JP3941965B6 - ポリエステル複合シート - Google Patents

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Description

本発明は複合シート、特に金属シートに貼り合わせるのに適する複合シートに関する。
ポリマーフィルムと貼り合わされた金属シートは周知であり、特に、例えばdrawn and wall-ironed cans(DWI缶として周知)及びdrawn and redrawn cans(DRD缶として周知)のような缶を形成することに使用されている。アルミニウム板またはブリキ板のような製缶用の金属シートは、白色の外観を示す缶が必要とされる場合に白色顔料を含有するポリマー材料と貼り合わされる。DWI缶は、ポリマー材料と貼り合わされた金属シートの円板を切り抜き、カップが形成されるように金型内で金属シートを強制的に打ち抜くことにより形成される。残念ながら、従来技術の白色顔料入りのポリマー材料の使用は、パンチおよび/またはダイの著しい摩耗、および/または結果として得られる缶の表面にスコーリングが生じる原因となり得る。
我々は、金属シートに貼り合わせるのに適する複合シートであって、上記問題のうちの少なくとも1つを改善するかまたは実質的に解消する複合シートを発明した。
すなわち、本発明は、不透明ポリエステルコア層、前記コア層の第1表面上にある透明ポリエステル外層、および前記コア層の第2表面上にあるヒートシール性層を含む複合シートを提供する。
本発明は、不透明ポリエステルコア層を形成すること、前記コア層の第1表面上に透明ポリエステル外層を提供すること、および前記コア層の第2表面上にヒートシール性層を提供することを含む複合シートの製造方法も提供する。
本発明は、(i)金属シート、(ii)ヒートシール性層、(iii)不透明ポリエステルコア層、および(iv)透明ポリエステル外層を含む積層金属シートをさらに提供する。
本発明の複合シートの不透明コア層および/または透明外層は、任意の皮膜形成性合成ポリエステル材料から形成することができる。合成線状ポリエステルが好ましく、特に、1種以上のジカルボン酸またはそれらの低級アルキル(炭素原子数6以下)ジエステル、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−もしくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、または1,2−ビス−p−カルボキシフェノキシエタンを(場合に応じてピバル酸のようなモノカルボン酸と共に)、1種以上のグリコール、特に脂肪族グリコール、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールと縮合させることにより得られるものが好ましい。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートフィルムが好ましい。不透明コア層および/または透明外層に対してはポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましく、例えば英国特許明細書838,708号に記載されているように典型的には70〜125℃の範囲内の温度で互いに垂直な2方向で逐次延伸し、次いで典型的には150〜250℃の範囲内の温度で好ましくはヒートセットすることにより2軸延伸されたフィルムが特に好ましい。
本発明のある好ましい態様において、複合シートの不透明コア層および透明外層は、同じポリエステル材料、好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート、特にポリエチレンテレフタレートを含む。前記不透明コア層および/または透明外層が結晶性および/または半結晶性ポリエステルを含むことも好ましい。
本発明のもう1つの態様において、不透明コア層はポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート、特にポリエチレンテレフタレートを含み、透明外層はポリブチレンテレフタレートを含む。
不透明コア層および/または透明外層のポリエステル材料の融点は、好ましくは240〜265℃の範囲内、より好ましくは246〜260℃の範囲内、特に好ましくは253〜258℃の範囲内にある。
本発明の複合シートの不透明コア層および/または透明外層は、1軸延伸されたものであってよいが、機械的特性と物理的特性の満足のいく組み合わせを達成するためにフィルム平面内の互いに垂直な2方向で伸長することにより2軸延伸されたものであることが好ましい。フィルムの形成は、延伸ポリエステルフィルム、例えばチューブラフィルムまたはフラットフィルム法の当該技術分野で周知の製造方法により実施してよい。
