる2段重合が行われるが、場合によっては、それぞれの段階を更に分割することができる。特に後段工程を2段以上に分割して多種類のゴム成分を作る方法も物性改良法の一つである。
【0054】
▲1▼ プロピレン重合体成分(PP)の製造方法
PPは、前段の重合工程で製造される。メタロセン触媒、好ましくは前述した成分(A)〜(C)からなる触媒を使用してプロピレンの単独重合、又はプロピレン/α−オレフィンの共重合を行う。すなわち、プロピレン単独重合体またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体を一段もしくは多段に、全重合量(プロピレン系ブロック共重合体の全体)の50〜95重量%、好ましくは60〜92重量%、に相当するように形成させる工程である。α−オレフィンの使用量は、全モノマー(プロピレンとα−オレフィンの合計)に対して0.5重量%未満である。
なお、本発明においてα−オレフィンとは、エチレンを含みプロピレン以外のオレフィンの概念である。PPとしてはプロピレンの単独重合体が好ましいが、α−オレフィンとの共重合を製造する場合は、α−オレフィンとしてエチレンが最も好ましい。
【0055】
本発明のブロック共重合体の特徴の一つは、要件(6)に示す通り、PPが高融点であることである。そのような高融点PPを製造するためには、メタロセン錯体の選択、あるいは高融点PPを製造可能な重合条件、たとえば重合温度、重合圧力、助触媒の選択等、メタロセン錯体個々の性質に応じた条件選択が必要である。取るべき条件は、個々の錯体で異なるが、一般的には重合圧力は高い方が好ましい。重合温度は、一般的には低い方が好ましい。そういった中で、好ましい条件を例示すると、重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜80℃程度である。重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPaである。また、最終重合体の流動性(MFR)が適当なものとなるように分子量調整剤を使用することが好ましく、分子量調整剤としては水素が好ましい。
【0056】
▲2▼プロピレン-エチレン共重合体成分(EP)製造方法
本発明の後段の重合工程においては、プロピレンとエチレンとの含有重量比が、10/90〜90/10であるエチレン・プロピレン共重合体を生成させる。この工程では、全重合量(プロピレン系ブロック共重合体の全体)の5〜50重量%、好ましくは8〜40重量%に相当する量を形成させる。この工程では、活性水素含有化合物または含窒素化合物、含酸素化合物等の電子供与性化合物を存在させてもよい。
本発明のブロック共重合体の特徴は、EPが従来公知のブロック共重合体よりも、均一にランダム重合されていること(組成分布が均一であること)であるが、かかるポリマーを製造するためには、次のような手段を用いることができる。
【0057】
(1)プロピレン−エチレン共重合体の製造工程において、経時的な重合ガス組成の変動をできる限り小さくし、供給ガス組成(モノマー/コモノマー比)を一定に保つこと。
一般には、EPを製造しようとする場合、重合の進展に伴って消費されるプロピレン、エチレンの量に相当するだけの原料モノマーあるいはコモノマーを補充し、初期の原料組成と同じ組成を維持する必要がある。
組成分布が均一なEPを製造する場合は、フィードする原料ガス組成の維持を精度良くおこなうことが重要である。原料組成の維持は、ガスクロマトグラフ(GC)を用いた監視によって行うことができる。
【0058】
特に高融点PPを製造可能なメタロセン触媒を使用する場合は、プロピレンモノマーの重合性が高いため、プロピレンーエチレンの共重合を行った場合に、混合ガス組成に対し、エチレンよりもプロピレンの消費が多く、監視の結果が迅速に原料補給の操作にフィードバックされないと、その間は原料組成が所望の値からずれた状態で重合が行われることになる。たとえば一時的にエチレンの組成比が過剰となった場合、エチレン含有量が多いポリマーが製造される。このような場合、今度はエチレン含有量が少なくなるような原料組成でポリマーの製造を続け、最終製品において所望のエチレン含有量に調節することになる。このような変動を極力抑えることにより、従来のメタロセン触媒やチーグラー・ナッタ(ZN)触媒系で得られるブロック共重合体以上の物性を確保することができる。
また、従来の技術常識では、GC等による監視を厳密におこなわず、プロピレンとエチレンの重合による消費バランスが一定であるとして、初期の原料組成と同じ値のバランスで原料を補給していた。
【0059】
しかし、本発明においては、重合が定常状態に入った場合、従来技術常識とされていた初期原料組成の維持ではなく、製造しようとするEPのプロピレン/エチレン含有比率と同じ値の原料組成に維持することで、触媒による原料の消費と供給のバランスがうまく取れ、過不足無くエチレンとプロピレンの消費、補給が行われる結果、組成分布の変動が極めて小さくなり、従来公知品では達成できなかった物性を有するブロック共重合体を得ることができる。本発明者らは、原料組成の変動履歴に影響されて、組成分布が均一でなくなった結果、衝撃性を改良するゴムの添加効果が低下し、剛性や耐衝撃性、あるいは光沢といった材料物性の損失を招いていたことを見出したものである。
他にも、重合に使用した未反応原料は、再び反応器に戻さず、供給ベースで原料組成を監視する方法もある。たとえば一定組成のモノマー混合ガスを、EPの生成量、すなわち消費モノマー量に対して10〜1000倍の重合ガスを流通させることで重合ガス組成の変動をなくすることも効果的である。
【0060】
(2)共重合性の高いメタロセン触媒を使用すること。
原料組成を一定に保つことに加えて、特定のメタロセン触媒を使用することで、EPのランダム性をより一層高めることが可能となり、本発明主題のブロック共重合体を製造することができる。特定のメタロセン触媒とは、上述した中で好ましいと記述した特定のメタロセン錯体と、特定の処理を施したイオン交換性層状塩を組み合わせることである。
【0061】
(iv)組成物Iの説明
本発明のプロピレン系樹脂組成物における組成物Iは、上述した(a)プロピレン系ブロック共重合体に、所定量の(b)ガラス繊維及び(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンが配合されたものである。
【0062】
(b)ガラス繊維としては、その平均繊維径が2〜30μm、好ましくは6〜20μmのものが使用できる。また、集束剤としてシラン系化合物及びオレフィン系成分が含まれると、マトリックスである上記プロピレン系ブロック重合体との接着性が高まり、機械強度、耐熱性及び衝撃特性の向上につながるので好ましい。
【0063】
シラン系化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0064】
オレフィン系成分としては、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン、またはポリオレフィン低分子成分である。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンに用いられる不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びこれらの酸無水物が挙げられ、このうち無水マレイン酸が最も好ましい。ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン系ブロック共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−ペンテン共重合体などが挙げられる。
【0065】
本発明で用いられる不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンとは、ポリプロピレンと不飽和カルボン酸とをグラフト反応させてポリプロピレンを変性させたものである。不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられ、さらにこれらの酸無水物も適する。これらのうちで無水マレイン酸を用いることが最も好ましい。これらの不飽和カルボン酸による酸変性率としては、好ましくは0.1〜10重量%であり、0.2〜5重量%が特に好ましい。
【0066】
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンを得るために用いられるポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体の他、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることもできる。具体的には、ポリプロピレンの単独重合体、ランダム共重合体、又はブロック共重合体等が挙げられる。また、該ポリプロピレンの分子量は、好ましくは3000〜100万である。
【0067】
上記ポリプロピレンと不飽和カルボン酸とのグラフト反応を起こさせるために、通常、有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどが挙げられる。
【0068】
本発明で用いられる不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンとして特に好ましいものは、ホモポリプロピレンに無水マレイン酸をグラフト反応さて変性したものである。
【0069】
本発明の組成物Iは、(a)プロピレン系ブロック共重合体を38〜98重量%、好ましくは55〜98重量%、ガラス繊維を1〜60重量%、好ましくは1.5〜40重量%、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンを0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%含有する。なお、プロピレン系ブロック共重合体、ガラス繊維、及び不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンの合計量は100重量%である。
プロピレン系ブロック共重合体の含有量が、上記範囲未満であると、面衝撃特性などの耐衝撃特性、延性的特徴が不足し、上記範囲を超えると、剛性、強度、耐熱性が不足する。
ガラス繊維の含有量が、上記範囲未満であると、剛性、強度、耐熱性が不足し、上記範囲を超えると、面衝撃特性などの耐衝撃特性、延性的特徴が不足し比重が高くなり成形品が重くなる。
不飽和カルボン酸誘導体変性ポリプロピレンの含有量が、上記範囲未満であると、プロピレン系ブロック共重合体とガラス繊維の親和性が不足し、強度、面衝撃特性などの耐衝撃特性が不足し、上記範囲を超えると、プロピレン系ブロック重合体とガラス繊維の親和性の改良効果が飽和し、むしろ過剰量を加えると、強度、面衝撃特性が低下する。
所定の割合に配合した本発明の組成物Iは、剛性、強度、耐熱性及び耐衝撃性にバランスよく、総合的に優れている。
【0070】
組成物Iにおいては、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、上述したガラス繊維以外の無機フィラーを、任意成分として適宜配合することができる。無機フィラーの具体例としては、微粉末タルク、カオリナイト、焼成クレー、バイロフィライト、セリサイト、ウォラスナイトなどの天然珪酸または珪酸塩、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウムなどの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪酸塩などの粉末状充填材、マイカなどのフレーク状充填材、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充填材、ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填材などを用いることができる。
【0071】
本発明では、これら無機フィラーのうちでもタルクが好ましく用いられ、特に平均粒径0.1〜40μmのタルク微粉末が好ましく用いられる。なお、タルクの平均粒径は、液相沈降方法によって測定することができる。また本発明で用いられる無機フィラー特にタルクは、無処理であっても予め表面処理されていてもよい。この表面処理の例としては、具体的には、シランカップリング剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネート、樹脂酸、ポリエチレングリコールなどの処理剤を用いる化学的または物理的処理が挙げられる。このような表面処理が施されたタルクを用いると、ウェルド強度、塗装性、成形加工性にも優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0072】
上記のような無機フィラーは、1種のみを単独で使用しても、また2種以上を併用してもよい。さらに本発明では、このような無機フィラーとともに、ハイスチレン類、リグニンなどの有機充填材を併用することもできる。
無機フィラーの配合量は、組成物Iの100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜40重量部である。無機フィラーの配合量が上記範囲未満であると、剛性、耐熱性などの補強効果が充分でなく、上記範囲を超えると、耐衝撃特性が低下し、比重が重くなり好ましくない。
【0073】
(v)組成物IIの説明
本発明のプロピレン系樹脂組成物における組成物IIは、上述した(a)プロピレン系ブロック共重合体に、所定量の(b)ガラス繊維、(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン及び(d)チーグラー系触媒を用いて製造されたポリプロピレン樹脂(以下、「チーグラー系ポリプロピレン」とする)が配合されたものである。使用できるガラス繊維、及び不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンの具体例は、組成物Iに用いられるものと同様である。
【0074】
(d)チーグラー系ポリプロピレンについて説明すると、チーグラー系触媒の具体的な調製方法としては、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、さらに各種電子供与体及び電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物を組み合わせる方法、及びハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種電子供与体とを接触させる担持型触媒の調製方法等を例示することができる。
【0075】
このようにして得られるチーグラー系触媒の存在下、スラリー重合、気相重合あるいは液相塊状重合等の製造プロセスを適用してプロピレン単独、もしくはプロピレンとエチレンをブロック共重合、もしくはプロピレンとエチレンをランダム共重合することによって、本発明のチーグラー系ポリプロピレンを得ることができる。
【0076】
このうち、プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するに際しては、最初にプロピレンの単独重合を行い、次にプロピレンとエチレンとのランダム共重合によってブロック共重合体を形成したものが品質上から好ましい。また、このプロピレン−エチレンブロック共重合体は本発明の効果を損なわない範囲で他の不飽和化合物例えば1−ブテン等のα−オレフィン:酢酸ビニルの如きビニルエステル等を含有する三元以上の共重合体であってもこれらの混合物であってもよい。
【0077】
このチーグラー系ポリプロピレンのMFR(温度230℃、荷重21.18N)は、0.01〜200g/10分のものが好ましく、とりわけ0.1〜200g/10分のものが好ましい。
【0078】
本発明の組成物IIは、(a)プロピレン系ブロック共重合体を38〜97重量%、好ましくは53〜96重量%、(b)ガラス繊維を1〜60重量%、好ましくは1.5〜40重量%、(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンを0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、(d)チーグラー系ポリプロピレンを1〜60重量%、好ましくは2〜45重量%含有する。なお、好ましくはプロピレン系ブロック共重合体とチーグラー系ポリプロピレンの合計量は39〜98重量%であり、より好ましくは55〜98重量%である。また、プロピレン系ブロック共重合体、ガラス繊維、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン、及びチーグラー系ポリプロピレンの合計量は100重量%である。
【0079】
プロピレン系ブロック共重合体の含有量が、上記範囲未満であると、面衝撃特性などの耐衝撃特性、延性的特徴が不足し、上記範囲を超えると、剛性、強度、耐熱性が不足する。
ガラス繊維の含有量が、上記範囲未満であると、剛性、強度、耐熱性が不足し、上記範囲を超えると、面衝撃特性などの耐衝撃特性、延性的特徴が不足し比重が高くなり成形品が重くなる。
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンの含有量が、上記範囲未満であると、プロピレン系ブロック共重合体とガラス繊維の親和性が不足し、強度、面衝撃特性などの耐衝撃特性が不足し、上記範囲を超えると、プロピレン系ブロック共重合体とガラス繊維の親和性の改良効果が飽和し、むしろ過剰量を加えると、強度、面衝撃特性が低下する。
チーグラー系ポリプロピレンの合計量が、上記範囲未満であると、溶融時の流動特性などの成形性が不足する傾向があり、上記範囲を超えると、剛性、強度、耐熱性が不足する。
所定の割合に配合した本発明の組成物IIは、剛性、強度、耐熱性及び耐衝撃性にバランスよく、総合的に優れ、かつ流動性が良好で成形加工性が改良されている。
【0080】
(vi)組成物IIIの説明
本発明のプロピレン系樹脂組成物における組成物IIIは、(a)プロピレン系ブロック共重合体に、(b)ガラス繊維及び(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンに加えて、(e)エラストマーが配合されたものである。使用できるガラス繊維及び不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンの具体例は、組成物Iに用いられるものと同様である。用いられるエラストマーとしては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴム、スチレン含有熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0081】
[エチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴム]
エチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴム中のα−オレフィン単位の含有量は、通常15〜70重量%、好ましくは20〜55重量%である。α−オレフィン単位の含有量が上記範囲よりも少なすぎると衝撃強度が劣り、一方、多すぎると剛性が低下するばかりでなく、このエラストマーの形状をペレット状に保持しにくくなって樹脂組成物の製造に際しての生産ハンドリングが著しく低下するため、各々不適である。
【0082】
α−オレフィンとしては、炭素数3〜20のものが挙げられ、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができる。なかでも、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンが好ましい。
【0083】
また、上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴムのMFR(230℃、荷重21.18N)は、通常0.01〜100g/10分、特に0.1〜100g/10分のものが好ましい。さらに、密度は通常0.85〜0.90g/cm3、特に0.86〜0.89g/cm3のものが好ましい。
【0084】
MFRが0.01g/10分未満のものは、樹脂組成物を形成する際の混練時に十分な分散を得ることができず、衝撃強度の低下を引き起こす。一方、MFRが100g/10分を超えるものは、共重合ゴム自身の靭性が足らず、やはり衝撃強度が低下する。また、密度が0.90g/cm3を超えるものは衝撃強度が劣るようになり、0.85g/cm3未満のものはそれ自体のペレット化が困難となる。また、これらは後述するバナジウム化合物系や、WO−91/04257号公報等に示されるようなメタロセン系の触媒を用いて製造されたものが好ましい。
【0085】
ここで、α−オレフィンの含有量は赤外スペクトル分析法や13C−NMR法等の常法に従って測定される値である。密度はJIS−K7112に各々準拠して測定される値である。
【0086】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴムは、その重合法として、例えば気相流動床法、溶液法、スラリー法や高圧重合法などを挙げることができ、また少量の例えばジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのジエン成分が共重合されていてもよい。
【0087】
重合触媒としては、ハロゲン化チタンのようなチタン化合物、バナジウム化合物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯体、アルキルアルコキシアルミニウム−マグネシウム錯体のような有機アルミニウム−マグネシウム錯体や、アルキルアルミニウム或いはアルキルアルミニウムクロリドなどの有機金属化合物との組合せによるいわゆるチーグラー型触媒、もしくはWO−91/04257号公報等に示されるようなメタロセン系触媒が挙げられる。なお、メタロセン系触媒と称せられる触媒は、アルモキサンを含まなくてもよいが、好ましくはメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせた触媒、いわゆるカミンスキー系触媒のことである。
【0088】
このようなエチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴムは、各種市販されている。例えば、エチレン・プロピレンゴムとしてJSR EP02P、EP07P、EP912P、EP57P等(以上、JSR社製)、タフマーP0180、P0480、P0680等(以上、三井化学社製)、エチレン・ブテンゴムとしてJSR EBM2041P、EBM2011P、EBM3021P等(以上、JSR社製)、タフマーA4085、A4090、A20090等(以上、三井化学社製)、その他エチレン・α−オレフィンゴムとして、EG8150、EG8100、EG8200(以上、デュポンダウエラストマー社製「エンゲージ」)などが市販されている。
【0089】
[スチレン含有熱可塑性エラストマー]
本発明で用いるスチレン含有熱可塑性エラストマーは、ポリスチレン部を5〜60重量%、好ましくは10〜30重量%含有するものである。ポリスチレンの含有量が上記範囲外のものであると、耐衝撃性が不十分となる。そのMFR(230℃、荷重21.18N)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲のものが用いられる。MFRが上記範囲外の場合は、やはり耐衝撃性が不十分となる。
【0090】
かかるスチレン含有熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン・エチレン/ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)を挙げることができる。これは、ポリスチレンブロック単位とポリエチレン/ブチレンゴムブロック単位とからなる熱可塑性エラストマーである。このようなSEBSでは、ハードセグメントであるポリスチレンブロック単位が物理架橋(ドメイン)を形成してゴムブロック単位の橋かけ点として存在しており、このポリスチレンブロック単位間に存在するゴムブロック単位はソフトセグメントであってゴム弾性を有している。
SEBSのセグメント割合として、ポリスチレン単位を10〜40モル%の量で含有していることが望ましい。なおスチレンから導かれる単位の含有量は、赤外スペクトル分析法、13C−NMR法などの常法によって測定される値である。
【0091】
このSEBSは、具体的にはたとえば特公昭60−57463号公報などに記載されている公知の方法によって得られる。このようなSEBSとしては、クレイトン(Kraton)G1650、G1652、G1657(シェル化学社製)、タフテック(旭化成社製)などの市販品が使用できる。
【0092】
本発明で用いられるSEBSは、一般的にスチレン・ブタジエン系ブロック共重合体であるSBS(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)の水添物として知られている。本発明では、SEBSと共にSBSおよび他のスチレン・共役ジエン系共重合体あるいはこれらの完全又は不完全水素化物を用いてもよい。
【0093】
このようなスチレン・共役系共重合体としては、具体的には、SBR(スチレン・ブタジエンランダム共重合体)、SBS、PS−ポリイソブチレンブロック共重合体、SIS(スチレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体)及びSIS水添物(SEPS)などが挙げられる。より具体的には、クレイトン(Kraton:シェル化学社製)、キャリブレックスTR(シェル化学社製)、ソルブレン(フィリップスペトロリファム社製)、ユーロブレンSOLT(アニッチ社製)、タフブレン(旭化成社製)、ソルブレン−T(日本エラストマー社製)、JSRTR(JSR社製)、電化STR(電気化学社製)、クインタック(日本ゼオン社製)、クレイトンG(シェル化学社製)、タフテック(旭化成社製)などが挙げられる。
【0094】
本発明では、エラストマー成分として、上述したエチレン・α−オレフィンランダム共重合ゴム及びスチレン含有熱可塑性エラストマーを、各々単独で用いてもよく、またこれらを適宜組み合わせて用いてもよい。
