JP3944777B2 - 粉末消火薬剤による消火方法及び粉末消火薬剤 - Google Patents

粉末消火薬剤による消火方法及び粉末消火薬剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消火効率の高い粉末消火薬剤による消火方法及び粉末消火薬剤に関するものであり、特に球状化され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤を添加・混合した消火用圧送水による効果的な粉末消火薬剤による消火方法及び粉末消火薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般の民家やビル火災等(いわゆるA火災)においては、放水による消火方法が通常であるが、この場合には大量の水を必要とすると同時に消火に時間がかかり、焼失面積の増大を招き、消防士等の消火活動に従事する人を危険な状態に長時間さらすという課題がある。
また、完全に消火し再燃を防止させるためにはさらに多量に放水する必要があり、多量の水による水損や被災対象物以外への2次災害が発生し、火災現場が複数で離れている場合は消防用水が不足するという問題点がある。
【0003】
さらに、危険物製造所やバース等における油火災(いわゆるB火災)には粉末消火薬剤や泡消火薬剤が一般に用いられている。
粉末消火薬剤には再燃抑制作用があることが知られており、粉末消火薬剤は可燃物,特に一般火災の対象物である建築物の木材等に放射すると木材に侵入し熱によりガラス状皮膜となり表面を覆うために火炎を防ぎ再燃抑制効果が生じる。
泡消火設備は水溶液による冷却効果と泡による窒息効果により消火が行われることが知られているが、多量の水が必要であり、消火の抑制に長時間を要する。
さらに、トンネル内の消火は、現在大部分が泡消火薬剤による消火が行なわれている。しかしながら、火災の熱風で泡は飛散しやすく、効果的な消火ができないという問題点がある。
そこで、本願発明者は先に粉末消火薬剤を消火用圧送水に添加・混合して、燃焼体に放射することで、安全、かつ、迅速に鎮火を実行できる消火方法及び装置を開発して特許出願した(特願2001−041031号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記本発明者が提案した粉末消火薬剤による消火方法及び消火装置においては、粉末消火薬剤の供給が時折スムーズに行われにくくなる場合があった。
本発明者はさらに研究を進めた結果、粉末消火薬剤を改良することによって更に改善された消火方法及び消火装置を提供できることが解った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、消火用水圧送管路中の消火用圧送水に球状化され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤、又は球状化され、かつ、防水性被膜でコーティングされた薬剤と界面活性剤を添加・混合して用いることで、画期的な消火能力を確実に発揮することができるようにしたものである。
【0006】
すなわち、本発明は下記構成の粉末消火薬剤による消火方法及び粉末消火薬剤である。
(1)粉末消火薬剤供給装置と消火用水圧送管路を備えた消防自動車、台車等の消火設備を積載した移動手段を用い、前記消火用水圧送管路に前記粉末消火薬剤を添加・混合しながら、消防用ホースを介して同混合水を先方の放射ノズルより放出する粉末消火薬剤による消火方法において、前記粉末消火薬剤として消火薬剤の各粉末が球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤を用いることを特徴とする粉末消火薬剤による消火方法。
(2)球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤が、リン酸アンモニウム系消火薬剤粉粒体又は炭酸水素カリウム消火薬剤粉粒体の表面をシリコン樹脂でコーティングしたものであることを特徴とする(1)に記載の粉末消火薬剤による消火方法。
【0007】
(3)消火設備を積載した移動手段が、さらに界面活性剤の原液又は水溶液の供給装置を備えてなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の粉末消火薬剤による消火方法。
