JP3931281B2 - 電気抵抗溶接装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、ポータブル式の可動電極ユニットを備えた電気抵抗溶接に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
下孔のない鋼板部品のような部材に、プロジェクションボルトやプロジェクションナットを電気抵抗溶接で溶接する場合には、Cガンの可動電極側にプロジェクションボルト等を保持し、可動電極と固定電極との間に鋼板部品を介在させてプロジェクションボルト等を溶接している。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−109183号公報
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
上述のような従来技術であると、プロジェクションボルト等を鋼板部品のどの箇所に溶接するかの溶接位置が正確に設定できないという問題がある。鋼板部品にプロジェクションボルト等を溶接できても、その位置が事前に判明していないと、Cガンのような装置を十分に使い果たすことができない。また、上記の溶接位置が簡単に設定できるものでなければ、溶接位置の精度をたかめることが困難になる。特に、このような問題は、鋼板部品に下孔が明けられていないような場合に、深刻な問題となる。
【0005】
【問題を解決するための手段とその作用】
本発明は、上述のような問題を解決するために提供されたものであり、請求項1に記載の発明は、少なくとも鋼板部品を支持する基部材と、鋼板部品の裏面に密着する固定電極と、部品保持手段を有する可動電極とを備えた形式のものにおいて、可動電極を進退駆動手段に結合してポータブル式の可動電極ユニットを構成し、可動電極ユニットに形成した挿入部を受入れる受入れ部材を基部材と一体にして設置し、受入れ部材は基部材に起立した状態で固定された支持部材に固定され、受入れ部材には可動電極の進退方向にほぼ直交する向きに挿入部を受入れる挿入孔が形成され、受入れ部材の配置位置を選定することによって可動電極に保持された部品の溶接位置が設定されるように構成し、しかも溶接電流を通電する導電板が基部材に固定された支持部材側に支持筒を介して絶縁状態で取付けられており、可動電極ユニットは、前記挿入部にエアシリンダが固定されそのピストンロッドが挿入部を貫通しその先端部に可動電極結合用のテーパ孔を備えた円柱形の接続部材が結合してあるとともに、この接続部材に固定された導通板を有しており、可動電極の進出動作によって前記導電板に導通板がコンタクトできるように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置である。
【0006】
したがって、ポータブル式の可動電極ユニットの挿入部を上記受入れ部材に挿入することにより、受入れ部材の配置位置,受入れ部材に挿入される上記挿入部の大きさ寸法等があらかじめ基部材を基準にして設定されているので、ポータブル式の可動電極ユニットを受入れ部材に支持させるだけで、可動電極と固定電極との正しい位置関係が設定できる。よって、可動電極ユニットの電極が鋼板部品に接触する位置を基部材を基準にしてあらかじめ設定することができるので、作業者は特別な位置決め作業をすることなく、簡単にしかも正確に溶接位置を定めることができる。すなわち、鋼板部品の上に溶接位置を示す下孔のような目印が何もなくても、確実に正確な溶接位置の特定が可能となるのである。さらに、作業者にとっては、ポータブル式の可動電極ユニットを受入れ部材に保持させるだけの作業であるから、軽量な可動電極ユニットの取扱により、作業性が著しく向上する。さらに、導電板が、静止部材すなわち支持部材側に支持筒を介して絶縁状態で取付けられており、この導電板に可動電極ユニット側の導通板がコンタクトできるような構成とされているので、可動電極ユニットを受入れ部材に着脱するときに、太くて重たい通電ケーブルを動かす必要がなくなる。したがって、可動電極ユニットの着脱や移動が軽量な状態で実行でき、作業性の向上にとって好都合である。しかも、挿入部を挿入孔に差し込むだけで、可動電極と鋼板部品の部品溶接箇所との相対位置が正確に設定できる。そして、上記挿入孔が電極進行方向にほぼ直交する向きに開口され、そこに片状の挿入部を差し込むものであるから、可動電極を鋼板部品に圧接したときの反力が確実に受け止められ、可動電極の加圧不足が回避できる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、受入れ部材が複数配置されていることを特徴とする電気抵抗溶接装置である。