JP3938081B2 - 雨滴検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、降雨状態に応じてワイパを自動制御するため、ウィンドシールドに付着した雨滴を検出する雨滴検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、雨滴検出装置は、発光ダイオード(以下、LED)等の発光素子とフォトダイオード(以下、PD)等の受光素子とを用いて、所定の短い制御周期毎に、ウィンドシールドに向かって光を発光させてその反射光を受光し、受光素子からの出力値を雨滴付着が無い場合の出力値と比較し、その低下率から雨滴付着量を判定しており、発光された光が反射されるウィンドシールド上のエリアが、雨滴が検出される検出エリアとなっている。
【0003】
しかし、発光素子の照射範囲は狭いものであり、また、運転者の視界の妨げにならないよう装置の体格も限られるため、検出エリアは狭い範囲に限られており、雨滴が検出されるか否かは、この限られた検出エリアに雨滴が付着するか否かという偶発的な要因に依存することになる。
【0004】
このように従来の雨滴検出装置は、検出エリアが限られており、しかも、短い制御周期毎に雨滴付着量を判定して払拭モードを決定するため、ユーザが一定雨量と感じている場合であっても、風向き等の自然要因により雨滴付着量が一時的に大きく変動した場合や降雨量の短時間的な変動により、制御周期内の雨滴付着量の変動に伴ってワイパの払拭モードが短時間で大きく変動することとなり、かかる払拭モードのばらつきは、ユーザにとって煩わしく払拭フィーリングが良くないという問題があった。
【0005】
この問題に対処するため、下記特許文献1に示す雨滴感応式オートワイパ制御装置は、閾値を2つ設けて、低い閾値を越えても高い閾値を越えなければ間欠モードを変更しないこととし、払拭間隔の安定化を図っている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2661171号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1のオートワイパ制御装置においても、やはり短い制御周期毎に雨滴付着量を判定して払拭モードを決定しているため、雨滴付着量が高低2つの閾値をまたいで変動した場合には、払拭モードがばらつく現象が発生し、払拭フィーリングを阻害するという問題があった。
【0008】
この発明は、上述した問題を解決するものであり、払拭モードのばらつきを低減可能な雨滴検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の雨滴検出装置は、ウィンドシールドに向かって光を発光する発光素子と、前記ウィンドシールドにより反射された光を受光して受光量に応じた電気信号を出力する受光素子とを有し、制御周期毎に前記発光素子から光を発光させて、所定の比較値に対する前記受光素子からの出力値の低下率を演算し、前記低下率と予め設定された目標低下率とに基づいて、前記ウィンドシールドを払拭するワイパの払拭モードを決定する雨滴検出装置であって、所定時間内に出現した払拭モード毎の前記低下率の平均値を演算し、前記低下率と前記目標低下率とに基づいて決定された払拭モードについて、ばらつきが検出されない場合には、前記決定された払拭モードによる払拭信号を出力し、ばらつきが検出された場合には、前記平均値が前記目標低下率に適合する払拭モードを選択して、当該選択された払拭モードによる払拭信号を出力することを特徴とする。
【0010】
これによれば、制御周期毎に演算される現状の低下率と目標低下率とによって決定された払拭モードについて、ばらつきが検出された場合には、その払拭モードではなく、所定期間に亘る低下率の平均値が目標低下率に適合する払拭モードで払拭が行われるので、払拭モードのばらつきを低減できる。
【0011】
ここで、前記平均値が前記目標低下率に適合する払拭モードとして、前記平均値が前記目標低下率の範囲内であって、かつ、前記平均値が最小の払拭モードを選択することが好ましい。
【0012】
これによれば、目標低下率に適合する払拭モードの内、低下率の平均値が最小の払拭モードで払拭されるので、前方の視認性が向上される。
【0013】
さらに、前記平均値が最小の払拭モードが複数存在する場合には、払拭間隔が最短の払拭モードを選択することが好ましい。
【0014】
これによれば、目標低下率に適合し、かつ、低下率の平均値が最小の払拭モードの内、払拭間隔が最短の払拭モードで払拭されるので、前方の視認性がより向上される。