(4)圧送水100重量部に対して、5〜30重量部の球状化粉末消火薬剤を添加・混合することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の粉末消火剤による消火方法。
(5)消火設備を積載した移動手段に設定された消火用水圧送管路の一部をベンチュリー管とし、同管部に球状化粉末消火薬剤供給口を設けてなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の粉末消火薬剤による消火方法。
(6)粉末消火薬剤供給装置と消火用水圧送管路を備えた消防自動車、台車等の消火設備を積載した移動手段を用い、前記消火用水圧送管路に前記粉末消火薬剤を添加・混合しながら、消防用ホースを介して同混合水を先方の放射ノズルより放出する粉末消火薬剤による消火に用いられる粉末消火薬剤において、同粉末消火薬剤は消火薬剤の各粉末が球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤であることを特徴とする粉末消火薬剤。
【0008】
(7)球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤が、リン酸アンモニウム系消火薬剤粉粒体又は炭酸水素カリウム消火薬剤粉粒体の表面をシリコン樹脂でコーティングしたものであることを特徴とする(6)に記載の粉末消火薬剤による粉末消火薬剤。
(8) 粉末消火薬剤が、円筒状ケーシングからなる衝撃室内に、衝撃羽根を有する回転盤を設けてなる装置を用い、粉末消火薬剤を導入管を介して衝撃室の中心部分に供給して循環させ高速気流を利用して球状化処理及びコーティングによる複合化処理してなるものであることを特徴とする(6)又は(7)に記載の粉末消火薬剤。
(9)粉末消火薬剤が、直径120〜220μmのものであることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記載の粉末消火薬剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、消防自動車に本発明に係る消火設備を積載した消火装置の一例の説明図である。
同図において、公道の消火栓1よりホース2を介して消防用水が消防自動車3に送られ、消防用水は消防自動車のポンプ4で加圧される。
その後、前記により加圧された消火用水圧送管中の圧送水中に、界面活性剤容器5と球状化粉末消火剤容器7から、それぞれ界面活性剤原液と球状化粉末消火薬剤が、ベンチュリー管部を有する界面活性剤混合器6と球状化粉末消火薬剤混合器8を介して一定割合で添加・混合され、その混合水11は消防用ホース9を通り、放射ノズル10より放出される。
本発明の基本的技術思想は、圧送水中に球状化され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤を添加・混合し、水による消火作用と球状化され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤による消火作用を同時に適用して、消火効率を高めようとするものであるが、球状化され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤の添加・混合割合は、水量500L/分〜350L/分に対して、球状化され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤5〜30重量%であることが望ましい。
【0011】
図2は、図1の消防自動車に替えて、台車やワゴン等の移動体に本発明に係る消火設備を積載した説明図であり、台車やワゴンなどの移動体12、ホース2、界面活性剤容器5、界面活性剤混合器6、球状化粉末消火薬剤容器7、球状化粉末消火薬剤混合器8、消火用水圧送管路90、消防ホース9、放射ノズル10よりなる。 該台車を火災現場に牽引し、消防自動車、屋内若しくは野外消火栓、又は消防専用栓と、界面活性剤混合器6又は球状化粉末消火薬剤混合器8とを、ホース2を介して接続し使用する。
【0012】
図2において、界面活性剤を使用しない(界面活性剤容器5及び界面活性剤混合器6を省略した)構成とすることもできる。
【0013】
