JP3933565B2 - 音発生装置及び音発生空間装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間の脳血流を増大させるための音発生装置及び音発生空間装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、20kHzを超える音声周波数は人間の可聴範囲を超えるため人間の感覚特性には影響しないと考えられている。従って、コンパクトディスク(CD)やミニディスク(MD)のサンプリング周波数は44.1kHzに設定され、最高約22kHzまでの音声信号を録音再生することができるようにこれらの機器が製造されている。また、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)やデジタルコンパクトカセットレコーダ(DCC)のサンプリング周波数は48kHz、44.1kHz及び32kHzのいずれかの周波数に設定することができ、最高約24kHzまでの音声信号を録音再生することができるようにこれらの機器が製造されている。そして、一般に、人間は、これらの機器を用いて好みの音楽を聞くことにより、自分自身をリラックスさせている。
【0003】
一方、人間の脳から発生するα波の強度は、一般に、ストレスがないことの指標として用いられており、10Hz前後の超低周波信号を発生させてそれを聞いたときに、脳波のα波を発生することを利用して、当該超低周波信号を発生する装置が開発されて販売されている(特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−210274号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来例においては、音楽の内容や超低周波信号の周波数に依存してストレスを解消させる度合いは変化し、かつその度合いは比較的小さいという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、人間の脳血流を増大させて心身の状態を改善向上させ人間の緊張をといて人間をリラックスさせるための音発生装置及び音発生空間装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る音発生装置は、予め決められた可聴周波数を超える範囲から予め決められた最大周波数までの第1の周波数範囲を有し、10kHzを超える第2の周波数範囲においてミクロな時間領域で変化する非定常状態にある音信号を発生させるための発生手段と、
上記発生手段からの音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以上の音信号を通過させる高域通過フィルタと、
上記発生手段と上記高域通過フィルタとの間に設けられた第1のスイッチ手段と、
上記発生手段からの音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以下の音信号を通過させる低域通過フィルタと、
上記発生手段と上記低域通過フィルタとの間に設けられた第2のスイッチ手段と、
上記高域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して人間に印加する第1の印加手段と、
上記低域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して上記人間に印加する第2の印加手段とを備え、
上記第1と第2の印加手段により上記音を上記人間に印加することにより、上記人間の脳血流を増大させ、かつ上記発生された音の非定常状態特性を用いることによりハイパーソニック効果を発生させて上記人間の脳のα波EEG電位を増大させて人間のストレスを低減させることを特徴とする。
【0008】
上記音発生装置において、上記第1のスイッチ手段をオフし、かつ上記第2のスイッチ手段をオンすることを特徴とする。とって代わって、上記音発生装置において、上記第1と第2のスイッチ手段をともにオンすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る音発生装置は、予め決められた可聴周波数を超える範囲から予め決められた最大周波数までの第1の周波数範囲を有し、10kHzを超える第2の周波数範囲においてミクロな時間領域で変化する非定常状態にある音信号を発生させるための発生手段と、
上記発生手段からの音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以上の音信号を通過させる高域通過フィルタと、
上記発生手段からの音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以下の音信号を通過させる低域通過フィルタと、
上記高域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して人間に印加する第1の印加手段と、
上記低域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して上記人間の聴覚にに印加する第2の印加手段とを備え、
上記第1と第2の印加手段により上記音をそれぞれ上記人間及び上記人間の聴覚に同時に印加することにより、上記人間の脳血流を増大させ、かつ上記発生された音の非定常状態特性を用いることによりハイパーソニック効果を発生させて上記人間の脳のα波EEG電位を増大させて人間のストレスを低減させることを特徴とする。
【0010】
上記音発生装置において、上記第1の印加手段は、上記高域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して人間の聴覚に印加することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係る音発生方法は、予め決められた可聴周波数を超える範囲から予め決められた最大周波数までの第1の周波数範囲を有し、10kHzを超える第2の周波数範囲においてミクロな時間領域で変化する非定常状態にある音信号を発生させるステップと、
第1のスイッチ手段を介して接続された高域通過フィルタを用いて、上記発生された音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以上の音信号を通過させるステップと、
第2のスイッチ手段を介して接続された低域通過フィルタを用いて、上記発生された音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以下の音信号を通過させるステップと、
上記高域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して人間に印加するステップと、
上記低域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して上記人間に印加するステップとを含み、