【0015】
但し、ユーザの好みに合わせて、調整可能としても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すワイパ自動制御装置は、雨滴検出装置6とワイパ駆動装置3とから構成されている。雨滴検出装置6は、雨滴検出の対象物であるフロントウィンドシールド(以下、フロントウィンド)1に付着した雨滴を検出するためのものであり、ワイパ駆動装置3は、フロントウィンド1に雨滴が付着している場合にフロントウィンド1に配設されたワイパ2を駆動するためのものである。ワイパ自動制御装置への電源供給は、バッテリ30からイグニッションスイッチ31を介して行われ、雨滴検出装置6内のCPU12、ワイパ駆動装置3内のワイパモータ4等に配電される。
【0018】
ワイパ駆動装置3は、ワイパ2を駆動するためのワイパモータ4と、ワイパモータ駆動回路5と、ワイパスイッチ7とを備えている。ワイパスイッチ7は、停止(OFF)、オートモード(AUTO)、低速作動(Lo)、及び、高速作動(Hi)の4つの作動位置を有しており、オートモードが選択されたとき、ワイパ2はワイパ自動制御装置により自動制御される。なお、ワイパスイッチ7は、少なくとも雨滴検知装置6を作動させるためのスイッチを有しておればよく、上記4つの動作位置を全て有する必要はない。
【0019】
また、ワイパ駆動装置3には、雨滴検出装置6の制御目標となる目標低下率を設定するための感度設定手段(以下、感度ボリューム)50が設けられている。
【0020】
雨滴検出装置6には、フロントウィンド1上の雨滴を光学的に検出するための発光素子(発光ダイオード、以下、LED)8と受光素子(フォトダイオード、以下、PD)9が装着されている。そして、LED8にはLED駆動回路13が接続されており、PD9には検波・増幅回路14が接続されている。なお、LED8及びPD9は複数個装着される場合もある。
【0021】
また、雨滴検出装置6には、図1に示すように、LED8の発光タイミング及び駆動電流を制御するCPU12が設けられている。雨滴検出時においてCPU12は、LED8をパルス駆動させるための駆動電流をLED駆動回路13に流し、LED8を発光させて光(赤外線または可視光)をフロントウィンド1に入射する。この光はフロントウィンド1で反射されてPD9により受光され、電気信号に変換される。この電気信号は検波・増幅回路14を経てCPU12に出力される。
【0022】
CPU12は、所定の比較値に対するPD9からの出力値(厳密には、PD9に接続された検波・増幅回路14の出力値)の低下率(以下、現状低下率とも言う。)を演算・記憶する。そして、CPU12は、演算した現状低下率と、感度ボリューム50により設定された目標低下率とを比較して雨滴付着量を判定し、判定結果に基づいて払拭信号をワイパモータ駆動回路5に送信する。CPU12はこれらの発光制御から判定(判定結果によっては払拭信号の送信)までの処理を所定の制御周期で繰り返すように構成されている。また、CPU12は、演算した現状低下率に基づいて、所定時間内に出現した払拭モード毎の低下率の平均値(以下、平均低下率とも言う。)を演算する。なお、CPU12には、目標低下率や所定の処理手順等が記憶されるRAM24及びROM25が設けられている。
【0023】
また、雨滴検出装置6には、プリズム23(図2参照)の結露を防止するためのヒータ20とヒータ回路21とプリズム温度センサ22とが設けられており、CPU12は、プリズム温度センサ22からの温度信号に応じてヒータ回路21にヒータ制御信号を送り、ヒータ20への通電を制御している。また、CPU12は、温度検出部10により検出された周囲の環境温度データに応じて、低下率に対して必要に応じて温度補正を行うこともある。この温度検出部10は、プリズム温度センサ22の代わりに、ヒータ回路21へのヒータ制御信号を発生するのに利用される場合もあり、その場合にはプリズム温度センサ22は装着されなくても良いし、検出精度をより向上させるために、両方あっても良い。また、ヒータ回路21及びヒータ20が装着されない場合もある。
【0024】
さらに図2に示すように、雨滴検出装置6には、LED8及びPD9を支持するベース部17と、前述したLED駆動回路13と検波・増幅回路14とを有する回路基板15とが設けられている。これらのLED8、PD9、ベース部17、及び、回路基板15はセンサケース16内に収納され、さらにカバー11で覆われて、ワイパ2の払拭範囲でフロントウィンド1の車室内側壁面(以下、内壁面と言う。)1bで運転者の視界を妨げない部位に、光を透過する透明接着剤18を用いて取り付けられたプリズム23を介して、固定されている。そして、LED8及びPD9は、それぞれフロントウィンド1に対して斜め方向から向き合うように配置されている。
