JP3935301B2 - 碍子汚損検出装置及び碍子汚損検出システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、碍子の汚損を検出する装置及びこの装置を用いた碍子汚損検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電力機器に接続されている碍子は、塩分の付着などにより碍子汚損が発生すると、絶縁性能が低下する。碍子汚損の初期の段階では、碍子において部分放電が発生するとともに碍子漏れ電流が流れる。この状態を放置して、更に碍子汚損が進むと、絶縁破壊により、地絡・短絡事故などの重大な事故に発展し、電力供給支障に至る重大事となることがある。したがって、碍子汚損の初期状態を検出して碍子洗浄を行い、碍子の絶縁性能を回復させる必要がある。
【0003】
従来、碍子汚損の初期状態を検出する方法として、パイロット碍子を用いる方法、部分放電に伴う電磁波を検出する方法、実機の漏れ電流を検出する方法などがあった。
パイロット碍子を用いる方法は、パイロット碍子を実機と同一環境に置くことにより、実機と同様に碍子汚損を進行させる。汚損度測定時には、手作業で表面汚損物質を採取し汚損量を測定する筆洗い法、又は、自動でパイロット碍子を真水に浸して付着した塩分を溶かし、その塩分濃度を自動測定する方法等が使用されている。
【0004】
電磁波を検出する方法は、アンテナセンサを用いて、実機からの部分放電に伴って発生する電磁波を検出し、検出した電磁波の強度、周波数などを解析することにより汚損の有無を判定する。
実機の漏れ電流を検出する方法は、漏れ電流の経路に変流器を挿入し、漏れ電流を直接測定して、その値から汚損度を判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の各検出方法は、それぞれ次の問題点を有している。
パイロット碍子を使用して検出する方法では、パイロット碍子を設置する鉄塔及び基礎を新たに設ける必要がある。さらに、碍子実機の洗浄に合わせて手作業でパイロット碍子の洗浄を行う必要がある。この洗浄を自動で行う場合には、碍子の洗浄に合わせてパイロット碍子を洗浄する装置を設けることが必要となる。この方法では、汚損量の測定も手作業で行うため、装置及び手間に多大の時間と費用を費やす。
【0006】
さらに、パイロット碍子を設置する方法には、碍子の洗浄と汚損量測定を自動で行う方法もあるが、この方法は機械装置を使用するため、導入コストが高価であり、専用の洗浄用蒸留水製造装置、貯水タンクなどの準備が必要である。さらに、定期的メンテナンスにより機械装置部分、蒸留水製造装置、貯水タンクを管理するための管理コストも高価となる。このため、このような装置は重要な変電所に限定された導入にとどまり、保守省力化の障害となっている。
【0007】
また、汚損は碍子の設置場所又は種類により異なる場合があり、上記の方法では、1種類の碍子の汚損傾向の把握にとどまることになる。さらに、上記の方法では、不可逆的にパイロット碍子表面の汚損物質を採取してしまうため、一旦、汚損量を測定してしまうと、パイロット碍子の表面は実際の碍子の汚損量と異なってしまうため、頻繁かつ連続的に汚損量を測定できない。
【0008】
このため、数本のパイロット碍子を設けて、累積汚損量測定用と随時測定用とに分けて運用したり、前回測定値に加算して現状汚損量を推定すること等が行われている。しかしながら、実際には、その間の降雨による洗浄効果で碍子の汚損物質が除去されていて現実の碍子の汚損量は低いにも関わらず、測定値は高い値となることが頻繁に見られ、実際の電力機器の碍子の汚損状況をリアルタイムで直接的に把握できないという問題があった。
【0009】
次に、電磁波を検出する方法は、アンテナセンサが汚損現象によるもの以外の外部ノイズも検出し、また、碍子の種類、汚損の状態により発生する電磁波の周波数帯も変化するため、正確に碍子の汚損による部分放電を検出することが難しい。
また、碍子の漏れ電流を変流器で測定する方法では、汚損により非常に大きな漏れ電流が流れる場合は汚損を検出できる。しかしながら、初期の汚損を検出するには、数十μA〜数mAの微小な漏れ電流を検出する必要がある。この漏れ電流領域では、湿度、降雨、気温等の環境因子が漏れ電流値に与える影響が比較的大きい。したがって、漏れ電流の増加現象が汚損によるものか、環境因子によるものかを判別することが困難であった。また、漏れ電流を検出する変流器は、微小領域での検出感度が低いため、数十μA〜数mAの微小な漏れ電流を検出できない欠点があった。
【0010】
さらに、汚損が進展する過程で同様に数十μA〜数mAの微小なパルス漏れ電流が重畳する現象、波形が歪んだりする現象があるが、このような微小な波形歪み、パルス電流も検出することができなかった。
ここで、一般的な変流器を用いた検出が微小電流領域における検出感度が低いことについて説明をする。碍子汚損に伴う漏れ電流は、数十μA〜数mAであり、放電を伴うときの電流は数mA〜数百Aとなる。このように検出しようとする電流が微小な場合は、変流器の励磁インピーダンスが被測定電流に対して相対的に低電流領域で小さくなるため、周囲の磁界が変流器巻線に鎖交することによる磁気ノイズの影響を受けやすくなり、測定電流より大きなノイズが磁気ノイズにより発生する。このため、変流器はその大きな特徴である内部インピーダンスの大きな電流源として働かなくなり、ノイズを受けやすくなる。
