JP3933995B2 - 移動体間無線通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体間無線通信、例えば、道路交通システムにおける車両間無線通信での運用時における各移動体IDの誤り検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
基地局なしで複数のネットワーク間及び同一ネットワーク内での無線通信が行われる通信環境として、例えば、車両間の無線通信システムがあり、基地局を用いることなく車両間の通信を行なうにはコンテンション方式を採用することが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
移動体間の無線通信技術により、移動体(車両)において、移動体間の無線通信の可能性は、例えば、交通システムや鉄道車両システムなどの運営上大変期待されるものである。このような移動体間の無線通信技術として、本願出願人が平成11年10月20日に出願の特開2001−118191公報に開示の車両間無線通信システムがある。
【0004】
車両間無線通信システムにおいて、無線通信機器内部の設定誤りや故障は無線通信機器の正常動作に影響を及ぼし、「無線機が動作しない」、「無線通信ができない」等、車両間通信の運用面での問題になりかねない。そのため、無線通信システムには無線動作に影響を与え得る設定の誤り検出機能や無線通信機器の起動時における故障部分の検出処理が当然考慮されなければならないという無線通信技術上の要請がある。
【0005】
無線通信機器の起動時における故障部分の検出処理に関しては、本願出願人が平成14年1月31日に出願の特願2002−23219の「無線通信システム」において、移動体IDの誤り検出手順を提案している。
【0006】
しかしながら、上記提案は起動時における移動体IDの誤り検出手順は自車群のみの移動体IDの誤り検出手順であるため、起動後、つまり、無線通信システムの運用時における移動体IDの誤り検出については明確にされていないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題点の解決を目的としてなされたものであり、車両間無線通信での運用時における各車両IDの誤り検出手段の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明の移動体間無線通信システムは、無線通信機器を備えた複数の移動体間で無線通信を行って構成される複数のネットワークと、前記各ネットワーク内の、一つの移動体に割り当てられたビーコン局及びそのネットワークの他の移動体にそれぞれ割り当てられたスレーブ局と、それぞれ複数のスロットに時分割したビーコン期間とデータ期間が交互に繰り返されるように構成され、ビーコン期間とデータ期間の対を一単位としてこれを1チャンネルとして使用し、ビーコン期間でのビーコンフレームの送受信により各ネットワークでチャンネル取得する手順と、この手順によりチャンネル取得した場合は、ビーコン期間の後に続くデータ期間において各スレーブ局にそれぞれ割り当てられたデータスロットにおいてのみスレーブ局からデータフレームを送信するように制御する手順を含む通信プロトコルと、を備えた移動体間無線通信システムにおいて、前記各移動体は、それぞれ、固有の移動体IDと、前記無線通信機器の運用時に前記移動体IDの設定誤りを検出する手段と、を備え、前記移動体IDは、前記複数のネットワークのうち所属するネットワーク下の移動体グループを識別するグループデータと、前記移動体グループ内での走行順位を示す走行順位データと、前記移動体グループの移動体数を示す隊列台数データと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は上記第1の発明の移動体間無線通信システムにおいて、1チャンネルのデータ期間のデータスロットの数だけのスロットバッファを備え、移動体IDの設定誤りを検出する手段は、1チャンネル期間経過毎に各データスロットで受信したデータを各スロットバッファに順次格納するステップと、各スロットバッファに格納した受信データが自移動体と同じグループの移動体からのデータである場合は、自移動体の移動体IDを比較元IDとして設定するステップと、各スロットバッファに格納した受信データが自移動体と異なるグループの移動体からのデータである場合は、該受信データを送信した移動体の移動体IDを比較元IDとして設定するステップと、各スロットバッファに格納されたデータを送信した移動体の移動体IDの中で比較元IDとして設定した移動体ID以外の移動体IDを受信IDとし、該受信IDと比較元IDを比較して各移動体IDの設定誤りを検出するステップとを備えたこと、を特徴とする。
【0011】