【0025】
なお、本実施形態では、LED8等が収納されたセンサケース16をプリズム23を介して固定したが、この固定方法は一例であり、他にフロントウィンド1の内壁面1bに固定された金具を介して固定する等、種々の方法を採り得る。但し、この固定方法は本発明には直接関係が無いため、本実施形態ではプリズム23を介した固定の例で説明する。
【0026】
フロントウィンド1の内壁面1bには、透過部材であるプリズム23が、上述したように透明接着剤18を用いて接着され、LED8及びPD9とフロントウィンド1との間に配置されている。プリズム23は、LED8からの光が確実にPD9に入射するようにLED8の光を屈折させるとともに、車室外からの日射や街路灯などの光がPD9に入射することを防止するためのものである。プリズム23には、中央部に板状の反射部23aが形成され、その両側に断面が三角形状の突出部が形成され、各突出部にはそれぞれLED8、PD9と対向する面にレンズが形成されている。これにより、LED8から発光された光は、図2図示矢印で示すように、プリズム23を経由してフロントウィンド1の車室外側壁面(以下、外壁面と言う。)1aで全反射され、次いで反射部23aで全反射され、再度フロントウィンド1の外壁面1aで全反射された後、PD9に入射される。
【0027】
なお、プリズム23とPD9との間には、プリズム23では防ぎ切れない日射の影響を打ち消すため、PD9への可視光の入射を遮断する可視光カットフィルタ19が設置されている。但し、この可視光カットフィルタ19は必要に応じて設置すればよく、設置されない場合もある。
【0028】
図2で説明したように、LED8からの光が反射される反射エリア(すなわち雨滴が検出される検出エリア)はフロントウィンド1の外壁面1aに形成され、この検出エリアに雨滴Rが付着すると、図2に示すようにその部分では光が全反射せずに外部に散乱してしまう。したがって、雨滴付着無しの場合のPD9からの出力値を記憶しておいて比較値として用いれば、その比較値に対して雨滴付着後のPD9からの出力値は低下するため、雨滴を検出できることとなる。
【0029】
次に、上記のように構成された雨滴検出装置6の動作について説明するが、それに先立って、図3に示す従来処理について説明する。なお、ワイパスイッチ7はオートモードに設定されているものとする。
【0030】
雨滴検出装置6は、所定の制御周期内において、LED8を発光させ、検波・増幅回路14を経て出力されたPD9からの出力値と、所定の比較値とを比較し、所定の比較値に対するPD9からの出力値の低下率(以下、現状低下率とも言う。)を演算する(ステップS101)。ここで、所定の比較値としては、雨滴付着が無いときのPD9からの出力値を所定の手続きを経て記憶しておいて、その値を用いるものとする。
【0031】
次に、雨滴検出装置6は、感度ボリューム50により設定された感度に応じた目標低下率を設定し(ステップS102)、目標低下率と現状低下率とを比較して払拭モードを決定し(ステップS103)、払拭信号をワイパ駆動装置(以下、ワイパ制御装置とも言う。)3に出力する。ここで、目標低下率はある幅を持って設定され、現状低下率が目標低下率の範囲内であれば、現状の払拭モードが維持され、現状低下率が目標低下率を下回れば、払拭間隔が大きくなる払拭モードが選択され、現状低下率が目標低下率を上回れば、払拭間隔が短くなる払拭モードが選択される。
【0032】
払拭モードを選定後、雨滴検出装置6は、その払拭モードによる払拭信号をワイパ制御装置3に出力し(ステップS104)、次の処理へ移行する(ステップS105)。
【0033】
このように、従来処理では、雨滴付着が検出された場合、雨滴付着により発生した現状低下率に応じて払拭モードを決定し、払拭信号をワイパ制御装置3に出力する。本実施形態の雨滴検出装置6では、かかる従来処理と並行して払拭モード毎の平均低下率の演算を実施し、払拭モードのばらつきが検出されない場合は、従来処理により払拭モードを選択するが、払拭モードのばらつきを検出した場合には、平均低下率を用いた処理により払拭モードを選択する。以下、本実施形態の雨滴検出装置6の動作について、図4〜図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
