JP3945349B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給圧とEGR量の双方を制御する内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、可変容量型の過給機(VNTと呼ぶ)を有するエンジンにおいて、排気ガスの一部を吸気系に戻すEGRを実施するものが知られている。
VNTは、翼開度(絞り量)に応じて過給圧を可変するもので、例えば過給圧センサで検出される実際の過給圧が目標過給圧に収束する様に翼開度をフィードバック(F/B)制御するものが知られている。
EGRは、EGR通路の開口割合を調節するEGRバルブを有し、例えばエアフロメータにて計測される実際の吸入空気量が目標吸入空気量に収束する様に、EGRバルブの開度をF/B制御するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、VNTをF/B制御する場合、以下の問題が生じる。
即ち、減速時には、内燃機関の運転条件(例えば回転数や噴射量)に応じて設定される目標過給圧が低下するため、VNTの翼開度が開き側(非過給側)に制御される。 その結果、減速後に再加速する際には、VNTが開いた状態からの制御となるため、過給力が不十分となり、加速性及び排ガス特性が悪化してしまう。
【0004】
また、EGRバルブをF/B制御している場合は、減速時にVNTが開き側になると、排圧の低下によってEGR量が減少する(目標値からずれる)ため、EGR量を目標値に合わせ込もうとしてEGRバルブが開き側に制御されてしまう。
従って、再加速時には、EGRバルブが開いた状態からの制御となるため、加速時の排圧上昇に伴ってEGR量が増加してしまう。その結果、スモークが増加して、やはり排ガス特性が悪化するという問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、再加速時の過給力を高めることで、加速性及び排ガス特性を向上できる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、過給機の翼開度及びEGR装置のバルブ開度を制御する内燃機関の制御装置であって、実際の吸入空気量と目標吸入空気量との偏差に応じてEGR装置のバルブ開度をフィードバック制御するEGR制御手段と、実際の過給圧と目標過給圧との偏差に応じて過給機の翼開度をフィードバック制御する過給機制御手段と、内燃機関の運転状態が減速状態か否かを判定する減速状態判定手段とを備え、
過給機制御手段は、内燃機関の運転状態が減速状態と判定された場合に、過給機のフィードバック制御に対するフィードバックゲインを小さくすることを特徴とする。
【0006】
加速時には、加速性を向上させるために、過給機を速く絞り側(翼開度を小さくする側)に制御したい。しかし、過給機をフィードバック制御していると、減速時に目標吸気圧の減少に応じて過給機が非絞り側に制御されるため、その後、再加速する際に、非絞り側からの制御となり、加速性の向上に対して不利となる。従って、減速時には、その後の加速に備えてできるだけ非絞り側に動かないようにすることが望まれる(特に排気タービンには遅れがあるため、加速時に絞り側に制御しても、瞬時には応答できない)。
【0007】
これに対し、請求項1の発明では、減速状態の時に過給機のフィードバック制御に対するフィードバックゲインを小さくすることにより、過給機を非絞り側に動きにくくできる。その結果、減速後に再加速する際に、従来(減速時に過給機が非絞り側に制御される)より、過給力を高めることができるので、加速性が向上する。
また、減速時に排圧の低下が抑制されるので、EGRバルブが開き側に制御されることも抑制される。その結果、再加速時にEGR量の増加が抑えられるので、スモークが減少して排ガス特性が向上する。
【0008】
(請求項2の発明)
本発明は、過給機の翼開度及びEGR装置のバルブ開度を制御する内燃機関の制御装置であって、実際の吸入空気量と目標吸入空気量との偏差に応じてEGR装置のバルブ開度をフィードバック制御するEGR制御手段と、実際の過給圧と目標過給圧との偏差に応じて過給機の翼開度をフィードバック制御する過給機制御手段と、内燃機関の運転時にシフトアップが行われたか否かを判定するシフトアップ判定手段とを備え、
過給機制御手段は、シフトアップが行われたと判定された場合に、過給機のフィードバック制御に対するフィードバックゲインを小さくするかフィードバック制御を停止することを特徴とする。
【0009】
シフトアップが行われると、機関回転数が低下して目標過給圧が減少するため、シフトアップ後に加速する際には、請求項1の発明に記載した減速後に再加速する場合と同様に、過給機が非絞り側からの制御となり、加速性の向上に対して不利となる。これに対し、請求項2の発明では、シフトアップが行われた時に過給機のフィードバック制御に対するフィードバックゲインを小さくすることにより、過給機を非絞り側に動きにくくできる。あるいは過給機のフィードバック制御を停止することにより、過給機が非絞り側に制御されることを防止できる。
