JP3945109B2 - Photothermographic material, image recording method and image forming method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は保存性に優れた熱現像感光材料、特に現像後の銀画像の保存性において優れた白黒熱現像感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療や印刷製版の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、近年では、環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】
そこで、レーザー・イメージャーやレーザー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。
【0004】
かかる技術として、例えば、米国特許第3,152,904号、同3,487,075号、及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials,Marcel Dekker,Inc.第48頁,1991)等に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還元剤を含有する熱現像感光材料が知られている。この熱現像感光材料では溶液系処理薬品を一切使用しないため、より簡便で環境を損なわないシステムをユーザーに提供することができる。
【0005】
ところで、熱現像感光材料においては、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還元剤を含有するため、熱現像前の保存期間及び熱現像時にかぶりが生じ易いばかりでなく、熱現像処理後の保存期間にもかぶり又は光分解銀(プリントアウト銀)が生じやすい問題がある。特に、該感光材料では、露光後、通常、80〜250℃で熱現像するだけで定着を行わないため、未露光部に残ったハロゲン化銀、有機銀塩及び還元剤が併存する条件下での長期間保存において、熱や光により銀画像が変色することが問題であった。
【0006】
これらの問題を解決するための技術が特開平6−208192号、特開平8−267934号、米国特許5,714,311号及びこれらの特許文献に引用されている文献等において開示されているが、これらの開示技術はある程度の効果を有するものの、市場において要求されるレベルを満たすための技術としてはまだ充分なものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、熱現像時また熱現像感光材料を長期保存したときに生ずるかぶりが少なく、かつ、特に熱現像後における銀画像の安定性に優れた熱現像感光材料及び画像記録方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記手段1〜8により達成される。尚、11〜14は参考として挙げられる。
【0009】
1.少なくとも、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、熱により活性化されたときに該有機銀塩の銀イオンを銀に還元しうる還元剤、バインダー、該バインダーの架橋剤を含有してなる熱現像感光材料において、前記架橋剤が、イソシアナート、チオイソシアナートそしてエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1種であり、かつ、感光性ハロゲン化銀がメルカプト化合物により強色増感を施されたものであって、更に該感光材料の熱現像後に紫外光又は可視光に露光することで、上記還元剤を不活性化し、有機銀塩を銀に還元できないようにすることができるハロゲン原子以外の反応活性種を発生する化合物として一般式〔1〕又は一般式〔2〕で表される化合物を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【化C】
(式中、R 1 、R 2 及びR 3 (同一又は相異なる)の各々はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルフォニル基、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、スルフォ基及びアミノ基を示す。)
【化D】
(式中、Qは、5、6または7員環を完成するに必要な原子を包含し、かつ、該必要な原子は炭素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる。R 1 、R 2 及びR 3 (同一又は相異なる)の各々は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルフォニル基、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、スルフォ基及びアミノ基を示す。R 4 はカルボキシレート基及びO - を示す。Wは0又は1を表す。X - はアニオン性対イオンである。R 3 がスルフォ基又はカルボキシル基のときは、Wは0で、かつR 4 はO - である。また、R 1 、R 2 及びR 3 の何れかは互いに結合して環を形成してもよい。)
【0011】
2.紫外光又は可視光に露光することで、還元剤を不活性化し、有機銀塩を銀に還元できないようにすることができるハロゲン原子以外の反応活性種を発生する化合物に加えて、反応活性種としてハロゲン原子を発生する化合物を含有することを特徴とする前記1に記載の熱現像感光材料。
【0012】
3.ハロゲン原子以外の反応活性種が複数の原子からなるフリーラジカルであることを特徴とする前記1又は2に記載の熱現像感光材料。
【0013】
4.ハロゲン原子以外の反応活性種を発生する化合物が炭素環式又は複素環式の芳香族基を有することを特徴とする前記1、2又は3に記載の熱現像感光材料。
【0014】
5.感光性ハロゲン化銀が、赤外分光増感色素により増感されている事を特徴とする前記1、2、3又は4に記載の熱現像感光材料。
【0016】
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料に該熱現像感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角度が実質的に垂直になることがないレーザー露光機による露光を行うことを特徴とする画像記録方法。
【0017】
7.前記1〜5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料に画像を記録する際の走査レーザー光が縦マルチであるレーザー光走査露光機による露光を行うことを特徴とする画像記録方法。
【0018】
8.前記1〜5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料が有機溶剤を感光材料1m2あたり5〜1000mg含有している状態において加熱現像することを特徴とする画像形成方法。
【0019】
11.支持体上に、少なくとも、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、熱により活性化されたときに該有機銀塩の銀イオンを銀に還元しうる還元剤、脂肪族ジカルボン酸無水物を含有する感光層が設けられた熱現像感光材料。
【0020】
12.支持体上に、少なくとも、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、熱により活性化されたときに該有機銀塩の銀イオンを銀に還元しうる還元剤、水素化フタル酸無水物を含有する感光層が設けられた熱現像感光材料。
【0021】
13.前記11及び12に記載の熱現像感光材料にレーザー走査露光機による露光を行うことを特徴とする画像記録方法。
【0022】
14.前記11及び12に記載の熱現像感光材料を加熱現像することを特徴とする画像形成方法。
【0023】
熱現像感光材料は少なくとも、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、熱により活性化されたときに該有機銀塩の銀イオンを銀に還元しうる還元剤、バインダー、該バインダーの架橋剤を含有している。従って、感光体であるハロゲン化銀、銀ソースである有機銀塩と還元剤が共存しており、感光材料の保存性がわるい。また、現像後、定着を行わないために、現像後の保存性、特に光にあたったときのプリントアウトが大きいという欠点を有する。
【0024】
感光材料中に還元剤が存在するために有機銀塩との反応によって熱カブリが生成しやすくなっていることと、現像後において、画像記録のための光とは異なる波長領域の光が照射されたときにも還元剤が銀イオンを還元するという本来の機能の他にホールトラップとして機能する等の為に、ハロゲン化銀乃至有機銀塩からのプリントアウト銀がどうしても大きくなってしまうというのがその原因と考えられる。
【0025】
従って、本発明者は以下に示すような熱現像感光材料を熱現像した後に、画像を紫外光及び可視光に曝したときに、該還元剤を不活性化することで有機銀塩乃至ハロゲン化銀を銀に還元できないようにすることができる反応活性種を放出できる化合物を含有させることで解決できることを見いだした。
【0026】
熱現像感光材料に用いられる還元剤としては、後述するように、ビスフェノール類やスルホンアミドフェノール類のようなプロトンをもった還元剤が用いられているので、これらの水素を引き抜くことができる活性種を発生することにより還元剤を不活性化できる化合物が好ましい。好適には、無色の光酸化性物質として、露光時にフリーラジカルを反応活性種として生成可能な化合物が好ましい。
【0027】
従ってこれらの機能を有する化合物であればいかなる化合物でもよいが、ハロゲンラジカルはハロゲン化銀の生成につながるので好ましくなく、複数の原子からなる有機フリーラジカルが好ましい。かかる機能を有しかつ熱現像感光材料に格別の弊害を生じることのない化合物であればいかなる構造をもった化合物でもよい。
【0028】
又、これらのフリーラジカルを発生する化合物としては発生するフリーラジカルに、これが還元剤と反応し不活性化するに充分な時間接触できる位の安定性をもたせるために炭素環式、又は複素環式の芳香族基を有するものが好ましい。
【0029】
これらの化合物の代表的なものとして以下にあげるビイミダゾリル化合物、ヨードニウム化合物をあげることができる。
【0030】
ビイミダゾリル化合物は紫外光、可視光で光照射されたときに発生するフリーラジカルである2個のイミダゾリルラジカルが熱による像形成後に残存する還元剤を酸化する能力を有しており、それによりそれらを銀塩のそれ以上の還元に関して不活性化する。そのようなビイミダゾリル化合物が光による活性化で、実質的に非感光性の有機銀塩の熱により活性化される還元において有効な還元剤を酸化しうるということは驚ろくべきことである。
【0031】
これらのビイミダゾリル化合物としては以下の一般式〔1〕により表されるものがあげられる。
【0032】
【化1】
【0033】
式中、R1、R2及びR3(同一又は相異なる)の各々はアルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオキシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、トリル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル)、スルフォニル基(例えば、メチルスルフォニル、フェニルスルフォニル)、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾキシ)、カルボキシル基、シアノ基、スルフォ基及びアミノ基を示す。これらのうちより好適な置換基はアリール基、アルケニル基及びシアノ基である。
【0034】
上記のビイミダゾリル化合物は米国特許第3,734,733号及び英国特許第1,271,177号に記載されている製造方法及びそれに準じた方法により製造することが出来る。好ましい具体例を以下に挙げる。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】
又、同様に好適な化合物として以下の一般式〔2〕で示されるヨードニウム化合物をあげることができる。
【0038】
【化4】
【0039】
式中、Qは、5、6または7員環を完成するに必要な原子を包含し、かつ、該必要な原子は炭素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる。R1、R2及びR3(同一又は相異なる)の各々は水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオキシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、トリル)、ヒドロキシ基、、ハロゲン原子、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル)、スルフォニル基(例えば、メチルスルフォニル、フェニルスルフォニル)、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾキシ)、カルボキシル基、シアノ基、スルフォ基及びアミノ基を示す。これらのうちより好適な置換基はアリール基、アルケニル基及びシアノ基である。
【0040】
R4はアセテート、ベンゾエート、トリフルオロアセテートのようなカルボキシレート基及びO-を示す。Wは0又は1を表す。
【0041】
X-はアニオン性対イオンであり、好適な例としては、CH3CO2 -、CH3SO3 -及びPF6 -である。
【0042】
R3がスルフォ基又はカルボキシル基のときは、Wは0で、かつR4はO-である。
【0043】
なお、R1、R2及びR3の何れかは互いに結合して環を形成してもよい。
これらのうち特に好ましい化合物は以下の一般式〔3〕で表される。
【0044】
【化5】
【0045】
ここにおいて、R1、R2、R3、R4、X-及びW等は前記一般式〔2〕とおなじものを表し、Yは炭素(−CH=)を表しベンゼン環を表すか、又は窒素原子(−N=)を表しピリジン環をあらわす。
【0046】
上記のヨードニウム化合物はOrg.Syn.,1961及び”Fieser著Advanced Organic Chemistry”(Reinhold,N.Y.,1961)に記載されている製造方法及びそれに準じた方法によって合成できる。
【0047】
好適な化合物は下記の一般式で表せる。
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
本発明に係る上記の一般式〔1〕及び〔2〕で表される化合物の添加量は0.001〜0.1モル/m2、好ましくは、0.005〜0.05モル/m2の範囲である。なお、当該化合物は、本発明の感光材料において、いかなる構成層中にも含有させることが出来るが、還元剤の近傍に含有させることが好ましい。
【0051】
又、本発明においては、還元剤を不活性化し還元剤が有機銀塩を銀に還元できないようにする化合物として、反応活性種がハロゲン原子でないものが好ましいが、ハロゲン原子を活性種として放出する化合物も、本発明のハロゲン原子でない活性種を放出する化合物と併用することにより、使用することが出来る。ハロゲン原子を活性種として放出できる化合物も多くのものが知られており、併用により欠点が軽減される。
【0052】
これらの活性ハロゲン原子を生成する化合物の具体例としては、以下にあげる一般式〔4〕の化合物がある。
【0053】
【化8】
【0054】
一般式〔4〕中、Qはアリール基またはヘテロ環基を表す。X1、X2及びX3は水素原子、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルフォニル基、アリール基を表すが、少なくとも一つはハロゲン原子である。Yは−C(=O)−、−SO−または−SO2−を表す。
【0055】
Qで表されるアリール基は、単環または縮環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環または二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等)であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくはフェニル基である。
【0056】
Qで表されるヘテロ環基は、N、OまたはSの少なくとも一つの原子を含む3ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であっても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
【0057】
ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有していてもよい5ないし6員の不飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基である。このようなヘテロ環基におけるヘテロ環として好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾールであり、特に好ましくはピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズチアゾールである。
【0058】
Qで表されるアリール基およびヘテロ環基は−Y−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有していても良く、置換基として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
【0059】
X1、X2及びX3は好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、より好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
【0060】
Yは−C(=O)−、−SO−、−SO2−を表し、好ましくは−SO2−である。
【0061】
これらの化合物の具体例を以下にあげる。
【0062】
【化9】
【0063】
【化10】
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】
【化13】
【0067】
【化14】
【0068】
【化15】
【0069】
【化16】
【0070】
これらの化合物の添加量は、実質的にハロゲン化銀の生成によるプリントアウト銀の増加が問題にならない範囲が好ましく、活性ハロゲンラジカルを生成しない化合物に対する比率で、最大150%以下、更に好ましくは100%以下である。
【0071】
これらの化合物は前述したように熱現像感光層中の還元剤を不活性化し感光材料の保存性を大幅に向上させるが、上記のフリーラジカルにより失活せしめられる熱現像感光材料に用いる還元剤について以下に詳述する。
【0072】
本発明の熱現像感光材料には内蔵させる好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、同第3,773,512号、同第3,593,863号、及びResearch Disclosure(以後RDと略す場合がある)17029及び29963に記載されており、次のものがある。アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキセノン);アミノリダクトン類(reductones)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシム類;アジン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサム酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,5−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類。この中でも特に好ましい還元剤はビスフェノール類である。ビスフェノール類としては下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0073】
【化17】
【0074】
式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、イソプロピル、ブチル、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0075】
一般式(A)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定されるものではない。
【0076】
【化18】
【0077】
【化19】
【0078】
前記一般式(A)で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0079】
本発明の熱現像感光材料は感光性ハロゲン化銀、有機銀塩を含んでいる。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子について説明する。
【0080】
本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making andCoating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよが、上記方法の中でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を調製する所謂コントロールドダブルジェット法が好ましい。ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。
【0081】
粒子形成は通常、ハロゲン化銀種粒子(核)生成と粒子成長の2段階に分けられ、一度にこれらを連続的に行う方法でもよく、又核(種粒子)形成と粒子成長を分離して行う方法でもよい。粒子形成条件あるpAg、pH等をコントロールして粒子形成を行うコントロールドダブルジェット法が粒子形状やサイズのコントロールが出来るので好ましい。例えば、核生成と粒子成長を分離して行う方法を行う場合には、先ず可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩をゼラチン水溶液中で均一、急速に混合させ核(種粒子)生成(核生成工程)した後、コントロールされたpAg、pH等のもとで可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を供給しつつ粒子成長させる粒子成長工程によりハロゲン化銀粒子を調製する。粒子形成後、脱塩工程により不要な塩類等をヌードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知の脱塩法により除く事で所望のハロゲン化銀乳剤を得ることが出来る。
【0082】
本発明のハロゲン化銀は、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.2μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.17μm、特に0.02μm〜0.14μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0083】
本発明において、ハロゲン化銀粒子の粒子サイズは単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる粒子サイズの変動係数が7%以下をいう。好ましくは5%以下であり、更に好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下となる粒子である。
【0084】
粒子サイズの変動係数%=粒径の標準偏差/粒径の平均値×100
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子などを挙げることができるが、本発明において特に立方体状粒子、八面体粒子、14面体粒子、平板状粒子が好ましい。
【0085】
平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましくは2以上100以下、より好ましくは3以上50以下がよい。これらは米国特許第5,264,337号、同第5,314,798号、同第5,320,958号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
【0086】
ハロゲン化銀粒子外表面としては特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985年)により求めることができる。
【0087】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、該粒子形成時に平均分子量5万以下の低分子量ゼラチンを用いて調製することが好ましいが、特にハロゲン化銀粒子の核形成時に用いることが好ましい。
【0088】
本発明において低分子量ゼラチンは、平均分子量5万以下のものであり、好ましくは2000〜40000、更には5000〜25000である。ゼラチンの平均分子量はゲル濾過クロマトグラフィーで測定することができる。
【0089】
低分子量ゼラチンは、通常用いられる平均分子量10万程度のゼラチン水溶液にゼラチン分解酵素を加えて酵素分解したり、酸又はアルカリを加えて加熱し加水分解したり、大気圧下又は加圧下での加熱により熱分解したり、超音波照射して分解したり、それらの方法を併用したりして得ることができる。
【0090】
核形成時の分散媒の濃度は5質量%以下が好ましく、0.05〜3.0質量%の低濃度で行うのが有効である。
【0091】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、該粒子形成時に一般式〔5〕で示される化合物を用いることが好ましい。
【0092】
一般式〔5〕
YO(CH2CH2O)m(C(CH3)HCH2O)p(CH2CH2O)nY
式中、Yは水素原子、−SO3M、又は−CO−B−COOMを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基又は炭素原子数5以下のアルキル基にて置換されたアンモニウム基を、Bは有機2塩基性酸を形成する鎖状又は環状の基を表す。m及びnは各々0〜50をpは1〜100を表す。
【0093】
一般式〔5〕で表される化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料を製造するに際し、ゼラチン水溶液を製造する工程、ゼラチン溶液に水溶性ハロゲン化物及び水溶性銀塩を添加する工程、乳剤を支持体上に塗布する工程等、乳剤原料を撹拌したり、移動したりする場合の著しい発泡に対する消泡剤として好ましく用いられてきたものであり、消泡剤として用いる技術は例えば特開昭44−9497号に記載されている。一般式〔5〕で表される化合物は核形成時の消泡剤としても機能する。
【0094】
一般式〔5〕で表される化合物は銀に対して1質量%以下で用いるのが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量%で用いる。
【0095】
一般式〔5〕で表される化合物は核形成時に存在していればよく、核形成前の分散媒中に予め加えておくのが好ましいが、核形成中に添加してもよいし、核形成時に使用する銀塩水溶液やハライド水溶液に添加して用いてもよい。好ましくはハライド水溶液若しくは両方の水溶液に0.01〜2.0質量%で添加して用いることである。又、一般式〔5〕で表される化合物は核形成工程の少なくとも50%に亘る時間で存在せしめるのが好ましく、更に好ましくは70%以上に亘る時間で存在せしめる。一般式〔5〕で表される化合物は粉末で添加しても、メタノール等の溶媒に溶かし添加してもよい。一般式〔5〕で表される化合物の代表的具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
E−1
HO(CH2CH2O)m(C(CH3)HCH2O)19.8(CH2CH2O)nH
(m+n=9.77)
E−2
NaO2C(CH2)OCO(CH2CH2O)m(C(CH3)HCH2O)17
(CH2CH2O)nCO(CH2)2CO2Na (m+n=5.7)
E−3
KO2CCH=CHCOO(CH2CH2O)m(C(CH3)HCH2O)34.2
(CH2CH2O)nCOCH=CHCO2K (m+n=8.5)
E−4
NaO3SO(C(CH3)HCH2O)17SO3Na
【0097】
【化20】
【0098】
核形成時の温度は5〜60℃程度、好ましくは15〜50℃であり、一定の温度であっても、昇温パターン(例えば、核形成開始時の温度が25℃で、核形成中徐々に温度を挙げ、核形成終了時の温度が40℃の様な場合)やその逆のパターンであっても前記温度範囲内で制御するのが好ましい。
【0099】
核形成に用いる銀塩水溶液及びハライド水溶液の濃度は3.5規定以下が好ましく、更には0.01〜2.5規定の低濃度域で使用されるのが好ましい。核形成時の銀イオンの添加速度は、反応液1l当たり1.5×10-3モル/分〜3.0×10-1モル/分が好ましく、更に好ましくは3.0×10-3モル/分〜8.0×10-2モル/分である。
【0100】
核形成時のpHは1.7〜10の範囲に設定できるが、アルカリ側のpHでは形成する核の粒径分布を広げるため好ましくはpH2〜6である。又、核形成時のpBrは0.05〜3.0程度、好ましくは1.0〜2.5、更には1.5〜2.0である。
【0101】
このハロゲン化銀はいかなる方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように配置する。ハロゲン化銀は予め調製しておき、これを有機銀塩を調製するための溶液に添加するのが一般的でありハロゲン化銀調製工程と有機銀塩調製工程を分離して扱えるので製造コントロール上も好ましいが、英国特許第1,447,454号明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する際にハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成とほぼ同時に生成させることも出来る。
【0102】
又、有機銀塩にハロゲン含有化合物を作用させ、有機銀塩のコンバージョンによりハロゲン化銀を調製することも可能である。即ち、予め調製された有機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもできる。このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有効に接触しており好ましい作用を呈する。ハロゲン化銀形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別する事が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物を混入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲン化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。かかる試験によって有効であることが確かめられたハロゲン化銀形成成分としては、無機ハロゲン化合物、オニウムハライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例については米国特許第4,009,039号、同第3,457,075号、同第4,003,749号、英国特許第1,498,956号各明細書及び特開昭53−27027号、同53−25420号各公報に詳説されるが以下にその一例を示す。
【0103】
(1)無機ハロゲン化物:例えばMXnで表されるハロゲン化物(ここでMは、H、NH4、及び金属原子を表し、nはMがH及びNH4の時は1を、Mが金属原子の時はその原子価と同じ数値を表す。金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、水銀、錫、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、セリウム等がある。)。又、臭素水などのハロゲン分子も有効である。
【0104】
(2)オニウムハライド類:例えばトリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイドの様な第4級アンモニウムハライド、テトラエチルフォスフォニウムブロマイドの様な第4級フォスフォニウムハライド、トリメチルスルフォニウムアイオダイドの様な第3級スルフォニウムハライドがある。
【0105】
(3)ハロゲン化炭化水素類:例えばヨードフォルム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム−2−メチルプロパン等。
【0106】
(4)N−ハロゲン化合物:例えばN−クロロ琥珀酸イミド、N−ブロム琥珀酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロムアセトアミド、N−ヨード琥珀酸イミド、N−ブロムフタラジノン、N−ブロムオキサゾリノン、N−クロロフタラジノン、N−ブロモアセトアニリド、N,N−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド、1,3−ジブロモ−4,4−ジメチルヒダントイン、N−ブロモウラゾール等。
【0107】
(5)その他のハロゲン含有化合物:例えば、塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2−ブロム酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロベンゾフェノン等がある。これらのハロゲン化銀形成成分は2種以上併用されてもよい。
【0108】
この様にハロゲン化銀を有機酸銀とハロゲンイオンとの反応により有機酸銀塩中の銀の一部又は全部をハロゲン化銀に変換することによって調製する事もできるが、別途調製したハロゲン化銀を用いるのがハロゲン化銀のサイズや形状等コントロールでき好ましい。しかしながら、これら別途調製したハロゲン化銀に有機銀塩の一部をコンバージョンすることで製造したハロゲン化銀を併用してもよい。
【0109】
これらのハロゲン化銀は、別途調製したハロゲン化銀、有機銀塩のコンバージョンによるハロゲン化銀とも、有機銀塩1モルに対し0.001モル乃至0.7モル、好ましくは0.03モル乃至0.5モル使用するのが好ましい。
【0110】
本発明に用いられるハロゲン化銀には、元素周期律表の6族から10族に属する遷移金属のイオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。これらは1種類でも同種或いは異種の金属錯体を2種以上併用してもよい。これらの金属イオンは金属塩をそのままハロゲン化銀に導入してもよいが、金属錯体又は錯体イオンの形でハロゲン化銀に導入できる。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モルから、1×10-2モルの範囲が好ましく、1×10-8〜1×10-4の範囲がより好ましい。本発明においては、遷移金属錯体は下記一般式で表される6配位錯体が好ましい。
【0111】
一般式〔ML6〕m
式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素から選ばれる遷移金属、Lは配位子を表し、mは0、−、2−、3−又は4−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なっていてもよい。
【0112】
以下に遷移金属配位錯イオンの具体例を示す。
1:〔RhCl6〕3-
2:〔RuCl6〕3-
3:〔ReCl6〕3-
4:〔RuBr6〕3-
5:〔OsCl6〕3-
6:〔CrCl6〕4-
7:〔IrCl6〕4-
8:〔IrCl6〕3-
9:〔Ru(NO)Cl5〕2-
10:〔RuBr4(H2O)〕2-
11:〔Ru(NO)(H2O)Cl4〕-
12:〔RhCl5(H2O)〕2-
13:〔Re(NO)Cl5〕2-
14:〔Re(NO)(CN)5〕2-
15:〔Re(NO)Cl(CN)4〕2-
16:〔Rh(NO)2Cl4〕-
17:〔Rh(NO)(H2O)Cl4〕-
18:〔Ru(NO)(CN)5〕2-
19:〔Fe(CN)6〕3-
20:〔Rh(NS)Cl5〕2-
21:〔Os(NO)Cl5〕2-
22:〔Cr(NO)Cl5〕2-
23:〔Re(NO)Cl5〕-
24:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2-
25:〔Ru(NS)Cl5〕2-
26:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2-
27:〔Os(NS)Cl(SCN)4〕2-
28:〔Ir(NO)Cl5〕2-
コバルト、鉄の化合物については6シアノ金属錯体を好ましく用いることができ、代表例を以下にあげる。
【0113】
29:〔Fe(CN)6〕4-
30:〔Fe(CN)6〕3-
31:〔Co(CN)6〕3-
これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。
【0114】
これらの金属化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0115】
別途調製した感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知の脱塩法により脱塩することができるが、熱現像感光材料においては脱塩しないで用いる事もできる。
【0116】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子には化学増感を施すことができる。化学増感方法としてはイオウ増感、セレン増感、テルル増感、貴金属増感、還元増感等公知の増感法を用いることができる。また、これら増感法は2種以上組み合わせて用いることもできる。イオウ増感にはチオ硫酸塩、チオ尿素誘導体、無機イオウ等を用いることができる。セレン増感、テルル増感に好ましく用いられる化合物としては、特開平9−230527号記載の化合物を挙げることがきる。貴金属増感法に好ましく用いられる化合物としては、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド、あるいは米国特許第2,448,060号、英国特許第618,061号等に記載されている化合物を挙げることができる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。
