JP3939128B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端に微小な探針を有するカンチレバーとカンチレバーの変位を検出する手段と、カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させる手段と、試料を移動させる試料移動手段とからなり、カンチレバーまたは試料を振動する入力信号に対する出力信号により、試料の粘弾性特性を測定することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走査型プローブ顕微鏡は、先端に微小な探針を有するカンチレバーとカンチレバーの変位を検出する手段と、カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させる手段と、試料を移動させる試料移動手段とからなる走査型プローブ顕微鏡において、検出される出力信号の振幅の大小で試料のかたい、やわらかいといった粘弾性特性が測定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の走査型プローブ顕微鏡では、検出される出力信号の振動の大小で試料のかたい、やわらかいといった粘弾性特性が測定されているため、カンチレバーへのレーザ照射の調整時に出力信号量が変化する欠点があった。またカンチレバーは消耗品で、別レバーに交換すると使用するカンチレバーのレーザ反射面にコーティングされた膜特性(反射率)により出力信号量が変化するという欠点もあった。そのため、試料のやわらかい、かたいの判断が正確にできないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明では、較正試料で測定系全体の入力信号に対する出力信号の時間的遅れを測定し、次に測定したい試料により測定したい試料の時間的遅れと測定系全体の時間的遅れとの合計を測定し、測定系全体の時間的遅れ分を差し引くことにより、測定したい試料だけの時間的遅れを求め、試料の粘弾性特性を測定するようにした。また、カンチレバーと試料間の距離を一定周期で所望の振幅で振動させるときに、入力信号と出力信号の時間遅れ具合からAcos信号とAsin信号を作成し、遅れ具合をtan=Asin/Acosで代表させることにより、カンチレバーのレーザ反射率の違いなどでAcos信号、Asin信号の出力信号量の変化があっても無次元化を図ることで、試料の粘弾性特性を測定するようにした。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、図に示すように、較正試料により測定系全体の入力信号に対する出力信号の時間的遅れを測定し、次に測定したい試料により測定したい試料の時間的遅れと測定系全体の時間的遅れとの合計を測定し、測定系全体の時間的遅れ分を差し引くことで測定したい試料だけの時間的遅れを求め、試料の粘弾性特性を測定することを可能とした。またカンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させるときに、入力信号と出力信号の時間遅れ具合からAcos信号とAsin信号を作成し、遅れ具合をtan=Asin/Acosで代表させることにより、カンチレバーのレーザ反射率の違いなどでAcos信号、Asin信号の出力信号量の変化があっても無次元化を図ることで、試料の粘弾性特性を正確に測定することも可能とした。
【0006】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明する。図1,図2,図3は、走査型プローブ顕微鏡の測定における本発明の方式の模式図である。
【0007】
カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させる手段として、試料移動手段に内蔵する上下動作をモジュレーション入力として利用し試料を振動させる場合を図1で説明する。カンチレバー1の先端には探針2があり、試料3と接触している。試料は試料台4の上に設置されている。試料台は試料移動手段5に設置されている。試料移動手段は上下方向の動作と平面方向の動作が可能である。上下方向に動作させることで探針を試料面に対して押し付け、離しの繰り返しの振動を与えることができる。平面方向の動作では探針と試料面接触位置を相対的に移動させることができる。試料の振動は、試料移動手段に内蔵する上下動作によりモジュレーション入力6として与えられる。カンチレバーにはレーザ7が照射されていて反射光は変位検出手段8に到達する。変位検出手段の到達位置によりカンチレバーの変位が出力信号9として得られる。
【0008】
モジュレーション入力には一般に正弦波が利用され、出力信号の波形は入力波形に対して時間的に遅れる特性となる。またモジュレーション入力の振幅をA0とすると出力信号の振幅はA1となる。
【0009】
遅れる要因は、試料移動手段の動作に使用されている圧電素子の材質、電極容量、形状などで決まる遅れ分がある。また試料台は重量も持っていることによる慣性遅れ分がある。さらにレバー自身のコーティングを含めた粘性遅れ分もある。これらの遅れ分と測定したい試料(本来これのみ測定したい)の遅れ分が合計される形で、入力波形に対する出力波形の時間遅れが決まる。
【0010】
