JP3943931B2 - 画像処理方法及び装置とそのプログラム及び記憶媒体 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの処理に関するもので、特にデジタル画像データのようなデジタルデータの改竄位置を検出するための画像処理方法及び装置、並びにその方法を実行するプログラム、及びそのプログラムを記憶した記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやインターネットの普及に伴い、従来の銀塩写真や紙の書類などに代わって、情報をデジタル化しデジタル画像として利用する形態が一般化しつつある。更に、目覚しい画像処理技術の進歩により、デジタル画像の編集・改竄は、フォトレタッチツール等を使用すれば容易に行うことが可能になった。このため、デジタル画像の原本性(オリジナリティ)は従来の銀塩写真や紙の書類等と比較して低く、証拠としての能力に乏しいという問題点が生じてきている。従来、写真画像は、例えば保険会社などでは事故の証拠写真として用いられたり、建設会社などにおいては、建築現場の進捗状況の記録として用いられたりと、その証拠能力、即ち、その原本性は重要な役割を果たしてきている。しかし、上述したように、情報のデジタル化によってその証拠性が失われることは大きな問題である。
【0003】
一般に、デジタル画像の原本性の保証は、米国特許第5499294号に示されるように、デジタル画像のハッシュ値に公開鍵暗号を用いた電子署名を作成することによって実現されるが、この手法では改竄の有無は分かっても、その改竄位置の検出まではできなかった。
【0004】
それに対して、ある特定のパターンを画像全体に電子透かしとして埋め込み、その画像に対して改竄や編集が行われると、その埋め込まれたパターンが破壊されて、それにより改竄位置を検出する手法が知られている。その一例としては、LSBにあるスタンプ画像と呼ばれる特定画像を埋め込む手法であり、例えば特開2001−24876号公報には、秘密の鍵情報から生成される擬似乱数によって画像中のスタンプ画像の埋め込み位置を特定する手法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の電子透かしによる改竄位置の検出手法は、そのアルゴリズムや埋め込みパターンが知られないことを安全性の根拠としている。従って、そのアルゴリズムや埋め込みパターンが知られてしまった場合には、例え改竄が行われても、その改竄が行われていないようにする、即ち、デジタル画像の偽造を行うことが可能である。つまり、LSBにスタンプ画像を埋め込む手法では、そのアルゴリズムを知った人物は、まずLSBのスタンプ画像を抽出して保存し、その画像を改竄した後で、最初に保存したスタンプ画像を読み出して再び、その改竄後の画像データのLSBに埋め込むことにより、改竄が検知されない偽造が可能になる。
【0006】
また、特開2001−24876号公報に示されるような、擬似乱数によってスタンプ画像の埋め込み位置を定める手法は、その擬似乱数に埋め込み位置が依存するので、上述のLSBに埋め込む手法よりは安全であるが、原画像と電子透かし画像の差分をとるなどによって、一旦そのスタンプ画像の埋め込み位置が知られてしまうと同様の偽造が可能になる。
【0007】
一般に、電子透かしの安全性は、そのアルゴリズムが秘密であることを前提とする場合が多く、そのアルゴリズムが知られても安全であると言える手法は今まで提案されていないと言っても過言ではない。
【0008】
また、従来の電子透かしによる改竄位置の検出手法では、スタンプ画像を埋め込んでスタンプ画像を保存し、その保存したスタンプ画像と抽出したスタンプ画像を比較することによって改竄位置を検出している。このようなスタンプ画像は2次元データであるのでデータ量が多く、それを保存するために大きなメモリ容量が必要となり効率的でない。
【0009】
更に従来手法において、同じ鍵と同じスタンプ画像を用いて埋め込み処理された複数の異なる画像を切り貼りする場合、安全な手法は提案されていない。例えば、同じサイズの複数の異なる画像を、それぞれ同じ大きさのブロックに分解し、同じ位置にあるブロックを入れ替えることにより1つの画像を合成する攻撃を考える。このとき、各画像が同じ鍵、同じスタンプ画像を用いていれば、改竄は検出できず、この攻撃は成功する。このような攻撃に対して、画像毎に異なる鍵又は異なるスタンプ画像を用いて埋め込み処理をすることが考えられる。しかし、画像毎に異なる鍵又は異なるスタンプ画像を用いることは電子透かしのアプリケーションとして使い易くない。それは、改竄されている疑いがある画像が発見された場合、まず最初に、その画像がどの鍵又はどのスタンプ画像で処理されているかを特定する必要があるためである。検証対象の画像が大きく改竄されていて原画像が推定しにくい場合、又は異なる鍵で処理された画像が合成されている場合、どの画像が原画像であるかを特定することは困難である。即ち、どの鍵又はどのスタンプ画像を用いてよいか分からない場合が出てくる。
【0010】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、電子透かし手法のアルゴリズムや埋め込みパターンが知られたとしても、確実に改竄位置を検出できる画像処理方法及び装置とそのプログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0011】
また本発明の目的は、スタンプ画像を保存する必要がなく、かつ同じ鍵を用いて異なるデータに埋め込み処理を行っても、確実にそのデータにおける改竄位置を検出できる画像処理方法及び装置とそのプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【0012】
また本発明の他の目的は、スタンプ画像を保存する必要がなく、かつ、数パターン分のずれや画像の挿入、削除を検出できる画像処理方法及び装置とそのプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
順序付けられた複数の画素から構成される画像データに対して自己同期性をもつ第1パターンを生成する第1パターン生成手段と、