上記2つの印加するステップにより上記音を上記人間に印加することにより、上記人間の脳血流を増大させ、かつ上記発生された音の非定常状態特性を用いることによりハイパーソニック効果を発生させて上記人間の脳のα波EEG電位を増大させて人間のストレスを低減させることを特徴とする。
【0012】
上記音発生方法において、上記第1のスイッチ手段をオフし、かつ上記第2のスイッチ手段をオンするステップをさらに含むことを特徴とする。とって代わって、上記音発生方法において、上記第1と第2のスイッチ手段をともにオンするステップをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
またさらに、本発明に係る音発生方法は、予め決められた可聴周波数を超える範囲から予め決められた最大周波数までの第1の周波数範囲を有し、10kHzを超える第2の周波数範囲においてミクロな時間領域で変化する非定常状態にある音信号を発生させるステップと、
高域通過フィルタを用いて、上記発生された音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以上の音信号を通過させるステップと、
低域通過フィルタを用いて、上記発生された音信号のうち上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以下の音信号を通過させるステップと、
上記高域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して人間に印加するステップと、
上記低域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して上記人間の聴覚にに印加するステップとを含み、
上記2つの印加するステップにより上記音をそれぞれ上記人間及び上記人間の聴覚に同時に印加することにより、上記人間の脳血流を増大させ、かつ上記発生された音の非定常状態特性を用いることによりハイパーソニック効果を発生させて上記人間の脳のα波EEG電位を増大させて人間のストレスを低減させることを特徴とする。
【0014】
上記音発生方法において、上記人間に印加するステップは、上記高域通過フィルタから出力される音信号を音に変換して人間の聴覚に印加することを特徴とする。
【0015】
またさらに、本発明に係る音は、上記いずれか1つの音発生方法により発生されたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態である信号音発生装置のブロック図、及び当該信号音発生装置によって信号を発生させるための信号音発生空間である部屋20を示す斜視図である。この実施形態の信号音発生装置は、可聴周波数範囲を超える最大周波数までの第1の周波数範囲の周波数を有しかつ10kHzを超える第2の周波数範囲においてミクロな時間領域で非定常である信号を発生し、上記信号を人間に対して印加することにより人間の脳血流を増大させることを特徴とする。ここで、第1の周波数範囲は、約20Hzから150kHzまでの周波数範囲である。なお、第1の実施形態において、図1に示すように、音記録・再生装置系はまったく同一のものが2系統用意され、いわゆるステレオフォニックの状態で駆動される。
【0018】
図1に示すように、インドネシアのバリ島における青銅製の打楽器であるガムラン1を演奏することにより得られる楽器音をマイクロホン2により集音する。マイクロホン2は入力された楽器音をアナログ電気信号に変換し、変換後のアナログ電気信号を前置増幅器3を介してA/D変換器4に出力する。A/D変換器4は、入力されたアナログ電気信号を、例えば1920kHzのサンプリング周波数でデジタル信号にA/D変換して磁気記録部11に出力する。
【0019】
磁気記録再生装置10は、磁気記録部11と、磁気記録ヘッド12と、磁気再生ヘッド14と、磁気再生部15とを備え、磁気テープ13に対してデジタル信号を記録し、又は磁気テープ13に記録されたデジタル信号を再生して出力するいわゆるデジタル信号レコーダである。ここで、磁気記録再生装置10は、山崎芳男博士により考案された従来技術のDATであって、200kHzまでにわたる周波数範囲で均一な周波数特性を有する。磁気記録部11は、A/D変換器4から入力されたデジタル信号に従って搬送波信号を所定のデジタル変調方式で変調し、変調後の信号を磁気記録ヘッド12を用いて、矢印で示される所定の方向16に走行されている磁気テープ13に記録する一方、磁気再生部15は、磁気テープ13に記録された変調信号を磁気再生ヘッド14を用いて再生し、再生された変調信号を上記デジタル変調方式と逆のデジタル復調方式で復調してデジタル信号を取り出す。
【0020】
当該復調後のデジタル信号は、D/A変換器5によって元のアナログ信号にD/A変換された後、再生増幅器6を介して出力され、再生増幅器6からの出力アナログ信号は、スイッチSW1、22kHzのカットオフ周波数を有する高域通過フィルタ7a及び電力増幅器8aを介して20kHzから150kHzまでの周波数範囲の信号を発生できる右側スピーカ9aa及び左側スピーカ9abに入力されるとともに、スイッチSW2、22kHzのカットオフ周波数を有する低域通過フィルタ7b及び電力増幅器8bを介して30kHz以下の信号を発生できる右側スピーカ9ba及び左側スピーカ9bbに入力される。従って、2つのフィルタ7a,7bのクロスオーバー周波数は22kHzである。
【0021】
上記スピーカ9aa,9ab,9ba,9bbは、音響的に密閉された遮音室である部屋20内に載置され、スピーカ9aa,9ab,9ba,9bbはそれぞれ、入力される信号を音に変換して被測定対象の人間30に対して印加する。
【0022】
人間30の例えば12個の頭皮の位置にそれぞれ検出電極を設け、当該各検出電極に接続された脳波検出送信装置32は、各検出電極で検出された脳波を無線信号に変換してアンテナ33からアンテナ34に向けて送信する。上記脳波の無線信号はアンテナ34により受信された後、脳波データ受信記録装置31に出力される。脳波データ受信記録装置31において、受信された脳波の無線信号は脳波信号に変換した後、磁気記録装置に記録され、さらには、上記脳波信号は解析用コンピュータにより解析される一方、CRTディスプレイやペンレコーダなどの出力機器を用いて脳波の変化を記録して出力する。一方、人間30の頭部は断層撮影装置用検出装置42の2つの検出部間によって挟設されて載置され、断層撮影装置用検出装置42からの検出信号は断層撮影装置41に送信された後、断層撮影装置41は入力される検出信号に基づいて所定の断層撮影の解析処理を実行して解析結果の断層撮影図を内蔵のCRTディスプレイ上に表示する。
【0023】
