JP3943629B2 - オートマチックトランスミッション用ホイルステータ - Google Patents

オートマチックトランスミッション用ホイルステータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のオートマチックトランスミッションのトルクコンバータに組み込んで使用されるオートマチックトランスミッション用ホイルステータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7はオートマチックトランスミッションのトルクコンバータを示すものであり、ドーナツ状容器で形成されるポンプ11にポンプインペラー12を設け、出力軸13に連結されたタービンランナー14をポンプ11内に組み込むと共にポンプインペラー12とタービンランナー14との間にホイルステータ1を組み込んでトルクコンバータが構成されるようになっている。ホイルステータ1は出力軸13を包むように筒状に形成されるステータ軸15に取り付けてあり、ステータ軸15に固定される中心部の摺動部2と外周部の羽根部16とから形成してある。そしてポンプ11はエンジンのクランクシャフト17に取り付けてあり、エンジンからの出力でポンプ11が回転駆動されるようになっている。
【0003】
このようにポンプ11が回転駆動されると、ポンプ11内のオイル(オートマチックフュール:ATF)はポンプインペラー12で圧送されてタービンランナー14に当たり、ポンプインペラー12からタービンランナー14へオイルを介して動力が伝達され、タービンランナー14が回転される。このタービンランナー14の回転は出力軸13から出力される。このとき、ポンプ11内のオイルの流れは図7の矢印のようになるが、ポンプインペラー12とタービンランナー14との間にホイルステータ1の羽根部16を介在させることによって、タービンランナー14からポンプインペラー12へ戻るオイルの流れをホイルステータ1の羽根部16で規制し、タービンランナー14の回転のトルクを増大させるようにしてある。
【0004】
ホイルステータ1はこのような目的のためにオートマチックトランスミッションのトルクコンバータに組み込まれているが、従来はアルミニウム等の金属で作製されたものが主流である。またホイルステータ1の摺動部2はポンプ11の内壁部と摺動するリング状の部位であるが、この摺動部2にはベアリングを用いて摩耗の対策がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし金属製のホイルステータ1は軽量化に限界があり、またベアリングを組み込むために部品点数が20点ほど必要であって、構造が複雑化すると共にコストの面でも問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、軽量に形成することができると共に、ベアリングを用いずに低摩耗で滑らかな回転性能を発揮させることができるオートマチックトランスミッション用ホイルステータを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るオートマチックトランスミッション用ホイルステータは、中心部の摺動部2と外周部の羽根部16とを一体に成形した熱硬化性樹脂成形品でホイルステータ1を形成し、リング状に形成される上記摺動部2に、円形の溝3と、円形の溝3に連通して円形の溝3の外側と内側においてそれぞれ設けられる放射状の溝4,5とからなる油溝6を凹設し、円形の溝3を、その溝幅の中心線の半径Rが、R=R +(R −R )・X(R =摺動部の外周半径、R =摺動部の内周半径、X=0.2〜0.8)となるように形成して成ることを特徴とするものである。
【0007】
また請求項2の発明は、円形の溝3の外側と内側の放射状の溝4,5をそれぞれ5〜20本設けて成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項の発明は、油溝6の面積が摺動部2の面積の30〜60%の範囲になるように、摺動部2に油溝6を設けて成ることを特徴とするものである。
また請求項の発明は、油溝6を1〜5mmの深さに形成して成ることを特徴とするものである。
また請求項の発明は、摺動部2に摺接する相手材の回転方向に対して、外側の放射状の溝4を反対方向に、内側の放射状の溝5を同方向に、それぞれ傾斜させて設けて成ることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項の発明は、放射状の溝4,5を直線あるいは曲線に形成して成ることを特徴とするものである。
また請求項の発明は、油溝6の凹設によって摺動部2に形成される凸部7の周囲を面取り加工して成ることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
ホイルステータ1は、図1に示すように、中心部の摺動部2と、摺動部2の外周に設けられる外周部の羽根部16とから形成されるものであり、熱硬化性樹脂成形材料を成形加工することによって一体に成形して作製してある。図1のような形状に対応するキャビティを加工した金型を作製し、この金型で成形加工することによってホイルステータ1を得ることができるものであり、成形方法は特に限定されないが、量産性に優れた射出成形が望ましい。またホイルステータ1を成形する熱硬化性樹脂成形材料としては、特に限定されるものではないが、強度や耐久性等を考慮すると、ガラス繊維等の補強材を含有する熱硬化性樹脂成形材料を用いるのが好ましく、樹脂の種類としてはフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましい。