前記画像データに依存した第2パターンを生成する第2パターン生成手段と、
前記第1パターンと前記第2パターンとから埋め込みパターンを生成する埋め込みパターン生成手段と、
前記埋め込みパターンを前記画素に埋め込むパターン埋め込み手段と、
を有することを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するために本発明の画像処理方法は以下のような工程を備える。即ち、
順序付けられた複数の画素から構成される画像データに対して自己同期性をもつ第1パターンを生成する第1パターン生成工程と、
前記画像データに依存した第2パターンを生成する第2パターン生成工程と、
前記第1パターンと前記第2パターンとから埋め込みパターンを生成する埋め込みパターン生成工程と、
前記埋め込みパターンを前記画素に埋め込むパターン埋め込み工程と、
を有することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像埋め込み処理を説明するための概念図である。
【0026】
ここでは原画像I(i,j)をM×N画素からなる多値画像(ここでは、1画素が8ビットの多値画像として説明する)とする。また、下記において、◎はEXOR(排他的論理和)を表す。但し、図1における処理103以下の処理は、i=0,j=0からi=M−1,j=N−1まで、各画素毎に行われる。
【0027】
<埋め込み処理(図1)>
まず処理101で、画像毎に定める値kiを初期値として自己同期パターンC(i,j)を生成する。
【0028】
次に処理102で、鍵kを初期値として擬似乱数を生成し、8ビットデータを入力して1ビットデータを出力するルックアップテーブルLUT()を作成する。これは各テーブルのアドレス順に、各アドレスに1ビットずつ、その生成した擬似乱数を割り当てていくことによって実現される。
【0029】
次に処理103で、画像I(i,j)のLSBを除いた画像I7(i,j)からB(i,j)=LUT(I7(i,j))を計算する。ここで、LUT(I7(i,j))は、画像I7(i,j)がルックアップテーブルLUT()に入力されたとき、それに対応して出力される1ビットの乱数値を示している。
【0030】
次に処理104で、画像I(i,j)のLSBに{B(i,j)◎C(i,j)}を埋め込み、電子透かしが埋め込まれた画像I'(i,j)を生成する。
【0031】
この電子透かしの埋め込み処理によって得られる電子透かしが埋め込まれた画像I'(i,j)は、画像I(i,j)のB成分のLSBを、処理104において、{B(i,j)◎C(i,j)}に変化させた画像である。ここで、B成分のLSBのみを変化させた電子透かし埋め込み画像とする理由は、人間の視覚特性を考慮し、最も原画像の画質劣化が少ない電子透かしの埋め込み処理を実現するためである。
【0032】
次に、こうして埋め込まれた電子透かしを抽出する手法について説明する。検証対象画像をV(i,j)で表す。また、検証者は埋め込み処理で用いた鍵kを共有しているとする。
【0033】
この埋め込み処理をより理解し易くするために、その処理の流れを図7の模式図に示す。
【0034】
図7において、410は自己同期パターン発生器で、kiを初期値として自己同期パターンC(i,j)を発生している。411は擬似乱数発生器で、値kを初期値として擬似乱数を発生し、それをルックアップテーブルLUT412のアドレス順に格納している。このLUT412には画像I(i,j)のLSBを除いた画像I7(i,j)が入力され、それに対応して1ビットのデータB(i,j)が出力される。このB(i,j)と自己同期パターンC(i,j)との排他的論理和が取られ、それが原画像I(i,j)のLSBに挿入されて、電子透かしが埋め込まれた画像I'(i,j)となる。
【0035】
<抽出処理(図2)>
図2は、電子透かしが埋め込まれた画像から電子透かしを抽出して改竄位置を検出するための処理を説明する図である。
【0036】
まず処理201で、鍵kを初期値として擬似乱数を生成し、埋め込み処理と同様に、入力が8ビットで出力が1ビットのルックアップテーブルLUT()を作成する。こうして作成されたルックアップテーブルは、図7のルックアップテーブル412と同じものとなる。
【0037】
次に処理202で、検証対象画像V(i,j)のLSBを除いた画像V7(i,j)をLUTに入力してU(i,j)=LUT(V7(i,j))を求める。ここで、U(i,j)は、画像V7(i,j)がルックアップテーブルLUT()に入力されたとき、それに対応して出力される1ビットの乱数値を示す。
【0038】
次に処理203で、U(i,j)=LSBVならばD(i,j)=0とし、U(i,j)≠LSBVならばD(i,j)=1とする。ここでLSBVは、画像V(i,j)のLSBである。
【0039】
次に処理204で、処理203における出力結果D(i,j)から自己同期をとり、同期がはずれた位置を改竄位置とする。
【0040】
ここで自己同期パターンC(i,j)とは、周期が長く自己相関性の強いビット系列であり、例えばM系列と呼ばれるビット系列が知られている。M系列は情報長m、符号長n=2m−1となる巡回符号であり、m段のシフトレジスタを用いることにより最大長の周期をもつビット列を簡単に生成できる。
【0041】
図4は、以下の式(1)を用いたM系列生成器の構成を示すブロック図である。尚、図4において、401はシフトレジスタ、402は加算器(EXOR)を示す。
【0042】
H(x)=hm-1・xm-1+hm-2・xm-2+...+h1・x+h0 ...式(1)
ここで図1の処理101で行われる自己同期パターン生成処理は以下のように行われる。
【0043】
図4の複数のシフトレジスタ401のそれぞれの初期値c1,...,cmをkiとし、その出力結果cm+1を計算する。この出力結果cm+1を最初のシフトレジスタ401にフィードバックさせて、演算を順次繰り返し、M×Nの長さの自己同期パターンC(i,j)=[c1,...,cMxN]を生成する。ここで、各シフトレジスタ401内の値と、その出力値cm+1は下記の関係を持つことは明らかである。
