JP3945283B2 - 電荷調整剤及びそれを含有するトナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真トナーの帯電性を制御するために使用する電荷調整剤及びそれを用いた静電荷像現像用正帯電性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法の原理を利用した複写機及びプリンター等においては、セレン等の無機光導電体又はポリビニルカルバゾールやフタロシアニン等の有機光導電体で構成された感光体上に、静電潜像を形成し、これに予め帯電させた乾式トナーを供給して可視画像とする現像方法が採られている。
【0003】
静電潜像を現像するために使用する乾式トナーは、鉄粉等の磁性粉体をトナー粒子に練り込んだ一成分系のものと、トナー粒子と磁性粉体とを混合して使用する二成分系のものに大別される。一成分系はトナー粒子相互の摩擦等によって、二成分系はトナー粒子と磁性粉体とを混合攪拌することによって、トナー粒子表面を帯電させている。帯電立ち上がり性、帯電経時安定性、飽和帯電量等のトナー粒子の帯電特性は、静電印刷の品質に大きく影響するため、これらの物性を制御し常時安定した状態でトナーを使用できるように、トナー粒子を製造する際には、正電荷又は負電荷付与性の電荷調整剤を内添することが多い。
【0004】
黒トナーに正電荷を付与する電荷調整剤としては、従来、ニグロシンが多く用いられてきた。しかしながらニグロシンは有色であるため、近年需要が増加しているカラートナーへの適用が難しく、また、飽和帯電量は高いが、帯電経時安定性が劣るといった問題や、高速印刷機で使用した時に、帯電立ち上がり性が悪く、しばしばカブリ(非画線部に斑点状の汚れが生じる現象)が発生しやすいといった問題がある。
【0005】
ニグロシン以外の正電荷調整剤として、特開昭62−53944号公報や特開平3−27052号公報には、第4級アンモニウム塩を使用した正電荷調整剤が開示されている。第4級アンモニウム塩は無色ないし淡色であり、帯電経時安定性に優れることから、カラートナー用電荷調整剤として適用可能である。しかし、ニグロシンに比べると飽和帯電量が劣るといった問題点があった。
また、特開平6−348061号公報には、アルキレン基又はフェニレン基と、イミノ基との繰り返し構造を有するポリアミンを使用した正電荷調整剤が開示されているが、これは低融点化合物のためトナー樹脂と混練の際着色しやすく、カラートナー用の電荷調整剤としては適用しにくい、という問題点があった。
また、特開昭58−171060号公報には、フェニルイミノ基とピペラジン環とがメチレン基を介して結合した繰り返し単位を有するポリアミンを使用した無色の正電荷調整剤が開示されているが、これは混練の際、トナー用の結着樹脂中への分散性が悪いといった問題点があった。
このように、無色ないし淡色で、且つ、優れた帯電特性を有し、カラートナーにも適用可能な電荷調整剤は未だ見出されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、無色ないし淡色で、黒トナー、カラートナーを問わずあらゆる色のトナーにおいて適用でき、帯電特性、特に飽和帯電量及び帯電経時安定性に優れた電荷調整剤及びそれを含有する静電荷像現像用正帯電性トナーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有するポリアミンからなる電荷調整剤を提供する。
【0008】
また、本発明は上記課題を解決するために、前記電荷調整剤を含有するトナーを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の電荷調整剤は、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有するポリアミンである。第4級アンモニウム塩構造としては、一般式(1)、(2)又は(3)で表される構造が、熱安定性に優れ、特に好ましい。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
式中、R1〜R4は、各々独立的に、水素原子、メチル基、n−ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。R5は、炭素原子数が4〜15のアルキレン基又はポリメチレン基を表わし、これらはフェニル基等の置換基を有していても良い。R5の具体例としては、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基などが挙げられる。中でも、炭素原子数4〜15のポリメチレン基が好ましく、炭素原子数6〜12のポリメチレン基が特に好ましい。
【0014】
R6は炭素原子数1〜18のアルキル基、又はアラルキル基を表わし、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。
【0015】