【0011】
ホイルステータ1の摺動部2はステータ軸15に外嵌されるリング状の部位であり、摺動部2の片側表面がトルクコンバータのポンプ11の一部に摺接されるように、ポンプ11内にホイルステータ1を組み込むようになっている。また羽根部16は複数枚の羽根16aを放射状に設けて形成されるものである。
そして本発明では、摺動部2の摺動面に油溝6を設けるようにしてある。油溝6は図2(a)に示すように、リング状の摺動部2の内周及び外周と同心の円形の溝3と、円形の溝3の外側と内側においてそれぞれ複数本ずつ設けられる放射状の溝4,5とで形成されるものであり、外側の放射状溝4はその内側端が円形溝3と連通し、内側の放射状溝5はその外側端が円形溝3と連通するようにしてある。また外側の放射状溝4はその外側端が摺動部2の外周で、内側の放射状溝5は内側端が摺動部2の内周でそれぞれ開口するように形成してある。円形溝3と放射状溝4,5は同じ深さになるように凹設してあり、円形溝3と放射状溝4,5からなる油溝6以外の箇所は図2(b)及び図3に示すように凸部7となる。
【0012】
上記のような油溝6を摺動部2に設けたホイルステータ1は、既述の図7のようにポンプ11内に組み込んでオートマチックトランスミッションのトルクコンバータを構成する部品として使用されるものである。そしてホイルステータ1の摺動部2にはポンプ11の一部が相手材として摺接するが、摺動部2の摺接面には油溝6が設けてあるので、ポンプ11内のオイル(ATF)が油溝6内に充填されると共に相手材の回転により油溝6内のオイルに流れが生じて摺動部2の表面に滲み出し、摺動部2と相手材との間の界面に油膜ができて潤滑効果が発生し、ホイルステータ1の摺動部2の摩耗を防ぐことができるものである。従って、ホイルステータ1の摺動部2にベアリングを設けるような必要がなくなり、部品点数を少なくすることができて、構造を単純化することができると共にコスト安価に作製することが可能になるものである。
【0013】
ここで、オイルによる摺動部2と相手材との間の潤滑効果を高く得るためには、摺動部2に設ける油溝6を円形溝3及びその外側と内側の放射状の溝4,5で形成することが必要であり、例えば円形の溝がなく放射状の溝のみで油溝6を形成する場合には、潤滑効果が不十分になって、摺動部2に摩耗が発生し易い。この円形溝3は、その溝幅の中心の線の半径Rが、R=R+(R−R)・X
(R=摺動部の外周半径、R=摺動部の内周半径、X=0.2〜0.8)となるように形成する。Xが0.2未満の場合、すなわち円形溝3の中心線の半径Rが上記の式の範囲より内周側寄りになると、摺動部2の外周部の潤滑効果が低下してこの部分の摩耗が大きくなり、またXが0.8を超える場合、すなわち円形溝3の中心線の半径Rが上記の式の範囲より外周側寄りになると、摺動部2の内周部の潤滑効果が低下してこの部分の摩耗が大きくなる。
【0014】
また、円形溝3より外側の放射状溝4や、内側の放射状溝5の本数は、それぞれ5〜20本に設定するのが好ましい。放射状溝4や放射状溝5の本数が20本を超えると、放射状溝4間や放射状溝5間の凸部7が小さくなり、強度低下による凸部7の割れや欠けが生じて破損が発生するおそれがあり、放射状溝4や放射状溝5の本数が5本未満であると、逆に凸部7が大きくなり過ぎて潤滑効果が低下し、摩耗が大きくなる。ここで、放射状溝4,5の本数は角度で表示することもできる。すなわち、隣合う放射状溝4の一方の放射状溝4の一端aとホイルステータ1の中心oを結ぶ線と、他方の放射状溝4の一端bとホイルステータ1の中心oを結ぶ線とがなす角度をθとすると(隣合う放射状溝5の一方の放射状溝5の一端a′とホイルステータ1の中心oを結ぶ線と、他方の放射状溝5の一端b′とホイルステータ1の中心oを結ぶ線とがなす角度θについても同じ)、
18°≦θ≦72°
となるようにθを設定するようにすればよい。
【0015】
図1〜図3に示す例では、外側の放射状溝4と内側の放射状溝5を共にθ=36°に設定して、それぞれ10本ずつ等間隔に設けるようにしてあり、外側の放射状溝4と内側の放射状溝5は同じ位置で円形溝3に連通するようにしてある。図4の例では、外側の放射状溝4と内側の放射状溝5を共に15本ずつ等間隔に設けるようにしてあり、外側の放射状溝4と内側の放射状溝5は同じ位置で円形溝3に連通するようにしてある。図5の例では、外側の放射状溝4と内側の放射状溝5を共に15本ずつ等間隔に設けるようにしてあるが、外側の放射状溝4と内側の放射状溝5が相互にずれるように異なる位置で円形溝3に連通するようにしてある。図6の例では、外側の放射状溝4は2本を一組として等間隔に10組(合計20本)設け、内側の放射状溝5は等間隔で10本設けるようにしてある。
【0016】