【0011】
特に、変電所等の電流が通電される機器の近傍では、電流による大きな誘導磁界が発生するため、変流器で微小電流を検出することはできなかった。
これに対して、増幅器を内蔵した変流器を用いて微小電流の検出を可能としたものがある。この場合、変流器を検出装置本体に接続する信号線としてメタリックなものを使用するため、信号線がアンテナセンサとして機能して、空間ノイズ信号に重畳してしまう。特に、機器の充電部で発生する外部コロナによる電磁波放射が変流器の信号に重畳することがあった。この場合、信号間ノイズが信号を打ち消して、放電電流が小さくなることもある。
【0012】
さらに、放電が発生した場合には、サージエネルギにより検出装置が破損する危険性がある。このように、空間の電磁ノイズの影響を受けやすいため、その対策を考慮した非常に高価なシステムを用いる必要がある。
さらに、碍子の汚損が進展する過程での数十μA〜数mA程度の微小な漏れ電流波形の歪み、パルス電流の重畳を検出しようとすると、微小電流の検出に加えて、増幅器のゲインバンドワイズつまりGB積の制限により、数十Hz〜数MHzにわたる広帯域で微小電流を増幅することは困難であった。また、帯域を広くとると前述のノイズが混入し、これを不用意に増幅することにもなり、SN特性が低下する。このため、一般の微小電流検出装置は50Hz専用など、帯域を制限して製作することにより感度を得ることが一般的であった。
【0013】
また、上記従来の碍子汚損検出方法では、台風などにより急速に汚損が進行したり、或いは、降雨による洗浄効果で汚損が回復したりする。しかしながら、従来の汚損検出方法では、リアルタイムで汚損を監視できなかったり、不可逆的汚損物質の採取を行うことによる連続的測定ができないこと、諸元の異なる機器の碍子を同時に測定することが難しいといった問題がある。したがって、碍子の種類による汚損の把握が困難であり、全体的に的確な洗浄時期を判定することが困難であった。
【0014】
本発明は、電気機器の実際の碍子の汚損度を、直接的、リアルタイムで、ノイズ又は外部環境の影響を受けることなく正確に監視できる碍子汚損検出装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、広範囲に分散配置して適用でき、ネットワークにより運用から、汚損の進展地域の予想も可能にできる碍子汚損検出システムを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。
本発明においては、従来のパイロット碍子を用いる間接的な汚損検出手法ではなく、機器碍子の漏れ電流を直接測定することにより、直接的かつ連続的に機器の汚損量を把握する。一般に碍子の表面が汚損されることにより漏れ電流の増大現象が見られるが、汚損の初期段階から検出するには非常に微小な漏れ電流をノイズの影響なく検出することが必要となる。本発明による漏れ電流方式は、従来測定できなかった汚損の初期段階での非常に微小な数十μA〜数mAの漏れ電流をノイズの影響なく検出することにより、碍子の汚損を直接的にリアルタイムで検出するものである。
【0016】
このため、雨洗による汚損量の低下、汚損の増大による機器の閃絡危険度をその都度直接的に把握でき、リアルタイムで監視できるため、従来のパイロット碍子による間接的方式に比べてきめ細かな適用が可能となる。
また、碍子の漏れ電流を検出する検出変流器はノイズの影響を受けることなく、微小電流の検出を可能なものにする。このため、検出変流器を、変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とで構成する。
【0017】
そして、光信号は、光ファイバにより検出装置本体へ伝達される。検出装置本体では、伝達された前記光信号に基づいて碍子の汚損度を判定する。
このように、変換素子に直流バイアス電流を流すことにより、変流器の出力側のインピーダンスを小さくすることができ、その結果、変流器の磁束密度も小さい値となるため、変流器の励磁インピーダンスが相対的に大きくなり、変流器の微小電流領域誤差特性が大幅に改善される。このため、変流器の大きな特徴である耐ノイズ特性が向上し、漏れ電流、部分放電のような微小電流の測定が可能となる。
【0018】
この変流器の微小電流領域での耐ノイズ特性の向上と、光ファイバの使用による本質的なノイズフリー性能のため、検出装置本体では、ノイズに影響されずに微小な漏れ電流及び部分放電電流に基づいて碍子の汚損の検出を正確にすることができる。
また、碍子の表面が汚損されることにより流れる微小漏れ電流に影響を与える温度、湿度も同時に測定し、これらの値から漏れ電流値を補正することにより、これら環境条件が漏れ電流に与える影響を補正し、更に、綿密に汚損量を検出することが可能になる。なお、電気機器に設けるのは、変流器と光変換ユニットのみであるため、従来のパイロット碍子を使用する方式のように新たに専用の基礎、設置のための塔、又は蒸留水製造装置、貯水槽を準備する必要もなくなる。
【0019】