また、界面活性剤容器5を、泡消火薬剤容器に置き替え、さらに放射ノズル10を後記の発泡用空気吸入口を保持したノズル(図8)に置き替えて、球状化粉末消火薬剤と泡水溶液を添加・混合させ、該混合水を発泡状態で放射する方法も可能である。該方法が適する火災対象は、トンネル内火災、危険物製造所、貯蔵所等における火災のほか、圧力を伴った油配管等の噴出火災等である。
【0014】
球状化粉末消火剤を積載した台車等の使用例としては、火災現場において泡消防自動車が出動している場合を含め泡消火水溶液送水機能を保持している場合に、泡消防自動車等が保持している泡水溶液を放出する管を台車12の球状化粉末消火剤混合器8に接続し、泡消火薬剤に球状化粉末消火薬剤を混合した泡を放射することによって消火作業を行う。泡消火薬剤に球状化粉末消火薬剤を混合することで、従来のたん白泡消火薬剤を用いる消火に比較して6〜10倍の消火効果を得ることができる。
【0015】
また、火災現場において、希釈容量濃度3%又は6%の水成膜泡消火薬剤水溶液を送水する機能を保持している場合は、第3種粉末(第一リン酸アンモニウムを主成分とした粉末)の替わりに、第2種粉末(炭酸水素カリウムを主成分とした球状化粉末消火薬剤)を用いることで、従来のたん白泡消火薬剤を用いる消火に比べ8〜12倍の消火効果が期待できる。
【0016】
さらに、本発明の消火設備を背負式として使用することも可能である。使用例として、消防隊員は、背中に背負具により粉末消火薬剤容器と放射ノズルを背負い火災現場に出動し、放射ノズルと背中の粉末消火薬剤容器を接続用のホースで接続して球状化粉末消化薬剤を添加・混合し、放射ノズルより混合水を放出することにより消火にあたる。
背負式として使用する場合の水源としては、屋内消火栓、屋外消火栓、消防自動車の水、さらには界面活性剤水溶液、泡水溶液が考えられる。
【0017】
本発明で使用する球状化消火粉末薬剤としては、公知の粉末消火薬剤を球状化したものが使用できるが、第一リン酸アンモニウムや炭酸水素カリウム等を主成分とする球状化粉末消火薬剤は特に好ましいものとして用いられる。
粉末消火薬剤を球状化処理する方法としては、公知の球状化処理装置、例えば図3及び図4に示すごとき、円筒状のケーシングから成る衝撃室内に、衝撃羽根や分散ピンを有する回転盤を設け、空気を雰囲気として導入管を介して衝撃室の中心部分に原料の粉粒体を供給して高速回転する回転盤の衝撃羽根との打撃作用によって粉粒体の角を粉砕して丸くし、衝撃室内を幾度も粉粒体を循環させることによって次第に丸くして、衝撃室を何回も循環させながら次第に球状化若しくは複合化処理する、高速気流を利用して球状化処理する装置を使用して行うことができる。なお、このほか他の公知の球状化処理方法を採用することができることは言うまでもない。
図3及び図4には、この発明の球状化処理された粉末消火薬剤を製造するための粉粒体処理装置の一例が示されている。
図3は球状化粉末消火薬剤を製造するための粉粒体処理装置の縦断面図、図4は同図の側断面図である。
【0018】
図において、21はケーシング、22は後カバー、23は前カバー、24はケーシング21の中にある回転盤、25は回転盤24に放射状に周設された複数の衝撃羽根、26は回転盤24をケーシング21内で回転可能に軸支持する回転軸、27は各種形状の凹凸が形成されているか又は平滑な面を有する衝突リング、28は球状化処理された処理粉体用の排出弁、29は一端が衝突リング27の内壁の一部に開口し、他端が前カバー23の中心部付近に開口して閉回路を形成する循環回路管、30は表面が凹凸粗面の粉末消火薬剤を収容している原料ホッパ、31は原料ホッパー30と循環回路管29を連結する原料供給シュート、32は原料供給弁、33は回転盤24の外周と衝突リング27との間に設けられた衝撃室、34は球状化処理された球状化粉末消火薬剤の排出管である。
【0019】
上記の様な粉粒体処理装置において、原料供給シュート31を介して衝撃室33の中心部分に、例えば消火薬剤である直径120〜220μmの炭酸水素カリウム粉粒体が供給される。すると、高速回転する回転盤24に周設された衝撃羽根25や衝突リング27との打撃作用によって、先ず壊れ易い粉粒体が粉砕され、粉砕されない粒子は塑性変形されて丸くされる。
衝撃室33で粉砕や塑性変形されて丸くされた粉粒体は循環回路管29を介して衝撃室33へ戻り、再度同様の作用を受ける。
