JP3934564B2 - 高温再生器及びこれを備えた吸収冷温水機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希溶液から冷媒蒸気を分離して濃縮する吸収冷温水機用高温再生器及びこれを備えた吸収冷温水機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼バーナとして、例えば面形状の適正化、燃焼空間・排気ガスの一定温度化によって、振動燃焼を防止する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−147454号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、バーナの燃焼面が限定されるため、バーナ選択の自由度について配慮がされていなかった。
また、ターンダウンが広い比例制御のため排ガス温度が一定になり得ない高温再生器について配慮がされてなかった。
さらに、季節によって異なる着火前の燃焼空間の温度場の変化に対して配慮がされてなかった。
【0005】
本発明の目的は、広範囲の面燃焼バーナ、ターンダウンが広い比例制御であるため排ガス温度が一定でないボイラ、もしくは季節によって異なる着火前燃焼空間の温度場の変化などによって起こる振動燃焼を抑制することで低騒音化が図れる吸収冷温水機用高温再生器及びこれを備えた吸収冷温水機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、外筒と、該外筒内にあって該外筒との間に溶液を保持する液室を形成するように配置された内筒と、該内筒内に形成される燃焼室と、該燃焼室で水平方向に吹き出す燃焼ガスによって溶液を加熱する面燃焼バーナと、前記面燃焼バーナ面と対向するように前記燃焼室の後方側面に設けられて燃焼ガスの排気通路となるガス排気通路と、前記燃焼室内部で前記内筒の上下の液室を連通する溶液管とを備える吸収冷温水機用高温再生器において、前記燃焼室の後方側面に設けられて前記ガス排気通路へ燃焼ガスを導きかつ絞り作用をするガス流入口が、前記燃焼ガスの垂直断面の中心より下方に位置しているものである。
【0007】
より好ましくは、前記ガス排気通路内のガス流入口後流側に、水平方向に延びる筒状部材が設けられ、前記筒状部材の先端が前記燃焼室による燃焼の圧力波の節となる位置まで延長されているものである。
また、前記ガス排気通路内のガス流入口後流側に、水平方向に延びる筒状部材から屈曲してさらに垂直上方に延びる筒状部材が設けられているものである。
また、前記水平方向もしくは垂直上方に延びる筒状部材先端が、斜めに形成されているものである。
また、前記水平方向もしくは垂直上方に延びる筒状部材先端に、該筒状部材の長さを調整できる長さ調整機構が取り付けられているものである。
【0008】
上記目的を達成するため本発明に係る高温再生器を備えた吸収冷温水機は、外筒と、該外筒内にあって該外筒との間に溶液を保持する液室を形成するように配置された内筒と、該内筒内に形成される燃焼室と、該燃焼室で水平方向に吹き出す燃焼ガスによって溶液を加熱する面燃焼バーナと、前記面燃焼バーナ面と対向するように前記燃焼室の後方側面に設けられて燃焼ガスの排気通路となるガス排気通路と、前記燃焼室内部で前記内筒の上下の液室を連通する溶液管とを有するものにおいて、前記燃焼室の後方側面に設けられて前記ガス排気通路へ燃焼ガスを導きかつ絞り作用をするガス流入口が、前記燃焼ガスの垂直断面の中心より下方に位置しているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、吸収冷温水機用高温再生器の一部透視の斜視図、図2は、図1の実施例の一部を断面にした側面図、図3は、図1の実施例の一部を断面にした平面図である。
高温再生器1は、外筒101と内筒102、複数の溶液管103、燃焼用空気流入配管301、燃料ガス流入配管302、バーナ火炎口が平面状に配列された面燃焼バーナ104、溶液流入管105、溶液流出管106、蒸気流出管107、燃焼ガスの排気通路となる水平方向(高温再生器1の設置面に対して)に形成されたガス排気通路108、煙突109、ガス流入口120を備え、該ガス流入口120は前記面燃焼バーナ104のバーナ面と対向する燃焼室111(詳細は後述)の後方側面に設けられてガス排気通路108へ燃焼ガスを導き、かつ絞り作用をするものである。内筒102は外筒101の内部にあり、両者の間には溶液110が保持され、内筒102はこの溶液110に没している。面燃焼バーナ104は、内筒102を貫通して外筒101の前方側面に取り付けられ、内筒102の内部が燃焼室111となっている。