また、摺動部2に摺動する相手材(ポンプ11)がホイルステータ1に対して図2の矢印方向に回転するとした場合に、円形溝3より外側の放射状溝4は相手材の回転方向に対して反対方向に外方へ向けて傾斜するようにしてあり、また内側の放射状溝5は相手材の回転方向に対して同方向に外方へ向けて傾斜するようにしてある。放射状溝4,5をこのように傾斜させることによって、相手材の回転による油溝6内のオイルの流れが良好になり、油溝6からのオイルの滲み出が良好になって摺動部2と相手材との間の潤滑効果を良好に得ることができるものである。放射状溝4,5の傾斜の角度は、摺動部2の中心oを通る放射線に対して放射状溝4,5の溝幅の中心線がなす角度θ1 ,θ2 が30°〜60°の範囲になるように設定するのが好ましい。これ以外の角度では、摺動部2と相手材との界面へのオイルの滲み出しが悪くなって良好な潤滑効果を得ることができないおそれがある。
【0017】
またこの放射状の溝4,5は直線状あるいは曲線状のいずれで形成してもよい。図の例では、外側の放射状溝4は直線状に、内側の放射状溝5は曲線状に形成するようにしてある。また放射状の溝4,5は溝幅が一定(溝の両側縁が平行)であってもよいが、溝幅が変化するように形成してもよい。図1〜図5の例では、外側の放射状溝4は外側端ほど溝幅が広がるように形成してあり、内側の放射状溝5は溝幅が一定になるように形成してある。
【0018】
さらに、円形溝3と放射状の溝4,5から構成される油溝6の溝の深さは、1mm〜5mmの範囲に設定するのが好ましい。油溝6の深さが1mm未満では、オイルの滲み出し効率が低下し充分な潤滑効果を得ることができず、逆に油溝6が5mmを超えて深いと、凸部7の強度が低下して割れや欠け等の破損が生じるおそれがある。また円形溝3や放射状の溝4,5の溝幅は特に制限されないが、円形溝3や放射状の溝4,5から構成される油溝6の面積が、摺動部2の摺動面の面積の30〜60%になるように、油溝6を形成するのが好ましい。油溝6の面積が摺動部2の30%未満では、摺動部2と相手材との界面へのオイルの滲み出しが悪くなって良好な潤滑効果を得ることができず、逆に油溝6の面積が摺動部2の60%を超えると、凸部7が小さくなり、強度が低下して割れや欠け等の破損が生じるおそれがある。
【0019】
また、凸部7の表面の周囲には面取り加工を施して、断面円弧状のアールを付けるようにしてもよい。このように凸部7の周囲を面取り加工することによって、油溝6から摺動部2と相手材との界面へのオイルの滲み出しが良好になり潤滑効果を高く得ることができるものである。面取りは半径R=0.5mm〜2.0mmの範囲で行なうのが好ましい。
【0020】
次に、ステータ模型を作製して、本発明の効果を実証する。
(ステータ模型の作製)
松下電工株式会社製ガラス強化材含有フェノール樹脂成形材料「CY4713」を用い、厚み20mm、外径φ=77mm(外周半径R1 =38.5mm)、内径φ=44.5mm(内周半径R2 =22.25mm)のリング状の摺動部2のみからなる図3のようなステータ模型を作製した。そしてこのステータ模型の摺動部2の片面に表1の条件で形成した油溝6を設け、ステータ模型A〜Gとした。表1において、ステータ模型GのX値=0.0は、円形溝3を設けないことを意味し、ステータ模型Gの油溝角度θ1 =0は、放射状溝は傾斜せず放射方向に真っ直ぐ形成されていることを意味する(従ってステータ模型Gの油溝6は傾斜しない放射状の溝のみからなる)。
【0021】
【表1】
Figure 0003943629
【0022】
(ステータ模型の摩耗試験)
図8に示すようなホイルステータ試験機を用いてステータ模型の摺動部2の摩耗試験を行なった。すなわち、オイルバス18にオイル(ATF)17を満たして120℃に加熱温調し、オイルバス18に底部から回転軸19を貫通させて取り付けると共に、回転軸19の上端に相手材20を取着し、回転しないように固定したステータ模型の摺動部2をその油溝6を設けた面を相手材20に当接させて相手材20の上に乗せ、摺動部2に直線矢印のように400kgfの荷重を作用させた。そして回転軸19をモータで曲線矢印のように回転駆動することによって相手材20を3000rpmの回転数で30時間回転させ、ステータ模型の摺動部2の摩耗量を測定した。
【0023】
また、回転軸19を駆動するモータの電流値を測定することによって、回転抵抗性を評価し、さらに回転試験中の回転の滑らかさ具合を目視・聴覚で確認して、回転の滑らかさの評価を行なった。
これらの結果を表2に示す。尚、比較例2は、摺動部2に油溝6を設けないようにしたものである。
【0024】
【表2】
Figure 0003943629
【0025】
表2にみられるように、円形溝3と放射状溝4,5からなる油溝6を設けた各実施例のステータ模型は、摩耗量が少なく、また回転抵抗が小さく、回転も滑らかなものであり、円形溝3と放射状溝4,5からなる油溝6を設けることによる効果が確認された。
【0026】
【発明の効果】
上記のように本発明は、中心部の摺動部と外周部の羽根部とを一体に成形した熱硬化性樹脂成形品でホイルステータを形成し、リング状に形成される上記摺動部に、円形の溝と、円形の溝に連通して円形の溝の外側と内側においてそれぞれ設けられる放射状の溝とからなる油溝を凹設するようにしたので、相手材の回転により油溝内でオイルに流れが生じて摺動部の表面に滲み出し、摺動部と相手材との間の界面で潤滑効果が発生し、摺動部の摩耗を防ぐことができると共に滑らかな回転性能を得ることができるものであり、摺動部にベアリングを設けるような必要がなくなって部品点数を少なくすることができ、構造を単純化することができると共にコスト安価に作製することが可能になるものである。しかもこのホイルステータは熱硬化性樹脂によって軽量に形成することができるものである。
