JP3945770B2 - 浮遊微粒子分析方法及びそれに用いられる浮遊微粒子捕集装置 - Google Patents

浮遊微粒子分析方法及びそれに用いられる浮遊微粒子捕集装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中等に浮遊する固体又は液体の浮遊微粒子を容易に捕集し、捕集された浮遊微粒子の個々の形状や大きさ、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離を測定することができる浮遊微粒子分析方法及びそれに用いられる浮遊微粒子捕集装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大気汚染の原因となる物質としては、炭酸ガスやNOx、SOx等のガス状化学物質が重視されてきたが、これらは基本的に大気中の濃度の平均値として把握されてきた。また、大気汚染の原因となる他の物質としては煤塵や粉塵等のガス状でない物質もあり、これらも捕集された後分析され大気中の濃度の平均値として測定されてきた。しかし、酸性雨の例を考えても、実際は雨になる以前のミストの状態が最もpHが低い。
なお、生態に影響を与える汚染物質は、上述した酸性のミストやシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の揮発性化学物質等の化学物質を含む微量な液体の浮遊微粒子か、海塩粒子や黄砂、金属系酸化物、花粉、塵埃等の固体の浮遊微粒子であることが多い。したがって、大気中に浮遊している浮遊微粒子の個々の大きさや形状、或いは含まれる化学物質の成分の性質を測定して検知することが極めて重要である。しかしながら、従来、このような大気中に浮遊している液体又は固体の浮遊微粒子の個々の大きさや形状或いは性質等を測定し分析して、その大気中のある平面における二次元分布や粒径分布、またその二次元分布や粒径分布の時間的な変化を簡便に求める手法が確立されていなかった。
個々の浮遊微粒子を対象とする従来の分析方法としては、大きく分けて、大気等の雰囲気中に浮遊する微粒子を一旦フィルタ等に捕集し、捕集された個々の微粒子を分析する方法と、大気等の雰囲気中に浮遊する浮遊微粒子を浮遊状態のままで連続的に分析する方法とがある。浮遊する微粒子を一旦フィルタ等に捕集して分析する分析方法としては、雰囲気中に浮遊する微粒子を一旦フィルタ等に捕集し、捕集された個々の微粒子をX線マイクロアナリシスや発光分光分析、二次イオン質量分析法、レーザマイクロプローブ質量分析法等が用いられる。発光分光分析により分析を行う場合には、フィルタ等に捕集された個々の浮遊微粒子を順次取り出してプラズマ発光させ、その強度および発光波長に基づいて大きさおよび成分を測定すると共に、その取り出し回数から粒子数を算出している。
これに対し、大気等の雰囲気中に浮遊する浮遊微粒子を浮遊状態のままで連続的に分析する分析方法としては、例えば、大気等の雰囲気中に浮遊する個々の浮遊微粒子をイオン化加熱源に衝突させ、この衝突により生じたイオン群を質量分析計に導入して分析する方法が知られている。また、雰囲気中にある浮遊微粒子をキャピラリやノズル等を介して真空中に引き込むと共に、引き込まれた個々の浮遊微粒子をエキシマレーザで励起させてレーザ脱離によりイオン化し、イオン化された浮遊微粒子の粒径や成分を飛行時間型質量分析計により分析する方法や、雰囲気中に浮遊する浮遊微粒子を高周波誘導結合プラズマにより分解、励起及びイオン化し、イオン化された浮遊微粒子の成分を四重極質量分析計等により分析する方法が知られている。また、1〜100nm程度の粒径を有するnm粒子やクラスタ等の微粒子について、その粒径や粒子数、成分等を定量的に求める分析方法も考案され、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−288602号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)上述した従来の分析方法では、いずれも浮遊微粒子を一旦捕集し、さらに捕集した浮遊微粒子を気体や液体中で分散又はイオン化等により分離して分析するため、液体の浮遊微粒子を測定する場合はイオン化の際等に物質が溶け込んだ浮遊微粒子の溶媒が蒸発して浮遊微粒子の粒径が小さくなったり、その物質の濃度が高くなったりして正確に測定することができず液体微粒子の測定には適さないという課題を有していた。
(2)微粒子を捕集した際に、捕集された浮遊微粒子の種類によっては微粒子同士が反応してしまい大気中での浮遊状態とは異なる化合物になる可能性があり正確な分析を行うことができないという課題を有していた。
(3)大型且つ高価な分析装置を用いる必要があり、このため浮遊微粒子を捕集する現場において簡便且つ迅速に大気中の浮遊微粒子の分析を連続的に行うことが困難であり、建築構造物等の長寿命化対策や生態系への影響対策のために不可欠な局所的な大気中の浮遊微粒子に関わる環境データを得ることが困難であるという課題を有していた。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子を簡便且つ迅速に捕集し、液体又は固体いずれの浮遊微粒子であっても個々の大きさや形状、性質、或いは個々の微粒子間の相対的な位置や微粒子間の距離等を正確に測定することができ、その測定値に基づいて大気中等のある平面における浮遊微粒子の二次元分布や粒径分布、またその二次元分布や粒径分布の時間的な変化を求めることができる浮遊微粒子分析方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子を簡便且つ迅速に捕集し、液体又は固体いずれの浮遊微粒子であっても個々の大きさや形状、性質、或いは個々の微粒子間の相対的な位置や微粒子間の距離等を正確に測定することができる浮遊微粒子捕集装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の浮遊微粒子分析方法及び浮遊微粒子捕集装置は、以下の構成を有している。
【0007】
本発明の請求項1に記載の浮遊微粒子分析方法は、開口部を有する筐体内に配設された帯状の微粒子捕集体に形成された微粒子捕集面の所定領域を前記開口部で露出させ浮遊微粒子を含む気体中に所定時間暴露させ前記浮遊微粒子を前記所定領域に吸着又は反応させて捕集する微粒子捕集工程と、前記浮遊微粒子が吸着した前記所定領域を前記開口部から露出しない位置まで移動させると共に前記微粒子捕集体の新しい所定領域を前記開口部に露出させる捕集体送り工程と、前記微粒子捕集工程において前記浮遊微粒子が吸着された前記所定領域を撮像する撮像工程と、前記撮像工程において撮像された撮像画像を画像処理して前記浮遊微粒子の形状、大きさ、性質、又は前記浮遊微粒子間の相対的な位置或いは距離を測定する微粒子測定工程と、を備え、前記微粒子捕集工程と前記捕集体送り工程とを所定の時間間隔で繰り返して行った後、前記浮遊微粒子が吸着された複数の前記所定領域を前記撮像工程において撮像し、撮像された複数の前記撮像画像を前記微粒子測定工程において画像処理すると共に時系列的に重ね合わせて、浮遊微粒子の三次元分布を求める構成を有している。
【0008】
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集工程において、開口部に露出した微粒子捕集面を測定対象である浮遊微粒子を含む気体中に所定時間暴露させるので、所定時間内で所定面積の微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着又は反応させて捕集することができる。
(2)捕集体送り工程において、浮遊微粒子捕集装置の微粒子捕集体の巻き取り側の支持軸を巻き取り方向に回転させる等して、浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側の支持軸側へ移動させると共に、所定時間経過後に開口部に付着物のない新たな微粒子捕集面を露出させることができる。
(3)撮像工程において、微粒子捕集体を筐体から取り出して、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された所定領域を撮像装置により撮像することにより、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集した場合は、その微粒子像を直接撮像することができ、微粒子捕集面において浮遊微粒子を反応させた場合は、その反応による発色や発光等を撮像することができる。