以上のように構成された第1の実施形態の信号音発生装置の各部信号の周波数特性を図26に示し、ここで、図26(a)はD/A変換器5から出力される周波数成分の周波数特性を示すグラフであり、図26(b)はスピーカ9aa,9ab,9ba,9bbから出力される各周波数成分の周波数特性を示すグラフであり、図26(c)は部屋20における背景雑音の周波数特性を示すグラフである。
以上のように構成された第1の実施形態の信号音発生装置及び部屋20においては、スイッチSW1,SW2をともにオンとしたとき、ガムラン1を用いて演奏された楽器音が磁気記録再生装置10内の磁気テープ13に記録された後、それを再生したとき、ガムラン1の楽器音と実質的に同一である再生信号をスピーカ9aa,9ab,9ba,9bbを用いて人間30に対して印加することができる。ここで、スイッチSW1,SW2をオン・オフすることにより種々の周波数成分の楽器音の信号をスピーカ9aa,9ab,9ba,9bbにより発生させることができる。すなわち、スイッチSW1のみをオンしたとき、22kHz以上の高周波成分のみの信号が人間30に対して印加される一方、スイッチSW2のみをオンしたとき、22kHz以下の低周波成分のみの信号が人間30に対して印加される。なお、スイッチSW1,SW2をともにオフとしたときは、部屋20の室内の機器類が発生する空気振動及び電力増幅器8a,8bの無視可能に小さい熱雑音成分に基づくベースラインの暗騒音成分(以下、暗騒音成分という。)が人間30に対して印加される。以下、本実施形態の信号音発生装置及び部屋20を用いて得られた実験結果について詳述する。
【0024】
図3は、本実施形態で用いるガムラン、チェンバロ、及びピアノによって発生された信号の周波数特性を示すグラフである。ここで、図3の周波数特性は、各楽器音の30秒の平均パワースペクトルであり、図3から明らかなように、ガムランの楽器音は100kHz以上の周波数成分を含み、なお、ガムランの楽器音は図3に図示していないが、瞬間的には約150kHzまでの周波数成分を含んでいる。また、チェンバロの楽器音は低周波成分から約50kHzまでの周波数成分を含み、ピアノの楽器音は約10kHzまでの周波成分を含んでいる。
【0025】
図4は、茨城県つくば市の山林、ジャワ島の熱帯雨林、及び東京都の道路沿いにおける環境音の周波数特性を示すグラフである。図4から明らかなように、東京都の道路沿いでは、約8kHzまでの周波数成分しか有しないが、茨城県つくば市の山林やジャワ島の熱帯雨林では、約50kHzまでにわたって高周波成分及び低周波成分を有している。
【0026】
次いで、発明者は、公知の最大エントロピー法(Maximum Entropy Method;MEM)を用いて、磁気記録再生装置10を用いて記録されたガムランとピアノの楽器音についてデジタル信号処理を行って分析した。この分析処理では、200kHzのサンプリング周波数で楽器音の音響信号データをサンプリングし、次いで、20マイクロ秒毎に2000個のデータを得て、100kHzの最大周波数のMEMスペクトルを計算し、図5乃至図8のMEMスペクトルを時系列データとして得た。
【0027】
本実施形態のガムランと比較例のピアノの両方で演奏された楽曲“ガンバン・クタ”の同一部分のMEMスペクトルの時系列アレイが図5乃至図8に示されている。ガムランの楽器音は、図5に示すように、各周波数スペクトルの間で違いがあるとともに、50kHzを超える周波数においてダイナミックでかつ複雑な非定常な構造を含んでいることを注意すべきである。一方、図6に示すように、10kHzを超える周波数スペクトルはピアノで演奏された同一の曲ではほとんど観察されなかった。これらの結果はFFT解析を使用した結果と一致していた。
【0028】
奏者が鍵盤を押したり、叩いたりしたとき、図5乃至図8において“アタック”として示し、MEMスペクトルのパターンはガムランとピアノの両方の音楽において変化していた。このことは、ピッチの変化を反映していると考えられる。ガムラン音楽においては、周波数スペクトルの変化は暫時継続し、また、ミクロな時間領域におけるピッチの変化によって生じないゆらぎ構造が観察された。ピアノの音楽においては、スペクトルにおける変化は、アタック後にすぐに安定化した。また、図7に示すように、ガムランの音のトーンは10kHz未満のより低い周波数範囲において定常性が観察されたが、10kHz以上のより高い周波数範囲においてはミクロな時間領域において明らかな非定常的な構造が存在していた。さらに、図8に示すように、ピアノの音楽では、トーンについてそのような傾向は無かった。
【0029】
以上説明したように、ガムランの音楽においては、50kHzを超える高周波の範囲におけるゆらぎ構造が観察され、それは、キーの変化によって生じないものであった。西洋クラッシック音楽の典型的な楽器の一つであるピアノの音楽においては、そのようなゆらぎ構造は発見されなかった。さらに、ガムラン楽器のほとんどは対になって構成されており、ガムラン楽器の伝統的な調律方法において、一対の各々のメンバーが僅かに異なるピッチに調律する。この“離調”技術は、そのような非定常的構造の原因の1つであると考えられる。従って、ガムランの楽器音においては、例えば約20Hzから約20kHzまでの可聴周波数範囲及びそれを超えて150kHzまでのきわめて高い周波数範囲を含み、しかも、10kHzを超える周波数成分には、1秒ないし1/10秒以内のミクロな時間領域でゆらぎが存在しており、すなわち、当該周波数成分においてミクロな時間領域で変化する非定常な信号音が存在している。
【0030】
次いで、局所的な大脳血流値(以下、r−CBF値という。)の測定及び脳波のα波の測定について述べる。r−CBF値の測定においては、日立メディカル製PCT3600W型陽電子射出断層撮影装置41を用いて、断層中心間隔7mmで15断層のデータを、軸交差方向に9mm及び軸方向に6.5mmのFWHM(Full Width at Half Maximum:半値全幅)でかつ120秒の走査撮影で得た。ここで、被測定対象の人間30に対して、演奏開始後1分後に静脈注射器を用いて15秒間で30mCi/6mlだけ15O水を静脈に注射した。断層撮影後の画像は、米国ミネソタ州ロチェスターのメイヨ財団のANALYZEシステムで検証され、統計的分析は、英国のMRCサイクロトン装置の統計パラメータ分布図(Statistical Parameter Map;SPM)を用いて、米国マサチューセッツ州ナティックのマスワーク社のPROMATLABシステムを用いて行った。後に示す図10及び図11において、各活性領域の最大現象点の位置は、タライラッハ座標を用いて直交3次元における立体定位座標値x,y,zにて表示している。
【0031】