このように受入れ部材が複数配置されていることによって、1つの鋼板部品に複数の部品を溶接するときの溶接位置が上記のようにして簡単にしかも正確に求めることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、受入れ部材に可動電極ユニットの電極進行方向とほぼ直交する向きの挿入孔が設けられ、可動電極ユニットに取付けた片状の挿入部が挿入孔に差し込まれるように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置である。このように上記挿入孔が電極進行方向にほぼ直交する向きに開口され、そこに片状の挿入部を差し込むものであるから、可動電極を鋼板部品に圧接したときの反力が確実に受け止められ、可動電極の加圧不足が回避できる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、少なくとも鋼板部品を支持する基部材と、鋼板部品の裏面に密着する固定電極と、部品保持手段を有する可動電極とを備えた形式のものにおいて、可動電極を進退駆動手段に結合してポータブル式の可動電極ユニットを構成し、可動電極ユニットに形成した挿入部を受入れる受入れ部材を基部材と一体にして設置し、受入れ部材は基部材に起立した状態で固定された支持部材に固定され、受入れ部材に可動電極ユニットの電極進行方向とほぼ同方向の挿入孔が設けられ、可動電極ユニットの一部に形成した円筒状の挿入部が挿入孔に差し込まれるように構成し、挿入部の外周面にその直径方向に突出するストッパピンが設けられ、このストッパピンを挿入孔に設けた溝に通してから可動電極ユニット全体をわずかに回動させて可動電極の作動反力が受入れ部材の下端面で受け止められるように構成し、受入れ部材の配置位置を選定することによって可動電極に保持された部品の溶接位置が設定されるように構成し、しかも溶接電流を通電する導電板が基部材に固定された支持部材側に支持筒を介して絶縁状態で取付けられており、可動電極ユニットは、前記挿入部にエアシリンダが固定されそのピストンロッドが挿入部を貫通しその先端部に可動電極結合用のテーパ孔を備えた円柱形の接続部材が結合してあるとともに、この接続部材に固定された導通板を有しており、可動電極の進出動作によって前記導電板に導通板がコンタクトできるように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置である。したがって、上記挿入部を挿入孔内に差し込む作業で溶接位置が確実に判明するので、可動電極ユニットの取付けが簡単な動作だけですみ、作業性向上にとって有効である。
【0010】
鋼板部品に溶接される部品は、軸部とそれと一体に形成したフランジとこのフランジに形成した溶着用突起とから構成されたプロジェクションボルトであり、可動電極にはプロジェクションボルトの軸部を受入れる受入孔が形成されているとともに、受入孔内の部品を保持する保持手段が受入孔内に設けられている。上記のような形状のプロジェクションボルトを可動電極の受入孔に差し込み、上記部品保持手段で保持位置が設定される。したがって、プロジェクションボルトと可動電極とが一体化され、しかも可動電極と正しい溶接位置があらかじめ設定されているので、プロジェクションボルトは所定の箇所に正確に溶接される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施形態にしたがって本発明をくわしく説明する。床1に少なくとも2本の支柱2が起立した状態で設置され、この支柱2に架設した状態で基部材3が固定されている。基部材3は容易に撓まない強固な板状の部材であり、図1に示すように、平面的に見てほぼ逆凹字型の形状で、この逆凹字型の切欠き4に載置段部5が形成されている。この載置段部5は、切欠き4の内縁部に沿った段形状とされている。細長い鋼板部品6は、平たい板状の部材であり、載置段部5に載せられて位置決めがなされている。載置段部5には位置決めピン7が固定されており、このピン7が載置段部5に載置された鋼板部品6を貫通して、鋼板部品6のずれ止めをしている。
【0012】
基部材3に固定したアーム部材8に固定電極9が取付けられ、その端面に載置段部5上に位置決めされた鋼板部品6が密着している。固定電極9に対応する可動電極10は、ポータブル式の可動電極ユニット17の形態とされている。厚い板部材で構成された長方形の片状の挿入部11にエアシリンダ12が固定され、そのピストンロッド13が挿入部11を貫通し、その先端部に円柱形の接続部材14が結合してある。この接続部材14のテーパ孔15に可動電極10がしっかりとはめ込まれている。また、接続部材14にはクロム銅で作られた導通板16が固定されている。したがって、可動電極ユニット17は、エアシリンダ12,挿入部11,接続部材14,可動電極10,導通板16等がユニット化された状態で構成されている。なお、挿入部11には、可動電極ユニット17を作業者が持つための棒状の取っ手41が溶接されている。また、エアシリンダ12の空気ホースは二点鎖線で図示してある。
【0013】