(4)微粒子測定工程において、撮像工程で撮像された撮像画像のイメージデータを撮像装置から画像処理装置に読み出して画像処理を行い、撮像された微粒子像の形状、大きさ、又は微粒子像間の相対的な位置や距離、或いは性質を測定する。特に、直接撮像した撮像画像の微粒子像から、浮遊微粒子の形状、大きさ、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離を測定することができ、浮遊微粒子の反応による発色や発光を撮像した撮像画像から、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離、pH等の性質を測定し、測定された性質等からその浮遊微粒子を特定することができる。
(5)更に、撮像画像に形成された全ての微粒子像の形状や大きさに関する測定値を集約することで、気体中の浮遊微粒子の粒度分布を求めることができ、また、撮像画像に形成された全ての微粒子像間の相対的な位置や距離に関する測定値を集約することで、気体中のある平面における浮遊微粒子の二次元分布を求めることができる。
(6)微粒子捕集工程と捕集体送り工程とを所定の時間間隔で繰り返し行い、浮遊微粒子の捕集を連続して行って複数の所定領域に浮遊微粒子を捕集すると共に、撮像工程において、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された複数の所定領域を撮像装置により撮像することで、開口部が形成された平面における浮遊微粒子の二次元分布を示す撮像画像と、その二次元分布の所定時間間隔での変化を示す複数の撮像画像を得ることができる。
(7)撮像工程において撮像された複数の撮像画像のイメージデータを撮像装置から画像処理装置に読み出して画像処理を行い、複数の撮像画像を時系列的に重ね合わせることで、開口部が形成された平面における浮遊微粒子の二次元分布を時系列的に重ね合わせた三次元分布を求めることができる。
【0009】
ここで、微粒子捕集工程において微粒子捕集面の所定領域に浮遊微粒子を捕集し、捕集体送り工程においてその所定領域を送った後、撮像工程においてその所定領域を逐次撮像するようにしてもよい。また、微粒子捕集工程において浮遊微粒子を捕集して捕集体送り工程において微粒子捕集体を送るという動作を複数回繰り返して行い、浮遊微粒子の捕集を連続して行って複数の所定領域に浮遊微粒子を捕集した後、撮像工程において浮遊微粒子が捕集された複数の所定領域をまとめて撮像するようにしてもよい。
【0010】
本発明の請求項2に記載の浮遊微粒子分析方法は、請求項1に記載の発明において、前記微粒子捕集体の少なくとも前記微粒子捕集面が発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されている、又は、前記微粒子捕集面に発色反応試薬又は発光反応試薬が塗布されている構成を有している。
【0011】
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集体として、捕集される浮遊微粒子の成分又はそれに含まれる成分により発色反応又は発光反応する発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されたものを用いるか、又は、微粒子捕集面にこのような発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布したものを用いることにより、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集すると共に発色反応又は発光反応させる。
(2)撮像工程においてカラー画像又は2色の濃淡画像を撮像することにより、その色や発光色或いはその濃淡等により浮遊微粒子のpH等の性質を測定したりその成分を特定することができると共に、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離、その二次元分布等を視覚的に測定することができる。
【0012】
ここで、発色反応試薬としては、pH指示薬やキレート化剤等が用いられる。pH指示薬としては、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン等が用いられる。キレート化剤としては、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジチゾン等が用いられる。また、発光反応試薬としては、アルカリ性溶液に対して青緑色に発光するルミノール等が用いられる。なお、発色反応試薬又は発光反応試薬としては、可視領域で発色又は発光するものだけでなく、紫外領域やX線等の可視領域以外で発色又は発光するものを用いることができる。この場合、撮像工程において、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された所定領域に紫外光やX線等を照射して撮像することが好ましい。
【0015】
請求項に記載の浮遊微粒子捕集装置は、開口部を有する筐体と、一方の面に形成された微粒子捕集面の所定領域が前記開口部から露出するように前記筐体内部に配設される帯状の微粒子捕集体と、前記筐体内部に対向して各々回動自在に配設され前記微粒子捕集体の両端部が各々巻回される一対の支持軸を有し前記支持軸を回動させることにより前記開口部に前記微粒子捕集面の新しい所定領域を送り出す捕集体送り部と、前記微粒子捕集面の前記開口部に露出した所定領域を所定の時間間隔で表面又は裏面から撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して画像処理を行い前記撮像画像に形成された微粒子像の個数又は前記撮像画像における微粒子像が占める面積を算出する画像処理部と、前記一対の支持軸の内巻き取り側の前記支持軸を回転させる駆動部と、前記画像処理部により算出された前記微粒子像の個数又は前記微粒子像が占める面積に基づいて前記微粒子捕集体を巻き取って前記開口部に前記微粒子捕集面の新しい所定領域を送り出すか否かを判定し、送り出すと判定したときは前記駆動部を駆動させる巻き取り制御部と、を備えた構成を有している。
【0016】
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)開口部に露出した微粒子捕集体の微粒子捕集面を測定対象である浮遊微粒子を含む気体に暴露させ、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集した後、浮遊微粒子捕集装置の微粒子捕集体の巻き取り側の支持軸を巻き取り方向に回転させる等して、浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側の支持軸側へ移動させると共に、開口部に付着物のない新たな微粒子捕集面を露出させることができるので、浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子Xを簡便且つ迅速に捕集することができる。
(2)撮像装置により微粒子捕集面の開口部に露出した所定領域を所定の時間間隔で撮像し、画像処理部において撮像された撮像画像のイメージデータを読み出し、撮像画像に形成された微粒子像の個数又は撮像画像における微粒子像が占める面積を算出する画像計測等の画像処理を行うことにより、算出された微粒子像の個数が予め設定された所定の個数に達した場合や微粒子像が占める面積が予め設定された所定の面積に達した場合は、巻き取り制御部により駆動部を駆動して浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側支持軸側へ巻き取ると共に、開口部に新たな微粒子捕集面を露出させることができるので、微粒子捕集面の開口部に露出した所定領域に捕集した浮遊微粒子が重なる等して微粒子像の確認が困難になったり、それにより誤った測定値を算出したりすることを防ぐことができる。
(3)浮遊微粒子を捕集した後、浮遊微粒子が捕集された微粒子捕集面の所定領域を撮像装置により撮像し、制御装置の画像処理部により撮像した撮像画像を画像処理し、撮像画像に形成された微粒子像の大きさや形状、微粒子像間の相対的な位置や距離を測定することができるので、浮遊微粒子捕集装置を用いて浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子を簡便且つ迅速に捕集することができると共に、浮遊微粒子の大きさや形状、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離等の測定も併せて行うことができる。