【0044】
ci+m=ci+m-1・xm-1+ci+m-2・xm-2+...+ci+1・x+ci ...式(2)
そして、図2の処理204における自己同期のとりかたは以下のようにして実行される。
【0045】
図5は、M系列を検査するためのM系列計算器の構成を示すブロック図である。図5において、501はシフトレジスタ、502は加算器(EXOR)、503はスイッチを夫々示している。
【0046】
図5において、スイッチ503を入力側(端子a)に接続すると、抽出されたビット系列が入力される。一方、スイッチ503をフィードバック側(端子b)に接続すると、図4に示すような通常のM系列データの生成器になる。
【0047】
まず最初に、改竄がなされていないビット系列が入力される場合を考える。
【0048】
スイッチ503を入力側(端子a)に接続して、抽出されたビット列D(i,j)の最初のビット系列であるd1,...,dmをM系列生成器に入力すると、上述の式(2)の関係が成り立つのでcm+1が計算される。その計算値cm+1は、抽出されたビット列D(i,j)の次のビットであるdm+1と一致するので、同期がとれていることがわかる。そしてそれ以後、M×Nまで繰り返しても全てのビットが一致するので改竄が行われていないことがわかる。
【0049】
次に、d1,...,diまで同期がとれていて、di+1で同期がはずれた場合、即ち、ci+1≠di+1となった場合には、di+1が改竄位置であることが分かる。この後、スイッチ503を入力側にしたまま計算を継続すると、di+1の影響で、それ以後のmビットは、計算値cと抽出値dとが一致しなくなることは明らかである。
【0050】
よって、改竄が検出されるとスイッチ503をフィードバック側(端子b)に接続し、改竄値である抽出値di+1の代わりに計算値ci+1をM系列生成器に入力して計算を続ける。この時、抽出値di+1のみが改竄位置である場合には、di+1の代わりに正しいci+1によって計算が継続されるので、di+2以降の値は一致することになる。但し、偶然ci+2とdi+2とが一致することがあるので、t回以上連続して一致した場合のみ再び同期がとれた、即ち、di+2以降は改竄されていないと判定する。
【0051】
また、di+1の後に集中して改竄されている場合も同様に、t回以上連続して一致した場合、tまで遡って同期がとれた、即ち改竄はないと判定する。ここでtを大きくとればt回連続して偶然に一致する確率は2-tとなるので、偶然に一致する確率を非常に小さくすることもできる。
【0052】
また、初期状態において最初のd1,...,dmの中で1ビットでも改竄されている場合は上記の式(2)は成立しないので、最初から計算されたビットと抽出されたビットdm+1とは一致せず、同期がはずれる。この場合は、正しい計算値cm+1が得られないので、式(2)が成立するまで、スイッチ503を入力側(端子a)に接続して同期が取れるまで計算を継続する。こうしてt回連続で同期がとれた状態が続けば、同期がとれたものとして、後は上記の途中から同期が外れた場合と同様の処理を行う。
【0053】
また、自己同期パターンはM系列のような線形演算に限らず、シフトレジスタの値を非線形関数によって演算したり、複数のM系列パターンを非線形関数を用いて演算したりしてもよい。
【0054】
これによって、画像がずらされていたり、部分的な削除・挿入が行われていてもその部分で同期がはずれることにより検出でき、改ざん位置とすることができる。
【0055】
次に、本発明の課題で述べたような、同じ鍵を用いて埋め込み処理をした画像を切り貼りする攻撃の場合を考える。ここでは簡単のために他の改竄はないとする。
【0056】
まず最初の画像の自己同期パターンから同期が取れはじめる。本実施の形態では、図1の埋め込み処理101において、画像毎に異なる初期値kiを用いて異なる自己同期パターンを埋め込んでいる。よって、異なる画像を切り貼りした部分で同期がはずれることになる。ここで全て異なる画像を組み合わせている場合、スイッチ503をフィードバック側(端子b)にしてパターンの一致を検査しても同期が戻ることはなく、最初の画像以外の部分は改竄箇所として検出される。これは、スタンプ画像として予め定められたものを用いず、抽出したパターンから検出される自己同期性を用いているため、自己同期性の違い、即ち画像の違いが検出できるためである。
【0057】
ここで、切り貼りをはじめとする攻撃をより厳密に検証するために、スイッチ503をフィードバック側に接続して計算する状態(状態1)と、スイッチ503を入力側に接続して計算する状態(状態2)とを並行して行うことが考えられる。例えば、同期がはずれて、それ以降、スイッチ503を入力側に接続して計算を継続すると、切り貼り部分からmビットを過ぎると再び同期が戻ってくる。これは、埋め込まれているパターンが別の自己同期パターンであるので前画像の影響がなくなった時から次の画像のパターンで自己同期が取れ始めるためである。よって、「状態1」と「状態2」の計算を並行して行うことによって、異なる画像が組み合わさされていることが識別可能になる。この手法は画像をずらしたり、画像のラインを挿入したり、削除した場合などにも有効であることは明らかである。
【0058】
以上、図2の処理204において行われる改竄位置の判定は、図6に示すような状態遷移図で表される。但し、攻撃をより詳細に検証する場合は、改竄状態602と準同期状態604では「状態1」と「状態2」が並行して存在する。
【0059】
まず初期状態601は処理開始状態となり、スイッチ503を入力側に接続し、最初の抽出パターンd1〜dmを各シフトレジスタ501の初期値としてセットし、cm+1を計算して、その計算結果を抽出されたdm+1と比較する。ここでcm+1=dm+1ならば同期状態603へ遷移し(610)、cm+1≠dm+1ならば改竄状態602へ遷移する(611)。
【0060】
改竄状態602は、前状態の位置が改竄されている状態であり、この場合にはスイッチ503をフィードバック側(端子b)に接続して計算(状態1)を継続し、計算された値cm+1と抽出値dm+1とを比較する。これらの値が一致すれば準同期状態604へ遷移する。これと同時に、スイッチ503を入力側に接続した計算(状態2)も継続し、その計算された値cm+1と抽出値dm+1とを比較する。ここで、これらの値が一致すれば準同期状態604へ移行する(612)。
