JP3932358B2 - ブラディオン遺伝子導入ショウジョウバエ株 - Google Patents
ブラディオン遺伝子導入ショウジョウバエ株 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3932358B2 JP3932358B2 JP2002567052A JP2002567052A JP3932358B2 JP 3932358 B2 JP3932358 B2 JP 3932358B2 JP 2002567052 A JP2002567052 A JP 2002567052A JP 2002567052 A JP2002567052 A JP 2002567052A JP 3932358 B2 JP3932358 B2 JP 3932358B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bradion
- gene
- drosophila
- compound eye
- human
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K67/00—Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New breeds of animals
- A01K67/033—Rearing or breeding invertebrates; New breeds of invertebrates
- A01K67/0333—Genetically modified invertebrates, e.g. transgenic, polyploid
- A01K67/0337—Genetically modified Arthropods
- A01K67/0339—Genetically modified insects, e.g. Drosophila melanogaster, medfly
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
- C07K14/715—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2217/00—Genetically modified animals
- A01K2217/05—Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2267/00—Animals characterised by purpose
- A01K2267/03—Animal model, e.g. for test or diseases
- A01K2267/0331—Animal model for proliferative diseases
Description
本発明は、遺伝学的・分子生物学的解析に必要不可欠な実験個体、ショウジョウバエDrosophila melanogasterにヒトの脳神経細胞の長期生存と神経伝達機能の維持に関わる蛋白質、ブラディオン(Bradeion)遺伝子をその複眼にのみ発現する様に、人為的に組み込んでラフ・アイ(rough eye)を生じさせた特殊ショウジョウバエ株、およびその使用に関する。
従来の技術
21世紀へ向けての分子医療革命は、ポストゲノム計画として、疾病の遺伝子・物質基盤を捉えて個人特性に合わせて制御モニターシステムを構築していくことを目指している。具体的には、遺伝子病・癌・神経退行性疾患″Quality of Life″の概念に基づく社会生活を脅かす疾患群のリスクグループの検出(診断及び遺伝子モニタリング)、さらにはリスク遺伝子の発見、治療(薬剤、遺伝子治療)に対する感受性検索、個人の遺伝タイプに合った医療対応体制を確立するというものである。ここで、癌のみならず多くの疾病はmulti−gene effectであり、かつ、環境要因が大きく左右することから、何をコントロールしたら疾病にならない、ということはあり得ない。疾病になってしまったものをコントロールする、いわゆる制御技術開発を通じて疾病制御対策を講じることは可能なのである。
この概念に基づき、現在特に細胞の癌化・不死化制御技術開発が分子レベルで活発に展開されている。具体的には、細胞寿命の制御として、情報伝達系(シグナルトランスダクション)の解析として研究されることが多い。このような研究を通じて、様々な細胞増殖・分裂・癌化に関わる分子基盤が明らかにされてきた。既に、工業技術院からそのような細胞寿命制御因子としてブラディオン(Bradeion)の特許申請がなされている(特開2000−139470号公報,特願2000−308650号,米国特許出願09/440,936号)。癌、中でも大腸癌細胞、皮膚癌にのみ発現するブラディオンは、早期診断はもちろんのこと特異的阻害剤及び遺伝子治療ターゲットとして必要な諸条件を満たすことを明らかにした。
ここで、このような情報伝達物質を発見しても、従来の技術では、培養細胞レベルでの解析結果しか得ることができず、本来の目的、疾病制御もしくは遺伝子機能制御技術開発へと進展させるためには、適当な生物個体モデルを有することが必要条件になる。現在のところ、ノックアウトマウス等特殊な遺伝子改変動物がこの目的のために用いられている。
発明の開示
しかし、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスは、作成に大変な困難が伴い、かつ、発生時期より遺伝子発現がノックアウトされるため、使用できる範囲と成功例が限られている等まだ広汎な需要に応えられる生体モデルとは言えない。
近年、マウス等ほ乳類モデルに比して、ショウジョウバエDrosophila melanogasterの有用性が大きく喧伝されている。元来、ショウジョウバエは、遺伝学の遺伝育種による形質転換の実験系として、トウモロコシやエンドウマメと同様に確立されてきた。最近、ショウジョウバエにおける個体形質変異が、遺伝子群の性質によってはほ乳類モデルよりもヒトの形質をよりよく反映するということが示され始めた。特に、先にあげたシグナルトランスダクション、情報伝達系、細胞寿命に関わる遺伝子群に対して、その有用性は高い。