このため、導入、運用のコストは非常に低コストとなり、今まで導入できなかった各所に導入が可能となるため、広範囲の汚損の進展の様子をネットワークを介して予想を行うシステムが低コストで構築できようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明を適用した碍子汚損検出装置の全体の回路構成を示し、図2は、碍子汚損検出装置中の検出変流器の回路構成を示し、図3は、碍子汚損検出装置中の検出装置本体の回路構成を示す。
【0021】
図1において、1は、電力機器(図示省略)に取り付けられた碍子、2は、碍子1の取付け部とグラウンドとの間を接続する接地線、3は、接地線2に流れる漏れ電流・放電電流を測定する変流器で、検出変流器4の一部を構成する。検出変流器4は、変流器3と測定回路5とからなる。
図2に、検出変流器4の構成を示す。
【0022】
図2において、変流器3は、コア6と巻線7とからなり、コア6の中心を接地線2が貫通する。巻線7が検出した電気信号は測定回路5に導かれる。この電気信号は、コンデンサCとダイオードD1を介して発光ダイオードLEDに印加される。このコンデンサCは、直流バイアス電流が巻線7に流れないように設けられたものであり、変流器3が検出した商用周波数成分に対してインピーダンスが極力小さくなる値とされる。ダイオードD1は発光ダイオードLEDの保護用に設けられたものである。
【0023】
直流電源DSから、抵抗R1,R2、ツェナーダイオードZD2を通して、発光ダイオードLEDに直流バイアス電流I1 を流す。これにより、発光ダイオードLEDのインピーダンスが低下する。さらに、直流電源DSからは、ダイオードD1に対しても、抵抗R1,R3、ツェナーダイオードZD1を通して直流バイアス電流I2 が流される。これにより、ダイオードD1が低インピーダンス化される。
【0024】
したがって、巻線7から見た出力インピーダンスは低いものとなり、漏れ電流のような微小電流も容易に発光ダイオードLEDに流れることができる。発光ダイオードLEDは、そこに流れる電流に対応する光を出力する。この光信号は、漏れ電流及び放電電流の交流成分と直流バイアス電流I1 の直流成分とを合わせたものである。
【0025】
ここで、ツェナーダイオードZD1,ZD2を設けた理由を説明する。直流バイアス電流I1 は、後述するように、最終的な計算の基準となるため、定電流とする必要がある。しかし、発光ダイオードLED及びダイオードD1は温度変化によりその順電圧が変化するので、温度の変化に伴って電流値が変動するのを防止するため、発光ダイオードLED及びダイオードD1と逆向きの同程度の温度係数を持つツェナーダイオードZD1,ZD2を挿入して、温度補償をする。これにより、直流バイアス電流I1 ,I2 が常に一定となる。
【0026】
図1に戻り、発光ダイオードLEDの出力する光信号は、光ファイバ8により検出装置本体9へ伝達される。光ファイバ8は、メタリックな信号線とは異なり、空間ノイズを拾うことがないので、伝達する光信号にノイズが重畳することがない。
さらに、温度センサ、湿度センサ21が設けられ、その検出出力が検出装置本体9に入力される。
【0027】
図3に、検出装置本体9の回路構成を示し、図4に、図3の回路の要所の信号波形を示す。
光ファイバ8により伝達された光信号は、光/電変換器11により電気信号に変換される。この電気信号波形は、図4(a)に示すように、直流成分と、交流成分とを含んでいる。直流成分は図2の直流バイアス電流I1 に相当し、交流成分は図2の変流器3が検出した信号に相当する。この電気信号はプリアンプ12により増幅されて、交流直流分離回路13で交流成分ACと直流成分DCとに分離される。図4(b)は分離された交流成分ACを示し、(c)は直流成分DCを示す。
【0028】
交流成分ACは、アンプ14,全波整流器15を通して、ピークホールド回路16に入力される。ピークホールド回路16は交流成分の波高値P/Hを検出し、この波高値P/HはA−D変換器17によりディジタル信号に変換される。交流成分ACは更に、アンプ18を通して実効値変換回路19に入力される。実効値変換回路19は交流成分から実効値RMSを求め、この実効値RMSはA−D変換器17によりディジタル信号に変換される。
【0029】
直流成分DCの信号値は、A−D変換器17によりディジタル信号に変換される。
さらに、温度、湿度センサ21が検出した、温度、湿度が信号変換器22によりアナログ信号に変換され、A−D変換器17によりディジタル信号に変換される。
【0030】
A−D変換器17の出力信号は、バス23に出力される。バス23には、CPU24,メモリ25、入出力インターフェース26が接続される。入出力インターフェース26には、表示器27、プリンタ28、操作パネル29、リレー30が接続される。
次に、碍子汚損検出装置の動作について説明をする。
【0031】
図5は、碍子汚損検出装置の動作原理を説明をする波形図である。
碍子1に汚損がない場合、碍子表面の乾燥時及び水分付着時のいずれの場合も、漏れ電流のピーク値は変わらない。漏れ電流は、碍子1の静電容量(77kv碍子で数pF)と常規対地電圧との関係により、容量性電流となり、図5(a)に示すような波形となる。これは、基本的に正弦波である。また、その波高値は、数10μA程度である。
【0032】