基部材3に、細長い板状の支持部材18が起立した状態で溶接等により固定されている。この支持部材18に受入れ部材19が固定されている。受入れ部材19としては、いろいろな形式のものが採用できるが、ここに示したものは上記挿入部11がぴったりと挿入される形式である。すなわち、受入れ部材19には、可動電極10の進退方向(可動電極10,固定電極9の軸線方向)にほぼ直交する向きに挿入孔20が形成されている。この挿入孔20に上記の挿入部11を差し込むことにより、可動電極10と固定電極9とが正しく対応した位置関係となる。
【0014】
すなわち、上記の位置関係は、支持部材18,受入れ部材19や挿入部11等の形状や寸法によって設定されるもので、この位置関係を適正に定めることにより、挿入部11を挿入孔20に差し込むだけで、可動電極10と鋼板部品6の部品溶接箇所との相対位置が正確に設定されるようになっている。
【0015】
部品としては、図4に示すように、軸部21とそれと一体に形成したフランジ22とこのフランジ22に形成した溶着用突起23とから構成された鉄製のプロジェクションボルト24である。可動電極10の中心部には、軸部21を受入れる受入孔25が明けられ、その奥にプロジェクションボルト24の保持手段であるマグネット(永久磁石)26が取付けられている。したがって、上記のように、可動電極10と鋼板部品6の部品溶接箇所との相対位置が正確に設定されるというのは、下孔等の目印のない鋼板部品6の表面の正しい位置にプロジェクションボルト24の溶着用突起23が溶接できることを意味している。したがって、鋼板部品6の複数箇所にプロジェクションボルト24を溶接する場合には、溶接箇所に対応させて受入れ部材19を複数個配置しておくのである。そして、挿入孔20の開口方向は作業者側である図1の下側、あるいは図2の右側である。
【0016】
溶接電流の通電に必要な機構について説明する。支持部材18に固定された支持筒27のガイド孔28内に、進退可能な状態でガイドロッド29が差し込まれ、このガイドロッド29に導電板30が固定されている。導電板30はコイルスプリング31で支持されている。支持部材18には長孔32が明けられ、ここを貫通している通電ケーブル33が導電板30に接続されている。また、固定電極9にも通電ケーブル34が接続され、これらケーブル33,34は図示していないが、電源機器に接続されている。なお、通電ケーブル33は、絶縁を図るために長孔32の内面に接触しないようになっている。
【0017】
なお、支持部材18の上部にリミットスイッチ35が固定され、そのセンサーロッド36が挿入孔20の奥部に臨ませてあり、挿入部11が完全に挿入孔20内に入り込まないときには、溶接電流が通電できないように制御回路が編成されている。通電ケーブル33と34の間に流れる電流がショートしないようにするために、通常の絶縁構造が採用されている。例えば、支持筒27が合成樹脂のような絶縁材料で作られており、また、鋼板部品6や固定電極9に対する絶縁を図るために、導通板16に流れた電流は可動電極10側にのみ流れるようになっている。
【0018】
また、図1および図3に簡略的に示したように、鋼板部品6を押さえ付けるクランプ機構37が設置されている。このクランプ機構37はごく一般的に採用されている形式のものであり、基部材3に溶接された支持片38にクランプレバー39が軸40によって取付けられている。通常この種のクランプ機構37には押圧用のばねやデッドポイントを通過する軸配置等が採用されているのであるが、ここではその図示や説明を省略している。
【0019】
つぎに、上記実施形態の作動について説明する。プロジェクションボルト24をあらかじめ受入孔25内に挿入して、マグネット26で抜け落ちたりしないように吸引保持がなされる。その後、取っ手41を持って挿入部11を挿入孔20内に差し込み、リミットスイッチ35のセンサーロッド36に挿入部11の先端部が突き当たると、溶接電流を通電させてもよい状態になる。この状態において、プロジェクションボルト24の溶着用突起23と鋼板部品6上の所定の溶着箇所が設定される。
【0020】
それから、エアシリンダ12を作動させて可動電極10を進出させると、導通板16が導電板30にコイルスプリング31を圧縮しながら接触し、それと相前後して溶着用突起23が鋼板部品6の所定箇所に接触する。その後は、加圧工程,予熱通電等の通常の加圧・通電制御がなされて、その箇所へのプロジェクションボルト24の溶接が完了する。それが完了すると、今度は可動電極ユニット17を受入れ部材19から抜き取って、受入孔25にプロジェクションボルト24を差し込み、隣の受入れ部材19に組み付けて、つぎの箇所にプロジェクションボルト24の溶接を行う。
【0021】