【0117】
本発明における感光性ハロゲン化銀には分光増感色素を吸着させ分光増感を施すことが好ましい。分光増感色素としてシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばRD17643 IV−A項(1978年12月p.23)、同18431X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種レーザーイメージャーやスキャナーの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用いるのが好ましい。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0118】
有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核およびイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核などの酸性核も含む。
【0119】
本発明においては、特に赤外に分光感度を有する増感色素を用いることが好ましい。本発明において、好ましく用いられる赤外分光増感色素としては、例えば、米国特許第4,536,473号、同第4,515,888号、同第4,959,294号等に開示されている赤外分光増感色素が挙げられる。
【0120】
更に、特に、好ましい分光増感色素としては、下記一般式(1)〜(4)で表せる色素が挙げられる。
【0121】
【化21】
【0122】
〔一般式(1)〜(4)に於て、Y1、Y2、Y11、Y21、Y22及びY31は、各々、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−C(Ra)(Rb)−基、又は−CH=CH−基を表し、Z1は5員または6員の縮合された環を完成するに必要な非金属原子群を表す。Rは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子を表し、Ra及びRbは各々、水素原子、低級アルキル基或いはRaとRb間で結合して5員、6員の脂肪族スピロ環を形成するに必要な非金属原子群を表す。R1、R11、R21、R22、R31及びR32は各々脂肪族基であり、或いはR1はW3と、R11はW14との間で縮合環を形成するに必要な非金属原子群を表す。Rc及びRdは各々、低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表わす。W1、W2、W3、W4、W11、W12、W13、W14、W21、W22、W23、W24、W31、W32、W33及びW34は各々、水素原子、置換基、或いはW1はW2と、W11はW12と、W21はW22と、W23はW24と、W31はW32と、W33はW34との間で結合して縮合環を形成するに必要な非金属原子群を表す。V1〜V9、V11〜V13、V21〜V29、V31〜V33は各々、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、複素環基を表し、或いはV1はV3と、V2はV4と、V3はV5と、V4はV6と、V5はV7と、V6はV8と、V7はV9と、V11はV13と、V21はV23と、V22はV24と、V23はV25と、V24はV26と、V25はV27と、V26はV28と、V27はV29と、V31はV33との間で結合して5員〜7員の環を形成するに必要な非金属原子群を表し、V1〜V9の何れか一つ及びV11〜V13の何れか一つは水素原子以外の基である。X1、X11、X21及びX31は各々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンを表し、l1、l11、l21及びl31は各々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの数を表す。k1、k2、k21及びk22は各々、0又は1を表す。n21、n22、n31及びn32は各々、0〜2の整数を表わし、n21とn22及びn31とn32が同時に0になることはない。p1及びp11は各々、0又は1であり、q1及びq11は各々、1及び2の整数であり、p1とq1及びp11とq11の和は2を超えない。〕
一般式(1)、(2)のうち更に好ましい構造は一般式(1−1)、(2−1)で表される。
【0123】
【化22】
【0124】
一般式(1−1)及び(2−1)に於て、Y1、Y2及びY11は、各々、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−C(Ra)(Rb)−基または−CH=CH−基を表し、Z1は5員または6員の縮合された環を完成するに必要な非金属原子群を表す。Rは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子を表し、Ra及びRbは各々、水素原子、低級アルキル基、或いはRaとRb間で結合して5員、6員の脂肪族スピロ環を形成するに必要な非金属原子群を表す。R1及びR11は各々、脂肪族基、或いはR1はW3と、R11はW14との間で縮合環を形成するに必要な非金属原子群を表す。W1、W2、W3、W4、W11、W12、W13及びW14は各々、水素原子、置換基、或いはW1はW2と、W11はW12と、W13はW14との間で結合して縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。L1〜L9、L11〜L15は各々、メチン基を表す。X1及びX11は各々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンを表し、l1及びl11は各々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの数を表す。m1〜m3は各々、0又は1を表す。p1及びp11は各々、0又は1であり、q1及びq11は各々、1又は2の整数であり、p1とq1及びp11とq11の和は2を超えない。
【0125】
各置換基について更に詳しく説明する。
本発明の一般式(1)、(2)、(1−1)、(2−1)、(3)、(4)で表される化合物について以下に置換基を説明する。
【0126】
前記一般式においてZ1で示される5員または6員の縮合された環を完成するに必要な非金属原子群により完成される縮合環としては例えば、縮合シクロヘキセン環、縮合ベンゼン環、縮合チオフェン環、縮合ピリジン環、縮合ナフタレン環等が挙げられ、具体的には、ベンゾオキサゾール環、テトラヒドロベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、ベンゾナフトオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、テトラヒドロベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾナフトチアゾール環等、チエノチアゾール環、チアナフテノチアゾール環、ピリドチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、テトラヒドロベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、ベンゾナフトセレナゾール環、キノリン環、3,3−ジアルキルインドレニン環、3,3−ジアルキルピリドピロリン環等が挙げられる。これらの環上には後述のW1〜W4で示される置換しうる基として説明される任意の基が置換できる。
【0127】
R1、R11、R21、R22、R31、R32で示される脂肪族基としては、例えば、炭素原子数1〜10の分岐或は直鎖のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、炭素原子数3〜10のアルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等)、炭素原子数7〜10のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)が挙げられる。
【0128】
上述した基は、更に、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−ブロモフェニル基等)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフルフリル基、2−ピロリジノン−1−イル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、2−チエニルチオ基、3−チエニルチオ、2−イミダゾリルチオ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等)、チオアミド基(例えば、チオアセトアミド基、チオベンゾイルアミノ基等)等の基、あるいは、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ホスフォノ基、スルファート基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメチレンカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチレンアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド基等)、スルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アシルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アシルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、スルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)等の親水性の基で置換されていても良い。
【0129】
これら親水性の基を置換した脂肪族基の具体的例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、3−スルファートブチル基、3−スルホプロピル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、5−スルホペンチル基、3−スルホペンチル基、3−スルフィノブチル基、3−ホスフォノプロピル基、ヒドロキシエチル基、N−メタンスルホニルカルバモイルメチル基、2−カルボキシ−2−プロペニル基、o−スルホベンジル基、p−スルホフェネチル基、p−カルボキシベンジル基等の各基が挙げられる。
【0130】
Rで表される低級アルキル基としては、炭素数5以下の、直鎖、分岐の基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基等が挙げられる。シクロアルキル基としてはシクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、p−メトキシフェニルメチル基、o−アセチルアミノフェニルエチル基等が挙げられ、低級アルコキシ基としては炭素原子数4以下の基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso−プロポキシ基等の基が挙げられ、アリール基としては置換、非置換のものを含み、例えば、フェニル基、2−ナフチル基、1−ナフチル基、o−トリル基、o−メトキシフェニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル基、p−トリル基、p−エトキシフェニル基等の基が挙げられ、これらの基にはフェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の基が置換できる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
【0131】
Ra、Rbで表される低級アルキル基としては、Rにおける低級アルキル基と同じものがあげられる。
【0132】
Rc、Rdで表される低級アルキル基としては炭素数5以下の、直鎖、分岐の基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基等が挙げられる。シクロアルキル基としてはシクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、p−メトキシフェニルメチル基、o−アセチルアミノフェニルエチル基等が挙げられ、アリール基としては置換、非置換のものを含み、例えば、フェニル基、2−ナフチル基、1−ナフチル基、o−トリル基、o−メトキシフェニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル基、p−トリル基、p−エトキシフェニル基等の基が挙げられ、複素環基としては置換、非置換のものを含み、例えば、2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、2−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−メチル−1−イミダゾリル基、4−フェニル−2−チアゾリル基、5−ヒドロキシ−2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、1−ピロリル基等の基が挙げられる。
【0133】
これらの基には更に前述の説明であげたフェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の基が置換できる。
【0134】
W1〜W4、W11〜W14、W21〜W24、W31〜W34で表される置換基は具体的には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、iso−ブチル基等)、アリール基(単環並びに多環のものを含み、例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基、p−トリル基、p−ブチルフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフリル基、2−ピロリジノン−1−イル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ピロリル基、インドリル基等の各基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、ヒドロキシ基、スチリル基等が挙げられる。
【0135】
これらの基にはR1等で示される脂肪族基の説明で挙げた基が置換でき、置換されたアルキル基の具体例としては、例えば、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、2−カルバモイルエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、3−メタンスルホニルアミノプロピル基、ベンジル基、フェネチル基、カルボキメチル基、カルボキシエチル基、アリル基、2−フリルエチル基等の各基が挙げられ、置換されたアリール基の具体例としては、例えば、p−カルボキシフェニル基、p−N,N−ジメチルアミノフェニル基、p−モルフォリノフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、3−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル基等の各基が挙げられ、置換された複素環基の具体例としては、例えば、5−クロロ−2−ピリジル基、5−エトキシカルボニル−2−ピリジル基、5−カルバモイル−2−ピリジル等の各基が挙げられる。
【0136】
W1とW2、W3とW4、W11とW12、W13とW14、W21とW22、W23とW24、W31とW32、R33とR34が各々、互いに連結して形成することができる縮合環としては、例えば、5員、6員の飽和又は不飽和の縮合炭素環が挙げられる。これらの縮合環上には任意の位置に置換基を有することができ、これらの置換基としては前述の脂肪族基に置換できる基で説明した基が挙げられる。
【0137】
V1〜V9、V11〜V13、V21〜V29、V31〜V33で各々、示されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、アミノ基としては置換、非置換のものを含み、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチル−フェニルアミノ基等が挙げられ、アルキルチオ基としては例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ベンジルチオ基等が挙げられ、アリールチオ基としては置換、非置換のものを含み、例えば、フェニルチオ基、m−フルオロフェニルチオ基等の基が挙げられ、低級アルキル基としては炭素数5以下の直鎖、分岐の基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基等が挙げられる。低級アルコキシ基としては炭素原子数4以下の基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso−プロポキシ基等の基が挙げられ、アリール基としては置換、非置換のものを含み、例えば、フェニル基、2−ナフチル基、1−ナフチル基、o−トリル基、o−メトキシフェニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル基、p−トリル基、p−エトキシフェニル基等の基が挙げられ、複素環基としては置換、非置換のものを含み、例えば、2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、2−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−メチル−1−イミダゾリル基、4−フェニル−2−チアゾリル基、5−ヒドロキシ−2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、1−ピロリル基等の基が挙げられる。
【0138】
これらの基にはフェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の基が置換できる。
【0139】
又、V1とV3、V2とV4、V3とW5、V4とV6、V5とV7、V6とV8、V7とV9、V11とV13、V21とV23、V22とV24、V23とV25、V24とV26、V25とV27、V26とV28、V27とV29及びV31とV33の間で結合して形成される5員〜7員の環としては、例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、デカリン環等が挙げられ、これらの環にはRで挙げた低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基が置換できる。
【0140】
L1〜L9、L11〜L15で示されるメチン基は各々、独立に置換もしくは未置換メチン基を表す。置換される基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、ベンジル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、o−カルボキシフェニル基等)、−N(U1)(U2)、−SRg又は置換もしくは無置換の複素環基(例えば、2−チエニル基、2−フリル基、N,N′−ビス(メトキシエチル)バルビツール酸基等)を表す。
【0141】
ここでRgは前述したR基で説明した低級アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、−SRg基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、ベンジルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基等が挙げられる。
【0142】
U1とU2は各々、置換もしくは無置換の低級アルキル基又はアリール基を表し、U1とU2とは互いに連結して5員又は6員の含窒素複素環(例えばピラゾール環、ピロール環、ピロリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、インドール環等)を形成することもできる。また、これらメチン基はお互いに隣接するメチン基同士、或いは一つ隔たったメチン基と互いに連結して5員〜7員環を形成することができる。
【0143】
前記一般式(1)、(1−1)、(2−1)、(3)、(4)で示される化合物に於て、カチオン或いはアニオンの電荷を有する基が置換されている場合には各々、分子内の電荷が相殺するように当量のアニオン或いはカチオンで対イオンが形成される。例えば、X1、X11、X21、X31で各々、示される分子内の電荷を相殺するに必要なイオンに於いてカチオンの具体例としては、プロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチルアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、ピリジニウム等の各イオン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの具体例としては例えば、ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、等が挙げられる。
【0144】
本発明のこれら赤外分光増感色素、ひとつはベンゾアゾール環の窒素原子とそのペリ位炭素原子との間が結合した3環縮合複素環核を有することを特徴とした、もうひとつはベンゾアゾール環のベンゼン環上にスルフィニル基が置換されていることを特徴とした長鎖のポリメチン色素が特に好ましい。
【0145】
以下に、上記一般式(1)、(1−1)、(2−1)、(3)、(4)で表される感光色素或いは分光増感色素の代表的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0146】
【化23】
【0147】
【化24】
【0148】
【化25】
【0149】
【化26】
【0150】
【化27】
【0151】
【化28】
【0152】
【化29】
【0153】
【化30】
【0154】
【化31】
【0155】
【化32】
【0156】
【化33】
【0157】
【化34】
【0158】
【化35】
【0159】
【化36】
【0160】
上記の赤外感光性色素は、例えばエフ・エム・ハーマー著、The Chemistry of Heterocyclic Compounds第18巻、The Cyanine Dyes and Related Compounds(A.Weissberger ed.Interscience社刊、New York 1964年)に記載の方法によって容易に合成することができる。
【0161】
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。本発明においては、増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでいる。
【0162】
強色増感されている場合、光感度が特に高くなるので、還元剤の失活をさせない場合、現像後のプリントアウト銀は大きくなりやすく、本発明は特に有効である。又、赤外増感されている場合には更に、赤外増感色素はハロゲン化銀や、有機銀塩を幾分かは還元できる酸化還元電位を有しているため、暗所においても前述の有機銀塩を還元できる還元剤の存在下では、カブリ銀となる銀クラスターを生成しやすい。生成した銀クラスターは又、触媒核となって、カブリを誘起したりするため、暗所において保存したとき保存性が低下したり、又、現像後に明所においた時、プリントアウト銀が大きくなる等の現象が起こる。更に赤外線感材は可視光の範囲外の熱輻射線領域まで感度がのびている為、暗所においても熱輻射線によるプリントアウト銀が多くなったりすることに対し効果がある。特に、強色増感剤により感度が高められた赤外分光増感された感光材料の場合には効果が大きい。
【0163】
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質はRD17643(1978年12月発行)第23頁1VのJ項、あるいは特公平9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号、特開平5−341432号等に記載されている。
【0164】
本発明においては、強色増感剤として一般式〔6〕で表される複素芳香族メルカプト化合物が好ましい。
【0165】
一般式〔6〕
Ar−SM
式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、硫黄、酸素、セレニウム、またはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン、またはキナゾリンである。しかしながら、他の複素芳香環も含まれる。
【0166】
なお、有機酸銀塩及び/又はハロゲン化銀粒子乳剤の分散物中に含有させたときに実質的に上記のメルカプト化合物を生成するジスルフィド化合物も本発明に含まれる。特に、下記の一般式で表せるジスルフィド化合物が好ましい例として挙げることが出来る。
【0167】
一般式〔7〕
Ar−S−S−Ar
式中のArは上記一般式〔6〕の場合と同義である。
【0168】
上記の複素芳香環は、例えば、ハロゲン原子(例えば、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するもの)及びアルコキシ基(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる群から選ばれる置換基を有しうる。
【0169】
メルカプト置換複素芳香族を以下に列挙する。しかしながら、本発明はこれらに限定されない。
【0170】
M−1 2−メルカプトベンズイミダゾ−ル
M−2 2−メルカプトベンズオキサゾール
M−3 2−メルカプトベンゾチアゾール
M−4 5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール
M−5 6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール
M−6 2,2′−ジチオビス(ベンゾチアゾール)
M−7 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
M−8 4,5−ジフェニル−2−イミダゾールチオール
M−9 2−メルカプトイミダゾール
M−10 1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾール
M−11 2−メルカプトキノリン
M−12 8−メルカプトプリン
M−13 2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン
M−14 7−トリフルオロメチル−4−キノリンチオール
M−15 2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール
M−16 4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒドレート
M−17 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール
M−18 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
M−19 4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン
M−20 2−メルカプトピリミジン
M−21 4,6−ジアミノ−メルカプトピリミジン
M−22 2−メルカプト−4−メチルピリミジンヒドロクロリド
M−23 3−メルカプト−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール
M−24 2−メルカプト−4−フェニルオキサゾール
本発明に係る強色増感剤は有機銀塩及びハロゲン化銀粒子を含む乳剤層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルの範囲で用いるのが好ましい。特に好ましくは、銀1モル当たり0.01〜0.5モルの範囲の量が好ましい。
【0171】
本発明の熱現像感光材料に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも非親水性でもよい。熱現像感光層として好ましいバインダーは中でもポリビニルアセタール類であり、特に好ましいバインダーはポリビニルブチラールである。又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバックコート層等の非感光層に対しては、より軟化温度の高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のポリマーが好ましい。
【0172】
なお、必要に応じて、上記のバインダーは2種以上を組み合わせて用いうる。このようなバインダーは、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範囲は当業者が容易に決定しうる。少なくとも有機銀塩を保持する場合の指標としては、バインダーと有機銀塩との割合は15:1〜1:2、特に8:1〜1:1の範囲が好ましい。即ち、感光層のバインダー量が1.5〜6g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0173】
本発明は、架橋剤を有している場合に、特に効果が大きい。機構的には不明であるが、本発明に係わる活性種発生剤と架橋剤の併用により、暗所での安定性、又特に明所でのプリントアウト銀の生成によい効果をもたらす。
【0174】
架橋剤を上記バインダーに対し用いることにより膜付きがよくなり、現像ムラが少なくなることは知られているが、上記のような活性種発生化合物との併用で保存時のカブリ抑制や、現像後のプリントアウト抑制に効果があるということは意外な効果であった。
【0175】
本発明で用いられる架橋剤としては、従来写真感材用として使用されている種々の架橋剤、例えば、特開昭50−96216号に記載されているアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、ビニルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル系、カルボジイミド系架橋剤を用いうるが、好ましいのは以下に示す、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物及び酸無水物である。
【0176】
本発明において用いられる下記一般式〔8〕で表せるイソシアネート系及びチオイソシアネート系架橋剤について説明する。
【0177】
一般式〔8〕
X=C=N−L−(N=C=X)v
式中、vは1または2であり、Lはアルキレン、アルケニレン、アリーレン基またはアルキルアリーレン基でありうる2価の連結基であり、Xは酸素または硫黄原子である。
【0178】
なお、上記一般式〔8〕で表せる化合物において、アリーレン基のアリール環は置換基を有し得る。好ましい置換基の例は、ハロゲン原子(例えば、臭素原子または塩素原子)、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基およびアルコキシ基から選択される。
【0179】
上記イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基を少なくとも2個有しているイソシアネート類及びその付加体(アダクト体)であり、更に、具体的には、脂肪族ジイソシアネート類、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート類、ベンゼンジイソシアネート類、ナフタレンジイソシアネート類、ビフェニルイソシアネート類、ジフェニルメタンジイソシアネート類、トリフェニルメタンジイソシアネート類、トリイソシアネート類、テトライソシアネート類、これらのイソシアネート類の付加体及びこれらのイソシアネート類と2価又は3価のポリアルコール類との付加体が挙げられる。
【0180】
具体例としては、特開昭56−5535号明細書の10頁から12頁に記載されているイソシアネート化合物を利用することができる。
【0181】
即ち、エタンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、2,2−ジメチルぺンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルぺンタンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ω,ω′−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゾール、ω,ω′−ジイソシアネート−1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゾール、ω,ω′−ジイソシアネート−1,5−ジメチルナフタレン、ω,ω′−ジイソシアネート−n−プロピルビフェニル、1,3−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、1,3−ジメチルベンゾール−2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、1,1′−ジナフチル−2,2′−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジエトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4′−トリイソシアネ−ト、トリフェニルメタン−4,4′,4′−トリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネ−ト;これらのイソシアネートの2量体又は3量体のアダクト体(例えばヘキサメチレンジイソシアネートの2モルのアダクト、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルのアダクト、2,4−トリレンジイソシアネート2モルのアダクト、2,4−トリレンジイソシアネート3モルのアダクトなど);これらのイソシアネートの中から選ばれる互いに異なる2種以上のイソシアネート同志のアダクト体;及びこれらのイソシアネートと2価又は3価のポリアルコール(好ましくは炭素数20までのポリアルコール。例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ピナコール、トリメチロールプロパンなど)とのアダクト体(例えばトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト;ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクトなど)などが挙げられる。これらの中でもイソシアネートとポリアルコールのアダクト体は特に、層間接着を良くし、層の剥離や画像のズレ及び気泡の発生を防止する能力が高い。かかるポリイソシアネートは熱現像感光材料のどの部分に置かれてもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そのサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層又は2層以上に添加することができる。
【0182】
又、本発明において使用するチオイソシアネート系架橋剤としては、上記のイソシアネート類に対応するチオイソシアネート構造を有する化合物も有用である。
【0183】
本発明において使用される上記架橋剤の量は、銀1モルに対して0.001〜2モル、好ましくは0.005から0.5モルの範囲である。
【0184】
本発明において含有させることが出来るイソシアネート化合物及びチオイソシアネート化合物は、上記の架橋剤として機能する化合物であることが好ましいが、上記の一般式においてvが零(0)、即ち、当該官能基を一つのみ有する化合物であっても良い結果がえられる。以下に、具体例を列挙するが、これらに限定されるものでない。
【0185】
【化37】
【0186】
【化38】
【0187】
【化39】
【0188】
更に本発明において好適な架橋剤としては、下記一般式で表せるエポキシ基を少なくとも一つ有するエポキシ化合物である。
【0189】
本発明に用いられるエポキシ化合物はエポキシ基を1個以上有するものであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結合を介してグリシジル基として分子内に含有されることが好ましい。またエポキシ化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマー等のいずれであってもよく、分子内に存在するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好ましくは2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである場合は、ホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよく、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は2000〜20000程度である。
【0190】
本発明に用いられるエポキシ化合物としては下記一般式〔9〕で表される化合物が好ましい。
【0191】
【化40】
【0192】
一般式〔9〕において、Rで表されるアルキレン基の置換基は、ハロゲン原子、水酸基、ヒドロキシアルキル基又はアミノ基から選ばれる基であることが好ましい。またRで表される連結基中にアミド連結部分、エーテル連結部分、チオエーテル連結部分を有していることが好ましい。Xで表される2価の連結基としては−SO2−、−SO2NH−、−S−、−O−、又は−NR′−が好ましい。ここでR′は1価の連結基であり、電子吸引基であることが好ましい。