【0027】
た本発明は、円形の溝を、その溝幅の中心線の半径Rが、
R=R+(R−R)・X
(R=摺動部の外周半径、R=摺動部の内周半径、X=0.2〜0.8)となるように形成したので、摺動部の外周部や内周部の潤滑効果が低下して摩耗が発生することを防ぐことができるものである。
【0028】
また請求項の発明は、円形の溝の外側と内側の放射状の溝をそれぞれ5〜20本設けるようにしたので、凸部に強度低下による割れや欠けなどの破損が生じることがないと共に、潤滑効果が低下して摩耗が発生することを防ぐことができるものである。
また請求項の発明は、油溝の面積が摺動部の面積の30〜60%の範囲になるようにしたので、凸部に強度低下による割れや欠けなどの破損が生じることがないと共に、潤滑効果が低下して摩耗が発生することを防ぐことができるものである。
【0029】
また請求項の発明は、油溝をその深さを1〜5mmに形成するようにしたので、凸部に強度低下による割れや欠けなどの破損が生じることがないと共に、潤滑効果が低下して摩耗が発生することを防ぐことができるものである。
また請求項の発明は、摺動部に摺動する相手材の回転方向に対して、外側の放射状の溝を反対方向に、内側の放射状の溝を同方向に、それぞれ傾斜させて設けるようにしたので、相手材の回転による油溝内のオイルの流れが良好になり、オイルの滲み出が良好になって潤滑効果を高く得ることができるものである。
【0030】
また請求項の発明は、油溝の凹設によって摺動部に形成される凸部の周囲を面取り加工するようにしたので、油溝から摺動部と相手材との界面へのオイルの滲み出しが良好になり潤滑効果を高く得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図2】同上の実施の形態における羽根部を省略した摺動部を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】同上の実施の形態における羽根部を省略した摺動部の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態における羽根部を省略した摺動部を示すものであり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における羽根部を省略した摺動部を示すものであり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における羽根部を省略した摺動部を示すものであり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図7】オートマチックトランスミッションのトルクコンバータの一例を示す断面図である。
【図8】ホイルステータ試験機の概略図である。
【符号の説明】
1 ホイルステータ
2 摺動部
3 円形溝
4 外側の放射状溝
5 内側の放射状溝
6 油溝
7 凸部
16 羽根部

Claims (7)

  1. 中心部の摺動部と外周部の羽根部とを一体に成形した熱硬化性樹脂成形品でホイルステータを形成し、リング状に形成される上記摺動部に、円形の溝と、円形の溝に連通して円形の溝の外側と内側においてそれぞれ設けられる放射状の溝とからなる油溝を凹設し、円形の溝を、その溝幅の中心線の半径Rが、R=R +(R −R )・X(R =摺動部の外周半径、R =摺動部の内周半径、X=0.2〜0.8)となるように形成して成ることを特徴とするオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
  2. 円形の溝の外側と内側の放射状の溝をそれぞれ5〜20本設けて成ることを特徴とする請求項1に記載のオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
  3. 油溝の面積が摺動部の面積の30〜60%の範囲になるように、摺動部に油溝を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
  4. 油溝を1〜5mmの深さに形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
  5. 摺動部と摺動する相手材の回転方向に対して、外側の放射状の溝を反対方向に、内側の放射状の溝を同方向に、それぞれ傾斜させて設けて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
  6. 放射状の溝を直線あるいは曲線に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
  7. 油溝の凹設によって摺動部に形成される凸部の周囲を面取り加工して成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のオートマチックトランスミッション用ホイルステータ。
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