このショウジョウバエを用いる実験系は、その複眼形成系に上記情報伝達系に関わるヒト遺伝子を導入するものであるが、具体的には複眼形成系にのみ発現するように発現ベクターを限定している(pUAST等、図1〜3参照)。昆虫類の複眼形成系は既に知られているように、正常では、多数の形成細胞からなるが、発生時期に、その細胞周期をG0/G1に固定する様な整合性系が働き、結果として同じ細胞周期に固定されるわけである。その際、固定されたのちに細胞が分化するのはいわゆる視神経であり、すなわち、この系は、神経細胞分化能としての遺伝子機能検定系にも用いることができるわけである。1)情報伝達系遺伝子に有用であること、2)神経分化能を検定できること、3)ヒト遺伝子でマウスよりヒト機能を反映すること、4)遺伝子導入による発現変異が複眼のみにあらわれるため、ノックアウトマウスの様に発生時死亡による実験系の崩壊が避けられること、これら条件がショウジョウバエを用いた遺伝子の生体機能検定がかくも汎用されるようになってきた背景である。ここで、もう一つ追記するものは、遺伝育種系としての有用性であり、すべての遺伝子・物質群は、それが単独で機能するのではなく、細胞・個体内でそれが関わる物質群、機能性蛋白質集合体として存在するのであるから、関与する経路全体の機能動態を的確に捉えることが、疾病など個体異常の把握に直結するのである。ショウジョウバエは、遺伝的掛け合わせが可能であり、それにより各導入遺伝子群、あるいはすでに遺伝的変異が明らかである個体群との掛け合わせにより、導入遺伝子と関わる遺伝子群を個体変異、すなわち生理学的状況で明らかにすることができる。
先に、発明者の一人山口らによって、ヒト細胞寿命・細胞死決定因子p53をショウジョウバエの複眼形成系に遺伝子導入した場合、その細胞死誘発機能を個体レベルでよく再現できるという論文が発表されている。すなわち、癌化した細胞・組織の異常経路の検出と、経路に関わる原因遺伝子及びその変異の検出を基点として、次の段階では、それがリンクする物質群の解明、ひいては集合体としてのその物質群の機能解明が個体モデルとして生理的条件で可能になるわけである。これら一連の解析によって初めて疾病コントロールに結びつけることができる。
ブラディオン(Bradeion)遺伝子導入ショウジョウバエ株は、ブラディオンが介する癌の細胞増殖・分裂に関わるシグナル伝達機構を解明し、癌細胞内情報伝達物質群を検出、その動態の解明を通じて、従来知られていた遺伝子・物質群の癌特異的相関関係を解明できる生物資源である。ブラディオンは、元来は細胞増殖・分裂の際に細胞周期のM期へのエントリーを調節するものでありながら、ヒトにおいては、強い細胞特異性発現及び大腸癌細胞での細胞周期調節機能が認められることから、癌という形質転換を遂げてしまった細胞群の(異常な)ホメオスターシスの解析を可能にする鍵物質であると推定される。しかも、細胞質内で情報伝達にあずかる種々の物質と結合・会合して機能することは明らかと考えられる。
本発明は、癌細胞内の細胞分裂・増殖を維持するシグナル伝達系を明らかとすることによって、人為的な細胞の再形質転換、細胞死誘発も含めた解析を通じて新たな癌制御技術開発をもたらすことが可能であり、基盤データを提供するものである。
つまり、本研究成果は、癌細胞の遺伝子モニタリング(癌化の診断)、及び分裂・増殖制御(遺伝子治療)を通じて、最終的に個人の遺伝タイプに合った的確でコスト効率の良い診断・治療・予防に寄与するものである。
即ち、本発明は、
(1)以下の性質:
(a)ヒト由来蛋白質ブラディオンを発生時より複眼に発現するべく、ヒト由来ブラディオン遺伝子が導入されている、
(b)ブラディオンの発現により、複眼は形態異常を示す、及び
(c)ブラディオン遺伝子の導入数に応じて、複眼に生じる異常が倍加される、を有するショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)株、
(2)複眼の形態異常がラフ・アイと呼称される個々眼の細胞周期が整合されていない状態である、(1)のショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)株、及び
(3)さらに、
(d)ショウジョウバエの他の株と遺伝学的に掛け合わせが可能であり、ブラディオン遺伝子により導入された形質を子孫に伝え、かつ、掛け合わせの他のショウジョウバエ株の遺伝形質をも受け継ぐことができる、という性質を有する(1)又は(2)のショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)株、である。
ブラディオン遺伝子は、ヒト脳組織からmRNAを精製し、cDNAライブラリーを構築し、その陽性クローンを選択することにより取得することができる。ショウジョウバエに遺伝子導入するヒトブラディオン遺伝子は、ブラディオンDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるDNAも含まれる。ここで、ストリンジェントな条件とは、ブラディオンDNA配列と90%以上の相同性、好ましくは95%以上の相同性、より好ましくは97%以上の相同性が配列間に存在するときのみハイブリダイゼーションが起こることを意味する。通常、完全ハイブリッドの融解温度より約5℃〜約30℃、好ましくは約10℃〜約25℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる場合をいう。ストリンジェントな条件については、J.Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Mannual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載されており、ここに記載の条件を使用し得る。このブラディオンDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるDNAは、ブラディオンの類似体をコードする。ここで、類似体とは、ヒト由来ブラディオンと実質的に同等の性質を有し、ヒトブラディオンのアミノ酸配列中、少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有するものである。類似体は、ブラディオンと90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上の相同性を有するのが望ましい。ブラディオンには、ヒトαブラディオン、ヒトβブラディオンのいずれも含まれる。ブラディオン遺伝子は、特開2000−139470号公報に開示された方法により得ることができる。また、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に平成10年7月14日付でFERM BP−6922として、αブラディオンcDNAを含むDNAが寄託されている。また、αブラディオン遺伝子は登録ナンバー:E37353で、βブラディオン遺伝子は登録ナンバー:AB008753またはE37354で、ジーンバンクに登録されている。
さらに、αブラディオン遺伝子配列を配列番号1に、βブラディオン遺伝子配列を配列番号2に示す。配列番号1または配列番号2の全長配列をショウジョウバエに導入してもよいし、αブラディオン蛋白質の成熟ペプチド(mat_peptide)をコードしている、配列番号1の129位から1943位までの部分、βブラディオン蛋白質の成熟ペプチドをコードしている、配列番号2の129位から1562位までの部分を導入してもよい。
ブラディオン遺伝子は、例えばpUASTベクター(Brand,A.H.and Perrimon,N.(1993).Development,118,401−415.)を用いてショウジョウバエに形質転換することが可能である。導入したブラディオン遺伝子は、GAL4−UAS標的発現系(Brand,A.H.and Perrimon,N.(1993).Development,118,401−415.)を用いて、複眼原基特異的に発現させることができ、成虫複眼の形態異常が生じる。Glass−GAL4遺伝子を有する個体(眼原基特異的GAL4発現)とUAS−Bradeion遺伝子を有する個体を交配する。得られたショウジョウバエは図1に示すようにブラディオンのトランス活性化によりブラディオンを眼原基特異的に発現する。ブラディオンの発現により生じる形態異常はラフ・アイ(rough eye)と呼称され、複眼の個々眼の細胞周期が整合されない状態である。この際、導入するブラディオン遺伝子のコピー数を増すことにより、形態異常が増強される。本発明のショウジョウバエ株のその他の生物学的性質は、正常ショウジョウバエと何ら変わらない。
ショウジョウバエの他の株と交配することも可能で、交配により導入されたブラディオン遺伝子及び交配に用いた他の株の遺伝子が子孫に伝わり、該子孫にブラディオン遺伝子導入という形質及び他の株の遺伝形質を伝えることができる。
このようにして得られた本発明のショウジョウバエ株は、卵の状態で保存・送付が可能である。
以下の方法でブラディオンの過剰発現によってもたらされるラフ・アイ(rough eye)表現型を修飾する変異のスクリーニングを行うことができる。即ち、欠失染色体を持つショウジョウバエ約200系統(これらの系統の染色体欠失領域の総和は、ショウジョウバエ全ゲノムの約70%に相当する)を、国立遺伝学研究所無脊椎動物系統保存センターより入手し、それらと複眼形態異常を示す遺伝子導入ハエの系統とを逐次交配し、欠失染色体をヘテロで持たせた際、複眼の形態異常を抑圧または、増強する系統のスクリーニングを行う。さらにこれらの交配実験の結果明らかとなる、欠失により抑圧または増強の見られる染色体領域内にP−エレメントの挿入されている挿入致死変異系統(米国及びヨーロッパゲノムプロジェクトより入手可能)を収集し、同様の交配実験を行うことができる。
さらに、ブラディオンを指標としたがん診断治療薬の新規分子標的の探索も以下の方法で可能である。即ち、上記のP−エレメント挿入致死変異系統で表現型の抑圧または、増強の見られるものが得られれば、P−エレメントプラスミドレスキュー法により、P−エレメント挿入によって不活化されている遺伝子をクローン化する。クローン化された遺伝子の部分塩基配列を決定し、データベースを検索してその遺伝子産物を同定するとともに定法を用いて、それらのヒトホモログをクローン化する。また得られたP−エレメント挿入致死変異系統と機知の染色体高次構造制御遺伝子、細胞周期関連遺伝子やアポトーシス関連遺伝子の変異系統との遺伝学的相互作用を解析する。
一方樹立した遺伝子導入ハエが示す形態異常を抑圧する薬剤をスクリーニングし、新規抗がん剤の候補を探索することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
発明を実施するための最良の形態
実施例1
ブラディオンcDNAは、pUASTベクター(Brand,A.H.and Perrimon,N.(1993).Development,118,401−415.)転写因子GAL4結合配列を持つプロモーターの下流に存在するXhoI−EcoRI(blunt−ended)切断部位に連結し、組み換えプラスミドDNA(pUAST−Bradeion)を得た。これを大腸菌に遺伝子導入し、形質転換後増殖させた(図1)。