また、脳波の測定においては、日本光電製WEE6112型テレメータシステムを含む脳波データ受信記録装置31を用いて耳たぶを基準にして12個の頭皮の位置に電極を設けて脳波を測定した。各被験者の平均値を測定基礎データ値とし、脳内電気活性度マップ(Brain Electric Activity Map:BEAM)に基づいた頭皮の後部2/3部位からのα波EEG(Electroencephalogram:脳波)電位を正規化した出力値を測定値とした。また、以下の図中において、Pは、ANOVA後のフィッシャーのPLSDのpost hocテスト後の有意しきい値であり、ここで得られたものと同様の結果が、全くの偶然によって生起する確率を意味する。rは相関関数であり、血流の増減と、αEEG電位の増減との間の関係の強さを表している。Zスコアは、有意しきい値Pを決定する値であり、規準化された全体のデータの分布において得られた観測値の平均値からの隔たりを意味する。
【0032】
また、正規化されたr−CBF値及び正規化されたα波EEG電位について次の5つの周波数成分に分割して比較測定している。
(a)全周波成分:スイッチSW1,SW2をともにオンしたときの周波数成分;
(b)高周波成分:スイッチSW1のみをオンしたときの周波数成分;
(c)低周波成分:スイッチSW2のみをオンしたときの周波数成分;
(d)暗騒音成分のみ:スイッチSW1,SW2をともにオフとしたときの周波数成分:及び
(e)仮想的な全周波成分(図14及び図15):上記低周波成分と、電子的に発生させた定常的な白色雑音を上記高周波成分の時間平均周波数スペクトルに近似させてろ波して波形成形することにより得られ、10kHzを超える周波数範囲においてミクロな時間領域で変化するゆらぎ構造をもたない仮想的な定常的な高周波成分とを含む周波数成分。
【0033】
なお、図27に、図1の信号音発生装置において用いられるガムラン音の高周波成分と、その周波数成分を、電子的に発生させた定常的な白色雑音を上記高周波成分の時間成分の時間平均スペクトルに近似させるようにろ波して波形成形することにより得られ、10kHzを超える周波数範囲でミクロな時間領域で変化するゆらぎ構造をもたない仮想的な定常的な高周波成分との各周波数特性を示す。
さらに、図16及び図17で示されるα波EEG電位とr−CBF値との相関分析においては、活性化した対象部位内での正規化されたα波EEG電位とr−CBF値との間の相関関係について調べた。
【0034】
図9は、第1の実施形態において低周波成分のみに対して全周波成分のときの脳血流が有意に増大するタライラッハ座標(x,y,z)=(4mm,−26mm,−8mm)すなわち脳幹に相当する部分100、およびタライラッハ座標(x,y,z)=(−16mm,−18mm,0mm)すなわち左視床部に相当する部分200を示す投影図であって、図9(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った投影図(サジタル投影図)であり、図9(b)はその冠状縫合に沿った投影図(コロナル投影図)であり、図9(c)はその水平面投影図である。図9から明らかなように、被験者の人間30に対して低周波成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が、脳幹と左視床部において有意に脳血流が増大していることがわかる。
【0035】
図10は、第1の実施形態において図9に対応し、低周波成分のみに対して全周波成分のときの脳血流が有意に増大する脳幹の位置100を示す断面図であって、図10(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、図10(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、図10(c)はその横断面図である。図11は、第1の実施形態において図9に対応し、低周波成分のみに対して全周波成分のときの脳血流が有意に増大する、左視床の位置200を示す断面図であって、図11(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、図11(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、図11(c)はその横断面図である。図10及び図11から明らかなように、被験者の人間30に対して低周波成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が、左視床部において有意に脳血流が増大していることがわかる。
【0036】
図12は、第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフであって、図12(a)は脳幹の位置におけるr−CBF値を示すグラフであり、図12(b)は左視床部の位置におけるr−CBF値を示すグラフである。図12(a)から明らかなように、被験者の人間30に対して、低周波成分のみ、高周波成分のみ、又は暗騒音成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が、脳幹の位置におけるr−CBF値が増大しており、脳幹の位置において脳血流が増大していることがわかる。また、図12(b)から明らかなように、被験者の人間30に対して、低周波成分のみ、高周波成分のみ、又は暗騒音成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が、左視床部の位置におけるr−CBF値が増大しており、左視床部の位置において脳血流が増大していることがわかる。
【0037】
図13は、第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたα波EEG電位を示すグラフである。図13から明らかなように、被験者の人間30に対して、低周波成分のみ、高周波成分のみ、又は暗騒音成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が、α波EEG電位が増大していることがわかる。
【0038】
図14は、第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフであって、図14(a)は脳幹の位置におけるr−CBF値を示すグラフであり、図14(b)は左視床の位置におけるr−CBF値を示すグラフである。図14から明らかなように、10kHzを超える周波数範囲においてミクロな時間領域で変化するゆらぎ構造をもたない仮想的な全周波成分、又は暗騒音成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が(a)脳幹及び(b)左視床の位置におけるr−CBF値が増大しており、(a)脳幹及び(b)左視床において脳血流が増大していることがわかる。それに対して、10kHzを超える周波数範囲においてミクロな時間領域で変化するゆらぎ構造をもたない仮想的な全周波成分を印加した場合には、全周波成分を印加した場合及びベースラインである暗騒音成分を印加した場合よりも(a)脳幹及び(b)左視床においてr−CBF値が減少しており、(a)脳幹及び(b)左視床において脳血流が減少していることがわかる。