こうして幾度も粉粒体を衝撃室33と循環回路管29とを循環させることによって、図5に球状化粉末消火薬剤の製造段階説明断面に示すごとく、まず原料ホッパ30に入れられた直径120〜220μmの凸凹粗面形状の炭酸水素カリウム粉粒体(凹凸粗面形状の粉末消火薬剤)50(A図)は、次第に丸くされて球状化されて球状粉末消火薬剤51(B図)となる。
この際、球状化処理の中途又は終盤において例えばシリコン樹脂プレポリマ又はシリコン樹脂微粉末を原料ホッパ30から原料供給シュート31を経由して衝突室33に追加供給すると、球状化された消火薬剤の各粒子51の表面にシリコン樹脂のコーテイング層60(C図)が形成され、複合化処理された球状化粉末消火薬剤が取得される。
次いで、一定時間上記処理が施された球状化粉末消火薬剤粉粒体は排出管34を通って外部に設けられた分級機(図示せず)等にかけられ、球状化粉末消火薬剤製品として回収される。
【0020】
原料の粉粒体としての一例として、第一リン酸アンモニウム(NH4H2PO4)を主体とした、いわゆるABC粉末消火薬剤とよばれているものの組成を表1に示す。
すなわち、第一リン酸アンモニウム45〜90%、硫酸アンモニウムが45%以下、その他の成分として固結防止剤と撥水剤が若干量、着色剤が極微量からなるものである。なお、該粉末の比重は約1.8である。
【0021】
【表1】
Figure 0003944777
【0022】
また、特に本発明における球状化粉末消火薬剤は、その粉末表面を防水性被膜でコーティングしたもの、特に前述のごときシリコン樹脂でコーティングしたものが好ましい。
こうした球状化粉末消火薬剤を圧送水に混合したものを火災個所の火炎部近傍に放射して接触させると、燃焼の4要素のうちの「化学反応の継続(Chain Reaction)」の要素を充分に抑制又は阻止(負触媒作用)することができる。
また、球状体で耐湿性が優れているため、球状化粉末消火薬剤容器において吸湿固結することがなく混合器による加圧水への添加・混合がスムーズに実施できる。前記コーティング処理を施した球状化粉末は、長時間水に浸しても沈降することなく耐湿性、耐水性に優れている。
特に、形状が球状化されているため、球状化粉末消火剤容器7中に堆積時、及びベンチュリー管部を有する球状化粉末消火薬剤混合器8へ移送する際に同粉末同士が絡み合うことなく、球状化粉末消火薬剤の取り出し時にはスムーズに移動し、目詰まりを起こす危険がない。
【0023】
図6は、球状化粉末消火薬剤を消火用圧送水に添加・混合する装置の平面図(a)と正面図(b)である。球状化粉末消火薬剤容器7内の球状化粉末消火薬剤は、粉末攪拌用ガスボンベ14のガス注入口から球状化粉末消火薬剤容器7底部に張り巡らされた管壁に多数の細孔を有するパイプ15に流れる加圧窒素ガス等の噴出によって、沈積した球状化粉末消火薬剤を攪拌し流動化させる。加圧された消防用水13が消火用水圧送管路90内を流れることによって、球状化粉末消火薬剤は球状化粉末消火薬剤容器7からベンチュリー管部を有する球状化粉末消火薬剤混合器8により吸引・添加され消防用水13に比例混合される。混合水11は、さらに消防用ホース9を通って放射ノズル10より放出される。
【0024】
図7は、図6の装置にさらに界面活性剤容器5と界面活性剤混合器6を加えて積載した消防自動車の平面図(a)と正面図(b)である。界面活性剤容器5中の界面活性剤原液は、ポンププロポーショナ方式により界面活性剤混合器6を流れる消防用水13に一定比率で吸引・添加され、その後、図6と同様の仕組みで球状化粉末消火薬剤と混合されその混合水11は放射ノズル10より放出される。
【0025】
図8は本発明で使用されるいくつかの放射ノズルの正面図である。
(a)は、消防用圧送水に球状化粉末消火薬剤又は球状化粉末消火薬剤と界面活性剤原液を添加・混合した混合水を放射するための放射ノズルである。放射ノズル10に消防用圧送水が流入する前段階において、消防自動車等の移動手段上で球状化粉末消火薬剤又は球状化粉末消火薬剤と界面活性剤水溶液を添加・混合し、消防用ホースを介して放射するための放射ノズルである。
