JP3938757B2 - 高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法及び装置 - Google Patents

高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法及び装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、衝突安全に用いられる部材設計に必要な材料特性計測方法及び装置に関し、詳しくは部材の衝突変形モードを決める10%までの低ひずみ領域での材料の高速変形特性の精密計測に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車業界では、衝突時の乗員への傷害を低減しうる車体構造の開発が急務の課題となっている。この課題の解決のために、計算機上で自動車の衝突のシミュレーションを行い、安全基準をクリアする設計を行うシステムの開発が急速に進んできている。従って、現在ではこの衝突のシミュレーションの精度が衝突安全設計の成否のカギとなっている。しかし、衝突時は自動車の部材が高速で変形するため、部材を構成する材料の高速の変形特性を精密に計測し、シミュレーションに導入しない限り、高精度な衝突特性を予測するシミュレーションは成立しないことになる。
【0003】
上記の材料の高速の変形特性に関して、通常の準静的な引張試験と比べて試験速度が100万倍にも達するため、試験中に衝撃弾性波が発生し、試験片の変形応力の計測系にこの衝撃弾性波が重なり正確な材料の高速変形特性が計測できないという問題がある。従来からこの問題の解決のため特許文献1にあるように、試験片の平行部でなくつかみ部にひずみゲージを貼付し、このひずみゲージ出力から別に校正したロードセル出力/ゲージ出力比を用いて試験片の変形応力を計測する方法があった。これは試験片平行部よりつかみ部の方が断面積は広く衝撃弾性波の影響が少なくなるが、本質的に衝撃弾性波を除去できるわけではなく、測定精度向上につながっていなかった。
【0004】
また、非特許文献1などにあるように、細長い弾性棒で衝撃弾性波を棒の長手方向に逃がすことにより、試験変形時の応力のみを計測すること可能にする、いわゆるKolsky法が高速変形の試験法として標準的に使われているが、構造的に精度管理が難しく、図1に示すような応力−ひずみ曲線の降伏点付近に衝撃に起因すると考えられる初期応力ピークが発生することが問題であった。この初期応力ピークは、材料の降伏応力のひずみ速度依存により高速変形下で発生する因子もあり、衝撃因子と重なり問題解決を困難にしていた。このため、この初期応力ピークを除いた高速変形特性をシミュレーションに導入していたため、衝突解析の精度、しいては衝突安全の最適な設計の信頼性を低下させていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平10-318894号公報
【非特許文献1】
SAE TECHNICAL PAPER #960019(1996年10月発行、発行所:Society of Automotive Engineer)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、衝突シミュレーションや衝突安全設計について評価基準となる材料の高速変形特性において、高速変形特有の衝撃時の非定常な振動を除去し、材料変形時の応力を高精度に計測する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる計測方法及び装置は、以下の通りである。
(1)板材または丸棒の試験片を取付けた金属製出力棒の弾性変形に基づいて試験片の応力を計測する試験方法において、下記(1)式を満足する抑え力F[N]で、前記出力棒の端部から200mm以内を鉛直方向で上下に拘束しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
1.0×10 -5 ×E b 2 ≦ F ≦ 1.5×10 -3 ×E b 2 (1)
ここで、D:出力棒の直径[mm]、r:出力棒の半径[mm]=D/2
b :出力棒のヤング率[N/mm 2