【0095】
本発明の組成物IIIは、(a)プロピレン系ブロック重合体を38〜97重量%、好ましくは53〜96重量%、(b)ガラス繊維を1〜60重量%、好ましくは1.5〜40重量%、(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンを0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、(e)エラストマーを1〜60重量%、好ましくは2〜45重量%含有するものである。
なお、好ましくは(a)と(e)の合計量は39〜98重量%であり、より好ましくは55〜98重量%である。また、(a)(b)(c)(e)の合計量は100重量%である。
【0096】
プロピレン系ブロック共重合体の含有量が、上記範囲未満であると、面衝撃特性などの耐衝撃特性、延性的特徴が不足し、上記範囲を超えると、剛性、強度、耐熱性が不足する。
ガラス繊維の含有量が、上記範囲未満であると、剛性、強度、耐熱性が不足し、上記範囲を超えると、面衝撃特性などの耐衝撃特性、延性的特徴が不足し比重が高くなり成形品が重くなる。
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンの含有量が、上記範囲未満であると、プロピレン系ブロック共重合体とガラス繊維の親和性が不足し、強度、面衝撃特性などの耐衝撃特性が不足し、上記範囲を超えると、プロピレン系ブロック共重合体とガラス繊維の親和性の改良効果が飽和し、むしろ過剰量を加えると、強度、面衝撃特性が低下する。
エラストマーの合計量が、上記範囲未満であると、面衝撃特性、低温衝撃特性などの耐衝撃特性が不足する傾向があり、上記範囲を超えると、剛性、強度、耐熱性が不足する。
所定の割合に配合した本発明の組成物IIIは、剛性、強度、耐熱性及び耐衝撃性にバランスよく、総合的に優れ、特に面衝撃特性および低温衝撃特性が改良されている。
【0097】
(vii)その他の配合成分
本発明の組成物I、II、及びIIIには、上述した必須成分に加えて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、或いはさらに性能の向上をはかるために任意成分としてポリエチレン樹脂を配合することもできる。
ポリエチレン樹脂としては、チーグラー、クロム、メタロセン触媒等を用いてスラリー、気相、溶液、高圧イオン、高圧ラジカル重合法等によって重合されたものが挙げられる。
【0098】
このポリエチレン樹脂は、エチレン単独重合体であってもエチレン・α−オレフィン共重合体であってもよいが、このうち、MFR(190℃、荷重21.18N)が0.1〜200g/10分、密度が0.90〜0.97g/cm3のものが好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体の場合、含有するα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができる。また、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン単位の含有量は0〜15モル%である。かかるポリエチレンの具体例としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0099】
本発明の組成物I〜IIIの100重量部に対して、ポリエチレン樹脂の含有量は、1〜87重量部が好ましく、とりわけ1〜40重量部が好ましい。本発明においては、かかるポリエチレン樹脂を配合することにより、剛性の低下を抑えながら、耐衝撃性の向上を図ることができる。
【0100】
他の任意成分として、着色するための顔料、フェノール系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤、帯電防止剤、ヒンダードアミン等光安定剤、紫外線吸収剤、酸化アルミニウム、タルク等の各種核剤、分散剤、中和剤、発泡剤、銅害防止剤、滑剤、難燃剤、上記プロピレン系ブロック共重合体とエラストマーを除く各種の樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン等各種ゴム成分等の配合材を挙げることができる。このうち、例えば各種核剤、各種ゴムの配合は、剛性や衝撃強度等の物性バランスや寸法安定性の向上に効果的であり、また例えばヒンダードアミン系安定剤の配合は、耐候・耐久性の向上に有効である。
【0101】
(viii)樹脂組成物の製造法
本発明のプロピレン系樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で上記配合成分をプロピレン系ブロック共重合体へ配合し、混合及び溶融混練することにより製造することができる。例えば、上述した必須成分、すなわち(a)プロピレン系ブロック共重合体、(b)ガラス繊維、(c)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン、及び場合により(d)チーグラー系ポリプロピレン、又は(e)エラストマー並びに必要に応じて用いられる任意成分等を、上記配合割合で配合して、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練・造粒することによって、本発明のプロピレン系樹脂組成物が得られる。
【0102】
この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を用いて行われる。この混練・造粒の際には、上記各成分の配合物を同時に混練してもよく、また性能向上をはかるべく各成分を分割して混練する、すなわち例えば、先ずプロピレン系ブロック共重合体及び不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンの一部又は全部とチーグラー系ポリプロピレン、又はエラストマーとを混練し、その後に残りの成分及びガラス繊維を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。特にガラス繊維を、プロピレン系ブロック共重合体などがペレット状の時に混在して、溶融させ混練しようとすると、ガラス繊維が折れ、繊維長さが短くなってしまうため、ガラス繊維は、他の樹脂成分が溶融した後、混練機(特に二軸押出機)の途中に設けた孔から供給すること、すなわちサイドフィードすることが好ましい。
【0103】
(ix)プロピレン系樹脂組成物の用途
このようにして得られた本発明のプロピレン系樹脂組成物は、公知の各種方法による成形に用いることができる。例えば射出成形(ガス射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、中空成形、カレンダー成形、インフレーション成形、一軸延伸フィルム成形、二軸延伸フィルム成形等にて成形することによって各種成形品を得ることができる。このうち、射出成形、射出圧縮成形がより好ましい。
【0104】
本発明のプロピレン系樹脂組成物を上記の成形方法により成形した、射出成形品、射出圧縮成形品、中空成形品、及び押出成形品は、剛性、耐衝撃性、耐熱性において高度な物性バランスを有しているため、各種工業部品分野、特に薄肉化、高機能化、大型化された各種成形品、例えばバンパー、インストルメントパネル、トリム、ガーニッシュなどの自動車部品やテレビケース、洗濯機槽、エアコン部品、掃除機部品などの家電機器部品などの各種工業部品用成形材料として、実用に十分な性能を有している。
【0105】
【実施例】
下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。本発明はその要旨を逸脱しないかぎりこれら実施例によって制約を受けるものではない。なお、以下の触媒合成工程および重合工程は、すべて精製窒素雰囲気下で行った。また溶媒は、モレキュラーシーブMS−4Aで脱水したものを用いた。以下本発明における各物性値の測定方法および装置を以下に示す。
【0106】
(1)MFR(単位:g/10分)
装置 タカラ社製 メルトインデクサー
JIS−K6921、温度230℃、荷重21.18N)に従って測定した。なお、ポリエチレン樹脂の場合はJIS−K6922(温度190℃、荷重21.18N)に従って測定した。
(2)100℃のODCBに不溶な部分のプロピレン含有量
前記した方法に従って回収された100℃のODCBに不溶な成分の赤外吸収スペクトルから求めた。
(3)EPのエチレン含有量(G)、EPの中の非晶部分のエチレン含有量(E)、プロピレン系ブロック共重合体全体中のEP含有量
前記した方法に従って測定した。
【0107】
(4)融点
パーキン・エルマー社製のDSC7型示差走査熱量分析計を用いて試料を室温から80℃/分の条件で230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持後、−10℃/分にて50℃まで降温し、同温度にて3分間保持した後、10℃/分の昇温条件下で融解した時のピーク温度をもって融点とした。
(5)曲げ弾性率(FM) (単位:MPa)
JIS−K7203に準拠して23℃で測定した。成形品の寸法は90×10×4mmを用いた。
(6)アイゾット(IZOD)衝撃強度 (単位:kJ/m2)
JIS−K7110に準拠して−30℃で測定した。
【0108】
(7)荷重たわみ温度(単位:℃)
JIS−K7207に準拠して、4.6kgf/cm2の条件で測定した。ただし、測定前の試験片状態調整として、成形後、100℃で30分間アニールし、室温まで冷却する操作をおこなっている。
(8)光沢(単位:%)
JIS−K7105に準拠して23℃で測定した。
【0109】
<プロピレン系ブロック共重合体の重合>
重合例1(PP−1の製造)
[錯体合成]
(1)ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムの合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
2−フルオロ−4−ブロモビフェニル(4.63g,18.5mmol)をジエチルエーテル(40mL)とヘキサン(40mL)の混合溶媒に溶かし、t−ブチルリチウムのペンタン溶液(22.8mL,36.9mmol,1.62N)を−78℃で滴下し、−5℃で2時間撹拌した。この溶液に2−エチルアズレン(2.36g,16.6mmol)を加え室温で1.5時間撹拌した。0℃に冷却しテトラヒドロフラン(40mL)を加えた。N−メチルイミダゾール(40μL)とジメチルジクロロシラン(1.0mL,8.30mmol)を加え、室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。この後、希塩酸を加え、分液した後有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去すると、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−1,4−ジヒドロアズレン)の粗精製物(6.3g)が得られた。
【0110】
次に、上記で得られた粗精製物をジエチルエーテル(23mL)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(10.3mL,16.6mmol,1.56mol/L)を滴下し、徐々に昇温して室温で2時間撹拌した。さらに、トルエン(185mL)を加え、−78℃に冷却し、四塩化ハフニウム(2.65g,8.3mmol)を加え、徐々に昇温し室温で一夜撹拌した。得られたスラリー溶液から減圧下大部分の溶媒を留去し、濾過したのち、トルエン(4mL)、ヘキサン(9mL)、エタノール(20mL)、ヘキサン(10mL)で洗浄すると、ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのラセミ・メソ混合物(1.22mg,収率16%)が得られた。
【0111】
(b)ラセミ体の精製;
上記で得られたラセミ・メソ混合物の粗精製物(1.1g)をジクロロメタン(30mL)に懸濁し、高圧水銀灯(100W)を用いて30分光照射した。この溶液を減圧下溶媒を留去した。得られた固体にジクロロメタン(40mL)を加え懸濁させ、濾過した。ヘキサン(3mL)で洗浄し、減圧下乾燥するとラセミ体の精製物(577mg,52%)が得られた。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ1.02(s,6H,SiMe2),1.08(t,J=8Hz,6H,CH3CH2),2.54(sept,J=8Hz,2H,CH3CH2),2.70(sept,J=8Hz,2H,CH3CH2),5.07(brs,2H,4−H),5.85−6.10(m,8H),6.83(d,J=12Hz,2H),7.30−7.6(m,16H,arom).
【0112】
[イオン交換性層状珪酸塩の化学処理]
攪拌翼、還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、イオン交換水500gを投入し、更に水酸化リチウム1水和物249g(5.93mol)を投入して攪拌する。
別に、硫酸581g(5.93mol)をイオン交換水500gで希釈し、滴下ロートを用いて上記水酸化リチウム水溶液に滴下する。このとき硫酸の一部は中和反応に消費され系中で硫酸リチウム塩が生成し、さらに硫酸過剰になることにより酸性溶液となる。
そこへ、更に市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:28.0μm)を350g添加後攪拌する。その後30分かけて108℃まで昇温し150分維持する。その後、1時間かけて50℃まで冷却した。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、減圧ろ過を実施した。ケーキを回収し、純水を5.0L加え再スラリー化し、ろ過を行った。この操作をさらに4回繰り返した。ろ過は、いずれも数分かからずに終了した。最終の洗浄液(ろ液)のpHは、5であった。
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。その結果、275gの化学処理体を得た。蛍光X線により組成分析を行ったところ、主成分であるケイ素に対する構成元素のモル比は、Al/Si=0.21、Mg/Si=0.046、Fe/Si=0.022であった。
【0113】
[触媒の調製/予備重合]
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。先に製造した化学処理されたイオン交換性層状珪酸塩造粒体を減圧下、200℃、4時間乾燥した。
内容積10Lのオートクレーブに上記で得た化学処理モンモリロナイト200gを導入し、ヘプタン1160mL、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.6mmol/mL)840mL(0.5mol)を30分かけて投入し、25℃で1時間攪拌した。その後、スラリーを静止沈降させ、上澄み1300mLを抜き出した後に2600mLのヘプタンにて2回洗浄し最終的にヘプタン全量が1200mLになるようにヘプタンを足して調整した。
次に、2Lフラスコにジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド 5.93g(6mol)とヘプタン516mLを投入し、よく攪拌した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)を84mL(11.8g)を室温にて加え、60分攪拌した。
続いて、先にオートクレーブ中に調製したモンモリロナイトスラリーに上記溶液を導入し、60分攪拌し、更にヘプタンを全容積が5Lになるまで導入して、30℃に保持した。
そこにプロピレンを100g/hrの定速で、40℃で4時間導入し、引き続き50℃で2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄み除去後、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。
【0114】
[重合/プロピレン系ブロック共重合体の製造]
よく乾燥した3L攪拌翼付オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム400mg、水素150NmL、プロピレン750gを導入した後、重合槽内温度を65℃に保ち、上記で得られた予備重合触媒を固体触媒成分換算で55mgを圧入し、プロピレンのバルク重合を開始した(前段重合)。重合中は温度を65℃に保ち、また重合系中気相部の水素濃度が一定になるように、水素を250NmL/hrの速度で連続的に導入した。
1時間経過後、未反応のモノマーをパージし、続いて窒素ガスで置換した。さらに引き続き、プロピレンとエチレンを、エチレンのモル分率が70mol%になるように、また重合槽全圧が1.8MPaまで混合ガスを導入し、プロピレン−エチレン共重合体成分(EP)の気相重合を開始した(後段重合)。重合中は、、生成してくるEP中のエチレンの組成と等しくなるようにエチレン50mol%組成のプロピレン/エチレン混合ガスを導入することにより、重合槽内の混合ガス組成がエチレンのモル分率で60mol%を保った。また重合中は槽内の温度は65℃に保ち、全圧は1.8MPaを維持するように混合ガスを導入した。45分経過後、未反応のモノマーをパージし、オートクレーブを解放して反応したポリマーを回収した。
【0115】
得られたパウダー状のプロピレン系ブロック共重合体100重量部に対して、配合成分として、IRGANOX1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、IRGAFOS168(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、カルシウムステアレート0.05重量%を配合し、単軸押出機にて混練・造粒してペレット状のプロピレン系ブロック共重合体(PP−1)を得た。
【0116】
重合例2(PP−2の製造)
よく乾燥した3L攪拌翼付オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム400mg、水素60NmL、プロピレン750gを導入した後、重合槽内温度を65℃に保ち、重合例1で使用した予備重合触媒を固体触媒成分換算で55mgを圧入し、プロピレンのバルク重合を開始した。重合中は温度を65℃に保ち、また重合系中気相部の水素濃度が一定になるように、水素を100NmL/hrの速度で連続的に導入した。1時間経過後、未反応のモノマーをパージし、続いて窒素ガスで置換した。
さらに引き続き、プロピレンとエチレンを、エチレンのモル分率が85mol%になるように、また重合槽全圧が1.8MPaまで混合ガスを導入し、EPの気相重合を開始した。重合中は、生成してくるEP中のエチレンの組成と等しくなるようにエチレン70mol%の組成の混合ガスを導入することにより、重合槽内の混合ガス組成がエチレンのモル分率で85mol%を保った。また重合中は槽内の温度は65℃に保ち、全圧は1.8MPaを維持するように混合ガスを導入した。45分経過後、未反応のモノマーをパージし、オートクレーブを解放して反応したポリマーを回収した。
以下、重合例1と同様に調整しプロピレン系ブロック共重合体(PP−2)を得た。
【0117】
重合例3(PP−3の製造)
よく乾燥した3L攪拌翼付オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム400mg、水素300NmL、プロピレン750gを導入した後、重合槽内温度を65℃に保ち、重合例1で使用した予備重合触媒を固体触媒成分換算で55mgを圧入し、プロピレンのバルク重合を開始した。重合中は温度を65℃に保ち、また重合系中気相部の水素濃度が一定になるように、水素を300NmL/hrの速度で連続的に導入した。
1時間経過後、未反応のモノマーをパージし、続いて窒素ガスで置換した。さらに引き続き、プロピレンとエチレンを、エチレンのモル分率が95mol%になるように、また重合槽全圧が1.8MPaまで混合ガスを導入し、EPの気相重合を開始した。重合中は、生成してくるEP中のエチレンの組成と等しくなるようにエチレン90mol%の組成の混合ガスを導入することにより、重合槽内の混合ガス組成がエチレンのモル分率で95mol%を保った。また重合中は槽内の温度は65℃に保ち、全圧は1.8MPaを維持するように混合ガスを導入した。45分経過後、未反応のモノマーをパージし、オートクレーブを解放して反応したポリマーを回収した。
以下、重合例1と同様に調整しプロピレン系ブロック共重合体(PP−3)を得た。
【0118】
重合例4(PP−4の製造)
よく乾燥した3L攪拌翼付オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム400mg、水素90NmL、プロピレン750gを導入した後、重合槽内温度を65℃に保ち、重合例1で使用した予備重合触媒を固体触媒成分換算で55mgを圧入し、プロピレンのバルク重合を開始した。重合中は温度を65℃に保ち、また重合系中気相部の水素濃度が一定になるように、水素を100NmL/hrの速度で連続的に導入した。
1時間経過後、未反応のモノマーをパージし、続いて窒素ガスで置換した。さらに引き続き、プロピレンとエチレンを、エチレンのモル分率が45mol%になるように、また重合槽全圧が1.8MPaまで混合ガスを導入し、EPの気相重合を開始した。重合中は、生成してくるEP中のエチレンの組成と等しくなるようにエチレン20mol%の組成の混合ガスを導入することにより、重合槽内の混合ガス組成がエチレンのモル分率で45mol%を保った。また重合中は槽内の温度は65℃に保ち、全圧は1.8MPaを維持するように混合ガスを導入した。20分経過後、未反応のモノマーをパージし、オートクレーブを解放して反応したポリマーを回収した。
以下、重合例1と同様に調整しプロピレン系ブロック共重合体(PP−4)を得た。
【0119】
重合例5(PP−5の製造)
バキューム・スターラ、温度計を備えた3L−丸底四つ口フラスコに、Mg(OEt)2:2.0molを仕込み、ついでTi(OBu)4を、仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対して、Ti(OBu)4/Mg=0.6(モル比)になるように仕込み、200rpmで攪拌しながら昇温した。
150℃で2.0時間反応させた後、120℃に降温して、Si(OPh)4のトルエン溶液を、仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対して、Si(OPh)4/Mg=0.5(モル比)になるように添加した。添加終了後、同温度1.0時間反応させた。反応終了後、室温に降温した後、Si(OEt)4を、仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対して、Si(OEt)4/Mg=0.2(モル比)になるように添加し、Ti・Mg接触生成物のスラリーを得た。
【0120】
ここで得られたスラリーの全量を、冷却・加熱用ジャケットを備えた誘導攪拌式10L−オートクレーブに移送した後、[Mg]=0.486mol/L・トルエンになるように、トルエンで希釈した。このスラリーを、300rpmで攪拌しながら、−10℃に冷却し、フタル酸ジエチルを、仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対して、フタル酸ジエチル/Mg=0.1(モル比)になるように添加した。引き続き、TiCl4を、仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対して、TiCl4/Mg=4.0(モル比)になるように、1.0時間かけて滴下し、均一溶液を得た。この時、液の粘度が上昇してゲル状になるという現象は、起こらなかった。
【0121】
得られた均一溶液を0.5℃/分で15℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。ついで、再び0.5℃/分で50℃まで昇温し、50℃で1時間保持した。さらに、1.0℃/分で117℃まで昇温し、同温度で1時間処理を行った。処理終了後、加熱・攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで、残液率=1/50となるように洗浄し、固体スラリーを得た。
次に、得られた固体スラリーのトルエン量を、TiCl4濃度=2.0mol/L・トルエンとなるように調整し、室温でTiCl4を、はじめに仕込んだMg(OEt)2中のマグネシウムに対して、TiCl4/Mg=5.0(モル比)となるように添加した。このスラリーを、300rpmで攪拌しながら昇温し、117℃で、1時間反応を行った。
【0122】
反応終了後、加熱・攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで、残液率=1/150となるように洗浄し、Ti・Mg接触生成物のトルエン・スラリーを得た。ここで得られた固体スラリーの全量を、内径660mm、直胴部770mmの三方後退翼を有する反応槽に移送し、n−ヘキサンで希釈して、Ti・Mg接触生成物の濃度として3g/Lとなるようにした。このスラリーを300rpmで攪拌しながら、25℃で、トリエチルアルミニウムを、トリエチルアルミニウム/Ti・Mg接触生成物=3.44mmol/gとなるように添加し、さらに、t−ブチルエチルジメトキシシシランを、t−ブチルエチルジメトキシシラン/Ti・Mg接触生成物=1.44mmol/gとなるように添加した。添加終了後、引き続き攪拌しながら、25℃で30分間保持した。
【0123】
次いで、プロピレンガスを液相に、72分かけて定速フィードした。プロピレンガスのフィードを停止した後、沈降洗浄法にて、n−ヘキサンで洗浄を行い、残液率=1/12として、固体触媒成分(A)のスラリーを得た。得られた固体触媒成分(A)は、Ti・Mg接触生成物1gあたり、2.7gのプロピレン重合体を含有していた。
【0124】