(b)は、放射ノズル10aに消防用圧送水が流入するまでの消防用ホース等には消防用圧送水のみを流し、放射ノズル10aの基部付近において、球状化粉末消火薬剤容器7又は球状化粉末消火薬剤容器7と界面活性剤容器5より球状化粉末消火薬剤又は球状化粉末消火薬剤と界面活性剤原液を細管16を介してノズル基部に構成されたベンチュリー管の吸引作用により添加・混合し、その混合水を放射ノズル10aより放出する。該放射ノズルは、球状化粉末消火薬剤容器7又は球状化粉末消火薬剤容器7と界面活性剤原液容器5を背負具に積載して使用する背負式のものに適している。
なお、(a)及び(b)の放射ノズル先端内壁面部には、進行方向に対して傾斜して(螺旋状に)配置された突条部18を設けて、混合水が良く攪拌されるようにすることも好ましい。
(c)は、放射ノズル10bに消防用圧送水が流入する前段階において、消防用自動車等の移動手段上で球状化粉末消火薬剤と泡水溶液を添加・混合した混合水を放射するための放射ノズルであって、放射ノズル10bの基部付近管壁面には、発泡を生成するための複数の空気吸入孔10’が設けられている。
(d)は、放射ノズル10cに流入する直前までは消防圧送水のみを流し、放射ノズルの基部付近において球状化粉末消火薬剤容器7及び泡原液容器17より球状化粉末消火薬剤及び泡原液を、細管16を介してノズル基部に構成されたベンチュリー管の吸引作用により添加・混合し、その混合水を放射ノズル10cより放射するタイプである。該放射ノズルは背負式で使用するのに適している。
また、(c)、(d)の放射ノズルはB火災(油火災)での使用に適している。
【0026】
以上は主に球状化粉末消火薬剤を、消火用水圧送管路に添加・混合しながら、消防用ホースを介して同混合水を先方の放射ノズルより放出する消火方法に使用する場合について説明したが、従来の粉末消火器(ABC粉末消火器)に充填して使用しても粉末消火薬剤の各粒子が球状化処理されているため、バルブやノズル部において目詰まりすることなく、粉末消火器から消火薬剤がスムーズに放出される。
【0027】
なお、上記ではシリコーン樹脂を防水性被膜として説明したが、シリコーン樹脂としては、加熱硬化型シリコーン樹脂や常温硬化型シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂やシリコーンオイルあるいはシランカップリング剤等が提案される。
また、防水性被膜としてエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂又はフッ素樹脂によるコーテイング層を設けてもよい。
被膜形成のためのコーテイング方法は、スプレードライヤーを用いる方法、ヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー等を用いる方法等のいずれの方法であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
従来の消火方法では、初期消火の抑制にかなりの時間を要し、また、各種の消火設備を要したが、本発明によれば簡易な装置構成の消火装置を用いて初期消火の抑制時間を飛躍的に短縮でき、特に、粉末消火薬剤が消火用圧送水で搬送されるため、従来の粉末消火器による消火に比べて放射距離を大幅に延長することができる。そして、本発明の粉末消火薬剤は形状が球状化されているため、その粉末消火薬剤容器中に堆積時、及びベンチュリー管部を有する球状化粉末消火薬剤混合器へ移送する際に同粉末同士が絡み合うことなく、粉末消火薬剤はスムーズに移動し、目詰まりを起こす問題がない。
その結果、例えば、消防隊員等が火災に巻き込まれた被害者を救出できる機会が高められる。また、経済効果として、消火時に使用する水量の削減、消火用水による被災対象物以外への放水による2次災害の減少、及び消防隊員数、消防資材及び消防機材の削減等が大幅に期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消防設備を積載した消防自動車の説明図
【図2】本発明に係る消火設備を積載した台車の説明図
【図3】球状化粉末消火薬剤を製造するための粉粒体処理装置の縦断面図、
【図4】図3の側断面図
【図5】球状化粉末消火薬剤の製造段階説明断面
【図6】粉末消火薬剤を消火用圧送水に添加・混合する装置の平面図と正面図
【図7】図3の装置にさらに界面活性剤容器と界面活性剤混合器を加えて積載した消防自動車の平面図と正面図
【図8】本発明で使用されるいくつかの放射ノズルの正面図
【符号の説明】
1:公道消火栓 2:ホース
3:消防自動車 4:ポンプ
5:界面活性剤容器 6:界面活性剤混合器