時間的遅れ具合をベクトルで表示したものを図2で示す。入力波形に対して出力波形に時間的遅れが無ければ、ベクトルがAcos軸上に存在する。しかし実際には、較正試料を測定したとしても、試料移動手段、試料台、カンチレバーなどの遅れ要因があるため、測定系全体のベクトルは、tan原点の位置となる。角度表示をするとδ1(度)のところにくる。測定したい試料が完全にかたいものであれば試料自身の遅れ分は無いため、かたい試料で測定したときのδ1(度)が測定系のtan原点となる。またtan原点でのベクトルの長さ(大きさ)が振幅A1に相当する。
【0011】
次にやわらかい試料を測定すると、試料自身の遅れ分が発生するので、ベクトルは測定試料のδ2(度)となる。δ2は測定系全体の遅れ分と試料自身の遅れ分の合計となる。δ2からδ1を差し引くことで較正ができ、試料自身の遅れ分δ3を求めることができる。なお測定試料のベクトルの長さ(大きさ)は振幅A2となる。振幅A2は、測定試料がやわらかければ較正試料のときの振幅A1より小さくなる。つまり試料がやわらかいほど入力振幅を吸収して出力振幅は小さく、ベクトルは左回転(δ角度が大きく)していく。
【0012】
較正の手順をフロチャートで図3に示す。較正試料でδ1を測定、記憶する。カンチレバーの探針の材質は、Si、Si3N4などである。較正試料として探針のかたさと同等以上のマイカ、Si、HOPG(グラファイト)などを使用する。次に測定したい試料でδ2を測定、記憶する。δ2からδ1を差し引くことでδ3を計算、表示し、試料自身の遅れ分として較正する。モジュレーション入力に対して出力信号の時間的遅れかたは、試料がやわらかいほどカンチレバーの探針が試料面にもぐり込むので大きくなる。δ3の大小で試料の粘弾性特性を把握することができる。
【0013】
実際に信号処理では、入力波形に対する出力波形の時間的遅れは、ロックインアンプなどによりAcos信号、Asin信号に分離して取り込まれる。較正試料で取り込めば、tan(δ1)=Asin/Acosでδ1(度)を求めることができる。ここで振幅Aは振幅A1である。測定した試料で取り込めば、tan(δ2)=Asin/Acosでδ2(度)を求めることができる。ここで振幅Aは振幅A2である。δ2(度)は測定全体の遅れ分と試料のみの遅れ分の合計である。差を求めることで試料のみのδ3が得られる。
【0014】
本発明では、カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させるときに、入力信号と出力信号の時間遅れ具合からAcos信号とAsin信号を作成し、遅れ具合をtan=Asin/Acosで代表させることを特徴としている。Acos信号量、Asin信号量そのものの生データは、カンチレバーのレーザ反射面のコート面反射率で大きく変わってしまう。またレ−ザ調整などによっても出力信号の大きさは大きく変わってしまう。Asin信号とAcos信号の比をとることで無次元としたtanで代表させることで別個の複数試料の比較を容易に、再現よくすることができる。
【0015】
なおカンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させる手段として、カンチレバー側の別の振動手段10にるカンチレバーの上下動作をモジュレーション入力として利用してもよい。
【0016】
次に測定したい試料のみの粘性、弾性特性を較正する説明を図4に示す。初期の座標軸としてAcos(初期軸)、Asin(初期軸)があり、較正試料で求めたときのベクトルをAcos(基準座標軸)とし、直交する方向をAsin(基準座標軸)とする。測定したい試料でのベクトルをAcos(基準座標軸)に転写したAcosを作成する。同じくAsin(基準座標軸)に転写したAsinを作成する。ここで基準座標軸系から見た転写Acosは、試料自身の弾性成分を代表し、転写Asinは試料自身の粘性成分を代表している。転写Acos、転写Asinを求めることで、試料成分の弾性、粘性のどちらが支配的な特性なのかがわかる。また試料のtan(δ3)は、δ2−δ1で求める代わりに、転写Asin/転写Acosとして比から求めてもよい。
【0017】
次に試料面上の定点で測定する例を図5に示す。まず較正試料を試料台4上に乗せる。カンチレバー1の探針2は、試料面の定点(1点)に接触している。カンチレバー1にはレーザ7が照射されていて、反射光は変位検出手段8に到達している。試料移動手段5に内蔵された機能でモジュレーション入力6を与えると、レーザ反射光の到達位置は変化しカンチレバーの変位(振幅)として出力信号9が得られる。出力信号波形からは、Acos信号とAsin信号が得られ、tan(δ1)=Asin/Acosとして測定系の基準となるδ1(角度)を求めることができる。引き続き、測定したい試料に乗せ変えて同様の手順を行う。測定したい試料では、別の出力信号波形からAcos信号とAsin信号が得られ、tan(δ2)=Asin/Acosとして測定系全体の時間的遅れ分と試料のみの遅れ分の合計としてδ2(角度)が得られる。δ2とδ1の差を求めてδ3とする。δ3は試料のみの時間的遅れ分であり、測定したい試料の粘弾性特性を反映している。
【0018】
次に試料面上でライン走査して測定する例を図6に示す。まず較正試料を試料台4上に乗せる。カンチレバー1には、レーザ7が照射されていて反射光は変位検出手段8に到達している。試料移動手段5に内蔵された機能でモジュレーション入力6を与えながら、同じく試料移動手段に内蔵された機能であるライン走査41を行う。探針は試料表面の凹凸をなぞりながら往復のライン走査を繰り返す。レーザ反射光の到達位置は変化しカンチレバーの変位(振幅)として出力信号9が得られる。出力信号波形からAcos信号とAsin信号が得られ、tan(δ1)=Asin/Acosとして測定系の基準となるδ1(角度)を求めることができる。引き続き、測定したい試料に乗せ換えて同様の手順を行う。測定したい試料では、別の出力信号波形からAcos信号とAsin信号が得られ、tan(δ2)=Asin/Acosとして測定系全体の時間的遅れ分と試料のみの遅れ分の合計としてδ2(角度)が得られる。δ2とδ1の差を求めてδ3とする。δ3は試料のみの時間的遅れ分であり、測定したい試料の粘弾性特性を反映している。