【0010】
その結果、シフトアップ後に加速する際に、従来(シフトアップ時に過給機が非絞り側に制御される)より、過給力を高めることができるので、加速性が向上する。
また、排圧の低下が抑制されるので、EGRバルブが開き側に制御されることも抑制される。その結果、シフトアップ後の加速時にEGR量の増加が抑えられるので、スモークが減少して排ガス特性が向上する。
【0011】
(請求項3の発明)
請求項1に記載した内燃機関の制御装置において、
減速状態判定手段は、内燃機関の運転状態が定常状態か過渡状態かを判定し、過渡状態と判定された場合に、更に目標過給圧が変化(増減)する方向を判定し、その変化方向が減少する場合に減速状態であると判定することを特徴とする。
この場合、目標過給圧の変化方向によって減速状態を判定できるので、判定ロジックを簡易化できる。
また、実際の過給圧(吸気圧センサの検出値)と目標過給圧との偏差によって運転状態を判定すると、吸気圧センサに入り込むノイズ等により実際の過給圧と目標過給圧との偏差が振動した時に、フィードバック制御の切替えが煩雑に行われる可能性がある。これに対し、目標過給圧の変化方向によって運転状態を判定すれば、フィードバック制御の切替えが煩雑に行われることを防止できる。
【0012】
(請求項4の発明)
請求項1に記載した内燃機関の制御装置において、
減速状態判定手段は、実際の過給圧(実過給圧)から目標過給圧を差し引いた値が所定値以上の時に減速状態と判定することを特徴とする。
フィードバック制御量は、実過給圧と目標過給圧との偏差によって決定されるため、その偏差に基づいて減速状態を判定することで、過給機が非絞り側に大きく動いてしまうことを直接判断することができる。
【0013】
(請求項5の発明)
請求項2に記載した内燃機関の制御装置において、
シフトアップ判定手段は、実際の過給圧から目標過給圧を差し引いた値が所定値以上の時にシフトアップが行われたと判定することを特徴とする。
フィードバック制御量は、実過給圧と目標過給圧との偏差によって決定されるため、その偏差に基づいてシフトアップを判定することで、過給機が非絞り側に大きく動いてしまうことを直接判断することができる。
【0014】
(請求項6の発明)
請求項4または5に記載した内燃機関の制御装置において、
減速状態判定手段及びシフトアップ判定手段で使用される所定値は、過給機及び吸気圧センサの機差や経年変化等により生じる過給圧のバラツキ量を考慮して決定されることを特徴とする。
過給機や吸気圧センサのバラツキにより生じる目標値との偏差以内に判定値(所定値)を設定すると、上記バラツキによる目標値とのずれを解消できなくなり、制御性が悪化する。そのため、バラツキ量に応じて判定値をスライドさせることより、誤った判定を行う可能性を除去できる。
【0015】
(請求項7の発明)
請求項1に記載した内燃機関の制御装置において、
過給機制御手段は、内燃機関の回転数や噴射量等の運転条件に応じてベースゲインを算出するベースゲイン算出手段と、内燃機関の運転状態(定常状態と減速状態)に応じてモードゲインを算出するモードゲイン算出手段とを有し、ベースゲインをモードゲインで補正してフィードバックゲインを算出することを特徴とする。
この場合、内燃機関の運転状態(減速状態と定常状態)に係わらず、回転数や噴射量等の運転条件に応じてベースゲインを求めているので、ゲインを設定する際の適合工数を大幅に低減でき、且つメモリ容量を低減できる効果がある。
【0016】
(請求項8の発明)
請求項1または2に記載した内燃機関の制御装置において、
吸入空気量に相関するパラメータとは、A/F、吸気O2 濃度、排気O2 濃度、EGR率、EGR量の何れか1つであることを特徴とする。
【0017】
(請求項9の発明)
請求項1または2に記載した内燃機関の制御装置において、
過給圧に相関するパラメータとは、吸入空気量、A/F、吸気O2 濃度、排気O2 濃度、EGR率、EGR量の何れか1つであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は内燃機関の制御系統を示す制御概略図である。
本実施例の内燃機関(エンジン1と呼ぶ)は、可変容量型の過給機(VNT2と呼ぶ)とEGR装置(下述する)とを備える。
エンジン1には、図1に示す様に、シリンダヘッドにインジェクタ3が取り付けられ、図示しないコモンレールに蓄圧された高圧燃料がインジェクタ3から燃焼室1aに噴射される。
【0019】
VNT2は、エンジン1の排気通路4に設けられる排気タービン2Aと、吸気通路5に設けられるコンプレッサ2Bとで構成され、翼開度(絞り量)に応じて過給圧を可変する。