【0010】
詳しくは、前記外筒101と前記内筒102とで形成される隙間に液室112が形成されている。燃焼室111の上流から下流側まで、内筒102の上下の液室112に連通する複数の溶液管103が設置され、該溶液管103の内部は溶液110で満たされている。溶液管103は水平断面が円形または扁平形状をし、扁平形状の場合は扁平部が上流から下流側に平行に複数列に配列されている。隣り合う溶液管103の間は燃焼ガス通路となっており、燃焼ガス上流側の溶液管103にフィンを取り付けず、下流側の溶液管103の表面にはフィン(図示せず)が取り付けられている。また、使用時に流入する溶液の液面より上部の外筒101の側面には、溶液流入管105及び溶液流出管106が設けられ、さらに外筒101の上面(天井面)には冷媒蒸気が流出する蒸気流出管107が設けられている。
【0011】
面燃焼バーナ104からの火炎Fは、溶液管103に挟まれた通路をほぼ水平方向に吹き出され、溶液管103と接触することによって冷却され燃焼温度を降下させながら進む。溶液管103内の溶液110は、燃焼ガス(燃焼反応完了もしくは未完了ガスを総称)の放射と対流とにより加熱されて温度上昇する。一方その後燃焼ガスは、燃焼ガスの垂直断面の中心より下方に位置するガス流入口120により絞られて排気通路108に導かれ、排気通路108上面の煙突109から外部へ出る。加熱され沸騰した溶液110は冷媒蒸気を発生し、該冷媒蒸気は溶液管103内を上昇した後、外筒101と内筒102と間の前記液室112を上昇し、液面上方の蒸気流出管107から流出する。溶液流入管105から高温再生器1内に流入した溶液は、高温再生器1内で加熱されて沸騰し、前記冷媒蒸気を分離して濃度が濃くなって溶液流出管106から、吸収器(図示せず)などへ送られる。
【0012】
上記のように、面燃焼バーナ104に対しガス流入口120が、燃焼ガスの垂直断面中心より下方に位置しているため、面燃焼バーナ104の振動燃焼によって起こる圧力波を減衰させることができる。すなわち、火炎の微少振動と燃焼室内の固有気柱振動数とが一致して生じる振動燃焼を回避できるので、常に正常燃焼をさせることができる。したがって、低騒音化と例えば消音器などは不要となることによる低コスト化とを図ることができる。
本実施例によれば、面燃焼バーナによる振動燃焼を回避でき、低騒音化と消音器などは不要となることによる低コスト化とを図ることができる。
【0013】
図4は、本発明の他の実施例に係る高温再生器の一部を断面にした側面図であり、図5は図4の一部を断面にした平面図である。
図1の実施例と異なる点のみ説明する。ガス流入口120の後流側に、水平方向に延びる円筒121(筒状部材)が設けられている。円筒121は振動燃焼による圧力波の腹の位置に設けられるか、円筒121の先端が圧力波の節になる位置まで延長されているものである。このような構成にすることによって、図1の実施例と同様に、炎の微少振動と燃焼室内の固有気柱振動数とが一致して生じる振動燃焼を回避することができる。
本実施例によれば振動燃焼が回避され、消音効果がより向上し一層の低騒音化が図れる。
【0014】
図6は、本発明のさらに他の実施例に係る高温再生器の一部を断面にした側面図であり、図7は図6の一部を断面にした平面図である。
図4の実施例と異なる点のみ説明する。本実施例は、ガス流入口120の後流側に、水平方向に延びる円筒220aから屈曲してさらに煙突109内を垂直上方に延びる円筒220bを設けたものである。すなわち円筒220(筒状部材)を、水平方向に延びる円筒220aと垂直上方に延びる円筒220bとから構成したものである。円筒220bの先端は、圧力波の節になる位置まで延長される。このような構成にすることによって、振動燃焼による圧力波の反射を燃焼面に返さないことで、より効果的に回避することができる。
本実施例によれば、振動燃焼を、より効果的に回避できる。したがって、消音器を用いなくても常に正常燃焼させることができ、消音効果がより向上する。
【0015】
図8は、本発明のさらに他の実施例に係る高温再生器であり、(a)はその一部を断面にした側面図、(b)は筒部材先端の拡大図である。また図9は図8の一部を断面にした平面図である。