【0061】
準同期状態604は、「状態1」と「状態2」の結果が一致しない状態を示し、ここでは「状態1」と「状態2」の計算を継続し、「状態1」の結果がt1回連続で一致する場合、または「状態2」の結果がt2回連続して一致する場合には、改竄なしとして同期状態603へ遷移し(613)、一致しない場合には改竄状態602へ遷移する(614)。
【0062】
同期状態603では、スイッチ503を入力側(端子a)に接続し、抽出値di〜di+m-1から計算値ci+mを計算して、ci+m=di+mとなっている。ここで、これらが一致しなければ改竄状態602へ遷移する(615)。
【0063】
以上説明した画像の埋め込み処理、及び抽出処理は、図3に示す画像処理装置を用いることによって実現できる。
【0064】
図3は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0065】
図3において、ホストコンピュータ301は、例えば一般に普及しているパーソナルコンピュータであり、例えば、スキャナ314から読み取られた画像データを入力し、その画像データを編集、保管することが可能である。更に、ここで得られた画像データを、プリンタ315により印刷させることが可能である。また、ユーザからの各種マニュアル指示等は、マウス312、キーボード313からの入力により行われる。このホストコンピュータ301の内部では、バス316により後述する各ブロックが接続され、種々のデータの受け渡しが可能である。
【0066】
図中、302はCRT、液晶、或いはプラズマ等の表示器(モニタ)である。303はCPUで、内部の各ブロックの動作を制御、或いは内部に記憶されたプログラムを実行する。304はROMで、印刷されることが認められていない特定画像を記憶したり、予め必要な画像処理プログラムや各種データ等を記憶している。305はRAMで、CPU303にて処理を行うために一時的にプログラムや処理対象のデータを格納する。306はハードディスク(HD)で、RAM305等に転送されるプログラムや画像データを予め格納したり、処理後の画像データを保存する。307はインターフェース部で、原稿或いはフィルム等をCCDにて読み取って画像データを生成するスキャナ314に接続され、そのスキャナ314で得られた画像データを入力している。308はCDドライブで、外部記憶媒体の一つであるCD(CD−R)に記憶されたデータを読み込み或いは書き出すことができる。309はFDドライブで、CDドライブ308と同様に、フロッピィディスク(FD)からのデータの読み込み、FDへのデータ書き出しを行う。310はDVDドライブで、CDドライブ308と同様に、DVDからのデータ読み込み、DVDへのデータ書き出しができる。尚、これらCD、FD、DVD等に画像編集用のプログラム、或いはプリンタドライバが記憶されている場合には、これらプログラムは、一旦HD306上にインストールされ、必要に応じてRAM305に転送されて保持され、このプログラムなどに基づいてCPU303が実行可能となっている。311は、マウス312或いはキーボード313からの入力指示を受け付けるためにこれらと接続されるインターフェース部(I/F)である。318はモデムで、インターフェース部319(I/F)を介して外部のネットワークと接続されている。
【0067】
以上の構成において、処理対象の画像データは、CD−ROM、DVD等の記憶媒体、又はスキャナ314、或いはインターフェース部319を介してネットワークから入力されて、一旦RAM305に保持される。そしてキーボード313或いはマウス312などから入力される指示に従って、上述或いは後述する処理を実行するプログラムをHD306から読み出してRAM305に記憶させ、そのプログラムを実行させることにより、本実施の形態1〜4に係る処理がCPU303の制御の下に実行される。こうして電子透かし或いは画像が埋め込まれた画像は、ネットワークに伝送されたり、或いはCDやDVDなどの記憶媒体に記憶される。また、ネットワーク或いは上述の記憶媒体から入力した画像データに対して、埋め込み画像の抽出処理を実行することにより、その画像データが不正に改竄されているかどうかを検出することができる。こうして得られた結果は、モニタ302に表示されてオペレータに警告しても良く、或いはプリンタ315により印刷されても良い。
【0068】
以上説明したように本実施の形態1によれば、スタンプ画像を保存しておく必要がなく、かつ同じ鍵を用いて異なる画像に埋め込み処理を行っても安全な手法が実現できる。この手法は、鍵を初期値とする疑似乱数発生手法から生成される変換テーブルが安全であるならば、鍵を除く全てのアルゴリズムを公開しても安全な手法と言うことができる。
【0069】
[実施の形態2]
前述の実施の形態1では、原画像I(i,j)の各画素のLSBを除く画素値I7(i,j)が同じ場合、生成されるB(i,j)は同じになるので、解析がしやすい場合が考えられる。そこで、画素位置に応じて乱数で変換することによって解析を困難にする手法を以下に示す。
【0070】
図8は本発明の実施の形態2に係る電子透かしの埋め込み処理を説明する模式図である。
【0071】
<埋め込み処理(図8)>
まず処理701で、画像毎に定める値kiを初期値として自己同期パターンC(i,j)を生成する。
【0072】
次に処理702で、鍵kを初期値として擬似乱数を生成し、入力が8ビットで1ビット出力のルックアップテーブルLUT()を作成する。これは各テーブルのアドレス順に、生成した擬似乱数(1ビット)を割り当てていくことによって実現される。さらに、上記疑似乱数を生成し続け、M×Nの2値の疑似乱数画像R(i,j)を生成する。
【0073】
次に処理703に進み、原画像I(i,j)のLSBを除いた画像I7(i,j)からB(i,j)=LUT(I7(i,j))◎R(i,j)を計算する。ここで、LUT(I7(i,j))は、画像7(i,j)がルックアップテーブルLUT()に入力されたとき、それに対応して出力される1ビットの乱数値を示す。