Mはアニオンを表す。アニオンとしては、1−ナフトール−3−スルホン酸アニオン、1−ナフトール−4−スルホン酸アニオン、1−ナフトール−5−スルホン酸アニオン、1−ナフトール−8−スルホン酸アニオン、2−ナフトール−6−スルホン酸アニオン、2−ナフトール−7−スルホン酸アニオン等のナフトールスルホン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン(BF4 −)、ヘキサフルオロリン酸アニオン(PF6 −)、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン(SbF6 −)等の含フッ素無機系アニオン、モリブデン酸アニオン、タングステン酸アニオン等の金属オキソ酸アニオンが挙げられる。中でもナフトールスルホン酸アニオンが好ましく、2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンが特に好ましい。
【0016】
本発明で使用するポリアミンのピペラジン−1,4−ジイル構造としては、一般式(4)で表される構造が特に好ましい。
【0017】
【化7】
一般式(4)
(式中、R1〜R5は、前記一般式(1)〜(3)の構造と同様の基を表す。)
【0018】
本発明で使用するポリアミンは、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有していればよいが、前記一般式(4)で表される構造と、前記一般式(1)〜(3)で表される構造から選ばれる少なくとも1つの構造との繰り返し構造からなっていることが好ましい。この繰り返し順序には特に制限はない。
前記一般式(4)で表される構造と、前記一般式(1)〜(3)で表される構造との組み合わせにも特に限定はなく、例えば、一般式(1)で表される構造と一般式(4)で表される構造とを有するポリアミンであってもよいし、一般式(1)〜(4)で表される構造全てを有するポリアミンであってもよい。
【0019】
また、該ポリアミンが有する、前記一般式(1)〜(4)のR5で表される炭素原子数が4〜15のアルキレン基又はポリメチレン基は、同一であっても異なっていてもよい。また複数のR5の1部分が、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数が小さいアルキレン基、あるいはヘキサメチレン基、デカメチレン基といった炭素原子数が大きいポリメチレン基であってもよい。しかし、メチレン基の割合が多すぎると、得られるポリアミンは高融点で非常に堅いものとなってしまい、混練の際にバインダー樹脂中への分散性が悪くなる傾向にあり、また、エチレン基やプロピレン基の割合が多すぎると、得られるポリアミンはピペラジン基に由来する親水性が強く、水に対する親和性が強くなるため、トナーに配合する際に空気中の水分を吸着し、帯電量が低下してしまう傾向にある。そのため、炭素原子数が小さいアルキレン基の割合は、繰り返し構造を有する複数のR5すべてに対して、モル換算で10%以下にとどめておくことが好ましい。
【0020】
本発明の電荷調整剤において、ポリアミン中のピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造との比率は、モル換算で、99:1〜1:99が好ましく、中でも95:5〜30:70が特に好ましい。この範囲において、飽和帯電量が高く、且つ帯電経時安定性に優れた電荷調整剤を得ることができる。
【0021】
本発明の電荷調整剤に使用する、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有するポリアミン(以下、本発明で使用するポリアミンと略す。)は公知慣用の方法で合成することができる。
例えば、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩構造を有するポリアミンは、ピペラジンを、反応温度を30〜50℃としてアルキル(又はアラルキル)ハライドでアルキル(又はアラルキル)化し、更にアルカリで中和して、ピペラジンの片方のイミノ基がアルキル(又はアラルキル)化されたN−アルキル(又はアラルキル)ピペラジンを合成し(この条件では、片方のイミノ基は容易にアルキル化又はアラルキル化されるが、もう片方のイミノ基は塩基度が低下するため、更にアルキル化又はアラルキル化される事は極めて少ない。)、次に、これとピペラジンとの混合物を、反応温度を70〜80℃としてジクロロアルカン等のジハロゲン化物と重縮合反応させてポリアミンを得、中和した後、ナフトールスルホン酸塩等の塩でポリアミン中のハロゲンイオンをアニオン交換することで、得ることができる。
【0022】