チューブラフィルム法では、同時2軸延伸は、熱可塑性ポリエステル管を押し出し、その後この熱可塑性ポリエステル管を急冷し、再加熱し、次に横方向の延伸を誘発する内部ガス圧により膨張させ、そして縦方向の延伸を誘発する速度で引き出すことにより達成される。
好ましいフラットフィルム法では、皮膜形成性ポリエステルがスロットダイを通じて押し出され、ポリエステルが急冷されて非晶質状態となるように冷却キャスティングロール上で急冷される。次に、延伸は、急冷された押出物をポリエステルのガラス転移温度よりも高い温度で少なくとも1方向で伸長することにより達成される。逐次延伸は、急冷された平坦な押出物をフィルム延伸機を通じて最初に1方向、通常は縦方向、すなわち前方方向に伸長し、次に横方向に伸長することにより達成される。押出物の前方伸長は、1組の回転ロール上または2組のニップロールの間で都合良く達成され、横延伸はテンター装置で達成される。延伸は、皮膜形成性ポリエステルの性質により決定される程度まで実施され、例えばポリエチレンテレフタレートは、通常、延伸されたフィルムの寸法が各延伸方向でのその原寸の2.5〜4.5倍になるように延伸される。
延伸されたフィルムは、寸法拘束下、皮膜形成性ポリエステルのガラス転移温度よりも高いが、ポリエステルの結晶化を誘発するためにそれらの融点よりも低い温度でヒートセットすることにより寸法安定化されてもよく、そのように寸法安定化されることが好ましい。
前記ヒートシール性層は、不透明コア層および/または透明外層のポリエステル材料を軟化または融解させずヒートシール性層のポリマー材料を加熱して軟化させ、加圧することにより金属シートにヒートシール結合を形成することができるものであるべきである。このヒートシール性層は、この層をそれ自体にシールすることにより測定した場合に、好ましくは200〜3000Nm-1、より好ましくは300〜1500Nm-1、特に好ましくは350〜500Nm-1の範囲内のヒートシール強度を示す。このヒートシール強度は、別々の複合シート上に存在する2つのヒートシール性層を向かい合わせて配置し、275kPa(40psi)の圧力下、140℃で1秒間加熱し、次にフィルムのヒートシール性層を4.23mm/秒の一定速度で引き剥がすのに要する線引張応力下のシール単位幅当たりの剥離力を測定することにより評価することができる。
前記ヒートシール性層は、ポリエステル樹脂、特にテレフタル酸、イソフタル酸およびヘキサヒドロテレフタル酸のような1種以上の二塩基性芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールのような1種以上のグリコールとから誘導されるコポリマー樹脂を適切に含む。満足のいくヒートシール特性を提供する典型的なコポリエステルは、エチレンテレフタレートおよびエチレンイソフタレートを含むものであり、特に50〜90モル%のエチレンテレフタレートとそれに対応して50〜10モル%のエチレンイソフタレートとを含むものである。好ましいコポリエステルは65〜85モル%のエチレンテレフタレートと35〜15モル%のエチレンイソフタレートとを含み、特に約82モル%のエチレンテレフタレートと約18モル%のエチレンイソフタレートを含むコポリエステルが好ましい。
前記ヒートシール性層のポリマー材料の融点は、好ましくは150〜250℃、より好ましくは180〜230℃、特に好ましくは200〜220℃、さらに好ましくは210〜215℃の範囲内にある。本発明の好ましい態様において、前記ヒートシール性層のポリマー材料の融点は、不透明コア層および/または透明外層のポリエステル材料の融点よりも低い20〜60℃の範囲内にあることが好ましく、30〜55℃の範囲内にあることがより好ましく、40〜50℃の範囲内にあることが特に好ましく、44〜47℃の範囲内にあることがさらに好ましい。
本発明の複合シートの形成は、慣用的技術により、例えば予備成形された不透明コア層、予備成形された透明外層および予備成形されたヒートシール性層を貼り合わせることにより、または予備成形された不透明コア層上に透明外層および/またはヒートシール性層を流延することにより達成される。しかしながら、複合シートの形成は、マルチオリフィスダイの独立したオリフィスを通じて各皮膜形成性層を同時押出し、その後に依然として溶融状態にある層を一体にすることによるか、または好ましくは各ポリマーの溶融流れがダイマニホールドに通じる溝内でまず合流し、その後、層流条件下で混合せずにダイオリフィスから一緒に押し出される単一溝同時押出による、3層(外層/コア層/ヒートシール性層)全ての同時押出によって達成されることが都合良い。
