JP3942469B2 - Sewing machine cloth cutting equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被縫製物にボタン穴を形成するためのミシンの布切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、布(被縫製物)に形成したボタン穴の周囲にかがり縫いを行うミシンとしてボタン穴かがり縫いミシンが知られている。このボタン穴かがりミシンには、ミシン針の近傍に、上下に対峙してメスとメス受けが設けられている。
なお、ボタン穴としては、滴状の穴(鳩目部)と直線状の穴(直線部)が連結して形成される鳩目穴(鳩目ボタン穴ともいう)と、直線状の穴(直線部)のみから形成される眠り目穴とがある。
【0003】
そして、鳩目穴形成用のメスは、例えば、鳩目部を形成する滴状の刃と直線部を形成する直線状の刃とが連結した形状を備えており、また、眠り目穴形成用のメスは、直線部を形成する直線状の刃を備えている。そして、メス受け上に布地を載置した状態で、メスを下降駆動し、布地及びメス受けに対して押し当てることでボタン穴を形成するようになっている。
このようなボタン穴かがりミシンでは、形成可能なボタン穴かがり縫いの大きさや形状について、パターンデータを複数記憶し、操作パネル上でその1つを呼び出すことによって所定のボタン穴かがり縫いを行っていた。
【0004】
図35は、ボタン穴かがり縫いを行う際の従来のパターンデータのテーブルを示しており、1〜7のデータ項目を有するパターンデータを9種類記憶することが可能である。
データ項目1は、鳩目穴の鳩目部分を形成するメスの形状を設定するものである。図36(a)に示すように鳩目部Eの大きさを横幅ewと縦長さelとによって規定し、これらewとelの組み合わせを図36(b)に示すように予めテーブルとして記憶している。データ項目1では、鳩目穴を形成する場合には数字1〜5の中から一つを選択し、眠り目穴を形成する場合には数字0を選択するようになっている。
【0005】
データ項目2〜6は、図36(c)に示すように鳩目穴かがりを構成する各部の針数や長さに関するデータである。すなわち、図36(d)のテーブルに示すように、データ項目2は、穴かがり長さ(ml)、データ項目3は直線部針数(ln)、データ項目4は鳩目部針数(en)、データ項目5は直線部メススペース(ls)、データ項目6は鳩目部メススペース(es)である。データ項目7は、かがり縫いの前に布切りを行う先メス、かがり縫いの後に布切りを行う後メスを選択するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ボタン穴は、服の種類やデザイン毎に異なる形状が要求されるため、異なる形状のボタン穴を形成する際には、基本的にメス及びメス受けを交換する必要がある。従って、単に、ボタン穴の直線部の長さのみを変更する場合でも、これに対応したメスとメス受けを用いる必要があり、これらメス及びメス受け交換作業に手間がかかっていた。
また、スーツの襟に形成するフラワーホールのように、ボタン穴以外の穴の形成にボタン穴かがりミシンを用いることがあるが、このフラワーホールには、直線部分のない鳩目部のみの穴を形成する場合と、眠り目で形成する場合とがあり、いずれの場合にもボタン穴の長さや種類を変更するためには上記同様にメスとメス受けを交換しなければならなかった。
【0007】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、布切りメス及びメス受けを取りかえることなく、様々な長さや種類のボタン穴を形成できるミシンの布切断装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば図18〜24に示すように、被縫製物にボタン穴を形成すると共にボタン穴の周囲に穴かがり縫い目を形成するミシン(200)に設けられ、鳩目部(90)と直線部(91)とからなる鳩目ボタン穴(92)の前記鳩目部を形成する鳩目メス部(鳩目メス101b)と、前記直線部を形成する直線メス部(直線メス102b)とを有する布切りメスと、前記布切りメスに上下に対向して配設され、前記鳩目メス部と合致する鳩目メス受け部(160b)と、前記直線メス部と合致する直線メス受け部(160c)とを有するメス受け(平面メス受け160あるいは段差メス受け167)とを備える布切り手段と、前記布切りメスと前記メス受けが接離するように一方を上下方向に駆動する布切り駆動手段(メス受け駆動手段170)とを備え、前記布切り手段は、布切りメスとメス受けとが接し合致したときに被縫製物を切断しボタン穴を形成するミシンの布切断装置(201)であって、前記布切りメスの前記鳩目メス部と前記直線メス部の少なくとも一方は、前記メス受けと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、前記メス受けと合致しない第二位置とをとるように移動可能に構成され、前記鳩目メス部と前記直線メス部のうち第一位置と第二位置とをとるものについて、第一位置と第二位置との間を移動させる移動手段(エアシリンダ110、バネ108)を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、布切りメスのうち、移動手段により、前記鳩目メス部と前記直線メス部の少なくとも一方は、前記メス受けと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、前記メス受けと合致しない第二位置とを移動することができる。これにより、多様なボタン穴を形成することができる。例えば、メス受けが鳩目メス受け部と直線メス受け部とが平坦に形成されたタイプであって、鳩目メス部のみが移動手段により移動する場合、鳩目メス部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは直線状のボタン穴(眠り目穴)を形成することができる。また、直線メス部のみが移動する場合には、直線メス部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは鳩目部のみ形成でき、フラワーホールなどに利用できる。両方、移動可能であれば、鳩目ボタン穴、眠り目穴、鳩目部のみの3種類形成することができる。従って、布切りメスを交換することなく、各種ボタン穴を形成することができる。
【0025】
さらに、請求項10のように、前記布切り手段を、被縫製物に対し、被縫製物に形成される前記鳩目ボタン穴の直線部に平行する方向に相対的に移動可能とする相対移動手段(例えば、送り台14)が設けられていれば、請求項1の作用効果に加えて、布切りメスを取り替えなくても、布切り手段を被縫製物に対して相対的に移動させながら、切り足すことができるようになり、様々な長さのボタン穴を形成できる。
【0026】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの布切断装置であって、例えば図22、図23に示すように、メス受けとして、鳩目メス受け部と直線メス受け部とがほぼ同一の水平面に形成された平面メス受け(160)と、鳩目メス受け部と直線メス受け部とが異なる水平面に形成されるように段差が設けられている段差メス受け(167)との両方を取り付け可能に構成され、いずれか一方を取り付けて用いることを特徴とする。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、メス受けとして平面メス受けと段差メス受けの両方を取り付けることができる。これにより、選択できるバリエーションが増える。例えば、鳩目メス部のみ移動できる場合でも、鳩目メス受け部の方がよりメス側に近くなるように段差を有する段差メス受けを用いれば、鳩目部のみ形成することが可能となり、結局、鳩目ボタン穴、直線部、鳩目部のみの3種類形成することができる。また、逆に直線メス部のみ移動できる場合でも、直線メス受け部の方がよりメス側に近くなるように段差を有する段差メス受けを用いれば、鳩目ボタン穴、直線部、鳩目部のみの3種類形成することができる。鳩目部のみの形成が不要であれば、段差メス受けより効率的に鳩目ボタン穴を形成できる平面メス受けを用いればよい。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のミシンの布切断装置であって、例えば図27に示すように、ボタン穴及び穴かがり縫い目を形成するための制御データを複数記憶する記憶手段(RAM52)を備え、前記制御データには、平面メス受けと布切りメスとによる鳩目ボタン穴の形成と、平面メス受けまたは段差メス受けのいずれかと、布切りメスの直線メス部のみとによる直線状の穴の形成と、段差メス受けと布切りメスとによる鳩目ボタン穴の形成と、段差メス受けと鳩目メス部のみとによる鳩目部の形成のいずれかを選択するための穴種類選択データ(データ項目10)が含まれ、前記穴種類選択データで選択された穴を形成するように、前記布切り駆動手段と、前記移動手段とを所定のタイミングで制御駆動する制御手段(CPU54)を備えることを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の発明によれば、穴種類選択データについて、平面メス受けと段差メス受けとの両方取り付けできることを利用して、平面メス受けと布切りメスの鳩目メス部と直線メス部とによる鳩目ボタン穴の形成と、平面メス受けまたは段差メス受けのいずれかと、直線メス部のみとにより形成される直線状の穴の形成と、段差メス受けと布切りメスの鳩目メス部と直線メス部とによる鳩目ボタン穴の形成と、段差メス受けと鳩目メス部のみとによる鳩目部のみの形成のいずれかを選択することで、制御手段の制御の下で、前記布切り駆動手段と、前記移動手段により所望の穴が形成される。
【0030】
請求項1に記載のミシンの布切断装置において、移動手段による移動は、具体的には、請求項4〜6のような構成が挙げられる。すなわち、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの布切断装置であって、鳩目メス部は、鳩目メス用土台(104)に対して固定され、鳩目メス用土台が回動することで前記第一位置と前記第二位置との間を移動することを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの布切断装置であって、例えば図31、図32に示すように鳩目メス部(鳩目メス101b)は、鳩目メス用土台(304)に対して固定され、鳩目メス用土台が直線状にスライド移動することで前記第一位置と前記第二位置との間を移動することを特徴とする。
【0031】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの布切断装置であって、例えば図34に示すように、鳩目メス部(鳩目メス501b)及び直線メス部(直線メス502b)はともに布切りメス土台(回動メス土台504)に対して固定され、布切りメス土台が回動することで、鳩目メス部及び直線メス部が、交互に、前記第一位置と前記第二位置との間を移動することを特徴とする。
【0032】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの布切断装置であって、前記鳩目メス部は、鳩目メス用土台(104)に固定され、鳩目メス用土台の移動に伴って第一位置と第二位置とを移動するように構成され、鳩目メス部及び鳩目メス用土台の内側から外部に向かって、鳩目メス部と鳩目メス受け部が合致して被縫製物に鳩目部が形成されることで生じる鳩目状の布屑を回収するための布屑経路(101e、104a)が、鳩目メス部の移動を阻止しない方向に形成され、布屑経路を通り抜けた布屑は、吸引器(134)に接続され、かつ、前記布屑経路に接続されていないパイプ(133)内に排出されるように構成されていることを特徴とする。
【0033】
鳩目部を形成することで必ず布屑が生じ、従来よりこれを鳩目メス部に連なる所定の経路で回収していたが、鳩目メス部が第一位置と第二位置とを移動するように構成されている場合、どのような経路で回収するかは実際上重要である。請求項7に記載の発明によれば、鳩目部を形成する際に生じる布屑を回収するための布屑経路が、鳩目メス部の移動を阻止しない方向に鳩目メス部及び鳩目メス用土台の内側から外部に向かって形成されているので、鳩目メス部の移動に干渉しないコースで布屑を回収することができる。その上、布屑経路から排出された布屑は、吸引器(134)に接続され、かつ、前記布屑経路とは接続されていないパイプ(133)内に排出されることで、確実に吸引される。また、布屑経路とパイプは接続されておらず、つまり布屑を回収する経路が途中で分断されることになるので、その分断箇所を境に、鳩目メス部の移動方向などに応じてメス側の布屑経路のみを変更することが可能になり、布屑経路の設計の自由度が高い。
【0034】
請求項8に記載の発明は、例えば図33に示すように、被縫製物にボタン穴を形成すると共にボタン穴の周囲に穴かがり縫い目を形成するミシンに設けられ、鳩目部(90)と直線部(91)とからなる鳩目ボタン穴(92)の前記鳩目部を形成する鳩目メス部(412)と、前記直線部を形成する直線メス部(413)とを有する布切りメス(411)と、前記布切りメスに上下に対向して配設され、前記鳩目メス部と合致する鳩目メス受け部(鳩目メス受け401)と、前記直線メス部と合致する直線メス受け部(直線メス受け402)とを有するメス受けとを備える布切り手段と、前記布切りメスと前記メス受けが接離するように一方を上下方向に駆動する布切り駆動手段とを備え、前記布切り手段は、布切りメスとメス受けとが接し合致したときに被縫製物を切断しボタン穴を形成するミシンの布切断装置(400)であって、前記メス受けの前記鳩目メス受け部と前記直線メス受け部の少なくとも一方は、前記布切りメスと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、前記布切りメスと合致しない第二位置とをとるように移動可能に構成され、前記鳩目メス受け部と前記直線メス受け部のうち第一位置と第二位置をとるものについて、第一位置と第二位置との間を移動させる移動手段(エアシリンダ110、バネ108)を備えることを特徴とする。
【0035】
請求項8に記載の発明によれば、メス受けのうち、移動手段により、鳩目メス受け部と直線メス受け部の少なくとも一方は、布切りメスと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、布切りメスと合致しない第二位置とを移動することができる。これにより、多様なボタン穴を形成できる。例えば、布切りメスが鳩目メス部と直線メス部がほぼ平坦に形成されたタイプであって、鳩目メス受け部のみが移動する場合、鳩目メス受け部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは直線状のボタン穴(眠り目穴)を形成することができる。また、直線メス受け部のみが移動する場合、直線メス受け部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは鳩目部のみ形成でき、フラワーホールなどに利用できる。両方、移動可能であれば、鳩目ボタン穴、眠り目穴、鳩目部のみの3種類形成することができる。従って、メス受けを交換することなく、各種ボタン穴を形成することができる。
【0036】
さらに、請求項10のように、前記布切り手段を、被縫製物に対し、被縫製物に形成される前記鳩目ボタン穴の直線部に平行する方向に相対的に移動可能とする相対移動手段(例えば、送り台14)が設けられていれば、メス受けを取り替えなくても、布切り手段を被縫製物に対して相対的に移動させながら、切り足すことができるようになり、様々な長さのボタン穴を形成できる。なお、請求項10において、相対移動手段によって、布切り手段全体が移動してもよいし、被縫製物が移動してもよい。
【0037】
請求項1及び請求項8において、布切りメスとメス受けはどちらが上でもよい。
【0038】
請求項8に記載のミシンの布切断装置において、移動手段による移動は、例えば請求項9に記載の発明のように、鳩目メス受け部は、鳩目メス受け用土台(404)に対して固定され、鳩目メス受け用土台が回動することで前記第一位置と前記第二位置との間を移動するように構成してもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
以下、ミシンの制御装置をボタン穴かがりミシン(以下、「ミシン」という。)に適用した場合について詳細に説明する。
図1〜図4に示すミシン10は、自動制御により、ボタン穴を形成するとともに、該ボタン穴の周囲にかがり縫いを施すものである。前記ボタン穴としては、例えば、図9(a)に示すように、滴状の穴(鳩目部90)と直線状の穴(直線部91)が連結して形成される鳩目穴92(以下、「鳩目ボタン穴」ともいう)と、図9(c)に示すように、直線状の穴93のみから形成される眠り目穴94とがある。なお、図1は、布切りメス61をメス受け62上に下降させた状態を示しており、図2及び図3は布切りメス61を原点位置に待機させた状態を示している。
【0040】
ミシン10は、被縫製物が上面側に載置されるベッド部11、該ベッド部11から上方に立ち上がった状態の脚柱部12、該脚柱部12からベッド部11上にその長手方向に沿って延出したアーム部13、被縫製物を水平面内で移動させる送り台14、送り台14上面に布を押える布押え16、ミシン10の動作を制御する制御装置50(図6を参照)、ボタン穴を形成するための布切り手段60(図5を参照)、布切り手段60を上下動させる布切りメス駆動手段20等から概略構成される。そして、前記布切りメス駆動手段20の制御により、メス受け62上に布を載置した状態で、布切りメス61が下降して布及びメス受け62を押圧することで、ボタン穴を形成する構造を備えている。
【0041】
まず、図5を用いて布切り手段60について説明する。
図5(a)に示すように、布切り手段60は布切りメス61とこの布切りメス61の下方側に対向して配設されるメス受け62とを備える。なお、図5に示す布切りメス61は、鳩目部90を形成す鳩目メス部61aと直線部91を形成する直線メス部61bとが同一高さ上に存在しない、いわゆる複数回メスであり、本実施の形態で示すミシンには、この複数回メスだけでなく、図示は省略するが、鳩目部90を形成する部分と直線部91を形成する部分とがほぼ同一高さ上に存在するいわゆる標準メスや、眠り目穴94を形成するための直線状の刃のみを備えたメスも用いられる。
【0042】
布切りメス61は上述のように鳩目メス部61aと直線メス部61bとにより構成されており、鳩目メス部61aに直線メス部61bがねじ61cにより固定されている。
直線メス部61bは、鳩目メス部61aから下方側、つまり、対向して配設されるメス受け62方向に突出しており、刃部は鳩目メス部61a側の一端が他端より突出した斜め形状となっている。
【0043】
メス受け62は、直線メス部61bに対向する側に、直線メス部61bが挿入可能な溝部62aを有し(図5(b)参照)、鳩目メス部61aに対向する側には、鳩目メス部61aに当接する平面部62bを有している。つまり、溝部62aの深さは、鳩目メス部61aと平面部62bとが当接できるよう、直線メス部61bの刃部の先端から鳩目メス部61aの刃部の先端までの長さより深くしてある。
なお、直線メス部61bと鳩目メス部61aとの間には間隙部61dが設けられており、これにより鳩目ボタン穴の直線部91と鳩目部90との間には切断されない部分(以下、「切り残し部分」という。)が生じるようになっている。
【0044】
そして、このような構造を備える布切りメス61を下降させる際に、制御装置50が後述する布切りメス駆動手段20の駆動を制御することにより、直線メス部61bのみにより布が切断されることになるメスの位置(以下、「直線部切断位置」という。)と、直線メス部61bと鳩目メス部61aとの両方により布が切断されることになるメスの位置(以下、「鳩目部切断位置」という。)の両者の位置でメスを停止可能な構造を備えている。
【0045】
なお、直線メス部61bの長さは、形成すべき鳩目穴92の直線部91の一番短いものと等しいか、それより短いものとする。また、鳩目メス部61aは、鳩目部のみを切断するほぼ滴状の形状であっても良いし、鳩目の下端部分から下方に若干の直線部分を備えた形状であっても良い。
また、上述のように、鳩目メス部61aに直線メス部61bがねじ61cにより固定されているので、鳩目メス部61aに対して直線メス部61bを着脱することが可能であり、直線部91の長さだけが異なる形状の鳩目穴92を形成する際に、後述するように直線メス部61bを布に対して複数回降下させて直線部91を延長するのではなく、直線メス部61bを交換することにより行うことも可能である。
【0046】
次に、布切りメス61を駆動させるための布切りメス駆動手段20について説明する。図1〜4に示すように、布切りメス駆動手段20は、パルスモータである布切りモータ21、ボールねじ24、リンク腕31、駆動軸35、駆動ギア39および直動軸40から概略構成されている。
電気的な駆動手段である布切りモータ21はベッド部11に固定されており、布切りモータ21の駆動力はモータギア22を介して、噛み合うボールねじギア23に伝わる。このボールねじギア23は、ミシン10に対して回転自在に垂直方向に設けられたボールねじ24に取り付けられている。従って、布切りモータ21の駆動力により、ボールねじギア23を介してボールねじ24が回転するようになっている。
このボールねじ24に設けられたボールねじナット27は、ボールねじ24の回転によりボールねじ24に沿って上下に移動可能となっている。ボールねじナット27の上部には、ハウジング28が固定されており、ボールねじナット27と共に上下動する。
【0047】
リンク腕31は、ハウジング28の両側面を挟むように2本設けられ(図3では1本のみ)、それぞれの一端がハウジング28の両側面に回動可能に取り付けられ、他端はリンク軸32bにより、二股状に形成されたレバー34の一端部に回動可能に固定されている。
駆動軸35は、図4に示すように、ミシンフレーム15に対してほぼ平行であって、回転自在に支持されている。駆動軸35の一端にはレバー34の他端部が回動自在に取り付けられている。そして、レバー34が、リンク腕31を介して駆動され、駆動軸35を支点として、一端側(リンク腕31側)が下がるように回転した際に、レバー34により駆動軸35が回転するようになっている。
また、駆動軸35の他端には、駆動ギア39が固定されている。この駆動ギア39は、図2に示すように、直動軸40の上部に形成されたラック41に噛み合っており、駆動軸35と共に回転することにより、直動軸40を上下動させるようになっている。
【0048】
直動軸40は、駆動ギア39側が切り欠かれた略円筒状の直動メタル42内に納められており、この直動メタル42の内面2箇所に設けられた、直動メタル42の長さ方向と平行に伸びる溝部43に、直動軸40外面の円周方向2箇所に設けられた凸部44が溝部43に沿って移動自在に嵌合することで、左右に回転することなく上下に摺動可能となっている。
また、直動軸40の下端には、メス取付け台63が設けられており、このメス取付け台63に布切りメス61が取り付けられている。また、布切りメス61の直下のベッド部11に設けられた受け土台64上に、メス受け62が取り付けられている。
【0049】
次に布切りメス駆動手段20の動作を説明する。
布切りモータ21が作動すると、モータギア22、ボールねじギア23を介してボールねじ24が回転し、ボールねじナット27及びハウジング28がボールねじ24上を下降する。これにより、ハウジング28に連結されている2本のリンク腕31も下降し、レバー34の一端を図3において時計周り方向に押し下げる。さらにレバー34は駆動軸35を図3中における時計周りに回転させる。
駆動軸35が回転すると、駆動軸35に設けられた駆動ギア39が図2における反時計周りに回転し、駆動ギア39に噛み合っているラック41を有する直動軸40が下降し、これにより布切りメス61が上昇位置から、前記直線部切断位置又は鳩目部切断位置まで下降し、メス受け62上の被縫製物を切断する。
【0050】
切断後は、布切りモータ21を逆回転させてボールねじナット27及びハウジング28を上方に移動させることによりレバー34が回転して、駆動軸35が図3の反時計周りに回転し、駆動ギア39が図2における時計周りに回転するので、直動軸40が上昇し布切りメス61が被縫製物から離れる。
【0051】
次に、ミシンの制御装置50について説明する。
図6に示すように、制御装置50は、ROM51、RAM52、EEPROM53、CPU54、インターフェイス55、主軸モータ駆動回路56a等の駆動回路等から概略構成され、この制御装置50に主軸モータ70等の各種モータ、スタートスイッチ57、押えスイッチ58、操作パネル59(図11を参照)等が接続される。