まず、雨滴検出装置6は、上述したように現状低下率を演算し(ステップS201)、感度ボリューム50により設定された感度に応じた目標低下率を設定し(ステップS202)、目標低下率と現状低下率とを比較して払拭モードを決定する(ステップS203)。
【0035】
次に、雨滴検出装置6は、払拭モードのばらつきを所定のばらつき条件により検出する(ステップS204)。すなわち、払拭モードが所定のばらつき条件を満たすときは、ばらつき有り、所定のばらつき条件を満たさないときは、ばらつき無しとする。ここで、所定のばらつき条件としては、例えば一定時間内に払拭モードが2種類以上出現したこととし、この一定時間は、例えば3〜10秒のような比較的長い時間に設定し、少なくとも数回の払拭が行われる時間とする。また、この時間(払拭モードが2種類以上出現したか否かを見る時間)を雨量により変化させることとし、例えば雨量が多い場合にはこの時間を短くし、雨量が少ない場合にはこの時間を長くすることとすれば、この時間を現状の払拭モードに合わせて数回程度の払拭が行われる時間に最適化することができる。
【0036】
払拭モードが所定のばらつき条件を満たさないとき(すなわち、払拭モードのばらつきが検出されないとき)、雨滴検出装置6は、ステップS204で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS205)、次の処理へ移行する(ステップS207)。
【0037】
一方、払拭モードが所定のばらつき条件を満たすとき(すなわち、払拭モードのばらつきが検出されたとき)、雨滴検出装置6は、平均低下率を用いた処理による払拭信号をワイパ制御装置3に出力し(ステップS206)、次の処理へ移行する(ステップS207)。
【0038】
この平均低下率を用いた処理を図5に基づいて詳述する。まず、雨滴検出装置6は、一定時間内における払拭モード毎の平均低下率を演算する(ステップS301)。詳しくは、雨滴検出装置6は、制御周期毎に演算された現状低下率をそのときの払拭モード(すなわち、その現状低下率を実現した払拭モード)毎に記憶しておき、各払拭モード毎に、ある一定時間内の現状低下率の移動平均を演算して、平均低下率とする。したがって、平均低下率は更新されていく。なお、移動平均を用いず、イグニッションスイッチ31をONしたときから現時点までの現状低下率を、払拭モード毎に平均して、平均低下率とすることとしてもよい。
【0039】
次に、雨滴検出装置6は、感度ボリューム50により設定される目標低下率に適合する払拭モードを選択する(ステップS302)。ここで、図6を用いて説明すると、図6の例では、払拭モードとしてHi、Lo、及び、間欠時間がa秒、b秒、c秒、d秒の4種類の間欠モードがあり、間欠時間は、a<b<c<dの関係にある。そして、現状では、払拭モードは3モードに亘ってばらついているが、平均低下率が目標低下率に適合する払拭モードは間欠a秒であるため、間欠a秒の払拭モードが選択される。なお、平均低下率が目標低下率に適合する払拭モードとは、平均低下率が目標低下率の範囲内であって、かつ、平均低下率が最小の払拭モードとする。さらに、平均低下率が目標低下率の範囲内であって、かつ、平均低下率が最小の払拭モードが複数存在する場合には、前方の視認性を考慮して、払拭間隔が最短となる払拭モードを選択する。但し、これはユーザの好みに合わせて調節可能としても良い。平均低下率が目標低下率の範囲内にある払拭モードが無いときは、平均低下率が目標低下率に最も近い払拭モードを選択してもよい。雨滴検出装置6は、選択した払拭モードによる払拭信号をワイパ制御装置3に出力し(ステップS303)、次の処理へ移行する(ステップS304)。
【0040】
このように、雨滴検出装置6においては、各払拭モードによって実現された低下率の平均値を把握し、その平均値が目標低下率に適合する払拭モードを選択するので、目標低下率を実現するための払拭モードを確実に選定できる。しかも、払拭のばらつきが発生した場合のみ平均低下率を用いるので、従来の平均化処理に比べ短時間的な雨量変動に対する払拭モードの変動にも対応可能となる。
【0041】
すなわち、従来処理から得られた低下率を平均化し、常にその平均化した低下率に応じた払拭モードを選択することにより、払拭モードのばらつきを低減する方法もあるが、この方法は平均化により低下率自体のばらつきを低減しようとするものであるため、平均化による時間遅れが発生し、応答性が悪くなるという問題点がある。本実施形態では、払拭モードがばらついたときのみ、平均値を用いた処理に移行するので、応答性を犠牲にすることがなく、さらに、出現した各払拭モードにより実現された低下率を把握した上で払拭モードを決定するので、低下率自体の平均化よりも、より的確に最適な払拭モードを選択可能となる。