【0193】
以下に、本発明に用いられるエポキシ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0194】
【化41】
【0195】
【化42】
【0196】
【化43】
【0197】
【化44】
【0198】
【化45】
【0199】
これらのエポキシ化合物は、1種のみを用いても2種以上を併用しても良い。その添加量は特に制限はないが、1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1×10-5〜1×10-3モル/m2の範囲である。
【0200】
本発明においてエポキシ化合物は、感光層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層又は2層以上に添加することができる。又、併せて支持体の感光層と反対側の任意の層に添加することができる。尚、両面に感光層が存在するタイプの感材ではいずれの層であってもよい。
【0201】
下記の構造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有する化合物も参考として挙げられる。
【0202】
【化46】
【0203】
本発明に用いられる酸無水物はこのような酸無水基を1個以上有するものであればよく、酸無水物基の数、分子量、その他に制限はないが、一般式〔B〕で表される化合物が好ましい。
【0204】
【化47】
【0205】
一般式〔B〕において、Zは単環又は多環系を形成するのに必要な原子群を表す。これらの環系は未置換であっても良く、置換されていても良い。置換基の例には、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオキシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、トリル)、ヒドロキシ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、フェニルスルホニル)、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾキシ)、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、及びアミノ基が含まれる。置換基としては、ハロゲン原子を含まないものが好ましい。
【0206】
以下に、これら酸無水物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0207】
【化48】
【0208】
【化49】
【0209】
好ましい添加量は10-6〜10-1mol/m2、特に好ましくは10-4〜10- 2mol/m2の範囲である。
【0210】
また、これらの酸無水物は、1種のみを用いても2種以上を併用しても良い。本発明において酸無水物は、感光層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層又は2層以上に添加することができる。なかでも、本発明のエポキシ化合物と同じ層に添加することが好ましい。また、併せて支持体の感光層と反対側の任意の層に添加することができる。なお、両面に感光層が存在するタイプの感材ではいずれの層であってもよい。
【0211】
上記の一般式〔B〕で表される化合物のうち、脂肪族ジカルボン酸無水物は、前記のようなエポキシ化合物との、又、活性種発生化合物との併用に限らず単独で、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、熱により活性化されたときに該有機銀塩の銀イオンを銀に還元しうる還元剤を含む感光層が設けられた熱現像感光材料の感光層中に含有されたとき、カブリ防止剤としての効果が高く、また保存時のカブリ、減感の抑制に大きな効果がある。
【0212】
脂肪族ジカルボン酸無水物のうち、好ましいのは、コハク酸無水物類、グルタル酸無水物類であり、環式脂肪族ジカルボン酸無水物例えば、1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水物類、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物類、水素化フタル酸無水物類が好ましい。特に好ましいものとして、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物類、水素化フタル酸無水物類がある。これら環式脂肪族ジカルボン酸無水物類のうちではtrans−体が好ましい。これらの中で特に好ましいものとして1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物が挙げられ、中でもtrans−体が特に好ましい。又、特に好ましい水素化フタル酸無水物の例としては、前記化合物例中に挙げられたものの他、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、マレイン化メチルシクロヘキセン四塩基酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物などがある。
【0213】
これらの脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては前記化合物例中に挙げられたものの他、更にクロレンド酸無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物、N−カルボキシベンジルオキシ−L−アスパラギン酸無水物、endo−ビシクロ[2,2,2]オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物が挙げられる。
【0214】
本発明において有機銀塩は還元可能な銀源であり、有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中でも長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜25)脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環化合物の銀塩が好ましい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数として4.0〜10.0の値をもつような有機又は無機の錯体も好ましい。これら好適な銀塩の例としては、前述のRD17029及び29963に記載されており、以下のものが挙げられる。
【0215】
有機酸の銀塩、例えば、没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類の銀塩又は錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類の銀塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸銀、アラキジン酸銀及びステアリン酸銀があげられる。
【0216】
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、コントロールドダブルジェット法により、前記ソープと硝酸銀などを混合して有機銀塩の結晶を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0217】
本発明においては有機銀塩は平均粒径が10μm以下であり、かつ単分散であることが好ましい。有機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は0.05μm〜10μm好ましくは0.05μm〜5μm、特に0.05μm〜1.0μmが好ましい。また単分散とは、ハロゲン化銀の場合と同義であり、好ましくは単分散度(粒径分布の変動係数)が1〜30%である。
【0218】
また、本発明においては、有機銀塩は平板状粒子が全有機銀の60%以上有することが好ましい。本発明において平板状粒子とは平均粒径と厚さの比、いわゆる下記式で表されるアスペクト比(ARと略す)が3以上のものをいう。
【0219】
AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm)
有機銀塩をこれらの形状にするためには、前記有機銀塩の結晶をバインダーや界面活性剤などをボールミルなどで分散粉砕することで得られる。この範囲にすることで濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感光材料が得られる。
【0220】
本発明においては感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であることが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られる。
【0221】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0222】
本発明に用いられる好適な色調剤の例はRD17029号に開示されており、次のものがある。
【0223】
イミド類(例えば、フタルイミド);環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサアンミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロックされたピラゾール類(例えば、N,N´−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール));イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み合わせ、(例えば1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノンとベンゼンスルフィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノンとp−トリスルホン酸ナトリウム);フタラジンとフタル酸の組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナフトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好ましい色調剤としてはフタラジノン又はフタラジンである。
【0224】
本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止剤が含まれて良い。有効なカブリ防止剤として例えば米国特許第3,589,903号などで知られている水銀化合物は環境的に好ましくない。そのため非水銀カブリ防止剤の検討が古くから行われてきた。非水銀カブリ防止剤としては例えば米国特許第4,546,075号及び同第4,452,885号及び特開昭59−57234号に開示されている様なカブリ防止剤が好ましい。
【0225】
特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国特許第3,874,946号及び同第4,756,999号に開示されているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防止剤の例としては、特開平9−288328号段落番号〔0030〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好ましく用いられる。
【0226】
また、もう一つの好ましいカブリ防止剤の例としては特開平9−90550号段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。さらに、その他の好適なカブリ防止剤は米国特許第5,028,523号及び欧州特許第600,587号、同第605,981号、同第631,176号に開示されている。
【0227】
本発明においては、感光層側にマット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防止のために、感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の全バインダーに対し、質量比で0.5〜30%含有することが好ましい。
【0228】
また、支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが好ましく、感光材料のすべり性や指紋付着防止のためにも感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の反対側の層の全バインダーに対し、質量比で0.5〜40%含有することが好ましい。
【0229】
本発明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0230】
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
【0231】
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に、好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。
【0232】
ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
これらのマット剤は任意の構成層中に含むことができるが、本発明の目的を達成するためには好ましくは感光層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見て最も外側の層である。
【0233】
本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0234】
これらの素材の他、各種の添加剤が目的に応じ感光性層、非感光性層、又はその他の形成層に添加されてもよい。本発明の熱現像感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を添加することができる。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はRD17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0235】
熱現像感光材料に用いる支持体の素材としては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えばアルミニウム)等が挙げられるが、情報記録材料としての取り扱い上は可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って本発明の熱現像感光材料における支持体としては、プラスチックフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム又はポリカーボネートフィルム等)が好ましく、本発明においては2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
【0236】
本発明においては帯電性を改良するために金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層,バッキング層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。本発明においては米国特許5,244,773号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられる。
【0237】
感光層、保護層及びバックコート層等本発明の感光材料上に必要な各層を塗設する方法に特に制限はなく、従来知られている、エアナイフコーティング、ディップコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、ホッパーコーティングなどの方法を用いることができる。又、これらの層を2層以上同時に塗布してもよい。塗布液の溶媒としてはメチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエンの様な有機溶媒が好ましく用いられる。
【0238】
本発明の熱現像感光材料は支持体上に少なくとも1層の感光層を有している。支持体の上に感光層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一層の非感光層を形成するのが好ましい。例えば感光層の上には保護層が、熱現像感光層を保護する目的で、又支持体の反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロールにおいてくっつきを防止する為に、バックコート層が設けられるのが好ましい。又熱現像感光層を透過する光の量または波長分布を制御するために感光層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成してもよいし、感光層に染料又は顔料を含有させてもよい。染料としては特開平8−201959号の化合物が好ましい。感光層は複数層にしてもよく、又階調の調節のために高感度層、低感度層を設け、これを組み合わせてもよい。各種の添加剤は感光層、非感光層又はその他の形成層のいずれに添加してもよい。
【0239】
本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温に加熱することで現像される。加熱温度としては80℃以上200℃以下が好ましく、さらに好ましいのは100℃以上150℃以下である。加熱温度が80℃以下では短時間に十分な画像濃度が得られず、又200℃以上ではバインダーが溶融し、ローラーへの転写など、画像そのものだけでなく搬送性や、現像機等へも悪影響を及ぼす。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理液の一切の供給なしに進行する。
【0240】
本発明の熱現像感光材料の露光は、赤外光域ならば如何なる光源にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワーである事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤外半導体レーザー(780nm、820nm)がより好ましく用いられる。
【0241】
本発明において、露光はレーザー走査露光により行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いることが好ましい。
【0242】
ここで、「実質的に垂直になることがない」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度以上82度以下であることをいう。
【0243】
レーザー光が、感光材料に走査されるときの感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmである。このようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じることが出来る。
【0244】
また、本発明における露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。
【0245】
縦マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。
【0246】
本発明のおいて熱現像感光材料はある範囲の量の溶剤を含有していることが好ましく、これらの溶剤として以下に示されるものがあげられる。
【0247】
本発明において溶剤としては、例えば、ケトン類としてアセトン、イソフォロン、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等があげられる。グリコール類としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。エーテルアルコール類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。エーテル類としてエチルエーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭化水素類としてn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化メチレン、クロロフォルム、ジクロルベンゼン等が挙げられる。アミン類としてモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。その他として水、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ピリジン、トルイジン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。又、これらの溶剤は、単独、又は、数種類組み合わせる事が出来る。
【0248】
感光材料中にこれらの溶剤を別途含有させてもよいが、通常は、熱現像感光材料は有機溶剤系塗布液を塗工し作製するので、塗布液を調製するのに用いた有機溶剤が一定量含まれるように乾燥工程等における温度条件等の条件変化によって調整するのが好ましい。又、当該溶剤の含有量は含有させた溶剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマトグラフイーで測定できる。
【0249】
本発明に係わる感光材料中に含有される溶剤の量は感光材料1m2あたりの合計量(質量基準)で5〜1000mg、好ましくは、100〜500mgであるように調整することが必要である。
【0250】
当該含有量が上記範囲においては、高感度でありながら、カブリ濃度が低い熱現像感光材料にすることが出来る。
【0251】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
〔下引済み写真用支持体の作製〕
〈PET下引済み写真用支持体の作製〉
市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ175μmの、光学濃度で0.170(コニカ株式会社製デンシトメータPDA−65にて測定)に青色着色したPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−1とした。
【0252】
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)
t−ブチルアクリレート(20質量%)
スチレン(25質量%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
C−1 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1lに仕上げる。
【0253】
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)
スチレン(20質量%)
グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
C−1 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1lに仕上げる。
【0254】
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
【0255】
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
C−1 0.2g
C−2 0.2g
C−3 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1lに仕上げる。
【0256】
《下引上層塗布液b−2》
C−4 60g
C−5を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
C−6 12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1lに仕上げる。
【0257】
【化50】
【0258】
【化51】
【0259】
(感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水900ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10-4モルを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5.0に調整して平均粒子サイズ0.06μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0260】
(粉末有機銀塩Aの調製)
4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し十分に攪拌した。次に、濃硝酸6.9mlを加えた後55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。該有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、上記ハロゲン化銀乳剤(銀0.038モルを含む)と純水450mlを添加し5分間攪拌した。次に1Mの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、遠心脱水を実施した後、37℃にて質量減がなくなるまで加温した窒素気流下で乾燥を行い粉末有機銀塩Aを得た。
【0261】
(感光性乳剤分散液の調製)
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 Butvar B−79)14.57gをメチルエチルケトン(MEK)1457gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザにて攪拌しながら粉末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合した。その後1mmZrビーズ(東レ製)を80%充填したメディア型分散機(gettzmann社製)にて周速13m、ミル内滞留時間3分間にて分散を行ない感光性乳剤分散液を調製した。
【0262】
〈赤外増感色素液の調製〉
赤外増感色素である一般式(1)〜(4)の化合物の中からNo.S−43を350mg、2−クロロ安息香酸13.96g、および5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール2.14gをメタノール73.4mlに暗所にて溶解し赤外増感色素液を調製した。
【0263】
〈安定剤液の調製〉
安定剤1を1.0g、酢酸カリウム0.5gをメタノール8.5gに溶解し安定剤液を調製した。
【0264】
〈現像剤液の調製〉
現像剤として1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン17.74gをMEKに溶解し100mlに仕上げ現像剤液とした。
【0265】
〈かぶり防止剤液の調製〉
かぶり防止剤2を5.81gMEKに溶解し100mlに仕上げかぶり防止剤液とした。
【0266】
《感光層塗布液の調製》
前記感光性乳剤分散液(50g)およびMEK15.11gを攪拌しながら21℃に保温し、かぶり防止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間攪拌した。さらに臭化亜鉛(10%メタノール溶液)996μlを添加して30分攪拌した。
【0267】
次に、赤外増感色素液を1.416mlおよび安定剤液667μlを添加して1時間攪拌した後に温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。
【0268】
13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール(Monsanto社 Butvar B−79)13.31gを添加して30分攪拌してから、さらに攪拌を続けながら以下の添加物を15分間隔で添加した。
【0269】
フタラジン 305mg
テトラクロロフタル酸 102mg
4−メチルフタル酸 137mg
赤外染料1 37mg
上記を添加し15分攪拌した後、更に
かぶり防止剤液 5.47ml
画像安定化剤(一般式〔1〕、〔2〕) 表1参照
現像剤液 14.06ml
架橋剤等:表1参照10%MEK溶液 1.60ml
を順次添加し攪拌することにより感光層塗布液を得た。乾燥は75℃、5分間で行った。尚、乾燥工程は酸素等による悪影響を防止するため、窒素気流零囲気下で行った。
【0270】
〈感光層面側塗布〉
前記の組成の液を塗布銀量2g/m2になる様に塗布した。
【0271】
〈表面保護層〉
以下の組成の液を感光層の上に塗布した。
【0272】
感光層塗布液における 画像安定化剤(一般式〔1〕、〔2〕)及び架橋剤(一般式〔8〕で表されるイソシアネート類、又チオシアネート類等)を表1の様に変化させ感光材料試料No.101〜121を作製した。
【0273】
【化52】
【0274】
【化53】
【0275】
【表1】
【0276】
《フィルム中溶媒含有量の測定》
フィルム面積として46.3cm2を切り出し、これを5mm程度に細かく刻んで専用バイアル瓶に収納しセプタムとアルミキャップで密閉した後、ヒューレット・パッカード社製ヘッドスペースサンプラーHP7694型にセットした。ヘッドスペースサンプラーと接続したガスクロマトグラフィー(GC)は検出器として水素炎イオン化検出器(FID)を装着したヒューレット・パッカード社製5971型であった。主な測定条件として、ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分であり、GC導入温度:150℃、カラム:J&W社製DB−624、昇温:45℃3分→100℃(8℃/分)を用いてガスクロマトグラムを得た。測定対象溶媒はMEK、メタノールとし、左記溶媒の各々ブタノールにて希釈された一定量を専用バイアル瓶に収納した後、上記と同様に測定して得られたクロマトグラムのピーク面積を用いて作成した検量線を使用してフィルム中溶媒含有量を得た。
【0277】
これらの方法により各感光材料試料の有機溶剤含量を101〜121について下記A条件で保存した後に定量したところいずれも100〜120mg/m2であった。
【0278】
《露光及び現像処理》
感光材料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長800nm〜820nmの縦マルチモード化された半導体レーザーを露光源とした露光機によりレーザー走査による露光を与えた。この際に、感光材料の露光面と露光レーザー光の角度を75度として画像を形成した。(なお、当該角度を90度とした場合に比べムラが少なく、かつ予想外に鮮鋭性等が良好な画像が得られた。)
その後、ヒートドラムを有する自動現像機を用いて感光材料の保護層とドラム表面が接触するようにして、110℃で15秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の結果は、感度(未露光部分よりも1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)およびカブリで評価し、感光材料No.101の感度を100とする相対値で示した。
【0279】
〈経時保存性の評価〉
感光材料を下記条件で7日間保存した後、それぞれ上記の条件にて露光、現像を行い、得られた画像の評価を濃度計により行った。条件AでのDminと条件BでのDminの差(Dmin(B)−Dmin(A))を求め未現像感光材料の経時保存性とした。結果を表2に示す。
【0280】
条件A 25℃ 55%RH
条件B 40℃ 80%RH
〈画像保存性の評価〉
写真性能の評価と同様に保存条件A下で7日放置後現像処理をした試料を更に25℃55%で7日間蛍光灯下に放置した後、色調を観察し、下記基準に基づき、評価した。これも表2に示した。
【0281】
ランク 評価基準
5 全く問題ない色調
4 実技上問題の無い色調
3 僅かに黄色味を帯びているが、問題ない色調
2 不快な色調であり、問題となる可能性がある色調
1 明らかに顕著な変化が認められ、実技上問題となる色調
【0282】
【表2】
【0283】
表2から明らかなように、本発明に係る試料は、比較試料に比べ、高感度でありながら未現像感光材料の経時保存性及び現像処理後の画像保存性に優れている。
【0284】
実施例2
実施例1と同じようにして、市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ175μmの青色着色済みPETフィルムに下引層A−1、A−2層を熱現像感光層を塗設する側に、又下引層B−1、B−2を裏面となる側に塗布し、写真用支持体を作製した。
【0285】
又、感光性ハロゲン化銀乳剤A、又粉末有機銀塩Aをやはり実施例1と同様に調製し、感光性乳剤分散液を調製した。
【0286】
これらを用い実施例1における一般式〔1〕、〔2〕で表される本発明の画像安定化剤及び架橋剤である一般式〔9〕で表されるエポキシ化合物、一般式〔B〕で表される酸無水物架橋剤を表3の様に変化させた以外は実施例1と同様にして感光材料No.201〜221を作製した。
【0287】
【表3】
【0288】
これを実施例1と同様にして、未露光感光材料の保存性及び画像の保存性を評価した。評価結果を表4に示した。感度は感光材料資料No.201の保存条件Aでの現像後感度を100とした相対値で表した。
【0289】
【表4】
【0290】
表4から明らかなように、本発明に係る試料は、比較試料に比べ、高感度でありながら、未現像感材の経時保存性及び現像処理後の画像保存性に優れている。
【0291】
実施例3
実施例1と同じようにして、市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ175μmの青色着色済みPETフィルムに下引層A−1、A−2層を熱現像感光層を塗設する側に、又下引層B−1、B−2を裏面となる側に塗布し、写真用支持体を作製した。
【0292】
又、感光性ハロゲン化銀乳剤A、又粉末有機銀塩Aをやはり実施例1と同様に調製し、感光性乳剤分散液を調製した。
【0293】
但し、赤外増感色素の液から強色増感剤である5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール(強色増感剤M−4)を除いたもの、含むものを調製し、又これらに用いる本発明の一般式〔1〕、〔2〕で表される画像安定化剤と架橋剤を表5の様に変化させ、強色増感剤の効果をみるための感光材料No.301〜321を作製した。
【0294】
【表5】
【0295】
実施例1と同様にして、センシトメトリー、未露光感光材料の保存性及び画像の保存性を評価した。評価結果を表6に示した。感度は感光材料資料No.301の保存条件Aでの現像後感度を100とした相対値で表した。
【0296】
【表6】
【0297】
表6から明らかなように、本発明に係る強色増感剤を含有する試料は、強色増感剤を含有しない比較試料に比べ、高感度でありながら、未現像感材の経時保存性及び現像処理後の画像保存性に優れている。
【0298】
実施例4
赤外増感色素液の調製において赤外増感色素をNo.S−43から表7に示す赤外増感色素(添加量:いずれの色素も5×10-4モル)にかえた以外は実施例1と同様にして、色素の種類の異なった試料No.401〜411を作製して本発明に係わる熱現像感光材料における赤外増感色素の性能を評価した。
【0299】
【化54】
【0300】
即ち、試料No.102の処方をベースに以下の架橋剤、画像安定化剤を添加したものである。本発明に係わる架橋剤としてはヘキサメチレンジイソシアネート、ハロゲン原子以外の活性種を発生する化合物としてBI−6を0.6g及びI−33を0.1g、ハロゲン原子を発生する化合物としては4−38を0.2gそれぞれに添加した。それぞれの試料を経時保存性の評価を9日間とした以外は実施例1、2、3と同様にして評価した。
【0301】
【表7】
【0302】
表7に示す結果から判るように、本発明に係わる保存性の改良効果は、種々の赤外増感色素を含む系において共通に発現するが、特定の赤外増感色素において特に顕著であることが判る。尚、感度はNo.401の感度を100として相対感度で表した。
【0303】
参考例5
感光層塗布液の調製においてかぶり防止剤2の溶液を8.0mlとし架橋剤を表8の様に変更した以外は、試料番号101と同様に試料502〜516を作製し、露光現像処理を実施例1と同様に行った。即ち、保存条件AおよびBで保存後の、各試料のカブリおよび、相対感度を測定した。その結果を表8に示した。尚、感度については、保存条件Bで保存した資料の101の感度を100とした相対感度で各試料とも表した。
【0304】
【表8】
【0305】
脂肪族カルボン酸無水物を含有しない試料においては、保存条件Bにおけるカブリ増加が大きく、又、保存条件Bで保存した試料の感度も低下している。特に、無水テトラクロロフタル酸を用いたものでは保存条件Bにおける感度の低下が大きい。それに比べ本発明の脂肪族カルボン酸無水物を用いた試料においてはカブリ上昇が少なく、感度低下も少ないことがわかる。
【0306】
【発明の効果】
高感度で保存性に優れ、生成した画像の安定性のよい熱現像感光材料を得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photothermographic material excellent in storability, and more particularly to a black and white photothermographic material excellent in storability of a silver image after development.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in the medical and printing plate making fields, waste liquids resulting from wet processing of image forming materials have been a problem in terms of workability. In recent years, the amount of waste processing liquids has been strongly reduced from the viewpoint of environmental conservation and space saving. It is desired.