また、第3の発明は上記第2の発明の移動体間無線通信システムにおいて、移動体IDの設定誤りを検出する手段は、更に、受信IDと比較元IDを比較して、受信IDの走行順位データが比較元IDの走行順位データと同一であるか、受信IDの隊列台数データが比較元IDの隊列台数データと同一であるかを判断するステップを含み、走行順位データが同一か又は/及び隊列台数データが異なる場合は、比較した受信IDを送信した移動体の移動体IDの設定が誤りであるとすることを特徴とする。
【0012】
また、第4の発明は上記第2又は第3の発明の移動体間無線通信システムにおいて、移動体IDの設定誤りを検出する手段は、更に、受信IDの走行順位データと隊列台数データを比較するステップを含み、走行順位データが隊列台数データより大きい場合は、受信IDを送信した移動体の移動体IDの設定が誤りであるとすることを特徴とする。
【0013】
また、第5の発明は上記第1の発明の移動体間無線通信システムにおいてビーコン局として割り当てられた無線通信機器を搭載した移動体は、グループ化された移動体のうちで先頭を移動している移動体であることを特徴とする。
【0014】
また、第6の発明は上記第1乃至第5のいずれかの発明の移動体間無線通信システムにおいて、移動体は車両であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の車両間の無線通信システムにおいて各車両に搭載する無線通信機器の一実施例の構成を示すブロック図であり、無線通信機100はアンテナ111、無線通信部112、制御部113、メモリ114及び車両インターフェイス115を備えている。また、IDの誤りや異常検出を報知するために音声出力装置、ベル又は表示装置を設けるようにしてもよい。
【0016】
無線通信部112は制御部113の制御下で所定の通信手順によりアンテナ111を介してビーコン制御フレームの受信及びデータフレームの送受信を行なう。なお、無線通信機100が後述するビーコン局の場合にはビーコン制御フレームの送受信及びデータフレームの送受信を行なう。また、1チャンネルのデータ期間のデータスロットの数だけのスロットバッファ(受信バッファ)を備えている。
【0017】
制御部113は図示しないCPU、プログラム格納メモリ及び内部時計119と周辺回路から構成され、装置全体の制御及びプログラム格納メモリに格納されている各プログラムを実行制御し、グループID情報の比較や、優先度の判定、内部時計のビーコン時間に基づく修正、他のグループとの時刻同期等の実行制御を行なう。また、プログラム格納メモリには無線通信装置全体の制御を行なう制御プログラムや通信プロトコルのほか、本発明の車両間無線通信システムにおける通信制御プログラム等や車両のID誤りの検出手順からなる車両ID誤り検出プログラムを格納している。
【0018】
メモリ114はDRAM等の一時記憶メモリからなり、無線通信機100の起動時に、プログラム格納メモリに格納されている制御プログラムを常駐させる他、適時、通信プロトコルや本発明の車両間無線通信システムにおける通信制御プログラムや、本発明の車両IDの誤りの検出プログラム等をプログラム格納メモリから読み出して必要な間だけ駐在させる。
また、メモリ114は無線通信部112を介して受信したビーコン制御フレーム及びデータフレームの記憶や車両インターフェイス115を介して取得した車両データを制御部113の制御下で記憶する。
【0019】
図2は各車両が保有する車両IDデータの構成例を示す図である。ここで、符号20はIDデータを示し、IDデータ20は、所属するグループを示すグループデータ21、所属するグループ内での走行順位を示す走行順位データ22及びグループ内の車両数(移動体数)を示す隊列台数データ23を1セットとした個別情報である。以下、その表記方法を図2に示すようにX−Y/Z(X:グループデータ、Y:走行順位データ、Z:隊列台数データ)とする。また、各車両のIDデータ(車両IDデータ)は自車両データフレームに送信元識別情報として付与されているものとする。
【0020】
図3は無線通信チャンネルの通信手順の説明図である。ここで、グループ内通信とは、図3(a)に示すようなグループ1、2、3、4、・・に属している車両の無線通信機が通信チャンネルを取得している期間(図3(c))を示している。各グループ1、2、3、4、・・の通信チャンネルはビーコン(Beacon:基準信号)制御フレームと呼ばれる特別な制御フレームを用いて通信チャンネルの取得を行なう。
【0021】
このビーコン制御フレームには、グループ内の各無線通信機の通信チャンネル割当て(slot)を行う機能が備わっている(図3(b))。この通信チャンネル割当て機能とは、自無線通信機が所属しているグループデータを持つビーコン制御フレームを受信した無線通信機が自無線通信機に割当てられたデータスロット(図3(b)の例では10個のスロットslot1〜slot10)期間にデータフレームを送信する為の割当て時刻を計算する基準時刻を示す機能である。
【0022】
従って、グループ内の車両に搭載されている各無線通信機は、割当てられた各データスロット期間slot1〜slot10において、特定の無線通信機にのみデータフレーム送信を行う権利があるので他無線通信機とのデータフレームの衝突が発生しない。このようにビーコン制御フレームを用いることにより、通信チャンネルの確保、衝突の起こらないデータ通信環境を実現することができる。つまり、グループ内の各無線通信機が正常に起動し、正しい初期設定(車両IDデータの設定を含む)が行われれば上述した図3の無線通信手順が実行される。しかし、実際には、起動後の無線通信システムの運用時にも車両IDの誤りにより無線通信手順が動作できない場合が生じ得る。
【0023】
具体的には、各グループの先頭車両をビーコン車両(ビーコン制御フレームを送信する無線通信機(ビーコン局)を搭載した車両をいう)として、自グループのビーコンフレームの受信を合図に各車両の無線通信機が走行順位と同じスロット中に送信を行う。この際、各車両の無線通信機はスロットと同じ番号のスロットバッファ(図3の例ではスロットバッファの個数は10となる)に受信データ(他グループからの受信データを含む)を格納し、ビーコン期間からの超過時間を基にビーコン間隔終了時に「ビーコン間隔終了フラグ」を立てる(フラグをオン(例えば、フラグ値=「1」)にすることを意味する)。
【0024】
各無線通信機は起動後、上記図3の説明で述べたような無線通信手順により通信を行い、図4のフローチャートに示すような手順により車両IDの誤検出処理を行なう。
【0025】
図4は、無線通信システムの運用時における車両IDデータの誤り検出手順を示すフローチャートである。各無線通信機は、受信データフレームを格納する受信バッファであるスロットバッファとスロットをカウントするスロットカウンタ、スロットバッファの個数であり、スロットカウンタの限界値でもあるスロット限界値、比較対象としての比較ID、比較IDの比較元となる比較元IDを有している。なお、スロットカウンタの個数は偶数である。また、前述した運用時の車両IDの誤り検出プログラムは図4のフローチャートのステップW1〜W15の手順に基いて構成されている。
【0026】
図4において、起動時処理実行後(つまり、前述した特願2002−23219に提案の移動体IDの誤り検出手順を実行した後)、運用時におけるIDの誤り検出処理をスタートさせ(ステップW1)、ビーコン終了フラグ、スロットカウンタ、比較元ID、比較IDをクリアする(ステップW2)。
【0027】
次に、ビーコン間隔終了フラグの確認を行い、フラグが立っている場合はステップW4に移行し、フラグが立つまでこのステップでループ処理を繰り返す(ステップW3)。
【0028】
フラグが立った場合は、スロットカウンタの値とスロット限界値の比較を行い、スロット限界値未満であればステップW5に移行し、スロット限界値以上であればステップW2に移行する(ステップW4)。
【0029】
スロットカウンタの値がスロット限界値未満の場合は、スロットカウンタの値を所定値だけインクリメント(増加)し(ステップW5)、スロットカウンタの値と同じ番号のスロットバッファにデータが存在するか否かを調べ、そのスロットバッファにデータが存在していればそのデータIDを受信IDとして設定してステップW7に移行し、データが存在しなければステップW4に移行する(ステップW6)。
【0030】
受信IDを設定した場合は、その受信IDの隊列台数zと走行順位yを比較し、y>zであればステップW15に移行し、y≦zであればステップW8に移行する(ステップW7)。
【0031】
走行順位≦隊列台数のときは、比較元IDの確認を行い、比較元IDが設定されていればステップW12に移行し、設定されていなければステップW9に移行する(ステップW8)。
【0032】
比較元IDが設定されていなかったときは、受信IDのグループデータの確認を行い、受信IDのグループが自車両グループと同一であればステップW11に移行し、異なる場合はステップW10に移行する(ステップW9)。
【0033】
受信IDのグループが自車両グループと異なる場合は受信IDを比較元IDに設定し(以下、比較元ID=Xb−Yb/Zbと表記する)、ステップW4に移行する(ステップW10)。また、受信IDのグループが自車両グループと同一の場合は自車両のIDを比較元IDに設定しステップW12に移行する(ステップW11)。
【0034】
上記ステップW8で比較元IDが設定されていない場合又は上記ステップW11で自車両のIDを比較元IDとして設定した場合は、受信IDを比較IDに設定し(以下、比較ID=x−y/zと表記する)(ステップW12)、比較IDの走行順位yと比較元IDの走行順位Yを比較してy=YbであればステップW15に移行し、y≠YbであればステップW14に移行する(ステップW13)。
【0035】
y≠Ybの場合は、比較IDの隊列台数zと比較元IDの隊列台数Zを比較してz=ZbであればステップW4に移行し、z≠ZbであればステップW15に移行する(ステップW14)。
【0036】
上記ステップW7で走行順位>隊列台数又は上記ステップW14で比較IDの隊列台数≠比較元IDの隊列台数の場合は、受信フレームのID誤りを検出してステップW4に移行する。無線通信機100に音声出力装置、ベル又は表示装置を設けた場合は、このステップで車両IDの誤りを、音声、ベル又は表示灯で報知することができる(ステップW15)。
上記図4のフローチャートに示す手順により、無線通信システム運用時における車両IDデータの誤り検出を行うことができる。
【0037】
(無線通信システム起動時のIDの設定誤り検出の具体例)
図5は3台隊列の2グループの概略構成例を示す図である。ここで、図4のフローチャートに示したような手順で動作する無線通信機100を搭載した車両において、図5に示す3台隊列2グループでの無線通信システムの運用時の動作例を以下に示す。
【0038】
図5で、車両11、12、13と車両21、22、23を組として2グループの構成とする。各車両は、無線通信を行い、相互に通信可能であるとする。ここで、車両11(図2で示した表記法(X−Y/Z)により、車両11のIDは01−1/3となる)を自車両とし、各車両の無線通信機のスロットバッファ数を10(スロット限界値=10)とし、図4のフローチャートのステップW1から処理が行われるものとする。
【0039】
図4のフローチャートから、自車両11の無線通信機はステップW1→W2→W3→・・・とステップW3でのビーコン間隔終了フラグの確認動作を繰り返し、グループ毎の受信終了を待つ。
【0040】
同一グループであるグループデータX=01については、車両12、13のデータを受信し、順に2番目、3番目のスロットバッファにデータを格納する。この場合、1番目のスロットバッファにはデータが存在しないので、ステップW3→W4→W5(スロットカウンタの値=1)→W6→W4の順に処理が行われる。また、2番目のスロットバッファには車両12のデータが格納されており、車両12のID(=01−2/3)には誤りがないので、ステップW4→W5(スロットカウンタの値=2)→W6→W7→W8→W11(比較元ID=01−1/3)→W12(比較ID=01−2/3)→W13→W14→W4の順に処理が行われるがID誤りは検出されない。また、3番目のスロットバッファには車両13のデータが格納されているが、車両13のID(=01−3/3)にも誤りがないので、ステップW4→W5(スロットカウンタの値=3)→W6→W7→W8→W12(比較元ID=01−3/3)→W13→W14→W4の順に処理が行われるがID誤りは検出されない。4番目以降のスロットバッファにはデータが存在しないため、ステップW4→W5(スロットカウンタの値=4)→W6→W4→、・・・、→W4→W5(スロットカウンタの値=10)→W6→W4→W2→W3と移行し、ステップW3でビーコン間隔終了フラグが立つまでループを繰り返す。
【0041】
他グループであるグループデータ=02の処理は、車両21、車両22、車両23のデータを受信し、順に1、2、3番のスロットバッファにデータを格納する。この例では、1番目のスロットバッファには車両21のデータが格納されているが、現時点では比較元IDの設定がなされていないため、車両21のデータは、・・・ステップW3→W4→W5(スロットカウンタの値=1)→W6→W7→W8→W9→W10(比較元ID=02−1/3)→W4の順に処理が行われる。また、2番目のスロットバッファには車両22のデータが格納されており、車両22のID(=02−2/2)には、隊列台数に誤りがあるので、ステップW4→W5(スロットカウンタの値=2)→W6→W7→W8→W12(比較ID=02−2/2)→W13→W14→W15→W4の順に処理が行われ、ID誤りが検出される。また、3番目のスロットバッファには車両23のデータが格納されているが、車両23のID(=02−3/3)には誤りがないので、ステップW4→W5(スロットカウンタの値=3)→W6→W7→W8→W12(比較ID=02−3/3)→W13→W14→W4の順に処理が行われ、ID誤りは検出されない。4番目以降のスロットバッファにはデータが存在しないため、ステップW4→W5(スロットカウンタの値=4)→W6→W4→、・・・、→W4→W5(スロットカウンタの値=10)→W6→W4→W2→W3と移行し、ステップW3でビーコン間隔終了フラグが立つまでループを繰り返す。
【0042】
以上、本発明の一実施例について説明したが本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明によれば、無線通信システムの運用時に受信フレームIDを比較元IDと比較することで受信フレームIDの誤りを検出可能である。この検出結果を用いることにより移動体IDの設定誤りによる無線通信への影響を抑え、移動体間の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両間の無線通信システムにおいて各車両に搭載する無線通信機器の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】各車両が保有する車両IDデータの構成例を示す図である。
【図3】無線通信チャンネルの通信手順の説明図である。
【図4】無線通信システムの運用時における車両IDデータの誤り検出手順を示すフローチャートである。
【図5】3台隊列の2グループの概略構成例を示す図である。
【符号の説明】
11、12、13 同一グループの車両(移動体)
21、22、23 他のグループの車両(移動体)
20 IDデータ、車両ID(移動体ID)
21 グループデータ
22 走行順位データ
23 隊列台数データ
100 無線通信機
112 無線通信部
113 制御部
W2〜W15 移動体IDの設定誤りを検出する手段
Claims (6)
- 無線通信機器を備えた複数の移動体間で無線通信を行って構成される複数のネットワークと、
前記各ネットワーク内の、一つの移動体に割り当てられたビーコン局及びそのネットワークの他の移動体にそれぞれ割り当てられたスレーブ局と、
それぞれ複数のスロットに時分割したビーコン期間とデータ期間が交互に繰り返されるように構成され、ビーコン期間とデータ期間の対を一単位としてこれを1チャンネルとして使用し、ビーコン期間でのビーコンフレームの送受信により各ネットワークでチャンネル取得する手順と、この手順によりチャンネル取得した場合は、ビーコン期間の後に続くデータ期間において各スレーブ局にそれぞれ割り当てられたデータスロットにおいてのみスレーブ局からデータフレームを送信するように制御する手順を含む通信プロトコルと、を備えた移動体間無線通信システムにおいて、
前記各移動体は、それぞれ、固有の移動体IDと、前記無線通信機器の運用時に前記移動体IDの設定誤りを検出する手段と、を備え、
前記移動体IDは、前記複数のネットワークのうち所属するネットワーク下の移動体グループを識別するグループデータと、前記移動体グループ内での走行順位を示す走行順位データと、前記移動体グループの移動体数を示す隊列台数データと、を含むことを特徴とする移動体間無線通信システム。 - 前記1チャンネルのデータ期間のデータスロットの数だけのスロットバッファを備え、
前記移動体IDの設定誤りを検出する手段は、
1チャンネル期間経過毎に各データスロットで受信したデータを前記各スロットバッファに順次格納するステップと、
各スロットバッファに格納した受信データが自移動体と同じグループの移動体からのデータである場合は、自移動体の移動体IDを比較元IDとして設定するステップと、
各スロットバッファに格納した受信データが自移動体と異なるグループの移動体からのデータである場合は、該受信データを送信した移動体の移動体IDを比較元IDとして設定するステップと、
前記各スロットバッファに格納されたデータを送信した移動体の移動体IDの中で比較元IDとして設定した移動体ID以外の移動体IDを受信IDとし、該受信IDと前記比較元IDを比較して各移動体IDの設定誤りを検出するステップとを備えたこと、
を特徴とする請求項1記載の移動体間無線通信システム。 - 前記移動体IDの設定誤りを検出する手段は、更に、前記受信IDと前記比較元IDを比較して、前記受信IDの走行順位データが前記比較元IDの走行順位データと同一であるか、前記受信IDの隊列台数データが前記比較元IDの隊列台数データと同一であるかを判断するステップを含み、
前記走行順位データが同一か又は/及び前記隊列台数データが異なる場合は、前記比較した受信IDを送信した移動体の移動体IDの設定が誤りであるとすることを特徴とする請求項2記載の移動体間無線通信システム。 - 前記移動体IDの設定誤りを検出する手段は、更に、前記受信IDの走行順位データと隊列台数データを比較するステップを含み、前記走行順位データが前記隊列台数データより大きい場合は、前記受信IDを送信した移動体の移動体IDの設定が誤りであるとすることを特徴とする請求項2又は3記載の移動体間無線通信システム。
- 前記ビーコン局として割り当てられた無線通信機器を搭載した移動体は、グループ化された移動体のうちで先頭を移動している移動体であることを特徴とする請求項1記載の移動体間無線通信システム。
- 前記移動体は車両であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の移動体間無線通信システム。
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