【0042】
また、雨滴検出装置6においては、感度ボリューム50によりドライバーが雨滴検出装置の制御目標となる目標低下率を変更することができるので、ドライバーの好みに合わせた感度調整が可能となる。また、例えば車速度が早いほど目標低下率を下げる等、目標低下率を車速度に応じて自動的に変更することとしてもよく、これにより、車速度に応じて自動的に目標低下率が調整されるので、よりドライバーの感覚に合った払拭制御が可能となる。
【0043】
なお、雨滴検出装置6は、払拭モードのばらつきが検出されなくなった場合には、従来処理による払拭モードの選定に移行するように構成されており、上記実施形態では、払拭モードのばらつきが検出された場合には、平均低下率を用いた処理により選定した払拭モードで1回払拭し、そのときに出現した低下率を使用してばらつきの検出を行い、その結果に応じて従来処理による払拭モードの選定または平均低下率を用いた処理による払拭モードの選定を行うように構成されているが、図7に示すように、払拭モードのばらつきが検出された場合に、平均低下率を用いた処理により選定した払拭モードでN回の払拭を実施した後、従来処理による払拭に復帰するように構成してもよい。
【0044】
以下、図7に基づいて説明する。まず、雨滴検出装置6は、現状低下率を演算し(ステップS401)、感度ボリューム50による目標低下率を設定する(ステップS402)。次に、雨滴検出装置6は、フラグFが1か否かを判定し(ステップS403)、フラグFが1でなければ、目標低下率と現状低下率とを比較して払拭モードを決定する(ステップS404)。一方、フラグFが1であれば、後述するステップS408へ移行する。
【0045】
ステップS404における払拭モード決定後、雨滴検出装置6は、払拭モードにばらつきがあるか否かを判定し(ステップS405)、ばらつきが無いとき、雨滴検出装置6は、ステップS404で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS406)、次の処理へ移行する(ステップS411)。
【0046】
一方、払拭モードにばらつきがあるとき、雨滴検出装置6は、フラグFを1にセットして、平均低下率を用いた処理による払拭信号をワイパ制御装置3に出力する(ステップS408)。そして、雨滴検出装置6は、その払拭信号をN回出力したか否かを判定し(ステップS409)、N回出力されていればフラグFを0にセットして(ステップS410)、N回出力されていなければフラグFのセットは行わずに、次の処理へ移行する(ステップS411)。
【0047】
ここで、Nの値は、平均低下率を用いた処理により選定した払拭モードに応じて決めるものとし、例えば、Hiならば5回、Loならば7回、間欠0.6秒ならば4回、間欠3.3秒ならば2回、間欠7秒ならば1回というように定める。これにより、払拭モードに関係なく一律に回数を決めた場合に比べ、従来処理に復帰するタイミングを細かく設定でき、雨量変動に対する応答性を改善することができる。
【0048】
また、上記実施形態では、所定のばらつき条件として、一定時間内に払拭モードが2種類以上出現したことを例に挙げたが、所定のばらつき条件として、一定時間内に払拭モードが2種類以上出現し、かつ、払拭モードが急に大きく変動していないことを条件とし、払拭モードが急に大きく変動した場合には、従来処理による払拭モードの選定を継続するように構成し、または、すでに平均低下率を用いた処理による払拭モードの選定を行っているときは、すぐに従来処理による払拭モードの選定に移行するように構成してもよい。ここで、払拭モードが急に大きく変動するとは、例えば間欠0.6秒以下からHiモードに移行した場合というように定める。これによれば、例えば前車の跳ね水を検出した場合等には、平均値によらず現状低下率に応じて払拭間隔が大きく変動することとなり、現状に速やかに対応できることとなる。
【0049】
以下、図8及び図9に基づいて説明する。図8及び図9は払拭モードが急に大きく変動(以下、急変と言う。)した場合を含めて処理手順を示したもので、図8は図4で説明した処理手順に払拭モードが急変した場合の判定及び処理を追加したものであり、図9は図7で説明した処理手順に払拭モードが急変した場合の判定及び処理を追加したものである。
【0050】