[0003]
Therefore, there is a need for a technique relating to photothermographic materials for photographic technology that can be efficiently exposed by a laser imager or a laser image setter and can form a clear black image with high resolution.
[0004]
Such techniques include, for example, U.S. Pat. Nos. 3,152,904, 3,487,075, and D.C. As described in Morgan, “Dry Silver Photographic Materials” (Handbook of Imaging Materials, Marcel Dekker, Inc. page 48, 1991), etc. A photothermographic material containing photosensitive silver halide grains and a reducing agent is known. Since this photothermographic material does not use any solution processing chemicals, it is possible to provide a user with a simpler system that does not damage the environment.
[0005]
By the way, the photothermographic material contains an organic silver salt, photosensitive silver halide grains, and a reducing agent. Therefore, the photothermographic material is not only easily fogged during the storage period before heat development and during heat development, but also after heat development processing. There is a problem that fog or photodegraded silver (printed-out silver) is likely to occur even during the storage period. In particular, in the photosensitive material, after exposure, usually, heat development is performed at 80 to 250 ° C., and fixing is not performed. Therefore, under conditions where silver halide, organic silver salt and reducing agent remaining in the unexposed area coexist. In the long-term storage, the silver image was discolored by heat or light.
[0006]
Techniques for solving these problems are disclosed in JP-A-6-208192, JP-A-8-267934, US Pat. No. 5,714,311 and documents cited in these patent documents. Although these disclosed technologies have some effects, they are not yet sufficient as technologies for satisfying the level required in the market.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and the problem of the present invention is that there is little fogging during thermal development or when the photothermographic material is stored for a long period of time, and particularly the silver image after thermal development. It is an object of the present invention to provide a photothermographic material excellent in stability and an image recording method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention is tofollowingmeans1-8Is achieved.In addition, 11-14 are mentioned as reference.
[0009]
1. At least a non-photosensitive organic silver salt, a photosensitive silver halide, a reducing agent capable of reducing silver ions of the organic silver salt to silver when activated by heat, a binder, and a crosslinking agent for the binder In the photothermographic material, the crosslinking agent is at least one selected from isocyanate, thioisocyanate and epoxy compound, and the photosensitive silver halide is supersensitized with a mercapto compound. In addition to halogen atoms other than halogen atoms, the photosensitive agent can be exposed to ultraviolet light or visible light after heat development to inactivate the reducing agent so that the organic silver salt cannot be reduced to silver. Generate reactive speciesAs a compound, it is represented by general formula [1] or general formula [2]A photothermographic material comprising a compound.
[C]
(Wherein R 1 , R 2 And R Three Each of (same or different) is an alkyl group, an alkenyl group, an alkoxy group, an aryl group, a hydroxy group, a halogen atom, an aryloxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an acyl group, a sulfonyl group, an acylamino group, a sulfonylamino group, An acyloxy group, a carboxyl group, a cyano group, a sulfo group and an amino group are shown. )
[Chemical D]
Wherein Q includes the atoms necessary to complete a 5, 6 or 7 membered ring, and the required atoms are selected from carbon atoms, nitrogen atoms, oxygen atoms and sulfur atoms. 1 , R 2 And R Three Each (same or different) is a hydrogen atom, alkyl group, alkenyl group, alkoxy group, aryl group, hydroxy group, halogen atom, aryloxy group, alkylthio group, arylthio group, acyl group, sulfonyl group, acylamino group, sulfonyl group An amino group, an acyloxy group, a carboxyl group, a cyano group, a sulfo group and an amino group are shown. R Four Is a carboxylate group and O - Indicates. W represents 0 or 1. X - Is an anionic counterion. R Three When is a sulfo group or a carboxyl group, W is 0 and R Four Is O - It is. R 1 , R 2 And R Three Any of these may be bonded to each other to form a ring. )
[0011]
2. In addition to compounds that generate reactive species other than halogen atoms that can inactivate reducing agents and prevent organic silver salts from being reduced to silver by exposure to ultraviolet or visible light, reactive active species 2. The photothermographic material as described in 1 above, which comprises a compound capable of generating a halogen atom.
[0012]
3. The reactive species other than the halogen atom is a free radical consisting of a plurality of atoms,One or twoIs2The photothermographic material described in 1.
[0013]
4. The above 1, wherein the compound generating a reactive species other than a halogen atom has a carbocyclic or heterocyclic aromatic group,Two-wayIs3The photothermographic material described in 1.
[0014]
5. The photosensitive silver halide is sensitized with an infrared spectral sensitizing dye, 1, 2,ThreeIs4The photothermographic material described in 1.
[0016]
6. 1 to5The photothermographic material according to any one of the above, wherein the photothermographic material is exposed by a laser exposure machine so that an angle formed between an exposure surface of the photothermographic material and a scanning laser beam is not substantially perpendicular. Image recording method.
[0017]
7. 1 to5An image recording method comprising performing exposure by a laser beam scanning exposure machine in which a scanning laser beam for recording an image on the photothermographic material according to any one of the above is a vertical multi.
[0018]
8. 1 to5The photothermographic material according to any one of 1) to 1m is an organic solvent.2An image forming method comprising heat-developing in a state of containing 5 to 1000 mg per unit.
[0019]
11. On the support, at least a non-photosensitive organic silver salt, a photosensitive silver halide, a reducing agent capable of reducing silver ions of the organic silver salt to silver when activated by heat, an aliphatic dicarboxylic acid anhydride A photothermographic material provided with a photosensitive layer containing
[0020]
12 On the support, at least a non-photosensitive organic silver salt, a photosensitive silver halide, a reducing agent capable of reducing silver ions of the organic silver salt to silver when activated by heat, hydrogenated phthalic anhydride A photothermographic material provided with a photosensitive layer containing
[0021]
13. 13. An image recording method, wherein the photothermographic material according to 11 and 12 is exposed by a laser scanning exposure machine.
[0022]
14 13. An image forming method comprising heat-developing the photothermographic material according to 11 and 12 above.
[0023]
The photothermographic material is at least a non-photosensitive organic silver salt, a photosensitive silver halide, a reducing agent capable of reducing silver ions of the organic silver salt to silver when activated by heat, a binder, and a crosslinking of the binder Contains an agent. Therefore, the silver halide as the photoreceptor, the organic silver salt as the silver source, and the reducing agent coexist, and the storability of the photosensitive material is poor. In addition, since fixing is not performed after development, there is a drawback in that the storage stability after development, in particular, the printout when exposed to light is large.
[0024]
Due to the presence of a reducing agent in the photosensitive material, heat fog is likely to be generated by reaction with the organic silver salt, and after development, light in a wavelength region different from that for image recording is irradiated. In addition to the original function of reducing silver ions, the reducing agent functions as a hole trap, so that the printout silver from silver halides or organic silver salts is inevitably enlarged. This is considered to be the cause.
[0025]
Accordingly, the present inventor has developed an organic silver salt or halogenated salt by inactivating the reducing agent when the image is exposed to ultraviolet light and visible light after heat development of a photothermographic material as shown below. It has been found that the problem can be solved by including a compound capable of releasing reactive species capable of preventing silver from being reduced to silver.
[0026]
As will be described later, reducing agents having protons such as bisphenols and sulfonamidophenols are used as the reducing agent used in the photothermographic material. Therefore, these active species can extract these hydrogens. Compounds that can inactivate the reducing agent by generating are preferred. Suitably, the colorless photo-oxidizable substance is preferably a compound capable of generating free radicals as reactive species upon exposure.
[0027]
Therefore, any compound having these functions may be used, but a halogen radical is not preferable because it leads to the formation of silver halide, and an organic free radical composed of a plurality of atoms is preferable. A compound having any structure may be used as long as it has such a function and does not cause any particular adverse effect on the photothermographic material.
[0028]
In addition, as a compound that generates these free radicals, the generated free radicals are carbocyclic or heterocyclic in order to have a stability that allows them to come into contact with the reducing agent for a time sufficient to react and inactivate. Those having the following aromatic group are preferred.
[0029]
Representative examples of these compounds include the biimidazolyl compounds and iodonium compounds listed below.
[0030]
Biimidazolyl compounds have the ability of two imidazolyl radicals, which are free radicals generated when irradiated with ultraviolet light and visible light, to oxidize the remaining reducing agent after thermal image formation, thereby Is inactivated with respect to further reduction of the silver salt. It is surprising that such a biimidazolyl compound can oxidize a reducing agent that is effective in the light-activated activation of a substantially light-insensitive organic silver salt in a heat-activated reduction.
[0031]
Examples of these biimidazolyl compounds include those represented by the following general formula [1].
[0032]
[Chemical 1]
[0033]
Where R1, R2And RThreeEach (same or different) can be an alkyl group (eg methyl, ethyl, hexyl), an alkenyl group (eg vinyl, allyl), an alkoxy group (eg methoxy, ethoxy, octyloxy), an aryl group (eg phenyl , Naphthyl, tolyl), hydroxy group, halogen atom, aryloxy group (eg phenoxy), alkylthio group (eg methylthio, butylthio), arylthio group (eg phenylthio), acyl group (eg acetyl, propionyl, butyryl) Valeryl), sulfonyl group (for example, methylsulfonyl, phenylsulfonyl), acylamino group, sulfonylamino group, acyloxy group (for example, acetoxy, benzoxy), carboxyl group, cyano group, sulfonyl group, and amino group. Among these, more preferred substituents are an aryl group, an alkenyl group, and a cyano group.
[0034]
The above-mentioned biimidazolyl compound can be produced by the production methods described in US Pat. No. 3,734,733 and British Patent No. 1,271,177 and methods analogous thereto. Preferred specific examples are listed below.
[0035]
[Chemical 2]
[0036]
[Chemical 3]
[0037]
Similarly, an iodonium compound represented by the following general formula [2] can be given as a suitable compound.
[0038]
[Formula 4]
[0039]
Wherein Q includes the atoms necessary to complete a 5, 6 or 7 membered ring and the required atoms are selected from carbon atoms, nitrogen atoms, oxygen atoms and sulfur atoms. R1, R2And RThree(Same or different) each is a hydrogen atom, an alkyl group (eg, methyl, ethyl, hexyl), an alkenyl group (eg, vinyl, allyl), an alkoxy group (eg, methoxy, ethoxy, octyloxy), an aryl group ( For example, phenyl, naphthyl, tolyl), hydroxy group, halogen atom, aryloxy group (for example, phenoxy), alkylthio group (for example, methylthio, butylthio), arylthio group (for example, phenylthio), acyl group (for example, acetyl, Propionyl, butyryl, valeryl), sulfonyl groups (eg, methylsulfonyl, phenylsulfonyl), acylamino groups, sulfonylamino groups, acyloxy groups (eg, acetoxy, benzoxy), carboxyl groups, cyano groups, sulfo groups and amino groups. It is. Among these, more preferred substituents are an aryl group, an alkenyl group, and a cyano group.
[0040]
RFourAre carboxylate groups such as acetate, benzoate, trifluoroacetate and O-Indicates. W represents 0 or 1.
[0041]
X-Is an anionic counterion, and preferred examples include CHThreeCO2 -, CHThreeSOThree -And PF6 -It is.
[0042]
RThreeWhen is a sulfo group or a carboxyl group, W is 0 and RFourIs O-It is.
[0043]
R1, R2And RThreeAny of these may be bonded to each other to form a ring.
Among these, a particularly preferable compound is represented by the following general formula [3].
[0044]
[Chemical formula 5]
[0045]
Where R1, R2, RThree, RFour, X-And W and the like represent the same as in the general formula [2], and Y represents carbon (—CH═) and represents a benzene ring, or represents a nitrogen atom (—N═) and represents a pyridine ring.
[0046]
The above iodonium compounds are described in Org. Syn. , 1961 and "Advanced Organic Chemistry by Fieser" (Reinhold, NY, 1961) and a method analogous thereto.
[0047]
Suitable compounds can be represented by the general formula:
[0048]
[Chemical 6]
[0049]
[Chemical 7]
[0050]
The amount of the compound represented by the general formulas [1] and [2] according to the present invention is 0.001 to 0.1 mol / m.2, Preferably 0.005 to 0.05 mol / m2Range. The compound can be contained in any constituent layer in the light-sensitive material of the present invention, but is preferably contained in the vicinity of the reducing agent.
[0051]
In the present invention, the compound that deactivates the reducing agent and prevents the reducing agent from reducing the organic silver salt to silver is preferably a compound in which the reactive species is not a halogen atom, but releases a halogen atom as an active species. A compound can also be used by using together with the compound which discharge | releases the active species which is not a halogen atom of this invention. Many compounds that can release a halogen atom as an active species are known, and the combined use alleviates the drawbacks.
[0052]
Specific examples of the compound that generates these active halogen atoms include compounds of the general formula [4] listed below.
[0053]
[Chemical 8]
[0054]
In general formula [4], Q represents an aryl group or a heterocyclic group. X1, X2And XThreeRepresents a hydrogen atom, a halogen atom, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a sulfonyl group or an aryl group, at least one of which is a halogen atom. Y is -C (= O)-, -SO- or -SO.2-Represents.
[0055]
The aryl group represented by Q may be monocyclic or condensed, and is preferably a monocyclic or bicyclic aryl group having 6 to 30 carbon atoms (for example, phenyl, naphthyl, etc.), more preferably phenyl. Group, a naphthyl group, and more preferably a phenyl group.
[0056]
The heterocyclic group represented by Q is a 3- to 10-membered saturated or unsaturated heterocyclic group containing at least one atom of N, O or S, which may be monocyclic, A condensed ring may be formed with other rings.
[0057]
The heterocyclic group is preferably a 5- to 6-membered unsaturated heterocyclic group optionally having a condensed ring, more preferably a 5- to 6-membered aromatic heterocyclic ring optionally having a condensed ring. It is a group. More preferably, it is a 5- to 6-membered aromatic heterocyclic group optionally having a condensed ring containing a nitrogen atom, and particularly preferably 5 a condensed ring containing 1 to 4 nitrogen atoms. Or a 6-membered aromatic heterocyclic group. The heterocyclic ring in such a heterocyclic group is preferably imidazole, pyrazole, pyridine, pyrimidine, pyrazine, pyridazine, triazole, triazine, indole, indazole, purine, thiadiazole, oxadiazole, quinoline, phthalazine, naphthyridine, quinoxaline, quinazoline Cinnoline, pteridine, acridine, phenanthroline, phenazine, tetrazole, thiazole, oxazole, benzimidazole, benzoxazole, benzthiazole, indolenine, tetrazaindene, more preferably imidazole, pyridine, pyrimidine, pyrazine, pyridazine, triazole, Triazine, thiadiazole, oxadiazole, quinoline, phthalazine, naphthyridine, quinoxaline, quinoaline Zolin, cinnoline, tetrazole, thiazole, oxazole, benzimidazole, benzoxazole, benzthiazole, tetrazaindene, more preferably imidazole, pyridine, pyrimidine, pyrazine, pyridazine, triazole, triazine, thiadiazole, quinoline, phthalazine, naphthyridine, Quinoxaline, quinazoline, cinnoline, tetrazole, thiazole, benzimidazole, and benzthiazole are preferable, and pyridine, thiadiazole, quinoline, and benzthiazole are particularly preferable.
[0058]
The aryl group and heterocyclic group represented by Q are each represented by —Y—C (X1) (X2) (XThree) May have a substituent, and the substituent is preferably an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, an alkoxy group, an aryloxy group, an acyloxy group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, Acyloxy group, acylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, sulfonylamino group, sulfamoyl group, carbamoyl group, sulfonyl group, ureido group, phosphoric acid amide group, halogen atom, cyano group, sulfo group, carboxyl group, Nitro group and heterocyclic group, more preferably alkyl group, aryl group, alkoxy group, aryloxy group, acyl group, acylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, sulfonylamino group, sulfamoy Group, carbamoyl group, ureido group, phosphoric acid amide group, halogen atom, cyano group, nitro group, heterocyclic group, more preferably alkyl group, aryl group, alkoxy group, aryloxy group, acyl group, acylamino group, A sulfonylamino group, a sulfamoyl group, a carbamoyl group, a halogen atom, a cyano group, a nitro group, and a heterocyclic group are preferable, and an alkyl group, an aryl group, and a halogen atom are particularly preferable.
[0059]
X1, X2And XThreeIs preferably a halogen atom, haloalkyl group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, sulfamoyl group, sulfonyl group, heterocyclic group, more preferably a halogen atom, haloalkyl group, acyl group, alkoxycarbonyl Group, an aryloxycarbonyl group and a sulfonyl group, more preferably a halogen atom and a trihalomethyl group, and particularly preferably a halogen atom. Of the halogen atoms, preferred are a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom, more preferred are a chlorine atom and a bromine atom, and particularly preferred is a bromine atom.
[0060]
Y is -C (= O)-, -SO-, -SO.2-, Preferably -SO2-.
[0061]
Specific examples of these compounds are listed below.
[0062]
[Chemical 9]
[0063]
[Chemical Formula 10]
[0064]
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[0065]
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[0066]
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[0067]
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[0068]
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[0069]
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[0070]
The amount of these compounds added is preferably within a range in which the increase in printout silver due to the formation of silver halide is not a problem, and is a maximum of 150% or less, more preferably 100% in terms of the ratio to the compound that does not generate active halogen radicals. % Or less.
[0071]
As described above, these compounds inactivate the reducing agent in the photothermographic layer and greatly improve the storability of the photosensitive material. However, the reducing agent used in the photothermographic material deactivated by the free radicals described above. This will be described in detail below.
[0072]
Examples of suitable reducing agents incorporated in the photothermographic material of the present invention include US Pat. Nos. 3,770,448, 3,773,512, 3,593,863, and Research Disclosure. (Hereinafter may be abbreviated as RD) 17029 and 29963. Aminohydroxycycloalkenone compounds (eg, 2-hydroxypiperidino-2-cyclohexenone); aminolicductones (eg, piperidinohexose reductone monoacetate); N-hydroxyurea derivatives (eg, Np-methylphenyl-N-hydroxyurea); hydrazones of aldehydes or ketones (eg anthracene aldehyde phenylhydrazone); phosphoramidophenols; phosphoramidoanilines; polyhydroxybenzenes (eg hydroquinone, t -Butylhydroquinone, isopropylhydroquinone and (2,5-dihydroxyphenyl) methylsulfone); sulfhydroxamic acids (eg benzenesulfhydroxamic acid); sulfonamide anilis (Eg, 4- (N-methanesulfonamido) aniline); 2-tetrazolylthiohydroquinones (eg, 2-methyl-5- (1-phenyl-5-tetrazolylthio) hydroquinone); tetrahydroquinoxalines (eg, 1,2,3,4-tetrahydroquinoxaline); amide oximes; azines (eg, combinations of aliphatic carboxylic acid aryl hydrazides and ascorbic acid); combinations of polyhydroxybenzene and hydroxylamine, reductones and / or hydrazines; Hydroxamic acids; combinations of azines and sulfonamidophenols; α-cyanophenylacetic acid derivatives; combinations of bis-β-naphthol and 1,3-dihydroxybenzene derivatives; 5-pyrazolones; sulfonamide phenol reducing agents; Nylindane-1,3-dione, etc .; Chroman; 1,4-dihydropyridines (eg, 2,6-dimethoxy-3,5-dicarboethoxy-1,4-dihydropyridine); Bisphenols (eg, bis (2- Hydroxy-3-t-butyl-5-methylphenyl) methane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 4,5-ethylidene-bis (2-t-butyl-6-methyl) Phenol), UV-sensitive ascorbic acid derivatives and 3-pyrazolidones. Of these, particularly preferred reducing agents are bisphenols. Examples of the bisphenols include compounds represented by the following general formula (A).
[0073]
Embedded image
[0074]
In the formula, R represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms (for example, isopropyl, butyl, 2,4,4-trimethylpentyl), and R ′ and R ″ have 1 to 5 carbon atoms. Represents an alkyl group (eg, methyl, ethyl, t-butyl).
[0075]
Specific examples of the compound represented by formula (A) are shown below. However, the present invention is not limited to the following compounds.
[0076]
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[0077]
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[0078]
The amount of reducing agent used, including the compound represented by the general formula (A), is preferably 1 × 10 5 per mole of silver.-2-10 mol, especially 1 x 10-2~ 1.5 mol.
[0079]
The photothermographic material of the present invention contains photosensitive silver halide and organic silver salt.
The photosensitive silver halide grains in the present invention will be described.
[0080]
The photographic emulsion used in the present invention is P.I. Chifie et Physique Photographic (published by Paul Montel, 1967) by Glafkides. F. Duffin's Photographic Emission Chemistry (published by The Focal Press, 1966), V.C. L. It can be prepared using the method described in Making and Coating Photographic Emulsion (published by The Focal Press, 1964) by Zelikman et al. That is, any of an acidic method, a neutral method, an ammonia method, etc. may be used, and the formation of reacting a soluble silver salt and a soluble halogen salt may be any one of a one-side mixing method, a simultaneous mixing method, and a combination thereof. However, among the above methods, a so-called controlled double jet method in which silver halide grains are prepared while controlling formation conditions is preferable. The halogen composition is not particularly limited, and may be any of silver chloride, silver chlorobromide, silver chloroiodobromide, silver bromide, silver iodobromide, and silver iodide.
