JP4869618B2 - 高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置 - Google Patents

高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置 Download PDF

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本発明は、自動車構造を代表とする衝撃吸収部材の設計に必要な種々の温度での高速変形を含む広範囲のひずみ速度での引張又は圧縮荷重の計測装置に関する。
近年、自動車業界では、衝突時の乗員への傷害を低減しうる車体構造の開発が急務の課題となっている。この課題の解決のために、計算機上で自動車の衝突のシミュレーションを行い、安全基準をクリアする設計を行うシステムの開発が急速に進んできている。従って、現在ではこの衝突のシミュレーションの精度が衝撃吸収設計の成否のカギとなっている。衝突時には自動車の部材は高速で変形されるため、その正確な特性把握のためには、部材を構成する材料の高速の変形特性を精密に計測する必要がある。また、その変形の際に温度が影響することも知られており、様々な地域に対応する車体構造の実現のためには対応する温度でそのような計測を行い、設計に反映させることが必要である。
材料の高速変形特性の計測は、通常の準静的な引張または圧縮試験機では行うことが出来ず、特に荷重の計測方法が困難であった。この問題を克服するために、特許文献1に油圧サーボ試験機を用いるものが開示されているものの、従来型の簡便なロードセル(荷重検出装置)を用いるのではなく、変形特性を測定する試験片のつかみ部を延長してそこにひずみゲージを貼付し、このひずみゲージ出力から別に校正したロードセル出力/ゲージ出力比を用いて試験片の変形応力を計測する方法が知られている。これは従来型のロードセルを用いるのに比べて測定精度が向上するが、対象の試験片に毎回ひずみゲージを貼付しなければいけないこと、試験片毎に測定系が変化するため測定精度の維持が難しく、またその機構から精度の抜本的な向上が難しいことなどの問題があった。また、温度を可変させて試験を行う際にはひずみゲージの出力値に補正等の工夫をして荷重計測をする必要があった。
また、特許文献2では、ブロック状の基部の上に突設した小突起部に、基部からの応力波の伝播および透過を遮断するための絶縁手段で構成される衝撃試験装置が開示されている。この装置では基部に比べて小さい小突起部で荷重の計測を行うが、この際小突起部中を伝播する応力波の影響がなく、絶縁手段が基部と外部の応力波の伝播および透過を遮断することにより、高ひずみ速度で計測が可能となることが示されている。しかしながら、一般に応力波の伝播を防ぐための絶縁手段の選択は難しく、その具体的な方法は開示されていない。
また詳細は不明ながら近年新しい衝撃試験システムの装置が開示されている(非特許文献1)。これによると荷重検出部はつかみ部等を一体・軽量化することにより共振周波数を高めることにより高ひずみ速度での計測が可能であるとしているものの、開示されている図から判断すると、試験片側から、つかみ部、荷重検出部という形で試験装置が配置することが記載されており、配置面からは従来型の装置と大きな差はない。
一方、非特許文献2などにあるように、細長い弾性棒で衝撃弾性波を棒の長手方向に逃がすことにより、試験変形時の応力のみを計測することを可能にする、いわゆるKolsky法が高速変形の試験法として標準的に使われている。しかしながら、試験装置が大掛かりであり、構造的に精度の維持管理が難しく、精度の高いデータを得るためには深い経験と知識が必要であった。
特開平10−318894号公報 特開平10−30980号公報 島津高速衝撃試験システム パンフレット C225−3455 ハイドロショットHITS−T10 SAE TECHNICAL PAPER #960019(1996年10月発行、発行所:Society of Automotive Engineer)
