JP3938900B2 - 柔軟なひざ制動機能をもつ義足 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ひざの屈曲を可能とするひざ継手を含む義足であって、ひざの屈曲を柔軟に制動する義足、すなわち、イ−ルディング義足に関し、特に、義足を装着する者の荷重が、義足に付属する足部のどこにかかっているかを検知するセンシング部分を機械的なリンク機構によって構成した義足に関する。
【0002】
【発明の背景】
義足を装着する者にとって、健常者と同様の自然な歩き方をすることが基本的な願いであり、特に、左右の足を交互に出して階段を降りたり、坂をスム−ズに降りることは夢のような願いである。柔軟なひざ制動機能、つまりイ−ルディング機能は、後者の願いを実現する上で必要な機能である。このイ−ルディング機能によって、ひざ継手を含む義足に体重をかけるとき、ひざ継手がゆっくりと屈曲角度を変えていく。したがって、イ−ルディング機能をもつ義足を装着する者は、自らの体重を安心して義足に載せ、左右の足を交互に出して階段や下り坂をスム−ズに降りることができる。
【0003】
別の見方をすれば、イ−ルディング技術は、義足(義足の屈曲)を完全にロックする技術に対し、義足を屈曲可能な状態に柔軟にロックする技術であるということができる。義足を完全にロックする技術は、たとえば、USP3,863,274号(対応する日本特公昭52−46432号)が示すように、ひざ軸を機械的な摩擦力を利用して締め付けて制動力を生じる技術である。それに対し、義足を柔軟にロックする技術は、作動油が絞りを通るときの流れ抵抗を利用して制動力を生じる技術である。したがって、柔軟なロック技術は、絞りのほかに、いくつかの油圧機器を含む油圧制動回路を備える。油圧制動回路の中の油圧機器の一つは、作動油が流れ込んだり流れ出したりする2つの室を区画する手段であり、その手段としては、往復動ピストンを含むピストンタイプと、揺動ベ−ンを含むロ−タリタイプとが知られている。USP5,704,945号(対応する特開平8−317944号)やUSP2,667,644号などはロ−タリタイプを、また、USP2,530,286号、USP2,568,053号などがピストンタイプをそれぞれ明らかにしている。
【0004】
【発明の解決すべき課題】
さて、油圧制動回路には、通常、ひざの屈曲に対して制動力を生じる制動状態と制動力を解除した非制動状態とに切り換えるための切換え弁(つまり、制御弁)がある。そして、油圧制動回路(つまりは、油圧制動回路の切換え弁)は、義足装着者の荷重が、義足に付属する足部のどこにかかっているかに応じて制御される。油圧制動回路をそのように制御するためのセンシング制御手段としては、ひずみゲ−ジなどの電気的なセンサ−によって、義足装着者の歩行状態を検知し、その検知信号に基づいてマイクロコンピュ−タから制御信号を出力することもできる。すなわち、すべて電気的あるいは電子的な検出および処理をするような制御を行うこともできる。しかし、それにはマイクロコンピュ−タによるデ−タ処理が伴うため、そのための電源を準備する必要がある。また、電気的センサ−を常に検知可能な状態に維持しなければならないため、その分だけ電力も消費する。それらの課題を解決するためには、センシング制御手段を機械的な方法によって構成することが好ましい。
【0005】
しかし、機械的な方法による今までのセンシング制御手段には、前記した電気的あるいは電子的な方法のように、足部のどこに荷重がかかっているかという状態を検出するという設計思想に基づくものは見当らない。たとえば、USP2,530,286号やUSP2,667,644号は、足部と油圧制動回路の切換え弁とをリンク機構によって連結し、足部の動きに連動するリンク機構によって切換え弁を制御している。また、足部とは無関係に、義足が屈曲しているか否かによって、油圧制動回路の切換え弁を制御するものもある。すなわち、USP5,704,945号(対応する特開平8−317944号)は、ひざの屈曲に伴う揺動レバ−の相対的な変位を利用し、また、USP2,568,053号は、ひざの屈曲に伴うリンクやレバ−の動きを利用して制御を行っている。
【0006】
ところが、機械的な方法による今までの技術は、足部のどこに荷重がかかっているかという状態を検出するものではないため、階段や下り坂を降りるような場合、立脚相の最終における爪先離れ時に、制動力が正しく解除されず、スム−ズに遊脚相に移行することができないという問題を生じてしまう。なぜなら、階段や下り坂を降りるような場合、義足装着者は、その重心を比較的後方におく傾向があり、そのために、床反力がひざ軸のかなり後方を通ることになるからである。すなわち、平地における歩行の場合には、足部の動きあるいはひざの屈曲に伴う動きに連動して、油圧制動回路の切換え弁を有効に切換え制御することができるのに対し、階段や下り坂を降りるような場合、義足装着者の姿勢から、そうした切換えを正しく行うことができないわけである。