【0074】
次に処理704に進み、原画像I(i,j)のLSBに{B(i,j)◎C(i,j)}を埋め込むことにより、電子透かし画像I'(i,j)を生成する。
【0075】
ここで前述の実施の形態1と異なる点は、B(i,j)を、単に画像7(i,j)に対応する1ビットデータ(LUT(I7(i,j)))とするのではなく、その1ビットデータと、M×Nの2値の疑似乱数画像R(i,j)、即ち、画素位置に応じた乱数値との排他的論理和としている点にある。
【0076】
この実施の形態2に係る埋め込み処理の概要を図10に示す。尚、図10において、図7と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0077】
図10において、原画像I(i,j)のLSBには、ルックアップテーブル412の出力(LUT(I7(i,j)))と、鍵kを初期値として生成された画像I(i,j)の画素数分の擬似乱数R(i,j)との排他的論理和が、原画像のLSBに挿入される点が特徴である。
【0078】
<抽出処理(図9)>
図9は本発明の実施の形態2に係る電子透かしの抽出及び改竄位置の検出処理を説明する模式図である。
【0079】
まず処理801で、鍵kを初期値として擬似乱数を生成し、図8の埋め込み処理と同様に、入力が8ビットで1ビット出力のルックアップテーブルLUT()を作成する。さらに、上記疑似乱数を生成し続け、M×Nの2値疑似乱数画像R(i,j)を生成する。
【0080】
次に処理802で、検証対象画像V(i,j)のLSBを除いた画像V7(i,j)からU(i,j)=LUT(V7(i,j))◎R(i,j)を計算する。ここで、LUT(V7(i,j))は、画像V7(i,j)を入力したときのルックアップテーブルの出力(1ビット)を示す。
【0081】
次に処理803で、U(i,j)=LSBVならばD(i,j)=0、U(i,j)≠LSBVならばD(i,j)=1とする。なお、ここで、LSBVは、検証対象画像V(i,j)のB成分のLSBを示している。
【0082】
次に処理804で、D(i,j)から自己同期をとり、同期がはずれた位置を改竄位置とする。
【0083】
本実施の形態2では、画素値のみに依存し、画素位置に依存しないルックアップテーブルの出力値(LUT(I7(i,j))又はLUT(V7(i,j)))に対して、図8の処理702或いは図9の処理802で生成した疑似乱数R(i,j)との排他的論理和を求める(処理703,803)ことにより、同じ画素値であっても異なるB(i,j),U(i,j)を出力できるようにして解析を困難にしている。但し、擬似乱数R(i,j)は、自己同期パターンC(i,j)や抽出パターンD(i,j)又は画像I(i,j)やV(i,j)と排他的論理和を求めてもよく、いずれの場合も効果は同じである。
【0084】
[実施の形態3]
従来のスタンプ画像を保存する改竄位置の検出手法では、画像の拡大縮小や回転、切取りなどが起こった場合、保存されているスタンプ画像の形状を参考に改竄画像の拡大縮小や回転,切取りを補正することができる。
【0085】
これに対し本実施の形態では、スタンプ画像を保存しないので、スタンプ画像の形状を参考にできない。よって、下記のような手段によって拡大縮小や回転、切取りに対する対応を行う。
【0086】
1)電子透かしが埋め込まれた画像I'(i,j)に拡大縮小、回転などの全体的な改竄が行われている場合
改竄の定義によるが、拡大縮小、回転も改竄と見なす場合は、画像サイズや形状の変化を気にせず抽出処理を行えば、同じ画素位置における検証対象画像V(i,j)と埋め込み画像I'(i,j)はほとんど異なっており、さらに疑似乱数との対応も異なるために、画像全体の改竄として検出される。よって、この場合何の手段も必要としない。
【0087】
しかし、拡大縮小、回転は改竄と見なさない場合は、予め後述のようなレジストレーション信号を埋め込んでおき、拡大縮小や回転などを補正した後に、改竄位置検出処理を行えば、拡大縮小、回転などの復元可能な変更は改竄と見なさないことも可能である。よってこの場合、図11に示すようにレジストレーション信号による画像補正を画像補正部1201で行った後に、前述の実施の形態1及び2に示した機能を有する改竄位置検出部1102による検証及び改竄位置の検出処理を実行する。
【0088】
2)埋め込まれた画像I'(i,j)に切り取りを行う場合
図1の処理101において生成される自己同期パターンC(i,j)を、例えば最初i=0,j=0からi=i+1としてi=Mまで対応させ、次にj=j+1,i=0の位置から同様の対応をi=M,j=Nまで行う。即ち、画像の上列から順に自己同期パターンC(i,j)を対応させていく場合、埋め込み画像I'(i,j)の下部のみの切取りは、全ての位置でU(i,j)=LSBVとなり、改竄は検出されない。よって、自己同期パターンC(i,j)の画像位置への対応を画像I(i,j)の切取りが行いにくくなるように縦横1ラインずつ行うなどしておく、又は、予めランダムに定めておくことが必要がある。または、画像サイズに応じて自己同期パターンを変えるなどすることも可能である。
【0089】
また前述の実施の形態では、多値画像の場合でのみ説明したが、カラー画像であっても、それをRGBに分解することによって本発明を実施することができる。この場合、RGB毎に別々に行っても、RGBの結果を合成して行っても良い。
【0090】
また、本実施の形態では、自己同期パターンを例にして説明したが、本発明はパターンの違いが容易に識別可能であればよく、これに限定されるものではない。例えば、自己同期パターンでなく、通常の画像を色成分毎に強さを変えて挿入し、色識別によって改竄位置を検出することも可能である。
【0091】
また、自己相関演算は周波数変換して演算することもできるので、自己同期検出は図5に示すような構成に限定されない。
【0092】
また、同期確立のためのtは、初期状態601からの同期状態603に遷移する場合と、改竄状態602からの同期状態603に遷移する場合で変えることも可能である。一般に、初期状態601からの同期確立のためのtの方が、改竄状態602から同期確立のためのtよりも大きく設定すべきである。また、改竄状態602からの同期確立のためのtの値を"1"とする場合には、準同期状態604は経由しないので、tの値に応じて図6の状態遷移図は可変となる。よって、本実施の形態における状態の遷移は図6に限定されるものではない。
【0093】
また自己同期パターンは、簡単のためにM系列を例にして説明したが、疑似乱数は一般に自己同期性を持つために疑似乱数生成器を用いることができる。例えば、図4に示すM系列生成器はmビットを入力し、1ビットを出力する変換テーブルに置換えられる。よって、ある初期値k1から疑似乱数を生成し、新たなmビット入力で1ビット出力のルックアップテーブルの出力に対応させることもできる。
【0094】
また、鍵k0を初期値として疑似乱数を生成し、画像I(i,j)のB成分のLSBを除く各ビットとの排他的論理和をとることによって、画像I(i,j)を画素位置に応じて暗号化して、画像I(i,j)の代わりLSBへの埋め込みパターンを生成しても良い。このとき、抽出処理では同じ鍵k0から生成される疑似乱数を用いて画像V(i,j)を暗号化して同様の処理を行う。
【0095】
[レジストレーション信号]
電子透かしには種々の攻撃が施される可能性がある。このような攻撃としては例えば、JPEGなどの非可逆圧縮、拡大・縮小或いは回転などの幾何変換などが挙げられる。レジストレーション信号とは、それらの種々の攻撃によって生じた幾何的歪みを補正するために埋め込まれる信号である。レジストレーション処理は、電子透かしを埋め込む際に、付加情報とは別に、特定の信号(レジストレーション信号)を画像に付加し、電子透かしを抽出する際には、付加情報を抽出する前に、前記レジストレーション信号を用いて付加情報の抽出を助長する処理である。
【0096】
このレジストレーションを用いた方式としては、米国特許第5636292に提案されている方式が挙げられる。これは、予め埋め込んである幾何パターンを用いて、画像に施された幾何変換を自動的に算出する方式である。また、特開平11−355547号公報に提案されている対称軸を持たない2次元波から構成される方式などもある。
【0112】
[実施の形態
13は、本発明の実施の形態に係る画像埋め込み処理を説明するための概念図である。尚、この実施の形態及びこれ以降の実施の形態においても、画像処理装置及びM系列生成器及びM系列計算器の構成は、前述の図3乃至図5を参照して説明したものと同じであるため、それらの説明を省略する。
【0113】
ここでは原画像I(i,j)をM×N画素からなる多値画像(ここでは、1画素が8ビットの多値画像として説明する)とする。
【0114】
<埋め込み処理(図13)>
まず処理1601で、画像毎に定める値kiを初期値として自己同期パターンC(i,j)を生成する。次に処理1602で、その生成した自己同期パターンC(i,j)を画像I(i,j)のLSBに埋め込み、電子透かしが埋め込まれた画像I'(i,j)を生成する。
【0115】
この電子透かしの埋め込み処理によって得られる電子透かしが埋め込まれた画像I'(i,j)は、画像I(i,j)のLSBを、処理1602において、自己同期パターンC(i,j)に変化させた画像である。ここで、画像I(i,j)がカラー画像である場合、B成分のLSBを変化させる。これは、人間の視覚特性を考慮して、最も原画像の画質劣化が少ない電子透かしの埋め込み処理を実現するためである。
【0116】
次に、こうして埋め込まれた電子透かしを抽出する手法について説明する。尚、ここでは検証対象画像をV(i,j)で表す。
【0117】
<抽出処理(図14)>
14は、電子透かしが埋め込まれた画像V(i,j)から電子透かしを抽出して改竄位置を検出するための処理を説明する図である。
【0118】
まず処理1701で、検証対象画像V(i,j)のLSBを抽出し、それをD(i,j)とする。次に処理1702で、処理1701における出力結果D(i,j)から自己同期をとり、その同期がはずれた位置を改竄位置とする。
【0119】
ここで自己同期パターンC(i,j)は、周期が長く自己相関性の強いビット系列であり、例えばM系列と呼ばれるビット系列が知られている。M系列は情報長m、符号長n=2m−1となる巡回符号であり、m段のシフトレジスタを用いることにより最大長の周期をもつビット列を簡単に生成できる。
【0120】
この様なM系列生成器及びM系列計算機の構成は、前述の図4及び図5を参照して説明しているので、ここではその説明を省略する。
【0121】
このようにして、画像がずらされていたり、部分的な削除・挿入が行われていてもその部分で同期がはずれることにより検出でき、改ざん位置とすることができる。以上説明した画像の埋め込み処理及び抽出処理は、前述の図3に示す画像処理装置を用いることによって実現できる。
【0122】
以上説明したように本実施の形態によれば、スタンプ画像を保存しておく必要がなく、かつ数パターン分のずれ、挿入、削除があっても、自己同期を検出することにより改ざん位置を検出できるという効果がある。
【0123】
[実施の形態
前述の実施の形態では、原画像I(i,j)のLSBに直接自己同期パターンを埋め込んだが、そのままでは、解析がしやすい場合が考えられる。そこで、他のパターンと組み合わせたり、自己同期パターンをさらに変換するなどが考えられる。そこで本実施の形態では、自己同期パターンに別の鍵を初期値とする擬似乱数を用いて解析しにくくした例で説明する。
【0124】
15は、本発明の実施の形態に係る電子透かしの埋め込み処理を説明する模式図である。
【0125】
<埋め込み処理(図15)>
まず処理1801で、画像毎に定める値kiを初期値として自己同期パターンC(i,j)を生成する。次に処理1802で、鍵kを初期値として自己同期パターンと同じ長さの擬似乱数B(i,j)を生成する。次に処理1803に進み、B(i,j)◎C(i,j)を計算する。ただし、ここで◎は、EXOR(排他的論理和)の演算を表す。次に処理1804に進み、原画像I(i,j)のLSBに、{B(i,j)◎C(i,j)}を埋め込むことにより、電子透かし画像I'(i,j)を生成する。
【0126】