【0017】
ここで、微粒子捕集体としては、合成樹脂等により形成されたフィルムやフィルタ等が用いられる。フィルムとしてはポリスチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース等の樹脂により形成されたフィルムが用いられる。また、フィルタとしてはガラス繊維フィルタや石英繊維フィルタ、PTFE等のフッ素樹脂フィルタ、合成樹脂フィルタ等が用いられる。浮遊微粒子を微粒子捕集体に反応させる場合は、微粒子捕集体の少なくとも微粒子捕集面を発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質で形成するか、又は微粒子捕集体の微粒子捕集面に発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布するか、或いは発色反応試薬又は発光反応試薬を含む薄膜を積層してもよい。
捕集体送り部は、巻き取り側の支持軸を回転させるレバー等を設けて手動により巻き取り側の支持軸を回転させて微粒子捕集面の所定領域を送り出してもよく、或いは駆動部を設けて自動で微粒子捕集面の所定領域を送り出すようにしてもよい。この場合、制御装置を設けて駆動部を制御することにより、微粒子捕集面の所定領域を所定の時間間隔で逐次送り出すようにしてもよい。
巻き取り制御部は、予め設定された所定時間が経過すると駆動部を駆動して浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側支持軸側へ巻き取り、開口部に新たな微粒子捕集面を露出させるようにしてもよい。この場合、前記所定時間間隔内であっても、算出された微粒子像の個数が予め設定された所定の個数に達した場合や微粒子像が占める面積が予め設定された所定の面積に達した場合は、所定領域に捕集した浮遊微粒子が重なる等して微粒子像の確認が困難になるので、開口部に新たな微粒子捕集面を露出させるようにするようにしてもよい。
【0018】
請求項4に記載の浮遊微粒子捕集装置は、開口部を有する筐体と、一方の面に形成された微粒子捕集面の所定領域が前記開口部から露出するように前記筐体内部に配設される帯状の微粒子捕集体と、前記筐体内部に対向して各々回動自在に配設され前記微粒子捕集体の両端部が各々巻回される一対の支持軸を有し前記支持軸を回動させることにより前記開口部に前記微粒子捕集面の新しい所定領域を送り出す捕集体送り部と、前記微粒子捕集面の前記開口部に露出した所定領域を所定の時間間隔で表面又は裏面から撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して画像処理を行う画像処理部と、前記撮像装置により撮像された撮像画像を記憶する画像記憶部と、前記撮像装置により新たに撮像された撮像画像のイメージデータを読み出すと共に前記画像記憶部から前回撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して、前記新たに撮像された撮像画像と前記前回撮像された撮像画像との差分画像を生成する差分画像生成部と、を備え、前記画像処理部は、前記差分画像生成部により生成された前記差分画像のイメージデータを読み出して画像処理を行う構成を有している。
【0019】
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)開口部に露出した微粒子捕集体の微粒子捕集面を測定対象である浮遊微粒子を含む気体に暴露させ、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集した後、浮遊微粒子捕集装置の微粒子捕集体の巻き取り側の支持軸を巻き取り方向に回転させる等して、浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側の支持軸側へ移動させると共に、開口部に付着物のない新たな微粒子捕集面を露出させることができるので、浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子Xを簡便且つ迅速に捕集することができる。
(2)微粒子捕集面に浮遊微粒子を捕集すると同時に、撮像装置により微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された一つの所定領域を所定の時間間隔で逐次撮像し、差分画像生成部により前回撮像された撮像画像と今回新たに撮像された撮像画像との差分画像を生成し、画像処理部により差分画像に形成された微粒子像の形状や相対的な位置を測定しそれが撮像された時刻と対応させることで、浮遊微粒子が微粒子捕集体に吸着し捕集された時刻を算出することができる。
【0020】
請求項5に記載の浮遊微粒子捕集装置は、請求項3又は4に記載の発明において、前記微粒子捕集体の前記微粒子捕集面に接着材が塗布された構成を有している。
この構成により、請求項3又は4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集体の微粒子捕集面に接着材を塗布することにより、浮遊微粒子の微粒子捕集面への吸着性を向上させることができ、特に液体の浮遊微粒子の吸着性を向上させることができる。
ここで、微粒子捕集面に塗布される接着材としては、ポリビニルアルコール等が用いられる。これにより、浮遊微粒子の吸着性を向上させることができ、特に液体の浮遊微粒子の吸着性を向上させることができる。
【0021】
請求項6に記載の浮遊微粒子捕集装置は、請求項3乃至の内のいずれか1に記載の発明において、前記微粒子捕集体の少なくとも前記微粒子捕集面が発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されている、又は、前記微粒子捕集面に発色反応試薬又は発光反応試薬が塗布されている構成を有している。
【0022】
この構成により、請求項3乃至5の内のいずれか1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集体として、捕集される浮遊微粒子Xの成分又はそれに含まれる成分により発色反応又は発光反応する発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されたものを用いるか、又は、微粒子捕集面にこのような発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布したものを用いることにより、微粒子捕集面に浮遊微粒子を捕集すると共に発色反応又は発光反応させる。
(2)微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された所定領域のカラー画像又は2色の濃淡画像を撮像することにより、その色や発光色或いはその濃淡等により浮遊微粒子のpH等の性質を測定したりその成分を特定することができると共に、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離、その二次元分布等を視覚的に測定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図4を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における微粒子測定方法に用いられる浮遊微粒子捕集装置を示す内部透視模式図であり、図2(a)は微粒子捕集面に浮遊微粒子が吸着して捕集された状態を示す説明図であり、図2(b)は撮像工程において撮像された撮像画像を示す説明図である。
図中、10は浮遊微粒子捕集装置、11は直方体状に形成された浮遊微粒子捕集装置10の筐体、12は筐体11の上面の中央部に矩形状に開口された開口部、13は帯状に形成され後述の巻き取り側支持軸と送り側支持軸に一端部側と他端部側が各々巻回され筐体11の内部に配設された微粒子捕集体、13aは微粒子捕集体13の開口部12側の面であり浮遊微粒子を捕集する微粒子捕集面、14aは筐体11内部に巻き取り自在に配設され微粒子捕集体13の一端部側が巻回された巻き取り側支持軸、14bは筐体11内部に巻き取り側支持軸14aに対向して回動自在に配設され微粒子捕集体13の他端部側が巻回された送り側支持軸、14cは巻き取り側支持軸14aと送り側支持軸14bを有し、巻き取り側支持軸14aを回転させて開口部12に微粒子捕集面13aの所定領域を送り出す捕集体送り部、Xは大気中に浮遊し開口部12に露出した微粒子捕集面13aの所定領域に捕集された浮遊微粒子である。