ROM51には、ボタン穴及び穴かがり縫い目を形成する際に必要となる制御プログラムや制御データが書き込まれている。
【0052】
RAM52(記憶手段)は、複数のパターンデータを記憶するとともに、これらデータの中から、操作パネル59を介して選択された1つのデータを記憶する。また、パターンデータの値が変更された場合には変更後の値等も記憶する。なお、これらデータの選択方法やデータ内容の変更方法については後述する。さらにRAM52は、縫製中の各種処理の際に一時的に使用されるメモリエリアとしても機能する。また、パターンデータから生成される縫い目データや、後述する複数回メスのメス落し位置等も記憶する。
EEPROM53(記憶手段)は、複数のメモリスイッチデータを記憶する。また、メモリスイッチデータの値が変更された場合には変更後の値等も記憶する。
【0053】
前記パターンデータとしては、図7に示すように、例えば9個のパターンデータがあり、各パターンデータには、パターンデータ1に示すように1〜10のデータ項目に対応した具体的な値が設定されている。
データ項目1は、ボタン穴を形成するメスの種類を設定するものである。図8(a)に示すように鳩目メス部61aの形状を幅ewと長さelとによって規定し、布切りメス61全体の長さをmaによって規定し、直線メス部61bの長さをmbによって規定し、鳩目メス部61aと直線メス部61bの間の間隙部61dの長さをmcによって規定し、これらの組み合わせを図8(b)に示すように予めテーブルとしてメモリスイッチデータに記憶している。
【0054】
データ項目1では、メスNo.0〜5にはいわゆる標準メス、つまり、直線メス部と鳩目メス部とが一体の図示しないメスが設定されており、メスNo.6〜10にはいわゆる複数回メス、つまり、直線メス部61bと鳩目メス部61aとの間に間隙部61dが設けられており、後述するように、切り残し部分の切断等のために布に対して複数回下降させる必要があるメスが設定されている。なお、メスNo.0は、眠り目穴94を形成するための直線状の刃のみを備えたメスに対応する。
データ項目2〜6は、図9(a)に示す鳩目穴かがり縫い目を構成する各部の針数や長さに関するデータである。すなわち、図9(b)に示すように、データ項目2は穴かがり長さ(ml)、データ項目3は直線部針数(ln)、データ項目4は鳩目部針数(en)、データ項目5は直線部メススペース(ls)、データ項目6は鳩目部メススペース(es)である。
【0055】
データ項目7は、かがり縫いの前に布切りを行う先メス、かがり縫いの後に布切りを行う後メスを選択するものである。
データ項目8は、直線部91の長さを変更(補正)するためのカット長さ補正(lc)、データ項目9は、図9(c)に示す眠り穴かがり縫い目を形成する際に、直線状の穴93の形成位置を、眠り穴かがり縫い目の上方部分からオフセットさせるための眠り目オフセット量(cc)、データ項目10は、鳩目メス部61aと直線メス部61bとを有する布切りメス61を前記直線部91切断位置まで下降させることで布に眠り目穴94を形成する際に選択される眠り目選択(ss)である。
【0056】
なお、mlは本発明の穴かがり縫い目の長さに関するデータに対応し、lcは本発明の鳩目穴92の直線部91の長さを変更するためのデータ及び眠り目穴94の直線状の穴93の長さを変更するためのデータに対応し、ml−lcは本発明のボタン穴の長さに関するデータに対応し、ccは本発明の直線状の穴93の形成位置を穴かがり縫い目の長さ方向に沿って変更するためのデータに対応し、maは本発明の鳩目メス部61aの長さに関するデータに対応し、mbは本発明の直線メス部61bの長さに関するデータに対応し、mcは本発明の鳩目メス部61aと直線メス部61bの間の長さに関するデータに対応し、ssは本発明の鳩目メス部61aと直線メス部61bとの両方を用いて被縫製物に鳩目ボタン穴92を形成するか、あるいは、直線メス部61bだけで被縫製物に直線状の穴93を形成するかを選択するための選択データに対応する。
【0057】
前記メモリスイッチデータとしては、図10に示すように、例えばメモリスイッチNo.1〜36まで設定されており、各メモリスイッチには、「メモリスイッチの内容」欄に記載された事項に対応する値が、「設定値」欄に示すように、設定されている。例えば、メモリスイッチNo.1には、メスNo.1の鳩目幅(ew)についての設定値は2.1mmであることが入力されており、メモリスイッチNo.13には、メスNo.6の全体メス長さ(ma)についての設定値は18mmであることが入力されている。
【0058】
CPU54は、ROM51の制御プログラムや制御データにしたがって、ボタン穴かがり縫いに関する一連の処理を制御する。
CPU54は、インターフェイス55を介して、操作パネル59に接続され、操作パネル59上の表示を制御するとともに、操作パネル59を介して入力される入力信号を受けて各種設定の選択・変更などを行うようになっている。作業者は、操作パネル59を介して、図7や図10等に示した各データを選択したり、選択したデータを変更できるようになっている。
【0059】
さらに、CPU54は、インターフェイス55を介して、主軸モータ駆動回路56aに接続され、主軸モータ70の回転を駆動制御する。主軸モータ70は、ミシン針を上下に駆動する上軸や、ミシン針と協働して縫い目を形成するルーパー機構を駆動するモータである。
また、CPU54は、インターフェイス55を介してX軸モータ駆動回路56bに接続されるとともに、インターフェイス55を介してY軸モータ駆動回路56cに接続され、X軸モータ71とY軸モータ72を駆動制御しながら、送り台14を所定の方向に駆動する。
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、旋回モータ駆動回路56dに接続され、旋回モータ73を制御駆動する。この旋回モータ73によってミシン針及びルーパが回転運動し、鳩目穴92等の周りに、放射状の縫い目が形成される。
【0060】
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、布切りメスモータ駆動回路56eに接続され、布切りメスモータ74を制御駆動する。
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、スタートスイッチ57に接続され、スタートスイッチ57から起動信号が入力すると、主軸モータ70等を所定のタイミングで駆動し、ボタン穴かがり縫い及び布切り処理を行わせる。
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、押えスイッチ58に接続され、押えスイッチ58から起動信号が入力すると、布押えシリンダ75に連結した布押えシリンダ駆動電磁弁75aを所定のタイミングで駆動し、布押え16を上下動させる。
また、また、CPU54は、インターフェイス55を介して、X軸モータ71、Y軸モータ72、旋回モータ73、布切りメスモータ74の原点位置を検知するためのX軸原点センサ71a、Y軸原点センサ72a、旋回原点センサ73a、布切りメス原点センサ74aに接続され、これら各モータが原点位置に戻っているか否かを示す信号に対応し、この信号に基づいく各種制御を行なう。
【0061】
本発明における変更手段である操作パネル59は、図11に示すようにパターンNo.表示部59a、パターンNo.+/−キー59b、データ項目表示部59c、データ項目+/−キー59d、データ表示部59e、データ+/−キー59f、データ設定キー59g、準備キー59hとから構成される。
パターンNo.表示部59aは、現在選択しているパターンNo.を表示するものであり(図11では「1」)、パターンNo.+/−キー59bにより数字を1〜9の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるパターンデータを選択できる。
【0062】
データ項目表示部59cは、パターンNo.表示部59aで選択したパターンデータの中のデータ項目を表示するものであり(図11では「2」)、データ項目+/−キー59dにより数字を1〜10の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるデータ項目を選択できる。
データ項目表示部59cにおいてデータ項目を選択すると、データ表示部59eにそのデータ項目について予め設定されている数字が表示される。そして、データ+/−キー59fによってデータ表示部59eの数字を所定の範囲の中で所定間隔ずつ増減することによって、値を変更できる。
データ設定キー59gは、データ設定作業を行う際に操作するスイッチである。つまり、データ設定キー59gを押すことによりデータ値の変更などが可能となる。また、各項目や数字の選択や変更は、再度、データ設定キー59gを押すことで確定する。
準備キー59hは、穴かがり作業の準備を可能にするとともに、設定作業の終了後、選択あるいは設定しなおしたデータ値に対応する縫い目データ等を作成するためのキーである。また、準備キー59hは、電源投入時に押されている場合は、メモリスイッチデータを変更するためのキーを兼用する。
【0063】
次に、図12のフローチャートを用いてボタン穴かがり縫い目形成作業の流れについて説明する。
まず、ミシンの主電源(図示せず)のオン操作の際に、準備キー59hも同時にオン操作した場合、つまりステップS100においてYesの場合は、ステップS101に移り、後述するメモリスイッチの設定を行う。
また、ステップS100においてNoの場合、あるいはステップS101におけるメモリスイッチデータ設定後、ステップS102に移行する。
【0064】
ステップS102において、パターンNo.+/−キー59bが操作されるか否かを監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS103に移り、パターンNo.の更新を行なう。
ステップS102においてNoの場合、あるいはステップS103におけるパターンNo.更新後、ステップS104に移行する。
ステップS104において、データ設定スイッチが操作されるか否かを監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS105において後述するデータ設定を行う。
ステップS104においてNoの場合、あるいはステップS105におけるデータ設定後、ステップS106に移行する。
【0065】
ステップS106では、準備キー59hの操作を監視する。そして、操作されない場合、つまりNoの場合は、ステップS102に戻り、操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS107においてこれらデータは、設定されたパターンデータ、メモリスイッチデータの内容に基づいて主軸モータ70等の駆動源を駆動するために生成されるデータであり、1針毎の縫い目データ、複数回メスのメス落し回数、送り台14の位置に関するデータ、メスを駆動する布切りモータ21の駆動量のデータ等を含むものである。
そして、ステップS108において布押え16が下降して布を送り台14上面に押え付け、ステップS109において、X/Yモータ71、72、旋回モータ73、布切りメスモータ74を原点位置に移動させる原点検索が行われ、ステップS110において、布押え16が上昇する。
【0066】
ステップS111において、押えスイッチ58の操作が監視され、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS112において布押え16が下降する。作業者は、例えば、布押え16による布の押え位置等を確認し、布の位置を調節する必要がある場合等は、ステップS113において再び押えスイッチ58をオン操作することでステップS114で布押え16が上昇し、ステップS111に戻る。
また、ステップS113において押えスイッチ58がオン操作されない、つまりNoの場合は、ステップS115においてスタートスイッチ57の操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合ステップS116に移行する。
【0067】
ステップS116において、図7に示すパターンデータ内のデータ項目「7」で先メスが選択されているかどうか判定する。先メスであればステップS117において後述する布切りメス動作が実行される。
ステップS116においてNoの場合、あるいはステップS117における布切りメス動作実行後、ステップS118において穴かがり動作を行う。この穴かがり動作には、送り台14を縫い始め位置へ移動させる動作や、穴かがり後の糸切り等の一連の動作が含まれる。
【0068】
穴かがり動作終了後、ステップS119に移行し、送り台14、針棒等が原点位置に移動する。
次いで、ステップS120において、パターンデータ内のデータ項目「7」で後メスが選択されているか否か判定し、後メスが選択されている場合、つまりYesの場合は、ステップS121に移行し、ステップS117と同様の布切りメス動作が実行される。
ステップS120において後メスではないと判定した場合、あるいはステップS121の布切りメス動作終了後、ステップS122において布押え16が上昇し、ステップS111に戻り、再び押えスイッチ58の操作監視状態となり、押えスイッチ58のオンにより上述の穴かがり動作が繰り返される。
【0069】
次に、前記ステップS101におけるメモリスイッチ設定の流れについて、図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS400において操作パネル59の項目表示部に「1」が表示され、メモリスイッチNo.1の設定値がデータ表示部59eに表示される。
次いで、ステップS401においてデータ項目+/−キー59dの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS402においてメモリスイッチNo.を更新し、データ項目表示部59cに表示すると共に対応する値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS402の後、あるいはステップS401でNoの場合はステップS403に移行する。
【0070】
ステップS403では、データ+/−キー59fの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS404において、データ項目表示部59cに表示されているメモリスイッチNo.に対応した設定値を更新し、更新後の設定値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS404の後、あるいはステップS403でNoの場合はステップS405に移行する。
ステップS405では準備キー59hの操作を監視し、オン操作されない場合、つまりNoの場合はステップS401に戻り、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS406に移行し、設定されたメモリスイッチデータがEEPROM53に記憶され、その後ステップS102に移行する。
【0071】
次に、前記ステップS105におけるデータ設定の流れについて、図14のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS300において操作パネル59のデータ項目表示部59cに「1」が表示され、データ項目1に設定されているメスNo.がデータ表示部59eに表示される。
次いで、ステップS301においてデータ項目+/−キー59dの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS302においてデータ項目ナンバーを更新してデータ項目表示部59cに表示すると共に、対応する値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS302の後、あるいはステップS301でNoの場合はステップS303に移行する。
【0072】
ステップS303では、データ+/−キー59fの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS304において、選択されているデータ項目に対応した値を更新し、更新後の値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS304の後、あるいはステップS303でNoの場合はステップS305に移行する。
ステップS305ではデータ設定キー59gの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS306において変更後のデータに更新し、ステップS106に移行する。また、ステップS305でデータ設定キー59gが操作されない場合は、ステップS301に戻る。
【0073】
次に、前記ステップS117における布切りメス動作の流れについて、図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS200において、例えばパターンデータ内のデータ項目「1」に設定されているメスNo.から、複数回メスが選択されているかどうか判定する。そして、複数回メスでない場合、つまりNoの場合、ステップS201において布切りメス61を降下させ、布に鳩目ボタン穴92を形成する。なお、布切りメス61としてメスNo.0、つまり眠り目穴94を形成するための直線状の刃のみを備えたメスが選択されている場合には、ステップS201において、このメスを降下させることで眠り目が形成される。
【0074】
また、ステップS200において複数回メスであると判定した場合、つまりYesの場合、ステップS202において、パターンデータ内のデータ項目「10」において眠り目穴が設定されているかどうか判定する。そして、眠り目穴が設定されていない、つまり鳩目穴が設定されている場合、ステップS202においてNoとなり、ステップS203に移行する。
ステップS203においては、鳩目部切断位置まで布切りメス61を下降させることで、布には、布切りメス61の鳩目メス部61a及び直線メス部61bと同一形状となる鳩目部90及び直線部91の一部が形成される。この状態では、布には上述の切り残し部分が存在しているため、ステップS204において、図10に示すメモリスイッチNo.36で設定されている空送り可能メス高さ(上昇高さ)まで布切りメス61を送り台14上面から上昇させ、ステップS205において、送り台14を、前記ステップS107で算出したメス落し位置まで移動させる。
【0075】
そして、ステップS206において布切りメス61を直線部切断位置まで下降させて切り残し部分を切断し、ステップS207に移る。なお、間隙部61dを備えないメスを用いる場合は、ステップS204〜206までは実行されなくても良い。
また、ステップS202において眠り目穴が設定されていると判定した場合、YesとなりステップS212に移る。
ステップS212においては、送り台14を、前記ステップS107で算出した1回目のメス落し位置まで移動させる。そして、ステップS213において、布切りメス61を直線部切断位置まで下降させることで、布切りメス61の直線メス部61bと同一形状となる直線状の穴93の一部が布に形成され、ステップS207に移行する。
【0076】
ステップS207においては、前記ステップS107で算出したメス落し回数と同一回数のメス落し作業が行われたか否かを判定し、Noの場合は、ステップS208に移り、前記ステップS204と同様に、メモリスイッチで設定されている空送り可能メス高さまで布切りメス61を上昇させ、ステップS209において、送り台14を、前記ステップS107で算出された次のメス落し位置まで移動させる。そして、ステップS210において布切りメス61を直線部切断位置まで下降させて、布を所定量切り足し、ステップS207に戻る。
また、ステップS207においてYesの場合、つまり所定のボタン穴が形成された場合は、ステップS211に移り、布切りメス61が原点位置まで移動し、ステップS118に移る。
【0077】
ここで、上述のように、ステップS205、209及び212においては、送り台14を所定量移動させることで、送り台14に対する布切りメス61の位置(メス落し位置)を相対的に変更し、所定量のボタン穴を形成することになるが、このメス落し位置は、例えば、以下のようにして算出する。なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、送り台14が原点位置にある状態で布切りメス61を下降させることにより、鳩目部90が布上の所定位置に形成されるものとする。
また、図16(a)に示すように、布切りメス61の直線メス部61bの後端部分の位置をメス落し位置とし、Y座標を用いて表す。また、布を最初に切断した状態において、メス落し位置はY方向の原点(Y=0)に位置するものとする。
【0078】
まず、図16(a)を用いて、布に鳩目穴92を形成する場合について説明する。
まず、布に鳩目部90を形成すべく、最初に布切りメス61を下降させた状態では、上述のように、鳩目部90は布上の所定の位置に形成され、メス落し位置はY=0となる(図16(a)(1)を参照)。
次に、切り残し部分を切断するためのメス落し位置は、切り残し部分の長さがmcであることから、Y=mcとなる(図16(a)(2)を参照)。
次に、直線部91の長さを後方側に長さLだけ切り足すためのメス落し位置(図16(a)(3)を参照)は、以下のように算出される。
まず、L=ml−lc−maとなり、メスを落す回数Nは、N=L/mbで表される。ここで、L/mbに余りが生じるときは、切り上げてN=N+1とする。
【0079】
そして、直線部91を後方側に切り足すためのi回目(i=1〜N)のメス落しに関するメス落し位置をYiとすると、Yi=−L×i/Nとなる。
そして、i=N、つまりメスをN回落した時点で、Yi=−Lとなり、直線部91の切り足しが完了することになる(図16(a)(4)を参照)。
但し、N=0の場合、つまり直線部91を後方側に切り足す必要が無い場合は、切り残し部分を切断した後のメス落し位置は算出されない。
【0080】
次に、図16(b)を用いて、布に眠り目穴94を形成する場合について説明する。
まず、布に直線状の穴93を形成すべく、最初に布切りメス61を下降させる際のメス落し位置はY=ma−mb−ccとなる(図16(b)(1)を参照)。
次に、直線状の穴93の長さを後方側に長さLだけ切り足すためのメス落し位置(図16(b)(2)を参照)は、以下のように算出される。
まず、L=ml−cc−lc−mbとなり、布切りメス61を落す回数Nは、N=L/mbとなる。ここで、L/mbに余りが生じるときは、切り上げてN=N+1とする。
【0081】
そして、直線状の穴93を後方側に切り足すためのi回目(i=1〜N)のメス落しに関するメス落し位置をYiとすると、Yi=ma−mb−cc−L×i/Nとなる。
そして、i=N、つまり布切りメス61をN回落した時点で、直線状の穴93の切り足しが完了することになる(図16(b)(3)を参照)。
但し、N=0の場合、つまり直線状の穴93を後方側に切り足す必要が無い場合は、Yiは算出されない。
なお、上記説明においては、説明を簡単にするために理想的な場合を想定して説明を行なったが、実際には複数回のメス落しによりボタン孔を切り足して形成する場合、機械的誤差やセットされた布のシワ等により、切込みと切込みとの間に切り残しが発生する可能性がある。このため、より確実にボタン孔を形成するためには、各メス落し時における切断部分が所定の長さ(例えば、約1mm)以上重なるようにメス落し位置を算出してボタン孔を形成する方が好ましい。
このようなメス落し回数、あるいはメス落し位置を算出するためには、例えば、図12のステップS107でCPU54がメス落し位置を算出する際に、図10のメモリースイッチ設定内容で設定されている設定値に対して、mbを所定長さu(例えば1mm)短めにしてメス落し回数を算出し、mcを所定長さv(例えば1mm)長めにしてメス落し位置を算出することにより可能となる。
具体的には、図16(a)の鳩目穴かがりについては、(2)におけるメス落し位置をY=mc+vとして算出し、メス落し回数をN=L/(mb−u)として計算する。図16(b)の眠り穴かがりについては、N=L/(mb−u)として、切り残し回数Nだけをmb−uを用いて算出する。
【0082】
本実施の形態で示したミシンの制御装置50によれば、カット長さ補正(lc)を設定することができるので、複数回メス(布切りメス61)を用いることで、穴かがり長さ(ml)と、形成するボタン穴の長さ(ml−lc)がそれぞれ別々の値として設定される。従って、穴かがり縫い目を形成した後、縫製開始地点及び縫製終了地点のほつれ防止や補強のために、これら両地点を結ぶように閂止めが形成される場合があるが、この際に、例えば鳩目穴92の直線部91や、眠り目穴94の直線状の穴93等が、これら両地点に挟まれる位置まで延びている場合は、これら直線部91及び直線状の穴93が存在することで、布がない部分(切開部)に針が落ちることがあり、閂止めの縫い不良が発生する場合があるが、カット長さ補正(lc)を設定することで、直線部91及び直線状の穴93が縫製開始地点と縫製終了地点に挟まれる位置まで延出しないようにでき、上述の縫い不良を防止できる。