【0019】
次に試料面上の領域を2次元的に走査して測定する例を図7に示す。まず較正試料を試料台4上に乗せる。カンチレバー1にはレーザ7が照射されていて反射光は変位検出手段8に到達している。試料移動手段5に内蔵された機能でモジュレーション入力6を与えながら、同じく試料移動手段に内蔵された機能であるX軸走査51、Y軸走査52を行う。X軸走査を繰り返しながらY軸走査を少しずつ変化させていけば、ある領域内の2次元(平面)走査となる。探針は試料表面の凹凸をなぞりながら、X軸走査、Y軸走査を繰り返す。レーザ反射光の到達位置は変化し、カンチレバーの変位(振幅)として出力信号9が得られる。出力信号波形からAcos信号とAsin信号が得られる。出力信号は2次元的な像となる。
【0020】
出力信号は測定した領域内の場所により異なり、強度分布で表示すると図8となる。Acos信号の分布、Asin信号の分布から例えば平均値として代表させる。各平均値を代表値Acosと代表値Asinとして、tan(δ1)=Asin/Acosとして測定系の基準となるδ1(角度)を求めることができる。なお各最大値を代表値としてδ1を求めてもよい。引き続き、測定したい試料に乗せ換えて同様の手順を行う。測定したい試料では、別の出力信号波形からAcos信号とAsin信号が得られる。領域内を走査することでAcos信号の分布、Asin信号の分布から代表値を求める。tan(δ2)=Asin/Acosとして測定系全体の時間的遅れ分と試料のみの遅れ分の合計としてδ2(角度)が得られる。δ2とδ1の差を求めてδ3とする。δ3は試料のみの時間的遅れ分であり、測定したい試料の粘弾性特性を反映している。
【0021】
また領域内を走査するときAcos信号、Asin信号と同時にtanδも表示する例を図9に示す。X軸走査、Y軸走査に伴って領域内の出力信号をマッピングしていけばAcos分布像、Asin分布像が得られる。途中のデータ取り込みごとにAcos信号とAsin信号からtanδを計算し表示していけばtanδ分布像もリアルタイムで得られる。較正試料でtan(δ1)像をマッピングする。測定したい試料でtan(δ2)像をマッピングする。tanδの強度分布を図10に示す。tan(δ1)像の強度分布から平均値あるいは最大値を代表値として代表δ1とし、tan(δ2)像の強度分布から同じく代表δ2とし、差として試料のみのδ3とする。また較正試料でのδ1を求めたあと記憶させることで、tan(δ2)像をリアルタイムで表示する代わりに記憶されたδ1で較正後のtan(δ3)像をリアルタイムで表示してもよい。
【0022】
図11に本発明の別の実施例を示す。真空容器61内に探針2を所有するカンチレバー1、試料3、試料台4、試料移動手段5が配置されている。真空容器61には真空排気手段62が接続されている。真空容器61の上部にはウインドウ63で真空気密性が確保されていて測定したい位置を目視で確認できるようになっている。レーザ7はウインドウ63を介して真空容器内に導入されカンチレバー1に照射される。照射されたレーザ反射光はウインドウ63を介して大気側に戻され変位検出手段8に到達する。試料は、例えばやわらかい部分3aとかたい部分3bで構成される。試料は試料台上に設置される。試料台には加熱冷却手段を内蔵させている。試料台は試料移動手段に設置される。試料移動手段は上下方向動作とX軸走査(紙面左右方向)、Y軸走査(紙面垂直方向)の動作が可能である。探針を例えば試料のかたい部分3a上に接触させた状態で、カンチレバー1と試料間に試料移動手段5に内蔵する上下方向動作によりモジュレーション入力として振動が導入される。振動に応じてレーザ反射光の変位検出手段への到達位置により、振幅が出力信号波形として得られる。探針がやわらかい部分3b上に接触させた状態では、別の出力信号波形が得られる。モジュレーション入力と出力信号との関係を求めることで、試料の粘弾性特性を測定する手順は前述の通りである。
【0023】
また、試料を加熱あるいは冷却しながら試料移動手段によりカンチレバーの探針との関係を相対的に試料表面方向にずらしていくことで、試料のある温度における粘弾性特性の分布を得ることもできる。
【0024】
また真空容器にはガス導入64が配置され、真空容器内を真空排気した後、所望のガスを導入して大気圧に戻し、一連の粘弾性特性の測定をしてもよい。またガス導入は、大気圧になる手前の負圧状態で中止し、同じく一連の粘弾性特性の測定をしてもよい。また導入するガスに湿度を含ませて同じく一連の粘弾性特性の測定をしてもよい。また真空排気せず、真空容器内へガスあるいは湿度を含めたガスを常時流し続けて1気圧状態で測定してもよい。
【0025】
またモジュレーション入力は試料移動手段に内蔵する機能で行う代わりに、カンチレバー1側の別の振動手段10でおこなってもよい。
【0026】
図12に本発明の別の実施例を示す。レーザおよび変位検出手段の代わりにカンチレバー自身に変位検出部72を有するカンチレバー71を使用する。モジュレーション入力は、試料移動手段5に内蔵する上下動作でもカンチレバー側の別の振動手段10を利用してもよい。出力信号はカンチレバー自身の変位検出部の出力波形として得られる。測定の手順は前述の通りである。