【0039】
図15は、第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたα波EEG電位を示すグラフである。図15から明らかなように、被験者の人間30に対して、10kHzを超える周波数範囲においてミクロな周波数領域で変化するゆらぎ構造をもたない仮想的な全周波成分、又は暗騒音成分のみを印加したときに比較して全周波成分を印加した方が、α波EEG電位が増大していることがわかる。それに対して、上記仮想的な全周波成分を印加しても、α波EEG電位は、ベースラインである暗騒音成分を印加した場合に比較して増大しない。
【0040】
図16は、第1の実施形態においてα波EEG電位とr−CBF値とが有意に相関する部位と、脳血流が有意に増大する部位とを示す、タライラッハ座標の各zに対する横断面図である。ここで、図16(a)はz=−4mmのときの横断面図であり、図16(b)はz=0mmのときの横断面図であり、図16(c)はz=4mmのときの横断面図である。図16から明らかなように、α波EEG電位とr−CBF値とが有意に相関する部位300と、脳血流のみが有意に増大する部位101とがともに左視床部においてほぼ重なって位置しており、左視床部の位置において脳血流が増大すれば、α波EEG電位が増大することが裏付けられる。
【0041】
図17は、第1の実施形態において左視床部の位置における正規化されたα波EEG電位に対するr−CBF値の相関関係を示すグラフである。図17から明らかなように、α波EEG電位が増大するにつれて、r−CBF値が増大しており、正の相関があり、その有意しきい値はきわめてちかいことがわかる。すなわち、左視床部の位置において脳血流が増大すれば、α波EEG電位が増大することがわかる。
【0042】
脳視床部は脳深部にある神経核の集合体で、視聴覚を含む全身からの感覚入力信号を処理して大脳皮質へ中継する拠点として重要な役割を果たしている。また、視床は大脳皮質や大脳辺縁系などからの信号を受信して統合し、視床下部などを介して内分泌系や自律神経系などの全身の制御系を統括する基幹的な拠点としても重要な役割を果たしており、人間の緊張をとくリラクゼイションとストレスとの制御に密接にかかわっている。リラックス状態の指標として広く知られている脳波α波のペースメーカーの候補のひとつとしても、視床は注目されている。さらに、視床は大脳辺縁系の一部をなしており、その局所的な脳血流値は感情の変動に関係して増加すると報告されている。最近の研究では、多くの精神分裂病患者で局所的な異常が視床の外側部に共通して見られることが報告されており、視床の働きがそこなわれることにともなってさまざまな精神分裂病症状が発生すると説明されている。このように、視床の血流をさかんにして、その活性を高めることは、人間の緊張をとき人間をリラックスさせてストレスを解消させ、心身の状態を向上させ、またはそれらを良好に維持するうえできわめて有効である。
【0043】
また、脳幹には、呼吸、血圧、血糖調節など、生命の維持に直接かかわる最も重要な生命機能の中枢が集中的に分布している。脳死の判定においても、脳幹の活動状況の評価が決定的な鍵を握っている。また、全身臓器の活動を制御する自律神経系の中枢、摂食、性行動など生物にとって基本的な行動の中枢、睡眠、覚醒などの概日周期の中枢なども脳幹に存在している。脳全体の活動水準も、脳幹の網様体賦活系が調節的な役割をになっていると考えられている。さらに、快感や覚醒の神経回路があつまっている内側前脳束(medial forebrain bundle(MFB))をはじめ、脳全体に分布するモノアミン系の重要な神経路が脳幹の神経核から派生しており、情動のはたらきに重要な役割をはたすと考えられている。このように、脳幹の血流をさかんにし、その活性を高めることは人間のこころの快適性とからだの健康を向上させ、またはそれらを良好に維持するうえできわめて有効である。
【0044】
ガムランの楽器音を聞くことによって、自然の快適環境を擬似的に設定することができ、図4に示すように、現在の都市の音環境では著しく欠乏している可聴周波数領域を超える高周波成分を印加することにより、左視床及び/又は脳幹の血流を増大させ、人間の脳をストレスのないα波支配型の状態に導き、音知覚を快適化する効果(ハイパーソニック効果)を得ることができる。従って、人間30の緊張をとき人間をリラックスさせることができ、ストレスを解消させることができ、こころの快適性を高めることができ、からだの健康を良好に維持することができる。
【0045】
以上説明したように、ガムランの楽器音のように、20kHzまでの可聴周波数範囲及びそれを超えて150kHzまでのきわめて高い周波数範囲を含み、しかも、10kHzを超える周波数成分において、1秒ないし1/10秒以内のミクロな時間領域でゆらぎが存在しており、すなわち、当該周波数成分においてミクロな時間領域で変化する非定常な信号音が存在している音を人間30に対して印加することにより、α波EEG電位を増大させることができ、人間30の緊張をといて人間30をリラックスさせてストレスを解消させることができ、人間30のこころの快適性を高めることができ、からだの健康を良好に維持することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
図2は、本発明に係る第2の実施形態である信号音発生装置の部分ブロック図、及び当該信号音発生装置によって信号を発生させるための部屋20aを示す斜視図であり、図2においては、第1の実施形態との異なる部屋20a内の構成のみを示す。従って、電力増幅器8a,8bよりも前の構成は第1の実施形態と同様である。
【0047】
第2の実施形態では、部屋20a内で、右側スピーカ9aa及び左側スピーカ9abが設けられるとともに、人間30の聴覚のみに対して楽器音を印加するための右側イヤホン9ca及び左側イヤホン9cbがそれぞれ人間30の右耳及び左耳に挿入装着される。ここで、右側イヤホン9caは、電力増幅器8aの右側出力端子に接続され22kHz以上の高周波信号音を発生する高周波信号音発生部9caaと、電力増幅器8bの右側出力端子に接続され22kHz以下の低周波信号音を発生する低周波信号音発生部9cbaとを備える。一方、左側イヤホン9cbは、電力増幅器8aの左側出力端子に接続され22kHz以上の高周波信号音を発生する高周波信号音発生部9cabと、電力増幅器8bの左側出力端子に接続され22kHz以下の低周波信号音を発生する低周波信号音発生部9cbbとを備える。以上のシステムは、第1の実施形態と同様に同一の仕様のものが2系統準備され、いわゆるステレオフォニックの状態で使用されている。電力増幅器8aの高周波成分の出力信号は、スイッチSW3を介してスピーカ9aa,9abに出力されるとともに、スイッチSW3を介してイヤホン9ca,9cbの高周波信号音発生部9caa,9cabに出力される。一方、電力増幅器8bの低周波成分の出力信号は、イヤホン9ca,9cbの低周波信号音発生部9cba,9cbbに出力される。従って、当該第2の実施形態においては、22kHz以上の高周波成分及び/又は22kHz以下の低周波成分を人間30の両耳の聴覚のみに印加する一方、22kHz以上の高周波成分を人間30の全体に印加することができる。