【0083】
また、鳩目メス部61aと直線メス部61bとで鳩目穴92を形成した後、直線メス部61bで鳩目穴92の直線部91に続けて直線状の穴93を形成するようにミシンの駆動を制御するので、鳩目穴92の直線部91を予め設定した量だけ延長させることができ、布切りメス61やメス受け62を交換せずに、直線部91の長さが異なる鳩目穴92を形成することができる。
また、眠り目選択(ss)を設定できるので、複数回メス(布切りメス61)の直線メス部61bのみを用いて眠り目穴94の直線状の穴93を形成でき、眠り目穴94を形成する際に、所定の布切りメスに交換する必要がなくなる。
【0084】
また、直線メス部61bによる布の複数回の切断により眠り目穴94を形成できるので、布切りメス61やメス受け62を交換することなく、眠り目穴94の直線状の穴93の長さを変更することができる。
また、眠り目オフセット量(cc)を設定できるので、穴かがり縫い目の任意の位置に直線状の穴93を形成でき、また、カット長さ補正(lc)を設定できるので、直線状の穴93の長さを任意に変更でき、種々の仕様に対応した眠り目穴94の形成が可能となる。
【0085】
また、形成するボタン穴の長さ(ml−lc)が比較的長い場合は、図17に示すような、このボタン穴の長さとほぼ同一となるメス長さ(ma)を備えた、直線メス部65aと鳩目メス部65bとの間の間隙部65cの長さが比較的長い構造を備える布切りメス65及びこの布切りメス65に対応したメス受け66を用いてもよい。この場合は、上述の切り残し部分を切断する作業のみを行い、切り足し作業を省略する、またはメス落し回数を減らすことができ、ボタン穴形成にかかるサイクルタイムを短縮できる。
また、空送り可能メス高さを設定できるので、布の厚さとほぼ同じ高さに空送り可能メス高さを設定しておけば、布切りメス61の上昇量が必要最小限度の量となり、ボタン穴形成にかかるサイクルタイムを短縮できる。
【0086】
なお、本発明は第1の実施の形態に限定されることはなく、適宜変更可能である。
例えば、RAM52がパターンデータを記憶し、EEPROM53がメモリスイッチデータを記憶するものとしたが、例えば、RAM52がメモリスイッチデータを記憶し、EEPROM53がパターンデータを記憶するものとしてもよく、あるいは、RAM52又はEEPROM53がパターンデータとメモリスイッチデータの両方を記憶するものとしても良い。また、EEPROM53の替わりにフロッピー(登録商標)ディスクを用いても良い。
また、ボタン穴の長さに関するデータをml−lcとしたが、ボタン穴の長さを直接設定できるものとしても良い。この場合に、穴かがり長さ補正を設定して、穴かがり長さ=(ボタン穴長さ+穴かがり長さ補正)としても良い。
【0087】
また、布切りメス61の上下動を布切りメスモータ74の駆動を制御することにより行うものとしたが、これに限らず、例えば、布切りメス61を布切りメス上昇位置、鳩目部切断位置、直線部切断位置の3つの位置で停止させることが可能な構造であれば、例えば、エアシリンダー等の周知のアクチュエータを用いても良い。
また、布切りメスとしていわゆる複数回メスを用い、この布切りメスの鳩目メス部と直線メス部の移動を個別に制御可能なアクチュエータを備えるものとし、鳩目部90と直線部91の両方を形成する際には、鳩目メス部と直線メス部とを同時に下降させ、直線部91のみを形成する際には直線メス部のみを下降させるものとしても良い。
【0088】
また、布切りメスとしていわゆる標準メスを用い、この布切りメスの鳩目メス部と直線メス部の移動を個別に制御可能なアクチュエータを備えるものとし、鳩目部90と直線部91の両方を形成する際には、鳩目メス部と直線メス部とを同時に下降させ、直線部91のみを形成する際には直線メス部のみを下降させるものとしても良い。
また、布切りメスとしては、鳩目メス部と直線メス部とが同一高さで一体となったいわゆる標準メスを用い、メス受けを、布切りメスの鳩目メス部に対応する部分と直線メス部に対応する部分とに分割すると共に、これら各部の移動を個別に制御可能なアクチュエータを備え、形成するボタン穴の形状に応じてメス受けの駆動を制御するものとしても良い。
【0089】
また、鳩目穴形成用のメス受けと眠り目穴形成用のメス受けの2種類のメス受けを配設し、これら2種類のメス受けを、例えばターレット方式等により任意に選択可能な構造を備えるものとし、形成するボタン穴の形状に応じて、メス受けを選択するものとしても良い。
また、パターンデータの数、データ項目の数、メモリスイッチの数、操作パネル59の操作方法などは適宜変更可能である。尚、パターンデータの数は1つであっても良い。
さらに、上記実施の形態ではパターンデータを複数記憶し、そのうちの1つを選択し縫い目データを作成するように構成したが、記憶手段(RAM52)に縫い目データが複数記憶されていてもよい。
【0090】
あるいは、複数のパターンデータと各パターンデータに対応する縫い目データが記憶されていてもよい。その場合、パターンデータを選択すると、自動的に縫い目データが特定されるように構成すればよい。
なお、本実施の形態においては、布切りメス61を上方に配置して、下方に配置したメス受け62に対して下降駆動する場合を示したが、これとは逆に、メス受け62を上方に、布切りメス61を下方に配置し、メス受け62を下降駆動するようにしてもよい。
また、図15のフローチャートに示す布切りメス動作中の、切り残し部分の切断と、直線部91の延長(切り足し)とは、どちらを先に行っても良い。
【0091】
<第2の実施の形態>
次に、図18〜図34に本発明の第2の実施の形態を示した。本発明の一例としてのミシン200は、第1の実施の形態のミシン10同様のボタン穴かがりミシンであって、布切断装置201以外の他の構成は全く同様であるので、同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
以下では、布切断装置201について詳細に説明する。この布切断装置201は、ボタン穴かがり縫いの際に、図9に示す鳩目ボタン穴92や眠り目穴94を形成するものである。第2の実施の形態でも、図8(a)のメスの各部の符号、図9(a)、(c)でのボタン穴の各部の符号を引用して説明していく。
【0092】
布切断装置201は、図18、図19などに示すように、メスユニット100とメス受け160とからなる布切り手段を有し、メス受け160が上、メスユニット100が下に対向するように設けられている。
メスユニット100は、図20、図21に示すように、主に、メス土台部材103上に、鳩目用メス部材101と直線用メス部材102とを設けて構成されるものである。
【0093】
鳩目用メス部材101は、水平方向に主面を有する略矩形状の平板である支持板101aと、該支持板101aから立設し、略円筒形状に形成された円筒部101cとから一体に形成され、円筒部101cの上端部には、鳩目部90を形成するための滴状の鳩目メス101bが形成されている。円筒部101cの内側は鉛直方向に貫通する布屑経路101eとなっている。また、支持板101aの上面の後角には直角に切りかかれた切り欠き101dが形成され、後述のストッパー部材120によって係止されるようになっている。
【0094】
直線用メス部材102は、水平方向に主面を有する略矩形状の平板である支持板102aと、該支持板102aから立設する薄板部102cとから一体に形成され、該薄板部102cの上端部には、鳩目ボタン穴92の直線部91や、眠り目穴94を形成するための直線メス102bが形成されている。前記鳩目メス101bと直線メス102bとにより布切りメスが構成され、該布切りメスは、図18等から分かるように、直線メス102bにより形成される直線部91や眠り目穴94の方向が前後方向になるように設けられる。
【0095】
メス土台部材103は、図20に示すように、上方から見ると後縁部が円弧状でほぼ矩形状に形成された土台板103aによって、メスユニット100全体を支持する部材である。
メス土台部材103は、固定ネジ152、152によって、ベッド部200bに固定されている。
さらに、土台板103aにネジ151によって固定されているガイドキー150が、ベッド部200bに形成された図示しない溝に沿うことで、土台板103aは、前後方向に直交する左右方向(図20の紙面における上下方向)にスライド可能となっており、左右位置を適宜調節された状態で、前記固定ネジ152、152で固定されるようになっている。
【0096】
メス土台部材103の前部には、鳩目用メス部材101及び直線用メス部材102を支持するためのメス支持体103bが土台板103aから立ち上がるように一体に形成されている。メス支持体103bの上部は直方体状のブロック体103cとなっており、そのブロック103cの上面に凹面(図示略)が形成され、該凹面に前記直線用メス部材102の支持板102aがはめ込まれている。
さらに、支持板102aの一側縁側は、上から直線メス固定クランプ105bによって押えられ、この直線メス固定クランプ105bは直線メス固定ネジ106bによってブロック体103cの側面に固定されている。これにより直線用メス部材102はブロック体103c、つまりメス土台部材103に確実に固定される。
【0097】
ブロック体103cの内部の中心部には、図21で破断線M2で示すように、調節ネジ115a、115bがねじ込まれている。これら調節ネジ115a、115bのねじこみ程度を調節することで、調節ネジ115aの頭部を鳩目メス用土台104側に適度に突出させ、これにより、起立した状態(図21の状態)の鳩目メス用土台104の前側位置を決めている。
【0098】
また、メス支持体103bの内側には直方体状の凹部103d(図21)が形成され、この凹部103d内に鳩目メス用土台104がはめ込まれている。鳩目メス用土台104の上面には凹面(図示略)が形成され、該凹面に鳩目用メス部材101の支持板101aがはめ込まれている。メス支持体103bと鳩目メス用土台104の下部を貫通するように、支点軸107が取り付けられ、鳩目メス用土台104はメス支持体103bに対して支点軸107を中心に回動可能となっている。
さらに、支持板101aの一側縁側は、上から鳩目メス固定クランプ105aによって押えられ、この鳩目メス固定クランプ105aは鳩目メス固定ネジ106aによって鳩目メス用土台104に固定されている。これにより鳩目用メス部材101は鳩目メス用土台104に確実に固定される。
【0099】
鳩目メス用土台104の鳩目メス固定クランプ105aとは逆の側面には、鳩目用メス部材101の位置決めするストッパー部材120がネジ121によって取り付けられている。ストッパー部材120には図示しない横孔が形成され、前記ネジ121に対してこの横孔をスライドさせることで、ストッパー部材120の前後方向の位置を移動させることができる。ストッパー部材120の上面には鳩目メス用土台104の上面に張り出す張り出し部120aが形成されている。ストッパー部材120を適宜スライドさせて位置調節した状態でネジ121で鳩目メス用土台104に固定した上で、鳩目用メス部材101の切り欠き101dを張り出し部120aに突き当てて鳩目用メス部材101を位置決めし、前述のように鳩目メス固定クランプ105a等で固定するようになっている。
【0100】
前記支点軸107にはバネ108が嵌められ、このバネ108の両端はそれぞれ、鳩目メス用土台104に固定された土台ピン109と、土台板103aとに対して押し付けるように当接している。これにより、鳩目メス用土台104は、バネ108により図21の反時計方向に付勢されている。
【0101】
一方、メス土台部材103の後方には、複動型のエアシリンダ110が設けられている。エアシリンダ110は、土台板103aに対し止ネジ113、113によって前後位置を調節可能に取り付けられているシリンダ取付板111に、シリンダネジ112、112により固定されている。エアシリンダ110のロッド110aの先端には、シリンダピン114がねじ込まれている。このシリンダピン114の先端が鳩目メス用土台104に当接している。
【0102】
シリンダピン114には水平方向に貫通するリンク孔114aが形成され、このリンク孔114aにリンク116が通されている。リンク116は、上から見ると図20に示すように略コ字状に形成されている。リンク116の両端は、図21に示すように、U字状に形成され、鳩目メス用土台104に固定されているリンクピン117、117にそれぞれに掛けられている。リンク116は、シリンダピン114とリンクピン117、117に対してスライド自在である。なお、リンクピン117、117それぞれの末端には、Eリング118が取り付けられ、リンク116がリンクピン117、117から外れないようリンク116のスライド移動を規制している。
【0103】
エアシリンダ110がオフのときロッド110aが突出し、このときシリンダピン114によって鳩目メス用土台104を時計方向に押し、この力は前記バネ108の付勢力よりも大きく、鳩目メス用土台104は図21に示す起立した状態を保つ。
エアシリンダ110がオンになると、ロッド110aが引っ込み、リンク116によってリンクピン117、117を介して鳩目メス用土台104が引っ張られるとともに、バネ108の付勢力によって、支点軸107を軸に反時計方向に回動し、倒れるようになっている(図22(b)参照)。
すなわち、エアシリンダ110とバネ108が本発明の移動手段となる。
なお、鳩目メス用土台104を動作させる駆動源としては、エアシリンダ110のような複動型のシリンダに限らず、他の種類のシリンダでもよいし、ソレノイドやモータ等のアクチュエータを用いてもよい。
【0104】
鳩目メス用土台104の内部には、鳩目用メス部材101の布屑経路101eに連続するように、布屑経路104aが後ろ斜め下に向かうように形成されている。
布屑経路104aの後端部は開口となっており、鳩目メス101bによって布地が切断されることで生じた布屑は、布屑経路101e、104aを通って、前記開口から落ちるようになっている。
メス土台部材103の土台板103aにも孔(図示略)が形成され、この孔に対して円筒形状のボス131が圧入されている。前記開口から落ちた布屑は、ボス131に形成されているボス孔131a内に落ちたり、あるいはその上縁部近傍に落ちる。
このように、布屑が排出される経路は、布屑経路104aの開口で一端途切れて、ボス131側に続くようになっている。
なお、土台板103aの上面には、布屑経路104aの前記開口から排出された布屑が飛び散らないように、前記ボス孔131aの後方を囲むように布屑ガード122が止めネジ123、123によって固定されている。
【0105】
前記ボス131の内部に、ボス孔131aに連通するようにパイプ133の先端が取り付けられている。パイプ133の他端は吸引器134内部に接続されている。パイプ133は、ボス131に対しては止めネジ132により、吸引器134に対しては止めネジ135により固定されている。
【0106】
吸引器134は、図18に示すように、ベッド部200b下内部に設置されている。図21に示すように、吸引器134に対して留め金142が固定され、この留め金142によってエアチューブ140が吸引器134に固定されている。エアチューブ140は図示しないエア供給源からのエアを吸引器134に対して供給するもので、
その先端が継手141を介して吸引器134内部のエアパイプ136に接続されている。エアパイプ136の継手141側の端部はしぼられており、エアチューブ140、継手141を通って供給されたエアが加圧されて、エアパイプ136内に矢印A方向に供給されるようになっている。エアパイプ136の先端には、外部に出ている接続パイプ137が接続され、さらに接続パイプ137の先端にホース138が環状のバンド139によって接続されている。また、前記パイプ133は吸引器134内においてエアパイプ136に接続されている。
【0107】
エアチューブ140からエアが供給され、矢印A方向に風が起こり、そのとき生じる負圧によりパイプ133内に矢印B方向の風が生じる。この空気の流れにより、布屑が吸引され、ホース138によってミシン200の外に導かれるようになっている。
なお、図21において、パイプ133の大部分と接続パイプ137、ホース138については断面で示し、吸引器134については内部構造を概略で示している。
【0108】
平面メス受け160は、図22に示すように、メス受け取付台162に固定され、平坦に形成されたその下面に、鳩目メス101bと合致する鳩目メス受け部160bと直線メス102bと合致する直線メス受け部160cが形成されている。平面メス受け160と鳩目メス101bと直線メス102bとの間で布地を押し切りながら被縫製物を切断してボタン穴を形成する。
メス受け取付台162は、第1の実施の形態の布切りメス駆動手段20と全く同じ構成を有するメス受け駆動手段(布切り駆動手段)170の直動軸40の下端に固定されている。これにより、メス受け160はメス受け駆動手段170によって所定のタイミングで上下に駆動されるようになっている。
【0109】
メス受け取付台162の内部には、横方向にエアが通る横エア孔165が形成されている。横エア孔165の一端はキャップ164によって塞がれており、他端には継手163が取り付けられ、この継手163にエアライン175(図19)が接続されている。横エア孔165のほぼ中央から下方に向かって縦エア孔166が形成され、さらに縦エア孔166は平面メス受け160内に形成された縦孔160aに接続している。縦孔160aは、鳩目メス101bの真上に位置する。よって、エアライン175から継手163を介してエアが供給されると、そのエアは平面メス受け160aの縦孔160aから吹き出す。
平面メス受け160と鳩目メス101bとによって切断された布屑は、縦孔160aから吹き出すエアによって、鳩目用メス部材101内の布屑経路101e内に落とされるようになっている。
【0110】
ところで、起立した状態の鳩目メス用土台104上の鳩目メス101bと、直線メス102bとの間には図21、図22(a)で明らかなように、隙間w2が存在する。この隙間w2の長さは、平面メス受け160と直線メス102bが合致する長さw1より短くなるよう設定されている。特に、w1−w2=2mm以下であることが好ましい。このように設定することで、鳩目メス101b・直線メス102bと平面メス受け160との間で鳩目ボタン穴を形成する際に、1回目に切断し、次いで、隙間w2に対応する切残し部分を切断する際に、直線メス102bと平面メス受け160とによって1回の動作で切断でき、しかも、切断端が1回目の切断端と少し重なることから確実に切断することができる。
ここで、隙間w2の長さが、第1の実施の形態の長さmcに対応し、平面メス受け160と直線メス102bが合致する長さw1が直線メス部61bの長さmbに対応する。以下においても、隙間w2の長さは「mc」と、長さw1は「mb」として説明する。
【0111】
さらに本実施の形態の布切断装置201では、平面メス受け160の代わりに、図23に示すように段差メス受け167を取り付けることができる。この段差メス受け167の下面は、直線メス102bと合致する直線メス受け部169と、直線メス受け部169よりも段差167a分下方に突出し鳩目メス101bと合致する鳩目メス受け部168とからなる。段差167aは、鳩目メス101bと鳩目メス受け部168とが合致する際に、直線メス102bが直線メス受け部169に触れないように所定高さ、例えば2〜3mmの高さに形成されている。
段差メス受け167には、平面メス受け160同様に、縦孔167bが形成されている。
この段差メス受け167を用いる場合には、鳩目部90のみ形成することができるようになる。動作の詳細については後述する。
【0112】
なお、布切断装置201は、第1の実施の形態同様に、鳩目メスと直線メスが分割されておらず連続一体に形成された標準メスや眠り目穴専用の標準メスも取付可能である。
【0113】
上記構成を有する布切断装置201は、前後方向に布地を送る本発明の相対移動手段である送り台14との協働により、布地に所定の穴を形成していく。以下に、布切断装置201と送り第4の機械的な動作を図20〜図26を参照しながら説明する。図24〜図26はそれぞれ段階を追ってボタン穴を形成する様子を示す図であり、グレー色はその段階で切断した箇所、斜線部分は前段階で切断した箇所、符号Pはボタン穴の周囲のかがり縫い目を示す。
(1)メス受けとしては平面メス受け160を取り付け、かがり縫目を縫製した後に鳩目ボタン穴92を形成する場合について説明する。
まず、かがり縫いPを形成後、図示しない機構により上糸を切断し、送り台14により布地(被縫製物)をメスユニット100上である所定の布切り位置へ搬送する。このとき、布切断装置201は、図22(a)に示すように、エアシリンダ110はオフ状態でロッド110aは突出し、シリンダピン114により鳩目メス用土台104が押され起立した状態である。鳩目メス101bは被縫製物を切断可能な第一位置にある。
【0114】
メス受け駆動手段170の駆動により、平面メス受け160が所定量下降していく。平面メス受け160が鳩目メス101b及び直線メス102bと近接するある位置まで下降してくると、メス受け取付台162の継手163を介してエアが供給され始め、横エア穴165、縦エア孔166を通って、縦孔160aから、鳩目用メス部材101の布屑経路101eに向かってエアが噴射される。この上方からのエアの噴射は、鳩目部90の切断後に平面メス受け160が上昇し鳩目メス101bから十分離れるまで続く。
平面メス受け160が下降しつづけ、終には、鳩目メス101b及び直線メス102bと合致し、被縫製物には、図24(a)のグレー色で示すように、鳩目部90と、直線部91の一部である第1切込みh1が形成される。鳩目部90と第1切込みh1との間には、前述の隙間長さmcに対応する切り残し部分Sが存在している。
【0115】
この切断の際に、鳩目メス101bと平面メス受け160との間に滴状の布屑が発生すると、布屑は上方から吹き出すエアにより下方に押され、布屑経路101e、104aを通り、鳩目メス用土台104から排出され、布屑ガード122により飛散することなく、ボス131のボス孔131aあるいはその周辺に落ちる。
一方、吸引器134においても、継手141からエアが供給され、これによりエアパイプ136に生じた負圧のために、布屑はボス孔131aに吸い込まれ、吸引器134内に入り、接続パイプ137、ホース138を通り、ミシン200の外部で回収される。継手141から供給されるエアのタイミングは特に限定されず、継手163を介しての上方からのエアが供給され始めてから、布切りの全ての動作が終了するまでの間であればよいが、継手163からのエアの供給とほぼ同時であることがより好ましい。このようなタイミングであれば、上方からのエアと吸い込む勢いが合わさり布屑を確実に排出できるし、また継手163と継手141にエアを供給するための電磁弁を共通化させることも可能になり、構成・制御ともに簡単にできる。
【0116】
次に、メス受け駆動手段170が逆方向に作動し、平面メス受け160が布の移動と干渉しない高さまで上昇し、停止する。このとき、エアシリンダ110がオンになり、ロッド110aが引き込まれる。これにより、シリンダピン114に通されているリンク116によって鳩目メス用土台104が引っ張られるとともに、バネ108の付勢力により、鳩目メス用土台104は支点軸107を中心に反時計方向に倒れるように回動し、退避し、図22(b)に示す状態になる。このとき鳩目メス101bは、平面メス受け160と合致しない第二位置にある。
ところで、バネ108の付勢力だけに寄らず、リンク116を介してシリンダピン114によっても鳩目メス用土台104を引くように構成したのは、次の理由に寄る。鳩目メス101b上には被縫製物である布が密着していることがあり、バネ108だけであると布との間の摩擦力の関係で鳩目メス用土台104が倒れにくい。そこで、シリンダピン114で引いて、確実に鳩目メス用土台104が退避できるように構成した。
【0117】
エアシリンダ110のロッド110aが引き込まれた後、送り台14を作動させ、布を次の切断位置に移動させる。再度、メス受け駆動手段170によって平面メス受け160が下降し、鳩目メス101bは退避しているため、直線メス102bとのみ合致し、図24(b)でグレー色で示す第2切込みh2が形成される。この切断により、鳩目部90と直線部91がつながる。
【0118】