また、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と、一般式(2)で表される第4級アンモニウム塩構造を有するポリアミンは、ピペラジンを、反応温度を70〜80℃としてアルキル(又はアラルキル)ハライドでアルキル(又はアラルキル)化し、更にアルカリで中和して、N,N’−ジアルキル(又はジアラルキル)ピペラジンを合成し、次に、これとピペラジンとの混合物を、反応温度を70〜80℃としてジクロロアルカン等のジハロゲン化物と重縮合反応させてポリアミンを得、これを中和した後、ナフトールスルホン酸塩等の塩でポリアミン中のハロゲンイオンをアニオン交換することで、得ることができる。
【0023】
また、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と、一般式(3)で表される第4級アンモニウム塩構造を有するポリアミンは、ピペラジンと、トリエチレンジアミンとの混合物を、反応温度を70〜80℃としてジクロロアルカン等のジハロゲン化物と重縮合反応させてポリアミンを得、更に中和し、最後にナフトールスルホン酸塩等の塩でポリアミン中のハロゲンイオンをアニオン交換することで、得ることができる。
【0024】
その他、ピペラジンとピペラジンの2倍モル量のジアルキルアミンとの混合物と、ジクロロアルカン等のジハロゲン化物とを70〜80℃で反応させた後中和して得られた化合物と、ピペラジンとの混合物を、反応温度を70〜80℃としてジクロロアルカン等のジハロゲン化物と重縮合反応させてポリアミンを得、ナフトールスルホン酸塩等の塩でポリアミン中のハロゲンイオンをアニオン交換することで、得ることができる。
【0025】
前記方法に使用するピペラジンは、代わりに、2−メチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2−ブチルピペラジン、2,3−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペラジン、2,3,5,6−テトラメチルピペラジン等、ピペラジン骨格のイミノ基が反応可能なものを特に限定なく使用することができる。またこれらの化合物は、1種類でも、2種類以上を併用することもできる。
【0026】
前記方法に使用するアルキル(又はアラルキル)ハライドの具体例としては、メチルクロライド、エチルクロライド、n−プロピルクロライド、イソプロピルクロライド、n−ブチルクロライド、n−ヘキシルクロライド、n−オクチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、n−ブチルブロマイド、n−ヘキシルブロマイド、n−オクチルブロマイド、メチルアイオダイド、エチルアイオダイド、n−ブチルアイオダイド等のアルキルハライド類、及び、ベンジルクロライド、2−フェニルエチルクロライド、ベンジルブロマイド、ベンジルアイオダイド等のアラルキルハライド類が挙げられる。
【0027】
前記方法に使用するジハロゲン化物としては、例えば、1,4−ジクロロブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,6−ジクロロへキサン、1,7−ジクロロヘプタン、1,8−ジクロロオクタン、1,9−ジクロロノナン、1,10−ジクロロデカン、1,11−ジクロロウンデカン、1,12−ジクロロドデカン、1,13−ジクロロトリデカン、1,14,−ジクロロテトラデカン、1,15−ジクロロペンタデカン、1,6−ジブロモへキサン、1,8−ジブロモオクタン、1,6−ジアイオドへキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジクロロプロパン等が挙げられる。これらの中でも、1,6−ジクロロへキサン、1,8−ジクロロオクタン、1,10−ジクロロデカンが特に好ましい。
【0028】
該ジハロゲン化物は、1種類又は数種類を併用することができる。また、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン等の炭素原子数が小さいジハロゲン化物、あるいは炭素原子数が大きいジハロゲン化物を少量併用してもよい。しかし、ジクロロメタンの使用量が多すぎると、得られるポリアミンの融点が上昇し、当該ポリアミンとバインダー樹脂とを混練する際にバインダー樹脂中への分散性が悪くなる傾向にあり、また、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン等の使用量が多すぎると、ポリアミンの水に対する親和性が強く残るため、トナーに配合する際に、空気中の水分を吸着して、帯電量が低下してしまう傾向にあるので、これらの炭素原子数が小さいジハロゲン化物の配合比は、ジハロゲン化物全量の10質量%以下とするのが好ましい。
【0029】