図2(a)において、15a,15b,15c…は浮遊微粒子が吸着した微粒子捕集面13aの所定領域、X′は所定領域15bに吸着した浮遊微粒子である。図2(b)において、16は撮像工程において撮像された所定領域15bの撮像画像、Yは浮遊微粒子X′の微粒子像である。
【0029】
ここで、微粒子捕集体13としては、合成樹脂等により形成されたフィルムやフィルタ等が用いられる。フィルムとしてはポリスチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース等の樹脂により形成されたフィルムが用いられる。また、フィルタとしてはガラス繊維フィルタや石英繊維フィルタ、PTFE等のフッ素樹脂フィルタ、合成樹脂フィルタ等が用いられる。微粒子捕集体13の微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを吸着又は反応させて捕集する。浮遊微粒子Xを微粒子捕集体13に反応させる場合は、微粒子捕集体13の少なくとも微粒子捕集面13aを発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質で形成するか、又は微粒子捕集体13の微粒子捕集面13aに発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布するか、或いは発色反応試薬又は発光反応試薬を含む薄膜を積層してもよい。また、微粒子捕集体13にポリビニルアルコール等の接着材を塗布して微粒子捕集面13aを形成してもよい。これにより、浮遊微粒子Xの微粒子捕集面13aへの吸着性を向上させることができ、特に液体の浮遊微粒子の吸着性を向上させることができる。
捕集体送り部14cは、巻き取り側支持軸14aを回転させるレバー等を設けて手動により巻き取り側支持軸14aを回転させて微粒子捕集面13aの所定領域を送り出してもよく、或いは駆動部を設けて自動で微粒子捕集面13aの所定領域を送り出すようにしてもよい。この場合、制御装置を設けて駆動部を制御することにより、微粒子捕集面13aの所定領域を所定の時間間隔で逐次送り出すようにしてもよい。
【0030】
以上のように構成された浮遊微粒子捕集装置10を用いた微粒子測定方法について、以下その各工程を説明する。
まず、浮遊微粒子捕集装置10の巻き取り側支持軸14aを巻き取り方向に回転させる等して、開口部12から付着物のない微粒子捕集面13aを露出させ、露出した微粒子捕集面13aを測定対象である浮遊微粒子Xを含む気体中に暴露させ、微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを吸着又は反応させて捕集する(微粒子捕集工程)。微粒子捕集面13aへの気体の暴露は、図示しないファンや真空ポンプで開口部12に向けて気体を送気する気体導入部により行うことができる。また、筐体11に図示しない吸引部を設けて、浮遊微粒子Xを含む気体を開口部12から筐体11内部に吸引して微粒子捕集体13により気体を濾過して浮遊微粒子Xを捕集してもよい。なお、送気又は吸引する気体中に浮遊微粒子Xの個数が極めて多い場合は、気体導入部にバルブを設けるか、或いは開口部12に開閉自在に取り付けられたシャッタ等を設けて、捕集体送り部14cにより微粒子捕集体13を所定領域の長さ送る際に微粒子捕集面13aに気体を暴露させないようにすることが好ましい。
【0031】
次に、浮遊微粒子捕集装置10の巻き取り側支持軸14aを巻き取り方向に回転させる等して、微粒子捕集工程において浮遊微粒子Xを捕集した微粒子捕集面13aを巻き取り側支持軸14a側へ移動させると共に、開口部12に付着物のない新たな微粒子捕集面13aを露出させる(捕集体送り工程)。なお、微粒子捕集体13は、少なくとも浮遊微粒子Xを捕集した微粒子捕集面13aが、開口部12から外れ筐体11の上面の開口部12が形成されていない部分で完全に覆われるまで送られる。
【0032】
上述した微粒子捕集工程と捕集体送り工程とが1乃至複数回行われた後、微粒子捕集体13を筐体11から取り出して、図2(a)に示す微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された所定領域15a,15b,15cを図示しないCCDカメラ等の撮像装置により撮像する(撮像工程)。撮像工程において、微粒子捕集面13aの所定領域15bに吸着した浮遊微粒子X′は、図2(b)に示す撮像画像16に微粒子像Yとして形成される。なお、撮像工程においては、捕集された浮遊微粒子Xの大きさや撮像装置の解像度に合わせて、光学顕微鏡や電子顕微鏡等により好適な倍率で拡大して撮像することが好ましい。
【0033】
続いて、撮像工程において撮像された撮像画像16のイメージデータを撮像装置から画像計測ソフトが組み込まれたコンピュータ等の画像処理装置に読み出して画像処理を行い、微粒子像Yの大きさ、形状及び微粒子像Y間の相対的な位置や距離を測定する(微粒子測定工程)。更に、撮像画像16に形成された全ての微粒子像Yの形状に関する測定値を集約することで、気体中の浮遊微粒子の粒度分布を求めることができる。また、撮像画像16に形成された全ての微粒子像Y間の相対的な位置や距離に関する測定値を集約することで、気体中の浮遊微粒子の二次元分布を求めることができる。
【0034】
ここで、浮遊微粒子Xが例えば亜硫酸ガスやNOxガス、SOx等が溶解した酸性ミスト等の液体の浮遊微粒子Xである場合は、微粒子捕集工程において浮遊微粒子捕集装置10の微粒子捕集体13として発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されているものを用いるか、又は、微粒子捕集面に発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布したものを用いると共に、撮像工程においてカラー画像又は2色の濃淡画像を撮像することにより、微粒子測定工程において、撮像画像16の色や濃淡の分布に基づいて浮遊微粒子XのpH等の性質やその成分を測定することができる。なお、発色反応試薬又は発光反応試薬としては、捕集される浮遊微粒子Xの成分又はそれに含まれる成分によるが、例えば浮遊微粒子Xが酸性ミスト等である場合はpH指示薬等が用いられ、浮遊微粒子Xが金属成分を含む場合はキレート化剤等が用いられる。pH指示薬としては、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン等が用いられる。キレート化剤としては、浮遊微粒子Xに含まれる対象金属成分をキレート化し発色させるジエチルジチオカルバミン酸塩やジエゾン等が用いられる。なお、微粒子捕集面13aの表面に発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布する場合は、微粒子捕集体13としてはフィルタを用いることが好ましい。これにより、発色反応試薬又は発光反応試薬を微粒子捕集体13に塗布して染み込ませることができ、正確に浮遊微粒子Xの付着による発色反応や発光反応を得ることができる。
【0035】
以上のように本実施の形態1における微粒子測定方法及びそれに用いられる浮遊微粒子捕集装置10は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集工程において、開口部12に露出した微粒子捕集面13aを測定対象である浮遊微粒子Xを含む気体に暴露させ、微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを吸着させて捕集し、捕集体送り工程において、浮遊微粒子捕集装置10の巻き取り側支持軸14aを巻き取り方向に回転させる等して微粒子捕集面13aを巻き取り側支持軸14a側へ移動させると共に開口部12に付着物のない新たな微粒子捕集面13aを露出させる。