EGR装置は、排気通路4から吸気通路5に排気ガスの一部(EGRガス)を戻すための装置であり、排気通路4と吸気通路5とを連通するEGR通路6と、このEGR通路6の開口割合を調節するEGRバルブ7とを有し、このEGRバルブ7の開度に応じて排気通路4から吸気通路5に還流する排気ガス量(EGR量)を可変する。
【0020】
EGR通路6は、排気タービン2Aより上流側で排気通路4に接続され、コンプレッサ2Bより下流側で吸気通路5に接続されている。
EGRバルブ7は、例えばソレノイドを内蔵するリニア電磁弁であり、ECU8より出力されるバルブリフト指令値に応じてリフトすることにより、EGR通路6の開口割合を調節する。このEGRバルブ7には、バルブリフト量(EGR操作量)を検出するリフト量センサが取り付けられ、検出したバルブリフト量を電気信号に変換してECU8に出力する。
【0021】
吸気通路5には、最上流部に吸入空気を濾過するエアクリーナ(図示しない)が設置され、コンプレッサ2Bの上流側に吸入空気量を計測するエアフロメータ9が設けられている。また、コンプレッサ2Bの下流側には、吸気スロットル10が配置され、更に吸気スロットル10の下流側には、吸気通路5内の吸気圧を検出する吸気圧センサ11が設けられている。なお、吸気圧センサ11は、吸気スロットル10の上流に配置しても良い。
【0022】
上記のエアフロメータ9及び吸気圧センサ11で検出される各情報は、それぞれECU8に出力される。
ECU8は、マイクロコンピュータを主体として構成される電子制御装置であり、図1に示す様に、エンジン1の運転状態が減速状態か否かを判定する運転状態判定手段8aと、エンジン1の運転状態に応じてVNT2のF/B制御に対するF/Bゲインを算出するゲイン算出手段8b(図3参照)、このゲイン算出手段8bにて算出されたF/Bゲインに基づいてVNT2の翼開度を制御するVNT制御手段8c、及びEGR装置のバルブ開度(EGRバルブ7の開度)を制御するEGR制御手段(図示しない)等を有している。
【0023】
次に、本実施例の制御内容について説明する。
図2はVNT2の翼開度を算出するECU8の処理手順を示すフローチャートである。
Step100 …吸気圧センサ11にて検出される実過給圧と目標過給圧とを読み込み、両者の偏差ΔPimを算出する。なお、目標過給圧は、エンジン1の運転条件(例えば回転数Ne と噴射量Q)に応じて、予めマップ8d(図1参照)に記憶されている。
【0024】
Step200 …エンジン1の運転条件からVNT2のベース翼開度VNTbase を読み込む。このベース翼開度VNTbase は、予め回転数Ne 及び噴射量Qに適合して定められ、マップ8e(図1参照)に記憶されている。
Step300 …運転状態判定手段8aにて減速状態か否かを判定する。ここでは、Step100 で算出した偏差ΔPimを判定値(所定値)と比較して判定する。なお、図中にも示す様に、判定値にヒステリシスを持たせることにより、F/B制御の切替えが煩雑に行われることを防止でき、制御の安定性を図ることができる。
【0025】
Step400 (Step300 で定常状態と判定された時)…ゲイン算出手段8bにて定常時のF/BゲインKpを算出する。ここでは、図3に示す様に、エンジン1の運転条件(例えば回転数Ne と噴射量Q)に応じて求められるベースゲインKp base を定常時のモードゲインK nor で補正してF/BゲインKpを算出する。ベースゲインKp base は、運転状態(減速状態と定常状態)に係わらず共通であり、予め回転数Ne と噴射量Qとに適合して定められ、ベースゲイン算出マップ8fに記憶されている。
定常時のモードゲインK nor は、ΔPimに適合して定められ、モードゲイン算出マップ8gに記憶されている。
【0026】
Step500 (Step300 で減速状態と判定された時)…減速時のF/BゲインKpを算出する。ここでは、定常時の場合(Step400 )と同様に、ベースゲインKp base を減速時のモードゲインK dec で補正してF/BゲインKpを算出する。減速時のモードゲインK dec は、ΔPimに適合して定められ、モードゲイン算出マップ8hに記憶されている。ここで、減速時のモードゲインK dec は、定常時のモードゲインK nor の0.8倍以下が適当である。
Step600 …Step400 またはStep500 で算出したF/BゲインKpを基にF/B量を算出する。
Step700 …VNT2の翼開度を算出する。ここでは、エンジン1の運転条件毎に設定されたベース翼開度VNTbase にStep600 で算出したF/B量を加算してVNT2の翼開度を求める。
【0027】
(本実施例の効果)
本実施例では、エンジン1の運転状態が減速状態の時に、VNT2のF/B制御に対するF/Bゲインを小さくするので、目標過給圧が減少してもVNT2を非絞り側に動きにくくできる。その結果、減速後に再加速する際に過給力を高めることができるので、加速性が向上する。また、減速時に排圧の低下が抑制されるので、EGRバルブ7が開き側に制御されることも抑制される。その結果、再加速時にEGR量の増加が抑えられるので、スモークが減少して排ガス特性が向上する。
【0028】
また、ゲイン算出手段8bでは、エンジン1の運転条件毎に設定されるベースゲインと、エンジン1の運転状態(定常状態と減速状態)に応じて設定されるモードゲインとでF/Bゲインを算出しているので、定常時と減速時とで、それぞれエンジン1の運転条件毎にF/Bゲインを適合させてマップに記憶させる場合と比較して、ゲインを設定する際の適合工数を大幅に低減でき、且つメモリ容量を低減できる効果がある。
【0029】
(変形例)
た、減速時に限らず、シフトアップが行われた時にも同様の制御を実施することができる。即ち、図2のフローチャートに示したStep300にて減速判定を行う代わりに、シフトアップが行われたか否かを判定するシフトアップ判定を実行し、シフトアップが行われた場合は、減速時と同様に、VNT2のF/B制御に対するF/Bゲインを小さくする、あるいはF/B制御を停止してオープン制御としても良い。
【0030】
上記の実施例では、F/Bゲインとして1つの操作量についてのみ記載したが、例えばPID・F/Bを行う場合には、P項、I項、D項それぞれの量に対しても同様にゲインを算出してF/B量を決定しても良い。
上述した運転状態判定手段8aでは、実過給圧と目標過給圧との偏差ΔPimを判定値と比較して運転状態を判定しているが、ΔPim以外にも、アクセル信号や目標過給圧の変化量及び方向などを用いて判定することも可能である。
【0031】
また、運転状態判定手段8aにて使用される判定値(所定値)は、VNT2及び吸気圧センサ11の機差や経年変化等により生じる過給圧のバラツキ量を考慮して決定しても良い。すなわち、VNT2や吸気圧センサ11のバラツキにより生じる目標値との偏差以内に判定値(所定値)を設定すると、上記バラツキによる目標値とのずれを解消できなくなり、制御性が悪化する。そのため、バラツキ量に応じて判定値をスライドさせることより、誤った判定を行う可能性を除去できる。
上記の実施例では、VNT2を過給圧に基づいてF/B制御しているが、過給圧以外にも、過給圧に相関する吸入空気量、A/F、吸気O2 濃度、排気O2 濃度、EGR率、EGR量の何れか1つを使用することも可能である。
【0032】
上述したゲイン算出手段8bでは、図3に示す様に、エンジン1の運転条件毎に設定されるベースゲインを記憶したマップ8fと、エンジン1の運転状態(定常状態と減速状態)に応じて設定されるモードゲインを記憶したマップ8g、8hとを使用しているが、例えば図4に示す様に、定常時と減速時とで、それぞれエンジン1の運転条件(回転数Ne と噴射量Q)に適合して求めたF/Bゲインをマップ8i、8jに記憶させ、運転状態に応じてマップ8i、8jを切替えても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの制御系統を示す制御概略図である。
【図2】ECUの処理手順を示すフローチャートである。
【図3】F/Bゲインの算出方法を示す説明図である。
【図4】F/Bゲインの別の算出方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 VNT(可変容量型の過給機)
5 吸気通路
6 EGR通路(EGR装置)
7 EGRバルブ(EGR装置)
8 ECU(制御装置)
8a 運転状態判定手段(減速状態判定手段)
8c VNT制御手段(過給機制御手段)
8f ベースゲイン算出マップ(ベースゲイン算出手段)
8g 定常時のモードゲイン算出マップ(モードゲイン算出手段)
8h 減速時のモードゲイン算出マップ(モードゲイン算出手段)
9 エアフロメータ(空気量計測手段)
11 吸気圧センサ

Claims (9)

  1. 翼開度に応じて過給圧を可変する可変容量型の過給機と、
    バルブ開度に応じて吸気系に還流する排気ガス量(EGR量)を可変するEGR装置とを備える内燃機関に対し、前記過給機の翼開度及び前記EGR装置のバルブ開度を制御する制御装置であって、
    吸気通路内に吸入される空気量を計測する空気量計測手段と、
    前記吸気通路内の吸気圧を検出する吸気圧センサと、
    実際の吸入空気量(前記空気量計測手段の計測値)と前記内燃機関の運転条件に応じて予め決められている目標吸入空気量との偏差、または前記吸入空気量に相関するパラメータとその目標値との偏差に応じて前記EGR装置のバルブ開度をフィードバック制御するEGR制御手段と、
    実際の過給圧(前記吸気圧センサの検出値)と前記内燃機関の運転条件に応じて予め決められている目標過給圧との偏差、または前記過給圧に相関するパラメータとその目標値との偏差に応じて前記過給機の翼開度をフィードバック制御する過給機制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態が減速状態か否かを判定する減速状態判定手段とを備え、
    前記過給機制御手段は、前記内燃機関の運転状態が減速状態と判定された場合に、前記過給機のフィードバック制御に対するフィードバックゲインを小さくすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 翼開度に応じて過給圧を可変する可変容量型の過給機と、
    バルブ開度に応じて吸気系に還流する排気ガス量(EGR量)を可変するEGR装置とを備える内燃機関に対し、前記過給機の翼開度及び前記EGR装置のバルブ開度を制御する制御装置であって、
    吸気通路内に吸入される空気量を計測する空気量計測手段と、
    前記吸気通路内の吸気圧を検出する吸気圧センサと、
    実際の吸入空気量(前記空気量計測手段の計測値)と前記内燃機関の運転条件に応じて予め決められている目標吸入空気量との偏差、または前記吸入空気量に相関するパラメータとその目標値との偏差に応じて前記EGR装置のバルブ開度をフィードバック制御するEGR制御手段と、
    実際の過給圧(前記吸気圧センサの検出値)と前記内燃機関の運転条件に応じて予め決められている目標過給圧との偏差、または前記過給圧に相関するパラメータとその目標値との偏差に応じて前記過給機の翼開度をフィードバック制御する過給機制御手段と、
    前記内燃機関の運転時にシフトアップが行われたか否かを判定するシフトアップ判定手段とを備え、
    前記過給機制御手段は、前記シフトアップが行われたと判定された場合に、前記過給機のフィードバック制御に対するフィードバックゲインを小さくするか前記フィードバック制御を停止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記減速状態判定手段は、前記内燃機関の運転状態が定常状態か過渡状態かを判定し、過渡状態と判定された場合に、更に前記目標過給圧が変化(増減)する方向を判定し、その変化方向が減少する場合に減速状態であると判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記減速状態判定手段は、前記実際の過給圧から目標過給圧を差し引いた値が所定値以上の時に減速状態と判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項2に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記シフトアップ判定手段は、前記実際の過給圧から目標過給圧を差し引いた値が所定値以上の時にシフトアップが行われたと判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項4または5に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記減速状態判定手段及び前記シフトアップ判定手段で使用される所定値は、前記過給機及び前記吸気圧センサの機差や経年変化等により生じる過給圧のバラツキ量を考慮して決定されることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記過給機制御手段は、
    前記内燃機関の回転数や噴射量等の運転条件に応じてベースゲインを算出するベースゲイン算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態(定常状態と減速状態)に応じてモードゲインを算出するモードゲイン算出手段とを有し、
    前記ベースゲインを前記モードゲインで補正して前記フィードバックゲインを算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1または2に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記吸入空気量に相関するパラメータとは、A/F、吸気O2 濃度、排気O2 濃度、EGR率、EGR量の何れか1つであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 請求項1または2に記載した内燃機関の制御装置において、
    前記過給圧に相関するパラメータとは、吸入空気量、A/F、吸気O2 濃度、排気O2 濃度、EGR率、EGR量の何れか1つであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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