前記方法に使用する塩としては、1−ナフトール−3−スルホン酸ナトリウム、1−ナフトール−4−スルホン酸ナトリウム、1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム、1−ナフトール−8−スルホン酸ナトリウム、2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム、1−ナフトール−3−スルホン酸カリウム、1−ナフトール−4−スルホン酸カリウム、1−ナフトール−5−スルホン酸カリウム、1−ナフトール−8−スルホン酸カリウム、2−ナフトール−6−スルホン酸カリウム、2−ナフトール−7−スルホン酸カリウム等のナフトールスルホン酸塩、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウム、ヘキサフルオロアンチモン酸カリウム、ヘキサフルオロアンチモン酸アンモニウム等の含フッ素無機系塩、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム等の金属オキソ酸塩が挙げられる。中でも2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0030】
前記方法に使用するトリエチレンジアミンは、代わりに、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラ−n−ブチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,9−ノナンジアミン等の3級アミンを使用してもよい。
【0031】
前記方法に使用するジアルキルアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジベンジルアミン、N,N−メチル、ベンジルアミン、N−メチルアニリン等が挙げられる。
【0032】
前記方法で合成したN−アルキル(又はアラルキル)ピペラジンやN,N’−ジアルキル(又はアラルキル)ピペラジン、あるいはトリエチレンジアミン等の3級アミンと、ピペラジンとの混合比は、モル換算で、99:1〜1:99の範囲が好ましく、中でも95:5〜30:70の範囲が好ましい。
該混合物は、前記方法のように、予めN−アルキル(又はアラルキル)ピペラジンを合成した後、新たにピペラジンを混合しても良いし、N−アルキル(又はアラルキル)ピペラジンを合成する際に、ピペラジン過剰でアルキル(又はアラルキル)ハライドを反応させ、N−アルキル(又はアラルキル)ピペラジンと未反応ピペラジンとの混合物を得ても良い。
一方、前記3級アミンとピペラジンとの混合物と、ジハロゲン化物との混合比は、モル換算で、4:1〜1:4の範囲であることが好ましく、2:1〜1:2の範囲が特に好ましい。
【0033】
また、末端にイミノ基を残してポリアミンを合成し、該イミノ基に少量のホルマリンを反応させることもできる。このときホルマリンの反応量が多すぎると得られるポリアミンの融点が上がり、混練の際バインダー樹脂中への分散性が悪くなる傾向にあるので、ホルマリンの反応量は、イミノ基1モルに対して0.1モル以下に押さえておくのが好ましい。
【0034】
本発明で使用するポリアミンの数平均分子量は、500〜50,000の範囲が好ましく、2,000〜30,000の範囲が特に好ましい。ポリアミンの数平均分子量が500未満の場合、ポリアミンの融点が低く、トナーへ加工する際の混練時に飛散しやすい傾向にあり、また、ポリアミンの数平均分子量が50,000を超えると前記混練時の分散性に劣る傾向にあるので、好ましくない。
【0035】
本発明で使用するポリアミンからなる電荷調整剤は、電子写真等に用いられるトナーの帯電性を制御するための正帯電性電荷調整剤として有用である。
【0036】
本発明の電荷調整剤をトナーに内添する方法には特に制限がないが、例えば、電荷調整剤として使用する化合物を予備粉砕し、必要ならば更に分級した後、この粉砕物を、トナー樹脂、着色剤、その他トナー構成成分と共に、混合、溶融混練する方法が挙げられる。
【0037】
本発明の電荷調整剤をトナー中に内添する際の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲が好ましく、0.5〜10質量部の範囲が特に好ましい。トナー中の電荷調整剤の使用量が0.1質量部より少ない場合、帯電の際の立ち上がり性が悪くなり、あるいは、トナーが飛散しやすくなる傾向にあり、電荷調整剤の使用量が15質量部より多い場合、摩擦帯電した時のトナーの帯電量が経時的に下がりやすくなり、帯電安定性が劣る傾向にある。
【0038】
上記の方法により本発明の電荷調整剤を添加することで、正帯電性トナーを得ることができる。また、当該電荷調整剤の性能及びトナーの用途目的を損なわない範囲で、その他の電荷調整剤を併用することもできる。また、本発明の電荷調整剤は、トナーを製造する際、帯電量調整のため必要に応じて負帯電性電荷調整剤と併用して用いることもでき、正帯電性トナーのみならず負帯電性トナーの電荷調整剤としても使用することが可能である。
【0039】