[0081]
Grain formation is usually divided into two stages: silver halide seed grain (nucleus) generation and grain growth, and these may be performed continuously at one time. Alternatively, the nucleus (seed grain) formation and grain growth may be separated. The method of performing may be used. The controlled double jet method, in which particles are formed by controlling pAg, pH, etc., which are particle forming conditions, is preferable because the particle shape and size can be controlled. For example, when performing a method in which nucleation and grain growth are separated, first, soluble silver salt and soluble halogen salt are uniformly and rapidly mixed in an aqueous gelatin solution to produce nuclei (seed grains) (nucleation process). Thereafter, silver halide grains are prepared by a grain growth process in which grains are grown while supplying a soluble silver salt and a soluble halogen salt under controlled pAg, pH and the like. After the formation of the grains, the desired salt halide emulsion can be obtained by removing unnecessary salts by a desalting step by a known desalting method such as a noodle method, a flocculation method, an ultrafiltration method, or an electrodialysis method. I can do it.
[0082]
The silver halide of the present invention preferably has a smaller average grain size in order to keep the cloudiness after image formation low and to obtain good image quality, and the average grain size is 0.2 μm or less, more preferably 0.01 μm. ˜0.17 μm, particularly 0.02 μm to 0.14 μm is preferable. The grain size here means the length of the edge of the silver halide grain when the silver halide grain is a so-called normal crystal of a cube or octahedron. Further, when the silver halide grain is a tabular grain, it means a diameter when converted into a circular image having the same area as the projected area of the main surface.
[0083]
In the present invention, the grain size of the silver halide grains is preferably monodispersed. The monodispersion here means that the coefficient of variation of the particle size determined by the following formula is 7% or less. The particles are preferably 5% or less, more preferably 3% or less, and particularly preferably 1% or less.
[0084]
Coefficient of variation of particle size% = standard deviation of particle size / average value of particle size × 100
Examples of the shape of the silver halide grains include cubes, octahedrons, tetrahedron grains, tabular grains, spherical grains, rod-like grains, potato-like grains, etc. In the present invention, cubic grains, octahedral grains, Tetrahedral grains and tabular grains are preferred.
[0085]
When tabular silver halide grains are used, the average aspect ratio is preferably 2 or more and 100 or less, more preferably 3 or more and 50 or less. These are described in US Pat. Nos. 5,264,337, 5,314,798, 5,320,958, etc., and the desired tabular grains can be easily obtained. Further, grains having rounded corners of silver halide grains can be preferably used.
[0086]
The outer surface of the silver halide grain is not particularly limited, but the ratio occupied by the Miller index [100] plane is preferably high, and this ratio is 50% or more, further 70% or more, particularly 80% or more. preferable. The ratio of the Miller index [100] plane was determined by T.T. Tani, J .; Imaging Sci. 29, 165 (1985).
[0087]
The silver halide grains used in the present invention are preferably prepared using low molecular weight gelatin having an average molecular weight of 50,000 or less at the time of forming the grains, and particularly preferably used at the time of nucleation of silver halide grains.
[0088]
In the present invention, the low molecular weight gelatin has an average molecular weight of 50,000 or less, preferably 2000 to 40000, more preferably 5000 to 25000. The average molecular weight of gelatin can be measured by gel filtration chromatography.
[0089]
Low molecular weight gelatin can be decomposed by adding gelatin-degrading enzyme to a commonly used gelatin aqueous solution with an average molecular weight of about 100,000, hydrolyzing by adding acid or alkali, and heating under atmospheric pressure or pressure. Can be obtained by thermal decomposition, decomposition by ultrasonic irradiation, or a combination of these methods.
[0090]
The concentration of the dispersion medium during nucleation is preferably 5% by mass or less, and it is effective to carry out at a low concentration of 0.05 to 3.0% by mass.
[0091]
The silver halide grain used in the present invention is preferably a compound represented by the general formula [5] at the time of grain formation.
[0092]
General formula [5]
YO (CH2CH2O)m(C (CHThree) HCH2O)p(CH2CH2O)nY
In the formula, Y is a hydrogen atom, -SO.ThreeM represents -CO-B-COOM, M represents a hydrogen atom, an alkali metal atom, an ammonium group or an ammonium group substituted with an alkyl group having 5 or less carbon atoms, and B represents an organic dibasic acid. Represents a chain or cyclic group. m and n each represents 0 to 50, and p represents 1 to 100.
[0093]
The compound represented by the general formula [5] supports a step of producing an aqueous gelatin solution, a step of adding a water-soluble halide and a water-soluble silver salt to the gelatin solution, and an emulsion when producing a silver halide photographic light-sensitive material. It has been preferably used as an antifoaming agent for significant foaming when the emulsion raw material is stirred or moved, such as a step of coating on the body. No. 9497. The compound represented by the general formula [5] also functions as an antifoaming agent during nucleation.
[0094]
The compound represented by the general formula [5] is preferably used at 1% by mass or less, more preferably 0.01 to 0.1% by mass with respect to silver.
[0095]
The compound represented by the general formula [5] may be present at the time of nucleation and is preferably added in advance to the dispersion medium before nucleation, but may be added during nucleation or You may add and use for the silver salt aqueous solution and halide aqueous solution which are used at the time of formation. Preferably, it is used by adding 0.01 to 2.0% by mass to the aqueous halide solution or both aqueous solutions. Further, the compound represented by the general formula [5] is preferably present at a time of at least 50% of the nucleation step, more preferably at a time of 70% or more. The compound represented by the general formula [5] may be added as a powder or dissolved in a solvent such as methanol. Although the typical example of a compound represented by General formula [5] is given below, it is not limited to these.
[0096]
E-1
HO (CH2CH2O)m(C (CHThree) HCH2O)19.8(CH2CH2O)nH
(M + n = 9.77)
E-2
NaO2C (CH2) OCO (CH2CH2O)m(C (CHThree) HCH2O)17
(CH2CH2O)nCO (CH2)2CO2Na (m + n = 5.7)
E-3
KO2CCH = CHCOO (CH2CH2O)m(C (CHThree) HCH2O)34.2
(CH2CH2O)nCOCH = CHCO2K (m + n = 8.5)
E-4
NaOThreeSO (C (CHThree) HCH2O)17SOThreeNa
[0097]
Embedded image
[0098]
The temperature at the time of nucleation is about 5 to 60 ° C., preferably 15 to 50 ° C. Even if the temperature is constant, the temperature rising pattern (for example, the temperature at the start of nucleation is 25 ° C. and gradually during nucleation) It is preferable that the temperature is controlled within the above temperature range even when the temperature is given in the above, and the temperature at the end of nucleation is 40 ° C.) or vice versa.
[0099]
The concentration of the silver salt aqueous solution and halide aqueous solution used for nucleation is preferably 3.5 N or less, and more preferably used in a low concentration range of 0.01 to 2.5 N. The addition rate of silver ions during nucleation was 1.5 × 10 5 per liter of reaction solution.-3Mol / min ~ 3.0 × 10-1Mol / min is preferred, more preferably 3.0 × 10-3Mol / min to 8.0 × 10-2Mol / min.
[0100]
The pH at the time of nucleation can be set in the range of 1.7 to 10, but the pH on the alkali side is preferably pH 2 to 6 in order to broaden the particle size distribution of nuclei to be formed. Moreover, pBr at the time of nucleation is about 0.05 to 3.0, preferably 1.0 to 2.5, and more preferably 1.5 to 2.0.
[0101]
The silver halide may be added to the image forming layer by any method, and at this time, the silver halide is disposed in the vicinity of the reducible silver source. In general, silver halide is prepared in advance and added to the solution for preparing the organic silver salt. Since the silver halide preparation process and the organic silver salt preparation process can be handled separately, it is necessary for manufacturing control. However, as described in British Patent No. 1,447,454, when preparing an organic silver salt, a halogen component such as a halide ion is allowed to coexist with an organic silver salt-forming component to form a silver ion. Can be formed almost simultaneously with the formation of the organic silver salt.
[0102]
It is also possible to prepare a silver halide by converting an organic silver salt by allowing a halogen-containing compound to act on the organic silver salt. That is, a silver halide forming component is allowed to act on a solution or dispersion of an organic silver salt prepared in advance or a sheet material containing the organic silver salt to convert a part of the organic silver salt into photosensitive silver halide. You can also. The silver halide thus formed is in effective contact with the organic silver salt and exhibits a preferable action. A silver halide-forming component is a compound that can react with an organic silver salt to produce a photosensitive silver halide. Which compound is applicable and effective is determined by the following simple test. I can do it. That is, an organic silver salt and a compound to be tested are mixed, and if necessary, after heating, it is examined by X-ray diffraction method whether there is a peak peculiar to silver halide. Examples of silver halide forming components that have been confirmed to be effective by such tests include inorganic halogen compounds, onium halides, halogenated hydrocarbons, N-halogen compounds, and other halogen-containing compounds. U.S. Pat. Nos. 4,009,039, 3,457,075, 4,003,749, British Patent 1,498,956 and JP-A-53-27027, Examples are described in detail in JP-A-53-25420.
[0103]
(1) Inorganic halide: for example MXn(Where M is H, NH)Four, And a metal atom, n is M and H and NHFour1 represents 1 and when M is a metal atom, it represents the same value as its valence. Examples of the metal atom include lithium, sodium, potassium, cesium, magnesium, calcium, strontium, barium, zinc, cadmium, mercury, tin, antimony, chromium, manganese, iron, cobalt, nickel, rhodium, and cerium. ). A halogen molecule such as bromine water is also effective.
[0104]
(2) Onium halides: for example, quaternary ammonium halides such as trimethylphenylammonium bromide, cetylethyldimethylammonium bromide, trimethylbenzylammonium bromide, quaternary phosphonium halides such as tetraethylphosphonium bromide, trimethylsulfide There are tertiary sulfonium halides such as phonium iodide.
[0105]
(3) Halogenated hydrocarbons: for example, iodoform, bromoform, carbon tetrachloride, 2-bromo-2-methylpropane and the like.
[0106]
(4) N-halogen compounds: for example, N-chlorosuccinimide, N-bromosuccinimide, N-bromophthalimide, N-bromoacetamide, N-iodosuccinimide, N-bromophthalazinone, N-bromo Oxazolinone, N-chlorophthalazinone, N-bromoacetanilide, N, N-dibromobenzenesulfonamide, N-bromo-N-methylbenzenesulfonamide, 1,3-dibromo-4,4-dimethylhydantoin, N- Bromourazole and the like.
[0107]
(5) Other halogen-containing compounds: for example, triphenylmethyl chloride, triphenylmethyl bromide, 2-bromoacetic acid, 2-bromoethanol, dichlorobenzophenone and the like. Two or more of these silver halide forming components may be used in combination.
[0108]
In this way, silver halide can be prepared by converting a part or all of silver in the organic acid silver salt into silver halide by the reaction of organic acid silver and halide ions. It is preferable to use silver because the size and shape of the silver halide can be controlled. However, these separately prepared silver halides may be used in combination with silver halide produced by converting a part of the organic silver salt.
[0109]
These silver halides are 0.001 mol to 0.7 mol, preferably 0.03 mol to 0 mol, with respect to 1 mol of the organic silver salt, both of the silver halide prepared separately and the silver halide obtained by conversion of the organic silver salt. It is preferable to use 5 mol.
[0110]
The silver halide used in the present invention preferably contains ions of transition metals belonging to Groups 6 to 10 of the periodic table. As the metal, W, Fe, Co, Ni, Cu, Ru, Rh, Pd, Re, Os, Ir, Pt, and Au are preferable. These may be used alone or in combination of two or more of the same or different metal complexes. Although these metal ions may introduce a metal salt into silver halide as it is, they can be introduced into silver halide in the form of a metal complex or complex ion. The preferred content is 1 x 10 per mole of silver.-9From mole to 1 × 10-2The molar range is preferred, 1 × 10-8~ 1x10-FourThe range of is more preferable. In the present invention, the transition metal complex is preferably a hexacoordinate complex represented by the following general formula.
[0111]
General formula [ML6]m
In the formula, M represents a transition metal selected from Group 6 to 10 elements of the periodic table, L represents a ligand, and m represents 0,-, 2-, 3-, or 4-. Specific examples of the ligand represented by L include halides (fluoride, chloride, bromide and iodide), cyanide, cyanate, thiocyanate, selenocyanate, tellurocyanate, azide and aco. A ligand, nitrosyl, thionitrosyl and the like can be mentioned, and ako, nitrosyl, thionitrosyl and the like are preferable. When an acoligand is present, it preferably occupies one or two of the ligands. L may be the same or different.
[0112]
Specific examples of transition metal coordination complex ions are shown below.
1: [RhCl6]3-
2: [RuCl6]3-
3: [ReCl6]3-
4: [RuBr6]3-
5: [OsCl6]3-
6: [CrCl6]Four-
7: [IrCl6]Four-
8: [IrCl6]3-
9: [Ru (NO) ClFive]2-
10: [RuBrFour(H2O)]2-
11: [Ru (NO) (H2O) ClFour]-
12: [RhClFive(H2O)]2-
13: [Re (NO) ClFive]2-
14: [Re (NO) (CN)Five]2-
15: [Re (NO) Cl (CN)Four]2-
16: [Rh (NO)2ClFour]-
17: [Rh (NO) (H2O) ClFour]-
18: [Ru (NO) (CN)Five]2-
19: [Fe (CN)6]3-
20: [Rh (NS) ClFive]2-
21: [Os (NO) ClFive]2-
22: [Cr (NO) ClFive]2-
23: [Re (NO) ClFive]-
24: [Os (NS) ClFour(TeCN)]2-
25: [Ru (NS) ClFive]2-
26: [Re (NS) ClFour(SeCN)]2-
27: [Os (NS) Cl (SCN)Four]2-
28: [Ir (NO) ClFive]2-
As the cobalt and iron compounds, 6-cyano metal complexes can be preferably used, and typical examples are given below.
[0113]
29: [Fe (CN)6]Four-
30: [Fe (CN)6]3-
31: [Co (CN)6]3-
The compounds providing these metal ions or complex ions are preferably added at the time of silver halide grain formation and incorporated into the silver halide grains. Preparation of silver halide grains, that is, nucleation, growth, physical ripening , May be added at any stage before or after chemical sensitization, but is preferably added at the stage of nucleation, growth and physical ripening, more preferably at the stage of nucleation and growth, most preferably Preferably, it is added at the stage of nucleation. In addition, it may be divided and added several times, or it can be uniformly contained in the silver halide grains. JP-A-63-29603, JP-A-2-306236, 3 As described in JP-A Nos. 167545, 4-76534, 6-110146, 5-273683, etc., the particles can be contained with a distribution.
[0114]
These metal compounds can be added by dissolving in water or an appropriate organic solvent (for example, alcohols, ethers, glycols, ketones, esters, amides). A method in which an aqueous solution or an aqueous solution in which a metal compound and NaCl, KCl are dissolved together is added to a water-soluble silver salt solution or a water-soluble halide solution during particle formation, or the silver salt solution and the halide solution are mixed simultaneously. When adding a third aqueous solution, a method of preparing silver halide grains by a method of simultaneous mixing of three liquids, a method of introducing an aqueous solution of a required amount of a metal compound into a reaction vessel during grain formation, or a silver halide preparation There is a method of adding and dissolving another silver halide grain that has been previously doped with metal ions or complex ions. In particular, a method of adding an aqueous solution of a metal compound powder or an aqueous solution in which a metal compound and NaCl, KCl are dissolved together is added to the water-soluble halide solution. When added to the particle surface, a necessary amount of an aqueous solution of a metal compound can be charged into the reaction vessel immediately after the formation of the particle, during or after the physical ripening, or at the chemical ripening.
[0115]
Separately prepared photosensitive silver halide grains can be desalted by known desalting methods such as noodle method, flocculation method, ultrafiltration method, electrodialysis method, etc. It can also be used without.
[0116]
The photosensitive silver halide grains in the present invention can be chemically sensitized. As the chemical sensitization method, known sensitization methods such as sulfur sensitization, selenium sensitization, tellurium sensitization, noble metal sensitization and reduction sensitization can be used. These sensitization methods can be used in combination of two or more. For sulfur sensitization, thiosulfate, thiourea derivatives, inorganic sulfur and the like can be used. Examples of compounds preferably used for selenium sensitization and tellurium sensitization include compounds described in JP-A-9-230527. Examples of the compound preferably used for the noble metal sensitization include chloroauric acid, potassium chloroaurate, potassium aurithiocyanate, gold sulfide, gold selenide, US Pat. No. 2,448,060, and British Patent 618,061. And the like. As specific compounds for the reduction sensitization method, ascorbic acid, thiourea dioxide, stannous chloride, hydrazine derivatives, borane compounds, silane compounds, polyamine compounds, and the like can be used. Further, reduction sensitization can be performed by ripening the emulsion while maintaining the pH at 7 or higher or the pAg at 8.3 or lower.
[0117]
The photosensitive silver halide in the present invention is preferably subjected to spectral sensitization by adsorbing a spectral sensitizing dye. As spectral sensitizing dyes, cyanine dyes, merocyanine dyes, complex cyanine dyes, complex merocyanine dyes, holopolar cyanine dyes, styryl dyes, hemicyanine dyes, oxonol dyes, hemioxonol dyes, and the like can be used. For example, JP-A-63-159841, JP-A-60-140335, JP-A-63-231437, JP-A-63-259651, JP-A-63-304242, JP-A-63-15245, U.S. Pat. Nos. 4,740,455, 4,741,966, 4,751,175, and 4,835,096 can be used. Useful sensitizing dyes used in the present invention are described in, for example, the literature described or cited in Section RD17643 IV-A (December 1978 p.23), Section 18431X (August 1978 p.437). ing. In particular, it is preferable to use a sensitizing dye having a spectral sensitivity suitable for the spectral characteristics of the light sources of various laser imagers and scanners. For example, compounds described in JP-A Nos. 9-34078, 9-54409, and 9-80679 are preferably used.
[0118]
Useful cyanine dyes are, for example, cyanine dyes having basic nuclei such as thiazoline nucleus, oxazoline nucleus, pyrroline nucleus, pyridine nucleus, oxazole nucleus, thiazole nucleus, selenazole nucleus and imidazole nucleus. Useful merocyanine dyes are preferably acidic nuclei such as thiohydantoin nucleus, rhodanine nucleus, oxazolidinedione nucleus, thiazolinedione nucleus, barbituric acid nucleus, thiazolinone nucleus, malononitrile nucleus and pyrazolone nucleus in addition to the above basic nucleus. Including.
[0119]
In the present invention, it is particularly preferable to use a sensitizing dye having spectral sensitivity in the infrared. Infrared spectral sensitizing dyes preferably used in the present invention are disclosed in, for example, US Pat. Nos. 4,536,473, 4,515,888, and 4,959,294. Infrared spectral sensitizing dyes.
[0120]
Further, particularly preferable spectral sensitizing dyes include dyes represented by the following general formulas (1) to (4).
[0121]
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[0122]
[In the general formulas (1) to (4), Y1, Y2, Y11, Ytwenty one, Ytwenty twoAnd Y31Are each an oxygen atom, a sulfur atom, a selenium atom, -C (Ra) (Rb)-Group or -CH = CH- group, Z1Represents a group of non-metallic atoms necessary to complete a 5- or 6-membered fused ring. R represents a hydrogen atom, a lower alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, a lower alkoxy group, an aryl group, a hydroxy group, or a halogen atom;aAnd RbAre each a hydrogen atom, a lower alkyl group or RaAnd RbIt represents a nonmetallic atom group necessary for forming a 5-membered or 6-membered aliphatic spiro ring by bonding between them. R1, R11, Rtwenty one, Rtwenty two, R31And R32Each is an aliphatic group or R1Is WThreeAnd R11Is W14Represents a group of non-metallic atoms necessary for forming a condensed ring. RcAnd RdEach represents a lower alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. W1, W2, WThree, WFour, W11, W12, W13, W14, Wtwenty one, Wtwenty two, Wtwenty three, Wtwenty four, W31, W32, W33And W34Are each a hydrogen atom, a substituent, or W1Is W2And W11Is W12And Wtwenty oneIs Wtwenty twoAnd Wtwenty threeIs Wtwenty fourAnd W31Is W32And W33Is W34Represents a group of non-metallic atoms necessary to form a condensed ring by bonding with. V1~ V9, V11~ V13, Vtwenty one~ V29, V31~ V33Each represents a hydrogen atom, a halogen atom, an amino group, an alkylthio group, an arylthio group, a lower alkyl group, a lower alkoxy group, an aryl group, a heterocyclic group, or V1Is VThreeAnd V2Is VFourAnd VThreeIs VFiveAnd VFourIs V6And VFiveIs V7And V6Is V8And V7Is V9And V11Is V13And Vtwenty oneIs Vtwenty threeAnd Vtwenty twoIs Vtwenty fourAnd Vtwenty threeIs Vtwenty fiveAnd Vtwenty fourIs V26And Vtwenty fiveIs V27And V26Is V28And V27Is V29And V31Is V33Represents a group of nonmetallic atoms necessary to form a 5- to 7-membered ring1~ V9Any one of these and V11~ V13Any one of these is a group other than a hydrogen atom. X1, X11, Xtwenty oneAnd X31Each represents the ions required to cancel the charge in the molecule, and l1, l11, l21 and l31 each represent the number of ions required to cancel the charge in the molecule. k1, k2, k21 and k22 each represents 0 or 1; n21, n22, n31 and n32 each represent an integer of 0 to 2, and n21 and n22 and n31 and n32 are not 0 simultaneously. p1 and p11 are each 0 or 1, q1 and q11 are each an integer of 1 and 2, and the sum of p1 and q1 and p11 and q11 does not exceed 2. ]
Of the general formulas (1) and (2), more preferred structures are represented by the general formulas (1-1) and (2-1).
[0123]
Embedded image
[0124]
In the general formulas (1-1) and (2-1), Y1, Y2And Y11Are each an oxygen atom, a sulfur atom, a selenium atom, -C (Ra) (Rb) — Group or —CH═CH— group, Z1Represents a group of non-metallic atoms necessary to complete a 5- or 6-membered fused ring. R represents a hydrogen atom, a lower alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, a lower alkoxy group, an aryl group, a hydroxy group, or a halogen atom;aAnd RbAre each a hydrogen atom, a lower alkyl group, or RaAnd RbIt represents a nonmetallic atom group necessary for forming a 5-membered or 6-membered aliphatic spiro ring by bonding between them. R1And R11Are each an aliphatic group, or R1Is WThreeAnd R11Is W14Represents a group of non-metallic atoms necessary for forming a condensed ring. W1, W2, WThree, WFour, W11, W12, W13And W14Are each a hydrogen atom, a substituent, or W1Is W2And W11Is W12And W13Is W14Represents a group of non-metallic atoms necessary to form a condensed ring by bonding with each other. L1~ L9, L11~ L15Each represents a methine group. X1And X11Each represents the ions required to cancel the charge in the molecule, and l1 and l11 each represent the number of ions required to cancel the charge in the molecule. m1 to m3 each represents 0 or 1; p1 and p11 are each 0 or 1, q1 and q11 are each an integer of 1 or 2, and the sum of p1 and q1 and p11 and q11 does not exceed 2.