ここで前述の実施の形態と異なる点は、自己同期パターンC(i,j)を擬似乱数B(i,j)によってストリーム暗号化している点である。これによって、鍵kを知らない第3者は自己同期パターンの解析が困難になる。
【0127】
更に、鍵kを用いて生成した乱数によって埋め込み位置をLSB以外とすることも可能である。例えば、生成した擬似乱数を2ビット毎に区切り、それを埋め込み位置とすることが考えられる。即ち、“00”をLSB,“01”をLSBの1つ上位のビットに埋め込み、更に“10”,“11”をそれぞれ1つずつ上位のビットに埋め込むことなどが考えられる。
【0128】
<抽出処理(図16)>
16は、本発明の実施の形態に係る電子透かしの抽出及び改竄位置の検出処理を説明する模式図である。
【0129】
まず処理1901で、鍵kを初期値として擬似乱数を生成し、B(i,j)を生成する。次に処理1902で、検証対象画像V(i,j)のLSBを抽出し、U(i,j)とする。次に処理1903で、D(i,j)=U(i,j)◎B(i,j)を計算する。次に処理1904で、D(i,j)から自己同期をとり、同期がはずれた位置を改竄位置とする。
【0130】
従来のスタンプ画像を保存する改竄位置の検出手法では、画像の拡大縮小や回転、切取りなどが起こった場合、保存されているスタンプ画像の形状を参考に改竄画像の拡大縮小や回転,切取りを補正することができる。これに対し本実施の形態では、スタンプ画像を保存しないので、スタンプ画像の形状を参考にできない。よって、前述の図11を参照して説明したような手段によって拡大縮小や回転、切取りに対する対応を行う。
【0131】
また、本実施の形態では、自己同期パターンを例にして説明したが、本発明はパターンの違いが容易に識別可能であればよく、これに限定されるものではない。例えば、自己同期パターンでなく、通常の画像を色成分毎に強さを変えて挿入し、色識別によって改竄位置を検出することも可能である。
【0132】
また、自己相関演算は周波数変換して演算することもできるので、自己同期検出は図5に示すような構成に限定されない。
【0133】
前述の実施の形態では、画像を例に取り、改竄位置の検出手法を説明したが、本発明において対象するデータは画像に限定されるものではなく、例えばデジタルデータをブロック化し、それに対応する改竄位置を検出する検査情報を付加する場合等すべて含まれる。その一例として、前述の図12に示すように、複数のデータブロックによって1つのコンテンツが表されるも同様に実施できる。よって、上記の実施の形態で説明した画素をデータブロックとすれば、任意のコンテンツのデータブロックごとの改ざん位置検出ができることは明らかである。すなわち、複数画素をデータブロックとしてもよいし、音楽情報のように時系列の情報に対しても改ざん位置検出が行える。さらには、コンテンツをデータブロックに分解してパケット通信する場合などに対してもパケット中の改ざん位置が検出可能であることは明らかである。
【0134】
また、JPEGやMPEGなどは外見上一つのデータストリームとして構成されているが、実質は8×8の画素ブロックごと、又はフレーム毎のデータブロックに分解でき、それらのブロックが連続して1つのコンテンツを構成している。図12では簡単のため、データブロックを分解して示したが、外見上1つのデータストリームであっても、或いは実質的に複数のデータブロックから構成されるコンテンツに対しても本発明が適用可能であることも明らかである。
【0135】
本発明は上記実施の形態を実現するための装置及び方法及び実施の形態で説明した方法を組み合わせて行う方法のみに限定されるものではなく、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に、上記実施の形態を実現するためのソフトウエアのプログラムコードを供給し、このプログラムコードに従って上記システムあるいは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施の形態を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0136】
またこの場合、前記ソフトウエアのプログラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体は本発明の範疇に含まれる。
【0137】
このようなプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフロッピィディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0138】
また、上記コンピュータが、供給されたプログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合だけではなく、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施の形態が実現される場合にも、係るプログラムコードは本発明の範疇に含まれる。
【0139】
更に、この供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施の形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0140】
以上説明したように本実施の形態によれば、従来はできなかったような、同じ鍵を用いて異なる画像の埋め込み処理をしても安全な電子透かしによる改竄位置の検出手法が実現できる。
【0141】
更に、本実施の形態によれば、スタンプ画像は保存する必要がなく、鍵のみの秘匿でよいため効率的である。
【0142】
また本実施の形態によれば、従来はできなかったような、デジタルコンテンツのずれや挿入・削除といった改ざん部分のみを検出することができる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電子透かし手法のアルゴリズムや埋め込みパターンが知られたとしても、確実に改竄位置を検出できる。
【0144】