【0027】
振動周波数を一定に決め、試料の粘弾性特性として試料の温度依存を求める場合を図13に示す。較正試料で温度の関数としてtan(δ1)曲線を求める。次に測定した試料で温度の関数としてtan(δ2)曲線を求める。tan(δ2)とtan(δ1)の差を求めて較正後の試料のみのtan(δ3)曲線を得ることができる。なおtan(δ1)曲線は初期に一度だけ求めて記憶させておき、tan(δ2)を求める際に自動で計算させてtan(δ3)曲線をリアルタイムで表示させてもよい。同様にAcosの温度依存曲線を図14、Asinの温度依存曲線を図15に示す。また試料のみの特性として較正後のAcos(弾性成分代表値)、Asin(粘性成分代表値)、tan(δ3)を表示する例を図16に示す。試料温度の変化に伴い、リアルタイムで表示させてもよい。
【0028】
測定したい領域内の分布を測定する例を図17に示す。表面凹凸像、Acos像、Asin像、tanδ像を同時にリアルタイムで表示する。またtanδ像は、Acos像とAsin像を測定後一括で変換計算してtanδ像としてもよい。また表面凹凸像、Acos像、Asin像、tanδ像は、較正前のマッピング像でも較正後のマッピング像でもよい。
【0029】
次に、試料温度を一定に決め、試料の粘弾性特性として試料の周波数依存を求める場合を図18に示す。較正試料で周波数の関数としてtan(δ1)曲線を求める。次に測定した試料で周波数の関数としてtan(δ2)曲線を求める。tan(δ2)とtan(δ1)の差を求めて較正後の試料のみのtan(δ3)曲線を得ることができる。なおtan(δ1)曲線は初期に一度だけ求めて記憶させておき、tan(δ2)を求める際に自動で計算させてtan(δ3)曲線をリアルタイムで表示させてもよい。同様にAcosの周波数依存曲線を図19、Asinの周波数依存曲線を図20に示す。また試料のみの特性として較正後のAcos(弾性成分代表値)、Asin(粘性成分代表値)、tan(δ3)を表示する例を図21に示す。周波数の変化に伴い、リアルタイムで表示させてもよい。
【0030】
測定したい領域内の測定ポイントでの特性を測定する例を図22に示す。周波数依存を測定する例で説明する。まず表面凹凸像を測定する。周波数特性を測定したい位置としてポイントAに探針を移動させ、周波数を変化させるとポイントAでの周波数特性がグラフとして得られる。さらに探針をポイントBに移動させて、同じく周波数を変化させるとポイントBでの周波数特性がグラフとして得られる。ポイントA、Bでのグラフは単独でも同時に表示させてもよい。またポイントC,D,…と繰り返していけば試料表面上の複数の場所での周波数特性の違いを同時表示させて比較することもできる。同様に探針を移動させた後、たわみ量を変化させることで探針の試料面への押し付け具合を変化させることができ、たわみ量依存特性のグラフが得られ複数ポイントの比較が可能である。同様に振動振幅を変化させれば振幅依存特性のグラフが得られる。同様に温度を変化させれば温度依存特性のグラフが得られる。なおtanδは較正前でも較正後でもよい。またtanδの代わりにAcos、Asinで比較してもよい。
【0031】
次に試料温度ごとにAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶させ、試料温度ごとの一連のマッピング像内の一部の領域を指定することで、該当部分のAcos曲線、Asin曲線、tanδ曲線の温度依存特性がグラフで表示できるようにする別の実施例を図23、図24に示す。ある試料温度で表面凹凸像、Acos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶する。次に別の試料温度にして同じくマッピング像を測定、記憶する。試料温度ごとに繰り返していけば一連のマッピング像が記憶される。記憶されたマッピング像のうち、例えばtanδ像の一部の領域を指定すれば、該当領域の温度変化に伴うtanδ特性の変化を自動でグラフ表示する。指定領域C、指定領域Dをtanδ像の中で指定することで、各領域における温度依存の特性のグラフが得られる。同じくAcos像の中で領域指定すればAcos(弾性成分)の温度依存特性のグラフが得られる。同じくAsin像の中で領域指定すればAsin(粘性成分)の温度依存特性のグラフが得られる。なお領域の指定は、ポイントでも正方形でも長方形でも円でもよい。また複数の領域を指定して温度依存の特性グラフを多数同時に表示させてもよい。
【0032】
以上は試料温度ごとにマッピング像を測定し、記憶させてマッピング像の中で領域指定する場合を説明した。同様に以上の手順は周波数ごとでも、たわみ量ごとでも、振幅ごとでも、湿度ごとでもかまわない。同じく領域指定することで、周波数依存、たわみ量依存、振幅依存、湿度依存の特性グラフが得られる。
【0033】
次に試料の温度依存と周波数依存を一連で測定するようにした別の実施例を図25に示す。温度を階段状に上昇あるいは下降させる。階段状の温度が一定になったところで周波数を変化させる。その温度における試料の周波数特性が得られる。周波数特性としては、tanδでもAcos(弾性成分代表値)でもAsin(粘性成分代表値)でもよい。別の階段状の温度が一定になったところでも同様に周波数を変化させ、周波数特性が得られる。そして、温度と周波数の関係として3次元の特性曲線を得ることができ、装置のデイスプレイに3次元曲線を表示させる。また3次元曲線の周波数の軸に直交する断面を選択することで、周波数一定での温度依存曲線を表示させてもよい。また温度の軸に直交する断面を選択することで、温度一定での周波数依存曲線を表示させてもよい。