同時押出された複合シートは、不透明コア層および/または透明外層の分子配向を引き起こすように延伸され、好ましくはヒートセットされる。概して、複合シートを延伸するのに適用される条件は、ヒートシール性層のポリマーの部分結晶化を誘発するものであり、従って、寸法拘束下、ヒートシール性層の望ましい形態を発達させるように選ばれた温度でヒートセットされることが好ましい。従って、ヒートシール可能なポリマーの結晶融点よりも低い温度でヒートセットし、複合シートを放冷または強制冷却することによって、ヒートシール可能なポリマーは本質的に結晶質のまま残る。しかしながら、ヒートシール可能なポリマーの結晶融点よりも高い温度でヒートセットすることによって、ヒートシール可能なポリマーは本質的に非晶質となる。ポリエステルコア層および/またはポリエステル外層ならびにコポリエステルヒートシール性層を含む複合シートのヒートセットは、実質的に結晶質ヒートシール性層が生じる175〜200℃の範囲内の温度で、または本質的に非晶質のヒートシール性層が生じる200〜250℃の範囲内の温度で実施されることが都合良い。本質的に非晶質のヒートシール性層が好ましい。
ポリエステルコア層は、実質的に可視光透過性でないという意味で不透明である。このコア層は、好ましくは0.2〜1.5、より好ましくは0.25〜1.25、特に好ましくは0.35〜0.75、さらに好ましくは0.45〜0.65の範囲内の透過光学濃度(Transmission Optical Density;TOD)(Sakura Densitometer;PDA 65型;透過モード)を示す。都合の良いことに、コア層は、合成ポリエステルに有効量の不透明剤を混合することにより不透明になる。適切な不透明剤には、不混和性樹脂充填剤、粒状無機充填剤またはそのような充填剤の2種以上の混合物が含まれる。
「不混和性樹脂」とは、層の押出および製造中に遭遇する最高温度で溶融しない樹脂またはポリエステルに実質的に不混和性である樹脂を意味する。不混和性樹脂の存在によって、通常ボイドのあるコア層が生じる。このことは、コア層が少なくともある割合で不連続な独立気泡を含む気泡構造からなることを意味する。ポリエステルコア層に混合するのに適する不混和性樹脂には、ポリアミドおよびオレフィンポリマー、特に分子中に6個以下の炭素原子を含むモノ−α−オレフィンのホモポリマーまたはコポリマーが含まれる。ポリエチレンテレフタレートコア層に混合するのに適する材料には、低もしくは高密度オレフィンホモポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレンもしくはポリ−4−メチルペンテン−1、オレフィンコポリマー、特にエチレン−プロピレンコポリマー、またはこれらの2種以上の混合物が含まれる。ランダム、ブロックまたはグラフトコポリマーを使用することができる。
コア層中に存在する不混和性樹脂充填剤の量は、コア層ポリエステルの重量に基づいて好ましくは2重量%〜30重量%、より好ましくは3重量%〜20重量%、特に好ましくは4重量%〜15重量%、さらに好ましくは5重量%〜10重量%の範囲内にある。
不透明コア層を作製するのに適する粒状無機充填剤には、慣用的な無機顔料および充填剤、特に金属酸化物または非金属酸化物、例えばアルミナ、シリカおよびチタニア、ならびにアルカリ金属塩、例えばカルシウムまたはバリウムの炭酸塩および硫酸塩が含まれる。粒状無機充填剤はボイド形成型のものであるかまたは非ボイド形成型のものであってよい。適切な粒状無機充填剤は均質かつ二酸化チタンまたは硫酸バリウムのみのようなただ1種の充填剤材料または化合物から本質的になるものであり得る。代わりに、一次充填剤の少なくとも一部が不均質であり、主たる充填剤物質が追加の改質成分と結合していてもよい。例えば、主たる充填剤粒子は、コア層のポリエステルとの充填剤の混和性の程度を高めるかまたは変えるために、顔料、石鹸、界面活性カップリング剤または他の改質剤のような表面改質剤により処理されてよい。
本発明の特に好ましい態様において、粒状無機充填剤は二酸化チタンを含む。
満足のいく程度の不透明度および白色度を有するコア層の製造には、無機充填剤、特に二酸化チタンを含む無機充填剤が微粉であるべきこと、及び無機充填剤の体積分布中央粒径(volume distributed median particle diameter)[全粒子の体積の50%に対応する相当球径(equivalent spherical diameter)であり、粒子の直径に対する体積百分率に関する累積分布曲線から読み取る(往々にして「D(v,0.5)値」と称される)]が好ましくは0.2〜5μm、より好ましくは0.4〜1.5μm、特に好ましくは0.8〜1.2μmの範囲内にあることを必要とする。
無機充填剤粒子、特に二酸化チタン粒子の粒径分布も重要なパラメーターであり、例えば、過度に大きな粒子が存在すると、フィルム中に見苦しい「小斑点」が生じうる、すなわちフィルム中に個々の充填剤粒子が存在するのが肉眼で見える。不透明コア層中には事実上の粒径が30μmを越える無機充填剤粒子が存在しないことが好ましい。このような粒径を越える粒子は、当業者に周知の篩分け作業により除去することができる。しかしながら、篩分け作業は、選択した粒径を越える全ての粒子を除去するのに常に全体として成功するわけではない。従って、実際問題として、無機充填剤粒子数の99.9%の粒径は30μmを越えるべきでなく、好ましくは20μmを越えるべきでなく、より好ましくは15μmを越えるべきでない。無機充填剤粒子の少なくとも90体積%、より好ましくは95体積%が、体積分布中央粒径の±0.8μmの範囲内にあることが好ましく、特に±0.5μmの範囲内にあることが好ましい。
充填剤粒子の粒径は、電子顕微鏡、クールター計数器、沈降分析、及び静的又は動的光散乱により測定することができる。レーザー光回折に基づく方法が好ましい。中央粒径は、選択した粒径以下の粒子体積の百分率を表す累積分布曲線をプロットし、そして百分順位50番目を測定することによって中央粒径を決定することができる。
不透明コア層のポリエステル中に導入される無機充填剤の量、特に二酸化チタンの量は、ポリエステルの重量に基づいて1重量%〜30重量%であることが望ましい。特に十分な不透明度は、充填剤の濃度が、コア層のポリエステルの重量に基づいて5重量%〜20重量%、特に好ましくは10重量%〜15重量%、さらに好ましくは12重量%〜13重量%の範囲内にある場合に達成される。
好ましい二酸化チタン粒子は、アナタース型又はルチル型の結晶構造を有するものである。二酸化チタン粒子はルチル型のものを主要部分として含むことが好ましく、より好ましくは少なくとも60重量%、特に好ましくは少なくとも80重量%、更に好ましくは約100重量%のルチル型のものを含むことが好ましい。塩化物法又はスルフェート法のような標準的な方法により粒子を調製することができる。
本発明の一態様において、二酸化チタン粒子は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム又はこれらの混合物のような無機酸化物で被覆されていることが好ましい。このコーティングは、好ましくは8〜30個の炭素原子、より好ましくは12〜24個の炭素原子を有するアルカノールおよび脂肪酸のような有機化合物をさらに含むことが好ましい。ポリジオルガノシロキサンまたはポリオルガノ水素シロキサン、例えばポリジメチルシロキサンまたはポリメチル水素シロキサンが特に好ましい。
前記コーティングは、水性懸濁液中で二酸化チタン粒子に適用される。無機酸化物は、水性懸濁液中において、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ケイ酸又はケイ酸ナトリウムのような水溶性化合物から沈殿する。
二酸化チタン粒子上のコーティング層は、二酸化チタンの重量に基づいて1重量%〜12重量%、より好ましくは2重量%〜6重量%の無機酸化物と、0.5重量%〜3重量%、特に好ましくは0.7重量%〜1.5重量%の有機化合物を含む。
不混和性樹脂充填剤、好ましくはポリオレフィンと、粒状無機充填剤、好ましくは二酸化チタンの両方が不透明コア層中に存在する場合、粒状無機充填剤の濃度はコア層のポリエステルの重量に基づいて1重量%〜30重量%の範囲内にあることが好ましく、1重量%〜15重量%の範囲内にあることがより好ましく、2重量%〜8重量%の範囲内にあることが特に好ましく、3重量%〜7重量%の範囲内にあることがさらに好ましい。
コア層の組成物の各構成成分は、慣用的な手段で混合することができる。例えば、ポリエステルが誘導されるモノマー反応物を混合することによるものであっても、タンブルブレンドもしくはドライブレンドによりポリエステルと各構成成分を混合するものであっても、押出機内で配合するものであってもよく、続いて冷却し、粉砕して顆粒またはチップにする。マスターバッチ技術を使用することができる。
本発明に係る複合シートの不透明コア層は好ましくは2.5%以上の変形指数(Deformation index; DI)を示し、かつ、より好ましくは50%以下の変形指数を示す。コア層は好ましくは3.5%〜20%、より好ましくは4.0%〜10%、特に好ましくは4.5%〜7%の範囲内のDIを示す。DIは、下記の試験方法によりシート平面に垂直に200℃の温度で2メガパスカルの圧力を加えた場合に観測される層の原厚の百分率として表した変形度である。