(2)板材または丸棒の試験片を取付けた金属製出力棒の弾性変形に基づいて試験片の応力を計測する試験方法において、前記出力棒の直径D[mm]として前記出力棒の端部からL≦15D[mm]となる位置Lを、下記(1)式を満足する抑え力F[N]で、鉛直方向で上下に拘束しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
1.0×10 -5 ×E b 2 ≦ F ≦ 1.5×10 -3 ×E b 2 (1)
ここで、D:出力棒の直径[mm]、r:出力棒の半径[mm]=D/2
b :出力棒のヤング率[N/mm 2
(3)鉛直方向に対して、出力棒の上下両面を固定冶具で接するように拘束することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
鉛直方向に対して、出力棒の下面のみ固定冶具で拘束し、出力棒の上面から(1)式を満足する抑え力F[N]でテープを用いて拘束することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
)先端に板材または丸棒の試験片の取付手段を有する金属製出力棒と、前記試験片に10 2 /s以上のひずみ速度の衝撃を与えて塑性変形させる機能を有するインパクト・ブロックと、前記インパクトブロックを基準として、前記試験片と同じ方向から又は前記試験片と反対方向から前記インパクト・ブロックに衝撃を付与するハンマーと、前記ハンマーが前記インパクト・ブロックに衝突するようガイドするレールと、前記出力棒の先端近傍を鉛直方向で上下に拘束する固定冶具を有することを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
鉛直方向に対して、固定冶具が出力棒の上下両面に接するように設置されていることを特徴とする前記()記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
)出力棒と接する固定冶具の面のヤング率が出力棒と同等以上であることを特徴とする前記()又は(6)記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置
)出力棒と接する固定冶具が、半径R≧1.0[mm]の円柱状であり、出力棒と直交し点接触することを特徴とする前記()又は(7)記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
鉛直方向に対して、出力棒の下面側にのみ固定冶具が設置され、出力棒を固定冶具に押し付けるように、出力棒を上面から拘束する固定テープを有すること特徴とする前記()記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
10)板材または丸棒の試験片を取付けた金属製出力棒の弾性変形に基づいて試験片の応力を計測する試験方法において、前記出力棒に棒軸方向に沿って試験前に予め(2)式を満足する張力 2 [N]を付与しながら、前記試験片に102 /s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
9.5×(D/2) 2 ≦ F 2 ≦ YP/2 (2)
ここで、D:出力棒の直径[mm]、YP:試験片の降伏荷重[N]
11)前記()〜()の何れか1項に記載の装置を用いて前記(10)記載の方法を実施することを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法
12前記(5)〜(9)の何れか 1 項に記載の装置を用いて、試験時の前記出力棒の断面の中心が、試験時の引張または圧縮の軸線に対して、A ≦ 0.5mmとなる範囲A[mm]を満たすように出力棒および試験片、インパクト・ブロックを設置し、引張または圧縮の荷重入力方向を範囲Aに入るように設定しながら、前記試験片に102 /s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
計測に用いた高速引張り試験機は、one bar方式であり、図2に概略構造を示す。装置は、試験片1、荷重計測のための出力棒2、試験片1に衝撃引張りを入力するためのハンマー3、インパクト・ブロック4、ハンマー3がインパクト・ブロック4に衝突するようにガイドするレール9からなる。
【0009】