また本発明によれば、スタンプ画像を保存する必要がなく、かつ同じ鍵を用いて異なる画像データに埋め込み処理を行っても、その画像データにおける改竄位置を確実に検出できるという効果がある。
【0145】
また本発明によれば、従来はできなかったような、デジタル画像のずれや挿入或は削除といった改ざん部分のみを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る画像の埋め込み処理の概要を説明する概念図である。
【図2】 実施の形態1における埋め込み画像の抽出及び改竄位置の特定処理を説明する概要図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロックである。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る自己同期パターン生成器の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る自己同期パターン計算器の構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係る自己同期をとるための状態遷移を説明する図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係る画像の埋め込み処理を説明する概念図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係る画像の埋め込み処理の概要を説明する概念図である。
【図9】 実施の形態2における埋め込み画像の抽出及び改竄位置の特定処理を説明する概要図である。
【図10】 本発明の実施の形態2に係る画像の埋め込み処理を説明する概念図である。
【図11】 本発明の実施の形態3に係る抽出処理の概要を説明する図である。
【図12】 本発明の実施の形態3に係るデータブロックへの検査ビットの埋め込みを説明する図である。
【図13】 本発明の実施の形態に係る画像の埋め込み処理の概要を説明する概念図である。
【図14】 実施の形態における埋め込み画像の抽出及び改竄位置の特定処理を説明する概要図である。
【図15】 本発明の実施の形態に係る画像の埋め込み処理の概要を説明する概念図である。
【図16】 実施の形態における埋め込み画像の抽出及び改竄位置の特定処理を説明する概要図である。

Claims (14)

  1. 順序付けられた複数の画素から構成される画像データに対して自己同期性をもつ第1パターンを生成する第1パターン生成手段と、
    前記画像データに依存した第2パターンを生成する第2パターン生成手段と、
    前記第1パターンと前記第2パターンとから埋め込みパターンを生成する埋め込みパターン生成手段と、
    前記埋め込みパターンを前記画素に埋め込むパターン埋め込み手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第2パターン生成手段は、初期値を基に擬似乱数を発生する擬似乱数発生手段を有し、前記画像データと前記擬似乱数とに基づいて前記第2パターンを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記パターン埋め込み手段は、前記画素のLSBに埋め込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1パターン生成手段は、画像毎に異なる初期値を用いて、自己同期パターンを生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 更に、前記画像の拡大縮小及び回転を補正する補正手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記順序付けられた複数の画素から第3パターンを抽出する第3パターン抽出手段と、
    前記第3パターン抽出手段により抽出された前記第3パターンの自己同期性を検査する検査手段とを更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 順序付けられた複数の画素から構成される画像データに対して自己同期性をもつ第1パターンを生成する第1パターン生成工程と、
    前記画像データに依存した第2パターンを生成する第2パターン生成工程と、
    前記第1パターンと前記第2パターンとから埋め込みパターンを生成する埋め込みパターン生成工程と、
    前記埋め込みパターンを前記画素に埋め込むパターン埋め込み工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  8. 前記第2パターン生成工程は、初期値を基に擬似乱数を発生し、前記画像データと前記擬似乱数とに基づいて前記第2パターンを生成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 前記パターン埋め込み工程では、前記画素のLSBに埋め込むことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理方法。
  10. 前記第1パターン生成工程は、画像毎に異なる初期値を用いて、自己同期パターンを生成することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  11. 更に、前記画像の拡大縮小及び回転を補正する補正工程を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  12. 前記順序付けられた複数の画素から第3パターンを抽出する第3パターン抽出工程と、
    前記第3パターン抽出工程で抽出された前記第3パターンの自己同期性を検査する検査工程とを更に有することを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
  13. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを格納し、コンピュータが読み取り可能なコンピュータ可読記憶媒体。
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