(2)浮遊微粒子捕集装置10が、上面に開口部12を有する筐体11と、微粒子捕集面13aの所定領域が開口部12から露出するように筐体11内部に配設される帯状の微粒子捕集体13と、筐体11内部に対向して各々回動自在に配設され微粒子捕集体13の両端部が各々巻回される巻き取り側支持軸14a及び送り側支持軸14bを有し巻き取り側支持軸14aを回転させることにより開口部12に微粒子捕集面13aの新しい所定領域を送り出す捕集体送り部14cと、を備えているので、浮遊微粒子Xを捕集する現場において浮遊微粒子Xを簡便且つ迅速に捕集することができる。
(3)撮像工程において、微粒子捕集体13を筐体11から取り出して、微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された所定領域15a,15b,15c…を撮像装置により撮像し、撮像された撮像画像16のイメージデータを撮像装置から画像処理装置に読み出して画像処理を行い、微粒子像Yの大きさ、形状及び微粒子像Y間の相対的な位置又は距離を測定する。
(4)撮像画像16に形成された全ての微粒子像Yの形状に関する測定値を集約することで、気体中の浮遊微粒子の粒度分布を求めることができ、また、撮像画像16に形成された全ての微粒子像Y間の相対的な位置又は距離に関する測定値を集約することで、気体中の浮遊微粒子の二次元分布を求めることができる。
(5)浮遊微粒子Xが例えば亜硫酸ガスやNOxガス、SOxが溶解した酸性ミスト等の液体の浮遊微粒子Xである場合は、微粒子捕集工程において微粒子捕集体13としてpH指示薬を含む材質により形成したものを用いるか、又は微粒子捕集体13の微粒子捕集面13aにpH指示薬を塗布したものを用いると共に、撮像工程においてカラー画像又は2色の濃淡画像を撮像することにより、微粒子測定工程において、撮像画像16に撮像された微粒子像Yの色や濃淡の分布に基づいて浮遊微粒子XのpH等の性質を測定することができる。
【0036】
(実施の形態2)
図3(a)は本実施の形態2における微粒子測定方法の微粒子捕集面に浮遊微粒子が吸着して捕集された状態を示す説明図であり、図3(b)は本実施の形態2における微粒子測定方法により求められた三次元分布を示す説明図である。
図3において、13は微粒子捕集体、13aは微粒子捕集面、20a,20b,20c…は浮遊微粒子が吸着した微粒子捕集面13aの所定領域、21a,21b,21c…は撮像工程において撮像された所定領域20a,20b,20c…の撮像画像である。
まず、実施の形態1の図1で説明した浮遊微粒子捕集装置10を用い実施の形態1で説明した微粒子捕集工程と捕集体送り工程とを所定の時間間隔で連続して繰り返し行う。次に、微粒子捕集体13を取り出し、撮像工程において、図3(a)に示す微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された所定領域20a,20b,20c…を図示しないCCDカメラ等の撮像装置により撮像する。撮像工程において撮像された撮像画像21a,21b,21c…のイメージデータを撮像装置から画像処理装置に読み出して画像処理を行い、微粒子像Yの形状及び微粒子像Y間の相対的な位置又は距離を測定すると共に、撮像画像21a,21b,21c…を時系列的に重ね合わせることで、図3(b)に示すように浮遊微粒子の三次元分布を求めることができる。
【0037】
以上のように本実施の形態2における微粒子測定方法は構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集工程と捕集体送り工程とを所定の時間間隔で繰り返し行い、浮遊微粒子Xの捕集を連続して行って複数の所定領域に浮遊微粒子を捕集し、微粒子捕集体13を取り出し、撮像工程において、微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された所定領域20a,20b,20c…を撮像装置により撮像し、開口部12が形成された平面における浮遊微粒子Xの二次元分布の所定時間間隔での変化を示す複数の撮像画像21a,21b,21c…を得ることができ、その二次元分布を時系列的に重ね合わせた三次元分布を求めることができる。
【0038】
(実施の形態3)
図4(a)は本実施の形態3における浮遊微粒子捕集装置を示す内部透視模式図であり、図4(b)は制御装置の構成図である。
図4(a)において、10′は本実施の形態3における浮遊微粒子捕集装置、30は開口部12の斜め上から開口部12から露出した微粒子捕集面13aの所定領域を撮像する撮像装置、31は巻き取り側支持軸14aを回転駆動させるモータ等の駆動部、32は撮像装置30により撮像された撮像画像を画像処理し、その結果に基づいて駆動部31を制御する制御装置である。図4(b)において、33は撮像画像の画像処理を行う画像処理部、34は駆動部31を制御する巻き取り制御部である。なお、図1において説明したものと同様のものは同一の符号を付けて説明を省略する。
【0039】
以上のように構成された本実施の形態3における浮遊微粒子捕集装置10′について、以下その微粒子捕集動作を図4を用いて説明する。
まず、制御装置32の巻き取り制御部34は、駆動部31を駆動させ巻き取り側支持軸14aを巻き取り方向に回転させ、開口部12から付着物のない微粒子捕集面13aを露出させる。これにより、露出した微粒子捕集面13aを測定対象である浮遊微粒子Xを含む気体中に暴露させ、微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを吸着又は反応させて捕集する。微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを捕集すると同時に、撮像装置30により微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された所定領域を所定の時間間隔で逐次撮像する。なお、微粒子捕集体13を発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質で形成し、浮遊微粒子Xを微粒子捕集体13に反応させる場合は、反応により微粒子捕集体13の裏面も発色又は発光するので、撮像装置30を筐体11内に配設し、微粒子捕集体13の所定領域を裏面から撮像してもよい。
【0040】
撮像された撮像画像は撮像装置30からイメージデータとして制御装置34の画像処理部33に読み出される。画像処理部33は読み出されたイメージデータの画像処理を行う。ここで行われる画像処理としては、例えば、撮像画像の二値化処理を行うと共に、画像計測処理を行って、撮像画像に形成された微粒子像の個数や撮像画像における微粒子像が占める面積を算出する。算出された微粒子像の個数や微粒子像が占める面積に基づいて、駆動部31を制御する。即ち、巻き取り制御部34は、画像処理部33により算出された微粒子像の個数が予め設定された所定の個数に達した場合や微粒子像が占める面積が予め設定された所定の面積に達した場合は、微粒子捕集体13を巻き取って開口部12に微粒子捕集面13aの新しい所定領域を送り出すと判定し、駆動部31を駆動させ、巻き取り側支持軸14aを巻き取り方向に回転させ、浮遊微粒子Xを捕集した微粒子捕集面13aを巻き取り側支持軸14a側へ移動させると共に、開口部12に付着物のない新たな微粒子捕集面13aを露出させる。なお、微粒子捕集体13は、少なくとも浮遊微粒子Xを捕集した微粒子捕集面13aが開口部12から外れ、筐体11の上面の開口部12が形成されていない部分で完全に覆われるまで送られる。
【0041】
上述したような浮遊微粒子Xの捕集と微粒子捕集体13の巻き取りが繰り返して行われた後、実施の形態1において説明したように、微粒子捕集体13を筐体11から取り出して、撮像工程と微粒子測定工程とを行うことにより、気体中の浮遊微粒子Xの粒度分布や二次元分布を求めることができる。なお、本実施の形態3においては、実施の形態1で説明した撮像工程における撮像を撮像装置30により行うことができると共に、微粒子測定工程における画像処理を制御装置32の画像処理部33により行うことができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態3における微粒子捕集装置10′は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)撮像装置30により微粒子捕集面13aの開口部12に露出した所定領域を所定の時間間隔で撮像し、画像処理部33において撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して撮像画像に形成された微粒子像の個数又は撮像画像における微粒子像が占める面積を算出する画像計測処理等の画像処理を行い、算出された微粒子像の個数が予め設定された所定の個数に達した場合や微粒子像が占める面積が予め設定された所定の面積に達した場合は、巻き取り制御部34により駆動部31を駆動して浮遊微粒子Xを捕集した微粒子捕集面13aを巻き取り側支持軸14a側へ巻き取ると共に、開口部12に新たな微粒子捕集面13aを露出させることができるので、微粒子捕集面13aの開口部12に露出した所定領域に捕集した浮遊微粒子が重なる等して微粒子像の確認が困難になったり、それにより誤った測定値を算出したりすることを防ぐことができる。