【0048】
第2の実施形態のr−CBF値の測定においては、GE横河メディカル社製アドバンス(Advance)型陽電子射出断層撮影装置41を用いて、断層中心間隔4.25mmで35断層のデータを、軸交差方向及び軸方向に4.2mmのFWHM(Full Width Half Maximum:半値全幅)でかつ90秒の走査撮影で得た。ここで、被測定対象の人間30に対して、演奏開始と同時に自動静脈注射器を用いて40秒間で10mCi/10mlだけ15O水を静脈に注射した。断層撮影後の画像は、米国ミネソタ州ロチェスターのメイヨ財団のANALYZEシステムで検証され、統計的分析は、英国のMRCサイクロトン装置の統計パラメータ分布図(Statistical Parameter Map;SPM)を用いて、米国マサチューセッツ州ナティックのマスワーク社のPROMATLABシステムを用いて行った。
【0049】
図18は、第2の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたα波EEG電位を示すグラフである。第2の実施形態においては、被験者の人間30に対して、以下のように信号音を印加する。
(a)イヤホン9ca,9cbの低周波信号音発生部9cba,9cbbを介して低周波成分のみを印加する(イヤホン9ca,9cbからの低周波成分のみ)。
(b)スイッチSW3をイヤホン9ca,9cb側に切り換え、イヤホン9ca,9cbの高周波信号音発生部9caa,9cabを介して高周波成分を印加するとともに、イヤホン9ca,9cbの低周波信号音発生部9cba,9cbbを介して低周波成分を印加する(イヤホン9ca,9cbからの高周波成分+イヤホン9ca,9cbからの低周波成分)。
(c)スイッチSW3をイヤホン9ca,9cb側に切り換え、電子的暗騒音成分のみをイヤホン9ca,9cbの高周波信号音発生部9caa,9cab及び低周波信号音発生部9cba,9cbbを介して印加する(電子的暗騒音のみ)。
(d)スイッチSW3をスピーカ9aa,9ab側に切り換え、スピーカ9aa,9abを介して高周波成分を印加するとともに、イヤホン9ca,9cbの低周波信号音発生部9cba,9cbbを介して低周波成分を印加する(スピーカ9aa,9abからの高周波成分+イヤホン9ca,9cbからの低周波成分)。
【0050】
図18から明らかなように、上記(a)、(b)及び(c)の場合に比較して、上記(d)の場合の方が、α波EEG電位が増大していることがわかる。
【0051】
図19は、第2の実施形態においてイヤホン9ca,9cbから可聴域音のみを印加したときに対して、イヤホン9ca,9cbから可聴域音を印加しかつスピーカ9aa,9abから高周波成分を印加した方がr−CBF値が有意に増大する脳の部分400,401,402を示す投影図であって、図19(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った投影図(サジタル投影図)であり、図19(b)はその冠状縫合に沿った投影図(コロナル投影図)であり、図19(c)はその水平面投影図である。図19から明らかなように、右脳に位置する角回に属する部位400、後部帯状回に属する部位401、及び後部帯状回の境界(プレキュネアス)の位置402の3つの部位に脳血流が統計的に有意に増大していることがわかる。
【0052】
図20は、第2の実施形態において脳の角回の位置における各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフであり、図21は、第2の実施形態において脳の後部帯状回の位置における各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフであり、図22は、第2の実施形態において脳の後部帯状回の境界(プレキュネアス(precuneus))の位置における各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフである。図20乃至図22から明らかなように、脳の角回の部位、後部帯状回内の部位、及び後部帯状回の境界の部位の3つの部位において、暗騒音成分のみを印加した場合、イヤホン9ca,9cbから低周波成分のみを印加した場合、及びイヤホン9ca,9cbから低周波成分と高周波成分を印加した場合に比較して、イヤホン9ca,9cbから低周波成分を印加しかつスピーカ9aa,9abから高周波成分を印加したときの方が脳血流が統計的に有意に増大していることがわかる。
【0053】
図23は、第2の実施形態において図19に対応し、r−CBF値が有意に増大するタライラッハ座標(x,y,z)=(28mm,−54mm,28mm)すなわち脳の角回に相当する位置400を示す断面図であって、図23(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、図23(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、図23(c)はその横断面図である。また、図24は、第2の実施形態において図19に対応し、r−CBF値が有意に増大するタライラッハ座標(x,y,z)=(14mm,−34mm,32mm)すなわち脳の後部帯状回内の位置401を示す断面図であって、図24(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、図24(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、図24(c)はその横断面図である。さらに、図25は、第2の実施形態において図19に対応し、r−CBF値が有意に増大するタライラッハ座標(x,y,z)=(10mm,−30mm,44mm)すなわち脳の後部帯状回の境界(プレキュネアス)の位置402を示す断面図であって、図25(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、図25(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、図25(c)はその横断面図である。
【0054】
図20及び図23に示すように、脳血流の増大が見られた右側の脳の角回に相当する部位は、空間の認知や身体の部位の認知などの関連する部位であるといわれている。また、図21及び図24に示すように、脳血流の増大が見られた後部帯状回に属する部位は、大脳辺縁系の一部をなし、情動と行動とのインターフェースを担当しているといわれている。さらに、図22及び図25に示すように、脳血流の増大が見られた後部帯状回の境界(プレキュネアス)に属する部位は、大脳における連合機能を含む多くの種々の機能を含む部位であるといわれている。
【0055】
以上説明したように、第2の実施形態においては、イヤホン9ca,9cbの低周波信号音発生部9cba,9cbbを介して低周波成分を印加するとともに、スピーカ9aa,9abを介して高周波成分を印加したとき(イヤホン9ca,9cbからの低周波成分+スピーカ9aa,9abからの高周波成分)の方が、α波EEG電位が増大し、かつ脳の角回の部位、後部帯状回内の部位、及び後部帯状回の境界の部位の3つの部位において脳血流が増大していることが明らかである。低周波成分については、聴覚に直接に印加するとともに、高周波成分については、被験者の人間30に対して聴覚のみならず、身体全体に印加することにより、α波EEG電位を増大させることができるとともに、脳血流を増大させることができ、人間30の緊張をといて人間30をリラックスさせてストレスを解消させることができる。
【0056】
<変形例>
以上の実施形態においては、楽器音を発生させるために、ガムラン1を用いて発生又はガムラン1の楽器音を録音して再生しているが、本発明はこれに限らず、約20Hzから20kHzまでの可聴周波数範囲及びそれを超えて150kHzまでのきわめて高い周波数範囲を含み、しかも、10kHzを超える周波数成分において1秒ないし1/10秒以内のミクロな時間領域でゆらぎが存在しており、すなわち、当該周波数成分においてミクロな時間領域で変化する非定常な音が存在している信号の信号音を例えばシンセサイザーなどにおいて用いられるアナログ信号合成処理又はデジタル信号合成処理によって発生させてもよい。また、上記楽器音の周波数成分は、約20Hzから20kHzまでの可聴周波数範囲及びそれを超えて100kHzまでの周波数を有してもよい。
【0057】
以上の実施形態においては、ガムランの楽器音を記録した後再生して、当該楽器音を発生する信号音発生装置について述べているが、本発明はこれに限らず、以下のように、種々の物体が振動することによって発生する空気の振動が伝搬する音波、すなわち音を発生する装置であってもよい。
(a)ガムランに限らず、打楽器、弦楽器、管楽器、鍵盤楽器などの楽器によって発生される音、
(b)シンセサイザーなど電子的に楽器音を発生する電子楽器装置によって発生される音、
(c)物体を振動させることによって物理的に又は機械的に発生される音、
(d)人や鳥獣などの動物や植物によって発生される音、
(e)例えば、滝や河川など自然の地形などの自然環境によって発生される音、
(f)アナログ信号処理又はデジタル信号処理などの信号処理により電気的に発生される音。
【0058】
以上の実施形態においては、音を発生する空間として部屋20,20aを例示しているが、本発明はこれに限らず、屋内の空間や、例えば列車、自動車、航空機や船舶などの乗り物、もしくは、例えば、庭園、公園、森林などの屋外の空間など、音を発生する空間であればよい。
以上の実施形態においては、低周波成分を22kHz以下の周波数成分としているが、当該低周波成分は例えば26kHz以下約20Hzまでの周波数成分、もしくは、22kHz乃至20kHz以下約20Hzまでの周波数成分であってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、可聴周波数範囲を超える所定の最大周波数までの第1の周波数範囲の周波数を有しかつ10kHzを超える第2の周波数範囲においてミクロな時間領域で変化する非定常である音を発生し、上記音を人間に対して印加することにより人間の脳血流を増大させる。従って、当該音を上述のように人間に対して印加することにより、α波EEG電位を増大させ、人間の緊張をといて人間をリラックスさせてストレスを解消させ、こころの快適性を高め、からだの健康を向上させ、あるいはそれを良好に維持することができる。
【0060】
また、本発明によれば、上記発生する音信号を上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以上の音信号を音に変換して人間に対して印加する一方、上記発生する音信号を上記第2の周波数範囲内のカットオフ周波数以下の音信号を音に変換して人間の聴覚に対して印加する。これにより、α波EEG電位をさらに増大させ、人間の緊張をといて人間をリラックスさせてストレスを解消させ、こころの快適性を高め、からだの健康を向上させ、あるいはそれを良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である信号音発生装置のブロック図、及び当該信号音発生装置によって信号を発生させるための部屋を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る第2の実施形態である信号音発生装置の部分ブロック図、及び当該信号音発生装置によって信号を発生させるための部屋を示す斜視図である。
【図3】 本実施形態で用いるガムラン、チェンバロ及びピアノによって発生された信号の周波数特性を示すグラフである。
【図4】 茨城県つくば市の山林、ジャワ島の熱帯雨林、及び東京都の道路沿いにおける環境音の周波数特性を示すグラフである。
【図5】 本実施形態で用いるガムランの100kHzまでのMEMスペクトルを示すグラフである。
【図6】 比較例であるピアノの100kHzまでのMEMスペクトルを示すグラフである。
【図7】 本実施形態で用いるガムランの20kHzまでのMEMスペクトルを示すグラフである。
【図8】 比較例であるピアノの20kHzまでのMEMスペクトルを示すグラフである。
【図9】 第1の実施形態において低周波成分のみに対して全周波成分のときの脳血流が有意に増大する脳の部分を示す投影図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った投影図(サジタル投影図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った投影図(コロナル投影図)であり、(c)はその水平面投影図である。
【図10】 第1の実施形態において図9に対応し、低周波成分のみに対して全周波成分のときの脳血流が有意に増大する脳幹の位置を示す断面図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、(c)はその横断面図である。
【図11】 第1の実施形態において図9に対応し、低周波成分のみに対して全周波成分のときの脳血流が有意に増大する、左視床の位置を示す断面図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、(c)はその横断面図である。
【図12】 第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフであって、(a)は脳幹の位置におけるr−CBF値を示すグラフであり、(b)は左視床の位置におけるr−CBF値を示すグラフである。
【図13】 第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたα波EEG電位を示すグラフである。
【図14】 第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフであって、(a)は脳幹の位置におけるr−CBF値を示すグラフであり、(b)は左視床の位置におけるr−CBF値を示すグラフである。
【図15】 第1の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたα波EEG電位を示すグラフである。
【図16】 第1の実施形態においてα波EEG電位とr−CBF値とが有意に相関する部位と、脳血流が有意に増大する部位とを示す、タライラッハ座標の各zに対する横断面図であり、(a)はz=−4mmのときの横断面図であり、(b)はz=0mmのときの横断面図であり、(c)はz=4mmのときの横断面図である。
【図17】 第1の実施形態において左視床の位置における正規化されたα波EEG電位に対するr−CBF値の相関関係を示すグラフである。
【図18】 第2の実施形態において各周波数成分に対する正規化されたα波EEG電位を示すグラフである。
【図19】 第2の実施形態においてイヤホンから可聴域音のみを印加したときに対して、イヤホンから可聴域音を印加しかつスピーカから高周波成分を印加した方がr−CBF値が有意に増大する脳の部分を示す投影図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った投影図(サジタル投影図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った投影図(コロナル投影図)であり、(c)はその水平面投影図である。
【図20】 第2の実施形態において脳の角回の位置における各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフである。
【図21】 第2の実施形態において脳の後部帯状回の位置における各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフである。
【図22】 第2の実施形態において脳の後部帯状回の境界(プレキュネアス)の位置における各周波数成分に対する正規化されたr−CBF値を示すグラフである。
【図23】 第2の実施形態において図19に対応し、r−CBF値が有意に増大する脳の角回の位置を示す断面図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、(c)はその横断面図である。
【図24】 第2の実施形態において図19に対応し、r−CBF値が有意に増大する脳の後部帯状回の位置を示す断面図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、(c)はその横断面図である。
【図25】 第2の実施形態において図19に対応し、r−CBF値が有意に増大する脳の後部帯状回の境界(プレキュネアス)の位置を示す断面図であって、(a)は人間の頭蓋の矢状縫合に沿った縦断面図(サジタル縦断面図)であり、(b)はその冠状縫合に沿った縦断面図(コロナル縦断面図)であり、(c)はその横断面図である。
【図26】 図1の信号音発生装置の各部信号の周波数特性を示すグラフであって、(a)はD/A変換器から出力される周波数成分の周波数特性を示すグラフであり、(b)はスピーカから出力される各周波数成分の周波数特性を示すグラフであり、(c)は部屋における背景雑音の周波数特性を示すグラフである。
【図27】 図1の信号音発生装置において用いられるガムラン音の高周波成分と、その周波数成分を、電子的に発生させた定常的な白色雑音を上記高周波成分の時間成分の時間平均スペクトルに近似させるようにろ波して波形成形することにより得られ、10kHzを超える周波数範囲でミクロな時間領域で変化するゆらぎ構造をもたない仮想的な定常的な高周波成分との各周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ガムラン、
2…マイクロホン、
3…前置増幅器、
4…A/D変換器、
5…D/A変換器、
6…再生増幅器、
7a…高域通過フィルタ(HPF)、
7b…低域通過フィルタ(LPF)、
8a,8b…電力増幅器、
9aa,9ba…右側スピーカ、
9ab,9bb…左側スピーカ、
9ca…右側イヤホン、
9cb…左側イヤホン、
9caa…右側イヤホン9caの高周波信号音発生部、
9cba…右側イヤホン9caの低周波信号音発生部、
9cab…左側イヤホン9cbの高周波信号音発生部、
9cbb…左側イヤホン9cbの低周波信号音発生部、
10…磁気記録再生装置、
11…磁気記録部、
12…磁気記録ヘッド、
13…磁気テープ、
14…磁気再生ヘッド、
15…磁気再生部、
20,20a…部屋、
30…人間、
31…脳波データ受信記録装置、
32…脳波検出送信装置、
33,34…アンテナ、
41…断層撮影装置、
42…断層撮影用検出装置、
SW1,SW2,SW3…スイッチ。
Claims (2)
- 26kHz以下約20Hzまでの周波数成分、もしくは、22kHz乃至20kHz以下約20Hzまでの周波数成分である可聴周波数範囲を超える周波数範囲を有する音を発生する発生手段と、
上記音を人間に対して印加する印加手段とを備えた音発生装置において、
上記発生手段は、上記可聴周波数範囲 をさらに含む音を発生し、
上記音は、上記可聴周波数範囲を超えかつ150kHzまでの第1の周波数範囲 を有し、
上記音は、10kHzを超える第2の周波数範囲 のゆらぎであって、1/10秒から1秒までの範囲の時間間隔 のミクロな時間領域に存在し、上記ミクロな時間領域において変化する非定常であるゆらぎを有し、
上記音発生装置はさらに、
上記音を、上記可聴周波数範囲 の第1の音成分と、上記可聴周波数範囲を超える周波数範囲の第2の音成分とに周波数分離するようにろ波してそれぞれ出力するフィルタ手段を備え、
上記印加手段は、
上記フィルタ手段から出力される第1の音成分を上記人間の聴覚のみ に印加する第1の印加手段と、
上記フィルタ手段から出力される第2の音成分を上記人間の全身 に印加する第2の印加手段とを備え、
上記第1と第2の印加手段による第1と第2の音成分の印加により、上記人間の脳血流を増大させることを特徴とする音発生装置。 - 請求項1記載の音発生装置によって発生された第2の音成分を上記人間の全身に対して印加するように構成されたことを特徴とする音発生空間装置。
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