本発明は、衝突シミュレーションや衝突安全設計について評価基準となる材料の高速変形特性の測定において、種々の試験温度で精度の高い変形応力測定を簡便に提供する装置に関するものである。
本発明者らは、試験実行時の応力波の伝播特性に注目して検討を行い、測定したい荷重のできるだけ近くに荷重検出部を配置すること、試験片から荷重検出部、および荷重検出部を支持する支持機構につながる部分の断面積を適正に配置することにより、比較的簡便な手段で高ひずみ速度域までの高速変形特性が測定可能であることを見出した。本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)丸棒又は板状の試験片を固定する固定部を有する締結部と、引張荷重又は圧縮荷重を計測する荷重検出部と、該荷重検出部を支持する支持機構と、前記試験片に引張又は圧縮変形を与える可動部からなる装置において、前記締結部と前記荷重検出部を一体化し、前記荷重検出部は前記固定部より前記支持機構側に設置され、かつ、
(試験片の断面積)<(前記固定部における前記締結部の断面積)≦(荷重検出部の断面積)≦(支持機構の断面積)
の条件を満たし、前記締結部、前記荷重検出部及び前記支持機構が一体の同等材質からなり、試験片の温度を可変とする温度制御機構を備えたことを特徴とする高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
(2)締結部が円柱状であり、板状の試験片の場合には試験片を固定する溝を設置し、丸棒状の試験片の場合には試験片を固定するネジ穴が設置された締結部を持ち、前記荷重検出部直径D(mm)と、前記溝またはネジ穴下端から支持機構上端までの長さL(mm)の比が
0.3≦L/D≦10
を満たすことを特徴とする(1)記載の高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
(3)前記荷重検出部断面積A0(mm)と、前記支持機構の断面積A1(mm)との比が
2≦A1/A0
を満たすことを特徴とする(1)又は(2)記載の高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
(4)更に、
2≦A2/A0
を満たす断面積A2(mm)を持つ応力波緩衝部を、前記荷重検出部と前記支持機構の間に配置することを特徴とする(1)又は(2)記載の高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
本発明に基づいて種々の試験温度で高精度な材料の高速変形特性を計測し、更に、この特性を導入することによる高精度な衝突シミュレーションを行うことにより、従来行われていた自動車全体設計または部材設計時に、衝突安全性を確保するための試作部材による試行錯誤を省略することができ、試作のためのコストを大幅に軽減するだけでなく、設計にかかる時間も短縮することができる。従来の試験方法に比べて、必要な時間、コストを大幅に低減することができる。また、従来型の油圧サーボ式等の高速引張試験機への組み込みも容易である。
本発明者らは、まずこれまでの高速変形の試験方法を鋭意検討した。その結果、高精度の試験結果が得られるKolsky法と、簡便であるが精度の劣る油圧サーボ方式との違いの一つは荷重計測の位置にあることに思い至った。
これを解消するにはまず試験片の近くで荷重計測を行う必要がある。しかしながら、特許文献1に開示されているように、試験片に直接ひずみゲージを貼り付けた場合には、応力集中を考慮した荷重の補正が必要であり、それぞれの試験片に対してひずみゲージの貼付する必要があり精度管理が難しいこと、さらにそれぞれの試験片にひずみゲージを貼付する必要があるため試験のコストが高いという欠点があった。また温度を変化させる場合には通常温度によって特性の変化するひずみゲージからの出力を補正する必要があった。
また、特許文献2に開示される方法においても、荷重計測を試験片近くで行っているが、荷重計測用小突起部の内部での応力波伝播の影響を受けないようにするためには、その大きさを制限する必要があり、従って計測できる荷重に限界が生じてしまう。また、この方法ではブロック状の基部と外部との間に何らかの絶縁手段が必要であった。