pUAST−ブラディオンDNAはキアゲンカラムで精製後、white遺伝子マイナスでかつトランスポゼース遺伝子をもつショウジョウバエ系統の受精卵に微量注入し(Spradling,A.C.(1986).Drosophila: a practical approach.Roberts,D.B.(ed.).IRL Press:Oxford,pp 175−197.)、pUAST−ブラディオンDNA内に存在するwhite遺伝子マーカーによってレスキューされるものとして形質転換体を選択した(Robertson,H.M.,Preston,C.R.,Philips,R.W.,Johnson−Schlitz,D.M.,Benz,W.K.and Engels,W.R.(1988).Genetics,118,461−470.)。このようにして樹立した系統は以下の表1にまとめてある。
GAL4−UAS標的発現系(Brand,A.H.and Perrimon,N.(1993).Development,118,401−415.)を用いて複眼原基特異的にブラディオンを過剰発現させると、成虫複眼の形態異常(ラフ・アイ 表現型)を生じる(図 2B、2Aに正常対象を示す)。またこの形態異常はUAS−ブラディオン遺伝子コピー数を増やすことにより、より増強される(図 2C)。これらの形態異常は、ショウジョウバエの抗アポトーシスタンパクDIAP1(図 3B)やDIAP2(図 3C)、あるいはバキュロウイルスの抗アポトーシスタンパクP35(図 3D)を複眼原基で共に発現させることにより抑圧される。これらのことからブラディオンの過剰発現は、複眼原基細胞にアポトーシスを誘導し、その結果として成虫複眼の形態異常を生じると考えられる。
産業上の利用性
本発明のブラディオン遺伝子導入ショウジョウバエ株を用いることにより、癌細胞の遺伝子モニタリング(癌化の診断)、及び分裂・増殖制御(遺伝子治療)を通じて、最終的に個人の遺伝タイプに合った的確でコスト効率の良い診断・治療・予防を達成することができる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、ショウジョウバエにブラディオン遺伝子を発現可能に導入する方法の模式図である。
図2は、正常に発現したショウジョウバエ成虫複眼を示す写真および複眼形態異常(ラフ・アイ)を生じた成虫複眼を示す写真である。
図3は、複眼形態異常(ラフ・アイ)を生じたショウジョウバエ成虫複眼等を示す写真である。
Claims (3)
- 以下の性質:
(a)ヒト由来蛋白質ブラディオンβを発生時より複眼のみに発現するべく、ヒト由来ブラディオンβ遺伝子が導入されている、
(b)ブラディオンβの発現により、複眼は形態異常を示す、及び
(c)ブラディオンβ遺伝子の導入数に応じて、複眼に生じる異常が倍加される、
を有するショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)株。 - 複眼の形態異常がラフ・アイと呼称される個々眼の細胞周期が整合されていない状態である、請求項1に記載のショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)株。
- さらに、
(d)ショウジョウバエの他の株と遺伝学的に掛け合わせが可能であり、ブラディオンβ遺伝子により導入された形質を子孫に伝え、かつ、掛け合わせの他のショウジョウバエ株の遺伝形質をも受け継ぐことができる、という性質を有する請求項1又は2に記載のショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)株。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001054759 | 2001-02-28 | ||
JP2001054759 | 2001-02-28 | ||
PCT/JP2002/001755 WO2002067670A1 (fr) | 2001-02-28 | 2002-02-26 | Souche de drosophile dans laquelle on a transfere un ou plusieurs genes de bradeion |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2002067670A1 JPWO2002067670A1 (ja) | 2004-06-24 |
JP3932358B2 true JP3932358B2 (ja) | 2007-06-20 |
Family
ID=18915044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002567052A Expired - Lifetime JP3932358B2 (ja) | 2001-02-28 | 2002-02-26 | ブラディオン遺伝子導入ショウジョウバエ株 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7253333B2 (ja) |
EP (1) | EP1374672B8 (ja) |
JP (1) | JP3932358B2 (ja) |
AU (1) | AU2002233753B2 (ja) |
DE (1) | DE60229508D1 (ja) |
WO (1) | WO2002067670A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011015659A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Kankyo Eisei Yakuhin Inc | Sco2関連遺伝子導入ショウジョウバエ及びその利用方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11787844B2 (en) | 2012-02-09 | 2023-10-17 | Var2 Pharmaceuticals Aps | Targeting of chondroitin sulfate glycans |
CN107980043B (zh) | 2015-05-06 | 2021-09-24 | 瓦赫宁恩大学 | 多肽用于制备作用于免疫信号转导和/或影响肠屏障功能和/或调节代谢状态的药物 |