本発明のトナーに使用する結着樹脂としては、公知の電子写真用に使用されれている樹脂が使用できる。樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、などが挙げられる。中でも、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。通常、これらの樹脂の1種を使用するが、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0040】
本発明のトナーに使用する着色剤としては、公知の種々の有機顔料、無機顔料、染料等が使用できる。着色剤の具体例としては、カーボンブラック等の黒色顔料;フタロシアニンブルー、アニリンブルー、ウルトラマリーンブルー等の青色顔料;マラカイトグリーン、フタロシアニングリーン、ブリリアントグリーン等の緑色顔料;キナクリドン、ローズベンガル、パーマネントレッド、イルガシンレッド、トルイジンレッド等の赤色顔料;ベンチジンイエロー、キノリンイエロー、ファーストイエローG、ハンザイエロー等の黄色顔料;トリアリールメタン系染料、アゾ系染料、ニグロシン系染料、などが挙げられる。
【0041】
本発明のトナーには、通常トナーに使用する添加剤、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、天然又は合成ワックス類、などを必要に応じて添加することもできる。
【0042】
本発明のトナーは、二成分現像剤及び一成分現像剤のいずれにも適用可能である。例えば、本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合、該トナーをキャリア粉と混合して使用するが、その際に使用するキャリア粉としては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性粉体、硝子ビーズ、などのほか、これらの表面を樹脂で処理したコーティングキャリアなどが挙げられる。
【0043】
本発明のトナーを一成分現像剤として使用する場合、トナー製造の際に、例えば、鉄粉、フェライト粉等の磁性微粉体を適量添加し、分散させた磁性一成分の形、あるいは磁性粉体を含まない非磁性一成分の形で使用する。
【0044】
本発明の主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有するポリアミンからなる電荷調整剤は、従来使用されている第4級アンモニウム塩型と比較して、飽和帯電量が高く、また、ニグロシンと比較しても帯電経時安定性の面で遙かに優れている。また、該ポリアミンは淡色であるため、黒トナーのみならずカラートナー用の電荷調整剤としても極めて有用である。
【0045】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、すべて質量基準であるものとする。
【0046】
(合成例1)
還流冷却管、温度計、デカンター及び撹拌装置を取り付けた反応容器に、ピペラジン100g、エタノール150gを仕込み溶解させた。内容物を40℃まで加熱し、50℃を超えない範囲で温度を維持しながら、ベンジルクロライド36.6gを滴下し、更に30分間攪拌を継続した後、炭酸ナトリウム15.3gを添加し、内容物を80℃で1時間攪拌して、生成したN−ベンジルピペラジン(塩酸塩)の中和反応を行った。次いで、同温度で1,6−ジクロロへキサン170.3gを約1時間かけて滴下し、更に4時間攪拌をしながらポリアミン(塩酸塩)の合成反応を行った。次に、エタノール90gを留去した後、98%苛性ソーダ77.7gを水160gに溶解した水溶液を加え、90℃で1時間かけて該ポリアミン(塩酸塩)の中和反応を行った。次いで、水300gで内容物を希釈し、室温に戻して水層を分離した後、87.5%純度の2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム81.2g、及び水500gを加え、70℃で1時間かけて生成ポリアミン中の塩素イオンを2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンにイオン交換した。最後に内容物をろ過し、水洗した後、110℃で3時間乾燥させて、下記式の構造を複数有するポリアミン(P−1)226gを得た。このポリアミン(P−1)は淡色で、融点114〜130℃(DSC測定値)、数平均分子量(以下、Mnと略す。 数値はポリメチルメタクリレート換算)は、5,900であった。
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
(式中、R1〜R4は水素原子を、R5はヘキサメチレン基を、R6はベンジル基を、Mは2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンを表す。)
【0050】
(合成例2)
合成例1において、1,6−ジクロロヘキサン170.3gの代わりに1,6−ジクロロヘキサン85.0g、及び1,8−ジクロロオクタン100.7gを使用した以外は合成例1と同様に反応を行い、ポリアミン(P−2)を235g得た。このポリアミン(P−2)は淡色で、融点115〜126℃、Mnは5,500であった。