本発明者らがさらに検討を進めた結果、試験片から荷重検出部の間の断面積変化が計測精度に大きく影響することが分かってきた。通常の油圧サーボ式高速引張試験機では試験片を装置に固定するために、比較的断面積の大きな固定部を有するつかみ部(締結部)があり、さらに支持機構を介して、荷重検出部につながっていた。このとき各部の断面積変化は通例、(試験片)<(締結部)、(締結部)>(支持機構)、(支持機構)<(荷重検出部)のようになっていた。このような配置での実験を繰り返したところ、断面積が大の領域から小の領域に進行する場合には応力波の伝播の乱れが非常に大きいが、小から大の領域に進行する場合、小の領域ではその乱れの影響をほとんど受けないということが判明した。
この事実に基づき、図3に模式図を示すように、本発明者らは試験片を固定する固定部8を有する締結部2と荷重検出部3とを一体化した。その理由は締結部2と荷重検出部3との固定が十分でないとその界面で応力波の大きな反射が起こるために、荷重検出部3での計測値に振動が重畳してしまうことを避けるためである。この一体化は削り出し加工により行うことが望ましいが、必要に応じてネジ締結、ボルト締結、溶接等の方法が使用できる。この際、締結による断面積変化を極力小さく必要がある。さらに、断面積の変化が荷重検出部に至るまでに大から小となることがないように、(試験片の断面積)<(試験片と締結部との固定部8における締結部3の断面積)≦(荷重検出部3における締結部の断面積)≦(支持機構4の断面積)と配置することで、(1)締結部を小さくかつ支持機構を介さず荷重検出部につなぎ、試験片の近くで荷重計測を行う、(2)応力波の反射や干渉による乱れの影響を小さくする、ことを思い至った。
通常の変形速度で試験を行う場合は試験速度に比べて試験片および試験機内を伝播する応力波の伝播速度は十分に大きいため、直列につながる試験機のどの断面で荷重を測定してもその値は一定となる。しかし今問題にしている高ひずみ速度変形では、応力波の伝播速度が十分大きいとは言えず、応力波の伝播を考慮しなければ正確な荷重計測はできない。通常のロードセルで荷重計測を行うと正規の波形に重畳して振動が観測されるがこれは試験機内を伝播する応力波の影響である。
上述のように試験を行った場合、まず応力波は試験片内部で反射・干渉し、試験片内部の変形を均一化する。さらに締結部での同様の過程を経た後に、荷重検出部に応力波が伝播する。高ひずみ速度での高精度な荷重計測を行うためには、応力波ノイズの原因となる内部での反射・干渉を早期に飽和させることが必要である。応力波の反射は荷重検出部の支持機構との境界で起こるが、早期の飽和のためには支持機構の断面積が、荷重検出部の断面積と等しいか大きい必要がある。またさらに荷重検出部の軸方向長さを短くする必要がある。これは応力波が荷重検出部全体を伝播するのに必要な時間を低減するためである。
また、試験温度を変化させるために、図1に本発明例の模式図を示すように、本発明は温度制御機構(温度制御槽6)を備えることを特徴とする。これは変形特性を計測しようとする部分の温度が均一となるように試験片を恒温槽で覆うことにより達成される。この際、試験片部分のみを昇温または冷却することが望ましい。しかしながら、本発明では良好な動的計測のために試験片の近傍で荷重検出を行っており、荷重検出部に影響を与えることなく試験片部分のみの温度を変えるのが難しい。そこで、図1に示すように油圧サーボ方式試験機に本発明の荷重計測装置を組み込む場合には荷重検出部も含めて恒温槽で覆っても良い。この際、荷重検出部からの出力は温度に応じて補正する必要があるが、これはいくつかの方法で校正が可能である。使用する油圧サーボ方式試験機に従来型ロードセルが装備されている場合には所定の温度に保持した状態で、一定荷重を与え、従来型ロードセルの出力と本発明の荷重検出装置の出力とを比較することにより校正するのも一つの方法である。その他、通常の引張または圧縮試験機で行われているように、ループテスターを用いたり、所定の錘を用いたりすることも可能である。また温度を可変させるより簡便な手法として冷媒、例えば液体窒素、の中に試験片を浸して試験を行うことももちろん可能である.