【0034】
また階段状の温度一定になったところで、周波数のかわりに、たわみ量、振幅量、湿度を変化させてもよい。周波数の軸のかわりに、たわみ量、振幅量、湿度の軸とした3次元の特性曲線が得られる。同様に温度の軸とたわみ量、振幅量、湿度の軸とした3次元の特性曲線においていずれかの軸上の一点を選択することで該当する軸と直交する断面となる2次元断面プロファイルの特性曲線を表示させてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0036】
先端に微小な探針を有するカンチレバーとカンチレバーの変位を検出する手段と、カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させる手段と、振動させる入力信号と検出される出力信号の時間的遅れを求める手段と、試料を移動させる試料移動手段とからなる走査型プローブ顕微鏡において、較正試料で測定系全体の時間的遅れを測定し、次に測定したい試料により測定したい試料の時間的遅れと測定系全体の時間的遅れとの合計を測定し、測定系全体の時間的遅れ分を差し引くことで、測定したい試料だけの時間的遅れを求め、試料の粘弾性特性を測定することを可能とした。
【0037】
またカンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させるときに、入力信号と出力信号の時間遅れ具合からAcos信号とAsin信号を作成し、遅れ具合をtan=Asin/Acosで代表させることでカンチレバーのレーザ反射率の違いなどでAcos信号、Asin信号の出力信号量の変化があっても無次元化を図ることで、試料の粘弾性特性を正確に測定することも可能とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は走査型プローブ顕微鏡で粘弾性特性を測定するときの本発明の模式図、(b)は入力信号に対する出力信号の時間的遅れを説明する模式図。
【図2】時間的遅れ具合δ(角度)をベクトル表示したときを説明する模式図。
【図3】試料のみの粘弾性特性得る順序の説明図。
【図4】測定系の基準座標軸と測定した試料の弾性成分、粘性成分、tanδを示す説明図。
【図5】走査型プローブ顕微鏡で定点にて測定する際の実施例を示す模式図。
【図6】走査型プローブ顕微鏡でライン走査にて測定する際の実施例を示す模式図。
【図7】走査型プローブ顕微鏡で領域内を測定する場合の実施例を示す模式図。
【図8】走査型プローブ顕微鏡で領域内を測定する場合の出力信号の分布を示す模式図。
【図9】走査型プローブ顕微鏡で領域内を測定する場合の出力信号を2次元像として表示する実施例を示す模式図。
【図10】走査型プローブ顕微鏡で領域内を測定する場合のtanδの分布を示す模式図。
【図11】走査型プローブ顕微鏡で真空環境にて測定する際の実施例を示す模式図。
【図12】走査型プローブ顕微鏡により真空環境で測定する際にカンチレバー自身に変位検出部を有するカンチレバーを使用するときの実施例を示す模式図。
【図13】走査型プローブ顕微鏡でtanδについて試料の温度依存を得る実施例を示す模式図。
【図14】走査型プローブ顕微鏡でAcosについて試料の温度依存を得る実施例を示す模式図。
【図15】走査型プローブ顕微鏡でAsinについて試料の温度依存を得る実施例を示す模式図。
【図16】走査型プローブ顕微鏡でtanδ、Acos、Asinについて試料の温度依存を同時に表示する実施例を示す模式図。
【図17】走査型プローブ顕微鏡で測定領域内について表面凹凸像、Acos像、Asin像、tanδ像をマッピングする実施例を示す模式図。
【図18】走査型プローブ顕微鏡でtanδについて試料の周波数依存を得る実施例を示す模式図。
【図19】走査型プローブ顕微鏡でAcosについて試料の周波数依存を得る実施例を示す模式図。
【図20】走査型プローブ顕微鏡でAsinについて試料の周波数依存を得る実施例を示す模式図。
【図21】走査型プローブ顕微鏡でtanδ、Acos、Asinについて試料の周波数依存を同時に表示する実施例を示す模式図。
【図22】走査型プローブ顕微鏡で表面凹凸像を測定し、測定したいポイントに探針を移動させて粘弾性特性を測定比較する実施例を示す模式図。
【図23】走査型プローブ顕微鏡で測定して記憶した像の中で領域を指定することの実施例を示す模式図。
【図24】走査型プローブ顕微鏡で測定して記憶した像の中で領域を指定することで該当領域の特性変化をグラフ表示する実施例を示す模式図。
【図25】走査型プローブ顕微鏡で温度を階段状に上昇あるいは下降させ、温度一定になったところで周波数を変化させ、粘弾性特性と温度依存と周波数依存の関係を3次元表示する実施例を示す模式図。
【符号の説明】
1 カンチレバー
2 探針
3 試料
4 試料台
5 試料移動手段
6 モジュレーション入力
7 レーザ
8 変位検出手段
9 出力信号
10 別の振動手段
A0 入力振幅
A1 出力振幅(較正試料のとき)
A2 出力振幅(測定したい試料のとき)
δ1 測定系の時間的遅れ(角度)
δ2 測定系と試料の時間的遅れの合計(角度)
δ3 試料のみの時間的遅れ(角度)
41 ライン走査
51 X軸走査
52 Y軸走査
61 真空容器
62 真空排気手段
63 ウインドウ
64 ガス導入
3a 試料のやわらかい部分
3b 試料のかたい部分