ここで、切断長が「縫い長さ(ml)−カット長さ補正(lc)」に達していない場合には、再度平面メス受け160が布の移動と干渉しない位置まで上昇し、布が送り台14により所定位置まで移動し、平面メス受け160が下降し、直線メス102bと合致し、図24(c)に示す第3切込みh3が形成される。これにより、鳩目部90と直線部91とからなる鳩目ボタン穴92が得られる。この例では、3回の動作で切断終了したが、回数は一例であって鳩目ボタン穴を形成する場合には2回以上であれば何回でもよい。
なお、2回目以降の切断の際には、布屑は発生しないので、継手163、141へのエアの供給は必要ない。
以上の切断動作終了後、下糸切断等の処理を終了する。
【0119】
また、2回目、及び3回目の切断の前の送り台14による布移動は、必ずその前に切断した切り込みと重なるように位置を調節する。具体的な重なり程度は前記長さmbと隙間長さmcとの値にもよるが、鳩目部90の頂点部分から1mm以上離れ、かつ、鳩目部90と第1切込みh1と同程度(1mm程度ずつ)重なるように、2回目の切断を行なう。3回目の切断の際にも、2回目に切断した第2切込みh2と1mm以上重なるように切断することが好ましい。
すなわち、布切り動作時の送り台14の各移動量は、メスNo.などから分かる「1回目で切断可能な長さ(鳩目部90頂点から直線部91の一部)」、「直線メス102bによる実切断長さmb」、「切り残り長さ」によって算出され、制御されるようになっている。制御の詳細については後で詳述する。
【0120】
(2)鳩目ボタン穴形成後に、その周囲にかがり縫いPを縫製する場合について説明する。
まず、送り台14により布を所定の切断位置に布地を搬送後、(1)同様に切断し、その後送り台14により縫製位置に搬送し、その後糸切り等の処理がなされる。
【0121】
次に、(3)平面メス受け160で眠り目穴94を形成する場合と、(4)で段差メス受け167を用いる場合について説明する。ただし、かがり縫いについては上記(1)、(2)から明らかなように、かがり縫いと布切断の時間的な前後関係は、布切断装置200そのものの動作とは直接関与しないので、以後では布切断装置200の動作についてのみ説明する。
(3)眠り目穴94を形成する場合について説明する。
まず、エアシリンダ110がオンになり、ロッド110aが引き込まれ、鳩目メス用土台104が引っ張られるとともに、バネ108の付勢力により、鳩目メス用土台104は退避し、図22(b)に示す状態になる。この状態で、送り台14により布を所定の布切り位置へ搬送する。
メス受け駆動手段170が作動し、平面メス受け160が所定量下降し、鳩目メス101bは退避しているため、直線メス102bとのみ合致し、図25(a)でグレー色で示す第1切込みh4が形成される。
【0122】
切断量が必要長さに達しない場合には、(1)の2回目動作同様に、平面メス受け160が布の移動を干渉しない程度に上昇し、送り台14が所定距離移動し、再び平面メス受け160を下降させ、2回目の切断を行い、図25(b)に示すように第2切込みh5が形成される。同様に3回目の切断を行なうと、図25(c)に示すように第3切込みh6が切断され、眠り目穴94が形成される。
眠り目穴94の場合、「眠り目オフセット量cc」及び「カット長さ補正lc」の数値を変更することにより、かがり縫い長さに対して切断位置と切断長さを任意に変更することができる。
【0123】
このように、眠り目穴94の場合、切断動作の最初に鳩目メス用土台104を退避させておき、直線メス102bのみにより切断する。また、布屑は発生しないので、継手163、141に対してエアは供給されない。
また、2回目及び3回目の切断前の送り台14の移動量は、鳩目ボタン穴92の形成時同様に、その前に切断した切り込みと1mm以上重なるように位置を調節する。
以上(1)〜(3)で説明したように、メスやメス受けの交換することなしに、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94の切り替えや切断長さの変更が自在にできる。
【0124】
(4)次に、段差メス受け167をメス受け取付台162に取り付けた場合について説明する。
段差メス受け167で、鳩目ボタン穴92やフラワーホールのような穴を形成する場合、まず、布切断装置201は、図23(a)に示すように、エアシリンダ110がオフ状態でロッド110aは突出し、シリンダピン114により鳩目メス用土台104が押され起立した状態である。
【0125】
メス受け駆動手段170の駆動により、段差メス受け167が所定量下降していく。段差メス受け167には段差167aが設けられているので、鳩目メス101bだけと合致し、図26(a)のグレー色で示すように、鳩目部90のみが形成される。フラワーホールのような穴のみ形成する場合は段差メス受け167を元の位置まで上昇させて動作を終了する。
また、鳩目ボタン穴92の場合はこの後、エアシリンダ110がオンになり、鳩目メス用土台104は退避し、図23(b)の状態になる。一方、段差メス受け167を布の移動と干渉しない高さまで上昇させ、布を送り台14で移動させて段差メス受け167を下降させる動作を、必要長さ分繰り返し、図26(b)〜(d)のグレー色で示すように、第1切込みh7、第2切込みh8、第3切込みh9を順に切り足していき、鳩目ボタン穴92を形成する。なお、2回目、3回目、4回目の切断前の送り台14による布の移動は、それぞれ、その前に形成した切断箇所と少し、例えば1mm以上、重なるように移動させる。
【0126】
前記(1)同様に、1回目の切断時に、段差メス受け167が鳩目メス101bと近接するある位置まで下降してくると、メス受け取付台162の継手163を介してエアが供給され始め、段差メス受け167の下面から、鳩目用メス部材101の布屑経路101eに向かってエアが噴射される。これに合わせて、吸引器134側の継手141にもエアが供給され始める。このエアの供給は、鳩目部90の切断後に段差メス受け167が上昇し鳩目メス101bから十分離れるまで続く。
【0127】
段差メス受け167を用いて、眠り目穴94を形成する場合については、前記(2)と全く同様である。
このように、段差メス受け167を用いれば、鳩目部90のみ、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94を形成でき、両ボタン穴の長さも自在に変更できる。
【0128】
次に、ミシン200に設けられる制御装置180について図27に基づいて説明する。制御装置180は、第1の実施の形態の制御装置50とほぼ同様であるので、同じ構成については同符号を付し、説明は省略し、以下では第1の実施の形態と異なる点のみ説明する。
制御装置180では、制御手段であるCPU54に対してインターフェイス55を介して前記エアシリンダ110を駆動するエアシリンダー駆動電磁弁76aが接続されている。CPU54は、インターフェイス55を介して、エアシリンダー駆動電磁弁76aを所定のタイミングで駆動し、これにより、鳩目メス用土台104を倒したり起立させる。
また、制御装置180によって、インターフェース55及びエアコンプレッサー駆動電磁弁77aを介して、エアチューブ140やエアライン175にエアを供給するエアコンプレッサー77bのオン/オフ動作が制御される。
【0129】
RAM52は、第1の実施の形態同様に、複数のパターンデータを記憶するとともに、これらデータの中から操作パネル59を介して選択された1つのデータを記憶し、選択後のデータ値の変更値も記憶する記憶手段である。
パターンデータのデータ項目としては、図7とほぼ同様であるが、データ項目10についてのみ少し異なる。
本発明の穴種類選択データであるデータ項目10は、メス受けとして、平面メス受け160または段差メス受け167の一方を用いる際に、被縫製物に対して、次の▲1▼〜▲4▼の4種類の縫製を選択するものである。
▲1▼平面メス受け160による鳩目ボタン穴92の形成(以下、▲1▼「平面メス受け・鳩目ボタン穴」形成)。
▲2▼平面メス受け160または段差メス受け167による眠り目穴94の形成(以下、▲2▼「眠り目穴」形成)。
▲3▼段差メス受け167による鳩目ボタン穴92の形成(以下、▲3▼「段差メス受け・鳩目ボタン穴」形成)。
▲4▼段差メス受け167による鳩目部90のみの形成(以下、▲4▼「段差メス受け・鳩目部のみ」形成)のうちの1つを選択するものである。
【0130】
これに合わせて、データ項目名としての「ss」は、「眠り目選択」ではなく「眠り目/鳩目選択」となり、上記の▲1▼〜▲4▼のいずれを形成するかを選択するための選択データに対応する。具体的には、▲1▼「平面メス受け・鳩目ボタン穴」を選択する場合には「0」を設定し、▲2▼「眠り目穴」を選択する場合には「1」を設定し、▲3▼「段差メス受け・鳩目ボタン穴」を選択する場合には「2」を設定し、▲4▼「段差メス受け・鳩目部のみ」を選択する場合には「3」を設定することで、所望の穴とかがり縫目を設定することができる。
【0131】
また、メモリスイッチの設定内容もほぼ図10と同様であるが、No.36については、「空送り可能メス受け高さ」となる。
【0132】
なお、第1の実施の形態同様に、実際に取り付けたメスNo.に合わせて、データ項目1でそのメスNo.を選択するようになっている。本実施の形態においても、メスNo.0〜5には前記標準メスが設定され、メスNo.6〜10に、鳩目用メス部材101と直線用メス部材102から構成される複数回メス、つまり鳩目ボタン穴を形成するためには2回以上駆動する必要があるメスが設定されている。
【0133】
次に、フローチャートを用いてボタン穴かがり縫目の形成作業の流れを説明する。第1の実施の形態におけるゼネラルフロー(図12)、メモリスイッチ設定処理(図13)、データ設定処理(図14)については、第2の実施の形態においても同様である。
本実施の形態で特徴的な布切りメス動作の流れについて図28のフローチャートを用いて説明する。前提として、オペレータは、形成したい穴に応じて、適切なメス、メス受けを取り付け、それに合わせて操作パネル59から所定のデータ設定をしている。
【0134】
まず、ステップS500において、例えばパターンデータ内のデータ項目「1」に設定されているメスNo.から、複数回メスが選択されているかどうか判定する。そして、標準メスと平面メス受け160が取り付けられていれば、複数回メスではなくNoとなり、ステップS518において平面メス受け160を降下させ、布にボタン穴を形成する。このとき、メスNo.0、つまり眠り目穴94を形成するための直線状の刃のみを備えたメスが選択されている場合には、ステップS518において眠り目が形成され、メスNo.1〜5が選択されている場合には、鳩目ボタン穴が形成される。
【0135】
また、ステップS500において複数回メスであると判定した場合、ステップS501において、パターンデータ内のデータ項目「10」の設定がss=1であるか否か、つまり眠り目穴が選択されているか否かを判定する。そして、眠り目穴が選択されていない場合、つまりss=0、2、3が選択されている場合、ステップS502に移行する。
ステップS502では、所定の切断位置まで平面メス受け160あるいは段差メス受け167を下降させる。被縫製物には、平面メス受け160であれば、鳩目用メス部材の鳩目メス101bと直線用メス部材102の直線メス102bの形状や大きさに応じた鳩目部90及び直線部91の一部が形成される。段差メス受け167であれば、鳩目部90のみ形成される。
次に、ステップS503で前記エアコンプレッサー77bが約50m秒オンした後、オフする。
【0136】
次いで、ステップS504で、パターンデータ内のデータ項目「10」の設定がss=3であるか否か、つまり鳩目部90のみが選択されているか否か判定する。鳩目部90のみが選択されている場合(Yes)には、布切り動作は終了するため、ステップS513に移行する。
データ項目10の設定がss=0、2のいずれかである場合、つまり平面メス受け160または段差メス受け167による鳩目ボタン穴92が選択されている場合、ステップS504からステップS505に移行する。
ステップS505において、メモリスイッチNo.36で設定されている「空送り可能メス高さ」に従って、平面メス受け160(段差メス受け167)を送り台14の移動に差し支えない高さまで上昇させる。
次に、ステップS506で、エアシリンダ110をオンすることで、鳩目用メス部材101が図22(b)または図23(b)に示すように倒れ、ステップS507に移行する。以後は、直線メス102bによる布切りだけが可能となる。
【0137】
ステップS507では、送り台14を、隙間w1(図22(a))に対応する、前記ステップS107で算出した2回目の布切り位置まで移動させる。このときの移動量は、前述のように1回目に切断した切り口に少し重なるような位置にメス受けが下降するよう制御される。具体的には、平面メス受け160であれば、前記隙間w2に対応する切り残し部分を切断するための位置であり、段差メス受け167であれば、鳩目部90に接続する直線部91の先端部分を切断する位置である。
次いで、ステップS508では、平面メス受け160あるいは段差メス受け167を切断位置まで下降させ、布地を切断し、ステップS509に移行し、ステップS509に移行する。
【0138】
一方、ステップS501で、Yes、つまりss=1であって眠り目穴が選択されていると判定した場合には、ステップS515に移行する。ステップS515において、エアシリンダ110をオンにし、鳩目用メス部材101が倒れる。これ以後は、直線用メス部材102による切断のみ可能となる。
次に、ステップS516で、送り台14を前記ステップS107で算出した1回目メス受け落し位置(布切り位置)まで移動させる。そして、ステップS517において、平面メス受け160または段差メス受け167を切断位置まで下降させ、直線メス102bの形状やメス受けとの合致長さに対応する直線状の穴が被縫製物に形成され、ステップS509に移行する。
【0139】
ステップS509で、前記ステップS107で算出したメス落とし回数と同一回数のメス受け落とし動作が行なわれたか否かを判定し、Noの場合には、ステップS510に移行し、前記ステップS505同様に、空送り高さまで平面メス受け160または段差メス受け167を上昇させる。次いで、ステップS511において、送り台14を前記ステップS107で算出された次のメス受け落し位置(布切り位置)まで移動させる。
そして、ステップS512において、メス受けを切断位置まで下降させて、所定長さ切り足し、ステップS509に戻り、再び前記ステップS107で算出したメス落とし回数と同一回数のメス受け落とし動作が行なわれたか否かを判定し、Yesの場合、つまりボタン穴の形成が終了した場合には、ステップS513に移行する。ここで、平面メス受け160または段差メス受け167を元の原点位置(最上位置)まで上昇させ、次いで、ステップS514で、エアシリンダ110をオフにして、鳩目用メス部材101を起立させ、布切りメス動作処理を終了する。
なお、ステップS504やステップS518を経てステップS514に至った場合には、エアシリンダ110はオフのままであるが、オフの状態でオフの命令を出力しても何も生じないので問題ない。
【0140】
ところで、ステップS502やステップS518の鳩目ボタン穴92あるいは鳩目部90を形成するための切断における下降位置と、その他の下降位置は、前者の方がより低い位置まで下降するように制御される。これは、鳩目を形成するときの方が合致面積が大きくメス受けをより強い力で押し込む必要があるからである。
【0141】
ここで、上述のように、ステップS507及びS511、S516においては、送り台14を所定量移動させることで、送り台14に対する布切断装置201の位置(メス受け位置)を相対的に変更し、所定長さのボタン穴を形成していく。このメス受け落し位置は、例えば、以下のようにして算出する。以下では、メス受け落し位置の算出方法を図29に基づいて説明する。図29(a)は前記ss=0、(b)はss=1、(c)はss=2、(d)はss=3の場合を説明するための図である。さらに、図29で示す各位置における切断の際の布切断装置201の状況を図30で模式的に示した。
【0142】
理解を容易にするために、送り台14が原点位置にある状態でメス受けを下降させることにより、鳩目部90が布上の所定位置に形成されるものとする。
また、図29(a)に示すように、平面メス受け160(段差メス受け167)と直線メス102bとの合致領域の後端部分をメス受け落し位置とし、Y座標を用いて表す。また、図29(a)で布を最初に切断した状態における、メス受け落し位置をY方向の原点(Y=0)とし、(b)〜(d)は(a)に合わせて、(a)と同じ位置をY=0としている。
【0143】
まず、図29(a)を用いて、平面メス受け160を用いて布に鳩目ボタン穴92を形成する場合について説明する。
布に鳩目部90及び直線部91の一部を形成すべく、最初に平面メス受け160を下降させるとき、上述のように、メス受け落し位置はY=0となる所定位置となる(図29(a)の(1)を参照)。このときの平面メス受け160と鳩目用メス部材101・直線用メス部材102との関係は図30(イ)で示す状態である。
【0144】
次に、前記w2に対応する切り残し部分を切断するためのメス受け落し位置は、切り残し部分の長さがmcであることから、図29(a)の(2)のように、Y=mcとなる。
次に、直線部91の長さを後方側に長さL(切り残り長さ)だけ切り足すためのメス受け落し位置(図29(a)(3)を参照)は、以下のように算出される。
まず、L=ml−lc−maとなり、平面メス受け160を落す回数Nは、N=L/mbで表される。ここで、L/mbに余りが生じるときは、切り上げてN=N+1とする。
【0145】
そして、直線部91を後方側に切り足すためのi回目(i=1〜N)のメス受け落しに関するメス受け落し位置をYiとすると、Yi=−L×i/Nとなる。そして、i=N、つまりメスをN回落した時点で、Yi=−Lとなり、直線部91の切り足しが完了することになる(図29(a)(4)を参照)。
但し、N=0の場合、つまり直線部91を後方側に切り足す必要が無い場合は、切り残し部分を切断した後のメス受け落し位置は算出されない。
図29(a)の(2)〜(4)のとき、鳩目用メス部材101は、図30(ロ)に示す倒れた状態であり、平面メス受け160と直線用メス部材102のみ合致する。
【0146】
次に、図29(b)を用いて、布に眠り目穴94を形成する場合について説明する。眠り目穴94を形成するときは、メス受けとしては平面メス受け160、段差メス受け167のいずれでもよく、いずれにしても鳩目用メス部材101は倒れ、図30(ロ)、(ニ)に示すように、メス受けは直線用メス部材102とのみ合致する状態となっている。
眠り目穴94を形成する際、最初に平面メス受け160(段差メス受け167)を下降させる際のメス受け落し位置はY=ma−mb−ccとなる(図29(b)(1)を参照)。
次に、直線状の穴93の長さを後方側に長さLだけ切り足すためのメス受け落し位置(図29(b)(2)を参照)は、以下のように算出される。
まず、L=ml−cc−lc−mbとなり、平面メス受け160(段差メス受け167)を落す回数Nは、N=L/mbとなる。ここで、L/mbに余りが生じるときは、切り上げてN=N+1とする。
【0147】
そして、直線状の穴93を後方側に切り足すためのi回目(i=1〜N)のメス落しに関するメス受け落し位置をYiとすると、Yi=ma−mb−cc−L×i/Nとなる。
そして、i=N、つまり平面メス受け160をN回落した時点で、直線状の穴93の切り足しが完了することになる(図29(b)(3)を参照)。
但し、N=0の場合、つまり直線状の穴93を後方側に切り足す必要が無い場合は、Yiは算出されない。
【0148】
次に、図29(c)を用いて、段差メス受け167を用いて鳩目ボタン穴92を形成する場合について説明する。
まず、布に鳩目部90を形成すべく、最初に段差メス受け167を下降させるときのメス受け落し位置は、前述のように鳩目部90は布の所定の位置に形成され、Y=0となる。このとき、図30(ハ)に示すように、段差メス受け167は鳩目用メス部材101とのみ合致し、直線用メス部材102とは合致せず、鳩目部90のみが形成される。
【0149】
次に、直線部91の長さを後方側に長さLだけ切り足すためのメス受け落し位置(図29(c)(2)〜(4)を参照)は以下のように算出される。図29(c)の(2)〜(4)間、図30(ニ)のように鳩目用メス部材101が倒れており、段差メス受け167は直線用メス部材102とのみ合致する。
まず、直線部91の1回目のメス受け落し位置は、切り残し部分の長さがmcであることから、Y=mcとなる(図29(c)(2)を参照)。
【0150】
次に直線部91の長さを、後方側に長さLだけ切り足すためのメス受け落し位置(図29(c)の(3))は、以下の様に算出される。すなわち、L=ml−lc−ma+mcとなり、メス受けを落とす回数Nは、N=L/mbで表される。ここで、L/mbに余りが生じるときは、切り上げてN=N+1とする。
そして、直線部91を後方側に切り足すためのi回目(i=1〜N)のメス受け落し位置をYiとすると、Yi=mc−L×i/Nとなる。そして、i=N、つまりメス受けを落とした時点で、Yi=−L+mc=ml−lc−maとなり、直線部91の切り足しが完了することになる(図29(c)の(4))。
なお、上記説明においては、第一の実施の形態における説明と同様に、説明を簡単にするために理想的な場合を想定して説明を行ったが、実際には、第一の実施の形態と同様に、切込みと切込みとの間の切り残しを防止するためにメモリースイッチ設定内容で設定されている設定値に対して、mbを所定長さu(例えば1mm)短めにしてメス受け落し回数を算出し、mcを所定長さv(例えば1mm)長めにしてメス受け落し位置を算出して、各回のメス受け落し時の切込みが所定量重なるようにボタン穴を形成する。
具体的には、図29(a)の鳩目穴かがりの場合は、(2)におけるメス受け落し位置をY=mc+vとして算出し、メス受け落し回数(N)をN=L/(mb−u)として算出する。図29(b)の眠り穴かがりの場合には、N=L/(mb−u)として、切り残し回数Nだけをmb−uを用いて算出する。
図29(c)鳩目穴かがりの場合は、(2)におけるメス受け落し位置をY=mc+vとして算出し、(3)以降におけるメス受け落し回数(N)、およびi回目のメス受け落し位置(Yi)を、N=L/(mb−u)、L=ml−lc−ma+mc+v、Yi=mc+v−L×i/N、として算出する。
【0151】
次に、図29(d)に基づいて鳩目部90のみを形成する場合について説明する。このときは、図30(ハ)に示すように、段差メス受け167は鳩目用メス部材101とのみ合致し、直線用メス部材102とは合致しない。
この場合は、布に鳩目部90を形成すべく、最初に段差メス受け167を下降させた状態では、上述のように鳩目部90は、布上の所定の位置に形成され、メス受け落し位置はY=0となる(図29(d)の(1))。直線部91を切ることがないので、これで完了することになる。
【0152】
以上の布切断装置201を備えるミシン200によれば、鳩目用メス部材101が回動することで、鳩目メス101bが布切断可能な第一位置と、退避する第二位置とを移動するように構成し、さらに送り台14で布地を前後方向に移動できることから、平面メス受け160を用いる場合には、メス受け、メスの交換をすることなしに、鳩目ボタン穴92、眠り目94の切り替えや切断長さの変更が自在にできる。また、段差メス受け167を用いれば、メス受け、メスの交換をすることなしに、鳩目部90のみ、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94を形成でき、かつ、様々な長さのボタン穴を形成できる。
【0153】
さらに、ミシン200によれば、第1の実施の形態と同様のパターンデータや制御方法に従って制御しているので、第1の実施の形態同様に、カット長さ補正(lc)を設定することで、直線部91及び直線状の穴93が縫製開始地点と縫製終了地点に挟まれる位置まで延出しないようにでき、上述の縫い不良を防止できる。
また、眠り目オフセット量(cc)を設定できるので、穴かがり縫い目の任意の位置に直線状の穴93を形成でき、また、カット長さ補正(lc)を設定できるので、直線状の穴93の長さを任意に変更でき、種々の仕様に対応した眠り目穴94の形成が可能となる。
また、空送り可能メス受け高さを設定できるので、布の厚さとほぼ同じ高さに空送り可能メス受け高さを設定しておけば、メス受けの上昇量が必要最小限度の量となり、ボタン穴形成にかかるサイクルタイムを短縮できる。
【0154】
加えて、ミシン200は、第1の実施の形態のミシンと比較して次のような作用効果も有する。
1.鳩目メス101bだけではなく、直線メス102bも押し切り方法で切断するので、第1の実施の形態の直線メス部61bよりも直線メス102bの刃先を丸くすることができるので、布セット時に布を引っ掛けにくい。また、刃先が丸いので、メスの切れ味が低下しにくく、切れ味が低下することによる切断の際の布の引きつりなどは発生しない。