まず図8では、雨滴検出装置6は、現状低下率を演算し(ステップS501)、感度ボリューム50による目標低下率を設定する(ステップS502)。次に、雨滴検出装置6は、目標低下率と現状低下率とを比較して払拭モードを決定する(ステップS503)。ステップS503で払拭モードを決定後、雨滴検出装置6は、払拭モードの急変があるか否かを判定し(ステップS504)、払拭モードの急変がなかったとき、雨滴検出装置6は払拭モードにばらつきがあるか否かを判定し(ステップS505)、ばらつきが無いとき、雨滴検出装置6は、ステップS503で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS506)、次の処理へ移行する(ステップS508)。
【0051】
一方、払拭モードの急変があるとき、雨滴検出装置6は、払拭ばらつきの判定(ステップS505)を行わず、ステップS503で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS506)、次の処理へ移行する(ステップS508)。これにより、払拭モードの急変があるときは、従来処理による払拭モードの選定が継続されることになる。
【0052】
さらに、ステップS504で払拭モードの急変がないと判定され、次のステップS505で払拭モードのばらつきがあると判定されると、雨滴検出装置6は、平均低下率を用いた処理による払拭信号をワイパ制御装置3に出力し(ステップS507)、次の処理へ移行する(ステップS508)。
【0053】
図9では、まず、雨滴検出装置6は、現状低下率を演算し(ステップS601)、感度ボリューム50による目標低下率を設定する(ステップS602)。次に、雨滴検出装置6は、目標低下率と現状低下率とを比較して払拭モードを決定する(ステップS603)。次に、払拭モードの急変があるか否かを判定し(ステップS604)、払拭モードの急変がなければ、フラグFが1か否かを判定する(ステップS605)。そして、フラグFが1でなければ、払拭モードにばらつきがあるか否かを判定し(ステップS606)、ばらつきが無いとき、雨滴検出装置6は、ステップS603で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS607)、次の処理へ移行する(ステップS612)。
【0054】
一方、ステップS604で払拭モードに急変があると判定された場合、フラグFが1か否かの判定(ステップS605)及び払拭モードにばらつきがあるか否かの判定(ステップS606)を実施せず、ステップS603で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS607)、次の処理へ移行する(ステップS612)ので、従来処理による払拭モードの選定が継続されることになる。
【0055】
また、ステップS604で払拭モードに急変がないと判定され、フラグFが1か否かの判定で(ステップS605)フラグFが1であるとき、フラグFを1にセットして(ステップS608)、平均低下率を用いた処理による払拭信号をワイパ制御装置3に出力する(ステップS609)。そして、雨滴検出装置6は、その払拭信号をN回出力したか否かを判定し(ステップS610)、N回出力されていればフラグFを0にセットして(ステップS611)、N回出力されていなければフラグFのセットを行わず、次の処理へ移行する(ステップS612)。
【0056】
また、ステップS604で払拭モードに急変がないと判定され、ステップS605でフラグFが1ではないと判定されたとき、雨滴検出装置6は払拭モードにばらつきがあるか否かを判定し(ステップS606)、ばらつきが無いとき、ステップS603で決定した払拭モードによる払拭信号(すなわち、従来処理による払拭信号)をワイパ制御装置3に出力し(ステップS607)、次の処理へ移行する(ステップS612)。
【0057】
一方、ステップS606で払拭モードにばらつきがあるとき、雨滴検出装置6は、フラグFを1にセットして(ステップS608)、平均低下率を用いた処理による払拭信号をワイパ制御装置3に出力する(ステップS609)。その後、N回出力したかどうかをステップS610で判定し、N回出力されていなければフラグFを0にセットして(ステップS611)、N回出力されていなければフラグFのセットは行わずに、次の処理へ移行する(ステップS612)動作は上述したとおりである。
【0058】
このように、ばらつき条件をどのように定めるか、すなわち、どのような場合を払拭モードのばらつきが検出された場合とするかは任意であり、雨滴検出装置6の動作も種々の流れを採り得る。
【0059】