71 変位検出部を有するカンチレバー
72 変位検出部

Claims (52)

  1. 探針を備えたカンチレバーを一定周期で任意の振幅で振動させた状態で、前記探針を試料に対して相対的に移動させることで試料の情報を取得する走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記走査型プローブ顕微鏡は、さらに、
    測定系全体の時間的遅れを較正試料により測定し、
    測定したい試料の時間的遅れを前記測定系全体の時間的遅れを含んだ値として測定し、
    前記測定したい試料の時間的遅れから前記較正試料の測定で得られる測定系全体の時間的遅れ分を差し引き、測定したい試料だけの時間的遅れを求め、
    その時間的遅れの大きさに基づいて、試料の粘弾性特性を算出するものであり
    前記カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させるときに、入力信号と出力信号の時間遅れ具合からAcos信号とAsin信号を作成し、遅れ具合をtan=Asin / Acosで代表させる、
    走査型プローブ顕微鏡。
  2. 記較正試料は、探針のかたさと同等以上のものが採用される、請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 探針を備えたカンチレバーを一定周期で任意の振幅で振動させた状態で、前記探針を試料に対して相対的に移動させることで試料の情報を取得する走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記走査型プローブ顕微鏡は、さらに、
    試料を移動させる系の時間的遅れと、試料が載置される台に起因する慣性遅れ分と、カンチレバーに起因する時間的遅れ分とで構成される時間的遅れAを、較正試料を測定することによって求め、
    測定したい試料の時間的遅れと、試料を移動させる系の時間的遅れと、試料が載置される台に起因する慣性遅れ分と、カンチレバーに起因する時間的遅れ分とで構成される時間的遅れBを、試料を測定することによって求め、
    時間的遅れBから時間的遅れAを差し引き、測定したい試料だけの時間的遅れを求め、
    その時間的遅れの大きさに基づいて、試料の粘弾性特性を算出するものであり
    前記カンチレバーまたは試料を一定周期で所望の振幅で振動させるときに、入力信号と出力信号の時間遅れ具合からAcos信号とAsin信号を作成し、遅れ具合をtan=Asin / Acosで代表させる、
    走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記測定系全体の時間的遅れを前記較正試料でtan(δ1)=Asin/Acosとして求め、次に測定系全体の時間的遅れと測定したい試料の時間的遅れの合計をtan(δ2)=Asin/Acosとして求め、δ2とδ1の差を求めることで測定したい試料のみの時間的遅れδ3を求めることにより対象試料のみの粘弾性特性を求めるようにした、請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記較正試料での時間的遅れを測定した際のAcos信号、Asin信号を基準座標軸とし、測定系全体と測定したい試料の合計時のAcos信号を基準座標軸のAcos軸に転写したときの値を弾性成分代表値とし、測定系全体と測定したい試料の合計時のAsin信号を基準座標軸のAsin軸に転写したときの値を粘性成分代表値とし、基準座標軸からの角度差を測定試料のtan(δ3)とした、請求項記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記カンチレバーの探針を測定したい試料表面上の定点で止め、そのポイントにおけるAcos信号、Asin信号からtanδを求めるようにした、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記カンチレバーの探針を測定したい試料表面上の1ライン方向を往復させ、そのラインにおけるAcos信号、Asin信号の平均値からtanδを求めるようにした、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 前記カンチレバーの探針を測定したい試料表面上の所望の領域を走査させて、その領域内におけるAcos信号、Asin信号の平均値からtanδを求めるようにした、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. 前記走査型プローブ顕微鏡は、さらに、試料と探針とを大気中雰囲気下にする手段を備えた、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. 前記走査型プローブ顕微鏡は、さらに、真空容器と排気の手段を有し、試料と探針と真空環境下にするようにした請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  11. 前記真空容器の内側の系を前記排気の手段によって一度真空にし、その後に真空容器の内側の系にガスを注入する手段を有し、ガス雰囲気中で測定できるようにした、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  12. 前記ガスを注入する手段は、前記ガスに湿度を含ませることができる、請求項11記載の走査型プローブ顕微鏡。
  13. 測定試料を加熱及び/又は冷却する機能を有し、加熱中及び/又は冷却中に試料の情報を測定する、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  14. カンチレバーまたは試料を振動する周波数を一定にし、試料温度とtan曲線(較正後tanδ)を測定するようにした、請求項13記載の走査型プローブ顕微鏡。
  15. 前記周波数を一定に決め、試料温度を変化させて測定するとき、前記較正試料での測定系のtan曲線と、測定したい試料を含めてのtan曲線と、較正後のtan曲線を同時に表示するようにした、請求項14記載の走査型プローブ顕微鏡。
  16. 前記周波数を一定に決め、試料温度とAcos曲線(弾性成分代表値)を表示するようにした、請求項13記載の走査型プローブ顕微鏡。
  17. 前記周波数を一定に決め、試料温度を変化させて測定するとき、前記較正試料での測定系のAcos曲線と測定したい試料を含めてのAcos曲線と較正後のAcos曲線を同時に表示するようにした、請求項16記載の走査型プローブ顕微鏡。
  18. 前記周波数を一定に決め、試料温度とAsin曲線(粘性成分代表値)を表示するようにした、請求項13記載の走査型プローブ顕微鏡。
  19. 前記周波数を一定に決め、試料温度を変化させて測定するとき、前記較正試料での測定系のAsin曲線と測定したい試料を含めてのAsin曲線と較正後のAsin曲線を同時に表示するようにした、請求項18記載の走査型プロ−ブ顕微鏡。
  20. 前記較正試料での較正後のAcos曲線、Asin曲線、tan曲線を試料温度の曲線として同時に表示するようにした、請求項1517または19のいずれか1項に記載の走査型プロ−ブ顕微鏡。
  21. 前記周波数を一定に決め、ある試料温度で測定したい領域内を測定することで表面凹凸像、Acos像、Asin像、tan像をマッピングするようにした、請求項13載の走査型プローブ顕微鏡。
  22. さらに、前記較正試料により補正することで、較正後のAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)を所望の試料温度でマッピング表示するようにした請求項21記載の走査型プローブ顕微鏡。
  23. カンチレバーまたは試料を所望の振幅で振動させるときに周波数を変化させる機能を有し、該周波数を変化させて測定し、各周波数について記憶するようにした、請求項乃至13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  24. 試料温度を一定に決め、前記周波数とtan曲線(較正後tanδ)を測定するようにした、請求項23記載の走査型プローブ顕微鏡。
  25. 試料温度を一定に決め、前記周波数を変化させて測定するとき、前記較正試料での測定系のtan曲線と測定したい試料を含めてのtan曲線と較正後のtan曲線を同時に表示するようにした、請求項24記載の走査型プローブ顕微鏡。
  26. 試料温度を一定に決め、前記周波数とAcos曲線(弾性成分代表値)を測定するようにした、請求項23記載の走査型プローブ顕微鏡。
  27. 試料温度を一定に決め、前記周波数を変化させて測定するとき、前記較正試料での測定系のAcos曲線と測定したい試料を含めてのAcos曲線と較正後のAcos曲線を同時に表示するようにした、請求項26記載の走査型プローブ顕微鏡。
  28. 試料温度を一定に決め、前記周波数とAsin曲線(粘性成分代表値)を測定するようにした、請求項23記載の走査型プローブ顕微鏡。
  29. 試料温度を一定に決め、前記周波数を変化させて測定するとき、前記較正試料での測定系のAsin曲線と測定したい試料を含めてのAsin曲線と較正後のAsin曲線を同時に表示するようにした、請求項28記載の走査型プローブ顕微鏡。
  30. 試料温度を一定に決め、前記較正試料での較正後のAcos曲線、Asin曲線、tan曲線を前記周波数の曲線として同時に表示するようにした、請求項2527または29のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  31. 試料温度を一定に決め、ある周波数で測定したい領域内を測定することで、表面凹凸像、Acos像、Asin像、tan像をマッピングするようにした、請求項23記載の走査型プローブ顕微鏡。
  32. 試料温度を一定に決め、前記較正試料で補正することで、較正後のAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピング表示するようにした、請求項31記載の走査型プローブ顕微鏡。
  33. 表面凹凸像を測定後、探針を測定したいポイントに移動させて、Acos(弾性成分)、Asin(粘性成分)、tanδの各特性について、温度依存、周波数依存、振幅依存、たわみ量(押し付け量)依存の曲線を求めるようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  34. ある測定したいポイントでの特性曲線を測定後、別の場所に探針を移動させて、同じく別の場所のポイントでの特性を測定することで、試料表面内の場所の違いによる粘弾性特性を同時に表示、比較するようにした、請求項33記載の走査型プローブ顕微鏡。
  35. 試料温度ごとにAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶させ、試料温度ごとの一連のマッピング像内の一部のエリアを指定することで該当部分のAcos曲線、Asin曲線、tanδ曲線の温度依存特性がグラフで表示できるようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  36. 前記周波数ごとにAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶させ、前記周波数ごとの一連のマッピング像内の一部のエリアを指定することで該当部分のAcos曲線、Asin曲線、tanδ曲線の周波数依存特性がグラフで表示できるようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  37. たわみ量(探針の試料面への押し付け具合)ごとにAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶させ、たわみ量ごとの一連のマッピング像内の一部のエリアを指定することで該当部分のAcos曲線、Asin曲線、tanδ曲線のたわみ量依存特性がグラフで表示できるようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  38. 振幅ごとにAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶させ、該振幅ごとの一連のマッピング像内の一部のエリアを指定することで該当部分のAcos曲線、Asin曲線、tanδ曲線の振幅依存特性がグラフで表示できるようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  39. 湿度ごとにAcos像(弾性成分像)、Asin像(粘性成分像)、tan像(tanδ像)をマッピングして記憶させ、該湿度ごとの一連のマッピング像内の一部のエリアを指定することで該当部分のAcos曲線、Asin曲線、tanδ曲線の湿度依存特性がグラフで表示できるようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  40. 試料温度を階段状に上昇あるいは下降させ、階段状の温度一定になった部分で前記周波数を変化させることにより試料の粘弾性特性を求める際に、試料の温度依存と周波数依存を測定するようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  41. 試料温度を階段状に上昇あるいは下降させ、階段状の温度一定になった部分でたわみ量を変化させることにより試料の粘弾性特性を求める際に、試料の温度依存とたわみ量依存を測定するようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  42. 試料温度を階段状に上昇あるいは下降させ、階段状の温度一定になった部分で振幅を変化させることにより試料の粘弾性特性を求める際に、試料の温度依存と振幅量依存を測定するようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  43. 試料温度を階段状に上昇あるいは下降させ、階段状の温度一定になった部分で湿度を変化させることにより試料の粘弾性特性を求める際に、試料の温度依存と湿度依存を測定するようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  44. 試料温度を階段状に上昇あるいは下降させ、階段状の温度一定になった部分で周波数、たわみ量、振幅、湿度を変化させることにより試料の粘弾性特性を求める際に、試料の温度依存と周波数依存、たわみ量依存、振幅依存、湿度依存のいずれかを3次元表示をするようにした、請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  45. 3次元表示の中で周波数を指定することで、試料の粘弾性特性と温度依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  46. 前記3次元表示の中で、たわみ量を指定することにより試料の粘弾性特性と温度依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  47. 前記3次元表示の中で、振幅を指定することにより試料の粘弾性特性と温度依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  48. 前記3次元表示の中で、湿度を指定することにより試料の粘弾性特性と温度依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  49. 前記3次元表示の中で、温度を指定することにより試料の粘弾性特性と周波数依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  50. 前記3次元表示の中で、温度を指定することにより試料の粘弾性特性とたわみ量依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  51. 前記3次元表示の中で温度を指定することで、試料の粘弾性特性と振幅依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
  52. 前記3次元表示の中で、温度を指定することにより試料の粘弾性特性と湿度依存の関係を2次元断面プロファイルとして表示することとした、請求項44記載の走査型プローブ顕微鏡。
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