したがって、ポータブル式の可動電極ユニット17の挿入部11を上記受入れ部材19に挿入することにより、受入れ部材19の配置位置,受入れ部材19に挿入される上記挿入部11の大きさ寸法等があらかじめ基部材3を基準にして設定されているので、ポータブル式の可動電極ユニット17を受入れ部材19に支持させるだけで、可動電極10と固定電極9との正しい位置関係が設定できる。よって、可動電極ユニット17の電極10が鋼板部品6に接触する位置を基部材3を基準にしてあらかじめ設定することができるので、作業者は特別な位置決め作業をすることなく、簡単にしかも正確に溶接位置を定めることができる。すなわち、鋼板部品6の上に溶接位置を示す下孔のような目印が何もなくても、確実に正確な溶接位置の特定が可能となるのである。さらに、作業者にとっては、ポータブル式の可動電極ユニット17を受入れ部材19に保持させるだけの作業であるから、軽量な可動電極ユニット17の取扱により、作業性が著しく向上する。
【0022】
さらに、導電板30が、静止部材すなわち支持部材18側に支持筒27を介して絶縁状態で取付けられており、この導電板30に可動電極ユニット17側の導通板16がコンタクトできるような構成とされているので、可動電極ユニット17を受入れ部材19に着脱するときに、太くて重たい通電ケーブル33を動かす必要がなくなる。したがって、可動電極ユニット17の着脱や移動が軽量な状態で実行でき、作業性の向上にとって好都合である。
【0023】
図5は、本発明による電気抵抗溶接装置の第2の実施形態を示す。これは、受入れ部材19に可動電極ユニット17の電極進行方向とほぼ同方向の挿入孔20が設けられ、可動電極ユニット17の一部に形成した挿入部11が挿入孔20に差し込まれるように構成したものである。このような挿入方向であるから、受入れ部材19は、その軸心が可動電極10の軸心と同軸とされた円筒部材42で構成され、挿入部11は上記円筒部材42内にぴったりと挿入できる円筒状の形状とされている。円筒部材42はブラケット45を介して、支持部材18にしっかりと固定されている。
【0024】
そして、エアシリンダ12の進出時に可動電極ユニット17が戻らないようにするために、ストッパピン43が設けられている。このストッパピン43は、円筒状の挿入部11の外周面に直径方向に突出しており、その通過をさせるための溝44が可動電極10の進退方向に形成してある。これらの構成以外は、先の実施形態のものと同じであり、同一符号が図5,図6に記載してある。
【0025】
上記構成により、挿入部11のストッパピン43を溝44に通してから可動電極ユニット17全体をわずかに回動させると、ストッパピン43が図6の鎖線図示の位置に移動するので、エアシリンダ12の作動反力は円筒部材42の下端面で受け止められる。そして、上記挿入部11を挿入孔20内に差し込むだけの作業で溶接位置が確実に判明するので、可動電極ユニット17の取付けが簡単な動作だけですみ、作業性向上にとって有効である。このような作用効果以外は、上記の実施形態の作用効果と同じである。
【0026】
基部材3が逆凹字型の形状で、基部材3の開放側に寄せて鋼板部品6が載置されているので、鋼板部品6は図1の下側から、あるいは図2の右側から出し入れができ、作業性が向上する。それと同時に、挿入孔20を図1の下側や図2の右側にむかって開口させておくことにより、鋼板部品6の出し入れと可動電極ユニット17の出し入れが同方向から操作できるので、この点に置いても作業性が向上する。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ポータブル式の可動電極ユニットの挿入部を上記受入れ部材に挿入することにより、受入れ部材の配置位置,受入れ部材に挿入される上記挿入部の大きさ寸法等があらかじめ基部材を基準にして設定されているので、ポータブル式の可動電極ユニットを受入れ部材に支持させるだけで、可動電極と固定電極との正しい位置関係が設定できる。よって、可動電極ユニットの電極が鋼板部品に接触する位置を基部材を基準にしてあらかじめ設定することができるので、作業者は特別な位置決め作業をすることなく、簡単にしかも正確に溶接位置を定めることができる。すなわち、鋼板部品の上に溶接位置を示す下孔のような目印が何もなくても、確実に正確な溶接位置の特定が可能となるのである。さらに、作業者にとっては、ポータブル式の可動電極ユニットを受入れ部材に保持させるだけの作業であるから、軽量な可動電極ユニットの取扱により、作業性が著しく向上する。さらに、導電板が、静止部材すなわち支持部材側に支持筒を介して絶縁状態で取付けられており、この導電板に可動電極ユニット側の導通板がコンタクトできるような構成とされているので、可動電極ユニットを受入れ部材に着脱するときに、太くて重たい通電ケーブルを動かす必要がなくなる。したがって、可動電極ユニットの着脱や移動が軽量な状態で実行でき、作業性の向上にとって好都合である。しかも、挿入部を挿入孔に差し込むだけで、可動電極と鋼板部品の部品溶接箇所との相対位置が正確に設定できる。
【0028】
受入れ部材が複数配置されているので、1つの鋼板部品に複数の部品を溶接するときの溶接位置が上記のようにして簡単にしかも正確に求めることができる。