【0051】
(合成例3)
合成例1において、1,6−ジクロロヘキサン170.3gの代わりに1,6−ジクロロヘキサン102.2g、及び1,10−ジクロロデカン92.7gを使用した以外は合成例1と同様に反応を行い、ポリアミン(P−3)を251g得た。このポリアミン(P−3)は淡色で、融点110〜126℃、Mnは、5,600であった。
【0052】
(合成例4)
合成例1において、1,6−ジクロロヘキサン170.3gの代わりに1,6−ジクロロヘキサン127.7g、及び1,4−ジクロロブタン34.9gを使用した以外は合成例1と同様に反応を行い、ポリアミン(P−4)を215g得た。このポリアミン(P−4)は融点109〜121℃、Mnは、4,900であった。
【0053】
(合成例5)
合成例1において、ピペラジン100gの代わりに2,5−ジメチルピペラジン133gを使用した以外は合成例1と同様に反応を行い、ポリアミン(P−5)を241g得た。このポリアミン(P−5)は融点112〜128℃、Mnは5,700であった。
【0054】
(合成例6)
合成例1において、ベンジルクロライド36.6gの代わりに1−クロロオクタン43.0gを使用した以外は合成例1と同様に反応を行い、ポリアミン(P−6)を220g得た。このポリアミン(P−6)は淡色で、融点115〜136℃、Mnは5,900であった。
【0055】
(合成例7)
合成例1において、2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム(87.5%純度)81.2gの代わりに1−ナフトール−4−スルホン酸ナトリウム(89.2%純度)70.8gを使用した以外は合成例1と同様に反応を行い、ポリアミン(P−7)を215g得た。このポリアミン(P−7)は淡色で、融点116〜133℃、Mnは5,500であった。
【0056】
(合成例8)
還流冷却管、温度計、デカンター及び撹拌装置を取り付けた反応容器に、ピペラジン15.0g、エタノール150gを仕込み溶解させた。内容物を75℃まで加熱し、この温度を維持しながら、n−ヘキシルクロライド41.8gを滴下し、更に30分間攪拌を継続した後、炭酸ナトリウム18.4gを添加し、内容物を更に80℃で1時間攪拌して、生成したN,N’−ジ−n−ヘキシルピペラジン(二塩酸塩)の中和反応を行った。次いで、更にピペラジン85.0gを加えて溶解した後、同温度で1,6−ジクロロへキサン170.3gを約1時間かけて滴下し、更に4時間攪拌をしながらポリアミン(塩酸塩)の合成反応を行った。次に、エタノール90gを留去した後、98%苛性ソーダ75.3gを水157gに溶解した水溶液を加え、90℃で1時間かけて該ポリアミン(塩酸塩)の中和反応を行った。次いで、水300gで内容物を希釈し、室温に戻して水層を分離した後、87.5%純度の2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム97.4g、及び水500gを加え、70℃で1時間かけて生成ポリアミン中の塩素イオンを2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンにイオン交換した。最後に内容物をろ過し、水洗した後、110℃で3時間乾燥させて、下記式の構造を複数有するポリアミン(P−8)235gを得た。このポリアミン(P−8)は淡色で、融点123〜148℃、Mnは5,300であった。
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】
【0059】
(式中R1〜R4は水素原子、R5はヘキサメチレン基、R6はn−ヘキシル基、Mは2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンを表す。)
【0060】
(合成例9)
還流冷却管、温度計、デカンター及び撹拌装置を取り付けた反応容器に、ピペラジン100g、トリエチレンジアミン18.5g、エタノール178gを仕込み溶解した後、70〜80℃で1,6−ジクロロへキサン194.7gを約1時間かけて滴下し、更に4時間攪拌をしながらポリアミン(塩酸塩)の合成反応を行った。次に、エタノール120gを留去した後、98%苛性ソーダ94.1gを水210gに溶解した水溶液を加え、90℃で1時間かけて該ポリアミン(塩酸塩)の中和反応を行った。次いで、水500gで内容物を希釈し、室温に戻して水層を分離した後、87.4%純度の2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム93.0g、及び水400gを加え、70℃で1時間かけて生成ポリアミン中の塩素イオンを2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンにイオン交換した。最後に内容物をろ過し、水洗した後、110℃で3時間乾燥させて、下記式の構造を複数有するポリアミン(P−9)264gを得た。このポリアミン(P−9)は淡色で、融点133〜152℃、Mnは5,200であった。