【0007】
この発明は、義足装着者の荷重が足部のどこにかかっているかを、機械的な方法によって検出するようにした、柔軟なひざ制動機能をもつ義足を提供することを目的とする。
また、この発明は、立脚相の最終における爪先離れ時に、制動力を正しく解除することができる、柔軟なひざ制動機能をもつ義足を提供することを他の目的とする。
さらに、この発明は、単軸の義足だけでなく、多軸の義足へも適用することができる、柔軟なひざ制動機能をもつ義足を提供することをも目的とする。
この発明のさらに具体的な目的は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0008】
【発明の解決手段】
この発明による義足は、義足を屈曲可能な状態に柔軟に制動する技術であり、作動油が絞りを通るときの流れ抵抗を利用して制動力を生じる油圧制動回路を備える。絞りとしては、可変絞りあるいは固定絞りのいずれも用いることができる。しかし、義足装着者の特性や好みに応じて絞り量を調整可能にする点からすると、可変絞りの方が好ましい。
【0009】
油圧制動回路は、絞りのほか、作動油が流れ込んだり流れ出したりする2つの室を区画する手段、一方向の流れに対してだけ有効な流れ抵抗を生じるための逆止弁、制動状態と非制動状態とを切り換えるための切換え弁を備える。2つの室を区画する手段としては、すでに述べたように、往復動ピストンを含むピストンタイプと、揺動ベ−ンを含むロ−タリタイプとがある。この発明に対し、それらの両タイプを適用することができるが、義足を小型化する上、また、立脚相における柔軟なひざ制動機能を得るための油圧制動回路と、遊脚相におけるひざの屈曲を制御するためのエアシリンダ装置とを有効に併存させる上からすると、ロ−タリタイプがより好ましい。なお、油圧制動回路によって、立脚相における柔軟なひざ制動機能を得るだけでなく、遊脚相におけるひざの屈曲を制御するようにすることもできる。
【0010】
また、この発明は、ひざの上側に位置する関節上側部材と、ひざの下側に位置し、関節上側部材に揺動可能に連結してひざ屈曲を可能とした関節下側部材とを備える義足に広く適用することができる。関節上側部材と関節下側部材とを揺動可能とする連結としては、単一の軸を介する単軸による連結、あるいは4軸など複数の軸を介する多軸による連結が知られているが、この発明は、それらのいずれのものへも適用することができる。この発明は、主として機械的な手段によって、柔軟なひざ制動機能を得ることを意図しているため、義足の関節下側部材を相対的に動くことができる2つの部分によって構成する。すなわち、関節上側部材と連結してひざ屈曲を可能とするひざ継手を構成する継手構成部分と、この継手構成部分の下側に連結した部分であり、継手構成部分に対して、ひざ屈曲の動きに比べてわずかな動きをする本体部分との2つの部分である。本体部分の上部に継手構成部分が位置し、また、本体部分の下部には足部が位置する。
【0011】
この発明の好ましい形態では、関節下側部材の継手構成部分に前記した油圧制動回路を配置し、油圧制動回路の中の2つの室を区画する手段として、揺動ベ−ンを含むロ−タリタイプを適用している。
【0012】
さらに、この発明では、ひざの屈曲に対する制動力を生じる油圧制動回路を制御するために、義足装着者の荷重が足部のどこにかかっているかを検知し、その検知信号に基づいて油圧制動回路を制御する特定のセンシング制御手段を備える。そのセンシング制御手段は、次のy1およびy2の特徴をもつ。
y1 関節下側部材における継手構成部分と本体部分とを連結し、義足の足部の爪先と踵との間に瞬間中心をもつリンク機構があること
y2 リンク機構を構成するリンクの動きを検知し、その検知結果に基づいて油圧制動回路を制御するようになっていること
【0013】
センシング制御手段は、義足装着者の荷重が足部のどこにかかっているかを検知するためのセンシング部分と、そのセンシング部分の検知信号に基づいて油圧制動回路を制御する制御部分とから構成される。センシング部分は、前記した所定のリンク機構からなり、そのリンク機構の瞬間中心がセンシングポイントとなる。義足の足部の接地状態(踵が接地しているか、爪先が接地しているか状態)に応じて、次のz1あるいはz2のような検知信号を生じる。
z1 義足の足部の踵が接地したとき、その踵の接地に伴う床反力がリンク機構の瞬間中心よりも後方側を通り、それによって、関節下側部材に瞬間中心を中心にして前方へ倒れる方向の回転モ−メントを生じさせる
z2 義足の足部の爪先が接地したとき、その爪先の接地に伴う床反力がリンク機構の瞬間中心よりも前方側を通り、それによって、関節下側部材に瞬間中心を中心にして後方へ倒れる方向の回転モ−メントを生じさせる