【0029】
上記挿入孔が電極進行方向にほぼ直交する向きに開口され、そこに片状の挿入部を差し込むものであるから、可動電極を鋼板部品に圧接したときの反力が確実に受け止められ、可動電極の加圧不足が回避できる。
【0030】
鋼板部品に溶接される部品は、軸部とそれと一体に形成したフランジとこのフランジに形成した溶着用突起とから構成されたプロジェクションボルトであり、可動電極にはプロジェクションボルトの軸部を受入れる受入孔が形成されているとともに、受入孔内の部品を保持する保持手段が受入孔内に設けられていることから、上記のような形状のプロジェクションボルトを可動電極の受入孔に差し込み、上記部品保持手段で保持位置が設定される。したがって、プロジェクションボルトと可動電極とが一体化され、しかも可動電極と正しい溶接位置があらかじめ設定されているので、プロジェクションボルトは所定の箇所に正確に溶接される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1のものの(2)−(2)断面図である。
【図3】 クランプ機構の簡略的な側面図である。
【図4】 可動電極の部分の断面図である。
【図5】 他の実施形態を示す部分的な側面図である。
【図6】 図5のものの部分的な断面図である。
【符号の説明】
3 基部材
6 鋼板部品
9 固定電極
10 可動電極
11 挿入部
17 可動電極ユニット
19 受入れ部材
20 挿入孔
21 軸部
22 フランジ
23 溶着用突起
24 プロジェクションボルト
25 受入孔
26 マグネット
42 円筒部材
Claims (4)
- 少なくとも鋼板部品を支持する基部材と、鋼板部品の裏面に密着する固定電極と、部品保持手段を有する可動電極とを備えた形式のものにおいて、可動電極を進退駆動手段に結合してポータブル式の可動電極ユニットを構成し、可動電極ユニットに形成した挿入部を受入れる受入れ部材を基部材と一体にして設置し、受入れ部材は基部材に起立した状態で固定された支持部材に固定され、受入れ部材には可動電極の進退方向にほぼ直交する向きに挿入部を受入れる挿入孔が形成され、受入れ部材の配置位置を選定することによって可動電極に保持された部品の溶接位置が設定されるように構成し、しかも溶接電流を通電する導電板が基部材に固定された支持部材側に支持筒を介して絶縁状態で取付けられており、可動電極ユニットは、前記挿入部にエアシリンダが固定されそのピストンロッドが挿入部を貫通しその先端部に可動電極結合用のテーパ孔を備えた円柱形の接続部材が結合してあるとともに、この接続部材に固定された導通板を有しており、可動電極の進出動作によって前記導電板に導通板がコンタクトできるように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置。
- 請求項1において、受入れ部材が複数配置されていることを特徴とする電気抵抗溶接装置。
- 請求項1または請求項2において、受入れ部材に可動電極ユニットの電極進行方向とほぼ直交する向きの挿入孔が設けられ、可動電極ユニットに取付けた片状の挿入部が挿入孔に差し込まれるように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置。
- 少なくとも鋼板部品を支持する基部材と、鋼板部品の裏面に密着する固定電極と、部品保持手段を有する可動電極とを備えた形式のものにおいて、可動電極を進退駆動手段に結合してポータブル式の可動電極ユニットを構成し、可動電極ユニットに形成した挿入部を受入れる受入れ部材を基部材と一体にして設置し、受入れ部材は基部材に起立した状態で固定された支持部材に固定され、受入れ部材に可動電極ユニットの電極進行方向とほぼ同方向の挿入孔が設けられ、可動電極ユニットの一部に形成した円筒状の挿入部が挿入孔に差し込まれるように構成し、挿入部の外周面にその直径方向に突出するストッパピンが設けられ、このストッパピンを挿入孔に設けた溝に通してから可動電極ユニット全体をわずかに回動させて可動電極の作動反力が受入れ部材の下端面で受け止められるように構成し、受入れ部材の配置位置を選定することによって可動電極に保持された部品の溶接位置が設定されるように構成し、しかも溶接電流を通電する導電板が基部材に固定された支持部材側に支持筒を介して絶縁状態で取付けられており、可動電極ユニットは、前記挿入部にエアシリンダが固定されそのピストンロッドが挿入部を貫通しその先端部に可動電極結合用のテーパ孔を備えた円柱形の接続部材が結合してあるとともに、この接続部材に固定された導通板を有しており、可動電極の進出動作によって前記導電板に導通板がコンタクトできるように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置。
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