(2)浮遊微粒子Xを捕集した後、浮遊微粒子Xが捕集された微粒子捕集面13aの所定領域を撮像装置30により撮像し、制御装置32の画像処理部33により撮像した撮像画像を画像処理し、撮像画像に形成された微粒子像の大きさや形状、微粒子像間の相対的な位置や距離を測定することができるので、浮遊微粒子捕集装置10′を用いて浮遊微粒子Xを捕集する現場において浮遊微粒子Xを簡便且つ迅速に捕集することができると共に、浮遊微粒子Xの大きさや形状、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離等の測定も併せて行うことができる。
【0043】
(実施の形態4)
図5(a)は本実施の形態4における浮遊微粒子捕集装置を示す内部透視模式図であり、図5(b)は制御装置の構成図である。
図5(a)において、10″は本実施の形態4における浮遊微粒子捕集装置、40は撮像装置30により撮像された撮像画像の画像処理を行うと共に、浮遊微粒子Xの分析を行う制御装置である。図5(b)において、41は撮像画像の画像処理を行う画像処理部、42は撮像装置30により撮像された撮像画像を記憶する画像記憶部、43は新たに撮像された撮像画像と前回撮像された撮像画像との差分画像を生成する差分画像生成部である。なお、図1において説明したものと同様のものは同一の符号を付けて説明を省略する。
【0044】
以上のように構成された本実施の形態4における浮遊微粒子捕集装置10″について、以下その微粒子捕集動作及び分析動作を図5を用いて説明する。
まず、巻き取り側支持軸14aを巻き取り方向に回転させ、開口部12から付着物のない微粒子捕集面13aを露出させる。これにより、露出した微粒子捕集面13aを測定対象である浮遊微粒子Xを含む気体中に暴露させ、微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを吸着又は反応させて捕集する。微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを捕集すると同時に、撮像装置30により微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された所定領域を所定の時間間隔で逐次撮像する。なお、前記の如く浮遊微粒子Xを微粒子捕集体13に反応させる場合は、撮像装置30を筐体11内に配設し、微粒子捕集体13の所定領域を裏面から撮像してもよい。
【0045】
撮像された撮像画像は撮像装置30からイメージデータとして差分画像生成部43に入力されると共に画像記憶部42に記憶される。差分画像生成部43は、撮像装置30から新たに撮像された撮像画像が入力されると、画像記憶部42から前回撮像された撮像画像を読み出して、新たに撮像された撮像画像と前回撮像された撮像画像との差分画像を生成する。ここで生成される差分画像は、新たに撮像された撮像画像から前回撮像された撮像画像を差し引いたものであり、前回の撮像時から今回の撮像時の間に微粒子捕集体13に捕集された浮遊微粒子Xの微粒子像のみが形成される。このようにして生成された差分画像は、画像処理部41に読み出され画像処理が行われる。即ち、差分画像に形成された微粒子像の形状や位置を測定し、それが撮像された時刻と対応させることにより、浮遊微粒子Xが微粒子捕集体13に捕集された時刻を算出する。
【0046】
上述したような浮遊微粒子Xの捕集し浮遊微粒子Xが微粒子捕集体13に捕集された時刻を算出した後、実施の形態1において説明したように、微粒子捕集体13を巻き取り、筐体11から取り出して、撮像工程と微粒子測定工程とを行うことにより、気体中の浮遊微粒子Xの粒度分布や二次元分布を求めることができる。なお、本実施の形態4においては、実施の形態1で説明した撮像工程における撮像を撮像装置30により行うことができると共に、微粒子測定工程における画像処理を制御装置40の画像処理部41により行うことができる。
【0047】
以上のように、本実施の形態4における微粒子捕集装置10″は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)微粒子捕集面13aに浮遊微粒子Xを捕集すると同時に、撮像装置30により微粒子捕集面13aの浮遊微粒子が捕集された一つの所定領域を所定の時間間隔で逐次撮像し、差分画像生成部43により撮像装置30から新たに撮像された撮像画像と画像記憶部42に記憶された前回撮像された撮像画像との差分画像を生成し、画像処理部41により差分画像に形成された微粒子像の形状や位置を測定し、それが撮像された時刻と対応させることで、浮遊微粒子Xが微粒子捕集体13に捕集された時刻を算出することができる。
【0048】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス繊維フィルタの表面にポリビニルアルコール及びpH指示薬であるブロモフェノールブルーを塗布し、乾燥させて、本実施例1の微粒子捕集体とした。この微粒子捕集体を実施の形態1において説明したものと同様の浮遊微粒子捕集装置に装着し、開口部に露出した微粒子捕集面にエアロゾル発生器よりpH4.01のpH標準液から発生させた酸性ミストを5秒間暴露させた。次に、酸性ミストに暴露させた微粒子捕集面の所定領域を光学顕微鏡で500倍に拡大し、CCDカメラによりカラーの撮像画像を撮像した。続いて、撮像した撮像画像のイメージデータを画像処理装置に読み出して画像処理した。
これにより、酸性ミストが5μmを中心値として1μm〜5μmの大きさの分布を有すること、及び酸性ミストの酸性度はpH3.6〜4.0の分布を有することが測定された。
また、実施の形態2において説明したように、微粒子捕集工程と捕集体送り工程とを所定の時間間隔で繰り返し行い、浮遊微粒子の捕集を連続して行って複数の所定領域に浮遊微粒子を捕集した後、微粒子捕集体を取り出し、撮像工程において、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された複数の所定領域を撮像装置により撮像し、浮遊微粒子の二次元分布の所定時間間隔での変化を示す複数の撮像画像を得ると共に、その二次元分布を時系列的に重ね合わせることにより三次元分布を求めることができた。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の微粒子測定方法及び浮遊微粒子捕集装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0050】
請求項1に記載の発明によれば、
(1)微粒子捕集工程において、開口部に露出した微粒子捕集面を測定対象である浮遊微粒子を含む気体中に所定時間暴露させるので、所定時間内で所定面積の微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着又は反応させて捕集することができ、捕集体送り工程において、浮遊微粒子捕集装置の微粒子捕集体の巻き取り側の支持軸を巻き取り方向に回転させる等して、浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側の支持軸側へ移動させると共に、所定時間経過後に開口部に付着物のない新たな微粒子捕集面を露出させることができ、撮像工程において、微粒子捕集体を筐体から取り出して、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された所定領域を撮像装置により撮像することにより、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集した場合は、その微粒子像を直接撮像することができ、微粒子捕集面において浮遊微粒子を反応させた場合は、その反応による発色や発光等を撮像することができ、微粒子測定工程において、撮像工程で撮像された撮像画像のイメージデータを撮像装置から画像処理装置に読み出して画像処理を行い、撮像された微粒子像の形状、大きさ、又は微粒子像間の相対的な位置や距離、或いは性質を測定する。特に、直接撮像した撮像画像の微粒子像から、浮遊微粒子の形状、大きさ、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離を測定することができ、浮遊微粒子の反応による発色や発光を撮像した撮像画像から、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離、pH等の性質を測定し、測定された性質等からその浮遊微粒子を特定することができる浮遊微粒子分析方法を提供することができる。