【0014】
すなわち、機械的なリンク機構は、義足装着者の荷重が足部の踵にかかる場合と、爪先にかかる場合とによって、自らの瞬間中心を中心として前方に倒れる方向と、後方に倒れる方向との互いに異なる回転モ−メントを生じる。これら互いに異なる回転モ−メントは、リンク機構による検知信号になる。リンク機構(つまり、センシング部分)の検知信号によって、油圧制動回路を制動状態と非制動状態とに切り換え制御する。この切換え制御は、一般的には、リンク機構の一つのリンクの動きによって、切換え弁を開閉制御することを意味する。しかし、切換え制御は、それに限定されるわけではない。たとえば、リンク機構のリンクの動きによって電気的なスイッチのスイッチングを行い、そのスイッチング作用に応じてモ−タ等で可変絞りの絞り量を制御するようにすることもできる。したがって、センシング部分による検知は機械的なものであるが、制御部分による油圧制動回路の制御は、機械的なものだけでなく、電気的あるいは電子的なものも含む。
【0015】
機械的なリンク機構は、義足の足部の爪先と踵との間に瞬間中心をもつが、その瞬間中心の位置としては、リンク機構よりも下方側であり、しかも、直立状態における義足装着者の重心を通る荷重線よりも前方側の領域が好ましい。その領域に瞬間中心があれば、直立状態で制動力を確実に発生させるができるし、下り坂における爪先離れ時に制動力を有効に解除することができ、安定性の高い義足を得ることができる。
【0016】
また、油圧制動回路の切換え弁については、ノ−マルオ−プン、ノ−マルクロ−ズドのいずれにすることもできるが、通常時に確実に制動をかけることによって、ひざ折れを確実に防止する観点からすれば、ノ−マルクロ−ズドの方が好ましい。さらに、遊脚相における制御を油圧制動回路とは別のエアシリンダ装置によって制御する場合には、切換え弁をノ−マルクロ−ズドとした上、リンク機構の瞬間中心を足部付近の比較的下方に配置するのが好ましい。そうすれば、爪先が床から離れて遊脚相に移行した後でも、振出し動作に伴う義足の慣性力によって、切換え弁を開こうとする力が大きくなり、しかも、エアシリンダ装置の反発力も加わることにより、切換え弁を開くことができ、遊脚相の制御をスム−ズに行うことができる。
【0017】
さらに、今までの油圧制動回路では、切換え弁と絞りとを通路途中の一つの弁装置によって構成している。この発明でも、そのような実施形態を採ることもできるが、柔軟なひざ制動機能を確実に得るために、切換え弁と絞りとを分離し、それら両者を逆止弁に対してそれぞれ並列に接続するようにするのが好ましい。油圧制動回路をそのような形態にすれば、義足にかかる荷重の大きさや方向にかかわらず、一定の荷重がかかれば切換え弁は確実に切り換えられることになり、それにより、所定の制動力を安定して生じさせることができる。したがって、義足装着者は、自分の思いのままにひざ制動力を制御することができる。
【0018】
【実施例】
図1〜図3は、この発明を適用した大腿義足10の全体的な構成を明らかにしている。まず、これらの図を参照しながら、大腿義足10の構成、およびその中での発明の特徴を説明しよう。
大腿義足10は、ひざのない人のための義足であり、ひざの上側に位置する関節上側部材12と、ひざの下側に位置し、関節上側部材12に揺動可能に連結してひざ屈曲を可能とする関節下側部材14とを備える。関節上側部材12の主体は、アルミニュ−ム合金製のニ−プレ−ト120である。ニ−プレ−ト120には、その上部にアライメントブロック16を支持する部分122、その左右にひざ軸を支持するための一対のア−ム124a,124b、それらのア−ム124a,124b間に位置する第3のア−ム126がそれぞれある。アライメントブロック16は、たとえばチタン合金製であり、ニ−プレ−ト120に対しねじ結合によって固定される。そのアライメントブロック16は、図示しないソケットを支持し、ソケットの中に入る大腿を通して義足装着者の荷重を支える。
【0019】
ニ−プレ−ト120の両側の歯付き止めボルト18が、ひざ軸(図示しない)をニ−プレ−ト120に(したがって、関節上側部材12に)一体に固定している。大腿義足10は、ひざ軸が単一の単軸義足であり、関節上側部材12と関節下側部材14とは、その一本のひざ軸を中心にして回転可能である。
【0020】
関節下側部材14には、炭素繊維強化プラスチック製の中空なフレ−ム140のほか、フレ−ム140の上部に複数の止めボルト20で固定したベ−スブラケット22、さらには、ひざ軸に回転可能に連結しつつ、ベ−スブラケット22に対し特定のリンク機構(後述する)によって連結をしたハウジング部材24の各構成部分がある。ベ−スブラケット22およびハウジング部材24はともにアルミニュ−ム合金製である。ひざ軸の回りを回転可能なハウジング部材24は、ひざ屈曲を可能とするひざ継手を構成する継手構成部分である。したがって、継手構成部分であるハウジング部材24は、ニ−プレ−ト120を含む関節上側部材12に対し、たとえば150°〜160°という大きな回転あるいは揺動が可能である。また、ハウジング部材24は、ひざの屈曲に対する制動力を生じる油圧制動回路を構成する部分でもある。そこで、ハウジング部材24は、油圧を保持する内部空間を区画するため、両側に貫通したシリンダ孔をもつ本体240と、本体240の両側に位置しシリンダ孔の口をふさぐふた部材242とによって構成される。
【0021】
ハウジング部材24における油圧制動回路は、この発明に関係するひざ制動機能(立脚相における制御)を得るものである。大腿義足10は、また、遊脚相における歩行補助手段として空圧によるエアシリンダ装置30を備えている。このエアシリンダ装置30自体は公知であり、たとえば、USP5,405,407号、あるいは日本国特開平9−551号、または、USP5,888,237号などに示されるものと同様である。エアシリンダ装置30による制御は、流体が絞りを通るときの流れ抵抗を利用する点において、油圧のものと共通している。ただ、流体であるエアは、圧縮性があるため、エアシリンダ装置30によれば、エアの圧縮による圧縮エネルギ−によって、ひざが最大に屈曲した後における反発力を得ることができる。大腿義足10は、立脚相における制御を油圧によって、遊脚相における制御を空圧でそれぞれ達成する義足である。エアシリンダ装置30は、ロッド310側の端部がクレビスピン312によってア−ム126に、また、シリンダボトム側の端部が、フレ−ム140に固定したトラニオンピン320によってそれぞれ回転可能に支持されている。なお、フレ−ム140の下部に位置する、断面C型のリング状の締付け部材34は、フレ−ム140に足パイプを連結するためのものである。足パイプの下端には、足形状をした足部が付属されることは勿論である。
【0022】
さて、このような大腿義足10において、この発明では、関節下側部材14の継手構成部分14j(ハウジング部材24)と、その継手構成部分の下方に位置する本体部分14b(フレ−ム140およびそのフレ−ム140と一体のベ−スブラケット22を含む部分)とを特定のリンク機構50によって連結している。リンク機構50は、継手構成部分であるハウジング部材24と、本体部分の側のベ−スブラケット22との間に相対的なわずかな動きを可能とするものであり、しかもまた、義足10の足部の爪先と踵との間に瞬間中心をもつものでもある。わずかな動きとは、たとえば3°以下の非常に小さな揺動であり、前記したひざ軸回りの150°〜160°という大きな動きとの対比による表現である。また、わずかな動きは、義足装着者に不安感や違和感を与えないような小さな動きでもある。リンク機構50は、機械的な構成であり、それを構成する構成要素の外に瞬間中心をもっている。瞬間中心はセンシングポイントとなり、義足10を装着する者の荷重が足部の踵にかかる場合と、爪先にかかる場合とを区別し、その検知結果に基づいて油圧制動回路を制御する。この発明では、センシング部分を構成するリンク機構50の外部の所定域に位置する瞬間中心をセンシングポイントとして、義足装着者の荷重が足部のどこにかかっているかを検知している。そのため、義足装着者の歩行する姿勢のいかんにかかわらず、平地での歩行の場合は勿論のこと、階段や下り坂を降りるような場合でも常に正しい検知を行うことができる。そして、その検知に基づいて、油圧制動回路を適切に制御し、柔軟なひざ制動機能を得ることができる。
【0023】
図4Aおよび4Bは、リンク機構50をスケルトンで示している。図4Aはバ−リンクを用いた例であり、図4Bはバ−リンクの一部をスライドに置き換えた例であり、両者はリンク機構として等価である。それらの両例において、ひざ軸15が関節上側部材12と関節下側部材14とを回転可能に連結している。関節下側部材14の下方部分には、足パイプ170を通して足部172が付属している。図4Aにおいて、フロントリンク52とリヤリンク54とが、関節下側部材14の継手構成部分14jと本体部分14bとの間にそれぞれピボット結合されている。したがって、図4Aにおけるリンク機構50は、継手構成部分14j、本体部分14bのほか、フロントリンク52およびリヤリンク54によって構成されている。また、図4Bのものでは、リヤリンク54の代わりに、機構学的に等価なスライド56を用いている。これらのリンク機構50は、足部172の爪先172tと踵172hとの間の点Oに瞬間中心をもつ。
【0024】