前記(2)に係る本発明では、締結部が円柱状であり、締結部には試験片を固定する溝が設置され、試験片を固定するために締結部に設置された溝の下端から支持機構の上端までの長さL(mm)と、荷重検出部における締結部の直径D(mm)の比L/Dの範囲が0.3以上10以下であることが好適である。
荷重検出部は表面に貼付したひずみゲージにより荷重を計測するために、断面内の荷重分布が均一である必要があるため円柱状である必要がある。一方締結部は必ずしも円柱状である必要はないが、荷重検出部と一体化し締結部での応力波の反射を少なくするためには円柱状であることが好ましい。また試験片の締結部は可能な限り小さくする必要がある。そのため本発明では板状の試験片の場合には締結部に溝を設け、そこに試験片を差込みピンで締結する方法をとっており、一方丸棒状の試験片ではネジ穴を設け、そこにネジを切った試験片を締結することにより試験片を固定している。
L/Dが0.3より小さくなると荷重検出部の応力が断面内で不均一となりひずみゲージにより測定した表面ひずみから算出した荷重と実際の荷重の差が大きくなる。また、10超となると上記で説明したように、荷重検出部内部での応力波の飽和が起こりにくくなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
前記(3)に係る本発明では、締結部が円柱状であり、締結部は試験片を固定する溝が設置され、支持機構の断面積A1(mm)と、締結部の断面積A0(mm)の比A1/A0が2以上であることが好適である。比A1/A0が2未満であると、荷重検出部と支持機構との間での応力波の反射が起こりにくくなり、荷重検出部内部での応力波の飽和が遅くなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
しかしながら、実際の試験では試験機の動力機構や試験片の大きさ、強度に応じて前記(2)の条件を満足することが難しい場合がある。本発明者らはこのような場合についても鋭意検討し、締結部(荷重検出部)と支持機構の間に断面積A2を持つ応力波緩衝部を、2≦A2/A0を満たすように配置すれば良いことを知見した(前記(4)に係る発明)。また、応力緩衝部を持つ荷重検出装置はA1/A0が2以上の場合に使用しても全く問題がなく、目的に応じて選択すればよい。また応力波緩衝部の軸方向長さL2については特に大きな制限はないが、締結部の溝下端から応力波緩衝部の上端までの長さL以上であることが好ましい。
以上の記述は試験機を構成する各部が同等材質、すなわち弾性率および密度が同程度であることを前提に記述してきたが、各部の材料が異なる場合には断面積だけではなく、音響インピーダンスをあわせて考慮する必要がある。音響インピーダンスは材料の密度と応力波(=弾性波)伝播速度の積であらわされる。従って異種の材料を用いる場合には断面積に関する記述を(断面積)×(密度)×(応力波伝播速度)の値に置換することで本発明を利用することができる。
また、このような荷重検出部は試験機の固定側に配置するのが望ましい。これは可動部に配置すると荷重負荷の揺動の影響を受けてしまうためである。
締結部の溝下端から応力波緩衝部の上端までの長さLはひずみ速度1000/sの領域では30mm以下、望ましくは20mm以下とするのが好ましい。これは応力波の伝播に対してLとDとの比だけでなく、応力波の伝播速度に対するLの長さの絶対値が問題となるからである。
以下に実例を挙げながら、本発明の技術内容について説明する。図1に今回使用した装置の模式図を示す。試験機は油圧サーボ方式のものを用いた。この装置には従来型のロードセルも設置されている。また図2に従来型の油圧サーボ方式高速試験機の模式図を示す。この図に見られるように従来型の試験機では試験片をつかみ部7により締結し、それよりも断面積の小さい支持機構4を用いて固定し、さらにロードセルにつながっている。試験速度はすべての試験条件で5m/sとした。また図3に本発明例として用いた荷重検出装置の模式図を示す。
今回は試験片1として板状のものを用い、試験片のチャック部に穴を開け、それを荷重検出装置の固定部8にピンを用いて締結した。試験片1は変形部の平行部長さ10mm、幅5mmのものを使用した。従って、ひずみ速度で500/secに相当する試験となる。
表1に測定を行った条件とその結果を示す。図4にNo.4、5、6、7の条件で試験を行った結果を示す。No.4は室温にて測定を行ったものである。同じく室温で図2に示す従来型の油圧サーボ式試験機を用いて計測した結果を比較例として示す。従来型ロードセルの値が応力波ノイズを含んで不正確な値となっているのに対して、本発明のロードセルでは高精度な計測が可能であった。またNo.5および6は荷重検出部を含めて試験片を恒温槽にて覆った後、昇温または冷却して所定の温度(+50℃、−50℃)になったことを確認した後試験を行ったものである。室温での試験結果と同様、応力波ノイズのない良好な測定結果を得ることが出来た。またNo.7は試験片の平行部と締結部2の一部のみを小型の容器に満たした液体窒素で覆った後、試験を行ったものである。この場合も良好な測定結果が得られた。