[0125]
Each substituent will be described in more detail.
The substituents of the compounds represented by the general formulas (1), (2), (1-1), (2-1), (3), and (4) of the present invention will be described below.
[0126]
In the above general formula, Z1Examples of the condensed ring completed by a group of non-metallic atoms necessary to complete a 5-membered or 6-membered condensed ring represented by the formula: condensed cyclohexene ring, condensed benzene ring, condensed thiophene ring, condensed pyridine ring, condensed Specific examples include naphthalene rings, and specific examples include benzoxazole rings, tetrahydrobenzoxazole rings, naphthoxazole rings, benzonaphthoxazole rings, benzothiazole rings, tetrahydrobenzothiazole rings, naphthothiazole rings, benzonaphthothiazole rings, and the like. Thiazole ring, thianaphthenothiazole ring, pyridothiazole ring, benzoselenazole ring, tetrahydrobenzoselenazole ring, naphthoselenazole ring, benzonaphthoselenazole ring, quinoline ring, 3,3-dialkylindolenine ring, 3,3 -Dialkylpyri Pyrroline ring and the like. On these rings W1~ WFourAny group described as a substitutable group represented by can be substituted.
[0127]
R1, R11, Rtwenty one, Rtwenty two, R31, R32As the aliphatic group represented by, for example, a branched or straight chain alkyl group having 1 to 10 carbon atoms (for example, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, pentyl group, iso-pentyl group, 2 -Ethyl-hexyl group, octyl group, decyl group, etc.), alkenyl group having 3 to 10 carbon atoms (for example, 2-propenyl group, 3-butenyl group, 1-methyl-3-propenyl group, 3-pentenyl group, 1-methyl-3-butenyl group, 4-hexenyl group and the like) and aralkyl groups having 7 to 10 carbon atoms (for example, benzyl group, phenethyl group and the like).
[0128]
Further, the above-described groups further include lower alkyl groups (for example, methyl group, ethyl group, propyl group, etc.), halogen atoms (for example, fluorine atom, chlorine atom, bromine atom, etc.), vinyl groups, aryl groups (for example, phenyl group). , P-tolyl group, p-bromophenyl group, etc.), trifluoromethyl group, alkoxy group (for example, methoxy group, ethoxy group, methoxyethoxy group, etc.), aryloxy group (for example, phenoxy group, p-tolyloxy group, etc.) ), Cyano group, sulfonyl group (for example, methanesulfonyl group, trifluoromethanesulfonyl group, p-toluenesulfonyl group, etc.), alkoxycarbonyl group (for example, ethoxycarbonyl group, butoxycarbonyl group, etc.), amino group (for example, amino group) , Biscarboxymethylamino group, etc.), aryl group (for example, phenyl group, Boxyphenyl group, etc.), heterocyclic groups (eg, tetrahydrofurfuryl group, 2-pyrrolidinon-1-yl group, etc.), acyl groups (eg, acetyl group, benzoyl group, etc.), ureido groups (eg, ureido group, 3- Methylureido group, 3-phenylureido group etc.), thioureido group (eg thioureido group, 3-methylthioureido group etc.), alkylthio group (eg methylthio, ethylthio group etc.), arylthio group (eg phenylthio group etc.), Heterocyclic thio group (for example, 2-thienylthio group, 3-thienylthio, 2-imidazolylthio group, etc.), carbonyloxy group (for example, acetyloxy group, propanoyloxy group, benzoyloxy group, etc.), acylamino group (for example, Acetylamino, benzoylamino groups, etc.), thioamide groups (for example, Oacetamide group, thiobenzoylamino group, etc.) or, for example, sulfo group, carboxy group, phosphono group, sulfate group, hydroxy group, mercapto group, sulfino group, carbamoyl group (for example, carbamoyl group, N-methyl) Carbamoyl group, N, N-tetramethylenecarbamoyl group, etc.), sulfamoyl group (eg, sulfamoyl group, N, N-3-oxapentamethyleneaminosulfonyl group, etc.), sulfonamide group (eg, methanesulfonamide, butanesulfonamide) Group), sulfonylaminocarbonyl group (eg, methanesulfonylaminocarbonyl, ethanesulfonylaminocarbonyl group, etc.), acylaminosulfonyl group (eg, acetamidosulfonyl, methoxyacetamidosulfonyl group, etc.), acyla It may be substituted with a hydrophilic group such as a minocarbonyl group (for example, acetamidocarbonyl, methoxyacetamidocarbonyl group, etc.) and a sulfinylaminocarbonyl group (for example, methanesulfinylaminocarbonyl group, ethanesulfinylaminocarbonyl group, etc.).
[0129]
Specific examples of the aliphatic group substituted with these hydrophilic groups include carboxymethyl group, carboxyethyl group, carboxybutyl group, carboxypentyl group, 3-sulfatobutyl group, 3-sulfopropyl group, 2-hydroxy group. -3-sulfopropyl group, 4-sulfobutyl group, 5-sulfopentyl group, 3-sulfopentyl group, 3-sulfinobutyl group, 3-phosphonopropyl group, hydroxyethyl group, N-methanesulfonylcarbamoylmethyl group, Examples include 2-carboxy-2-propenyl group, o-sulfobenzyl group, p-sulfophenethyl group, p-carboxybenzyl group and the like.
[0130]
The lower alkyl group represented by R is a linear or branched group having 5 or less carbon atoms, and specifically includes a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, an isopropyl group, and the like. It is done. Examples of the cycloalkyl group include a cyclopropyl group, a cyclobutyl group, and a cyclopentyl group. Examples of the aralkyl group include a benzyl group, a phenethyl group, a p-methoxyphenylmethyl group, and o-acetylamino. Phenylethyl group and the like, and the lower alkoxy group is a group having 4 or less carbon atoms, specifically, groups such as methoxy group, ethoxy group, propoxy group, iso-propoxy group, etc. Includes substituted and unsubstituted ones such as phenyl group, 2-naphthyl group, 1-naphthyl group, o-tolyl group, o-methoxyphenyl group, m-chlorophenyl group, m-bromophenyl group, p-tolyl. Group, p-ethoxyphenyl group and the like, and these groups include phenyl group, halogen atom, Kokishi group, groups such as hydroxy groups may be substituted. Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom.
[0131]
Ra, RbAs the lower alkyl group represented by the above, the same as the lower alkyl group for R can be exemplified.
[0132]
Rc, RdIs a straight chain or branched group having 5 or less carbon atoms, and specific examples include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, and an isopropyl group. Examples of the cycloalkyl group include a cyclopropyl group, a cyclobutyl group, and a cyclopentyl group. Examples of the aralkyl group include a benzyl group, a phenethyl group, a p-methoxyphenylmethyl group, and o-acetylamino. Phenylethyl group and the like can be mentioned, and aryl groups include substituted and unsubstituted groups. For example, phenyl group, 2-naphthyl group, 1-naphthyl group, o-tolyl group, o-methoxyphenyl group, m-chlorophenyl Group, m-bromophenyl group, p-tolyl group, p-ethoxyphenyl group and the like. Examples of the heterocyclic group include substituted and unsubstituted groups such as 2-furyl group, 5-methyl- 2-furyl group, 2-thienyl group, 2-imidazolyl group, 2-methyl-1-imidazolyl group, 4-phenyl-2-thia Lil group, 5-hydroxy-2-benzothiazolyl group, 2-pyridyl group include groups such as 1-pyrrolyl group.
[0133]
These groups can be further substituted with groups such as a phenyl group, a halogen atom, an alkoxy group, and a hydroxy group mentioned in the above description.
[0134]
W1~ WFour, W11~ W14, Wtwenty one~ Wtwenty four, W31~ W34Specific examples of the substituent represented by formula (1) include an alkyl group (for example, a methyl group, an ethyl group, a butyl group, an iso-butyl group), an aryl group (including monocyclic and polycyclic ones such as a phenyl group). , Carboxyphenyl group, p-tolyl group, p-butylphenyl group, naphthyl group, etc.), heterocyclic group (for example, tetrahydrofuryl group, 2-pyrrolidinon-1-yl group, thienyl group, furyl group, pyridyl group, carbazolyl) Group, pyrrolyl group, indolyl group, etc.), halogen atom (for example, fluorine atom, chlorine atom, bromine atom, etc.), vinyl group, trifluoromethyl group, alkoxy group (for example, methoxy group, ethoxy group, methoxyethoxy) Group), aryloxy group (eg phenoxy group, p-tolyloxy group etc.), sulfonyl group (eg methanesulfonyl group, p-toluene) Sulfonyl group etc.), alkoxycarbonyl group (eg ethoxycarbonyl group, butoxycarbonyl group etc.), amino group (eg amino group, biscarboxymethylamino group etc.), acyl group (eg acetyl group, benzoyl group etc.) Ureido group (for example, ureido group, 3-methylureido group, 3-phenylureido group, etc.), thioureido group (for example, thioureido group, 3-methylthioureido group, etc.), alkylthio group (for example, methylthio, ethylthio group, etc.) , An arylthio group (for example, a phenylthio group), a hydroxy group, a styryl group, and the like.
[0135]
These groups include R1The groups mentioned in the explanation of the aliphatic group represented by the above can be substituted, and specific examples of the substituted alkyl group include, for example, 2-methoxyethyl group, 2-hydroxyethyl group, 3-ethoxycarbonylpropyl group, 2 -Carbamoylethyl group, 2-methanesulfonylethyl group, 3-methanesulfonylaminopropyl group, benzyl group, phenethyl group, carboxymethyl group, carboxyethyl group, allyl group, 2-furylethyl group, etc. are mentioned, Specific examples of the substituted aryl group include, for example, p-carboxyphenyl group, pN, N-dimethylaminophenyl group, p-morpholinophenyl group, p-methoxyphenyl group, and 3,4-dimethoxyphenyl group. , 3,4-methylenedioxyphenyl group, 3-chlorophenyl group, p-nitrophenyl group and the like. Specific examples of substituted heterocyclic groups, for example, 5-chloro-2-pyridyl group, 5-ethoxycarbonyl-2-pyridyl group, and each group such as 5-carbamoyl-2-pyridyl.
[0136]
W1And W2, WThreeAnd WFour, W11And W12, W13And W14, Wtwenty oneAnd Wtwenty two, Wtwenty threeAnd Wtwenty four, W31And W32, R33And R34Examples of the condensed ring that can be connected to each other include, for example, 5-membered and 6-membered saturated or unsaturated condensed carbocycles. These condensed rings can have a substituent at an arbitrary position, and examples of these substituents include the groups described above for the group that can be substituted with the aliphatic group.
[0137]
V1~ V9, V11~ V13, Vtwenty one~ V29, V31~ V33In each of the examples, the halogen atom shown includes a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom, and the amino group includes a substituted or unsubstituted one, such as an amino group, a dimethylamino group, a diphenylamino group, Examples of the alkylthio group include a methylthio group, an ethylthio group, and a benzylthio group. Examples of the arylthio group include substituted and unsubstituted groups such as a phenylthio group and m-fluoro group. Examples thereof include phenylthio groups, etc. The lower alkyl group is a linear or branched group having 5 or less carbon atoms, specifically, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, an isopropyl group. Etc. The lower alkoxy group is a group having 4 or less carbon atoms, and specifically includes groups such as a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, an iso-propoxy group, and the aryl group is a substituted or unsubstituted group. Including, for example, phenyl group, 2-naphthyl group, 1-naphthyl group, o-tolyl group, o-methoxyphenyl group, m-chlorophenyl group, m-bromophenyl group, p-tolyl group, p-ethoxyphenyl group, etc. The heterocyclic group includes substituted and unsubstituted groups, such as 2-furyl group, 5-methyl-2-furyl group, 2-thienyl group, 2-imidazolyl group, 2-methyl- Examples include groups such as 1-imidazolyl group, 4-phenyl-2-thiazolyl group, 5-hydroxy-2-benzothiazolyl group, 2-pyridyl group, and 1-pyrrolyl group.
[0138]
These groups can be substituted with groups such as a phenyl group, a halogen atom, an alkoxy group, and a hydroxy group.
[0139]
V1And VThree, V2And VFour, VThreeAnd WFive, VFourAnd V6, VFiveAnd V7, V6And V8, V7And V9, V11And V13, Vtwenty oneAnd Vtwenty three, Vtwenty twoAnd Vtwenty four, Vtwenty threeAnd Vtwenty five, Vtwenty fourAnd V26, Vtwenty fiveAnd V27, V26And V28, V27And V29And V31And V33Examples of the 5-membered to 7-membered ring formed by bonding between these include a cyclopentene ring, a cyclohexene ring, a cycloheptene ring, a decalin ring, etc., and these rings include a lower alkyl group exemplified for R, A lower alkoxy group or an aryl group can be substituted.
[0140]
L1~ L9, L11~ L15The methine groups represented by each independently represent a substituted or unsubstituted methine group. Specific examples of the substituted group include a fluorine atom, a chlorine atom, a substituted or unsubstituted lower alkyl group (for example, methyl group, ethyl group, iso-propyl group, benzyl group), a lower alkoxy group (for example, methoxy group). Group, ethoxy group, etc.), substituted or unsubstituted aryloxy group (eg, phenoxy group, naphthoxy group, etc.), substituted or unsubstituted aryl group (eg, phenyl group, naphthyl group, p-tolyl group, o-carboxy group) Phenyl group, etc.), -N (U1) (U2), -SRgOr a substituted or unsubstituted heterocyclic group (for example, 2-thienyl group, 2-furyl group, N, N′-bis (methoxyethyl) barbituric acid group, etc.).
[0141]
Where RgRepresents the lower alkyl group, aryl group or heterocyclic group described for the R group, and —SRgSpecific examples of the group include a methylthio group, an ethylthio group, a benzylthio group, a phenylthio group, and a tolylthio group.
[0142]
U1And U2Each represents a substituted or unsubstituted lower alkyl group or aryl group;1And U2To each other to form a 5-membered or 6-membered nitrogen-containing heterocycle (eg, pyrazole ring, pyrrole ring, pyrrolidine ring, morpholine ring, piperidine ring, pyridine ring, pyrimidine ring, indole ring, etc.). These methine groups can be linked to each other adjacent to each other or to a methine group separated by one to form a 5- to 7-membered ring.
[0143]
In the compound represented by the general formula (1), (1-1), (2-1), (3), (4), when a group having a cation or anion charge is substituted, Each counter-ion is formed with an equivalent amount of anion or cation so that the charge in the molecule cancels out. For example, X1, X11, Xtwenty one, X31Specific examples of cations in the ions necessary to offset the charge in the molecule shown in Fig. 1 include protons, organic ammonium ions (for example, triethylammonium, triethanolammonium, pyridinium, and the like), inorganic cations. (For example, each cation such as lithium, sodium, potassium, etc.), and specific examples of the acid anion include, for example, halogen ion (eg, chlorine ion, bromine ion, iodine ion), p-toluenesulfonate ion, perchlorine. Examples thereof include acid ions, boron tetrafluoride ions, sulfate ions, methyl sulfate ions, ethyl sulfate ions, methanesulfonate ions, trifluoromethanesulfonate ions, hexafluorophosphate ions, and the like.
[0144]
These infrared spectral sensitizing dyes of the present invention are characterized in that one has a tricyclic fused heterocyclic nucleus in which the nitrogen atom of the benzoazole ring and the peri-position carbon atom are bonded, and the other is a benzoazole A long-chain polymethine dye characterized in that a sulfinyl group is substituted on the benzene ring of the ring is particularly preferred.
[0145]
Hereinafter, typical examples of the photosensitive dye or spectral sensitizing dye represented by the general formulas (1), (1-1), (2-1), (3), and (4) are shown. The present invention is not limited to these compounds.
[0146]
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[0147]
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[0148]
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[0159]
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[0160]
The above-mentioned infrared photosensitive dyes are described, for example, in HM Hammer, The Chemistry of Heterocyclic Compounds, Vol. 18, The Cyanine Dies and Related Compounds, published by A. Weissberger ed. It can be easily synthesized by the method.
[0161]
These sensitizing dyes may be used alone or in combination. The combination of sensitizing dyes is often used particularly for the purpose of supersensitization.In the present invention,Along with the sensitizing dye, the emulsion itself contains a dye that does not have spectral sensitizing action or a substance that does not substantially absorb visible light and exhibits supersensitization.Have.
[0162]
In the case of supersensitization, the photosensitivity is particularly high. Therefore, when the reducing agent is not deactivated, the printout silver after development tends to be large, and the present invention is particularly effective. In addition, in the case of infrared sensitization, since the infrared sensitizing dye has a redox potential capable of reducing silver halide and organic silver salts to some extent, the above-mentioned is also applied in a dark place. In the presence of a reducing agent capable of reducing the organic silver salt, silver clusters that become fog silver are easily generated. The generated silver clusters also become catalyst nuclei and induce fogging, so that the storage stability is reduced when stored in the dark place, and the printout silver becomes large when placed in the light place after development. Such a phenomenon occurs. Furthermore, since the sensitivity of the infrared sensitive material extends to the heat radiation region outside the range of visible light, it is effective for increasing the amount of printout silver due to the heat radiation even in a dark place. In particular, the effect is great in the case of a light-sensitive material that has been subjected to infrared spectral sensitization and whose sensitivity has been enhanced by a supersensitizer.
[0163]
These sensitizing dyes may be used alone or in combination. The combination of sensitizing dyes is often used particularly for the purpose of supersensitization. Along with the sensitizing dye, the emulsion itself may contain a dye having no spectral sensitizing action or a substance that does not substantially absorb visible light and exhibits supersensitization. Useful sensitizing dyes, combinations of dyes exhibiting supersensitization, and substances exhibiting supersensitization are described in RD 17643 (issued in December, 1978), page 23, Section 1V, or Japanese Patent Publication No. 9-25500, 43. No. 4933, JP-A-59-19032, JP-A-59-192242, JP-A-5-341432, and the like.
[0164]
In the present invention, the heteroaromatic mercapto compound represented by the general formula [6] is preferred as the supersensitizer.
[0165]
General formula [6]
Ar-SM
In the formula, M is a hydrogen atom or an alkali metal atom, and Ar is an aromatic ring or condensed aromatic ring having one or more nitrogen, sulfur, oxygen, selenium, or tellurium atoms. Preferably, the heteroaromatic ring is benzimidazole, naphthimidazole, benzothiazole, naphthothiazole, benzoxazole, naphthoxazole, benzoselenazole, benzotelrazole, imidazole, oxazole, pyrazole, triazole, triazine, pyrimidine, pyridazine, pyrazine, pyridine , Purine, quinoline, or quinazoline. However, other heteroaromatic rings are also included.
[0166]
In addition, the disulfide compound which produces | generates said mercapto compound substantially when it is made to contain in the dispersion of an organic acid silver salt and / or a silver halide grain emulsion is also contained in this invention. In particular, preferred examples include disulfide compounds represented by the following general formula.
[0167]
General formula [7]
Ar-SS-Ar
Ar in the formula has the same meaning as in the general formula [6].
[0168]
The heteroaromatic ring includes, for example, a halogen atom (for example, Cl, Br, I), a hydroxy group, an amino group, a carboxyl group, and an alkyl group (for example, one or more carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms). It may have a substituent selected from the group consisting of those having a carbon atom) and alkoxy groups (for example, those having 1 or more carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms).
[0169]
Mercapto-substituted heteroaromatics are listed below. However, the present invention is not limited to these.
[0170]
M-1 2-mercaptobenzimidazole
M-2 2-mercaptobenzoxazole
M-3 2-mercaptobenzothiazole
M-4 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole
M-5 6-Ethoxy-2-mercaptobenzothiazole
M-6 2,2'-dithiobis (benzothiazole)
M-7 3-mercapto-1,2,4-triazole
M-8 4,5-diphenyl-2-imidazolethiol
M-9 2-mercaptoimidazole
M-10 1-ethyl-2-mercaptobenzimidazole
M-11 2-mercaptoquinoline
M-12 8-mercaptopurine
M-13 2-mercapto-4 (3H) -quinazolinone
M-14 7-trifluoromethyl-4-quinolinethiol
M-15 2,3,5,6-tetrachloro-4-pyridinethiol
M-16 4-amino-6-hydroxy-2-mercaptopyrimidine monohydrate
M-17 2-amino-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole
M-18 3-amino-5-mercapto-1,2,4-triazole
M-19 4-hydroxy-2-mercaptopyrimidine
M-20 2-mercaptopyrimidine
M-21 4,6-Diamino-mercaptopyrimidine
M-22 2-mercapto-4-methylpyrimidine hydrochloride
M-23 3-mercapto-5-phenyl-1,2,4-triazole
M-24 2-mercapto-4-phenyloxazole
The supersensitizer according to the present invention is preferably used in the range of 0.001 to 1.0 mol per mol of silver in the emulsion layer containing an organic silver salt and silver halide grains. Particularly preferred is an amount in the range of 0.01 to 0.5 moles per mole of silver.
[0171]
Binders suitable for the photothermographic material of the present invention are transparent or translucent and generally colorless, and are natural polymer synthetic resins, polymers and copolymers, and other media forming films such as gelatin, gum arabic, and poly (vinyl alcohol). ), Hydroxyethyl cellulose, cellulose acetate, cellulose acetate butyrate, poly (vinyl pyrrolidone), casein, starch, poly (acrylic acid), poly (methyl methacrylic acid), poly (vinyl chloride), poly (methacrylic acid), copoly ( Styrene-maleic anhydride), copoly (styrene-acrylonitrile), copoly (styrene-butadiene), poly (vinyl acetal) s (eg, poly (vinyl formal) and poly (vinyl butyral)), poly (esters), poly (Urethane) Phenoxy resins, poly (vinylidene chloride), poly (epoxides), poly (carbonates), poly (vinyl acetate), cellulose esters, and polyamides. It may be hydrophilic or non-hydrophilic. Among them, preferred binders for the photothermographic layer are polyvinyl acetals, and a particularly preferred binder is polyvinyl butyral. For non-photosensitive layers such as overcoat layers and undercoat layers, especially protective layers and backcoat layers, cellulose esters which are polymers with higher softening temperatures, especially polymers such as triacetyl cellulose and cellulose acetate butyrate preferable.
[0172]
In addition, as needed, said binder can be used in combination of 2 or more type. Such a binder is used in an effective range to function as a binder. The effective range can be easily determined by one skilled in the art. As an index for holding at least the organic silver salt, the ratio of the binder to the organic silver salt is preferably in the range of 15: 1 to 1: 2, particularly 8: 1 to 1: 1. That is, the binder amount of the photosensitive layer is 1.5 to 6 g / m.2It is preferable that More preferably 1.7 to 5 g / m2It is. 1.5g / m2If it is less than 1, the density of the unexposed area will be significantly increased, and it may be unusable.