海風などにより碍子1に塩分が付着して汚損されると、碍子1の抵抗値が極端に減少する。この場合、漏れ電流としては、容量性電流に抵抗性電流が加わったものとなる。さらに、水分が碍子1の表面にまだらに付着することにより容量性電流も増加をする。したがって、汚損が進むにつれて、電流波形は、図5(b)に示すように、三角波に近いものとなり、波高値も増大して、数100μA程度に上昇する。
【0033】
さらに汚損が進展した場合、電流波形は、図5(c)に示すように、局部アークによるひげ状パルスを含んだ波形が観察されるようになる。波高値も増大して、ピーク値が数mA〜数10mAとなる。また、この波形は、温度及び湿度などにより変化をする。
以上の動作原理に基づいて、CPU24では、以下の方法により碍子1の汚損程度を判定する。
【0034】
図6は、CPU24の判定動作の機能をブロックで示したものである。
第1の計算手段31には、検出信号の交流成分の波高値P/Hと直流成分DCが入力され、両者の比を計算する。計算された波高値P/Hと直流成分DCとの比は、判定部32において、管理値記憶部33に記憶された汚損度管理値と比較される。波高値P/Hは、図5に示すように、(a)無汚損時、(b)軽汚損時(初期段階)、(c)重汚損時(局部アーク発生)で異なるので、これらの状況に応じた管理値を用意しておくことにより、碍子1の汚損度の判定がされる。
【0035】
第2の計算手段34には、検出信号の交流成分の実効値RMSと直流成分DCが入力され、両者の比を計算する。計算された実効値RMSと直流成分DCとの比は、判定部32において、上記第1の計算手段34の出力と同様に判定がされる。
上記第1及び第2の計算手段31,34を用いた判定方法は、直流成分DCとの比をとることにより、信号の減衰の影響を排除している。交流成分ACと直流成分DCは、検出変流器4から検出装置本体9へ伝送される途中、同様な減衰を受ける。これに対して、直流成分DCとの比をとると、信号の減衰量の影響を排除して正確に漏れ電流及び放電電流の測定値を得ることができる。
【0036】
なお、上記第1及び第2の計算手段31,34を用いた判定方法の場合、碍子1の種類などにより、危険な漏れ電流値は異なることとなる。つまり、同一の碍子については、波高値及び実効値は汚損の進展に伴って増加していくが、碍子の種類が異なると、危険な漏れ電流値は異なることとなるので、管理値としては、各碍子の諸元ごとに用意する必要がある。
【0037】
また、波高値P/Hと実効値RMSは、碍子の汚損度に応じてほぼ同様の変化をするので、第1の計算手段31と第2の計算手段34の一方を省略しても、碍子汚損を検出することが可能である。
第3の計算手段35には、検出信号の交流成分の波高値P/Hと実効値RMSが入力され、両者の比であるクレストファクタが計算される。このクレストファクタ値は、判定部32において、管理値記憶部33に記憶された第2の汚損度管理値と比較される。クレストファクタは、図5に示すように、(a)無汚損時、(b)軽汚損時、(c)重汚損時ごとに異なった値となる。
【0038】
図5の(a)の無汚損時には、検出電流の波形はほぼ正弦波となり、クレストファクタ(P/H÷RMS/DC)は1.414となる。図5(b)の軽汚損時には、検出電流波形はほぼ三角波となり、クレストファクタ=1.732となる。汚損が進展して、図5(c)の重汚損となると、局部アークによるひげ状のパルス電流を含む波形となり、歪みが大きくなり、クレストファクタ=2.0以上の値を示すこととなる。したがって、これらの値に応じた管理値を複数用意しておくことにより、碍子1の汚損度の判定がされる。
【0039】
このクレストファクタは、外部ノイズによるパルス電流が重畳することで変化をする。しかしながら、本例によれば、微小な検出電流を広帯域で光信号に変換され、かつ、ノイズフリーで伝達されるので、碍子汚損進展現象によるパルス電流及び波形歪みのみをクレストファクタを利用して、簡単かつ正確に検出することができる。
【0040】
このクレストファクタの変化は、碍子の種類などに関係なく、どの碍子においても同様の傾向を示す。したがって、このクレストファクタを計算する方法は、上記第1及び第2の計算手段31,34を用いた方法と比較して、記憶手段33に記載しておく管理値の数を少なくすることができる。
判定部32は、判定の結果得た汚損度を出力し、この汚損度は、表示器27、プリンタ28などに出力される。また、碍子汚損度が所定の管理値を超えたと判定したときには、リレー30を動作させて碍子の洗浄時期がきたことを報知する。
【0041】
判定部32では、汚損度の判定に各種管理値を使用している。管理値記憶部33には、碍子の種類に応じて個々の碍子の諸元に合わせた管理値を記憶させることができる。すなわち、碍子の諸元として、碍子の有効長、平均直径、かさの枚数、かさのサイズ、かさの下ひだの有無、下ひだの深さ等、汚損による漏れ電流の流れ易さを決定する因子がある。汚損検出装置の運用開始前に、監視対象となる碍子の諸元に対応した管理値を管理値記憶部33から選択する。これにより、実際に碍子を汚損させて漏れ電流を決定し、汚損レベルと漏れ電流の値から管理値を決定するという操作を行う必要がなくなる。
【0042】