Figure 0004869618
本検討ではさらに荷重検出装置の寸法の影響を把握するため、支持機構4を同一のものを用い、種々の荷重検出部を用いて試験を行った。No.12に示すように荷重検出部3の直径Dと長さLの比が10を越え、前記(2)記載の本発明の上限を越える場合には、測定時間内での荷重検出部の応力波の飽和が十分ではなく、測定波形に若干の応力波ノイズが見られたが、図4の比較例と比べると、十分に高精度な計測が可能であった。
またNo.1のようにL/Dが0.25で前記(2)記載の本発明の下限を下回る場合、応力波ノイズの問題はないものの、測定しようとする荷重が小さい場合に荷重検出部3の断面内で弾性変形が一様でなく、低荷重での測定荷重が実際の荷重よりもやや小さな値となったが、図4の比較例と比べると、十分に高精度な計測が可能であった。
また、支持機構4と荷重検出部3の断面積の比が1.4であるNo.16の場合、支持機構4と荷重検出部3の間で応力波の反射が効率よく行われず、従って荷重検出部3での応力波の飽和が遅くなり、測定波形に若干の応力波ノイズが生じた。その他の条件では良好な測定を行うことが出来た。
実施例1と同様の本発明例の装置、試験条件で実験を行ったが、応力波緩衝部の効果を確認するため、支持機構4に直径16mmの丸棒と断面積の非常に小さいものを使用した試験を行った。応力波緩衝部10を含む荷重検出装置の模式図を図5に示す。
表2に得られた結果を示す。いずれの試験条件でも図2の従来型試験機(結果を図4に示す)を使用するよりは良好な測定結果が得られたが、応力波緩衝部10を設けないNo.17では支持機構4と荷重検出部3の間に応力波の反射が効率的に起こらず、試験機の別の場所で反射した応力波も重畳してしまうため測定波形に試験条件の影響が見られた。それに対して応力波緩衝部10を前記(4)記載の本発明の範囲に合う形で設けたNo.18、19では応力波の影響のない良好な測定結果が得られた。また、No.20は試験片の平行部と一部のつかみ部のみを小型の容器に満たした液体窒素で覆った後、試験を行ったものであるが、応力波緩衝部を含む場合でも温度を変化させた計測が可能であった。
Figure 0004869618
また、それに対して荷重検出部3と応力波緩衝部10の断面積の比が前記(4)記載の本発明範囲にないNo.21では若干の応力波ノイズの影響が見られた。また、No.22はNo.18と同様の応力検出装置を実施例1の支持機構4に取り付けたものである。この場合応力波緩衝部10は試験結果に悪影響を及ぼさず良好な実験結果が得られた。
試験装置の模式図を示す。 試験装置(従来型)の模式図を示す。 本発明例の荷重検出装置の模式図を示す。 本発明例と比較例による測定結果を示す。 応力波緩衝部を含む本発明例の試験装置の模式図を示す。
符号の説明
1 試験片
2 締結部
3 荷重検出部(ロードセル)
4 支持機構
5 可動部
6 温度制御槽(温度制御機構)
7 試験片つかみ部(チャック)
8 固定部
9 溝
10 応力波緩衝部

Claims (4)

  1. 丸棒又は板状の試験片を固定する固定部を有する締結部と、引張荷重又は圧縮荷重を計測する荷重検出部と、該荷重検出部を支持する支持機構と、前記試験片に引張又は圧縮変形を与える可動部からなる装置において、前記締結部と前記荷重検出部を一体化し、前記荷重検出部は前記固定部より前記支持機構側に設置され、かつ、
    (試験片の断面積)<(前記固定部における前記締結部の断面積)≦(荷重検出部の断面積)≦(支持機構の断面積)
    の条件を満たし、前記締結部、前記荷重検出部及び前記支持機構が一体の同等材質からなり、試験片の温度を可変とする温度制御機構を備えたことを特徴とする高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
  2. 締結部が円柱状であり、板状の試験片の場合には試験片を固定する溝を設置し、丸棒状の試験片の場合には試験片を固定するネジ穴が設置された締結部を持ち、前記荷重検出部直径D(mm)と、前記溝またはネジ穴下端から支持機構上端までの長さL(mm)の比が
    0.3≦L/D≦10
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
  3. 前記荷重検出部断面積A0(mm)と、前記支持機構の断面積A1(mm)との比が
    2≦A1/A0
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載の高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
  4. 更に、
    2≦A2/A0
    を満たす断面積A2(mm)を持つ応力波緩衝部を、前記荷重検出部と前記支持機構の間に配置することを特徴とする請求項1又は2記載の高速変形を含む広範囲のひずみ速度での高精度引張又は圧縮荷重計測装置。
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