[0173]
The present invention is particularly effective when it has a crosslinking agent. Although unknown in terms of mechanism, the combined use of the active species generator and the crosslinking agent according to the present invention brings about a good effect on the stability in the dark place and the generation of the printout silver in the bright place.
[0174]
It is known that the use of a crosslinking agent for the above binder improves filming and reduces development unevenness. However, in combination with the active species-generating compound as described above, fog suppression during storage or after development is known. It was an unexpected effect that it was effective in suppressing printouts.
[0175]
As the crosslinking agent used in the present invention, various crosslinking agents conventionally used for photographic materials, for example, aldehyde-based, epoxy-based, ethyleneimine-based, vinyl described in JP-A-50-96216 are used. A sulfone-based, sulfonic acid ester-based, acryloyl-based, and carbodiimide-based crosslinking agent can be used, but preferred are the isocyanate-based compounds, epoxy compounds, and acid anhydrides shown below.
[0176]
Used in the present inventionThe isocyanate-based and thioisocyanate-based crosslinking agents represented by the following general formula [8] will be described.
[0177]
General formula [8]
X = C = N−L− (N = C = X)v
In the formula, v is 1 or 2, L is a divalent linking group which can be an alkylene, alkenylene, arylene group or alkylarylene group, and X is an oxygen or sulfur atom.
[0178]
In the compound represented by the general formula [8], the aryl ring of the arylene group may have a substituent. Examples of preferred substituents are selected from halogen atoms (for example, bromine atom or chlorine atom), hydroxy groups, amino groups, carboxyl groups, alkyl groups and alkoxy groups.
[0179]
The isocyanate-based crosslinking agent includes isocyanates having at least two isocyanate groups and adducts thereof (adducts), and more specifically, aliphatic diisocyanates and aliphatic diisocyanates having a cyclic group. Benzene diisocyanates, naphthalene diisocyanates, biphenyl isocyanates, diphenylmethane diisocyanates, triphenylmethane diisocyanates, triisocyanates, tetraisocyanates, adducts of these isocyanates and divalent or trivalent with these isocyanates Examples include adducts with polyalcohols.
[0180]
As specific examples, isocyanate compounds described on pages 10 to 12 of JP-A-56-5535 can be used.
[0181]
That is, ethane diisocyanate, butane diisocyanate, hexane diisocyanate, 2,2-dimethylpentane diisocyanate, 2,2,4-trimethylpentane diisocyanate, decane diisocyanate, ω, ω′-diisocyanate-1,3-dimethylbenzool, ω, ω′-diisocyanate-1,2-dimethylcyclohexane diisocyanate, ω, ω-diisocyanate-1,4-diethylbenzole, ω, ω′-diisocyanate-1,5-dimethylnaphthalene, ω, ω′-diisocyanate-n-propyl Biphenyl, 1,3-phenylene diisocyanate, 1-methylbenzole-2,4-diisocyanate, 1,3-dimethylbenzole-2,6-diisocyanate, naphthalene-1,4-diisocyanate, 1,1 ′ Dinaphthyl-2,2'-diisocyanate, biphenyl-2,4'-diisocyanate, 3,3'-dimethylbiphenyl-4,4'-diisocyanate, diphenylmethane-4,4'-diisocyanate, 2,2'-dimethyldiphenylmethane 4,4'-diisocyanate, 3,3'-dimethoxydiphenylmethane-4,4'-diisocyanate, 4,4'-diethoxydiphenylmethane-4,4'-diisocyanate, 1-methylbenzole-2,4,6-triisocyanate Isocyanate, 1,3,5-trimethylbenzene-2,4,6-triisocyanate, diphenylmethane-2,4,4'-triisocyanate, triphenylmethane-4,4 ', 4'-triisocyanate, tolylene diene Isocyanate, 1,5-naphthylene diisocyanate Dimer or trimer adducts of these isocyanates (e.g., 2 moles of hexamethylene diisocyanate, 3 moles of hexamethylene diisocyanate, 2 moles of 2,4-tolylene diisocyanate, 2,4- Adducts of two or more different isocyanates selected from these isocyanates; and these isocyanates and divalent or trivalent polyalcohols (preferably up to 20 carbon atoms). Polyalcohols such as adducts of ethylene glycol, propylene glycol, pinacol, trimethylolpropane, etc. (eg adducts of tolylene diisocyanate and trimethylolpropane; hexamethylene diisocyanate and trimethylol) Such adduct of trimethylolpropane), and the like. Of these, adducts of isocyanate and polyalcohol have particularly high ability to improve interlayer adhesion and prevent peeling of layers, image shift, and generation of bubbles. Such polyisocyanate may be placed in any part of the photothermographic material. For example, in the support (especially when the support is paper, it can be included in the size composition) photosensitive layer, surface protective layer, intermediate layer, antihalation layer, subbing layer, etc. It can be added to any layer, and can be added to one or more of these layers.
[0182]
In addition, as the thioisocyanate-based crosslinking agent used in the present invention, compounds having a thioisocyanate structure corresponding to the above-mentioned isocyanates are also useful.
[0183]
The amount of the crosslinking agent used in the present invention is in the range of 0.001 to 2 mol, preferably 0.005 to 0.5 mol, with respect to 1 mol of silver.
[0184]
The isocyanate compound and thioisocyanate compound that can be contained in the present invention are preferably compounds that function as the above-mentioned crosslinking agent. However, in the above general formula, v is zero (0), that is, the functional group is one. Good results can be obtained with only one compound. Specific examples are listed below, but are not limited thereto.
[0185]
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[0186]
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[0187]
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[0188]
Furthermore, as a suitable crosslinking agent in the present invention, at least one epoxy group represented by the following general formula can be used.PossessionEpoxy compoundWith thingsis there.
[0189]
The epoxy compound used for this invention should just have one or more epoxy groups, and there is no restriction | limiting in the number of epoxy groups, molecular weight, and others. The epoxy group is preferably contained in the molecule as a glycidyl group via an ether bond or an imino bond. Moreover, any of a monomer, an oligomer, a polymer, etc. may be sufficient as an epoxy compound, and the number of the epoxy groups which exist in a molecule | numerator is about 1-10 normally, Preferably it is 2-4. When the epoxy compound is a polymer, it may be a homopolymer or a copolymer, and the particularly preferred range of the number average molecular weight Mn is about 2000 to 20000.
[0190]
As an epoxy compound used for this invention, the compound represented by following General formula [9] is preferable.
[0191]
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[0192]
In the general formula [9], the substituent of the alkylene group represented by R is preferably a group selected from a halogen atom, a hydroxyl group, a hydroxyalkyl group, or an amino group. The linking group represented by R preferably has an amide linking moiety, an ether linking moiety, or a thioether linking moiety. The divalent linking group represented by X is —SO2-, -SO2NH-, -S-, -O-, or -NR'- is preferred. Here, R ′ is a monovalent linking group, preferably an electron withdrawing group.
[0193]
Specific examples of the epoxy compound used in the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0194]
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[0195]
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[0196]
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[0197]
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[0198]
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[0199]
These epoxy compounds may be used alone or in combination of two or more. The amount added is not particularly limited, but 1 × 10-6~ 1x10-2Mol / m2Is preferred, more preferably 1 × 10-Five~ 1x10-3Mol / m2Range.
[0200]
In the present invention, the epoxy compound can be added to any layer on the photosensitive layer side of the support such as a photosensitive layer, a surface protective layer, an intermediate layer, an antihalation layer, and an undercoat layer, and one or two of these layers can be added. It can be added to more than the layer. Further, it can be added to any layer on the opposite side of the support from the photosensitive layer. In addition, any layer may be sufficient in the type of photosensitive material in which a photosensitive layer exists on both surfaces.
[0201]
A compound having at least one acid anhydride group represented by the following structural formulaIs also cited as a referenceThe
[0202]
Embedded image
[0203]
The acid anhydride used in the present invention is not limited as long as it has at least one such acid anhydride group, and the number, molecular weight, and the like of the acid anhydride group are not limited, but are represented by the general formula [B]. Are preferred.
[0204]
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[0205]
In the general formula [B], Z represents an atomic group necessary for forming a monocyclic or polycyclic system. These ring systems may be unsubstituted or substituted. Examples of substituents include alkyl groups (eg, methyl, ethyl, hexyl), alkoxy groups (eg, methoxy, ethoxy, octyloxy), aryl groups (eg, phenyl, naphthyl, tolyl), hydroxy groups, aryloxy groups (For example, phenoxy), alkylthio group (for example, methylthio, butylthio), arylthio group (for example, phenylthio), acyl group (for example, acetyl, propionyl, butyryl), sulfonyl group (for example, methylsulfonyl, phenylsulfonyl), acylamino group Sulfonylamino group, acyloxy group (for example, acetoxy, benzoxy), carboxyl group, cyano group, sulfo group, and amino group. As the substituent, those not containing a halogen atom are preferable.
[0206]
Specific examples of these acid anhydrides are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0207]
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[0208]
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[0209]
The preferred addition amount is 10-6-10-1mol / m2, Particularly preferably 10-Four-10- 2mol / m2Range.
[0210]
Moreover, these acid anhydrides may use only 1 type, or may use 2 or more types together. In the present invention, the acid anhydride can be added to any layer on the photosensitive layer side of the support, such as a photosensitive layer, a surface protective layer, an intermediate layer, an antihalation layer, and an undercoat layer. It can be added to two or more layers. Especially, it is preferable to add to the same layer as the epoxy compound of this invention. Moreover, it can add to the arbitrary layer on the opposite side to the photosensitive layer of a support body collectively. In addition, any layer may be sufficient in the type of photosensitive material in which a photosensitive layer exists on both surfaces.
[0211]
Of the compounds represented by the above general formula [B], the aliphatic dicarboxylic acid anhydride is not limited to the above-described epoxy compound, and is not limited to the combined use with the active species generating compound. In a photosensitive layer of a photothermographic material provided with a photosensitive layer containing an organic silver salt, a photosensitive silver halide, and a reducing agent capable of reducing silver ions of the organic silver salt to silver when activated by heat. When contained, it is highly effective as an antifoggant and has a great effect on suppressing fogging and desensitization during storage.
[0212]
Of the aliphatic dicarboxylic acid anhydrides, succinic acid anhydrides and glutaric acid anhydrides are preferable, and cycloaliphatic dicarboxylic acid anhydrides such as 1,2-cyclopentanedicarboxylic acid anhydrides, 1 1,2-cyclohexanedicarboxylic acid anhydrides and hydrogenated phthalic acid anhydrides are preferred. Particularly preferred are 1,2-cyclohexanedicarboxylic acid anhydrides and hydrogenated phthalic acid anhydrides. Of these cycloaliphatic dicarboxylic acid anhydrides, the trans-isomer is preferred. Among these, 1,2-cyclohexanedicarboxylic acid anhydride is particularly preferable, and a trans-isomer is particularly preferable. Examples of particularly preferred hydrogenated phthalic anhydrides include 1,2,3,6-tetrahydrophthalic anhydride, 3,4,5,6-tetrahydrophthalic anhydride in addition to those mentioned in the above compound examples. Acid, methyltetrahydrophthalic anhydride, maleated methylcyclohexene tetrabasic anhydride, endomethylenetetrahydrophthalic anhydride, methylendomethylenetetrahydrophthalic anhydride, exo-3,6-epoxy-1,2,3,6 -Tetrahydrophthalic anhydride.
[0213]
Examples of these aliphatic dicarboxylic acid anhydrides include those listed in the above compound examples, chlorendic acid anhydride, bicyclo [2,2,2] oct-7-ene-2,3,5,6. -Tetracarboxylic anhydride, N-carboxybenzyloxy-L-aspartic anhydride, endo-bicyclo [2,2,2] oct-5-ene-2,3-dicarboxylic anhydride.
[0214]
In the present invention, the organic silver salt is a reducible silver source, and is a silver salt of an organic acid or heteroorganic acid, particularly a long-chain (10 to 30 carbon atoms, preferably 15 to 25) aliphatic carboxylic acid and a silver salt. Silver salts of nitrogen heterocyclic compounds are preferred. Also preferred are organic or inorganic complexes in which the ligand has a value of 4.0 to 10.0 as the total stability constant for silver ions. Examples of these suitable silver salts are described in the aforementioned RD17029 and 29963, and include the following.
[0215]
Silver salts of organic acids, for example, silver salts of gallic acid, succinic acid, behenic acid, stearic acid, arachidic acid, palmitic acid, lauric acid and the like. Silver carboxyalkylthiourea salts, for example, silver salts such as 1- (3-carboxypropyl) thiourea, 1- (3-carboxypropyl) -3,3-dimethylthiourea, aldehydes and hydroxy-substituted aromatic carboxylic acids Silver salts or complexes of polymer reaction products, for example, silver salts of reaction products of aldehydes (formaldehyde, acetaldehyde, butyraldehyde, etc.) and hydroxy-substituted acids (eg, salicylic acid, benzoic acid, 3,5-dihydroxybenzoic acid) Thru complexes, silver salts or complexes of thiones, such as 3- (2-carboxyethyl) -4-hydroxymethyl-4-thiazoline-2-thione and 3-carboxymethyl-4-thiazoline-2-thione Silver salt or complex, imidazole, pyrazole, urazole, 1,2,4-thiazole and 1H Complex or salt of nitrogen acid and silver selected from tetrazole, 3-amino-5-benzylthio-1,2,4-triazole and benzotriazole, silver salts such as saccharin and 5-chlorosalicylaldoxime, and mercaptides Silver salt. Among these, preferable silver salts include silver behenate, silver arachidate, and silver stearate.
[0216]
The organic silver salt compound can be obtained by mixing a water-soluble silver compound and a compound that forms a complex with silver. As described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-127643, a normal mixing method, a reverse mixing method, and a simultaneous mixing method are used. A controlled double jet method or the like is preferably used. For example, an alkali metal salt (eg, sodium hydroxide, potassium hydroxide, etc.) is added to an organic acid to produce an organic acid alkali metal salt soap (eg, sodium behenate, sodium arachidate), and then a controlled double jet. According to the method, the soap and silver nitrate are mixed to produce an organic silver salt crystal. At that time, silver halide grains may be mixed.
[0217]
In the present invention, the organic silver salt preferably has an average particle size of 10 μm or less and is monodispersed. The average particle diameter of the organic silver salt refers to the diameter when a sphere equivalent to the volume of the organic silver salt particle is considered when the organic silver salt particle is, for example, a spherical, rod-like, or tabular particle. The average particle size is 0.05 μm to 10 μm, preferably 0.05 μm to 5 μm, and particularly preferably 0.05 μm to 1.0 μm. The monodispersion is synonymous with the case of silver halide, and preferably the monodispersity (coefficient of variation of particle size distribution) is 1 to 30%.
[0218]
In the present invention, the organic silver salt preferably has tabular grains having 60% or more of the total organic silver. In the present invention, the tabular grains are those having an average grain diameter / thickness ratio, that is, an aspect ratio (abbreviated as AR) represented by the following formula of 3 or more.
[0219]
AR = average particle diameter (μm) / thickness (μm)
In order to make the organic silver salt into these shapes, the organic silver salt crystal can be obtained by dispersing and grinding a binder, a surfactant or the like with a ball mill or the like. By setting it within this range, a photosensitive material having a high density and excellent image storage stability can be obtained.
[0220]
In the present invention, in order to prevent devitrification of the light-sensitive material, the total amount of silver halide and organic silver salt is 1 m in terms of silver amount.2It is preferably 0.5 g or more and 2.2 g or less. By setting this range, a high-contrast image can be obtained.
[0221]
The photothermographic material of the present invention forms a photographic image by heat development processing. The reducible silver source (organic silver salt), the photosensitive silver halide, the reducing agent, and the color tone of silver as required. It is preferably a photothermographic material containing a toning agent to be suppressed, usually dispersed in an (organic) binder matrix. The photothermographic material of the present invention is stable at room temperature, but is developed by heating to a high temperature (for example, 80 ° C. to 140 ° C.) after exposure. By heating, silver is generated through an oxidation-reduction reaction between an organic silver salt (functioning as an oxidizing agent) and a reducing agent. This redox reaction is promoted by the catalytic action of the latent image generated in the silver halide upon exposure. The silver produced by the reaction of the organic silver salt in the exposed areas provides a black image that contrasts with the unexposed areas and forms an image. This reaction process proceeds without supplying a treatment liquid such as water from the outside.
[0222]
Examples of suitable toning agents for use in the present invention are disclosed in RD 17029 and include:
[0223]
Imides (eg, phthalimide); cyclic imides, pyrazolin-5-ones, and quinazolinones (eg, succinimide, 3-phenyl-2-pyrazolin-5-one, 1-phenylurazole, quinazoline, and 2,4- Thiazolidinediones); naphthalimides (eg, N-hydroxy-1,8-naphthalimide); cobalt complexes (eg, hexaammine trifluoroacetate of cobalt), mercaptans (eg, 3-mercapto-1,2,4-triazole) N- (aminomethyl) aryldicarboximides (eg N- (dimethylaminomethyl) phthalimide); Blocked pyrazoles (eg N, N′-hexamethylenebis (1-carbamoyl-3,5) -Dimethylpyrazole)); isothiuronium Combinations of (isothiuronium) derivatives and certain photobleaching agents, such as (for example, 1,8- (3,6-dioxaoctane) bis (isothiuronium trifluoroacetate) and 2- (tribromomethylsulfonyl) benzothiazole Combinations); phthalazinone, phthalazinone derivatives or metal salts of these derivatives (eg, 4- (1-naphthyl) phthalazinone, 6-chlorophthalazinone, 5,7-dimethyloxyphthalazinone, and 2,3-dihydro-1 , 4-phthalazinedione); a combination of phthalazinone and a sulfinic acid derivative (eg, 6-chlorophthalazinone and sodium benzenesulfinate or 8-methylphthalazinone and sodium p-trisulfonate); a combination of phthalazine and phthalic acid Phthalazine (phthalazine) ), Maleic anhydride, and phthalic acid, 2,3-naphthalenedicarboxylic acid or o-phenylene acid derivatives and anhydrides thereof (eg, phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid and tetra A combination with at least one compound selected from chlorophthalic anhydride; quinazolinediones, benzoxazines, naphthoxazine derivatives; benzoxazine-2,4-diones (for example, 1,3-benzoxazine-2,4 -Diones); pyrimidines and asymmetric triazines (eg 2,4-dihydroxypyrimidine), and tetraazapentalene derivatives (eg 3,6-dimercapto-1,4-diphenyl-1H, 4H-2,3a , 5,6a-tetraazapentalene). Preferable colorant is phthalazinone or phthalazine.
[0224]
The photothermographic material of the present invention may contain an antifoggant. Mercury compounds known as, for example, US Pat. No. 3,589,903 as an effective antifoggant are environmentally undesirable. Therefore, examination of non-mercury antifoggants has been conducted for a long time. As the non-mercury antifoggant, for example, antifoggants as disclosed in US Pat. Nos. 4,546,075 and 4,452,885 and JP-A-59-57234 are preferable.
[0225]
Particularly preferred non-mercury antifoggants are compounds such as those disclosed in US Pat. Nos. 3,874,946 and 4,756,999, —C (X1) (X2) (XThree) (Where X1And X2Is halogen and XThreeIs a heterocyclic compound having one or more substituents represented by hydrogen or halogen. As examples of suitable antifoggants, compounds described in paragraphs [0030] to [0036] of JP-A-9-288328 are preferably used.
[0226]
Another preferred antifoggant is a compound described in paragraph Nos. [0062] to [0063] of JP-A-9-90550. In addition, other suitable antifoggants are disclosed in US Pat. No. 5,028,523 and European Patent Nos. 600,587, 605,981 and 631,176.
[0227]
In the present invention, it is preferable to contain a matting agent on the photosensitive layer side, and it is preferable to dispose the matting agent on the surface of the photosensitive material in order to prevent damage to the image after heat development. It is preferable to contain 0.5-30% by mass ratio with respect to all the binders on the side.
[0228]
Further, when a non-photosensitive layer is provided on the opposite side of the photosensitive layer with the support interposed between them, it is preferable to contain a matting agent in at least one layer on the non-photosensitive layer side, in order to prevent slipping of the photosensitive material and fingerprint adhesion. In addition, it is preferable to dispose a matting agent on the surface of the photosensitive material, and it is preferable to contain the matting agent in a mass ratio of 0.5 to 40% with respect to all the binders on the side opposite to the photosensitive layer.
[0229]
The material of the matting agent used in the present invention may be either organic or inorganic. Examples of inorganic substances include silica described in Swiss Patent No. 330,158 and the like, glass powder described in French Patent No. 1,296,995 and the like, and alkali described in British Patent No. 1,173,181 and the like. Earth metals or carbonates such as cadmium and zinc can be used as the matting agent. Examples of organic substances include starch described in U.S. Pat. No. 2,322,037, starch derivatives described in Belgian Patent 625,451 and British Patent 981,198, and Japanese Patent Publication No. 44-3643. Polyvinyl alcohol described, polystyrene or polymethacrylate described in Swiss Patent No. 330,158, polyacrylonitrile described in US Pat. No. 3,079,257, US Pat. No. 3,022,169 etc. An organic matting agent such as a polycarbonate can be used.
[0230]
The shape of the matting agent may be either a regular shape or an irregular shape, but is preferably a regular shape, and a spherical shape is preferably used. The size of the matting agent is represented by a diameter when the volume of the matting agent is converted into a sphere. In the present invention, the particle size of the matting agent indicates the diameter converted into a spherical shape.
[0231]
The matting agent used in the present invention preferably has an average particle size of 0.5 μm to 10 μm, more preferably 1.0 μm to 8.0 μm. The coefficient of variation of the particle size distribution is preferably 50% or less, more preferably 40% or less, and particularly preferably 30% or less.
[0232]
Here, the variation coefficient of the particle size distribution is a value represented by the following equation.
(Standard deviation of particle size) / (Average value of particle size) × 100
These matting agents can be included in any constituent layer, but in order to achieve the object of the present invention, the constituent layer is preferably a constituent layer other than the photosensitive layer, and more preferably the outermost layer as viewed from the support. It is.
[0233]
The method for adding the matting agent according to the present invention may be a method in which the matting agent is dispersed and applied in advance in the coating solution, or a method in which the matting agent is sprayed after the coating solution is applied and before drying is completed. May be. When a plurality of types of matting agents are added, both methods may be used in combination.
[0234]
In addition to these materials, various additives may be added to the photosensitive layer, the non-photosensitive layer, or other forming layers depending on the purpose. For example, surfactants, antioxidants, stabilizers, plasticizers, ultraviolet absorbers, coating aids and the like can be added to the photothermographic material of the invention. As these additives and the other additives described above, compounds described in RD17029 (June 1978, p.9-15) can be preferably used.
[0235]
Examples of the support material used for the photothermographic material include various polymer materials, glass, wool cloth, cotton cloth, paper, metal (for example, aluminum) and the like. What can be processed into a certain sheet | seat or a roll is suitable. Accordingly, the support in the photothermographic material of the present invention is preferably a plastic film (for example, cellulose acetate film, polyester film, polyethylene terephthalate film, polyethylene naphthalate film, polyamide film, polyimide film, cellulose triacetate film or polycarbonate film). In the present invention, a biaxially stretched polyethylene terephthalate film is particularly preferred. The thickness of the support is about 50 to 300 μm, preferably 70 to 180 μm.