さらに、押し切りにしたことにより、第1の実施の形態のようにメス受け側に溝を設けていないので、溝内の切りくずを除去する作業を要しない。
【0155】
2.第1の実施の形態では、布屑経路は符号17で示すように懐部分に設けられているが、第2の実施の形態では、布屑を回収する経路をベッド部200b側に設けたので、アーム下の懐部分が広く使える。
3.布屑ガード122により布屑経路101e、104aを通った布屑は飛散することなく土台板103a上の所定箇所に集まりやすくなり、さらにこれを吸引器134で吸引することにより、布屑を回収することができる。つまり、布屑経路104aと、ボス穴131aとに布屑を回収する経路が分断されても確実に回収できる。また、経路が分断されていることで、土台板103aを境に、メスユニット100側の布屑経路を、例えば鳩目メスの退避方向に応じて変えても(変形例1参照)、土台板103aに対するボス133の取付位置を変えれば同様の回収構造をとることができ、布屑経路を自由に設定することができる。
【0156】
なお、上記第2の実施の形態では、メス受けについて平面メス受けと段差メス受けとの両方を使用できるとしたが、布切りメスとして、鳩目メス部の方がより高くなるように直線メス部との間で段差を有するものを使用できるようにしてもよい。この場合、平面メス受けを使用しても、鳩目部90だけ形成することができ、つまり、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94、鳩目部90のみを自在に形成することができる。
【0157】
第2の実施の形態の変形例について説明する。
<変形例1>
図31、図32を参照して変形例1を説明する。図31、図32において、図20〜22と全く同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
変形例1におけるメスユニット300では、メス土台部材103の代わりに、メス土台部材303を用いている。メス土台部材303は、前記メス土台部材103同様に、土台板303aが固定ネジ152、152によってミシン200のベッド部に固定され、土台板303aの前部に、メス支持体303bが立ち上がるように形成され、さらにメス支持体303bの上部にブロック体303cとなっており、その上面に、第2の実施の形態と同様に、直線用メス部材102がはめ込まれている。ただし、ここでのメス支持体303bは、前記メス支持体103bに比較すると後側が短くブロック体303cを真下から支持する程度の幅に形成されており、後述の鳩目メス用土台304は支持していない。
【0158】
また、土台板303aの上面には、平坦に形成されたスライド部303dが設けられ、このスライド部303dの中央に、前後方向に沿ってガイド溝303eが設けられている。
一方、スライド部303dの上面には、鳩目メス用土台304が設けられている。鳩目メス用土台304の上面には、第2の実施の形態同様に、鳩目用メス部材101が固定され、鳩目用メス部材101の内側には布屑経路101eが形成されている。鳩目メス用土台304の下面には、前記ガイド溝303eに嵌合する嵌合突起304bが設けられている。これにより、鳩目メス用土台304は、ガイド溝303eに沿ってスライド部上面を前後に移動可能となっている。
【0159】
鳩目メス用土台304の中には、鳩目用メス部材101の布屑経路101eに連続する布屑経路304aが形成されている。この布屑経路304aは、後ろ斜め下方に向かって形成されていた前記布屑経路104aと異なり、鳩目メス用土台304の前後移動の経路と重ならないように、図31(b)における紙面手前斜め下方に向かうように形成されている。鳩目メス101bによって切断された布屑は、布屑経路101e、304aを通って、ボス穴131aに落ち、外部に排出されていく。なお、布屑経路304aの向きに応じて、布屑ガード306が鳩目メス用土台304の側面がわを囲むように設けられ、止めネジ307、307によって土台板303aに固定されている。
【0160】
前記エアシリンダ110同様のエアシリンダ310を固定するシリンダ取付板301は、鳩目メス用土台304の前後移動に干渉しない位置で止めネジ302、302により、前後に調節可能であるように、土台板303aの上面に固定されている。
ロッド310aの先端には、外側にネジが切られているネジ部310bが固定され、このネジ部310bが、ナット305を介して、鳩目メス用土台304の後面に形成されたネジ穴に前後位置を調節して取り付けられている。従って、変形例1においては、鳩目メス用土台304は、ロッド310aの出没に応じて前後移動するようになっており、エアシリンダ310がオフでロッド310aが突出しているとき起立した状態で(図32(a))となり、オンでロッド310aが引き込まれるとネジ部310bを介して鳩目メス用土台304が引っ張られ、後方に移動する。
エアシリンダ310で押された鳩目メス用土台304の前方の位置は、第1の実施の形態同様に、前記ブロック体303cの後部の内部に設けられた調節ネジ115、115により決定している。
【0161】
上記構成を有するメスユニット300と平面メス受け160(あるいは段差メス受け167でもよい)とによって行なう切断動作は、第1の実施の形態で述べた(1)〜(4)とほぼ同様であって、唯一、鳩目メス用土台304は後方に直進することで退避する点だけが異なる。
すなわち、鳩目部90を切断する場合には、図32(a)に示すように鳩目メス用土台304が前方にあって、平面メス受け160と鳩目メス101b及び直線メス102bとが合致する。段差メス受け167であれば、鳩目メス101bとのみ合致する。このときの鳩目メス101bの位置が第一位置である。
また、第1の実施の形態と同様のタイミングで、エアが継手163、141に供給され、切断により生じた布屑が布屑経路101e、304aを通り鳩目メス用土台304の側面から排出され、さらに吸引器134で吸引されて、排出される。
【0162】
直線部90あるいは眠り目穴94を形成する場合には、図32(b)に示すように鳩目メス用土台304が平面メス受け160(段差メス受け167)と干渉しない位置まで後方に退避し、平面メス受け160(段差メス受け167)と直線メス102bのみとにより布地が切断される。このときの鳩目メス101bの位置が第二位置である。
【0163】
以上のメスユニット300を有する布切断装置が設けられたミシンであっても、鳩目メス101bが固定された鳩目メス用土台304を前後に移動できるように構成したので、前記布切断装置201を備えたミシン200同様に、平面メス受け160を使えば、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成することができる。段差メス受け167を使えば、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成できるうえに、鳩目部90のみ形成することもできる。
【0164】
<変形例2>
図33を参照して変形例2を説明する。図33において、図20〜22と全く同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
変形例2の布切断装置400は、第1の実施の形態とは上下逆に構成され、上側に布切りメス411が、下側にメス受けが設けられている。
上側には、前記メス受け駆動手段170同様の布切り駆動手段を構成する直動軸40にメス取付台410が固定され、このメス取付台410に対して布切りメス411が取り付けられている。布切りメス411の下面には、滴状に形成された鳩目メス部412と直線に形成された直線メス部413が連続して一体に形成されている。
【0165】
メス取付台410の内部には、横方向に布屑経路410aが形成され、この布屑経路410aに対して、継手418を介して矢印C方向にエアが吸引されるようになっている。布屑経路410aの先端であってメス取付台410の外面に突出するように、布屑を回収する布屑シュート416がネジ417を介して固定されている。布屑シュート416にはパイプ414が設けられ、さらにパイプ414の他端側にホース415が接続されている。
メス取付台410の内部には、布屑経路410aに接続するように布屑経路410bが形成されている。布切りメス411の内部にも布屑経路410bと連続する布屑経路411aが形成され、鳩目メス部412の下面で開口している。
【0166】
下側のメス受けユニット420は、メス受け土台403上に各部材が取り付けられて構成される。土台板403aには、前記メス支持体103b同様のメス受け支持体403b、ブロック体103c同様のブロック体403cが設けられ、前記メス土台部材103とほぼ同じ形状である。ただし、変形例2では布屑をメス受け土台403の下から排出しないので、布屑を通すための孔がメス受け土台板403aに設けられていない点のみ異なる。
【0167】
ブロック体403cの上面には、前記直線メス部413と合致するもので、上面が平坦に形成された直線メス受け402が固定されている。この固定構造は、直線用メス部材102と同様である。また、メス受け支持体403bの内側には、直方体状の図示しない凹部が形成され、この凹部に対して、鳩目メス受け用土台404がはめ込まれている。鳩目メス受け用土台404は、メス受け支持体403bに対して、鳩目メス用土台104同様に、支持軸107によって回動自在で、かつ、バネ108で図33の反時計方向に付勢された状態で取り付けられている。そして、鳩目メス受け用土台404は、前記鳩目メス用土台104と同様に、エアシリンダ110先端のシリンダピン114によって押されて起立し、シリンダピン114に取り付けられたリンク116とバネ108により倒れるようになっている。
【0168】
鳩目メス受け用土台404の上面には、鳩目メス部412と合致するもので、上面が平坦に形成された鳩目メス受け401が固定されている。この固定構造は、鳩目用メス部材101と同様である。直線メス受け402と鳩目メス受け401とにより、メス受けが構成されている。
鳩目メス受け用土台404の内部には、エアが通るためのエア縦孔404aが形成されている。さらに、鳩目メス受け用土台404の側面(図33で見えている面の反対側)には、エア縦孔404aに接続する図示しない横孔が形成され、この横孔にエアライン406が図示しない継手を介して接続されている。鳩目メス受け401の内部には、エア縦孔404aに連続し、上面401aで開口となっているエア縦孔401bが形成されている。よって、エアライン406からエアが供給されると、エア縦孔404a、401bを通って、エアは上方の鳩目メス部412に向かって噴出すようになっている。鳩目部90の形成により生じた布屑は、エア縦孔401bから噴出したエアによって、布屑経路411a、410b、410a内に入り、さらに継手418から吸引されたエアにより布屑シュート416に向かい、エアパイプ414、ホース415を通ってミシンの外へ排出される。
【0169】
上記構成を有する布切断装置400によって行なう切断動作は、前記平面メス受け160と同様に布切りメス411が上下動し、一方、前記鳩目用メス部材101同様に鳩目メス受け401が回動し退避する以外は、第1の実施の形態で述べた(1)〜(4)と同様である。
すなわち、鳩目ボタン孔92の鳩目部90と直線部91を切断する場合には、図33(a)に示す状態であって、布切りメス411が下降し、鳩目メス受け401及び直線メス受け402とが合致する。このときの鳩目メス受け401の位置が第一位置である。また、布屑が発生するのでエアがエアライン406及び継手418に対して供給され、布屑がミシンの外に排出される。
【0170】
直線部91あるいは眠り目穴94を形成する場合には、図33(b)に示すように鳩目メス受け用土台404が反時計方向に回動することで退避し、布切りメス411と直線メス受け402のみとにより布地が切断される。このときの鳩目メス受け401の位置が第二位置である。
以上の布切断装置400が設けられたミシンであっても、前記布切断装置201を備えたミシン200同様に、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成することができる。
さらに、鳩目メス受け401の上面401aの方が、直線メス受け402の上面402aよりも高い位置にあるように、段差を設ければ、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成できるうえに、鳩目部90のみ形成することもできる。
【0171】
<変形例3>
図34を参照して変形例3を説明する。図34において、図20〜22と全く同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
変形例3におけるメスユニット500におけるメス土台部材503は、平板な土台板503aを有し、該土台板503a上に半円形状の半円板部503bが立設されている。この半円板部503bの中央を支点軸505が通っており、この支点軸505に回動自在に軸支されるようにして、回動メス土台504が取り付けられている。
回動メス土台504は、途中で折れ曲がるように形成されたブロック状の部材で、折曲部504aを境に後方上面に鳩目用メス部材501が固定され、前方上面に直線用メス部材502が固定されている。これらメスの固定構造は、第1の実施の形態と同様である。
【0172】
鳩目用メス部材501の上縁部には滴状の鳩目メス501bが形成され、その内側には布屑経路501aが形成されている。直線用メス部材502の上面には直線状の直線メス502bが形成されている。
回動メス土台504の側面にはネジ520、520を介して、ストッパ519、519が固定され、鳩目用メス部材501及び直線用メス部材502は、それぞれ、ストッパ519、519により後方における位置決めがされている。
【0173】
回動メス土台504には、前記布屑経路501aと連続し、斜め後ろ下方に向かうように形成された布屑経路504dが形成されている。布屑経路504dから排出された布屑は、第1の実施の形態同様に、土台板503a内のボス孔131a内を通ってミシンの外に向かうようになっている。土台板503a上には布屑ガード508がネジ固定されている。
回動メス土台504の下面には、2つ三角形状のカムである第1三角カム504b、第2三角カム504cが設けられ、一方、土台板503aの上面には、三角カム504b、504cに当接可能な位置に、前後移動可能に構成された移動カム517aが設けられている。
【0174】
エアシリンダ110は、止めネジ518、518で土台板503aに固定されているシリンダ取付板511に対して、シリンダネジ112、112により固定されている。エアシリンダ110のロッド110aには、固定ネジ516によって、ロッド固定板515が固定されている。
ロッド固定板515は、前後方向から見ると略矩形状を有し、その右部(図34(a)における上方)の上部に図示しない孔が形成され、この孔にシリンダ取付板511に固定されたストッパ軸512が挿通している。ストッパ軸512の先端にはストッパ513が取り付けられている。前記右部の下部からは、前方に向かうように、カム固定板515aが延出している。このカム固定板515aに対して、移動カム517aと一体であってこれを支持するカム支持部517がカム用ネジ514、514により固定されている。
【0175】
上記構成のメスユニット500の動作を説明する。図34はロッド110aが引っ込んだ状態で、移動カム517aの上縁に第1三角カム504bが乗り上げ、鳩目用メス部材501が起立し直線用メス部材502は斜めに倒れた状態となっている。このとき、鳩目メス501bは布切断位置である第一位置、直線メス502bは布切断不可である第二位置に位置していることになる。よって、この状態で上方よりメス受けが下降してくれば、鳩目部90のみ形成される。
【0176】
この状態から、ロッド110aが突出すると、ロッド固定板515がストッパ軸512にガイドされながら前進するに伴い、カム固定板515aが前進し、これによりカム支持部517及び移動カム517aが前進する。
移動カム517aは、前進により第1三角カム504bから離れ、やがて、第2三角カム504cに接触し、前進力により回動メス土台504を図34(b)の反時計方向に回動させる。終には第2三角カム504cが移動カム517aに乗りあがり、鳩目用メス部材501は斜めに倒れて直線用メス部材502が起立した状態となる。このとき、直線メス502bは布切断位置である第一位置、鳩目メス501bは布切断不可である第二位置に位置していることになる。よって、この状態で上方よりメス受けが下降してくれば、直線部91や眠り目穴94が形成される。なお、この移動カム517aの前進は、ロッド固定板515がストッパ513に当接したところで停止する。
この状態から再びロッド110aが引っ込めば、移動カム517aの後方への移動に伴い、回動メス土台504が時計方向に回動しながら、図34の状態に戻る。
【0177】
以上のメスユニット500が設けられたミシンであれば、回動メス土台504により鳩目用メス部材501と直線用メス部材502が交互に第一位置と第二位置間を移動できるように構成したことから、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成できるうえに、鳩目部90のみを形成することもできる。
【0178】
なお、第2の実施の形態及びその変形例のそれぞれで、第一位置と第二位置とを移動するメスあるいはメス受けの退避方向は、前後方向とは限らず横方向であってもよい。また、退避の具体的な機構も適宜変更可能である。また、メス受け及びメスの上下の位置関係を入れ替えてもよい。
【0186】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、布切りメスのうち、移動手段により、前記鳩目メス部と前記直線メス部の少なくとも一方は、前記メス受けと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、前記メス受けと合致しない第二位置とを移動することができる。これにより、多様なボタン穴を形成することができる。例えば、メス受けが鳩目メス受け部と直線メス受け部とが平坦に形成されたタイプであって、鳩目メス部のみが移動手段により移動する場合、鳩目メス部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは直線状のボタン穴(眠り目穴)を形成することができる。また、直線メス部のみが移動する場合には、直線メス部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは鳩目部のみ形成でき、フラワーホールなどに利用できる。両方、移動可能であれば、鳩目ボタン穴、眠り目穴、鳩目部のみの3種類形成することができる。従って、布切りメスを交換することなく、各種ボタン穴を形成することができる。
【0187】
請求項8に記載の発明によれば、メス受けのうち、移動手段により、鳩目メス受け部と直線メス受け部の少なくとも一方は、布切りメスと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、布切りメスと合致しない第二位置とを移動することができる。これにより、多様なボタン穴を形成できる。例えば、布切りメスが鳩目メス部と直線メス部がほぼ平坦に形成されたタイプであって、鳩目メス受け部のみが移動する場合、鳩目メス受け部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは直線状のボタン穴(眠り目穴)を形成することができる。また、直線メス受け部のみが移動する場合、直線メス受け部が第一位置にあるときは、鳩目ボタン穴を形成し、第二位置にあるときは鳩目部のみ形成でき、フラワーホールなどに利用できる。両方、移動可能であれば、鳩目ボタン穴、眠り目穴、鳩目部のみの3種類形成することができる。従って、メス受けを交換することなく、各種ボタン穴を形成することができる。
【0188】
また、請求項10によれば、請求項1または請求項8記載の発明の効果に加えて、メス受けを取り替えなくても、布切り手段を被縫製物に対して相対的に移動させながら、切り足すことができるようになり、様々な長さのボタン穴を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるミシンの構造を一部破断した状態で示す側面図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるミシンの構造を一部破断した状態で示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態にかかるミシンの構造を示す背面図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるミシンの構造を示す上面図である。
【図5】布切りメス及びメス受けの構造を示す側面図(a)及び正面図(b)である。
【図6】ミシンの制御装置を示すブロック図である。
【図7】パターンデータを示す図面である。
【図8】メスNo.に対応するデータを示す図面(a)及び(b)である。
【図9】鳩目ボタン穴に形成される穴かがり縫い目の形状を示す図(a)、データテーブルを示す図(b)及び眠り目ボタン穴に形成される穴かがり縫い目の形状を示す図(c)である。
【図10】メモリスイッチデータを示す図面である。
【図11】操作パネルを示す図面である。
【図12】ボタン穴かがり縫い目形成作業の流れを示すフローチャートである。
【図13】メモリスイッチ設定の流れを示すフローチャートである。
【図14】データ設定の流れを示すフローチャートである。
【図15】布切りメス動作の流れを示すフローチャートである。
【図16】メス落し位置の算出方法を示す図面である。
【図17】布切りメスの構造を示す斜視図(a)及びメス受けの構造を示す斜視図(b)である。
【図18】第2の実施の形態にかかるミシンの主要構造を一部破断した状態で示す側面図である。
【図19】第2の実施の形態にかかるミシンの主要構造を一部破断した状態で示す正面図である。
【図20】図18のミシンに設けられるメスユニットを示す上からの平面図である。
【図21】図20のメスユニットとこれに接続される吸引器を示す側面図であり、一部破断して示している。
【図22】図20のメスユニットを有する布切断装置の動作を示す側面図で、(a)は鳩目用メス部材が起立した状態であり、(b)は鳩目用メス部材が倒れた状態を示す。
【図23】図20のメスユニットを有し、メス受けとして段差メス受けを用いた布切断装置の動作を示す側面図で、(a)は鳩目用メス部材が起立した状態であり、(b)は鳩目用メス部材が倒れた状態を示す。
【図24】図22の動作時に鳩目ボタン穴を形成する様子を順を追って説明するための図である。
【図25】図22または図23の動作時に眠り目穴を形成する様子を順を追って説明するための図である。
【図26】図23の動作時に鳩目ボタン穴を形成する様子を順を追って説明するための図である。
【図27】図18のミシンの制御装置を示すブロック図である。
【図28】布切り動作の流れを示すフローチャートである。
【図29】メス受け落し位置の算出方法を説明するための図である。
【図30】図18のミシンの布切断装置における4つの布切りパターンを模式的に示す図である。
【図31】第2の実施の形態の変形例1としてのメスユニットを示す図であり、(a)は上からの平面図で、(b)は側面図である。
【図32】図31のメスユニットを有する布切断装置の動作を示す側面図で、(a)は鳩目用メス部材が前進している状態であり、(b)は直線用メス部材が退避した状態を示す。
【図33】第2の実施の形態の変形例2としての布切断装置を示す図であり、(a)はメス受けが起立した状態であり、(b)はメス受けが倒れて退避した状態を示す。
【図34】第2の実施の形態の変形例3としてのメスユニットを示す図であり、(a)は上からの平面図で、(b)は側面図である。
【図35】従来のパターンデータを示す図面である。
【図36】メスNo.に対応するデータを示す図面(a)〜(d)である。
【符号の説明】
10 ミシン
50 ミシンの制御装置
52 記憶手段(RAM)
53 記憶手段(EEPROM)
59 変更手段(操作パネル)
60 布切り手段
61 布切りメス
61a 鳩目メス部
61b 直線メス部
62 メス受け
90 鳩目部
91 直線部
92 鳩目ボタン穴
93 直線状の穴
14 送り台(相対移動手段)
100 メスユニット
101 鳩目用メス部材
101b 鳩目メス
101e 布屑経路
102 直線用メス部材
102b 直線メス
103 メス土台部
104 鳩目メス用土台
104a 布屑経路
107 支点軸
108 バネ(移動手段)
110 エアシリンダ(移動手段)
114 シリンダピン
116 リンク
122 布屑ガード
134 吸引器
160 平面メス受け
167 段差メス受け
170 メス受け駆動手段(布切り駆動手段)
180 制御装置
200 ミシン
201 布切断装置
300 メスユニット
303 メス土台部材
304 鳩目メス用土台
304a 布屑経路
400 布切断装置
401 鳩目メス受け
402 直線メス受け
403 メス受け土台
404 鳩目メス受け用土台
410 メス取付台
411 布切りメス
412 鳩目メス部
413 直線メス部
416 布屑シュート
420 メス受けユニット
500 メスユニット
501 鳩目用メス部材
501a 布屑経路
501b 鳩目メス
502 直線用メス部材
502b 直線メス
503 メス土台部材
504 回動メス土台
504b 第1三角カム
504c 第2三角カム
504d 布屑経路
517a 移動カム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a button hole in a sewing product.Sewing machine cloth cutting equipmentAbout.
[0002]
[Prior art]
In general, a buttonhole overlock sewing machine is known as a sewing machine that performs overlock stitching around a buttonhole formed in a cloth (a sewing object). This buttonhole sewing machine is provided with a knife and a knife receiver facing each other in the vicinity of the sewing needle.
As button holes, eyelet holes (also referred to as eyelet button holes) formed by connecting a drop-like hole (eyelet part) and a straight hole (straight part), and a straight hole (straight part) There is a sleepy eye hole formed only from.
[0003]
The eyelet for forming the eyelet hole has, for example, a shape in which a drop-like blade that forms the eyelet portion and a linear blade that forms the straight portion are connected to each other. Is provided with a linear blade forming a linear portion. Then, with the cloth placed on the knife receiver, the knife is driven downward and pressed against the cloth and the knife receiver to form a button hole.
In such a buttonhole sewing machine, a plurality of pattern data are stored for the size and shape of buttonhole sewing that can be formed, and predetermined buttonhole sewing is performed by calling one of them on the operation panel. .
[0004]
FIG. 35 shows a table of conventional pattern data when buttonhole sewing is performed, and nine types of pattern data having
[0005]
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, since the button hole is required to have a different shape for each type and design of the clothes, it is basically necessary to exchange the knife and the female receptacle when forming the button holes having different shapes. Therefore, even when only the length of the straight portion of the button hole is changed, it is necessary to use a knife and a knife receiver corresponding to this, and it takes time to replace these knife and knife receiver.
In addition, buttonhole sewing machines may be used to form holes other than button holes, such as flower holes formed on the collar of suits. In both cases, the knife and the knife receiver have to be exchanged in the same manner as described above in order to change the length and type of the button hole.
[0007]
An object of the present invention is to consider the above-described problems, and can form button holes of various lengths and types without changing the cloth cutting knife and the knife receiver.Sewing machine cloth cutting equipmentIs to provide.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the claims1As shown in FIGS. 18 to 24, the described invention is provided in a sewing machine (200) that forms a button hole in a sewing product and forms a seam around the button hole, and has a eyelet part (90). The cloth cutting which has the eyelet female part (
[0024]
Claim1In the cloth cutting knife, at least one of the eyelet knife part and the linear knife part is matched with the knife receiver by the moving means, and the first position is capable of cutting the sewing product. The second position that does not match the knife receiver can be moved. Thereby, various button holes can be formed. For example, when the knife receiver is a type in which the eyelet knife receiving portion and the straight knife receiving portion are formed flat and only the eyelet knife portion moves by the moving means, when the eyelet knife portion is in the first position, An eyelet button hole is formed, and when it is in the second position, a straight button hole (sleep eye hole) can be formed. In addition, when only the straight knife part moves, a button eye button hole can be formed when the straight knife part is in the first position, and only the eyelet part can be formed when it is in the second position. it can. If both are movable, three types of eyelet buttonholes, sleepy eyeholes, and eyelet portions can be formed. Therefore, various button holes can be formed without replacing the cloth cutting knife.
[0025]
And claims10As described above, the cloth cutting means can be moved relative to the sewing product in a direction parallel to the straight portion of the eyelet button hole formed in the sewing product (for example, a feed base). 14), the claim1In addition to the effects of the above, it is possible to cut and add button holes of various lengths while moving the cloth cutting means relative to the workpiece without changing the cloth cutting knife. Can be formed.
[0026]
Claim2The invention described in
[0027]
Claim2According to the invention described in (2), both the flat knife receiver and the step knife receiver can be attached as the knife receiver. Thereby, the variation which can be selected increases. For example, even if only the eyelet knife part can be moved, if a stepped knife receiving part having a step so that the eyelet knife receiving part is closer to the knife side can be formed, only the eyelet part can be formed. Three types of holes, straight portions, and eyelet portions can be formed. On the other hand, even if only the straight knife portion can be moved, if a step knife receptacle having a step so that the straight knife receiving portion is closer to the knife side is used, only the eyelet button hole, the straight portion, and the
[0028]
Claim3The invention described in claim 12The sewing machine cloth cutting device according to
[0029]
Claim3According to the invention described in the above, the eyelet button by the flat knife receiver, the eyelet knife section of the cloth cutting knife and the straight knife section can be used for the hole type selection data by using both the flat knife holder and the step knife holder. Formation of a hole, formation of a straight hole formed by either a flat knife receiver or a step knife receiver, and a straight knife part alone, and a step knife holder, a dovetail knife part of a cloth cutting knife and a straight knife part By selecting either the formation of the eyelet button hole or the formation of only the eyelet portion by the step knife receiver and only the eyelet knife portion, the cloth cutting drive means and the moving means are controlled under the control of the control means. A desired hole is formed.
[0030]
Claim1In the sewing machine cloth cutting apparatus according to
[0031]
And claims6The invention described in claim 1134. For example, as shown in FIG. 34, the eyelet knife part (
[0032]
Claim7The invention described in claim 11The sewing machine cloth cutting device according to
[0033]
By forming the eyelet part, cloth waste is always generated, and it has been collected from a conventional route that is connected to the eyelet knife part, but the eyelet knife part is configured to move between the first position and the second position. If so, it is practically important what route to collect. Claim7According to the invention described in the above, the cloth waste path for collecting the cloth waste generated when forming the eyelet part is external to the outside of the eyelet knife part and the eyelet knife base in a direction that does not prevent the movement of the eyelet knife part. Therefore, the cloth waste can be collected on a course that does not interfere with the movement of the eyelet knife portion. In addition, the cloth waste discharged from the cloth waste path is connected to the suction device (134) and is discharged into the pipe (133) not connected to the cloth waste path, so that suction is reliably performed. Is done. Also, the cloth waste path and the pipe are not connected, that is, the path for collecting the cloth waste is divided in the middle, so that the knife can be cut depending on the movement direction of the eyelet knife section, etc. Only the cloth waste path on the side can be changed, and the degree of freedom in designing the cloth waste path is high.
[0034]
Claim8As shown in FIG. 33, for example, the invention described in FIG. 33 is provided in a sewing machine that forms a button hole in a sewing product and forms a seam around the button hole. And a cloth cutting knife (411) having a eyelet female part (412) that forms the eyelet part of the eyelet button hole (92), and a straight female part (413) that forms the straight part, and the cloth An eyelet knife receiving part (eyelet knife receiver 401) that is disposed vertically opposite to the cutting knife and matches the eyelet knife part, and a line knife receiver (linear knife receiver 402) that matches the line knife part. A cloth cutting means having a knife receiver, and a cloth cutting driving means for driving one of the cloth cutting knife and one of the knife holders up and down so that the knife receiver comes into contact with and separates from the cloth cutting knife. The female receptacle touched and matched A sewing machine cloth cutting device (400) for cutting a material to be sewn and forming a button hole, wherein at least one of the eyelet knife receiving part and the linear knife receiving part of the knife receiver includes the cloth cutting knife It is configured to be movable so as to take a first position that matches and can cut the workpiece, and a second position that does not match the cloth cutting knife, and the first of the eyelet knife receiving portion and the straight knife receiving portion. About what takes 1 position and 2nd position, the moving means (the
[0035]
Claim8According to the invention described in the above, at least one of the eyelet knife receiving portion and the straight knife receiving portion is matched with the cloth cutting knife by the moving means among the knife receivers, and a first position capable of cutting the workpiece. A second position that does not match the cloth cutting knife can be moved. Thereby, various button holes can be formed. For example, if the cloth cutting knife is a type in which the eyelet knife part and the straight knife part are formed almost flat and only the eyelet knife receiving part moves, the eyelet button is displayed when the eyelet knife receiving part is in the first position. A hole is formed, and when it is in the second position, a straight button hole (sleeping hole) can be formed. In addition, when only the straight knife receiving part moves, the eyelet button hole can be formed when the linear knife receiving part is at the first position, and only the eyelet part can be formed when the linear knife receiving part is at the second position. it can. If both are movable, three types of eyelet buttonholes, sleepy eyeholes, and eyelet portions can be formed. Therefore, various button holes can be formed without exchanging the knife receiver.
[0036]
And claims10As described above, the cloth cutting means can be moved relative to the sewing product in a direction parallel to the straight portion of the eyelet button hole formed in the sewing product (for example, a feed base). 14), it is possible to cut the cloth cutting means while moving the cloth cutting means relative to the sewing object without changing the knife receiver. Can be formed. Claims10In this case, the entire cloth cutting means may be moved by the relative moving means, or the article to be sewn may be moved.
[0037]
Claim1And claims8In this case, either the cloth cutting knife or the knife receiver may be on the top.
[0038]
Claim8In the sewing machine cloth cutting apparatus according to
[0039]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
<First Embodiment>
Hereinafter, a case where the control device of the sewing machine is applied to a buttonhole sewing machine (hereinafter referred to as “sewing machine”) will be described in detail.
The
[0040]
The
[0041]
First, the cloth cutting means 60 will be described with reference to FIG.
As shown in FIG. 5 (a), the cloth cutting means 60 includes a
[0042]
The
The
[0043]
The
Note that a
[0044]
When the
[0045]
Note that the length of the
Further, as described above, since the
[0046]
Next, the cloth cutting knife driving means 20 for driving the
The
A
[0047]
Two link
As shown in FIG. 4, the
A
[0048]
The
A
[0049]
Next, the operation of the cloth cutting knife driving means 20 will be described.
When the
When the
[0050]
After the cutting, the
[0051]
Next, the sewing
As shown in FIG. 6, the
The
[0052]
The RAM 52 (storage means) stores a plurality of pattern data, and stores one data selected from the data via the
The EEPROM 53 (storage means) stores a plurality of memory switch data. Further, when the value of the memory switch data is changed, the value after the change is also stored.
[0053]
As the pattern data, there are, for example, nine pattern data as shown in FIG. 7, and specific values corresponding to the
[0054]
In
The
[0055]
The
The
[0056]
Note that ml corresponds to data relating to the length of the stitched seam of the present invention, and lc represents data for changing the length of the
[0057]
As the memory switch data, for example, as shown in FIG. 1 to 36 are set, and in each memory switch, values corresponding to items described in the “contents of memory switch” column are set as shown in the “set value” column. For example, memory switch No. 1 includes female no. It is input that the setting value for the eyelet width (ew) of 1 is 2.1 mm. 13 includes female no. It is input that the set value for the total knife length (ma) of 6 is 18 mm.
[0058]
The
The
[0059]
Further, the
The
The
[0060]
The
The
Further, the
In addition, the
[0061]
As shown in FIG.
Pattern No. The
[0062]
The data
When a data item is selected in the data
The data setting key 59g is a switch operated when performing data setting work. That is, the data value can be changed by pressing the data setting key 59g. Also, selection or change of each item or number is confirmed by pressing the data setting key 59g again.
The preparation key 59h is a key for enabling preparation of a boring operation and creating stitch data corresponding to a data value selected or reset after the setting operation is completed. The preparation key 59h also serves as a key for changing the memory switch data when it is pressed when the power is turned on.
[0063]
Next, the flow of buttonhole stitch formation work will be described using the flowchart of FIG.
First, when the main key (not shown) of the sewing machine is turned on, if the preparation key 59h is also turned on at the same time, that is, if Yes in step S100, the process proceeds to step S101 to set a memory switch to be described later. .
If No in step S100, or after setting the memory switch data in step S101, the process proceeds to step S102.
[0064]
In step S102, the pattern No. Whether or not the +/− key 59b is operated is monitored, and if it is turned on, that is, if Yes, the process proceeds to step S103, where the pattern No. Update.
In the case of No in step S102 or the pattern No. in step S103. After the update, the process proceeds to step S104.
In step S104, it is monitored whether or not the data setting switch is operated, and if it is turned on, that is, if Yes, data setting described later is performed in step S105.
If No in step S104, or after data setting in step S105, the process proceeds to step S106.
[0065]
In step S106, the operation of the preparation key 59h is monitored. If the operation is not performed, that is, No, the process returns to Step S102. If the operation is performed, that is, if Yes, these data are stored in Step S107 based on the contents of the set pattern data and memory switch data. Data generated to drive a driving source such as the
In step S108, the
[0066]
In step S111, the operation of the
If the
[0067]
In step S116, it is determined whether or not the first knife is selected in the data item “7” in the pattern data shown in FIG. If it is a tip knife, the cloth cutting knife operation | movement mentioned later is performed in step S117.
In the case of No in step S116, or after performing the cloth cutting knife operation in step S117, the boring operation is performed in step S118. This boring operation includes a series of operations such as moving the
[0068]
After completion of the boring operation, the process proceeds to step S119, and the
Next, in step S120, it is determined whether or not the rear knife is selected in the data item “7” in the pattern data. If the rear knife is selected, that is, if Yes, the process proceeds to step S121. The cloth cutting knife operation similar to S117 is executed.
If it is determined in step S120 that it is not the rear knife, or after the cloth cutting knife operation in step S121 is completed, the
[0069]
Next, the flow of memory switch setting in step S101 will be described using the flowchart of FIG.
First, in step S400, “1” is displayed on the item display portion of the
Next, in step S401, the operation of the data item +/− key 59d is monitored, and if it is turned on, that is, if Yes, the memory switch No. Is updated and displayed on the data
After step S402 or if No in step S401, the process proceeds to step S403.
[0070]
In step S403, the operation of the data +/-
After step S404, or if NO in step S403, the process proceeds to step S405.
In step S405, the operation of the preparation key 59h is monitored, and if it is not turned on, that is, if No, the process returns to step S401. If it is turned on, that is, if Yes, the process proceeds to step S406, and the set memory switch The data is stored in the
[0071]
Next, the flow of data setting in step S105 will be described using the flowchart of FIG.
First, in step S300, “1” is displayed on the data
Next, in step S301, the operation of the data item +/-
After step S302 or if No in step S301, the process proceeds to step S303.
[0072]
In step S303, the operation of the data +/-
After step S304, or if No in step S303, the process proceeds to step S305.
In step S305, the operation of the data setting key 59g is monitored, and if it is turned on, that is, if Yes, the data is updated to the changed data in step S306, and the process proceeds to step S106. If the data setting key 59g is not operated in step S305, the process returns to step S301.
[0073]
Next, the flow of the cloth cutting knife operation in step S117 will be described using the flowchart of FIG.
First, in step S200, for example, the female number set in the data item “1” in the pattern data is set. From this, it is determined whether or not the knife is selected a plurality of times. If the knife is not a plurality of times, that is, No, the
[0074]
If it is determined in step S200 that it is a knife a plurality of times, that is, if Yes, it is determined in step S202 whether or not a sleepy eye hole is set in the data item “10” in the pattern data. If the sleep hole is not set, that is, if the eyelet hole is set, No in step S202, and the process proceeds to step S203.
In step S203, the
[0075]
In step S206, the
On the other hand, if it is determined in step S202 that a sleepy eye hole is set, the determination is Yes and the process proceeds to step S212.
In step S212, the
[0076]
In step S207, it is determined whether or not the number of knife dropping operations equal to the number of knife droppings calculated in step S107 has been performed. If no, the process proceeds to step S208, and similarly to step S204, the memory switch In step S209, the
If Yes in step S207, that is, if a predetermined button hole is formed, the process moves to step S211, the
[0077]
Here, as described above, in steps S205, 209 and 212, by moving the
Further, as shown in FIG. 16A, the position of the rear end portion of the
[0078]
First, the case where the
First, in order to form the
Next, the knife dropping position for cutting the uncut portion is Y = mc because the length of the uncut portion is mc (see FIGS. 16A and 16B).
Next, the knife dropping position (see FIGS. 16A and 16) for adding the length of the
First, L = ml-lc-ma, and the number of times N of dropping the knife is expressed by N = L / mb. Here, when a remainder occurs in L / mb, it is rounded up to N = N + 1.
[0079]
When the knife dropping position regarding the i-th knife dropping (i = 1 to N) for adding the
When i = N, that is, when the knife is dropped N times, Yi = −L, and the addition of the
However, when N = 0, that is, when it is not necessary to add the
[0080]
Next, the case where the
First, in order to form the
Next, the knife dropping position (see FIGS. 16B and 16B) for adding the length of the
First, L = ml−cc−lc−mb, and the number N of times of dropping the
[0081]
And if Yi is the knife dropping position regarding the i-th (i = 1 to N) knife dropping for adding the
When i = N, that is, when the
However, when N = 0, that is, when it is not necessary to add the
In the above description, the description has been made assuming an ideal case for the sake of simplicity, but in reality, when a button hole is formed by adding a plurality of scalpels, a mechanical error may occur. There is a possibility that uncut portions may be generated between the cuts due to wrinkles of the set cloth or the like. For this reason, in order to form the button hole more securely, the button hole is formed by calculating the knife dropping position so that the cut portions at the time of dropping each knife overlap with a predetermined length (for example, about 1 mm) or more. Is preferred.
In order to calculate such a knife dropping frequency or knife dropping position, for example, when the
Specifically, for the eyelet overhang of FIG. 16A, the knife dropping position in (2) is calculated as Y = mc + v, and the number of knife droppings is calculated as N = L / (mb−u). For the sleep hole in FIG. 16 (b), N = L / (mb−u) is used, and only the uncut number N is calculated using mb−u.
[0082]
According to the
[0083]
Further, after the
Also, since the sleepy eye selection (ss) can be set, the
[0084]
Further, since the
In addition, since the sleepy eye offset amount (cc) can be set, the
[0085]
In addition, when the length of the button hole to be formed (ml-lc) is relatively long, a straight knife having a knife length (ma) substantially equal to the button hole length as shown in FIG. You may use the
In addition, since the height of the knife that can be fed is set, if the height of the knife that can be fed is set to the same height as the thickness of the cloth, the rising amount of the
[0086]
The present invention is not limited to the first embodiment, and can be changed as appropriate.
For example, the
In addition, although the data regarding the buttonhole length is ml-lc, the buttonhole length may be set directly. In this case, hole length correction may be set so that hole length = (button hole length + hole length correction).
[0087]
Further, the vertical movement of the
Also, a so-called multiple knife is used as the cloth cutting knife, and an actuator capable of individually controlling the movement of the eyelet knife portion and the linear knife portion of the cloth cutting knife is provided, and both the
[0088]
Further, a so-called standard knife is used as the cloth cutting knife, and an actuator capable of individually controlling the movement of the eyelet knife portion and the linear knife portion of the cloth cutting knife is provided, and both the
In addition, as the cloth cutting knife, a so-called standard knife in which the eyelet knife part and the linear knife part are integrated at the same height is used, and the knife receiver is connected to the part corresponding to the eyelet knife part of the cloth cutting knife and the linear knife part. It is also possible to provide an actuator that can be divided into portions corresponding to the above, and to individually control the movement of these portions, and to control the drive of the knife receiver in accordance with the shape of the button hole to be formed.
[0089]
In addition, two types of female receptacles, a female receptacle for forming eyelet holes and a female receptacle for forming sleepy eye holes, are provided, and these two types of female receptacles have a structure that can be arbitrarily selected by, for example, a turret method. It is also possible to select a female receptacle according to the shape of the button hole to be formed.
Further, the number of pattern data, the number of data items, the number of memory switches, the operation method of the
Further, in the above embodiment, a plurality of pattern data are stored and one of them is selected to create the stitch data. However, a plurality of stitch data may be stored in the storage means (RAM 52).
[0090]
Alternatively, a plurality of pattern data and stitch data corresponding to each pattern data may be stored. In this case, it is only necessary that the stitch data is automatically specified when the pattern data is selected.
In the present embodiment, the case where the
Further, either cutting of the uncut portion or extension (addition) of the
[0091]
<Second Embodiment>
Next, a second embodiment of the present invention is shown in FIGS. The
Hereinafter, the
[0092]
The
As shown in FIGS. 20 and 21, the
[0093]
The eyelet
[0094]
The straight
[0095]
As shown in FIG. 20, the
The
Furthermore, the
[0096]
A
Further, one side edge side of the
[0097]
[0098]
Further, a
Further, one side edge side of the
[0099]
A
[0100]
A
[0101]
On the other hand, a double-acting
[0102]
A
[0103]
When the
When the
That is, the
The drive source for operating the
[0104]
Inside the
The rear end part of the cloth waste path 104a is an opening, and the cloth waste generated by cutting the cloth by the
A hole (not shown) is also formed in the
In this way, the path through which the cloth waste is discharged is interrupted at the opening of the cloth waste path 104a and continues to the
Note that a
[0105]
A tip of a
[0106]
As shown in FIG. 18, the
The tip is connected to an
[0107]
Air is supplied from the
In FIG. 21, most of the
[0108]
As shown in FIG. 22, the
The knife
[0109]
A
The cloth waste cut by the
[0110]
By the way, a gap w2 exists between the
Here, the length of the gap w2 corresponds to the length mc of the first embodiment, and the length w1 at which the
[0111]
Furthermore, in the
Similar to the
In the case of using this stepped
[0112]
As in the first embodiment, the
[0113]
The
(1) A case where a
First, after forming the overlock stitch P, the upper thread is cut by a mechanism (not shown), and the cloth (sewing material) is conveyed to a predetermined cloth cutting position on the
[0114]
As the knife receiver driving means 170 is driven, the
The
[0115]
During the cutting, if drop-like cloth waste is generated between the
On the other hand, in the
[0116]
Next, the knife receiver driving means 170 operates in the reverse direction, and the
The reason why the
[0117]
After the
[0118]
Here, if the cutting length has not reached “sewing length (ml) −cut length correction (lc)”, the
In addition, since cloth waste is not generated in the second and subsequent cuts, it is not necessary to supply air to the
After the above cutting operation is completed, the processing such as lower thread cutting is terminated.
[0119]
In addition, the position of the cloth movement by the feed table 14 before the second and third cuts is adjusted so as to overlap with the cut cut before that. The specific degree of overlap depends on the values of the length mb and the gap length mc, but is 1 mm or more away from the apex portion of the
That is, each movement amount of the
[0120]
(2) After forming the eyelet button hole, the case where the overlock stitch P is sewn around it will be described.
First, after the fabric is conveyed to a predetermined cutting position by the
[0121]
Next, (3) the case where the
(3) The case where the
First, the
Since the knife receiver driving means 170 is actuated, the
[0122]
If the amount of cutting does not reach the required length, as in the second operation of (1), the
In the case of the
[0123]
In this way, in the case of the
Further, the amount of movement of the
As described above in (1) to (3), the
[0124]
(4) Next, a case where the stepped
When forming a hole such as an
[0125]
As the knife receiver driving means 170 is driven, the
In the case of the
[0126]
Similarly to the above (1), when the stepped
[0127]
The case where the
As described above, if the stepped
[0128]
Next, the
In the
Further, the
[0129]
As in the first embodiment, the
The data items of the pattern data are almost the same as those in FIG. 7, but only the
The
(1) Formation of
(2) Formation of the
(3) Formation of the
{Circle around (4)} One of the formation of the
[0130]
In accordance with this, “ss” as the data item name is not “sleeping eye selection” but “sleeping eye / eyelet selection”, and is used to select any one of (1) to (4) above. Corresponds to the selected data. Specifically, set “0” to select “1” “flat knife holder / eyelet button hole”, and “1” to select “2” “sleep eye hole”. , ▲ 3 ▼ Set “2” to select “Step knife receptacle / eyelet button hole”, ▲ 4 ▼ Set “3” to select “Step knife receptacle / eyelet button only” Thus, it is possible to set a desired hole and overlock seam.
[0131]
The setting contents of the memory switch are almost the same as in FIG. About 36, it becomes the "feeding scalpel receiving height".
[0132]
As in the first embodiment, the actually attached female No. In accordance with
[0133]
Next, a flow of forming a buttonhole stitch will be described using a flowchart. The general flow (FIG. 12), the memory switch setting process (FIG. 13), and the data setting process (FIG. 14) in the first embodiment are the same in the second embodiment.
A characteristic flow of the cloth cutting knife operation in the present embodiment will be described with reference to the flowchart of FIG. As a premise, the operator attaches an appropriate knife and a knife receiver according to the hole to be formed, and sets predetermined data from the
[0134]
First, in step S500, for example, the female number set in the data item “1” in the pattern data is set. From this, it is determined whether or not the knife is selected a plurality of times. If the standard knife and the
[0135]
If it is determined in step S500 that the knife is a plurality of times, it is determined in step S501 whether the setting of the data item “10” in the pattern data is ss = 1, that is, whether the sleepy eye hole is selected. Determine whether. If the sleep eye hole is not selected, that is, if ss = 0, 2, or 3 is selected, the process proceeds to step S502.
In step S502, the
Next, in step S503, the
[0136]
Next, in step S504, it is determined whether or not the setting of the data item “10” in the pattern data is ss = 3, that is, whether only the
When the setting of the
In step S505, the memory switch No. The flat knife receiver 160 (step knife receiver 167) is raised to a height that does not interfere with the movement of the
Next, by turning on the
[0137]
In step S507, the feed table 14 is moved to the second cloth cutting position calculated in step S107 corresponding to the gap w1 (FIG. 22A). The amount of movement at this time is controlled so that the knife receiver descends to a position where it slightly overlaps the cut cut first time as described above. Specifically, in the case of the
Next, in step S508, the
[0138]
On the other hand, if it is determined in step S501 that Yes, that is, ss = 1, and the sleep eye hole is selected, the process proceeds to step S515. In step S515, the
Next, in step S516, the
[0139]
In step S509, it is determined whether or not the number of knife dropping operations equal to the number of knife droppings calculated in step S107 has been performed. If no, the process proceeds to step S510, and in the same manner as in step S505, empty. The
In step S512, the knife receiver is lowered to the cutting position, added by a predetermined length, and the process returns to step S509. Whether or not the knife receiving operation of the same number as the number of knife droppings calculated in step S107 has been performed again. In the case of Yes, that is, in the case where the formation of the button hole is completed, the process proceeds to step S513. Here, the
When step S514 is reached via step S504 or step S518, the
[0140]
By the way, the lowering position in the cutting for forming the
[0141]
Here, as described above, in steps S507, S511, and S516, the position of the
[0142]
In order to facilitate understanding, it is assumed that the
Further, as shown in FIG. 29A, the rear end portion of the matching area between the flat knife receiver 160 (step knife receiver 167) and the
[0143]
First, the case where the
When the
[0144]
Next, the knife receiving position for cutting the uncut portion corresponding to w2 has the length mc of the uncut portion, so that as shown in (2) of FIG. mc.
Next, the knife receiving position (see FIGS. 29 (a) and (3)) for adding the length of the
First, L = ml−lc−ma, and the number N of times of dropping the
[0145]
Then, Yi = −L × i / N, where Yi is the knife receiving position regarding the i-th (i = 1 to N) knife receiving for cutting the
However, when N = 0, that is, when it is not necessary to add the
In (2) to (4) of FIG. 29 (a), the eyelet
[0146]
Next, the case where the
When the
Next, the knife receiving position (see FIGS. 29B and 2) for adding the length of the
First, L = ml−cc−lc−mb, and the number N of times when the flat knife receiver 160 (step knife receiver 167) is dropped is N = L / mb. Here, when a remainder occurs in L / mb, it is rounded up to N = N + 1.
[0147]
Then, Yi = ma−mb−cc−L × i / N, where Yi is the knife receiving position for the i-th (i = 1 to N) knife dropping for adding the
When i = N, that is, when the
However, when N = 0, that is, when it is not necessary to add the
[0148]
Next, the case where the
First, in order to form the
[0149]
Next, the knife receiving position (see FIGS. 29 (c) (2) to (4)) for adding the length of the
First, the first knife receiving position of the
[0150]
Next, the knife receiving position ((3) in FIG. 29C) for adding the length of the
Then, if the i-th (i = 1 to N) female receiving position for adding the
In the above description, as in the description of the first embodiment, the description has been made assuming an ideal case in order to simplify the description. However, in practice, the first embodiment is described. As with, the number of times the knife is received with mb shortened by a predetermined length u (for example, 1 mm) with respect to the setting value set in the memory switch setting contents in order to prevent uncut between cuttings. And mc is increased by a predetermined length v (for example, 1 mm), the knife receiving position is calculated, and a button hole is formed so that a predetermined amount of the cut at each receiving of the knife is overlapped.
Specifically, in the case of the eyelet overhang of FIG. 29A, the knife receiving position in (2) is calculated as Y = mc + v, and the knife receiving frequency (N) is N = L / (mb−u). ). In the case of sleep stagnation in FIG. 29B, it is assumed that N = L / (mb−u), and only the number of uncut times N is calculated using mb−u.
FIG. 29 (c) In the case of eyelet overhanging, the knife receiving position in (2) is calculated as Y = mc + v, and the number of knife receiving times (N) in (3) and after, and the i-th knife receiving position ( Yi) is calculated as N = L / (mb−u), L = ml−lc−ma + mc + v, Yi = mc + v−L × i / N.
[0151]
Next, a case where only the
In this case, in order to form the
[0152]
According to the
[0153]
Furthermore, according to the
In addition, since the sleepy eye offset amount (cc) can be set, the
Also, since the height of the knife receiver that can be fed can be set, if the height of the knife receiver that can be fed is set to the same height as the thickness of the cloth, the amount of lift of the knife receiver will be the minimum necessary amount. Cycle time for buttonhole formation can be shortened.
[0154]
In addition, the
1. Since not only the
Furthermore, since the groove is not provided on the female receiving side as in the first embodiment, the operation for removing chips in the groove is not required.
[0155]
2. In the first embodiment, the cloth waste path is provided in the pocket portion as indicated by reference numeral 17, but in the second embodiment, the cloth waste collecting path is provided on the
3. The cloth waste that passes through the
[0156]
In the second embodiment, both the flat knife receiver and the step knife holder can be used as the knife receiver. However, as the cloth cutting knife, the straight knife part is higher so that the eyelet knife part is higher. You may enable it to use what has a level | step difference between. In this case, even if a flat knife receiver is used, only the
[0157]
A modification of the second embodiment will be described.
<
In the
[0158]
A
On the other hand, the
[0159]
In the
[0160]
The
A threaded
The front position of the
[0161]
The cutting operation performed by the
That is, when cutting the
In addition, at the same timing as in the first embodiment, air is supplied to the
[0162]
When the
[0163]
Even the sewing machine provided with the cloth cutting device having the
[0164]
<
The
On the upper side, a
[0165]
Inside the
A
[0166]
The lower
[0167]
On the upper surface of the
[0168]
On the upper surface of the eyelet
An air
[0169]
In the cutting operation performed by the
That is, when cutting the
[0170]
When the
Even in the sewing machine provided with the
Further, if a step is provided so that the
[0171]
<
The
The
[0172]
A drop-shaped
[0173]
The
Two triangular cams, a first
[0174]
The
The
[0175]
The operation of the
[0176]
When the
The moving
When the
[0177]
If the sewing machine is provided with the
[0178]
In each of the second embodiment and its modification, the retraction direction of the knife or knife receiver that moves between the first position and the second position is not limited to the front-rear direction, and may be the horizontal direction. In addition, the specific mechanism of evacuation can be changed as appropriate. Further, the positional relationship between the knife receiver and the knife may be switched.
[0186]
【The invention's effect】
Claim1In the cloth cutting knife, at least one of the eyelet knife part and the linear knife part is matched with the knife receiver by the moving means, and the first position is capable of cutting the sewing product. The second position that does not match the knife receiver can be moved. Thereby, various button holes can be formed. For example, when the knife receiver is a type in which the eyelet knife receiving portion and the straight knife receiving portion are formed flat and only the eyelet knife portion moves by the moving means, when the eyelet knife portion is in the first position, An eyelet button hole is formed, and when it is in the second position, a straight button hole (sleep eye hole) can be formed. In addition, when only the straight knife part moves, a button eye button hole can be formed when the straight knife part is in the first position, and only the eyelet part can be formed when it is in the second position. it can. If both are movable, three types of eyelet buttonholes, sleepy eyeholes, and eyelet portions can be formed. Therefore, various button holes can be formed without replacing the cloth cutting knife.
[0187]
Claim8According to the invention described in the above, at least one of the eyelet knife receiving portion and the straight knife receiving portion is matched with the cloth cutting knife by the moving means among the knife receivers, and a first position capable of cutting the workpiece. A second position that does not match the cloth cutting knife can be moved. Thereby, various button holes can be formed. For example, if the cloth cutting knife is a type in which the eyelet knife part and the straight knife part are formed almost flat and only the eyelet knife receiving part moves, the eyelet button is displayed when the eyelet knife receiving part is in the first position. A hole is formed, and when it is in the second position, a straight button hole (sleeping hole) can be formed. In addition, when only the straight knife receiving part moves, the eyelet button hole can be formed when the linear knife receiving part is at the first position, and only the eyelet part can be formed when the linear knife receiving part is at the second position. it can. If both are movable, three types of eyelet buttonholes, sleepy eyeholes, and eyelet portions can be formed. Therefore, various button holes can be formed without exchanging the knife receiver.
[0188]
Claims10According to the claim1Or claims8In addition to the effects of the invention described above, it is possible to cut the cloth cutting means while moving the cloth cutting means relative to the workpiece without changing the knife receiver. Can be formed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing the structure of a sewing machine according to a first embodiment in a partially broken state.
FIG. 2 is a front view showing the structure of the sewing machine according to the first embodiment in a partially broken state.
FIG. 3 is a rear view showing the structure of the sewing machine according to the first embodiment.
FIG. 4 is a top view showing the structure of the sewing machine according to the first embodiment.
FIGS. 5A and 5B are a side view and a front view showing a structure of a cloth cutting knife and a knife receiver, respectively.
FIG. 6 is a block diagram showing a control device of the sewing machine.
FIG. 7 is a diagram showing pattern data.
[Fig. 8] Female No. It is drawing (a) which shows the data corresponding to (b).
FIG. 9A is a diagram showing the shape of a stitched seam formed in an eyelet buttonhole, FIG. 9B is a diagram showing a data table, and FIG. 9C is a diagram showing the shape of a stitched seam formed in a sleeper buttonhole. ).
FIG. 10 is a diagram showing memory switch data.
FIG. 11 is a diagram showing an operation panel.
FIG. 12 is a flowchart showing a flow of buttonhole stitch formation work.
FIG. 13 is a flowchart showing a flow of memory switch setting.
FIG. 14 is a flowchart showing a flow of data setting.
FIG. 15 is a flowchart showing a flow of cloth cutting knife operation.
FIG. 16 is a drawing showing a method for calculating a knife dropping position.
FIG. 17 is a perspective view (a) showing the structure of the cloth cutting knife and a perspective view (b) showing the structure of the knife receiver.
FIG. 18 is a side view showing the main structure of the sewing machine according to the second embodiment in a partially broken state.
FIG. 19 is a front view showing the main structure of the sewing machine according to the second embodiment in a partially broken state.
20 is a plan view from above showing a female unit provided in the sewing machine of FIG. 18. FIG.
21 is a side view showing the female unit of FIG. 20 and a suction device connected to the female unit, partially broken away.
22 is a side view showing the operation of the cloth cutting device having the knife unit of FIG. 20, in which (a) shows a state where the eyelet female member is raised, and (b) shows a state where the eyelet female member is tilted. Show.
23 is a side view showing the operation of the cloth cutting apparatus having the knife unit of FIG. 20 and using the step knife receiver as the knife receiver, wherein (a) is a state in which the eyelet female member is raised; ) Shows a state where the eyelet female member has fallen.
24 is a diagram for explaining step by step how the eyelet buttonhole is formed during the operation of FIG. 22;
FIG. 25 is a diagram for step by step explaining how to form a sleep eye hole during the operation of FIG. 22 or FIG. 23;
26 is a diagram for explaining step by step how the eyelet buttonhole is formed during the operation of FIG. 23;
FIG. 27 is a block diagram showing a control device of the sewing machine of FIG.
FIG. 28 is a flowchart showing a flow of cloth cutting operation.
FIG. 29 is a diagram for explaining a method of calculating a knife receiving position.
30 is a view schematically showing four cloth cutting patterns in the sewing machine cloth cutting apparatus of FIG. 18; FIG.
31A and 31B are views showing a female unit as a first modification of the second embodiment, wherein FIG. 31A is a plan view from above, and FIG. 31B is a side view.
32 is a side view showing the operation of the cloth cutting device having the knife unit shown in FIG. 31, wherein (a) shows a state where the eyelet female member is moving forward, and (b) shows that the straight female member is retracted. Indicates the state.
FIGS. 33A and 33B are diagrams showing a cloth cutting device as a second modification of the second embodiment, in which FIG. 33A is a state in which the knife receiver is raised and FIG. 33B is a state in which the knife receiver is collapsed and retracted; Indicates.
34A and 34B are views showing a female unit as a third modification of the second embodiment, wherein FIG. 34A is a plan view from above, and FIG. 34B is a side view.
FIG. 35 is a diagram showing conventional pattern data.
FIG. It is drawing (a)-(d) which shows the data corresponding to this.
[Explanation of symbols]
10 Sewing machine
50 Sewing machine control device
52 Memory means (RAM)
53 Memory means (EEPROM)
59 Changing means (operation panel)
60 Cloth cutting means
61 Cloth cutting knife
61a Eyelet female section
61b Straight female part
62 Female receptacle
90 Eyelet
91 Straight section
92 Eyelet buttonhole
93 Straight hole
14 Feeding base (relative movement means)
100 female unit
101 Eyelet female member
101b Eyelet female
101e Cloth path
102 Female member for straight line
102b Straight knife
103 female base
104 Foundation for eyelet female
104a Cloth path
107 fulcrum shaft
108 Spring (moving means)
110 Air cylinder (moving means)
114 Cylinder pin
116 links
122 Cloth guard
134 Aspirator
160 Flat knife receptacle
167 Step female receptacle
170 knife receiving drive means (cloth cutting drive means)
180 Controller
200 sewing machines
201 Cloth cutting device
300 female unit
303 female base material
304 Foundation for eyelet female
304a Cloth path
400 Cloth cutting device
401 Female eyelet
402 Straight female receptacle
403 female receiving base
404 Foundation for eyelet female
410 Female mounting base
411 Cloth cutting knife
412 Eyelet female part
413 Straight knife part
416 Cloth chute
420 Female receiving unit
500 female units
501 Female member for eyelet
501a Cloth path
501b Eyelet female
502 Female member for straight line
502b Straight knife
503 Female base material
504 Rotating knife base
504b First triangular cam
504c Second triangular cam
504d Cloth waste path
517a Moving cam
Claims (10)
鳩目部と直線部とからなる鳩目ボタン穴の前記鳩目部を形成する鳩目メス部と、前記直線部を形成する直線メス部とを有する布切りメスと、前記布切りメスに上下に対向して配設され、前記鳩目メス部と合致する鳩目メス受け部と、前記直線メス部と合致する直線メス受け部とを有するメス受けとを備える布切り手段と、
前記布切りメスと前記メス受けが接離するように一方を上下方向に駆動する布切り駆動手段とを備え、
前記布切り手段は、布切りメスとメス受けとが接し合致したときに被縫製物を切断しボタン穴を形成するミシンの布切断装置であって、
前記布切りメスの前記鳩目メス部と前記直線メス部の少なくとも一方は、前記メス受けと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、前記メス受けと合致しない第二位置とをとるように移動可能に構成され、
前記鳩目メス部と前記直線メス部のうち第一位置と第二位置とをとるものについて、第一位置と第二位置との間を移動させる移動手段を備えることを特徴とするミシンの布切断装置。It is provided in a sewing machine that forms a button hole in the sewing object and forms a seam around the button hole.
A cloth cutting knife having a eyelet female part forming the eyelet part of the eyelet button hole comprising a eyelet part and a straight part, and a straight knife part forming the straight part, and facing the cloth cutting knife vertically A cloth cutting means comprising: a piglet knife receiving portion that is disposed and matches the eyelet knife portion; and a knife receiver having a straight knife receiving portion that matches the linear knife portion;
A cloth cutting drive means for driving one up and down so that the cloth cutting knife and the knife receiver come in contact with and apart from each other;
The cloth cutting means is a cloth cutting device for a sewing machine that forms a button hole by cutting a workpiece when a cloth cutting knife and a knife receiver are in contact with each other.
At least one of the eyelet knife part and the linear knife part of the cloth cutting knife takes a first position that matches the knife receiver and can cut the sewing product, and a second position that does not match the knife receiver. Is configured to be movable and
Sewing machine cloth cutting characterized by comprising a moving means for moving between the first position and the second position of the eyelet knife section and the linear knife section taking the first position and the second position. apparatus.
メス受けとして、鳩目メス受け部と直線メス受け部とがほぼ同一の水平面に形成された平面メス受けと、鳩目メス受け部と直線メス受け部とが異なる水平面に形成されるように段差が設けられている段差メス受けとの両方を取り付け可能に構成され、いずれか一方を取り付けて用いることを特徴とするミシンの布切断装置。The sewing machine cloth cutting device according to claim 1 ,
As the knife receiver, there is a step so that the eyelet knife receiving portion and the straight knife receiving portion are formed on substantially the same horizontal plane, and the eyelet knife receiving portion and the linear knife receiving portion are formed on different horizontal surfaces. A sewing machine cloth cutting device characterized in that it can be attached to both of the stepped female receptacles, and any one of them is attached.
ボタン穴及び穴かがり縫い目を形成するための制御データを複数記憶する記憶手段を備え、
前記制御データには、平面メス受けと布切りメスとによる鳩目ボタン穴の形成と、平面メス受けまたは段差メス受けのいずれかと、布切りメスの直線メス部のみとによる直線状の穴の形成と、段差メス受けと布切りメスとによる鳩目ボタン穴の形成と、段差メス受けと鳩目メス部のみとによる鳩目部の形成のいずれかを選択するための穴種類選択データが含まれ、
前記穴種類選択データで選択された穴を形成するように、前記布切り駆動手段と、前記移動手段とを所定のタイミングで制御駆動する制御手段を備えることを特徴とするミシンの布切断装置。A cloth cutting device for a sewing machine according to claim 2 ,
Comprising storage means for storing a plurality of control data for forming buttonholes and hole stitches;
The control data includes the formation of an eyelet button hole with a flat knife receiver and a cloth cutting knife, and the formation of a straight hole with only the flat knife holder or the step knife holder and the straight knife portion of the cloth cutting knife. , Hole type selection data for selecting either the formation of the eyelet button hole by the step knife receiver and the cloth cutting knife, or the formation of the eyelet part by only the step knife receiver and the eyelet knife part,
A cloth cutting device for a sewing machine comprising: control means for controlling and driving the cloth cutting driving means and the moving means at a predetermined timing so as to form a hole selected by the hole type selection data.
鳩目メス部は、鳩目メス用土台に対して固定され、鳩目メス用土台が回動することで前記第一位置と前記第二位置との間を移動することを特徴とするミシンの布切断装置。The sewing machine cloth cutting device according to claim 1 ,
The eyelet knife section is fixed with respect to the eyelet knife base and moves between the first position and the second position by rotating the eyelet knife base. .
鳩目メス部は、鳩目メス用土台に対して固定され、鳩目メス用土台が直線状にスライド移動することで前記第一位置と前記第二位置との間を移動することを特徴とするミシンの布切断装置。The sewing machine cloth cutting device according to claim 1 ,
The eyelet knife part is fixed to the eyelet knife base, and the eyelet knife base slides linearly to move between the first position and the second position. Cloth cutting device.
前記鳩目メス部は、鳩目メス用土台に固定され、鳩目メス用土台の移動に伴って第一位置と第二位置とを移動するように構成され、
鳩目メス部及び鳩目メス用土台の内側から外部に向かって、鳩目メス部と鳩目メス受け部が合致して被縫製物に鳩目部が形成されることで生じる鳩目状の布屑を回収するための布屑経路が、鳩目メス部の移動を阻止しない方向に形成され、
布屑経路を通り抜けた布屑は、吸引器に接続され、かつ、前記布屑経路に接続されていないパイプ内に排出されるように構成されていることを特徴とするミシンの布切断装置。The sewing machine cloth cutting device according to claim 1 ,
The eyelet knife portion is fixed to the eyelet knife base, and is configured to move between the first position and the second position in accordance with the movement of the eyelet knife base,
To collect the eyelet-shaped cloth scraps formed by the eyelet knife part and the eyelet knife receiving part matching the eyelet knife part and the eyelet knife receiving part from the inside to the outside of the eyelet knife part and the eyelet knife base. Is formed in a direction that does not block the movement of the eyelet knife part,
The cloth cutting device for a sewing machine is configured such that the cloth waste passing through the cloth waste path is connected to a suction device and discharged into a pipe not connected to the cloth waste path.
鳩目部と直線部とからなる鳩目ボタン穴の前記鳩目部を形成する鳩目メス部と、前記直線部を形成する直線メス部とを有する布切りメスと、前記布切りメスに上下に対向して配設され、前記鳩目メス部と合致する鳩目メス受け部と、前記直線メス部と合致する直線メス受け部とを有するメス受けとを備える布切り手段と、
前記布切りメスと前記メス受けが接離するように一方を上下方向に駆動する布切り駆動手段とを備え、
前記布切り手段は、布切りメスとメス受けとが接し合致したときに被縫製物を切断しボタン穴を形成するミシンの布切断装置であって、
前記メス受けの前記鳩目メス受け部と前記直線メス受け部の少なくとも一方は、前記布切りメスと合致して被縫製物を切断可能な第一位置と、前記布切りメスと合致しない第二位置とをとるように移動可能に構成され、
前記鳩目メス受け部と前記直線メス受け部のうち第一位置と第二位置をとるものについて、第一位置と第二位置との間を移動させる移動手段を備えることを特徴とするミシンの布切断装置。It is provided in a sewing machine that forms a button hole in the sewing object and forms a seam around the button hole.
A cloth cutting knife having a eyelet female part forming the eyelet part of the eyelet button hole comprising a eyelet part and a straight part, and a straight knife part forming the straight part, and facing the cloth cutting knife vertically A cloth cutting means comprising: a piglet knife receiving portion that is disposed and matches the eyelet knife portion; and a knife receiver having a straight knife receiving portion that matches the linear knife portion;
A cloth cutting drive means for driving one up and down so that the cloth cutting knife and the knife receiver come in contact with and apart from each other;
The cloth cutting means is a cloth cutting device for a sewing machine that forms a button hole by cutting a workpiece when a cloth cutting knife and a knife receiver are in contact with each other.
At least one of the eyelet knife receiving portion and the linear knife receiving portion of the knife receiver matches the cloth cutting knife and can cut a sewing product, and the second position does not match the cloth cutting knife. It is configured to be movable to take
A sewing cloth comprising a moving means for moving between the first position and the second position of the eyelet knife receiving part and the linear knife receiving part taking the first position and the second position. Cutting device.
鳩目メス受け部は、鳩目メス受け用土台に対して固定され、鳩目メス受け用土台が回動することで前記第一位置と前記第二位置との間を移動することを特徴とするミシンの布切断装置。The sewing machine cloth cutting device according to claim 8 ,
The eyelet knife receiving portion is fixed to the eyelet knife receiving base, and moves between the first position and the second position by rotating the eyelet knife receiving base. Cloth cutting device.
前記布切り手段を、被縫製物に対し、被縫製物に形成される前記鳩目ボタン穴の直線部に平行する方向に相対的に移動可能とする相対移動手段が設けられていることを特徴とするミシンの布切断装置。The cloth cutting device for a sewing machine according to claim 1 or 8 ,
Relative movement means is provided that allows the cloth cutting means to move relative to the sewing product in a direction parallel to the straight portion of the eyelet button hole formed in the sewing product. Sewing machine cloth cutting device.
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