また、雨滴検出装置6の構成も種々の構成をとることができる。以下、雨滴検出装置6の他の構成を図10に基づいて説明する。
【0060】
図10に示す雨滴検知装置6は、LED8、PD9、並びに、LED駆動回路13(図1)及び検波・増幅回路14(図1)を有する回路基板15を備えている。これらLED8、PD9及び回路基板15は、センサケース16内に固定配置され、センサケース16はカバー11内に固定され、シリコンシート41を介してフロントウィンド1の内壁面1bに密着され、ストッパー42と固定用金具43とにより固定されている。この雨滴検知装置6の取付位置は、フロントウィンド1においてワイパ2の作動範囲つまりワイパ払拭範囲内であって、運転者の前方視界を妨げない部位とされる。LED8とPD9との位置関係は、LED8からフロントウィンド1に照射された光がフロントウィンド1で反射されてPD9に入射するようフロントウィンド1に対して斜め方向に向き合うように設定されている。
【0061】
プリズム23は、図2図示のプリズム23と形状は相違しているが、LED8からの光が確実にPD9に入射するようにLED8の光を屈折させるとともに、車室外からの日射や街路灯などの外乱光がPD9に入射するのを防止する機能を有している。晴れ時、LED8から出射された光は、図10図示矢印で示すように、プリズム23を経由してフロントウィンド1の外壁面1aで全反射され、PD9に入射される。一方、雨天時、LED8から出射された光は、フロントウィンド1上に付着した雨滴Rによって散乱し外壁面1aで全反射されなくなり、PD9の受光量は減少するようになる。
【0062】
このように、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の実施形態を採り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる雨滴検出装置を備えたワイパ自動制御装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる雨滴検出装置の概略構成図である。
【図3】従来処理のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる雨滴検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】平均低下率を用いた処理のフローチャートである。
【図6】平均低下率を用いた払拭モードの選定方法を説明するための図である。
【図7】本発明の他の実施形態にかかる雨滴検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態にかかる雨滴検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態にかかる雨滴検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態にかかる雨滴検出装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…フロントウィンド
2…ワイパ
6…雨滴検出装置
8…発光素子(LED)
9…受光素子(PD)
Claims (3)
- ウィンドシールドに向かって光を発光する発光素子と、前記ウィンドシールドにより反射された光を受光して受光量に応じた電気信号を出力する受光素子とを有し、制御周期毎に前記発光素子から光を発光させて、所定の比較値に対する前記受光素子からの出力値の低下率を演算し、前記低下率と予め設定された目標低下率とに基づいて、前記ウィンドシールドを払拭するワイパの払拭モードを決定する雨滴検出装置であって、
所定時間内に出現した払拭モード毎の前記低下率の平均値を演算し、
前記低下率と前記目標低下率とに基づいて決定された払拭モードについて、ばらつきが検出されない場合には、前記決定された払拭モードによる払拭信号を出力し、ばらつきが検出された場合には、前記平均値が前記目標低下率に適合する払拭モードを選択して、当該選択された払拭モードによる払拭信号を出力することを特徴とする雨滴検出装置。 - 前記平均値が前記目標低下率に適合する払拭モードとして、前記平均値が前記目標低下率の範囲内であって、かつ、前記平均値が最小の払拭モードを選択することを特徴とする請求項1記載の雨滴検出装置。
- 前記平均値が最小の払拭モードが複数存在する場合には、払拭間隔が最短の払拭モードを選択することを特徴とする請求項2記載の雨滴検出装置。
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