7:粉末消火薬剤容器 8:粉末消火薬剤混合器
9:消防用ホース 10:放射ノズル
10’:空気吸入孔 10a:放射ノズル
10b:放射ノズル 10c:放射ノズル
11:混合水 12:台車やワゴン等の移動体
13:消防用水 14:粉末攪拌用ガスボンベ
15:パイプ 16:細管
17:泡原液容器 18:突条部
21:ケーシング、 22:後カバー、
23:前カバー、 24:回転盤、
25:複数の衝撃羽根、 26:回転軸、
27:衝突リング、 28:排出弁、
29:循環回路管、 30:原料ホッパ、
31:原料供給シュート、 32:原料供給弁、
33:衝撃室、 34:排出管、
50:凸凹形状の炭酸水素カリウム粉粒体、
51:球状化された炭酸水素カリウム粉粒体、
60:シリコン樹脂のコーテイング層、
90:消火用水圧送管路

Claims (9)

  1. 粉末消火薬剤供給装置と消火用水圧送管路を備えた消防用自動車、台車等の消火設備を積載した移動手段を用い、前記消火用水圧送管路に前記粉末消火薬剤を添加・混合しながら、消防用ホースを介して同混合水を先方の放射ノズルより放出する粉末消火薬剤による消火方法において、前記粉末消火薬剤として消火薬剤の各粉末が球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤を用いることを特徴とする粉末消火薬剤による消火方法。
  2. 球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤が、リン酸アンモニウム系消火薬剤粉粒体又は炭酸水素カリウム消火薬剤粉粒体の表面をシリコン樹脂でコーティングしたものであることを特徴とする請求項記載の粉末消火薬剤による消火方法。
  3. 消火設備を積載した移動手段が、さらに界面活性剤の原液又は水溶液の供給装置を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末消火薬剤による消火方法。
  4. 圧送水100重量部に対して、5〜30重量部の球状化粉末消火薬剤を添加・混合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末消火剤による消火方法。
  5. 消火設備を積載した移動手段に設定された消火用水圧送管路の一部をベンチュリー管とし、同管部に球状化粉末消火薬剤供給口を設けてなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粉末消火薬剤による消火方法。
  6. 粉末消火薬剤供給装置と消火用水圧送管路を備えた消防自動車、台車等の消火設備を積載した移動手段を用い、前記消火用水圧送管路に前記粉末消火薬剤を添加・混合しながら、消防用ホースを介して同混合水を先方の放射ノズルより放出する粉末消火薬剤による消火に用いられる粉末消火薬剤において、同粉末消火薬剤は消火薬剤の各粉末が球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤であることを特徴とする粉末消火薬剤。
  7. 球状化処理され、かつ、防水性皮膜でコーティングされた薬剤が、リン酸アンモニウム系消火薬剤粉粒体又は炭酸水素カリウム消火薬剤粉粒体の表面をシリコン樹脂でコーティングしたものであることを特徴とする請求項6記載の粉末消火薬剤による粉末消火薬剤。
  8. 粉末消火薬剤が、円筒状ケーシングからなる衝撃室内に、衝撃羽根を有する回転盤を設けてなる装置を用い、粉末消火薬剤を導入管を介して衝撃室の中心部分に供給して循環させ高速気流を利用して球状化処理及びコーティングによる複合化処理してなるものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の粉末消火薬剤。
  9. 粉末消火薬剤が、直径120〜220μmのものであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の粉末消火薬剤。
JP2002236650A 2002-08-14 2002-08-14 粉末消火薬剤による消火方法及び粉末消火薬剤 Expired - Fee Related JP3944777B2 (ja)

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