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
(式中、R1〜R4は水素原子、R5はヘキサメチレン基、Mは2−ナフトール−6−スルホン酸アニオンを表す。)
【0064】
(実施例1)
トナー用ポリエステル樹脂[ガラス転移温度(Tg)=61℃、酸価≒7、質量平均分子量(以下、Mwと略す)≒10,000、Mn≒4,700]100部、合成例1で得たポリアミン(P−1)1.5部、三菱化学(株)製のカーボンブラック「MA−100」5部及び三洋化成工業(株)製のポリプロピレンワックス「ビスコール550P」2部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで加熱ロールミルで溶融混練し、室温まで冷却した後、ジェットミルで微粉砕し、更に分級して平均粒径10μmの粉末として、黒トナーを調製した。
【0065】
(実施例2〜9)
実施例1において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、合成例2〜9で得たポリアミン(P−2)〜(P−9)のそれぞれを用いた以外は、実施例1と同様にして、黒トナーを調製した。
【0066】
(比較例1)
実施例1において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、下記式で表わされる化合物(P−10)を使用した以外は、実施例1と同様にして、黒トナーを調製した。
【0067】
【化14】
【0068】
(比較例2)
実施例1において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、オリエント化学社製のニグロシンである「ボントロンN−04」(樹脂混練品=ニグロシンベースとして約55%含有)3部を使用した以外は、実施例1と同様にして、黒トナーを調製した。
【0069】
(トナーの評価方法)
(A)帯電量測定;
実施例1〜9及び比較例1〜2で得たトナーを各々4g、及びシリコーン樹脂処理フェライトキャリア96gを容量100mlポリ瓶に入れ、ボールミル上にこのポリ瓶をセットし、200rpmの回転速度で攪拌しながら、3分経過後、10分経過後、30分経過後及び60分経過後にサンプリングして各サンプルの帯電量を測定した。帯電量の測定には、東芝ケミカル(株)製ブローオフ帯電量測定装置「TB−200」を使用した。その結果を表1及び表2にまとめて示した。
【0070】
【表1】
[表1]
【0071】
【表2】
[表2]
【0072】
(B)印字テスト
実施例1〜9及び比較例1〜2で得たトナーを用いて、市販の磁性二成分現像機により印字テストを行い、印刷開始後10枚目、及び5万枚目について、マクベス光学濃度計でベタ印刷画像の光学濃度(OD)を測定した。その結果を表3及び表4にまとめて示した。この結果、実施例1〜9は印刷開始後10枚目と▲2▼5万枚目でODに殆ど変化が見られなかったが、比較例1、2では、ODが5%以上低下した。
【0073】
【表3】
[表3]
【0074】
【表4】
[表4]
【0075】
(実施例10)
トナー用ポリエステル樹脂[ガラス転移温度(Tg)=61℃、酸価≒7、Mw≒10,000、Mn≒4,700]100部、合成例1で得たポリアミン(P−1)0.7部、大日本インキ化学工業(株)製の青顔料「KET BLUE 106(C.I.Pig.No.B-15-4)」4部及び三洋化成工業(株)製のポリプロピレンワックス「ビスコール550P」2部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで冷却した。これをジェットミルで微粉砕し、更に分級して平均粒径約10μmの粉末として、青色トナーを得た。
【0076】
(実施例11〜14)
実施例10において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、合成例2、5、8、又は9で得たポリアミン(P−2)、(P−5)、(P−8)又は(P−9)をそれぞれ使用した以外は、実施例10と同様にして青色トナーを得た。
【0077】
(比較例3)
実施例10において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、化合物(P−10)を使用した以外は、実施例10と同様にして青色トナーを得た。
【0078】
実施例10〜14、比較例3で得た各青色トナーについて、実施例1の(A)及び(B)と同様の手順で帯電量測定及び印字テストを行い、その結果を表5及び表6にまとめて示した。
【0079】
【表5】
[表5]
【0080】
【表6】
[表6]
【0081】
(実施例15)