リンク機構50の中のフロントリンク52は、その軸線方向の途中が継手構成部分14j側とのピボット結合部Aとなっている。そのピボット結合部Aよりもリンクの端の部分52eが、油圧制動回路の切換え弁60の作動子である。この例においては、切換え弁60をノ−マルクロ−ズドにするため、フロントリンク52の部分52eとは反対側のところに、圧縮コイルばねからなるばね58を設けている。図5A、5Bおよび5Cは、リンク機構50の動作を示している。リンク機構50は、A、B、C、Dの4点にピボット結合部をもつ4節リンク機構である。その瞬間中心Oは、フロントリンク52のピボット結合部AとBとを結んだ直線と、リヤリンク54のピボット結合部CとDとを結んだ直線との交点である。通常の状態において、フロントリンク52にばね58による力が作用し、それに応じて切換え弁60に作用力fが働き、それによって、切換え弁60は閉じ、義足は油圧制動回路による制動がかかる状態にある(図5A参照)。また、足部172の踵172hあるいは踵172h側に床反力Fが作用する場合、床反力Fは瞬間中心Oよりも後方に位置するよう作用するため、リンク機構50は、通常の状態と同様、切換え弁60に対し作用力fが働くように変形する(図5B参照、変形後のリンク機構AB’CD’)。さらに、足部172の爪先172tあるいは爪先172t側に床反力Fが作用する場合には、床反力Fは瞬間中心Oよりも前方に位置するよう作用するため、リンク機構50は、前の場合とは逆に、ばね58の力を打ち消し切換え弁60を開き、油圧制動回路による制動を解除するように変形する(図5C参照、変形後のリンク機構AB”CD”)。
【0025】
次に、切換え弁60を含む油圧制動回路について説明しよう。大腿義足10は、図6に示すように、切換え弁60を含む油圧制動回路70と、エアシリンダ30aおよびそれに付属する空圧回路30cを含むエアシリンダ装置30とを備える。エアシリンダ装置30については、すでに述べた公知のものを適用することができる。エアシリンダ30aは、シリンダ内部のピストンがピストンの軸線方向の前後に2つの室を区画する。また、空圧回路30cは、絞りや逆止弁を含み、ピストン前後の各室に流出入するエアの流れを制御する。エアシリンダ装置30における室区画手段(つまりは、エアシリンダ30a)は、シリンダ内部のピストンが軸線方向に往復動するピストンタイプである。それに対し、油圧制動回路70における室区画手段80は、揺動ベ−ン82が2つの室80e,80fを区画するロ−タリタイプである。油圧制動回路70側の揺動ベ−ン82と、エアシリンダ装置30側のピストン30aとは、ニ−プレ−ト12を通して互いに連結されている。油圧制動回路70の室区画手段80が区画する2つの室のうち、一方の第1室80eが伸展室であり、他方の第2室80fが屈曲室である。伸展室80eは、ひざが伸展する際に油が流れ込み、ひざが屈曲する際に油が流れ出す室であり、それに対し、屈曲室80fは、ひざが屈曲する際に油が流れ込み、ひざが伸展する際に油が流れ出す室である。伸展室80eは、第1通路250を通して切換え弁60の一方の側に連絡し、また、屈曲室80fは、第2通路260を通して切換え弁60の他方の側に連絡している。
【0026】
油圧制動回路70は、さらに、第1通路250と第2通路260との間に、切換え弁60および室区画手段80に対しそれぞれ並列に逆止弁92および絞り(つまり、絞り弁)94を備える。逆止弁92は、第1通路250側から第2通路260側へ向かう流れ(すなわち、第1室80eから第2室80fに向かう流れ)を阻止し、その逆方向の流れを許す一方向弁である。また、絞り94は、それを通る流れに抵抗を与える部材である。この絞り94としては、いろいろなタイプのものを適用することができるが、義足装着者の体格、歩き方の好みなどに応じてその絞り量を容易に調整することができるものが好ましい。好ましい絞り94の一例として、弁体の外周に、軸線方向に傾斜した切欠き溝(たとえば、周方向に互いに180°隔てた2個の切欠き溝)を設けたものを挙げることができる。
【0027】
さて、このような油圧制動回路70において、切換え弁60については、ノ−マルオ−プンあるいはノ−マルクロ−ズドのいずれの形態のものをも適用することができるが、ここでは、ノ−マルクロ−ズドのものを用いている。ノ−マルクロ−ズドにすることによって、通常時に絞り94による制動が常に働くようにし、いわゆるひざ折れを防止するねらいからである。切換え弁60は、遊脚相から立脚相に移行するとき、その閉じ状態を保つ。したがって、油圧制動回路70は、絞り94が有効に作用して柔軟なひざ屈曲、つまりイ−ルディング機能を発揮する。そして、立脚相において、義足装着者の床反力がリンク機構50の瞬間中心Oの前方側に位置することになると(つまり、床反力が爪先172t側に移ると)、前記したリンク機構50の作用によって、切換え弁60が確実に開状態に切り換わる。そのため、油圧制動回路70が、ひざ屈曲に対して無用な制動力を生じることはなく、義足装着者は、足部の爪先離れをスム−ズに行うことができる。また、ノ−マルクロ−ズドではあるが、切換え弁60は、遊脚相において、義足10の振出し動作に伴う慣性力で開状態となる。そのため、エアシリンダ装置30による遊脚相の制御に対し、油圧制動回路70は、切換え弁60がノ−マルクロ−ズドであるにもかかわらず、障害とはならない。
【0028】
次に、油圧制動回路70が、大腿義足10の中に構造的にいかに構成されているかについて説明する。すでに参照した図1〜図3に加えて、図7Aおよび7B、ならびに図8が、油圧制動回路70の各構成要素の配置関係を知る上で有用である。図7Aおよび7Bは、大腿義足10の上部、特に、ひざ軸を取り囲む部分の構成を示している。図7Aは、切換え弁60が閉状態(つまり、通常状態、および足部の踵172h側が接地した状態)を示し、図7Bは、切換え弁60が開状態(つまり、足部の爪先172t側が接地した状態)を示す。また、それらの図に示す例では、リンク機構50の前方のリンクがバ−リンク(フロントリンク52)であるのに対し、後方のリンクは、スライド56である。スライド56は、ハウジング部材24の本体240に設けたガイド孔560、およびそのガイド孔560に案内されるガイドロッド562とから構成される。ガイドロッド562は、ベ−スブラケット22に固定されている。そこで、ガイド孔560のあるハウジング部材24と、フレ−ム140と一体のベ−スブラケット22とは、リンク機構50によって相対的にわずかに動くことができる。その動きの大きさは、切換え弁60を閉状態から開状態、あるいその逆に切り換えることができる大きさであり、たとえば、数mm以下のストロ−ク、あるいは数度以下の揺動角度である。
【0029】
図8は、ハウジング部材24のふた部材242を外し、ハウジング部材24の本体240の部分をひざ軸の軸線方向から見た図である。ニ−プレ−ト120のひざ軸支持ア−ム124a,124bに固定されたひざ軸15に、揺動ベ−ン82が一体に支持されている。揺動ベ−ン82は、本体240の内部の空間を第1室(高圧室あるいは伸展室)80eと第2室(低圧室あるいは屈曲室)80fとに区画する。また、ハウジング部材24の本体240には、切換え弁60および絞り94である絞り弁、さらに逆止弁92がそれぞれ収容される。切換え弁60の収容部は、本体240の上部に位置し、その下部に絞り弁94の収容部が位置する。そして、絞り弁94の収容部の奥の部分に、逆止弁92の収容部が位置する。切換え弁60および絞り弁94の各収容部は、フロントリンク52に面する本体240の一面から本体240の内部に向かっている。それに対し、逆止弁92の収容部は、ひざ軸15の軸線方向に平行する方向に走っている。さらに、ハウジング部材24の本体240には、油圧制動回路70の通路も構成されている。
【0030】
図9は、ハウジング部材24の本体240の内部に収容された切換え弁60を示す断面図である。本体240には、高圧側の第1通路250、低圧側の第2通路260、およびそれら第1、第2の両通路250,260にそれぞれ連絡する収容孔246がある。切換え弁60は、第1通路250側と第2通路260側とを連絡、あるいは遮断する弁である。切換え弁60の主体は、収容孔246の中に移動可能にはまりあった小型のプランジャ610である。プランジャ610は、その外周のシ−ル部材620によって液密にシ−ルされ、また、弁ばね630によって収容孔246の外に向かう力を受けている。しかし、プランジャ610は、収容孔246から突き出た一端610aに、フロントリンク52を通してばね58による力をも受けている。ばね58による力は、弁ばね630の力に打ち勝つため、通常の状態においては、プランジャ610の先端610bが、本体240側の弁座に当たり、それにより、切換え弁60は閉状態を保っている。一方、リンク機構50が、爪先172tの接地状態を検知した際には、フロントリンク52を通してのばね58の力が解除されるため、プランジャ610は、弁ばね630の力により収容孔246の外に向かって動き、切換え弁60を開状態にする。なお、ばね58は、ハウジング部材24の本体240を一方のばね受けとし、また、フロントリンク52にねじ結合したねじ部材585を他方のばね受けとしている。したがって、ねじ部材585のねじ込み量を変えることによって、ばね58の力を調整することができる(図7A、7B参照)。
【0031】
図10は、ハウジング部材24の内部に収容された逆止弁92および絞り弁94を示す断面図である。逆止弁92と絞り弁94とは、ハウジング部材24の内部に、互いに直交するような配置になっている。逆止弁92の収容孔2492は、ハウジング部材24の本体240を横方向に貫き、収容孔2492の両側がふた部材242で閉じられている。収容孔2492の軸線方向の途中には、逆止弁92の弁座となる内壁部分92sが構成されている。逆止弁92は、弁座92sのほか、その弁座92sに着座するボ−ル弁体922、ボ−ル弁体922に着座力を与える弁ばね924を含む。一方、絞り弁94の収容孔2494は、ハウジング部材24の本体240を斜めに走り、一端の開口が義足10の前方に臨んでいる。絞り弁94の主体は、収容孔2494に入り込んだプランジャ弁体942である。プランジャ弁体942には、その軸線方向の一側の外周に切欠き溝942t(周方向に互いに180°隔てた2個の切欠き溝であり、各切欠き溝は軸線方向に傾斜している)がある。2つの切欠き溝942tは、ハウジング部材24の本体240の壁面と相俟って流れ抵抗を生じる部分である。プランジャ弁体942は、切欠き溝942tのある側を収容孔2494の奥に位置させ、その反対側の端部942aがねじ部材96によって支持される。したがって、本体240の収容孔2494に対する、ねじ部材96のねじ込み量を変えることにより、絞り弁94の絞り量を調整することができる。絞り弁94のプランジャ弁体942は、切欠き溝942tのある先端側が逆止弁92の高圧側に連絡する。また、プランジャ弁体942の切欠き溝942tの外周が、逆止弁92の低圧側に連絡する。それらの連絡は、ハウジング部材24の本体240に設けた通路によってなされる。
【0032】
なお、絞り弁94は、義足10を組み立てた後で絞り量を調整可能にすることが望まれるのに対し、逆止弁92の方には、そのような調整が求められない。そこで、逆止弁92については、ハウジング部材24の内部ではなく、揺動ベ−ン82の内部に設けることもできる。また、揺動ベ−ン82は、ひざ軸15と一体であり、ひざ継手の屈曲角度と同じ150°〜160°という大きな揺動運動をする。しかし、イ−ルディング機能のための制動力を生じる範囲は、ひざの伸展状態からほぼ90°屈曲した状態の間だけである。したがって、ひざが90°屈曲した状態から最大に屈曲する状態において、油圧制動回路70による制動力は、基本的に不要である。そのような範囲では、切換え弁60の開閉に関係なく揺動ベ−ン82をスム−ズに揺動させるようにすることが好ましい。そのため、ハウジング部材24の本体240の内部に、不要な制動力の発生を抑える通路を形成するようにするのが良い。
【0033】
この発明は、図に示した実施例に限定されるわけではなく、機械的なセンシングを行うという発明の趣旨の範囲でいろいろな変形をすることができる。図11は、フロントリンク52の側ではなく、リヤリンク54の側に切換え弁60の作動子を設けた例である。リヤリンク54は、継手構成部分14jであるハウジング部材24とのピボット結合部Pに、作動子となるリンク部分54eを備えている。
【0034】
また、この発明は、単軸の義足だけでなく、多軸の義足にも適用することができる。図12および図13は、ひざ継手を構成する4節のリンク機構515を備えた義足への適用例をそれぞれ示している。図12の例では、リンク機構515の中の一つのピボット結合部P’を制動するようにしている。それに対し、図13の例では、リンク機構515にロッド40を連結し、そのロッド40を通してリンク機構515の動きを制動するようにしている。なお、図12および図13の両図中、すでに述べた実施例と同様の構成部分に対して、同一の符号を付けてある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による義足の一実施例を示す斜視図である。
【図2】 図1の実施例を反対側から見た斜視図である。
【図3】 図1の実施例の正面図である。
【図4A】 この発明による義足の一例をスケルトンで示す図である。
【図4B】 図4Aの中のリンクの一部をスライドで構成したスケルトン図である。
【図5A】 この発明で用いるリンク機構の作用を示す図であり、通常の状態を示している。
【図5B】 この発明で用いるリンク機構の作用を示す図であり、踵接地の状態を示している。
【図5C】 この発明で用いるリンク機構の作用を示す図であり、爪先接地の状態を示している。
【図6】 この発明で用いる油圧制動回路の一例を示す回路図である。
【図7A】 図1の実施例のひざ軸を取り囲む部分の構成図であり、切換え弁が閉状態を示している。
【図7B】 図1の実施例のひざ軸を取り囲む部分の構成図であり、切換え弁が開状態を示している。
【図8】 ハウジング部材の内部構成を示す図である。
【図9】 内部に収容された切換え弁を示す断面図である。
【図10】 内部に収容された逆止弁および絞り弁を示す断面図である。
【図11】 この発明の変形例を示す図である。
【図12】 この発明の他の変形例を示す図である。
【図13】 この発明のさらに他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10 大腿義足
12 関節上側部材
120 ニ−プレ−ト
14 関節下側部材
140 フレ−ム
15 ひざ軸
22 ベ−スブラケット
24 ハウジング部材(継手構成部分)
240 本体