[0236]
In the present invention, a conductive compound such as a metal oxide and / or a conductive polymer can be included in the constituent layers in order to improve the chargeability. These may be contained in any layer, but are preferably contained in an undercoat layer, a backing layer, a layer between the photosensitive layer and the undercoat, and the like. In the present invention, the conductive compounds described in US Pat. No. 5,244,773, columns 14 to 20 are preferably used.
[0237]
There are no particular restrictions on the method for coating the necessary layers on the photosensitive material of the present invention, such as the photosensitive layer, protective layer, and back coat layer, and conventionally known air knife coating, dip coating, bar coating, curtain coating, and hopper. A method such as coating can be used. Two or more of these layers may be applied simultaneously. As the solvent for the coating solution, an organic solvent such as methyl ethyl ketone (MEK), ethyl acetate, or toluene is preferably used.
[0238]
The photothermographic material of the present invention has at least one photosensitive layer on a support. Although only the photosensitive layer may be formed on the support, it is preferable to form at least one non-photosensitive layer on the photosensitive layer. For example, a protective layer is provided on the photosensitive layer for the purpose of protecting the heat-developable photosensitive layer, and on the opposite side of the support, the back coat layer is used to prevent sticking between photosensitive materials or in the photosensitive material roll. Is preferably provided. A filter layer may be formed on the same side as or opposite to the photosensitive layer in order to control the amount of light transmitted through the photothermographic layer or the wavelength distribution, or a dye or pigment may be contained in the photosensitive layer. Good. As the dye, a compound described in JP-A-8-201959 is preferable. The photosensitive layer may be a plurality of layers, or a high-sensitivity layer and a low-sensitivity layer may be provided for adjusting the gradation, and these may be combined. Various additives may be added to any of the photosensitive layer, the non-photosensitive layer, and other forming layers.
[0239]
The photothermographic material of the present invention is stable at room temperature, but is developed by heating to a high temperature after exposure. The heating temperature is preferably 80 ° C. or higher and 200 ° C. or lower, and more preferably 100 ° C. or higher and 150 ° C. or lower. When the heating temperature is 80 ° C. or lower, sufficient image density cannot be obtained in a short time. When the heating temperature is 200 ° C. or higher, the binder is melted, and not only the image itself, such as transfer to a roller, but also adversely affects the transportability and the developing machine. Effect. By heating, a silver image is generated by an oxidation-reduction reaction between an organic silver salt (which functions as an oxidizing agent) and a reducing agent. This reaction process proceeds without any supply of treatment liquid such as water from the outside.
[0240]
The exposure of the photothermographic material of the present invention can be applied to any light source as long as it is in the infrared light range. However, since the laser power is high and the photosensitive material can be made transparent, A semiconductor laser (780 nm, 820 nm) is more preferably used.
[0241]
In the present invention, the exposure is preferably performed by laser scanning exposure, but it is preferable to use a laser scanning exposure machine in which the angle formed between the exposure surface of the photosensitive material and the scanning laser light is not substantially perpendicular.
[0242]
Here, “substantially not perpendicular” means that the angle closest to the vertical during laser scanning is preferably 55 ° to 88 °, more preferably 60 ° to 86 °, and even more preferably 65 °. It is at least 84 degrees and most preferably 70 degrees to 82 degrees.
[0243]
The beam spot diameter on the exposure surface of the photosensitive material when the laser beam is scanned on the photosensitive material is preferably 200 μm or less, more preferably 100 μm or less. This is preferable in that a smaller spot diameter can reduce the angle of deviation of the laser incident angle from the vertical. The lower limit of the beam spot diameter is 10 μm. By performing such laser scanning exposure, it is possible to reduce image quality deterioration related to reflected light such as generation of interference fringe-like unevenness.
[0244]
The exposure in the present invention is also preferably performed using a laser scanning exposure machine that emits scanning laser light that is a vertical multi. Compared with a single longitudinal mode scanning laser beam, image quality degradation such as generation of interference fringe-like unevenness is reduced.
[0245]
In order to make it vertically multi-ply, a method such as using return light by combining or applying high-frequency superposition is preferable. The vertical multi means that the exposure wavelength is not single, and the distribution of the exposure wavelength is usually 5 nm or more, preferably 10 nm or more. The upper limit of the exposure wavelength distribution is not particularly limited, but is usually about 60 nm.
[0246]
In the present invention, the photothermographic material preferably contains a certain amount of solvent, and examples of these solvents include the following.
[0247]
Examples of the solvent in the present invention include ketones such as acetone, isophorone, ethyl amyl ketone, methyl ethyl ketone, and methyl isobutyl ketone. Examples of alcohols include methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, isobutyl alcohol, diacetone alcohol, cyclohexanol, and benzyl alcohol. Examples of glycols include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, and hexylene glycol. Examples of ether alcohols include ethylene glycol monomethyl ether and diethylene glycol monoethyl ether. Examples of ethers include ethyl ether, dioxane, isopropyl ether and the like. Examples of the esters include ethyl acetate, butyl acetate, amyl acetate, isopropyl acetate and the like. Examples of hydrocarbons include n-pentane, n-hexane, n-heptane, cyclohexane, benzene, toluene, xylene and the like. Examples of chlorides include methyl chloride, methylene chloride, chloroform, dichlorobenzene and the like. Examples of amines include monomethylamine, dimethylamine, triethanolamine, ethylenediamine, and triethylamine. Other examples include water, formamide, dimethylformamide, nitromethane, pyridine, toluidine, tetrahydrofuran, and acetic acid. However, it is not limited to these. These solvents can be used alone or in combination of several kinds.
[0248]
Although these solvents may be separately contained in the photosensitive material, usually, the photothermographic material is prepared by applying an organic solvent-based coating solution, so that the organic solvent used for preparing the coating solution is constant. It is preferable to adjust by changing conditions such as temperature conditions in the drying process or the like so that the amount is included. The content of the solvent can be measured by gas chromatography under conditions suitable for detecting the contained solvent.
[0249]
The amount of the solvent contained in the photosensitive material according to the present invention is 1 m of the photosensitive material.2It is necessary to adjust so that it may be 5-1000 mg per total amount (mass basis), Preferably, it is 100-500 mg.
[0250]
When the content is in the above range, a photothermographic material having a low fog density while having high sensitivity can be obtained.
[0251]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not limited by these.
Example 1
[Preparation of subtracted photographic support]
<Preparation of PET undercoated photographic support>
8 w / m on both sides of a commercially available biaxially stretched heat-fixed thickness of 175 μm and blue-colored PET film having an optical density of 0.170 (measured with Densitometer PDA-65 manufactured by Konica Corporation)2・ A corona discharge treatment was applied for one minute, and the following undercoat coating solution a-1 was applied on one surface to a dry film thickness of 0.8 μm and dried to form an undercoat layer A-1, and on the other side The undercoat coating solution b-1 shown below was applied to the surface so as to have a dry film thickness of 0.8 μm and dried to form an undercoat layer B-1.
[0252]
<< Undercoat coating liquid a-1 >>
Butyl acrylate (30% by mass)
t-Butyl acrylate (20% by mass)
Styrene (25% by mass)
Copolymer latex liquid of 2-hydroxyethyl acrylate (25% by mass)
(Solid content 30%) 270 g
C-1 0.6g
Hexamethylene-1,6-bis (ethylene urea) 0.8g
Finish to 1 liter with water.
[0253]
<< Undercoating liquid b-1 >>
Butyl acrylate (40% by mass)
Styrene (20% by mass)
Copolymer latex solution of glycidyl acrylate (40% by mass)
(Solid content 30%) 270 g
C-1 0.6g
Hexamethylene-1,6-bis (ethylene urea) 0.8g
Finish to 1 liter with water.
[0254]
Subsequently, 8 w / m on the upper surface of the undercoat layer A-1 and the undercoat layer B-1.2・ Corona discharge was applied for a minute, and on the undercoat layer A-1, the following undercoat upper layer coating solution a-2 was used as the undercoat upper layer A-2 so as to have a dry film thickness of 0.1 μm. The following undercoat upper layer coating solution b-2 was coated on B-1 as an undercoat upper layer B-2 having an antistatic function so as to have a dry film thickness of 0.8 μm.
[0255]
<< Undercoating upper layer coating liquid a-2 >>
Gelatin 0.4g / m2Mass to become
C-1 0.2g
C-2 0.2g
C-3 0.1g
Silica particles (average particle size 3μm) 0.1g
Finish to 1 liter with water.
[0256]
<< Undercoating Upper Layer Coating Liquid b-2 >>
C-4 60g
Latex liquid containing C-5 as a component (solid content 20%) 80 g
Ammonium sulfate 0.5g
C-6 12g
Polyethylene glycol (weight average molecular weight 600) 6g
Finish to 1 liter with water.
[0257]
Embedded image
[0258]
Embedded image
[0259]
(Preparation of photosensitive silver halide emulsion A)
After dissolving 7.5 g of ossein gelatin having an average molecular weight of 100,000 and 10 mg of potassium bromide in 900 ml of water and adjusting the temperature to 35 ° C. and pH to 3.0, 370 ml of an aqueous solution containing 74 g of silver nitrate (98/2) Of potassium bromide and potassium iodide and iridium chloride in a molar ratio of 1 × 10 5 per mole of silver-FourWhile maintaining pAg 7.7, 370 ml of an aqueous solution containing a mole was added over 10 minutes by the controlled double jet method. Thereafter, 0.3 g of 4-hydroxy-6-methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene was added and the pH was adjusted to 5.0 with NaOH to obtain an average particle size of 0.06 μm and a coefficient of variation of particle size of 12 %, [100] face ratio 87% cubic silver iodobromide grains were obtained. This emulsion was coagulated and precipitated using a gelatin flocculant, desalted, and 0.1 g phenoxyethanol was added to adjust the pH to 5.9 and pAg 7.5 to obtain photosensitive silver halide emulsion A.
[0260]
(Preparation of powdered organic silver salt A)
In 4720 ml of pure water, 111.4 g of behenic acid, 83.8 g of arachidic acid, and 54.9 g of stearic acid were dissolved at 80 ° C. Next, 540.2 ml of a 1.5 M aqueous sodium hydroxide solution was added while stirring at a high speed, followed by thorough stirring. Next, 6.9 ml of concentrated nitric acid was added and then cooled to 55 ° C. to obtain an organic acid sodium solution. While maintaining the temperature of the organic acid sodium solution at 55 ° C., the above silver halide emulsion (containing 0.038 mol of silver) and 450 ml of pure water were added and stirred for 5 minutes. Next, 760.6 ml of 1M silver nitrate solution was added over 2 minutes, stirred for another 20 minutes, and water-soluble salts were removed by filtration. Thereafter, washing with deionized water and filtration are repeated until the electric conductivity of the filtrate reaches 2 μS / cm, and after centrifugal dehydration, drying is performed under a nitrogen stream heated at 37 ° C. until there is no mass loss. Organic silver salt A was obtained.
[0261]
(Preparation of photosensitive emulsion dispersion)
14.57 g of polyvinyl butyral powder (Monsanto Butvar B-79) was dissolved in 1457 g of methyl ethyl ketone (MEK), and 500 g of powdered organic silver salt A was gradually added while stirring with a dissolver type homogenizer and mixed well. Thereafter, dispersion was carried out at a peripheral speed of 13 m and a residence time in the mill of 3 minutes using a media type dispersing machine (manufactured by Gettzmann) filled with 80% of 1 mmZr beads (manufactured by Toray) to prepare a photosensitive emulsion dispersion.
[0262]
<Preparation of infrared sensitizing dye solution>
Among the compounds of the general formulas (1) to (4), which are infrared sensitizing dyes, No. Infrared sensitizing dye solution was prepared by dissolving 350 mg of S-43, 13.96 g of 2-chlorobenzoic acid, and 2.14 g of 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole in 73.4 ml of methanol in the dark.
[0263]
<Preparation of stabilizer solution>
Stabilizer solution was prepared by dissolving 1.0 g of Stabilizer 1 and 0.5 g of potassium acetate in 8.5 g of methanol.
[0264]
<Preparation of developer solution>
As a developer, 17.74 g of 1,1-bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -2-methylpropane was dissolved in MEK to make a final developer solution to 100 ml.
[0265]
<Preparation of antifoggant solution>
Antifogging agent 2 was dissolved in 5.81 g MEK to make a final antifogging agent solution to 100 ml.
[0266]
<< Preparation of photosensitive layer coating solution >>
The photosensitive emulsion dispersion (50 g) and 15.11 g of MEK were kept at 21 ° C. with stirring, 390 μl of antifoggant 1 (10% methanol solution) was added and stirred for 1 hour. Further, 996 μl of zinc bromide (10% methanol solution) was added and stirred for 30 minutes.
[0267]
Next, 1.416 ml of an infrared sensitizing dye solution and 667 μl of a stabilizer solution were added and stirred for 1 hour, and then the temperature was lowered to 13 ° C. and further stirred for 30 minutes.
[0268]
While keeping the temperature at 13 ° C., 13.31 g of polyvinyl butyral (Monsanto Butvar B-79) was added and stirred for 30 minutes, and then the following additives were added at intervals of 15 minutes while further stirring was continued.
[0269]
Phthalazine 305mg
Tetrachlorophthalic acid 102mg
4-methylphthalic acid 137mg
Infrared dye 1 37mg
After adding the above and stirring for 15 minutes,
Antifoggant solution 5.47ml
Image stabilizer (general formula [1], [2]) See Table 1
Developer solution 14.06ml
Cross-linking agent, etc .: see Table 1 10% MEK solution 1.60 ml
Were sequentially added and stirred to obtain a photosensitive layer coating solution. Drying was performed at 75 ° C. for 5 minutes. The drying process was performed in a nitrogen stream zero atmosphere to prevent adverse effects due to oxygen and the like.
[0270]
<Photosensitive layer side coating>
The amount of silver applied is 2 g / m.2It applied so that it might become.
[0271]
<Surface protective layer>
A solution having the following composition was applied on the photosensitive layer.
[0272]
The image stabilizers (general formulas [1] and [2]) and crosslinking agents (isocyanates and thiocyanates represented by the general formula [8]) in the photosensitive layer coating solution are changed as shown in Table 1 for photosensitivity. Material sample No. 101-121 were produced.
[0273]
Embedded image
[0274]
Embedded image
[0275]
[Table 1]
[0276]
<< Measurement of solvent content in film >>
46.3cm as film area2Was cut into 5 mm pieces, stored in a dedicated vial, sealed with a septum and an aluminum cap, and then set on a head space sampler HP7694 manufactured by Hewlett-Packard. The gas chromatography (GC) connected to the headspace sampler was a Hewlett-Packard Model 5971 with a flame ionization detector (FID) as a detector. As main measurement conditions, head space sampler heating condition: 120 ° C., 20 minutes, GC introduction temperature: 150 ° C., column: DB-624 manufactured by J & W, temperature increase: 45 ° C., 3 minutes → 100 ° C. (8 ° C. / Gas chromatogram was obtained. The measurement target solvents were MEK and methanol, and after preparing a fixed amount diluted with butanol each of the solvents shown on the left in a dedicated vial, it was created using the peak area of the chromatogram obtained by measurement as described above. A calibration curve was used to obtain the solvent content in the film.
[0277]
When the organic solvent content of each light-sensitive material sample was quantified after being stored under the following conditions A for 101 to 121 by these methods, all were 100 to 120 mg / m 2.2Met.
[0278]
<< Exposure and development process >>
From the emulsion surface side of the light-sensitive material, exposure by laser scanning was given by an exposure machine using a semiconductor laser having a longitudinal multimode wavelength of 800 nm to 820 nm by high frequency superposition as an exposure source. At this time, an image was formed by setting the angle between the exposure surface of the photosensitive material and the exposure laser beam to 75 degrees. (Note that an image with less unevenness and unexpectedly good sharpness or the like was obtained compared to the case where the angle was 90 degrees.)
Thereafter, an automatic developing machine having a heat drum was used for heat development at 110 ° C. for 15 seconds so that the protective layer of the photosensitive material was in contact with the drum surface. At that time, exposure and development were performed in a room adjusted to 23 ° C. and 50% RH. The obtained image was evaluated with a densitometer. The measurement results were evaluated by sensitivity (reciprocal of exposure ratio giving density higher by 1.0 than the unexposed area) and fog. The sensitivity is expressed as a relative value where the sensitivity of 101 is 100.
[0279]
<Evaluation of storage stability over time>
The light-sensitive material was stored for 7 days under the following conditions, then exposed and developed under the above conditions, and the obtained image was evaluated with a densitometer. The difference between Dmin under condition A and Dmin under condition B (Dmin (B) −Dmin (A)) was determined and used as the storage stability of the undeveloped photosensitive material over time. The results are shown in Table 2.
[0280]
Condition A 25 ° C 55% RH
Condition B 40 ° C 80% RH
<Evaluation of image preservation>
Similar to the evaluation of photographic performance, the sample that had been developed after being stored for 7 days under storage condition A was further left under fluorescent light for 7 days at 25 ° C. and 55%, and then the color tone was observed and evaluated based on the following criteria. . This is also shown in Table 2.
[0281]
Rank Evaluation Criteria
5 Colors with no problem
4 Colors with no practical problems
3 Slightly yellowish, but no problem
2 Unpleasant colors that may cause problems
1 Clearly noticeable changes in color that cause problems in practice
[0282]
[Table 2]
[0283]
As is apparent from Table 2, the sample according to the present invention is superior in the aging preservability of the undeveloped photosensitive material and the image preservability after the development process, while having higher sensitivity than the comparative sample.
[0284]
Example 2
In the same manner as in Example 1, a commercially available biaxially stretched heat-fixed blue-colored PET film having a thickness of 175 μm is coated with the undercoat layers A-1 and A-2 on the side where the photothermographic layer is applied. In addition, undercoat layers B-1 and B-2 were applied to the back side to produce a photographic support.
[0285]
A photosensitive silver halide emulsion A and powdered organic silver salt A were also prepared in the same manner as in Example 1 to prepare a photosensitive emulsion dispersion.
[0286]
Using these, the epoxy compound represented by the general formula [9], which is the image stabilizer and the crosslinking agent of the present invention represented by the general formula [1] and [2] in Example 1, and the general formula [B] The photosensitive material No. 1 was changed in the same manner as in Example 1 except that the acid anhydride crosslinking agent represented was changed as shown in Table 3. 201-221 were produced.
[0287]
[Table 3]
[0288]
In the same manner as in Example 1, the storability of the unexposed photosensitive material and the storability of the image were evaluated. The evaluation results are shown in Table 4. Sensitivity is shown in photosensitive material data No. It was expressed as a relative value with the post-development sensitivity under the storage condition 201 of 201 as 100.
[0289]
[Table 4]
[0290]
As is clear from Table 4, the sample according to the present invention has higher sensitivity than the comparative sample, but is excellent in the storage stability with time of the undeveloped photosensitive material and the image storage stability after development processing.
[0291]
Example 3
In the same manner as in Example 1, a commercially available biaxially stretched heat-fixed blue-colored PET film having a thickness of 175 μm is coated with the undercoat layers A-1 and A-2 on the side where the photothermographic layer is applied. In addition, undercoat layers B-1 and B-2 were applied to the back side to produce a photographic support.
[0292]
A photosensitive silver halide emulsion A and powdered organic silver salt A were also prepared in the same manner as in Example 1 to prepare a photosensitive emulsion dispersion.
[0293]
However, what was prepared by removing 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole (supersensitizer M-4), which is a supersensitizer, from the solution of infrared sensitizing dye was prepared. The light-sensitive material No. 1 for changing the image stabilizer and the crosslinking agent represented by the general formulas [1] and [2] of the present invention as shown in Table 5 and examining the effect of the supersensitizer. 301-321 were produced.
[0294]
[Table 5]
[0295]
In the same manner as in Example 1, the sensitometry, the storage stability of the unexposed photosensitive material and the storage stability of the image were evaluated. The evaluation results are shown in Table 6. Sensitivity is shown in photosensitive material data No. The sensitivity was expressed as a relative value with the post-development sensitivity under the storage condition A of 301 being 100.
[0296]
[Table 6]
[0297]
As is clear from Table 6, the sample containing the supersensitizer according to the present invention is a comparative test containing no supersensitizer.To chargeCompared with high sensitivity, the undeveloped light-sensitive material is excellent in storage stability with time and image storage stability after development processing.
[0298]
Example 4
In the preparation of the infrared sensitizing dye solution, the infrared sensitizing dye is No. S-43 to infrared sensitizing dyes shown in Table 7 (addition amount: all dyes are 5 × 10 5-FourIn the same manner as in Example 1 except that the sample No. 401 to 411 were prepared and the performance of the infrared sensitizing dye in the photothermographic material according to the present invention was evaluated.
[0299]
Embedded image
[0300]
That is, sample no. Based on the formulation of 102, the following crosslinking agent and image stabilizer are added. The cross-linking agent according to the present invention is hexamethylene diisocyanate, the compound that generates active species other than halogen atoms is 0.6 g of BI-6 and 0.1 g of I-33, and the compound that generates halogen atoms is 4-38. Was added to each 0.2 g. Each sample was evaluated in the same manner as in Examples 1, 2, and 3 except that the evaluation of storage stability with time was 9 days.
[0301]
[Table 7]
[0302]
As can be seen from the results shown in Table 7, the effect of improving the storage stability according to the present invention is commonly manifested in systems containing various infrared sensitizing dyes, but is particularly remarkable in specific infrared sensitizing dyes. I understand that. The sensitivity is No. The sensitivity of 401 is represented as 100 and expressed as a relative sensitivity.
[0303]
referenceExample 5
Samples 502 to 516 were prepared in the same manner as Sample No. 101, except that the amount of the antifoggant 2 solution was 8.0 ml and the crosslinking agent was changed as shown in Table 8 in the preparation of the photosensitive layer coating solution. Performed as in Example 1. That is, the fog and relative sensitivity of each sample after storage under storage conditions A and B were measured. The results are shown in Table 8. In addition, about the sensitivity, each sample was represented by the relative sensitivity which set the sensitivity of 101 of the material preserve | saved by the storage conditions B to 100.
[0304]
[Table 8]
[0305]
In the sample containing no aliphatic carboxylic acid anhydride, the fog increase under the storage condition B is large, and the sensitivity of the sample stored under the storage condition B is also reduced. In particular, in the case of using tetrachlorophthalic anhydride, the decrease in sensitivity under storage condition B is large. In contrast, in the sample using the aliphatic carboxylic acid anhydride of the present invention, it can be seen that the fog increase is small and the sensitivity decrease is small.
[0306]
【The invention's effect】
A photothermographic material having high sensitivity, excellent storage stability, and good stability of the generated image can be obtained.
Claims (8)
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Applications Claiming Priority (3)
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JP11-58684 | 1999-03-05 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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