トナー用ポリエステル樹脂[ガラス転移温度(Tg)=65.6℃、酸価≒10mgKOH/g、Mw≒10,000、Mn≒4,800]100部、合成例1で得たポリアミン(P−1)0.7部、大日本インキ化学工業(株)製の赤顔料「KET RED 309( C.I.Pig.No.R-122)」6部及び(三洋化成工業(株)製のポリプロピレンワックス「ビスコール550P」2部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで冷却した。これをジェットミルで微粉砕し、更に分級して平均粒径10μmの粉末として、赤色トナーを得た。
【0082】
(実施例16〜19)
実施例15において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、合成例2、3、5、及び8で得たポリアミン(P−2)、(P−3)、(P−5)、及び(P−8)を使用した以外は、実施例15と同様にして赤色トナーを得た。
【0083】
(比較例4)
実施例15において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、(P−10)を使用した以外は、実施例15と同様にして赤色トナーを得た。
【0084】
実施例15〜19、及び比較例4で得た各赤色トナーについて、実施例1の(A)と同様の手順で帯電量測定を行い、その結果を表7にまとめて示した。
【0085】
【表7】
[表7]
【0086】
(実施例20)
トナー用ポリエステル樹脂[ガラス転移温度(Tg)=65.6℃、酸価≒10、Mw≒10,000、Mn≒4,800]100部、合成例1で得たポリアミン(P−1)0.7部、クラリアント(株)製の黄色顔料「Toner Yellow HG (C.I.Pig.No.180)」4部及び三洋化成工業(株)製のポリプロピレンワックス「ビスコール550P」2部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで冷却した。これをジェットミルで微粉砕し、更に分級して平均粒径10μmの粉末として、黄色トナーを得た。
【0087】
(実施例21〜24)
実施例20において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、合成例3、4、6、及び7で得たポリアミン(P−3)、(P−4)、(P−6)、及び(P−7)をそれぞれ使用した以外は、実施例20と同様にして黄色トナーを得た。
【0088】
(比較例5)
実施例20において、合成例1で得たポリアミン(P−1)に代えて、化合物(P−10)を使用した以外は、実施例20と同様にして黄色トナーを得た。
【0089】
実施例20〜24及び比較例5で得た各黄色トナーについて、実施例1の(A)と同様の手順で帯電量測定を行い、その結果を表8にまとめて示した。
【0090】
【表8】
[表8]
【0091】
以上の結果より、本発明のポリアミンからなる電荷調整剤を添加したトナーは、平均帯電量が+10〜11μC/gで帯電経時安定性に優れており、且つかなり高いレベルにあることが判った。また印字テストも全て良好であった。これに対し、化合物(P−10)を添加したトナーは、帯電経時安定性は比較的良好であったが、平均帯電量が低かった。又、ボントロンN−04を添加したトナーは、平均帯電量は高かったが帯電経時安定性がかなり劣っていた。
【0092】
【発明の効果】
本発明の電荷調整剤は、主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有するポリアミンからなっており、帯電特性、特に飽和帯電量及び帯電経時安定性に優れている。また、淡色であるため、特にカラートナーに適用した場合に、色再現性が良く、鮮明なカラー画像を得ることができる。
Claims (2)
- 主鎖中にピペラジン−1,4−ジイル構造と第4級アンモニウム塩構造とを有するポリアミンからなり、前記第4級アンモニウム塩構造が、下記一般式(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、前記ピペラジン−1,4−ジイル構造が下記一般式(4)で表される構造であることを特徴とする電荷調整剤。
(式中、R1〜R4は、各々独立的に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、R5は、炭素原子数4〜15のアルキレン基又はポリメチレン基を表わす。R6は、炭素原子数1〜18のアルキル基、又はアラルキル基を表わす。Mはナフトールスルホン酸アニオン、含フッ素無機系アニオン、又は金属オキソ酸アニオンを表わす。)
(式中、R 1 〜R 5 は、前記一般式(1)〜(3)の構造と同様の基を表す。) - 請求項1記載の電荷調整剤を含有することを特徴とするトナー。
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