図6の実施例と異なる点のみ説明する。本実施例は、円筒221(筒状部材)を、水平方向に延びる円筒221aと垂直上方に延びる円筒221bとから構成し、円筒221bの先端が(b)に示されるように斜めにカットされたものである。振動燃焼の抑制効果は若干弱くなるが、垂直部分221bの先端の範囲が広がるため、より広範囲のターンダウンにおいて圧力波の節に対応することが可能となり、ターンダウンによる広範囲の振動燃焼に対して抑制効果を発揮することができる。
本実施例によれば、広範囲のターンダウンによる振動燃焼に対して抑制効果を発揮することができる。
なお図4の実施例においても、本実施例と同様に円筒121の先端を斜めにカットすることで、より広範囲のターンダウンに対して消音効果を向上させることができる。
【0016】
図10は、本発明のさらに他の実施例に係る高温再生器の一部断面にした側面図、図11は図10の一部断面にした平面図である。
図6の実施例と異なる点のみ説明する。本実施例は、ガス流入口120の後流側に延びる円筒220と煙突109とを直接接続したものである。前述の実施例と比較して、排気通路108を省略することができ、構造がより簡単になる。
【0017】
図12は、本発明のさらに他の実施例に係る高温再生器の一部断面にした側面図である。
図6の実施例と異なる点のみ説明する。本実施例は、円筒220の先端に、円筒220よりわずかに径が大きい円筒222(筒状部材)を挿入し、該円筒222を円筒220先端の任意の位置でねじ223によって固定できる長さ調整機構を取り付けたものである。
【0018】
本実施例によれば、円筒を任意の長さに調整することができ、調整することで煙突の形状から受ける影響に対して容易に対応することができる。
【0019】
なお円筒部材の長さを調整する機構は、図4の実施例のように円筒部材が水平方向の円筒121のみで構成される場合にも採用することができ、同様の効果が得られる。
また上記実施例は、いずれも溶液管が円形の場合についてのものであるが、扁平管であっても同様の効果が得られる。
【0020】
次に、上述の実施例の高温再生器を備えた吸収冷温水機の実施例について説明する。
図13は、本発明に係る吸収冷温水機の実施例の系統図である。
吸収冷温水機は、主たる構成要素として、高温再生器901(構造は上述のものと若干異なるが、基本構造は同じ)、低温再生器902、凝縮器903、蒸発器904、吸収器905、低温熱交換器906、高温熱交換器907、溶液循環ポンプ908、冷媒ポンプ909及び加熱用の面燃焼バーナを有している。
【0021】
高温再生器901で冷媒蒸気を発生させ、該発生した冷媒蒸気を低温熱交換器906内の伝熱管911内に流し、管外を流下する溶液と熱交換させる。該伝熱管911は凝縮器903に接続され、この接続配管には絞り912が設けられている。凝縮器903の底部には、冷媒タンク913が設置されている。
【0022】
液冷媒を凝縮器903から蒸発器904に導く冷媒液管914には、U字シール及び絞り915が介在している。凝縮器903の気相部と蒸発器904とは、弁917を介して冷媒蒸気管916により接続されており、該冷媒蒸気管916の途中にはUシール部が形成されている。冷媒管918により、フロー卜弁919を介して冷媒ポンプ909の吐出側と冷媒散布装置920とが連結されている。
【0023】
蒸発器904の下部には冷媒タンク921が設けられている。冷媒ブロー管923により、冷媒ブロー弁922を介して、蒸発器904と吸収器905の上部に形成された冷媒受け924とが連結されている。冷媒配管925により、冷媒蒸気管916のUシールの底部と気泡ポンプの気泡吹出し部926とが接続されている。
【0024】
気泡ポンプの気泡吹出し部926の上部から延び、吸収器905の上部に配置された冷媒受け924に、気泡ポンプの揚液管927が開口している。蒸発器内の冷媒散布装置920に接続された冷媒管918の途中から、気泡ポンプの気泡吹出し部926に接続される冷媒管928が分岐している。
【0025】
低温熱交換器906とエジェクタポンプ930とは、溶液戻り管929により接続されている。溶液循環ポンプ908から低温熱交換器906へ溶液を送る配管の途中から、エジェクタポンプ930へ溶液を送る溶液管931が分岐している。エジェクタポンプ930から溶液敷布装置933に、溶液管932を用いて溶液が導かれる。吸収器908の下部には溶液トレイ934が設けられており、この溶液トレイ934と吸収器下部の溶液タンク935が溶液管938により接続されている。