(2)撮像画像に形成された全ての微粒子像の形状や大きさに関する測定値を集約することで、気体中の浮遊微粒子の粒度分布を求めることができ、また、撮像画像に形成された全ての微粒子像間の相対的な位置や距離に関する測定値を集約することで、気体中のある平面における浮遊微粒子の二次元分布を求めることができる浮遊微粒子分析方法を提供することができる。
(3)微粒子捕集工程と捕集体送り工程とを所定の時間間隔で繰り返し行い、浮遊微粒子の捕集を連続して行って複数の所定領域に浮遊微粒子を捕集すると共に、撮像工程において、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された複数の所定領域を撮像装置により撮像することで、開口部が形成された平面における浮遊微粒子の二次元分布を示す撮像画像と、その二次元分布の所定時間間隔での変化を示す複数の撮像画像を得ることができる浮遊微粒子分析方法を提供することができる。
(4)撮像工程において撮像された複数の撮像画像のイメージデータを撮像装置から画像処理装置に読み出して画像処理を行い、複数の撮像画像を時系列的に重ね合わせることで、開口部が形成された平面における浮遊微粒子の二次元分布を時系列的に重ね合わせた三次元分布を求めることができる浮遊微粒子分析方法を提供することができる。
【0051】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)微粒子捕集体として、捕集される浮遊微粒子の成分又はそれに含まれる成分により発色反応又は発光反応する発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されたものを用いるか、又は、微粒子捕集面にこのような発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布したものを用いることにより、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集すると共に発色反応又は発光反応させることができ、撮像工程においてカラー画像又は2色の濃淡画像を撮像することにより、その色や発光色或いはその濃淡等により浮遊微粒子のpH等の性質を測定したりその成分を特定することができると共に、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離、その二次元分布等を視覚的に測定することができる。特に、個々の浮遊微粒子について各々のpH等の性質を測定することができるので、酸性ミストの個々の浮遊微粒子のpHを測定して、建築材料の塗膜の劣化やステンレス等の金属腐食の原因をより厳密に分析し把握することができる分析性能に優れた浮遊微粒子分析方法を提供することができる。
(2)個々の浮遊微粒子について各々のpH等の性質を測定することができるので、ある環境における雰囲気中に含まれる浮遊微粒子のpH分布を求めることができ、例えば最大のpHの浮遊微粒子、或いは最少のpHの浮遊微粒子を特定することができる浮遊微粒子分析方法を提供することができる。
【0053】
請求項に記載の発明によれば、
(1)開口部に露出した微粒子捕集体の微粒子捕集面を測定対象である浮遊微粒子を含む気体に暴露させ、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集した後、浮遊微粒子捕集装置の微粒子捕集体の巻き取り側の支持軸を巻き取り方向に回転させる等して、浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側の支持軸側へ移動させると共に、開口部に付着物のない新たな微粒子捕集面を露出させることができるので、浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子Xを簡便且つ迅速に捕集することができる利便性及び携帯性に優れた浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
(2)撮像装置により微粒子捕集面の開口部に露出した所定領域を所定の時間間隔で撮像し、画像処理部において撮像された撮像画像のイメージデータを読み出し、撮像画像に形成された微粒子像の個数又は撮像画像における微粒子像が占める面積を算出する画像計測等の画像処理を行うことにより、算出された微粒子像の個数が予め設定された所定の個数に達した場合や微粒子像が占める面積が予め設定された所定の面積に達した場合は、巻き取り制御部により駆動部を駆動して浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側支持軸側へ巻き取ると共に、開口部に新たな微粒子捕集面を露出させることができるので、微粒子捕集面の開口部に露出した所定領域に捕集した浮遊微粒子が重なる等して微粒子像の確認が困難になったり、それにより誤った測定値を算出したりすることを防ぐことができる分析精度に優れた浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
(3)浮遊微粒子を捕集した後、浮遊微粒子が捕集された微粒子捕集面の所定領域を撮像装置により撮像し、制御装置の画像処理部により撮像した撮像画像を画像処理し、撮像画像に形成された微粒子像の大きさや形状、微粒子像間の相対的な位置や距離を測定することができるので、浮遊微粒子捕集装置を用いて浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子を簡便且つ迅速に捕集することができると共に、浮遊微粒子の大きさや形状、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離等の測定も併せて行うことができる利便性に優れた浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
(4)浮遊微粒子を捕集した後、撮像装置により撮像し、制御装置の画像処理部により撮像した撮像画像を画像処理し、撮像画像に形成された微粒子像の形状及び位置を測定し、気体中の浮遊微粒子の粒度分布や二次元分布を求めることができるので、浮遊微粒子捕集装置を用いて浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子を簡便且つ迅速に捕集することができると共に、浮遊微粒子の分析も併せて行うことができる浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、
(1)開口部に露出した微粒子捕集体の微粒子捕集面を測定対象である浮遊微粒子を含む気体に暴露させ、微粒子捕集面に浮遊微粒子を吸着させて捕集した後、浮遊微粒子捕集装置の微粒子捕集体の巻き取り側の支持軸を巻き取り方向に回転させる等して、浮遊微粒子を捕集した微粒子捕集面を巻き取り側の支持軸側へ移動させると共に、開口部に付着物のない新たな微粒子捕集面を露出させることができるので、浮遊微粒子を捕集する現場において浮遊微粒子Xを簡便且つ迅速に捕集することができる利便性及び携帯性に優れた浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
(2)微粒子捕集面に浮遊微粒子を捕集すると同時に、撮像装置により微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された一つの所定領域を所定の時間間隔で逐次撮像し、差分画像生成部により前回撮像された撮像画像と今回新たに撮像された撮像画像との差分画像を生成し、画像処理部により差分画像に形成された微粒子像の形状や相対的な位置を測定しそれが撮像された時刻と対応させることで、浮遊微粒子が微粒子捕集体に吸着し捕集された時刻を算出することができる浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