WO2017024084A1 (en) | 2015-08-03 | 2017-02-09 | University Of Washington | Immunogenic compositions, antigen screening methods, and methods of generating immune responses |
KR20190121289A (ko) * | 2016-11-28 | 2019-10-25 | 아라팅가.바이오 에이아이오 | Cd40 및 sting 경로를 활성화하는 유전자 보조제의 발현을 위한 바이러스 벡터 작제물 |
CA3069567A1 (en) * | 2017-07-18 | 2019-01-24 | Keio University | Anti-bacterial composition against th1 cell-inducing bacteria |
KR102437436B1 (ko) * | 2019-04-26 | 2022-08-30 | 주식회사 엠디헬스케어 | 스트렙토코커스 파이오제네스 세균 유래 단백질 및 이의 용도 |
CN110235866B (zh) * | 2019-07-10 | 2021-06-04 | 源创环境科技有限公司 | 基于有机垃圾处理的黑水虻自动化养殖系统及其操作方法 |
TWI727378B (zh) * | 2019-07-24 | 2021-05-11 | 生展生物科技股份有限公司 | 嗜熱鏈球菌菌株st4及其抗發炎及預防癌症功效 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3141107B2 (ja) * | 1998-11-16 | 2001-03-05 | 工業技術院長 | ヒト由来ブラディオン蛋白質、それをコードするdna及びそれらの使用 |
-
2002
- 2002-02-26 EP EP02700810A patent/EP1374672B8/en not_active Expired - Lifetime
- 2002-02-26 JP JP2002567052A patent/JP3932358B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 2002-02-26 US US10/469,356 patent/US7253333B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-02-26 AU AU2002233753A patent/AU2002233753B2/en not_active Ceased
- 2002-02-26 DE DE60229508T patent/DE60229508D1/de not_active Expired - Fee Related
- 2002-02-26 WO PCT/JP2002/001755 patent/WO2002067670A1/ja active IP Right Grant
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011015659A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Kankyo Eisei Yakuhin Inc | Sco2関連遺伝子導入ショウジョウバエ及びその利用方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2002067670A1 (fr) | 2002-09-06 |
EP1374672B8 (en) | 2009-11-04 |
US20040117864A1 (en) | 2004-06-17 |
JPWO2002067670A1 (ja) | 2004-06-24 |
US7253333B2 (en) | 2007-08-07 |
DE60229508D1 (de) | 2008-12-04 |
EP1374672B1 (en) | 2008-10-22 |
AU2002233753B2 (en) | 2007-03-15 |
EP1374672A4 (en) | 2005-07-20 |
EP1374672A1 (en) | 2004-01-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yamamoto et al. | A drosophila genetic resource of mutants to study mechanisms underlying human genetic diseases | |
Rauskolb et al. | extradenticle determines segmental identities throughout Drosophila development | |
McMahon et al. | The midbrain-hindbrain phenotype of Wnt-1− Wnt-1− mice results from stepwise deletion of engrailed-expressing cells by 9.5 days postcoitum | |
de Nooij et al. | A cyclin-dependent kinase inhibitor, Dacapo, is necessary for timely exit from the cell cycle during Drosophila embryogenesis | |
Arama et al. | Mutations in the β-propeller domain of the Drosophila brain tumor (brat) protein induce neoplasm in the larval brain | |