【0026】
冷媒散布管937により、冷媒受け924から下る冷媒が溶液トレイ934へ散布される。蒸発器904内には、蒸発伝熱管951が設置されている。該蒸発伝熱管951と室内機952との間は冷温水配管954により接続され、冷温水ポンプ953によって冷温水が循環する。吸収器905内には吸収伝熱管955が配置され、該吸収伝熱管955と凝縮器903内に配置された凝縮伝熱管956とが接続されている。これら伝熱管と冷却塔957とにより、冷却水配管959が接続される。配管内の冷却水は、冷却水ポンプ958によって循環される。
【0027】
上記構成の吸収冷温水機は、冷房時には以下の動作で運転される。
弁917及び弁922は閉となっている。吸収器905の下部にある溶液タンク935の溶液は、溶液循環ポンプ908により低温熱交換器908に送られた後、一部は高温熱交換器907を通って高温再生器901へ送られ、残りは低温再生器902へ送られて散布装置910から散布される。
【0028】
高温再生器901に送られた溶液は、バーナにより加熱されて沸騰し、冷媒蒸気を発生する。発生した冷媒蒸気は低温再生器902に送られ、伝熱管911の管内で凝縮した後、絞り912を通って凝縮器903へ送られる。この時の凝縮熱は、散布装置910から散布されて伝熱管911の管外を流下する溶液を加熱して、再び冷媒蒸気を発生させる。該発生した冷媒蒸気は凝縮器903へ送られ、凝縮伝熱管956内を流れる冷却水により冷却されて凝縮し、高温再生器901からの冷媒と合流して冷媒タンク913に溜められる。
【0029】
高温再生器901で冷媒蒸気を発生して濃縮された濃溶液は、高温再生器901から溢れてフロートボックスに流入し、その後高温熱交換器907に送られる。高温熱交換器907で吸収器905からの希溶液と熱交換して温度を下げた後、低温再生器902からの濃溶液と合流する。合流した濃溶液は、低温熱交換器906で吸収器905からの希溶液と熱交換してさらに温度を下げ、エジェクトポンプ930によって溶液戻り管929及び溶液管932を通って溶液散布装置933へ送られ、吸収器905内に散布される。散布された濃溶液は、吸収伝熱管955内を流れる冷却水により冷却されつつ蒸発器904からの冷媒蒸気を吸収して濃度が薄い稀溶液となる。稀溶液は溶液トレイ934に集められ、溶液管936を通って溶液タンク935に戻される。
【0030】
凝縮器903の下部の冷媒タンク913に溜められた液冷媒は、冷媒タンク913から溢れ出て、冷媒液管914及び絞り915を経由して蒸発器904に流入する。蒸発器904の下部に設けられた冷媒タンク921の液冷媒は、冷媒ポンプ909により冷媒管918及びフロート弁219を通って冷媒散布装置920に送られる。蒸発器904内の蒸発伝熱管951上に散布された液冷媒は、管群内を流れる冷水と熱交換して蒸発する。その際、冷水から蒸発潜熱を奪い冷凍作用が得られる。蒸発した冷媒は吸収器905へ流出し、吸収器905内を流下する濃溶液に吸収される。
【0031】
冷却塔957で冷却された冷却水は、冷却水ポンプ958により吸収器905に送られ、吸収伝熱管955で吸収熱を奪って温度上昇する。次で、凝縮器903に送られ凝縮伝熱管956で凝縮熱を奪い、さらに温度上昇する。その後、冷却水は冷却塔957に戻り、冷却される。蒸発器904内に配置された蒸発伝熱管951を流れる冷水は、冷媒の蒸発により蒸発潜熱を奪われる。そして、冷温水ポンプ953で室内機952に送られ、室内を冷房する。室内を冷房して温度上昇した冷水は、蒸発器に戻され冷媒の蒸発により再度冷却される。
【0032】
冷房運転中に冷房負荷がなくなると、吸収冷温水機に停止信号が発生する。そして、冷温水ポンプ953、冷却水ポンプ958、冷却塔957及び面燃焼バーナがただちに停止し、冷媒ポンプ909も同時に停止する。ただし、溶液ポンプ908だけはサイクル内の濃溶液を希釈するために一定時間運転が継続される。このとき、冷媒の凍結を防止するために、冷媒ブロー弁922を開き、冷媒タンク913の冷媒が冷媒ブロー配管923、冷媒受け924及び冷媒散布管937を通って溶液トレイ934に導かれる。冷媒タンクの溶液は、この溶液トレイ上に溜まった溶液と混合され、溶液を希釈する。溶液の濃度が低下すると、溶液の冷媒蒸気吸収能力が低下し、冷媒及び冷温水の凍結が防止される。