出力棒2の先端には、試験片1(幅5mm、長さ10mm)を固定するためアタッチメント5が取付けられ、試験片1はピン6及び接着剤によりアタッチメント5と固定され、試験片1のもう一方はタブ7により補強され、インパクト・ブロック4とピン6により固定されている。ハンマー3で衝撃を与えたインパクト・ブロック4により試験片1に最大10/s以上のひずみ速度を与えることが出来る。図2に(a)高速引張試験の初期状態、ハンマー3がインパクト・ブロック4に衝突した状態(b)、試験片が破断した状態(c)を示す。
試験では、応力波の伝達の状況を解析するために、出力棒2上に図3に示すように、3箇所にゲージ8を取付け、同時計測を行った。ゲージ8の取付け箇所はそれぞれ出力棒端部から50mm、100mm、770mmとした。実験に用いた材料は、引張り強度レベルが440MPa級の鋼材と7000系ジュラルミンである。
この試験機について、図4に示す全体モデル及び試験片締結部の詳細モデルによりFEM解析を行い、衝撃時の弾性波の伝導・分散が試験片変形の応力波伝導に及ぼす影響を調べた。この解析結果に基づき、従来の試験方法が有していた高速変形特有の応力・ひずみ曲線上の初期応力ピークの改善効果について、本発明を検証した。
【0010】
比較例として、固定冶具を設けずに試験を行った際の解析結果を図5に示す。図5から各測定点での応力波形がほぼ同じことから、出力棒中の応力波の伝わりは均一であり、応力波の伝達途中で棒の振動などで発生するものではないことが分かる。従って、初期応力ピークは、衝撃試験に起因するもとのしても、試験片付近の初期の衝撃によって発生していることになる。
この原因として、インパクト・ブロックと試験片の間で衝撃引張り力の入力時に、衝撃に振動波形も伝わる可能性が考えられるが、図4の試験片締結部の詳細モデルでのFEM解析から、衝撃時の振動が試験片を介して出力棒に伝わるような現象は現れないことが分かった。実験でも、インパクト・ブロック4と試験片1の締結方法を様々に変えても系統的な初期応力ピークの減少は観測されないため、この影響は小さいことが確認された。
従って、初期応力ピークへの衝撃試験の影響は、試験片から出力棒締結部分及び出力棒端部の振動が原因となることが判明した。締結部分は、断面積変化から応力波の分散が起きるが、この影響は小さく、断面積を徐々に変化させた試験片での実測結果でも、ほとんど変化が見られなかった。
【0011】
次に、出力棒端部の振動の影響であるが、図4のFEM解析上で振動によるピークへの影響を調べた。この結果、図6に示すように、出力棒端部で局所的に横振動を起こしていることが分かった。
図6の横振動は、1000倍に拡大して示しているため、実際の振動は数十mmと非常に小さいが、動的な現象のため、つりあい状態の振動でなく、発生する範囲が極めて局所的になり、この横振動が出力棒の軸方向への伸縮の弾性変形となり、初期ピークに相当する振動を起こしていることが判明した。
【0012】
図7は、この振動で発生した弾性応力波のFEM解析上でのコンタ図である。棒端部で発生した振動によるピークはそのまま引張り時の荷重波形に重なり、平面波として伝わっているのが分かる。図8は、このときの応力波の波形であるが実験で見られたものと同様のピークが再現されているのが分かる。
従って、この振動によるピークを除去するためには、棒端部での振動を抑えることが重要となるが、振動の発生を抑えるためには、ブロックとハンマーの衝撃入力の制御が必要となり安定したピーク除去が困難となる。
そこで、たとえ振動が発生するような衝撃入力になっても、振動発生を抑えるように固定冶具10を棒端部近傍に設置する。図9に示すように、ハンマー3がインパクト・ブロック4に衝突する際に固定冶具10とハンマー3が干渉しないように、ハンマー3の一部に空隙を設け、その内部に固定冶具10を小径ロール等として設置すれば良い。
【0013】
前記(1)に係る発明では、衝突シミュレーションに必要な材料の102/s以上のひずみ速度の高速引張または圧縮の変形応力を、出力棒を用いて計測する際に、出力棒の端部から200mm以内を鉛直方向で上下に拘束することにより、金属棒の衝撃による振動を除去し、特に、衝撃試験特有の計測応力に現れる初期応力を除去した高精度な材料の変形応力を計測することが出来る。本来は、計測の精度管理のため、試験装置、試験片の取付け位置を精密に制御する必要があるのに対し、本発明により精密な精度管理に代わって簡単に計測精度・再現性を確保することができる。
出力棒の端部から200mmより離れた位置を拘束すると衝撃による振動を除去する効果が弱くなるので、200mm以内とする。
また、出力棒を(1)式を満足する抑え力F[N]で拘束する。(1)式はFEM解析と実際の計測により最適範囲として求めた式であり、(1)式を満たすと、振動を抑制するのに十分な拘束力を付与できるので、初期応力ピークのない高精度な引張試験の応力を計測できる。(1)式の範囲を外れると、拘束力が不十分のため、初期応力ピークを除去できないか,拘束力が大きくなりすぎるため,引張試験の応力の伝達を阻害することになる。また、上記(1)式を満たす拘束力であれば、この抑え力は常に同じ大きさでなくとも、この算定式を満たす範囲であれば効果は同じで再現性の良い計測ができる。
【0014】
また、前記(2)に係る発明では、前記出力棒の直径D[mm]として前記出力棒の端部からL≦15D[mm]となる位置L[mm]を、(1)式を満足する抑え力F[N]で、鉛直方向で上下に拘束しながら、試験を行う。
L>15D[mm]となると、前記(1)と同じく、衝撃による振動を除去する効果が弱くなるので、L≦15D[mm]とする。L≦15D[mm]でかつ、200mm以上となる場合は、前記(1)で規定する。
【0015】
前記(3)に係る発明では、鉛直方向に対して、出力棒の上下両面を固定冶具で接するように拘束する。これにより、インパクト・ブロックの衝撃入力時に発生する棒端部の非定常な上下振動を抑制することができるため、振動による初期応力ピークのない試験片の引張応力を計測できる。
【0017】
前記()に係る発明では、鉛直方向に対して、出力棒の下面のみ固定冶具で拘束し、出力棒の上面から(1)式を満足する抑え力F[N]でテープを用いて拘束する。このように拘束すると、はじめに一度だけ,(1)式を満足する抑え力F[N]についてテープの張力を貼付位置から決めるだけでよいので、簡単に安定した初期応力ピークのない応力計測を再現できる。
【0018】
前記()に係る装置は、先端に板材または丸棒の試験片の取付手段を有する金属製出力棒と、試験片に10 2 /s以上のひずみ速度を付与する衝撃を与えて塑性変形させる機能を有するインパクト・ブロックと、前記インパクトブロックを基準として、前記試験片と同じ方向から又は前記試験片と反対方向からインパクト・ブロックに衝撃を与えるハンマーと、ハンマーがインパクト・ブロックに衝突するようガイドするレールと、出力棒の先端近傍を鉛直方向で上下に拘束する固定冶具を有する。出力棒の先端近傍を鉛直方向で上下に拘束する固定冶具を有すると、出力棒の自重撓みや、インパクト・ブロックの衝撃時の飛び出し方向が出力棒の軸線から外れることにより発生する出力棒の振動を抑えるため、試験装置の精密な位置決め・精度管理を行うことなく、安定した初期応力ピークが発生しない高精度な応力計測ができる。固定冶具の設置位置は出力棒端部の非定常な振動を抑制する効果が機能するためには、出力棒の端部から200mm以内とし、出力棒径が異なるときに出力棒の振動抑制の効果を最も大きくするためには、出力棒の端部からL≦15D[mm]となる位置L[mm]に設置することが好ましい。
【0019】
前記()に係る発明では、前記(3)に係る発明と同じ理由により、鉛直方向に対して、固定冶具が出力棒の上下両面に接するように設置する。
【0020】
前記()に係る発明では、出力棒と接する固定冶具の面のヤング率が出力棒と同等以上とする。これにより、出力棒の軸方向の応力波が伝達するのを阻害せず軸方向外の振動を抑えるので、振動による初期応力ピークの発生を抑制できる。固定冶具の面のヤング率が出力棒より小さいと、出力棒の軸方向の応力波が伝達するのを阻害するため、試験片本来の変形応力より計測応力が過小となるので好ましくない。
【0021】
前記()に係る発明では、出力棒と接する固定冶具が、中心軸を棒と直交させた半径R≧1.0[mm]の一組の円筒状とする。これにより、出力棒と固定冶具は点接触になるので、固定冶具と出力棒との摩擦の影響を小さくし、軸方向の応力波の伝達を阻害することなく出力棒の振動を抑制できる。
【0022】
前記()に係る発明では、前記()に係る発明と同じ理由により、鉛直方向に対して、出力棒の下面側にのみ固定冶具が設置され、出力棒を固定冶具に押し付けるように、出力棒を上面から拘束する固定テープを設置することとする。
【0024】
前記(10)に係る発明では、出力棒に棒軸方向に沿って試験前に予め(2)式を満足する張力 2 [N]を付与しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることにより、前記(1)に係る発明と同じ理由により、インパクト・ブロックの衝撃入力時に発生する棒端部の非定常な上下振動を抑制することができるため、振動による初期応力ピークのない試験片の引張応力を計測できる。
(2)式はFEM解析と実際の計測により最適範囲として求めた式であり、(2)式を満たすと、振動を抑制するのに十分な張力を付与できるので、初期応力ピークのない高精度な引張試験の応力を計測できる。(2)式の範囲を外れると、張力が不十分のため、初期応力ピークを除去できないか,張力が大きくなりすぎるため,試験片の応力計測の精度を低下させることになる。また、上記(2)式を満たす拘束力であれば、この抑え力は常に同じ大きさでなくとも、この算定式を満たす範囲であれば効果は同じで再現性の良い計測ができる。
【0026】
前記(11)に係る発明では、前記()〜()の何れか1項に規定した出力棒の端部の固定治具を有する装置を用いて、前記(10)に規定した出力棒に予め張力を付与する方法を組合わせることにより、双方の振動抑制効果が得られることから、振動による初期応力ピークを確実に、除去することが出来る。
【0027】
前記(12)に係る発明では、前記(5)〜(9)の何れか 1 項に記載の装置を用いて、試験時の出力棒の断面の中心が、試験時の引張または圧縮の軸線に対して、A ≦ 0.5となる範囲A[mm]を満たすように出力棒および試験片、インパクト・ブロックを設置し、引張または圧縮の荷重入力方向を範囲Aに入るように設定しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させる。これにより、前記(1)に係る発明で説明したように、振動発生原因を除外する厳密な精度管理の条件を満たすことになり、振動による初期応力ピークのない試験片の引張応力を計測できる。
尚、本発明において、高速変形時の圧縮応力を測定するには、図10に示すように、ハンマーを試験片と反対方向からインパクト・ブロックに衝突させればよい。その後の解析は引張応力と同様にすればよい。
【0028】
【実施例】
図9は、固定冶具10の模式図であり、出力棒2に対して、点接触になるように固定冶具10を棒端部近傍に取付けた。試験材の材質は440MPa級の鋼材である。
具体的には、出力棒2の直径12mmに対し、固定冶具10の位置Lを棒端部から100mmと決定し、固定冶具の材質を棒と同等のヤング率を持つS45C材とし、固定冶具10の形状を半径5mmとし、固定冶具10による出力棒2の抑え力を300Nと決めて計測を実施した。この結果、固定冶具10を取付けたときの応力波形は、図11のようになり、ピークを除去できたことが分かる。比較例の図3の波形と比較したのが、図12であり、応力波形が大幅に改善されたのが分かる。残ったピークについては、材料特性としての降伏応力ピークとなる。実際に予ひずみを与えた試験片では、この改良でも比較的大きなピークが見られ、初期応力ピークがすべて棒の振動によるものではなく、上降伏応力の発生の影響も大きいことも分かった。
【0029】
また、材質が大きく異なるジュラルミンA7075T6材においても、図9に示す固定冶具10を取付け、応力の計測を行った。
具体的には、出力棒2の直径12mmに対し、固定冶具10の位置Lを棒端部から100mmと決定し、固定冶具10の材質を棒と同等のヤング率を持つS45C材とし、固定冶具10の形状を半径5mmとし、固定冶具10による出力棒2の抑え力を300Nと決めて計測を実施した。この結果、ジュラルミンのA7075T6材での固定冶具による初期応力ピークの除去効果は図13のようになり、材料が変わっても同じ効果を得ることができた。
【0030】
図14は、前記(10)に係る発明の、張力を付与する方法を実施する装置の図面であり、治具11は装置本体とは別に固定されており、この治具11によりインパクト・ブロック4を固定し、出力棒2をインパクト・ブロック4と反対の端面から反対方向に試験前に予め張力F2を付与する。これによる初期応力ピークの除去効果は図15のようになり、材料が変わっても同じ効果を得ることができた。
さらに、前記(11)に係る発明について、前記()記載の装置用いて前記(10)の方法を実施することにより、予め張力F2と固定治具の抑え力Fを付与したときの初期応力ピークの除去効果は図16のようになり、材料が変わっても同じ効果を得ることができた。
また、前記(12)に係る発明について、図17に示すように、試験時の出力棒の断面の中心が、試験時の引張または圧縮の軸線に対して、A ≦ 0.5となる範囲A[mm]になるように、出力棒の自重撓みとインパクト・ブロックの発射方向を調整しながら試験を実施した。このように精密に調整したとき、初期応力ピークの除去効果は図18のようになり、材料が変わっても同じ効果を得ることができた。
【0031】
この固定冶具による非定常な動的振動の抑制効果は、実施例で示したone bar方式の高速引張試験機はもとより、2本の金属棒を用いるKolsky法に対しても有効であり、また、金属棒を用いない油圧サーボタイプや検力台方式に対しても試験片や試験片接続冶具に適用することにより有効である。固定冶具は、最も効果の大きい上下方向について規定しているが、衝撃入力方向によっては、あらゆる方向で、固定冶具が非定常振動を抑制する効果が得られる。さらに、引張または圧縮の応力計測のみならず、溶接部強度や構造物の変形強度を計測するときにもこの方法が適用できることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
本発明に基づいて高精度な材料の高速変形特性を計測し、更に、この特性を導入することによる高精度な衝突シミュレーションを行うことにより、従来行われていた自動車全体設計または部材設計時に衝突安全性を確保するための試作部材による試行錯誤を省略することができ、試作のためのコストを大幅に軽減するだけでなく、設計にかかる時間も短縮することができる。また、材料の精密な高速変形特性から衝突安全基準をクリアする最小限の材料の使用量を精密に予測することができ、従来、安全性確保のための余分な材料使用を削減し、製造時の材料コスト削減を行うことができるだけでなく、自動車軽量化により燃費を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の試験方法による応力―ひずみ曲線を示す図である。
【図2】従来のone bar方式高速引張試験の計測方法を示す図である。
【図3】出力棒中の応力波の伝達を計測するひずみゲージを示す図である。
【図4】初期応力ピークの発生を解析する有限要素モデルを示す図である。
【図5】従来の試験法による応力波の伝わりを示す図である。
【図6】有限要素法解析による棒端部の局所的な非定常振動を示す図である。
【図7】引張試験の応力波に先行する非定常振動による応力波を示す図である。
【図8】有限要素法解析により再現された初期ピークと実験値を示す図である。
【図9】初期応力ピークを除去するための固定冶具を示す図である。
【図10】 one bar方式での圧縮試験の方法を示す図である。
【図11】固定冶具により初期応力ピークが除去された応力波の伝わりを示す図である。
【図12】固定冶具により高精度に計測された440MPa級鋼板の応力と改良前との比較を示す図である。
【図13】固定冶具により高精度に計測されたA7075T6材の応力と改良前との比較を示す図である。
【図14】出力棒に試験前に予め張力を付与する方法を示す図である。
【図15】出力棒に予め張力を付与することにより高精度に測定された590MPa級鋼板の応力と改良前との比較を示す図である。
【図16】出力棒に予め張力を付与し、さらに固定冶具と用いることにより高精度に測定された780MPa級鋼板の応力と改良前との比較を示す図である。
【図17】出力棒の自重撓みやインパクト・ブロックの発射方向における精密な設置の条件を示す図である。
【図18】出力棒や試験条件を精密に設置・制御したときの高精度に測定された270MPa級鋼板の応力と改良前との比較を示す図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 出力棒
3 ハンマー
4 インパクト・ブロック
5 アタッチメント
6 ピン
7 タブ
8 歪ゲージ
9 レール
10 固定冶具
11 張力付与用の固定冶具

Claims (12)

  1. 板材または丸棒の試験片を取付けた金属製出力棒の弾性変形に基づいて試験片の応力を計測する試験方法において、下記(1)式を満足する抑え力F[N]で、前記出力棒の端部から200mm以内を鉛直方向で上下に拘束しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
    1.0×10 -5 ×E b 2 ≦ F ≦ 1.5×10 -3 ×E b 2 (1)
    ここで、D:出力棒の直径[mm]、r:出力棒の半径[mm]=D/2
    b :出力棒のヤング率[N/mm 2
  2. 板材または丸棒の試験片を取付けた金属製出力棒の弾性変形に基づいて試験片の応力を計測する試験方法において、前記出力棒の直径D[mm]として前記出力棒の端部からL≦15D[mm]となる位置Lを、下記(1)式を満足する抑え力F[N]で、鉛直方向で上下に拘束しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
    1.0×10 -5 ×E b 2 ≦ F ≦ 1.5×10 -3 ×E b 2 (1)
    ここで、D:出力棒の直径[mm]、r:出力棒の半径[mm]=D/2
    b :出力棒のヤング率[N/mm 2
  3. 鉛直方向に対して、出力棒の上下両面を固定冶具で接するように拘束することを特徴とする請求項1又は2記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
  4. 鉛直方向に対して、出力棒の下面のみ固定冶具で拘束し、出力棒の上面から(1)式を満足する抑え力F[N]でテープを用いて拘束することを特徴とする請求項1又は2記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
  5. 先端に板材または丸棒の試験片の取付手段を有する金属製出力棒と、前記試験片に10 2 /s以上のひずみ速度の衝撃を与えて塑性変形させる機能を有するインパクト・ブロックと、前記インパクトブロックを基準として、前記試験片と同じ方向から又は前記試験片と反対方向から前記インパクト・ブロックに衝撃を付与するハンマーと、前記ハンマーが前記インパクト・ブロックに衝突するようガイドするレールと、前記出力棒の先端近傍を鉛直方向で上下に拘束する固定冶具を有することを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
  6. 鉛直方向に対して、固定冶具が出力棒の上下両面に接するように設置されていることを特徴とする請求項記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
  7. 出力棒と接する固定冶具の面のヤング率が出力棒と同等以上であることを特徴とする請求項又は6記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置
  8. 出力棒と接する固定冶具が、半径R≧1.0[mm]の円柱状であり、出力棒と直交し点接触することを特徴とする請求項又は7記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
  9. 鉛直方向に対して、出力棒の下面側にのみ固定冶具が設置され、出力棒を固定冶具に押し付けるように、出力棒を上面から拘束する固定テープを有すること特徴とする請求項記載の高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測装置。
  10. 板材または丸棒の試験片を取付けた金属製出力棒の弾性変形に基づいて試験片の応力を計測する試験方法において、前記出力棒に棒軸方向に沿って試験前に予め(2)式を満足する張力 2 [N]を付与しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
    9.5×(D/2) 2 ≦ F 2 ≦ YP/2 (2)
    ここで、D:出力棒の直径[mm]、YP:試験片の降伏荷重[N]
  11. 請求項の何れか1項に記載の装置を用いて請求項10記載の方法を実施することを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法
  12. 請求項5〜9の何れか 1 項に記載の装置を用いて、試験時の前記出力棒の断面の中心が、試験時の引張または圧縮の軸線に対して、A ≦ 0.5mmとなる範囲A[mm]を満たすように出力棒および試験片、インパクト・ブロックを設置し、引張または圧縮の荷重入力方向を範囲Aに入るように設定しながら、前記試験片に102/s以上のひずみ速度を付与して塑性変形させることを特徴とする高速変形時の引張又は圧縮応力の精密計測方法。
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