よく乾燥した3L攪拌翼付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム550mg、水素3000NmL、プロピレン750gを導入した後、重合槽内温度を70℃に保ち、上記で得られた予備重合触媒を固体触媒成分換算として10mgを圧入し、プロピレンのバルク重合を開始した。重合中は温度を70℃に保った。一時間経過後、未反応のモノマーをパージし、続いて窒素ガスで置換した。さらに引き続き、プロピレンとエチレンを、エチレンのモル分率が25mol%になるように、また重合槽全圧が1.8MPaになるように混合ガスを導入し、EPの気相重合を開始した。重合中は生成してくるEP中のエチレンの組成と等しくなるようにエチレン45mol%組成のプロピレン/エチレン混合ガスを導入することにより、重合槽内の混合ガス組成がエチレンのモル分率で25mol%を保った。また、重合中槽内の温度は75℃に保ち、全圧は1.8MPaを維持するように混合ガスを導入した。45分経過後、未反応のモノマーをパージし、オートクレーブを開放して反応したポリマーを回収した。
以下、重合例1と同様に調整しプロピレン系ブロック共重合体(PP−50)を得た。
【0125】
重合例6(PP−6の製造)
[錯体の合成]
(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを、Organometallics13,964(1994)の文献に記載された方法に従って合成した。
[触媒の合成]
内容積0.5Lの撹拌翼のついたガラス製反応器に、WITCO社製MAO ON SiO2 2.4g(20.7mmol−Al)を添加し、n−ヘプタン50mLを導入し、あらかじめトルエンに希釈した(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド溶液20.0mL(0.0637mmol)を加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)・n−ヘプタン溶液4.14mL(3.03mmol)を加えた。室温にて2時間反応した後、プロピレンをフローさせ、予備重合を実施した。この操作により、触媒1gあたりポリプロピレンを1.3g含む予備重合触媒が得られた。
[重合]
重合例1において使用した触媒の代わりに、上記で合成した予備重合触媒を固体触媒成分換算で100mg導入し、EP重合において重合開始時に導入する混合ガス組成をエチレン30mol%にし、重合中もエチレン30mol%の混合ガスを導入する以外は、重合例1と同様の重合をおこなった。
【0126】
重合例7(PP−7の製造)
重合例2の前段工程(プロピレンバルク重合)において、エチレンを4.75g(原料組成で0.63重量%に相当)を導入することにより、共重合としたこと以外は重合例1と同様の重合をおこなった。以下、重合例1と同様に調整しプロピレン系ブロック共重合体(PP−7)を得た。
【0127】
重合例8(PP−8の製造)
よく乾燥した3L攪拌翼付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム550mg、水素3000NmL、プロピレン750gを導入した後、重合槽内温度を70℃に保ち、重合例5で得られた予備重合触媒を固体触媒成分換算として10mgを圧入し、プロピレンのバルク重合を開始した。重合中は温度を70℃に保った。一時間経過後、未反応のモノマーをパージし、続いて窒素ガスで置換した。さらに引き続き、プロピレンとエチレンを、エチレンのモル分率が30mol%になるように、また重合槽全圧が1.8MPaになるように混合ガスを導入し、EPの気相重合を開始した。重合中は生成してくるEP中のエチレンの組成と等しくなるようにエチレン55mol%組成のプロピレン/エチレン混合ガスを導入することにより、重合槽内の混合ガス組成がエチレンのモル分率で30mol%を保った。また、重合中槽内の温度は75℃に保ち、全圧は1.8MPaを維持するように混合ガスを導入した。30分経過後、未反応のモノマーをパージし、オートクレーブを開放して反応したポリマーを回収した。
以下、重合例1と同様に調整しプロピレン系ブロック共重合体(PP−8)を得た。
【0128】
上記で製造した各種のプロピレン系ブロック共重合体(PP−1)〜(PP−8)、及びチーグラー・ナッタ触媒を使用して製造されたプロピレン系ブロック共重合体の市販品(ノバテックPP BC7、日本ポリケム社製)(以下、PP−9という)について、金型温度40℃、シリンダー温度220℃にて加熱した射出成形機に導入し、射出成形により試験片を成形した。得られた射出成形片について、上述した方法で曲げ弾性率、IZOD衝撃強度、光沢及び荷重たわみ温度を測定した。(PP−1)〜(PP−9)の特性を表1に示した。
【0129】
<プロピレン系ブロック共重合体とガラス繊維等との組成物の製造>
(1)樹脂成分の配合
プロピレン系ブロック共重合体(PP−1)〜(PP−9)を用いてプロピレン系樹脂組成物を製造した。プロピレン系ブロック共重合体に配合するガラス繊維には、繊維径10μmのチョップドストランド(旭ファイバーグラス社製、CS03JAFT110)を用いた。また、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレンとして、マレイン化PP(三洋化成社製、ユーメックス1001)を使用した。更に、エラストマーとして、エチレン・プロピレン共重合体(JSR社製、EP02P、MFR(230℃、荷重21.18N)3g/10分)を用いた。
また、実施例3において任意成分として添加するチーグラー触媒によるポリプロピレンとしてノバテックPP BC06C(日本ポリケム社製)を用いた。なお、表2において、PP−10と略記した。
【0130】
これらのプロピレン系樹脂と配合成分とを、表2に記載された配合割合(重量%)で配合し、二軸押出機にて混練・造粒してペレット状の樹脂組成物を得た。尚、ガラス繊維は二軸押出機の途中からサイドフィードにて導入した。
【0131】
(2)試験片の成形
得られた組成物を金型温度40℃、シリンダー温度220℃にて加熱した射出成形機に導入し、射出成形により試験片を成形した。得られた射出成形片について、上述した方法で曲げ弾性率、IZOD衝撃強度、及び荷重たわみ温度を測定した。結果を表2に示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
実施例1〜4に示したプロピレン系樹脂組成物は、曲げ弾性率とIZOD衝撃強度のバランスに優れ、IZOD衝撃強度が同じレベルであれば曲げ弾性率がより高く、バランスに優れていることが分かる。さらに荷重たわみ温度も高い値を示している。
これに対し比較例1〜5は、プロピレン系ブロック共重合体が、本発明外であり、曲げ弾性率とIZOD衝撃強度のバランスが充分でない。
比較例1〜3及び5は、実施例1及び4と比べ、IZOD衝撃強度が同程度でありながら、曲げ弾性率、および荷重たわみ温度が劣る。
比較例4は、実施例2と比べ、曲げ弾性率が同程度でありながら、IZOD衝撃強度、および荷重たわみ温度が劣る。
【0135】
【発明の効果】
機械的強度(特に剛性と耐衝撃性と耐熱性)のバランスに優れており、射出成形用、圧縮射出成形用、押出成形用等の成形材料として工業的に非常に有用なものである。特に、低温衝撃特性と剛性のバランスが改良されたことは、自動車部品等に代表される工業部品用途において、部品の薄肉化・軽量化を実現する事が可能となる為、自動車の燃費向上がもたらすエネルギー資源の節約、地球環境の保護にも貢献する事が出来、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】CFC−FT−IRの概念図を示す。
【図2】フラクション1(40℃以下で溶出する成分)の微分分子量分布曲線の一例を示す。
【符号の説明】
CFC−FT−IRは、クロス分別装置とフーリエ変換型赤外吸収スペクトル分析の組合せシステムを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel propylene-based resin composition. Specifically, the present invention relates to a propylene-based resin composition useful as an injection molding, extrusion molding, or hollow molding material having an excellent balance of rigidity, impact resistance and heat resistance.
[0002]
[Prior art]
Polypropylene has been widely used as a molding material for injection molded products, extruded molded products, hollow molded products and the like. In recent years, from the viewpoint of resource saving and energy saving, it has been required to reduce the thickness and weight of molded products such as injection molded products. By improving the balance between rigidity and impact resistance of polypropylene molding materials, molded products can be obtained. Various proposals have been made in order to reduce the thickness and weight.
[0003]
For example, it is known to reduce the thickness and weight by using a block copolymer produced by stepwise polymerization of propylene and ethylene or another olefin. Recently, a propylene block copolymer polymerized in the presence of a catalyst system comprising a metallocene compound and a co-catalyst has been proposed as polypropylene having improved physical properties such as low-temperature impact resistance (Japanese Patent Laid-Open No. 4-337308). JP, 5-202152, JP-A-6-206921, JP-A-8-510491, WO95 / 27740, WO95 / 27741, etc.). In addition, the present inventors also proposed a method for improving the above catalyst system using a specific carrier or a specific polymerization method (Japanese Patent Laid-Open Nos. 6-172414, 6-287257, and 8-8-1). No. 27237).
[0004]
However, the polypropylene obtained by these methods does not necessarily have a sufficient balance between rigidity, impact strength (particularly, low temperature impact strength) and heat resistance, and further improvement is required.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
This invention makes it a subject to provide the propylene-type resin composition which can manufacture easily the molded article excellent in the balance of rigidity, impact resistance, and heat resistance.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on a propylene-based block copolymer produced with a metallocene catalyst, the present inventors have obtained a propylene polymer component (PP) and an ethylene-propylene copolymer component (EP) having a specific structure. By using a propylene-based block polymer contained in a specific ratio and combining it with glass fiber and unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, a molded product having an excellent balance of rigidity, impact resistance and heat resistance can be obtained. The present invention has been found.
[0007]
That is, the present invention includes (a) a pre-stage process for producing a propylene polymer component (PP) using a metallocene catalyst, andThe raw material composition supplied in the steady state of polymerization is made equal to the composition of the propylene-ethylene copolymer component (EP) to be produced.A propylene-based block copolymer obtained by a subsequent step for producing a propylene-ethylene copolymer component (EP) and satisfying the following requirements (1) to (6), (b) glass fiber, and (c) unsaturated A propylene-based resin composition comprising a carboxylic acid-modified polypropylene is provided.
(1) The melt flow rate (MFR) is 0.1 to 150 g / 10 minutes.
(2) The propylene content of a component that is insoluble in orthodichlorobenzene at 100 ° C. and soluble in orthodichlorobenzene at 140 ° C. is 99.5% by weight or more.
(3) The content of the propylene-ethylene copolymer component (EP) in the propylene-based block copolymer is 5 to 50% by weight.
(4) The ethylene content (G) of EP is 10 to 90% by weight.
(5) Ethylene content (G) of EP and W of EP40× A40/ B40The component indicated by (W40Is a portion (% by weight) soluble in orthodichlorobenzene at 40 ° C.40Is W40Average ethylene content of parts (wt%), B40Is W40The relational expression (I) is established between the ethylene content (E) of the ethylene content (% by weight) of the EP of the portion.
G ≧ E ≧ −4.5 × 10-3× G2 + 1.3 × G−7.0 (I)
(6) The melting point of the block copolymer is 157 ° C or higher.
[0008]
Specifically, the present invention is obtained by (a) a former stage process for producing a propylene polymer component (PP) and a latter stage process for producing a propylene-ethylene copolymer component (EP) using a metallocene catalyst, Propylene-based block copolymer 38 to 98% by weight satisfying the above requirements (1) to (6), (b) glass fiber 1 to 60% by weight, and (c) unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene 0.1 to 10 A propylene-based resin composition (hereinafter referred to as “composition I”) characterized by containing wt% is provided.
[0009]
Further, the present invention is obtained by (a) a pre-stage process for producing a propylene polymer component (PP) and a post-stage process for producing a propylene-ethylene copolymer component (EP) using a metallocene catalyst, 38 to 97% by weight of a propylene-based block copolymer satisfying (1) to (6), (b) 1 to 60% by weight of glass fiber, (c) 0.1 to 10% by weight of unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and (D) Provided is a propylene resin composition (hereinafter referred to as “Composition II”) containing 1 to 60% by weight of a polypropylene resin produced using a Ziegler catalyst. .
[0010]
Further, the present invention is obtained by (a) a pre-stage process for producing a propylene polymer component (PP) and a post-stage process for producing a propylene-ethylene copolymer component (EP) using a metallocene catalyst, 38 to 97% by weight of a propylene-based block copolymer satisfying (1) to (6), (b) 1 to 60% by weight of glass fiber, (c) 0.1 to 10% by weight of unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and (D) Provided is a propylene-based resin composition (hereinafter referred to as “Composition III”) containing 1 to 60% by weight of an elastomer.
[0011]
Further, the present invention is a molded product selected from the group consisting of an injection molded product, an injection compression molded product, a hollow molded product, and an extrusion molded product, the composition described in the above invention (specifically, preferably, The present invention provides a propylene-based resin molded product comprising the above-mentioned “Composition I”, “Composition II” or “Composition III”).
[0012]
The propylene resin composition of the present invention comprises a specific propylene block copolymer, a glass fiber and an unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and, if necessary, a polypropylene resin and / or elastomer obtained using a Ziegler catalyst. As the propylene-based block polymer, a block polymer having a specific structure produced using a metallocene catalyst is used, thereby providing an excellent balance of rigidity, impact resistance, and heat resistance. A molding material can be obtained.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below. The propylene-based resin composition of the present invention comprises a propylene-based block copolymer and a blending component for the propylene-based block copolymer.
[0014]
(I) Description of propylene-based block copolymer
The (a) propylene-based block copolymer of the present invention is obtained by a pre-stage process for producing a propylene polymer component (PP) and a post-stage process for producing a propylene-ethylene copolymer component (EP) using a metallocene catalyst. The following requirements (1) to (6) are satisfied.
(1) The melt flow rate (MFR) is 0.1 to 150 g / 10 minutes.
(2) The propylene content of a component that is insoluble in orthodichlorobenzene at 100 ° C. and soluble in orthodichlorobenzene at 140 ° C. is 99.5% by weight or more.
(3) The content of the propylene-ethylene copolymer component (EP) in the propylene-based block copolymer is 5 to 50% by weight.
(4) The ethylene content (G) of EP is 10 to 90% by weight.
(5) The relational expression (I) is established between the ethylene content (G) of the EP and the ethylene content (E) of the component having no crystallinity in the EP.
G ≧ E ≧ −4.5 × 10-3× G2 + 1.3 × G−7.0 (I)
(6) The melting point of the block copolymer is 157 ° C or higher.
[0015]
(Ii) Explanation of requirements (1) to (6)
Requirement (1) Melt flow rate (MFR)
The propylene-based block copolymer of the present invention needs to have an MFR in the range of 0.1 to 150 g / 10 min. Since the MFR generally has a lower value as the molecular weight is higher, the MFR is an approximate indication of the molecular weight. If the MFR is less than 0.1 g / 10 min, the fluidity is excessively lowered during the resin molding process, and the molding efficiency is lowered. In addition, the entanglement of molecular chains is too strong, resulting in a decrease in spherulite growth rate, resulting in a disadvantage that crystallinity is decreased and rigidity is also decreased. On the other hand, if the MFR exceeds 150 g / 10 min, the molecular weight becomes too small, resulting in a disadvantage that the impact strength is lowered.
In the present invention, a preferable MFR range is preferably 4 to 100 g / 10 minutes, particularly preferably 5 to 50 g / 10 minutes, from the viewpoints of moldability and material properties.
The adjustment of MFR generally uses hydrogen gas, which is a chain transfer agent, but can also be controlled by polymerization temperature, polymerization pressure, monomer / comonomer composition ratio, and combinations thereof. It is. These conditions may change the control range depending on the type of catalyst used.
[0016]
Requirement (2) Orthodichlorobenzene (ODCB) insoluble component
The propylene-based block copolymer of the present invention is insoluble in ODCB at 100 ° C., and the propylene content of a component soluble in ODCB at 140 ° C. needs to be 99.5% by weight or more. Such a component can be obtained by homopolymerization of propylene (homopolymerization) in the preceding step or copolymerization of 0.5% by weight or less of α-olefin in the raw material gas composition.
The insoluble component refers to a component obtained by using a known temperature rising column fractionation method and insoluble in ODCB at 100 ° C. but soluble in ODCB at 140 ° C. The temperature rising column fractionation method refers to a measurement method as disclosed in, for example, Macromolecules, 21, 314 to 319 (1988).
[0017]
The measurement of the ODCB insoluble component at 100 ° C. defined in the present invention is performed as follows. That is, a glass bead carrier (80 to 100 mesh) is packed in a cylindrical column having a diameter of 50 mm and a height of 500 mm, and maintained at 140 ° C. Next, 200 mL of a sample ODCB solution (10 mg / mL) dissolved at 140 ° C. is introduced into the column. Thereafter, the temperature of the column is cooled to 40 ° C. at a rate of temperature decrease of 10 ° C./hour. After holding at 40 ° C. for 1 hour, the column temperature is heated to 100 ° C. at a heating rate of 10 ° C./hour and held for 1 hour. Note that the temperature control accuracy of the column through a series of operations is ± 1 ° C.
[0018]
Next, while the column temperature is maintained at 100 ° C., 800 mL of ODCB at 100 ° C. is flowed at a flow rate of 20 mL / min to elute and recover the components dissolved in ODCB at 100 ° C. existing in the column.
Next, the column temperature was increased to 140 ° C. at a rate of temperature increase of 10 ° C./min, and after standing at 140 ° C. for 1 hour, a solvent at 140 ° C. (ODCB) was allowed to flow at 800 mL at a flow rate of 20 mL / min. A component insoluble in ODCB and soluble in ODCB at 140 ° C. is eluted and collected.
An ODCB solution containing a component insoluble in ODCB at 100 ° C. and soluble in ODCB at 140 ° C. is concentrated to 20 mL using an evaporator, and then precipitated in 5 volumes of methanol. The precipitated polymer is recovered by filtration and then dried overnight in a vacuum dryer. This is referred to as “100 ° C. ODCB insoluble component” in the present invention.
[0019]
ODCB is a good solvent for polyolefins and has a boiling point as high as 181 ° C., so it is used for solvent separation in a wide temperature range from low to high. The insolubility in ODCB at 100 ° C. means that the component of the block copolymer is a highly crystalline polypropylene component, and the component having poor crystallinity is removed from the propylene-based block copolymer. It has the significance of taking out only the remaining highly crystalline component.
The propylene content of the component is 99.5% by weight or more, even if the component is a homopolypropylene or a copolymer of propylene and an α-olefin. It means that only a small amount of α-olefin is contained. Therefore, the ODCB insoluble component at 100 ° C. means that it has high crystallinity and has an effect of increasing the rigidity of the propylene-based block copolymer. Since the polymer is completely dissolved at 140 ° C., the value of 140 ° C. has the significance that all components insoluble in ODCB at 100 ° C. can be recovered and used for analysis of the propylene content.
In the present invention, when the propylene content of the ODCB insoluble component is less than 99.5% by weight, rigidity and heat resistance are lowered, which is not preferable. In order to maintain high rigidity, the component is more preferably homopolypropylene.
Further, such a component is preferably contained in the propylene block copolymer in an amount of 45% by weight or more, particularly 55 to 90% by weight.
[0020]
Requirement (3) EP content in propylene block copolymer
In the propylene-based block copolymer of the present invention, the weight ratio of the propylene-ethylene copolymer component in the propylene-based block copolymer needs to be 5 to 50% by weight. In order to make this range, the weight of the PP manufactured in the preceding process and the weight of the EP manufactured in the subsequent process may be set to a predetermined ratio. In general, in a propylene-based block copolymer, a propylene-ethylene copolymer is a random copolymer, a substance having poor crystallinity and a physical property such as rubber is a main component, and a basic material that exhibits impact strength. It becomes a factor. In the present invention, since propylene-ethylene copolymer has high random copolymerizability, it exhibits excellent physical properties in a wide range of EP content of 5 to 50% by weight. If the EP content is less than 5% by weight, there are too few rubber-like parts, resulting in a disadvantage that the impact strength is reduced. Conversely, if it is 50% by weight or more, there is a problem that the crystalline parts are too little and the rigidity is lowered. .
In the present invention, the preferred EP content is in the range of 10 to 40% by weight, particularly preferably 10 to 30% by weight. The definition and measurement method of the EP content in the propylene-based block copolymer of the subject of the present invention will be described in detail later.
[0021]
Requirement (4) EP ethylene content (G)
The propylene-based block copolymer of the present invention needs to have an ethylene content (G) in EP of 10 to 90% by weight. Preferably, it is 20 to 60% by weight, more preferably 25 to 50% by weight. A method for measuring G will be described later.
G is a factor that affects the crystallinity and rubber properties of the propylene-ethylene copolymer. In particular, it has a great influence on impact resistance at a low temperature below room temperature, particularly at a very low temperature such as −10 to −30 ° C. When G is less than 10% by weight, the glass transition temperature of EP increases, and as a result, the impact strength at low temperatures is disadvantageously reduced. In addition, a phenomenon in which a part of EP is solubilized in PP serving as a matrix occurs, resulting in a disadvantage that rigidity and heat resistance are lowered. On the other hand, when G exceeds 90% by weight, EP is not uniformly dispersed in PP and impact strength is lowered. The ethylene content (G) of EP can be controlled to a desired value within the range specified in the present invention by adjusting the composition ratio of the raw material gas in the production process of the propylene-ethylene block copolymer in the subsequent step. it can.
[0022]
Requirement (5) Relationship between G and E
The propylene-based block copolymer of the present invention has the following relational formula (I) between the ethylene content (G) of EP and the ethylene content (E) of a component having no crystallinity in EP. It is necessary to hold.
G ≧ E ≧ −4.5 × 10-3× G2 + 1.3 × G−7.0 (I)
[0023]
EP is a propylene-ethylene random copolymer, which is mainly composed of rubber-like molecules having no crystallinity, but contains a relatively long ethylene chain and / or a portion having crystallinity based on a propylene chain. May also exist. The impact absorption characteristics of the propylene-based block copolymer strongly depend on the glass transition temperature of the rubber part, but the E value is an index indicating the height of the glass transition temperature. The E value also serves as an index indicating the affinity between the PP phase and the EP phase, and the dispersed particle diameter of EP is strongly influenced by the E value.
On the other hand, the G value is an index of the average ethylene content of all EPs including molecules having crystallinity and molecules not having crystallinity. The G value and the E value generally show a positive correlation, and the higher the G value, the higher the E.
[0024]
That is, the higher the average ethylene content of all EPs, the higher the ethylene content of rubber components that do not have crystallinity. Also, the G value is always larger than the E value. The magnitude relationship does not reverse, and the theoretical limit is G = E.
The propylene-based block copolymer has a form in which the EP component is dispersed in a spherical form in a polypropylene continuous phase, and when the inside of the spherical EP dispersed phase is observed more microscopically, a rubber part having no crystallinity (rubber component) ) And lamellar parts derived from crystalline components are generally mixed.
[0025]
As a result of repeated studies on various physical properties of EP, the present inventors do not increase the difference between the G value and the E value, that is, as close as possible to the straight line of E = G in which the upper limit value of the theoretical E value is plotted. The present inventors have found that the present invention leads to improvement of physical properties. The propylene-based block copolymer disclosed in the present invention has a very high randomness of EP, so that the physical property correlation between the G value and the E value has a theoretical upper limit compared to a conventionally known block copolymer. It has a physical property closer to E = G shown.
In the present invention, since 10 ≦ G ≦ 90, preferably 20 ≦ G ≦ 60, and more preferably 25 ≦ G ≦ 50, the propylene-based block copolymer of the subject of the present invention is on the EG graph. It belongs to an area that satisfies a certain condition. In other words, the difference between the G value and the E value is usually within 5% by weight, preferably within 3% by weight, especially within 2% by weight. In particular, the G value is in the range of 20 to 50% by weight, and the difference between the G value and the E value is preferably 0 to 2% by weight, and more preferably 0 to 1% by weight.
[0026]
When the G value and the E value do not satisfy the relational expression (I), the strength of the affinity between the amorphous component and the crystalline component in EP does not reach the critical point. It is presumed that the balance is not improved to a satisfactory level. Further, when the relationship between the G value and the E value does not satisfy the above relational expression (I), the affinity between PP as a crystal part and EP as a rubber part is increased. As a result, the particles of EP particles dispersed in the PP phase The diameter becomes small, the gloss increases, and a good appearance cannot be obtained. The reason why the balance between physical properties, particularly rigidity and impact resistance deteriorates, is that the impact absorption ability changes even if the EP content is the same due to the increase in size or aggregation of the lamellae present in the rubber. This is probably due to this. In addition, the size of the dispersed EP particles changes at the same time, and as a result, there arises a disadvantage that the gloss value increases. Conversely, as the G and E values approach each other, the lamella dispersed in the rubber becomes smaller and the degree of aggregation decreases, so it is possible to maintain a good rigidity / impact resistance balance with a low gloss value. It is considered that.
The G value can be kept at a desired value by changing the ethylene / propylene raw material composition ratio in the subsequent step. Further, the E value can satisfy the relational expression (I) of requirement (5) of the present invention by appropriately selecting a catalyst and polymerization conditions as will be described later.
[0027]
<How to obtain parameters of requirements (3) to (5)>
In the present invention, the EP content in the propylene-based block copolymer, the ethylene content (G) in the EP, and the ethylene content (E) of the portion not having crystallinity in the EP are determined by the following methods.
[0028]
1. Analyzer used
(1) Cross sorting device
Diamond Instruments CFC T-100 (abbreviated as CFC)
(2) Fourier transform infrared absorption spectrum analysis
FT-IR, Perkin Elmer 1760X
A fixed wavelength infrared spectrophotometer attached as a CFC detector is removed and an FT-IR is connected instead, and this FT-IR is used as a detector. The transfer line from the outlet of the solution eluted from the CFC to the FT-IR is 1 m long, and the temperature is maintained at 140 ° C. throughout the measurement. The flow cell attached to the FT-IR has an optical path length of 1 mm and an optical path width of 5 mmφ, and the temperature is maintained at 140 ° C. throughout the measurement.
(3) Gel permeation chromatography (GPC)
Three GPC columns (AD806MS manufactured by Showa Denko KK) are connected in series to the subsequent stage of the CFC.
[0029]
2. CFC measurement conditions
(1) Solvent: Orthodichlorobenzene (ODCB)
(2) Sample concentration: 4 mg / mL
(3) Injection volume: 0.4 mL
(4) Crystallization: The temperature is lowered from 140 ° C. to 40 ° C. over about 40 minutes.
(5) Sorting method:
The fractionation temperature at the time of temperature-raising elution fractionation is 40, 100, and 140 ° C., and the fractions are separated into a total of three fractions. The elution ratio (unit weight%) of the component eluting at 40 ° C. or lower (fraction 1), the component eluting at 40 to 100 ° C. (fraction 2), and the component eluting at 100 to 140 ° C. (fraction 3) is W40, W100, W140It is defined as W40+ W100+ W140= 100. Moreover, each fractionated fraction is automatically transported to the FT-IR analyzer as it is.
(6) Solvent flow rate during elution: 1 mL / min
[0030]
3. FT-IR measurement conditions
After elution of the sample solution starts from GPC at the latter stage of CFC, FT-IR measurement is performed under the following conditions, and GPC-IR data is collected for each of the above-described fractions 1 to 3.
A conceptual diagram of CFC-FT-IR is shown in FIG.
(1) Detector: MCT
(2) Resolution: 8cm-1
(3) Measurement interval: 0.2 minutes (12 seconds)
(4) Number of integrations per measurement: 15 times
[0031]
4). Post-processing and analysis of measurement results
The elution amount and molecular weight distribution of the components eluted at each temperature are 2945 cm obtained by FT-IR.-1Is used as a chromatogram. The elution amount is normalized so that the total elution amount of each elution component is 100%. Conversion from the retention volume to the molecular weight is performed using a calibration curve prepared in advance with standard polystyrene.
Standard polystyrenes used are the following brands manufactured by Tosoh Corporation.
F380, F288, F128, F80, F40, F20, F10, F4, F1, A5000, A2500, A1000.
A calibration curve is created by injecting 0.4 mL of a solution dissolved in ODCB (containing 0.5 mg / mL BHT) so that each is 0.5 mg / mL. The calibration curve uses a cubic equation obtained by approximation by the least square method. Conversion to molecular weight uses a general-purpose calibration curve with reference to “Size Exclusion Chromatography” written by Sadao Mori (Kyoritsu Shuppan). The following numerical values are used for the viscosity equation ([η] = K × Mα) used at that time.
(1) When creating a calibration curve using standard polystyrene
K = 0.000138, α = 0.70
(2) When measuring a sample of a propylene block copolymer
K = 0.000103, α = 0.78
The ethylene content distribution (ethylene content distribution along the molecular weight axis) of each eluted component is 2956 cm obtained by GPC-IR.-1Absorbance of 2927cm-1The ratio to the absorbance of13Converted to ethylene content (% by weight) using a calibration curve prepared in advance using ethylene-propylene-rubber (EPR) and mixtures thereof whose ethylene content is known by C-NMR measurement, etc. And ask.
[0032]
<EP content>
The EP content of the propylene-based block copolymer in the present invention is defined by the following formula (II), and is determined by the following procedure.
EP content (wt%) =
W40× A40/ B40+ W100× A100/ B100+ W140× A140/ B140 (II) (W40, W100, W140Is the elution ratio (unit weight%) in each of the above-mentioned fractions, and A40, A100, A140W40, W100, W140Is the average ethylene content (unit weight%) of actual measurement in each fraction corresponding to40, B100, B140Is the ethylene content (unit weight%) of EP contained in each fraction. A40, A100, A140, B40, B100, B140The method of obtaining will be described later. The meaning of the formula (II) is as follows. The first term on the right side of the formula (II) is a term for calculating the amount of EP contained in fraction 1 (portion soluble at 40 ° C.). If fraction 1 contains only EP and no PP, W40Contributes to the EP content derived from fraction 1 as a whole, but fraction 1 also contains a small amount of PP-derived components (components with extremely low molecular weight and atactic polypropylene) in addition to EP-derived components. Therefore, it is necessary to correct that part. So W40A40/ B40The amount derived from the EP component in fraction 1 is calculated. For example, the average ethylene content of fraction 1 (A40) Is 30% by weight, and the ethylene content of EP contained in fraction 1 (B40) Is 40% by weight, it means that 30/40 = 3/4 (ie 75% by weight) of fraction 1 is from EP and the remaining 1/4 is from PP. Thus, the first term on the right side is A40/ B40The operation of multiplying by the weight% of fraction 1 (W40) To calculate the EP contribution. The same applies to the second term on the right side, and for each fraction, the EP content is calculated by adding and calculating the EP contribution.
[0033]
(1) As described above, the average ethylene content corresponding to fractions 1 to 3 obtained by CFC measurement is A40, A100, A140(All units are% by weight). A method for obtaining the average ethylene content will be described later.
(2) The ethylene content corresponding to the peak position in the differential molecular weight distribution curve of fraction 1 (see FIG. 2) is represented by B40(Unit is% by weight). For fractions 2 and 3, it is considered that the rubber part is completely eluted at 40 ° C. and cannot be defined with the same definition.100= B140= 100. B40, B100, B140Is the ethylene content of EP contained in each fraction, but this value is virtually impossible to determine analytically. The reason is that there is no means for completely separating and separating PP and EP mixed in the fraction. As a result of examination using various model samples, B40It was found that the use of the ethylene content corresponding to the peak position of the differential molecular weight distribution curve of fraction 1 can well explain the effect of improving material properties. B100, B140Both have a crystallinity derived from an ethylene chain, and the amount of EP contained in these fractions is relatively small compared to the amount of EP contained in fraction 1, both of which approximate 100. Doing so is closer to the actual situation and causes little error in calculation. So B100= B140= 100 is assumed to be analyzed.
[0034]
(3) The EP content is determined according to the following formula.
EP content (wt%) =
W40× A40/ B40+ W100× A100/ 100 + W140× A140/ 100 (II)
That is, W, which is the first term on the right side of equation (II)40× A40/ B40Indicates the EP content (% by weight) having no crystallinity, and W is the sum of the second and third terms.100× A100/ 100 + W140× A140/ 100 indicates EP content (% by weight) having crystallinity.
Where B40And average ethylene content A of fractions 1 to 3 obtained by CFC measurement40, A100, A140Is obtained as follows.
FIG. 2 shows a curve obtained by measuring the molecular weight distribution of a fraction 1 separated by the difference in crystal distribution using a GPC column constituting a part of the CFC analyzer, and FT-IR connected to the back of the GPC column. It is the example which showed the distribution curve of ethylene content measured corresponding to a molecular weight distribution curve. The ethylene content corresponding to the peak position of the differential molecular weight distribution curve is B40It becomes.
In FIG. 2, the sum of the product of the weight ratio for each data point and the ethylene content for each data point, which is captured as a data point during measurement, is the average ethylene content A.40It becomes.
[0035]
The significance of setting the three types of fractionation temperatures is as follows. In the CFC analysis of the present invention, only polymers having no crystallinity from 40 ° C. (for example, most of EP, or extremely low molecular weight components and atactic components among propylene polymer components (PP)) are fractionated. Therefore, the temperature condition is necessary and sufficient. 100 ° C. means only components that are insoluble at 40 ° C. but become soluble at 100 ° C. (for example, components having crystallinity due to the chain of ethylene and / or propylene and PP having low crystallinity in EP) The temperature is necessary and sufficient to elute. 140 ° C. means only components that are insoluble at 100 ° C. but become soluble at 140 ° C. (for example, components having particularly high crystallinity in PP and components having extremely high molecular weight and ethylene crystallinity in EP). The temperature is necessary and sufficient to recover the entire amount of the propylene-based block copolymer to be eluted and used for analysis. W140The EP component contained in is very small and can be substantially ignored.
[0036]
<G and E>
Ethylene content in EP (G) (% by weight) =
(W40× A40+ W100× A100+ W140× A140) / [EP]
However, [EP] is the EP content (% by weight) obtained previously.
Among the EP, the ethylene content (E) (% by weight) of the portion having no crystallinity is such that the elution of the rubber portion is almost completed at 40 ° C. or less.40Approximate with the value of.
[0037]
Requirement (6) Melting point of propylene-based block copolymer
The propylene-based block copolymer of the present invention needs to have a melting point of 157 ° C. or higher. When the melting point is less than 157 ° C., heat resistance and rigidity are insufficient. In order to obtain such a high melting point PP, a metallocene complex, a cocatalyst, polymerization conditions and the like are used in appropriate combination. In general, it can often be achieved by increasing the polymerization pressure and / or decreasing the polymerization temperature. It can also be achieved by using a combination of the catalyst components (A) to (C) disclosed in the present invention.
In the case of a propylene-based block copolymer, the melting point of the product is governed by the propylene polymer component (PP). Therefore, it can be said that the melting point of the block copolymer is approximately the melting point of PP, and the polymerization reaction in the previous step is dominant.
Further, the heat resistance of the propylene-based block copolymer strongly depends on the melting point of PP, and the higher the melting point, the better. On the other hand, however, the higher the loss tangent based on the crystal relaxation that occurs around 80 ° C., the worse the heat resistance and the high temperature creep resistance even at the same melting point. This is because the relaxation of stress against deformation is increased.
Therefore, it is preferable that PP has a small ratio of tan δ at 80 ° C. to tan δ at 50 ° C., which is a lower temperature, weighting that the melting point satisfies the above conditions. Specifically, in order to show good heat resistance, tan δ at 80 ° C. is preferably 4/3 times or less than tan δ at 50 ° C.
Here, tan δ at 50 ° C. and 80 ° C. is a dynamic viscoelasticity measuring device RDA-II manufactured by Rheometrics, and the temperature is 50 ° C. and 80 ° C. in a geometry of width 12 mm, thickness 3 mm and length 30 mm. The loss elastic modulus E ″ and the storage elastic modulus are measured at an angular frequency of 6.28 rad / s and a strain of 0.1% by applying torsional vibration distortion with the length direction as the rotation axis after being stabilized for 5 minutes respectively. This is the ratio E ″ / E ′ of E ′.
[0038]
(Iii) Description of production method of propylene-based block copolymer
The method for producing the propylene-based block copolymer according to the present invention is not particularly limited as long as it provides a propylene-based block copolymer satisfying the above physical properties. Among them, the copolymer of the present invention is not limited. A catalyst system suitable for production is a specific metallocene catalyst, and the use of an olefin polymerization catalyst obtained by contacting the following components (A), (B) and (C) as shown below. it can.
[0039]
<Component (A)>
The transition metal compound component (A) is represented by the following general formula (Ia).
[0040]
[Chemical 1]
[0041]
In general formula (Ia), R1, R2, RFour, RFiveEach independently represents a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, a silicon-containing hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms. RThreeAnd R6Each independently represents a saturated or unsaturated divalent hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms that forms a condensed ring with respect to the five-membered ring to which it is bonded. R7And R8Each independently represents an aryl group having 6 to 20 carbon atoms, a halogen having 6 to 20 carbon atoms or a halogenated hydrocarbon-substituted aryl group. Q represents a bonding group that bridges two conjugated five-membered ring ligands at an arbitrary position, M represents a metal atom selected from Groups 4 to 6 in the periodic table, and X and Y represent a hydrogen atom or a halogen atom. , Hydrocarbon group, alkoxy group, amino group, phosphorus-containing hydrocarbon group or silicon-containing hydrocarbon group. m and n are each a substituent R7, R8Means the number of substituents in the sub-ring, and each independently represents an integer of 0-20.
The transition metal compound of the present invention is preferably a racemate.
[0042]
R above1, R2, RFour, RFiveSpecific examples of the hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms of methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, i-butyl, s-butyl, t-butyl, n-pentyl, n- In addition to alkyl groups such as hexyl, cyclopropyl, cyclopentyl, and cyclohexyl, and alkenyl groups such as vinyl, propenyl, and cyclohexenyl, phenyl groups, naphthyl groups, and the like can be given.
R above1, R2, RFour, RFiveSpecific examples of the silicon-containing hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms include trialkylsilyl groups such as trimethylsilyl, triethylsilyl, and t-butyldimethylsilyl, and alkylsilylalkyl groups such as bis (trimethylsilyl) methyl. .
[0043]
In the halogenated hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom. The halogenated hydrocarbon group is a compound in which, when the halogen atom is, for example, a fluorine atom, the fluorine atom is substituted at an arbitrary position of the hydrocarbon group. Specific examples thereof include fluoromethyl, difluoromethyl, trifluoromethyl, chloromethyl, dichloromethyl, trichloromethyl, bromomethyl, dibromomethyl, tribromomethyl, iodomethyl, 2,2,2-trifluoroethyl, 2,2, 1,1-tetrafluoroethyl, pentafluoroethyl, pentachloroethyl, pentafluoropropyl, nonafluorobutyl, trifluorovinyl, o-, m-, p-fluorophenyl, o-, m-, p-chlorophenyl, o -, M-, p-bromophenyl, 2,4-, 3,5-, 2,6-, 2,5-difluorophenyl, 2,4-, 3,5-, 2,6-, 2,5 -Dichlorophenyl, 2,4,6-trifluorophenyl, 2,4,6-trichlorophenyl, pentafluorophenyl, pen Such as chlorophenyl and the like.
[0044]
Among these, R1And RFourIs preferably a hydrocarbon group having 1 to 6 carbon atoms such as methyl, ethyl, propyl, butyl, and phenyl, and R2And RFiveIs preferably a hydrogen atom. RThreeAnd R6As, it is preferable that the side ring formed from the shared part of the adjacent conjugated five-membered ring is a 7 to 10-membered ring, particularly a pentamethylene group, a 1,3-pentadienylene group, and a 1,4-pentadienylene group. Is preferred.
R7And R8Preferred examples of the aryl group having 6 to 20 carbon atoms are phenyl group, methylphenyl group, dimethylphenyl group, mesityl group, ethylphenyl group, diethylphenyl group, triethylphenyl group, i-propylphenyl group, dii -Propylphenyl group, tri-i-propylphenyl group, n-butylphenyl group, di-n-butylphenyl group, tri-n-butylphenyl group, t-butylphenyl group, di-t-butylphenyl group, tri-t-butylphenyl Group, biphenylyl group, p-terphenyl group, m-terphenyl group, naphthyl group, anthryl group, phenanthryl group and other aryl groups. Among these, t-butylphenyl group, biphenylyl group, p-terphenyl group, naphthyl group, anthryl group, and phenanthryl group are particularly preferable.
[0045]
R7And R8As the halogen having 6 to 20 carbon atoms or the halogenated hydrocarbon-substituted aryl group, the halogen can be exemplified by fluorine, chlorine and bromine. As a specific example, when the halogen atom is, for example, a fluorine atom, a fluorine atom Is a compound in which is substituted at any position of the hydrocarbon group. A preferred specific example is described by taking fluorine as an example. Fluorophenyl group, (trifluoromethyl) phenyl group, methylfluorophenyl group, fluorodimethylphenyl group, (fluoromethyl) methylphenyl group, ethylfluorophenyl group, diethylfluoro Phenyl group, triethylfluorophenyl group, fluoro i-propylphenyl group, fluorodii-propylphenyl group, (fluoroi-propyl) i-propylphenyl group, fluorotrii-propylphenyl group, n-butylfluorophenyl group, di- n-butylfluorophenyl group, (fluorobutyl) butylphenyl group, tri-n-butylfluorophenyl group, t-butylfluorophenyl group, di-t-butylfluorophenyl group, tri-t-butylfluorophenyl group, fluorobiphene Lil group, fluorophenyl p- terphenyl group, fluorophenyl m- terphenyl group, fluoro naphthyl group, fluoro anthryl group, etc. fluoro phenanthryl group. As the halogenated hydrocarbon group, the fluorinated product is preferably a fluorinated hydrocarbon-substituted aryl group, and the chlorinated product is preferably a chlorinated hydrocarbon-substituted aryl group, such as a t-butylfluorophenyl group, a fluorobiphenylyl group, or a fluoro p-terphenyl group. , Fluoronaphthyl group, fluoroanthryl group, fluorophenanthryl group, t-butylchlorophenyl group, chlorobiphenylyl group, chloro p-terphenyl group, chloronaphthyl group, chloroanthryl group, chlorophenanthryl group preferable.
[0046]
m and n are preferably each independently an integer of 1 to 5. When m and / or n is an integer of 2 or more, a plurality of groups R7(Or R8) May be the same as or different from each other. In addition, when m and / or n is 2 or more, respectively R7Each other or R8They may be connected to each other to form a new ring structure. R7And R8RThreeAnd R6The bonding position to is not particularly limited, but is preferably a carbon adjacent to each 5-membered ring (α-position carbon).
[0047]
Q is preferably a methylene group, an ethylene group, a silylene group, an oligosilylene group, or a germylene group. M is preferably titanium, zirconium or hafnium, particularly preferably hafnium. X and Y are preferably halogen, more preferably a chlorine atom.
Specific examples of preferred complexes among component (A)
Dimethylsilylenebis (2-ethyl-4-t-butylphenyl-indenyl) zirconium chloride, dimethylsilylenebis (7- (3-phenylindenyl)) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (2-isopropyl-4-naphthyl-indenyl) ) Zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (2-methyl-4-t-butylcyclopentadienyl) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (4-t-butyl-3-chlorophenyl) -4H-azurenyl ) Zirconium dichloride, dimethylsilylene bis (2-ethyl-4-phenyl-4H-azurenyl) hafnium dichloride, dimethylsilylene bis (2-ethyl-4-naphthyl-4H-azurenyl) hafnium dichloride, dimethylsilylene bis (2-ethyl) Ru-4-biphenyl-4H-azurenyl) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (2-fluoro-4-biphenyl) -4H-azurenyl) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4-) (4-Chloro-2-naphthyl-4H-azulenyl)) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (4-chloro-2-tetrahydronaphthyl-4H-tetrahydroazurenyl)) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-Ethyl-4- (3-chloro-4-tert-butyl-phenyl-4H-azurenyl)) hafnium dichloride
Etc.
Among these, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (2-fluoro-4-biphenyl) -4H-azulenyl) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (4-chloro-2-naphthyl) -4H-azurenyl)) hafnium dichloride, dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (3-chloro-4-t-butyl-phenyl-4H-azurenyl)) hafnium dichloride.
[0048]
<Component (B)>
In the present invention, as the component (B), a component selected from the group consisting of the following (b-1) to (b-4) is used.
(B-1) a particulate carrier carrying an aluminum oxy compound,
(B-2) an ionic compound capable of reacting with component (A) to convert component (A) into a cation or a particulate carrier carrying a Lewis acid,
(B-3) solid acid fine particles,
(B-4) Ion exchange layered silicate.
Among these, it is desirable to use (b-4) ion-exchange layered silicate.
In the present invention, an ion-exchange layered silicate used as a raw material (hereinafter simply abbreviated as silicate) has a crystal structure in which planes constituted by ionic bonds and the like are stacked in parallel with each other by a binding force, and , Refers to a silicate compound in which the contained ions are exchangeable. Most silicates are naturally produced mainly as a main component of clay minerals, and therefore often contain impurities (quartz, cristobalite, etc.) other than ion-exchangeable layered silicates. But you can. Specific examples of the silicate include the following layered silicates described in Haruo Shiramizu “Clay Mineralogy” Asakura Shoten (1995).
[0049]
That is, montmorillonite, sauconite, beidellite, nontronite, saponite, hectorite, stemite and other smectites, vermiculite and other vermiculites, mica, illite, sericite and sea chlorite and other mica, attapulgite, sepiolite and palygorskite , Bentonite, pyrophyllite, talc, chlorite group, etc.
The silicate used as a raw material in the present invention is preferably a silicate in which the main component silicate has a 2: 1 type structure, more preferably a smectite group, and particularly preferably montmorillonite. The type of interlayer cation is not particularly limited, but a silicate containing an alkali metal or an alkaline earth metal as a main component of the interlayer cation is preferable from the viewpoint of being relatively easy and inexpensive to obtain as an industrial raw material.
[0050]
(Chemical treatment)
Although the silicate used by this invention can be used as it is, without performing a process especially, it is preferable to give a chemical process. Here, the chemical treatment may be any of a surface treatment that removes impurities adhering to the surface and a treatment that affects the structure of the clay. Specifically, known acid treatment, alkali treatment, salt treatment, organic matter treatment, etc. disclosed in JP-A-5-301917, JP-A-7-224106, JP-A-8-127613 and the like can be used.
Among these treatments, a solid catalyst component having a higher melting point and higher activity can be obtained by using a material obtained by treating a lithium compound such as lithium oxide or lithium sulfate and sulfuric acid at the same time.
[0051]
<Ingredient (C)>
Component (C) is an organoaluminum compound having the general formula AlR9 pX3-pAre suitable.
In this formula, R9Represents a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and X represents a halogen, hydrogen, an alkoxy group or an amino group. p is a number greater than 0 and up to 3. Preferably R9Is a trialkylaluminum having 1 to 8 carbon atoms.
[0052]
(Catalyst formation / preliminary polymerization)
The catalyst according to the present invention can be formed by bringing the above-mentioned components into contact in the (preliminary) polymerization tank simultaneously or continuously, or once or several times. As these contact methods, various known methods can be used. Moreover, the usage-amount of component (A), (B) and (C) used by this invention is arbitrary, and various well-known methods can be utilized.
The catalyst of the present invention is preferably subjected to a prepolymerization treatment comprising a small amount of polymerization by bringing an olefin into contact therewith. Although the olefin to be used is not particularly limited, ethylene, propylene, 1-butene, 1-hexene, 1-octene, 4-methyl-1-pentene, 3-methyl-1-butene, vinylcycloalkane, styrene, and the like can be used. It can be illustrated. The olefin feed method may be any method such as a feed method for maintaining the olefin at a constant rate or a constant pressure in the reaction tank, a combination thereof, or a stepwise change. The temperature and time for the prepolymerization are not particularly limited, but are preferably in the range of −20 ° C. to 100 ° C. and 5 minutes to 24 hours, respectively. The prepolymerization amount is preferably 0.01 to 100 g, more preferably 0.1 to 50 g, based on 1 g of the component (B). Moreover, a component (C) can also be added or added at the time of prepolymerization.
A method of coexisting a polymer such as polyethylene or polypropylene or a solid of an inorganic oxide such as silica or titania at the time of contacting or after the contact of each of the above components is also possible.
[0053]
[Polymerization / Production of propylene-based block copolymer]
The method for producing the block copolymer of the present invention comprises a pre-stage for producing a propylene polymer component (PP), and subsequently a post-stage for producing a propylene-ethylene copolymer component (EP). In this step, either a bulk polymerization method or a gas phase polymerization method can be employed. However, since the EP to be produced is a rubber component and it is desirable that it is not eluted in the solvent, a gas phase polymerization method is preferably employed in the subsequent step.
As the polymerization method, either a batch method or a continuous method can be adopted for each of the former step and the latter step. In the present invention, a two-stage polymerization usually comprising a front stage and a rear stage is carried out, but in some cases, each stage can be further divided. In particular, a method of making various types of rubber components by dividing the latter stage process into two or more stages is one of the physical property improving methods.
[0054]
(1) Production method of propylene polymer component (PP)
PP is produced in the preceding polymerization step. Propylene homopolymerization or propylene / α-olefin copolymerization is carried out using a metallocene catalyst, preferably a catalyst comprising the components (A) to (C) described above. That is, a propylene homopolymer or a copolymer of propylene and an α-olefin in one or more stages, 50 to 95% by weight, preferably 60 to 92% by weight, based on the total polymerization amount (the whole propylene block copolymer), It is the process of forming so that it may correspond to. The amount of α-olefin used is less than 0.5% by weight based on the total monomers (total of propylene and α-olefin).
In the present invention, α-olefin is a concept of olefins other than propylene including ethylene. PP is preferably a homopolymer of propylene, but ethylene is most preferred as the α-olefin when producing a copolymer with an α-olefin.
[0055]
One of the features of the block copolymer of the present invention is that PP has a high melting point as shown in requirement (6). In order to produce such a high melting point PP, the selection of the metallocene complex or the polymerization conditions capable of producing the high melting point PP, for example, the polymerization temperature, the polymerization pressure, the selection of the cocatalyst, etc., depend on the individual properties of the metallocene complex. Condition selection is required. The conditions to be taken vary depending on the individual complexes, but generally a higher polymerization pressure is preferred. In general, the polymerization temperature is preferably low. Among these, when preferable conditions are exemplified, the polymerization temperature is about 30 to 120 ° C, preferably about 50 to 80 ° C. The polymerization pressure is 0.1 to 5 MPa, preferably 0.1 to 3 MPa. Moreover, it is preferable to use a molecular weight regulator so that the fluidity (MFR) of the final polymer is appropriate, and hydrogen is preferred as the molecular weight regulator.
[0056]
(2) Propylene-ethylene copolymer component (EP) production method
In the subsequent polymerization step of the present invention, an ethylene / propylene copolymer having a propylene / ethylene content weight ratio of 10/90 to 90/10 is produced. In this step, an amount corresponding to 5 to 50% by weight, preferably 8 to 40% by weight, of the total polymerization amount (the whole propylene-based block copolymer) is formed. In this step, an electron-donating compound such as an active hydrogen-containing compound, a nitrogen-containing compound, or an oxygen-containing compound may be present.
A feature of the block copolymer of the present invention is that EP is randomly polymerized more uniformly (having a uniform composition distribution) than conventionally known block copolymers, in order to produce such a polymer. The following means can be used.
[0057]
(1) In the production process of propylene-ethylene copolymer, the fluctuation of the polymerization gas composition over time should be made as small as possible to keep the supply gas composition (monomer / comonomer ratio) constant.
In general, when EP is to be produced, it is necessary to replenish raw material monomers or comonomers corresponding to the amount of propylene and ethylene consumed as polymerization progresses, and maintain the same composition as the initial raw material composition. is there.
When producing EP with a uniform composition distribution, it is important to maintain the feed gas composition with high accuracy. The raw material composition can be maintained by monitoring using a gas chromatograph (GC).
[0058]
In particular, when a metallocene catalyst capable of producing a high melting point PP is used, the propylene monomer has high polymerizability. Therefore, when propylene-ethylene copolymerization is performed, propylene is consumed more than ethylene for the mixed gas composition. In many cases, if the result of monitoring is not quickly fed back to the raw material replenishment operation, the polymerization is performed while the raw material composition deviates from a desired value. For example, when the composition ratio of ethylene temporarily becomes excessive, a polymer having a high ethylene content is produced. In such a case, the production of the polymer is continued with a raw material composition that reduces the ethylene content, and the desired ethylene content in the final product is adjusted. By suppressing such fluctuations as much as possible, it is possible to ensure physical properties higher than those of block copolymers obtained with conventional metallocene catalysts and Ziegler-Natta (ZN) catalyst systems.
Further, in the conventional technical common sense, monitoring by GC or the like is not performed strictly, and the raw material is replenished with the same balance as the initial raw material composition, assuming that the consumption balance by polymerization of propylene and ethylene is constant.
[0059]
However, in the present invention, when the polymerization enters a steady state, the initial raw material composition, which has been common knowledge in the prior art, is not maintained, but the raw material composition having the same value as the propylene / ethylene content ratio of the EP to be manufactured is maintained. As a result, the balance between consumption and supply of raw materials by the catalyst can be well balanced, and ethylene and propylene are consumed and replenished without excess and deficiency. Can be obtained. The present inventors are affected by the history of fluctuations in the raw material composition, and as a result, the composition distribution becomes non-uniform. As a result, the effect of adding rubber to improve impact resistance is reduced, and material properties such as rigidity, impact resistance, or gloss are reduced. It was found that it had caused a loss.
In addition, there is a method of monitoring the raw material composition on a supply basis without returning the unreacted raw material used for the polymerization to the reactor again. For example, it is also effective to eliminate fluctuations in the polymerization gas composition by allowing a monomer mixture gas having a constant composition to flow 10 to 1000 times as much polymerization gas as the amount of EP produced, that is, the amount of consumed monomer.
[0060]
(2) Use a metallocene catalyst with high copolymerizability.
In addition to keeping the raw material composition constant, by using a specific metallocene catalyst, it becomes possible to further increase the randomness of EP, and the block copolymer of the present invention can be produced. The specific metallocene catalyst is a combination of a specific metallocene complex described as preferable in the above and an ion-exchangeable layered salt subjected to a specific treatment.
[0061]
(Iv) Description of Composition I
Composition I in the propylene-based resin composition of the present invention is a composition in which a predetermined amount of (b) glass fiber and (c) unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene is blended with the above-mentioned (a) propylene-based block copolymer. It is.
[0062]
(B) Glass fibers having an average fiber diameter of 2 to 30 μm, preferably 6 to 20 μm can be used. In addition, it is preferable that a silane compound and an olefin component are included as a sizing agent because adhesion with the propylene block polymer as a matrix increases, leading to improvement in mechanical strength, heat resistance, and impact characteristics.
[0063]
Examples of silane compounds include vinyltriethoxysilane, vinyl-tris (β-methoxyethoxy) silane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, and γ-glycid. Examples include xylpropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane.
[0064]
The olefin component is an unsaturated carboxylic acid-modified polyolefin or a polyolefin low-molecular component. Examples of the unsaturated carboxylic acid used in the unsaturated carboxylic acid-modified polyolefin include acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, fumaric acid, itaconic acid, citraconic acid, and acid anhydrides thereof, of which maleic anhydride Is most preferred. Examples of the polyolefin include polyethylene, polypropylene, a propylene-based block copolymer, an ethylene-butylene copolymer, and an ethylene-pentene copolymer.
[0065]
The unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene used in the present invention is a polypropylene modified by graft reaction of polypropylene and unsaturated carboxylic acid. Examples of the unsaturated carboxylic acid include acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, fumaric acid, itaconic acid, citraconic acid, and the like, and these acid anhydrides are also suitable. Of these, maleic anhydride is most preferably used. The acid modification rate by these unsaturated carboxylic acids is preferably 0.1 to 10% by weight, and particularly preferably 0.2 to 5% by weight.
[0066]
Examples of the polypropylene used to obtain the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene include propylene homopolymers and copolymers of propylene and other α-olefins. Specific examples include polypropylene homopolymers, random copolymers, block copolymers, and the like. The molecular weight of the polypropylene is preferably 3,000 to 1,000,000.
[0067]
In order to cause a graft reaction between the polypropylene and the unsaturated carboxylic acid, an organic peroxide is usually used. Examples of the organic peroxide include benzoyl peroxide, lauroyl peroxide, azobisisobutyronitrile, dicumyl peroxide, t-butyl hydroperoxide, and α, α′-bis (t-butylperoxydiisopropyl) benzene. 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexyne-3, di-t-butyl peroxide , Cumene hydroperoxide, t-butyl hydroperoxide and the like.
[0068]
Particularly preferred as the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene used in the present invention is a homopolypropylene modified by grafting maleic anhydride.
[0069]
Composition I of the present invention comprises (a) a propylene-based block copolymer in an amount of 38 to 98% by weight, preferably 55 to 98% by weight, and glass fiber 1 to 60% by weight, preferably 1.5 to 40% by weight. The unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene is contained in an amount of 0.1 to 10% by weight, preferably 0.2 to 5% by weight. The total amount of the propylene block copolymer, glass fiber, and unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene is 100% by weight.
When the content of the propylene-based block copolymer is less than the above range, impact resistance characteristics such as surface impact characteristics and ductility characteristics are insufficient, and when it exceeds the above range, rigidity, strength, and heat resistance are insufficient.
If the glass fiber content is less than the above range, the rigidity, strength, and heat resistance are insufficient. If the glass fiber content exceeds the above range, the impact resistance and ductility characteristics such as surface impact characteristics are insufficient, and the specific gravity is increased. The product becomes heavier.
When the content of the unsaturated carboxylic acid derivative-modified polypropylene is less than the above range, the affinity between the propylene-based block copolymer and the glass fiber is insufficient, and the impact resistance characteristics such as strength and surface impact characteristics are insufficient. If the range is exceeded, the effect of improving the affinity between the propylene-based block polymer and the glass fiber is saturated, but if an excessive amount is added, the strength and surface impact characteristics are lowered.
The composition I of the present invention blended at a predetermined ratio has a good balance of rigidity, strength, heat resistance and impact resistance, and is excellent overall.
[0070]
In the composition I, an inorganic filler other than the glass fiber described above can be appropriately blended as an optional component as long as the effects of the present invention are not significantly impaired. Specific examples of inorganic fillers include natural silicates or silicates such as fine powder talc, kaolinite, calcined clay, virophilite, sericite and wollastonite, carbonates such as precipitated calcium carbonate, heavy calcium carbonate and magnesium carbonate. Salt, hydroxide such as aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, oxide such as zinc oxide, zinc white, magnesium oxide, hydrous calcium silicate, hydrous aluminum silicate, hydrous silicic acid, anhydrous silicic acid, synthetic silicic acid or silicate Powdery filler, flake filler such as mica, basic magnesium sulfate whisker, calcium titanate whisker, aluminum borate whisker, sepiolite, PMF (Processed Mineral Fiber), zonotlite, potassium titanate, elastadite Wood, glass balun, fu Such as balloon-shaped fillers such as Lee ash balloon may be employed.
[0071]
In the present invention, talc is preferably used among these inorganic fillers, and talc fine powder having an average particle size of 0.1 to 40 μm is particularly preferably used. The average particle size of talc can be measured by a liquid phase precipitation method. In addition, the inorganic filler used in the present invention, particularly talc, may be untreated or may be surface-treated in advance. Specific examples of the surface treatment include chemical or physical treatment using a treatment agent such as a silane coupling agent, a higher fatty acid, a fatty acid metal salt, an unsaturated organic acid, an organic titanate, a resin acid, or polyethylene glycol. Is mentioned. When talc subjected to such surface treatment is used, a resin composition excellent in weld strength, paintability, and moldability can be obtained.
[0072]
The above inorganic fillers may be used alone or in combination of two or more. Furthermore, in this invention, organic fillers, such as high styrenes and lignin, can also be used together with such an inorganic filler.
The blending amount of the inorganic filler is preferably 1 to 50 parts by weight, more preferably 2 to 40 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the composition I. If the blending amount of the inorganic filler is less than the above range, the reinforcing effect such as rigidity and heat resistance is not sufficient, and if it exceeds the above range, the impact resistance property is lowered and the specific gravity becomes heavy.
[0073]
(V) Description of composition II
The composition II in the propylene-based resin composition of the present invention includes the above-described (a) propylene-based block copolymer, a predetermined amount of (b) glass fiber, (c) unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and (d) Ziegler. Polypropylene resin produced using a catalyst (hereinafter referred to as “Ziegler-type polypropylene”) is blended. Specific examples of the glass fiber that can be used and the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene are the same as those used in the composition I.
[0074]
(D) Explaining Ziegler-type polypropylene, a specific method for preparing a Ziegler-type catalyst is as follows. Titanium tetrachloride is obtained by reducing titanium tetrachloride with an organoaluminum compound and further treating with various electron donors and electron acceptors. Examples thereof include a method of combining a titanium chloride composition and an organoaluminum compound, and a method of preparing a supported catalyst in which titanium tetrachloride and various electron donors are brought into contact with magnesium halide.
[0075]
In the presence of the Ziegler catalyst thus obtained, a production process such as slurry polymerization, gas phase polymerization or liquid phase bulk polymerization is applied to propylene alone, or propylene and ethylene block copolymerized, or propylene and ethylene randomly. The Ziegler-type polypropylene of the present invention can be obtained by copolymerization.
[0076]
Among these, when producing a propylene-ethylene block copolymer, it is preferable from the viewpoint of quality that homopolymerization of propylene is first performed, and then a block copolymer is formed by random copolymerization of propylene and ethylene. Further, this propylene-ethylene block copolymer is a copolymer of three or more components containing other unsaturated compounds such as α-olefins such as 1-butene: vinyl esters such as vinyl acetate and the like within the range not impairing the effects of the present invention. It may be a polymer or a mixture thereof.
[0077]
The MFR (temperature 230 ° C., load 21.18 N) of this Ziegler type polypropylene is preferably 0.01 to 200 g / 10 minutes, and particularly preferably 0.1 to 200 g / 10 minutes.
[0078]
The composition II of the present invention comprises (a) a propylene-based block copolymer in an amount of 38 to 97% by weight, preferably 53 to 96% by weight, and (b) a glass fiber in an amount of 1 to 60% by weight, preferably 1.5 to 40% by weight, (c) 0.1 to 10% by weight of unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, preferably 0.2 to 5% by weight, (d) 1 to 60% by weight of Ziegler type polypropylene, preferably 2 to 45% Contains by weight. The total amount of the propylene block copolymer and the Ziegler polypropylene is preferably 39 to 98% by weight, more preferably 55 to 98% by weight. The total amount of the propylene block copolymer, glass fiber, unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and Ziegler polypropylene is 100% by weight.
[0079]
When the content of the propylene-based block copolymer is less than the above range, impact resistance characteristics such as surface impact characteristics and ductility characteristics are insufficient, and when it exceeds the above range, rigidity, strength, and heat resistance are insufficient.
If the glass fiber content is less than the above range, the rigidity, strength, and heat resistance are insufficient. If the glass fiber content exceeds the above range, the impact resistance and ductility characteristics such as surface impact characteristics are insufficient, and the specific gravity is increased. The product becomes heavier.
If the content of the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene is less than the above range, the affinity between the propylene-based block copolymer and the glass fiber is insufficient, and the impact resistance characteristics such as strength and surface impact characteristics are insufficient. If it exceeds 1, the effect of improving the affinity between the propylene-based block copolymer and the glass fiber is saturated, but if an excessive amount is added, the strength and surface impact characteristics are lowered.
If the total amount of Ziegler-type polypropylene is less than the above range, moldability such as flow characteristics at the time of melting tends to be insufficient, and if it exceeds the above range, rigidity, strength and heat resistance are insufficient.
The composition II of the present invention blended in a predetermined ratio has a good balance of rigidity, strength, heat resistance and impact resistance, is excellent in overall, has good fluidity, and has improved moldability.
[0080]
(Vi) Description of composition III
Composition III in the propylene-based resin composition of the present invention comprises (a) a propylene-based block copolymer, (b) glass fibers and (c) unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and (e) an elastomer. It has been done. Specific examples of the glass fiber and unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene that can be used are the same as those used in the composition I. Examples of the elastomer used include ethylene / α-olefin random copolymer rubber and styrene-containing thermoplastic elastomer.
[0081]
[Ethylene / α-olefin random copolymer rubber]
The content of α-olefin units in the ethylene / α-olefin random copolymer rubber is usually 15 to 70% by weight, preferably 20 to 55% by weight. If the content of the α-olefin unit is too much less than the above range, the impact strength is inferior. On the other hand, if it is too much, not only the rigidity is lowered but also the shape of this elastomer is difficult to hold in the form of pellets. Since production handling during production is significantly reduced, each is unsuitable.
[0082]
Examples of the α-olefin include those having 3 to 20 carbon atoms, specifically, propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-nonene, 1-nonene, Decene, 1-undecene, 1-dodecene and the like can be mentioned. Of these, propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene and 1-octene are preferable.
[0083]
Further, the MFR (230 ° C., load 21.18 N) of the ethylene / α-olefin random copolymer rubber is usually 0.01 to 100 g / 10 minutes, particularly preferably 0.1 to 100 g / 10 minutes. Furthermore, the density is usually 0.85 to 0.90 g / cm.Three, Especially 0.86-0.89g / cmThreeAre preferred.
[0084]
When the MFR is less than 0.01 g / 10 min, sufficient dispersion cannot be obtained at the time of kneading when forming the resin composition, and the impact strength is reduced. On the other hand, when the MFR exceeds 100 g / 10 min, the toughness of the copolymer rubber itself is insufficient, and the impact strength is also lowered. The density is 0.90 g / cmThreeExceeding impact strength is inferior, 0.85g / cmThreeIf it is less than that, it becomes difficult to pelletize itself. These are preferably produced using a vanadium compound-based catalyst described later or a metallocene-based catalyst as disclosed in WO-91 / 04257.
[0085]
Here, the content of α-olefin is determined by infrared spectrum analysis or13It is a value measured according to a conventional method such as C-NMR method. The density is a value measured according to JIS-K7112.
[0086]
The ethylene / α-olefin random copolymer rubber may include, for example, a gas phase fluidized bed method, a solution method, a slurry method, a high pressure polymerization method and the like, and a small amount of, for example, dicyclopentadiene, ethylidene norbornene, and the like. The diene component may be copolymerized.
[0087]
Polymerization catalysts include titanium compounds such as titanium halides, vanadium compounds, organoaluminum-magnesium complexes such as alkylaluminum-magnesium complexes and alkylalkoxyaluminum-magnesium complexes, and organometallic compounds such as alkylaluminum and alkylaluminum chlorides. And so-called Ziegler type catalysts, or metallocene catalysts as shown in WO-91 / 04257. The catalyst referred to as a metallocene catalyst may not contain alumoxane, but is preferably a catalyst in which a metallocene compound and an alumoxane are combined, a so-called Kaminsky catalyst.
[0088]
Various ethylene / α-olefin random copolymer rubbers are commercially available. For example, JSR EP02P, EP07P, EP912P, EP57P or the like as an ethylene / propylene rubber (manufactured by JSR), Tuffmer P0180, P0480, P0680 or the like (manufactured by Mitsui Chemicals), and JSR EBM2041P, EBM2011P, EBM3021P as ethylene / butene rubber (Above, manufactured by JSR), Tuffmer A4085, A4090, A20090, etc. (above, manufactured by Mitsui Chemicals), and other ethylene / α-olefin rubbers such as EG8150, EG8100, EG8200 (above, “Dengage Dow Elastomer” “engage”) ) Etc. are commercially available.
[0089]
[Styrene-containing thermoplastic elastomer]
The styrene-containing thermoplastic elastomer used in the present invention contains a polystyrene part in an amount of 5 to 60% by weight, preferably 10 to 30% by weight. If the polystyrene content is outside the above range, the impact resistance will be insufficient. The MFR (230 ° C., load 21.18N) is 0.01 to 100 g / 10 minutes, preferably 0.1 to 50 g / 10 minutes. When the MFR is out of the above range, the impact resistance is still insufficient.
[0090]
Specific examples of such a styrene-containing thermoplastic elastomer include styrene / ethylene / butylene / styrene block copolymer (SEBS). This is a thermoplastic elastomer composed of polystyrene block units and polyethylene / butylene rubber block units. In such SEBS, polystyrene block units, which are hard segments, form physical crosslinks (domains) and exist as crosslinking points of rubber block units, and the rubber block units existing between the polystyrene block units are soft segments. And has rubber elasticity.
As a segment ratio of SEBS, it is desirable to contain polystyrene units in an amount of 10 to 40 mol%. The content of units derived from styrene is a value measured by a conventional method such as infrared spectrum analysis or 13C-NMR method.
[0091]
The SEBS is specifically obtained by a known method described in, for example, Japanese Patent Publication No. 60-57463. Commercially available products such as Kraton G1650, G1652, G1657 (manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.) and Tuftec (manufactured by Asahi Kasei Co., Ltd.) can be used as such SEBS.
[0092]
SEBS used in the present invention is generally known as a hydrogenated product of SBS (styrene / butadiene / styrene block copolymer), which is a styrene / butadiene block copolymer. In the present invention, SBS and other styrene / conjugated diene copolymers or complete or incomplete hydrides thereof may be used together with SEBS.
[0093]
Specific examples of such styrene / conjugated copolymers include SBR (styrene / butadiene random copolymer), SBS, PS-polyisobutylene block copolymer, SIS (styrene / isobutylene / styrene block copolymer). And SIS hydrogenated product (SEPS). More specifically, Kraton (manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), Calibrex TR (manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), Solbrene (manufactured by Philippe Spectrolipham), Eurobrene SOLT (manufactured by Anitch), and Toughbrene (manufactured by Asahi Kasei) ), Solbrene-T (manufactured by Nippon Elastomer Co., Ltd.), JSRTR (manufactured by JSR Corp.), electrified STR (manufactured by Electrochemical Co., Ltd.), Quintac (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), Kraton G (manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), Tuftec (Asahi Kasei Corporation) Manufactured).
[0094]
In the present invention, the above-mentioned ethylene / α-olefin random copolymer rubber and styrene-containing thermoplastic elastomer may be used alone or in combination as appropriate as the elastomer component.
[0095]
The composition III of the present invention comprises (a) a propylene-based block polymer of 38 to 97% by weight, preferably 53 to 96% by weight, and (b) a glass fiber of 1 to 60% by weight, preferably 1.5 to 40%. % By weight, (c) 0.1 to 10% by weight, preferably 0.2 to 5% by weight of unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, and (e) 1 to 60% by weight, preferably 2 to 45% by weight of elastomer. To do.
In addition, Preferably the total amount of (a) and (e) is 39 to 98 weight%, More preferably, it is 55 to 98 weight%. The total amount of (a), (b), (c) and (e) is 100% by weight.
[0096]
When the content of the propylene-based block copolymer is less than the above range, impact resistance characteristics such as surface impact characteristics and ductility characteristics are insufficient, and when it exceeds the above range, rigidity, strength, and heat resistance are insufficient.
If the glass fiber content is less than the above range, the rigidity, strength, and heat resistance are insufficient. If the glass fiber content exceeds the above range, the impact resistance and ductility characteristics such as surface impact characteristics are insufficient, and the specific gravity is increased. The product becomes heavier.
If the content of the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene is less than the above range, the affinity between the propylene-based block copolymer and the glass fiber is insufficient, and the impact resistance characteristics such as strength and surface impact characteristics are insufficient. If it exceeds 1, the effect of improving the affinity between the propylene-based block copolymer and the glass fiber is saturated, but if an excessive amount is added, the strength and surface impact characteristics are lowered.
If the total amount of elastomer is less than the above range, impact resistance characteristics such as surface impact characteristics and low temperature impact characteristics tend to be insufficient, and if it exceeds the above range, rigidity, strength and heat resistance are insufficient.
The composition III of the present invention blended at a predetermined ratio has a good balance of rigidity, strength, heat resistance and impact resistance, and is excellent overall, and particularly has improved surface impact characteristics and low temperature impact characteristics.
[0097]
(Vii) Other ingredients
In addition to the essential components described above, the compositions I, II, and III of the present invention are blended with a polyethylene resin as an optional component within a range that does not significantly impair the effects of the present invention, or for further improving the performance. You can also.
Examples of the polyethylene resin include those polymerized by slurry, gas phase, solution, high-pressure ion, high-pressure radical polymerization method or the like using Ziegler, chromium, metallocene catalyst or the like.
[0098]
The polyethylene resin may be an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer, and among these, MFR (190 ° C., load 21.18 N) is 0.1 to 200 g / 10 min. The density is 0.90 to 0.97 g / cmThreeAre preferred. In the case of an ethylene / α-olefin copolymer, specific examples of the α-olefin contained include propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-nonene, 1- Decene, 1-undecene, 1-dodecene and the like can be mentioned. The content of α-olefin units in the ethylene / α-olefin copolymer is 0 to 15 mol%. Specific examples of such polyethylene include high density polyethylene, linear low density polyethylene, and low density polyethylene.
[0099]
The content of the polyethylene resin is preferably 1 to 87 parts by weight, more preferably 1 to 40 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the compositions I to III of the present invention. In the present invention, by adding such a polyethylene resin, it is possible to improve impact resistance while suppressing a decrease in rigidity.
[0100]
As other optional components, pigments for coloring, antioxidants such as phenols, sulfurs and phosphoruss, antistatic agents, light stabilizers such as hindered amines, various nucleating agents such as ultraviolet absorbers, aluminum oxide and talc, List compounding materials such as dispersants, neutralizers, foaming agents, copper damage inhibitors, lubricants, flame retardants, various resins other than the above propylene-based block copolymers and elastomers, and various rubber components such as polybutadiene and polyisoprene. Can do. Of these, for example, the blending of various nucleating agents and various rubbers is effective for improving the balance of physical properties such as rigidity and impact strength and the dimensional stability. For example, the blending of hindered amine stabilizers improves the weather resistance and durability. It is effective for.
[0101]
(Viii) Manufacturing method of resin composition
The method for producing the propylene-based resin composition of the present invention is not particularly limited, and the propylene-based resin composition can be produced by blending the above-described blending components into a propylene-based block copolymer by a conventionally known method, and mixing and melt-kneading. For example, the essential components described above, (a) a propylene-based block copolymer, (b) glass fiber, (c) an unsaturated carboxylic acid modified polypropylene, and optionally (d) a Ziegler-type polypropylene, or (e) an elastomer and The optional ingredients used as necessary are blended in the above blending ratio and kneaded using a normal kneader such as a single screw extruder, twin screw extruder, Banbury mixer, roll mixer, Brabender plastograph, kneader, etc. -The propylene-type resin composition of this invention is obtained by granulating.
[0102]
In this case, it is preferable to select a kneading and granulating method capable of improving the dispersion of each component, and it is usually performed using a twin-screw extruder. In this kneading and granulation, the above-mentioned components may be kneaded at the same time, and each component may be divided and kneaded in order to improve performance, that is, for example, first a propylene block copolymer and A method of kneading a part or all of the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene with Ziegler-type polypropylene or elastomer and then kneading and granulating the remaining components and glass fibers can also be employed. In particular, glass fibers are mixed when propylene-based block copolymers are in the form of pellets, and if they are melted and kneaded, the glass fibers break and the fiber length becomes shorter. After the components are melted, it is preferable to supply from the holes provided in the middle of the kneader (particularly the twin screw extruder), that is, side feed.
[0103]
(Ix) Use of propylene-based resin composition
The propylene-based resin composition of the present invention thus obtained can be used for molding by various known methods. For example, various types of molding by molding by injection molding (including gas injection molding), injection compression molding (press injection), extrusion molding, hollow molding, calendar molding, inflation molding, uniaxially stretched film molding, biaxially stretched film molding, etc. Goods can be obtained. Of these, injection molding and injection compression molding are more preferable.
[0104]
Injection molded products, injection compression molded products, hollow molded products, and extrusion molded products obtained by molding the propylene resin composition of the present invention by the above molding method have a high balance of physical properties in rigidity, impact resistance, and heat resistance. Because it has various industrial parts fields, especially various thinned, highly functional, large-sized molded products such as bumpers, instrument panels, trims, garnishes, etc., TV cases, washing machine tanks, air conditioners As a molding material for various industrial parts such as home appliance parts such as parts and vacuum cleaner parts, it has sufficient performance for practical use.
[0105]
【Example】
The following examples are intended to illustrate the present invention more specifically. The present invention is not limited by these examples without departing from the gist thereof. The following catalyst synthesis step and polymerization step were all performed in a purified nitrogen atmosphere. The solvent used was dehydrated with molecular sieve MS-4A. Hereinafter, a method and an apparatus for measuring each physical property value in the present invention are shown below.
[0106]
(1) MFR (unit: g / 10 minutes)
Equipment Melt indexer manufactured by Takara
JIS-K6921, temperature 230 ° C., load 21.18 N). In the case of polyethylene resin, the measurement was performed according to JIS-K6922 (temperature 190 ° C., load 21.18 N).
(2) Propylene content in a portion insoluble in ODCB at 100 ° C
It calculated | required from the infrared absorption spectrum of the component insoluble in ODCB of 100 degreeC collect | recovered according to the above-mentioned method.
(3) Ethylene content of EP (G), ethylene content of amorphous part in EP (E), EP content in the entire propylene block copolymer
Measurement was performed according to the method described above.
[0107]
(4) Melting point
Using a DSC7 differential scanning calorimeter manufactured by Perkin Elmer, Inc., the sample was heated from room temperature to 230 ° C. under the condition of 80 ° C./minute, held at that temperature for 10 minutes, and then at −10 ° C./minute. The temperature was lowered to 50 ° C., held at the same temperature for 3 minutes, and then the peak temperature when melted under a temperature rising condition of 10 ° C./min was taken as the melting point.
(5) Flexural modulus (FM) (Unit: MPa)
It measured at 23 degreeC based on JIS-K7203. The dimension of the molded product was 90 × 10 × 4 mm.
(6) Izod (IZOD) impact strength (unit: kJ / m)2)
In accordance with JIS-K7110-30 ° CMeasured with
[0108]
(7) Deflection temperature under load (unit: ° C)
4.6 kgf / cm according to JIS-K72072It measured on condition of this. However, as a test piece condition adjustment before measurement, after molding, an operation of annealing at 100 ° C. for 30 minutes and cooling to room temperature is performed.
(8) Gloss (Unit:%)
It measured at 23 degreeC based on JIS-K7105.
[0109]
<Polymerization of propylene block copolymer>
Polymerization Example 1 (Production of PP-1)
[Complex synthesis]
(1) Synthesis of dichloro {1,1′-dimethylsilylenebis [2-ethyl-4- (2-fluoro-4-biphenyl) -4H-azurenyl]} hafnium:
(A) synthesis of racemic / meso mixtures;
2-Fluoro-4-bromobiphenyl (4.63 g, 18.5 mmol) was dissolved in a mixed solvent of diethyl ether (40 mL) and hexane (40 mL), and a pentane solution of t-butyllithium (22.8 mL, 36.9 mmol, 1.62N) was added dropwise at −78 ° C., and the mixture was stirred at −5 ° C. for 2 hours. To this solution was added 2-ethylazulene (2.36 g, 16.6 mmol), and the mixture was stirred at room temperature for 1.5 hours. Cool to 0 ° C. and add tetrahydrofuran (40 mL). N-methylimidazole (40 μL) and dimethyldichlorosilane (1.0 mL, 8.30 mmol) were added, the temperature was raised to room temperature, and the mixture was stirred at room temperature for 1 hour. After this, dilute hydrochloric acid was added and the layers were separated, and then the organic phase was dried over magnesium sulfate. The solvent was distilled off under reduced pressure to obtain dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (2-fluoro-4-biphenylyl) -1, A crude product (6.3 g) of 4-dihydroazulene) was obtained.
[0110]
Next, the crude product obtained above was dissolved in diethyl ether (23 mL), and a hexane solution of n-butyllithium (10.3 mL, 16.6 mmol, 1.56 mol / L) was added dropwise at -78 ° C. The temperature was gradually raised and the mixture was stirred at room temperature for 2 hours. Furthermore, toluene (185 mL) was added, and the mixture was cooled to −78 ° C., hafnium tetrachloride (2.65 g, 8.3 mmol) was added, the temperature was gradually raised, and the mixture was stirred overnight at room temperature. Most of the solvent was distilled off from the resulting slurry solution under reduced pressure, and after filtration, washing with toluene (4 mL), hexane (9 mL), ethanol (20 mL), hexane (10 mL), dichloro {1,1 ′ A racemic meso mixture (1.22 mg, 16% yield) of -dimethylsilylenebis [2-ethyl-4- (2-fluoro-4-biphenylyl) -4H-azurenyl]} hafnium was obtained.
[0111]
(B) purification of the racemate;
The crude product (1.1 g) of the racemic / meso mixture obtained above was suspended in dichloromethane (30 mL) and subjected to 30 spectroscopic irradiation using a high-pressure mercury lamp (100 W). The solvent was distilled off from this solution under reduced pressure. Dichloromethane (40 mL) was added to the obtained solid, suspended, and filtered. After washing with hexane (3 mL) and drying under reduced pressure, a racemic purified product (577 mg, 52%) was obtained.
1H-NMR (300 MHz, CDClThree) Δ 1.02 (s, 6H, SiMe)2), 1.08 (t, J = 8 Hz, 6H, CHThreeCH2), 2.54 (sept, J = 8 Hz, 2H, CHThreeCH2), 2.70 (sept, J = 8 Hz, 2H, CHThreeCH2), 5.07 (brs, 2H, 4-H), 5.85-6.10 (m, 8H), 6.83 (d, J = 12 Hz, 2H), 7.30-7.6 (m , 16H, arom).
[0112]
[Chemical treatment of ion-exchange layered silicate]
Into a 5 L separable flask equipped with a stirring blade and a reflux apparatus, 500 g of ion-exchanged water is added, and 249 g (5.93 mol) of lithium hydroxide monohydrate is further added and stirred.
Separately, 581 g (5.93 mol) of sulfuric acid is diluted with 500 g of ion-exchanged water and added dropwise to the lithium hydroxide aqueous solution using a dropping funnel. At this time, a part of the sulfuric acid is consumed in the neutralization reaction to form a lithium sulfate salt in the system, and when the sulfuric acid becomes excessive, it becomes an acidic solution.
Further, 350 g of commercially available granulated montmorillonite (Mizusawa Chemical Co., Ltd., Benclay SL, average particle size: 28.0 μm) was added and stirred. Thereafter, the temperature is raised to 108 ° C. over 30 minutes and maintained for 150 minutes. Then, it cooled to 50 degreeC over 1 hour. This slurry was filtered under reduced pressure using an apparatus in which an aspirator was connected to Nutsche and a suction bottle. The cake was collected, 5.0 L of pure water was added to reslurry, and filtration was performed. This operation was repeated four more times. All filtrations were completed in less than a few minutes. The pH of the final washing liquid (filtrate) was 5.
The collected cake was dried at 110 ° C. overnight under a nitrogen atmosphere. As a result, 275 g of a chemically treated product was obtained. As a result of compositional analysis by fluorescent X-ray, the molar ratio of the constituent elements to silicon as the main component was Al / Si = 0.21, Mg / Si = 0.046, and Fe / Si = 0.022. .
[0113]
[Catalyst Preparation / Prepolymerization]
The following operations were carried out under inert gas using deoxygenated and dehydrated solvents and monomers. The chemically treated ion-exchangeable layered silicate granule produced previously was dried under reduced pressure at 200 ° C. for 4 hours.
200 g of the chemically treated montmorillonite obtained above was introduced into an autoclave having an internal volume of 10 L, and 1160 mL of heptane, and further 840 mL (0.5 mol) of a heptane solution of triethylaluminum (0.6 mmol / mL) were added over 30 minutes. For 1 hour. Thereafter, the slurry was settled down, 1300 mL of the supernatant was extracted, washed twice with 2600 mL of heptane, and finally adjusted by adding heptane so that the total amount of heptane became 1200 mL.
Next, 5.93 g (6 mol) of dimethylsilylenebis (2-ethyl-4- (2-fluoro-4-biphenyl) -4H-azulenyl) hafnium dichloride and 516 mL of heptane and 516 mL of heptane were charged into a 2 L flask, 84 mL (11.8 g) of a heptane solution of triisobutylaluminum (140 mg / mL) was added at room temperature and stirred for 60 minutes.
Subsequently, the solution was introduced into the montmorillonite slurry previously prepared in the autoclave, stirred for 60 minutes, and heptane was further introduced until the total volume reached 5 L, and the temperature was maintained at 30 ° C.
Propylene was introduced there at a constant speed of 100 g / hr at 40 ° C. for 4 hours and then maintained at 50 ° C. for 2 hours. The prepolymerized catalyst slurry was collected with a siphon, and after removing the supernatant, it was dried at 40 ° C. under reduced pressure. By this operation, a prepolymerized catalyst containing 2.0 g of polypropylene per 1 g of catalyst was obtained.
[0114]
[Polymerization / Production of propylene-based block copolymer]
After introducing 400 mg of triisobutylaluminum, 150 NmL of hydrogen, and 750 g of propylene into a well-dried 3 L autoclave with a stirring blade, the temperature in the polymerization tank was kept at 65 ° C., and the prepolymerized catalyst obtained above was converted to 55 mg in terms of solid catalyst component. Was injected to start bulk polymerization of propylene (preliminary polymerization). During the polymerization, the temperature was kept at 65 ° C., and hydrogen was continuously introduced at a rate of 250 NmL / hr so that the hydrogen concentration in the gas phase portion in the polymerization system became constant.
After 1 hour, unreacted monomer was purged and subsequently replaced with nitrogen gas. Further, a gas mixture of propylene-ethylene copolymer component (EP) was introduced by introducing a mixed gas of propylene and ethylene so that the molar fraction of ethylene was 70 mol% and the total pressure of the polymerization tank was 1.8 MPa. Polymerization was started (second-stage polymerization). During the polymerization, by introducing a propylene / ethylene mixed gas having a composition of 50 mol% of ethylene so as to be equal to the composition of ethylene in the EP to be produced, the mixed gas composition in the polymerization tank is the mole fraction of ethylene. 60 mol% was maintained. During the polymerization, the temperature in the tank was kept at 65 ° C., and a mixed gas was introduced so as to maintain the total pressure at 1.8 MPa. After 45 minutes, unreacted monomers were purged and the autoclave was released to recover the reacted polymer.
[0115]
IRGANOX1010 (Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.) 0.10% by weight, IRGAFOS168 (Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.) 0 as a blending component with respect to 100 parts by weight of the obtained powdery propylene block copolymer .10% by weight, calcium stearate 0.05% by weight, kneaded and granulated with a single screw extruder, pellet-shaped propylene block copolymer (PP-1)
[0116]
Polymerization Example 2 (Production of PP-2)
After introducing 400 mg of triisobutylaluminum, 60 NmL of hydrogen, and 750 g of propylene into a well-dried 3 L autoclave with a stirring blade, the temperature in the polymerization tank was maintained at 65 ° C., and the prepolymerized catalyst used in Polymerization Example 1 was converted into a solid catalyst component. 55 mg was injected to start bulk polymerization of propylene. During the polymerization, the temperature was kept at 65 ° C., and hydrogen was continuously introduced at a rate of 100 NmL / hr so that the hydrogen concentration in the gas phase portion in the polymerization system became constant. After 1 hour, unreacted monomer was purged and subsequently replaced with nitrogen gas.
Further, a gas mixture of propylene and ethylene was introduced so that the molar fraction of ethylene was 85 mol% and the total pressure of the polymerization tank was 1.8 MPa, and vapor phase polymerization of EP was started. During polymerization, by introducing a mixed gas having a composition of 70 mol% of ethylene so as to be equal to the composition of ethylene in the produced EP, the mixed gas composition in the polymerization tank is reduced to 85 mol% in terms of the mole fraction of ethylene. Kept. During the polymerization, the temperature in the tank was kept at 65 ° C., and a mixed gas was introduced so as to maintain the total pressure at 1.8 MPa. After 45 minutes, unreacted monomers were purged and the autoclave was released to recover the reacted polymer.
Hereinafter, the propylene block copolymer (PP-2)
[0117]
Polymerization Example 3 (Production of PP-3)
After introducing 400 mg of triisobutylaluminum, 300 NmL of hydrogen, and 750 g of propylene into a well-dried autoclave with 3 L stirring blades, the temperature in the polymerization tank was kept at 65 ° C., and the prepolymerized catalyst used in Polymerization Example 1 was converted into a solid catalyst component. 55 mg was injected to start bulk polymerization of propylene. During the polymerization, the temperature was kept at 65 ° C., and hydrogen was continuously introduced at a rate of 300 NmL / hr so that the hydrogen concentration in the gas phase portion in the polymerization system became constant.
After 1 hour, unreacted monomer was purged and subsequently replaced with nitrogen gas. Further, a gas mixture of propylene and ethylene was introduced so that the molar fraction of ethylene was 95 mol% and the total pressure of the polymerization tank was 1.8 MPa, and vapor phase polymerization of EP was started. During the polymerization, by introducing a mixed gas having a composition of 90 mol% of ethylene so as to be equal to the composition of ethylene in the produced EP, the mixed gas composition in the polymerization tank is reduced to 95 mol% in terms of the molar fraction of ethylene. Kept. During the polymerization, the temperature in the tank was kept at 65 ° C., and a mixed gas was introduced so as to maintain the total pressure at 1.8 MPa. After 45 minutes, unreacted monomers were purged and the autoclave was released to recover the reacted polymer.
Hereinafter, the propylene block copolymer (PP-3)
[0118]
Polymerization Example 4 (Production of PP-4)
After introducing 400 mg of triisobutylaluminum, 90 NmL of hydrogen, and 750 g of propylene into a well-dried 3 L autoclave with a stirring blade, the temperature in the polymerization tank was kept at 65 ° C., and the prepolymerized catalyst used in Polymerization Example 1 was converted into a solid catalyst component. 55 mg was injected to start bulk polymerization of propylene. During the polymerization, the temperature was kept at 65 ° C., and hydrogen was continuously introduced at a rate of 100 NmL / hr so that the hydrogen concentration in the gas phase portion in the polymerization system became constant.
After 1 hour, unreacted monomer was purged and subsequently replaced with nitrogen gas. Further, a gas mixture of propylene and ethylene was introduced so that the molar fraction of ethylene was 45 mol% and the total pressure of the polymerization tank was 1.8 MPa, and vapor phase polymerization of EP was started. During the polymerization, by introducing a mixed gas having a composition of 20 mol% of ethylene so as to be equal to the composition of ethylene in the produced EP, the mixed gas composition in the polymerization tank is reduced to 45 mol% in terms of mole fraction of ethylene. Kept. During the polymerization, the temperature in the tank was kept at 65 ° C., and a mixed gas was introduced so as to maintain the total pressure at 1.8 MPa. After 20 minutes, unreacted monomers were purged, and the autoclave was released to recover the reacted polymer.
Hereinafter, the propylene block copolymer (PP-4)
[0119]
Polymerization Example 5 (Production of PP-5)
Vacuum stirrer, 3L-round bottom four-necked flask equipped with thermometer, Mg (OEt)2: 2.0 mol charged, then Ti (OBu)FourWas charged Mg (OEt)2Ti (OBu) against magnesium inFour/Mg=0.6 (molar ratio) was charged, and the temperature was raised while stirring at 200 rpm.
After reacting at 150 ° C. for 2.0 hours, the temperature was lowered to 120 ° C., and Si (OPh)FourMg (OEt) charged with toluene solution2Si (OPh) against magnesium inFour/Mg=0.5 (molar ratio). After completion of the addition, the reaction was carried out at the same temperature for 1.0 hour. After completion of the reaction, the temperature was lowered to room temperature, and then Si (OEt)FourWas charged Mg (OEt)2Si (OEt) against magnesium inFour/Mg=0.2 (molar ratio) was added to obtain a Ti / Mg contact product slurry.
[0120]
The total amount of the slurry obtained here was transferred to an induction stirring type 10 L-autoclave equipped with a cooling / heating jacket, and then diluted with toluene so that [Mg] = 0.486 mol / L / toluene. The slurry was cooled to −10 ° C. while stirring at 300 rpm, and diethyl phthalate was charged with Mg (OEt).2It added so that it might become diethyl phthalate / Mg = 0.1 (molar ratio) with respect to magnesium in. Subsequently, TiClFourWas charged Mg (OEt)2TiCl for magnesium inFour/Mg=4.0 (molar ratio) was added dropwise over 1.0 hour to obtain a uniform solution. At this time, the phenomenon that the viscosity of the liquid increased to become a gel did not occur.
[0121]
The obtained uniform solution was heated to 15 ° C. at 0.5 ° C./min and held at the same temperature for 1 hour. Next, the temperature was raised again to 50 ° C. at 0.5 ° C./min and held at 50 ° C. for 1 hour. Furthermore, it heated up to 117 degreeC at 1.0 degree-C / min, and processed at the same temperature for 1 hour. After completion of the treatment, heating / stirring was stopped and the supernatant liquid was removed, followed by washing with toluene so that the residual liquid ratio = 1/50 to obtain a solid slurry.
Next, the amount of toluene in the obtained solid slurry was changed to TiCl.FourThe concentration is adjusted to 2.0 mol / L · toluene and TiCl is adjusted at room temperature.FourFirst prepared Mg (OEt)2TiCl for magnesium inFour/Mg=5.0 (molar ratio) was added. The slurry was heated while being stirred at 300 rpm, and reacted at 117 ° C. for 1 hour.
[0122]
After completion of the reaction, heating / stirring was stopped, and the supernatant liquid was removed, followed by washing with toluene so that the residual liquid ratio = 1/150 to obtain a toluene slurry of Ti / Mg contact product. The total amount of the solid slurry obtained here was transferred to a reaction vessel having a three-way receding blade having an inner diameter of 660 mm and a straight body portion of 770 mm, diluted with n-hexane, and a concentration of Ti / Mg contact product of 3 g / L It was made to become. While stirring this slurry at 300 rpm, at 25 ° C., triethylaluminum was added so that triethylaluminum / Ti · Mg contact product = 3.44 mmol / g, and t-butylethyldimethoxysilane was further added. t-Butylethyldimethoxysilane / Ti · Mg contact product = 1.44 mmol / g was added. After completion of the addition, the mixture was kept at 25 ° C. for 30 minutes with continuous stirring.
[0123]
Next, propylene gas was fed to the liquid phase at a constant speed over 72 minutes. After stopping the propylene gas feed, the slurry was washed with n-hexane by a sedimentation washing method to obtain a slurry of the solid catalyst component (A) with a residual liquid ratio = 1/12. The obtained solid catalyst component (A) contained 2.7 g of a propylene polymer per 1 g of the Ti / Mg contact product.
[0124]
After introducing 550 mg of triethylaluminum, 3000 NmL of hydrogen, and 750 g of propylene into a well-dried 3 L autoclave with stirring blades, the temperature in the polymerization vessel was kept at 70 ° C. Press-fitted to initiate bulk polymerization of propylene. The temperature was kept at 70 ° C. during the polymerization. After one hour, unreacted monomer was purged and subsequently replaced with nitrogen gas. Further, a gas mixture of propylene and ethylene was introduced so that the molar fraction of ethylene was 25 mol% and the total pressure of the polymerization tank was 1.8 MPa, and EP gas phase polymerization was started. During the polymerization, by introducing a propylene / ethylene mixed gas of 45 mol% ethylene so as to be equal to the ethylene composition in the produced EP, the mixed gas composition in the polymerization tank is 25 mol% in terms of ethylene mole fraction. Kept. Further, the temperature in the tank during polymerization was kept at 75 ° C., and a mixed gas was introduced so that the total pressure was maintained at 1.8 MPa. After 45 minutes, unreacted monomers were purged, and the autoclave was opened to recover the reacted polymer.
Hereinafter, the propylene block copolymer (PP-50)
[0125]
Polymerization Example 6 (Production of PP-6)
[Synthesis of complexes]
(R) -Dimethylsilylenebis (2-methyl-4-phenylindenyl) zirconium dichloride was synthesized according to the method described in Organometallics 13,964 (1994).
[Catalyst synthesis]
To a glass reactor with a stirring blade with an internal volume of 0.5 L, MAO ON SiO manufactured by WITCO2 2.4 g (20.7 mmol-Al) was added, 50 mL of n-heptane was introduced, and (r) -dimethylsilylenebis (2-methyl-4-phenylindenyl) zirconium dichloride solution previously diluted in toluene20. 0 mL (0.0637 mmol) was added, followed by 4.14 mL (3.03 mmol) of triisobutylaluminum (TIBA) / n-heptane solution. After reacting at room temperature for 2 hours, propylene was allowed to flow to carry out prepolymerization. By this operation, a prepolymerized catalyst containing 1.3 g of polypropylene per 1 g of catalyst was obtained.
[polymerization]
In place of the catalyst used in Polymerization Example 1, 100 mg of the pre-polymerized catalyst synthesized above was introduced in terms of solid catalyst component, the mixed gas composition introduced at the start of polymerization in EP polymerization was changed to 30 mol%, and even during polymerization, 30 mol of ethylene was introduced. Polymerization was carried out in the same manner as in Polymerization Example 1 except that% mixed gas was introduced.
[0126]
Polymerization Example 7 (Production of PP-7)
Polymerization similar to that of Polymerization Example 1 except that in the previous step (Propylene bulk polymerization) of Polymerization Example 2, 4.75 g of ethylene (corresponding to 0.63% by weight of the raw material composition) was introduced for copolymerization. I did it. Hereinafter, the propylene block copolymer (PP-7)
[0127]
Polymerization Example 8 (Production of PP-8)
After introducing 550 mg of triethylaluminum, 3000 NmL of hydrogen, and 750 g of propylene into a well-dried 3 L autoclave with a stirring blade, the temperature in the polymerization vessel was kept at 70 ° C., and the prepolymerized catalyst obtained in Polymerization Example 5 was converted into a solid catalyst component 10 mg was injected and bulk polymerization of propylene was started. The temperature was kept at 70 ° C. during the polymerization. After one hour, unreacted monomer was purged and subsequently replaced with nitrogen gas. Further, a gas mixture of propylene and ethylene was introduced so that the mole fraction of ethylene was 30 mol% and the total pressure of the polymerization tank was 1.8 MPa, and EP gas phase polymerization was started. During the polymerization, by introducing a propylene / ethylene mixed gas of 55 mol% ethylene so as to be equal to the ethylene composition in the EP produced, the mixed gas composition in the polymerization tank is 30 mol% in terms of the ethylene mole fraction. Kept. Further, the temperature in the tank during polymerization was kept at 75 ° C., and a mixed gas was introduced so that the total pressure was maintained at 1.8 MPa. After 30 minutes, unreacted monomers were purged, and the autoclave was opened to recover the reacted polymer.
Hereinafter, the propylene block copolymer (PP-8)
[0128]
Various propylene-based block copolymers (PP-1) to (PP-8) manufactured as described above, and commercially available propylene-based block copolymers manufactured using a Ziegler-Natta catalyst (Novatech PP BC7, Nippon Polychem Co., Ltd. (hereinafter referred to as PP-9) was introduced into an injection molding machine heated at a mold temperature of 40 ° C. and a cylinder temperature of 220 ° C., and a test piece was molded by injection molding. About the obtained injection-molded piece, the bending elastic modulus, IZOD impact strength, gloss, and deflection temperature under load were measured by the method described above. The characteristics of (PP-1) to (PP-9) are shown in Table 1.
[0129]
<Production of composition of propylene-based block copolymer and glass fiber>
(1) Compounding of resin components
Propylene resin compositions were produced using propylene block copolymers (PP-1) to (PP-9). A chopped strand (CS03JAFT110, manufactured by Asahi Fiber Glass Co., Ltd.) having a fiber diameter of 10 μm was used as the glass fiber to be blended with the propylene-based block copolymer. In addition, maleated PP (manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd., Umex 1001) was used as the unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene. Furthermore, an ethylene / propylene copolymer (manufactured by JSR, EP02P, MFR (230 ° C., load 21.18 N) 3 g / 10 min) was used as the elastomer.
Moreover, Novatec PP BC06C (manufactured by Nippon Polychem Co., Ltd.) was used as the polypropylene based on the Ziegler catalyst added as an optional component in Example 3. In Table 2, it was abbreviated as PP-10.
[0130]
These propylene resins and blending components were blended in the blending ratios (% by weight) shown in Table 2, and kneaded and granulated with a twin screw extruder to obtain a pellet-shaped resin composition. The glass fiber was introduced by side feed from the middle of the twin screw extruder.
[0131]
(2) Molding of test piece
The obtained composition was introduced into an injection molding machine heated at a mold temperature of 40 ° C. and a cylinder temperature of 220 ° C., and a test piece was molded by injection molding. About the obtained injection molded piece, the bending elastic modulus, the IZOD impact strength, and the deflection temperature under load were measured by the method described above. The results are shown in Table 2.
[0132]
[Table 1]
[0133]
[Table 2]
[0134]
The propylene-based resin compositions shown in Examples 1 to 4 have an excellent balance between flexural modulus and IZOD impact strength. If the IZOD impact strength is the same level, the flexural modulus is higher and the balance is excellent. I understand. Furthermore, the deflection temperature under load shows a high value.
On the other hand, in Comparative Examples 1 to 5, the propylene-based block copolymer is outside the present invention, and the balance between the flexural modulus and the IZOD impact strength is not sufficient.
Comparative Examples 1 to 3 and 5 are inferior in flexural modulus and deflection temperature under load, while having the same IZOD impact strength as in Examples 1 and 4.
Comparative Example 4 is inferior in IZOD impact strength and deflection temperature under load compared with Example 2 while having the same flexural modulus.
[0135]
【The invention's effect】
It has an excellent balance of mechanical strength (particularly rigidity, impact resistance and heat resistance), and is very useful industrially as a molding material for injection molding, compression injection molding, extrusion molding, and the like. In particular, the improvement in the balance between low-temperature impact characteristics and rigidity can reduce the thickness and weight of parts in industrial parts such as automobile parts. It can contribute to saving energy resources and protecting the global environment, and its industrial value is extremely high.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a conceptual diagram of CFC-FT-IR.
FIG. 2 shows an example of a differential molecular weight distribution curve of fraction 1 (component eluted at 40 ° C. or lower).
[Explanation of symbols]
CFC-FT-IR represents a combined system of a cross fractionator and Fourier transform infrared absorption spectrum analysis.
Claims (4)
(1)メルトフローレート(MFR)が、0.1〜150g/10分である。
(2)100℃のオルトジクロルベンゼンに不溶、かつ140℃のオルトジクロルベンゼンに可溶な成分のプロピレン含有量が、99.5重量%以上である。
(3)プロピレン系ブロック共重合体中のプロピレン−エチレン共重合体成分(EP)の含有量が、5〜50重量%である。
(4)EPのエチレン含有量(G)が、10〜90重量%である。
(5)EPのエチレン含有量(G)と、EPのうちW40×A40/B40で表示される成分(ここで、W40は40℃のオルトジクロルベンゼンに可溶な部分(重量%)、A40はW40部分の平均エチレン含有量(重量%)、B40はW40部分のEPのエチレン含有量(重量%)である)のエチレン含有量(E)との間に、関係式(I)が成り立つ。
G≧E≧−4.5×10-3×G2 + 1.3×G − 7.0 (I)
(6)当該ブロック共重合体の融点が157℃以上である。(A) Using the metallocene catalyst , the raw material composition supplied in the pre-stage of producing the propylene polymer component (PP) and the steady state of the polymerization, the composition of the propylene-ethylene copolymer component (EP) to be produced as to be equal, propylene - obtained by the latter step of producing the ethylene copolymer component (EP), the following requirements (1) to the propylene block copolymer 38 to 98 wt% satisfying (6), ( b) 1 to 60% by weight of glass fiber, and (c) 0.1 to 10% by weight of unsaturated carboxylic acid-modified polypropylene, comprising a propylene-based resin composition.
(1) The melt flow rate (MFR) is 0.1 to 150 g / 10 minutes.
(2) The propylene content of a component that is insoluble in orthodichlorobenzene at 100 ° C. and soluble in orthodichlorobenzene at 140 ° C. is 99.5% by weight or more.
(3) The content of the propylene-ethylene copolymer component (EP) in the propylene-based block copolymer is 5 to 50% by weight.
(4) The ethylene content (G) of EP is 10 to 90% by weight.
(5) The ethylene content (G) of EP and the component expressed by W 40 × A 40 / B 40 in EP (W 40 is a portion soluble in orthodichlorobenzene at 40 ° C. (weight) %), the average ethylene content of the a 40 is W 40 parts (wt%), B 40 between the ethylene content of the ethylene content of EP of W 40 parts (by weight%)) (E), Relational expression (I) holds.
G ≧ E ≧ −4.5 × 10 −3 × G 2 + 1.3 × G −7.0 (I)
(6) The melting point of the block copolymer is 157 ° C or higher.
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