判定部32は、第1の計算手段31と第2の計算手段の両方を使用することで、汚損の進展の最終段階である碍子の閃絡危険度を検出することができる。汚損により最終的に碍子が閃絡する直前に碍子の表面にできるドライベルト間を短絡する間歇的に流れる大きなパルス状のアーク電流が観測される。この時は、大きなアーク電流によって漏れ電流波形が歪むので、クレストファクタの特異的な増大と漏れ電流の実効値の特異的な増大とを同時に検出したとき、監視する碍子1が閃絡の危険にあると判定する。
【0043】
これにより、単に碍子の汚損検出だけでなく、閃絡の危険性があることを直接的に検出することができる。また、このような場合は、活線状態での碍子洗浄などの閃絡事故を誘発する処置をせずに、機会を見て回線を停止してから碍子を洗浄するなどの適正な処置をとる。
図7は、複数の碍子の汚損検出を1つの装置で行う例を示す。
【0044】
監視対象の碍子が複数ある場合、碍子の設置場所、碍子の種別により汚損が同程度に進行するとは限らない。したがって、全ての碍子について汚損検出をしようとすると、上述の碍子汚損検出装置では、各々の碍子に同一の装置を複数個設けることになる。しかしながら、これでは、高価な装置となってしまう。本例は、装置のコストを増大させることなく、複数の碍子の汚損を同時に検出可能とする。
【0045】
複数の碍子1の各接地線2に変流器3が配置される。各変流器3の二次側は、チャネルセレクタ36を介して測定回路5と接続される。チャネルセレクタ36は、コントローラ37の制御により、各変流器3の出力を時分割で順次切り替えて測定回路5に出力する。検出装置本体9は、光ファイバ38を通して、切替制御信号をコントローラ37に出力し、各碍子1について時分割で汚損検出を行う。測定回路5と判定部32の構成、判定部32における汚損度判定の方法などは、図1〜3を用いて既に説明してあるとおりである。
【0046】
図8を用いて、湿度による漏れ電流の変動の補正について説明する。
碍子汚損による漏れ電流は、屋外環境により変動をする。判定部32は、センサ21により測定した湿度により漏れ電流値を補正して、汚損による漏れ電流の変動のみを正確に把握する。
図8に示すように、汚損レベルが同一であった場合、相対湿度の上昇により、漏れ電流値が増大する。また、相対湿度が同一の場合、汚損レベルの上昇により漏れ電流値が増大する。本例では、汚損レベルの変化のみを検出するために、汚損判定の指標となる漏れ電流値を、例えば相対湿度80%時の漏れ電流値に換算する。湿度及び漏れ電流値の測定結果が図示のA点であった場合、これを相対湿度80%時の漏れ電流値AD 点に換算する。
【0047】
単純な補正方法としては、図示の相対湿度HML (70%)〜HMH の範囲(95%)では、湿度と漏れ電流とはほぼ比例関係にあるので、一次補正ができる。現湿度HMx(%)、漏れ電流ix(mA)であれば、湿度80(%)時に換算した補正漏れ電流iは、
i=ix(80/HMx)となる。
【0048】
図9を用いて、湿度の変化率による漏れ電流の変動の補正について説明する。
(a)は、時間の経過にともなう湿度の変化と漏れ電流の変化を示す。(a)左側には湿度が急変した状態を示し、右側には湿度の変化が緩やかである状態を示す。湿度が急増すると、漏れ電流も大きく上昇する傾向がある。一方、湿度が緩やかに上昇するときは、それほど漏れ電流が大きく上昇しない。この傾向は、碍子汚損度が大きいほど変化しやすい傾向がある。
【0049】
(b)は、湿度の変化率と漏れ電流の変化率と汚損度の関係を示す。(b)に示すように、汚損度が大きい程、湿度の変化率に対して漏れ電流の変化率が大きくなる。
判定部32では、センサ21により測定した湿度の単位時間での変化率(%/H)とそれに対応する単位時間の漏れ電流値の変化率(mA/H)から、(b)の関係を用いて、碍子1の汚損度を判定する。これだけでも、汚損度の大まかな検出が可能となる。
【0050】
図10を用いて、測定した湿度が下限値以下又は上限値以上となった場合の補正を説明する。
前述の図8に示したように、測定した湿度が低湿度域、例えば70%以下となったとき、また、高湿度域、例えば95%以上となったとき、漏れ電流の変化は不安定になる。これを80%時の値に補正すると、補正後の漏れ電流値は却って不正確なものとなる。
【0051】
図10(a)に示すように湿度が変化すると、漏れ電流は、(b)に示すように、湿度に応じて変化する。前述の図8に示した手法で湿度により補正した漏れ電流値は、(c)に示すように、湿度変化による影響が排除される。しかしながら、湿度が下限値以下又は上限値以上となったとき、同様に漏れ電流を補正をすると、(c)に示すように、正しくない値となってしまう。
【0052】
これに対して、判定部32では、下限値以下及び上限値以上となると、補正漏れ電流値の直前の値A1 ,A2 を記憶しておく。そして、湿度が下限値以下又は上限値以上である間は、(c)に点線で示すように、記憶した補正漏れ電流値A1 ,A2 を使用して碍子汚損度を判定する。
本例を採用した場合、湿度が下限値以下又は上限値以上であるときに、一定の補正漏れ電流値A1 ,A2 を使用する。この間に碍子の汚損が進展する可能性がないわけではない。しかしながら、湿度が低い場合は、海からの湿った風もないとみなせるため、汚損の進展はないとみなすことができる。このように、低湿度の場合は、汚損状況は変化することがないので、直前の補正漏れ電流値を使用することでより正確な判定をすることができる。
【0053】
また、湿度が非常に高い場合は、濃霧、比較的強い降雨などの場合である。このような場合は、漏れ電流値は頻繁に変動して安定しない。したがって、高湿度の状況では、湿度補正を行うと誤差が生じるだけでなく、補正の意味もないので、直前の補正漏れ電流値を使用することが安定した判定を行うこととなる。
なお、判定部32において、湿度の下限値以下又は上限値以上のいずれか一方を検出したときのみ、上記の直前の補正漏れ電流値A1 又はA2 を記憶するようにしても、所定の効果を得ることができる。
【0054】
図11を用いて、温度による漏れ電流の変動の補正について温度20(℃)に補正する例で説明する。
塩分水溶液の導電率は、温度により変化する。図11に示すように、漏れ電流は、温度により係数kをもって変化する。したがって、判定部32では、センサ21により測定した温度T0 と漏れ電流i0 係数kにより、補正漏れ電流i20を、
20=(1+(20−T0 )×k)×i0 と補正する。
【0055】
これにより、温度の変化による漏れ電流の変化を補償して、正確な判定を行うことができる。
図12を用いて、温度の変化率による漏れ電流の変動の補正について説明する。
温度が急変すると、急速乾燥又は急速結露が生じる。この温度急変が生じたとき、上述の図11を用いて説明した温度による補正を行うと、補正による誤差が生じる。図12(a)は、温度変化率(単位時間あたりの温度変化)の変化状況を示し、(b)は、補正漏れ電流値の変化状況を示す。
【0056】
温度変化率が上限値又は下限値を超えて、急速乾燥、急速結露が発生すると、補正漏れ電流値に誤差が生じ、正確な汚損度の判定ができなくなる。このため、温度変化率が上限値又は下限値を超えた場合は、補正漏れ電流値として直前の値A3 ,A4 を記憶しておき、上限値又は下限値を超えている間は、記憶した補正漏れ電流値A3 ,A4 を使用して汚損度の判定をする。これにより、急速乾燥、急速結露による影響を排除して汚損度を判定することができる。なお、判定部32において、温度変化率の下限値又は上限値以上のいずれか一方を検出したときのみ、上記の直前の補正漏れ電流値A3 又はA4 を記憶するようにすることもできる。
【0057】
図13を用いて、碍子表面の氷結時の漏れ電流の補正について説明する。
前述の図11を用いて説明したように、漏れ電流値を測定した温度により20°C換算し、補正漏れ電流値i20を汚損度判定の指標としていている。この場合、図13に示すように、外気温が0度近辺(5°〜−5°C)に低下すると、漏れ電流値は非常に小さくなり、20°C換算をすると、正確な補正漏れ電流値i20が得られなくなる。
【0058】
これに対して、センサ21により測定した温度が0度近辺の所定値x°C以下となった場合、その直前の漏れ電流値ixを20°C換算した補正値i20を記憶しておく。そして、温度がx°C以下の間は、補正漏れ電流値i20を用いて碍子汚損度の判定を行う。
以上、センサ21として、湿度センサ、温度センサを使用する例について説明してきた。本発明は、更に、センサ21として、風速センサ、風向センサ、降雨センサなどを使用して、碍子汚損度の判断を緻密にすることができる。
【0059】
例えば、海よりの風が吹いていないのに急速に漏れ電流が増えた場合は、汚損の進展ではなく、例えば降雨などによる湿度上昇によるものであると判定する。また、風速が規定値を超え、かつ風向が海よりであり、加えて漏れ電流が急上昇している場合は、塩分を含んだ風により急速に汚損が進展したと判定する。このときは、緊急的な碍子洗浄処置の必要性の有無を表示器27に表示し、リレー30を動作させて碍子の洗浄時期が来たことを報知する。
【0060】
なお、これは、湿度センサだけでも判断できることであるが、上記の複数のセンサを併用することにより、更に信頼性を確保することができる。
図14を用いて、碍子汚損検出装置を広域のエリアに配置して構成したシステムについて説明する。
以上説明した漏れ電流により碍子汚損を検出する装置39を広域のエリアに複数配置する。これらの装置39は、ネットワーク41により中央監視所42と接続される。各装置39は、それぞれが検出した汚損度を定期的に中央監視所42に送信する。中央監視所42には、各地の碍子汚損状況を一括して表示する手段と、これを基に地図上に振り分けられたビジュアル表示手段とが設けられる。
【0061】
これにより、中央監視所42では、各地の碍子汚損の進展状況と、汚損の広がりを平面的に把握でき、碍子の汚損による電力供給支障、つまり、電子機器の塩害発生を事前に予測して保守に適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、電気機器の実際の碍子の汚損度を、直接的、リアルタイムで、ノイズ又は外部環境の影響を受けることなく正確に監視できる碍子汚損検出装置を提供することができる。
また、本発明によれば、広範囲に分散配置して適用でき、ネットワークにより運用から、汚損の進展地域の予想も可能にできる碍子汚損検出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した碍子汚損検出装置の全体構成図。
【図2】図1の検出変流器の回路構成を示す図。
【図3】図1の検出装置本体の回路構成を示す図。
【図4】図3の回路における各部分の信号波形を示す図。
【図5】図1の碍子汚損検出装置の動作原理を説明するための波形図。
【図6】図3のCPUの機能ブロック図。
【図7】本発明を適用した第2の例の碍子汚損検出装置の全体構成図。
【図8】本発明の装置における湿度による漏れ電流の補正を説明する図。
【図9】本発明の装置における湿度の変化率による漏れ電流の補正を説明する図。
【図10】図8の湿度が下限値以下及び上限値以上となった場合の漏れ電流の補正を説明する図。
【図11】本発明の装置における温度による漏れ電流の補正を説明する図。
【図12】本発明の装置における温度の変化率による漏れ電流の補正を説明する図。
【図13】本発明の装置における碍子表面の氷結時の漏れ電流の補正を説明する図。
【図14】本発明の碍子汚損検出システムの構成を示す図。
【符号の説明】
1…碍子
2…接地線
3…変流器
4…検出変流器
5…測定回路
6…コア
7…巻線
8…光ファイバ
9…検出装置本体
11…光/電変換器
12…プリアンプ
13…交流直流分離回路
14…アンプ
15…全波整流器
16…ピークホールド回路
17…A−D変換器
18…アンプ
19…実効値変換回路
21…センサ
22…信号変換器
23…バス
24…CPU
25…メモリ
26…入出力インターフェース
27…表示器
28…プリンタ
29…操作パネル
30…リレー
31…第1の計算手段
32…判定部
33…管理値記憶部
34…第2の計算手段
35…第3の計算手段
36…チャネルセレクタ
37…コントローラ
38…光ファイバ
39…碍子汚損検出装置
41…ネットワーク
42…中央監視所

Claims (14)

  1. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置において、
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段(13)と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段(31,34)と、
    前記交流成分の波高値と実効値を求める手段(16,19)と、
    これら波高値と実効値の比を計算する手段(35)と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値とクレストファクタ管理値を記憶する手段(33)と、
    前記直流成分と交流成分の比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定し、前記波高値と実行値の比と前記クレストファクタ管理値とを比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段(32)を具備する碍子汚損検出装置。
  2. 前記波高値と実効値の比が予め定めた第2のクレストファクタ管理値を超えて増大し、かつ、前記漏れ電流値が予め定めた第2の汚損度管理値を超えた場合は、碍子閃絡の危険度が増大したと判定し、警報を発令する請求項に記載の碍子汚損検出装置。
  3. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置であって
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値を記憶する手段と、
    前記比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段と、
    を具備する碍子汚損検出装置において
    前記碍子近辺の湿度を測定する湿度センサと、
    湿度変化率と漏れ電流変化率と碍子汚損度の対応関係を記憶する手段とをさらに具備し、
    前記検出装置本体は、前記湿度の単位時間の変化率を計算し、前記漏れ電流の単位時間の変化率を計算し、前記対応関係から前記碍子の汚損度を判定する碍子汚損検出装置。
  4. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置であって
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値を記憶する手段と、
    前記比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段と、
    を具備する碍子汚損検出装置において
    前記碍子近辺の湿度を測定する湿度センサをさらに具備し、
    前記検出装置本体は、前記測定した湿度により、前記漏れ電流値を標準湿度時の漏れ電流値に補正し、この補正漏れ電流値を碍子汚損度判定の指標とし、
    前記検出装置本体は、現在の湿度が、予め決められた下限管理湿度値以下の場合は、前記下限管理湿度値を低下する直前の補正漏れ電流値を碍子汚損量判定の指標とする碍子汚損検出装置。
  5. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置であって
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値を記憶する手段と、
    前記比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段と、