【0054】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4の効果に加え、
(1)微粒子捕集体の微粒子捕集面に接着材を塗布することにより、浮遊微粒子の微粒子捕集面への吸着性を向上させることができ、特に液体の浮遊微粒子の吸着性を向上させることができる浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
【0055】
請求項6に記載の発明によれば、請求項3乃至5の内のいずれか1の効果に加え、
(1)微粒子捕集体として、捕集される浮遊微粒子Xの成分又はそれに含まれる成分により発色反応又は発光反応する発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されたものを用いるか、又は、微粒子捕集面にこのような発色反応試薬又は発光反応試薬を塗布したものを用いることにより、微粒子捕集面に浮遊微粒子を捕集すると共に発色反応又は発光反応させることができ、微粒子捕集面の浮遊微粒子が捕集された所定領域のカラー画像又は2色の濃淡画像を撮像することにより、その色や発光色或いはその濃淡等により浮遊微粒子のpH等の性質を測定したりその成分を特定することができると共に、浮遊微粒子間の相対的な位置や距離、その二次元分布等を視覚的に測定することができる。特に、個々の浮遊微粒子について各々のpH等の性質を測定することができるので、酸性ミストの個々の浮遊微粒子のpHを測定して、建築材料の塗膜の劣化やステンレス等の金属腐食の原因をより厳密に分析し把握することができる分析性能に優れた浮遊微粒子捕集装置を提供することができる
(2)個々の浮遊微粒子について各々のpH等の性質を測定することができるので、ある環境における雰囲気中に含まれる浮遊微粒子のpH分布を求めることができ、例えば最大のpHの浮遊微粒子、或いは最少のpHの浮遊微粒子を特定することができる浮遊微粒子捕集装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における微粒子測定方法に用いられる浮遊微粒子捕集装置を示す内部透視模式図
【図2】(a)微粒子捕集面に浮遊微粒子が吸着して捕集された状態を示す説明図
(b)撮像工程において撮像された撮像画像を示す説明図
【図3】(a)実施の形態2における微粒子測定方法の微粒子捕集面に浮遊微粒子が吸着して捕集された状態を示す説明図
(b)本実施の形態2における微粒子測定方法により求められた三次元分布を示す説明図
【図4】(a)実施の形態3における浮遊微粒子捕集装置を示す内部透視模式図
(b)制御装置の構成図
【図5】(a)実施の形態4における浮遊微粒子捕集装置を示す内部透視模式図
(b)制御装置の構成図
【符号の説明】
10,10′,10″ 浮遊微粒子捕集装置
11 筐体
12 開口部
13 微粒子捕集体
13a 微粒子捕集面
14a 巻き取り側支持軸
14b 送り側支持軸
14c 捕集体送り部
15a,15b,15c,20a,20b,20c 浮遊微粒子
16,21a,21b,21c 撮像画像
30 撮像装置
31 駆動部
32,40 制御装置
33,41 画像処理部
34 巻き取り制御部
42 画像記憶部
43 差分画像生成部
X,X′ 浮遊微粒子
Y 微粒子像

Claims (6)

  1. 開口部を有する筐体内に配設された帯状の微粒子捕集体に形成された微粒子捕集面の所定領域を前記開口部で露出させ浮遊微粒子を含む気体中に所定時間暴露させ前記浮遊微粒子を前記所定領域に吸着又は反応させて捕集する微粒子捕集工程と、
    前記浮遊微粒子が吸着した前記所定領域を前記開口部から露出しない位置まで移動させると共に前記微粒子捕集体の新しい所定領域を前記開口部に露出させる捕集体送り工程と、
    前記微粒子捕集工程において前記浮遊微粒子が吸着された前記所定領域を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程において撮像された撮像画像を画像処理して前記浮遊微粒子の形状、大きさ、性質、又は前記浮遊微粒子間の相対的な位置或いは距離を測定する微粒子測定工程と、を備え
    前記微粒子捕集工程と前記捕集体送り工程とを所定の時間間隔で繰り返して行った後、前記浮遊微粒子が吸着された複数の前記所定領域を前記撮像工程において撮像し、撮像された複数の前記撮像画像を前記微粒子測定工程において画像処理すると共に時系列的に重ね合わせて、浮遊微粒子の三次元分布を求めることを特徴とする浮遊微粒子分析方法。
  2. 前記微粒子捕集体の少なくとも前記微粒子捕集面が発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されている、又は、前記微粒子捕集面に発色反応試薬又は発光反応試薬が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の浮遊微粒子分析方法。
  3. 開口部を有する筐体と、
    一方の面に形成された微粒子捕集面の所定領域が前記開口部から露出するように前記筐体内部に配設される帯状の微粒子捕集体と、
    前記筐体内部に対向して各々回動自在に配設され前記微粒子捕集体の両端部が各々巻回される一対の支持軸を有し前記支持軸を回動させることにより前記開口部に前記微粒子捕集面の新しい所定領域を送り出す捕集体送り部と、
    前記微粒子捕集面の前記開口部に露出した所定領域を所定の時間間隔で表面又は裏面から撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置により撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して画像処理を行い前記撮像画像に形成された微粒子像の個数又は前記撮像画像における微粒子像が占める面積を算出する画像処理部と、
    前記一対の支持軸の内巻き取り側の前記支持軸を回転させる駆動部と、
    前記画像処理部により算出された前記微粒子像の個数又は前記微粒子像が占める面積に基づいて前記微粒子捕集体を巻き取って前記開口部に前記微粒子捕集面の新しい所定領域を送り出すか否かを判定し、送り出すと判定したときは前記駆動部を駆動させる巻き取り制御部と、
    を備えていることを特徴とする浮遊微粒子捕集装置。
  4. 開口部を有する筐体と、
    一方の面に形成された微粒子捕集面の所定領域が前記開口部から露出するように前記筐体内部に配設される帯状の微粒子捕集体と、
    前記筐体内部に対向して各々回動自在に配設され前記微粒子捕集体の両端部が各々巻回される一対の支持軸を有し前記支持軸を回動させることにより前記開口部に前記微粒子捕集面の新しい所定領域を送り出す捕集体送り部と、
    前記微粒子捕集面の前記開口部に露出した所定領域を所定の時間間隔で表面又は裏面から撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置により撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して画像処理を行う画像処理部と、
    前記撮像装置により撮像された撮像画像を記憶する画像記憶部と、
    前記撮像装置により新たに撮像された撮像画像のイメージデータを読み出すと共に前記画像記憶部から前回撮像された撮像画像のイメージデータを読み出して、前記新たに撮像された撮像画像と前記前回撮像された撮像画像との差分画像を生成する差分画像生成部と 、を備え、
    前記画像処理部は、前記差分画像生成部により生成された前記差分画像のイメージデータを読み出して画像処理を行うことを特徴とする浮遊微粒子捕集装置。
  5. 前記微粒子捕集体の前記微粒子捕集面に接着材が塗布されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の浮遊微粒子捕集装置。
  6. 前記微粒子捕集体の少なくとも前記微粒子捕集面が発色反応試薬又は発光反応試薬を含む材質により形成されている、又は、前記微粒子捕集面に発色反応試薬又は発光反応試薬が塗布されていることを特徴とする請求項3乃至5の内いずれか1に記載の浮遊微粒子捕集装置。
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