30 エアシリンダ装置
50 リンク機構
52 フロントリンク
52e 部分(作動子)
54 リヤリンク
56 スライド
58 ばね
60 切換え弁
70 油圧制動回路
80 室区画手段
82 揺動ベ−ン
80e 第1室(伸展室)
80f 第2室(屈曲室)
92 逆止弁
94 絞り(絞り弁)
O 瞬間中心
Claims (12)
- ひざの上側に位置する関節上側部材と、ひざの下側に位置し、前記関節上側部材に揺動可能に連結してひざ屈曲を可能とした関節下側部材とを備え、前記関節下側部材は、前記関節上側部材と連結して前記ひざ屈曲を可能とするひざ継手を構成する継手構成部分と、この継手構成部分の下側に連結した部分であり、前記継手構成部分に対して、前記ひざ屈曲の動きに比べて小さな動きをする本体部分とを含む義足であって、
前記ひざの屈曲を柔軟に制動するために、次のXおよびYの構成を備え、
X 作動油が絞りを通るときの流れ抵抗によって、ひざの屈曲に対する制動力を生じる油圧制動回路
Y 義足を装着する者の荷重が、義足に付属する足部のどこにかかっているかを検知し、その検知信号に基づいて前記油圧制動回路を制御するセンシング制御手段
さらに、前記センシング制御手段が、次のy1およびy2の特徴をもつ、柔軟なひざ制動機能をもつ義足。
y1 前記関節下側部材における継手構成部分と本体部分とを連結し、義足の足部の爪先と踵との間に瞬間中心をもつリンク機構があること
y2 前記リンク機構を構成するリンクの動きを検知し、その検知結果に基づいて前記油圧制動回路を制御するようになっていること - 前記センシング制御手段は、義足装着者の荷重が前記足部のどこにかかっているかを検知するためのセンシング部分と、そのセンシング部分の検知信号に基づいて前記油圧制動回路を制御する制御部分とから構成される、請求項1の義足。
- 前記センシング部分が、機械的な構成からなる、請求項2の義足。
- 前記関節上側部材と前記関節下側部材とを揺動可能とする連結は、単一の軸を介する単軸による連結、あるいは複数の軸を介する多軸による連結のいずれかである、請求項1の義足。
- 前記油圧制動回路は、前記センシング制御手段の制御によって、ひざの屈曲に対して制動力を生じさせる制動状態と、前記制動力を解除した非制動状態とに切り換わる、請求項1の義足。
- 前記油圧制動回路は、ひざが伸展するときに作動油が入り込む第1室と、ひざが屈曲するときに作動油が入り込む第2室と、それら第2室と第1室との間を連絡する通路と、その通路上、前記第1室と第2室との間に位置する絞りと、前記通路上、その絞りと並列に接続され、前記第1室から前記第2室へ向かう流れを阻止し、その逆方向の流れを許す逆止弁と、前記通路上、その逆止弁および前記絞りと並列に接続され、前記センシング制御手段によって開閉される切換え弁とを備える、請求項1の義足。
- 前記センシング制御手段は、前記油圧制動回路を次のように制御する、請求項1の義足。
z1 前記義足の足部の踵が接地したとき、その踵の接地に伴う床反力が前記リンク機構の瞬間中心よりも後方側を通り、それによって、前記関節下側部材に前記瞬間中心を中心にして前方へ倒れる方向の回転モ−メントを生じさせる
z2 前記義足の足部の爪先が接地したとき、その爪先の接地に伴う床反力が前記リンク機構の瞬間中心よりも前方側を通り、それによって、前記関節下側部材に前記瞬間中心を中心にして後方へ倒れる方向の回転モ−メントを生じさせる
z3 z1およびz2における前記回転モ−メントの方向に応じて、前記油圧制動回路を制御し、ひざの屈曲に対して制動力を生じさせる制動状態と、前記制動力を解除した非制動状態とに切り換える - 前記瞬間中心は、前記リンク機構よりも下方側であり、しかも、直立状態における義足装着者の重心を通る荷重線よりも前方側の領域に位置する、請求項1の義足。
- 前記第1室と前記第2室とは、一点を中心に揺動可能なベ−ン、あるいは直線方向に往復動可能なピストンのいずれかによって区画される、請求項6の義足。
- 前記油圧制動回路を制御する一つのリンクは、ばねによる力を受け、前記切換え弁をノ−マルクロ−ズドにしている、請求項6の義足。
- 前記油圧制動回路は、前記リンク機構を構成するリンクの動きによって機械的に制御し、しかもまた、前記継手構成部分と前記本体部分との間の小さな動きは、前記リンクの動きによって、前記油圧制動回路を前記制動状態と前記非制動状態とに切り換えることができる大きさのストロ−クである、請求項5の義足。
- 前記油圧制動回路は、前記継手構成部分のところに配置されており、さらに、前記関節上側部材と前記関節下側部材との間に、遊脚相におけるひざの屈曲および伸展を補助するためのエアシリンダ装置を備える、請求項1〜11のいずれか一つの義足。
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