    を具備する碍子汚損検出装置において
    前記碍子近辺の湿度を測定する湿度センサをさらに具備し、
    前記検出装置本体は、前記測定した湿度により、前記漏れ電流値を標準湿度時の漏れ電流値に補正し、この補正漏れ電流値を碍子汚損度判定の指標とし、
    前記検出装置本体は、現在の湿度が、予め決められた上限管理湿度値以上の場合は、前記上限管理湿度値を超える直前の補正漏れ電流値を碍子汚損量判定の指標とする碍子汚損検出装置。
  6. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置であって
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値を記憶する手段と、
    前記比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段と、
    を具備する碍子汚損検出装置において
    前記碍子近辺の温度を測定する温度センサをさらに具備し、
    前記検出装置本体は、前記温度の単位時間の変化率を計算し、
    前記温度変化率に上限管理値、下限管理値を各々設定し、
    前記温度変化率が前記上限管理値、下限管理値から外れた場合は、外れる直前の温度変化率における漏れ電流値を碍子汚損量判定の指標とする碍子汚損検出装置。
  7. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置であって
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値を記憶する手段と、
    前記比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段と、
    を具備する碍子汚損検出装置において
    前記碍子近辺の温度を測定する温度センサをさらに具備し、
    前記検出装置本体は、現在の温度が、0度近傍に予め設定した氷結管理値を低下する場合は、その直前の温度における補正漏れ電流値を碍子汚損量判定の指標とする碍子汚損検出装置。
  8. 碍子の漏れ電流を検出する変流器と、この変流器の出力側に接続され、出力信号を光信号に変換する変換素子と、この変換素子に直流バイアス電流を供給し、前記変換素子を低インピーダンス化する手段とを有する検出変流器と、
    前記光信号に基づいて碍子の汚損の有無を検出する検出装置本体と、
    前記光信号を前記検出変流器から前記検出装置本体へ伝達する光ファイバと、を具備する碍子汚損検出装置であって
    前記検出装置本体は、前記伝達された光信号から、前記直流バイアス電流に対応する直流成分と前記漏れ電流に対応する交流成分を分離する手段と、
    前記直流成分と前記交流成分の比を計算する手段と、
    碍子の汚損度に対応した汚損度管理値を記憶する手段と、
    前記比に基づいて前記碍子の漏れ電流値を計算し、前記汚損度管理値と比較することにより前記碍子の汚損度を判定する手段と、
    を具備する碍子汚損検出装置において
    前記碍子近辺の風速と風向を測定するセンサをさらに具備し、
    前記検出装置本体は、風向が予め設定した規定の風向の範囲内にあり、風速が予め設定した規定の風速以上であり、かつ、漏れ電流値が上昇する場合に急速汚損が配設したと判定し、警報を発令する碍子汚損検出装置。
  9. 前記変流器は複数の碍子に対応して複数設けられ、前記各変流器の二次電流信号を時分割で切り替え、前記変換素子に出力するチャネルセレクタを具備する請求項1〜8のいずれか1項に記載の碍子汚損検出装置。
  10. 前記碍子近辺の湿度を測定する湿度センサを具備し、
    前記検出装置本体は、前記測定した湿度により、前記漏れ電流値を標準湿度時の漏れ電流値に補正し、この補正漏れ電流値を碍子汚損度判定の指標とする請求項1,2,6〜8のいずれか1項に記載の碍子汚損検出装置。
  11. 前記碍子近辺の温度を測定する温度センサを具備し、
    前記検出装置本体は、前記測定した温度により、前記漏れ電流値を標準温度時の漏れ電流値に補正し、この補正漏れ電流値を碍子汚損量判定の指標とする請求項1〜5,8のいずれか1項に記載の碍子汚損検出装置。
  12. 前記管理値を記憶する手段は、前記各種の管理値として、各種碍子の諸元に対応した管理値を記憶する請求項1〜11のいずれか1項に記載の碍子汚損検出装置。
  13. 前記碍子近辺の風速、風向、降雨の少なくとも1つを測定するセンサを具備し、
    前記検出装置本体は、前記センサにより検出した環境条件を基に碍子汚損量の判定を行う請求項1〜7,9〜12のいずれか1項に記載の碍子汚損検出装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載された碍子汚損検出装置を広範囲の複数箇所に分散配置し、各装置をネットワークで連結し、前記各地の碍子汚損指標となる値を一括表示する手段と、前記各地の碍子汚損指標となる値を地図上に振り分けられたビジュアル表示手段とを具備する碍子汚損検出システム。
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