Burgess et al. | Evidence for a conserved function in synapse formation reveals Phr1 as a candidate gene for respiratory failure in newborn mice | |
Seiler et al. | Myosin VI is required for structural integrity of the apical surface of sensory hair cells in zebrafish | |
Borsani et al. | Characterization of a human and murine gene (CLCN3) sharing similarities to voltage-gated chloride channels and to a yeast integral membrane protein | |
Wiellette et al. | spen encodes an RNP motif protein that interacts with Hox pathways to repress the development of head-like sclerites in the Drosophila trunk | |
Acampora et al. | Differential transcriptional control as the major molecular event in generating Otx1−/− and Otx2−/− divergent phenotypes | |
Mariani et al. | Two murine and human homologs of mab-21, a cell fate determination gene involved in Caenorhabditis elegans neural development | |
CN102037136A (zh) | 用于诊断、预防和/或护理特征为β-淀粉和/或淀粉样物质在人和/或动物器官和组织中异常沉积的人和/或动物病理的产物及它们的应用、和用于确定这种病理风险的筛选方法 | |
Graw et al. | Genetic and allelic heterogeneity of Cryg mutations in eight distinct forms of dominant cataract in the mouse | |
JP3932358B2 (ja) | ブラディオン遺伝子導入ショウジョウバエ株 | |
Chamberlin et al. | The bromodomain protein LIN-49 and trithorax-related protein LIN-59 affect development and gene expression in Caenorhabditis elegans | |
EP1324652B1 (en) | Transgenic drosophila melanogaster expressing beta amyloid | |
Bai et al. | Disruption of zebrafish cyclin G-associated kinase (GAK) function impairs the expression of Notch-dependent genes during neurogenesis and causes defects in neuronal development | |
KR101447560B1 (ko) | 인간 dyrk1a 유전자 형질전환 초파리를 이용한 치료제 스크리닝 방법 | |
Puk et al. | Mutation in a novel connexin-like gene (Gjf1) in the mouse affects early lens development and causes a variable small-eye phenotype | |
US7294710B2 (en) | High-affinity choline transporter | |
Hieu et al. | The rat Downunder (Du) coat color mutation is associated with eye anomalies and embryonic lethality and maps to a 3.9-Mb region on chromosome 3 | |
König et al. | A recessive mutation leading to vertebral ankylosis in zebrafish is associated with amino acid alterations in the homologue of the human membrane-associated guanylate kinase DLG3 | |
CA2330179A1 (en) | Human homologue of unc-53 protein of c. elegans | |
Amendt | The Molecular Mechanisms of Axenfeld-Rieger Syndrome | |
US20070293450A1 (en) | Identification of ses-3 and the uses of same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061114 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3932358 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |