JP3934952B2 - 遊技機 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
この発明は、遊技盤に発射された遊技球が所定の領域を通過したことに基いて、複数の画像を配列した画像列を複数個所においてそれぞれ変動表示する表示装置を備え、上記複数個所においてそれぞれ確定表示された画像が所定の組合せである場合に遊技者に所定の利益を付与する遊技機、その遊技機をコンピュータにより機能させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、たとえば図15に示すパチンコ機が知られている。図15は、そのパチンコ機を正面から見た概略説明図である。
パチンコ機500に設けられた操作ハンドル501を操作して発射された遊技球が第1種始動口502、あるいは、両翼を開放した普通電動役物503に入賞すると、特別図柄表示器504の画面上の横方向3個所において複数の図柄(たとえば、0〜9)が上下方向に変動表示される。そして、所定時間経過後に3個所に確定表示された3つの特別図柄が大当り図柄(たとえば、図15に示すような「777」)に揃うと大当りが発生し、扉式の開閉部材505が開作動し、大入賞口506が開口する。
そして、大入賞口506に遊技球が入賞すると、入賞球1個に付き、所定個数(たとえば、15個)の賞球が上受け皿507に払出される。また、大入賞口506に入賞した入賞球の数が所定数(たとえば、10個)に達するか、あるいは、大入賞口506が開口してから所定時間(たとえば、30秒)経過するか、いずれかの条件が満たされると、開閉部材505が閉作動し、大入賞口506が閉口する。さらに、大入賞口506に入賞した遊技球が大入賞口506の内部に設けられた特定領域508を通過すると、大入賞口506が連続して開口する権利が発生する。このように、大入賞口506が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、遊技球が特定領域508を通過することを条件として、複数のラウンド(たとえば、15ラウンド)の遊技を行うことができる。
ところで、上記従来のパチンコ機500の特別図柄表示器504により変動表示される図柄としては、0〜9などの数字と、各数字を装飾する絵(以下、装飾図柄という)とを組み合わせて一体化した図柄が最も多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のパチンコ機500では、装飾図柄は数字と一体化されており、単に数字を装飾するだけの役割しか果たしていないため、遊技者が直ぐに見慣れてしまい、早く飽きてしまうという問題がある。
したがって、パチンコ機メーカーは、上記問題を解決するため、数字および装飾図柄の組合せを変更した新機種を製造したり、数字と新たな装飾図柄と組み合わせた新機種を製造したりしなければならず、非常に開発コストが高くなるという問題を抱えている。
【0004】
そこでこの発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、早く飽きの来ない遊技機を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項5に記載の発明では、遊技盤に発射された遊技球が所定の領域を通過したことに基いて、複数の画像を配列した画像列を複数個所においてそれぞれ変動表示する表示装置を備えており、前記複数個所においてそれぞれ確定表示された画像が所定の組合せである場合に遊技者に所定の利益を付与する遊技機において、前記表示装置は、画像間の識別機能を有する複数の識別画像を一定の規則に従って配列した識別画像列を変動表示する機能と、前記識別画像を装飾する複数の装飾画像を表示する機能と、前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて表示する機能と、組み合わせて表示された前記識別画像および前記装飾画像を分離する機能と、前記識別画像を拡大するとともに前記装飾画像を縮小して変動表示する機能と、前記装飾画像を拡大するとともに前記識別画像を縮小して表示する機能とを有するという技術的手段を用いる。
【0006】
つまり、表示装置は、組み合わせて表示された識別画像および装飾画像を分離する機能と、識別画像を拡大するとともに装飾画像を縮小して変動表示する機能と、装飾画像を拡大するとともに識別画像を縮小して表示する機能とを有するため、識別画像および装飾画像が常に一体化されている従来の遊技機では味わうことのできない新鮮味のある遊技を楽しむことができる。
したがって、従来の遊技機よりも早く飽きの来ない遊技機を実現できる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて変動表示し、複数個所において確定表示される前記識別画像と前記装飾画像との組合せのうち、1組以外が所定の組合せを満足し、前記1組が変動表示されている場合に前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示する機能を備えるという技術的手段を用いる。
【0008】
つまり、表示装置は、複数個所において確定表示される前記識別画像と前記装飾画像との組合せのうち、1組以外が所定の組合せを満足し、前記1組が変動表示されている場合に識別画像と装飾画像とを分離して変動表示することができるため、遊技者は、識別画像と装飾画像とが分離して変動表示された場合に、複数個所において確定表示される識別画像と装飾画像との組合せが、上記所定の組合せに近いものになることを予測することができる。
なお、1組以外が所定の組合せを満足し、前記1組が変動表示されている場合とは、たとえば同一の識別画像および装飾画像の組合せが3つ揃った場合の組合せを上記所定の組合せとした場合に、2組同一の組合せが揃っており、残りの1組が決まっていない状態、いわゆるリーチの状態をいう。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行うときに前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて表示する機能を備えるという技術的手段を用いる。
【0010】
つまり、表示装置は、識別画像と装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行うときに識別画像と装飾画像とを組み合わせて表示することができるため、遊技者は、分離して変動表示されていた識別画像と装飾画像とが組み合わされるのを見ることにより、仮の確定表示が行われることを予測することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行った後に、前記遊技者に所定の利益が付与される信頼度に対応して前記識別画像および前記装飾画像の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示する機能を備えるという技術的手段を用いる。
【0012】
つまり、表示装置は、識別画像と装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行った後に、遊技者に所定の利益が付与される信頼度に対応して識別画像および装飾画像の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示することができるため、遊技者は、識別画像および装飾画像の一方が拡大されるとともに他方が縮小されて表示されたのを見ることにより、上記信頼度を予測することができる。
なお、信頼度とは、たとえば図柄表示器の3つの表示領域に「7」がそれぞれ表示された場合を大当りとすると、2つの表示領域に「7」が表示されており、残りの1つの表示領域に「7」が確定表示される確率を意味する。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行った後に、前記所定の利益の内容に対応して前記識別画像および前記装飾画像の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示する機能を備えるという技術的手段を用いる。
【0014】
つまり、表示装置は、識別画像と装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行った後に、遊技者に付与される所定の利益の内容に対応して識別画像および装飾画像の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示することができるため、遊技者は、識別画像および装飾画像の一方が拡大されるとともに他方が縮小されて表示されたのを見ることにより、上記所定の利益の内容を予測することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る遊技機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に記載する各実施形態では、この発明に係る遊技機として第1種のパチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2が開閉可能に備えられており、その前枠2には、ガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4開閉用の鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内部には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置(図示省略)を操作するための発射ハンドル15が回動可能に取付けられている。
ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞球・貸球供給口6aの供給側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。また、遊技盤5の上方には、枠ランプ9が設けられており、下受け皿7の左側には、灰皿7bが設けられている。
【0020】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について、それを示す図2を参照して説明する。
遊技盤5の略中央には、センターケース30が取付けられており、センターケース30には、図柄表示器32aが設けられている。また、センターケース30には、図柄表示器32aが特別図柄の変動表示を開始可能な回数として記憶されている数(以下、特別図柄始動記憶数と称する)を表示する4個のLEDから構成された特別図柄始動記憶表示LED31と、図柄表示器32aが普通図柄の変動表示を開始可能な回数(以下、普通図柄始動記憶数と称する)として記憶されている数を表示する4個のLEDから構成された普通図柄始動記憶表示LED33とが設けられている。
また、センターケース30の右側には、遊技球の通過により図柄表示器32aに普通図柄を表示する機能を有する普通図柄作動右ゲート25が設けられており、センターケース30の左側には、同じく遊技球の通過により図柄表示器32aに普通図柄を表示する機能を有する普通図柄作動左ゲート26が設けられている。センターケース30の下方には、遊技球の入賞により、図柄表示器32aに識別図柄および装飾図柄を変動表示する機能を有する第1種始動口27が設けられており、この第1種始動口27の下部には、普通図柄の抽選の結果が当りであった場合に両翼を開放する普通電動役物47が設けられている。両翼を開放した普通電動役物47は、第1種始動口27と同様に図柄表示器32aに特別図柄を変動表示する機能を備えている。普通電動役物47の下方には、図柄表示器32aの3個所の表示領域に確定表示された識別図柄が大当り図柄であった場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。
【0021】
変動入賞装置40には、大当りの発生時に開放動作して大入賞口41を開口する開閉部材43が開閉可能に取り付けられている。また、変動入賞装置40の内部には、遊技球の通過により開閉部材43を連続して開放動作させる機能を有する特定領域と、この特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図9に符号41bで示す)と、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域ソレノイド(図9に符号41cで示す)とが設けられている。
遊技盤5の上方の両角部には、LEDにより装飾されたコーナー飾り11が設けられており、遊技盤5の両側には、LEDにより装飾されたサイド飾り20がそれぞれ設けられている。右側のサイド飾り20には、右袖入賞口12と、右下入賞口45とが設けられており、左側のサイド飾り20には、左袖入賞口13と、左下入賞口44とが設けられている。
さらに、遊技盤5には、風車24,24と、発射された遊技球を遊技領域へ案内するレール16と、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口14とが設けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘17が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘17の間を乱舞しながら落下し、普通図柄作動ゲート25,26を通過したり、第1種始動口27や各入賞口に入賞したり、あるいはアウト口14から回収されたりする。
【0022】
[図柄表示器32aの機能]
次に、図柄表示器32aの機能について図3ないし図8を参照して説明する。
図3は、識別図柄および装飾図柄の組合せの一例を示す説明図である。図4(A)は、前回の抽選結果を示す識別図柄および装飾図柄の組合せが確定表示されている状態の一例を示す説明図であり、図4(B)は、識別図柄および装飾図柄が相互に分離して移動する様子を示す説明図であり、図4(C)は、分離した識別図柄および装飾図柄がそれぞれ個別に変動表示している様子を示す説明図である。図5(D)は、左図柄を構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図5(E)は、左図柄および右図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定してリーチになりつつある状態を示す説明図であり、図5(F)は、全図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図5(G)は、全図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
図6(A)は、前回の抽選結果を示す識別図柄および装飾図柄の組合せが確定表示されている状態の一例を示す説明図であり、図6(B)は、識別図柄および装飾図柄が相互に分離して移動する様子を示す説明図であり、図6(C)は、分離した識別図柄および装飾図柄がそれぞれ個別に変動表示している様子を示す説明図である。図7(D)は、左図柄を構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図7(E)は、左図柄および右図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図7(F)は、全図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図7(G)は、識別図柄および装飾図柄が組み合わされた状態で全図柄が確定表示されつつある状態を示す説明図である。図8(H)は、全図柄が仮に確定表示された状態を示す説明図であり、図8(I)は、装飾画像が拡大されるとともに識別図柄が縮小されて確定表示された状態を示す説明図であり、図8(J)は、識別図柄が拡大されるとともに装飾図柄が縮小されて確定表示された状態を示す説明図である。
以下の説明では、図柄表示器32aの画面の横方向の3個所においてそれぞれ変動表示される複数の図柄を配列したものを向かって左側から順に左図柄列、中図柄列および右図柄列と称する。また、各図柄列を構成する1個の図柄を左図柄、中図柄および右図柄と称する。さらに、画面に確定表示された図柄を向かって左から順に左確定図柄、中確定図柄、右確定図柄と称する。なお、確定表示とは、最終的に確定した図柄を表示したという意味であり、確定表示の態様には、変動が完全に停止した状態、完全に停止しないで上下または左右に振動している状態、回転している状態などの態様が含まれる。
【0023】
(図柄の種類)
図柄表示器32aは、図3に示すように、識別図柄および装飾図柄から構成される特別図柄を変動表示する。この実施形態では、識別図柄B0〜B9は、「0」〜「9」の計10個の数字を表現した図柄である。また、この実施形態では、装飾図柄A0〜A9は、熊を表現した装飾図柄A0、提灯アンコウを表現した装飾図柄A1、翼竜を表現した装飾図柄A2、自動車を表現した装飾図柄A3、船を表現した装飾図柄A4、飛行機を表現した装飾図柄A5、恐竜を表現した装飾図柄A6、石鯛を表現した装飾図柄A7、カエルを表現した装飾図柄A8および人間を表現した装飾図柄A9の計10個から構成される。
そして、大当りかハズレかの抽選の結果に対応して識別図柄の組合せを決定する。たとえば、大当りの場合には、識別図柄および装飾図柄の同一の組合せを3組揃えた図柄に決定する。たとえば、図5(G)に示すように、識別図柄「3」および装飾図柄「自動車」の組合せを3組揃えた図柄に決定する。また、ハズレの場合には、識別図柄および装飾図柄の組合せが不揃いとなった3組の図柄に決定する。たとえば、識別図柄「3」および装飾図柄「自動車」の組合せが左確定図柄および右確定図柄であり、識別図柄「4」および装飾図柄「船」の組合せが中確定図柄とする内容の図柄に決定する。
【0024】
(変動表示から確定表示)
(1)図4(A)に示すように、図柄表示器32aには、前回の抽選結果が確定表示されている。図示の例では、識別図柄B0および装飾図柄A0を組み合わせた左確定図柄と、識別図柄B1および装飾図柄A1を組み合わせた中確定図柄と、識別図柄B2および装飾図柄A2を組み合わせた右確定図柄とが確定表示されている。また、各識別図柄は、それぞれ装飾図柄の右下部分に一体的に確定表示されている。図示の例は、3つの識別図柄の組合せが「012」であり、前回の抽選結果がハズレであったことを示している。
【0025】
(2)遊技球が第1種始動口27または両翼を開放した普通電動役物47に入賞すると、図4(B)に示すように、識別図柄B0および装飾図柄A0、識別図柄B1および装飾図柄A1、識別図柄B2および装飾図柄A2は、それぞれ図中矢印で示す方向に移動して相互に分離し、図4(C)に示すように、各分離した識別図柄および装飾図柄は、それぞれ分離した位置で変動表示する。図示の例では、識別図柄B0、B1およびB3は、それぞれ画面の右斜め下方に移動し、装飾図柄A0、A1およびA2は、それぞれ画面の左斜め上方に移動している。また、図4(C)の中に表示された矢印は、図柄がその位置にて変動表示していることを示す。たとえば、装飾図柄の配列が、図3に示すように装飾図柄A0〜A9の順序であるとすると、変動開始時に装飾図柄A0が表示されている左図柄は、A0、A1、A2・・A9のに順に変動表示され、変動開始時に装飾図柄A1が表示されている中図柄は、A1、A2、A3・・A9、A0の順に変動表示され、変動開始時に装飾図柄A2が表示されている右図柄は、A2、A3、A4・・A9、A0、A1の順に変動表示される。
また、識別図柄の配列が、図3に示すように識別図柄B0〜B9の順序であるとすると、変動開始時に識別図柄「0」が表示されている左図柄は、0、1、2・・9の順に変動表示され、変動開始時に識別図柄「1」が表示されている中図柄は、1、2、3・・9、0の順に変動表示され、変動開始時に識別図柄「2」が表示されている右図柄は、2、3、4・・9、0、1の順に変動表示される。
このように、識別図柄および装飾図柄は、それぞれ分離された状態で変動表示するため、遊技者は、従来のパチンコ機では味わうことのできない新鮮味のある遊技を楽しむことができる。
【0026】
(3)そして変動開始から所定時間(たとえば7秒)が経過すると、図5(D)に示すように、左図柄を構成する装飾図柄A3が変動を停止して、画面の左側における上下方向の中間位置に移動し、3つの識別図柄B3は、それぞれ表示領域を縮小した状態に変化して画面の右下部分に移動し、左図柄を構成する識別図柄B3が変動を停止する。
続いて、左図柄の停止から所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図5(E)に示すように、右図柄を構成する装飾図柄A3が変動を停止して、画面の右側における上下方向の中間位置へ移動し、右図柄を構成する識別図柄B3が変動を停止する。図示の例では、左図柄および右図柄が、共に識別図柄「3」および装飾図柄「自動車」の組合せであるリーチの状態になっている。
【0027】
続いて、右図柄の停止から所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図5(F)に示すように、中図柄を構成する装飾図柄A3が変動を停止して画面の中央に移動し、中図柄を構成する識別図柄B3が変動を停止する。これにより、3つの識別図柄B3および3つの装飾図柄A3がそれぞれ分離して停止した状態になる。
続いて、中図柄の停止から所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図5(G)に示すように、画面の右下部分にて停止していた3つの識別図柄B3が、それぞれ拡大表示しながら装飾図柄A3の方向へ移動し、各識別図柄B3は、それぞれ装飾図柄A3の右下角部に重なって一体化された状態で停止する。これにより、識別図柄B3および装飾図柄A3が3組揃って確定表示された状態になる。
なお、図5(G)に示す例では、識別図柄「3」および装飾図柄「自動車」の組合せが3つ揃った大当り図柄が確定表示されている。
【0028】
(確変大当り)
図柄表示器32aは、識別図柄および装飾図柄を確定表示する際に、両図柄のどちらを拡大するとともに他方を縮小して表示するかにより、通常の大当りであるか確変大当りであるかを表示する機能を備える。ここで、確変とは、大当りの遊技が終了した後の遊技状態が大当りの発生する確率が高い遊技状態に変化することをいい、確変大当りとは、確変に変化することが約束された大当りのことをいう。また、確変大当りではない大当りを通常の大当りという。
(1)図6(A)に示すように、図柄表示器32aには、前回の抽選結果が確定表示されている。図示の例では、識別図柄B0および装飾図柄A0を組み合わせた左確定図柄と、識別図柄B1および装飾図柄A1を組み合わせた中確定図柄と、識別図柄B2および装飾図柄A2を組み合わせた右確定図柄とが確定表示されている。また、各識別図柄は、それぞれ装飾図柄の右下部分に一体的に確定表示されている。図示の例は、3つの識別図柄の組合せが「012」であり、前回の抽選結果がハズレであったことを示している。
【0029】
(2)遊技球が第1種始動口27または両翼を開放した普通電動役物47に入賞すると、図6(B)に示すように、識別図柄B0および装飾図柄A0、識別図柄B1および装飾図柄A1、識別図柄B2および装飾図柄A2は、それぞれ図中矢印で示す方向に移動して相互に分離し、図6(C)に示すように、各分離した識別図柄および装飾図柄は、それぞれ分離した位置で変動表示する。図示の例では、識別図柄B0、B1およびB3は、それぞれ画面の右斜め下方に移動し、装飾図柄A0、A1およびA2は、それぞれ画面の左斜め上方に移動している。また、図6(C)の中に表示された矢印は、図柄がその位置にて変動表示していることを示す。たとえば、装飾図柄の配列が、図3に示すように装飾図柄A0〜A9の順序であるとすると、変動開始時に装飾図柄A0が表示されている左図柄は、A0、A1、A2・・A9のに順に変動表示され、変動開始時に装飾図柄A1が表示されている中図柄は、A1、A2、A3・・A9、A0の順に変動表示され、変動開始時に装飾図柄A2が表示されている右図柄は、A2、A3、A4・・A9、A0、A1の順に変動表示される。
また、識別図柄の配列が、図3に示すように識別図柄B0〜B9の順序であるとすると、変動開始時に識別図柄「0」が表示されている左図柄は、0、1、2・・9の順に変動表示され、変動開始時に識別図柄「1」が表示されている中図柄は、1、2、3・・9、0の順に変動表示され、変動開始時に識別図柄「2」が表示されている右図柄は、2、3、4・・9、0、1の順に変動表示される。
このように、識別図柄および装飾図柄は、それぞれ分離された状態で変動表示するため、遊技者は、従来のパチンコ機では味わうことのできない新鮮味のある遊技を楽しむことができる。
【0030】
(3)そして変動開始から所定時間(たとえば7秒)が経過すると、図7(D)に示すように、分離した位置にて変動表示していた3つの装飾図柄は、それぞれ縮小された状態で画面の上方中央付近に移動して変動表示され、分離した位置にて変動表示していた3つの識別図柄は、それぞれ拡大された状態で画面の中央付近に移動して変動表示される。
そして最初に、左図柄を構成する装飾図柄として、装飾図柄A7(図3)を縮小表示した装飾図柄A7aが変動を停止し、左図柄を構成する識別図柄として、識別図柄B7(図3)を拡大表示した識別図柄B7aが変動を停止する。
(4)続いて、左図柄の停止から所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図7(E)に示すように、右図柄を構成する装飾図柄として、装飾図柄A7(図3)を縮小表示した装飾図柄A7aが変動を停止し、右図柄を構成する識別図柄として、識別図柄B7(図3)を拡大表示した識別図柄B7aが変動を停止する。図示の例では、左図柄および右図柄が、共に識別図柄「7」および装飾図柄「石鯛」の組合せであるリーチの状態になっている。
【0031】
続いて、右図柄の停止から所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図7(F)に示すように、中図柄を構成する装飾図柄として、装飾図柄A7(図3)を縮小表示した装飾図柄A7aが変動を停止し、中図柄を構成する識別図柄として、識別図柄B7(図3)を拡大表示した識別図柄B7aが変動を停止する。これにより、3つの識別図柄B7aおよび3つの装飾図柄A7aがそれぞれ分離して停止した状態になる。
続いて、中図柄の停止から所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図7(G)に示すように、画面の上方にて停止していた3つの装飾図柄A7aが、それぞれ下方へ移動し、それぞれ識別図柄B7aの左上角部に重なって一体化された状態で停止する。
【0032】
(5)続いて所定時間(たとえば1秒)が経過すると、図8(H)に示すように、識別図柄B7aは縮小する前の大きさの識別図柄B7に復元され、装飾図柄A7aは、拡大する前の大きさの装飾図柄A7に復元される。これにより、識別図柄B7および装飾図柄A7が3組揃って仮に確定表示された状態になる。
(6)続いて、仮に確定表示されてから所定時間(たとえば1秒)が経過すると、識別図柄B7および装飾図柄A7は、図8(I)または図8(J)に示す表示態様に変化する。この実施形態では、通常の大当りの場合には、図8(I)に示すように、3つの装飾図柄A7は、それぞれ拡大された装飾図柄A7bに変化し、3つの識別図柄B7は、それぞれ縮小された識別図柄B7bに変化する。また、確変大当りの場合には、図8(J)に示すように、3つの装飾図柄A7は、それぞれ縮小された装飾図柄A7aに変化し、3つの識別図柄B7は、それぞれ拡大された識別図柄B7aに変化する。
つまり、通常の大当りの場合には、装飾図柄が拡大されるとともに識別図柄が縮小されて確定表示され、確変大当りの場合には、識別図柄が拡大されるとともに装飾図柄が縮小されて確定表示されるため、遊技者は、識別図柄および装飾図柄のどちらが拡大されて確定表示されているかを識別することにより、通常大当りか確変大当りかを判断することができる。
なお、図柄表示器32aは、画面上に設定された普通図柄表示部321において普通図柄の変動表示および確定表示を行う。
【0033】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図9を参照して説明する。
パチンコ機1には、主基板100が設けられており、この主基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110には、普通図柄の当りかハズレかの判定、特別図柄の大当りかハズレかの判定、大当りの遊技におけるラウンドの制御などの遊技の主な制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御などを実行するためのコンピュータプログラムなどが記録されたROM114と、遊技球が普通図柄作動右ゲート25または普通図柄作動左ゲート26を通過したことの検出結果、遊技球が第1種始動口27または両翼を開放した普通電動役物47に入賞したことの検出結果などの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出されたコンピュータプログラムなどを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が第1種始動口27または両翼を開放した普通電動役物47に入賞したことを検出する第1種始動口スイッチ27a、図柄制御装置32、LEDやランプ類を制御するランプ制御装置300、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基板200、遊技中の効果音などを制御する音声制御装置79、遊技球の普通図柄作動ゲートの通過、第1種始動口27の通過、大当りの発生などの遊技中に発生した各種の遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたコンピュータ(図示省略)へ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0034】
払出制御基板200には、主基板100から送信される制御コマンドを受信するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
【0035】
遊技枠中継基板53には、満杯検出スイッチ72、賞球切れ検出スイッチ73およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物47の両翼を開閉動作させる普通電動役物ソレノイド47a、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ26a、大入賞口に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右袖入賞口12に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ12a、左袖入賞口13に入賞した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ13a、右下入賞口45に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ45a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ44aおよび大入賞口中継基板50である。
大入賞口中継基板50には、特定領域スイッチ41b、特定領域ソレノイド41cおよび開閉部材43を開閉駆動する大入賞口ソレノイド43aが電気的に接続されている。電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読取る装置などを備える遊技機外装置部分71と電気的に接続されている。また、電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板、装置および発射スイッチ15dなどへ必要電源を供給する。
【0036】
[図柄制御装置32の電気的構成]
次に、図柄制御装置32の主な電気的構成について、それをブロックで示す図10を参照して説明する。
図柄制御装置32は、図柄表示器32a、液晶インバータ基板32b、液晶アナログ基板32cおよび図柄制御基板32dを備える。図柄制御基板32dに搭載されたキャラクタROM32iには、図3に示した識別図柄、装飾図柄、背景画像、普通図柄を変動表示するための動画、大当りの発生を祝う演出画像、大当り遊技中の演出画像、客待ち状態の演出画像などを図柄表示器32aに表示するための画像データが記録されている。
図柄制御基板32dに搭載されたサブCPU32eは、主基板100からライン100aを介して送出されてきた画像制御コマンドを受信するとともに、その受信した画像制御コマンドの内容をROM32fに記録されたコンピュータプログラムに従って解析する。
続いてサブCPU32eは、その解析結果をVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32gへ送出し、VDP32gは、キャラクタROM32iから上記解析結果に対応した普通図柄、特別図柄、背景画像などを読出す。VDP32gは、キャラクタROM32iから読出した普通図柄や特別図柄などを構成するドットのアドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算し、その演算結果を内蔵のパレットRAM32hに一時的に格納する。続いてVDP32gは、パレットRAM32hに格納されている演算結果に基づいてRGB信号を液晶アナログ基板32cへ送出する。続いて液晶アナログ基板32cは、取込んだRGB信号の色補正および輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板32bへ送出する。液晶インバータ基板32bは、バックライト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえば、12Vから600V)し、図柄表示器32aへ送出する。そして図柄表示器32aは、取込んだ信号に対応する液晶ドットをスイッチングして表示する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示、確定図柄の表示、背景画像などの表示などを行う。
なお、この実施形態では、図柄表示器32aは、TFT(Thin Film Transistor)を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
【0037】
[各種カウンタおよびテーブル]
次に、主基板100のROM114に記録されている各種カウンタおよびテーブルについて図11および図12を参照して説明する。
図11(A)は大当り抽選用カウンタの説明図であり、図11(B)はリーチ決定用カウンタの説明図であり、図11(C)はリーチパターン決定用カウンタの説明図である。
図12(A)は大当り図柄決定用テーブルの説明図であり、図12(B)はハズレ図柄決定用テーブルの説明図であり、図12(C)はリーチパターンテーブルの説明図である。
【0038】
図11(A)に示す大当り抽選用カウンタCt1は、大当りか否かを決定するためのカウンタであり、複数の数値、この実施形態では「0」〜「299」の計300個の数値をカウントし、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときに大当り抽選用カウンタCt1がカウントしているカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値が大当り値であるか否かを判定する。たとえば、大当り値が「7」に設定されている場合は、取得したカウント値が「7」であったときに大当りが発生する。
図11(B)に示すリーチ決定用カウンタCt2は、リーチ状態になる変動パターンを実行するかリーチ以外の通常の変動パターンを実行するかを決定するために用いるカウンタであり、複数の数値、この実施形態では「0」〜「15」の計16の数値をカウントし、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときにリーチ決定用カウンタCt2がカウントしているカウント値を1つ取得する。たとえば、カウント値「0〜7」のうちのいずれかを取得した場合にリーチパターンを実行する。
【0039】
図11(C)に示すリーチパターン決定用カウンタCt3は、リーチ決定用カウンタCt2によりリーチ状態になる変動パターンを実行することが決定された場合に、リーチパターンの種類を決定するために用いるカウンタであり、複数の数値、この実施形態では「0」〜「49」の計50の数値をカウントし、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときにリーチパターン決定用カウンタCt3がカウントしているカウント値を1つ取得する。
図11(D)に示す信頼度決定用カウンタCt4は、リーチ決定用カウンタCt2によりリーチ状態になる変動パターンを実行することが決定された場合に、大当りに対する信頼度を決定するためのカウンタであり、複数の数値、この実施形態では「0」〜「99」の計100個の数値をカウントし、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときに信頼度決定用カウンタCt4がカウントしているカウント値を1つ取得する。
【0040】
図12(A)に示す大当り図柄決定用テーブルTb1は、大当り抽選用カウンタCt1による抽選結果が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するためのテーブルである。大当り図柄決定用テーブルTb1は、複数の数値、この実施形態では、カウンタがカウントする「0」〜「9」の計10個の数値と、「A0B0」〜「A9B9」の計10種類の大当り図柄とを対応付けて構成されており、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときにカウンタがカウントしているカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄に決定する。
たとえば、取得したカウント値が「7」であった場合は、大当り識別図柄を「A7B7」、つまり識別図柄「7」および装飾図柄「石鯛」の組合せ(図8)に決定する。
図12(B)に示すハズレ図柄決定用テーブルTb2は、大当り抽選用カウンタCt1による抽選結果がハズレであった場合に、ハズレ図柄を決定するためのテーブルである。ハズレ図柄決定用テーブルTb2は、複数の数値、この実施形態では、カウンタがカウントする「0」〜「9」の計10個の数値と、「A0B0」〜「A9B9」の計10種類のハズレ図柄とを対応付けて構成されており、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときにカウンタがカウントしているカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄に決定する。
たとえば、取得したカウント値が「3」であった場合は、ハズレ図柄を「A3B3」、つまり識別図柄「3」および装飾図柄「自動車」に決定する。なお、ハズレ図柄の決定は、左図柄、中図柄および右図柄に対して1回ずつ行い、計3組のハズレ図柄を決定する。
【0041】
図12(C)に示すリーチパターンテーブルTb3は、リーチパターンの種類を設定したテーブルである。この実施形態では、リーチパターンの種類として、通常リーチ、ロングリーチ、スペシャルリーチおよびプレミアムリーチの計4種類が設定されている。
各リーチパターンには、リーチパターン決定用カウンタCt3によりカウントされるカウント値「0」〜「49」が対応付けられている。通常リーチには、カウント値「0」〜「29」が対応付けられており、ロングリーチには、カウント値「30」〜「44」が対応付けられている。スペシャルリーチには、カウント値「45」〜「48」が対応付けられており、プレミアムリーチには、カウント値「49」が対応付けられている。
つまり、通常リーチが出現する確率は、30/50であり、ロングリーチが出現する確率は15/50である。また、スペシャルリーチが出現する確率は、4/50であり、プレミアムリーチが出現する確率は、1/50である。このように、通常リーチ、ロングリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチの順に出現する確率が低くなっており、プレミアムリーチが、めったに出現しないリーチとなっている。
【0042】
[遊技の主な流れ]
次に、遊技の主な流れについて図13および図14を参照して説明する。
図13は、メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。図14は、メインCPU112が実行する特別図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
(第1種始動口処理)
遊技球が第1種始動口27または両翼を開放した普通電動役物47(図2)に入賞し、第1種始動口スイッチ27a(図9)がONすると、メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27aがONしたと判定する(図13のステップ(以下、Sと略す)10:Yes)。続いてメインCPU112は、特別図柄始動記憶数U2が「4」未満であるか否かを判定し(S12)、「4」未満であると判定すると(S12:Yes)、特別図柄始動記憶数U2に「1」を加算し(S14)、大当り抽選用カウンタCt1(図11(A))のカウント値を1つ取得し(S16)、その取得したカウント値をRAM116に一時的に格納する(S18)。
なお、上記第1種始動口処理は、ROM114に記録されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0043】
(特別図柄変動処理)
メインCPU112は、図柄制御装置32へ特別図柄の制御コマンドを送信しているか否か、つまり特別図柄が変動中であるか否かを判定し(図14のS30)、変動中でないと判定すると(S30:No)、特別図柄始動記憶数U2が「1」以上であるか否かを判定する(S32)。ここで、特別図柄始動記憶数U2が「1」以上であると判定すると(S32:Yes)、特別図柄始動記憶数U2から「1」を減算する(S34)。続いてメインCPU112は、第1種始動口処理のS18(図13)においてRAM116に一時的に格納したカウント値を読出す(S36)。続いてメインCPU112は、遊技状態が確変に変化していることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し(S38)、セットされている場合は(S38:Yes)、高確率用の大当り値が設定されている大当り値テーブルを参照し(S40)、セットされていない場合は(S38:No)、通常確率用の大当り値が設定されている大当り値テーブルを参照する(S42)。たとえば、高確率用の大当り値テーブルには、「7」、「27」、「57」、「157」および「257」の5つの大当り値が設定されており、通常の大当り値テーブルには、1つの大当り値「7」が設定されている。つまり、確変の条件下では、大当りの発生確率が通常の5倍に設定されている。
【0044】
続いてメインCPU112は、S36において読出したカウント値と同一の大当り値が、参照した大当り値テーブルに設定されているか否かに基づいて、大当りかハズレかを判定する(S44)。ここで、大当りと判定すると(S44:Yes)、大当り図柄決定用テーブルTb1(図12(A))を用いて大当り図柄を決定し(S46)、ハズレと判定した場合は(S44:No)、ハズレ図柄決定用テーブルTb2(図12(B))を用いてハズレ図柄を決定する(S48)。
S46において大当り図柄を決定した場合は、その決定した大当り図柄が確変図柄であるか否かを判定する(S50)。ここで、確変図柄とは、今回の大当りにより行った遊技が終了した次の遊技が確変になる権利が発生する大当り図柄をいう。たとえば、「A3B3」、「A7B7」などのよう識別図柄が奇数の大当り図柄を確変図柄に設定する。
【0045】
ここで、確変図柄であると判定すると(S50:Yes)、確変になる権利が発生したことを示す確変フラグをセットし(S52)、リーチ決定用カウンタCt2(図11(B))を用いて変動パターンがリーチパターンであるか、リーチパターン以外の通常停止パターンであるかを決定する(S54)。続いてメインCPU112は、決定した変動パターンがリーチパターンであるか否かを判定し(S56)、リーチパターンである場合は(S56:Yes)、リーチパターン決定用カウンタCt3(図11(C))およびリーチパターンテーブルTb3(図12(C))を用いてリーチパターンを決定する(S58)。また、リーチパターンでない場合は(S56:No)、通常停止パターンに決定する(S60)。
続いてメインCPU112は、S58またはS60にて決定した変動パターンに対応する特別図柄変動時間(特別図柄が変動表示を開始してから全図柄が確定表示されるまでに要する時間)の計測を開始し(S62)、特別図柄の変動開始を指示する特別図柄変動開始コマンドを図柄制御装置32へ送信する(S64)。その特別図柄変動開始コマンドには、S46にて決定した大当り図柄、または、S48にて決定したハズレ図柄、S58またはS60にて決定した変動パターンなどを指示する制御コマンドが含まれている。そして、メインCPU112から送信されてきた特別図柄変動開始コマンドを受信した図柄制御装置32は、その受信した特別図柄変動開始コマンドに基いて、図柄表示器32aの画面上に特別図柄の変動表示を開始する。ここで、図柄表示器32aは、リーチパターンが指示されている場合は、図6(B)に示したように、識別図柄および装飾図柄を相互に分離し、それぞれ分離した位置にて変動表示を行う。また、通常停止パターンが指示されている場合は、図6(A)に示したように、識別図柄および装飾図柄が組み合わされた状態で変動表示する。
【0046】
そして、メインCPU112は、S58にて計測を開始した特別図柄変動時間がタイムアップしたと判定すると(S66:Yes)、特別図柄の変動表示を停止させる制御コマンドを示す変動停止コマンドを図柄制御装置32へ送信し(S68)、計測時間をリセットする(S70)。これにより、図柄表示器32aは、識別図柄および装飾図柄の変動停止処理を行い、メインCPU112がS46にて決定した大当り図柄、あるいはS48にて決定したハズレ図柄を確定表示する。ここで、リーチパターンが指示されている場合は、左確定図柄および右確定図柄を表示した状態で中図柄を変動表示させ、中図柄が左確定図柄および右確定図柄と同一の図柄で停止するか否か、遊技者をハラハラドキドキさせる演出を行い(図7(E))、相互に離れた位置にて変動表示していた識別図柄および装飾図柄を再度組合せ(図7(G))、仮の確定表示を行う(図8(H))。
そしてメインCPU112がS52にて確変フラグをセットしている場合は、図8(J)に示したように、識別図柄を拡大するとともに装飾図柄を縮小して確定表示し、確変フラグをセットしていない場合は、図8(I)に示したように、装飾図柄を拡大するとともに識別図柄を縮小して確定表示する。
なお、上記特別図柄変動処理は、ROM114に記録されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0047】
[実施形態の効果]
(1)以上のように、上記実施形態のパチンコ機1を使用すれば、図柄表示器32aは、組み合わせて表示された識別図柄および装飾図柄を分離する機能と、識別図柄を拡大するとともに装飾図柄を縮小して変動表示する機能と、装飾図柄を拡大するとともに識別図柄を縮小して表示する機能とを有するため、識別図柄および装飾図柄が常に一体化されている従来のパチンコ機では味わうことのできない新鮮味のある遊技を楽しむことができる。
したがって、従来のパチンコ機よりも早く飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
(2)しかも、図柄表示器32aは、変動パターンとしてリーチパターンが指示されている場合は、識別図柄および装飾図柄を分離して変動表示することができるため、遊技者は、識別図柄および装飾図柄が分離して変動表示された場合に、リーチになることを予測することができる。
(3)また、図柄表示器32aは、識別図柄および装飾図柄を分離して変動表示し、仮の確定表示を行うときに再度識別図柄および装飾図柄を組み合わせて表示することができるため、遊技者は、分離して変動表示されていた識別図柄および装飾図柄が再度組み合わされるのを見ることにより、仮の確定表示が行われることを予測することができる。
(4)さらに、図柄表示器32aは、抽選の結果が大当りであった場合に、通常の大当りか確変大当りかにより、識別図柄および装飾図柄確の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示することができるため、遊技者は、識別図柄および装飾図柄の一方が拡大されるとともに他方が縮小されて表示されたのを見ることにより、通常大当りか確変大当りかを予測することができる。
【0048】
<他の実施形態>
(1)図柄表示器32aは、遊技者に所定の利益が付与される信頼度に対応して識別図柄および装飾図柄の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示することもできる。たとえば、選択されたリーチパターンが大当りの発生する確率の高いものであるほど、識別図柄および装飾図柄の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示することもできる。これにより、遊技者は、拡大された図柄の大きさに基づいて、上記信頼度の程度を予測することができる。
この機能を備えることにより、遊技者は、識別図柄および装飾図柄の一方が拡大されるとともに他方が縮小されて表示されたのを見ることにより、上記信頼度を予測することができる。ところで、上記の表示機能を備えたパチンコ機が、請求項4に係る遊技機に対応する。
【0049】
(2)また、確変になると、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮された、いわゆる時短にもなるように制御されるパチンコ機が多いが、時短を伴わない確変、あるいは、時短のみが発生するようなパチンコ機についても、確変または時短になるか否かについてを、識別図柄および装飾図柄の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示することにより、遊技者に予告することもできる。
(3)さらに、大当り図柄の種類により、時短の条件下での特別図柄および普通図柄の両方、または一方の変動表示回数が異なるパチンコ機に対しては、その変動表示回数が多いほど、識別図柄および装飾図柄の一方を拡大して表示する程度を大きくすることもできる。
【0050】
(4)特別図柄の変動表示を開始する毎に、あるいは変動表示の所定回数毎に、識別図柄と組み合わせる装飾図柄の種類を変更することもできる。
(5)識別図柄および装飾図柄を組み合わせたり分離したりする回数は、任意の回数に設定することができる。
(6)識別図柄および装飾図柄の組合せたときの態様は、前記実施形態に記載したものに限定されるものではなく、任意の態様に設定することができる。
(7)識別図柄および装飾図柄の組合せたときの表示位置、あるいは、分離したときの識別図柄および装飾図柄の表示位置は、前記実施形態に記載したものに限定されるものではなく、任意の表示位置に設定することができる。
(8)実在しない架空のものを題材にして装飾図柄および背景画像を構成することもできる。
(9)この発明は、第1種パチンコ機以外のパチンコ機、あるいはその他の遊技機に適用することもできる。
【0051】
[各請求項と実施形態との対応関係]
第1種始動口27または両翼を開放した普通電動役物47が、請求項1に記載の所定の領域に対応し、メインCPU112および図柄制御装置32が表示装置に対応する。また、大当り図柄が所定の組合せに対応し、大当りの発生が所定の利益に対応する。さらに、識別図柄が識別画像に対応し、装飾図柄が装飾画像に対応する。
そして、図6(A)に示すように、識別図柄および装飾図柄を組み合わせて表示する機能が、請求項1に記載の「前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて表示する機能」に対応し、図6(B)に示すように、識別図柄および装飾図柄を分離して表示する機能が、「組み合わせて表示された前記識別画像および前記装飾画像を分離する機能」に対応する。また、図8(J)に示すように、識別図柄を拡大するとともに装飾図柄を縮小して変動表示する機能が、「前記識別画像を拡大するとともに前記装飾画像を縮小して変動表示する機能」に対応し、図8(I)に示すように、装飾図柄を拡大するとともに識別図柄を縮小して表示する機能が、「前記装飾画像を拡大するとともに前記識別画像を縮小して表示する機能」に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態に係るパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
【図2】 図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】 識別図柄および装飾図柄の組合せの一例を示す説明図である。
【図4】 図4(A)は、前回の抽選結果を示す識別図柄および装飾図柄の組合せが確定表示されている状態の一例を示す説明図であり、図4(B)は、識別図柄および装飾図柄が相互に分離して移動する様子を示す説明図であり、図4(C)は、分離した識別図柄および装飾図柄がそれぞれ個別に変動表示している様子を示す説明図である。
【図5】 図5(D)は、左図柄を構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図5(E)は、左図柄および右図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定してリーチになりつつある状態を示す説明図であり、図5(F)は、全図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図5(G)は、全図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図6】 図6(A)は、前回の抽選結果を示す識別図柄および装飾図柄の組合せが確定表示されている状態の一例を示す説明図であり、図6(B)は、識別図柄および装飾図柄が相互に分離して移動する様子を示す説明図であり、図6(C)は、分離した識別図柄および装飾図柄がそれぞれ個別に変動表示している様子を示す説明図である。
【図7】 図7(D)は、左図柄を構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図7(E)は、左図柄および右図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図7(F)は、全図柄をそれぞれ構成する識別図柄および装飾図柄が確定しつつある状態を示す説明図であり、図7(G)は、識別図柄および装飾図柄が組み合わされた状態で全図柄が確定表示されつつある状態を示す説明図である。
【図8】 図8(H)は、全図柄が仮に確定表示された状態を示す説明図であり、図8(I)は、装飾図柄が拡大されるとともに識別図柄が縮小されて確定表示された状態を示す説明図であり、図8(J)は、識別図柄が拡大されるとともに装飾図柄が縮小されて確定表示された状態を示す説明図である。
【図9】 パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図10】 図柄制御装置32の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図11】 図11(A)は大当り抽選用カウンタの説明図であり、図11(B)はリーチ決定用カウンタの説明図であり、図11(C)はリーチパターン決定用カウンタの説明図である。
【図12】 図12(A)は大当り図柄決定用テーブルの説明図であり、図12(B)はハズレ識別図柄決定用テーブルの説明図であり、図12(C)はリーチパターンテーブルの説明図である。
【図13】 メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】 メインCPU112が実行する特別図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】 従来のパチンコ機を正面から見た概略説明図である。
Claims (5)
- 遊技盤に発射された遊技球が所定の領域を通過したことに基いて、複数の画像を配列した画像列を複数個所においてそれぞれ変動表示する表示装置を備えており、前記複数個所においてそれぞれ確定表示された画像が所定の組合せである場合に遊技者に所定の利益を付与する遊技機において、前記表示装置は、画像間の識別機能を有する複数の識別画像を一定の規則に従って配列した識別画像列を変動表示する機能と、前記識別画像を装飾する複数の装飾画像を表示する機能と、前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて表示する機能と、組み合わせて表示された前記識別画像および前記装飾画像を分離する機能と、前記識別画像を拡大するとともに前記装飾画像を縮小して変動表示する機能と、前記装飾画像を拡大するとともに前記識別画像を縮小して表示する機能とを有することを特徴とする遊技機。
- 前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて変動表示し、複数個所において確定表示される前記識別画像と前記装飾画像との組合せのうち、1組以外が所定の組合せを満足し、前記1組が変動表示されている場合に前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行うときに前記識別画像と前記装飾画像とを組み合わせて表示する機能を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
- 前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行った後に、前記遊技者に所定の利益が付与される信頼度に対応して前記識別画像および前記装飾画像の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示する機能を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の遊技機。
- 前記表示装置は、前記識別画像と前記装飾画像とを分離して変動表示し、仮の確定表示を行った後に、前記所定の利益の内容に対応して前記識別画像および前記装飾画像の一方を拡大するとともに他方を縮小して表示する機能を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機。
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