前記ポリエステル外層は、実質的に可視光透過性であるという意味で透明である。前記外層は、好ましくは0.005〜0.2、より好ましくは0.02〜0.15、特に好ましくは0.03〜0.1の範囲内の透過光学濃度(TOD)(Sakura Densitometer;PDA 65型;透過モード)を示す。この透明外層は実質的に無充填のものであることが好ましいが、フィルムの取扱適性を向上させるために比較的少量の充填剤が存在してもよい。この透明層は、透明層のポリエステルの重量に基づいて好ましくは2重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.25重量%未満の充填剤材料を含む。透明層中に存在するいかなる充填剤も非ボイド形成型のものであることが好ましい。無機充填剤が好ましく、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートフィルムのような透明層に使用するにはチャイナクレーがより好ましい。充填剤、適切にはチャイナクレーは、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜1.5μmの平均粒径を有する。
本発明の複合シートの透明外層は、コア層の変形指数(DI)よりも小さいDIを示すことが好ましい。透明層のDIは好ましくは4.0%以下、より好ましくは3.5%以下、特に好ましくは2.5%以下である。
他の添加剤は、概して比較的少量で、前記不透明コア層、透明外層および/またはヒートシール性層中に混合されてもよい。例えば、層のポリマーの重量に基づいて白色度を高めるために1500ppm以下の量で光学的増白剤が、また色調を変えるために10ppm以下の量で染料が存在してよい。
本発明の複合シートの厚さは、好ましくは5〜400μm、より好ましくは8〜100μm、特に好ましくは15〜30μmの範囲内にある。概して、不透明コア層の厚さは、300μm以下、好ましくは5〜80μm、より好ましくは10〜25μmの範囲内にある。透明外層の厚さは、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜50μm、特に好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは1〜5μmの範囲内にある。ヒートシール性層の厚さは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜50μm、特に好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜8μmの範囲内にある。
本発明の好ましい態様において、不透明コア層の厚さは、その不透明コア層と前記透明外層の合計厚の70%を超え、より好ましくは80%を超え、特に好ましくは90%を超え、さらに好ましくは95%を超える厚さである。
本発明の複合フィルムを貼り合わせることができる金属シートは適切にはアルミニウムもしくはスチール、またはそれらの合金である。アルミニウムシートは厚さが0.02〜0.4mmであることが好ましく、スチールシートは厚さが0.05〜0.4mmあることが好ましい。スチールは、ニッケル、亜鉛もしくはブリキ板、黒板、ホスフェート化黒板であっても、クロム金属および酸化クロムの両方により電気的にクロム被覆されたものであってもよい。積層金属シートおよびdrawn and wall-ironed(DWI)缶の適切な形成方法は、ヨーロッパ特許出願明細書第0312304号に記載されており、その教示を引用によりここに含めることにする。好ましい方法において、金属シートを140〜350℃の範囲内の温度に予熱し、複合シートを金属シートの少なくとも片面上に配置し(ヒートシール性層が金属シートと接触するように)、集成体をニップロールに通す。得られた積層体を260〜300℃の範囲内の温度に再加熱し、水浴中で急冷する。
添付の図面を参照して本発明をさらに説明する:
図1は、不透明層、透明外層およびヒートシール性層を有する複合シートの一定の比で拡大して描かれていない略断面正面図である。
図2は、ヒートシール性層のもう一方の上に金属シートを有する複合シートの同様な略正面図である。
図面のうち図1を参照すると、複合シートは不透明コア層(1)、このコア層(1)の第1表面に接合された透明外層(2)、およびコア層(1)の第2表面(5)に接合されたヒートシール性層(4)を含む。
図2のフィルムはヒートシール性層(4)のもう一方の面(7)に接合された金属シート(6)をさらに含む。
以下の実施例を参照して本発明をさらに説明する。
次の試験手順を使用した。
変形指数
表面積が0.785mm2の試験プローブを備えた熱機械的分析機Perkin Elmer, TMA7型を使用して変形指数を測定した。
ポリエステルフィルムの試料をTMA7炉内の試料ホルダーに入れ、選ばれた温度200℃で平衡にさせた。熱いフィルム試料の平面に垂直に0.125メガパスカルの圧力が加わるようにプローブに荷重をかけ、変形を観測すると変形していないことが観測された。次にプローブにかかる荷重を増加させ、それにより試料に2メガパスカルの圧力を加えた。増加させた荷重下で観測されたプローブの変位を、未変形の熱い試料(0.125メガパスカルの圧力下)の厚さの百分率として表した。前記百分率が試験したフィルム材料の変形指数(DI)である。同じフィルムの異なる試料を使用してこの手順を4回繰返し、5つの測定値の平均値を計算した。
実施例1
ポリマーの12.5重量%の平均粒度が1μmの二酸化チタンを含むポリエチレンテレフタレートのコア層ポリマー、ポリマーの0.15重量%の平均粒度が0.8μmのチャイナクレーを含むポリエチレンテレフタレートの外層ポリマー、ならびにエチレンテレフタレート82モル%およびエチレンイソフタレート18モル%からなるコポリエステルを含むヒートシール性ポリマーの別々の流れを別々の押出機から単一溝同時押出集成装置に供給した。フィルム形成ダイを通して水冷式回転急冷ドラム上にポリマー層を押し出し、非晶質の流延複合押出物とした。流延押出物を約80℃の温度に加熱し、次に前進延伸比3.2:1で縦方向に延伸した。複合シートをテンターオーブンに通し、そこでシートを乾燥させ、横方向にその原幅の約3.4倍に延伸した。二軸延伸された複合シートを約225℃の温度でヒートセットした。複合シートの最終的なフィルム厚は25μmであった。不透明コア層は厚さが21μmであり、透明外層は厚さが1μmであり、そしてヒートシール性層は厚さが3μmであった。
この複合シートは0.53の透過光学濃度(TOD)および5.1%の変形指数(DI)を示した。
200〜230℃の範囲内の温度に金属シートを予熱し、金属シートの片面に複合シートを配置し(ヒートシール性層が金属シートと接触するように)、複合シート/金属シート集成体をニップロールに通すことにより複合シートに金属シートを貼り合わせた。得られた積層体を260〜300℃の範囲内の温度に再加熱し、水浴中で急冷した。この積層体からDWI缶を形成した。この製缶方法に使用したパンチおよびダイに摩耗は観測されなかった。さらに、得られた缶の表面にスコーリングは観測されなかった。
実施例2
これは本発明によらない比較例である。透明外層を複合シート構造物に使用しなかったことを除き、実施例1の方法を繰り返した。複合シートの最終的なフィルム厚は25μであった。コア層は厚さが21μmであり、ヒートシール性層は厚さが4μmであった。
この複合シートを金属シートと貼り合わせ、得られた積層体を使用してDWI缶を形成した。この製缶方法に使用したパンチ及びダイに摩耗が観測され、また得られた缶の表面にスコーリングが観測された。

Claims (10)

  1. 不透明ポリエステルコア層、前記コア層の第1表面上の透明ポリエステル外層(但し、該透明ポリエステル外層は充填剤を含まないかまたは透明ポリエステル外層の重量に基づいて0.5重量%未満の充填剤を含む)、および前記コア層の第2表面上のヒートシール性層を含む複合シート。
  2. 厚さが8〜100μmの範囲内にある請求項1記載の複合シート。
  3. 不透明コア層の厚さがその不透明コア層と前記透明外層の合計厚の70%を超える請求項1記載の複合シート。
  4. 前記透明外層の厚さが1〜15μmの範囲内にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合シート。
  5. 前記コア層の透過光学濃度が0.2〜1.5の範囲内にある請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合シート。
  6. 前記コア層が、2メガパスカルの圧力下、200℃の温度で測定した場合に2.5%以上の変形指数を示すものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合シート。
  7. コア層が不混和性樹脂充填剤および/または粒状無機充填剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合シート。
  8. 粒状無機充填剤が二酸化チタンを含む請求項7記載の複合シート。
  9. 不透明ポリエステルコア層を形成すること、前記コア層の第1表面上に透明ポリエステル外層(但し、該透明ポリエステル外層は充填剤を含まないかまたは透明ポリエステル外層の重量に基づいて0.5重量%未満の充填剤を含む)、を提供すること、および前記コア層の第2表面上にヒートシール性層を提供することを含む複合シートの製造方法。
  10. (i)金属シート、(ii)ヒートシール性層、(iii)不透明ポリエステルコア層、及び(iv)透明ポリエステル外層(但し、該透明ポリエステル外層は充填剤を含まないかまたは透明ポリエステル外層の重量に基づいて0.5重量%未満の充填剤を含む)、をこの順序で含む積層金属シート。
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