【0033】
暖房渾転時は、以下のように動作する。
暖房運転が選択されると、弁917及び弁922は開にされる。冷却水ポンプ958は停止され、吸収器901内の吸収伝熱管955及び凝縮器904内の凝縮伝熱管958への冷却水の通水は停止する。冷媒ポンプ909も停止される。
【0034】
吸収器901の下部に設けられた溶液タンク924内の溶液は、溶液循環ポンプ908により低温熱交換器906に送られる。その後、一部は高温熱交換器907を経て高温再生器901へ送られ、残りは低温再生器902の散布装置910から低温再生器902内に散布される。高温再生器901に送られた溶液は、バーナで加熱沸騰されて、冷媒蒸気を発生する。
【0035】
該発生した冷媒蒸気は、低温再生器902に送られ、この低温再生器902内に配置した伝熱管911の管内で凝縮した後、絞り912を通って凝縮器903へ送られる。発生する凝縮熱は、散布装置910から散布され伝熱管911の管外を流下する溶液を加熱する。加熱された溶液は、再び冷媒蒸気を発生する。該冷媒蒸気は、凝縮器903へ送られる。凝縮器903内に配置された管群内には冷却水が流れていないので、冷媒蒸気は凝縮液化しないまま、弁917及び冷媒蒸気管916を経由して蒸発器905に送られる。
【0036】
冷媒蒸気の一部は、冷媒蒸気管916のUシール部から冷媒管925、気泡ポンプの気泡吹き出し部926及び揚液管927を経て、冷媒受け924に導かれる。その後、吸収器905内の冷媒散布管937から散布される溶液に吸収され、溶液トレイ934に溜められる。凝縮器903の液冷媒は、冷媒ブロー管923及び冷媒ブロー弁922を経由して蒸発器904に導かれる。
【0037】
蒸発器904では凝縮器903から導かれた冷媒蒸気が、蒸発伝熱管951を流れる温水と熱交換して凝縮液化する。このときの凝縮潜熱で温水は加熱され、暖房能力を発生する。凝縮液化した液冷媒は、冷媒タンク921に溜められ、冷媒管918から分岐した冷媒管928を通って気泡ポンプの気泡吹き出し部926へ送られる。気泡ポンプの作用により、液冷媒は揚液管927を上昇して冷媒受け924に流入し、冷媒散布管937から吸収器905の溶液トレイ934へ送られる。
【0038】
高温再生器901で冷媒蒸気が分離して濃縮された濃溶液は、高温再生器901からフロートボックスを経由して高温熱交換器907に導かれる。高温熱交換器907に流入した濃溶液は、高温熱交換器907で吸収器901から導かれた希溶液と熱交換して温度を下げた後、低温再生器203から導かれた濃溶液と合流する。
【0039】
該合流した濃溶液は、低温熱交換器906で吸収器905から導かれた希溶液と熱交換してさらに温度を下げた後、エジェクタポンプ930によって溶液戻り管929及び溶液管932へ送られる。その後、濃溶液は溶液散布装置933に送られ、吸収器905内に散布される。吸収伝熱管955内には冷却水が流れていないので、散布された濃溶液は熱交換しないまま吸収伝熱管955を流下する。そして、溶液トレイ934に溜められた液冷媒と混合され、溶液管936を通って溶液タンク935に戻る。
【0040】
蒸発器905内の蒸発伝熱管951で加熱された温水は、冷温水ポンプ953により室内機952に送られ、室内を暖房して温度低下した後、再び蒸発器に戻る。
【0041】
上述する収冷温水機は、高温再生機が常に正常燃焼をすることによって消音器などは不要であり、吸収冷温水機の低騒音化と低コスト化とが図れる。
【0042】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、面燃焼バーナの火炎の微少な振動と燃焼室内の固有気柱振動数とが一致して生じる振動燃焼を回避することができ、低騒音化と消音器などは不要となることによる低コスト化とを図ることができる高温再生器及びこれを備えた吸収冷温水機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸収冷温水機用高温再生器の一部透視の斜視図である。
【図2】図1の実施例の一部を断面にした側面図である。
【図3】図3は、図1の実施例の一部を断面にした平面図である。
【図4】本発明の高温再生器に係る他の実施例の一部を断面にした側面図である。
【図5】図4の実施例の一部を断面にした平面図である。
【図6】本発明の高温再生器に係るさらに他の実施例の一部を断面にした側面図である。
【図7】図6の実施例の一部を断面にした平面図である。
【図8】本発明の高温再生器に係るさらに他の実施例で、(a)は一部を断面にした側面図(b)は筒部材先端の拡大図である。
【図9】図8の実施例の一部を断面にした平面図である。
【図10】本発明の高温再生器に係るさらに他の実施例の一部を断面にした側面図である。
【図11】図10の実施例の一部を断面にした平面図である。
【図12】本発明の高温再生器に係るさらに他の実施例の一部を断面にした側面図である。
【図13】本発明に係る高温再生器を備えた吸収冷温水器の実施例の系統図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6…高温再生器、101…外筒、102…内筒、103…溶液管、104…面燃焼バーナ、105…溶液流入管、106…溶液流出管、107…蒸気流出管、108…排気通路、109…煙突、110…溶液、111…燃焼室、112…液室、120…ガス流入口、121,220,221,222…円筒、223…調整ねじ、901…高温再生器、902…低温再生器、903…凝縮器、904…蒸発器、905…吸収器、906…低温熱交換器、907…高温熱交換器、908…溶液循環ポンプ、909…冷媒ポンプ、911…伝熱管、912,914…絞り、913…冷媒タンク、914…冷媒液管、916…冷媒蒸気管、917…弁、918…冷媒管、919…フロー卜弁、920…冷媒散布装置、921…冷媒タンク、922…冷媒ブロー弁、923…冷媒ブロー管、924…冷媒受け、925…冷媒配管、926…気泡ポンプの気泡吹出し部、927…気泡ポンプの揚液管、928…冷媒管、929…溶液戻り管、930…エジェクタポンプ、931,932,938…溶液管、934…溶液トレイ、935…溶液タンク、937…冷媒散布管、951…蒸発伝熱管、952…室内機、953…冷温水ポンプ、954…冷温水配管、955…吸収伝熱管、956…凝縮伝熱管、957…冷却塔、958…冷却水ポンプ、959…冷却水配管。
Claims (6)
- 外筒と、該外筒内にあって該外筒との間に溶液を保持する液室を形成するように配置された内筒と、該内筒内に形成される燃焼室と、該燃焼室で水平方向に吹き出す燃焼ガスによって溶液を加熱する面燃焼バーナと、前記面燃焼バーナ面と対向するように前記燃焼室の後方側面に設けられて燃焼ガスの排気通路となるガス排気通路と、前記燃焼室内部で前記内筒の上下の液室を連通する溶液管とを備える吸収冷温水機用高温再生器において、
前記燃焼室の後方側面に設けられて前記ガス排気通路へ燃焼ガスを導きかつ絞り作用をするガス流入口が、前記燃焼ガスの垂直断面の中心より下方に位置していることを特徴とする高温再生器。 - 前記ガス排気通路内のガス流入口後流側に、水平方向に延びる筒状部材が設けられ、前記筒状部材の先端が前記燃焼室による燃焼の圧力波の節となる位置まで延長されていることを特徴とする請求項1に記載の高温再生器。
- 前記ガス排気通路内のガス流入口後流側に、前記水平方向に延びる筒状部材から屈曲してさらに垂直上方に延びる筒状部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の高温再生器。
- 前記水平方向もしくは垂直上方に延びる筒状部材の先端が、斜めに形成されていることを特徴とする請求項2もしくは3に記載の高温再生器。
- 前記水平方向もしくは垂直上方に延びる筒状部材先端に、該筒状部材の長さを調整できる長さ調整機構が取り付けられていることを特徴とする請求項2もしくは3に記載の高温再生器。
- 外筒と、該外筒内にあって該外筒との間に溶液を保持する液室を形成するように配置された内筒と、該内筒内に形成される燃焼室と、該燃焼室で水平方向に吹き出す燃焼ガスによって溶液を加熱する面燃焼バーナと、前記面燃焼バーナ面と対向するように前記燃焼室の後方側面に設けられて燃焼ガスの排気通路となるガス排気通路と、前記燃焼室内部で前記内筒の上下の液室を連通する溶液管とを有する高温再生器を備えた吸収冷温水機において、
前記燃焼室の後方側面に設けられて前記ガス排気通路へ燃焼ガスを導きかつ絞り作用をするガス流入口が、前記燃焼ガスの垂直断面の中心より下方に位置していることを特徴とする吸収冷温水機。
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